説明

窓サッシ

【課題】季節を問わず一層効率良く室内空調設備の空調負荷の軽減が図れる窓サッシを提供する。
【解決手段】窓サッシを、窓枠の中に、2枚のガラスの間に空気層を有し、かつ、一方のガラスの前記空気層側の面に赤外線と紫外線を遮断し、可視光線を透過する特殊金属膜を備えた複層ガラスを組み付けたガラス障子を内外反転可能に取付けて構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、夏季・冬季・中間期(春季、秋季)のいずれにおいても室内空調設備の空調負荷を軽減することができる窓サッシに関する。
【背景技術】
【0002】
窓の遮熱性能を高めると共に排熱機能と集熱機能を付加することにより、夏季・冬季を問わず室内空調設備の空調負荷の軽減を図れるようにした窓サッシは、特許文献1−4に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−274152号公報
【特許文献2】特開2002−256637号公報
【特許文献3】特開2003−314154号公報
【特許文献4】特開2006−291689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの窓サッシは、いずれも、窓構造を室外側ガラスと室内側ガラスの間に空気層を設けた二重構造(ダブルスキン構造と呼ばれる場合がある)とし、その空気層の上部と下部に、建物の屋外に連通する屋外通気口と建物の室内空間に連通する室内通気口とを設け、かつ、屋外通気口と室内通気口の一方を選択して空気層に連通させる流路切換装置を備え、(i)夏季は下部流路切換装置において屋外通気口を空気層の下部に連通させると共に上部流路切換装置において屋外通気口を空気層の上部に連通させることにより、空気層内に温度差による上昇気流を発生させて屋外に排熱し、(ii)冬季の日射有りのときは下部流路切換装置において室内通気口を空気層の下部に連通させると共に上部流路切換装置において室内通気口を空気層の上部に連通させることにより、空気層内に温度差による上昇気流を発生させて室内に集熱し、(iii)冬季の日射なしのときは、下部流路切換装置 と上部流路切換装置をともに閉じて空気層を密閉することにより断熱効果を向上させ、(iv)中間期は下部流路切換装置において屋外通気口を空気層の下部に連通させると共に上部流路切換装置において室内通気口を空気層の上部に連通させることにより、又は、下部流路切換装置において室内通気口を空気層の下部に連通させると共に上部流路切換装置において屋外通気口を空気層の上部に連通させることにより、外気を室内に導入して、室内外の気温を同じ程度にして快適にするようにしている。
【0005】
ところで、二重構造の窓ガラスは、空気層が密閉されていれば断熱効果を発揮するが、従来の窓ガラスは太陽光の赤外線と紫外線を透過させるため、空気層に熱伝導、熱対流及び熱輻射が発生して、空気層内の気温が屋外又は室内よりも高くなる。上記従来の窓サッシは、流路切換装置によって空気層内に上昇気流又は下降気流を発生させて、屋外通気口を経て屋外に排熱し、又は室内通気口を経て室内に集熱するものであるから、熱伝導と熱対流に対処するものである。
【0006】
空気層内に気流を生じさせない場合は、断熱効果が得られるが、輻射熱は室内に透過するので、断熱性能に限界があった。遮熱性能を高めるため、空気層内にブラインドを備えることも提案されている(特許文献2−4)。ブラインドの使用によりある程度の遮熱効果は得られるものの、空気層内の温度上昇は避けられないので、夏季の遮熱効果はあまり高くない。また、冬季はブラインドにより遮光されて、室内に輻射熱が入らないため、太陽熱利用効率が低下する。
【0007】
以上のように、従来の二重構造の窓サッシにおいては、空気層における熱伝導、熱対流、熱輻射に対する総体的な断熱、遮熱及び集熱性能が余り高くないため、季節を問わず効率よく室内空調設備の空調負荷の軽減を図るという目的の達成度は十分とはいえなかった。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、季節を問わず一層効率良く室内空調設備の空調負荷の軽減が図れる窓サッシを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、窓サッシが、窓枠の中に、2枚のガラスの間に空気層を有し、かつ、一方のガラスの前記空気層側の面に赤外線と紫外線を遮断し、可視光線を透過する特殊金属膜を備えた複層ガラスを組み付けたガラス障子を内外反転可能に取付けてなることを特徴とする。
【0010】
上記構成により、夏季は、ガラス障子を屋外側ガラスの空気層側の面に特殊金属膜が存在する状態で窓枠に閉鎖保持することにより、太陽光の屋外側ガラスを透過した赤外線及び熱輻射はその特殊金属膜によって屋外側に反射されるため、高い遮熱効果が得られる。空気層内の気温上昇も抑えられるため、窓の熱伝導が軽減され、高い断熱効果が得られる。また、冬季は、ガラス障子を反転して室内側ガラスの空気層側の面に特殊金属膜が存在する状態で窓枠に閉鎖保持することにより、太陽光の屋外側ガラスを透過した赤外線及び熱輻射はその特殊金属膜によって空気層内に反射されるため、空気層内の気温が上昇し、空気層内の熱対流と窓の熱伝導により、室内への高い集熱効果が得られる。また、ガラス障子は、室内側に反転されるので、そのガラス障子の屋外側に網戸を装着しても、反転の障害にならない。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1の窓サッシにおいて、前記ガラス障子が、その幅方向一端側の上端部において上方に突出し、前記窓枠の上枠に設けた上部レールに摺動自在に挿入された第1軸を有するとともに、その第1軸の上端部に前記上部レール内を転動するランナーを有し、前記幅方向一端側の下端部において下方に突出し、前記窓枠の下枠に設けた下部レールに摺動自在に挿入された第2軸を有し、前記ガラス障子は、前記ランナーを前記上部レールの一端から他端へ転動させると同時に第2軸を下部レールの一端から他端へ摺動させながら、前記ガラス障子を前記第1軸及び第2軸を中心として室内側に回転して内外反転させることが可能であることを特徴とする。
【0012】
上記の構成により、ランナーを上部レールの一端から他端へ転動させると同時に第2軸を下部レールの一端から他端へ摺動させながら、ガラス障子を第1軸及び第2軸を中心として室内側に回転することにより、ガラス障子の内外反転を容易確実に行うことができる。
【0013】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の窓サッシにおいて、ガラス障子の第1軸及び第2軸が設けられている側と反対側の縦框の内外両側に、ロック用係止部を備えたハンドルがロック位置とアンロック位置に移動可能に設けられ、ガラス障子が閉鎖位置に存在するときにそのハンドルをロック位置に移動した時、前記ロック用係止部が係止する被係止部が窓枠の両縦枠に設けられていることを特徴とする。
上記構成により、閉鎖位置に存在するガラス障子のハンドルを室内側で操作することにより、ガラス障子のロック又はアンロックを行うことができる。従って、窓サッシに反転可能に備えられたガラス障子が風圧などにより勝手に反転されることを防ぐことができる。
【0014】
請求項4に係る発明は、請求項2又は3に記載の窓サッシにおいて、ガラス障子を所定の角度に回転開放した状態で固定する係留手段を備えたことを特徴とする。
上記構成により、ガラス障子を開放し、これを係留手段で係留して、窓に換気機能を維持することができる。
【0015】
請求項5に係る発明は、請求項1,2,3,4のいずれか1項に記載の窓サッシにおいて、窓枠の上部レールを上枠から下方に離れた位置に設けると共に、窓枠の下部レールを下枠から上方に離れた位置に設けて、上枠と上部レールの間及び下部レールと下枠の間にそれぞれ屋外側と室内側を連通する換気口を設け、各換気口に開閉用蓋を備えたことを特徴とする。
上記構成により、夏季の夜間や中間期などにガラス障子を閉鎖位置に保持したままで、換気口を開けて窓に効率の良い換気性能を付与することができる。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明によれば、夏季には高い遮熱効果を、冬季には高い集熱効果を得ることができる。
【0017】
請求項2の発明によれば、ガラス障子の内外反転を容易確実に行うことができる。また、ガラス障子は室内側で反転されるので、ガラス障子の屋外側に網戸を装着しても、網戸がガラス障子の反転の障害にならない。
【0018】
請求項3の発明によれば、反転可能に備えられたガラス障子が風圧などにより勝手に反転されることを防ぐことができる。
【0019】
請求項4の発明によれば、ガラス障子を開放した後、所定の角度に止めて、自然換気を行うことができる。
【0020】
請求項5の発明によれば、ガラス障子を閉鎖したままで、窓枠の上下の横枠の換気口を開閉することにより、自然換気を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施の形態になる窓サッシを取り付けた窓の横断面図である。
【図2】図1の横断面図である。
【図3】ガラス障子の縦断面図。
【図4】ガラス障子の反転作業を説明する図である。
【図5】換気機能を付加した好ましい実施の形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本発明による窓サッシ1は、少なくとも窓枠2と、この窓枠に建て付けられたガラス障子3とからなっている。図示の例は、窓枠2にさらにガラス障子3の屋外側に網戸4が建て付けられている。
【0023】
窓枠2は、既存の窓枠と同様に、上枠21、下枠22及び左右の縦枠23,24を既知の方法により矩形に接続して構成されている。
【0024】
上枠21から所定距離下がった位置に上部レール25aが、また、下枠22から所定距離上がった位置に下部レール25bが、平行な水平線に沿って左右の縦枠23,24の対向面間を延長させた状態で設けられ、両端部が各レールに形成してあるビスホール251に各縦枠の背面側からビス(図示省略)をねじ込んで各縦枠23,24に接続されている。
【0025】
上部レール25aと下部レール25bは、これに限定されないが、図示の好ましい実施の形態においては、ほぼ角Cチャンネル状の同一部材を、その開口が対向するように上下対称形に配置して用いている。上部レール25aと下部レール25bは、また、それぞれ室内側部分において開口と反対方向に、すなわち、上枠21方向と下枠22方向に突出する凸壁252を有している。
【0026】
そして、好ましい付加的構成として、上枠21と上部レール25aとの間及び下枠22と下部レール25bとの間に、それぞれ屋外と室内空間を連通する通気口27a、27bが形成されている。通気口27a、27bには、室内側から操作して通気口を開閉する蓋28a,28bが設けられている。
【0027】
蓋28a,28bは、次術する形状を有する同一部材を上下対称形に配置して取り付けられている。すなわち、蓋28a,28bは、断面形状が長方形の中空部281を構成する縦壁のうち、屋外側の縦壁を室内側の縦壁よりも延長させて、その延長部282の室内側に凹部283を形成し、中空部281の延長部282と反対側の端部に180度よりも僅かに大きな円弧角を有する円弧状の抱持部284が形成してある。
【0028】
上側の蓋28aは、上枠21の室内側部分に下方に突設されている支持壁211の下端部に、その全長に渡って形成してある断面切欠円状の管部212を抱持部284に緊密に嵌合することにより、その管212を中心として回転自在に保持されている。管部212の中に押入して装着したシール材が管部212から突出している部分を抱持部284の内面に密着させることにより、上枠21と上側の蓋28aの間に水密性が確保されている。また、蓋部28aを、その室内側面に突設してある摘み285を介して垂下させたときは、延長部282の室内側面がレール25aの凸壁252の屋外面に設けてあるシール材に密着するようになっている。これにより、蓋28aの閉鎖時は、上部通気口27aが密閉される。
【0029】
下側の蓋28bは、下枠22の室内側部分に上方に突設されている支持壁221の上端部に、その全長に渡って形成してある断面切欠円状の管部222を抱持部284に緊密に嵌合することにより、その管部222を中心として回転自在に保持されている。管部222の中に押入したシール材が管部222から突出している部分を抱持部284の内面に密着させることにより、下枠22と蓋28bの間に水密性が確保されている。また、蓋部28bを、その室内側面に突設してある摘み285を介して起立させたときは、延長部282の室内側面がレール25bの凸壁252の屋外面に設けてあるシール材に密着するようになっている。これにより、蓋28bの閉鎖時は、下部通気口27bが密閉される。
【0030】
また、各蓋28a、28bを、それぞれの摘み285を介して押し出すことにより、通気口27a,27bを選択的に開けて、屋外と室内空間を連通させることができる。
【0031】
ガラス障子3は、上下の横框(以下、上框311,下框312という。)と左右の縦框313,314を既知の方法により矩形に接続してなる框体310と、この框体の中に既知の方法により固定されている複層ガラス320とを有するほか、ガラス障子3の上辺の一端部に上向きに突設された第1軸330aの上端部に設けられたランナー331と、ガラス障子320の下辺のランナー331と同じ側の端部に下向きに突設された第2軸330bとを有している。そして、第1軸331は、窓枠の上部レール25aの開口に回転自在にかつ摺動自在に挿入され、ランナー331は上部レール25aの中に挿入され、開口の両側において上部レールの全長に沿って存在する水平面に、転動自在に載置されている。また、第2軸330bは、窓枠の下部レール25bの開口に回転自在にかつ摺動自在に挿入されている。第1軸330aと第2軸330bは、共通の垂直線上に取り付けられている。また、好ましくは、第2軸330bの下端部に、レールの開口からの脱出を防止する脱出防止部材332が設けられている。
【0032】
第1軸330a、ランナー331及び第2軸330bが設けられている側と反対側の縦框314には、このガラス障子3に第1軸330a及び第2軸330bの軸芯を中心として回転させる力を加えるためのハンドル340が設けられている。ハンドル340は、ガス障子3の室内側と屋外側に設けられ、両ハンドルは軸341により接続されていて、一方を回すと他方も同時に回転されるようになっている。
また、縦框314の正面には、係止部材、例えばフック342がハンドル340の回転操作に連動してフック342が施錠位置と解錠位置に移動されるように設けられている。 そして、ハンドル340は、手で操作して解錠位置と施錠位置の一方側から他方側に回転すると、その回転後の位置に保持されるようになっている。
【0033】
再び、窓枠2の左右の縦枠23,24には、ガラス障子3のフック342と同じ高さ位置に被係止部材、例えば、ラッチ29が設けられている。
【0034】
ガラス障子3の複層ガラス320は、図3に示すように、既知の複層ガラスと同様に、内外2枚のガラス321,322の周辺の間にアルミ製スペーサ323及び例えば合成ゼオライト等の乾燥剤324を介在させ、その周辺に例えばポリイソプチレン等のシール材(グレージングチャネルとも称される。)325を嵌着してガラス間に空気層326を設けたものであるが、一方のガラス322には、空気層側の面に特殊金属膜327を添設してある。
【0035】
この特殊金属膜327は、二酸化スズ又は銀などのイオンをガラス板表面にスパッタ等して生成される金属膜であり、太陽光の赤外線及び紫外線を反射し、可視光線を透過させる性質を有する。この金属膜を生成したガラスは、低放射ガラス(low emissivity glass)として知られている。以下、Low−Eガラスという場合がある。。
【0036】
図において、4は窓枠2の屋外側に建て付けられた網戸であり、その周辺が窓枠の上、下枠21,22及び左右の縦枠23,24に当接されて、窓開口の全面を遮蔽している。
【0037】
上記のように構成されている窓サッシ1において、図4に示すように、閉鎖位置にあるガラス障子3の左側の縦枠24付近にあるハンドル340を操作して解錠した後、そのハンドルを室内側に矢印M1で示すように円弧に沿って引くと共にガラス障子3のハンドルと反対側に存在するランナー331を矢印M2で示すように上部レール25aに沿って縦枠24方向に転動させることにより、ガラス障子3を反転することができる。そして、ハンドル340を右側の縦枠23まで移動して、ガラス障子3が窓開口を閉鎖した時、そのハンドル340を操作して施錠することができる。
【0038】
このようにして、ガラス障子3は、図3(a)に示すように、Low−Eガラス322が屋外側に存在する状態から、180度反転することにより、図3(b)に示すように、Low−Eガラス322が屋内側に存在する状態に変更することができる。ガラス障子3は、夏季は図3(a)の状態で用いられ、冬季は図3(b)の状態で用いられる。
【0039】
ガラス障子3が図3(a)の状態で用いられる場合は、特殊金属膜327が屋外側ガラス322の空気層326側の内面に存在するため、窓に差し込む太陽光の赤外線及び紫外線の所定割合が空気層326まで進入する前に特殊金属膜327により屋外に反射され、可視光線はその特殊金属膜327及び室内側ガラス321を透過して室内空間に至る。従って、この場合のガラス障子3は高い遮熱性能を有し、空気層内の気温の上昇も抑えられるので、空気層内での熱対流も、従って、室内への熱伝導も無いため、高い断熱効果が得られる。
【0040】
これに対して、ガラス障子3が図3(b)の状態で用いられる場合は、Low−Eガラス322が屋内側に存在するため、窓に差し込む太陽光の赤外線及び紫外線は室内側ガラス321を透過して空気層326まで進入し、その後に赤外線及び紫外線の所定割合が特殊金属膜327により反射され、可視光線は室内空間まで透過する。従って、空気層内の空気の温度が上昇し、空気層内の熱対流と室内側ガラス321から室内への熱伝導とによって室内集熱効果が得られる。
【0041】
当該ガラス障子が図3の(a)と(b)のいずれであるかを、室内から容易に判るようにするため、ガラス障子のLow−Eガラス322の空気層326と反対側の面に「夏季面」又は「S」、特殊金属膜327が添設されていないガラス321の空気層326と反対側の面に「冬季面」又は「W」等の識別記号などを記載しておくと良い。
【0042】
夏季及び冬季の外気温が高温又は低温である場合は、図1に示すように蓋28a,28bを閉めて通気口27a,27bを遮断するが、中間期又は夏季及び冬季の外気温が適温である場合は、図5に示すように、蓋28a,28bを開けて屋内外を連通させる。従って、窓の上下において屋内外が連通されるので、効率の良い換気が行われる。図5の上下の矢印の方向は、一例であり、温度条件によりその逆の場合もあり得る。
【0043】
ガラス障子3は、上下のレール25a,25bよりも室内側に反転されるので、窓枠の屋外側に建て付けられた網戸4に何らの支障も与えない。そして、ガラス障子を一部開放状態で固定する手段、例えば、ストッパ付きアーム部材を下部レール25b等に備えることにより、網戸の防虫機能を活用しながら窓の通気量を多くすることが出来る。
【0044】
なお、通気口27a,27bの屋外側面に防虫網4’を備えた場合は、網戸4を建て付けずに防虫性能を有する窓サッシとすることができる。
【0045】
通気口27a,27bを設けない場合は、上部レール25a及び下部レール25bは、それぞれ上枠21及び下枠22に一体的に設けても良い。また、上枠21から上部レール25aまで一体に形成して、その間に通気口27aを形成し、下枠22から下部レール25Bまで一体に形成して、その間に通気口27bを形成しても良い。
【0046】
ガラス障子のハンドル340は、その形状、取付構造及び操作方向において、既知の別のものを使用することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 窓サッシ
2 窓枠
21,22 上下の横枠(上枠、下枠)
23,24 左右の縦枠
25a,25b 上下のレール
27a,27b 通気口
28a,28b 蓋
3 ガラス障子
310 框体
320 複合ガラス
321,322 ガラス
326 空気層
327 特殊金属膜
330a 第1軸
330b 第2軸
331 ランナー
340 ハンドル
342 係止部材
29 被係止部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内空調設備の空調負荷の軽減を図った窓サッシにおいて、窓枠の中に、2枚のガラスの間に空気層を有し、かつ、一方のガラスの前記空気層側の面に赤外線と紫外線を遮断し、可視光線を透過する特殊金属膜を備えた複層ガラスを組み付けたガラス障子を内外反転可能に取付けたことを特徴とする窓サッシ。
【請求項2】
請求項1に記載の窓サッシにおいて、
前記ガラス障子は、その幅方向一端側の上端部において上方に突出し、前記窓枠の上枠に設けた上部レールに摺動自在に挿入された第1軸を有するとともに、その第1軸の上端部に前記上部レール内を転動するランナーを有し、前記幅方向一端側の下端部において下方に突出し、前記窓枠の下枠に設けた下部レールに摺動自在に挿入された第2軸を有し、 前記ガラス障子は、前記ランナーを前記上部レールの一端から他端へ転動させると同時に第2軸を下部レールの一端から他端へ摺動させながら、前記ガラス障子を前記第1軸及び第2軸を中心として室内側に回転して内外反転させることが可能であることを特徴とする窓サッシ。
【請求項3】
ガラス障子の第1軸及び第2軸が設けられている側と反対側の縦框の内外両側に、ロック用係止部を備えたハンドルがロック位置とアンロック位置に移動可能に設けられ、ガラス障子が閉鎖位置に存在するときにそのハンドルをロック位置に移動した時、前記ロック用係止部が係止する被係止部が窓枠の両縦枠に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の窓サッシ。
【請求項4】
ガラス障子を所定の角度に回転開放した状態で固定する係留手段を備えたことを特徴とする請求項2又は3に記載の窓サッシ。
【請求項5】
窓枠の上部レールを上枠から下方に離れた位置に設けると共に、窓枠の下部レールを下枠から上方に離れた位置に設けて、上枠と上部レールの間及び下部レールと下枠の間にそれぞれ屋外側と室内側を連通する換気口を設け、各換気口に開閉用蓋を備えたことを特徴とする請求項1,2,3,4のいずれか1項に記載の窓サッシ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2010−229670(P2010−229670A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−76842(P2009−76842)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000191065)新日軽株式会社 (545)
【Fターム(参考)】