説明

突起付きラベルの連続体

【課題】 本発明は、巻き取った際に巻き崩れを生じ難く、さらに、突起部の潰れなどを抑制できる突起付きラベルの連続体を提供する。
【解決手段】 本発明の突起付きラベルの連続体10は、基材2と前記基材2の裏面に積層された粘着剤層3と前記基材2の表面から突設された突起部4とを有する突起付きラベル1と、前記粘着剤層3を介して前記突起付きラベル1が貼付された長尺状の離型紙5と、を有し、前記突起付きラベル1の複数が前記長尺状の離型紙5の長手方向に並んで貼付されており、前記突起付きラベル1の基材2が、部分的に切り欠かれた欠損部21を有し、前記突起部4が、前記欠損部21を基準にして前記離型紙5の長手方向に存する基材2の帯状領域22の表面内に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の突起付きラベルが離型紙の上に並んで貼付された突起付きラベルの連続体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表面に突起部が突設されている突起付きラベルが知られている。
例えば、特許文献1には、表面に透明立体インクを用いて点字が表された突起付きラベルが開示されている。
このような突起付きラベルは、その使用時、周知のタックラベルと同様に、粘着剤を介して容器などの被着体に貼着される。
【0003】
また、通常の機械的製造工程において前記突起付きラベルを被着体に貼着する場合には、突起付きラベルの連続体が装填されたラベラーを用い、このラベラーによって、連続体から突起付きラベルを1枚剥離し且つ容器などの被着体に貼着する工程が連続的に繰り返される。
前記突起付きラベルの連続体は、長尺状の離型紙と複数の突起付きラベルとを有し、この離型紙の長手方向に複数の突起付きラベルが並んで貼付されている。
かかる突起付きラベルの連続体は、通常、筒状芯材に巻き取られ、ロール製品として供給される。
【0004】
ところが、突起付きラベルの表面には突起部が突出しているので、突起付きラベルの連続体を巻き取った際に、図8に示すように、1つの巻き層n100に含まれる突起部400に対応して、その外側の巻き層n200に含まれる突起部400が重なっていく。このため、連続体の巻き数が増えるに従い、外側の巻き層が幅方向にずれていき、最終的に得られるロール製品は巻き崩れを生じる。
さらに、巻き取られた突起付きラベルの連続体は、その巻き圧によって突起部400が潰れたり、或いは、その巻き圧によって突起部400に押されてラベルに凹みが生じるという問題点もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3007557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、巻き取った際に巻き崩れを生じ難く、さらに、突起部の潰れなどを抑制できる突起付きラベルの連続体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の突起付きラベルの連続体は、基材と前記基材の裏面に積層された粘着剤層と前記基材の表面から突設された突起部とを有する突起付きラベルと、前記粘着剤層を介して前記突起付きラベルが貼付された長尺状の離型紙と、を有し、前記突起付きラベルの複数が前記長尺状の離型紙の長手方向に並んで貼付されており、前記突起付きラベルの基材が、部分的に切り欠かれた欠損部を有し、前記突起部が、前記欠損部を基準にして前記離型紙の長手方向に存する基材の帯状領域の表面内に設けられている。
【0008】
上記本発明の突起付きラベルの連続体は、離型紙の長手方向に複数の突起付きラベルが貼付されているが、この突起付きラベルはその欠損部と帯状領域(突起部が設けられた帯状領域)とが離型紙の長手方向に並んで存在している。連続体の厚みは、通常、離型紙の厚みと突起付きラベルの厚みの和であるが、欠損部においては基材がないので、連続体の欠損部に対応する部分の厚みは、離型紙の厚みと同じである。
かかる突起付きラベルの連続体を芯材に巻き取ると、1つの巻き層に含まれる突起部に対応する部分に、その外側又は内側の巻き層に含まれる欠損部に対応する部分が重なるので、連続体の巻き数が増えても巻き層が幅方向にずれ難くなる。
また、突起付きラベルの連続体を巻き取った際、欠損部に対応する部分における巻き圧が強くなり過ぎないので、突起部の潰れやラベルに凹みが生じることを抑制できる。
【0009】
本発明の好ましい突起付きラベルの連続体は、前記突起部の突出高さが、前記基材及び粘着剤層の合計厚みの、1倍〜20倍とされている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の突起付きラベルの連続体は、巻き取った際に巻き層が幅方向にずれ難い。本発明によれば、ロール製品とした場合に巻き崩れの発生を生じにくい突起付きラベルの連続体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の1つの実施形態に係る突起付きラベルの平面図。
【図2】図1のII−II線断面図。
【図3】図1のIII−III線断面図。
【図4】本発明の1つの実施形態に係る突起付きラベルの連続体の一部省略平面図。
【図5】同連続体を芯材に巻き取ったロール製品の各巻き層の重なり状態を模式的に表した参考図。
【図6】本発明の突起付きラベルが貼着された容器の正面図。
【図7】本発明の他の実施形態に係る突起付きラベルの連続体の一部省略平面図。
【図8】従来の突起付きラベルの連続体を芯材に巻き取ったロール製品の各巻き層の重なり状態を模式的に表した参考図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1乃至図3において、本発明の突起付きラベル1は、基材2と、前記基材2の裏面に積層された粘着剤層3と、前記基材2の表面から突設された突起部4と、を有する。
この基材2は、部分的に切り欠かれた欠損部21を有し、前記突起部4が、前記欠損部21を基準にして基材2の一方向に存する基材2の帯状領域22の表面内に設けられている。
図1において、帯状領域22の位置を判りやすく表すために、便宜上、帯状領域22を網掛けで示している。
【0013】
図4において、本発明の突起付きラベルの連続体10は、前記突起付きラベル1と、長尺状の離型紙5と、を有し、前記基材2の一方向が長尺状の離型紙5の長手方向となるように、前記突起付きラベル1の複数が粘着剤層3を介して離型紙5の上に並んで貼付されている。
従って、本発明の突起付きラベルの連続体10は、離型紙5の長手方向に基材2の欠損部21と基材2の帯状領域22が交互に並んで配置されるように、突起付きラベル1の複数が離型紙5の長手方向に並んで貼付されている。
【0014】
なお、長尺状とは、幅方向の長さに対して、幅方向と直交する方向(長手方向)の長さが十分に長い長方形状をいい、例えば、長手方向の長さが、幅方向の長さの3倍以上、好ましくは10倍以上の長方形状をいう。長尺状の離型紙5の長手方向の具体的長さは、10m以上、好ましくは50m以上である。離型紙5の幅方向の具体的長さは、1つの突起付きラベル1の大きさや、突起付きラベル1の貼付列数などに応じて適宜設計されるが、例えば、3cm〜20cmである。
【0015】
前記基材2は、シート状のラベルの主要部材である。
基材2は、ラベルとしての機械的強度を有する柔軟なシートであれば特に限定されず、公知のシートを用いることができる。
例えば、基材2としては、紙、不織布、合成紙、合成樹脂製シート、発泡樹脂製シートなどが挙げられる。基材2は、単層構造でもよいし、2層以上が一体的に接着された積層体でもよい。基材2が積層体である場合には、紙、不織布、合成紙、合成樹脂製シート、発泡樹脂製シート及びこれら以外の機能性シートから選ばれる2層以上が積層された積層体を用いることができる。
基材2の厚みは、特に限定されないが、通常、基材2の厚みは、例えば20μm〜200μmであり、好ましくは30μm〜100μmである。
【0016】
基材2には、必要に応じて、商品名、説明書きなどの意匠印刷が施されていてもよい。
意匠印刷は、基材2の表面に施されていてもよいし、或いは、基材2の裏面又は基材2が積層体からなる場合にはその中間に施されていてもよい。意匠印刷が基材2の裏面又は基材2の中間に施される場合には、意匠印刷を透視するために、透明な基材2が用いられる。
【0017】
基材2の平面視の形状は、特に限定されず、適宜な形状に形成できる。例えば、基材2は、一部分が切り欠かれた平面視略矩形状、一部分が切り欠かれた平面視略円形状、一部分が切り欠かれた平面視略三角形状などに形成できる。なお、本明細書において、平面視の形状は、基材2の表面又は裏面を、その法線方向から見たときの形状をいう。
本実施形態では、基材2は、一部分が切り欠かれた平面視略矩形状に形成されている。
具体的には、基材2は、その一方向における長さが他方向における長さよりも長い平面視略長方形状をなし、その他方向の第1側且つ一方向の第1側における領域が小さな略長方形状に切り欠かれている。この基材2の他方向の第1側且つ一方向の第1側において切り欠かれた領域が、欠損部21である。
なお、前記一方向は、基材2の面内における一つの方向であり、前記他方向は、基材2の面内において前記一方向と直交する方向である。
【0018】
図1において、欠損部21の縦幅A21(基材2の他方向に沿った欠損部21の長さ)は、特に限定されないが、この縦幅A21が余りに短かすぎると欠損部21を設けた効果を実質的に奏さず、一方、この縦幅A21が余りに長すぎると後述する延出領域23が相対的に狭くなり、ラベル1を被着体に貼着するときにその延出領域23が歪んだ状態で貼り付くおそれがある。このような点を考慮すると、前記欠損部21の縦幅A21は、基材2の他方向の長さA2の1/5倍〜2/3倍が好ましい。
また、欠損部21の横幅B21(基材2の一方向に沿った欠損部21の長さ)は、特に限定されないが、この横幅B21が余りに短かすぎると欠損部21を設けた効果を実質的に奏さず、一方、この横幅B21が余りに長すぎると突起部4を設けるための帯状領域22の面積が相対的に小さくなりすぎる。このような点を考慮すると、前記欠損部21の横幅B21は、基材2の一方向の長さB2の1/4倍〜1/2倍が好ましい。
【0019】
基材2の具体的な寸法としては、例えば、基材2の他方向の長さA2が50mm〜200mmであり、基材2の一方向の長さB2が50mm〜200mmである。
なお、図示例では、基材2は、その一方向における長さB2が他方向における長さA2よりも長く且つ欠損部21を有する平面視略長方形状に形成されているが、これに限定されず、基材2は、その他方向における長さA2が一方向における長さB2よりも長く且つ一部に欠損部21を有する平面視略長方形状でもよいし、或いは、一部に欠損部21を有する平面視略正方形状でもよい。
【0020】
粘着剤層3は、基材2の裏面に設けられた粘着剤からなる層である。粘着剤は、基材2を被着体に接着するための剤である。粘着剤層3は、被着体から剥離することができ且つ剥離後再貼付可能なものでもよいし、或いは、被着体から剥離した後再貼付不可能なものでもよい。
粘着剤層3は、基材2の裏面全体にベタ状に設けられていてもよいし、或いは、基材2の裏面に平面視格子状又は無数のドット状などに設けられていてもよい。粘着剤層3は、基材2の裏面全体が実質的に被着体に付着するように設けられていればよいので、ベタ状以外に、前記格子状などに設けられていてもよい。
【0021】
粘着剤としては、例えば、アクリル系、ゴム系などの感圧型粘着剤を用いることができる。感圧型粘着剤は、室温で粘着性を有し、加圧することによって被着体に接着する粘着剤であって、被着体から剥離後再貼付可能なものである。
粘着剤層3の厚みは、特に限定されず、通常、15μm〜30μmである。
【0022】
突起部4は、欠損部21から基材2の一方向に存する基材2の帯状領域22の表面内に設けられている。前記欠損部21及び帯状領域22は、所定の縦幅を有し且つ基材2の一方向に延びる帯状の範囲に基材2の面内を区画したときに、前記帯状の範囲に並んで存在している。
換言すると、基材2は、一方向に延びる帯状領域22と、この帯状領域22よりも一方向において長く且つ突起部4が設けられていない領域と、を有し、その突起部4が設けられていない領域は、帯状領域22よりも一方向の第1側に延出された延出領域23を含んでいる。
前記帯状領域22の縦幅は、欠損部21の縦幅A21と同じであり、帯状領域22の横幅は、基材2の一方向の長さB2から欠損部21の横幅B21を減算した長さと同じである。
【0023】
突起部4は、帯状領域22にのみ設けられており、帯状領域22以外の基材2の表面には設けられていない。突起部4は、1つの帯状領域22に1個だけ設けられていてもよいが、通常、図示したように複数設けられる。
突起部4は、例えば、視覚障害者が触覚で読むための点字、立体的なデザイン、或いは、ラベルを貼着した被着体を把持し且つ回すときに空回り防止のためのグリップ付与部などとして機能し得る。
例えば、突起部4を点字として機能させる場合には、所定の文字を点字で表すように複数の突起部4が基材2の帯状領域22の表面から突設される。
図示例の突起付きラベル1は、突起部4をグリップ付与部として機能させる場合であり、この場合、複数の突起部4が、例えば、基材2の他方向に所定間隔を開けて1列又は2列以上で且つ基材2の一方向に所定間隔を開けて並設される。
【0024】
突起部4は、基材2の表面に樹脂又は立体インキをスポット的に塗着することによって設けることができる。
1つの突起部4の平面視形状は、特に限定されず、例えば、平面視略円状、略矩形状などが挙げられ、形成が容易であることから、突起部4は平面視略円状であることが好ましい。
1つの突起部4の大きさは適宜設定されるが、平面視略円状の突起部4である場合を例に採ると、その直径は、1mm〜3mm程度である。
【0025】
図2において、1つの突起部4の突出高さH4は、特に限定されないが、突起部4の突出高さH4が余りに低い場合には、点字機能、立体的デザイン機能、又はグリップ付与機能を十分に発揮せず、突起部4の突出高さH4が余りに高い場合には、連続体の巻き崩れを効果的に防止できないおそれがある。
このような点から、突起部4の突出高さH4は、前記基材2の厚み及び粘着剤層3の厚みの合計の、1倍〜20倍の長さであることが好ましく、3倍〜10倍がより好ましい。
なお、突起部4の突出高さH4は、基材2の表面から突起部4の最高点までの高さである。
【0026】
離型紙5は、長尺状の帯状シートであり、巻き取り可能なように柔軟なシートから形成されている。
離型紙5は、従来公知の材質からなり、例えば、紙、合成紙、合成樹脂製シートなどから形成できる。離型紙5の表面には、従来公知の剥離処理が施されている。
一般に、離型紙5は、離型フィルムなどとも呼ばれている。
【0027】
図4に示すように、上記突起付きラベル1を、その基材2の一方向が離型紙5の長手方向と略平行となるように、粘着剤層3を介して離型紙5の表面(離型処理面)の長手方向に並べて貼付することにより、本発明の突起付きラベルの連続体10が構成されている。
各突起付きラベル1は、向きを揃えて所定間隔を開けて離型紙5に貼付されている。具体的には、突起付きラベル1の他方向に沿った第1側縁1aを離型紙5の先端縁5a側に向け、各突起付きラベル1が離型紙5上に並べて貼付されている。従って、隣接する突起付きラベル1は、1つの突起付きラベル1の第1側縁1aとその隣の突起付きラベル1の第2側縁1b(第2側縁とは第1側縁に対向する側縁である)の間に所定間隔を開けて並んでいる。前記所定間隔(隣接する突起付きラベル1の間隔)は、好ましくは10mm以下であり、より好ましくは5mm以下である。
【0028】
なお、1つの突起付きラベル1の第1側縁1aとその隣りの突起付きラベル1の第2側縁1bとが接した状態で、各突起付きラベル1が並んで貼付されていてもよい。
また、図4に示す連続体10は、離型紙5に突起付きラベル1が1列貼付されているが、幅広な離型紙5を用いた場合には、長手方向に並んで貼付される複数の突起付きラベル1を、離型紙5の幅方向に2列以上の配置してもよい(図示せず)。
【0029】
本発明の突起付きラベルの連続体10は、突起付きラベル1の複数が長尺状の離型紙5の長手方向に並んで貼付されており、突起付きラベル1の基材2が、部分的に切り欠かれた欠損部21を有し、突起部4が、基材2の欠損部21を基準にして離型紙5の長手方向に存する基材2の帯状領域22の表面内に設けられている。
つまり、本発明の突起付きラベルの連続体10は、離型紙5の長手方向に、突起付きラベル1の欠損部21と帯状領域22(突起部4が設けられた帯状領域22)とが存在している。
【0030】
突起付きラベルの連続体10の厚みは、離型紙5の厚みと突起付きラベル1の厚みの和である。詳細に分説すると、連続体10の突起部4に対応する部分の厚みは、離型紙5の厚み、粘着剤層3の厚み、基材2の厚み及び突起部4の突出高さH4の和であり、この部分における連続体10の厚みが、連続体10の各部位の中で最大である。他方、欠損部21においては基材2がないので、連続体10の欠損部21に対応する部分の厚みは、離型紙5の厚みと同じであり、この部分における連続体10の厚みは、最小である。また、帯状領域22の中で突起部4が設けられていない領域に対応する部分の厚みは、離型紙5の厚み、粘着剤層3の厚み及び基材2の厚みの和であり、この部分における連続体10の厚みは、前記最小厚みと最大厚みの間である。
以下、連続体10の各部位の中で、突起部4に対応する部分を「突起対応部分」、欠損部21に対応する部分を「欠損対応部分」、突起部4が設けられていない帯状領域22に対応する部分を「基材対応部分」という。
【0031】
上記突起付きラベルの連続体10は、図5に示すように、円筒状の芯材8に巻き取られてロール製品とされる。
本発明のように、離型紙5の長手方向に欠損部21と突起部4を有する帯状領域22とが交互に存在する突起付きラベルの連続体10を、芯材8に巻き取ると、1つの巻き層n1に含まれる突起対応部分Xに、その外側の巻き層n2に含まれる欠損対応部分Yが重なる。上述のように、突起対応領域Xの厚みは最大であり、欠損対応部分Yの厚みは最小であり、両部分が重なったところでは、図5に示すように、突起部4に押されて離型紙5が変形して突起対応部分Xの厚みを吸収する。よって、最大厚みを有する突起対応部分Xに起因して連続体10の巻き層n1,n2,…が幅方向に巻きずれすることを防止できる。
【0032】
ただし、全ての巻き層n1,n2,…において突起対応部分Xと欠損対応部分Yとが重なっているわけではない。例えば、図5に示すように、ある巻き層n3に含まれる突起対応部分Xにその外側の巻き層n4に含まれる突起対応部分Xが重なる場合も生じるし、巻き層n5の基材対応部分Zに巻き層n6の欠損対応部分Yが重なる場合も生じるし、欠損対応部分同士が重なる場合なども生じる。
【0033】
もっとも、ロール製品は、連続体10が芯材8の回りに数十周〜数百周の巻かれることが多い。このため、上述のように、突起対応部分Xと欠損対応部分Yの重なり以外に、突起対応部分同士などの重なりが生じても、ロール製品の全体からすれば、各巻き層n1,n2,…の厚み方向の歪みが平均化される。よって、本発明の突起付きラベルの連続体10は、図5に示すように、ロール製品として巻き取った際に、巻き崩れが生じ難くなるのである。
【0034】
さらに、欠損部が形成されていない突起付きラベルの連続体と本発明のように欠損部21が形成されている突起付きラベルの連続体1を、同じ巻き数で巻き取った場合を比較すると、本発明の突起付きラベルの連続体の方が、巻き径を比較的小さくできる。
また、突起付きラベルの連続体1を芯材8に巻き取った際、欠損部21に対応する部分における巻き圧が強くなり過ぎないので、突起部4の潰れやラベルに凹みが生じることを抑制できる。
【0035】
ロール製品とされた突起付きラベルの連続体10は、通常、ラベラーに装填される。ラベラーによって、個々の突起付きラベル1が離型紙5から引き剥がされ、被着体に貼着される。
図6は、容器9の胴部(被着体)に本発明の突起付きラベル1を貼着したラベル付き容器の一例である。
この図示例では、突起付きラベル1が容器9の胴部に巻き付けられている。本発明の突起付きラベル1は、欠損部21を補完するように、欠損部21の上に帯状領域22が重なるように巻き付けることが好ましい。つまり、基材2の一方向の第2側と基材2の延出領域23が重なるように突起付きラベル1を巻き付けることにより、図6に示すように、容器9の胴部の周方向全体を突起付きラベル1にて覆うことができる。
【0036】
次に、突起付きラベルの連続体の他の実施形態を説明する。ただし、以下の他の実施形態に係る突起付きラベルの連続体の説明において、上記実施形態と同様の構成及び効果に関する説明は省略し、用語及び符号をそのまま援用する。
【0037】
上記実施形態における突起付きラベル1は、欠損部21が基材2の他方向の第1側に形成されているが、例えば、図7(a)に示すように、欠損部21が基材2の他方向の第1側及び第2側にそれぞれ形成されていてもよい。この場合、1つの基材2に欠損部21が2箇所形成されているので、突起部4が設けられる帯状領域22も、各欠損部21に対応して2箇所設けられる。
【0038】
また、図7(b)に示すように、欠損部21が基材2の他方向の中央部に形成されていてもよい。或いは、図7(c)に示すように、欠損部21が基材2の面内に形成されていてもよい。前記基材2の面内に形成される欠損部21は、基材2の面内に無端状の切取り線を形成し、その切取り線で囲われた領域を除去することによって生じる開口部である。基材2の面内に欠損部21が形成されている場合、突起部4が設けられる帯状領域22は、その欠損部21を基準にして一方向(連続体10においては長手方向)の第1側及び第2側にそれぞれ存する。
上記何れの他の実施形態の連続体10においても、突起部4が、欠損部21を基準にして離型紙5の長手方向に存する基材2の帯状領域22の表面内に設けられており、離型紙5の長手方向に欠損部21と帯状領域22が配置されている。
【符号の説明】
【0039】
1…突起付きラベル、2…基材、21…欠損部、22…帯状領域、3…粘着剤層、4…突起部、5…離型紙、10…突起付きラベルの連続体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と前記基材の裏面に積層された粘着剤層と前記基材の表面から突設された突起部とを有する突起付きラベルと、前記粘着剤層を介して前記突起付きラベルが貼付された長尺状の離型紙と、を有し、
前記突起付きラベルの複数が前記長尺状の離型紙の長手方向に並んで貼付されており、
前記突起付きラベルの基材が、部分的に切り欠かれた欠損部を有し、
前記突起部が、前記欠損部を基準にして前記離型紙の長手方向に存する基材の帯状領域の表面内に設けられていることを特徴とする突起付きラベルの連続体。
【請求項2】
前記突起部の突出高さが、前記基材及び粘着剤層の合計厚みの、1倍〜20倍である請求項1に記載の突起付きラベルの連続体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−185415(P2012−185415A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−49846(P2011−49846)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)