説明

窒化ホウ素含有シリコーンゲル組成物

安定なシリコーン油組成物は:a)少なくとも一つのシリコーンゲル;b)少なくとも一つの窒化ホウ素の粉(a);c)静電荷を消散する量の少なくとも一つのシリコーン油;ならびにd)任意選択で、他のシリコーン、界面活性剤、乳化剤、溶媒、軟化剤、湿潤剤、保湿剤、顔料、着色剤、香料、保存剤、抗酸化剤、殺生物剤、抗生物剤、制汗剤、角質除去剤、ホルモン、酵素、医薬品、ビタミン物質、ヒドロキシ酸、レチノール、レチノール誘導体、ナイアシンアミド、皮膚美白剤、塩、電解質、アルコール、ポリオール、エステル、紫外線照射散乱および/もしくは吸収剤、植物抽出物、ペプチド、タンパク質、有機油、ガム、サッカリド、オリゴサッカリド、ポリサッカリド、誘導体、ワックス、薄膜形成剤、増粘剤、微粒子充填剤、可塑剤、保湿剤、閉鎖剤、感覚増強剤、樹脂および光学活性粒子からなる群より選択される少なくとも一つの成分を含有して提供される。
なし

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコーン系組成物、そしてより詳細には、とりわけパーソナルケア製品の配合において有用な安定で窒化ホウ素含有シリコーンゲル組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコーンは長年、電子機器、農業、住居のおよび家庭用のケア製品ならびにパーソナルケア製品、そして多くの他のもののような多様な産業的な用途において用いられてきた。多くのそれらの製品が液体の形状である一方で、シリコーンゲルは商業上の重要性を獲得しつつあり、例えば、化粧品および他の種類のパーソナルケア製品の知覚特性、第一に手触りおよび感触を向上させる。シリコーンゲルは、パーソナルケア製品の配合者へと、例えば、トリシロキサン及びアルキルトリシロキサンのそのような物質を含有する化粧品組成物中の拡散における効果を増大させる能力のような向上した機能性を提供する。
【0003】
窒化ホウ素の粉は、柔軟性、粘着性、被覆性および、それらの目的に用いられてきた二酸化チタンのような他の物質と比較して低いその反射性による自然な外観のような多くの有利な性能を授けるようなパーソナルケア製品における使用についても知られる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特定の窒化ホウ素がいくつかの異なる結晶構造となるとき、窒化ホウ素の大部分がグラファイト(六方晶系とも呼ばれる)形状のものは、それらの製品に改善された滑らかさおよび/もしくは他の特性をもたらす、化粧品の用途に一般的に好まれる。しかしながら、広く受容されることならびに化粧品および他のパーソナルケア製品における窒化ホウ素、特に大部分がグラファイト結晶形態である窒化ホウ素の使用の欠点は、シリコーンゲルを含有する組成物におけるざらざらする外観および/もしくは触感をもたらす傾向であった。そのような傾向は、外観(化粧品における窒化ホウ素のそれぞれの粉の可視性は非常に消費者にとって負の影響を持つ)および機能性(均一に分散した窒化ホウ素の粒子よりも窒化ホウ素の可視性の粒子もしくは粒子の塊は、優れた製品の被覆を得るために必須の前提条件である滑らかで均一のフィルムを形成することにおいてより効果的では無い)の両方の理由から望ましくない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によると、
a)少なくとも一つのシリコーンゲル;
b)少なくとも一つの窒化ホウ素の粉;
c)静電荷を消散する量の少なくとも一つのシリコーン油;ならびに
d)任意選択で、他のシリコーン、界面活性剤、乳化剤、溶媒、軟化剤、湿潤剤、保湿剤、顔料、着色剤、香料、保存剤、抗酸化剤、殺生物剤、抗生物剤、制汗剤、角質除去剤、ホルモン、酵素、医薬品、ビタミン物質、ヒドロキシ酸、レチノール、レチノール誘導体、ナイアシンアミド、皮膚美白剤、塩、電解質、アルコール、ポリオール、エステル、紫外線照射の散乱および/もしくは吸収剤、植物抽出物、ペプチド、タンパク質、有機油、ガム、サッカリド、オリゴサッカリド、ポリサッカリド、誘導体、ワックス、薄膜形成剤、増粘剤、微粒子充填剤、可塑剤、保湿剤、閉鎖剤、感覚増強剤、樹脂および光学活性粒子からなる群より選択される少なくとも一つの成分、
を含有する安定で窒化ホウ素の粉を含有するシリコーンゲル組成物が提供される。
【0006】
上述の安定で窒化ホウ素の粉を含有するシリコーンゲル組成物は、皮膚および/もしくは髪の毛の適用するパーソナルケア製品における使用においてそれを理想的に適するようにし、特に、より強い染み、細線およびしわに対する隠ぺい力ならびにたとえば「絹のような」品質のような向上した触感特性によって表わされる、より好ましい知覚にするいくつかの特性を持っている。さらに、パーソナルケア製品の製造者にとって、本発明のシリコーンゲル組成物は、完全に配合された製品の調製におけるより良い容易さおよび便利さをもたらし、窒化ホウ素の粉の操作により生じるごみの危険性を減じ、シリコーンゲル組成物の別々の成分の貯蔵および在庫を維持する必要性を排除する。
【0007】
本発明のシリコーン組成物に適用されるとき、用語「安定」は、組成物の特定の配合に応じてたとえば、3ヶ月から2年の間、その想定される貯蔵期間にわたって、その組成物の任意のものの沈殿もしくは分離が実質上見られない組成物のようなものを意味すると理解されるべきである。
【0008】
ここで用いられるとき、「シリコーンゲル」という表現は、膨張する液体がシリコーン含有物質に拡散しており、膨張する液体と接して容量を増加させる任意のシリコーン含有物質を指す。
【0009】
ここで用いられるとき、「シリコーン油」という表現は、「シリコーン流体」と同義である。
【0010】
実施例以外において、もしくは他に示されていなければ、物質の量、反応条件、時間、物質の定量化された性質などを表す、明細書および請求項に述べられるすべての数字は、すべての場合において言葉「約」によって修飾されていると理解されるべきである。
【0011】
ここで列挙される任意の数値範囲は、その範囲中のすべてのサブ範囲(sub−range)とそのような範囲もしくはサブ範囲のさまざまな終点の任意の組み合わせとを含むことを意図されているともまた理解されるべきである。
【0012】
構造的、構成的ならびに/または機能的に関連した化合物、物質もしくは基質の群に属するとして、明細書に明確にもしくは暗に開示される、ならびに/または請求項に引用される任意の化合物、物質もしくは基質は、その群の個々の要素およびそれらのすべての組み合わせを含むと理解されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
シリコーンゲル(a)
【0014】
本質的に、パーソナルケア製品の配合における使用に好適な任意のシリコーンゲルは、本発明の窒化ホウ素含有シリコーンゲル組成物の調製に用い得る。好ましいシリコーンゲルは以下のものを含む:
(i)シリコーンとヒドロシリル化相溶性溶媒とから作製されるゲルであって、前記シリコーンが直鎖アルケニルポリオルガノシロキサンおよび水素化物樹脂のヒドロシリル化によって調製されるもの;
(ii)エポキシ官能性ヒドリドシロキサンの反応産物として作製されるゲルであって、前記反応産物がエポキシゲル作製相溶性溶媒中において作製されるもの;
(iii)シリコーンとヒドロシリル化相溶性溶媒とから作製されるゲルであって、前記シリコーンが直鎖水素ポリオルガノシロキサンおよびアルケニル樹脂のヒドロシリル化によって調製されるもの;
(iv)シリコーンとヒドロシリル化相溶性溶媒とから作製されるゲルであって、前記シリコーンが直鎖水素ポリオルガノシロキサンおよび直鎖アルケニルポリオルガノシロキサンのヒドロシリル化によって調製されるもの;
(v)シリコーンとヒドロシリル化相溶性溶媒とから作製されるゲルであって、前記シリコーンが水素ポリオルガノシロキサン樹脂およびアルケニルポリオルガノシロキサン樹脂のヒドロシリル化によって調製されるもの;
(vi)シリコーンとヒドロシリル化相溶性溶媒とから作製されるゲルであって、前記シリコーンが分子当たり二つもしくはそれ以上のヒドリド官能性を持つ直鎖水素オルガノポリシロキサンならびに分子当たり二つもしくはそれ以上の反応官能性を持つアルファ、オメガ反応性有機分子のヒドロシリル化によって調製されるもの;
(vii)ビニル官能性ヒドリドシロキサンのヒドロシリル化相溶性溶媒中での反応産物として作製されるゲル;ならびに
(viii)水性および/もしくは非水性の膨張する液体中において膨張するポリアクリラートシロキサンコポリマーネットワークより作製されるゲル。
【0015】
以下の特定のシリコーンゲルが好ましい。
【0016】
シリコーンゲル(i)
【0017】
一実施態様において、シリコーンゲル(i)は、
(A)第一のシリコーンであって、
(1)式:
vivi2−a
〔式中、下付文字xは10より大きい数であり、下付文字yは0から約20までの範囲の数であり、下付文字aは0から2の範囲の数であり、a+yが1から約20の範囲にあるという制限があり、ここでMは
SiO1/2
と定義され、式中、Rは2から10個の炭素原子を持つ一価の不飽和の炭化水素ラジカルであり、RおよびRはそれぞれ独立して1から40個の炭素原子の炭化水素ラジカルであり、ここでDは
SiO2/2
と定義され、ここでRおよびRはそれぞれ独立して1から40個の炭素原子の一価の炭化水素ラジカルであり、また、Dvi
vi=RSiO2/2
と定義され、ここでRは、2から10個の炭素原子を持つ一価の不飽和の炭化水素ラジカルであり、そして、Rは独立して1から40個の炭素原子の一価の炭化水素ラジカルであり、ここでMは、
M=R10SiO1/2
と定義され、ここでR、RおよびR10のそれぞれは独立して1から40個の炭素原子の一価の炭化水素ラジカルである〕
を持つ直鎖アルキルポリオルガノシロキサンと
(2)式:
(M
〔式中Qは式SiO4/2を持ち、M
113−bSiO1/2
と定義され、
11は1から40個の炭素原子の一価の炭化水素ラジカルであって、下付文字bが1から3の範囲の数であり、そして下付文字wおよびzがそれぞれ0.5から4.0の比率を持ち、そして下付文字jが焼く2.0から約100の範囲である〕
を持つヒドリド樹脂とのヒドロシリル化産物によって作製され、ここで前記ヒドロシリル化が、
(3)ヒドロシリル化相溶性溶媒、好ましくは25℃で約0.001m/s(約1000センチストークス)より小さい粘度を持つシリコーンまたはヒドロシリル化相溶性脂溶性の相(以降、ヒドロシリル化相溶性溶媒と呼ぶ)の存在下で行われ、それによってゲルを形成する、第一のシリコーンと、
(B)脂溶性の相もしくは25℃で約0.001m/s(約1000センチストークス)より小さい粘度を持つシリコーン(以降、分散媒体と呼ぶ)であって、ここで前記ヒドロシリル化産物は、前記脂溶性の相もしくは前記シリコーン中でスラリー化し、そして前記脂溶性相もしくは前記シリコーンと混合され;それによって前記脂溶性相もしくは前記シリコーンならびに前記ヒドロシリル化産物を含有する均一な混合物を形成し、ここで前記均一な混合物は25℃で0.0005m/s(500センチストーク)から0.5m/s(500,000センチストーク)の範囲の粘度を持つ、脂溶性の相もしくはシリコーンと、
を含有する。
【0018】
25℃で約0.001m/s(約1000センチストークス)より小さい粘度を持つシリコーンは、式:

〔式中、下付文字fは約3から約6の範囲の整数であり、Dは:
SiO2/2
と定義され、ここでRおよびRのそれぞれは独立して1から40個の炭素原子の一価の炭化水素ラジカルおよび式:
M’D’M’
の直鎖シリコーンであり、ここでD’は:
SiO2/2
と定義され、ここでRおよびRはそれぞれ独立して、1から40個の炭素原子の一価の炭化水素ラジカルであり、M’は式:
121314SiO1/2
であり、ここでR12、R13およびR14はそれぞれ独立して1から40個の炭素原子の一価の炭化水素ラジカルである〕
を持つ環状シリコーンからなる群より好ましくは選択される。
【0019】
シリコーンゲル(ii)
【0020】
一実施態様において、シリコーンゲル(ii)は、以下の式:
αβχδDHεφγηικ
〔式中
M=R1’2’3’SiO1/2
=R4’5’ HSiO1/2
=R6’7’SiO1/2
D=R8’9’SiO2/2
=R10’ HSiO2/2
=R11’SiO2/2
T=R12’SiO3/2
=HSiO3/2
=RSiO3/2;および
Q=SiO4/2
であり、
ここで、R1’、R2’、R3’、R8’およびR12’は独立して、1から60個の炭素原子を持つ一価の炭化水素ラジカルであり;R4’、R5’およびR10’は独立して1から60個の炭素原子または水素を持つ一価の炭素原子ラジカルであり;R6’、R7’、R11’は独立して、1から60個の炭素原子またはREを持つ一価の炭化水素ラジカルであり;それぞれのREは独立して、1から60個の炭素原子を持つ一つもしくはそれ以上の部分を含有する一価の炭化水素ラジカルであり;化学量論的な下付文字、α、β、χ、δ、ε、φ、γ、η、ιおよびκは0もしくは正であり、以下の限定に従う:α+β+χ>1;β+εη>1;χ+φ+ι>1;β+ε+η≧χ+φ+ι; ならびにδ+ε+φ+γ+η+ι+κ=0のとき、α+β+χ=2である。〕
を持つエポキシ官能性ヒドリド−シロキサン分子の反応産物を含有する。
【0021】
エポキシ官能性ヒドリドシロキサン分子の反応産物は、好ましくは式:

〔式中、下付文字fは約3から約6までの範囲の整数であり、Dは、
SiO2/2と定義され、
ここで、
およびRはそれぞれ独立して1から40個の炭素原子の一価の炭化水素ラジカルである〕を持つ環状シリコーンならびに式:
M’D’M’
〔式中D’は
SiO2/2と定義され、
ここで、RおよびRはそれぞれ独立して、1から40個の炭素原子の一価の炭化水素ラジカルであり、そしてM’は式:
121314SiO1/2
を持ち、ここでR12、R13およびR14はそれぞれ独立して1から40個の炭素原子の一価の炭化水素ラジカルである〕を持つ直鎖シリコーンからなる群より選択される脂溶性相もしくはシリコーン流体より選択されるエポキシゲル作製媒体中において調製される。
【0022】
調製されると、シリコーンゲル(ii)は、
式:

〔式中、下付文字fは約3から約6までの範囲の整数であり、Dは、
SiO2/2と定義され、
ここで、
およびRはそれぞれ独立して1から40個の炭素原子の一価の炭化水素ラジカルである〕を持つ環状シリコーンならびに式:
M’D’M’
〔式中D’は
SiO2/2と定義され、
ここで、RおよびRはそれぞれ独立して、1から40個の炭素原子の一価の炭化水素ラジカルであり、そしてM’は式:
121314SiO1/2
を持ち、ここでR12、R13およびR14はそれぞれ独立して1から40個の炭素原子の一価の炭化水素ラジカルである〕を持つ直鎖シリコーンからなる群より選択される脂溶性相もしくはシリコーン液体より選択される分散媒体中においてスラリー化され、そして混合される。
【0023】
シリコーンゲル(iii)
【0024】
一実施態様において、シリコーンゲル(iii)は、
(A)シリコーンであって
(1)式:
2−a
〔式中、下付文字xは10より大きい数であり、下付文字yは0から約20の範囲の数であり、下付文字aは0から2の範囲の数であり、そしてa+yが1から約20の範囲であるという限定であり、Mは、
SiO1/2
と定義され、
ここで、Rは水素であり、RおよびRはそれぞれ独立して、1から40個の炭素原子の一価の炭化水素ラジカルであり、ここでDは、
SiO2/2
と定義され、
ここでRおよびRはそれぞれ独立して、1から40個の炭素原子の一価の炭化水素ラジカルであり、D
=RSiO2/2
と定義され、
ここでRは水素であり、そしてRは独立して、1から40個の炭素原子の一価の炭化水素ラジカルであり、Mは
M=R10SiO1/2
と定義され、
、RおよびR10はそれぞれ独立して1から40個の炭素原子の一価の炭化水素ラジカルである〕
を持つ直鎖水素ポリオルガノシロキサンと
(2)式:
(Mvi
〔式中、Qは式SiO4/2を持ち、そしてMvi
11123−bSiO1/2
と定義され、
ここで、R11は、2から10個の炭素原子を持つ一価の不飽和の炭化水素ラジカルであり、R12は1から40個の炭素原子の一価の炭化水素ラジカルであり、ここで下付文字bは1から3の範囲の数であり、下付文字wおよびzはそれぞれ0.5から4.0の比率を持ち、そして下付文字jは約2.0から約100の範囲である〕
を持つアルケニル樹脂とのヒドロシリル化産物によって作製され、ここで前記ヒドロシリル化が、
(3)ヒドロシリル化相溶性溶媒、好ましくは25℃で約0.001m/s(約1000センチストークス)より小さい粘度を持つシリコーンまたはヒドロシリル化相溶性脂溶性の相(以降、ヒドロシリル化相溶性溶媒と呼ぶ)の存在下で行われ、それによってゲルを形成する、シリコーンと、
(B)脂溶性の相もしくは25℃で約0.001m/s(約1000センチストークス)より小さい粘度を持つシリコーン(以降、分散媒体と呼ぶ)であって、ここで前記ヒドロシリル化産物は、前記脂溶性の相もしくは前記シリコーン中でスラリー化し、そして前記脂溶性相もしくは前記シリコーンと混合され;それによって前記脂溶性相もしくは前記シリコーンならびに前記ヒドロシリル化産物を含有する均一な混合物を形成し、ここで前記均一な混合物は25℃で0.0005m/s(500センチストーク)から0.5m/s(500,000センチストーク)の範囲の粘度を持つ、脂溶性の相もしくはシリコーンと、
を含有する。
【0025】
シリコーンゲル(iv)
【0026】
一実施態様において、シリコーンゲル(iv)は、上述のような一分子当たり二つもしくはそれ以上のアルケニル官能性を持つ直鎖アルケニルオルガノポリシロキサン(上に定義されるような)と、上のように調製される分子当たり二つもしくはそれ以上の水素官能性を持つ直鎖水素オルガノポリシロキサン(上に定義されるような)との、ヒドロシリル化相溶性溶媒もしくは、Dおよび/もしくはM’D’M’であって、DおよびM’D’M’が上述のように定義されるシリコーンの存在下におけるヒドロシリル化反応産物を含有する。調製されるゲルは、脂溶性の相もしくは25℃で約0.001m/s(約1000センチストークス)より小さい粘度を持つシリコーン(以降、分散媒体と呼ぶ)でスラリー化され、ここで前記ヒドロシリル化産物は前記脂溶性の相もしくは前記シリコーンでスラリー化され、そして前記脂溶性の相もしくは前記シリコーンと混合され;それによって前記脂溶性の相もしくは前記シリコーンならびに前記ヒドロシリル化産物を含有する均一な混合物を産生し、それによって前記均一な混合物は25℃で0.0005m/s(500センチストーク)から0.5m/s(500,000センチストーク)の範囲の粘度を持つ。
【0027】
シリコーンゲル(v)
【0028】
一実施態様において、シリコーンゲル(v)は、式:
vivivi2−cM’’+−k
を持つ分子当たり二つもしくはそれ以上のアルケニル官能性を持つアルケニルオルガノポリシロキサン樹脂と、式:
M’’+u
〔ここで、すべての用語は上に定義されるとおりであり、そして
T=R16SiO3/2であり、ここでR16は、1から40個の炭素原子の一価の炭化水素ラジカルであり;
vi=R17SiO3/2であり、ここでR17は2から40個の炭素原子を持つ一価の不飽和炭化水素ラジカルであり;
=HSiO3/2であり;
M’’は独立してM、MviもしくはMであり、そして下付文字c、d、e、g、k、n、p、r、s、uおよびvは0もしくは正であり、g+k+s+uが≧1であり、c+e+k≧2であり、そしてn+r+u≧2であるとの制限がある〕
を持つ分子当たり二つもしくはそれ以上の水素官能性を持つ水素オルガノポリシロキサンとの、ヒドロシリル化相溶性溶媒中で調製され、脂溶性の相もしくは25℃で約0.001m/s(約1000センチストークス)より小さい粘度を持つシリコーン(以下、分散媒体と呼ぶ)中でスラリー化されるヒドロシリル化反応産物を含有し、ここで前記ヒドロシリル化産物は前記脂溶性の相もしくは前記シリコーン中でスラリー化され、そして前記脂溶性の相もしくは前記シリコーンと混合され、それによって前記脂溶性の相もしくは前記シリコーンならびに前記ヒドロシリル化産物を含有する均一な混合物を作製し、ここで前記均一な混合物は25℃で0.0005m/s(500センチストーク)から0.5m/s(500,000センチストーク)の範囲の粘度を持つ。
【0029】
シリコーンゲル(vi)
【0030】
一実施態様において、シリコーンゲル(vi)は、分子当たり二つもしくはそれ以上のヒドリド官能性を持つ直鎖ヒドリドオルガノポリシロキサンと、分子当たり二つもしくはそれ以上の反応官能性を持つ、α、ω反応性有機分子との、脂溶性の相もしくはDおよび/もしくはM’D’M’である第二のシリコーンの存在下での反応産物を含有し、ここでDおよびM’D’M’が上に定義されるとおりである。分子当たり二つもしくはそれ以上の官能性を持つα、ω反応性有機分子の官能性は、オレフィン、アセチレン、ビニルエーテル、アクリラートもしくはアクリラートエステル(例えばCH2=CHCOOROCOCH=CH2)およびアルコールなどからなる有機官能基の群よりせんたくされる。このように、分子当たり二つもしくはそれ以上の官能性を持つα、ω反応性有機分子は、側鎖がここで定義する反応官能性を持つ側鎖置換した誘導体を含む、α、ω−ジ−オレフィン、ポリオレフィン官能性を持つα、ω−オレフィン、α、ω−オレフィン、α、ω−ジアセチレン、ポリアセチレン感応性を持つα、ω−ジアセチレンを含む有機分子の大きな群の範囲を定める。このゲルはヒドロシリル化相溶性溶媒中で調製され、そして脂溶性の相もしくは25℃で約0.001m/s(約1000センチストークス)より小さい粘度を持つシリコーン(以下、分散媒体と呼ぶ)中でスラリー化され、ここで前記ヒドロシリル化産物は、前記脂溶性の相もしくは前記シリコーン中でスラリー化され、そして前記脂溶性の相もしくは前記シリコーンと混合され、それによって前記脂溶性の相もしくは前記シリコーンならびに前期ヒドロシリル化産物を含有する均一な混合物を産生し、それによって前記均一な混合物は25℃で0.0005m/s(500センチストーク)から0.5m/s(500,000センチストーク)の範囲の粘度を持つ。
【0031】
シリコーンゲル(vii)
【0032】
一実施態様において、シリコーンゲル(vii)は、以下の式:
a’vib’c’d’vie’f’g’vih’i’j’
〔式中、よく定義された分子種にとって、すべての用語は、上に定義される通りであり、下付文字a’、b’、c’、d’、e’、f’、g’、h’、i’およびj’は0もしくは正の整数でありそして、b’+e’+h’が1と等しいかもしくはそれより大きいという限定があり、そしてさらにc’+f’+i’が1と等しいかもしくはそれより大きいという限定がある〕を持つビニル官能性ヒドリドシロキサン分子の反応産物を含有する。個々の分子種が式:Ma’vib’c’d’vie’f’g’vih’i’j’を持つ化合物の混合物は、それが混合物であり純な化合物ではないために、下付文字の非整数の値を分析していない。このように式:Ma’vib’c’d’vie’f’g’vih’i’j’を持つ化合物の混合物において、下付文字a’、b’、c’、d’、e’、f’、g’、h’、i’およびj’は0もしくは正であろう。式:Ma’vib’c’d’vie’f’g’vih’i’j’を持つ化合物は、参照によりここに特に組み入れられる米国特許第5,698,654号、米国特許第5,753,751号および米国特許第5,965,683号に開示される手順及び方法によって調製できる。これらの物質を、ここで先に定義されるクラスIIのシリコーンゲルへのシリコーン前駆体と反応させることも出来るし、またはそれらを当分野に公知である貴金属ヒドロシリル化触媒の存在下で自己反応させることも出来る。これらの物質はヒドロシリル化相溶性溶媒中で調製され、脂溶性の相もしくは25℃で約0.001m/s(約1000センチストークス)より小さい粘度を持つシリコーン(以下、分散媒体と呼ぶ)中でスラリー化され、ここで、前記ヒドロシリル化産物は前記脂溶性の相もしくは前記シリコーン中でスラリー化され、そして前記脂溶性の相もしくは前記シリコーンと混合され、それによって前記脂溶性の相もしくは前記シリコーンならびに前期ヒドロシリル化産物を含有する均一な混合物を産生し、それによって前記均一な混合物は25℃で0.0005m/s(500センチストーク)から0.5m/s(500,000センチストーク)の範囲の粘度を持つ。
【0033】
多くのタイプのヒドロシリル化(もしくはSiHオレフィン付加反応)のための貴金属触媒が公知であり、そのような貴金属触媒を、本発明の組成物を作製するのに含まれる調製反応のために使用できる。もっとも好ましい貴金属は、白金族金属、特にロジウムおよび白金のものである。生じる付加産物の光学的透明度が望まれるとき、好ましい触媒は反応混合物に可溶性である化合物の触媒である。そのような白金化合物の一つは、参照によりここに組み入れる米国特許番号第3,159,601号に記載されるような、式(PtClオレフィン)およびH(PtClオレフィン)を持つものより選択できる。上述の二つの触媒化合物の式に示されるオレフィンは、ほとんどすべてのタイプのオレフィンであり得るが、好ましくは2から8個の炭素原子を持つアルケニレン、5から7個の炭素原子を持つシクロアルケニレンもしくはスチレンである。上述の式の中で利用できる特定のオレフィンは、エチレン、プロピレン、ブチレンの様々な異性体、オクチレン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテンなどである。
【0034】
本発明の組成物に利用できるさらなる白金含有物質は、参照により個々に組み入れる米国特許第3,159,662号に記載される塩化白金のシクロプロパン錯体である。
【0035】
さらに、白金含有物質は、参照によりここに組み入れられる米国特許第3,220,972号に記載されるような、塩化白金酸と、アルコール、エーテル、アルデヒドおよびそれらの混合物からなるクラスより選択される要素の白金のグラム当たり2モルまでとから形成される錯体であり得る。
【0036】
触媒はKarstedtへの米国特許第3,715,334号、米国特許第3,775,452号および米国特許第3,814,730号に記載される。当該分野に関する更なる背景は、F.G.A.StoneおよびR.West編集で、Academic Press(ニューヨーク、1979)出版のAdvances in Organometallic Chemistry、17巻、407ページ〜447ページにあるJ.L.Spierの「Homogeneous Catalysis of Hydrosilation by Transition Metals」に見出せる。当業者なら貴金属もしくは白金触媒の効果的な量を容易に決定できる。一般的に効果的な量は全オルガノポリシロキサン組成物の100万部当たり約0.1から50部の範囲である。
【0037】
本発明のゲルは、調製されるゲルの化学的性質に応じて、ヒドロシリル化相溶性媒体もしくは溶媒またはエポキシゲル賛成相溶性媒体もしくは溶媒のいずれかの中で、調製される。両方のクラスの調製媒体は、シリコーン溶媒を含み、シリコーンは好ましくは、式:

〔式中、下付文字fは約3から約6までの範囲の整数であり、Dは、
SiO2/2と定義され、
ここで、
およびRはそれぞれ独立して1から40個の炭素原子の一価の炭化水素ラジカルである〕を持つ環状シリコーンならびに式:
M’D’M’
〔式中D’は
SiO2/2と定義され、
ここで、RおよびRはそれぞれ独立して、1から40個の炭素原子の一価の炭化水素ラジカルであり、そしてM’は式:
121314SiO1/2
を持ち、ここでR12、R13およびR14はそれぞれ独立して1から40個の炭素原子の一価の炭化水素ラジカルである〕を持つ直鎖シリコーンからなる群より選択される。
【0038】
ヒドロシリル化相溶性媒体もしくは溶媒は、Dから10Pa・s(10,000cps)オイルの所望の粘度のシリコーン油を含むシリコーンおよび置換シリコーン;ポリエーテルが200から3000の分子量の範囲であり、エチレンオキシド、プロピレンオキシドもしくはブチレンオキシドのような一つ、二つもしくはそれ以上の型のモノマー単位に基づくアルキレンオキシド鎖からなり、そしてシリコーンへと1から6個の炭素鎖によってもしくはシリコーン酸素結合によって結合する、ポリエーテルシリコーンコポリマー;ポリエステルシリコーンコポリマー;アルキル、芳香族もしくはアルキル芳香族置換シロキサン;置換メトキシ、エトキシ、プロポキシ、オクチルオキシ、ドデカンオキシ、セチリルオキシもしくはイソステアリルオキシまたは他の有機置換シロキサンもしくはヒドロシリル化反応と両立できる複数の置換を含有するシロキサンを含むアルコキシ置換シロキサン;テトラデカン、イソドデカン、イソヘキサデカン、ミネラルオイル、水素化ポリデセン、アプリコット油を含む炭化水素溶媒;イソプロピルミリスチン酸塩、ジイソプロピルアジピン酸塩、イソデシルネオペンタン酸塩を含むエステル溶媒;PPG−14ブチルエーテル、PPG3ミリスチルエーテル、エトキシルかアルキルフェノールを含むエーテル;ひまわり油、トリカプリル/トリカプリン酸グリセリド、C10−18トリグリセリドを含む脂肪酸のグリセリルエステル;ステアリン酸グリセリル、ジオレイン酸グリセリルを含む脂肪酸グリセリド;フッ素化シリコーンおよびフッ素化エステルを含むを含む非揮発性フッ素化オイル;ベンゼン、トルエンおよびアルキルベンゼンを含む芳香族溶媒;ならびにイソプロパノール、オクタノール、ドデカノール、ヘキサデカノール、セテアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ミリスチルアルコールを含むアルコールからなる群より選択される。
【0039】
エポキシゲル形成相溶性媒体もしくは溶媒は、第一には溶媒の不活性によって定義され、好ましくは、上に定義されるようなシリコーン溶媒DおよびM’D’M’ならびにパラフィン、イソパラフィン、芳香族およびアルキル芳香族溶媒より選択される炭化水素の群より選択される。
【0040】
シリコーンゲル(viii)
【0041】
ここでのさらに有用なシリコーンゲル(a)は、参照によりここにその全ての内容を組み入れる、2007年4月30日に出願された未決の米国特許出願連続番号11/742,190号の、水性および/もしくは非水性の膨張液体中で膨張するポリアクリラートシロキサンコポリマーネットワークはを含有するものである。このポリアクリラートシロキサンコポリマーネットワークは、
b−h−kPEd−i−lPEf−j−mPE
と、化学量論的なもしくは化学量論を超える量のアクリラートとのフリーラジカル開始剤の存在下での反応産物を含有し、ここで
M=RSiO1/2
=RHSiO1/2
PE=R(−CHCH(R)(R10O(R11(CO)(CO)(CO)12)SiO1/2
=R(−R1718C−CR1615(COC)R1314)SiO1/2
D=RSiO2/2;および
=RHSiO2/2
PE=RSiO2/2
=R(−R1718C−CR1615(COC)R1314)SiO2/2
T=R19SiO3/2
=HSiO3/2
PE=(−CHCH(R)(R10O(R11(CO)(CO)(CO)12)SiO3/2
=(−R1718C−CR1615(COC)R1314)SiO3/2;ならびに
Q=SiO4/2であり、
ここで、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR19はそれぞれ独立して、1から60個の炭素原子を持つ一価の炭化水素ラジカルの群より選択され;
はHもしくは1から6個の炭素原子のアルキル基であり;
10は1から6個の炭素原子の二価のアルキルラジカルであり;
11は、−CO−、−CO−および−CO−からなる二価のラジカルの群より選択され;
12は、水素、1から6個の炭素原子の単官能性の炭化水素ラジカル、もしくはアセチルであり;
13、R14、R15、R16、R17およびR18はそれぞれ独立して、水素および1から60個の炭素原子を持つ単官能性炭化水素ラジカルからなる群より選択され、Qは1から60個の炭素原子を持つ二価もしくは三価の炭化水素ラジカルであり、Qは1から60個の炭素原子を持つ二価の炭化水素ラジカルであって、Qが三価のとき、R14は存在せず、そしてQsが、R13を持つ炭素と結合を形成し、R16およびR18がお互いにシス−もしくはトランス−のいずれかであり;
下付文字aは0もしくは正であり、下付文字aが0の時、bが正であるべきという制限があり;
下付文字bは0もしくは正であり、bが0のとき、下付文字aが正であるべきという制限があり;
下付文字cは正であり、約5から約1,000の範囲の値を持ち;
下付文字dは正であり、約3から約400の範囲の値を持ち;
下付文字eは0もしくは正であり、0から約50の範囲の値を持ち;
下付文字fは0もしくは正であり、0から約30の範囲の値を持ち;
下付文字gは0もしくは正であり、0から約20の範囲の値を持ち;
下付文字hは0もしくは正であり、0から約2の範囲の値を持ち、h、iおよびjの和が正であるという制限があり;
下付文字iは0もしくは正であり、0から約200の範囲の値を持ち、h、iおよびjの和が正であるという制限があり;
下付文字jは0もしくは正であり、0から約30の範囲の値を持ち、h、iおよびjの和が正であるという制限があり;
下付文字kは0もしくは正であり、0から約2の範囲の値を持ち、k、lおよびmの和が正であるという制限があり;
下付文字lは0もしくは正であり、0から約200の範囲の値を持ち、k、lおよびmの和が正であるという制限があり;
下付文字mは0もしくは正であり、0から約30の範囲の値を持ち、k、lおよびmの和が正であるという制限があり;
下付文字nは0もしくは1であり;
下付文字oは0もしくは1であり;
下付文字pは0もしくは正であり、0から約100の範囲の値を持ち、(p+q+r)>0という制限を持ち;
下付文字qは0もしくは正であり、0から約100の範囲の値を持ち、(p+q+r)>0という制限を持ち;
下付文字rは0もしくは正であり、0から約100の範囲の値を持ち、(p+q+r)>0という制限を持ち;
下付文字sは0もしくは1であり;
下付文字tは0もしくは1である。
【0042】
水(もしくは非水性ヒドロキシル溶媒のような水等価物)、シロキサン、直鎖もしくは環状、または脂溶性流体(オイル膨張剤、オイル膨張性の)が膨張剤として用いられ得る。本発明の組成物の流体成分としての使用に好適な脂溶性流体は、室温でもしくは室温近く、たとえば約20℃から約50℃において、そして約1気圧で、液体である化合物もしくは二つもしくはそれ以上の化合物の混合物であり、そして例えば、シリコーン流体、炭化水素流体、エステル、アルコール、脂肪アルコール、グリコールおよび有機オイルを含む。好ましい実施態様において、本発明の組成物の流体成分は、25℃で約0.001m/s(約1000cSt)より小さい、好ましくは約0.0005m/s(約500cSt)より小さい、より好ましくは約0.00025m/s(約250cSt)より小さい、そしてもっとも好ましくは0.0001m/s(約100cSt)より小さい粘度を示す。
【0043】
本発明による多くの組成物において、シリコーンゲル(a)の全量は、10から99重量パーセント、好ましくは30から80重量パーセント、そしてより好ましくは50から75重量パーセントの範囲であり得、組成物の残余は窒化ホウ素の粉(b)およびシリコーンオイル(b)によって占める。
【0044】
窒化ホウ素の粉(b)
【0045】
本発明の組成物に用いられる窒化ホウ素の粉(b)は、任意の窒化ホウ素の結晶形態、例えば六方晶系および立方晶系の形態を持ち得る。小さい結晶のサイズの窒化ホウ素の粉の初期のプロセスで配向化されていないプレートレットである乱層の窒化ホウ素、上述の両方の形態の間である、より大きい結晶のグラファイトの窒化ホウ素の粉、ならびにグラファイト類似の窒化ホウ素の粉は六方晶系中のものである。
【0046】
ここでの使用に特に有利なものは、Momentive Performance Materialsから入手可能な以下のSoftouch(登録商標)の窒化ホウ素の粉である。

【0047】
本発明の組成物に混合される窒化ホウ素の粉の量は、含まれる特定の配合物およびその所望の機能特性に応じて大きく変化する。
【0048】
一般的に、本発明の組成物中の窒化ホウ素の粉の量は、0.5から40重量パーセント、好ましくは5から30重量パーセント、そしてもっとも好ましくは10から20重量パーセントの範囲であり得、組成物の残余はシリコーンゲル(a)およびシリコーンオイル(b)によって占める。
【0049】
シリコーンオイル(c)
【0050】
シリコーンオイル(c)は、これまでにパーソナルケア製品に用いられている任意の公知のおよび従来のシリコーンオイルの中から選択され得る。
【0051】
代表的なシリコーンオイルは、≦8×10−6/s(8センチストーク)の粘度を持つもののような、たとえば、2から7個のケイ素原子の、揮発性の直鎖もしくは環状シリコーンオイルを含み、これらのシリコーンは任意選択で1から10個の炭素原子を持つアルキルもしくはアルコキシ基を含有する。本発明において用いる揮発性のシリコーンオイルとして、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、カプリルメチコンおよびそれらの混合物が挙げられる。
【0052】
ここでまた有用なのは、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ペンダントおよび/もしくはケイ素鎖末端においてアルキルもしくはアルコキシ基を含有するポリジメチルシロキサン、それぞれ2から24個の炭素原子を持つアルキルおよびアルコキシ基、フェニルトリメチコーン、フェニルジメチコーン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコーン、ジフェニルメチル−ジフェニルトリシロキサンおよび(2−フェニルエチル)トリメチルシロキシ−シリカートのようなフェニル化シリコーンのような非揮発性シリコーンオイルである。
【0053】
シリコーンオイル(c)は、本発明のシリコーンゲル組成物中に少なくとも静電荷を消散する量で存在すべきであり、量は特定のシリコーンゲル含有組成物に対しルーチンの実験によって実験的に決定される。
【0054】
一般に、本発明のシリコーンゲル含有組成物は、1.5から40重量パーセントの、好ましくは5から30重量パーセントの、そしてより好ましくは10から20重量パーセントのシリコーンオイル(c)を含有できる。
【0055】
追加の成分(d)
【0056】
本発明のシリコーンゲル含有組成物は、慣例の量で用いられる公知で従来のパーソナルケア産物の任意の成分の一つもしくはそれ以上の任意選択の成分をも含有できる。それらの成分の中で挙げられるのは、他のシリコーン、界面活性剤、乳化剤、溶媒、軟化剤、湿潤剤、保湿剤、顔料、着色剤、香料、保存剤、抗酸化剤、殺生物剤、抗生物剤、制汗剤、角質除去剤、ホルモン、酵素、医薬品、ビタミン物質、ヒドロキシ酸、レチノール、レチノール誘導体、ナイアシンアミド、皮膚美白剤、塩、電解質、アルコール、ポリオール、エステル、紫外線照射のための散乱および/もしくは吸収剤、植物抽出物、ペプチド、タンパク質、有機油、ガム、サッカリド、オリゴサッカリド、ポリサッカリド、誘導体、ワックス、薄膜形成剤、増粘剤、微粒子充填剤、可塑剤、保湿剤、閉鎖剤、感覚増強剤、樹脂および光学活性粒子である。
【0057】
本発明の安定で窒化ホウ素の粉を含有するシリコーンゲル組成物が用いられるパーソナルケア製品は、デオドラント、制汗剤、制汗/防臭剤、ひげそり用製品、スキンローション、湿潤剤、化粧水、浴用化粧品、選択用製品、シャンプー、コンディショナー、ムース、スタイリングジェル、ヘアスプレー、ヘアダイ、ヘアカラー製品、ヘアブリーチ、カール製品、直毛剤のようなヘアケア製品、マニキュア液、マニキュア落とし、ネイルクリームおよびローションのようなマニキュア製品、角質軟化剤、日焼け止め剤、虫除けおよび老化防止剤のような保護クリーム、口紅、ファンデーション、フェイスパウダー、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、メーキャップ、マスカラのようなカラー化粧品、ならびにシリコーン成分が通常添加される他のパーソナルケア配合物、同様に皮膚へと投与すべき医薬組成物の局所投与のためのドラッグデリバリーシステムを含むが、それらに限定されない。
【実施例】
【0058】
実施例1
本発明による安定で窒化ホウ素の粉を含有するシリコーンゲル組成物(シリコーンゲルA)は以下の成分(すべてMomentive Performance Materialsより入手)を混合して調製された。

【0059】
シリコーンゲル、窒化ホウ素の粉およびシリコーンオイルは共に、クロスブレードを備えたオーバーヘッドミキサーによって600rpmで攪拌され、半顆粒もしくは片状を超えた稠度を持つシリコーンゲル組成物をもたらした。
【0060】
実施例2
実施例1と同じ成分を用いて、別の安定で窒化ホウ素の粉を含有するシリコーンゲル組成物(シリコーンゲルB)が本発明によって調製された。ゲル中のそれぞれの成分の量は以下の通りである:

【0061】
ゲルは最初にSilsoft(登録商標)034をVelvesil125へと添加し、その後、Softouch(登録商標)CC6097を添加し、一方で100gスケールで3−ブレードパドルを備えるオーバヘッドミキサーを用いて周囲温度で15分間攪拌して調製された。
【0062】
実施例3および4
実質的に同じ量で同じ成分を含有するファンデーション組成物が、以下に示す成分を、500rpmかつ80℃で20分間連続して混合して調製された。

【0063】
それぞれのファンデーション組成物は、Lenetta紙へと塗布され、そして引き降ろされ0.125ミリメートル(5ミル)の厚さのフィルムがもたらされた。実施例3のファンデーション組成物によって得られるフィルムは、視認される集塊を全く示さなかった一方で、実施例4のファンデーション組成物によって得られるフィルムのケースでは、集塊が明らかに視認された。実施例3の組成物のケースでは、本発明の窒化ホウ素の粉を含有するシリコーンゲルを構成するいくつかのシリコーンゲル、全ての窒化ホウ素の粉および全てのシリコーンオイルは、プレミックス(実施例1のシリコーンゲルA)として添加され、一方で、実施例4の組成物においては、シリコーンゲル、窒化ホウ素の粉およびシリコーンオイルは個々に添加され、間隔は組成物の他の成分の添加によって分けられた。そして、パーソナルケア製品の製造において、集塊の危険性を防止するかもしくは減ずるために、本発明のシリコーンゲル組成物を配合物中の他の成分へと、個々にかつ連続性を中断するようにするよりもむしろプレミックスとして添加されることが好ましい。
【0064】
実施例3および4のファンデーション組成物より得られるフィルムは、Hunter Lab Color Quest45/0スペクトラフォトメーターによって測定される被覆(より高い値がより大きな被覆を指すL値)についても評価された。実施例3の組成物より作製されるフィルムは、0.55のL値を持ち、一方で、実施例4の組成物によって作製されるフィルムは0.44のL値を持っていた。これらの結果は、パーソナルケア製品を製造するとき、個々の成分としてよりもむしろプレミックスとしてシリコーンゲル組成物を用いる利点をさらに示した。
【0065】
実施例5
他の安定で窒化ホウ素の粉を含有するシリコーンゲル組成物(シリコーンゲルC)が本発明によって調製された。ゲル中のそれぞれの成分の量は以下のようであった。

【0066】
シリコーンゲルおよびシリコーンオイルは共に手で攪拌され、そしてオーバーヘッドミキサーで600rpmで10分間混合された。その後、窒化ホウ素の粉が添加され、混合物はさらに20分間攪拌された。
【0067】
本発明の他の実施態様は、ここに開示される本明細書の事項もしくは本発明の実施より当業者にとって明らかであろう。明細書および実施例は説明のみとして考えられ、本発明の真の範囲および精神は以下の請求項によって定義されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)少なくとも一つのシリコーンゲル;
b)少なくとも一つの窒化ホウ素の粉(a);
c)静電荷を消散する量の少なくとも一つのシリコーン油;ならびに
d)任意選択で、他のシリコーン、界面活性剤、乳化剤、溶媒、軟化剤、湿潤剤、保湿剤、顔料、着色剤、香料、保存剤、抗酸化剤、殺生物剤、抗生物剤、制汗剤、角質除去剤、ホルモン、酵素、医薬品、ビタミン物質、ヒドロキシ酸、レチノール、レチノール誘導体、ナイアシンアミド、皮膚美白剤、塩、電解質、アルコール、ポリオール、エステル、紫外線照射の散乱および/もしくは吸収剤、植物抽出物、ペプチド、タンパク質、有機油、ガム、サッカリド、オリゴサッカリド、ポリサッカリド、誘導体、ワックス、薄膜形成剤、増粘剤、微粒子充填剤、可塑剤、保湿剤、閉鎖剤、感覚増強剤、樹脂および光学活性粒子からなる群より選択される少なくとも一つの成分、
を含有する安定で窒化ホウ素の粉を含有するシリコーンゲル組成物。
【請求項2】
シリコーンゲル(a)が、
(i)シリコーンとヒドロシリル化相溶性溶媒とから作製されるゲルであって、前記シリコーンが直鎖アルケニルポリオルガノシロキサンおよび水素化物樹脂のヒドロシリル化によって調製されるもの;
(ii)エポキシ官能性ヒドリドシロキサンの反応産物として作製されるゲルであって、前記反応産物がエポキシゲル作製相溶性溶媒中において作製されるもの;
(iii)シリコーンとヒドロシリル化相溶性溶媒とから作製されるゲルであって、前記シリコーンが直鎖水素ポリオルガノシロキサンおよびアルケニル樹脂のヒドロシリル化によって調製されるもの;
(iv)シリコーンとヒドロシリル化相溶性溶媒とから作製されるゲルであって、前記シリコーンが直鎖水素ポリオルガノシロキサンおよび直鎖アルケニルポリオルガノシロキサンのヒドロシリル化によって調製されるもの;
(v)シリコーンとヒドロシリル化相溶性溶媒とから作製されるゲルであって、前記シリコーンが水素ポリオルガノシロキサン樹脂およびアルケニルポリオルガノシロキサン樹脂のヒドロシリル化によって調製されるもの;
(vi)シリコーンとヒドロシリル化相溶性溶媒とから作製されるゲルであって、前記シリコーンが分子当たり二つもしくはそれ以上のヒドリド官能性を持つ直鎖水素オルガノポリシロキサンならびに分子当たり二つもしくはそれ以上の反応官能性を持つアルファ、オメガ反応性有機分子のヒドロシリル化によって調製されるもの;
(vii)水性および/もしくは非水性の膨張する液体中において膨張するポリアクリラートシロキサンコポリマーネットワークより作製されるゲル
からなる群より選択される少なくとも一要素である、請求項1に記載の安定で窒化ホウ素の粉を含有するシリコーンゲル組成物。
【請求項3】
前記ヒドロシリル化相溶性溶媒が、2から7個のケイ素原子および1から30個の炭素原子のアルキル基を持つ、分岐の、直鎖のもしくは環状のシリコーンオイルである、請求項2に記載の安定で窒化ホウ素の粉を含有するシリコーンゲル組成物。
【請求項4】
前記ヒドロシリル化相溶性溶媒が3から6個のケイ素原子および3から20個の炭素原子のアルキル基を持つ、分岐の、環状のもしくは直鎖のシリコーンオイルである、請求項2に記載の安定で窒化ホウ素の粉を含有するシリコーンゲル組成物。
【請求項5】
前記窒化ホウ素の粉(b)が、大部分がグラファイト、グラファイト類似もしくは乱層の結晶形態である、請求項1に記載の安定で窒化ホウ素の粉を含有するシリコーンゲル組成物。
【請求項6】
シリコーンオイル(c)が、2から7個のケイ素原子および1から30個の炭素原子のアルキル基を持つ、直鎖の、分岐のもしくは環状のシリコーンオイルである、請求項1に記載の安定で窒化ホウ素の粉を含有するシリコーンゲル組成物。
【請求項7】
シリコーンオイル(c)が3から6個のケイ素原子および3から20個の炭素原子のアルキル基を持つ、直鎖のもしくは分岐のシリコーンオイルである、請求項6に記載の安定で窒化ホウ素の粉を含有するシリコーンゲル組成物。
【請求項8】
シリコーンオイル(c)が、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルヘプチルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ペンタメチルヘキシルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサンおよびカプリルメチコンからなる群より選択される少なくとも一要素である、請求項7に記載の安定で窒化ホウ素の粉を含有するシリコーンゲル組成物。
【請求項9】
窒化ホウ素の粉(b)が集塊化するかもしくは非集塊化しており、そして大部分がグラファイト、グラファイト類似もしくは乱層の結晶形態である、請求項2に記載の安定で窒化ホウ素の粉を含有するシリコーンゲル組成物。
【請求項10】
シリコーンオイル(c)が、2から7個のケイ素原子および1から30個の炭素原子のアルキル基を持つ、直鎖の、分岐のもしくは環状のシリコーンオイルである、請求項2に記載の安定で窒化ホウ素の粉を含有するシリコーンゲル組成物。
【請求項11】
シリコーンオイル(c)が3から6個のケイ素原子および3から20個の炭素原子のアルキル基を持つ、直鎖のもしくは分岐のシリコーンオイルである、請求項10に記載の安定で窒化ホウ素の粉を含有するシリコーンゲル組成物。
【請求項12】
シリコーンオイル(c)が、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルヘプチルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ペンタメチルヘキシルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサンおよびカプリルメチコンからなる群より選択される少なくとも一要素である、請求項11に記載の安定で窒化ホウ素の粉を含有するシリコーンゲル組成物。
【請求項13】
シリコーンオイル(c)が、2から7個のケイ素原子および1から30個の炭素原子のアルキル基を持つ、直鎖の、分岐のもしくは環状のシリコーンオイルである、請求項5に記載の安定で窒化ホウ素の粉を含有するシリコーンゲル組成物。
【請求項14】
シリコーンオイル(c)が3から6個のケイ素原子および3から20個の炭素原子のアルキル基を持つ、直鎖のもしくは分岐のシリコーンオイルである、請求項13に記載の安定で窒化ホウ素の粉を含有するシリコーンゲル組成物。
【請求項15】
シリコーンオイル(c)が、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルヘプチルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ペンタメチルヘキシルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサンおよびカプリルメチコンからなる群より選択される少なくとも一要素である、請求項14に記載の安定で窒化ホウ素の粉を含有するシリコーンゲル組成物。
【請求項16】
(a)10から99重量パーセントのシリコーンゲル(a);
(b)0.5から50重量パーセントの窒化ホウ素の粉(b);
(c)0.5から40重量パーセントのシリコーンオイル(c);
(d)0から89重量パーセントの任意選択の成分(d);
を含有する、請求項1に記載の安定で窒化ホウ素の粉を含有するシリコーンゲル組成物。
【請求項17】
(a)30から80重量パーセントのシリコーンゲル(a);
(b)5から30重量パーセントの窒化ホウ素の粉(b);
(c)5から30重量パーセントのシリコーンオイル(c);
(d)0から60重量パーセントの任意選択の成分(d);
を含有する、請求項1に記載の安定で窒化ホウ素の粉を含有するシリコーンゲル組成物。
【請求項18】
(a)50から75重量パーセントのシリコーンゲル(a);
(b)10から25重量パーセントの窒化ホウ素の粉(b);
(c)0から20重量パーセントのシリコーンオイル(c);
(d)0から40重量パーセントの任意選択の成分(d);
を含有する、請求項1に記載の安定で窒化ホウ素の粉を含有するシリコーンゲル組成物。
【請求項19】
a)それの10重量パーセントを超えない非シリコーンゲル物質を含有するシリコーンゲル(a)の源、窒化ホウ素の粉(b)の源およびシリコーンオイル(c)の源を混合して、(a)、(b)および(c)の安定で実質的に均一な混合物をもたらすステップ;
b)任意選択で、(a)、(b)および(c)の安定で実質的に均一な混合物と他のシリコーン、界面活性剤、乳化剤、溶媒、軟化剤、湿潤剤、保湿剤、顔料、着色剤、香料、保存剤、抗酸化剤、殺生物剤、抗生物剤、制汗剤、角質除去剤、ホルモン、酵素、医薬品、ビタミン物質、ヒドロキシ酸、レチノール、レチノール誘導体、ナイアシンアミド、皮膚美白剤、塩、電解質、アルコール、ポリオール、エステル、紫外線照射のための散乱および/もしくは吸収剤、植物抽出物、ペプチド、タンパク質、有機油、ガム、サッカリド、オリゴサッカリド、ポリサッカリド、誘導体、ワックス、薄膜形成剤、増粘剤、微粒子充填剤、可塑剤、保湿剤、閉鎖剤、感覚増強剤、樹脂および光学活性粒子からなる群より選択される少なくとも一成分とを混合するステップを含有する安定で窒化ホウ素の粉を含有するシリコーンゲル組成物を調製するプロセス。
【請求項20】
a)シリコーンゲル(a)の源が、
(i)シリコーンとヒドロシリル化相溶性溶媒とから作製されるゲルであって、前記シリコーンが直鎖アルケニルポリオルガノシロキサンおよび水素化物樹脂のヒドロシリル化によって調製されるもの;
(ii)エポキシ官能性ヒドリドシロキサンの反応産物として作製されるゲルであって、前記反応産物がエポキシゲル作製相溶性溶媒中において作製されるもの;
(iii)シリコーンとヒドロシリル化相溶性溶媒とから作製されるゲルであって、前記シリコーンが直鎖水素ポリオルガノシロキサンおよびアルケニル樹脂のヒドロシリル化によって調製されるもの;
(iv)シリコーンとヒドロシリル化相溶性溶媒とから作製されるゲルであって、前記シリコーンが直鎖水素ポリオルガノシロキサンおよび直鎖アルケニルポリオルガノシロキサンのヒドロシリル化によって調製されるもの;
(v)シリコーンとヒドロシリル化相溶性溶媒とから作製されるゲルであって、前記シリコーンが水素ポリオルガノシロキサン樹脂およびアルケニルポリオルガノシロキサン樹脂のヒドロシリル化によって調製されるもの;
(vi)シリコーンとヒドロシリル化相溶性溶媒とから作製されるゲルであって、前記シリコーンが分子当たり二つもしくはそれ以上のヒドリド官能性を持つ直鎖水素オルガノポリシロキサンならびに分子当たり二つもしくはそれ以上の反応官能性を持つアルファ、オメガ反応性有機分子のヒドロシリル化によって調製されるもの;
(vii)ビニル官能性ヒドリドシロキサンのヒドロシリル化相溶性溶媒中での反応産物として作製されるゲル;ならびに
(viii)水性および/もしくは非水性の膨張する液体中において膨張するポリアクリラートシロキサンコポリマーネットワークより作製されるゲル
からなる群より選択される少なくとも一要素であり、
b)前記シリコーンオイル(c)の源が、2から7個のケイ素原子および1から30個の炭素原子のアルキル基を持つ、直鎖の、分岐のもしくは環状のシリコーンオイルを含有する、請求項2に記載の安定で窒化ホウ素の粉を含有するシリコーンゲル組成物。
請求項19に記載のプロセス。
【請求項21】
シリコーンオイル(c)の源が、3から6個のケイ素原子および3から20個の炭素原子のアルキル基を持つ、直鎖の、分岐のもしくは環状のシリコーンオイルであるかまたは、3から6個のケイ素原子および3から20個の炭素原子のアルキル基を持つ、直鎖の、分岐のもしくは環状のシリコーンオイルを含む、請求項20に記載のプロセス。
【請求項22】
直鎖の、分岐のもしくは環状のシリコーンオイル(c)の源が、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルヘプチルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、ペンタメチルヘキシルジシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサンおよびカプリルメチコンからなる群より選択される少なくとも一要素であるかまたはオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルヘプチルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、ペンタメチルヘキシルジシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサンおよびカプリルメチコンからなる群より選択される少なくとも一要素を含む、請求項21に記載のプロセス。
【請求項23】
(a)、(b)および(c)の安定で実質的に均一な混合物が、10から99重量パーセントのシリコーンゲル、0.5から50重量パーセントの窒化ホウ素の粉および0.5から40重量パーセントのシリコーン流体を含有する、請求項19に記載のプロセス。
【請求項24】
(a)、(b)および(c)の安定で実質的に均一な混合物が、30から80重量パーセントのシリコーンゲル、5から30重量パーセントの窒化ホウ素の粉および5から30重量パーセントのシリコーン流体を含有する、請求項19に記載のプロセス。
【請求項25】
(a)、(b)および(c)の安定で実質的に均一な混合物が、50から75重量パーセントのシリコーンゲル(a)、10から25重量パーセントの窒化ホウ素の粉(b)および10から20重量パーセントのシリコーン流体(c)を含有する、請求項19に記載のプロセス。
【請求項26】
少なくとも部分的な(a)が少なくとも部分的な(b)と混合されて(a)および(b)のプレミックスをもたらし、その後、少なくとも部分的な(c)が(a)および(b)のプレミックスと混合されるか、または少なくとも部分的な(b)が少なくとも部分的な(c)と混合されて(b)および(c)のプレミックスをもたらし、その後、少なくとも部分的な(a)が(b)および(c)のプレミックスと混合されるか、または少なくとも部分的な(a)が少なくとも部分的な(c)と混合されて(a)および(c)のプレミックスをもたらし、その後、少なくとも部分的な(b)が(a)および(c)のプレミックスと混合される、請求項19に記載のプロセス。
【請求項27】
請求項19に記載のプロセスによって産生され、プロセスのステップ(b)において少なくとも一成分がその中に導入される、安定で窒化ホウ素の粉を含有するシリコーンゲル組成物。
【請求項28】
パーソナルケア製品である、請求項27に記載の安定で窒化ホウ素の粉を含有するシリコーンゲル組成物。
【請求項29】
請求項26に記載のプロセスによって産生され、プロセスのステップ(b)において少なくとも一成分がその中に導入される、安定で窒化ホウ素の粉を含有するシリコーンゲル組成物。
【請求項30】
パーソナルケア製品である、請求項29に記載の安定で窒化ホウ素の粉を含有するシリコーンゲル組成物。


【公表番号】特表2010−540435(P2010−540435A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−525818(P2010−525818)
【出願日】平成20年9月17日(2008.9.17)
【国際出願番号】PCT/US2008/010805
【国際公開番号】WO2009/038712
【国際公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(508229301)モメンティブ パフォーマンス マテリアルズ インコーポレイテッド (120)
【Fターム(参考)】