説明

立体視覚効果印刷物の生産工程とその組成物

【課題】立体視覚効果印刷物の生産工程とその組成物の提供。
【解決手段】一種の立体視覚効果印刷物の生産工程とその組成物、主にインクに磁性粒子を加えて、印刷装置により磁性粒子を混合したインクを版下に塗布した後、磁性ジグにより、立体視覚効果の区域に磁気を発生させ、磁気粒子を吸着し集中することにより、立体視覚効果を実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一種の立体視覚効果印刷物、特に一種の磁気粒子と磁気体の相互作用により、立体視覚効果を実現する立体視覚効果印刷物の生産工程とその組成物に関わるものである。
【背景技術】
【0002】
従来の印刷技術は、シルクするリーン印刷、自動オフセット印刷、転写技術など、必要により、単色又は多色の上重ね印刷方法により、2次元の平面視覚効果であった。しかしながら、今日の新しい外観処理の需要に対して、従来の印刷技術は視覚印象の向上、又は立体視覚効果の表現が難しい。コンピュータの普及につれて、ほとんどの業者はコンピュータ分色を使用し、グレースケール方式の立体効果により、2次元の立体視覚効果を強化する。しかしながら、設備投資費用が膨大なため、応用するコストが大幅に増加する反面、模擬できる立体効果は非常に限られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
磁気粒子と磁気体との相互作用により、立体視覚効果を図る印刷物の生産工程とその組成物を提供することを本発明の主な目的である。
【0004】
前記の目的を達成するため、本発明の立体視覚効果印刷物の生産工程は、インクに磁気粒子を混合し、磁気体により磁気粒子を吸着集中させ、立体視覚効果の実現を図る。本発明の立体視覚効果印刷物は、主にインク65〜95%重量パーセント、磁気粒子5〜15%重量パーセントを混合し調製する。インクに染料を加えて、カラー調節しても良い。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、一種の立体視覚効果を有する印刷物の生産工程において、主に磁気粒子を混合調製したインクをスクリーンに塗布し、磁気体を立体成型区域のインク区域に置くことにより、該磁気体は、乾燥前のインクに含まれる磁気粒子を磁気区域に吸着集中させ、該区域に凸/凹表面を作り上げて、立体効果を形成することを特徴とする立体視覚効果印刷物の生産工程としている。
請求項2の発明は、一種の立体視覚効果を有する印刷物の生産工程において、以下の手順を備え、
外観設計者により最終外観が決定された後、立体印刷の設計作業を着手し、
立体視覚効果の位置に従い、磁力発生ジグを取り付け、
磁気粒子を適量にインクに調合し、調合したインクをスクリーン又は鉄版に注いで、印刷設備により立体視覚効果の印刷を仕上げ、
磁気ジグを外して、ベーキング作業を経て乾燥させることを特徴とする立体視覚効果印刷物の生産工程としている。
請求項3の発明は、請求項2記載の立体視覚効果印刷物の生産工程において、最後にウレタンまたは紫外線硬化インクを塗布し、ベーキングして、乾燥工程を含まれることを特徴とする立体視覚効果印刷物の生産工程としている。
請求項4の発明は、一種の立体視覚効果印刷物の組成物において、主にインク65〜95%重量パーセント、磁気粒子5〜35%重量パーセントを混合し調製する一種の立体視覚効果印刷物の組成物、ことを特徴とする立体視覚効果印刷物の組成物としている。
請求項5の発明は、請求項4記載の立体視覚効果印刷物の組成物において、該磁気粒子は三酸化第二鉄であることを特徴とする立体視覚効果印刷物の組成物としている。
請求項6の発明は、請求項4記載の立体視覚効果印刷物の組成物において、該インクは、ポリビニル(ポリ塩化ビニル)/ポリウレタン樹脂、イソフォロン、シクロヘキサノン、フェニル基アルキル溶液、エチレングリコール溶液を含まれることを特徴とする立体視覚効果印刷物の組成物としている。
請求項7の発明は、一種の立体視覚効果印刷物の組成物において、主にインク65〜90%重量パーセント、磁気粒子5〜30%重量パーセント及び染料5〜30%重量パーセントを混合し調製する、ことを特徴とする立体視覚効果印刷物の組成物としている。
【発明の効果】
【0006】
本発明は磁気粒子のインクと磁気体との相互作用により図画の立体視覚効果を実現する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1は、本発明の磁気粒子と磁気体との作用関係の概略図である。磁気粒子10を混合したインク11を印刷版12に塗布した上、磁気体13を立体表現必要な区域のインク11に設けることにより、磁気体13は乾燥前のインク11に含まれる磁気粒子10を磁気区域に吸着収集させ、該区域に凸/凹表面を作り上げて、立体効果を形成する。本発明の立体視覚効果印刷技術と従来の印刷技術と異なるところは、新たに印刷設備15の新規設計必要がなく、既設の印刷設備15が対応できる。引き続き、本発明の印刷物と組成物と磁気ジグ16により、磁気粒子10を吸着収集させ、3次元の立体視覚を形成する。
【0008】
本発明の印刷物の組成物は、65~95%重量パーセントのインク、5~15%重量パーセントの磁気粒子、及び5~30%重量パーセントの染料を混合調製することが好ましい。インク11に適量の磁気粒子10を添加し、インク11が乾燥する前に、磁気粒子10の磁気反応により、磁気粒子10の分布区域に立体効果を形成する。該磁気粒子10は、三酸化第二鉄が好ましい。
【0009】
本発明のもう一つの実施例において、印刷物の組成物は65〜95%重量パーセントのインク、5〜15%重量パーセントの磁気粒子を混合調製による。この場合は、白黒対比の表現において、インク11は原色のまま磁気粒子10に混合すれば良い。
【0010】
インク11は、ポリビニル(ポリ塩化ビニル)/ポリウレタン樹脂、イソフォロン、シクロヘキサノン、フェニル基アルキル溶液、エチレングリコール溶液を含まれる。
【0011】
図2は本発明の磁気発生ジグの構造概略図である。該ジグ16は磁石又は電気により磁気を発生させ、同極又は磁気強さ分布の異なるにより磁気粒子10の分布を改変する。磁気ジグ16を印刷版12の下部に取り付けることにより、内部吸着効果を発生し、インク11の凹み立体視覚効果を形成する。磁気ジグ16を印刷版12の上部に取り付けることにより、上部吸着効果を発生し、インク11の突き出す立体視覚効果を形成する。
【0012】
該磁気ジグ16は電気による磁力の発生は、コイル方式により実現できる(図2)。この方式は、磁気強度を調節することにより、様々な立体視覚効果を形成できる。
【0013】
インク11を印刷版12に塗布するとき、プリントスクリーンを印刷版12の上部に置く、インク11はプリントスクリーン又は鉄版の図画を印刷版12に塗布する。インク11に磁気粒子10を混合しているため、印刷版12に塗布したインク11は磁気体13の位置に従い、所定の位置に立体視覚効果を形成する。印刷設備15で印刷するとき、該印刷設備15にへら17又は転写設備を設ける。
【0014】
立体視覚印刷のインク11を乾燥した後、印刷品又は製品上に保護層14を塗布し、該保護層14はウレタン又は紫外線硬化インクの表面塗装により、印刷塗布層を保護し、立体視覚効果を強化する。図3、4は本発明の上部被せ式ジグの生産工程概略図である。スクリーン20に磁気粒子10を混合したインク11を混合し、仕上げる外観に従い、上部被せ式ジグ16を選択する。引き続き、印刷設備15に必要なスクリーン又は鉄版と立体視覚インクを組み合わせて印刷し、印刷完了後、印刷物にジグを被せておく、磁気により磁気粒子10の配列を改変する。該ジグ16は印刷物を15〜20秒間静置して、図画効果を成型した後に外して、ベーキング作業を経てインクを乾燥させる。
【0015】
図5は、本発明の内部吸着式ジグ生産工程の概略図である。本実施例において、内部吸着式の生産工程を説明する。スクリーン20に磁気粒子10を混合したインク11を混合し、仕上げる外観に従い、上部被せ式ジグ16を選択する。印刷対象物を内部吸着式ジグ16に置いた後、立体視覚インク11とスクリーン又は鉄版と組み合わせて、印刷設備15で印刷を行う。印刷完了後、印刷物をジグ16に15〜20秒間を静置、必要な図画効果を成型した後取り外し、ベーキング作業を経て印刷インクを乾燥させる。
【0016】
外観設計者により最終外観が決定された後、立体印刷の設計作業を開始できる。引き続き、必要な立体視覚効果の位置により磁気方向、極性と強度に基づいて、立体視覚効果磁気発生ジグ16を設計した上、外観要求により、適量の磁気粒子10のインク11を調合して、プリントスクリーン又は鉄版を印刷設備15に取り付けて使用する。
【0017】
最後の立体視覚効果インク11の乾燥作業は、オーブンにてベーキング方式を経て、インクを乾燥させる。引き続き立体視覚効果インク11の表面に塗布層に塗布して保護を施す。塗料は必要により、ウレタン、紫外線硬化又はレーザーインクなどを表面に塗布層を塗布するか、又は必要により、高光沢あるいは低光沢硬化インクを表面保護層14とする。印刷層に保護提供するほか、立体視覚効果を向上できる。
【0018】
図6は本発明の立体視覚効果印刷物の生産工程概略図である。外観設計者により、最終外観が決定された後、立体印刷の設計作業を着手する。引き続き、必要な立体視覚効果の位置により磁気方向、極性と強度に基づいて、立体視覚効果磁気発生ジグを設計した上、外観要求により、適量の磁気粒子のインクを調合して、プリントスクリーン又は鉄版を印刷設備に取り付けて使用する。調合したインクをスクリーン又は鉄版に加えて、印刷設備より立体視覚効果を印刷した上、磁気発生ジグにより磁気粒子を吸着させ、立体視覚効果を形成した後、磁気ジグを外して、ベーキング作業に移して、乾燥させる。最後にウレタン又は紫外線硬化インクなどの保護層を塗布及び乾燥した後、立体視覚効果の印刷物を仕上げる。
【0019】
本発明は使用するとき、外観によりネガフィルム、スクリーン、及び印刷ジク(必要な磁石の数、位置、磁気強度など)を制作するほか、必要な原料(インク65〜95%重量パーセント、磁気粒子5〜15%重量パーセント及び染料5〜30%重量パーセントの混合物)及び紫外線硬化インクを配置する。
【0020】
印刷のとき、原料をプリントスクリーンに注いでへらを2から4回往復して印刷を行った後、15〜20秒間静置し、磁気分子は磁石の磁気吸着効果により、所要の外観効果を形成し、間違いなく確認できた後、オーブンに移して20〜30分間ベーキング作業を経て印刷されたインクを乾燥させる。原料が乾燥した後、印刷物の表面に紫外線硬化インクを印刷ジクにより、立体視覚効果の図画上に保護層を形成して、再びオーブンに移して、20〜30分間ベーキング作業を行い、紫外線硬化インクを行い、立体視覚効果の印刷物作業を完了する(図7)。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の磁気粒子と磁気体との作用関係の概略図である。
【図2】本発明の磁気発生ジグの構造概略図である。
【図3】本発明の上部被せ式ジグの生産工程概略図である。
【図4】本発明の上部被せ式ジグの生産工程概略図である。
【図5】本発明の内部吸着式ジグの生産工程概略図である。
【図6】本発明の立体視覚効果印刷物生産工程の概略フロー図である。
【図7】本発明の立体視覚効果印刷物の製品概略図である。
【符号の説明】
【0022】
10 磁気粒子
11 インク
12 印刷版
13 磁気体
14 保護層
15 印刷設備
16 ジグ
17 へら
20 スクリーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一種の立体視覚効果を有する印刷物の生産工程において、主に磁気粒子を混合調製したインクをスクリーンに塗布し、磁気体を立体成型区域のインク区域に置くことにより、該磁気体は、乾燥前のインクに含まれる磁気粒子を磁気区域に吸着集中させ、該区域に凸/凹表面を作り上げて、立体効果を形成することを特徴とする立体視覚効果印刷物の生産工程。
【請求項2】
一種の立体視覚効果を有する印刷物の生産工程において、以下の手順を備え、
外観設計者により最終外観が決定された後、立体印刷の設計作業を着手し、
立体視覚効果の位置に従い、磁力発生ジグを取り付け、
磁気粒子を適量にインクに調合し、調合したインクをスクリーン又は鉄版に注いで、印刷設備により立体視覚効果の印刷を仕上げ、
磁気ジグを外して、ベーキング作業を経て乾燥させることを特徴とする立体視覚効果印刷物の生産工程。
【請求項3】
請求項2記載の立体視覚効果印刷物の生産工程において、最後にウレタンまたは紫外線硬化インクを塗布し、ベーキングして、乾燥工程を含まれることを特徴とする立体視覚効果印刷物の生産工程。
【請求項4】
一種の立体視覚効果印刷物の組成物において、主にインク65〜95%重量パーセント、磁気粒子5〜35%重量パーセントを混合し調製する一種の立体視覚効果印刷物の組成物、ことを特徴とする立体視覚効果印刷物の組成物。
【請求項5】
請求項4記載の立体視覚効果印刷物の組成物において、該磁気粒子は三酸化第二鉄であることを特徴とする立体視覚効果印刷物の組成物。
【請求項6】
請求項4記載の立体視覚効果印刷物の組成物において、該インクは、ポリビニル(ポリ塩化ビニル)/ポリウレタン樹脂、イソフォロン、シクロヘキサノン、フェニル基アルキル溶液、エチレングリコール溶液を含まれることを特徴とする立体視覚効果印刷物の組成物。
【請求項7】
一種の立体視覚効果印刷物の組成物において、主にインク65〜90%重量パーセント、磁気粒子5〜30%重量パーセント及び染料5〜30%重量パーセントを混合し調製する、ことを特徴とする立体視覚効果印刷物の組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−107567(P2008−107567A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−290309(P2006−290309)
【出願日】平成18年10月25日(2006.10.25)
【出願人】(506358247)三▲りつ▼有限公司 (1)
【Fターム(参考)】