説明

窒化物蛍光体、その製造方法及びそれを用いた発光装置

【課題】
蛍光体及びその製造方法、それを用いる発光装置が提供される。
【解決手段】
前記蛍光体の組成式はI−M−A−B−O−N:Zであり、ここで、Iは、Li、Na、及びKを含む群から選択され、MはCa、Sr、Mg、Ba、Be及びZnを含む群から選択され、AはAl、Ga、In、Sc、Y、La、Gd、及びLuを含む群から選択され、BはSi、Ge、Sn、Ti、Zr及びHfを含む群から選択され、ZはEu及びCeを含む群から選択され;m+r=1、0<i<0.25、0<a<1、0<b<2、1.15<b/a<1.4、0≦t≦0.7、2.1≦n≦4.4、及び0.001≦r≦0.095である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2011年4月1日出願の台湾特許出願番号100111586に基づく優先権を主張する。該特許出願の内容は、参照された本明細書の一部となる。本発明は一般的に、新規な蛍光体であって高照度及び高い耐久性を持つ新規蛍光体、その製造方法、該製造方法により製造された蛍光体、及び特に、励起された際に赤色波長長を持つ赤蛍光発光及び表示装置又は発光ダイオードなどの装置に関する応用に関する。本発明はまた、赤蛍光を含む発光装置を提供する。
【背景技術】
【0002】
エネルギの保存及び環境保護の要求から、高効率及びエネルギを節約しかつ環境保護要求をも目指した照明光源の開発が重要な研究課題となってきている。特に白色発光ダイオード(LED)はさらにこれまでの照明ランプと置換するために重要な技術となってきている。というのはそれは小容積、低発熱性、低電力消費、長寿命などであり、高電力消費及び白熱灯の壊れ易さ、また蛍光灯からの水銀汚染などの欠点がないからである。現在、照明用白色発光装置は励起光源としてほとんど青色光を用い黄色蛍光体(phosphor)と共に用いることが主な流れとなっている。しかし、上で説明した白色発光装置からの白色は赤色領域の光が不十分であり、白色光の演色性及び色飽和性において明らかに不十分である。加えて、従来の黄色蛍光体は、照明効率が低く白色光の照度が十分ではない。これらの問題を解決するために、最近、赤色光を発光可能な蛍光体を黄色蛍光体に混合し、白色光の演色性及び色飽和性を改良する試みがなされている。従って赤色蛍光体は黄色蛍光体の低照明効率の欠点を相殺するために利用され得る。
【0003】
これまで知られた赤色蛍光体は、例えばSrSi:Eu、CaAlSiN:Euまたはシアロン(sialon)蛍光体(一般に式、MSi12−(m+n)Alm+n16−nで表される)などである。しかし、蛍光体SrSi:Euの結晶の低耐熱性により、長時間の使用後に照度や演色性の低下などの欠点が生じる。シアロン蛍光体は耐久性に関する問題はないが、発光照度が明らかに不十分であり、従って市販の製品中にはあまり使用されていない。蛍光体CaAlSiN:Euはシアロン蛍光体よりも良好な耐久性及び照度を持つが、当業界では、既知の蛍光体よりもより高い発光効率を持つ発光装置を製造するより高い照度を持つ蛍光体をいまだに求めている。
【0004】
希土類で活性化された従来のシアロン蛍光体よりも長波長を持つオレンジ色又は赤色を発光する無機蛍光体が、日本特許第3837588に開示されている。該蛍光体は赤色成分に優れ演色性に優れている。該組成物は、少なくともM元素、A原子、D原子、E原子及びX原子を含む(ここで、M元素はMn、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbを含む群から選択されるひとつ又は2以上の元素であり、A元素はM以外の2価金属元素を含む群から選択されるひとつ又は2以上の元素であり、D元素は4価金属元素を含む群から選択されるひとつ又は2以上の元素であり、E元素は、3価金属元素を含む群から選択されるひとつ又は2以上の元素であり、X元素は、O、N及びFを含む群から選択されるひとつ又は2以上の元素である)。
【0005】
CaAlSi:Eu(ここで(m+z):a:b:n=1:1:1:3)などのCaAlSiN:Euの赤色発光の発光照度は、アルカリ金属を添加することで増加させることができる。しかし実際の照度についての改良は大きなものではない。さらに、蛍光体の照度の維持率は明らかに減少する。従って、改良効果は小さく、最適化の努力は現実的ではなく、従って当産業の要求が満たされるものではない。
【0006】
そのほか、CaAlSiN:Euの赤色蛍光体の組成は、例えばAl/Siを1よりも大きくすることで調節され得る。蛍光体の発光照度は増加させることはできるが、照度の保持率は明らかに減少する傾向となる。従って発光効率を実質的に増加させることは難しい。
【0007】
上記の議論により、いまだに次のような赤色蛍光体の開発の必要がある。即ち該赤色蛍光体は従来のものに比較してより高い照度及び耐久性を持ち、その実用性及び白色光の演色性が使用される応用において増加されるものである。

【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、新規な蛍光体であって高照度及び高い耐久性を持つ新規蛍光体、その製造方法、該製造方法により製造された蛍光体、及び特に、励起された際に赤色波長長を持つ赤蛍光発光及び表示装置又は発光ダイオードなどの装置に関する応用を提供することを課題とする。本発明はまた、赤蛍光を含む発光装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、高照度及び高耐久性を持つ蛍光体に向けられる。
【0010】
蛍光体は、組成物式、I−M−A−B−O−N:Zを持ち、ここで、IはLi、Na及びKを含む群から選択され、MはCa、Sr、Mg、Ba、Be及びZnを含む群から選択され、Aは、Al、Ga、In、Sc、Y、La、Gd及びLuを含む群から選択され、BはSi、Ge、Sn、Ti、Zr及びHfを含む群から選択され、ZはEu及びCeを含む群から選択され、m+r=1、0<i<0.25、0<a<1、0<b<2、1.15<b/a<1.4、0≦t≦0.7、2.1≦n≦4.4、及び0.001≦r≦0.095である。
【0011】
さらに本発明の蛍光体は、好ましくは1.25<b/a<1.4である。
【0012】
さらに本発明の蛍光体は、好ましくは0.001≦i≦0.2である。
【0013】
さらに本発明の蛍光体において、前記蛍光体が単斜晶系であり、Mが例えばCa及びSr元素を含む。
【0014】
さらに本発明の蛍光体は、元素Srを元素Mの20%よりも多く含むものである。
【0015】
さらに、本発明の蛍光体においては、a+0.5i=1である。
【0016】
さらに本発明の蛍光体において、好ましくは0.1≦t≦0.7である。
【0017】
さらに本発明の蛍光体においては、MはCa及びSrを含む群から選択され、Aは少なくともAlを含み、Bha少なくともSiを含み、Zは少なくともEuを含む。
【0018】
上記の本発明の蛍光体において、また、励起される際に、蛍光体から発光される色のCIE色座標(x、y)が、0.45≦x≦0.72及び0.2≦y≦0.5である。
【0019】
本発明の第二の目的は高照度、高耐久性を持つ蛍光体の製造方法に向けられる。
【0020】
高照度、高耐久性を持つ蛍光体の製造方法は次のステップを含む:原料を秤量する秤量ステップ;前記原料を混合して混合物を得るための混合ステップ;前記混合物を高温炉で焼成して焼成物を得る焼成ステップ;及び前記焼成物を粉砕して前記蛍光体を得るための粉砕ステップとを含み;前記混合物がアルカリ金属成分を含む。前記原料は例えば、アルカリ金属炭酸塩を含む。実際には、前記原料は炭酸リチウム又は炭酸カリウムを含むことができる。さらに、前記焼成ステップで、上記混合物は1気圧の圧力下で焼成されることができ、前記温度は1600〜1800℃の範囲、好ましくは1700〜1800℃の範囲である。
【0021】
本発明の第三の目的は、高照度及び高実用性及び耐久性を持つ発光装置に向けられ、発光元素及び上記の蛍光体の発光ユニットを含む。発光元素は、例えば300〜550nmの範囲の波長長を持つ光を発光する。
【発明の効果】
【0022】
本発明の効果は、高照度及び高耐久性の蛍光体を形成するために効果的に元素を結合させるために組成物中の各元素の比率を調節することにより得られる。特に本発明において、アルカリ金属元素を添加すること、他の元素の比率を調節すること及びアルカリ金属を適切な範囲で加えるように制御することで、得られる蛍光体は高照度、高耐久性となり、本発明の蛍光体の高照度、高耐久性の特徴が従来技術の蛍光体のものよりも優れたものであり、本発明の蛍光体は、もうひとつの選択物として当該産業に提供するための発光装置の演色性及び色飽和性を増加させることに寄与するものである。従って、本発明の効果は実際に達成されたものである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、実施例1のX線粉末回折パターンを示す。
【図2】図2は、使用条件での照度測定の模式的ダイヤグラムである。
【図3】図3は、本発明の発光装置の一例の斜視図である。
【図4】図4は、本発明の蛍光体の製造プロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明につき、上記及び他の技術的内容、特徴及び効果は、以下詳細な記載に基づくさらに説明される。
【0025】
本発明の蛍光体は、組成式I−M−A−B−O−N:Zで表される。IはLi、 Na及びKを含む群から選択され、MはCa、Sr、Mg、Ba、Be及びZnを含む群から選択され、AはAl、Ga、In、Sc、Y、La、Gd及びLuを含む群から選択され、BはSi、Ge、Sn、Ti、Zr及びHfを含む群から選択され、ZはEu及びCeを含む群から選択され、m+r=1、0<i<0.25、0<a<1、0<b<2、1.15<b/a<1.4、0≦t≦0.7、2.1≦n≦4.4、および0.001≦r≦0.095である。
【0026】
IはLi、Na及びKを含む群から選択される。例えばIは独立して元素Li及びまた元素Li、Naなどの混合物であり得る。以下では該元素の原料を説明する例としてLi元素を挙げる。この場合Li金属、リチウム窒化物、炭酸リチウム、酸化リチウム、珪化リチウムなどである。ひとつの実施態様では炭酸リチウムが好ましい効果を持つ。
【0027】
Mは、Ca、Sr、Mg、Ba、Be及びZnを含む群から選択される。以下では該元素の原料を説明する例としてCa元素を挙げる。この場合、カルシウム金属、カルシウム窒化物、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウムなどである。
【0028】
好ましくは、Mは元素Ca及びSrを同時に含む。好ましくは、Srは前記元素Mの20%よりも多く含まれる。より好ましくは、Srが元素Mの30%よりも多く含まれる。元素Ca及びSrの原料は限定されず種々のタイプが可能である。これは、この2つの元素の原料が同じタイプの化合物又は異なるタイプの化合物であってよいことを意味する。例えば、カルシウム窒化物をストロンチウム窒化物と共に使用できる。又はカルシウム金属をストロンチウム窒化物とともに使用できる。
【0029】
Aは、Al、Ga、In、Sc、Y、La、Gd及びLuを含む群から選択される。例えばAは、独立してAlであってよく、またAl、Gaなどとの混合物であってよい。以下では該元素の原料を説明する例としてAl元素を挙げる。ここで、アルミニウム金属、アルミニウム窒化物、アルミニウム酸化物、水酸化アルミニウムなどである。ひとつの実施態様では、アルミニウム酸化物が前記蛍光体組成物中でAl及びOの原料として使用され得る。
【0030】
Bは、Si、Ge、Sn、Ti、Zr及びHfを含む群から選択される。例えばBは、独立してSiであってよく、またSi、Geなどとの混合物であってよい。以下では該元素の原料を説明する例としてSi元素を挙げる。ここで、シリコン元素、シリコン窒化物、シリコン酸化物、シリコン金属などである。ひとつの実施態様では、シリコン酸化物が前記蛍光体組成物中でSi及びOの原料として使用され得る。
【0031】
Zは、Eu及びCeを含む群から選択される。以下では該元素の原料を説明する例としてEu元素を挙げる。ここで、ユーロピウム元素、ユーロピウム窒化物、ユーロピウム酸化物、ユーロピウム水酸化物などである。ひとつの実施態様では、ユーロピウム酸化物が前記蛍光体組成物中でEu及びOの原料として使用され得る。
【0032】
OはO元素及びNはN元素である。
【0033】
組成式I−M−A−B−O−N:Zにおいて、0<i<0.25、0<a<1、0<b<2、m+r=1、1.15<b/a<1.4、0≦t≦0.7、2.1≦n≦4.4及び0.001≦r≦0.095である。
ここで、Iは好ましくは0<i<0.25であり、より好ましくは0.001≦i≦0.2であり、最も好ましくは0.001≦i≦0.15である。m+r=1、1.15<b/a<1.4である。
mは好ましくは0<m≦0.999であり、最も好ましくは0<m≦0.992である。aは好ましくは0<a<1であり、より好ましくは0.5<a<0.99であり、最も好ましくは0.9<a<0.96である。より好ましくはは、AがAlの場合、発光照度はより好ましいものとなる。bは好ましくは0<b<2であり、より好ましくは1<b<2であり、最も好ましくは1<b<1.5である。より好ましくは、BはSiであり、発光照度はより好ましいものとなる。好ましくは1.15<b/a<1.4であり、より好ましくは1.25<b/a<1.4である。tは好ましくは0≦t≦0.7であり、より好ましくは0.1≦t≦0.7である。nは好ましくは2.1≦n≦4.4であり、より好ましくは2.1≦n≦4.0である。I、m、a、b及びtが、それぞれ本発明の上記範囲内である場合、発光照度は優れたものとなる。rは好ましくは0.001≦r≦0.095であり、より好ましくはZがEuの場合に発光照度が好ましいものとなる。rが0.001未満の場合、前記照明中心のEuの量が少ないことから、照度は減少する。rが0.095よりも大きい場合には、Eu元素間の干渉により濃度消光現象が生じて照度がそれにより減少する。より好ましくは、rが0.002〜0.03の範囲である場合、照度がより好ましくなる。
【0034】
図2を参照して、本発明の蛍光体の照度は、照度測定装置により検出されることができる。照度測定装置はブラックボックス体11、サンプルホルダ12、光源13、導光管14、反射ミラー15及び照度メータ16(TOPCON、SR−3A)を含む。サンプルホルダ12は前記ブラックボックス体11内の設けられ、光源13はサンプル12に対して垂直に約5cm高く配置されている。導光管14は直径約2cmを持ち、かつ光源13に対して角度45°で配置される。反射ミラー15は、導光管14内にサンプルホルダ12から約8cmギャップ距離を隔てて配置される。さrに、照度メータ16及び反射ミラーの距離は約40cmである。サンプルホルダ12が蛍光体で満たされ高原13で照射され、蛍光体からの蛍光発光が照度メータ16に導光管14及び反射ミラー15の機能を介して案内され、その後光源により照射された後の蛍光体による蛍光発光の照度及び色度が、測定角度1°で検出される。
【0035】
本発明は蛍光体の製造方法を含む。本方法は:原料を秤量する秤量ステップ;原料を混合して混合物を得る混合ステップ;焼成生成物を得るための高熱炉で前記混合物を焼成する焼成ステップ;及び前記焼成生成物を粉砕して前記蛍光体を得るための粉砕ステップを含む。前記混合物はアルカリ金属化合物を含む。好ましくはアルカリ金属化合物は、炭酸リチウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩を含む。
【0036】
原料のそれぞれの成分の純度は高いほど好ましい。好ましくは2Nより高く、より好ましくは3N(99.9%)より高い。高明度の蛍光体を得るためには、原料中の不純物又は処理中の汚染はできるだけ低くするべきである。特に、Fe、Co、Ni、F、B、Cl又はCは多く存在する場合には前記蛍光体の照明効率が抑制され得る。従って、高純度の原料及び合成ステップを制御することで汚染を予防することができる。例えばFe、Co、Ni、F、B、Cl又はCの含有量をそれぞれ1000ppm未満にすることができる。
【0037】
減量中のそれぞれの成分の種々の粒子サイズ及び形状により、得られる蛍光体の粒子サイズ及び形状が異なる。従って、原料中の各成分の粒子サイズについては、最終的に得られる蛍光体が望ましい粒子サイズを持つ限り、限定されない。好ましくは、反応を促進するという観点からは、原料中の各成分の粒子サイズは主にミクロサイズ粒子である。
【0038】
原料中の各成分は湿度に容易に影響され、容易に酸化され得ることから、より好ましくは、各成分(他Ca、Srなど)の秤量及び混合は不活性ガス下のグローブボックス内で操作される。不活性ガスは好ましくは十分脱湿されたものである。原料の混合物は乾式プロセス(例えば乾式ボールミルなど)又は湿式プロセス(例えば湿式ボールミルなど)であってよく、一つの方方法には限定されない。さらに、混合装置は従来の装置でよく、例えばボールミル装置又は乳鉢装置であり得る。
【0039】
焼成のために特に限定はなく、原料を焼成容器に非酸化的雰囲気で導入して加熱され、それにより原料が反応して蛍光体を生成するものであればよい。好ましくは、常圧プロセスが採用される。焼成反処理についてもなんら制限はない。好ましくは加熱処理は、金属抵抗加熱、グラファイト抵抗加熱又はそれらの組み合わせから選択されるプロセスである。焼成処理は非酸化的雰囲気で操作されるべきであり、例えば窒素、水素、アンモニア、アルゴン又はこれらの混合ガス下で操作される。焼成処理の操作温度は蛍光体の粒子サイズに影響する。微細粒子サイズの蛍光体は低温度で焼成すると生成し、大きい粒子サイズを持つ蛍光体は高温で焼成すると得られる。好ましくは焼成処置の操作温度は1600〜1800℃であり、より好ましくは焼成処理の操作温度は1700〜1800℃の範囲である。好ましくは、加熱速度は3℃/分〜15℃/分である。焼成そりの所要時間は原料中の各成分により異なる。好ましくは操作時間は1時間〜2時間の範囲である。好ましくは焼成処理の操作圧力は、0.5MPaよりも低くより好ましくは0.1MPaよりも低い。焼成処理が終了した後、本発明の蛍光体が得られる。得られた蛍光体はさらにボールミル又は工業的粉砕装置により粉砕処理され、続いて水洗処理、ろ過処理、乾燥処理及び篩い分け処理が行われる。
【0040】
高明度の蛍光体を得るためには、蛍光体が焼成される際にフラックス剤の添加により生じる蛍光体組成物中の不純物含有量、原料中の不純物、処理中の汚染などはできるだけ小さくしなければならない。特に元素F、B、Cl、Cなどが多量に存在すると、照明が抑制され得る。従って、該汚染は、原料を高純度のものを選択し、合成ステップを制御することで防止し、上記元素の含有量をそれぞれ1000ppm未満にすることができる。
【0041】
本発明の蛍光体が粉末形で使用される場合、蛍光体の平均粒子サイズは好ましくは20μm未満である。その理由は、蛍光体粉末の照明は主に粒子表面から生じるからであり、平均粒子サイズ(本発明においては、「平均粒子サイズ」は、容積平均粒子サイズ(D50)を意味する)が20μm未満であるならば、蛍光体の単位重量当たりの表面領域が保証され、明度の減少が抑制され得る。さらに、蛍光体粉末が発光素子上にコーティングされる場合、蛍光体粉末の密度を上げることができる。その点から、明度の減少を防止することができる。加えて、本発明者の研究によれば、粉末蛍光体の照明効率の点からみて平均粒子サイズが1μmより大きいことが好ましい。上記によれば、本発明の蛍光体の平均粒子サイズは好ましくは1μmより大きく20μm未満であり、特に好ましくは3.0μmより大きく15μm未満である。ここでいわゆる平均粒子サイズ(D50)は、Multisizer−3(Beckman Coulter、Inc.)によるコールタカウント方法(Coulter counter method)により測定される。
【0042】
組成分析が本発明の蛍光体について行われ、各成分を表すI、m、a、b、t、n及びr値は、原料中の各成分を表すI、m、a、b、t、n及びr値とはわずかな差のみであることが見出された。この現象は、成分の少量が分解し、少量の成分が蛍光体の水洗により蛍光体の格子へ導入されなかったことにより生じたか、又は分析誤差として解釈され得る。特に、t値の変動は、原料中の各成分の表面に付着された酸素により生じるものであり、これは蛍光体の原料が秤量され、混合され又は焼成される際に表面酸化により形成される酸素であるか、又は焼成処理の後形成された蛍光体の表面に付着する湿度又は酸素により生じるものである。または、焼成処理が窒素及び/又はアンモニア含有雰囲気下で行われる際に、原料の各成分の酸素が遊離して窒素と置換され、これによりt値がより変動する原因となる。
【0043】
従って、本発明は、組成物の各成分の比率を調節しm+r=1及び1.15<b/a<1.4とすることで、蛍光体の光明度及び明度維持率を従来の蛍光体に比べてより良好な条件に維持される。図1に示されるように、X線粉末回折パターンにより、10の最も強い回折ピークが決定され、従来のCaAlSiNと一致する。また、X線回折結果から計算された格子定数は従来のCaAlSiNのものとは異なっている。従って、本発明の蛍光体は従来の蛍光体とは異なる物であることが分かる。
【0044】
本発明者は、本蛍光体からの発光の明度が増加する理由については確かではないが、次のように予測する。適切なアルカリ金属の添加及び他の元素の比率の調節により、各元素間の固溶性が増加する。従って蛍光体の結晶構造が本来的なものとなる。例えば蛍光体の格子欠陥は従来の技術の赤色蛍光体よりも小さい。さらに、エネルギ移動効率は高くなる。従って、蛍光体の照明効率及び明度が高くなる。また、格子欠陥が少なくなることから、分子構造が本来的なものとなる。従って分子の明度についても維持率は好ましいレベルに維持される。まとまると本発明は高明度及び高明度維持率を同時に持つ新規蛍光体ということになる。
【0045】
本発明の蛍光体は真空蛍光表示装置(VFD)、フィールドエミッション表示装置(FED)、プラズマ表示パネル(PDP)、陰極線管(CRT)、発光ダイオードなどに適用され得る。
【0046】
本発明の発光装置は、発光素子の発光ユニット及び上記蛍光体を含む。蛍光体は前記発光素子からの発光により励起され、前記励起光とは異なる光を発光する。
【0047】
好ましくは、発光素子は、硫化亜鉛又はガリウム窒化物、より好ましくは照明効率の点からガリウム窒化物を含む材料の半導体である。ガリウム窒化物は、基板上に金属有機化学蒸着法(MOCVD)又はハイブリッド蒸着相エピタキシ法(HVPE)で形成され得る。InαAlβGa1−α−βN(0≦α、0≦β、α+β<1)から形成される発光素子が最も好ましい。
【0048】
好ましくは、発光装置の発光素子からの発光は、波長300〜550nmを持つ。より好ましくは、発光は、波長330〜550nmを持つ。
【0049】
図3を参照して、本発明の一例としての発光装置は、発光ユニット21、蛍光体層22及び埋包層23を含む。
【0050】
発光ユニット21は、窪んだ表面212を持つ導電基部211、前記窪んだ表面212内に設けられ及び前記基部211に電気的に接続されたた発光素子213、前記発光素子213と電気的に接続された接続ワイヤ214、前記接続ワイヤ214に電気的に接続された導電層ワイヤ215を含む。基部211及び接続ワイヤ215は外部電気エネルギを発光素子213に供給するように協働することができる。発光素子213は前記電気エネルギを光江ネルギに変換し発光する。本発明の一例は、導電層銀ペースト(BQ6886、Uninwell International製)を持つ基部211の前記窪んだ表面212の上の波長455nm発光の市販のInGaN発光素子213(Chi Mei Lighting Technology Corp.)であり、接続ワイヤ214が電気的に前記発光素子213に接続され、かつ導電層ワイヤ215が前記発光素子213のトップ表面から伸張するものである。
【0051】
蛍光体層22は発光素子213の光を変換する。前記蛍光体層22に含まれる蛍光体221が前記発光素子213からの光で励起された後、蛍光体211は発光素子213からの光を変換して前記励起光とは異なる波長の光を発光する。この例では、蛍光体層22は発光素子213の表面に蛍光体211を含むポリシロキサン樹脂でコーティングし、その後乾燥され硬化される。
【0052】
埋包層23は発光ユニット21の基部211、接続ワイヤ214、導電性ワイヤ215の部分及び蛍光体層22をカバーする。
【0053】
本発明の発光装置において、本発明の蛍光体は、独立して使用されるか、または他の発光特性の蛍光体と協働させて使用されることができ、望ましい光の色を発光することができる発光装置が構成され得る・
例えば、330nm〜420nmの紫外光発光素子、420nm〜500nmの青色発光素子(例えばBaMgAl10O17:Eu)、500nm〜570nmの緑色発光素子(例えばβ−シアロン蛍光体)及び本発明の蛍光体などが発光装置を製造するために組み立てられる。赤色、緑色及び青色光がそれぞれ、前記蛍光体が発光素子からの紫外光により照射されると発光され、前記光は発光素子からの前記紫外光と混合されて白色の発光装置となる(照明装置、発光ダイオードなど)。
【0054】
また、例えば、420nm〜500nmの青色発光素子、550nm〜600nmの黄色発光素子(例えばYAl12:Ce)及び本発明の蛍光体が発光装置を製造するために組み立てられる。赤色及び黄色光は前記発光素子からの青色光に照射されてそれぞれ発光し前記光は前記発光素子からの青色光と混合されて白色発光装置となる(例えば照明装置、発光ダイオードなど)。
【0055】
本発明は以下の実施例及び比較例に基づいて説明される。さらに、これらの実施例は説明のためだけに用いられるものであり、本発明を限定するために用いられるものではない、ということは理解されるべきである。
【実施例】
【0056】
測定方法:
(1)蛍光体の明度及び色座標:蛍光体を455nm光で照射し、蛍光体の明度及び色座標をTOPCON明度メータ(SR−3A)で測定した。明度値の変動は±0.3%である。
【0057】
(2−1)蛍光体の明度の維持率:[(加熱後同蛍光体の明度)/(加熱前同蛍光体の明度)]x100%
(2−2)蛍光体の明度の維持率測定のための加熱手順:約2gのサンプルをホウ素窒化物容器に入れ、外部を空気循環させ、10℃/分の加熱速度で600℃まで加熱し、その温度で30分維持し、その後室温まで10℃/分の速度で冷却する。
【0058】
(3)蛍光体の組成分析:
(3−1a)装置:測定は、インダクティブカップルプラズマ原子発光スペクトル(ICP、ULTIMA−2タイプ、Jobin Yvon Technology製)で行う。
【0059】
(3−1b)サンプルの前処理:0.1gのサンプルを正確に秤量し、白金製容器にいれ、1gのNaCOを添加して均一になるまで混合する。その後1200℃の高温炉で溶融させる(温度条件:温度を室温から1200℃へ2時間で上げ、1200℃で5時間維持する)。溶融物を冷却し、25mlHCl(36%)などの酸性溶液に入れ、溶液が透明になるまで加熱溶解する。冷却後、溶液を100mLPFA容量フラスコに入れ純粋を加えてフラスコの表線まで定容する。
【0060】
(3−2a)装置:窒素及び酸素分析装置(Horiba Ltd.、EMGA−620W)を用いる。
(3−2b)測定:20mgの蛍光体をSnカプセルの要れ、そのカプセルを測定用容器に入れる。
【0061】
(4)蛍光体の平均粒子サイズD50の分析:測定をBeckman Coulter Multisizer−3で行う。D50は、全てのサイズの粒子の全容積の50%よりも小さい粒子サイズを持つ粒子の積算容積を表す。
【0062】
(5)格子定数の分析:国際シンクロトロン放射研究センター(National SyncHfotron Radiation Research Center)でビームラインBLO1C2(Beamline BLO1C2)を用いて行う。ビームラインのエネルギが14keVであり、スキャン範囲(2θ)は0〜90℃であり、検出装置Mar345 Imaging Plate Area Detectorを用い、暴露時間60秒未満で行う。
【0063】
(実施例1)
0.05モルの炭酸リチウム(LiCO)、0.15モルのカルシウム窒化物(Ca)、0.1806モルのストロンチウム窒化物(Sr3N2)、0.95モルのアルミニウム窒化物(AlN、3N純度)、0、433モルのシリコン窒化物(Si、3N純度)及び0.004モルの酸化ユーロピウム(Eu、4N純度)を、窒素ガス下グローブボックス内で秤量し、乳鉢を用いて混合し、蛍光体の原料とする。
【0064】
蛍光体の原料をホウ素窒化物の焼成容器に入れ、この容器を高純度窒素雰囲気の高温炉へ置いた。窒素ガス流量を80l/分とする。温度を10℃/分の速度で1800℃まで上げ、1800℃で12時間維持する。高温炉の操作圧力は焼成を進行させるために0.1MPaで維持する。焼成後、温度を10℃/分の速度で室温に冷却し、その後粉末ステップによりボールミルされ、乾燥され、篩い分けされて蛍光体を得る。
【0065】
蛍光体の平均粒子サイズ(D50)は7.5μmである。X線粉末回折実験(XRD)での粉末回折パターンが図1に示されており、蛍光体は、単斜晶系として計算して格子定数を、a=15.0025、b=5.6472、c=11.3525及びβ=100.2316°と決められる。
【0066】
蛍光体は窒素及び酸素分析装置及びインダクティブカップルプラズマ原子発光スペクトルで分析される。その結果組成は、Li:0.36wt%、Ca:10.23wt%、Sr:26.93wt%、Al:14.42wt%、Si:20.39wt%、Eu:0.69wt%、N:26.31wt%及びO:0.67wt%である。上の結果により、蛍光体の化学式は計算により、Li0.091Ca0.450Sr0.542Al0.942Si1.283.3120.074:Eu0.008と決められる。
【0067】
実施例2〜4及び比較例1〜3:
実施例1と同様のステップで、実施例2〜4及び比較例1〜3の蛍光体を調製するために採用する。ただし、Siの使用量が異なる。組成を表1に示す。表1の実験結果によると、1.15<b/a<1.4である蛍光体組成物及び該蛍光体の光明度及び明度の維持率が比較的好ましい条件で維持され得ることが示される。比較例1〜2の結果から、蛍光体の組成物が該範囲に含まれ光明度はなお良好な条件に維持されるが、b/aが1.4よりも大きい場合には明度の維持率が大きく減少することが示される。比較例3において、b/aが1.15未満であり、従って、明度の維持率がなお良好な条件を維持するけれども明度は非常に減少する。上記実験結果から、蛍光体の組成が請求された範囲であり1.15<b/a<1.4である場合にのみ、明度及び明度の維持率が同時に好ましい条件を維持することが分かる。
【0068】
実施例5及び比較例4〜8:
実施例1と同様のステップを採用して実施例5及び比較例4〜8の蛍光体を製造した。違いは、化合物の各成分の使用量を変更した点である。
得られた蛍光体の組成式及び実験結果は表2にまとめられている。表2の実験結果から、請求項される範囲に合致する蛍光体の組成物の場合、光明度及び明度維持率が比較的高く維持されることが分かる。
実施例4及び6の例のb/a値は請の範囲であるが1未満ではなく、明度維持率は大きく減少する。実施例5、7及び8でのb/a値及びa値は請求の範囲に合致せず、従って明度も明度維持率も低い。
さらに比較例7でのLi値は請求の範囲を超えており、従って明度維持率は非常に大きく減少する。上の実験結果から、請求の範囲1.15<b/a<1.4を満たす蛍光体組成物のみが、光明度及び明度維持率の両方を同時に好ましく維持することができることが分かる。
【0069】
実施例6〜9及び比較例9〜10:
実施例1と同様のステップを採用して実施例6〜9、比較例9殻0を製造した。違いは、組成物の各成分の使用量である。得られた化粧品用組成物の組成及び実験結果を表3にまとめる。比較例9の組成は1.15<b/a<1.4であるが、Iが含まれてなく、従って明度が非常に減少する。比較例10で、Liの添加が過剰な場合、及びb/aが請求の範囲に合致していらず、従って明度維持率が非常に減少する。表3の実験結果から、請求の範囲を満たす蛍光体組成物のみが、光明度及び明度維持率の両方を同時に好ましく維持することができることが分かる。
【0070】
実施例10〜13:
実施例1と同様のステップで実施例10〜13の蛍光体を製造した。違いは元素M及び元素Zの使用量である。得られた蛍光体の組成及び実験結果を表4にまとめる。
【0071】
実施例14〜15:
実施例1と同様のステップで実施例14〜15の蛍光体を製造した。違いは元素Iの種類である。0.033モルのリチウム窒化物が実施態様14で使用され、0.05モルの炭酸カリウムが実施例15で使用される。得られた蛍光体の組成及び実験結果を表5にまとめる。
【0072】
実施例16〜19:
実施例1と同様のステップで実施例16〜19の蛍光体を製造した。違いは元素I及びOの原料の種類である。元素I及びOの原料は同じ又は異なる化合物から提供される。実施例16〜19ではLi金属がI元素として使用され、O元素は酸化アルミニウムにより提供される。またアルミニウム窒化物及び酸化アルミニウムが元素Aとして使用される。それぞれの実施例で使用する元素Aについては:0.920モルのAlN及び0.015モルのAl、0.85モルのAlN及び0.05モルのAl、0.720モルのAlN及び0.115モルのAl、0.580モルのAlN及び0.185モルのAlである。得られた蛍光体の組成及び実験結果を表5にまとめる。
【0073】
実施例20〜1及び比較例11:
実施例1と同様のステップで実施例20〜21の蛍光体及び比較例11の蛍光体を製造した。違いは焼成の一定温度である。実施例21では温度1700℃、実施例22では温度1500℃、及び比較例11では温度1500℃である。使用量及び実験結果を表7にまとめる。表7の実験結果から、焼成温度が証明特性に重要な効果を与えることが示される。好ましい焼成温度は1600〜1800℃である。
【0074】
結論として、本発明の蛍光体の高明度及び高明度維持率は、従来の同じ系の蛍光体が到達可能なそれらよりも高い。本発明の蛍光体は、他の選択として当該産業に提供するための白色発光装置からの白色光の演色性及び色飽和性を改良するものである。従って本発明の目的は実際に達成される。
【0075】
これまで本発明は好ましい実施態様につき例示の方法で説明されてきたが、本発明がそれらに限定されるものではないことに留意すべきである。むしろ、これらは種々の変形例、類似の構成及び工程をも含むことが意図されているものである。従って添付の特許請求の範囲は、全てのかかる変更例及び類似の構成及び工程を含むように最も広く解釈されるべきである。
【0076】
【表1】

【0077】
【表2】

【0078】
【表3】

【0079】
【表4】

【0080】
【表5】

【0081】
【表6】

【0082】
【表7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成式、I−M−A−B−O−N:Zで表される蛍光体であり、前記Iは、Li、Na、及びKを含む群から選択され、MはCa、Sr、Mg、Ba、Be及びZnを含む群から選択され、AはAl、Ga、In、Sc、Y、La、Gd、及びLuを含む群から選択され、BはSi、Ge、Sn、Ti、Zr及びHfを含む群から選択され、ZはEu及びCeを含む群から選択され;m+r=1、0<i<0.25、0<a<1、0<b<2、1.15<b/a<1.4、0≦t≦0.7、2.1≦n≦4.4、及び0.001≦r≦0.095である、蛍光体。
【請求項2】
請求項1に記載の蛍光体であり、1.25<b/a<1.4である、蛍光体組成元素。
【請求項3】
請求項1に記載の蛍光体であり、0.001≦i≦0.2である、蛍光体。
【請求項4】
請求項1に記載の蛍光体であり、前記蛍光体が単斜晶系である、蛍光体。
【請求項5】
請求項1に記載の蛍光体であり、前記元素Mが元素Ca及びSrを含む、蛍光体。
【請求項6】
請求項5に記載の蛍光体であり、前記蛍光体が単斜晶系である、蛍光体。
【請求項7】
請求項1に記載の蛍光体であり、Srが、前記元素Mの20%よりも多く含まれる、蛍光体。
【請求項8】
請求項1に記載の蛍光体であり、a+0.5i=1である、蛍光体。
【請求項9】
請求項1に記載の蛍光体であり、0.1≦t≦0.7である、蛍光体。
【請求項10】
請求項1に記載の蛍光体であり、MがCa及びSrを含む群から選択され、Aが少なくともAlを含み、Bが少なくともSiを含み、Zが少なくともEuを含む、蛍光体。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の蛍光体であり、前記蛍光体から発光する光のCIE1931色座標(x、y)が、0.45≦x≦0.72及び0.2≦y≦0.5である、蛍光体。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか一項に記載の蛍光体の製造方法であり、前記方法は:
原料を秤量する秤量ステップ;
混合物を得るために前記原料を混合するための混合ステップ;
前記混合物を高温炉で焼成して焼成生成物を得るための焼成ステップ;及び
前記焼成生成物を粉砕して前記蛍光体を得るための粉砕ステップを含み、
前記混合物がアルカリ金属化合物を含む、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であり、前記原料がアルカリ金属炭酸塩を含む、方法。
【請求項14】
請求項12に記載の方法であり、前記原料が炭酸リチウム又は炭酸カリウムを含む、方法。
【請求項15】
請求項12に記載の方法であり、前記焼成ステップが、1気圧の元で前記混合物を焼成する、方法。
【請求項16】
請求項12に記載の方法であり、前記焼成ステップが、1600〜1800℃で前記混合物を焼成する、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であり、前記焼成ステップが、1700〜1800℃で前記混合物を焼成する、方法。
【請求項18】
発光装置であり:
発光素子;及び
蛍光体を含み、前記蛍光体は、前記発光素子からの光により励起され、前記発光素子からの光を変換して前記励起光と異なる光を発光し;
前記蛍光体が、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の蛍光体である、発光装置。
【請求項19】
請求項18に記載の発光装置であり、前記発光素子からの発光が、300〜550nmの波長を持つ、発光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−251122(P2012−251122A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212926(P2011−212926)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(506409837)チ メイ コーポレーション (6)
【Fターム(参考)】