説明

立体画像表示装置用複屈折レンズ材料、及び、立体画像表示装置用複屈折レンズの製造方法

【課題】 光学特性、耐久性、生産性、特に生産性に優れた立体画像表示用に用いられる複屈折レンズ材料を提供し、併せて生産性に優れた立体画像表示用複屈折レンズの製造方法を提供する。
【解決手段】 少なくとも1つ以上の重合性官能基を有する液晶化合物、及び、少なくとも1つ以上の重合性官能基を有する非液晶化合物を含有する立体画像表示用複屈折レンズ材料及び当該立体画像表示用複屈折レンズ材料を用いた立体画像表示用複屈折レンズの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体画像表示用に使用される複屈折レンズ材料、及び、立体画像表示用複屈折レンズの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
立体画像表示は、人間の右目、左目に対して個別のほぼ平坦な像を送り込み、脳で融合させ、立体的に認識させることによって、奥行きの感覚を与える。そのため、予め視差を発生させるための像を個別に形成し、それぞれの目に像が送られる際に補正をするか、平坦な像を右目認識用、左目認識用に分離しなければならない。
【0003】
平坦な像を分離する方法は、像補正用の偏光メガネ等をかける必要がなく、裸眼で立体画像を認識することができる。平坦な像を分離する方法としては、レンチキュラレンズを用いる方法、パララックスバリア方式等がある。レンチキュラレンズとは、レンズによる屈折で片目が同じ画像を認識できる幅を決定することにより、二つの画像を分離するものであり、視差を発生させるためにかまぼこ状の複屈折レンズが用いられる。
【0004】
レンチキュラレンズに要求される特性として、幅広い環境で使用するために屈折率の温度変化が小さいことが求められており、この要求に対応するために、硬化した液晶高分子を複屈折レンズ材料として用いる技術が提案されている(特許文献1、非特許文献1参照。)。
【0005】
しかしながら、液晶高分子には極めて多種のものが存在し、材料についての詳細な検討を行わずに単純に硬化した液晶高分子を複屈折レンズ材料として用いたのみでは(特許文献1参照)、、レンズの光学特性、耐久性、生産性等に問題が生じることがあった。一方、復屈折レンズ材料としてニ官能の液晶性モノマーを用いた技術が開示されているが(非特許文献1)、光学特性、生産性に問題があったことからから、液晶高分子の複屈折レンズ材料としての応用は進んでいなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2004−538529号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】IDW‘04、1495〜1496ページ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、光学特性、耐久性、生産性、特に生産性に優れた立体画像表示用に用いられる複屈折レンズ材料及び立体画像表示用複屈折レンズを提供し、併せて、生産性に優れた立体画像表示用複屈折レンズの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の発明者らは、複屈折レンズに使用する種々のモノマーを鋭意検討した結果、液晶モノマーに非液晶モノマーを添加した複屈折レンズ材料によって、材料の複屈折特性を変化させることができ、かつ、十分な耐久性が得られること、また、室温での硬化が可能になることを見出し本発明の完成に至った。
【0010】
即ち、本発明は、少なくとも1つ以上の重合性官能基を有する液晶化合物、及び、少なくとも1つ以上の重合性官能基を有する非液晶化合物を含有することを特徴とする立体画像表示用複屈折レンズ材料、当該レンズ材料の硬化により形成されたことを特徴とする立体画像表示用複屈折レンズを提供し、併せて当該レンズ材料を、一軸方向に配向処理された配向膜上に塗布し、紫外線で硬化させてレンズ状に成形することを特徴とする立体画像表示用複屈折レンズの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の立体画像表示用複屈折レンズ材料及び当該レンズ材料を用いた立体画像表示用複屈折レンズは、特定の非液晶モノマーを類かすることで光学特性、耐久性に優れており、かつ、生産性に優れている。
また、前記材料を用いた立体画像表示用複屈折レンズ材料の製造方法は、液晶モノマーの配向欠陥の発生を抑制することができ、生産性に優れている。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の立体画像表示用複屈折レンズ材料は、少なくとも1つ以上の重合性官能基を有する液晶化合物、及び、少なくとも1つ以上の重合性官能基を有する非液晶化合物を含有する。1つ以上の重合性官能基を有する液晶化合物は、耐久性の観点から、少なくとも2つ以上の重合性官能基を有する液晶化合物が好ましい。さらには、少なくとも1つ以上の重合性官能基を有する非液晶化合物は、室温で重合できる組合せが好ましい。また、重合性官能基を有する液晶化合物は、同一のメソゲン基、またはメソゲン性支持基であることが好ましい。
具体的には、少なくとも1つ以上の重合性官能基を有する液晶化合物が一般式(1)
【0013】
【化1】

(式中、Pは反応性官能基を表し、Sp1は炭素原子数2〜18のスペーサー基を表し、mは0又は1を表し、MGはメソゲン基又はメソゲン性支持基を表し、R1は、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素原子数2〜18のアルキル基を表すが、該アルキル基は1つ以上のハロゲン原子又はCNにより置換されていても良く、この基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH2基はそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない形で、−O−、−S−、−NH−、−N(CH)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−SCO−、−COS−又は−C≡C−により置き換えられていても良く、あるいはR1は一般式(1−a)
【0014】
【化2】

(式中、Pは反応性官能基を表し、Sp1は炭素原子数2〜18のスペーサー基を表し、mは0又は1を表す。)で表される構造を表す。)で表される化合物であることが好ましい。
【0015】
又、一般式(1)において、Sp1がアルキレン基を表し、(該アルキレン基は1つ以上のハロゲン原子又はCNにより置換されていても良く、この基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH2基はそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない形で、−O−、−S−、−NH−、−N(CH)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−SCO−、−COS−又は−C≡C−により置き換えられていても良い。)MGが一般式(1−b)
【0016】
【化3】

【0017】
(式中、A1、A2及びA3はそれぞれ独立的に、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニル基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、テトラヒドロチオピラン−2,5−ジイル基、1,4−ビシクロ(2,2,2)オクチレン基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル基、チオフェン−2,5−ジイル基−、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、2,6−ナフチレン基、フェナントレン−2,7−ジイル基、9,10−ジヒドロフェナントレン−2,7−ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a−オクタヒドロフェナントレン−2,7−ジイル基、1,4−ナフチレン基、ベンゾ[1,2−b:4,5−b‘]ジチオフェン−2,6−ジイル基、ベンゾ[1,2−b:4,5−b‘]ジセレノフェン−2,6−ジイル基、[1]ベンゾチエノ[3,2−b]チオフェン−2,7−ジイル基、[1]ベンゾセレノフェノ[3,2−b]セレノフェン−2,7−ジイル基、又はフルオレン−2,7−ジイル基を表し、置換基として1個以上のF、Cl、CF3、OCF3、CN基、炭素原子数1〜8のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、アルカノイルオキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、アルケニルオキシ基、アルケノイル基又はアルケノイルオキシ基を有していても良く、Z0、Z1、Z2及びZ3はそれぞれ独立して、−COO−、−OCO−、−CH2 CH2−、−OCH2−、−CH2O−、−CH=CH−、−C≡C−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−CH2CH2COO−、−CH2CH2OCO−、−COOCH2CH2−、−OCOCH2CH2−、−CONH−、−NHCO−又は単結合を表し、nは0、1又は2を表す。)で表される化合物であることがより好ましい。
【0018】
a)(重合性官能基を1つ有する液晶化合物)
本発明の立体画像表示用複屈折レンズ材料に重合性官能基を1つ有する液晶化合物は、単独または他の液晶化合物との組成物において液晶性を示す。重合性官能基を1つ有する化合物であれば、特に限定はなく、公知慣用のものを用いることができる。
例えば、Handbook of Liquid Crystals(D.Demus,J.W.Goodby,G.W.Gray,H.W.Spiess,V.Vill編集、Wiley−VCH社発行,1998年)、季刊化学総説No.22、液晶の化学(日本化学会編,1994年)、あるいは、特開平7−294735号公報、特開平8−3111号公報、特開平8−29618号公報、特開平11−80090号公報、特開平11−116538号公報、特開平11−148079号公報、等に記載されているような、1,4−フェニレン基1,4−シクロヘキレン基等の構造が複数繋がったメソゲンと呼ばれる剛直な部位と、ビニル基、アクリル基、(メタ)アクリル基といった重合性官能基を有する棒状重合性液晶化合物、あるいは特開2004−2373号公報、特開2004−99446号公報に記載されているようなマレイミド基を有する棒状重合性液晶化合物が挙げられる。中でも、重合性基を有する棒状液晶化合物が、液晶温度範囲として室温前後の低温を含むものを作りやすく好ましい。
具体的には、一般式(2)
【0019】
【化4】

(式中、Pは重合性官能基を表し、Spは炭素原子数0〜18のスペーサー基を表し、mは0又は1を表し、MGはメソゲン基又はメソゲン性支持基を表し、R1は、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素原子数1〜18のアルキル基を表すが、該アルキル基は1つ以上のハロゲン原子又はCNにより置換されていても良く、この基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH2基はそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない形で、−O−、−S−、−NH−、−N(CH)、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−SCO−、−COS−又は−C≡C−により置き換えられていても良い。)で表される化合物が挙げられる。
【0020】
より具体的には、一般式(1)において、Sp1がアルキレン基を表し、(該アルキレン基は1つ以上のハロゲン原子又はCNにより置換されていても良く、この基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH2基はそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない形で、−O−、−S−、−NH−、−N(CH)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−SCO−、−COS−又は−C≡C−により置き換えられていても良い。)MGが一般式(2−b)
【0021】
【化5】

(式中、A1、A2及びA3はそれぞれ独立的に、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニル基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、テトラヒドロチオピラン−2,5−ジイル基、1,4−ビシクロ(2,2,2)オクチレン基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル基、チオフェン−2,5−ジイル基−、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、2,6−ナフチレン基、フェナントレン−2,7−ジイル基、9,10−ジヒドロフェナントレン−2,7−ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a−オクタヒドロフェナントレン−2,7−ジイル基、1,4−ナフチレン基、ベンゾ[1,2−b:4,5−b‘]ジチオフェン−2,6−ジイル基、ベンゾ[1,2−b:4,5−b‘]ジセレノフェン−2,6−ジイル基、[1]ベンゾチエノ[3,2−b]チオフェン−2,7−ジイル基、[1]ベンゾセレノフェノ[3,2−b]セレノフェン−2,7−ジイル基、又はフルオレン−2,7−ジイル基を表し、置換基として1個以上のF、Cl、CF3、OCF3、CN基、炭素原子数1〜8のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、アルカノイルオキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、アルケニルオキシ基、アルケノイル基又はアルケノイルオキシ基を有していても良く、Z0、Z1、Z2及びZ3はそれぞれ独立して、−COO−、−OCO−、−CH2 CH2−、−OCH2−、−CH2O−、−CH=CH−、−C≡C−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−CH2CH2COO−、−CH2CH2OCO−、−COOCH2CH2−、−OCOCH2CH2−、−CONH−、−NHCO−、炭素数2〜10のハロゲン原子を有してもよいアルキル基又は単結合を表し、nは0、1又は2を表す。)で表される化合物が挙げられる。
【0022】
重合性官能基は、ビニル基、ビニルエーテル基アクリル基、(メタ)アクリル基、グリシジル基、オキセタニル基、マレイミド基、チオール基が好ましく、生産性の観点から、ビニルエーテル基、アクリル基、(メタ)アクリル基、グリシジル基が特に好ましい。
さらには、一般式(3)
【0023】
【化6】

【0024】
(式中、Z1は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素原子数1〜18の炭化水素基を表し、Z2は水素原子又はメチル基を表し、tは0又は1を表し、A、B及びCはそれぞれ独立的に、1,4−フェニレン基、隣接しないCH基が窒素で置換された1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1つ又は隣接しない2つのCH2基が酸素又は硫黄原子で置換された1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニル基、1,4−ビシクロ(2,2,2)オクチレン基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、2,6−ナフチレン基、1,4−ナフチレン基を表すが、式中に存在する1,4−フェニレン基は炭素原子数1〜7のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、シアノ基又はハロゲン原子で一つ以上置換されていても良く、Y3及びY4はそれぞれ独立的に単結合、−CHCH−、−CH2O−、−OCH2−、−COO−、−OCO−、−C≡C−、−CH=CH−、−CF=CF−、−(CH24−、−CH2CH2CH2O−、−OCH2CH2CH2−、−CH=CHCH2CH2−、−CH2CH2CH=CH−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−CH2CH2COO−、−CH2CH2OCO−、−COOCH2CH2−又はーOCOCH2CH2-を表し、Y5は単結合、−O−、−COO−、−OCO−又は−CH=CHCOO−を表す。)で表される化合物、及び、一般式(4)
【0025】
【化7】

(式中、Z3は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素原子数1〜18の炭化水素基を表し、Z4は水素原子又はメチル基を表し、W3は単結合、−O−、−COO−又は−OCO−を表し、vは2〜18の整数を表し、uは0又は1を表し、D、E及びFはそれぞれ独立的に、1,4−フェニレン基、隣接しないCH基が窒素で置換された1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1つ又は隣接しない2つのCH2基が酸素又は硫黄原子で置換された1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニル基、1,4−ビシクロ(2,2,2)オクチレン基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、2,6−ナフチレン基、1,4−ナフチレン基を表すが、式中に存在する1,4−フェニレン基、または2,6−ナフチレン基は炭素原子数1〜7のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、シアノ基又はハロゲン原子で一つ以上置換されていても良く、Y6及びY7はそれぞれ独立的に単結合、−CHCH−、−CH2O−、−OCH2−、−COO−、−OCO−、−C≡C−、−CH=CH−、−CF=CF−、−(CH24−、−CH2CH2CH2O−、−OCH2CH2CH2−、−CH=CHCH2CH2−、−CH2CH2CH=CH−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−CH2CH2COO−、−CH2CH2OCO−、−COOCH2CH2−又はーOCOCH2CH2-を表し、Y8は単結合、−O−、−COO−、−OCO−又は−CH=CHCOO−を表す。)で表される化合物が好ましい。
例示化合物としては、以下に示されるが、これらに限定される訳ではない。
【0026】
【化8】

【0027】
【化9】

【0028】
【化10】

【0029】
【化11】

【0030】
【化12】

【0031】
【化13】

【0032】
【化14】

【0033】
【化15】

【0034】
【化16】

【0035】
【化17】

【0036】
【化18】

【0037】
【化19】

【0038】
【化20】

【0039】
【化21】

【0040】
【化22】

【0041】
【化23】

【0042】
【化24】

【0043】
【化25】

【0044】
【化26】

【0045】
【化27】

【0046】
【化28】

【0047】
【化29】

【0048】
【化30】

【0049】
【化31】

【0050】
【化32】

【0051】
【化33】

【0052】
【化34】

【0053】
【化35】

【0054】
【化36】

【0055】
【化37】

【0056】
【化38】

【0057】
【化39】

【0058】
【化40】

【0059】
【化41】

【0060】
【化42】

【0061】
【化43】

【0062】
【化44】

【0063】
【化45】

【0064】
【化46】

【0065】
【化47】

【0066】
【化48】

【0067】
【化49】

【0068】
【化50】

【0069】
【化51】

【0070】
【化52】

【0071】
【化53】

(式中、mは2〜18の整数を表し、nは0〜18の整数を表し、Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、カルボキシル基、シアノ基を示す。これらの基が炭素数1〜6のアルキル基、あるいは炭素数1〜6のアルコキシ基の場合、全部が未置換であるか、あるいは1つまたは2つ以上のハロゲン原子により置換されていてもよい。)これらの液晶化合物は、単独で使用することもできるし、2種類以上混合して使用することもできる。
【0072】
b)(重合性官能基を2つ以上有する液晶化合物)
本発明の立体画像表示用複屈折レンズ材料で用いられる、重合性官能基を2つ以上有する液晶化合物は、単独または他の液晶化合物との組成物において液晶性を示す。重合性官能基を2つ以上有する化合物であれば、特に限定はなく、公知慣用のものを用いることができる。
例えば、Handbook of Liquid Crystals(D.Demus,J.W.Goodby,G.W.Gray,H.W.Spiess,V.Vill編集、Wiley−VCH社発行,1998年)、季刊化学総説No.22、液晶の化学(日本化学会編,1994年)、あるいは、特開平4−227684号公報、特開平11−80090号公報、特開平11−116538号公報、特開平11−148079号公報、特開2000−178233号公報、特開2002−308831号公報、特開2002−145830号公報、特開2004−125842号公報等に記載されているような、1,4−フェニレン基1,4−シクロヘキレン基等の構造が複数繋がったメソゲンと呼ばれる剛直な部位と、ビニル基、アクリル基、(メタ)アクリル基といった重合性官能基を有する棒状重合性液晶化合物、あるいは特開2004−2373号公報、特開2004−99446号公報に記載されているようなマレイミド基を有する棒状重合性液晶化合物が挙げられる。中でも、重合性基を有する棒状液晶化合物が、液晶温度範囲として室温前後の低温を含むものを作りやすく好ましい。
具体的には、一般式(5)
【0073】
【化54】

(式中、Pは重合性官能基を表し、Spは炭素原子数0〜18のスペーサー基を表し、mは0又は1を表し、MGはメソゲン基又はメソゲン性支持基を表し、R1は一般式(5−a)
【0074】
【化55】

(式中、Pは反応性官能基を表し、Spは炭素原子数0〜18のスペーサー基を表し、mは0又は1を表す。)で表される構造を表す。)で表される化合物が挙げられる。
【0075】
より具体的には、一般式(1)において、Spがアルキレン基を表し、(該アルキレン基は1つ以上のハロゲン原子又はCNにより置換されていても良く、この基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH2基はそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない形で、−O−、−S−、−NH−、−N(CH)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−SCO−、−COS−又は−C≡C−により置き換えられていても良い。)MGが一般式(5−b)
【0076】
【化56】

(式中、A1、A2及びA3はそれぞれ独立的に、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニル基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、テトラヒドロチオピラン−2,5−ジイル基、1,4−ビシクロ(2,2,2)オクチレン基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル基、チオフェン−2,5−ジイル基−、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、2,6−ナフチレン基、フェナントレン−2,7−ジイル基、9,10−ジヒドロフェナントレン−2,7−ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a−オクタヒドロフェナントレン−2,7−ジイル基、1,4−ナフチレン基、ベンゾ[1,2−b:4,5−b‘]ジチオフェン−2,6−ジイル基、ベンゾ[1,2−b:4,5−b‘]ジセレノフェン−2,6−ジイル基、[1]ベンゾチエノ[3,2−b]チオフェン−2,7−ジイル基、[1]ベンゾセレノフェノ[3,2−b]セレノフェン−2,7−ジイル基、又はフルオレン−2,7−ジイル基を表し、置換基として1個以上のF、Cl、CF3、OCF3、CN基、炭素原子数1〜8のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、アルカノイルオキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、アルケニルオキシ基、アルケノイル基又はアルケノイルオキシ基を有していても良く、Z0、Z1、Z2及びZ3はそれぞれ独立して、−COO−、−OCO−、−CH2 CH2−、−OCH2−、−CH2O−、−CH=CH−、−C≡C−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−CH2CH2COO−、−CH2CH2OCO−、−COOCH2CH2−、−OCOCH2CH2−、−CONH−、−NHCO−、炭素数2〜10のハロゲン原子を有してもよいアルキル基又は単結合を表し、nは0、1又は2を表す。)で表される化合物が挙げられる。
【0077】
重合性官能基は、ビニル基、ビニルエーテル基アクリル基、(メタ)アクリル基、グリシジル基、オキセタニル基、マレイミド基、チオール基が好ましく、生産性の観点から、ビニルエーテル基、アクリル基、(メタ)アクリル基、グリシジル基が特に好ましい。
さらには、一般式(6)
【0078】
【化57】

(式中、mは0又は1を表し、W1及びW2はそれぞれ独立的に単結合、−O−、−COO−又は−OCO−を表し、Y1及びY2はそれぞれ独立的に−COO−又は−OCO−を表し、r及びsはそれぞれ独立的に2〜18の整数を表すが、式中に存在する1,4−フェニレン基は炭素原子数1〜7のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、シアノ基、又はハロゲン原子で一つ以上置換されていても良い。)で表される化合物が好ましい。
【0079】
例示化合物としては、以下に示されるが、これらに限定される訳ではない。
【0080】
【化58】

【0081】
【化59】

【0082】
【化60】

【0083】
【化61】

【0084】
【化62】

【0085】
【化63】

【0086】
【化64】

【0087】
【化65】

【0088】
【化66】

【0089】
【化67】

【0090】
【化68】

【0091】
【化69】

【0092】
【化70】

【0093】
【化71】

【0094】
【化72】

【0095】
【化73】

【0096】
【化74】

【0097】
【化75】

【0098】
【化76】

【0099】
(式中、m、nはそれぞれ独立して1〜18の整数を表し、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、シアノ基を示す。これらの基が炭素数1〜6のアルキル基、あるいは炭素数1〜6のアルコキシ基の場合、全部が未置換であるか、あるいは1つまたは2つ以上のハロゲン原子により置換されていてもよい。)これらの液晶化合物は、単独で使用することもできるし、2種類以上混合して使用することもできる。
c)(重合性官能基を1つ以上有する非液晶化合物)
本発明の立体画像表示用複屈折レンズ材料に用いられる、重合性官能基を1つ以上有する非液晶化合物は、重合性官能基を有する液晶化合物の配向性を乱さない限りにおいては特に限定はなく、公知慣用のものを用いることができる。
【0100】
例えば、UV硬化技術入門(加藤清視、中原正二著、高分子刊行会発行、1984年)、光・放射線硬化技術(大成社編集部編、大成社発行、1985年)、UV/EB硬化ハンドブック(加藤清視著、高分子刊行会発行、1985年)、紫外線硬化システム(加藤清視著、総合技術センター発行、1989年)、最新UV硬化技術(高簿一弘著、技術情報協会発行、1991年)、UV硬化技術の進歩(加藤清視監修、総合技術センター発行、1993年)
新化学インデックス(化学工業日報社発行、2010年)、光硬化技術データブック(テクノネット社発行、2000年)、光硬化技術実用ガイド−UV/EB硬化技術の応用展開−(市村國宏、角岡正弘監修、テクノネット社発行、2002年)、最新UV硬化実用便覧(技術情報協会発行、2005年)、あるいは、独立行政法人物質・材料研究機構高分子データベース(PolyInfo)(http://mits.mins.go.jp)に記載されているような重合性の化合物が挙げられる。
【0101】
具体的には、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−メトキシ(メタ)エチルアクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール#400(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール#200ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール#400(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、3−(アクリロイルオキシ)トリメトキシシラン、2−シアノエチル(メタ)アクリレート、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、2−ヒロドキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロイシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、ジメチル(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン、ヒドロキシエチルアクリルアミド、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール#400ジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、等の(メタ)アクリレート類、
【0102】
ブチルグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジクリシジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、o−ビニルフェニルグリシジルエーテル、m−ビニルフェニルグリシジルエーテル、p−ビニルフェニルグリシジルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、2,3−ジグリシジルオキシスチレン、4−ジグリシジルオキシスチレン、4−ジグリシジルオキシスチレン、3,5−ジグリシジルオキシスチレン、2,6−ジグリシジルオキシスチレン、5−ビニルピロガロールトリグリシジルエーテル、4−ビニルピロガロールトリグリシジルエーテル、ビニルフロログリシノールトリグリシジルエーテル、2,3−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、3,4−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、2,4−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、3,5−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、2,6−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、2,3,4−トリヒドロキシメチルスチレントリグリシジルエーテル、及び、1,3,5−トリヒドロキシメチルスチレントリグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル類、
酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリル等のアリルエステル類、アリルオキシエタノール等、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル等のビニルエーテル類、
【0103】
ビニルフェニルエーテル、ビニルトリルエーテル、ビニルクロルフェニルエーテル、ビニル−2,4−ジクロルフェニルエーテル、ビニルナフチルエーテル、ビニルアントラニルエーテル等のビニルアリールエーテル類、
ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルフエニルアセテート、ビニルアセトアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β−フェニルブチレート、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、クロル安息香酸ビニル、テトラクロル安息香酸ビニル、ナフトエ酸ビニル等のビニルエステル類、
スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、シクロヘキシルスチレン、デシルスチレン、ベンジルスチレン、クロルメチルスチレン、トリフルオロメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレン等のアルキルスチレン;メトキシスチレン、4−メトキシ−3−メチルスチレン、ジメトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレン、テトラクロロスチレン、ペンタクロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨードスチレン、フルオロスチレン、トリフルオロスチレン、2−ブロモ−4−トリフルオロメチルスチレン、4−フルオロ−3−トリフルオロメチルスチレン等スチレン類が挙げられる。
中でも一般式(2)
【0104】
【化77】

【0105】
(式中、Pは反応性官能基を表し、Sp2は炭素原子数1〜18のアルキル基を表すが、この基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH2基はそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない形で、−O−、−S−、−NH−、−N(CH)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−SCO−、−COS−又は−C≡C−により置き換えられていても良く、lは0〜5を表し、Rは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素原子数1〜3のアルキル基を表すが、該アルキル基は1つ以上のハロゲン原子又はCNにより置換されていても良く、あるいはRは一般式(2)のPを表す。)で表される化合物が好ましい。
さらには、一般式(2)においてPが一般式(2−a)、一般式(2−b)、一般式(2−c)及び一般式(2−d)
【0106】
【化78】

(式中、R61、R62、R63、R71、R72、R73、R81、R82、R91、R92、R93及びR94はそれぞれ独立的に水素原子、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、nは0又は1を表す。)で表される置換基からなる群より選ばれる置換基が好ましい。
【0107】
例示化合物としては、以下に示されるが、これらに限定される訳ではない。
エチル(メタ)アクリレート(c−1)
プロピル(メタ)アクリレート(c−2)
ブチル(メタ)アクリレート(c−3)
イソブチル(メタ)アクリレート(c−4)
ペンチル(メタ)アクリレート(c−5)
イソアミル(メタ)アクリレート(c−6)
ヘキシル(メタ)アクリレート(c−7)
2−エチルヘキシ(メタ)ルアクリレート(c−8)
オクチル(メタ)アクリレート(c−9)
イソオクチル(メタ)アクリレート(c−10)
デシル(メタ)アクリレート(c−11)
ラウリル(メタ)アクリレート(c−12)
2−メトキシエチル(メタ)アクリレート(c−13)
2−エトキシエチル(メタ)アクリレート(c−15)
2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート(c−16)
2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート(c−17)
2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート(c−18)
(メチルスルファニル)メチル(メタ)アクリレート(c−19)
【0108】
2−(メチルチオ)エチル(メタ)アクリレート(c−20)
4−(メチルチオ)ブチル(メタ)アクリレート(c−21)
2−(エチルチオ)エチル(メタ)アクリレート(c−22)
3−(エチルチオ)プロピル(メタ)アクリレート(c−23)
プロピオニルメチル(メタ)アクリレート(c−24)
(エトキシカルボニル)メチル(メタ)アクリレート(c−25)
2−クロロエチル(メタ)アクリレート(c−26)
4−クロロブチル(メタ)アクリレート(c−27)
2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート(c−28)
2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート(c−29)
2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート(c−30)
2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル(メタ)アクリレート(c−31)
2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート(c−32)
2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート(c−33)
【0109】
1H,1H,3H−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート(c−34)
1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート(c−35)
1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレート(c−36)
1H−1−(トリフルオロメチル)トリフルオロエチル(メタ)アクリレート(c−37)
1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート(c−38)
1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル(メタ)アクリレート(c−39)
1H,1H−ペンタデカフルオロオクチル(メタ)アクリレート(c−40)
【0110】
2−シアノエチル(メタ)アクリレート(c−41)
4−シアノブチル(メタ)アクリレート(c−42)
2−(シアノエトキシ)エチル(メタ)アクリレート(c−43)
2−(シアノエトキシ)ブチル(メタ)アクリレート(c−44)
2−[2−(2−シアノエトキシ)エトキシ]エチル(メタ)アクリレート(c−45)
2−[(2−シアノエチル)チオ]エチル(メタ)アクリレート(c−46)
6−シアノ−4−チアヘキシル(メタ)アクリレート(c−47)
3−(ジメチルアミノ)プロピル(メタ)アクリレート(c−48)
3−ブチニル(メタ)アクリレート(c−49)
1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート(c−50)
1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート(c−51)
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(c−52)
テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(c−53)
【0111】
メチルグリシジルエーテル(c−54)
ブチルグリシジルエーテル(c−55)
2−エチルヘキシルグリシジルエーテル(c−56)
デシルグリシジルエーテル(c−57)
ステアリリクリシジルエーテル(c−58)
1,2−オクテンオキサイド(c−59)
3−エトキシ−1,2−エポキシプロパン(c−60)
3−n−ヘキシル−1,2−エポキシプロパン(c−61)
2−(2−メトキシエトキシ)エチルグリシジルエーテル(c−62)
3−パーフルオロブチル−1,2−エポキシプロパン(c−63)
3−パーフルオロヘキシル−1,2−エポキシプロパン(c−64)
3−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)1,2−エポキシプロパン(c−65)
3−(1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルオキシ)−1,2−エポキシプロパン(c−66)
3−(1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルオキシ)−1,2−エポキシプロパン(c−67)
1,4−ビス(2‘,3’−エポキシプロピル)−パーフルオロ−n−ブタン(c−68)
【0112】
3−エチルオキセタン(c−69)
3−エチル−3−メチルオキセタン(c−70)
2−(パーフルオロプロピル)オキセタン(c−71)
グリシジル(メタ)アクリレート(c−72)
アリル(メタ)アクリレート(c−73)
アリルクリシジルエーテル(c−74)
アリルオキシメチル(メタ)アクリレート(c−75)
2−ビニルオキシエチル(メタ)アクリレート(c−76)
2−(2−プロペニルオキシ)エチル(メタ)アクリレート(c−77)
(3−メチルオキセタン−3−イル)メチル(メタ)アクリレート(c−78)
アリルプロピオネート(c−79)
2−アリルオキシエチルビニルエーテル(c−80)
2−アリルチオエチルビニルエーテル(c−81)
ジアリルオキシジエチレンジカルボネート(c−82)
1,6−ジビニルドデカフルオロヘキサン(c−83)
これらの化合物は、単独で使用することもできるし、2種類以上混合して使用することもできる。
【0113】
一般式(2)の含有量は本発明の立体画像表示用複屈折レンズ材料に対して、0.1〜50質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましい。また、一般式(1)のSp1のアルキル基の長さと一般式(2)のSp2のアルキル基の長さは、同じ程度であるとリオトロピック液晶様性質が得られるため、好ましい。
【0114】
d)(重合開始剤)
本発明の立体画像表示用複屈折レンズ材料は、重合性官能基を有する液晶化合物を重合させるために重合開始剤を用いることもできる。重合を光照射によって行う場合に使用する光重合開始剤としては公知慣用のものが使用できる。
【0115】
例えば2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(メルク社製「ダロキュア1173」)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュア184」)、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン(メルク社製「ダロキュア1116」)、2−メチル−1−[(メチルチオ)フェニル]−2−モリホリノプロパン−1(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュア907」)。ベンジルメチルケタ−ル(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュア651」)2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュア369」)、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリリン−4−イル−フェニル)ブタン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュア379」)、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(ダロキュアTPO)、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュア819」)、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュアOXE01」)、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュアOXE02」)。2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬社製「カヤキュアDETX」)とp−ジメチルアミノ安息香酸エチル(日本化薬社製「カヤキュアEPA」)との混合物、イソプロピルチオキサントン(ワ−ドプレキンソップ社製「カンタキュア−ITX」)とp−ジメチルアミノ安息香酸エチルとの混合物、アシルフォスフィンオキシド(BASF社製「ルシリンTPO」)、などが挙げられる。光重合開始剤の使用量は立体画像表示用複屈折レンズ材料に対して0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%が特に好ましい。これらは、単独で使用することもできるし、2種類以上混合して使用することもできる。
【0116】
また、熱重合の際に使用する熱重合開始剤としては公知慣用のものが使用でき、例えば、メチルアセトアセテイトパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パ−オキシジカーボネイト、t−ブチルパーオキシベンゾエイト、メチルエチルケトンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ヘキシルパ−オキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、p−ペンタハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネイト、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾニトリル化合物、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−フェニルプロピオン−アミヂン)ジハイドロクロライド等のアゾアミヂン化合物、2,2’アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}等のアゾアミド化合物、2,2’アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等のアルキルアゾ化合物等を使用することができる。熱重合開始剤の使用量は立体画像表示用複屈折レンズ材料に対して0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%が特に好ましい。これらは、単独で使用することもできるし、2種類以上混合して使用することもできる。また、光重合開始剤と併用することもできる。
【0117】
e)(重合禁止剤)
本発明の立体画像表示用複屈折レンズ材料は、安定的に生産するため、または、安定的に保存するために、重合禁止剤を使用することもできる。重合禁止剤としては、フェノール系化合物、キノン系化合物、アミン系化合物、チオエーテル系化合物、ニトロソ化合物、等が挙げられる。
【0118】
フェノール系化合物としては、p−メトキシフェノール、クレゾール、t−ブチルカテコール、3.5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、2.2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2.2'−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4.4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4−メトキシ−1−ナフトール、4,4’−ジアルコキシ−2,2’−ビ−1−ナフトール、等が挙げられる。
【0119】
キノン系化合物としては、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、tert−ブチルヒドロキノン、p−ベンゾキノン、メチル−p−ベンゾキノン、tert−ブチル−p−ベンゾキノン、2,5−ジフェニルベンゾキノン、2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、アントラキノン、ジフェノキノン等が挙げられる。
【0120】
アミン系化合物としては、p−フェニレンジアミン、4−アミノジフェニルアミン、N.N'−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−i−プロピル−N'−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1.3−ジメチルブチル)−N'−フェニル−p−フェニレンジアミン、N.N'−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−フェニル−β−ナフチルアミン、4.4'−ジクミル−ジフェニルアミン、4.4'−ジオクチル−ジフェニルアミン等が挙げられる。
【0121】
チオエーテル系化合物としては、フェノチアジン、ジステアリルチオジプロピオネート等が挙げられる。
【0122】
ニトロソ系化合物としては、N−ニトロソジフェニルアミン、N−ニトロソフェニルナフチルアミン、N−ニトロソジナフチルアミン、p−ニトロソフェノール、ニトロソベンゼン、p−ニトロソジフェニルアミン、α−ニトロソ−β−ナフトール等、N、N−ジメチルp−ニトロソアニリン、p−ニトロソジフェニルアミン、p−ニトロンジメチルアミン、p−ニトロン−N、N−ジエチルアミン、N−ニトロソエタノールアミン、N−ニトロソジ−n−ブチルアミン、N−ニトロソ−N −n−ブチル−4−ブタノールアミン、N−ニトロソ−ジイソプロパノールアミン、N−ニトロソ−N−エチル−4−ブタノールアミン、5−ニトロソ−8−ヒドロキシキノリン、N−ニトロソモルホリン、N−二トロソーN−フェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩、二トロソベンゼン、2,4.6−トリーtert−ブチルニトロンベンゼン、N−ニトロソ−N−メチル−p−トルエンスルホンアミド、N−ニトロソ−N−エチルウレタン、N−ニトロソ−N−n−プロピルウレタン、1−ニトロソ−2−ナフトール、2−ニトロソー1−ナフトール、1−ニトロソ−2−ナフトール−3,6−スルホン酸ナトリウム、2−ニトロソ−1−ナフトール−4−スルホン酸ナトリウム、2−ニトロソ−5−メチルアミノフェノール塩酸塩、2−ニトロソ−5−メチルアミノフェノール塩酸塩等が挙げられる。
【0123】
f)(安定剤)
本発明の立体画像表示用複屈折レンズ材料は、膜厚の均一な塗布膜を得るため、あるいは、各々の目的に応じて汎用の添加剤を使用することもできる。例えば、レベリング剤、チキソ剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗酸化剤、表面処理剤等の添加剤を液晶の配向能を著しく低下させない程度添加することができる。
【0124】
g)(溶剤)
本発明の立体画像表示用複屈折レンズ材料は、通常は溶剤を使用しないが、均一に塗布するために溶剤を用いることもできる。用いられる溶剤は、基材上に塗布した際に基材、あるいは、基材上に形成されている配向膜を完全させず、本発明の重合性液晶組成物が欠陥なく配向できれば、使用する溶剤としては特に限定はないが、重合性液晶化合物が良好な溶解性を示す溶媒が好ましい。そのような溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、クメン、メシチレン等の芳香族系炭化水素、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、アニソール等のエーテル系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、等のアミド系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、クロロベンゼン等が挙げられる。これらは、単独で使用することもできるし、2種類以上混合して使用することもできる。
【0125】
h)(ホモジニアス配向を促進する界面活性剤、または高分子)
本発明の立体画像表示用複屈折レンズ材料は、立体画像表示用複屈折レンズを製造する工程の中で塗布するだけで一旦ホモジニアス配向した状態をとる場合は、必要に応じてホモジニアアス配向を促進する界面活性剤、または高分子を用いる。
用いる界面活性剤に特に限定はないが、重合性官能基を有する液晶化合物よりも表面張力が小さい界面活性剤が好ましい。そのような界面活性剤としては、例えば、フッ素含有ノニオン系界面活性剤、オルガノシラン系界面活性剤、ポリアクリル酸エステル系界面活性剤、等が挙げられる。前記界面活性剤は、重合した際により強固なフィルムにするために重合性基を有してもよい。
用いる高分子に特に限定はないが、重合性官能基を有する液晶化合物よりも表面張力が小さい高分子が好ましい。そのような高分子としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、パラフィン、流動パラフィン、塩素化ポリプロピレン、塩素化パラフィン、又は塩素化流動パラフィン、ポリフッ化ビニリデン、等が挙げられる。
前記高分子の重量平均分子量は200〜1000000であることが好ましく、300〜100000であることがさらに好ましく、400〜10000であることが特に好ましい。
【0126】
(立体画像表示用複屈折レンズの製造方法)
(基材)
本発明の立体画像表示用複屈折レンズに用いられる基材は、液晶デバイス、ディスプレイ、光学部品や光学フィルムに通常使用する基材であって、本発明の立体画像表示用複屈折レンズ材料を塗布後、あるいは、液晶デバイス製造時における加熱に耐えうる耐熱性を有する材料であれば、特に制限はない。そのような基材としては、ガラス基材、金属基材、セラミックス基材やプラスチック基材等が挙げられる。特に基材が有機材料の場合、セルロース誘導体、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリアリレート、ポリエーテルサルホン、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、ナイロン、ポリスチレン等が挙げられる。中でもポリエステル、ポリスチレン、ポリオレフィン、セルロース誘導体、ポリアリレート、ポリカーボネートが好ましい。
【0127】
また、上記基材には、本発明の立体画像表示用複屈折レンズ材料を塗布した際に立体画像表示用複屈折レンズ材料が配向するように、通常配向処理が施されている、あるいは配向膜が設けられていても良い。配向処理としては、延伸処理、ラビング処理、偏光紫外可視光照射処理、イオンビーム処理、等が挙げられる。配向膜を用いる場合、配向膜は公知慣用のものが用いられる。そのような配向膜としては、ポリイミド、ポリシロキサン、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、アクリル樹脂、クマリン化合物、カルコン化合物、シンナメート化合物、フルギド化合物、アントラキノン化合物、アゾ化合物、アリールエテン化合物等の化合物が挙げられる。ラビングにより配向処理する化合物は、配向処理、もしくは配向処理の後に加熱工程を入れることで材料の結晶化が促進されるものが好ましい。ラビング以外の配向処理を行う化合物の中では光配向材料を用いることが好ましい。
【0128】
(塗布)
本発明の立体画像表示用複屈折レンズを得るための塗布法としては、アプリケーター法、バーコーティング法、スピンコーティング法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、インクジェット法、ダイコーティング法、キャップコーティング法、ディッピング等、公知慣用の方法を行うことができる。溶剤で希釈した立体画像表示用複屈折レンズ材料を塗布する場合は、塗布後は乾燥させることになる。
【0129】
(レンズ成型工程)
本発明の立体画像表示用複屈折レンズの成型は、フォトマスクを用いて立体画像表示用複屈折レンズ材料の重合をレンズ状にすることで行う。あるいは、立体画像表示用複屈折レンズ材料の塗布膜をレンズ状樹脂金型で覆うことで行う。フォトマスクを用いる場合は、立体画像表示用複屈折レンズ材料が重合したときに所望のレンズ状になるようにフォトマスクが設計されている。樹脂金型を用いる場合は、立体画像表示用複屈折レンズ材料の塗布膜を本発明の立体画像表示用複屈折レンズ材料の常光屈折率(no)と等しい屈折率を有する凹レンズ状樹脂金型で覆い、覆った状態のままで重合を行う。また、一旦樹脂金型を取り外した場合は、樹脂金型に用いられる樹脂を樹脂金型を取り外した立体画像表示用複屈折レンズ材料の塗布膜に塗布した後に重合を行う。
【0130】
(重合工程)
本発明の立体画像表示用複屈折レンズ材料の重合操作については、立体画像表示用複屈折レンズ材料塗布、レンズ成型した後、一般に紫外線等の光照射、あるいは加熱によって行われる。重合を光照射で行う場合は、具体的には390nm以下の紫外光を照射することが好ましく、250〜370nmの波長の光を照射することが最も好ましい。但し、390nm以下の紫外光により重合性液晶組成物が分解などを引き起こす場合は、390nm以上の紫外光で重合処理を行ったほうが好ましい場合もある。この光は、拡散光で、かつ偏光していない光であることが好ましい。
【0131】
一方、加熱による重合は、立体画像表示用複屈折レンズ材料が液晶相を示す温度又はそれより低温で行うことが好ましく、特に加熱によりラジカルを放出する熱重合開始剤を使用する場合にはその開裂温度が上記の温度域内にあるものを使用することが好ましい。また該熱重合開始剤と光重合開始剤とを併用する場合には上記の温度域の制限と共に光配向膜と重合性液晶膜の両層の重合速度が大きく異なることの無い様に重合温度と各々の開始剤を選択することが好ましい。加熱温度は、重合性液晶組成物の液晶相から等方相への転移温度にもよるが、熱による不均質な重合が誘起されてしまう温度よりも低い温度で行うことが好ましい。ただし、有機材料からなる基材のガラス転移点を越えると基材の熱変形が著しくなるので、室温〜基材のガラス転移点が好ましい。また例えば、重合性基が(メタ)アクリロイル基である場合は、90℃よりも低い温度で行うことが好ましい。
【0132】
得られた立体画像表示用複屈折レンズの耐溶剤特性や耐熱性の安定化のために、立体画像表示用複屈折レンズを加熱処理することもできる。この場合、前期立体画像表示用複屈折レンズのガラス転移点以上で加熱することが好ましい。通常は、有機材料からなる基材のガラス転移点を越えない範囲での加熱が好ましい。また、上記目的のために、光照射処理することもできる。この場合、光照射により、立体画像表示用複屈折レンズ中の液晶化合物成分が光分解しない程度であることが好ましい。
また、得られた立体画像表示用複屈折レンズは、基材より剥離して使用することができる。
【実施例】
【0133】
以下に本発明を合成例、実施例、及び、比較例によって説明するが、もとより本発明はこれらに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
(立体画像表示用複屈折レンズ材料(1)の調製)
式(B−1)で表される液晶化合物90部、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルアクリレート(C−1)10部、ダロキュアTPO式(D−1)0.1部、p−メトキシフェノール(E−1)0.1部を加熱混合して本発明の立体画像表示用複屈折レンズ材料(1)を得た。
【0134】
【化79】

【0135】
(立体画像表示用複屈折レンズ材料(2)〜(20)の調製)
本発明の立体画像表示用複屈折レンズ材料(1)の調製と同様にして本発明の立体画像表示用複屈折レンズ材料(2)〜(20)を得た。表1〜5に、本発明の立体画像表示用複屈折レンズ材料(1)〜(20)の具体的な組成を示す。
【0136】
【表1】

【0137】
【表2】

【0138】
【化80】

【0139】
【化81】

【0140】
【化82】

【0141】
【化83】

【0142】
【化84】

【0143】
【化85】

【0144】
2−(パーフルオロヘキシル)エチルメタクリレート(C−2)
ヘキシルアクリレート(C−3)
2−エトキシエチルアクリレート(C−4)
イルガキュア651(D−2)(BASF社製)
イルガキュア907(D−3)(BASF社製)
キノパワーLSN(E−2)(川崎化成工業株式会社製)
IRGANOX1076(F−1)(BASF社製)
シクロペンタノン(G−1)
【0145】
(実施例1)
配向膜用ポリイミド溶液を厚さ0.7mmのガラス基材にスピンコート法を用いて塗布し、100℃で10分乾燥した後、200℃で60分焼成することにより塗膜を得た。得られた塗膜をラビング処理した。ラビング処理は、市販のラビング装置を用いて行った。
ラビングした基材に本発明の立体画像表示用複屈折レンズ材料(1)を80℃に温めた状態のままスピンコート法で塗布した。得られた塗布膜の上にラビングした基材をラビング方向がアンチパラレルになるように配置した後、室温まで冷却した。その後、高圧水銀ランプを用いて、40mW/cmの強度で25秒間UV光を照射した。次にラビングした基材から剥すことで本発明の立体画像表示用複屈折レンズ材料の硬化物を得た。得られた硬化物の膜厚は50μm、nは1.527、nは1.675、Δnは0.148であった。配向性も良好であった。
【0146】
(実施例2〜14)
実施例1と同様にして、実施例2〜14の発明の立体画像表示用複屈折レンズ材料の硬化物を得た。いずれの硬化物も膜厚は50μmで配向性は良好であった。得られた結果は表3に示している。
本発明の立体画像表示用複屈折レンズ材料は、いずれも室温で硬化が可能で、かつ、配向性も良好であり、生産性に優れているといえる。
【0147】
【表3】

【0148】
(比較例1〜4)
実施例1と同様にして、比較例1〜4の立体画像表示用複屈折レンズ材料の硬化物を得た。得られた硬化物は、室温で硬化した際に結晶化が顕著で配向不良が多数観察された。得られた結果は、表4に示している。
【0149】
【表4】

【0150】
(実施例15)
配向膜用ポリイミド溶液を厚さ0.7mmのガラス基材にスピンコート法を用いて塗布し、100℃で10分乾燥した後、200℃で60分焼成することにより塗膜を得た。得られた塗膜をラビング処理した。ラビング処理は、市販のラビング装置を用いて行った。
ラビングした基材3に本発明の立体画像表示用複屈折レンズ材料(15)を60℃に温めた状態のままスピンコート法で塗布した。得られた塗布膜の上に配向処理が施された樹脂金型1をラビングした基材の配向方向と樹脂金型1の配向方向が並行になるように配置した後、室温まで冷却した。その後、高圧水銀ランプを用いて、40mW/cmの強度で25秒間紫外線光照射した。このようにして立体画像表示用複屈折レンズを得た。得られたレンズから基材3を取り外すことで図1に示される立体画像表示用複屈折レンズを得た。得られた本発明の立体画像表示用複屈折レンズは、欠陥がなく配向性も良好であった。
【0151】
(実施例16)
配向膜用ポリイミド溶液を厚さ0.7mmのガラス基材にスピンコート法を用いて塗布し、100℃で10分乾燥した後、200℃で60分焼成することにより塗膜を得た。得られた塗膜をラビング処理した。ラビング処理は、市販のラビング装置を用いて行った。
ラビングした基材3に本発明の立体画像表示用複屈折レンズ材料(15)を60℃に温めた状態のままスピンコート法で塗布した。得られた塗布膜の上に配向処理が施された樹脂金型1をラビングした基材の配向方向と樹脂金型1の配向方向が並行になるように配置した後、室温まで冷却した。次に樹脂金型1をゆっくり取り外し、紫外線硬化型のエポキシアクリレート樹脂をスピンコート法で塗布した。その後、高圧水銀ランプを用いて、40mW/cmの強度で25秒間紫外線光を照射した。このようにして図2に示される立体画像表示用複屈折レンズを得た。得られた本発明の立体画像表示用複屈折レンズは、欠陥がなく配向性も良好であった。
【0152】
(実施例17)
配向膜用ポリイミド溶液を厚さ0.7mmのガラス基材にスピンコート法を用いて塗布し、100℃で10分乾燥した後、200℃で60分焼成することにより塗膜を得た。得られた塗膜をラビング処理した。ラビング処理は、市販のラビング装置を用いて行った。
次に立体画像表示用複屈折レンズ材料(16)100部に流動パラフィン0.3部を加えた後、ラビングした基材に室温雰囲気下スピンコート法で塗布した。得られた塗布膜を80℃で10分乾燥した後、パターン化されたマスクを介して紫外線を照射した。紫外線照射は、高圧水銀ランプを用いて、40mW/cmの強度で25秒間行った。得られた硬化膜をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで1分間洗浄し、未硬化分を取り除いた。さらに紫外線硬化型のエポキシアクリレート樹脂をスピンコート法で塗布した。その後、高圧水銀ランプを用いて、40mW/cmの強度で25秒間紫外線光を照射した。このようにして図2に示される立体画像表示用複屈折レンズを得た。得られた本発明の立体画像表示用複屈折レンズは、欠陥がなく配向性も良好であった。
【図面の簡単な説明】
【0153】
【図1】本発明の立体画像表示用複屈折レンズの構成を示す。
【図2】本発明の立体画像表示用複屈折レンズ(基材あり)の構成を示す。
【符号の説明】
【0154】
1:樹脂金型
2:複屈折レンズ
3:基材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つ以上の重合性官能基を有する液晶化合物、及び、少なくとも1つ以上の重合性官能基を有する非液晶化合物を含有することを特徴とする立体画像表示用複屈折レンズ材料。
【請求項2】
少なくとも2つ以上の重合性官能基を有する液晶化合物を含有する請求項1記載の立体画像表示用複屈折レンズ材料。
【請求項3】
室温で重合可能な請求項1又は2記載の立体表示用複屈折レンズ材料。
【請求項4】
少なくとも1つ以上の重合性官能基を有する液晶化合物が一般式(1)

【化1】

(式中、Pは反応性官能基を表し、Sp1は炭素原子数2〜18のスペーサー基を表し、mは0又は1を表し、MGはメソゲン基又はメソゲン性支持基を表し、R1は、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素原子数2〜18のアルキル基を表すが、該アルキル基は1つ以上のハロゲン原子又はCNにより置換されていても良く、この基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH2基はそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない形で、−O−、−S−、−NH−、−N(CH)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−SCO−、−COS−又は−C≡C−により置き換えられていても良く、あるいはR1は一般式(1−a)
【化2】

(式中、Pは反応性官能基を表し、Sp1は炭素原子数2〜18のスペーサー基を表し、mは0又は1を表す。)で表される構造を表す。)で表される化合物である請求項1〜3の何れかに記載の立体画像表示用複屈折レンズ材料。
【請求項5】
一般式(1)において、Sp1がアルキレン基を表し、(該アルキレン基は1つ以上のハロゲン原子又はCNにより置換されていても良く、この基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH2基はそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない形で、−O−、−S−、−NH−、−N(CH)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−SCO−、−COS−又は−C≡C−により置き換えられていても良い。)MGが一般式(1−b)
【化3】

(式中、A1、A2及びA3はそれぞれ独立的に、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニル基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、テトラヒドロチオピラン−2,5−ジイル基、1,4−ビシクロ(2,2,2)オクチレン基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル基、チオフェン−2,5−ジイル基−、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、2,6−ナフチレン基、フェナントレン−2,7−ジイル基、9,10−ジヒドロフェナントレン−2,7−ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a−オクタヒドロフェナントレン−2,7−ジイル基、1,4−ナフチレン基、ベンゾ[1,2−b:4,5−b‘]ジチオフェン−2,6−ジイル基、ベンゾ[1,2−b:4,5−b‘]ジセレノフェン−2,6−ジイル基、[1]ベンゾチエノ[3,2−b]チオフェン−2,7−ジイル基、[1]ベンゾセレノフェノ[3,2−b]セレノフェン−2,7−ジイル基、又はフルオレン−2,7−ジイル基を表し、置換基として1個以上のF、Cl、CF3、OCF3、CN基、炭素原子数1〜8のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、アルカノイルオキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、アルケニルオキシ基、アルケノイル基又はアルケノイルオキシ基を有していても良く、Z0、Z1、Z2及びZ3はそれぞれ独立して、−COO−、−OCO−、−CH2 CH2−、−OCH2−、−CH2O−、−CH=CH−、−C≡C−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−CH2CH2COO−、−CH2CH2OCO−、−COOCH2CH2−、−OCOCH2CH2−、−CONH−、−NHCO−又は単結合を表し、nは0、1又は2を表す。)で表される請求項1〜4の何れかに記載の立体画像表示用複屈折レンズ材料。
【請求項6】
一般式(1)において、Pが一般式(1−c)、一般式(1−d)及び一般式(1−e)
【化4】

(式中、R21、R22、R23、R31、R32、R33、R41、R42及びR43はそれぞれ独立的に水素原子、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、nは0又は1を表す。)で表される置換基からなる群より選ばれる置換基を表す、請求項1〜5の何れかに記載の立体画像表示用複屈折レンズ材料。
【請求項7】
少なくとも1つ以上の重合性官能基を有する非液晶化合物が一般式(2)
【化5】

(式中、Pは反応性官能基を表し、Sp2は炭素原子数1〜18のアルキル基を表すが、この基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH2基はそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない形で、−O−、−S−、−NH−、−N(CH)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−SCO−、−COS−又は−C≡C−により置き換えられていても良く、lは0〜5を表しRは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素原子数1〜3のアルキル基を表すが、該アルキル基は1つ以上のハロゲン原子又はCNにより置換されていても良く、あるいはRは一般式(2)のPを表す。)で表される化合物である請求項1〜6の何れかに記載の立体画像表示用複屈折レンズ材料。
【請求項8】
一般式(2)においてPが一般式(2−a)、一般式(2−b)、一般式(2−c)及び一般式(2−d)
【化6】

(式中、R61、R62、R63、R71、R72、R73、R81、R82、R91、R92、R93及びR94はそれぞれ独立的に水素原子、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、nは0又は1を表す。)で表される置換基からなる群より選ばれる置換基を表す、請求項1〜7の何れかに記載の立体画像表示用複屈折レンズ材料。
【請求項9】
一般式(2)の含有量が0.1〜50質量%である請求項1〜8の何れかに記載の立体画像表示用複屈折レンズ材料。
【請求項10】
一般式(1)において、MGが同一である液晶化合物の群を2組以上含有する請求項1〜9の何れかに記載の立体表示用複屈折レンズ材料。
【請求項11】
一般式(3)
【化7】

(式中、mは0又は1を表し、W1及びW2はそれぞれ独立的に単結合、−O−、−COO−又は−OCO−を表し、Y1及びY2はそれぞれ独立的に−COO−又は−OCO−を表し、r及びsはそれぞれ独立的に2〜18の整数を表すが、式中に存在する1,4−フェニレン基は炭素原子数1〜7のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、シアノ基、又はハロゲン原子で一つ以上置換されていても良い。)で表される化合物を含有する請求項1〜10の何れかに記載の立体画像表示用複屈折レンズ材料。
【請求項12】
一般式(4)
【化8】

(式中、Z1は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、Z2は水素原子又はメチル基を表し、tは0又は1を表し、A、B及びCはそれぞれ独立的に、1,4−フェニレン基、隣接しないCH基が窒素で置換された1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1つ又は隣接しない2つのCH2基が酸素又は硫黄原子で置換された1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニル基、1,4−ビシクロ(2,2,2)オクチレン基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、2,6−ナフチレン基、1,4−ナフチレン基を表すが、式中に存在する1,4−フェニレン基は炭素原子数1〜7のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、シアノ基又はハロゲン原子で一つ以上置換されていても良く、Y3及びY4はそれぞれ独立的に単結合、−CHCH−、−CH2O−、−OCH2−、−COO−、−OCO−、−C≡C−、−CH=CH−、−CF=CF−、−(CH24−、−CH2CH2CH2O−、−OCH2CH2CH2−、−CH=CHCH2CH2−、−CH2CH2CH=CH−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−CH2CH2COO−、−CH2CH2OCO−、−COOCH2CH2−又はーOCOCH2CH2-を表し、Y5は単結合、−O−、−COO−、−OCO−又は−CH=CHCOO−を表す。)で表される化合物を含有する請求項1〜10の何れかに記載の立体画像表示用複屈折レンズ材料。
【請求項13】
一般式(9)
【化9】

(式中、Z3は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、Z4は水素原子又はメチル基を表し、W3は単結合、−O−、−COO−又は−OCO−を表し、vは2〜18の整数を表し、uは0又は1を表し、D、E及びFはそれぞれ独立的に、1,4−フェニレン基、隣接しないCH基が窒素で置換された1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1つ又は隣接しない2つのCH2基が酸素又は硫黄原子で置換された1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニル基、1,4−ビシクロ(2,2,2)オクチレン基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、2,6−ナフチレン基、1,4−ナフチレン基を表すが、式中に存在する1,4−フェニレン基、または2,6−ナフチレン基は炭素原子数1〜7のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、シアノ基又はハロゲン原子で一つ以上置換されていても良く、Y6及びY7はそれぞれ独立的に単結合、−CHCH−、−CH2O−、−OCH2−、−COO−、−OCO−、−C≡C−、−CH=CH−、−CF=CF−、−(CH24−、−CH2CH2CH2O−、−OCH2CH2CH2−、−CH=CHCH2CH2−、−CH2CH2CH=CH−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−CH2CH2COO−、−CH2CH2OCO−、−COOCH2CH2−又はーOCOCH2CH2-を表し、Y8は単結合、−O−、−COO−、−OCO−又は−CH=CHCOO−を表す。)で表される化合物を含有する請求項1〜10の何れかに記載の立体画像表示用複屈折レンズ材料。
【請求項14】
請求項1から13の何れかに記載の立体画像表示用複屈折レンズ材料の硬化により形成されたことを特徴とする立体画像表示用複屈折レンズ。
【請求項15】
請求項1から13の何れかに記載の立体画像表示用複屈折レンズ材料を、一軸方向に配向処理された配向膜上に塗布し、紫外線で硬化させてレンズ状に成形することを特徴とする立体画像表示用複屈折レンズの製造方法。
【請求項16】
紫外線で硬化させてレンズ状に成形する工程が、立体画像表示用複屈折レンズ材料の塗布膜をパターン化されたマスクを介して紫外線で硬化させる工程である請求項15記載の立体画像表示用複屈折レンズの製造方法。
【請求項17】
紫外線で硬化させてレンズ状に成形する工程が、立体画像表示用複屈折レンズ材料の塗布膜を樹脂金型で覆った後に紫外線で硬化させる工程である請求項15記載の立体画像表示用複屈折レンズの製造方法。
【請求項18】
紫外線で硬化させてレンズ状に成形する工程が、立体画像表示用複屈折レンズ材料の塗布膜を樹脂金型で覆った後に樹脂金型を取り外し、次いで少なくとも重合性官能基を有する樹脂を前記塗布膜の上に積層し、紫外線で硬化させる工程である請求項15記載の立体画像表示用複屈折レンズの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−137616(P2012−137616A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−289908(P2010−289908)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000002886)DIC株式会社 (2,597)
【Fターム(参考)】