説明

立体映像表示装置

【課題】複数の立体映像を1つの画面に同時に表示させて、視聴者が立体映像を自由に選択できるように利便性を向上した立体映像表示装置を提供することを目的としている。
【解決手段】第1映像250と第2映像260を表示する画面220が配置された表示パネル230と、第1映像250と第2映像260の表示を制御する映像制御部とを備え、この映像制御部240は、画面220の任意の位置に第1映像250と第2映像260を同時に表示し、一方の第1映像250における右眼用映像251と左眼用映像252の視差量に応じて、一方の第1映像250における右眼用映像251と左眼用映像252の視差量を低減または増大するように調整したり、他方の第2映像260における右眼用映像261と左目用映像262の視差量を低減または増大するように調整したりする構成としたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両眼視差を利用して立体映像を表示する立体映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プラズマディスプレイパネルや液晶パネルを用いて、立体映像を表示する立体映像表示装置の開発が積極的に行われている。例えば、両眼視差を利用した立体映像表示装置は、互いに視差を有する右目用映像と左目用映像を交互に表示パネルの画面に表示する。右目用映像が写し出された際は、この映像を右目で見て、左目用映像が写し出された際は、この映像を左目で見る。これらの右目用映像と左目用映像が互いに視差を有するので、映像が立体的に見える。この立体映像は、右目用映像と左目用映像の視差量によって、映像の奥行き感や飛び出し感が変わる。視差量が大きければ、奥行きや飛び出しも大きくなり、視差量が小さければ、奥行きや飛び出しも小さくなる。
【0003】
このような立体映像表示装置において、右目用映像を右目で、左目用映像を左目で見るためには、例えば、シャッター方式の眼鏡を用いる。このシャッター方式の眼鏡には、右目用レンズと左目用レンズに、光の通過と遮断を切り替える液晶フィルタを配置している。液晶フィルタのシャッター開閉によって、光の通過と遮断を切り替えれば、右目用映像を右目で見ることができ、左目用映像を左目で見ることができる。
【0004】
このシャッター開閉を繰り返し続けることによって、視聴者は、視差を有する右目用映像と左目用映像から立体的な映像を見ることができる。このシャッター方式の眼鏡を用いた立体映像表示装置は、例えば、特許文献1や特許文献2に開示されている。
【0005】
さらに、特許文献3には、シャッター方式の眼鏡を用いた立体映像表示装置において、3次元の立体映像だけでなく2次元の通常映像も表示可能にした構成が開示されている。シャッター方式の眼鏡を用いない場合でも映像を楽しめるようにした立体映像表示装置である。信号切り替えスイッチによって、表示パネルの画面に3次元の立体映像を親画面として表示させたり、2次元の通常映像を子画面として表示させたりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−36939号公報
【特許文献2】特開平10−240212号公報
【特許文献3】特開平1−144797号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来の立体映像表示装置では、表示パネルの画面に3次元の立体映像を表示させたり、3次元の立体映像と2次元の通常映像の2つの映像を表示させたりする。しかし、少なくとも2つの3次元の立体映像を1つの画面に同時に表示させたりしていない。このような立体映像表示装置では、複数の3次元の立体映像を1つの画面に同時に表示させて、映像を選択するような利便性を得ることができないという問題を有していた。
【0008】
本発明は上記問題を解決するもので、複数の立体映像を1つの画面に同時に表示させて、視聴者が立体映像を自由に選択できるように利便性を向上した立体映像表示装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明の立体映像表示装置は、映像を表示する画面が配置された表示パネルと、前記映像の表示を制御する映像制御部とを備え、前記映像は、互いに視差を有する右目用映像と左目用映像を含み、前記映像制御部は、前記画面の任意の位置に複数の前記映像を同時に表示し、複数の前記映像の内、一方の前記映像における右眼用映像と左眼用映像の視差量に応じて、一方の前記映像または他方の前記映像における右眼用映像と左目用映像の視差量を低減または増大するように、一方の前記映像または他方の前記映像における右眼用映像と左目用映像の視差量を調整する構成としたものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の立体映像表示装置によれば、映像制御部が画面の任意の位置に複数の映像を同時に表示するので、視聴者は複数の立体映像を自由に選択でき利便性が向上する。
【0011】
特に、映像制御部は、複数の映像の内、一方の映像における右眼用映像と左眼用映像の視差量に応じて、一方の映像または他方の映像における右眼用映像と左目用映像の視差量を低減または増大するように、一方の映像または他方の映像における右眼用映像と左目用映像の視差量を調整するので、奥行き感や飛び出し感の異なる複数の映像を同時に見ても、視聴者が受ける違和感を低減できる。
【0012】
単に、1つの画面に複数の映像を同時に表示させた場合は、各々の映像における奥行き感や飛び出し感が互いに異なるので、視聴者は違和感を受けることがある。しかし、本発明の立体映像表示装置では、一方の映像における右目用映像と左目用映像の視差量に応じて、一方の映像または他方の映像における右眼用映像と左眼用映像の視差量を低減または増大するように、一方の映像または他方の映像における右眼用映像と左眼用映像の視差量を調整するので、奥行き感や飛び出し感の程度も規制されることになり、視聴者が受ける違和感を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】一実施の形態におけるシャッター方式の眼鏡と立体表示装置との関係を示すブロック図
【図2】同立体表示装置において映像を表示した際の表示パネルの正面図
【図3】右目用映像と左目用映像を含む映像を説明するための概略図
【図4】複数の映像を表示した際の表示パネルの正面図
【図5】右目用映像と左目用映像を含む縮小された第1映像を説明するための概略図
【図6】右目用映像と左目用映像を含む縮小された第2映像を説明するための概略図
【図7】互いに視差量の異なる複数の映像を表示した際の表示パネルの正面図
【図8】視差量の調整前後の状態を示す表示パネルの正面図
【図9】複数の映像を表示した際の表示パネルの正面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、一実施の形態における立体表示装置について図面を参照しながら説明する。図1は一実態の形態におけるシャッター方式の眼鏡と立体表示装置との関係を示すブロック図、図2は同立体表示装置において映像を表示した際の表示パネルの正面図、図3は右目用映像と左目用映像を含む映像を説明するための概略図である。
【0015】
<シャッター方式の眼鏡100と立体表示装置200との関係について>
まず、シャッター方式の眼鏡100と立体表示装置200との関係について説明する。図1、図2において、立体表示装置200は、映像210を表示する画面220が配置された表示パネル230と、映像210の表示を制御する映像制御部240とを備えている。この表示パネル230としては、例えば、プラズマディスプレイパネルや液晶パネル等を用いる。
【0016】
図3に示すように、映像210は、互いに視差を有する右目用映像211と左目用映像212を含む。映像制御部240は、この互いに視差を有する右目用映像211と左目用映像212を交互に表示パネル230の画面220に表示するように制御している。右目用映像211が写し出された際は、この右目用映像211を右目で見て、左目用映像212が写し出された際は、この左目用映像212を左目で見る。これらの右目用映像211と左目用映像212が互いに視差を有するので、映像210が立体的に見える。
【0017】
図3において、右目用映像211と左目用映像212には、「A」という文字が表示されている。この右目用映像211と左目用映像212が交互に表示パネル230の画面220に表示されると、視聴者には視差量(W1)を有する映像として見える。すなわち、映像210が立体的に見える。この映像210は、右目用映像211と左目用映像212の視差量(W1)によって、映像210の奥行き感や飛び出し感が変わる。視差量(W1)が大きければ、奥行きや飛び出しも大きくなり、視差量(W1)が小さければ、奥行きや飛び出しも小さくなる。
【0018】
右目用映像211を右目で、左目用映像212を左目で見るためには、例えば、シャッター方式の眼鏡100を用いる。このシャッター方式の眼鏡100には、右目用レンズと左目用レンズに、光の通過と遮断を切り替える液晶フィルタを配置している。液晶フィルタのシャッター開閉によって、光の通過と遮断を切り替える。
【0019】
具体的には、表示パネル230に映し出される右目用映像211と左目用映像212が切り替わるタイミングに同期させて、右目用レンズと左目用レンズに配置した液晶フィルタのシャッター開閉のタイミングを切り替える。すなわち、右目用映像211に切り替わるタイミングに同期させて、右目用レンズに配置した液晶フィルタのシャッターを開いて光を通過させ、左目用レンズに配置した液晶フィルタのシャッターを閉じて光を遮断し、右目だけに右目用映像211を見せる。左目用映像212に切り替わるタイミングに同期させて、左目用レンズに配置した液晶フィルタのシャッターを開いて光を通過させ、右目用レンズに配置した液晶フィルタのシャッターを閉じて光を遮断し、左目だけに左目用映像212を見せる。右目用映像211と左目用映像212との切り替えタイミングと、液晶フィルタのシャッター開閉のタイミングとは、表示パネル230と眼鏡100とを無線や有線で接続して同期のタイミングを取る。このシャッター開閉を繰り返し続けることによって、視聴者は、視差を有する右目用映像211と左目用映像212から立体的な映像210を見ることができる。
【0020】
<複数の映像210を表示パネル230に表示する場合について>
次に、複数の映像210を表示パネル230に表示する場合について説明する。図4は複数の映像を表示した際の表示パネルの正面図、図5は右目用映像と左目用映像を含む縮小された第1映像を説明するための概略図、図6は右目用映像と左目用映像を含む縮小された第2映像を説明するための概略図である。
【0021】
図4において、表示パネル230の画面220の任意の所定位置に、第1映像250と第2映像260が画面220に同時に表示されている。この第1映像250と第2映像260は、異なる映像内容でも同じ映像内容でもよく、放送業者から受信した映像内容やメディアに記録された映像内容でもよく、種々の映像内容を対象としている。図4に示すように、この第1映像250および第2映像260は、映像制御部240によって、元の映像210に対して縮小された縮小映像に加工されて、画面220に同時に表示されている。この縮小された第1映像250は、元の映像210と同様に、視差を有する右目用映像251と左目用映像252を含んでいる。また、縮小された第2映像260は、元の映像210と同様に、視差を有する右目用映像261と左目用映像262を含んでいる。
【0022】
<複数の映像210における視差量の差について>
次に、複数の映像210における視差量の差について説明する。
【0023】
まず、縮小された第1映像250について説明する。この第1映像250において、右目用映像251と左目用映像252には、「A」という文字が表示されている。この右目用映像251と左目用映像252が交互に表示パネル230の画面220に表示されると、視聴者には、第1映像250が視差量(W2)を有する立体映像として見える。すなわち、視聴者は、視差量(W2)に応じた飛び出し感や奥行き感のある立体映像として第1映像250を見ることができる。
【0024】
ここで、縮小された第1映像250と、縮小前の元の映像210とを比較した場合、この第1映像250の視差量(W2)は、元の映像200の視差量(W1)よりも小さくなっている。この視差量の減少によって、第1映像250では、元の映像210に比べて、飛び出し感や奥行き感が小さくなる。
【0025】
次に、縮小された第2映像260について説明する。この第2映像260において、右目用映像261と左目用映像262には、「B」という文字が表示されている。この右目用映像261と左目用映像262が交互に表示パネル230の画面220に表示されると、視聴者には視差量(W3)を有する立体映像として見える。すなわち、視聴者は、視差量(W3)に応じた飛び出し感や奥行き感のある立体映像として見ることができる。
【0026】
ここで、縮小された第2映像260と、縮小前の元の映像210とを比較した場合、この第2映像260の視差量(W3)は、元の映像210の視差量(W1)よりも小さくなっている。この視差量の減少によって、第2映像260では、元の映像210に比べて、飛び出し感や奥行き感が小さくなる。
【0027】
また、第1映像250と第2映像260とを比較した場合、第2映像260の視差量(W3)は、第1映像250の視差量(W2)よりも小さくなっている。この視差量の差によって、第2映像260では、第1映像250に比べて、飛び出し感や奥行き感が小さくなる。
【0028】
このように、元の映像210に比べて、第1映像250や第2映像260は縮小されているので、この縮小によって、視差量も小さくなっている。
【0029】
また、第1映像250と第2映像260は画面220に同時に表示されるが、第1映像250の視差量(W2)と第2映像260の視差量(W3)が異なると、視聴者は、飛び出し感や奥行き感も異なるように感じる。第1映像250と第2映像260は、映像製作のデザイン等に応じて、飛び出し感や奥行き感が大きく異なる場合もある。
【0030】
<複数のオブジェクト255、256に起因した視差量の差について>
次に、複数のオブジェクト255、256に起因した視差量の差について説明する。図7は互いに視差量の異なる複数の映像210を表示した際の表示パネル230の正面図である。
【0031】
図5〜図7において、表示パネル230の画面220の所定位置に、第1映像250と第2映像260が画面220に同時に表示されている。第1映像250および第2映像260は、映像制御部240によって、元の映像210に対して縮小された縮小映像に加工されて、画面220に同時に表示されている。この縮小された第1映像250は、元の映像210と同様に、視差を有する右目用映像251と左目用映像252を含んでいる。縮小された第2映像260は、元の映像210と同様に、視差を有する右目用映像261と左目用映像262を含んでいる。
【0032】
まず、縮小された第1映像250について説明する。この第1映像250において、右目用映像251と左目用映像252には、複数の視差を有するオブジェクト255が表示されている。この右目用映像211と左目用映像212が交互に表示パネル230の画面220に表示されると、視聴者には、複数のオブジェクト255が立体映像として見える。すなわち、視聴者は、複数のオブジェクト255の各々の視差量に応じた飛び出し感や奥行き感のある立体映像を見ることができる。
【0033】
次に、縮小された第2映像260について説明する。この第2映像260において、右目用映像261と左目用映像262には、複数の視差を有するオブジェクト265が表示されている。この右目用映像261と左目用映像262が交互に表示パネル230の画面220に表示されると、視聴者には、複数のオブジェクト265が立体映像として見える。すなわち、視聴者は、複数のオブジェクト265の各々の視差量に応じた飛び出し感や奥行き感のある立体映像を見ることができる。
【0034】
第1映像250と第2映像260の各々のオブジェクト255、265は、その大きさが大きいほど、視差量が大きく、飛び出し感や奥行き感が大きいことを意味している。すなわち、図7によれば、第1映像250の3つのオブジェクト255a、255b、255cの視差量は、第2映像260の4つのオブジェクト265a、265b、265c、265dの視差量よりも大きい。したがって、第1映像250の3つのオブジェクト255a、255b、255cは、第2映像260の4つのオブジェクト265a、265b、265c、265dよりも、飛び出し感や奥行き感が大きい。また、第2映像250の方に、最大径のオブジェクト265e(視差量の最大のオブジェクト)がある。したがって、このオプジェクト265eの飛び出し感や奥行き感が一番大きい。第1映像250のオブジェクト255や第2映像260のオブジェクト265の視差量は互いに異なるが、全体として見れば、第1映像250の視差量が、第2映像260の視差量よりも大きくなっている。
【0035】
このように、第1映像250と第2映像260は飛び出し感や奥行き感が異なるので、第1映像250と第2映像260とを1つの画面220に同時に表示すると、視聴者によっては違和感を受ける場合がある。
【0036】
<複数の映像210の視差量を調整する方法について>
次に、複数の映像210の視差量を調整する方法について説明する。図8は視差量の調整前後の状態を示す表示パネルの正面図である。
【0037】
図5〜図8において、第1映像250における右目用映像251と左目用映像252視差量は、第2映像260における右目用映像261と左目用映像262の視差量よりも大きいものである。このような場合、一方の第1映像250における右眼用映像251と左眼用映像252の視差量に応じて、一方の第1映像250における右眼用映像251と左眼用映像252の視差量を低減するように調整する。または、他方の第2映像260における右眼用映像261と左目用映像262の視差量を増大するように調整する。
【0038】
逆に、第1映像250における右目用映像251と左目用映像252視差量が、第2映像260における右目用映像261と左目用映像262の視差量よりも小さいものである場合は、一方の第1映像250における右眼用映像251と左眼用映像252の視差量に応じて、一方の第1映像250における右眼用映像251と左眼用映像252の視差量を増大するように調整する。または、他方の第2映像260における右眼用映像261と左目用映像262の視差量を低減するように調整する。
【0039】
図8(a)に示すように、第1映像250における右目用映像251と左目用映像252の視差量を小さくし、第2映像260における右目用映像261と左目用映像262の視差量を大きくする。すると、図8(b)に示すように、第1映像250における右目用映像251と左目用映像252の視差量と第2映像260における右目用映像261と左目用映像262の視差量の差が縮まる。
【0040】
この時、特に、一方の第1映像250における右目用映像251と左目用映像252の視差量と、他方の第2映像260における右眼用映像261と左眼用映像262の視差量との差が所定範囲内に収まるように、視差量を低減したり増大したりして調整してもよい。所定範囲は視聴者が違和感を受けにくい適切な範囲をあらかじめ設定しておけばよい。
【0041】
具体的に、視差量を調整する際は、例えば、第1映像250の右目用映像251と左目用映像261の相対位置を変更したり、第2映像260の右目用映像261と左目用映像262の相対位置を変更したりすれば、第1映像250の視差量または第2映像260の視差量が変更される。すなわち、第1映像250の視差量と第2映像260の視差量を調整できる。
【0042】
また、第1映像250における右目用映像251のオブジェクト255と左目用映像252のオブジェクト255のみの相対位置を変更したり、第2映像260における右目用映像261のオブジェクト265と左目用映像262のオブジェクト265のみの相対位置を変更したりすれば、第1映像250のオブジェクト255の視差量または第2映像260のオブジェクト265の視差量が変更される。すなわち、第1映像250の視差量と第2映像260の視差量を調整できる。
【0043】
図8(a)と図8(b)によれば、視差量の変更が必要な第1映像250のオブジェクト255または第2映像260のオブジェクト265を選択して、視差量の大きなオブジェクト255、265は、視差量を小さくしたオブジェクト255、265に変更し、視差量の小さなオブジェクト255、265は、視差量を大きくしたオブジェクト255、265に変更している。なお、図8(a)と図8(b)では、外径が大きなオブジェクト255、265が視差量の大きなオブジェクト255、265に相当し、外径が小さなオブジェクト255、265が視差量の小さなオブジェクト255、265に相当する。
【0044】
このように、第1映像250における右目用映像251と左目用映像252の相対位置や第2映像260における右目用映像261と左目用映像262の相対位置を変更したり、第1映像250における右目用映像251と左目用映像252のオブジェクト255のみの相対位置や第2映像260における右目用映像261と左目用映像262のオブジェクト265のみの相対位置を変更したりすることによって、第1映像250または第2映像260の視差量を調整している。
【0045】
<まとめ>
上記構成によれば、映像制御部240が画面220の任意の位置に第1映像250と第2映像260を同時に表示するので、視聴者は複数の立体映像を自由に選択でき利便性が向上する。
【0046】
特に、映像制御部240は、一方の第1映像250における右眼用映像251と左眼用映像252の視差量に応じて、一方の第1映像250における右眼用映像251と左眼用映像252の視差量を低減または増大するように調整したり、他方の第2映像260における右眼用映像261と左目用映像262の視差量を低減または増大するように調整したりするので、奥行き感や飛び出し感の異なる第1映像250と第2映像260を同時に見ても、視聴者が受ける違和感を低減できる。
【0047】
なお、本実施の形態では、第1映像250と第2映像260の2つの映像210を画面220に表示させているが、図9に示すように、もっと多くの映像210を同時に画面220に表示させて、上述と同様に視差量の調整をしてもよい。また、第1映像250や第2映像260は、元の映像210の全体を縮小して表示した映像210としたが、元の映像210の一部を表示してもよい。元の映像210に対して、第1映像250や第2映像260の縮小率や拡大率は、自由に設定してもよい。
【0048】
また、映像制御部240によって、複数の映像210の内、一方の第1映像250における右目用映像251と左目用映像252の視差量と、他方の第2映像260における右眼用映像261と左眼用映像262の視差量との差が所定範囲内に収まるように、一方の第1映像250における右目用映像251と左目用映像252の視差量を調整したり、他方の第2映像260における右目用映像261と左目用映像262の視差量を調整したりしてもよい。
【0049】
また、映像制御部240によって、複数の映像210の内、一方の第1映像250における右目用映像251と左目用映像252の視差量と、他方の第2映像260における右眼用映像261と左眼用映像262の視差量を互いに等しくなるように、一方の第1映像250における右目用映像251と左目用映像252の視差量を調整したり、他方の第2映像260における右目用映像261と左目用映像262の視差量を調整したりしてもよい。
【0050】
また、映像制御部240によって、複数の映像210の内、一方の第1映像250における右目用映像251と左目用映像252の視差量と、他方の第2映像260における右眼用映像261と左眼用映像262の視差量をあらかじめ設定した基準視差量と等しくなるように、一方の第1映像250における右目用映像251と左目用映像252の視差量を調整したり、他方の第2映像260における右目用映像261と左目用映像262の視差量を調整したりしてもよい。
【0051】
また、映像制御部240によって、複数の映像210の内、一方の第1映像250における右目用映像251と左目用映像252の基準面と、他方の第2映像260における右眼用映像261と左眼用映像262の基準面を互いに等しくなるように、一方の第1映像250における右目用映像251と左目用映像252の視差量を調整したり、他方の第2映像260における右目用映像261と左目用映像262の視差量を調整したりしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、複数の立体映像を視聴者が自由に選択でき、利便性を向上した立体表示装置に適用できる。
【符号の説明】
【0053】
100 眼鏡
200 立体表示装置
210 映像
211 右目用映像
212 左目用映像
220 画面
230 表示パネル
240 映像制御部
250 第1映像
251 右目用映像
252 左目用映像
255 オブジェクト
255a オブジェクト
255b オブジェクト
255c オブジェクト
260 第2映像
261 右目用映像
262 左目用映像
265a オブジェクト
265b オブジェクト
265c オブジェクト
265d オブジェクト
265e オブジェクト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を表示する画面が配置された表示パネルと、
前記映像の表示を制御する映像制御部とを備え、
前記映像は、互いに視差を有する右目用映像と左目用映像を含み、
前記映像制御部は、
前記画面の任意の位置に複数の前記映像を同時に表示し、
複数の前記映像の内、一方の前記映像における右眼用映像と左眼用映像の視差量に応じて、一方の前記映像または他方の前記映像における右眼用映像と左目用映像の視差量を低減または増大するように、一方の前記映像または他方の前記映像における右眼用映像と左目用映像の視差量を調整する
立体映像表示装置。
【請求項2】
前記映像制御部は、
複数の前記映像の内、一方の前記映像における右目用映像と左目用映像の視差量と、他方の前記映像における右眼用映像と左眼用映像の視差量との差が所定範囲内に収まるように、一方の前記映像または他方の前記映像における右目用映像と左目用映像の視差量を調整する
請求項1に記載の立体映像表示装置。
【請求項3】
前記映像制御部は、
複数の前記映像の内、一方の前記映像における右目用映像と左目用映像の視差量と、他方の前記映像における右眼用映像と左眼用映像の視差量を互いに等しくなるように、一方の前記映像または他方の前記映像における右目用映像と左目用映像の視差量を調整する
請求項1に記載の立体映像表示装置。
【請求項4】
前記映像制御部は、
複数の前記映像の内、一方の前記映像における右目用映像と左目用映像の視差量と、他方の前記映像における右眼用映像と左眼用映像の視差量をあらかじめ設定した基準視差量と等しくなるように、一方の前記映像または他方の前記映像における右目用映像と左目用映像の視差量を調整する
請求項1に記載の立体映像表示装置。
【請求項5】
前記映像制御部は、
複数の前記映像の内、一方の前記映像における右目用映像と左目用映像の基準面と、他方の前記映像における右眼用映像と左眼用映像の基準面を互いに等しくなるように、一方の前記映像または他方の前記映像における右目用映像と左目用映像の視差量を調整する
請求項1に記載の立体映像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−57697(P2013−57697A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−4714(P2010−4714)
【出願日】平成22年1月13日(2010.1.13)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】