説明

窒素含有化合物、その製造法及びアミノアルデヒド樹脂における適用

本発明は、次式
【化1】



(ここで、XはNR5に等しく、R4は、C1〜C12のアルキル基、アリール基、アラルキル基又はシクロアルキル基に等しく、R1、R2、R3、R5は、H、アルキル、シクロアルキル、複素環のアリールであり、ここで、R1、R2、及びR5又はR1、R2、及びR3は一緒になって複素環基を形成してよい)の化合物に関する。本発明はまた、アミノ化合物をアルカノールヘミアセタールと反応させることによるこの化合物の製造法に関する。本発明はまた、この化合物を含むアミノアルデヒド樹脂に関し、かつ接着剤組成物、ラミネート、成形物品及び透明コーティングにおけるこれらの樹脂の適用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窒素含有化合物並びにその製造法に関する。本発明はまた、窒素含有化合物を含むアミノアルデヒド樹脂、及び接着剤組成物、ラミネート、成形物品及びコーティングにおけるそれらの適用に関する。
【背景技術】
【0002】
アミノアルデヒド樹脂、例えば、メラミン‐ホルムアルデヒド(MF)、尿素‐ホルムアルデヒド(UF)及びメラミン‐尿素ホルムアルデヒド(MUF)が一般に公知である。そのような樹脂は、例えば、米国特許第5,681,917号明細書に開示されているようにホルムアルデヒドと一つ以上のアミノ化合物との反応により得られる。米国特許第5,681,917号明細書は、低いホルムアルデヒドの放出を伴う安定なメラミン‐尿素‐ホルムアルデヒド樹脂を開示している。該樹脂は、複合物質の製造のための結合剤として特に適している。
【0003】
米国特許第5,681,917号明細書からの樹脂の重要な欠点は、僅かなホルムアルデヒドの放出が未だに観察されることである。該樹脂の製造において及び複合物質の製造において、とりわけ、炎症を起こし得るところの蒸気が放出される。元々の原料の残渣が、また重合後に常に後に残る。硬化された状態において、ホルムアルデヒドは生成物からゆっくりと放散する。このホルムアルデヒドの放出は所望されず、閉じられた領域では全く所望されない。そのような領域において、ホルムアルデヒドは吸い込まれ、そして目、口及び体の他の部分と接触する。ホルムアルデヒドガスは、目及び呼吸路の炎症を引き起こす。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上記の欠点を有しないところの、樹脂、接着剤、ラミネート、成形物品及びコーティングに適用するための化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
これは、次式
【0006】
【化4】


の化合物により達成される。上記式中、XはNR5に等しく、R4は、C1〜C12のアルキル基、アリール基、アラルキル基又はシクロアルキル基に等しく、R1、R2、R3、R5は、H、アルキル、シクロアルキル、複素環のアリールであり、ここで、R1、R2、及びR5又はR1、R2、及びR3は一緒になって複素環基を形成してよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
好ましくはR4はC1〜C12のアルキル基である。この例は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル等である。R4はとりわけメチル基又はエチル基である。
【0008】
本発明の化合物の利点は、アミノアルデヒド樹脂がこの化合物により製造されるとき、実際の現在の標準であるところのアミノアルデヒド樹脂と比較して、ホルムアルデヒドの放出が減少し又は完全になくなりさえするように、該樹脂の製造においてホルムアルデヒドを使用することがないか又は単に減じられた必要性があるに過ぎず、かつ該樹脂が、米国特許第5,681,917号明細書に記載されたような同一の適用のために適することである。従って、本発明に従う化合物により製造された樹脂は、多くの用途、例えば、接着剤、ラミネート、成形物品及びコーティングにおける使用のためにとりわけ適している。
【0009】
本発明はまた、アミノ化合物と下記一般式(II)
【0010】
【化5】


(ここで、R及びRは、C1〜C12のアルキル基、アリール基、アラルキル基又はシクロアルキル基である)
のアルカノールヘミアセタールとを反応させることにより、かつアルカノールが放出されるところの式(I)に従う化合物の製造法に関する。
【0011】
好ましくはR及びRはC1〜C12のアルキル基である。この例は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル等である。R及びRは、とりわけ、メチル基又はエチル基である。
【0012】
式IIのアルカノールヘミアセタールの例は、メチルグリオキシレートメタノールヘミアセタール(GMHA(商標)、DSMFine Chemicals, Linz)、エチルグリオキシレートエタノールヘミアセタール(GMHA(商標)、DSM Fine Chemicals,Linz)、エチルグリオキシレートメタノールヘミアセタール、ブチルグリオキシレートブタノールヘミアセタール、ブチルグリオキシレートメタノールヘミアセタール、ブチルグリオキシレートエタノールヘミアセタール、イソプロピルグリオキシレートイソプロパノールヘミアセタール、プロピルグリオキシレートプロパノールヘミアセタール、シクロヘキシルグリオキシレートメタノールヘミアセタール及び2‐エチルヘキシルグリオキシレートメタノールヘミアセタールである。
【0013】
アミノ化合物は、電子吸引性原子又は基に接続されている電子吸引性原子又は原子に付いた、少なくとも一つのNH又はNH2基を有する化合物として本明細書において定義される。電子吸引性原子の例は、酸素、窒素及び硫黄である。適切なアミノ化合物は例えば、トリアジン、グアニジン及びこれらの化合物の混合物である。アミノプラスト、例えば、メラミン‐ホルムアルデヒド、尿素‐ホルムアルデヒド及びメラミン‐尿素‐ホルムアルデヒドがまた、アミノ化合物として採用され得る。好ましくは、トリアジン、例えば、メラミン、メラム、メレム、アンメリン、アンメリド及びウレイドメラミンが使用される。とりわけメラミンが使用される。
【0014】
本発明によれば式(I)に従う化合物の製造法は通常、アミノ化合物と式(II)に従うアルカノールヘミアセタールとが互いに接触させられるや否や自発的に生ずるであろう。本発明の方法における温度は従って広い範囲内で変化することができ、かつ好ましくは、10〜100℃の間にある。最も好ましくは、該方法は40〜90℃の間において実行される。本発明の方法における圧力は好ましくは、0.005MPa〜1.0MPaであり、好ましくは0.02MPa〜0.1MPaである。該方法は好ましくは、液状分散剤、例えば、水又は水及びアルカノールの混合物中で実行される。水が好ましい分散剤である。アルカノールの例は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール等である。しかし、式(II)に従う化合物の多くは室温で液体であり、かつ従って、反応物及び分散剤として作用し得る故、そのような分散剤を使用することは常には必要ではない。
【0015】
本発明は更に、式(III)
【0016】
【化6】


(ここで、YはO又はNR5に等しく、R4は、C1〜C12のアルキル基、アリール基、アラルキル基又はシクロアルキル基に等しく、R1、R2、R3、R5は、H、アルキル、シクロアルキル、複素環のアリールであり、ここで、R1、R2、及びR5又はR1、R2、及びR3は一緒になって複素環基を形成してよい)
の化合物の縮合生成物を含むアミノアルデヒド樹脂の製造法に関する。
【0017】
式(III)の化合物は、式(I)の化合物の製造と同一の様式において製造され得る。式(III)の化合物の製造において、適切なアミノ化合物は、例えば、トリアジン、グリコール‐ウリル、尿素、グアニジン及びこれらの化合物の混合物を含む。アミノプラスト、例えば、メラミン‐ホルムアルデヒド、尿素‐ホルムアルデヒド及びメラミン‐尿素‐ホルムアルデヒドがまた、アミノ化合物として採用され得る。好ましくは、尿素及びトリアジン、例えば、メラミン、メラム、メレム、アンメリン、アンメリド及びウレイドメラミンが使用される。とりわけ、尿素及び/又はメラミンが使用される。
【0018】
本発明に従うアミノアルデヒド樹脂は、式(III)に従う化合物を分散剤、例えば、水と一緒にし、続いて、高められた温度、即ち、室温より上の温度及び任意的に減じられた圧力、即ち、大気圧未満の圧力において攪拌することにより製造され得る。本発明によれば、式(II)に従う種々のアルカノールヘミアセタールの混合物又はホルムアルデヒドと一つ以上のそのようなアルカノールヘミアセタールとの混合物を加えることが可能である。もし、ホルムアルデヒドが加えられるなら、それは、好ましくは、アルカノールヘミアセタールのモル量に比較して60%以下のモル量、より好ましくは40%以下、最も好ましくは20%又は更に10%以下のモル量においてそのようになされる。更に、本発明の方法によれば、式(III)に従う化合物に加えて、他のアミノ化合物、例えば、尿素及び/又はメラミンが加えられることが可能である。触媒は縮合プロセスにおいて使用され得る。酸及び塩基の両方がこの目的に使用され得る。触媒を使用しないことが好ましい。酸触媒の適切な例は、硫酸、硝酸、塩酸、リン酸、ホウ酸、テトラフルオロホウ酸、パラトルエンスルホン酸、ギ酸、硫酸アンモニウム、塩酸アンモニウム、硝酸アンモニウムである。塩基触媒の適切な例は、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、DABCO(ジアザ‐ビシクロ‐オクタン)、DBU(ジアザ‐ビシクロ‐ウンデセン)、DMAP(4‐ジメチルアミノピリジン)、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムである。
【0019】
縮合は通常、60〜100℃の温度において生ずる。ここで、水及び/又はアルカノールが分離される。縮合反応は任意的に、式(I)の反応生成物の合成と一緒に同時に生ずる。任意的に減じられた圧力が、それが、種々の可能な縮合反応の生成物、主として水及び/又はアルカノールの除去を促進することにおいて有利である。減圧での操作並びに水及び/又はアルカノールの除去は樹脂の製造のために要求されない。通常、減圧での操作及び種々の可能な縮合反応の生成物の除去は、より迅速な樹脂の製造をもたらすであろう。樹脂は好ましくは、0.005MPa〜1MPaの間の圧力で製造される。より好ましくは、樹脂はそのとき、0.02MPa〜大気圧の間の圧力で製造される。樹脂の製造がなされるところの圧力のタイプは通常重要ではなく、そして従って空気又は任意的に不活性ガス、例えば、窒素であり得る。
【0020】
アミノ化合物対アルデヒド化合物のモル比は通常、1:0.1〜1:3.0である。モル比は好ましくは、1:0.5〜1:2である。
【0021】
添加物が、樹脂がその最終用途においての加工のために使用される前に樹脂に加えられ得る。慣用的な添加物の例は、離型剤、帯電防止剤、接着促進剤、可塑剤、色増強剤、難燃剤、フィラー、流れ促進剤、着色剤、希釈剤、重合開始剤、UV安定剤及び熱安定剤である。フィラーの例は、ガラスファイバー、マイカ、カーボンファイバー、金属ファイバー、クレー、アラミドファイバー及び強力ポリエチレンファイバーである。
【0022】
樹脂は、ラミネート、成形物品及び透明コーティングに使用され得る。もしラミネート、成形物品又はコーティングにおいて樹脂が硬化するために必要なら、触媒が加えられ得る。酸、塩基及びルイス酸が触媒として使用され得る。酸触媒の適切な例は、硫酸、硝酸、塩酸、リン酸、ホウ酸、テトラフルオロホウ酸、パラトルエンスルホン酸、ギ酸、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウムである。塩基性触媒の適切な例は、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、DABCO(ジアザ‐ビシクロ‐オクタン)、DBU(ジアザ‐ビシクロ‐ウンデセン)、DMAP(4‐ジメチルアミノピリジン)、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムである。ルイス酸触媒の適切な例は、酢酸亜鉛、塩化亜鉛、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、四塩化チタン、チタニウムテトラブトキシド、チタニウムアセチルアセトネート、ジルコニウムテトラブトキシド、ボロトリフルオライド(‐ジエチルエーテル)、塩化リチウムである。
【0023】
本発明に従うアミノアルデヒド樹脂は、ラミネート、例えば、高圧ラミネート(HPL)及び低圧ラミネート(LPL)に適用され得る。この目的のために、該樹脂により含浸された一つ以上のシート形状のキャリャー物質が、成形された最終製品を作るために圧縮される。ラミネートは任意的にポリマー層を含み得る。最終製品の表面は、当業者に公知の技術により所望されるように形作られ得る。例えば、プレスにおける艶出しプレート、艶出し膜又は艶出しされた(研磨された)型を使用することにより、高光沢表面が例えば得られ得る。レリーフが、例えば、圧縮操作においてエッチングされた若しくは彫刻を施されたプレートを施与することにより、又はレリーフを有する膜若しくはプレス若しくは型を使用することにより表面上又は表面中に与えられ得る。パターンが同様に与えられ得る。例えば、圧縮プレート又は膜と成形物品との間にフィルムを施与することがまた可能である。これらのフィルムもまた平滑、つや消しであり得、又は所望のパターン若しくはレリーフを有し得る。直接ラミネーションがまた本発明の樹脂の用途である。
【0024】
本発明のアミノアルデヒド樹脂に基づく成形物品は種々の方法で得られ得る。該樹脂は、例えば、注型樹脂として適用され得る。これは例えば、型に樹脂を流し込み、そしてそれを硬化し、次いで、所望のデザインの成形物品が得られることを含む。該樹脂はまた、含浸樹脂として使用するために良く適している。キャリヤー物質は、適切な粘度の樹脂を含む浴を通過され得るか、又は樹脂が、異なる様式でキャリヤー物質に施与され得る。適切なキャリヤー物質の例は、例えば、セルロース、セルロースアセテート、人絹、綿、毛、ガラス、ロックウール、熱可塑性ポリマー又は種々の物質の混合物のファイバー、ヤーン又はストランドに基づいた織物又は不織物である。
【0025】
本発明のアミノアルデヒド樹脂により作られた成形物品又は本発明のアミノアルデヒド樹脂を用いて作られた成形物品は通常、多数の非常に好ましい性質、例えば、表面硬さ、難燃性、容易な着色性及び高い耐引っ掻き性を有する。
【0026】
本発明のアミノアルデヒド樹脂により作られた物品又は本発明のアミノアルデヒド樹脂を用いて作られた物品の例は、ラミネートフロアー、幅木、硬化されたラミネート頂部層を持つ机頂部、本発明のアミノアルデヒド樹脂と無機フィラーにおける構造成形物、ディナートレー、食器洗い器、ランプの笠、(波形の付いた)シート、ドア、キッチン頂部、家具、壁の羽目板及び食卓用食器具である。本発明のアミノアルデヒド樹脂に基づいた食器具はとりわけ、電子レンジにおける使用のために適している。
【0027】
本発明の樹脂はまた、コーティングとしての使用のために著しく適している。該樹脂は、溶液として又は粉末として表面上に薄層において施与し、そして次いで、圧力硬化するために容易である。コーティングのための基材として、多くの物質、例えば、ガラス及び木又は木に基づいた物質、例えば、中密度ファイバーボード(MDF)、高密度ファイバーボード(HDF)、樹脂合板及び延伸ストランドボード(OSB)、及びプラスチック、例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン、及び金属、例えば、アルミニウム、鋼及び鉄及び紙に基づいた又はセルロースファイバーに基づいた物質、例えば、LPLラミネート、HPLラミネート、Trespa B.V.からのTrespa Athlon(商標)、Trespa Metaon(商標)及びTrespa Toplab(商標)等が使用され得る。得られたコーティングは、非常に硬く、優れた耐溶剤性を有し、かつ透明、無色であり、かつ耐引っ掻き性である。該樹脂はまた、紡織繊維、例えば、綿及びセルロースのためのコーティングとして使用するために適している。コーティングはファイバーの縮み及びしわを減じる。
【0028】
該樹脂はまた接着剤の製造のために使用されることができて、プレスでの接着によりセルロース含有物質を結合し、かつ高められた温度及び圧力でそこでボード物質を製造することによりボード物質に適用される。好ましくは該方法は、マルチプレックス、樹脂合板、MDFボード(中密度ファイバーボード)、HDFボード(高密度ファイバーボード)又はOSBボード(延伸ストランドボード)の製造において使用される。
【0029】
通常、本発明の接着剤は、任意的に樹脂に触媒を加えることによりボードが製造される前に、簡単に製造される。樹脂への触媒の添加後に、該接着剤は通常、ボード物質の製造のために10秒間〜1時間、好ましくは30秒間〜30分間使用される。ボード物質の製造の間の圧縮条件はボード物質のタイプに依存する。マルチプレックスの製造のために、例えば、1〜2MPaの圧力が通常適用され、樹脂合板のために、通常、1〜5MPa、好ましくは2〜4MPaの圧力が適用され、かつMDFのために、通常、2〜7MPa、好ましくは3〜6MPaの圧力が適用される。ボード物質が製造されるところの温度は、マルチプレックスのために通常100〜160℃であり、樹脂合板のための通常180〜230℃であり、かつMDFのために通常170〜230℃である。マルチプレックスの場合に、ボードは5〜10分間(保持時間)該条件下に保持される。樹脂合板、MDF及びOSBのために、ボード厚さ1mm当りの秒数で示されるところの保持時間が適用される。OSBボードのために、該保持時間は通常4〜12秒間/mm、好ましくは6〜10秒間/mmである。樹脂合板のために、該保持時間は通常4〜12秒間/mm、好ましくは5〜10秒間/mmである。MDFボードは、通常5〜17秒間/mm、とりわけ8〜14秒間/mmの保持時間で製造される。
【0030】
湿分吸収により耐性な最終ボード物質を作るために、接着剤の製造の間にワックスが通常接着剤組成物に加えられる。ワックスは通常、エマルジョンワックス又は固体ワックスであり、かつ例えば、石油工業から得られる。
【0031】
本発明は、次の実施例に関して説明される。
【0032】
実施例1
75%の固体含有量を持つメラミン/メチルグリオキシレートラミネート化樹脂の製造のために、14.5グラムのメラミンが、15ミリリットルの水中の21.1グラムのメチルグリオキシレートメタノールヘミアセタールの暖かい(80℃)溶液中で約20分間で溶解される。透明な溶液が室温に冷却され、樹脂溶液が室温において数時間透明のままである。濾紙(Machery-Nagel)が該樹脂溶液により含浸され、そして紙100グラム当り110〜150グラムの乾燥樹脂の密度まで100℃で減圧において乾燥される。該紙は10分間、120℃及び40N/cm2の圧力で圧縮される。実質的に無色かつ透明な、透明ラミネートが得られる。染色試験(“Kiton-test”,DIN-EN 438-2(1991))において、微小量のRhodamine/HCl着色剤が、1時間曝した後にラミネート中に残存する。該紙が、40N/cm2の圧力下に140℃で10分間圧縮されるとき、この試験におけるRhodamine/HCl着色剤を全く吸収しないところの、淡黄色透明の耐引っ掻き性のラミネートが得られ、これは高品質の十分に硬化されたラミネートを示す。ホルムアルデヒドが該ラミネートの製造に使用されなかった故に、ホルムアルデヒドの放出はゼロである。該ラミネートの耐引っ掻き性は、はさみの点でそれを引っ掻くことにより品質的に評価された。これは跡を残さなかった。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式
【化1】


(上記式中、XはNR5に等しく、R4は、C1〜C12のアルキル基、アリール基、アラルキル基又はシクロアルキル基に等しく、R1、R2、R3、R5は、H、アルキル、シクロアルキル、複素環のアリールであり、かつここで、R1、R2、及びR5又はR1、R2、及びR3は一緒になって複素環基を形成してよい)
の化合物。
【請求項2】
R4がC1〜C12のアルキル基であることを特徴とする請求項1記載の化合物。
【請求項3】
R4がメチル基又はエチル基であることを特徴とする請求項1又は2記載の化合物。
【請求項4】
XがNR5基であり、かつR1、R2、及びR5が複素環を形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項5】
XがNR5基であり、かつR1、R2、及びR5がメラミン環を形成することを特徴とする請求項4記載の化合物。
【請求項6】
XがNR5に等しく、かつR1、R2、R3及びR5が水素に等しいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の化合物。
【請求項7】
アミノ化合物と下記一般式
【化2】


(上記式中、R4及びRは、C1〜C12のアルキル基、アリール基、アラルキル基又はシクロアルキル基である)
のアルカノールヘミアセタールとを反応させることにより、かつここでアルカノールが放出されるところの請求項1〜6のいずれか一つに記載の化合物を製造する方法。
【請求項8】
トリアジン、又はグアニジンがアミノ化合物として使用されることを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項9】
メラミン、メラム、メレム、アンメリン、アンメリド、ウレイドメラミン又は他のトリアジンが、アミノ化合物として使用されることを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項10】
メラミンがアミノ化合物として使用されることを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項11】
式(III)
【化3】


(上記式中、YはO又はNR5に等しく、R4は、C1〜C12のアルキル基、アリール基、アラルキル基又はシクロアルキル基に等しく、R1、R2、R3、R5は、H、アルキル、シクロアルキル、複素環のアリールであり、かつここで、R1、R2、及びR5又はR1、R2、及びR3は一緒になって複素環基を形成してよい)
の化合物が使用されることを特徴とするアミノアルデヒド樹脂の製造方法。
【請求項12】
尿素及び/又はメラミンが式(III)の化合物の製造において使用されることを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項13】
請求項11又は12記載の方法により製造されたアミノアルデヒド樹脂。
【請求項14】
アミノ化合物対アルデヒド化合物のモル比が1:0.1〜1:3.00であることを特徴とする請求項11又は12記載のアミノアルデヒド樹脂。
【請求項15】
アミノ化合物対アルデヒド化合物のモル比が1:0.5〜1:2.0であることを特徴とする請求項14記載のアミノアルデヒド樹脂。
【請求項16】
請求項13〜15のいずれか一つに記載のアミノアルデヒド樹脂を用いて製造されたラミネート。
【請求項17】
請求項13〜15のいずれか一つに記載のアミノアルデヒド樹脂から製造された成形物品。
【請求項18】
コーティングとして請求項13〜15のいずれか一つに記載のアミノアルデヒド樹脂を使用する方法。
【請求項19】
請求項13〜15のいずれか一つに記載のアミノアルデヒド樹脂を含む接着剤組成物。
【請求項20】
尿素及び/又はメラミンがアミノ化合物として更に使用されることを特徴とする請求項13〜15のいずれか一つに記載のアミノアルデヒド樹脂に基づいた接着剤組成物。

【公表番号】特表2006−503930(P2006−503930A)
【公表日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−509666(P2004−509666)
【出願日】平成15年5月28日(2003.5.28)
【国際出願番号】PCT/NL2003/000399
【国際公開番号】WO2003/101973
【国際公開日】平成15年12月11日(2003.12.11)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】