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窓貼り用二軸配向ポリエステルフィルム
説明

窓貼り用二軸配向ポリエステルフィルム

【課題】 紫外線吸収材やラジカル吸収剤を使用しなくとも、長期間の使用で変色・退色することの少ない窓貼り用遮光フィルムを提供する。
【解決手段】 少なくとも3層のポリエステルからなる共押出積層フィルムであって、実質的にポリエステルに溶解する染料を中間層に含有し、何れの層にも紫外線吸収剤あるいはラジカル吸収剤を含有せず、紫外線カーボンアーク灯で80時間直接フィルムを照射したときの色調変化ΔE*abが2.0以下であることを特徴とする窓貼り用二軸配向ポリエステルフィルム。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の窓、建築物の窓等のガラスに貼り合わせをして使用される窓貼り用二軸配向ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】プライバシーの保護、意匠性、日照調整、ガラス飛散防止等の目的で、自動車の窓や建築物の窓等に貼り合わされるフィルムには、透明性、耐光性、耐水性、耐熱性、耐薬品性、機械的強度に優れているポリエステルフィルムが良く用いられている。我々は既に登録特許第2699397号において、3層以上の積層ポリエステルフィルムの内層に染料を含有させた複合フィルムを、遮光性を有する窓貼り用ポリエステルフィルムとして用いることを提案している。
【0003】ところで、これらのフィルムは、通常ガラス内面に貼られるケースが多く、その場合には、ガラスと紫外線吸収剤が添加された糊剤を通過することで短波長紫外線はかなりの部分が遮断される。しかしながら、窓ガラスに一度貼られたフィルムは半永久的に使用され続けることが多い。したがって、フィルム自体に経時による変化が少ないことが求められるが、従来この用途に用いられていた色材では、これらは完全に防げるものでなく、耐光性が不十分でフィルムの変色・退色は避けられないものであった。耐光性が不十分な色材に対して紫外線吸収剤を添加することで、フィルムの変色・退色を防ごうとする提案もあるが、これらの紫外線吸収剤は一般に高価であることが多く、色材自体の耐光性で変色・退色を防ぐことが望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、紫外線吸収材やラジカル吸収剤を使用しなくとも、長期間の使用で変色・退色することの少ない窓貼り用遮光フィルムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定の構成を有するフィルムによれば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の要旨は、少なくとも3層のポリエステルからなる共押出積層フィルムであって、実質的にポリエステルに溶解する染料を中間層に含有し、何れの層にも紫外線吸収剤あるいはラジカル吸収剤を含有せず、紫外線カーボンアーク灯で80時間直接フィルムを照射したときの色調変化ΔE*abが2.0以下であることを特徴とする窓貼り用二軸配向ポリエステルフィルムに存する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、少なくとも3層以上のポリエステル層が積層されたフィルムであることが必要であり、さらに詳しくは、全ての層が押出口金から共に溶融押し出しされる、いわゆる共押出法により押し出されたフィルムである。また、フィルムは未延伸の状態や一軸延伸フィルムではなくて、縦方向および横方向の二軸方向に延伸して配向させ、その後に熱固定を施したフィルムであることが必要である。このような積層フィルムは、両面に表層を有し、その間には中間層を有するが、この中間層自体が積層構造となっていてもよい。
【0007】ポリエステルフィルが単層構成である場合には、添加した染料がフィルム表面に湧き出す現象(ブリードアウト)、およびそれが昇華する現象が発生しやすく、これによってフィルム製膜機が汚染されるため、生産自体ができない場合が多く、仮に作成できたとしても、その表層にはブリードアウトによるフィルム内部からの湧出物が存在して、それによって後加工に悪影響を及ぼすことが多いため、好ましくない。本発明のポリエステルフィルムは、積層された各層に用いるポリエステルが、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものであることが好ましい。
【0008】芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示される。これらの中でもPETは物性とコストのバランスが良好であり、最も良く用いられるポリエステルである。
【0009】本発明で用いるポリエステルは、合計で10モル%以内、好ましくは5モル%以内であれば第三成分を含有した共重合体であってもよい。共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、P−オキシ安息香酸など)の一種または二種以上が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上が挙げられる。
【0010】本発明の窓貼り用二軸配向ポリエステルフィルムは、その積層構造の中間層に染料を含有する事が必要であり、染料の含有量としては0.01〜10.0重量%の範囲の中から選択する事が好ましい。またこの結果、フィルム全体の可視光線透過率が3〜75%、さらには5〜50%の範囲となることが好ましい。このために用いる染料は、ポリエステルに実質的に溶解することが必要である。ここで言う実質的に溶解するとは、ポリエステルの溶融状態で混練りしたときに、凝集体などが残らずに均一に混ざることを意味し、これによって後述するフィルムヘーズが6.0%以下、好ましくは4.5%以下、さらに好ましくは3.0%以下となることを指す。
【0011】また、これらの染料は、可視光領域(380〜780nm)に吸収を持つことが好ましく、ポリエステルの成型温度で分解が少ないものが好ましい。このような染料としては、化学構造的には、アントラキノン系、ペリノン系、ペリレン系、アゾメチン系、複素環系染料等が好ましく挙げられ、染色処方的には、油溶性染料が好適である。また、一般に顔料として分類されているものであっても、上記のように溶融ポリエステル中で溶解するものであれば、本発明では染料として用いることができる。この例としては、フタロシアニン系などの銅、コバルト、ニッケル、亜鉛、クロムなどの金属イオンとの錯塩染料などを挙げることができる。これらの染料は、例えばグレー調やブラウン調に調色するために、適宜選択して数種混合して使用することもできる。ただしこの場合でも、これら染料の合計がポリエステルフィルム中間層に、0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5.0重量%の範囲となるように添加する。
【0012】本発明のフィルムは、紫外線カーボンアーク灯で80時間直接フィルムを照射したときの色調変化ΔE*abが2.0以下であり、好ましくは1.5以下、さらに好ましくは1.0以下である。このとき紫外線カーボンアーク灯の照射は、ブラックパネルパネル温度が63℃となるように設定し、水の噴射は行わずに実施した時の値であり、通常フェードメーター中でテストを実施する。上記の紫外線カーボンアーク灯での照射条件で、80時間後のフィルム色調変化ΔE*abが2.0を超える場合には、実際に窓ガラスに貼り付けて日光に当てて使用した時に、フィルムの色あせが短期間で目立つ傾向にあるため好ましくない。上記の色調変化を満足させるため、本発明で用いる染料として、紫外線に対して堅牢であるものを選択することが好ましい。染料が紫外線に対して堅牢であるかどうかは、染料の化学構造と明確な相関関係があるものではなく、例えば、同じアントラキノン系の化学構造を有している染料であっても、その基本骨格に導入された置換基の種類や数や位置によって、紫外線に対しての堅牢性は大きく異なるのが一般的である。このような中で、三菱化学(株)社製のプラスチック用染料であるダイアレジン4Gは極めて良好な耐紫外線性を有する染料として例示することができる。
【0013】本発明の窓貼り用二軸配向ポリエステルフィルムは、積層されているポリエステルの全ての層に紫外線吸収剤やラジカル吸収剤などの光安定剤を含有しないものである。本発明で言う紫外線吸収剤とは、ベンゾトリアゾール誘導体、ベンゾフェノン誘導体、1,3,5-トリアジン誘導体、シアノアクリル酸エステル誘導体、サルチル酸エステル誘導体などの有機系紫外線吸収剤を指し、また、ラジカル吸収剤とは、ヒンダードアミン系光安定剤、特に6員のピペリジン環から構成された物を代表とする有機の化合物を指す。
【0014】本発明の窓貼り用二軸配向ポリエステルフィルムは、フィルム全体のヘーズが6.0%以下、さらには4.5%以下、特に3.0%以下であることが好ましい。フィルムヘーズが6.0%を超える場合には、フィルムに濁りがあることが目立ち、窓ガラスに貼り付けた場合に透明性が損なわれるため、好ましくない。
【0015】本発明において、染料をポリエステルに添加する方法は、フィルムを溶融成型する際に、これらを粉体やペーストあるいは液体などとして添加する方法でもよいが、装置の汚染の問題や銘柄切り替えのしやすさを考慮すると、あらかじめ染料のマスターバッチを作成しておき、フィルムの溶融成型時にこれらのマスターバッチをクリアーレジンで希釈しながら添加することが好ましい。またこれらの溶融成型の際には、ポリエステルに分散良く混練りしながら行うために、特に二軸押出機を用いることが好ましい。本発明のポリエステルフィルムは、表面の滑り性を確保するために、その積層構成の両表層面に微細な突起を形成させ得るに十分な粒子径と添加量の微粒子を含有させることができる。
【0016】この目的で使用できる微粒子は、例えば、平均粒径が0.02〜3.0μmの酸化ケイ素、炭酸カルシウム、カオリン、架橋有機高分子微粉体などの一種または二種以上を挙げることができ、添加量は0.001〜0.5重量%、好ましくは0.01〜0.1重量%から適宜選択することが、フィルムヘーズを上昇させないで、かつ必要最小限の滑り性を確保することができて好ましい。この結果、フィルムの平均表面粗さRaが、0.005〜0.050μmの範囲内とすることが好ましい。また、表層と中間層の積層厚み構成に関しては、フィルム全体の濁り(フィルムヘーズ)を抑えるために、微粒子の添加された表層はできるだけ薄いことが好ましい。一方で、中間層に存在する染料がブリードアウトするのを防止するためには、表層はむしろ厚い方が好ましい。これらを勘案して、フィルム全体の厚みにかかわらず、表層厚みは、それぞれ0.5〜4.0μmの範囲であることが好適である。
【0017】次に本発明の積層ポリエステルフィルムの製造方法について具体的に説明するが、本発明のフィルムは以下の製造例に何ら限定されるものではない。まず、先に述べたポリエステル原料を使用し、複数台の押出機、複数層のマルチマニホールドダイまたはフィ−ドブロックを用い、それぞれのポリエステルを積層して口金から複数層の溶融シートを押出し、冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、静電印加密着法および/または液体塗布密着法を採用することが好ましい。
【0018】次いで、得られた未延伸フィルムは二軸方向に延伸して二軸配向させる。すなわち、前記の未延伸シートを縦方向にロール延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は、通常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次いで、横方向に延伸を行う。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜115℃であり、延伸倍率は、通常3.0〜7倍、好ましくは3.5〜6倍である。そして、引き続き、170〜250℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸延伸フィルムを得る。上記の延伸においては、1回の延伸操作で所定倍率まで延伸する方法のほか、延伸を2段階以上に振り分けて所定の延伸倍率とする方法を用いることもできる。その場合にも、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。また、前記の未延伸シートを面積倍率が10〜40倍になるように縦横同時二軸延伸を行うことも可能である。さらに、必要に応じて熱処理を行う前または後に再度縦および/または横方向に延伸してもよい。
【0019】上記のフィルムの表面には必要に応じてコーティングを施すことができる。例えば、接着性向上、帯電防止性付与、表面の傷付き防止性能を付与することなどを目的として、インラインあるいはオフラインあるいはそれらを両方組み合わせたコーティングを行うことができる。特にインラインで行うコーティングでは、上記のフィルムの製造方法において、縦延伸が終了した段階で主として水を媒体とする塗布液を塗布した後、テンター内で乾燥・予熱・横延伸を行い、さらに熱固定を行う一連のプロセスを用いることができる。
【0020】さらに本発明の窓貼り用二軸配向ポリエステルフィルムは、窓ガラスに貼り付ける面と反対の面に、スリ傷防止等の目的で公知のハードコート層を設けることができる。このハードコート層には、透明性と耐擦傷性を兼ね備えた熱硬化性あるいはUV硬化性のポリアクリル樹脂含む樹脂で構成されたものが好ましい。このようにして得られたフィルムを窓ガラス等に貼り合わせるには、フィルムとガラスとの間に粘着材または接着剤等を介して貼り合わせる方法を用いればよい。また、その際には、使用する粘着剤または接着剤に公知の紫外線吸収剤を配合して併用したり、あるいは赤外線吸収剤を公知の配合量で添加できる。またこの粘着剤あるいは接着剤には、公知の離型処理を施された公知のプラスチックフィルムを、いわゆるセパレーターフィルムとして用いることができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例中「部」とあるのは「重量部」を示す。また、本発明で用いた測定法は次のとおりである。
【0022】(1)可視光線透過率分光式測色計SE−2000(日本電色(株)製)を用いてD65光源で各波長の光線透過率を測定し、JIS S 3107;1998に従って可視光線透過率を算出した。
【0023】(2)フィルムの濁度(フィルムヘーズ)
JIS K 7136;2000(ISO 14782;1999)に準じ、濁度計NDH2000(日本電色(株)製)を用いてフィルムの濁度(ヘーズ)を測定した。
【0024】(3)フィルムの表面粗さ(Ra)
中心線平均粗さRa(μm)を持って表面粗さとする。小坂研究所社(株)製表面粗さ測定機(SE−3F)を用いて次のように求めた。すなわち、フィルム断面曲線からその中心線の方向に基準長さL(2.5cm)の部分を切り取り、この切り取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸として粗さ曲線Y=f(X)で表したとき、次の式で与えられた値をμm単位で表す。中心線平均粗さは、試料フィルム表面から10本の断面曲線を求め、これらの断面曲線から求めた抜き取り部分の中心線粗さの平均値で表した。尚、触針の先端半径は2μm、荷重は30mgとし、カットオフ値は0.08mmとした。
Ra=(1/L)∫L0|f(X)|dX
【0025】(4)フィルムの変色・退色の評価(色調変化ΔE*ab)
フィルムをガラス板に張り付け、フィルム面に直接紫外線が当たるように配置し、フェードメーター中で紫外線カーボンアーク灯を使用して促進テストを実施した。このときカーボンアーク灯はロングライフカーボンを使用し、放電電圧・電流が135V・16Aで放電し、ブラックパネル温度計が示す温度は63±3℃とした。また水の噴射は行わずに、80時間の照射を行った。フィルムの変色・退色の評価は、サンプルの色調(L*、a*、b*)を紫外線照射の前後で測定して比較して行った。色調の測定には、前項(1)で使用した分光式測色計SE−2000を使用した。また色調の変化は、次式を用いて色差ΔE*abを求めた。
ΔE*ab=((ΔL*2+(Δa*2+(Δb*21/2
【0026】以下の実施例および比較例で用いたポリエステル原料の製造方法は次のとおりである。
<ポリエステルA>ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール60部および酢酸マグネシウム・4水塩0.09部を反応器にとり、加熱昇温するとともにメタノールを留去し、エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次いで、エチルアシッドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン0.04部を添加した後、100分で温度を280℃、圧力を15mmHgとし、以後も徐々に圧力を減じ、最終的に0.3mmHgとした。4時間後系内を常圧に戻し、実質的に微粒子を含まないポリエステルAを得た。このポリエステルの固有粘度は0.70であった。
【0027】<ポリエステルB>ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール60部および酢酸マグネシウム・4水塩0.09部を反応器にとり、加熱昇温するとともにメタノールを留去し、エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次いで、平均粒径1.5μmのシリカ粒子を2.0部含有するエチレングリコールスラリーを反応系に添加し、さらにエチルアシッドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン0.04部を添加した後、100分で温度を280℃、圧力を15mmHgとし、以後も徐々に圧力を減じ、最終的に0.3mmHgとした。4時間後系内を常圧に戻しポリエステルBを得た。得られたポリエステルBのシリカ粒子含有量は1.0重量%であった。またこのポリエステルの固有粘度は0.70であった。
【0028】<ポリエステルC>ポリエステルAをベント付き二軸押出機に供して、三菱化学(株)製ダイアレジンレッドHS 2.5重量%、同ブルー4G 6.0重量%、および同イエローF 1.5重量%の各濃度となるように混合して添加し、溶融混練りを行ってチップ化を行い、染料マスターバッチ ポリエステルCを作成した。
<ポリエステルD>ポリエステルAをベント付き二軸押出機に供して、三菱化学(株)製ダイアレジンレッドHS 2.5重量%、同ブルーH3G 6.0重量%、および同イエローF 1.5重量%の各濃度となるように混合して添加し、溶融混練りを行ってチップ化を行い、染料マスターバッチ ポリエステルDを作成した。
【0029】実施例1ポリエステルA、Cの各チップを92.0:8.0の割合で、中間層用レジンとして中間層用押出機に投入した。これとは別にポリエステルA、Bの各チップを93:7の割合で表層用レジンとして表層用押出機に投入した。それぞれの押出機はいずれもベント付きの異方向二軸押出機であり、レジンは乾燥すること無しに290℃の溶融温度で押出しを行い、その後溶融ポリマーをフィードブロック内で合流して積層した。その後静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して3層構成の積層未延伸シートを得た。得られたシートを85℃で3.5倍縦方向に延伸した。次いで、フィルムをテンターに導き105℃で3.7倍横方向に延伸した後、230℃にて熱固定を行い、さらに幅方向に200℃で5%弛緩処理を行って、二軸配向フィルムを作成した。このフィルムの各層の厚みは2/21/2μmの構成で、総厚みは25μmであった。このフィルムの可視光線透過率は約30%であり、フィルムヘーズは2.0%、表面粗度は両面とも0.015μmであった。また、フェードメーター中での80時間の紫外線カーボンアーク灯による照射による色差ΔE*ab値は0.95と良好であった。
実施例2実施例1において、中間層用レジンとしてポリエステルA、C、Dの各チップを92.0:5.0:3.0の割合で中間層用押出機に投入した。これとは別にポリエステルA、Bの各チップを93:7の割合で表層用レジンとして表層用押出機に投入した。この後、実施例1と全く同様に製膜を行って、二軸配向フィルムを作成した。このフィルムの各層の厚みは2/21/2μmの構成で、総厚みは25μmであった。このフィルムの可視光線透過率は約30%であり、フィルムヘーズは2.0%、表面粗度は両面とも0.015μmであった。また、フェードメーター中での80時間の紫外線カーボンアーク灯による照射による色差ΔE*ab値は1.90であり、実施例1と比べれば劣るが実用上許容できる範囲であった。
比較例1実施例1において、中間層用レジンとしてポリエステルA、Dの各チップを92.0:8.0の割合で中間層用押出機に投入した。これとは別にポリエステルA、Bの各チップを93:7の割合で表層用レジンとして表層用押出機に投入した。この後、実施例1と全く同様に製膜を行って、二軸配向フィルムを作成した。このフィルムの各層の厚みは2/21/2μmの構成で、総厚みは25μmであった。このフィルムの可視光線透過率は約30%であり、フィルムヘーズは2.0%、表面粗度は両面とも0.015μmであった。また、フェードメーター中での80時間の紫外線カーボンアーク灯による照射による色差ΔE*ab値は3.25と劣るものであった。
【0030】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、日光や蛍光灯などによるフィルム全体の変色・退色を抑えた窓貼り用ポリエステルフィルムを提供することができ、その工業的価値は高い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも3層のポリエステルからなる共押出積層フィルムであって、実質的にポリエステルに溶解する染料を中間層に含有し、何れの層にも紫外線吸収剤あるいはラジカル吸収剤を含有せず、紫外線カーボンアーク灯で80時間直接フィルムを照射したときの色調変化ΔE*abが2.0以下であることを特徴とする窓貼り用二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項2】 フィルム全体のヘーズが6.0%以下であり、フィルムの可視光線透過率が3〜75%であることを特徴とする請求項1記載の窓貼り用二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項3】 請求項1または2に記載の窓貼り用二軸配向ポリエステルフィルムの片面に、ポリアクリル樹脂を含むハードコート層を有することを特徴とする窓貼り用複合ポリエステルフィルム。

【公開番号】特開2003−175577(P2003−175577A)
【公開日】平成15年6月24日(2003.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−238993(P2002−238993)
【出願日】平成14年8月20日(2002.8.20)
【出願人】(000108856)三菱化学ポリエステルフィルム株式会社 (187)
【Fターム(参考)】