窓開閉装置
【課題】簡単な操作により開口を確実に閉鎖することができ、しかも、気流に基づく障子の開口閉鎖移動によっては障子の開口開閉移動を禁止することのない窓開閉装置を提供すること。
【解決手段】窓開閉装置1は、建物に装着される枠体としての窓枠2と、窓枠2に画成された開口3に配されていると共に開口3を開閉する障子4と、障子4にその自重に基づく開口開放位置に向かう移動力を付与すると共に開口開放位置に配された障子4に開口開閉を行わせるように障子4を窓枠2に装着している開閉手段6と、障子4が開口閉鎖位置に配された際に開閉手段6による障子4の開口開閉移動を解除自在に禁止する禁止手段9とを具備している。
【解決手段】窓開閉装置1は、建物に装着される枠体としての窓枠2と、窓枠2に画成された開口3に配されていると共に開口3を開閉する障子4と、障子4にその自重に基づく開口開放位置に向かう移動力を付与すると共に開口開放位置に配された障子4に開口開閉を行わせるように障子4を窓枠2に装着している開閉手段6と、障子4が開口閉鎖位置に配された際に開閉手段6による障子4の開口開閉移動を解除自在に禁止する禁止手段9とを具備している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、障子の開閉移動により建物の開口を開閉させる窓開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開2003−247371号公報
【特許文献2】特開平10−317789号公報
【0003】
例えば特許文献1においては、障子の竪框上部に一端が枢着され他端が前記一端よりも低い位置において窓枠の竪枠に枢着されたメインアームと、竪框中間部に一端が枢着され他端が竪枠下部に枢着されており、メインアームよりも長いサブアームとを有しており、サブアームの一端及び窓を閉じた状態にある障子の重心が、鉛直方向に伸びる同一線上に位置するように夫々配されている窓開閉装置が提案されている。
【0004】
また、例えば特許文献2においては、障子の開口閉鎖移動によって当該障子が開口閉鎖位置に配された際にフック受け軸と首振りフックとが互いに係合されるようになっており、前記係合により障子の開口開閉移動を禁止するロック装置が備えられた窓開閉装置が提案されている
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載されているような窓開閉装置では、手動操作により障子を開口閉鎖位置まで移動させ、その後、障子を枠体等に係止する係止部材の手動操作により係止させることによって、開口を閉鎖するようになっているが、斯かる操作を開口を閉鎖する毎に行うのは煩わしい。
【0006】
また、特許文献2に記載されているような窓開閉装置では、気流に基づく障子の開口閉鎖移動によって障子の開口開閉移動を禁止してしまう虞がある。
【0007】
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、簡単な操作により開口を確実に閉鎖することができ、しかも、気流に基づく障子の開口閉鎖移動によっては障子の開口開閉移動を禁止することのない窓開閉装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の窓開閉装置は、建物に装着される枠体と、枠体に画成された開口に配されていると共に当該開口を開閉する障子と、この障子に開口開放位置に向かう移動力を付与すると共に開口開放位置に配された障子に開口開閉を行わせるように障子を枠体に装着している開閉手段と、障子が開口閉鎖位置に配された際に開閉手段による障子の開口開閉移動を解除自在に禁止する禁止手段とを具備しており、禁止手段は、枠体に回動自在に装着されている回動部材と、この回動部材を一方の回動方向に付勢する付勢手段と、一端で障子に装着されていると共に引張られることによって付勢手段による一方の回動方向の付勢に抗して他方の回動方向に回動部材を回動させるように当該回動部材に掛けられている紐状体と、回動部材の他方の回動方向の回動によって開口閉鎖位置に位置する障子を係止する一方、回動部材の一方の回動方向の回動によって前記係止を解除するように回動部材に形成されている係止部と、付勢手段の付勢による回動部材の一方の回動方向の回動を解除自在に阻止するように、他方の回動方向に回動された回動部材に解除自在に係合する係合部材とを具備している。
【0009】
本発明の窓開閉装置によれば、特に、一端で障子に装着されていると共に引張られることによって付勢手段による一方の回動方向の付勢に抗して他方の回動方向に回動部材を回動させるように当該回動部材に掛けられている紐状体と、回動部材の他方の回動方向の回動によって開口閉鎖位置に位置する障子を係止する一方、回動部材の一方の回動方向の回動によって前記係止を解除するように回動部材に形成されている係止部と、付勢手段の付勢による回動部材の一方の回動方向の回動を解除自在に阻止するように、他方の回動方向に回動された回動部材に解除自在に係合する係合部材とを具備しているために、簡単な操作により開口を確実に閉鎖することができ、しかも、気流に基づく障子の開口閉鎖移動によっては障子の開口開閉移動を禁止することをなくし得る。
【0010】
本発明の窓開閉装置の好ましい例では、回動部材は、枠体に軸を介して回動自在に装着されており、回動部材の建物内外方向における建物外側の一端には係止部が形成されており、回動部材の建物内外方向における建物内側の他端及び前記軸の周りには紐状体が掛けられたローラが夫々配設されており、回動部材の他端側には係合部材に係合する突起が形成されており、回動部材の前記軸の周りのローラは回動部材の一端側に配されている。このような好ましい例では、回動部材の前記軸の周りのローラが回動部材の一端側に配されているために、回動部材を他方の回動方向に回動させるための紐状体の引張り力をより小さくし得る。
【0011】
本発明の窓開閉装置の好ましい例では、開閉手段は、障子にその自重に基づく開口開放位置に向かう移動力を付与するようになっている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、簡単な操作により開口を確実に閉鎖することができ、しかも、気流に基づく障子の開口閉鎖移動によっては障子の開口開閉移動を禁止することのない窓開閉装置を提供し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明の実施の形態の例を、図に示す例に基づいて更に詳細に説明する。尚、本発明は、これら例に何等限定されないのである。
【0014】
図1から図13において、本例の窓開閉装置1は、建物(図示せず)に装着される枠体としての窓枠2と、窓枠2に画成された開口3に配されていると共に開口3を開閉する障子4と、障子4にその自重に基づく図1に示す開口開放位置に向かう移動力を付与すると共に開口開放位置に配された障子4に開口開閉を行わせるように障子4を窓枠2に装着している開閉手段6と、障子4が図3及び図5に示す開口閉鎖位置に配された際に開閉手段6による障子4の開口開閉移動を解除自在に禁止する禁止手段9とを具備している。
【0015】
窓開閉装置1は、建物外7側に向かう障子4の開口開放移動により図1及び図2に示すように開口3を開き、建物内8側に向かう障子4の開口閉鎖移動により図3、図4及び図5に示すように開口3を閉じるようになっている。
【0016】
窓枠2は、上枠12、下枠13並びに一対の縦枠14及び15を有している。上枠12、下枠13並びに縦枠14及び15が障子4に当接する部位には、障子4に当接するシール部材が装着されている。
【0017】
障子4は、開口3を開閉自在となるように開閉手段6を介して窓枠2に装着される。障子4は、ガラス板等からなる矩形状の障子本体21、上框22、下框23並びに一対の縦框24及び25を有している。障子本体21の周囲は、上框22、下框23並びに一対の縦框24及び25に覆われている。障子4は、開口開放位置において静止した状態となり、気流に基づく開口閉鎖移動により開口3を狭めたり、気流に基づく開口開放移動により開口3を拡げたりするようになっている。
【0018】
開閉手段6は、障子4の上框22側の部位31を昇降自在に支持する支持機構32と、部位31に対して下方に位置する障子4の他の部位33を、建物内外方向Xに移動自在に支持する支持機構34とを具備している。支持機構32及び34は、部位31及び33を夫々横方向Yに伸びた水平軸の回りで回動自在に支持している。部位31及び33は縦框24及び25に夫々設けられている。横方向Yは鉛直方向V及び建物内外方向Xに対して直交している。建物内外方向Xは、水平方向に対して平行であって横方向Yに対して直交する方向である。
【0019】
支持機構32は、例えば図2及び図4に示すように、縦框24の部位31及び縦框25の部位31の夫々に装着されていると共に縦枠14及び15に対して昇降する軸体41と、縦枠14及び15の夫々に装着されていると共に軸体41の昇降に関する移動方向に案内する案内部材42とを具備している。軸体41には転動ローラが装着されていてもよい。軸体41は、斯かる転動ローラの装着によって案内部材42に円滑に案内される。尚、支持機構32は、障子4の開口開放移動若しくは開口閉鎖移動を調整すべく、部位31を窓枠2に対して上方若しくは下方に向かって弾性的に付勢する付勢部材としてのばね(図示せず)を具備していてもよい。
【0020】
案内部材42は、本例では、軸体41を鉛直方向Vに案内する案内条溝43と、案内条溝43の上端に連接していると共に軸体41を鉛直方向Vに対して建物外7側から建物内8側に向かって上方に傾斜する方向に案内する他の案内条溝44とを具備している。軸体41は、案内条溝43において鉛直方向Vに直動自在に、案内条溝44において前記傾斜する方向に移動自在に夫々配置される。案内条溝43は軸体41を案内することによって部位31を鉛直方向Vに案内するようになっており、案内条溝44は軸体41を案内することによって部位31を前記傾斜する方向に案内するようになっている。
【0021】
支持機構34は、例えば図2、図4、図12及び図13に示すように、縦框24の部位33及び縦框25の部位33の夫々に装着されている軸体51と、軸体51を建物内外方向Xに移動自在に支持面53で支持する支持部材52と、窓枠2に装着されていると共に、部位33を建物内外方向Xに移動自在に他の支持面63で支持する他の支持部材62と、建物内外方向Xに移動自在に支持部材52に支持された状態の軸体51に対して下方に且つ建物内8側に位置するように、支持部材52を窓枠2にR1方向及びR2方向に回動自在に連結している回動軸54と、特に図13に示すように支持部材52が軸体51を建物内外方向Xに移動自在に支持した状態において当該支持部材52を保持する保持機構55とを具備している。軸体51には転動ローラが装着されていてもよい。軸体51は、斯かる転動ローラの装着によって支持面53に円滑に案内支持される。
【0022】
軸体51は、開口開放位置に配された障子4の重心Gを通る鉛直方向Vに伸びる直線上に位置する。軸体51は、障子4が開口閉鎖位置にある場合に障子4の重心Gに対して上方に位置すると共に当該重心Gに対して建物外7側に位置するように、障子4に配設されていてもよい。
【0023】
支持面53は、例えば図13に示すように、水平線Hに対して建物外7側から建物内8側に向かって上方に傾斜しており、支持面53の水平線Hに対する傾斜角は、建物外7側から建物内8側に向かって漸増している。支持面53は、支持部材52に建物内外方向Xに伸びて形成された長孔56の下側の面からなる。障子4が開口開放位置にある場合の支持面53の軸体51に対する当接点P1における接線の水平線Hに対する傾斜角は0度である。支持部材52が建物外7側に突出している状態であって当該支持部材52が保持機構55に保持されている状態において、支持面53の最も建物内8側に位置した軸体51に対する当接点P2における接線58の水平線Hに対する傾斜角は、支持面53の水平線Hに対する最大傾斜角となる。支持面53の水平線Hに対する傾斜角は、建物外7側から建物内8側に向かって0度から12度まで漸増していてもよい。支持面53の前記傾斜角は当接点P1から当接点P2まで漸増している。支持面53に当接する軸体51は、建物外7側から建物内8側への移動により上方に変位する一方、建物内8側から建物外7側への移動により下方に変位する。斯かる支持面53は、主に支持部材52が建物外7側に突出した状態において軸体51を支持するようになっている。
【0024】
支持面63は、例えば図12及び図13に示すように、部位33の支持が支持面53から当該支持面63に移行されるように、水平線Hに対して建物外7側から建物内8側に向かって上方に傾斜しており、支持面63の水平線Hに対する傾斜角は、建物外7側から建物内8側に向かって漸増している。支持面63の水平線Hに対する傾斜角は、支持面53の水平線Hに対する最大傾斜角に対して大きい。支持面63の最も建物外7側に位置する軸体51に対する当接点P3における接線の水平線Hに対する傾斜角は、支持面63の水平線Hに対する最小傾斜角となる。支持面63の水平線Hに対する傾斜角は、支持面63の最も建物内8側に位置する軸体51に対する当接点P4における接線の水平線Hに対する傾斜角は、支持面63の水平線Hに対する最大傾斜角となる。支持面63の水平線Hに対する傾斜角は、建物外7側から建物内8側に向かって12度から15まで漸増していてもよい。支持面63の前記傾斜角は、当接点P3から当接点P4まで漸増している。支持面63に当接する軸体51は、建物外7側から建物内8側への移動により上方に変位する一方、建物内8側から建物外7側への移動により下方に変位する。斯かる支持面63は、主に支持部材52が建物内8側に向かって又は建物外7側に向かって回動される際に軸体51を支持するようになっている。支持面53及び63は互いに協働して、軸体51を支持する折り畳み自在な一つの支持面を形成している。
【0025】
支持面53に対する水平線Hの傾斜に基づいて、部位33が支持面53又は支持面63に支持される障子4に与えられる開口開放移動力を「F」とし、障子4の自重に基づいて生じる鉛直方向Vへの力を「mg」とすると「F=mg・sinθ」となる。これによって「F」を求めることができ、また、支持面53及び63の夫々の水平線Hに対する傾斜角を「F」との関係において好適に設定し得る。
【0026】
支持部材52は、支持面53に加えて、支持面53の建物外7側の端部に連接していると共に軸体51に当接して当該軸体51を建物内外方向Xに移動自在に支持する端側支持面60を更に有している。端側支持面60は、支持部材52に形成された長孔56の建物外7側の部位の面からなり、建物外7側から建物内8側に向かって下方に傾斜している。端側支持面60に当接する軸体51は、建物外7側から建物内8側への移動により下方に変位する一方、建物内8側から建物外7側への移動により上方に変位する。端側支持面60の水平線Hに対する傾斜角は、建物内8側から建物外7側に向かって漸増していてもよい。
【0027】
支持部材52は、障子4の開口開放移動及び開口閉鎖移動に伴って回動軸54の回りでR1及びR2方向に回動され、開口開放時には回動軸54から建物外7側に向かって突出して配置される一方、開口閉鎖時には回動軸54から上方に向かって突出して配置される。支持部材52は、開口閉鎖時には回動軸54から上方に向かって突出して配置されるために、支持部材52自体を建物外7側及び建物内8側のいずれにも突出させることがない。
【0028】
保持機構55は、支持部材52の建物内8側の端部に一体的に形成された円弧状に伸びた長孔71と、縦框24及び25の夫々に形成されていると共に長孔71に配されている突起72とを具備している。長孔71は、回動軸54を中心とする支持部材52のR1方向の回動によって突起72に対してR1方向に移動し、支持部材52が図2及び図13に示す位置に配された際に当該長孔71の一方端において突起72に当接して、支持部材52の建物外7側に向かう所定量以上のR1方向の移動を阻止するようになっており、このようにして、保持機構55は図13に示す位置に配された支持部材55を保持するようになっている。また、長孔71は、回動軸54を中心とする支持部材52のR2方向の回動によって突起72に対してR2方向に移動し、支持部材52が図12に示す位置に配された際に当該長孔71の他方端において突起72に当接して、支持部材52の建物内8側に向かう所定量以上のR2方向の移動を阻止するようになっている。本例の保持機構55は、図12に示す位置及び図13に示す位置に配された支持部材55を保持するようになっている。
【0029】
禁止手段9は、例えば図6から図9に示すように、窓枠2に回動自在に装着されている回動部材81と、回動部材81をR3方向に付勢する付勢手段82と、一端83で障子4の下框23に装着されていると共にA方向に引張られることによって付勢手段82によるR3方向の付勢に抗してR3方向とは逆のR4方向に回動部材81を回動させるように当該回動部材81に掛けられている紐状体84と、回動部材81のR4方向の回動によって開口閉鎖位置に位置する障子4を係止する一方、回動部材81のR3方向の回動によって前記係止を解除するように回動部材81に形成されている係止部85と、付勢手段82の付勢による回動部材81のR3方向の回動を解除自在に阻止するように、R4方向に回動された回動部材81に解除自在に係合する係合部材86とを具備している。
【0030】
回動部材81は、下枠13に基体91及び軸92を介してR3方向及びR4方向に回動自在に装着された槓杆状の部材からなる。回動部材81の建物内外方向Xにおける建物外7側の一端には係止部85が形成されている。回動部材81の建物内外方向Xにおける建物内8側の他端及び軸92の周りには紐状体84が掛けられたローラ93及び94が夫々配設されている。回動部材81には係合部材86に係合する突起95が形成されている。ローラ94は回動部材81の一端側に、突起95は回動部材81の他端側に夫々配されている。
【0031】
付勢手段82は、本例では、一端で回動部材81に、他端で基体91に装着されたコイルばね101からなる。コイルばね101はその縮み力によって回動部材81にR1方向の回動力を付与するようになっている。
【0032】
紐状体84の一端83は、下框23に取り付けられた取付具105を介して障子4に装着されている。可撓性を有した紐状体84がA方向に引張られると、障子4は建物閉鎖移動されて開口閉鎖位置に配される。障子4が開口閉鎖位置に配された場合において紐状体84が更にA方向に引張られると、回動部材81にはR4方向の回動力が付与される。斯かる紐状体84は、A方向に引張られることにより回動部材81をコイルばね101による付勢に抗してR4方向に回動させるようになっている。紐状体84の他端は、本例では係合部材86に装着されている。紐状体84がB方向に引張られると、係合部材86には回動部材81との係合を解除するための移動力が付与される。
【0033】
係止部85は、回動部材81の一端に形成された係止突起111を有している。係止突起111は、回動部材81のR3方向の回動により図7に示すように取付具105に形成された被係止部112に対して建物外7側に配されると共に当該被係止部112に当接するように配設されている。係止部85は、係止突起111の被係止部112に対する前記当接によって障子4を係止するようになっている。係止突起111は、回動部材81のR4方向の回動により図11に示すように被係止部112に対して下方に離反されるように配設されている。係止部85は、係止突起111の被係止部112に対する前記離反によって障子4の係止を解除するようになっている。
【0034】
係合部材86は、R5方向の回動により突起95に係合される一方、R6方向の回動により前記係合が解除されるように、基体91に支持された軸125にR5方向及びR6方向に回動自在に装着されているフック部材131と、一端でフック部材131に引っ掛けられていると共に他端で基体91に引っ掛けられており、フック部材131をR5方向に付勢する付勢ばね132とを有している。フック部材131には紐状体84の他端が装着されている。フック部材131は、紐状体84のB方向への引張りによって付勢ばね132によるR5方向の付勢に抗してR6方向に回動されることで、突起95との係合が解除されるようになっている。尚、基体91の建物内外方向Xにおける建物内8側の端部には転動ローラ133が設けられており、斯かる転動ローラ133には紐状体84が掛けられている。
【0035】
以上の窓開閉装置1による窓開閉動作について以下説明する。まず、図3に示すように、開口閉鎖位置にある障子4の開口開放移動を禁止している禁止手段9の紐状体84をB方向に引張ることにより、係合部材86と回動部材81との係合を図10に示すように解除する。前記係合が解除された回動部材81は、コイルばね101の付勢力によってR3方向に回動される。当該回動により係止部85による障子4の係止は図11に示すように解除され、これにより、禁止手段9による障子4の開口開閉移動の禁止が解除される。禁止手段9による禁止が解除されると、部位33が建物内外方向Xにおいて重心Gに対して建物外7側に位置し、しかも、軸体51が水平線Hに対して傾斜した支持面63に支持されるために、障子4には開口開放位置に向かう回動モーメントが付与され、障子4は開口開放移動を開始する。図4及び図12に示す状態にある支持部材52は、斯かる開口開放移動に伴って建物外7側に向かってR1方向に回動され、図2及び図12に示すように建物外7側に突出し且つ保持機構55によって保持される。支持部材52が保持機構55に保持される際に、支持面63による軸体51の支持は、支持面53による軸体51の支持へと移行する。軸体41は部位33の建物外7側への移動に伴い、案内条溝43及び44に沿って下降する。障子4に付与される開口開放位置に向かう回動モーメントは、障子4が開口開放位置に近づくに連れて、支持面53の傾斜角及び部位33と重心Gとを結ぶ線の鉛直線に対する傾斜角が漸減するために、次第に小さくなる。障子4が開口開放移動により開口開放位置に到達すると、図1に示すように部位33と重心Gとが鉛直方向Vに伸びる同一直線上に位置し、これにより障子4の自重に基づく開口開放移動力が生じなくなり、而して、障子4は開口開放位置で静止する。このように障子4による急速な開口開放位置に向かう回動モーメントが次第に小さくなるために障子4による急速な開口開放を防止することができ、また逆に、障子4が開口開放位置から開口閉鎖位置に向かって開口閉鎖移動する場合には、障子4に付与される開口開放位置に向かう回動モーメントは次第に大きくなるために、前記開口閉鎖移動に抗する抗移動力としての開口開放移動力が漸増する結果、急速な開口閉鎖を防止することができる。
【0036】
障子4が開口開放位置に配された場合に、気流により障子4に対して建物外7側が正圧に且つ建物内8側が負圧になると、障子4には気流に基づく開口閉鎖移動力が付与され、この気流に基づく開口閉鎖移動力によって障子4が開口閉鎖移動すると、建物外7及び建物内8間を流れる気体流量は減少する。逆に、気流により障子4に対して建物外7側が負圧に且つ建物内8側が正圧になると、障子4には気流に基づく開口開放移動力が付与され、この気流に基づく開口開放移動力によって障子4が開口開放移動すると、建物外7及び建物内8間を流れる気体流量は増大する。気流に基づく開口開放移動力及び開口閉鎖移動力が生じなくなると、障子4は、開口開放位置に復帰し、静止する。
【0037】
開口開放位置に配された状態の障子4は、紐状体84がA方向に引張られることに基づいて強制的に開口閉鎖移動されて開口閉鎖位置に配される。このように障子4が開口閉鎖位置に配された後にも紐状体84がA方向に引っ張られることにより回動部材81がコイルばね101の付勢力に抗してR4方向に回動され、図10に示す状態を経て図6及び図7に示す位置まで回動された際に、係止部85による被係止部112の係止と係合部材86の回動部材81との係合とがなされ、これにより禁止手段9は障子4の開口開閉を禁止する。禁止手段9による前記禁止は、紐状体84のA方向への引張りによって行われるため、例えば障子4が気流に基づいて上述のように開口3を開閉している場合には禁止手段9による前記禁止は行われることがない。
【0038】
本例の窓開閉装置1によれば、建物に装着される窓枠2と、窓枠2に画成された開口3に配されていると共に当該開口3を開閉する障子4と、障子4に開口開放位置に向かう移動力を付与すると共に開口開放位置に配された障子4に開口開閉を行わせるように障子4を窓枠2に装着している開閉手段6と、障子4が開口閉鎖位置に配された際に開閉手段6による障子4の開口開閉移動を解除自在に禁止する禁止手段9とを具備しており、禁止手段9は、窓枠2に回動自在に装着されている回動部材81と、回動部材81をR3方向に付勢する付勢手段82と、一端83で障子4に装着されていると共に引張られることによって付勢手段82によるR3方向の付勢に抗してR4方向に回動部材81を回動させるように当該回動部材81に掛けられている紐状体84と、回動部材81のR4方向の回動によって開口閉鎖位置に位置する障子4を係止する一方、回動部材81のR3方向の回動によって前記係止を解除するように回動部材81に形成されている係止部85と、付勢手段82の付勢による回動部材81のR3方向の回動を解除自在に阻止するように、R4方向に回動された回動部材81に解除自在に係合する係合部材86とを具備しているために、簡単な操作により開口3を確実に閉鎖することができ、しかも、気流に基づく障子4の開口閉鎖移動によって障子4の開口開閉移動を禁止してしまうことをなくし得る。
【0039】
窓開閉装置1によれば、回動部材81は、窓枠2に軸92を介して回動自在に装着されており、回動部材81の建物内外方向Xにおける建物外7側の一端には係止部85が形成されており、回動部材81の建物内外方向Xにおける建物内8側の他端及び前記軸92の周りには紐状体84が掛けられたローラ93及び94が夫々配設されており、回動部材81の他端側には係合部材86に係合する突起95が形成されており、回動部材81の前記軸92の周りのローラ94は回動部材81の一端側に配されているために、特に回動部材81の前記軸92の周りのローラ94が回動部材81の一端側に配されているために、回動部材81をR4方向に回動させるための紐状体84のA方向の引張り力をより小さくし得る。
【0040】
尚、本例の窓開閉装置1では、開閉手段6に代えて、例えば図14に示すように、上枠12に設けられていると共に上框22を回転自在に支持する支持機構141と、支持機構141に対して下方において、一端142が縦框24及び25に、他端143が縦枠14及び15に夫々取り付けられた一対のピストン装置144(一方のピストン装置144のみ図示)を有した支持機構145とからなる開閉手段146を具備していてもよい。ガスダンパ等からなるピストン装置144には伸び力が常時加わっており、障子4は前記伸び力に基づいて開口開放位置に向かう移動力が付与される。
【0041】
支持面53は、本例では、水平線Hに対して建物外7側から建物内8側に向かって上方に傾斜しているが、例えば水平面であってもよく、斯かる場合には、軸体51が水平面からなる支持面53に支持されていても、部位33が、障子が開口閉鎖位置にある場合に障子4の重心Gに対して上方に位置すると共に当該重心Gに対して建物外7側に位置していれば、障子4にはその自重に基づく開口開放移動力が付与される。また、支持面53が水平面からなる場合において、支持面53の建物内8側の部位を建物外側7から建物内8側に向かって上方に傾斜させてもよい。
【0042】
本例の窓開閉装置1においては、支持機構34に代えて、支持部材52を縦枠14及び15に固定し、回動軸54、保持機構55及び支持部材62を省いてなる支持機構34を具備していてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施の形態の例の開口開放状態における側面説明図である。
【図2】図1に示す例の開口全開状態における一部省略側面説明図である。
【図3】図1に示す例の開口閉鎖状態における側面説明図である。
【図4】図1に示す例の開口閉鎖状態における一部省略側面説明図である。
【図5】図1に示す例の開口閉鎖状態における平面説明図である。
【図6】図1に示す例の開口閉鎖状態における主に禁止手段の側面説明図である。
【図7】図1に示す例の開口閉鎖状態における主に禁止手段の側面説明図である。
【図8】図1に示す例の開口閉鎖状態における主に禁止手段の平面説明図である。
【図9】図1に示す例の開口閉鎖状態における主に禁止手段の平面説明図である。
【図10】図1に示す例の主に禁止手段の動作説明図である。
【図11】図1に示す例の主に禁止手段の動作説明図である。
【図12】図1に示す例の開口閉鎖状態における主に第二の支持機構の側面説明図である。
【図13】図1に示す例の開口開放状態における主に第二の支持機構の側面説明図である。
【図14】本発明の実施の形態の他の例の開口開放状態における側面説明図である。
【符号の説明】
【0044】
1 窓開閉装置
2 窓枠
3 開口
4 障子
6 開閉手段
9 禁止手段
81 回動部材
82 付勢手段
84 紐状体
85 係止部
86 係合部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、障子の開閉移動により建物の開口を開閉させる窓開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開2003−247371号公報
【特許文献2】特開平10−317789号公報
【0003】
例えば特許文献1においては、障子の竪框上部に一端が枢着され他端が前記一端よりも低い位置において窓枠の竪枠に枢着されたメインアームと、竪框中間部に一端が枢着され他端が竪枠下部に枢着されており、メインアームよりも長いサブアームとを有しており、サブアームの一端及び窓を閉じた状態にある障子の重心が、鉛直方向に伸びる同一線上に位置するように夫々配されている窓開閉装置が提案されている。
【0004】
また、例えば特許文献2においては、障子の開口閉鎖移動によって当該障子が開口閉鎖位置に配された際にフック受け軸と首振りフックとが互いに係合されるようになっており、前記係合により障子の開口開閉移動を禁止するロック装置が備えられた窓開閉装置が提案されている
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載されているような窓開閉装置では、手動操作により障子を開口閉鎖位置まで移動させ、その後、障子を枠体等に係止する係止部材の手動操作により係止させることによって、開口を閉鎖するようになっているが、斯かる操作を開口を閉鎖する毎に行うのは煩わしい。
【0006】
また、特許文献2に記載されているような窓開閉装置では、気流に基づく障子の開口閉鎖移動によって障子の開口開閉移動を禁止してしまう虞がある。
【0007】
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、簡単な操作により開口を確実に閉鎖することができ、しかも、気流に基づく障子の開口閉鎖移動によっては障子の開口開閉移動を禁止することのない窓開閉装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の窓開閉装置は、建物に装着される枠体と、枠体に画成された開口に配されていると共に当該開口を開閉する障子と、この障子に開口開放位置に向かう移動力を付与すると共に開口開放位置に配された障子に開口開閉を行わせるように障子を枠体に装着している開閉手段と、障子が開口閉鎖位置に配された際に開閉手段による障子の開口開閉移動を解除自在に禁止する禁止手段とを具備しており、禁止手段は、枠体に回動自在に装着されている回動部材と、この回動部材を一方の回動方向に付勢する付勢手段と、一端で障子に装着されていると共に引張られることによって付勢手段による一方の回動方向の付勢に抗して他方の回動方向に回動部材を回動させるように当該回動部材に掛けられている紐状体と、回動部材の他方の回動方向の回動によって開口閉鎖位置に位置する障子を係止する一方、回動部材の一方の回動方向の回動によって前記係止を解除するように回動部材に形成されている係止部と、付勢手段の付勢による回動部材の一方の回動方向の回動を解除自在に阻止するように、他方の回動方向に回動された回動部材に解除自在に係合する係合部材とを具備している。
【0009】
本発明の窓開閉装置によれば、特に、一端で障子に装着されていると共に引張られることによって付勢手段による一方の回動方向の付勢に抗して他方の回動方向に回動部材を回動させるように当該回動部材に掛けられている紐状体と、回動部材の他方の回動方向の回動によって開口閉鎖位置に位置する障子を係止する一方、回動部材の一方の回動方向の回動によって前記係止を解除するように回動部材に形成されている係止部と、付勢手段の付勢による回動部材の一方の回動方向の回動を解除自在に阻止するように、他方の回動方向に回動された回動部材に解除自在に係合する係合部材とを具備しているために、簡単な操作により開口を確実に閉鎖することができ、しかも、気流に基づく障子の開口閉鎖移動によっては障子の開口開閉移動を禁止することをなくし得る。
【0010】
本発明の窓開閉装置の好ましい例では、回動部材は、枠体に軸を介して回動自在に装着されており、回動部材の建物内外方向における建物外側の一端には係止部が形成されており、回動部材の建物内外方向における建物内側の他端及び前記軸の周りには紐状体が掛けられたローラが夫々配設されており、回動部材の他端側には係合部材に係合する突起が形成されており、回動部材の前記軸の周りのローラは回動部材の一端側に配されている。このような好ましい例では、回動部材の前記軸の周りのローラが回動部材の一端側に配されているために、回動部材を他方の回動方向に回動させるための紐状体の引張り力をより小さくし得る。
【0011】
本発明の窓開閉装置の好ましい例では、開閉手段は、障子にその自重に基づく開口開放位置に向かう移動力を付与するようになっている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、簡単な操作により開口を確実に閉鎖することができ、しかも、気流に基づく障子の開口閉鎖移動によっては障子の開口開閉移動を禁止することのない窓開閉装置を提供し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明の実施の形態の例を、図に示す例に基づいて更に詳細に説明する。尚、本発明は、これら例に何等限定されないのである。
【0014】
図1から図13において、本例の窓開閉装置1は、建物(図示せず)に装着される枠体としての窓枠2と、窓枠2に画成された開口3に配されていると共に開口3を開閉する障子4と、障子4にその自重に基づく図1に示す開口開放位置に向かう移動力を付与すると共に開口開放位置に配された障子4に開口開閉を行わせるように障子4を窓枠2に装着している開閉手段6と、障子4が図3及び図5に示す開口閉鎖位置に配された際に開閉手段6による障子4の開口開閉移動を解除自在に禁止する禁止手段9とを具備している。
【0015】
窓開閉装置1は、建物外7側に向かう障子4の開口開放移動により図1及び図2に示すように開口3を開き、建物内8側に向かう障子4の開口閉鎖移動により図3、図4及び図5に示すように開口3を閉じるようになっている。
【0016】
窓枠2は、上枠12、下枠13並びに一対の縦枠14及び15を有している。上枠12、下枠13並びに縦枠14及び15が障子4に当接する部位には、障子4に当接するシール部材が装着されている。
【0017】
障子4は、開口3を開閉自在となるように開閉手段6を介して窓枠2に装着される。障子4は、ガラス板等からなる矩形状の障子本体21、上框22、下框23並びに一対の縦框24及び25を有している。障子本体21の周囲は、上框22、下框23並びに一対の縦框24及び25に覆われている。障子4は、開口開放位置において静止した状態となり、気流に基づく開口閉鎖移動により開口3を狭めたり、気流に基づく開口開放移動により開口3を拡げたりするようになっている。
【0018】
開閉手段6は、障子4の上框22側の部位31を昇降自在に支持する支持機構32と、部位31に対して下方に位置する障子4の他の部位33を、建物内外方向Xに移動自在に支持する支持機構34とを具備している。支持機構32及び34は、部位31及び33を夫々横方向Yに伸びた水平軸の回りで回動自在に支持している。部位31及び33は縦框24及び25に夫々設けられている。横方向Yは鉛直方向V及び建物内外方向Xに対して直交している。建物内外方向Xは、水平方向に対して平行であって横方向Yに対して直交する方向である。
【0019】
支持機構32は、例えば図2及び図4に示すように、縦框24の部位31及び縦框25の部位31の夫々に装着されていると共に縦枠14及び15に対して昇降する軸体41と、縦枠14及び15の夫々に装着されていると共に軸体41の昇降に関する移動方向に案内する案内部材42とを具備している。軸体41には転動ローラが装着されていてもよい。軸体41は、斯かる転動ローラの装着によって案内部材42に円滑に案内される。尚、支持機構32は、障子4の開口開放移動若しくは開口閉鎖移動を調整すべく、部位31を窓枠2に対して上方若しくは下方に向かって弾性的に付勢する付勢部材としてのばね(図示せず)を具備していてもよい。
【0020】
案内部材42は、本例では、軸体41を鉛直方向Vに案内する案内条溝43と、案内条溝43の上端に連接していると共に軸体41を鉛直方向Vに対して建物外7側から建物内8側に向かって上方に傾斜する方向に案内する他の案内条溝44とを具備している。軸体41は、案内条溝43において鉛直方向Vに直動自在に、案内条溝44において前記傾斜する方向に移動自在に夫々配置される。案内条溝43は軸体41を案内することによって部位31を鉛直方向Vに案内するようになっており、案内条溝44は軸体41を案内することによって部位31を前記傾斜する方向に案内するようになっている。
【0021】
支持機構34は、例えば図2、図4、図12及び図13に示すように、縦框24の部位33及び縦框25の部位33の夫々に装着されている軸体51と、軸体51を建物内外方向Xに移動自在に支持面53で支持する支持部材52と、窓枠2に装着されていると共に、部位33を建物内外方向Xに移動自在に他の支持面63で支持する他の支持部材62と、建物内外方向Xに移動自在に支持部材52に支持された状態の軸体51に対して下方に且つ建物内8側に位置するように、支持部材52を窓枠2にR1方向及びR2方向に回動自在に連結している回動軸54と、特に図13に示すように支持部材52が軸体51を建物内外方向Xに移動自在に支持した状態において当該支持部材52を保持する保持機構55とを具備している。軸体51には転動ローラが装着されていてもよい。軸体51は、斯かる転動ローラの装着によって支持面53に円滑に案内支持される。
【0022】
軸体51は、開口開放位置に配された障子4の重心Gを通る鉛直方向Vに伸びる直線上に位置する。軸体51は、障子4が開口閉鎖位置にある場合に障子4の重心Gに対して上方に位置すると共に当該重心Gに対して建物外7側に位置するように、障子4に配設されていてもよい。
【0023】
支持面53は、例えば図13に示すように、水平線Hに対して建物外7側から建物内8側に向かって上方に傾斜しており、支持面53の水平線Hに対する傾斜角は、建物外7側から建物内8側に向かって漸増している。支持面53は、支持部材52に建物内外方向Xに伸びて形成された長孔56の下側の面からなる。障子4が開口開放位置にある場合の支持面53の軸体51に対する当接点P1における接線の水平線Hに対する傾斜角は0度である。支持部材52が建物外7側に突出している状態であって当該支持部材52が保持機構55に保持されている状態において、支持面53の最も建物内8側に位置した軸体51に対する当接点P2における接線58の水平線Hに対する傾斜角は、支持面53の水平線Hに対する最大傾斜角となる。支持面53の水平線Hに対する傾斜角は、建物外7側から建物内8側に向かって0度から12度まで漸増していてもよい。支持面53の前記傾斜角は当接点P1から当接点P2まで漸増している。支持面53に当接する軸体51は、建物外7側から建物内8側への移動により上方に変位する一方、建物内8側から建物外7側への移動により下方に変位する。斯かる支持面53は、主に支持部材52が建物外7側に突出した状態において軸体51を支持するようになっている。
【0024】
支持面63は、例えば図12及び図13に示すように、部位33の支持が支持面53から当該支持面63に移行されるように、水平線Hに対して建物外7側から建物内8側に向かって上方に傾斜しており、支持面63の水平線Hに対する傾斜角は、建物外7側から建物内8側に向かって漸増している。支持面63の水平線Hに対する傾斜角は、支持面53の水平線Hに対する最大傾斜角に対して大きい。支持面63の最も建物外7側に位置する軸体51に対する当接点P3における接線の水平線Hに対する傾斜角は、支持面63の水平線Hに対する最小傾斜角となる。支持面63の水平線Hに対する傾斜角は、支持面63の最も建物内8側に位置する軸体51に対する当接点P4における接線の水平線Hに対する傾斜角は、支持面63の水平線Hに対する最大傾斜角となる。支持面63の水平線Hに対する傾斜角は、建物外7側から建物内8側に向かって12度から15まで漸増していてもよい。支持面63の前記傾斜角は、当接点P3から当接点P4まで漸増している。支持面63に当接する軸体51は、建物外7側から建物内8側への移動により上方に変位する一方、建物内8側から建物外7側への移動により下方に変位する。斯かる支持面63は、主に支持部材52が建物内8側に向かって又は建物外7側に向かって回動される際に軸体51を支持するようになっている。支持面53及び63は互いに協働して、軸体51を支持する折り畳み自在な一つの支持面を形成している。
【0025】
支持面53に対する水平線Hの傾斜に基づいて、部位33が支持面53又は支持面63に支持される障子4に与えられる開口開放移動力を「F」とし、障子4の自重に基づいて生じる鉛直方向Vへの力を「mg」とすると「F=mg・sinθ」となる。これによって「F」を求めることができ、また、支持面53及び63の夫々の水平線Hに対する傾斜角を「F」との関係において好適に設定し得る。
【0026】
支持部材52は、支持面53に加えて、支持面53の建物外7側の端部に連接していると共に軸体51に当接して当該軸体51を建物内外方向Xに移動自在に支持する端側支持面60を更に有している。端側支持面60は、支持部材52に形成された長孔56の建物外7側の部位の面からなり、建物外7側から建物内8側に向かって下方に傾斜している。端側支持面60に当接する軸体51は、建物外7側から建物内8側への移動により下方に変位する一方、建物内8側から建物外7側への移動により上方に変位する。端側支持面60の水平線Hに対する傾斜角は、建物内8側から建物外7側に向かって漸増していてもよい。
【0027】
支持部材52は、障子4の開口開放移動及び開口閉鎖移動に伴って回動軸54の回りでR1及びR2方向に回動され、開口開放時には回動軸54から建物外7側に向かって突出して配置される一方、開口閉鎖時には回動軸54から上方に向かって突出して配置される。支持部材52は、開口閉鎖時には回動軸54から上方に向かって突出して配置されるために、支持部材52自体を建物外7側及び建物内8側のいずれにも突出させることがない。
【0028】
保持機構55は、支持部材52の建物内8側の端部に一体的に形成された円弧状に伸びた長孔71と、縦框24及び25の夫々に形成されていると共に長孔71に配されている突起72とを具備している。長孔71は、回動軸54を中心とする支持部材52のR1方向の回動によって突起72に対してR1方向に移動し、支持部材52が図2及び図13に示す位置に配された際に当該長孔71の一方端において突起72に当接して、支持部材52の建物外7側に向かう所定量以上のR1方向の移動を阻止するようになっており、このようにして、保持機構55は図13に示す位置に配された支持部材55を保持するようになっている。また、長孔71は、回動軸54を中心とする支持部材52のR2方向の回動によって突起72に対してR2方向に移動し、支持部材52が図12に示す位置に配された際に当該長孔71の他方端において突起72に当接して、支持部材52の建物内8側に向かう所定量以上のR2方向の移動を阻止するようになっている。本例の保持機構55は、図12に示す位置及び図13に示す位置に配された支持部材55を保持するようになっている。
【0029】
禁止手段9は、例えば図6から図9に示すように、窓枠2に回動自在に装着されている回動部材81と、回動部材81をR3方向に付勢する付勢手段82と、一端83で障子4の下框23に装着されていると共にA方向に引張られることによって付勢手段82によるR3方向の付勢に抗してR3方向とは逆のR4方向に回動部材81を回動させるように当該回動部材81に掛けられている紐状体84と、回動部材81のR4方向の回動によって開口閉鎖位置に位置する障子4を係止する一方、回動部材81のR3方向の回動によって前記係止を解除するように回動部材81に形成されている係止部85と、付勢手段82の付勢による回動部材81のR3方向の回動を解除自在に阻止するように、R4方向に回動された回動部材81に解除自在に係合する係合部材86とを具備している。
【0030】
回動部材81は、下枠13に基体91及び軸92を介してR3方向及びR4方向に回動自在に装着された槓杆状の部材からなる。回動部材81の建物内外方向Xにおける建物外7側の一端には係止部85が形成されている。回動部材81の建物内外方向Xにおける建物内8側の他端及び軸92の周りには紐状体84が掛けられたローラ93及び94が夫々配設されている。回動部材81には係合部材86に係合する突起95が形成されている。ローラ94は回動部材81の一端側に、突起95は回動部材81の他端側に夫々配されている。
【0031】
付勢手段82は、本例では、一端で回動部材81に、他端で基体91に装着されたコイルばね101からなる。コイルばね101はその縮み力によって回動部材81にR1方向の回動力を付与するようになっている。
【0032】
紐状体84の一端83は、下框23に取り付けられた取付具105を介して障子4に装着されている。可撓性を有した紐状体84がA方向に引張られると、障子4は建物閉鎖移動されて開口閉鎖位置に配される。障子4が開口閉鎖位置に配された場合において紐状体84が更にA方向に引張られると、回動部材81にはR4方向の回動力が付与される。斯かる紐状体84は、A方向に引張られることにより回動部材81をコイルばね101による付勢に抗してR4方向に回動させるようになっている。紐状体84の他端は、本例では係合部材86に装着されている。紐状体84がB方向に引張られると、係合部材86には回動部材81との係合を解除するための移動力が付与される。
【0033】
係止部85は、回動部材81の一端に形成された係止突起111を有している。係止突起111は、回動部材81のR3方向の回動により図7に示すように取付具105に形成された被係止部112に対して建物外7側に配されると共に当該被係止部112に当接するように配設されている。係止部85は、係止突起111の被係止部112に対する前記当接によって障子4を係止するようになっている。係止突起111は、回動部材81のR4方向の回動により図11に示すように被係止部112に対して下方に離反されるように配設されている。係止部85は、係止突起111の被係止部112に対する前記離反によって障子4の係止を解除するようになっている。
【0034】
係合部材86は、R5方向の回動により突起95に係合される一方、R6方向の回動により前記係合が解除されるように、基体91に支持された軸125にR5方向及びR6方向に回動自在に装着されているフック部材131と、一端でフック部材131に引っ掛けられていると共に他端で基体91に引っ掛けられており、フック部材131をR5方向に付勢する付勢ばね132とを有している。フック部材131には紐状体84の他端が装着されている。フック部材131は、紐状体84のB方向への引張りによって付勢ばね132によるR5方向の付勢に抗してR6方向に回動されることで、突起95との係合が解除されるようになっている。尚、基体91の建物内外方向Xにおける建物内8側の端部には転動ローラ133が設けられており、斯かる転動ローラ133には紐状体84が掛けられている。
【0035】
以上の窓開閉装置1による窓開閉動作について以下説明する。まず、図3に示すように、開口閉鎖位置にある障子4の開口開放移動を禁止している禁止手段9の紐状体84をB方向に引張ることにより、係合部材86と回動部材81との係合を図10に示すように解除する。前記係合が解除された回動部材81は、コイルばね101の付勢力によってR3方向に回動される。当該回動により係止部85による障子4の係止は図11に示すように解除され、これにより、禁止手段9による障子4の開口開閉移動の禁止が解除される。禁止手段9による禁止が解除されると、部位33が建物内外方向Xにおいて重心Gに対して建物外7側に位置し、しかも、軸体51が水平線Hに対して傾斜した支持面63に支持されるために、障子4には開口開放位置に向かう回動モーメントが付与され、障子4は開口開放移動を開始する。図4及び図12に示す状態にある支持部材52は、斯かる開口開放移動に伴って建物外7側に向かってR1方向に回動され、図2及び図12に示すように建物外7側に突出し且つ保持機構55によって保持される。支持部材52が保持機構55に保持される際に、支持面63による軸体51の支持は、支持面53による軸体51の支持へと移行する。軸体41は部位33の建物外7側への移動に伴い、案内条溝43及び44に沿って下降する。障子4に付与される開口開放位置に向かう回動モーメントは、障子4が開口開放位置に近づくに連れて、支持面53の傾斜角及び部位33と重心Gとを結ぶ線の鉛直線に対する傾斜角が漸減するために、次第に小さくなる。障子4が開口開放移動により開口開放位置に到達すると、図1に示すように部位33と重心Gとが鉛直方向Vに伸びる同一直線上に位置し、これにより障子4の自重に基づく開口開放移動力が生じなくなり、而して、障子4は開口開放位置で静止する。このように障子4による急速な開口開放位置に向かう回動モーメントが次第に小さくなるために障子4による急速な開口開放を防止することができ、また逆に、障子4が開口開放位置から開口閉鎖位置に向かって開口閉鎖移動する場合には、障子4に付与される開口開放位置に向かう回動モーメントは次第に大きくなるために、前記開口閉鎖移動に抗する抗移動力としての開口開放移動力が漸増する結果、急速な開口閉鎖を防止することができる。
【0036】
障子4が開口開放位置に配された場合に、気流により障子4に対して建物外7側が正圧に且つ建物内8側が負圧になると、障子4には気流に基づく開口閉鎖移動力が付与され、この気流に基づく開口閉鎖移動力によって障子4が開口閉鎖移動すると、建物外7及び建物内8間を流れる気体流量は減少する。逆に、気流により障子4に対して建物外7側が負圧に且つ建物内8側が正圧になると、障子4には気流に基づく開口開放移動力が付与され、この気流に基づく開口開放移動力によって障子4が開口開放移動すると、建物外7及び建物内8間を流れる気体流量は増大する。気流に基づく開口開放移動力及び開口閉鎖移動力が生じなくなると、障子4は、開口開放位置に復帰し、静止する。
【0037】
開口開放位置に配された状態の障子4は、紐状体84がA方向に引張られることに基づいて強制的に開口閉鎖移動されて開口閉鎖位置に配される。このように障子4が開口閉鎖位置に配された後にも紐状体84がA方向に引っ張られることにより回動部材81がコイルばね101の付勢力に抗してR4方向に回動され、図10に示す状態を経て図6及び図7に示す位置まで回動された際に、係止部85による被係止部112の係止と係合部材86の回動部材81との係合とがなされ、これにより禁止手段9は障子4の開口開閉を禁止する。禁止手段9による前記禁止は、紐状体84のA方向への引張りによって行われるため、例えば障子4が気流に基づいて上述のように開口3を開閉している場合には禁止手段9による前記禁止は行われることがない。
【0038】
本例の窓開閉装置1によれば、建物に装着される窓枠2と、窓枠2に画成された開口3に配されていると共に当該開口3を開閉する障子4と、障子4に開口開放位置に向かう移動力を付与すると共に開口開放位置に配された障子4に開口開閉を行わせるように障子4を窓枠2に装着している開閉手段6と、障子4が開口閉鎖位置に配された際に開閉手段6による障子4の開口開閉移動を解除自在に禁止する禁止手段9とを具備しており、禁止手段9は、窓枠2に回動自在に装着されている回動部材81と、回動部材81をR3方向に付勢する付勢手段82と、一端83で障子4に装着されていると共に引張られることによって付勢手段82によるR3方向の付勢に抗してR4方向に回動部材81を回動させるように当該回動部材81に掛けられている紐状体84と、回動部材81のR4方向の回動によって開口閉鎖位置に位置する障子4を係止する一方、回動部材81のR3方向の回動によって前記係止を解除するように回動部材81に形成されている係止部85と、付勢手段82の付勢による回動部材81のR3方向の回動を解除自在に阻止するように、R4方向に回動された回動部材81に解除自在に係合する係合部材86とを具備しているために、簡単な操作により開口3を確実に閉鎖することができ、しかも、気流に基づく障子4の開口閉鎖移動によって障子4の開口開閉移動を禁止してしまうことをなくし得る。
【0039】
窓開閉装置1によれば、回動部材81は、窓枠2に軸92を介して回動自在に装着されており、回動部材81の建物内外方向Xにおける建物外7側の一端には係止部85が形成されており、回動部材81の建物内外方向Xにおける建物内8側の他端及び前記軸92の周りには紐状体84が掛けられたローラ93及び94が夫々配設されており、回動部材81の他端側には係合部材86に係合する突起95が形成されており、回動部材81の前記軸92の周りのローラ94は回動部材81の一端側に配されているために、特に回動部材81の前記軸92の周りのローラ94が回動部材81の一端側に配されているために、回動部材81をR4方向に回動させるための紐状体84のA方向の引張り力をより小さくし得る。
【0040】
尚、本例の窓開閉装置1では、開閉手段6に代えて、例えば図14に示すように、上枠12に設けられていると共に上框22を回転自在に支持する支持機構141と、支持機構141に対して下方において、一端142が縦框24及び25に、他端143が縦枠14及び15に夫々取り付けられた一対のピストン装置144(一方のピストン装置144のみ図示)を有した支持機構145とからなる開閉手段146を具備していてもよい。ガスダンパ等からなるピストン装置144には伸び力が常時加わっており、障子4は前記伸び力に基づいて開口開放位置に向かう移動力が付与される。
【0041】
支持面53は、本例では、水平線Hに対して建物外7側から建物内8側に向かって上方に傾斜しているが、例えば水平面であってもよく、斯かる場合には、軸体51が水平面からなる支持面53に支持されていても、部位33が、障子が開口閉鎖位置にある場合に障子4の重心Gに対して上方に位置すると共に当該重心Gに対して建物外7側に位置していれば、障子4にはその自重に基づく開口開放移動力が付与される。また、支持面53が水平面からなる場合において、支持面53の建物内8側の部位を建物外側7から建物内8側に向かって上方に傾斜させてもよい。
【0042】
本例の窓開閉装置1においては、支持機構34に代えて、支持部材52を縦枠14及び15に固定し、回動軸54、保持機構55及び支持部材62を省いてなる支持機構34を具備していてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施の形態の例の開口開放状態における側面説明図である。
【図2】図1に示す例の開口全開状態における一部省略側面説明図である。
【図3】図1に示す例の開口閉鎖状態における側面説明図である。
【図4】図1に示す例の開口閉鎖状態における一部省略側面説明図である。
【図5】図1に示す例の開口閉鎖状態における平面説明図である。
【図6】図1に示す例の開口閉鎖状態における主に禁止手段の側面説明図である。
【図7】図1に示す例の開口閉鎖状態における主に禁止手段の側面説明図である。
【図8】図1に示す例の開口閉鎖状態における主に禁止手段の平面説明図である。
【図9】図1に示す例の開口閉鎖状態における主に禁止手段の平面説明図である。
【図10】図1に示す例の主に禁止手段の動作説明図である。
【図11】図1に示す例の主に禁止手段の動作説明図である。
【図12】図1に示す例の開口閉鎖状態における主に第二の支持機構の側面説明図である。
【図13】図1に示す例の開口開放状態における主に第二の支持機構の側面説明図である。
【図14】本発明の実施の形態の他の例の開口開放状態における側面説明図である。
【符号の説明】
【0044】
1 窓開閉装置
2 窓枠
3 開口
4 障子
6 開閉手段
9 禁止手段
81 回動部材
82 付勢手段
84 紐状体
85 係止部
86 係合部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物に装着される枠体と、枠体に画成された開口に配されていると共に当該開口を開閉する障子と、この障子に開口開放位置に向かう移動力を付与すると共に開口開放位置に配された障子に開口開閉を行わせるように障子を枠体に装着している開閉手段と、障子が開口閉鎖位置に配された際に開閉手段による障子の開口開閉移動を解除自在に禁止する禁止手段とを具備しており、禁止手段は、枠体に回動自在に装着されている回動部材と、この回動部材を一方の回動方向に付勢する付勢手段と、一端で障子に装着されていると共に引張られることによって付勢手段による一方の回動方向の付勢に抗して他方の回動方向に回動部材を回動させるように当該回動部材に掛けられている紐状体と、回動部材の他方の回動方向の回動によって開口閉鎖位置に位置する障子を係止する一方、回動部材の一方の回動方向の回動によって前記係止を解除するように回動部材に形成されている係止部と、付勢手段の付勢による回動部材の一方の回動方向の回動を解除自在に阻止するように、他方の回動方向に回動された回動部材に解除自在に係合する係合部材とを具備している窓開閉装置。
【請求項2】
回動部材は、枠体に軸を介して回動自在に装着されており、回動部材の建物内外方向における建物外側の一端には係止部が形成されており、回動部材の建物内外方向における建物内側の他端及び前記軸の周りには紐状体が掛けられたローラが夫々配設されており、回動部材の他端側には係合部材に係合する突起が形成されており、回動部材の前記軸の周りのローラは回動部材の一端側に配されている請求項1に記載の窓開閉装置。
【請求項3】
開閉手段は、障子にその自重に基づく開口開放位置に向かう移動力を付与するようになっている請求項1又は2に記載の窓開閉装置。
【請求項1】
建物に装着される枠体と、枠体に画成された開口に配されていると共に当該開口を開閉する障子と、この障子に開口開放位置に向かう移動力を付与すると共に開口開放位置に配された障子に開口開閉を行わせるように障子を枠体に装着している開閉手段と、障子が開口閉鎖位置に配された際に開閉手段による障子の開口開閉移動を解除自在に禁止する禁止手段とを具備しており、禁止手段は、枠体に回動自在に装着されている回動部材と、この回動部材を一方の回動方向に付勢する付勢手段と、一端で障子に装着されていると共に引張られることによって付勢手段による一方の回動方向の付勢に抗して他方の回動方向に回動部材を回動させるように当該回動部材に掛けられている紐状体と、回動部材の他方の回動方向の回動によって開口閉鎖位置に位置する障子を係止する一方、回動部材の一方の回動方向の回動によって前記係止を解除するように回動部材に形成されている係止部と、付勢手段の付勢による回動部材の一方の回動方向の回動を解除自在に阻止するように、他方の回動方向に回動された回動部材に解除自在に係合する係合部材とを具備している窓開閉装置。
【請求項2】
回動部材は、枠体に軸を介して回動自在に装着されており、回動部材の建物内外方向における建物外側の一端には係止部が形成されており、回動部材の建物内外方向における建物内側の他端及び前記軸の周りには紐状体が掛けられたローラが夫々配設されており、回動部材の他端側には係合部材に係合する突起が形成されており、回動部材の前記軸の周りのローラは回動部材の一端側に配されている請求項1に記載の窓開閉装置。
【請求項3】
開閉手段は、障子にその自重に基づく開口開放位置に向かう移動力を付与するようになっている請求項1又は2に記載の窓開閉装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−62743(P2009−62743A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−231948(P2007−231948)
【出願日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【出願人】(503428703)オイレスECO株式会社 (69)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【出願人】(503428703)オイレスECO株式会社 (69)
【Fターム(参考)】
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