説明

窒素ナノバブル水の製造方法

【課題】 窒素ノバブル水の製造方法を開示するとともに、現時点で判明している窒素ナノバブル水のメカニズム、その物理化学的性質及び機能などを明らかにすること。
【解決手段】 粒径が10〜50μmの窒素微小気泡に対して、電圧が2000〜3000Vの水中放電に伴う衝撃波や、圧縮、膨張及び渦流などの物理的刺激として加えることにより前記微小気泡を強制的に縮小させ、長期間安定な粒径が100nm以下の窒素ナノバブルを含む窒素ナノバブル水を得ることを特徴とする。本発明の窒素ナノバブル水は、農業分野などにおいて植物の成長を促進させるなどの目的で利用が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、あらゆる技術分野にその有用性が潜在し、特に農業分野において植物の発育促進などにおいて効果が期待できる窒素ナノバブル水に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ナノバブル水については、例えば、特許文献1に酸素ナノバブル水が開示されている。しかしながら、その他の気体を含むナノバブル水についての先行技術はあまりない。
【特許文献1】特開2005−246294号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで本発明は、窒素ナノバブル水の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、窒素ナノバブル水について開示するものである。窒素ナノバブル水は水溶液中に気泡径(粒径)が100nm以下の大きさの微小な気泡として含まれるものである。ナノバブル内の主成分は窒素である。
【0005】
水溶液中の窒素ナノバブルは極めて長期に亘って安定した状態で存在し続けるものであり、特別な理由で消費されない限り、多少の消滅はあるものの、一ヶ月以上の長期に亘って窒素ナノバブルとしての効果を維持し続けるものである。この効果により窒素ナノバブル水は、稲などの植物の成長促進や耐病性の向上などの機能を持ち続ける。
【0006】
前記特別な理由で消費される窒素ナノバブルとは、窒素ナノバブル水の保存に関して、窒素ナノバブルを安定して保存するための処置がなされない場合を言う。保存のための処置とは、窒素ナノバブルに対して高い反応性を持つ容器内で保存しないこと、強い紫外線などの光線を長時間に亘って被り続けないこと、強い振動などの刺激を長時間に亘って被り続けないこと、沸騰や凍結などを伴う温度条件下に置かないこと、蒸発などにより所定の容器から前記水溶液が消失しないこと、窒素との高い反応性を持つ物質と保存中に反応させないこと、などを含んでいる。また、所期の目的のために消費される窒素ナノバブルに関しては長期に亘って安定して存在することを保証するものではない。
【0007】
前記所期の目的のために消費される窒素ナノバブルとは、植物の成長促進に使用される窒素ナノバブル、強酸の添加によりナノバブル自体の安定性が崩壊され窒素が水溶液中に放出される結果として消滅される窒素ナノバブル、及び、有機物若しくは無機物の気体、液体、固体のいずれかに対して目的とした特定の作用を及ぼす結果として消費される窒素ナノバブルを意味している。
【発明の効果】
【0008】
本発明の窒素ナノバブル水は、気泡径が100nmの大きさの極微小気泡により内部の窒素を保存しているものである。そのため一ヶ月以上に渡って安定して効果を維持させ続けるものであり、農業分野などにおいて植物の成長を促進させるなどの目的で利用が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
窒素ナノバブル水中のナノバブルは気泡径が100nm以下の大きさを持ち、極めて長期に亘って窒素ナノバブル水中に存在することができる。その存在メカニズムを図1に示す。通常の微小な気泡の場合には、小さなものほど内部の気体の溶解効率が高く、存在が不安定となり瞬時に消滅する。ナノバブルの場合、気液界面に極めて高濃度の電荷が濃縮しているため、気泡(球体)の縮小時に気液界面における電荷間に働く静電気的な反発力(例えば気液界面に吸着した水素イオンや水酸化物イオンによる)により球体(気泡)が収縮することを妨げている。
【0010】
また、濃縮した高電場の作用により鉄イオン、カルシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどの電解質イオンを主体とした無機質の殻を気泡周囲に形成し、これが内部の気体の散逸を防止している。この殻は界面活性剤や有機物の殻とは異なるため、細菌などの他の物質とナノバブルが接触した時に生じる気泡周囲の電荷の逸脱により、殻自体が簡単に崩壊する傾向を持っている。殻が崩壊したときには内部に含まれる窒素は簡単に水溶液中に放出される。
【0011】
微小気泡の物理的性質として、図2に示すように、水溶液中での微小気泡は水溶液のpHに依存して表面電位を持っている。これは気液界面における水の水素結合ネットワークが、その構成因子として水素イオンや水酸化物イオンをより多く必要とするためである。また、気液界面における水素イオンと水酸化物イオンは量的なバランスが取れておらず、結果的に界面を帯電させている。なお、この現象は気液界面に特有なものであるため、表面電位としては気泡径に関係なく一定の値である。また、表面での帯電により静電気力が作用するため、反対符号の電荷を持つイオン類が対イオンとして気液界面近傍に引き寄せている。その結果として電気二重層を形成して電気的に安定化している。
【0012】
微小気泡の帯電は気液界面の特性であるため、平衡を保った条件では気泡径による電位の違いは認められない。しかし、この微小気泡を短時間のうちに縮小させた場合には、電荷の濃縮が起こる。図3に示すのは10秒間の間に気泡径を25μmから5μm程度まで縮小させたときの表面電荷の変化であるが、本来の平衡条件からズレを生じて電荷の濃縮を示している。この縮小速度をさらに速めて、なおかつ気泡径をさらに小さくした場合には単位面積当たりの電荷量は気泡径の二乗に逆比例して増加する。
【0013】
微小気泡は気液界面に取り囲まれた存在であるため、表面張力の影響を受けて微小気泡の内部は自己加圧されている。環境圧に対する微小気泡内部の圧力上昇は理論的にYoung−Laplaceの式:ΔP=4σ/Dにより推測される。ここでΔPは圧力上昇の程度であり、σは表面張力、Dは気泡直径(粒径)である。室温での蒸留水の場合、直径10μmの微小気泡では約0.3気圧、直径1μmでは、約3気圧の圧力上昇となる。自己加圧された微小気泡内部の気体はヘンリーの法則に従って水に溶解する。すなわち圧力の増加により気泡内部の気体はより溶けやすくなるため、気泡径の縮小速度は加速される。この結果、直径が1μm以下の気泡はほぼ瞬時に完全溶解される。すなわち一般的な物理常識から考えるならばナノレベルの気泡とは極めて瞬間的な存在にすぎない。
【0014】
これに対して、本発明におけるナノバブルの製造方法においては、直径(粒径)が10μm〜50μmの窒素微小気泡を物理的な刺激によって強制的かつ急速に縮小させる。その場合に、気液界面に局在する水素イオンや水酸化物イオンの存在バランスの不均衡により気液界面は帯電しているため、微小気泡の気泡径が小さくなると球の反対面との距離が縮小し電荷による静電気的な反発力が作用し始める。この効果は気泡の縮小を阻害する要因として作用する。また、水溶液中に電気伝導度が100μS/cm以上になるように鉄イオン、カルシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどの電解質イオンを含む場合には、気泡の縮小に伴って電気二重層の外側に位置するこれらの対イオン群の濃度が急激に増加する。その結果、salting−outという効果が作用して水溶液中への気体の溶解を著しく制限する。気泡は内部の気体を周囲の水溶液中に溶解させることによって縮小されるが、気液界面近傍の水溶液中の電解質イオン濃度が急激に増加することにより気体の溶解を阻止する殻として作用するため、結果的に気泡の縮小を抑制し、極めて微小な気泡として安定化することになる。安定化したときの気泡径は電解質イオンの濃度や種類により多少は異なるが通常は100nm以下の大きさである。この安定化したナノサイズの気泡をナノバブルと呼ぶことにする。
【0015】
ナノバブルの特徴は、気体を内部に加圧された状態で維持しているのみでなく、濃縮した表面電荷により極めて強い電場を形成していることである。これらは一種のエネルギー源として蓄えられたものであり、生物に与える様々な効果や化学的な反応性など、ナノバブルの特性の根源の一つとなっている。
【0016】
ナノバブルが安定して存在しているメカニズムを図1に示す。前述したようにナノバブルは、気液界面における電荷の静電気的な効果や、濃縮した電解質イオン類が無機質の殻として気体の散逸を防止している効果により安定化した存在である。ただし、これらの安定化は気液界面やその近傍におけるイオン類の微妙なバランスの上に成り立っているため、強い外乱が存在した時には崩壊する傾向を持っている。無機質の殻が崩壊したときには内部に含まれる気体は簡単に水溶液中に溶解されるため、そのナノバブルは瞬時に消滅する。
【0017】
次に微小気泡をナノバブル化させるための方法について説明する。
【0018】
図4は放電装置を用いて窒素ナノバブル水を製造する装置の側面図である。
微小気泡発生装置3は取水口31によって容器1内の水溶液を取り込み、微小気泡発生装置3内に窒素微小気泡を製造するための窒素ガスを注入する注入口(図示せず)から窒素ガスが注入され、取水口31によって取り込んだ水溶液と混合させて、窒素微小気泡含有水溶液排出口32から微小気泡発生装置3で製造した窒素微小気泡を容器1内へ送る。これにより容器1内に窒素微小気泡が存在するようになる。容器1内には、陽極21と陰極22があり、陽極21と陰極22は放電発生装置2に接続されている。
まず、水溶液の入った容器1内に微小気泡発生装置3を用いて粒径が10〜50μmの窒素微小気泡を発生させる。
また、水溶液の電気伝導度が100μS/cm以上になるように鉄イオン、カルシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどの供給源となる電解質を加える。
放電発生装置2を用いて、容器1内の窒素微小気泡が含まれる水溶液に水中放電を行う。より効率的に窒素ナノバブルを製造させるため、容器1内の窒素の濃度が飽和濃度の50%以上に達している場合が好ましい。また、水中放電の電圧は2000〜3000Vとする。
水中放電に伴う衝撃波の刺激(物理的刺激)により、水中の窒素微小気泡は急速に縮小され、ナノレベルの気泡となる。この時に気泡周囲に存在しているイオン類は、縮小速度が急速なため、周囲の水中に逸脱する時間が無く、気泡の縮小に伴って急速に濃縮する。濃縮されたイオン類は気泡周囲に極めて強い高電場を形成する。この高電場の存在のもとで気液界面に存在する水素イオンや水酸化物イオンは気泡周囲に存在する反対符号を持つ電解質イオンと結合関係を持ち、気泡周囲に無機質の殻を形成する。この殻は気泡内の窒素の水溶液中への自然溶解を阻止するため、窒素ナノバブルは溶解することなく安定的に水溶液中に含まれる。なお、製造される窒素ナノバブルは100nm以下の極めて微小な気泡であるため、水中における浮力をほとんど受けることが無く、通常の気泡で認められる水表面での破裂は皆無に近い。
【0019】
次に、渦流を起こすことにより、窒素ナノバブル水を製造する方法について説明する。なお、放電による窒素ナノバブル水を製造する方法と重複する個所については説明を省略する。
図5は窒素ナノバブル水を製造するために圧縮、膨張及び渦流を用いた場合の装置の側面図である。放電による窒素ナノバブル水の製造方法と同様に、微小気泡発生装置3、取水口31及び窒素ナノバブル含有水溶液排出口32で微小気泡を製造し、窒素微小気泡を容器1内へ送る。容器1には容器1内の窒素微小気泡が含まれる水溶液を部分循環させるための循環ポンプ4が接続されており、循環ポンプ4が設置されている配管(循環配管)内には多数の孔を持つオリフィス(多孔板)5が接続され、容器1と連結している。容器1内の窒素微小気泡が含まれる水溶液は循環ポンプ4により循環配管内を流動させられ、オリフィス(多孔板)5を通過することで圧縮、膨張及び渦流を生じさせる。
まず、電荷質イオンを含んだ水の入った容器1内に微小気泡発生装置3を用いて粒径が10〜50μmの窒素微小気泡を発生させる。
次に、この窒素微小気泡が含まれる水溶液を部分循環させるため、循環ポンプ4を作動させる。この循環ポンプ4により窒素微小気泡が含まれる水溶液が押し出され、オリフィス(多孔板)5を通過前及び通過後の配管内で圧縮、膨張及び渦流が発生する。通過時の微小気泡の圧縮や膨張により、及び配管内で発生した渦流により電荷を持った窒素微小気泡が渦電流を発生させることにより窒素微小気泡は急激に縮小され窒素ナノバブルとして安定化する。なお、循環ポンプ4とオリフィス(多孔板)5の流路における順序は逆でもよい。
オリフィス(多孔板)5は図5では単一であるが、複数設置してもよく、循環ポンプ4は必要に応じて省略してもよい。その場合、微小気泡発生装置3の水溶液に対する駆動力や高低差による水溶液の流動などを利用することも可能である。
また、図6に示すように、容器1内に渦流を発生させるための回転体6を取り付けることによっても窒素ナノバブルを製造することができる。回転体6を500〜10000rpmで回転させることにより、効率よく渦流を容器1内で発生させることができる。なお、回転体6が微小気泡発生装置3を兼ねることも可能である。
【実施例】
【0020】
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は以下の記載に限定して解釈されるものではない。
【0021】
(実施例1)
図5に示されているように容器1内に電解質イオンを含む水(電気伝導度:100μS/cm以上)を10L入れ、微小気泡発生装置3により直径が10〜50μmの窒素微小気泡を発生させ、容器1内の水を微小気泡含有水とした。容器1内の微小気泡の濃度が飽和値の50%以上になるように、微小気泡を連続的に発生させた。
次に、容器1内の微小気泡含有水を部分循環させ、微小気泡含有水の一部を循環ポンプ4がある循環配管内へと導入させた。微小気泡含有水は循環ポンプ4に導入され、0.3MPaの圧力でオリフィス(多孔板)5へと送り、渦流を発生させ微小気泡をナノバブル化させた。
作動を1時間実行し、十分な量の窒素ナノバブルを発生させた後、全体の装置を停止した。次に、容器1内に存在している窒素ナノバブル水100mLにスピントラップ剤であるDMPO(5,5−ジメチル−1−ピロリン N−オキサイド)0.03gを添加した後に塩酸0.3mLを添加し、電子スピン共鳴法(ESR)で1.5時間後に測定したところ、スピンアダクトであるDMPO−OHの特徴的なスペクトルを認めることができた。これは塩酸添加時に水酸基ラジカルが発生したことを意味している。水中に微小な気泡が存在している状況下で塩酸などの強酸を添加すると大量の水酸基ラジカルが発生することは公知の事実である。すなわち論文(Journal of Physical Chemistry B,111−6,pp.1343−1347(2007))においてはマイクロバブルが存在する水中にDMPOと塩酸を添加することで水酸基ラジカルが発生することを示している。今回の場合においても窒素ナノバブル水中に微細な気泡が存在していることを示している。また、DMPOを添加する前に窒素ナノバブル水を孔径100nmのメンブレンフィルターに通過させて、同様にDMPOと塩酸を添加してESRで測定しても、全く同じ強度のDMPO−OHのスペクトルを認めることができた。これはマイクロバブルなど100nmよりも気泡径の大きな微小気泡には認められない現象であり、窒素ナノバブル水中に存在する微小気泡が100nmよりも小さなナノバブルであることを示している。
【0022】
(実施例2)
製造した窒素ナノバブル水をペットボトルに入れて固く栓をして冷暗所において1ヶ月間保存し、上記と同様のESR試験を実施した。その結果、100nmのメンブレンフィルターの通過の有無に関係なく、製造直後とほぼ同一の強度のDMPO−OHのスペクトルを認めることができた。このことは窒素ナノバブル水中に存在するナノバブルが1カ月経過後においてもほぼ同様に存在することを示している。
【0023】
(実施例3)
製造後に塩分濃度3%の海水を添加して塩分濃度1%とした。この水槽に天然の渡り蟹を入れて飼育したところ1ヶ月以上にわたって生存した。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明は、窒素ナノバブル水の製造方法を提供することができる点において産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】ナノバブルの安定化メカニズムを示す図である。
【図2】水溶液のpHの変化と微小気泡のゼータ電位の関係を示すグラフである。
【図3】気泡縮小時に認められるゼータ電位の上昇を示すグラフである。
【図4】放電方式によるナノバブルの製造装置の模式図である。
【図5】圧縮、膨張、渦流によるナノバブルの製造装置(オリフィス又はパンチング板を用いるもの)の模式図である。
【図6】圧縮、膨張、渦流によるナノバブルの製造装置(回転体を用いるもの)の模式図である。
【符号の説明】
【0026】
1 容器
2 放電発生装置
3 微小気泡発生装置
4 循環ポンプ
5 オリフィス
6 回転体
21 陽極
22 陰極
31 取水口
32 排出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄イオン、カルシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンから選ばれる少なくとも1つの電解質イオンが混入した電気伝導度が100μS/cm以上の水溶液中において、粒径が10〜50μmの窒素微小気泡に対して、電圧が2000〜3000Vの水中放電に伴う衝撃波を物理的刺激として加えることにより前記微小気泡を強制的に縮小させ、気液界面に吸着した水素イオン及び/又は水酸化物イオンによる静電気的な反発力により、並びに、水素イオン、水酸化物イオン、電解質イオンから選ばれる少なくとも1つが気液界面の縮小に伴って微小な体積の中に高濃度に濃縮して前記微小気泡周囲を取り囲む殻として働くことにより、製造後ペットボトルに入れて蓋をして冷暗所において保存して、製造から1ヶ月後の電子スピン共鳴法による測定において、水溶液のpHが2以下となるように塩酸を加えたときに、製造後と同じ水酸基ラジカルの発生に関与したスペクトルピークが検出される粒径が100nm以下の窒素ナノバブルを含む窒素ナノバブル水の製造方法。
【請求項2】
鉄イオン、カルシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンから選ばれる少なくとも1つの電解質イオンが混入した電気伝導度が100μS/cm以上の水溶液中において、粒径が10〜50μmの窒素微小気泡に対して、前記水溶液が入った容器内に取り付けた回転体を500〜10000rpmで回転させることにより前記水溶液を流動させ、前記流動時に生じる圧縮、膨張及び渦流を物理的刺激として加えることにより前記微小気泡を強制的に縮小させ、気液界面に吸着した水素イオン及び/又は水酸化物イオンによる静電気的な反発力により、並びに、水素イオン、水酸化物イオン、電解質イオンから選ばれる少なくとも1つが気液界面の縮小に伴って微小な体積の中に高濃度に濃縮して前記微小気泡周囲を取り囲む殻として働くことにより、製造後ペットボトルに入れて蓋をして冷暗所において保存して、製造から1ヶ月後の電子スピン共鳴法による測定において、水溶液のpHが2以下となるように塩酸を加えたときに、製造後と同じ水酸基ラジカルの発生に関与したスペクトルピークが検出される粒径が100nm以下の窒素ナノバブルを含む窒素ナノバブル水の製造方法。
【請求項3】
鉄イオン、カルシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンから選ばれる少なくとも1つの電解質イオンが混入した電気伝導度が100μS/cm以上の水溶液中において、粒径が10〜50μmの窒素微小気泡に対して、前記水溶液が入った容器内に取り付けたポンプ作動などにより水溶液を流動させ、前記水溶液内に存在する単一若しくは多数の孔を持つオリフィス又は多孔板を通過させることで圧縮、膨張及び渦流を物理的刺激として加えることにより前記微小気泡を強制的に縮小させ、気液界面に吸着した水素イオン及び/又は水酸化物イオンによる静電気的な反発力により、並びに、水素イオン、水酸化物イオン、電解質イオンから選ばれる少なくとも1つが気液界面の縮小に伴って微小な体積の中に高濃度に濃縮して前記微小気泡周囲を取り囲む殻として働くことにより、製造後ペットボトルに入れて蓋をして冷暗所において保存して、製造から1ヶ月後の電子スピン共鳴法による測定において、水溶液のpHが2以下となるように塩酸を加えたときに、製造後と同じ水酸基ラジカルの発生に関与したスペクトルピークが検出される粒径が100nm以下の窒素ナノバブルを含む窒素ナノバブル水の製造方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の製造方法により製造された粒径が100nm以下の窒素ナノバブルを含む窒素ナノバブル水。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−131769(P2009−131769A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−309517(P2007−309517)
【出願日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(503357735)株式会社REO研究所 (21)
【Fターム(参考)】