説明

立体的高解像度結像

【課題】
比較的僅かの装置費用で実施できる事項により、試料の組織を立体的に解像する結像方法を提供すること。
【解決手段】
次の工程によって試料の物質のマークを付けられた組織を立体的に高解像する結像方法では:光学的切換え信号を繰り返して第一光学特性をもつ第一状態から第二光学特性をもつ第二状態へ変換でき、第二状態から第一状態へ戻されることができる一グループの物質から物質を選定し、試料の領域の物質を変換信号によって第二状態へ変換し、この際に定義された領域が適切に放出され、物質が第二状態へ移送される領域の他に適切に放出される領域を包含する記録領域用の第二状態の物質に付属される光学測定信号を記録し、物質が下位グループの物質から選定され、両状態(1、2)が少なくとも次の判断基準の一つに関して区別される:分子の立体配座状態、分子の構造式、分子内部の原子の立体的配列、分子内部の結合の立体的配列、一分子に別の原子或いは分子の付加、原子及び/又は分子のグループ化、分子の立体的配向、互いに隣接した分子の配向、多数の分子及び/又は原子により形成された配列。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、特許請求項1の上位概念の特徴事項を備える試料の物質でマークした組織を立体的に高解像する結像方法に関する。
物質は無論、試料の結像する組織を現わすことができる。さもなければ、試料の組織は人工的に物質によりマークされなければならない。
【背景技術】
【0002】
立体的解像を結像する光学方法は、基本的に関連した光学信号の波長における屈折限界(アッベ限界)によって行われる。
【0003】
しかし、既に方法は蛍光顕微鏡の分野において知られており、この蛍光顕微鏡では有効焦点の鮮明度と光学励起信号の照射強度との間の非線形関係の利用によって屈折限界は試料の組織の結像において有効に下回らされる。例としては、試料における多光子吸収性或いは光励起信号のより高い調和の発生である。光学的に誘導された変更の飽和も、非線形関係として利用されることができ、例えば誘発発光(英語:誘発発光削減=STED)による蛍光状態の減少或いは基本状態(英語:基本状態削減=GSD)の減少におけるように利用されることができる。原理的に分子分解を達成されることができるこれら両方法では、試料の関心を起こさせる組織をマークしている蛍光顔料は、光学変換信号がこの明細書において飽和限界値として記載される特徴限界値を超過する至る所でエネルギー状態に換えられ、このエネルギー状態からもはや蛍光が行われない。その際に、測定信号を記録させる立体的領域が零点を有し且つ例えば干渉によって発生される光学変換信号の局部的強度最小値によって確定されるときに、その寸法とそれにより達成された場所解像とは屈折限界より小さい。その理由は、測定信号を記録させる立体的限定部分領域が蛍光に関係した状態の減少に基づき増加する飽和度によって制限されることである。全く同様に焦点或いは帯の縁はより険しくなり、それは同様に増加した場所解像を生じる。
【0004】
特許請求項1の上位概念の特徴事項を備えるSTED(誘発発光削減)方法は、特許文献1(国際特許出願公開第95/21393号明細書)から知られている。この方法では、試料或いは試料の蛍光顔料は光学励起信号によって蛍光を励起される。この立体的領域が抑制光照射の干渉マスターの強度最小値により変換信号として重ねられるから、屈折限界を適用する励起の立体的領域が縮小される。変換信号が飽和限界値を越えるところでは、蛍光顔料は完全に誘発発光によって排除される、即ち前もって励起されたエネルギー状態から再び抑制される。引き続いて蛍光を自発的に放射させる残留立体的領域が強度最小値の零点の周りの縮小された分野に一致し、その零点では変換信号が出ない、或いは十分な強度を出さない。蛍光顕微鏡のこの方法はあとづけ可能に場所解像を屈折限界の下方に形成するにもかかわらず、それは欠点と結びついている。励起照射によって励起される蛍光顔料のエネルギー状態の耐久年限はほんの少しである。それ故に、変換がより短い時間間隔内で有効に補充されるために、変換信号の比較的高い強度が使用されなければならない。変換信号による抑制の際に残留蛍光と変換信号の強度の間の非線形関係が生成され、即ち飽和が達成されるために、抑制照射の強度は補助的に極めて高くなければならない。それ故、通常には公知の方法の実施を適切に高価にする抑制光照射用のパルス化された高出力レーザーが必要とされる。
【0005】
ここでも、時間制限と出力条件が関連したエネルギー状態の短い耐久年限によって形成されるから、同じの欠点が公知のGSD方法にも適用される。
【0006】
非特許文献1(生物学的化学のジャーナル、第275巻第84号、25879−25882頁、2000年)から、蛋白質が緑光によって増加する程度に赤領域にて蛍光するよう励起できるが、しかし青光による照射では蛍光特性が失われるという蛋白質が公知である。この処理は反対にもできる。明らかに、緑光は蛋白質を蛋白質が蛍光特性を有する立体配座状態に切り換え、同時に蛍光を励起するのに対して、青光は蛋白質を蛍光特性なしに切り換えられる。この蛋白質は、イソギンチャク・アネモニア(Anemonia)・スルカタ(sulcata)に存在する自然の蛋白質であり、そのここで記載された機能はアミノ酸の適切な交換によって補強されることができる。
【0007】
さらに、緑蛍光発光蛋白質(英語:緑蛍光蛋白質、GFP)とその突然変異体が二つの状態間で切り換えられることができ、この場合に一方が他のスペクトルと相違していることは、非特許文献2(雑誌「自然」、第388巻、355−358頁、1997年)から知られている。
【0008】
非特許文献3(刊行物「自然」、第420巻、759−760頁、2002年)から、蛍光を発する状態と蛍光を発しない状態との間に前後に切り換えられる蛍光発光蛋白質は日誌レテーネのファミリー(aus der Familie der Diarylethene) から知られている。両状態は熱的に安定であるので、光異方性或いは光周期化が扱われている切換え処理は光学信号の比較的低い強度により強制されることができる。光影響下でその色を変更する分子は一般に光互変性分子として記載されている。
【特許文献1】国際特許出願公開第95/21393号明細書
【非特許文献1】生物学的化学のジャーナル、第275巻第84号、25879−25882頁、2000年。
【非特許文献2】雑誌「自然」、第388巻、355−358頁、1997年
【非特許文献3】刊行物「自然」、第420巻、759−760頁、2002年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この発明の課題は、比較的僅かの装置費用で実施できる特許請求項1の上位概念の特徴事項により、試料の組織を立体的に解像する結像方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の課題は、特許請求項1の特徴事項による方法によって解決される。
新たな方法の好ましい実施態様は従属請求項に記載されている。
【発明の効果】
【0011】
異なる光学特性をもつ二つの状態を有する物質の使用は、この発明の中心観点である。この場合に、変換信号によって物質は適切に第一状態から第二状態へ切り換えられることができる。この過程は反対にもできる。即ち物質は再び第一状態へ戻されることができる。第一状態における物質の光学特性は、これらが測定信号を支援することについて第二状態における光学特性とは相違している。けれども、関連した光学特性が二成分であり、即ち一方の状態では100%まで、他方の状態では0%までであることは強制されない。関連した光学特性にて、それら光学特性が測定信号の第一状態に対する少なくとも主な付属を許容するような相違点が与えられているときに、むしろ十分である。
【0012】
蛍光顕微鏡の分野における先行技術と異なって、この発明は分子の二つの簡単なエネルギー状態を使用しなく、その二つの状態間で分子が簡単なエネルギー励起によって変換できる。むしろ両状態は少なくとも次の判断基準の一つに関して相違している:
・分子の立体配座状態 ・分子の構造式
・分子内部の原子の立体的配列
・分子内部の結合の立体的配列
・一分子に別の原子或いは分子の付加
・原子及び/又は分子のグループ化
・分子の立体的配向
・互いに隣接した分子の配向
・多数の分子及び/又は原子により形成された配列
【0013】
適切な物質の第一状態から第二状態へ変換するために、光学信号は結合された分子或いは分子下位単位の間で例えば原子グループの変更、光異方性、特にシスートランス異方性、光周期化、陽子発生、陽子除去、回転折畳み、電子移送、及び/又はエネルギー移送を奏する。
【0014】
蛍光顕微鏡の分野における先行技術と比べたこの発明の利点は、問題となる物質の状態が通常には蛍光に関連したエネルギー状態よりも数倍長い耐久年数を有することにある。第二状態の耐久年数は通常には少なくとも1nsである。好ましくは耐久年数は少なくとも10nsである。特に好ましくは熱的に安定な状態である。さらに、変換信号により状態変更を達成するために必要である強度は比較的僅かである。出発状態及び/又は最終状態が比較的長寿命(>10ns)である多数の変換処理は比較的低い強度により解像でき、飽和にもたらされる、というのは、変換処理と対抗する処理は比較的遅く或いはときどき全く存在しないからである。
【0015】
物質の両状態の異なる光学特性は異なるスペクトル特性であり得る。例えば第一光学特性は第二光学特性に比べて光学テスト信号用の異なる吸収性を有し、この場合に測定信号は伝送で或いは反射で観察されることができる。スペクトル特性として好ましくは異なるルミネセンスは蛍光、燐光、電気ルミネセンスと化学ルミネセンスを包含するグループから成る。スペクトル特性、特にその色を変更し、同様にこの発明の範囲内で関心を有する構成にマークする物質として適している分子はホトクロムとして記録される。
【0016】
異なる光学特性の代わりに、物質の両状態は、例えば光学テスト信号或いは試料自体により発射された測定信号を関する異なる極化特性を有し得る。
【0017】
新たな方法では場所解像における屈折限界を下回るために、物質と変換信号は、第一状態から変換信号により第二状態への変換が変換信号の強度に依存するように互いに調和すべきである。これは、物質の第二状態への変換は変換信号が飽和限界値を越える至る所で完全に或いは実質的に完全に行われるときに、達成される。具体的に全記録領域における変換信号の強度が適切に放出される立体的領域の外部で飽和限界値を越えなればならなく、同時に適切に放出される立体的領域が変換信号の局部的強度最小値でなればならない。強度の零点をもつそのような局部的強度最小値は干渉マスターによって用意されることができる。このために、しかし、基本的に投射が使用されることができる;人は変換信号をさらに鋭角或いは鈍角の下で側面から照射できる。さらに、ホログラムは変換信号の局部的強度最小値を発生するために可能である。しかし、干渉マスターの強度最小値によって特に容易に変換信号から放出される最小立体的領域が定義できる。
【0018】
好ましくは新たな方法では、第二状態から第一状態への他のスイッチ信号により変換できる物質が使用される。他のスイッチ信号の場合には、変換信号におけるように光学信号が取り扱われ得る。しかし、それは例えば電気的或いは熱的信号である。さらに、第一状態への戻り切換えが自発的に行われる、即ち既に周辺温度では熱的に駆動されることが可能である。それで、分子は光誘導シスートトランス異方性を通過して、純熱的に第一状態へ戻されることができる。しかし、他のスイッチ信号により物質は適切に第一状態へ戻され、それは、方法を全体として加速するために好ましい。
【0019】
他のスイッチ信号は好ましくは変換信号前に或いは測定信号の記録後に使用される。変換信号による変換が他のスイッチ信号によって本質的に考慮されない限り、他のスイッチ信号が変換信号の伝達中に試料上に伝送されることができる。さらに、他のスイッチ信号を関心をもった立体的領域に限定することは必要がなく、それは光学スイッチ信号における伝送の費用を減少させ、他の種類のスイッチ信号を主として最初に可能とする。
【0020】
記録すべき測定信号を発生するために、テスト信号が試料に向けられるときに、これは変換信号の後に試料に伝送される。この場合に、テスト信号は適切に放出される立体的領域を閉じ込める大きな領域を介して試料に伝送されることができる。新たな方法の場所解像の増加に必要な立体的限定は光学変換信号により成し遂げられる。
【0021】
測定信号では試料から発射された光が取り扱われるときに、テスト信号として使用される対応する励起信号は同時に変換信号により試料に伝送されることができる。しかし、各場合にはあとで或いは最も早く同時に他の切換信号により試料に伝送され、それ故に、励起信号と他のスイッチ信号とはいずれにしても等しくない。
【0022】
試料を完全に結像するために、試料が変換信号により適切に放出される領域により走査される、即ちあらゆる点で走査されることが必要である。その際には、試料は一時点で複数の間隔を置いた点に、即ち定義された領域に同時に測定されることができる。この際に、第一状態における物質に付属されている複数の光学測定信号は、物質を第二状態に変換される領域の他に、適切に放出される領域を包含する複数の記録領域のために、しかも同時に、しかし互いに分離して記録される。走査はそれぞれに試料の座標に対して使用されたスイッチ信号、特に変換信号の立体的移動によって行われることができる。変換信号により適切に放出されるすべての立体的領域が特に干渉マスターの強度最小値であるから、走査は変換信号の一つ或いは複数の干渉最小値の移動によって行われることができる。この際にこの移動は干渉する照射の純粋位相変位によって成就されることができる。
【0023】
新たな方法による試料の走査では、工程の周期的順序は明らかになり:試料の領域内の物質を変換信号によって第二状態へ変換し、この際に定義された領域が適切に放出され;第一状態における物質に付属されている光学測定信号をそれぞれ適切に放出される領域を包含する記録領域に記録し;そして物質を第一状態へ変換する。この際に、既に示されたように、強度最小値をもつ変換信号のみが正確にそれぞれに関心をもった定義された試料領域に整合されるときに、それは十分である。
【0024】
特に、物質は異なる光学特性により蛋白質のグループから選定される。このグループには、特に公知の蛋白質asCP(asF595)とT70a/A148S/S165Vが属し、適したスペクトル特性を備える二つの立体配座状態を有し、或いは緑蛍光蛋白質(GFP)とそれから誘導された突然変異体を有する。
【0025】
マークする物質としての蛋白質は遺伝子工学的方法で生物学的試料に取り付けられ得るので、物質による試料の組織の補充マークは必要がなく、その補充マークは試料に消極的に影響される、或いは少なくともマーク付けの工程によって変更できる。試料の関心をもった組織の遺伝子工学的マーク付けができないときには、試料の組織はそれ自体公知の形式に物質によりマーク付けされることができる。例えば、この際に、関心をもった組織に装着し、さらに物質が装着されている、或いは装着される補助物質が使用されることができる。蛍光顕微鏡用の試料の着色の領域から、専門家にはここに多くの措置が知られている。試料は、元来、新たな方法用の物質に関する要件を満たす適した光学状態をもつ分子によって得られる。
【0026】
新たな結像方法は蛍光を発する物質を備える組織のマーク付け後に通常の蛍光顕微鏡で実施されることができ、この際に解像改良用の追加的費用は比較的僅かであり、光学変換信号を準備する追加的手段に限定され得る。この手段は例えば簡単なレーザー或いは従来のランプを包含し得る。方法を加速するために複数の領域において同時に測定される好ましい実施態様では、測定信号は個々の領域から同時に(CCD)カメラにより読み取られる。試料の全像は、試料内の測定する領域の異なる位置をもつ複数の像の接合部からあきらになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
次に、この発明は図に図示された細部に基づいてさらに説明されて記載される。図1は分子或いは分子複合物の二つの立体配座を象徴的に示し、図2は新たな方法を実施する配列を概略的に示す。
【実施例】
【0028】
図1は、二つの異なる状態1と2に存在し得る分子或いは分子複合物を象徴的に示す。この際に、第一状態1は蛍光に役立つ、それに対して第二状態2は役立ない。一定波長をもつ変換信号による照射によって、第一状態1から第二状態2への適切な交換が誘導されることができる。第二状態2から分子は例えば自発的に第一状態1へ戻されることができる。しかし、それは、両状態1と2が熱的に安定であり、第一状態1へ戻すために別の光学スイッチ信号が使用されるときに、好ましい。
【0029】
図2は二つの照射分割器11と12並びに対物レンズ13を備えるこの発明を実施する可能な配列を概略的に示す。試料7はここで一方ではテスト信号4として使用される励起信号によって蛍光励起部6から蛍光するよう励起されるが、しかし他方では変換信号3によって蛍光阻止手段8により定義可能な箇所にて蛍光を阻止される、というのは分子は逆転可能な場所に依存して蛍光力のない第二状態2へ変換されるからである。図示された例では、これは交差された干渉力のある照射14によって生じる。この場合に、蛍光は、変換の飽和のような適した条件において屈折限界より狭くなっている狭い立体的領域9のみに発生される。干渉マスター15の走査移動とカメラ10による測定信号5としての蛍光の連続的検出と読取りによって、全試料7は高解像により検出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】分子或いは分子複合物の二つの立体配座を象徴的に示す。
【図2】新たな方法を実施する配列を概略的に示す。
【符号の説明】
【0031】
1....第一状態
2....第二状態
3....変換信号
4....テスト信号
5....測定信号
6....蛍光励起部
7....試料
8....蛍光阻止手段
9....立体的領域
10...カメラ
11、12...照射分割器
13...対物レンズ
14...照射
15...干渉マスター15

【特許請求の範囲】
【請求項1】
・光学的変換信号を繰り返して第一光学特性をもつ第一状態から第二光学特性をもつ第二状態へ変換でき、第二状態から第一状態へ戻されることができる一グループの物質から物質を選定し、
・試料の領域の物質を変換信号によって第二状態へ変換し、この際に定義された領域が適切に放出され、
・物質が第二状態へ移送される領域の他に適切に放出される領域を包含する記録領域用の第二状態の物質に付属される光学測定信号を記録する、
これら工程によって試料の物質でマークを付けられた組織を立体的に高解像する結像方法において、
物質が下位グループの物質から選定され、両状態(1、2)が少なくとも次の判断基準の一つに関して区別される:
・分子の立体配座状態
・分子の構造式
・分子内部の原子の立体的配列
・分子内部の結合の立体的配列
・一分子に別の原子或いは分子の付加
・原子及び/又は分子のグループ化
・分子の立体的配向
・互いに隣接した分子の配向
・多数の分子及び/又は原子により形成された配列
【請求項2】
第二状態(2)の寿命が1nsより長いことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
物質の両状態(1、2)の異なる光学特性は異なるスペクトル特性であることを特徴とする請求項1或いは2に記載の方法。
【請求項4】
第一光学特性は第二光学特性に比べてテスト信号用の異なる吸収性を有することを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
第一光学特性は第二光学特性に比べて蛍光、燐光、電気ルミネセンスと化学ルミネセンスから成る異なるルミネセンスを包含する有することを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項6】
物質の状態の異なる光学特性は異なる極化特性であることを特徴とする請求項1或いは2に記載の方法。
【請求項7】
物質と変換信号(3)は、変換信号(3)の強度が飽和限界値を超過する至る所において完全に物質の第二状態(2)に調整するように相前後して適合されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
変換信号(3)の強度は適切に放出される領域(9)の外部の全記録領域にて飽和限界値を超過し、そして適切に放出される立体的領域(9)が変換信号(3)の局部強度最小値であることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
変換信号(3)の局部強度最小値は干渉マスター(15)の零点であることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
物質は、他のスイッチ信号で第二状態(2)から第一状態(1)へ変換できるグループの物質から選定されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
他のスイッチ信号は変換信号(3)との前或いは同時に試料(7)に伝達されることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
他のスイッチ信号は記録領域を閉じ込める大きい領域を介して試料(7)に伝達されることを特徴とする請求項10或いは11に記載の方法。
【請求項13】
変換信号(3)後にテスト信号が試料(7)に伝達されることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
テスト信号は適切に放出される領域(9)を閉じ込める大きい領域を介して試料(7)に伝達されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ルミネセンスは他のスイッチ信号によって励起され、この際に他のスイッチ信号は変換信号(3)の伝達中に試料(7)に伝達されることを特徴とする請求項5或いは10に記載の方法。
【請求項16】
試料(7)は適切に放出される領域(9)で走査されることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
第一状態の物質に付属されている複数光学測定信号は同時に、物質が第二状態に変換される領域のそれぞれ傍に適切に放出される領域(9)を包含する複数の記録領域のために互いに分離されて記録されることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
周期的順序において、・試料(7)の領域の物質を変換信号(3)により第二状態(2)へ変換し、この際に定義された領域(9)が放出され、
・第一状態の物質に付属されている光学測定信号(5)をそれぞれ適切に放出されて定義された領域(9)を包含する記録領域のために記録し、
・物質を第一状態へ変換する工程が試料(7)の異なる定義領域のために相前後して実施されることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
物質は蛋白質を包含する下位グループから選定されることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
物質は蛍光蛋白質を包含する下位グループから選定されることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
組織にマークを付けるために物質は遺伝子工学的方法で生物学的試料(7)に取り付けられることを特徴とする請求項1乃至20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
請求項1乃至20のいずれか一項に記載の方法を実施する際に蛍光顕微鏡を使用する使用方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−524071(P2007−524071A)
【公表日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505064(P2006−505064)
【出願日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【国際出願番号】PCT/EP2004/003767
【国際公開番号】WO2004/090617
【国際公開日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【出願人】(505377304)マックス−プランク−ゲゼルシャフト・ツーア・フェルデルング・デア・ヴィセンシャフテン・エー.ファウ. (4)
【Fターム(参考)】