説明

窒化アルミニウム種結晶の固定方法、台座−種結晶固定体、窒化アルミニウム単結晶の製造方法および窒化アルミニウム単結晶

【課題】単結晶成長時に台座と種結晶との間に空隙が生じることを抑制可能な窒化アルミニウム種結晶の固定方法、該固定方法を用いて得られる台座−種結晶固定体、前記固定方法を用いて固定された種結晶を用いた窒化アルミニウム単結晶の製造方法、及び該製造方法により得られる窒化アルミニウム単結晶の提供。
【解決手段】本発明の窒化アルミニウム種結晶の固定方法は、窒化アルミニウム単結晶を成長させるための窒化アルミニウム種結晶を台座に固定する方法であって、タングステンまたはタンタルを含んでなる台座1の一面上に、融点1900℃以下で且つ加熱処理により前記台座と反応しうる金属材料からなる金属層2を形成する第1工程と、金属層2上に窒化アルミニウムの種結晶3を配置する第2工程と、台座1と金属層2と種結晶3とがこの順に積層された積層体5を加熱処理し、台座1上方に種結晶3を固定する第3工程と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窒化アルミニウム種結晶の固定方法、台座−種結晶固定体、窒化アルミニウム単結晶の製造方法および窒化アルミニウム単結晶に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、青色発光素子に端を発し、GaN系窒化物半導体に関する研究開発は目覚しい進展をみせている。GaN系半導体素子は、成長基板上に有機金属気相成長法(Metalorganic vapor phase epitaxy,MOVPE)により製造されており、現在、成長基板としては、サファイア、SiC、Siが用いられている。これらの基板はGaNとの格子不整合が大きいため、GaN層に高密度に転位が発生してしまう。高密度の転位は、発光素子やパワーデバイスの性能や寿命に悪影響を及ぼす。このため、GaNとの格子不整合がより小さい基板材料が求められている。
【0003】
AlN単結晶は、GaNと全率固溶し、格子不整合は2.4%と小さい。また、熱伝導率は290Wm−1−1と高いため、GaN系、特に格子不整合の小さいAlGaN系半導体の基板材料として期待されている。AlN単結晶の作製方法は、溶液法ではフラックス法、気相法ではMOVPE、水素化物気相堆積法(Hydride vapor phase epitaxy,HVPE)、昇華法などがある。これらの中でも、昇華法は、一般的に成長速度が大きいため、バルク結晶の作製に対して有力な方法である。昇華法とは、原料であるAlNを昇華させ、それを昇華温度より低い温度領域である成長部において再凝縮させ、結晶を成長させる方法である。特に、成長部において台座に種結晶を固定しておくと、種結晶に引き続いて単結晶が成長する。
種結晶の固定は、特許文献1に記載のように、カーボン系などの接着剤で行う方法がよく採られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−119098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
接着剤による固定では、接着剤を熱処理により硬化する際、接着剤に含まれる溶剤が気化した部分に空隙が残りやすい。台座と種結晶の界面に空隙が存在すると、種結晶よりも台座の方が低温であるため、種結晶裏面から台座に向かって昇華が起こる。この現象は温度勾配のある方向、すなわち、種結晶から成長結晶にまで引き続いて起こり、成長結晶内に空隙をもたらす。成長結晶に空隙が入ることは、商品に欠陥が含まれていることであるため、重大な問題である。
【0006】
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたものであり、単結晶成長時に台座と種結晶との間に空隙が生じることを抑制可能な窒化アルミニウム種結晶の固定方法、該固定方法を用いて得られる台座−種結晶固定体、前記固定方法を用いて固定された種結晶を用いた窒化アルミニウム単結晶の製造方法、および該製造方法により得られる窒化アルミニウム単結晶を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の窒化アルミニウム種結晶の固定方法は、窒化アルミニウム単結晶を成長させるための窒化アルミニウム種結晶を台座に固定する方法であって、 タングステンまたはタンタルを含んでなる台座の一面上に、融点1900℃以下で且つ加熱処理により前記台座と反応しうる金属材料からなる金属層を形成する第1工程と、前記金属層上に窒化アルミニウムの種結晶を配置する第2工程と、前記台座と前記金属層と前記種結晶とがこの順に積層された積層体を加熱処理し、前記台座上方に前記種結晶を固定する第3工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の窒化アルミニウム種結晶の固定方法は、タングステンまたはタンタルを含んでなる台座の一面上に、融点1900℃以下で且つ加熱処理により前記台座と反応しうる金属材料からなる金属層と、窒化アルミニウムの種結晶を積層させて加熱処理を行う構成である。そのため、本発明の窒化アルミニウム種結晶の固定方法によれば、台座を構成するタングステンまたはタンタルと金属層を構成する金属材料とが反応して合金を形成し、この合金からなる接合層を介して、台座と窒化アルミニウム種結晶とが強固に接合される。また、接合層は、金属層を構成する金属材料と、台座を構成するタングステンまたはタンタルとが反応した合金からなるため、窒化アルミニウム単結晶成長時の高温条件化においても、接合層内に空隙が形成されることがなく、高品質の窒化アルミニウム単結晶を成長させることができる。
【0008】
本発明の窒化アルミニウム種結晶の固定方法において、前記金属層が、アルミニウムを含むことが好ましい。
アルミニウムは融点以上の還元雰囲気下で、台座を構成するタングステン或いはタンタルと反応して合金を形成することができる。形成された合金(Al−W合金またはAl−Ta合金)は、窒化アルミニウム昇華法成長条件では液体にならないため、窒化アルミニウム種結晶に顕著な影響を及ぼさない。また、窒化アルミニウムのアルミニウムへの溶解度は、2500℃においても1wt%もない。そのため、第3工程でアルミニウムよりなる金属層を溶かして台座と反応させても、窒化アルミニウム種結晶は極僅かしかAlに溶けず、形状や品質を損ねることはない。以上の観点から、金属層はアルミニウムを含むことが特に好ましい。
【0009】
本発明の窒化アルミニウム種結晶の固定方法において、前記金属層の厚さが、2μm以上200μm以下であることも好ましい。
この場合、金属層の厚さを前記範囲とすることにより、より密着性良好に台座に窒化アルミニウム種結晶を固定できる。
【0010】
本発明の窒化アルミニウム種結晶の固定方法において、前記第3工程における加熱処理を、800℃以上1800℃以下で行うことも好ましい。
この場合、窒化アルミニウム種結晶が昇華することを抑止しつつ、金属層と台座を構成するタングステンまたはタンタルとを反応させることができ、さらに密着性良好に台座に窒化アルミニウム種結晶を固定できる。
【0011】
本発明の台座−種結晶固定体は、上記本発明の窒化アルミニウム種結晶の固定方法を用いて得られ、前記台座上に、接合層を介して前記窒化アルミニウム種結晶が固定された台座−種結晶固定体であって、前記接合層が、前記金属層を構成する金属材料と、前記台座に含まれるタングステンまたはタンタルとが反応した合金を含んでなることを特徴とする。
本発明の台座−種結晶固定体において、台座と種結晶は、上記金属層を構成する金属材料と、台座を構成するタングステンまたはタンタルとが反応した合金を含んでなる接合層を介して固定されている。そのため、窒化アルミニウム単結晶成長時の高温条件化においても、接合層内に空隙が形成されることがなく、高品質の窒化アルミニウム単結晶を成長させることができる。
【0012】
本発明の窒化アルミニウム単結晶の製造方法は、上記本発明の窒化アルミニウム種結晶の固定方法により台座に固定された種結晶を用い、前記種結晶上に窒化アルミニウム原料からの昇華ガスを供給し、前記種結晶上に窒化アルミニウム単結晶を成長させることを特徴とする。
本発明の窒化アルミニウム単結晶の製造方法は、上記本発明の窒化アルミニウム種結晶の固定方法により台座に固定された種結晶を用いる構成である。台座と種結晶は、金属層を構成する金属材料と、台座を構成するタングステンまたはタンタルとが反応した合金を介して固定されているため、窒化アルミニウム単結晶成長時の高温条件化においても、この合金(接合層)内に空隙が形成されることがなく、高品質の窒化アルミニウム単結晶を成長させることができる。
また、本発明は、上記本発明の窒化アルミニウム単結晶の製造方法を用いて得られる窒化アルミニウム単結晶を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、単結晶成長時に台座と種結晶との間に空隙が生じることを抑制可能な窒化アルミニウム種結晶の固定方法、該固定方法を用いて得られる台座−種結晶固定体、前記固定方法を用いて固定された種結晶を用いた窒化アルミニウム単結晶の製造方法、および該製造方法により得られる窒化アルミニウム単結晶を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る窒化アルミニウム種結晶の固定方法の一例を示す工程図である。
【図2】本発明に係る窒化アルミニウム種結晶の固定方法の第3工程における加熱処理に用いる装置の一例を示す断面模式図である。
【図3】本発明に係る窒化アルミニウム単結晶の製造方法に用いる装置の一例を示す断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の窒化アルミニウム種結晶の固定方法、台座−種結晶固定体、窒化アルミニウム単結晶の製造方法、および窒化アルミニウム単結晶の実施の形態について説明する。
[窒化アルミニウム種結晶の固定方法]
本発明の窒化アルミニウム種結晶の固定方法は、窒化アルミニウム単結晶を成長させるための窒化アルミニウム種結晶を台座に固定する方法であって、
タングステンまたはタンタルを含んでなる台座の一面上に、融点1900℃以下で且つ加熱処理により前記台座と反応しうる金属材料からなる金属層を形成する第1工程と、
前記金属層上に窒化アルミニウムの種結晶を配置する第2工程と、
前記台座と前記金属層と前記種結晶とがこの順に積層された積層体を加熱処理し、前記台座上方に前記種結晶を固定する第3工程と、を備えることを特徴とする。
【0016】
図1は本発明に係る窒化アルミニウム種結晶の固定方法の一例を示す工程図である。
(第1工程)
第1工程では、まず、タングステンまたはタンタルを含んでなる台座1を準備する。タングステンおよびタンタルは、従来、種結晶固定用の台座として使用されている黒鉛よりも耐食性が高く、融点も高い(タングステンの融点:約3400℃、タンタルの融点:約3000℃)ため、台座1の材質として好適である。
台座1は、タングステンまたはタンタルを含む金属材料であれば好適であるが、中でも、タングステンまたはタンタルのいずれか一種から構成されることが特に好ましい。
台座1の形状は、特に限定されず適宜調整可能である。図1に示す例では、円盤状の台座1は、窒化アルミニウム種結晶3を固定する面側の中央部1aが、種結晶3の形状に合わせて円柱状に突設されている。しかし、本発明に適用可能な台座1は、種結晶3を固定する面側の中央部が突設されていなくてもよく、また、円盤状以外に、矩形状、多角形状、不定形状のいずれでもよい。
【0017】
次に、図1(a)に示すように、台座1の一面上(図1に示す例では台座1の中央部1a上)に、金属層2を形成する。
金属層2は、融点1900℃以下で且つ後述する第3工程の加熱処理により、台座11を構成するタングステンまたはタンタルと反応し、合金(接合層)を形成することができる金属材料から形成されている。
窒化アルミニウムは1900℃を超えると昇華しやすくなる傾向があるため、金属層2の材質は融点が1900℃以下の金属材料とする必要がある。金属層2を構成する金属材料の融点は、より好ましくは1800℃以下である。
【0018】
金属層2の材質としては、具体的には、アルミニウム、チタン、鉄を含むものが好ましく、中でもアルミニウムを含むものが好ましく、具体的にはアルミニウム、アルミニウム合金が好ましい。金属層2がアルミニウムを含む場合、金属層2中のアルミニウムの含有量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは50質量%以上である。
【0019】
昇華法による窒化アルミニウム単結晶成長は、通常、圧力100〜760Torr(1.33×10〜10.13×10Pa)、成長温度1700〜2200℃で行われる。そのため、金属層2としては、後述の第3工程で加熱処理され台座1を構成するタングステンまたはタンタルと反応して合金(接合層)となるが、この合金(接合層)が窒化アルミニウム単結晶成長条件において窒化アルミニウムおよび台座材料に影響を及ぼさないことが必要である。アルミニウムは融点(660℃)以上の還元雰囲気下で、台座1を構成するタングステン或いはタンタルと反応して合金を形成することができる。形成された合金(Al−W合金またはAl−Ta合金)は、窒化アルミニウム昇華法成長条件では液体にならないため、窒化アルミニウム種結晶3に顕著な影響を及ぼさない。また、窒化アルミニウムのアルミニウムへの溶解度は、2500℃においても1wt%もない。そのため、後述する第3工程でアルミニウムよりなる金属層2を溶かして台座1と反応させても、窒化アルミニウム種結晶3は極僅かしかAlに溶けず、形状や品質を損ねることはない。以上の観点から、金属層2はアルミニウムを含むことが特に好ましい。
【0020】
金属層2の厚さは、特に限定されず適宜調整可能であるが、2μm以上200μm以下とすることが好ましい。金属層2の厚さを前記範囲とすることにより、より密着性良好に台座1に窒化アルミニウム種結晶3を固定できる。金属層2の厚さが2μm未満の場合は、金属層2の厚さが薄すぎるために、固定面全体に均一に台座1と窒化アルミニウム種結晶3を密着させることができない場合がある。また、金属層2の厚さが200μmを超える場合は、金属層2の厚さが厚すぎることにより、後述する第3工程の加熱処理時に、溶融した金属層2が種結晶3の周囲に回りこんでしまい、加熱処理後の冷却の際に熱応力が生じて種結晶3の周囲にクラックが発生する場合がある。
【0021】
金属層2の形状および寸法は、固定しようとする種結晶3の固定面と同一あるいは若干小さい寸法であれば特に限定されず適宜調整可能である。
【0022】
台座1上への金属層2の形成方法は、特に限定されず、従来公知の方法を適用でき、シート状に加工された金属材料(金属シート)を台座1上に載置して積層してもよく、スパッタ法や蒸着法などの気相法により成膜してもよい。
【0023】
(第2工程)
次に、図1(b)に示すように、台座1上に形成された金属層2の上に、窒化アルミニウム種結晶3を配置する。
窒化アルミニウム種結晶3の寸法および形状は特に限定されず、例えば、板状または円板状である。
【0024】
(第3工程)
第3工程では、まず、図1(c)に示すように、第2工程で台座1上に金属層2を介して窒化アルミニウム単結晶3を積層した積層体の単結晶3の上に、加圧部材4を載置する。
加圧部材4は本工程における加熱処理により溶融せず、また、窒化アルミニウム単結晶3と反応しないものが好ましく、例えば、タングステン、タンタル、ニオブ、モリブデン、レニウム、黒鉛などが挙げられる。
加圧部材4の重量は、加熱処理中に窒化アルミニウム種結晶3の位置がずれることを抑制できればよく、例えば、0.5kPa〜30kPaの範囲の圧力を加えられる重量とすることができる。
加圧部材4の寸法および形状は特に限定されないが、円柱状が好ましい。
【0025】
次に、台座1上に金属層2と窒化アルミニウム種結晶3と加圧部材4を積層した積層体5を、加熱処理する。
図2は、本実施形態の窒化アルミニウム種結晶の固定方法の第3工程における加熱処理に用いる装置の一例を示す断面模式図である。図2に示す加熱処理装置20は、内部に積層体5を収容する空間を備えたるつぼ11と、るつぼ11の外周を覆う断熱材12と、るつぼ11と断熱材12の外側に設けられたるつぼ11を加熱するための加熱手段15と、を備えている。断熱材12には、るつぼ11の上部側および下部側にそれぞれ1箇所づつ孔12a、12bが設けられており、この孔12aを介してるつぼ11の上部温度を監視するための放射温度計14がるつぼ11および断熱材12の上部に設けられており、孔12bを介してるつぼ11の下部温度を監視するための放射温度計15がるつぼ11および断熱材12の下部に設けられている。
【0026】
るつぼ11は、有底筒状のるつぼ本体11aと、このるつぼ本体11aの上部に載置された、るつぼ本体11a内の空間を外部と仕切るための蓋体11bとから構成されている。ここで、蓋体11bは、るつぼ本体11aの開口部上部に載置あるいは嵌め合わせられている状態であり、ガスの出入りが容易な準密閉空間となっている。
るつぼ11の材質としては、黒鉛、タングステン、レニウム、タンタルが挙げられる。
【0027】
断熱材12としては、例えば、カーボン製成型断熱材が挙げられる。
加熱手段15は、るつぼ11および断熱材12の周囲に螺旋状に巻かれた高周波コイルであり、この高周波コイルに高周波電流を印加することで誘導加熱によりるつぼ11を発熱させる。
なお、加熱手段15としては、誘導加熱による高周波コイルに限定されず、抵抗加熱によりるつぼ11を発熱させることができるものでもよい。
【0028】
加熱処理容器20は、るつぼ11および断熱材12を収容する収容容器(図示略)を備えている。この収容容器には、収容容器内の圧力を減圧状態にするための真空ポンプなどの減圧装置(図示略)と、収容容器内に不活性ガスを導入するためのガス供給装置(図示略)がそれぞれ接続されている。ここで、不活性ガスとしては、アルゴン、ヘリウムもしくはネオン等の希ガス、または窒素ガスが挙げられる。
【0029】
図2に示す加熱処理装置20のるつぼ11内に、台座1上に金属層2と窒化アルミニウム種結晶3と加圧部材4を積層した積層体5を配置し、加熱処理を行う。
るつぼ11内に積層体5を配置した後、るつぼ11を収容している収容容器(図示略)に接続された減圧装置を操作し、さらに、ガス供給装置を操作して収容容器内にアルゴンなどの不活性ガスを供給し、還元雰囲気とする。加熱処理時のるつぼ11および収容容器内の圧力は、例えば、1〜760Torr(1.33×10〜10.13×10Pa)に設定する。
【0030】
次に、加熱手段15によりるつぼ11を発熱させて、積層体5を加熱処理する。
加熱処理の温度は、金属層2を構成する金属材料の融点以上、且つ、窒化アルミニウム単結晶3が著しく昇華する温度以下で行う必要がある。加熱処理の温度は、2000℃未満が好ましく、1900℃以下がより好ましく、1800℃以下がさらに好ましい。また、加熱処理の温度の下限値は、金属層2を構成する金属材料の融点により適宜決定される。
【0031】
金属層2がアルミニウムを含む金属材料からなる場合、加熱処理の温度は、800℃以上2000℃未満とすることが好ましく、800℃以上1900℃以下がより好ましく、800℃以上1800℃以下がさらに好ましい。このような温度範囲で加熱処理を行うことにより、金属層2に含まれるアルミニウムと、台座1を構成するタングステンまたはタンタルとが反応して合金(Al−W合金またはAl−Ta合金)を形成し、接合層7となる。この接合層7により、台座1と窒化アルミニウム種結晶3とが強固に接合される。また、接合層7は、金属層2を構成する金属材料と、台座1を構成するタングステンまたはタンタルとが反応した合金からなるため、窒化アルミニウム単結晶成長時の高温条件化においても、接合層7内に空隙が形成されることがなく、高品質の窒化アルミニウム単結晶を成長させることができる。
【0032】
加熱処理の時間は、金属層2が台座11の構成材料と反応して合金を形成することができれば特に限定されず、例えば、1〜48時間である。
加熱処理後、固定部材4を取り除くことにより、図2(d)に示すように、台座1と窒化アルミニウム種結晶3とが接合層7により強固に接合された台座−種結晶固定体10を得ることができる。
以上の工程により、窒化アルミニウム種結晶3を台座1に固定することができる。
【0033】
本実施形態の窒化アルミニウム種結晶の固定方法は、タングステンまたはタンタルを含んでなる台座の一面上に、融点1900℃以下で且つ加熱処理により前記台座と反応しうる金属材料からなる金属層と、窒化アルミニウムの種結晶を積層させて加熱処理を行う構成である。そのため、本実施形態の窒化アルミニウム種結晶の固定方法によれば、台座1を構成するタングステンまたはタンタルと金属層2を構成する金属材料とが反応して合金を形成し、この合金からなる接合層7により、台座1と窒化アルミニウム種結晶3とが強固に接合される。また、得られる台座−種結晶固定体10の接合層7は、金属層2を構成する金属材料と、台座1を構成するタングステンまたはタンタルとが反応した合金からなるため、窒化アルミニウム単結晶成長時の高温条件化においても、接合層7内に空隙が形成されることがなく、高品質の窒化アルミニウム単結晶を成長させることができる。
【0034】
[窒化アルミニウム単結晶の製造方法]
本発明の窒化アルミニウム単結晶の製造方法は、上記本発明の窒化アルミニウム種結晶の固定方法により台座に固定された種結晶を用い、この種結晶上に窒化アルミニウム原料からの昇華ガスを供給し、種結晶上に窒化アルミニウム単結晶を成長させることを特徴とする。
【0035】
図3は、本実施形態の窒化アルミニウム単結晶の製造方法に用いる装置の一例を示す断面模式図である。図3において、図2に示す加熱処理装置20と同一の構成要素には同一の符号を付してあり、これらの構成要素の説明は省略する。図3に示す窒化アルミニウム単結晶の製造装置30は、昇華法によって窒化アルミニウム種結晶3上に窒化アルミニウムを昇華再結晶させて、窒化アルミニウム単結晶を成長させる装置である。
【0036】
本実施形態の窒化アルミニウム単結晶の製造装置30は、上部に開口部を有する内側るつぼ21と、内側るつぼ21の内底部に配置された窒化アルミニウム粉末などの原料25と、るつぼ21の開口部を塞ぎ且つ原料25と窒化アルミニウム種結晶3とが対向するように設置された図2(d)に示す台座−種結晶固定体10と、内側るつぼ21および台座−種結晶固定体10の外側に配置された外側るつぼ22と、内側るつぼ21と台座−種結晶固定体10と外側るつぼ22の外周を覆う断熱材12と、内側るつぼ21と台座−種結晶固定体10と外側るつぼ22と断熱材12の外側に設けられたるつぼ21、22を加熱するための加熱手段15と、を備えている。
【0037】
断熱材12には、外側るつぼ22の上部側および下部側にそれぞれ1箇所づつ孔12a、12bが設けられており、この孔12aを介して外側るつぼ22の上部温度を監視するための放射温度計14が外側るつぼ22および断熱材12の上部に設けられており、孔12bを介して外側るつぼ22の下部温度を監視するための放射温度計15が外側るつぼ22および断熱材12の下部に設けられている。
【0038】
台座−種結晶固定体10は、上記本発明に係る窒化アルミニウム種結晶の固定方法により、台座1上に窒化アルミニウム種結晶3が接合層7を介して固定されたものである。台座−種結晶固定体10は、種結晶3が内側るつぼ21の内部空間側となるように、台座1の外周近傍部が内側るつぼ21の開口部上部に載置あるいは嵌め合わせられている状態であり、ガスの出入りが容易な準密閉空間となっている。
【0039】
内側るつぼ21の内底部には窒化アルミニウム粉末などの原料25が直接収納されるとともに、内側るつぼ21の開口部上部には台座−種結晶固定体10が配置され、種結晶3はバルク結晶成長に適した窒化アルミニウムの昇華ガスに曝される。よって、内側るつぼ21と、台座−種結晶固定体10を構成する台座1および接合層7の材質は、窒化アルミニウムの昇華ガスによる腐食を受けないものに限られる。
【0040】
内側るつぼ21の材質としては、炭化タンタル、窒化タンタル、タングステン、炭化タングステン、窒化タングステン、レニウム、窒化硼素、窒化アルミニウムが挙げられる。これらの材質から内側るつぼ21が構成されることにより、内側るつぼ21は窒化アルミニウムの昇華ガスによる腐食を受けない。
また、台座−種結晶固定体10の台座1は耐食性の高いタングステンまたはタンタルからなるため、窒化アルミニウムの昇華ガスによる腐食を受けない。
さらに、台座−種結晶固定体10の接合層7は、金属層2を構成する金属材料と、台座1を構成するタングステンまたはタンタルとが反応した合金からなる。タングステンおよびタンタルは融点が高く(タングステンの融点:約3400℃、タンタルの融点:約3000℃)、これらの合金である接合層7の融点も、約3000℃近くであり、昇華法による窒化アルミニウム単結晶成長条件(通常、圧力100〜760Torr、成長温度1700〜2200℃)において、窒化アルミニウム種結晶3および台座1に影響を及ぼさず、また、窒化アルミニウムの昇華ガスによる腐食を受けない。
【0041】
外側るつぼ22は、上部に開口部を有する有底筒状のるつぼ本体22aと、このるつぼ本体22aの上部に載置されたるつぼ本体22a内の空間を外部と遮断するための蓋体22bとから構成されている。
外側るつぼ11の材質としては、黒鉛、タングステン、レニウム、タンタルが挙げられる。
【0042】
製造装置30は、内側るつぼ21、台座−種結晶固定体10、外側るつぼ22および断熱材12を収容する収容容器(図示略)を備えている。この収容容器には、収容容器内の圧力を減圧状態にするための真空ポンプなどの減圧装置(図示略)と、収容容器内に窒素ガスを導入するためのガス供給装置(図示略)がそれぞれ接続されている。
【0043】
図3に示す製造装置を用いて窒化アルミニウム単結晶を製造するには、まず、窒化アルミニウム粉末などの原料25を内側るつぼ21の内底部にセットし、台座−種結晶固定体10を、種結晶3が内側るつぼ21の内部空間側となるように内側るつぼ21の開口部上部に配置する。その後、外側るつぼ22の蓋体22bを、るつぼ本体22aの開口部上部に配置する。
【0044】
次に、内側るつぼ21と台座−種結晶固定体10と外側るつぼ22を収容している収容容器(図示略)に接続された減圧装置を稼動させて内側るつぼ21と台座−種結晶固定体10とで形成された内部空間の圧力を減圧させる。続いて、収容容器に接続されたガス供給装置により内側るつぼ21と台座−種結晶固定体10とで形成された内部空間内に窒素ガスを導入する。これにより、窒化アルミニウム単結晶の成長は、高純度窒素ガス雰囲気下で行われる。
【0045】
次いで、加熱手段15により内側るつぼ21および外側るつぼ22を加熱し、放射温度計13、14により外側るつぼ22の上部および下部の温度を測定してこれらの温度を制御する。窒化アルミニウム単結晶成長時は、外側るつぼ22の温度を1700〜2200℃で一定制御する。
なお、窒化アルミニウム単結晶成長時は、外側るつぼ22の下部温度(原料温度)は、外側るつぼ22の上部温度(結晶成長部温度)よりも高温となるように設定する。
結晶成長は、前述の設定温度まで加熱した後に内側るつぼ21、外側るつぼ22および台座−種結晶固定体10を収容した収容容器内を減圧することで開始され、100〜760Torr(1.33×10〜10.13×10Pa)に定圧保持することで行われる。
【0046】
加熱で昇華されて分解気化された原料12は、窒素ガス雰囲気下で台座−種結晶固定体10の種結晶3上に結晶成長することで、種結晶3上に窒化アルミニウム単結晶となり成長する。
【0047】
従来、接着剤により台座に固定された種結晶を用いた単結晶成長方法では、窒化アルミニウム単結晶成長時の高温下で、接着剤中の溶剤が気化して空隙が発生し、この空隙に起因する熱分布により、得られる窒化アルミニウム単結晶の品質が低下する場合があった。
【0048】
これに対し、本実施形態の窒化アルミニウム単結晶の製造方法は、上記本発明に係る窒化アルミニウム種結晶の固定方法により台座1に接合層7を介して固定された種結晶3を用いている。接合層7は、金属層2を構成する金属材料と、台座1を構成するタングステンまたはタンタルとが反応した合金からなるため、窒化アルミニウム単結晶成長時の高温条件化においても、接合層7内に空隙が形成されることがなく、高品質の窒化アルミニウム単結晶を成長させることができる。
本実施形態の製造方法により得られる窒化アルミニウム単結晶は、優れた品質を有する。
本実施形態の製造方法により得られる窒化アルミニウム単結晶は、X線回折装置を用いて(0002)ロッキングカーブを測定した場合、得られるロッキングカーブの半値幅FWHMが100arcsec以下となり、結晶配向性が優れている。
【0049】
以上、本発明の窒化アルミニウム種結晶の固定方法、台座−種結晶固定体、窒化アルミニウム単結晶の製造方法および窒化アルミニウム単結晶の一実施形態について説明したが、上記実施形態において、窒化アルミニウム種結晶の固定方法に使用される加熱処理装置、窒化アルミニウム単結晶の製造方法使用される装置は一例であって、本発明の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0050】
なお、図1に示す上記実施形態では、加熱処理により金属層2の全てが、金属層2を構成する金属材料と、台座1を構成するタングステンまたはタンタルとが反応した合金からなる接合層7となる場合を例示したが、本発明はこの例に限定されない。金属層2の厚さが比較的厚く、金属層2と台座1との界面側が加熱処理により前記合金を形成しており、金属層2の種結晶3側は金属層2の構成材料のままである場合も、本発明における接合層7に含まれる。この場合も、接合層7と台座1は、金属層2を構成する金属材料とタングステンまたはタンタルとが反応した合金により接合されており、また、接合層7と種結晶3は、加熱処理により金属層2が溶融・凝固した金属層の構成材料からなる接合層7上部とアンカー効果的作用により接合される。
【実施例】
【0051】
以下、実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0052】
(実施例1)
図1に示す形状のタングステン製の台座の上に、厚さ10μmの円形のアルミニウム製シート(直径は窒化アルミニウム種結晶と同一)を載せ、その上に、円板状の窒化アルミニウム種結晶を置いた。次に、図1(c)に示すように、タングステン製の固定部材を載せて積層体とした。固定部材の重量は圧力が2kPaになるようにした。
次に、上記積層体を、図2に示す装置のるつぼ(黒鉛製)内に設置し、真空排気後、圧力760Torr(10.13×10Pa)のアルゴン雰囲気下で、表1に示す温度で加熱し、5時間保持した。
以上の工程により、窒化アルミニウム種結晶と台座がAl−W合金を介して接合一体化した台座−種結晶固定体を得た。
【0053】
得られた台座−種結晶固定体を積層方向に沿って切断し、切断面を目視で観察することにより、各加熱処理温度で固定された窒化アルミニウム種結晶と台座との固定状態を判定した。切断面の接合界面(台座−接合層間、接合層−種結晶間)に隙間が存在しないものを、固定状態が良好と判定した。結果を表1に併記した。
【0054】
【表1】

【0055】
表2に示すように、加熱処理温度が700℃の場合、窒化アルミニウム種結晶と、アルミニウム製シートと、タングステン製の台座が剥離していた。これは、700℃の加熱処理では温度が低く、アルミニウム表面の薄い酸化膜を破壊してタングステン製の台座と反応することが妨げられたためである。
加熱処理温度800〜1800℃では、窒化アルミニウム種結晶とタングステン製の台座との界面にAl−W合金が形成されており、良好な密着性を示していた。
また、加熱処理温度2000℃では、窒化アルミニウム種結晶とタングステン製の台座は密着していたものの、窒化アルミニウム種結晶表面が昇華して表面の凹凸が顕著となっており、種結晶としての利用は困難であった。
【0056】
(実施例2)
図1に示す形状のタングステン製の台座の上に、表2に示す厚さの円形のアルミニウム製シート(直径は窒化アルミニウム種結晶と同一)を載せ、その上に、円板状の窒化アルミニウム種結晶を置いた。次に、図1(c)に示すように、タングステン製の固定部材を載せて積層体とした。固定部材の重量は圧力が2kPaになるようにした。
次に、上記積層体を、図2に示す装置のるつぼ(黒鉛製)内に設置し、真空排気後、圧力760Torr(10.13×10Pa)のアルゴン雰囲気下で、1200℃で加熱し、5時間保持した。
以上の工程により、窒化アルミニウム種結晶と台座がAl−W合金を介して接合一体化した台座−種結晶固定体を得た。
【0057】
得られた台座−種結晶固定体を積層方向に沿って切断し、切断面を目視で観察することにより、固定された窒化アルミニウム種結晶と台座との固定状態を判定した。切断面の接合界面(台座−接合層間、接合層−種結晶間)に隙間が存在しないものを、固定状態が良好と判定した。結果を表2に併記した。
【0058】
【表2】

【0059】
表2に示すように、アルミニウム製シートの厚さが1〜300μmではいずれも接着状況は良好であったが、厚さ300μmのものに関しては種結晶の円周部にクラックが発生していた。これは溶けたアルミニウム製シートが種結晶側に回り込んで付着し、降温する再に凝縮したため、応力が印加されていたことに起因する。
【0060】
(実施例3)
表2のNo.1〜5の台座−種結晶固定体を用い、図3に示す製造装置により窒化アルミニウム単結晶成長を行った。図3に示す製造装置において、内側るつぼとして炭化タンタル製のるつぼを使用し、外側るつぼとして黒鉛製のるつぼを使用した。窒素化アルミニウム単結晶成長は、表3に示す条件で行った。
得られた窒化アルミニウム種結晶の断面を目視で観察した結果を表2に併記した。
なお、表2に示す「評価」は、加熱処理後の状態が良好であり、且つ、単結晶が孔なく成長していた場合のみ「○」と判定し、それ以外の場合は「×」と判定した。
【0061】
【表3】

【0062】
表2に示すように、厚さ1μmのアルミニウム製シートを用いて固定したNo.1の台座−単結晶固定体を使用して単結晶成長を行った場合、成長した窒化アルミニウム単結晶中に孔が存在していた。断面観察を行ったところ、孔が存在する箇所の種結晶裏面とAl−W合金の界面に隙間が存在していた。アルミニウム製シートシートが薄かったため、全面に均一に密着しなかったためである。
厚さ2〜200mmのアルミニウム製シートを用いて固定したNo.2〜5の台座−単結晶固定体を使用して単結晶成長を行った場合、成長した窒化アルミニウム単結晶中に孔は存在せず、良好な品質の単結晶が得られた。目視で断面観察を行ったところ、台座と窒化アルミニウム種結晶との間のAl−W合金(接合層)には、空隙が存在していなかった。
【0063】
また、実施例3で表2のNo.3の台座−種結晶固定体を用いて窒化アルミニウム単結晶成長を行った単結晶について、X線回折装置(X’Pert Pro MRD、スペクトリス株式会社製)を用いて(0002)ロッキングカーブの測定を行ったところ、半値幅FWHMは24arcsecと良好であった。
【0064】
これに対し、図1に示す形状のタングステン製の台座の上に、カーボン製接着剤(ST−201、日清紡ケミカル株式会社製)を用いて、窒化アルミニウム種結晶を接合した台座−種結晶固定体を用い、実施例3と同様の条件で窒化アルミニウム単結晶成長を行った単結晶について、X線回折装置(X’Pert Pro MRD、スペクトリス株式会社製)を用いて(0002)ロッキングカーブの測定を行ったところ、半値幅FWHMは458arcsecであった。
【符号の説明】
【0065】
1…台座、2…金属層、3…窒化アルミニウム種結晶、4…固定部材、5…積層体、7…接合層、10…台座−種結晶固定体、11…るつぼ、12…断熱材、13、14…放射温度計、15…加熱手段、21…内側るつぼ、22…外側るつぼ、30…製造装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
窒化アルミニウム単結晶を成長させるための窒化アルミニウム種結晶を台座に固定する方法であって、
タングステンまたはタンタルを含んでなる台座の一面上に、融点1900℃以下で且つ加熱処理により前記台座と反応しうる金属材料からなる金属層を形成する第1工程と、
前記金属層上に窒化アルミニウムの種結晶を配置する第2工程と、
前記台座と前記金属層と前記種結晶とがこの順に積層された積層体を加熱処理し、前記台座上方に前記種結晶を固定する第3工程と、
を備えることを特徴とする窒化アルミニウム種結晶の固定方法。
【請求項2】
前記金属層が、アルミニウムを含むことを特徴とする請求項1に記載の窒化アルミニウム種結晶の固定方法。
【請求項3】
前記金属層の厚さが、2μm以上200μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の窒化アルミニウム種結晶の固定方法。
【請求項4】
前記第3工程における加熱処理を、800℃以上1800℃以下で行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の窒化アルミニウム種結晶の固定方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の窒化アルミニウム種結晶の固定方法を用いて得られ、
前記台座上に、接合層を介して前記窒化アルミニウム種結晶が固定された台座−種結晶固定体であって、
前記接合層が、前記金属層を構成する金属材料と、前記台座に含まれるタングステンまたはタンタルとが反応した合金を含んでなることを特徴とする台座−種結晶固定体。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の窒化アルミニウム種結晶の固定方法により台座に固定された種結晶を用い、前記種結晶上に窒化アルミニウム原料からの昇華ガスを供給し、前記種結晶上に窒化アルミニウム単結晶を成長させることを特徴とする窒化アルミニウム単結晶の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載の製造方法を用いて得られる窒化アルミニウム単結晶。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−71855(P2013−71855A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210657(P2011−210657)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】