説明

立体障害性アミンエーテルの製造

【課題】立体障害性アミンエーテル化合物の新規製法及び該化合物を光、酸化及び/又は熱に対する有機材料の安定化のために安定剤として使用する方法並びに相当する組成物の提供。
【解決手段】下記式(I)で表される化合物。該化合物は対応する酸素原子を含まない化合物を酸化することにより製造される。式中、R1ないしR4は種々の炭化水素基を表し、R5ないしR9は水素原子、種々の炭化水素基等を表し、そしてRは炭素原子2ないし500個を含み、該基が直接結合している炭素原子及び窒素原子と一緒に、置換された5、6または7員環環式構造を形成する有機架橋基を表す。式(I)で表される化合物は、例えば2,2,6,6−テトラメチルピペリジン構造を含む化合物である。該化合物のいくつかは難燃剤としても活性がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体障害性アミンエーテルを製造するための新しい方法、この種類の新しい化合物、それらを光、酸素および/または熱による分解に対する有機材料のための安定剤として使用することならびに相当する化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
特有の立体障害性アミン(HALS)化合物を安定剤として使用する有機材料の安定化に関しては、多くの刊行物に記載されている。有益な種類の立体障害性アミンは、窒素原子がヘテロ環式環の一部分であって、そして該窒素原子が酸素原子を超えて結合した付加的な有機置換基を有する化合物(NOR−ハルス;クルマダ等,J. Polym. Sci, Poly. Chem. 第22版,第277 ないし81頁(1984);米国特許第5204473号明細書)であり;適当な試薬を使用して遊離オキシル−またはヒドロキシルアミンをエーテル化することにより、これらの化合物に酸素−結合置換基が誘導される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5204473号明細書
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】クルマダ等,J. Polym. Sci, Poly. Chem. 第22版,第277 ないし81頁(1984)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
幾つかのN−アリルニトロキシドは、ある条件下でアミンエーテルに転位する(マイゼンハイマー転位;Chem. Ber. 52, 1667 (1919);Chem. Ber. 55, 513(1922))。アルケンおよびヒドロキシルアミンの形成を伴うニトロキシドの分裂(コープ除去(Cope elimination))は競争反応であり、その速度は立体障害性の増加と共に増加する(J. March, Advanced Organic Chemistry, 第IV版, Wiley, 1992 )。
【課題を解決するための手段】
【0006】
今や驚くべきことに、1−アリル−置換立体障害性アミンの酸化が、相当する1−アリルオキシ−置換生成物を効果的に誘導することが発見された。従って、本発明は次式I
【化1】


(式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は互いに独立して炭素原子数1ないし8のアルキル基または炭素原子数1ないし5のヒドロキシアルキル基を表すか、あるいはR1 およびR2 は該基が結合している炭素原子と一緒になって炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基を表すか、あるいはR3 およびR4 は該基が結合している炭素原子と一緒になって炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基を表し;
5 、R6 、R7 、R8 およびR9 は互いに独立して水素原子、炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数2ないし8のアルケニル基、炭素原子数5ないし12のアリール
基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、電子求引基;または炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ハロゲン原子から選択された残基により置換された炭素原子数6ないし12のアリール基を表し;そしてR7 およびR8 は一緒になって化学結合を形成していてもよく;そして
Rは、2ないし500個の炭素原子を含み、そして該基が直接的に結合している炭素原子および窒素原子と一緒になって、置換された5、6または7員環環式構造を形成する有機架橋基を表し;Rは好ましくは、窒素原子、酸素原子、リン原子、イオウ原子、ケイ素原子およびハロゲン原子から選択されたヘテロ原子の1ないし200個を所望により含む炭素原子数2ないし500の炭化水素基である。)で表される化合物の製造方法であって、そして
次式II
【化2】


(式中、全ての残基RおよびR1 ないしR9 は式Iで定義された通りである。)で表される化合物を酸化することを特徴とする方法に関する。
7 およびR8 は一緒になって、化学結合として式I中のアレン系二重結合および式II中の三重結合を形成する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
式Iおよび式IIで表される化合物ならびに更なる生成物において、R1 、R2 、R3 およびR4 は独立して好ましくはメチル基またはエチル基、特にメチル基を表す。
電子求引基としてのR5 、R6 、R7 、R8 およびR9 は、−CN、ニトロ基、ハロゲン原子または−COOR10(式中、R10は炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基またはフェニル基を表す。)を含む。電子求引基として好ましくは−CNまたは−COOR10(式中、炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基またはフェニル基を表し、特にR10は炭素原子数1ないし12のアルキル基またはシクロヘキシル基を表す。)である。
好ましくは、R5 、R6 、R7 、R8 およびR9 は独立して水素原子またはメチル基、特に水素原子を表す。また、R5 およびR6 が独立して水素原子またはメチル基、特に水素原子を表し、R7 、R8 およびR9 が独立してハロアルキル基、フェニル基、ビニル基、ニトロ基、CN、COOR10を表すか、またはR7およびR8 が一緒になって化学結合を形成する化合物も好ましい。
【0008】
架橋基Rに関して更に好ましくは、主に以下で式III、IVおよびVで表される化合物に関して記載される通りである。
【0009】
式II
(式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は互いに独立して炭素原子数1ないし8のアルキル基または炭素原子数1ないし5のヒドロキシアルキル基を表すか、あるいはR1 およびR2 は該基が結合している炭素原子と一緒になって炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基を表すか、あるいはR3 およびR4 は該基が結合している炭素原子と一緒になって炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基を表し;
5 、R6 、R7 、R8 およびR9 は互いに独立して水素原子、炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数3ないし8のアルケニル基、炭素原子数5ないし12のアリール
基、電子求引基;または炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ハロゲン原子により置換された炭素原子数6ないし12のアリール基を表し;そして
Rは、所望により窒素原子、酸素原子、リン原子、イオウ原子およびハロゲン原子から選択されたヘテロ原子を1ないし200個含み、そして2個の炭素原子および窒素原子と一緒になって、置換された6員環環式構造を形成する炭素原子数3ないし500の炭化水素基を表す。)で表される化合物を酸化することにより式Iで表される化合物を製造する方法が特に重要である。
【0010】
アリール基はデバイ−ヒュッケル則に従う基を表し;炭素原子数6ないし12のアリール基として好ましくはフェニル基およびナフチル基である。
アルキル基は分枝鎖または非分枝鎖の基であり、与えられた定義内で、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、2−エチルブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、1−メチルペンチル基、1,3−ジメチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、1,1,3,3−テトラメチルペンチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、1−メチルウンデシル基、ドデシル基、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルヘキシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、エイコシル基またはドコシル基を包括する。
【0011】
アルカノイル基は、カルボニル結合を超えて結合するアルキル基であり;従って、炭素原子数2ないし20のアルカノイル基はアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ヘキサノイル基、ステアオリル基を含む。
ハロアルキル基はハロゲン原子、例えば1または2個のハロゲン原子により置換されたアルキル基である。ハロゲン原子は好ましくは塩素原子または臭素原子、特に臭素原子である。
シクロアルキル基は飽和の一価の単環式炭化水素残基、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基であり;好ましくはシクロヘキシル基である。
【0012】
ヘテロ原子を含む有機残基または炭化水素基、例えば酸素またはNHのようなヘテロ基により中断されたアルキル基またはアルキレン基は、通常、オキソ基、オキサ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、エステル基、アミノ基、アミド基、ニトロ基、ニトリロ基、イソシアナト基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ホスフェート基、ホスホネート基、ホスフィット基、シリル基、チオ基、スルフィド基、スルフィニル基、スルホ基;ピロリル基、インジル基、カルボアゾリル基、フリル基、ベンゾフリル基、チオフェニル基、ベンゾチオフェニル基、ピリジル基、シノリル基、イソシノリル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、トリアジニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、チアゾリル基、オキサゾリル基および相当する飽和および/または不飽和基、例えばピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリニル基のようなヘテロ環式基のような代表的な官能基としてこれらのヘテロ原子を含む。それらは、これらの基の1個またはそれ以上により中断されていてもよく;順序に関わらず、通常、O−O、O−N(ニトロ基、シアナト基、イソシアナト基、ニトロソ基を除く)、N−N(ヘテロ環式環構造中を除く)、N−PまたはP−Pのような型の架橋は含まない。
【0013】
好ましくは、Rのようなヘテロ原子を含む有機残基または炭化水素基では、同じ炭素原子に単結合により結合した一個以上のヘテロ原子は存在しない。通常、一個またはそれ以上のヘテロ原子からなるスペーサーは炭素鎖または環に埋め込まれるか、あるいは炭素−
水素結合中に挿入される。
【0014】
式Iで表される化合物は、モノマーまたはポリマーであり得る。それらは、次式I’
【化3】


で表される基の1個またはそれ以上を含み、式I’で表される化合物がポリマーである場合、繰り返し構造単位において式I’で表される基を含む。
【0015】
式IIで表される出発化合物は当該分野において公知であり、公知の化合物と同様に得ることができる。本発明の方法は、単離した式IIで表される化合物から出発することが可能であるか、またはこれらの出発化合物の溶液を合成後に直接得られたものとして使用することが可能である。
【0016】
本発明の方法において、公知の酸化剤、例えば酸素、ペルオキシド、または他の酸化剤、例えばニトレート、ペルマンガネート、クロレート;好ましくはペルオキシド、例えば過酸化水素をベースとした系、特に過酸、例えば過安息香酸または過酢酸を使用して酸化反応を行うことが可能である。化学量論的量または過剰量で、例えば所望の生成物中、式I’で表されるそれぞれの基に対して1ないし2モルの活性酸素原子を使用することで、酸化剤は都合良く使用される。
【0017】
適当な溶媒、例えば芳香族または脂肪族炭化水素、アルコール、エステル、アミド、エーテルまたはハロゲン化炭化水素;例えばベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチレンクロリドの存在下で反応を行うことが可能であり;好ましくは炭素原子数1ないし4のアルコール、ベンゼン、トルエン、キシレンまたは塩素化炭素原子数1ないし6の炭化水素である。
【0018】
温度および圧力は決定的なものではなく、主に使用された酸化剤の系に依存し;好ましくは温度を反応の間−20℃および+40℃の間の範囲に維持する。都合良くは圧力を大気圧の付近、例えば0.5および1.5バールの間に維持し;酸化を気体酸素で行う場合、酸素または酸素/不活性ガスの圧力は大気圧を超えてもよい。
【0019】
本発明の方法では、式Iで表される生成物の前単離を伴って或は伴わず、当該分野で公知の更なる加工段階、例えばエチレン系二重結合の水素化、エチレン系二重結合のハロゲン化、例えば臭素化および/または重合を続けることが可能である。
【0020】
当該分野で公知の方法、例えば触媒条件下で気体水素を使用する反応または水素化剤を使用する反応によって、式Iで表される化合物におけるエチレン系二重結合(炭素−炭素二重結合)の水素化を行うことが可能である。好ましくは触媒による水素化であり;例えばPt、炭素のような支持体上のPt,Pd,Ni,Ru,Rhまたは支持体無し、ラネー−Ni(Raney-Ni) のような公知の触媒を使用できる。
【0021】
7 およびR8 が一緒になって化学結合を表す式Iで表される化合物中のアレン系二重結合の水素化は、二段階で進行する。最初の段階は部分的な水素化生成物を誘導し、それを単離することまたは更なる誘導を受けさせることが可能であり、それは次式IV
【化4】


(式中、R、R1 ないしR6 およびR9 は前述で定義した通りである。)に相当する。
【0022】
完全な水素化により次式III
【化5】


(式中、R、R1 ないしR6 およびR9 は式Iに関して前述で定義した通りであり、そしてR7 およびR8 は水素原子、炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数3ないし8のアルケニル基、炭素原子数5ないし12のアリール基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、電子求引基;または炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ハロゲン原子から選択された残基により置換された炭素原子数6ないし12のアリール基を表す。)で表される化合物が得られる。
【0023】
ハロゲン化は第二の追次反応であり、例えば J. March, Advanced Organic Chemistry:
Reaction mechanisms and Structure, 第4版,Wiley, 1992, 第812 頁に要約されているように、主に当該分野で公知である方法に従って適当な反応物を使用し、本発明の方法に続いて行うことが可能である。従ってハロゲン原子は式IまたはIVで表される化合物の炭素−炭素二重結合に付加し、α,β−ジハロゲン化生成物が得られる。ハロゲン試薬X2 (XはF、Cl、Br、Iを表すか、または好ましくはClまたはBrを表し、特にBrを表す。)を気体、液体または固体状態で、純粋な状態または溶液で使用することが可能である。適当なキャリアー担体またはソースを使用して、およその量で、反応の間にハロゲンを放出することも可能である。
【0024】
一般的な範囲、好ましくは0.5および約200バールの間、特に1および100バールの間の水素圧を使用して、当該分野で公知の方法により反応を行うことも可能である(1バール=105 Pa)。適当な溶媒、例えば水、炭化水素、例えばヘキサン、ガソリン留分、トルエン、キシレン、エステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素またはアルコール、例えばメタノールもしくはエタノールを使用して反応を行うことが可能である。溶媒なしで反応を行うことも可能である。温度は決定的なものではなく、そして主に−10℃および約150℃の間、例えば0℃および溶媒の沸点の間の範囲、例えば0ないし100℃または20ないし80℃の範囲である。
【0025】
従って本発明は、式V
【化6】


(式中、R、R1 、R2 、R3 およびR4 、R5 、R6 およびR9 は式Iに関して定義された通りであり、
7 およびR8 は水素原子、炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数3ないし8のアルケニル基、炭素原子数5ないし12のアリール基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、ハロゲン原子、電子求引基;または炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ハロゲン原子から選択された残基により置換された炭素原子数6ないし12のアリール基を表し;そして
20およびR21の両方は水素原子かハロゲン原子のどちらかを表す。)で表される化合物の製造方法であって;式IIで表される化合物を酸化し、そして得られた式Iで表される中間体を水素化および/またはハロゲン化することを特徴とする方法にも関する。
【0026】
水素化および/またはハロゲン化する前に式Iの更に他の構造となるように式Iで表される中間体を誘導する方法、例えばエステル化、二量化、三量化または重合の方法で;あるいは式Iで表される中間体に最初に水素化を受けさせ、更に誘導する方法、例えばエステル化、二量化、三量化または重合の方法で、上述の方法を行うことも可能である。
【0027】
式V
(式中、Rは、2ないし500個の炭素原子を含み、そして該基が直接的に結合している炭素原子および窒素原子と一緒になって、置換された5、6または7員環環式構造を形成する有機架橋基を表し;
1 、R2 、R3 およびR4 は互いに独立して炭素原子数1ないし8のアルキル基または炭素原子数1ないし5のヒドロキシアルキル基を表すか、あるいはR1およびR2 は該基が結合している炭素原子と一緒になって炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基を表すか、あるいはR3 およびR4 は該基が結合している炭素原子と一緒になって炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基を表し;
5 、R6 およびR9 は互いに独立して水素原子、炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数3ないし8のアルケニル基、炭素原子数5ないし12のアリール基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、電子求引基;または炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ハロゲン原子から選択された残基により置換された炭素原子数6ないし12のアリール基を表し;
7 およびR8 は水素原子、炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数3ないし8のアルケニル基、炭素原子数5ないし12のアリール基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、ハロゲン原子、電子求引基;または炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ハロゲン原子から選択された残基により置換された炭素原子数6ないし12のアリール基を表し;そしてR20およびR21の両方は水素原子またはハロゲン原子を表す。)で表される化合物の製造方法が好ましい。
本発明の方法の最も好ましい生成物は、更に以下に記載される式IIIc、IVaおよびVaである。
【0028】
一般的に、本発明の方法の全ての生成物を、光、酸素および熱の有害な影響に対する有機材料のための安定剤として使用することが可能である。式I、Ia、III、IVおよびVで表される化合物が特に有用である。最良の結果は式III〔式中、R、R1 、R2 、R3 およびR4 は式Iに関して定義された通りであり、そしてR5 、R6 、R7 、R8 およびR9 は互いに独立して水素原子、炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数2ないし8のアルケニル基、炭素原子数5ないし12のアリール基、CN、COOR10(R10は式Iに関して定義された通りである。)を表すか、または炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ハロゲン原子から選択された残基により置換された炭素原子数6ないし12のアリール基を表す。〕で表される化合物により達成される。本発明の化合物により最も効果的に安定化される有機材料は以下に示す有機
ポリマー材料、例えばコーティングおよび熱可塑性バルクポリマー、フィルムまたは繊維である。ポリマーが害虫駆除剤、例えばイオウ原子および/またはハロゲン原子を含む害虫駆除剤と接触する場合、本発明の方法の生成物は光および害虫駆除剤の有害な影響に対する安定化の両方を達成する。これは特に、農業の用途で使用されるポリマー、例えばフィルム、テープまたは繊維のようなもの、主にポリオレフィン、例えばPEまたはPPまたはポリオレフィンコポリマーのために重要である。この用途のために好ましい化合物は式III、特に以下で式IIIcで表されるものである。
【0029】
本発明の方法の生成物の全てに関する重要な効用性は、紙およびパルプ、特にまだリグニンを含有する紙またはパルプの黄色化に対する安定化である。例えば、国際特許WO第98/04381号明細書および対応する米国特許通し番号第09/119567号明細書ならびにそれらに引用されている刊行物に記載された通り、本発明の生成物を使用することができる。式IIIで表されるモノマー化合物、例えば、式中、Rが炭素原子数3ないし12のアルキレン基もしくはO、NH、OCOまたはNHCOにより中断された炭素原子数4ないし12のアルキレン基を表し、R1 ないしR4 はメチル基またはエチル基、特にメチル基を表し、そしてR5 ないしR9 はそれぞれ水素原子または炭素原子数1ないし4のアルキル基、特に水素原子を表すものを使用することが、この用途のために最も好ましく;例えば1−プロピルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−プロピルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オンまたは本発明の実施例4aの生成物(以下参照)である。
【0030】
更に、有機ポリマーのための難燃剤として有効に本発明の方法の生成物を使用することができる。従って、本発明の生成物を使用することにより、有機ポリマーは光、酸素および熱の有害な影響に対して安定化されると同時にポリマーの燃焼性は効果的に減少する。本発明の生成物を、例えば国際特許WO第98/13469号明細書および対応する米国特許通し番号第09/104718号明細書およびそれらに引用された刊行物ならびに欧州特許第792911号または米国特許第5393812号に記載された通りに使用することができる。この用途に関して最も好ましくは、式IIIまたはVで表される化合物、特に、R5 、R6、R7 、R8 、R9 、R20またはR21の少なくとも1個がハロゲン原子、特に臭素原子で表される以下の式IIIcまたは式Vで表されるものを使用することである。本発明の化合物を単独で、あるいは例えばハロゲン化、リン、臭素、ケイ素、およびアンチモン化合物、金属ヒドロキシド、金属ヒドレートおよび金属オキシドから選択された難燃剤化合物またはそれらの混合物のような公知の難燃剤との組合せで、難燃剤として使用できる。
【0031】
式IIIで表される化合物のいくつかは、光、酸素および熱の有害な影響に対する有機材料のための安定剤として特に良好に適当であることが更に発見された。
【0032】
従って、本発明は
A)酸化、熱および/または化学線作用による分解を受けやすい有機ポリマー、および
B)次式IIIa、IVaまたはVa
【化7】


〔式中、R’およびRのそれぞれは次式
【化8】


で表される有機架橋基を表し;
2 は−CO−または−(CH2 p −(式中、Pは0、1または2である。)を表し;E1 は2個の残基R24およびR25を有する炭素原子を表すか、あるいは>N−R25を表すか、あるいは酸素原子を表し、そしてR24およびR25は水素原子または有機残基を表し、架橋基Rは全体で2ないし500の炭素原子を含み、外気が直接結合している炭素原子および窒素原子と一緒になって、置換された5、6または7員環環式構造を形成することを特徴とし;
1 、R2 、R3 およびR4 は互いに独立して炭素原子数1ないし8のアルキル基または炭素原子数1ないし5のヒドロキシアルキル基を表すか、あるいはR1およびR2 は該基が結合している炭素原子と一緒になって炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基を表すか、あるいはR3 およびR4 は該基が結合している炭素原子と一緒になって炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基を表し;
5 、R6 、R7 、R8 およびR9 は互いに独立して水素原子、炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数2ないし8のアルケニル基、炭素原子数5ないし12のアリール基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、電子求引基;または炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ハロゲン原子から選択された残基により置換された炭素原子数6ないし12のアリール基を表し;
20およびR21はハロゲン原子を表し;そして
22およびR23は水素原子を表すか、または一緒になって化学結合を表す。〕で表される化合物の少なくとも一種からなる組成物も供給する。
【0033】
通常、式IIIa中のR’は架橋基
【化9】


(式中、R24およびR25は一緒になって=Oを表すか、またはR24は水素原子を表し、そしてR25は水素原子またはヒドロキシ基を表す。)を表さない。
R’は窒素原子、酸素原子、リン原子、イオウ原子およびハロゲン原子から選択されたヘテロ原子を1ないし200個含み、炭素原子の2個および窒素原子と一緒になって、置換された5または6員環環式構造を形成する炭素原子数7ないし500の炭化水素基を表し、そしてR1 、R2 、R3 およびR4 は上述で定義された通りである式IIIaが好ましい。
【0034】
本発明は更に、酸化、熱または化学線作用による分解に対して有機ポリマーを安定化するための式IIIaで表される化合物の使用に関してを供給する。同様に本発明は、式IIIaで表される化合物の少なくとも1種をポリマーに添加することからなる、熱、酸化および/または化学線作用による分解に対して有機ポリマーを安定化させる方法からなる。
【0035】
以下の分類(a’)ないし(i’)に、立体障害性アミンのより詳細な例を記載する。(a’)次式(1a)
【化10】


(式中、n1 は1ないし4の数であり、GおよびG1 は互いに独立して水素原子またはメチル基を表し、
11はn−プロポキシ基、O−CH=C=CH2 、O−CH=CH−CH3 またはハロゲン化n−プロポキシ基、特にn−プロポキシ基または臭化n−プロポキシ基を表し、そして
1 が1の場合、G12は水素原子、酸素原子の1個またはそれ以上により中断されていない又は中断されている炭素原子数1ないし18のアルキル基、シアノエチル基、ベンゾイル基、グリシジル基;脂肪族、脂環族、芳香族脂肪族、不飽和または芳香族カルボン酸、カルバミン酸またはリン含有酸の一価の基または一価のシリル基、好ましくは2ないし18個の炭素原子を有する脂肪族カルボン酸の基、7ないし15個の炭素原子を有する脂環族カルボン酸の基、または3ないし5個の炭素原子を有するα,β−不飽和カルボン酸の基、7ないし15個の炭素原子を有する芳香族カルボン酸の基を表し、それぞれのカルボン酸は−COOZ12基の1ないし3個により脂肪族、脂環族または芳香族部分に置換されることができ、ここではZ12は水素原子、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数3ないし12のアルケニル基、炭素原子数5ないし7のシクロアルキル基、フェニル基またはベンジル基を表し、
1 が2の場合、G12は炭素原子数2ないし12のアルケニル基、炭素原子数4ないし12のアルケニレン基、キシリレン基;脂肪族、脂環族、芳香族脂肪族または芳香族ジカルボン酸、ジカルバミン酸またはリン含有酸の二価の基または二価のシリル基、好ましくは2ないし36個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸の基、8ないし14個の炭素原子を有する脂環族または芳香族ジカルボン酸の基または8ないし14個の炭素原子を有する脂肪族、脂環族または芳香族ジカルバミン酸の基を表し、それぞれのジカルボン酸は−C
OOZ12基の1または2個により脂肪族、脂環族または芳香族部分に置換されることができ、
1 は3の場合、G12は−COOZ12基により脂肪族、脂環族または芳香族部分に置換されることができる脂肪族、脂環族または芳香族トリカルボン酸の三価の基、芳香族トリカルバミン酸の三価の基またはリン含有酸の三価の基または三価のシリル基を表し、そしてn1 が4の場合、G12は脂肪族、脂環族または芳香族テトラカルボン酸の四価の基を表す。)で表される化合物。
【0036】
上述のカルボン酸基は、それぞれの場合において式(−CO)x Rで表される基を意味し、xは上述で定義された通りであり、Rの意味は与えられた定義から生じる。
20個までの炭素原子を有するアルキル基は、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基またはn−オクタデシル基である。
【0037】
いくつかのG12の基の例を以下に示す。
12がカルボン酸の一価の基である場合、それは例えばアセチル基、カプロイル基、ステアロイル基、アクリロイル基、メタクロイル基、ベンゾイル基またはβ−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル基である。
12が一価のシリル基である場合、それは例えば式−(Cj 2j)−Si(Z’)2 Z”(式中、jは2ないし5の範囲内の整数であり、Z’およびZ”は互いに独立して炭素原子数1ないし4のアルキル基または炭素原子数1ないし4のアルコキシ基を表す。)で表される基である。
【0038】
12がジカルボン酸の二価の基である場合、それは例えばマロニル基、スクシニル基、グルタリル基、アジポイル基、スベロイル基、セバコイル基、マレオイル基、イタコニル基、フタロイル基、ジブチルマロニル基、ジベンジルマロニル基、ブチル(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロニル基またはビシクロヘプテンジカルボニル基または次式
【化11】


で表される基である。
12がトリカルボン酸の三価の基である場合、それは例えばトリメルリトイル基、シトリル基またはニトリロトリアセチル基である。
【0039】
12がテトラカルボン酸の四価の基である場合、それは例えばブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸またはピロメルリト酸の四価の基である。
12がジカルバミン酸の二価の基である場合、それは例えばヘキサメチレンジカルバモイル基または2,4−トルイレンジカルバモイル基である。
GおよびG1 が水素原子を表し、G11が水素原子またはメチル基を表し、n1が2であ
り、そしてG12が4ないし12個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸のジアシル基である式(Ia)で表される化合物が好ましい。
【0040】
(b’)次式(1b)
【化12】


(式中、GおよびG1 は互いに独立して水素原子またはメチル基を表し、G11はn−プロポキシ基を表し、
13は水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子数2ないし5のヒドロキシアルキル基、炭素原子数5ないし7のシクロアルキル基、炭素原子数7ないし8のアルアルキル基、炭素原子数1ないし18のアルカノイル基、炭素原子数3ないし5のアルケノイル基、ベンゾイル基または次式(1b−1)
【化13】


で表される基で表され、
2 は数1、2または3であり;
そしてn2 が1である場合、G14は水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基、炭素原子数3ないし8のアルケニル基、炭素原子数5ないし7のシクロアルキル基;水素原子、シアノ基、アルコキシカルボニル基またはカルバミド基により置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基;グリシジル基、式−CH2−CH(OH)−Zまたは式−CONH−Zで表される基を表し、式中Zは水素原子、メチル基またはフェニル基を表し;
2 が2である場合、G14は炭素原子数2ないし12のアルキレン基、炭素原子数6ないし12のアリーレン基、キシリレン基、−CH2 −CH(OH)−CH2 の基または−CH2 −CH(OH)−CH2 −O−D−O−の基を表し、式中Dは炭素原子数2ないし10のアルキレン基、炭素原子数6ないし15のアリーレン基、炭素原子数6ないし12のシクロアルキレン基を表し、但しG13がアルカノイル基、アルケノイル基またはベンゾイル基ではない場合、G14は代わりとして1−オキソ−炭素原子数2ないし12のアルキレン基、脂肪族、脂環族もしくは芳香族ジカルボン酸またはジカルバミン酸の二価の基を表すか、または代わりとして−CO−基を表し、
2 が3である場合、G14は次式
【化14】


で表される基を表すか、あるいは、
2 が1である場合、G13およびG14は一緒になって脂肪族、脂環族または芳香族1,2−または1,3−ジカルボン酸の二価の基を表すことができる。)で表される化合物。
【0041】
基G13、G14およびDに関する幾つかの例を以下に示す。
アルキル置換基はいずれも(a’)に関して定義された通りである。
炭素原子数5ないし7のシクロアルキル置換基はいずれも、特に、シクロヘキシル基を表す。
炭素原子数7ないし8のアルアルキル基としてG13は、特にフェニルエチル基、または特にベンジル基を表す。
炭素原子数2ないし5のヒドロキシアルキル基としてのG13は特に2−ヒドロキシエチル基または2−ヒドロキシプロピル基である。
【0042】
炭素原子数1ないし18のアルカノイル基としてのG13は、例えばホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、オクタノイル基、ドデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基であるが、好ましくはアセチル基であり、炭素原子数3ないし5のアルケノイル基としてのG13は特にアクリロイル基である。
炭素原子数2ないし8のアルケニル基としてのG14は、例えばアリル基、メタリル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基または2−オクテニル基である。
【0043】
ヒドロキシル−、シアノ−、アルコキシカルボニル−またはカルバミド−置換炭素原子数1ないし4のアルキル基としてG14は、例えば2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−シアノエチル基、メトキシカルボニルメチル基、2−エトキシカルボニルエチル基、2−アミノカルボニルプロピル基または2−(ジメチルアミノカルボニル)エチル基であってよい。
炭素原子数2ないし12のアルキレン基はいずれも、例えばエチレン基、プロピレン基、2,2−ジメチルプロピレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基またはドデカメチレン基である。
炭素原子数6ないし15のアリーレン置換基はいずれも、例えばo−、m−またはp−フェニレン基、1,4−ナフチレン基または4,4’−ジフェニレン基である。
【0044】
炭素原子数6ないし12のシクロアルキレン基は特にシクロヘキシレン基である。
1−オキソ−炭素原子数2ないし12のアルキレン基としてのG14は、好ましくは次式
【化15】


で表される基である。
好ましくは式(1b)で表される化合物であり、式中n2 は1または2であり、GおよびG1 は水素原子を表し、G13は水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基または次式
【化16】


の基を表し、n2 が1の場合、G14は水素原子または炭素原子数1ないし12のアルキル基を表し、n2 が2の場合、G14は炭素原子数2ないし8のアルキレン基または1−オキソ−炭素原子数2ないし8のアルキレン基を表す。
【0045】
(c’)次式(1c)
【化17】


(式中、n3 は数1または2であり、G、G1 およびG11は(b’)において定義された通りであり、そしてn3 が1の場合、G15は炭素原子数2ないし8のアルキレン基、炭素原子数2ないし8のヒドロキシアルキレン基または炭素原子数4ないし22のアシロキシアルキレン基を表し、そしてn3 が2の場合、G15は(−CH2 2 C(CH2 −)2 の基を表す。)で表される化合物。
炭素原子数2ないし8のアルキレン基または炭素原子数2ないし8のヒドロキシアルキレン基としてのG15は、例えばエチレン基、1−メチルエチレン基、プロピレン基、2−エチルプロピレン基または2−エチル−2−ヒドロキシメチルプロピレン基である。
炭素原子数4ないし22のアシロキシアルキレン基としてのG15は、例えば2−エチル−2−アセトキシメチルプロピレン基である。
【0046】
(d’)次式(1d−1)、(1d−2)または(1d−3)
【化18】


(式中、n4 は数1または2であり、G、G1 およびG11は(b’)において定義された通りであり、G16は水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基、アリル基、ベンジル基、グリシジル基または炭素原子数2ないし6のアルコキシアルキル基を表し、そして、
4 が1である場合、G17は水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子
数3ないし5のアルケニル基、炭素原子数7ないし9のアルアルキル基、炭素原子数5ないし7のシクロアルキル基、炭素原子数2ないし4のヒドロキシアルキル基、炭素原子数2ないし6のアルコキシアルキル基、炭素原子数6ないし10のアリール基、グリシジル基または式−(CH2 )p−COO−Qもしくは式−(CH2 )p−O−CO−Qで表される基を表し、式中pは1または2であり、Qは炭素原子数1ないし4のアルキル基またはフェニル基を表し、そして、
4 が2である場合、G17は炭素原子数2ないし12のアルキレン基、炭素原子数4ないし12のアルケニレン基、炭素原子数6ないし12のアリーレン基、−CH2 −CH(OH)−CH2 −O−D’−O−CH2 −CH(OH)−CH2−(式中D’は炭素原子数2ないし10のアルキレン基、炭素原子数6ないし15のアリーレン基、炭素原子数6ないし12のシクロアルキレン基を表す。)で表される基または−CH2 CH(OD’’)CH2 −(OCH2 −CH(OD’’)CH2 2 −(式中D’’は水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基、アリル基、ベンジル基、炭素原子数2ないし12のアルカノイル基またはベンゾイル基を表す。)で表される基を表し、
1 およびT2 は互いに独立して水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基あるいは無置換あるいはハロゲンまたは炭素原子数1ないし4のアルキル置換炭素原子数6ないし10のアリール基もしくは炭素原子数7ないし9のアルアルキル基を表すか、あるいはT1 およびT2 はそれらが結合している炭素原子で一緒になって炭素原子数5ないし14のシクロアルカン環を形成する。)で表される化合物。
式(1d−3)で表される化合物が好ましい。
【0047】
式(1d−1)、(1d−2)および(1d−3)における幾つかの変例を以下に示す。
炭素原子数1ないし12のアルキル置換基はいずれも、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基またはn−ドデシル基である。
炭素原子数1ないし18のアルキル置換基はいずれも、例えば上述に示した基で表され、そして加えて、例えばn−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基またはn−オクタデシル基も表す。
【0048】
炭素原子数2ないし6のアルコキシアルキル置換基はいずれも、例えばメトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、第三ブトキシメチル基、エトキシエチル基、エトキシプロピル基、n−ブトキシエチル基、第三ブトキシエチル基、イソプロポキシエチル基またはプロポキシプロピル基である。
炭素原子数3ないし5のアルケニル基としてのG17は、例えば1−プロペニル基、アリル基、メタリル基、2−ブテニル基または2−ペンテニル基である。
炭素原子数7ないし9のアルアルキル基としてのG17、T1 およびT2 は特にフェネチル基または特にベンジル基である。T1 およびT2 が炭素原子で一緒になってシクロアルカン環を形成する場合、例えばこれはシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタンまたはシクロドデカン環であることが可能である。
【0049】
炭素原子数2ないし4のヒドロキシアルキル基としてのG17は、例えば2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシブチル基または4−ヒドロキシブチル基である。
炭素原子数6ないし10のアリール基としてのG17、T1 およびT2 は、特に無置換もしくはハロゲン原子もしくは炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換されたフェニル基またはα−もしくはβ−ナフチル基である。
炭素原子数2ないし12のアルキレン基としてのG17は、例えばエチレン基、プロピレン基、2,2−ジメチルプロピレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメ
チレン基、デカメチレン基またはドデカメチレン基である。
炭素原子数4ないし12のアルケニレン基としてG17は、特に2−ブテニレン基、2−ペンテニレン基または3−ヘキセニレン基である。
【0050】
炭素原子数6ないし12のアリーレン基としてのG17は、例えばo−、m−またはp−フェニレン基、1,4−ナフチレン基または4,4’−ジフェニレン基である。
炭素原子数2ないし12のアルカノイル基としてのD’’は、例えばプロピオニル基、ブチリル基、オクタノイル基、ドデカノイル基であるが、アセチル基が好ましい。
炭素原子数2ないし10のアルキレン基、炭素原子数6ないし15のアリーレン基または炭素原子数6ないし12のシクロアルキレン基としてのD’は、例えば(b’)においてDのために与えられた定義の一つを有する。
【0051】
(e’)次式(1e)
【化19】


〔式中n5 は数1または2であり、そしてG18は次式
【化20】


または
【化21】


(式中GおよびG11は(b’)において定義された通りであり、G1 およびG2は水素原子、メチル基または一緒になって置換基=Oを表し、Eは−O−または−ND’’’−を表し、Aは炭素原子数2ないし6のアルキレン基または−(CH2 3 −O−を表し、X1 は数0または1であり、D’’’は水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子数2ないし5のヒドロキシアルキル基または炭素原子数5ないし7のシクロアルキル基を表す。)で表される基を表し、
19はG18と同様であるか、あるいは−N(G21)(G22)、−OG23、−N(H)(CH2 OG23)または−N(CH2 OG232 の基の一つを表し、
nが1の場合、G20はG18またはG19と同様であり、そしてnが2の場合、G20は−E−DIV−E−(式中DIVは炭素原子数2ないし8のアルキレン基または−N(G21)−の基の1つ又は2つにより鎖が中断されている炭素原子数2ないし8のアルキレン基を表す。)で表される基を表し、
21は炭素原子数1ないし12のアルキル基、シクロヘキシル基、ベンジル基または炭素原子数1ないし4のヒドロキシアルキル基あるいは次式
【化22】


または
【化23】


で表される基を表し、
22は炭素原子数1ないし12のアルキル基、シクロヘキシル基、ベンジル基または炭素原子数1ないし4のヒドロキシアルキル基を表し、そしてG23は水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基またはフェニル基を表すか、あるいはG21およびG22は一緒になって炭素原子数4ないし5のアルキレン基または炭素原子数4ないし5のオキサアルキレン基、例えば−CH2 CH2 OCH2 CH2−または式−CH2 CH2 N(G11)CH2 CH2 −の基を表す。〕で表される化合物。
【0052】
式(Ie)における幾つかの変例を以下に示す。
炭素原子数1ないし12のアルキル置換基はいずれも、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基またはn−ドデシル基である。
ヒドロキシアルキル置換基はいずれも、例えば2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシブチル基または4−ヒドロキシブチル基である。
炭素原子数5ないし7のシクロアルキル置換基はいずれも、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基またはシクロヘプチル基である。シクロヘキシル基が好ましい。
炭素原子数2ないし6のアルキレン基としてのAは、例えばエチレン基、プロピレン基、2,2−ジメチルプロピレン基、テトラメチレン基またはヘキサメチレン基である。
21およびG22が一緒になって炭素原子数4ないし5のアルキレン基またはオキサアルキレン基である場合、例えばテトラメチレン基、ペンタメチレン基または3−オキサペンタメチレン基である。
【0053】
この種類からのポリアルキルピペリジン化合物の例は次式で表される化合物である。
【化24】

【0054】
(f’)次式(1f)
【化25】


(式中G11は(b’)において定義された通りである。)で表される化合物。
【0055】
(g’)2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン基を含む繰り返し構造単位を有するオリゴマーまたはポリマー化合物であり、特にポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリアミン、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミノトリアジン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミドおよびそれらのコポリマーであってそのような基を含むもの。
この種類からの2,2,6,6−ポリアルキルピペリジン化合物の例は以下の式で表される化合物であり、式中m1 ないしm14は2ないし約200の数であり、好ましくは2ないし100、例えば2ないし50、2ないし40または3ないし40または4ないし10である。
オリゴマーまたはポリマー化合物において遊離原子価で飽和した末端基の定義は、該化合物を製造するために使用された方法に依存して、以下に示される。化合物の合成後に末端基を変性することも可能である。
【0056】
例えば、次式(1g−1)
【化26】


〔式中、指数nは1ないし15の範囲にわたり、特に3ないし9の範囲にわたり;
12は炭素原子数2ないし12のアルキレン基、炭素原子数4ないし12のアルケニレン基、炭素原子数5ないし7のシクロアルキレン基、炭素原子数5ないし7のシクロアルキレンジ(炭素原子数1ないし4のアルキレン)基、炭素原子数1ないし4のアルキレンジ(炭素原子数5ないし7のシクロアルキレン)基、フェニレンジ(炭素原子数1ないし4のアルキレン)基あるいは1,4−ピペラジンジイル基、−O−または>N−X1 (式中、X1 は炭素原子数1ないし12のアシル基または(炭素原子数1ないし12のアルコキシ)カルボニル基を表すか、または水素原子を除いて以下に与えられるR14の定義の一つを有する。)により中断された炭素原子数4ないし12のアルキレン基を表すか、
あるいはR12は次式(Ib’)または(Ic’)
【化27】


(式中、mは2または3であり、
2 は炭素原子数1ないし18のアルキル基、未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル基の1、2もしくは3個により置換された炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基;未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル基もしくは炭素原子数1ないし4のアルコキシ基の1、2もしくは3個により置換されたフェニル基;未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル基の1、2もしくは3個によりフェニル基上に置換された炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基を表し;そして
基X3 は互いに独立して炭素原子数2ないし12のアルキレン基を表す。)で表される基を表し;
基Bは互いに独立してCl、−OR13、−N(R14)(R15)または次式(IIId)
【化28】


で表される基を表し;
13、R14およびR15は同一または異なっており、水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基;未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル基の1、2もしくは3個により置換された炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基;炭素原子数3ないし18のアルケニル基;未置換または炭素原子数1ないし4個のアルキル基もしくは炭素原子数1ないし4のアルコキシ基の1、2もしくは3個により置換されたフェニル基;未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル基の1、2もしくは3個によりフェニル基上に置換された炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基;テトラヒドロフルフリル基、または2、3もしくは4位に−OH、炭素原子数1ないし8のアルコキシ基、ジ(炭素原子数1ないし4のアルキル)アミノ基または次式(Ie’)
【化29】


(式中、Yは−O−、−CH2 −、−CH2 CH2 −または>N−CH3 を表す。)で表される基により置換された炭素原子数2ないし4のアルキル基を表すか;
または−N(R14)(R15)は付加的に式(Ie’)で表される基を表し;
Xは−O−または>N−R16を表し;
16は水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基、炭素原子数3ないし18のアルケニル基、未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル基の1、2もしくは3個により置換された炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基;未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル基の1、2もしくは3個によりフェニル基上に置換された炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基;テトラヒドロフルフリル基、次式(IIIf)
【化30】


で表される基、または2、3もしくは4位に−OH、炭素原子数1ないし8のアルコキシ基、ジ(炭素原子数1ないし4のアルキル)アミノ基または式(Ie’)で表される基により置換された炭素原子数2ないし4のアルキル基を表し;
11はR16に関して与えられた定義の一つを有する。〕で表される化合物である。
【0057】
これらの化合物において、トリアジン残基に結合した末端基は、例えば基Bまたは−N(R11)−R12−B、例えば塩素原子または次式
【化31】


で表される基を表すことができ;
ジアミノ基に結合した末端基は、例えば水素原子またはジ−B−置換トリアジニル基、例えば次式
【化32】


または
【化33】


で表される基を表すことができる。
【0058】
トリアジン残基に結合した塩素原子を、例えば−OHまたはアミノ基で置き換えること
は都合よい。適当なアミノ基は代表的に:ピロリジン−1−イル基、モルホリノ基、−NH2 、−N(炭素原子数1ないし8のアルキル)2 および−NY’(炭素原子数1ないし8のアルキル)(式中、Y’は水素原子または次式
【化34】


で表される基を表す。)である。
【0059】
上述で示されたオリゴマーおよびポリマー化合物において、
アルキル基の例は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、2−エチルブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、1−メチルペンチル基、1,3−ジメチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、1,1,3,3−テトラメチルペンチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、1−メチルウンデシル基、ドデシル基、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルヘキシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、エイコシル基およびドコシル基であり;
シクロアルキル基の例はシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基およびシクロオクチル基であり;
例えば7ないし9のフェニルアルキル基の例はベンジル基であり;そして
アルキレン基の例は、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、2,2−ジメチルトリメチレン基、ヘキサメチレン基、トリメチルヘキサメチレン基、オクタメチレン基およびデカメチレン基である。
【0060】
(h’)次式(1h)
【化35】


(式中、n6 は1または2の数であり、GおよびG11は(a’)において定義された通りであり、そしてG14は(b’)において定義された通りである。)で表される化合物。
【0061】
(i’)次式(1i)
【化36】


〔式中、基G39は互いに独立して、次式(1i−1)
【化37】


(式中、G40は炭素原子数1ないし12のアルキル基または炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基を表し、G41は炭素原子数2ないし12のアルキレン基を表し、そしてG42は水素原子、炭素原子数1ないし8のアルキル基、−O・、−CH2 CN、炭素原子数3ないし6のアルケニル基、炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基;炭素原子数1ないし4のアルキル基によりフェニル基上に置換された炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基;または炭素原子数1ないし8のアシル基を表す。)で表される基を表す。〕で表される化合物。
【0062】
アルキル基は、例えば炭素原子数1ないし4のアルキル基、特にメチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基である。
シクロアルキル基は好ましくはシクロヘキシル基である。
アルキレン基は、例えばエチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、2,2−ジメチルトリメチレン基またはヘキサメチレン基である。
アルケニル基は好ましくはアリル基である。
フェニルアルキル基は好ましくはベンジル基である。
アシル基は好ましくはアセチル基である。
【0063】
次式IIIb
【化38】


(式中、
基Aは互いに独立して−OR13、−N(R14)(R15)又は次式(IIId)
【化39】


で表される基を表し;
Xは−O−または>N−R16を表し;
16は水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基、炭素原子数3ないし18のアルケニル基、未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル基の1,2もしくは3個により
置換された炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基;未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル基の1,2もしくは3個によりフェニル基上に置換された炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基;テトラヒドロフルフリル基、次式(IIIf)
【化40】


で表される基を表すか、
あるいは2、3もしくは4位に−OH、炭素原子数1ないし8のアルコキシ基、ジ(炭素原子数1ないし4のアルキル)アミノ基または式(Ie’)で表される基により置換された炭素原子数2ないし4のアルキル基を表し;
11はR16に関して与えられた定義の一つを有し;そして
基Bは互いに独立してAに関して与えられた定義の一つを有し;ここでは式(Ie’)および全ての他の記号は式Iaに関して上述で定義された通りである。)で表される化合物が特に好ましい。
個々の繰り返し単位における基B、R11およびR12は、与えられた意味の範囲内で同一であるか又は異なってよい。
【0064】
(j’)次式(2a)
【化41】


(式中、
1 、R2 、R3 およびR4 は互いに独立して炭素原子数1ないし8のアルキル基または炭素原子数1ないし5のヒドロキシアルキル基を表すか、あるいはR1およびR2 は該基が結合している炭素原子と一緒になって炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基を表すか、あるいはR3 およびR4 は該基が結合している炭素原子と一緒になって炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基を表す。)で表される化合物。
【0065】
本発明の水素化生成物の特有の例は以下の化合物を含む。
1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドン,
1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドール,
ビス(1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−(3’,5’−ジ−第三ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)ブチルマロネート,
ビス(1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート,ビス(1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート,
N,N’−ビス(1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサン−1,6−ジアミン,
N−ブチル−1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジンアミン,5−(1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−2−シクロ−ウンデシルオキサゾール,
1,6−ヘキサンジイル−N,N’−ビス(1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−ホルムアミド),
1,5−ジオキサスピロ(5,5)ウンデカン−3,3−ジカルボン酸ビス(1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)エステル,
1,5,8,12−テトラキス(2’,4’−ビス(1’’−プロポキシ−2’’,2’’,6’’,6’’−テトラメチル−4’’−ピペリジル(ブチル)アミノ)−1’,3’,5’−トリアジン−6’−イル)1,5,8,12−テトラアザドデカン,
1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペラジン−3−オン−4−イル)アミノ)−s−トリアジン,
【0066】
N,N’−ビス(1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンおよび4−第三オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの直鎖または環式縮合物,
トリス(1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート,
テトラキス(1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレート,
1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス−(4−プロポキシ−3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン),
4−ベンゾイル−1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン,
4−ステアリルオキシ−1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン,
3−n−オクチル−8−プロポキシ−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4.5〕デカン−2,4−ジオン,
N,N’−ビス(1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンおよび4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの直鎖または環式縮合物,
2−クロロ−4,6−ビス−(4−n−ブチルアミノ−1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンおよび1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合物,
8−プロポキシ−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4.5〕デカン−2,4−ジオン,
3−ドデシル−1−(1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン,
【0067】
4−ヘキサデシロキシ−および4−ステアリルオキシ−1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物,
N,N’−ビス(1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンおよび4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの縮合生成物,
1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンおよび2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンならびに4−ブチルアミノ−1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合生成物;
N−(1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド,
2−ウンデシル−8−プロポキシ−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ〔4,5〕デカン,
8−プロポキシ−7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ〔4,5〕デカンおよびエピクロロヒドリンの反応生成物,
N,N’−ビス−ホルミル−N,N’−ビス(1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン,
ポリ〔メチル−プロピル−3−オキシ−4−(1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジル)〕シロキサン,
マレイン酸無水物−α−オレフィン−コポリマーと1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジンとの反応生成物;または
次式
【化42】


(式中、Rは次式
【化43】


で表される。)で表される化合物。
【0068】
有機材料を光、酸素および/または熱の有害な影響に対して安定化するために、特に合成有機ポリマーまたはそれらを含む組成物を安定化するために、式I、IIIおよびV、特にIIIaおよびIIIbで表される化合物を有効に使用することができる。それらは、高い熱安定性、基材適合性および基材における良好な耐久性に関して注目に値する。
【0069】
この方法で安定化することができるポリマーの例は以下の通りである。
1.モノオレフィンおよびジオレフィンのポリマー、例えばポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブト−1−エン、ポリ−4−メチルペント−1−エン、ポリイソプレンまたはポリブタジエン、並びにシクロオレフィン、例えばシクロペンテンまたはノルボルネンのポリマー、ポリエチレン(所望に架橋されることができる。)、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度および高分子量ポリエチレン(HDPE−HMW)、高密度および超高分子量ポリエチレン(HDPE−UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、(VLDPE)および(ULDPE)。
ポリオレフィン、すなわち前段落において例示されたモノオレフィンのポリマー、好ましくはポリエチレンおよびポリプロピレンを、様々な方法によって、そして特に以下の方法によって製造することができる。
【0070】
a)ラジカル重合(通常、高圧下および高温で)。
b)通常、周期表のIVb、Vb、VIbまたはVIII群の金属原子の1種またはそれ以上を含む触媒を使用する触媒重合。これらの金属原子は通常1個またはそれ以上の、代表的にはπ−またはσ−配位され得るオキシド、ハライド、アルコレート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニルおよび/またはアリールのようなリガンドを有する。これらの金属錯体は遊離状態または代表的には活性化塩化マグネシウム、塩化チタン(III)、アルミナまたは酸化ケイ素のような基材上に固定され得る。これらの触媒は重合媒体中に可溶または不溶であり得る。触媒は重合においてそれら自身で使用されることができ、または代表的には金属アルキル、金属ヒドライド、金属アルキルハライド、金属アルキルオキシドまたは金属アルキルオキサンのようなさらなる活性化剤が使用されることができ、該金属原子は周期表のIa、IIaおよび/またはIIIa群の元素である。活性化剤はさらなるエステル、エーテル、アミンまたはシリルエーテル基を用いて都合よく変性され得る。これらの触媒系は通常、フィリップス(Phillips)、スタンダード オイル インディアナ(StandardOil Indiana)、チグラー
(−ナッタ)(Ziegler(−Natta))、TNZ(デュポン(DuPont))、メタロセンまたはシングルサイト触媒(single site catalyst)(SSC)と命名される。
【0071】
2.1)以下で上記されたポリマーの混合物、例えばポリプロピレンとポリイソブチレンとの混合物、ポリプロピレンとポリエチレン(例えばPP/HDPE、PP/LDPE)および異なる型のポリエチレンの混合物(例えばLDPE/HDPE)。
【0072】
3.モノオレフィンおよびジオレフィンの相互または他のビニルモノマーとのコポリマー、例えばエチレン/プロピレンコポリマー、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)およびそれらと低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン/ブテ−1−エンコポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブテ−1−エンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/アルキルアクリレートコポリマー、エチレン/アルキルメタクリレートコポリマー、エチレン/ビニルアセテートコポリマーおよびそれらと一酸化炭素とのコポリマーまたはエチレン/アクリル酸コポリマーおよびそれらの塩(アイオノマー)並びにエチレンとプロピレンおよびヘキサジエン、ジシクロペンタジエンまたはエチリデン−ノルボルネンのようなジエンとのターポリマー、
およびそのようなコポリマー相互および1)において上記されたポリマーとの混合物、例えばポリプロピレン/エチレン−プロピレンコポリマー、LDPE/エチレン−ビニルアセテートコポリマー(EVA)、LDPE/エチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)、LLDPE/EVA、LLDPE/EAAおよび交互またはランダムポリアルキレン/一酸化炭素コポリマーおよびそれらと例えばポリアミドのような他のポリマーとの混合物。
【0073】
4.炭化水素樹脂(例えば炭素原子数5ないし9)であって、それらの水素化変性物(例えば粘着付与剤)を含むもの、およびポリアルキレンおよび澱粉の混合物。
5.ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)。
6.スチレンまたはα−メチルスチレンとジエンまたはアクリル誘導体とのコポリマー、例えばスチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/アルキルメタクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルアクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルメタクリレート、スチレン/無水マレイン酸、スチレン/アクリロニトリル/メチルアクリレート、スチレンコポリマーおよび他のポリマー、例えばポリアクリレート、ジエンポリマーまたはエチレン/プロピレン/ジエンターポリマーの高衝撃強度性の混合物、および
スチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレンまたはスチレン/エチレン/プロピレン/スチレンのようなスチレンのブロックコポリマー。
【0074】
7.スチレンまたはα−メチルスチレンのグラフトコポリマー、例えばポリブタジエンにスチレン、ポリブタジエン−スチレンまたはポリブタジエン−アクリロニトリルコポリマーにスチレン、
ポリブタジエンにスチレンおよびアクリロニトリル(またはメタアクリロニトリル)、
ポリブタジエンにスチレン、アクリロニトリルおよびメチルメタクリレート、
ポリブタジエンにスチレンおよび無水マレイン酸、
ポリブタジエンにスチレン、アクリロニトリルおよび無水マレイン酸またはマレイミド、ポリブタジエンにスチレンおよびマレイミド、
ポリブタジエンにスチレンおよびアルキルアクリレートまたはメタクリレート、エチレン/プロピレン/ジエンターポリマーにスチレンおよびアクリロニトリル、
ポリアルキルアクリレートまたはポリアルキルメタクリレートにスチレンおよびアクリロニトリル、アクリレート/ブタジエンコポリマーにスチレンおよびアクリロニトリル、並びにそれらの6)以下に列挙されたコポリマーとの混合物、例えば、ABS、MBS、ASAまたはAESポリマーとして知られているコポリマー混合物。
【0075】
8.ハロゲン含有ポリマー、例えばポリクロロプレン、塩素化ゴム、イソブチレン−イソプレンの塩素化および臭素化コポリマー(ハロブチルゴム)、塩素化またはスルホ塩素化ポリエチレン、エチレンおよび塩素化エチレンのコポリマー、エピクロロヒドリン ホモ−およびコポリマー、特にハロゲン含有ビニル化合物のポリマー、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、並びにそれらのコポリマー、例えば塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/ビニルアセテートまたは塩化ビニリデン/ビニルアセテートコポリマー。
9.α,β−不飽和酸から誘導されたポリマーおよびポリアクリレート並びにポリメタクリレートのようなそれらの誘導体、ブチルアクリレートで耐衝撃変性された(impact−modified)ポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミドおよびポリアクリロニトリル。
10.9)以下で述べられたモノマーの相互または他の不飽和モノマーとのコポリマー、例えばアクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/アルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル/アルコキシアルキルアクリレートまたはアクリロニトリル/ビニルハライドコポリマーまたはアクリロニトリル/アルキルメタクリレート/ブタジエンターポリマー。
【0076】
11.不飽和アルコールおよびアミンから誘導されたポリマーまたはアシル誘導体またはそれらのアセタール、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリビニルステアレート、ポリビニルベンゾエート、ポリビニルマレエート、ポリビニルブチラル、ポリアリルフタレートまたはポリアリルメラミン、並びに1)において上記されたオレフィンとのそれらのコポリマー。
12.ポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドのような環式エーテルのホモポリマーおよびコポリマーまたはそれらのビスグリシジルエーテルとのコポリマー。
13.ポリオキシメチレンのようなポリアセタールおよびコモノマーとしてエチレンオキシドを含むそれらのポリオキシメチレン、熱可塑性ポリウレタン、アクリレートまたはMBSで変性されたポリアセタール。
14.ポリフェニレンオキシドおよびスルフィド、およびポリフェニレンオキシドとスチレンポリマーまたはポリアミドとの混合物。
【0077】
15.一方の成分としてヒドロキシル末端基で終了されたポリエーテル、ポリエステルまたはポリブタジエン、および他方の成分として脂肪族または芳香族ポリイソシアナートから誘導されたポリウレタン、並びにそれらの前駆物質。
16.ジアミン並びにジカルボン酸および/またはアミノカルボン酸または対応するラクタムから誘導されたポリアミドおよびコポリアミド、例えばポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、ポリアミド11、ポリアミド12、m−キシレンジアミンおよびアジピン酸から出発した芳香族ポリアミド、ヘキサメチレンジアミンおよびイソフタル酸または/およびテレフタル酸から変性剤としてエラストマーを用いてまたは用いずに製造されたポリアミド、例えばポリ−2,4,4−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミドまたはポリ−m−フェニレンイソフタルアミド、およびまた上記されたポリアミドとポリオレフィン、オレフィンコポリマー、アイオノマーまたは化学結合もしくはグラフトされたエラストマー、またはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはポリテトラメチレングリコールのようなポリエーテルとのブロックコポリマー、並びにEPDMまたはABSで変性されたポリア
ミドまたはコポリアミド、および加工の間に縮合されたポリアミド(RIMポリアミド系)。
17.ポリ尿素、ポリイミド、ポリアミド−イミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリヒダントインおよびポリベンズイミダゾール。
【0078】
18.ジカルボン酸並びにジオールおよび/またはヒドロキシカルボン酸または対応するラクトンから誘導されたポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチロールシクロヘキサンテレフタレートおよびポリヒドロキシベンゾエート、並びにヒドロキシル末端基で終了されたポリエーテルから誘導されたブロックコポリエーテルエステル、およびまたポリカーボネートまたはMBSで変性されたポリエステル。
19.ポリカーボネートおよびポリエステルカーボネート。
20.ポリスルホン、ポリエーテルスルホンおよびポリエーテルケトン。
21.一方の成分としてアルデヒド、および他方の成分としてフェノール、尿素およびメラミンから誘導された架橋ポリマー、例えばフェノール/ホルムアルデヒド樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂およびメラミン/ホルムアルデヒド樹脂。
【0079】
22.乾式および不乾式アルキド樹脂。
23.飽和および不飽和ジカルボン酸と多価アルコールおよび架橋剤としてのビニル化合物とのコポリエステルから誘導された不飽和ポリエステル樹脂、およびまた低燃焼性のそれらのハロゲン含有変性物。
24.置換されたアクリレートから誘導された架橋可能なアクリル樹脂、例えばエポキシアクリレート、ウレタンアクリレートまたはポリエステルアクリレート。
25.メラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアナート、イソシアヌレート、ポリイソシアナートまたはエポキシ樹脂で架橋されたアルキド樹脂、ポリエステル樹脂およびアクリレート樹脂。
【0080】
26.脂肪族、環式脂肪族、ヘテロ環式または芳香族グリシジル化合物から誘導された架橋エポキシ樹脂、例えばビスフェノールAおよびビスフェノールFのジグリシジルエーテルの生成物であって、無水物またはアミンのような慣用の硬化剤と、促進剤を用いてまたは用いずに架橋されたもの。
27.上記されたポリマーのブレンド(ポリブレンド)、例えばPP/EPDM、ポリアミド/EPDMまたはABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリレート、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR、POM/アクリレート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA6.6およびコポリマー、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/PC/ABSまたはPBT/PET/PC。
【0081】
合成有機ポリマー、例えばコーティングまたはバルクポリマーあるいはそれらから形成された物品において、特に熱可塑性ポリマーおよび相当する組成物において、ならびにコーティング組成物において、安定剤として式IIIaで表される化合物を使用することが特に興味深い。本発明の組成物で最も重要な熱可塑性ポリマーは、ポリオレフィンおよびそのコポリマー、例えば上述の項目1ないし3に記載されたもの、熱可塑性ポリオレフィン(TPO)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性ゴム(TPR)、ポリカーボネート、例えば上述の項目19に記載されたもの、およびブレンド、例えば上述の項目28に記載されたものである。最も重要なものは、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP):ポリカーボネート(PC)およびポリカーボネートブレンド、例えばPC/ABSブレンドであり、ならびに酸または金属触媒コーティング組成物においてである。
【0082】
一般的に、(安定化される材料を基準として)0.1ないし10%、好ましくは0.01ないし5%、特に0.01ないし2%の量で、本発明の化合物を安定化される材料に添加する。特に0.05ないし1.5%、特に0.1ないし0.5%の量で新規化合物を使用することが好ましい。本発明の化合物を難燃剤として使用する場合、添加量は通常高く、例えば安定化され、そして燃焼に対して保護される有機材料に対して0.1ないし25重量%、主に0.1ないし10重量%である。
【0083】
当該分野で慣用な方法により、例えば式I、IIIa、IV、Vで表される化合物および所望により更なる添加剤を混合することまたは適用することにより、材料への混成を行うことが可能である。ポリマー、特に合成ポリマーを伴う場合、成形操作の前または間に、あるいは続く溶媒の除去を伴ってまたは伴わずにポリマーに溶解または分散させた化合物を使用することにより混成を行うことができる。エラストマーの場合、ラテックスとして安定化させることも可能である。更に、ポリマー中に式IIIaで表される化合物を混成することに関しては、相当するモノマーの重合の前、間または直後に、あるいは架橋の前に、それらを添加することも可能である。これに関して、式IIIaで表される化合物をそのまま、もしくはカプセル化された形状(例えば、ワックス、オイルまたはポリマー中にカプセル化された形状)で添加することができる。重合の前または間に添加する場合、式IIIaで表される化合物は、ポリマー鎖長の調節剤(鎖末端)としても作用することが可能である。
【0084】
式IIIaで表される化合物を、例えば安定化されるポリマーに対して2.5ないし25重量%の濃度で該化合物を含むマスターバッチの形状で添加することもできる。
【0085】
以下に示す方法により、式IIIaで表される化合物を妥当に混成することができる。・乳濁液または分散液(例えばラテックスまたは乳化ポリマー)として
・付加的な成分またはポリマー混合物の混合間の乾式混合物として
・加工装置(例えば押出機、内部混合機など)中への直接的な導入により
・溶液または溶融物として
【0086】
例えばフィルム、繊維、テープ、成形材料、異形材を製造するために、またはコーティング材料、粘着剤もしくはパテのバインダーとして、新規ポリマー組成物を様々な形状で使用することおよび/または様々な製品を製造するために加工することができる。
【0087】
式IIIaで表される化合物に加えて、新規組成物は付加的な成分Cとして例えば以下に示されるような慣用の添加剤の1種またはそれ以上を含み得る。
1.酸化防止剤
1.1.アルキル化モノフェノール、例えば、
2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェノール、2−第三ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−メトキシメチルフェノール、直鎖または側鎖において枝分れ鎖であるノニルフェノール、例えば、2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルウンデシ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルヘプタデシ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルトリデシ−1’−イル)フェノールおよびそれらの混合物。
1.2.アルキルチオメチルフェノール、例えば、
2,4−ジオクチルチオメチル−6−第三ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメ
チル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジ−ドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
【0088】
1.3.ヒドロキノンおよびアルキル化ヒドロキノン、例えば、
2,6−ジ−第三ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−第三ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−第三アミルヒドロキノン、2,6−ジ−フェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−第三ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート。
1.4.トコフェロール、例えば、
α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロールおよびそれらの混合物(ビタミンE)。
1.5.ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、例えば、
2,2’−チオビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(3,6−ジ−第二アミルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド。
【0089】
1.6.アルキリデンビスフェノール、例えば、
2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−第三ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−第三ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−第三ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−第三ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3−ビス(3’−第三ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−6−第三ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン。
【0090】
1.7.O−、N−およびS−ベンジル化合物、例えば、
3,5,3’,5’−テトラ−第三ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−第三ブチ
ル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート。
1.8.ヒドロキシベンジル化マロネート、例えば、
ジオクタデシル−2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジオクタデシル−2−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート。
【0091】
1.9.芳香族ヒドロキシベンジル化合物、例えば、
1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
1.10.トリアジン化合物、例えば、
2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート。
【0092】
1.11.ベンジルホスホネート、例えば、
ジメチル−2,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩。
1.12.アシルアミノフェノール、例えば、
4−ヒドロキシラウリン酸アニリド、4−ヒドロキシステアリン酸アニリド、N−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバミン酸オクチルエステル。
【0093】
1.13.β−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸の以下の一価または多価アルコールとのエステル
アルコール例、メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン。
1.14.β−(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸の以下の一価または多価アルコールとのエステル
アルコール例、メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン。
【0094】
1.15.β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸の以下の一価または多価アルコールとのエステル
アルコール例、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン。
1.16.3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸の以下の一価または多価アルコールとのエステル
アルコール例、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン。
【0095】
1.17.β−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えば、
N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N’−ビス[2−(3−[3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(ユニロイヤル(Uniroyal)社によって供給される登録商標ナウガードXL−1(Naugard XL−1))。
1.18.アスコルビン酸(ビタミンC)
【0096】
1.19.アミン系酸化防止剤、例えば、
N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N
’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−第三オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えばp,p’−ジ−第三オクチルジフェニルアミン、4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ−第三ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2−ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o−トリル)ビグアニド、ビス[4−(1’,3’−ジメチルブチル)フェニル]アミン、第三オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノ−およびジアルキル化第三ブチル/第三オクチルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化第三ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノ−およびジアルキル化第三ブチル/第三オクチルフェノチアジンの混合物、モノ−およびジアルキル化第三オクチルフェノチアジンの混合物、N−アリルフェノチアジン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,4−ジアミノブテ−2−エン、N,N−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジ−4−イル)ヘキサメチレンジアミン、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジ−4−イル)セバケート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジノ−4−オン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジノ−4−オール。
【0097】
2.UV吸収剤および光安定剤
2.1.2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、例えば、
2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−第二ブチル−5’−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−第三アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)−カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール
、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾル−2−イルフェノール]、2−[3’−第三ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換生成物、次式[R−CH2 CH2 −COOCH2 CH2 −]2 −[式中、Rは3’−第三ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾル−2−イルフェニル基を表す。]で表されるもの、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(α,α−ジメチルベンジル)−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−5’−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール。
【0098】
2.2.2−ヒドロキシベンゾフェノン、例えば、
4−ヒドロキシ、4−メトキシ、4−オクチルオキシ、4−デシルオキシ、4−ドデシルオキシ、4−ベンジルオキシ、4,2’,4’−トリヒドロキシおよび2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ誘導体。
2.3.置換および未置換安息香酸のエステル、例えば、
4−第三ブチル−フェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−第三ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−第三ブチルフェニル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートおよび2−メチル−4,6−ジ−第三ブチルフェニル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート。
【0099】
2.4.アクリレート、例えば、
エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、イソオクチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−α−カルボメトキシシンナメート、メチル−α−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、ブチル−α−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、メチル−α−カルボメトキシ−p−メトキシシンナメートおよびN−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチルインドリン。
2.5.ニッケル化合物、例えば、
2,2’−チオ−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]のニッケル錯体、例えば1:1または1:2錯体であって、n−ブチルアミン、トリエタノールアミンまたはN−シクロヘキシルジエタノールアミンのようなさらなる配位子を伴うまたは伴わないもの、ニッケルジブチルジチオカルバメート、4−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルベンジルホスホン酸のモノアルキルエステル、例えばメチルまたはエチルエステルのニッケル塩、例えば2−ヒドロキシ−4−メチルフェニルウンデシルケトキシムのようなケトキシムのニッケル錯体、1−フェニル−4−ラウロイル−5−ヒドロキシピラゾールのニッケル錯体であって、さらなる配位子を伴うまたは伴わないもの。
【0100】
2.6.立体障害アミン、例えば、
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル) n−ブチル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンおよびスクシン酸の縮合生成物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンおよび4−第三オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの直鎖または環式縮合生成物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレート、1,1’−(1,2−エタンジイル)ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンおよび4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの直鎖または環式縮合生成物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンおよび1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合生成物、2−クロロ−4,6−ジ−(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンおよび1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合生成物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−および4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンおよび4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの縮合生成物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンおよび2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン並びに4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合生成物(CAS Reg. No.[136504−96−6])、N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ[4.5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ[4.5]デカンおよびエピクロロヒドリンの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エタン、N,N’−ビス−ホルミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシメチレン−マロン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル−3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、マレイン酸無水物−α−オレフィン−コポリマーと2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジンまたは1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンとの反応生成物。
【0101】
2.7.オキサミド、例えば、
4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジエトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−第三ブトキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−第三ブトキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−第三ブチル−2’−エトキサニリド、およびその2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−第三ブトキサニリドとの混合物、o−およびp−メトキシ−二置換オキサニリドの混合物、
およびo−およびp−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物。
【0102】
2.8.2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、例えば、
2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシ−プロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシ−プロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシ−プロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ)フェニル−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシ−プロポキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2−{2−ヒドロキシ−4−[3−(2−エチルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル}−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン。
【0103】
3.金属奪活剤、例えば、
N,N’−ジフェニルオキサミド、N−サリチラル−N’−サリチロイルヒドラジン、N,N’−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N’−ジアセチルアジポイルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)オキサリルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジド。
【0104】
4.ホスフィットおよびホスホナイト、例えば、
トリフェニルホスフィット、ジフェニルアルキルホスフィット、フェニルジアルキルホスフィット、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、トリラウリルホスフィット、トリオクタデシルホスフィット、ジステアリルペンタエリトリトールジホスフィット、トリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスフィット、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ジイソデシルオキシペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4,6−トリス(第三ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、トリステアリルソルビトールトリホスフィット、テトラキス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,
10−テトラ−第三ブチル−12H−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−第三ブチル−12−メチル−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスフィット、2,2’,2’’−ニトリロ[トリエチルトリス(3,3’,5,5’−テトラ−第三ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスフィット]、2−エチルヘキシル(3,3’,5,5’−テトラ−第三ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスフィット。
【0105】
特に好ましいものは以下のホスフィットである。
トリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスフィット(登録商標イルガホス(Irgafos) 168 :チバ−ガイギー(Ciba-Geigy)社製)、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット。
【化44】

【0106】
5.ヒドロキシルアミン、例えば、
N,N−ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、水素化牛脂アミンから誘導されたN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン。
6.ニトロン、例えば、
N−ベンジル−α−フェニル−ニトロン、N−エチル−α−メチル−ニトロン、N−オクチル−α−ヘプチル−ニトロン、N−ラウリル−α−ウンデシル−ニトロン、N−テトラデシル−α−トリデシル−ニトロン、N−ヘキサデシル−α−ペンタデシル−ニトロン、N−オクタデシル−α−ヘプタデシル−ニトロン、N−ヘキサデシル−α−ヘプタデシル−ニトロン、N−オクタデシル−α−ペンタデシル−ニトロン、N−ヘプタデシル−α−ヘプタデシル−ニトロン、N−オクタデシル−α−ヘキサデシル−ニトロン、水素化牛脂アミンから誘導されたN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンから誘導されたニトロン。
【0107】
7.チオ相乗剤、例えば、
ジラウリルチオジプロピオネートまたはジステアリルチオジプロピネート。
8.過酸化物捕捉剤、例えば、
β−チオジプロピオン酸のエステル、例えば、ラウリル、ステアリル、ミリスチルまたはトリデシルエステル、メルカプトベンズイミダゾールまたは2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩、亜鉛ジブチルジチオカルバメート、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリトリトールテトラキス(β−ドデシルメルカプト)プロピオネート。
9.ポリアミド安定剤、例えば、
ヨウ化物および/またはリン化合物との組合せによる銅塩ならびに二価のマンガン塩。
【0108】
10.塩基性補助安定剤、例えば、
メラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、トリアリルシアヌレート、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン、ポリアミド、ポリウレタン、高級脂肪酸のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、例えばカルシウムステアレート、亜鉛ステアレート、マグネシウムベヘネート、マグネシウムステアレート、ナトリウムリシノレートおよびカリウムパルミテート、アンチモンピロカテコレートまたは亜鉛ピロカテコレート。
11.核剤、例えば、
タルクのような無機材料、二酸化チタン、酸化マグネシウムのような金属酸化物、ホスフェート、カーボネートまたはサルフェートであって、好ましくはアルカリ土類金属のもの、モノ−またはポリカルボン酸のような有機化合物およびそれらの塩、例えば、4−第三ブチル安息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸、ナトリウムスクシネートまたはナトリウムベンゾエート、イオン性コポリマー(”アイオノマー”)のようなポリマー性化合物。
【0109】
12.充填剤および強化剤、例えば、
炭酸カルシウム、シリケート、ガラス繊維、ガラス球、アスベスト、タルク、カオリン、雲母、バリウムサルフェート、金属オキシドおよびヒドロキシド、カーボンブラック、グラファイト、木粉および他の天然生成物の粉末または繊維、合成繊維。
13.その他の添加剤、例えば、
可塑剤、潤滑剤、乳化剤、顔料、流動添加剤、触媒、流れ調整剤、蛍光増白剤、難燃剤、帯電防止剤および発泡剤。
【0110】
14.ベンゾフラノンおよびインドリノン、例えば、
米国特許第4325863号明細書、米国特許第4338244号明細書、米国特許第5175312号明細書、米国特許第5216052号明細書、米国特許第5252643号明細書、ドイツ特許第4316611号明細書、ドイツ特許第4316622号明細書
、ドイツ特許第4316876号明細書、欧州特許第0589839号明細書もしくは欧州特許第0591102号明細書に記載されているものや、あるいは3─[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ−第三ブチル−ベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−第三ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラン−2−オン、3,3’−ビス[5,7−ジ−第三ブチル−3−(4−[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラン−2−オン]、5,7−ジ−第三ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラン−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−第三ブチル−ベンゾフラン−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ−第三ブチル−ベンゾフラン−2−オン、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−第三ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(2,3−ジメチルフェニル)−5,7−ジ第三ブチル−ベンゾフラン−2−オン。
【0111】
安定化される材料を基準として、0.1ないし10重量%、例えば0.2ないし5重量%の量で、慣用の添加剤は妥当に使用される。
【0112】
本発明の安定剤混合物に添加される任意の補助安定剤は、好ましくは更なる光安定剤、例えば2−ヒドロキシフェニル−ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシフェニル−トリアゾール、ベンゾフェノンまたはオキサルアニリド類のもの、例えば欧州特許第453396号明細書、欧州特許第434608号明細書、米国特許第5298067号明細書、WO第94/18278号明細書、英国特許第2297091号明細書およびWO第96/28431号明細書に記載されたもの、ならびに/あるいは次式
【化45】


(式中、Gは水素原子またはメチル基、特に水素原子を表す。)で表される基を少なくとも1個含む2,2,6,6−テトラアルキルピペリジンから誘導された更なる立体障害性アミンであり、本発明の混合物に対して補助安定剤として使用できるテトラアルキルピペリジン誘導体の例は、欧州特許第356677号明細書、第3ないし17頁、a)ないしf)項に記載されている。該先行文献は本記載の一部であるとみなされる。
【0113】
同様に、コーティング、例えばペイントのための安定剤として式IIIaで表される化合物を含む新規混合物を使用することは特に興味深い。従って、本発明は、成分(A)がコーティングのためのフィルム形成バインダーであるそれらの組成物にも関する。
新規コーティング組成物は好ましくは、100重量部の固体バインダー(A)に対して、0.01ないし10重量部の(B)、特に0.05ないし10重量部の(B)、とりわけ0.1ないし5重量部の(B)からなる。
外側の層で新規安定剤(成分(B))の濃度を比較的高くし得る場合、例えば100重量部の固体バインダー(A)に対して、1ないし15重量部の(B)、特に3ないし10重量部の(B)とし得る場合、ここでは複合層の系もまた可能である。
【0114】
コーティングにおける新規安定剤の使用は、離層すなわち基材からのコーティングの剥がれを妨ぐ付加的な利点を伴う。この利点は、金属性基材上の複合層の系を含む金属性基材の場合、特に重要である。
原則として、バインダー(成分(A))は工業的に慣用であるいずれのバインダーであってよく、例えばUllmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry,第5版,A18巻,第368ないし426頁,VCH, Weinheim 1991に記載されているようなものである。一
般的に、それは熱可塑性または熱硬化性樹脂、特に熱硬化性樹脂をベースとしたフィルム形成バインダーである。それらの例はアルキッド、アクリル、ポリエステル、ポリフェノール、メラミン、エポキシおよびポリウレタン樹脂ならびにそれらの混合物である。
【0115】
成分(A)は、常温−硬化性または高温−硬化性となることが可能であり;硬化触媒を添加することは有効である。バインダーの硬化を促進する適当な触媒は、例えばUllmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, A18巻,第469頁,VCH, Verlagsgesellschaft, Weinheim 1991 に記載されている。
成分(A)が官能性アクリレート樹脂および架橋剤からなるバインダーであるコーティング組成物が好ましい。
【0116】
特有のバインダーを含むコーティング組成物の例を以下に示す。
1.所望により硬化触媒を伴う、常温−または高温−架橋アルキッド、アクリレート、ポリエステル、エポキシまたはメラミン樹脂あるいはそれらの樹脂の混合物をベースとするペイント;
2.ヒドロキシル−含有アクリレート、ポリエステルまたはポリエーテル樹脂および脂肪族または芳香族イソシアネート、イソシアヌレートもしくはポリイソシアネートをベースとする二成分ポリウレタンペイント;
3.所望によりメラミン樹脂の添加を伴って焼成の間に脱ブロック化(deblocked)されたブロック化イソシアネート、イソシアヌレートもしくはポリイソシアネートをベースとする一成分ポリウレタンペイント;
4.トリスアルコキシカルボニルトリアジン架橋剤およびヒドロキシル基含有樹脂、例えばアクリレート、ポリエステルまたはポリエーテル樹脂をベースとする一成分ポリウレタンペイント;
【0117】
5.所望により硬化触媒を伴うウレタン構造中に遊離アミノ基を有する脂肪族または芳香族ウレタンアクリレートまたはポリウレタンアクリレートおよびメラミン樹脂またはポリエーテル樹脂をベースとする一成分ポリウレタンペイント;
6.(ポリ)ケトイミンおよび脂肪族または芳香族イソシアネート、イソシアヌレートまたはポリイソシアネートをベースとする二成分ペイント;
7.(ポリ)ケトイミンおよび不飽和アクリレート樹脂またはポリアセトアセテート樹脂あるいはメタクリルアミドグリコレートメチルエステルをベースとする二成分ペイント;8.カルボキシル−またはアミノ−含有ポリアクリレートおよびポリエポキシドをベースとする二成分ペイント;
【0118】
9.アンヒドリド基を含有するアクリレート樹脂およびポリヒドロキシまたはポリアミノ成分をベースとする二成分ペイント;
10.アクリレート含有無水物およびポリエポキシドをベースとする二成分ペイント;
11.(ポリ)オキサゾリンおよびアンヒドリド基を含有するアクリレート樹脂、または不飽和アクリレート樹脂、または脂肪族もしくは芳香族イソシアネート、イソシアヌレートもしくはポリイソシアネートをベースとする二成分ペイント;
12.不飽和ポリアクリレートおよびポリマロネートをベースとする二成分ペイント;
13.熱可塑性アクリレート樹脂または外部架橋アクリレート樹脂をエーテル化されたメラミン樹脂との組合せでベースとする熱可塑性ポリアクリレートペイント;
14.シロキサン−変成またはフルオリン−変成アクリレート樹脂をベースとするペイント系
【0119】
成分(a)および(B)に加えて、本発明のコーティング組成物は好ましくは成分(C)として立体障害性アミン型、2(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび/または2−ヒドロキシフェニル−2H−ベンゾトリアゾール型の光安定剤、例え
ば上述の一覧で項目2.1、2.6および2.8において上述されたものを含む。有利に添加される2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン型の光安定剤の更なる例は、刊行物、米国特許第4619956号明細書、欧州特許第434608号明細書、米国特許第5198498号明細書、米国特許第5322868号明細書、米国特許第5369140号明細書、米国特許第5298067号明細書、WO第94/18278号明細書、欧州特許第704437号明細書、英国特許第2297091号明細書、WO第96/28431号明細書に見受けられる。2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび/または2−ヒドロキシフェニル−2H−ベンゾトリアゾール、特に2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンの添加は特に技術的に興味深い。
【0120】
成分(C)は好ましくは、100重量部の固体バインダーに対して0.05ないし5重量部の量で使用される。
成分(A)、(B)および使用する場合は(C)を別として、コーティング組成物は更なる成分、例えば溶媒、顔料、染料、可塑剤、安定剤、チキソトロープ剤、乾燥触媒および/または均染剤も含み得る。可能な成分の例はUllmann's Encyclopedia of Industrial
Chemistry, 第5版,A18巻,第429ないし471頁,VCH, Weinheim 1991に記載されているものである。
【0121】
可能な乾燥触媒または硬化触媒は、例えば、有機金属化合物、アミン、アミノ基−含有樹脂および/またはホスフィンである。有機金属化合物の例は金属カルボキシレート、特に金属Pb、Mn、Co、Zn、ZrまたはCuのもの、あるいは金属キレート、特に金属Al、TiまたはZrのもの、あるいは例えば有機錫化合物のような有機金属化合物である。
【0122】
金属カルボキシレートの例はPb、MnまたはZnのステアレート、Co、ZnまたはCuのオクトエート、MnおよびCoのナフテネートあるいは相当するリノレート、レシネートまたはタルレートである。
金属キレートの例は、アセチルアセトン、エチルアセチルアセテート、サリチルアルデヒド、サリチルアルドキシム、o−ヒドロキシアセトフェノンまたはエチルトリフルオロアセチルアセテートのアルミニウム、チタンまたはジルコニウムキレート、ならびにこれらの金属のアルコキシドである。
有機錫化合物の例はジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジラウレートまたはジブーヒル錫ジオクトエートである。
【0123】
アミンの例は、特に第三アミン、例えばトリブチルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−ジメチルエタノールアミン、N−エチルモルホリン、N−メチルモルホリンまたはジアザビシクロオクタン(トリエチレンジアミン)およびそれらの塩である。更なる例は第四アミン塩、例えばトリメチルベンジルアンモニウムクロリドである。
アミノ基−含有樹脂はバインダーであると同時に硬化触媒である。これらの例はアミノ基−含有アクリレートコポリマーである。
ホスフィン、例えばトリフェニルホスフィンも、使用される硬化触媒であり得る。
【0124】
新規コーティング組成物は放射線硬化性コーティング組成物でもあり得る。この場合、基本的にバインダーは、適用後に化学線放射により硬化される、すなわ架橋体された高分子量体に転化されるエチレン系不飽和結合を含むモノマーまたはオリゴマー化合物からなる。系が紫外線硬化性である場合、それは一般的に光開始剤をも含有する。相当する系は、上述の刊行物Ullmann's Encyclopedia ofIndustrial Chemistry, 第5版,A18巻,第451ないし453頁に記載されている。放射−硬化性コーティング組成物において、
立体障害性アミンを添加せずに新規安定剤を使用することが可能である。
【0125】
本発明のコーティング組成物をいずれの所望の基材、例えば金属、木材、プラスチックまたはセラミック材料に適用することができる。それらは好ましくは自動車の仕上げ塗りにおいてトップコートとして使用される。下の層は着色され、上の層は着色されない二層からトップコートが成り立つ場合、新規コーティング組成物を上の層または下の層のどちらにも、あるいは両方の層に使用することが可能であるが、好ましくは上の層に使用される。
慣用の方法、例えば、はけ塗り、噴霧、流し込み、浸漬または電気永動により新規コーティング組成物を基材に適用することができる;Ullmann's Encyclopedia of Industrial
Chemistry, 第5版,A18巻,第491ないし500頁参照。
【0126】
バインダー系に依存して、室温においてまたは加熱することによりコーティングを硬化させることができる。コーティングは好ましくは50ないし150℃で硬化され、粉末コーティングまたはコイルコーティングの場合、より高い温度でも硬化される。
本発明により得られたコーティングは、光、酸素および熱の有害な影響に対して良好な耐性を有し、特にそのようにして得られたコーティング、例えばペイントの良好な光安定性および耐候性については言及に値する。
【0127】
従って本発明は、本発明の式Fで表される化合物の含有により光、酸素および熱の有害な影響に対して安定化されたコーティング、特にペイントにも関する。該ペイントは自動車用トップコートであることが好ましい。更に本発明は、光、酸素および/または熱による損傷に対して有機ポリマーをベースとするコーティングを安定化させるための方法であって、コーティング組成物すなわち式Fで表される化合物を含む混合物を混合することからなる方法にも関し、光、酸素および/または熱による損傷に対する安定剤としてコーティング組成物中に式Fで表される化合物を含む混合物を使用する方法にも関する。
【0128】
コーティング組成物は、バインダーが溶解可能な有機溶媒または溶媒混合物を含み得る。同様に、コーティング組成物は水溶性溶液または分散液であってもよい。ビヒクルが有機溶媒および水の混合物であってもよい。コーティング組成物は高−固体ペイントであってよく、溶媒が存在しなくてもよい(例えば粉末コーティング材料)。粉末コーティングは例えば、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 第5版,A18巻,第438ないし444頁に記載されているものである。ここでは、例えば欧州特許第856563号明細書の特に第22頁、第21行目ないし第26頁、第29行目、ならびに該先行文献で参考で引用された文献に記載されているように、本発明の添加剤を使用することができる。粉末コーティング材料は粉体−スラリー(好ましくは水中での粉体の分散)の形状を有することもできる。
【0129】
粉末コーティングのための樹脂の例は以下のとおりである。
1.テレフタル酸、イソフタル酸、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、トリス−1,1,1−(ヒドロキシメチル)プロパン等のようなモノマーをベースとするカルボキシ−またはヒドロキシ−官能性ポリエステル樹脂
2.カチオン性光開始剤を有する熱または紫外線硬化のためのビスフェノールAまたは登録商標ノボラック(Novolac) エポキシ樹脂のようなビスフェノールをベースとするエポキシ樹脂。
3.ヒドロキシ−、カルボキシ−またはグリシジル−官能性アクリレートポリマーおよびコポリマー。適当なコモノマーはスチレン、アルキルメタクリレート、アクレルアミド、アクリロニトリル等を含む。
4.代表的に多官能性ビニルエーテルまたはアクリレートエステルと共に使用される紫外線硬化性ポリマーコーティングのための不飽和ポリエステル樹脂。
【0130】
カルボキシ官能性を有する樹脂をベースとする粉末コーティングは代表的に以下の種類の架橋剤と一緒に使用される。
1)多官能性エポキシ化合物、例えばエポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、エポキシ化不飽和脂肪酸エステル(例えばDSMからの登録商標ウラノックス(Uranox)樹脂)ならびにグリシドールのエステルおよびエーテル(例えばチバスペシャルティケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)からの登録商標アラルダイト(Araldit) PT 910)。
2)β−ヒドロキシアルキルアミド、例えばエムスシェミー(EMS Chemie)からの登録商標プリミド(Primid)タイプXL552およびQM1260。
3)メラミン、ベンゾグアニミンおよびグリコールウリル、例えばアメリカンシアナミド(American Cyanamid) からの登録商標パウダーリンク(Powderlink)1174の誘導体。
【0131】
ヒドロキシ官能性の樹脂のための架橋剤は無水物および特にブロック化されたジイソシアネートおよびウレトジオン等を含む。
エポキシ官能性を有する樹脂をベースとする粉末コーティングは代表的に架橋剤、例えば二価の酸(例えば1,12−ドデカンジオン酸)、アクリレートおよびメタクリレートのカルボキシ−官能性ポリエステル、カルボキシ−官能性コポリマー、無水物(例えば1,12−ドデカンジオン酸から製造された無水物)と一緒に使用される。
粉末コーティング中で本発明の化合物と一緒に使用することができる他の添加剤は、脱ガス剤、流れ促進剤、トリボチャージング(tribocharging) 添加剤硬化触媒、増感剤、カチオン性およびフリーラジカル光開始剤ならびに代表的に液体ペイント添加剤を含む。
【0132】
塩基性化合物は粉末コーティングの架橋反応をしばしば触媒し、貧弱なフローおよび脱ガスを引き起こし、そして貯蔵安定性の低下を引き起こすので、本発明の化合物の塩基性の低さは特に有益である。これは高反応性の配合、例えばグリシジルメタクリレート−官能性アクリル酸において特に有効である。ここでは、本発明の化合物と紫外線吸収剤、特にヒドロキシフェニルトリアジン類のものとを一緒に組み合わせたものを、引き起こす触媒の非存在下で耐候性を向上させるために使用することができる。他のバインダー系においても、ならびに他の種類の紫外線吸収剤、例えば特に自動車用ペイントに使用されるための前述されたものを有する場合も、耐候性における大きな効果が発現した。
【0133】
粉末コーティングにおいて、酸化安定性を向上させるため、ならびに硬化およびオーバーベーキングにおける黄色化を減少させるためにも本発明の化合物を使用することができる。ここでは、低塩基性の有益性のみならず、ガスだき炉における窒素の酸化物により生じる黄色化に抵抗し、そしてこれを防止する立体障害性モルホリノンの安定性も存在する。特に欧州特許第816442号明細書に記載されているようなホスフィットおよびホスホナイト補助安定剤ならびにジチオプロピオン酸のジアルキルエステルと一緒に使用することは特に有利である。適当である場合には、製造段階ならびにその後の使用時の全段階でポリエステルを安定化させるために本発明の化合物を使用することもできる。
【0134】
顔料は無機、有機または金属顔料であってよい。新規コーティング組成物は好ましくは顔料を含まず、透明な被膜として使用される。
同様に、自動車工業での用途のためのトップコートとして、特にペイント仕上げにおける着色または非着色トップコートとしてコーティング組成物を使用することが好ましい。しかしながら、下塗りコーティングとしての使用も可能である。
本発明の製造物のいくつかは新規化合物である。
【0135】
従って本発明は式Iで表される化合物、特にR5 、R6 、R7 、R8 およびR9 が互いに独立して水素原子、炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数3ないし8のアルケニル基、炭素原子数5ないし12のアリール基、電子求引基;炭素原子数1ないし4の
アルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ハロゲン原子により置換された炭素原子数6ないし12のアリール基を表し、そしてR5 、R6 、R7 、R8 およびR9 の少なくとも一個が水素原子を表さない式Iaで表される化合物にも関する。本発明は式Iで表される化合物、特にR5、R6 、R7 、R8 およびR9 が互いに独立して炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数3ないし8のアルケニル基、炭素原子数5ないし12のアリール基、電子求引基;炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ハロゲン原子により置換された炭素原子数6ないし12のアリール基を表し;そして他の全ての記号は上述で定義された通りである式Iaで表される化合物にも関する。
【0136】
式Iで表される好ましい化合物は次式Ia
【化46】


〔式中、指数nは1ないし15の範囲にわたり、特に3ないし9の範囲であり;
5 ないしR9 は式Iに関して定義された通りであり;
12は炭素原子数2ないし12のアルキレン基、炭素原子数4ないし12のアルケニレン基、炭素原子数5ないし7のシクロアルキレン基、炭素原子数5ないし7のシクロアルキレンジ(炭素原子数1ないし4のアルキレン)基、炭素原子数1ないし4のアルキレンジ(炭素原子数5ないし7のシクロアルキレン)基、フェニレンジ(炭素原子数1ないし4のアルキレン)基あるいは1,4−ピペラジンジイル基、−O−または>N−X1 (式中、X1 は炭素原子数1ないし12のアシル基または(炭素原子数1ないし12のアルコキシ)カルボニル基を表すか、または水素原子を除いて以下に与えられるR14の定義の一つを有す。)により中断された炭素原子数4ないし12のアルキレン基を表し;
あるいはR12は次式(Ib’)または(Ic’)
【化47】


(式中、mは2または3であり、
2 は炭素原子数1ないし18のアルキル基、未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル基の1、2もしくは3個により置換された炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基;未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル基もしくは炭素原子数1ないし4のアルコキシ基の1、2もしくは3個により置換されたフェニル基;未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル基の1、2もしくは3個によりフェニル基上に置換された炭素原子
数7ないし9のフェニルアルキル基を表し;そして
基X3 は互いに独立して炭素原子数2ないし12のアルキレン基を表す。)で表される基を表し;
基Aは互いに独立して−OR13、−N(R14)(R15)または次式(Id’)
【化48】


で表される基を表し;
13、R14およびR15は同一または異なっており、水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基;未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル基の1、2もしくは3個により置換された炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数3ないし18のアルケニル基;未置換または炭素原子数1ないし4個のアルキル基もしくは炭素原子数1ないし4のアルコキシ基の1、2もしくは3個により置換されたフェニル基;未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル基の1、2もしくは3個によりフェニル基上に置換された炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基;テトラヒドロフルフリル基、または2、3もしくは4位に−OH、炭素原子数1ないし8のアルコキシ基、ジ(炭素原子数1ないし4のアルキル)アミノ基または次式(Ie’)
【化49】


(式中、Yは−O−、−CH2 −、−CH2 CH2 −または>N−CH3 を表す。)で表される基により置換された炭素原子数2ないし4のアルキル基を表すか;
または−N(R14)(R15)は付加的に式(Ie’)で表される基を表し;
Xは−O−または>N−R16を表し;
16は水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基、炭素原子数3ないし18のアルケニル基、未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル基の1、2もしくは3個により置換された炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基;未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル基の1、2もしくは3個によりフェニル基上に置換された炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基;テトラヒドロフルフリル基、次式(If’)
【化50】


で表される基、または2、3もしくは4位に−OH、炭素原子数1ないし8のアルコキシ基、ジ(炭素原子数1ないし4のアルキル)アミノ基または式(Ie’)で表される基により置換された炭素原子数2ないし4のアルキル基を表し;
11はR16に関して与えられた定義の一つを有し;そして
基Bは互いに独立してAに関して与えられた定義の一つを有する。〕で表されるものであり;
そして式(Ia)で表される個々の繰り返し単位においては、基B、R11およびR12のそれぞれは同一または異なる定義を持ってよい。
【0137】
更に本発明の方法による新規製造物は次式IIIc、IVaおよびVa
【化51】


〔式中Rは次式
【化52】


で表される有機架橋基を表し;
2 は−CO−または−(CH2 p −(式中、Pは0、1または2である。)を表し;E1 は2個の残基R24およびR25を有する炭素原子を表すか、あるいは>N−R25を表すか、あるいは酸素原子を表し、そしてR24およびR25は水素原子または有機残基を表し、架橋基Rは全体で2ないし500個の炭素原子を含み、そして該基が直接的に結合している炭素原子および窒素原子と一緒になって、置換された5、6または7員環環式構造を形成することを特徴とし;
1 、R2 、R3 およびR4 は互いに独立して炭素原子数1ないし8のアルキル基または炭素原子数1ないし5のヒドロキシアルキル基を表すか、あるいはR1およびR2 は該基が結合している炭素原子と一緒になって炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基を表すか、あるいはR3 およびR4 は該基が結合している炭素原子と一緒になって炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基を表し;
5 、R6 、R7 、R8 およびR9 は互いに独立して水素原子、炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数2ないし8のアルケニル基、炭素原子数5ないし12のアリール基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、電子求引基;または炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ハロゲン原子から選択された残基により置換された炭素原子数6ないし12のアリール基を表し;
20およびR21はハロゲン原子を表し;そして
22およびR23は水素原子を表すか、または一緒になって化学結合を形成し、
ただし式IIIc中のRは次式
【化53】


(式中、R24およびR25は一緒になって=Oを表すか、または式中、R24は水素原子を表し、R25は水素原子、OH、あるいはフェノキシ基、またはアルキルフェノキシ基により置換されたアルカノイルオキシ基である。)で表される架橋基を表さない。〕に相当する。
1 が置換された炭素原子を表す場合、E2 は主に−(CH2 p −、特にCH2 を表し;E1 が酸素原子またはNR25を表す場合、E2 は主にカルボニル基を表す。
【0138】
従って式IIIc、IVaまたはVa
〔式中、Rは二価の炭素原子数7ないし500の炭化水素基、または窒素原子、酸素原子、リン原子、イオウ原子、ケイ素原子およびハロゲン原子から選択されたヘテロ原子を1ないし200個含む炭素原子数2ないし500の炭化水素基を表し、そして次式
【化54】


または
【化55】


(式中pは0、1または2である。)で表される構造に適合し;
1 、R2 、R3 およびR4 は互いに独立して炭素原子数1ないし8のアルキル基または炭素原子数1ないし5のヒドロキシアルキル基を表すか、あるいはR1およびR2 は該基が結合している炭素原子と一緒になって炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基を表すか、あるいはR3 およびR4 は該基が結合している炭素原子と一緒になって炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基を表し;
5 およびR6 は互いに独立して水素原子またはメチル基を表し、
そしてR7 、R8 およびR9 は互いに独立して炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、フェニル基、ビニル基、ニトロ基、CN、COOR10(式中、R10は炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基またはフェニル基を表し;
24およびR25は互いに独立して水素原子または定義されたような有機残基を表し、そして
26は水素原子、あるいは式(VIb)で表される残りの構造と一緒になって、窒素原子、酸素原子、リン原子、イオウ原子、ケイ素原子またはハロゲン原子から選択されたヘテロ原子を1ないし200個含む炭素原子数2ないし500の炭化水素基を形成する有機残基を表す。〕で表される化合物が好ましい。
【0139】
最も好ましくは式IIIc、IVaまたはVa
(式中、R5 およびR6 は互いに独立して水素原子またはメチル基を表し;そしてR7 、R8 およびR9 は互いに独立して炭素原子数1ないし4のブロモアルキル基、フェニル基、CN、COOR10(式中、R10は炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基またはフェニル基を表す。)を表し;特にR5 、R6 、R7 、R8 およびR9 は水素原子を表し;
20およびR21は臭素原子を表し;そして
Rが式VIaで表される構造に適合する場合、
pは1であり、そしてR1 、R2 、R3 およびR4 は互いに独立してメチル基またはエチル基を表し;
Rが式VIbで表される構造に適合する場合、
1 、R2 、R3 およびR4 は互いに独立してメチル基またはエチル基を表すか;あるいはR1 およびR2 は該基が結合している炭素原子と一緒になって炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基を表すか、あるいはR3 およびR4 は該基が結合している炭素原子と一緒になって炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基を表し;
Rが式VIcで表される構造に適合する場合;
1 、R2 、R3 およびR4 は互いに独立して炭素原子数1ないし8のアルキル基または炭素原子数1ないし5のヒドロキシアルキル基を表すか、あるいはR1およびR2 は該基が結合している炭素原子と一緒になって炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基を表すか、あるいはR3 およびR4 は該基が結合している炭素原子と一緒になって炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基を表す。)で表される化合物である。
【0140】
特に重要であるのは次式IIIc
【化56】


(式中、Rは窒素原子、酸素原子、リン原子、イオウ原子およびハロゲン原子から選択されたヘテロ原子を1ないし200個含み、そして2個の炭素原子および窒素原子と一緒になって、置換された5または6員環環式構造を形成する炭素原子数7ないし500の炭化水素基を表し;そして
1 、R2 、R3 およびR4 は上述で定義された通りである。)で表される化合物であるが、但しRが次式
【化57】


で表される構造を形成する式IIIcは表さない。
上述で示された式IIIcで表される化合物が特に好ましい。
【0141】
従って、新規立体障害性アミンは通常、次式(1a)、(1b)または(2a)に相当するか、あるいは次式(3)または(4)で表される基の少なくとも一種を含む;
【化58】


〔式中、
1 は1ないし4の数であり、GおよびG1 は互いに独立して水素原子またはメチル基を表し、G11はn−プロポキシ基、O−CH=C=CH2 、O−CH=CH−CH3 またはハロゲン化n−プロポキシ基、特にn−プロポキシ基または臭素化n−プロポキシ基を表し;
1 が1である場合、G12は酸素原子の1個またはそれ以上により中断されていない又は中断されている炭素原子数1ないし18のアルキル基、シアノエチル基、ベンゾイル基、グリシジル基;脂肪族、脂環族、不飽和または芳香族カルボン酸、カルバミン酸またはリン含有酸の一価の基または一価のシリル基、好ましくは2ないし18個の炭素原子を有する脂肪族カルボン酸の基、7ないし15個の炭素原子を有する脂環族カルボン酸の基、または3ないし5個の炭素原子を有するα,β−不飽和カルボン酸の基を表し、それぞれのカルボン酸は、脂肪族、脂環族または芳香族部分が存在するならば該部分において−COOZ12基の1ないし3個により置換されることができ、ここではZ12は水素原子、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数3ないし12のアルケニル基、炭素原子数5ないし7のシクロアルキル基、フェニル基またはベンジル基を表し、
1 が2の場合、G12は炭素原子数2ないし12のアルキレン基、炭素原子数4ないし12のアルケニレン基、キシリレン基;脂肪族、脂環族、芳香族脂肪族または芳香族ジカルボン酸、ジカルバミン酸またはリン含有酸の二価の基または二価のシリル基、好ましくは2ないし36個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸の基、または8ないし14個の炭素原子を有する脂環族もしくは芳香族ジカルボン酸の基あるいは8ないし14個の炭素原子を有する脂肪族、脂環族または芳香族ジカルバミン酸の基を表し、ここではそれぞれのジカルボン酸は−COOZ12基の1または2個により脂肪族、脂環族または芳香族部分において置換されることができ、
1 が3の場合、G12は−COOZ12基により脂肪族、脂環族または芳香族部分において置換されることができる脂肪族、脂環族または芳香族トリカルボン酸の三価の基、芳香族トリカルバミン酸の三価の基またはリン含有酸の三価の基または三価のシリル基を表し、そしてn1 が4の場合、G12は脂肪族、脂環族または芳香族テトラカルボン酸の四価の基を表し、
1 、R2 、R3 およびR4 は互いに独立して炭素原子数1ないし8のアルキル基または炭素原子数1ないし5のヒドロキシアルキル基を表すか、あるいはR1およびR2 は該基が結合している炭素原子と一緒になって炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基を表
すか、あるいはR3 およびR4 は該基が結合している炭素原子と一緒になって炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基を表し;
Gは水素原子またはメチル基を表し;
1 およびG2 は互いに独立して水素原子、メチル基を表すか、または一緒になって置換基=Oを表し;そして
3 は直接結合またはメチレン基を表し、
式(3)および(4)の開放結合は上述で定義された有機残基の炭素原子、窒素原子または酸素原子と結合し、
13は水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子数2ないし5のヒドロキシアルキル基、炭素原子数5ないし7のシクロアルキル基、炭素原子数7ないし8のアルアルキル基、炭素原子数1ないし18のアルカノイル基、炭素原子数3ないし5のアルケノイル基、ベンゾイル基または次式(1b−1)
【化59】


で表される基を表し、
2 は数1、2または3であり;
そして、n2 が1の場合、G14は水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基、炭素原子数3ないし8のアルケニル基、炭素原子数5ないし7のシクロアルキル基;水酸基、シアノ基、アルコキシカルボニル基またはカルバミド基により置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基;グリシジル基、式−CH2 −CH(OH)−Zまたは式CONH−Z(式中、Zは水素原子、メチル基またはフェニル基を表す。)で表される基を表し;
2 が2の場合、G14は炭素原子数2ないし12のアルキレン基、炭素原子数6ないし12のアリーレン基、キシリレン基、−CH2 −CH(OH)−CH2 基または−CH2 −CH(OH)−CH2 −O−D−O−基(式中、Dは炭素原子数2ないし10のアルキレン基、炭素原子数6ないし15のアリーレン基、炭素原子数6ないし12のシクロアルキレン基を表す。)を表すか、あるいはG13がアルカノイル基、アルケノイル基またはベンゾイル基を表さないことを条件として、G14は代わりとして1−オキソ−炭素原子数2ないし12のアルキレン基、脂肪族、脂環族または芳香族ジカルボン酸またはジカルバミン酸の二価の基あるいは代わりとして基−CO−を表すことができ、
2 が3の場合、G14は次式
【化60】


で表される基を表し、
あるいはn2 が1の場合、G13およびG14は一緒になって脂肪族、脂環族または芳香族1,2もしくは1,3−ジカルボン酸の二価の基を表すことができる。〕。
【0142】
式IIIcで表される好ましい新規立体障害性アミンは(b’)ないし(j’)項中で上述された通りであり、好ましくはそこに示されている。式IIIcで表される新規化合物は、光、酸素および/または熱による分解に対する有機材料のための安定剤として有効である。安定化される材料は、例えばオイル、油脂、ワックス、化粧品または殺生剤であ
り得る。プラスチック、ゴム、コーティング材料、写真材料または接着剤のようなポリマー材料における使用が特に興味深く:例えば上述されたような有機ポリマー、および電子複写、特に彩色写真材料であって、例えば英国特許第2319523号明細書、ドイツ特許第19750906号明細書、第23頁、第20行目から第105頁、第32行目まで、または米国特許第5538840号明細書、第25段、第60行目ないし第106段目、第31行目までに記載されており;米国特許第5539940号明細書の該当部分は本明細書で参考として引用されている。
その他に、式Iおよび式IIIで表される化合物に関して上述されたものが好ましい。
【実施例】
【0143】
以下の実施例で更に本発明を説明する。ここから後の記載である実施例および請求項において、全ての部または百分率は他に言及がない限り重量によるものである。他に言及がない限り室温は20ないし30℃の範囲の温度を表す。実施例において以下の略語が使用される。
m.p. 融点または範囲;
Mn 数平均分子量(g/mol);
Mw 重量平均分子量(g/mol);
GPC ゲル透過クロマトグラフィー
【0144】
実施例1:
次式
【化61】


で表される出発化合物の製造
段階1:
50mlの水中74.3g(0.35mol)のN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−n−ブチルアミンの溶液を500mlキシレン中64.5g(0.35mol)の塩化シアヌルの溶液に0℃でゆっくりと添加し、添加の間および更に1時間温度を一定とする。
室温で2時間後、混合物を0℃まで冷却し、50mlの水中14.7g(0.368mol)の水酸化ナトリウム水溶液を添加する。
0℃で1/2時間および室温で更に2時間後、水溶液を分離し、そして69.2g(0.175mol)のN,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−1,6−ヘキサンジアミンを添加する。
【0145】
混合物を50℃まで1時間加熱し、そして48.4g(0.35mol)の粗炭酸カリウムを添加し、そして60℃まで4時間加熱する。
水で洗浄後、有機層を60ないし70℃/10ミリバールでの真空下で濃縮し、250mlのキシレンを回収する。
138.1g(0.35mol)のN,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−1,6−ヘキサンジアミンを添加し、そして混合物を2時間150
℃で加熱し、再び冷却し、そして14g(0.35mol)の粗水酸化ナトリウムを添加する。
【0146】
混合物を140℃まで更に4時間加熱し、反応物の残留水分を共沸により除去し、そして160℃で更に4時間加熱する。
60℃まで冷却後、混合物を300mlのキシレンで稀釈し、濾過し、そして100mlのエチレングリコールで3回洗浄する。
この溶液を実施例6に記載の化合物の単離のために使用することができる。
【0147】
段階2:
60℃/10ミリバールでの真空下で濃縮後、54.4g(0.147mol)の2−クロロ−4,6−ビス(ジブチルアミノ)−1,3,5−トリアジンを添加する。
混合物を140℃まで3時間加熱し、そして20.3g(0.147mol)の粗炭酸カリウムを添加し、混合物を加熱して還流させ、反応水分を共沸により除去する。
混合物を160℃まで4時間加熱し、更に20.3g(0.147mol)の粗炭酸カリウムを添加し、そして再び160℃まで2時間加熱する。60℃まで冷却後、混合物を300mlのキシレンで稀釈し、濾過し、そして140℃/1ミリバールでの真空下で濃縮する。乾燥後、130ないし136℃の融解範囲を有する固体が得られる;Mn(GPCによる):2830g/mol。
【0148】
実施例2:
本発明の方法;次式
【化62】


で表される化合物の製造
段階1:
加熱装置およびメカニカルスターラーを装備した1リットルのステンレス鉄鋼製オートクレーブ中に、400mlのキシレン中150g(0.05mol)の実施例1の生成物の溶液、66.5g(0.55mol)のアリルブロミドおよび114g(0.825mol)の炭酸カリウムを入れる。混合物を150℃まで加熱し、5時間反応させ、そして60℃まで冷却する。300mlの水を添加し、そして混合物を強力に攪拌する。次いで有機層を回収し、メカニカルスターラー、サーモメーターおよび滴下漏斗を装備した1リットルの丸底フラスコに入れる。−15℃まで冷却後、酢酸中32重量%の過酢酸の溶液128gを30分間で攪拌下で加える。温度を0℃まで上げ、そして反応混合物を4時間反応させる。
500mlの水中250gのK2 CO3 の溶液を添加し、攪拌しながら30分間0℃に保つ。有機層を回収し、100mlの水で3回洗浄し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥させる。
【0149】
段階2:
溶液を1リットルのステンレス鉄鋼製オートクレーブに入れる。5重量%の炭素上白金の3gを添加後、オートクレーブを40バールの水素で満たし、そして攪拌しながら6時間の間70℃に維持する。次いでオートクレーブを20℃まで冷却し、そして開放する。濾過により触媒を除去した後、溶液を140℃および1ミリバールで濃縮する。白色固体、融点127ないし135℃、Mn(GPC)=3580g/mol、Mw/Mn=1.33として生成物を得る。
【0150】
実施例3:
本発明の方法;次式
【化63】


で表される化合物の製造
丸底フラスコに、20gの1−アリル−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−オール、40mlのメタノール、35%(v/v)のH2 2 溶液118gを入れる。
混合物を65℃まで加熱し、5時間反応させ、メタノールが蒸留されるまで真空下で濃縮し、そして40mlのCH2 Cl2 を添加する。混合物を攪拌し、そして有機層を回収し、そして濃縮する。淡黄色の油状物として生成物を得る。
1 H NMR(300MHz,CDCl3 )/ppm:5.90−5.80(m,1H);5.21−4.97(m,2H);4.24(m,2H);3.87(m,1H);1.75(m,2H);1.42(m,2H);1.15(s,3H);1.11(s,3H)。
【0151】
実施例4a:
次式
【化64】


で表される化合物の製造
ステンレス鉄鋼製オートクレーブに、実施例3の生成物20g、0.2gのニッケルラネーおよび100mlのトルエンを入れ;オートクレーブを8バールの水素で満たし、そして攪拌しながら8時間の間25℃に維持する。次いでオートクレーブを開放し、濾過により触媒を除去し、そして混合物を真空下で濃縮する。白色固体として生成物が得られる。1 H NMR(300MHz,CDCl3)/ppm:3.96(m,1H);3.66(t,2H);1.57(m,4H);1.22(m,2H);1.13(s,12H);0.89(t,3H)。
【0152】
実施例4b:
次式
【化65】


で表される化合物の製造
丸底フラスコに、実施例4a)の生成物20g、10.6gのメチルセバケート、100mlのキシレンおよび0.25gのジ−ブチル−錫−オキシドを入れる。
混合物を145℃まで加熱し、攪拌しながら6時間反応させ、冷却し、そして真空下で濃縮し、油状物として上述の生成物を得る。
1 H NMR(300MHz,CDCl3 )/ppm:4.95(t,4H);3.66(t,4H);2.21(t,4H);1.77(m,4H);1.63−1.42(m,12H);1.28−1.18(m,36H);0.90(t,6H)。
その他の分析データ:
HPLC評価:80%
元素分析:C 測定値67.6% 計算値68.4%
H 測定値10.6% 計算値10.8%
N 測定値 4.7% 計算値 4.7%
【0153】
実施例5:
本発明の方法;次式
【化66】


で表される化合物の製造
ステンレス鉄鋼製オートクレーブに、20gのセバシン酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)エステル(商標名:登録商標チヌビン(Tinuvin) 770 )、24gのアリルブロミド、6gのカルボン酸カリウムおよび100mlのトルエンを入れ;混合物を120℃まで加熱し、攪拌しながら5時間反応させ、冷却し、そして塩を除去するために濾過する。過剰量のアリルブロミドを蒸留により除去する。
溶液を丸底フラスコに入れ、そして50mlのトルエン中に溶解させた8gのメタクロロ過安息香酸を30分以上の時間をかけて温度を25℃以下に保ちながら添加する。
【0154】
次いで100mlの水中13gの炭酸カリウムの溶液を反応混合物に添加し、そして30分間攪拌下に置く。有機層を回収し、そして上述されたように製造された炭酸カリウム溶液で洗浄する。
次いで有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そしてステンレス鉄鋼製のオートクレーブに入れる。
5重量%の炭素上白金1gを添加後、オートクレーブを8バールの水素で満たし、そして攪拌しながら4時間25℃に維持する。濾過による触媒の除去後、真空下で溶液を濃縮する。淡黄色油状物として生成物を得る;1 H NMR(300MHz,CDCl3 )/ppm:4.95(m,2H);3.66(t,4H);2.21(t,4H);1.7
7(m,4H);1.63−1.42(m,12H);1.28−1.18(m,36H);0.90(t,6H)。
その他の分析データ:
HPLC評価:78%
元素分析:C 測定値67.2% 計算値68.4%
H 測定値10.3% 計算値10.8%
N 測定値 4.6% 計算値 4.7%
【0155】
実施例6:
次式
【化67】


で表される中間体
本化合物は、実施例1の段階1までに記載された方法に従って製造される。段階1から得られた溶液を、次いで140℃および1ミリバールで濃縮し、そして2555g/molの平均Mn(GPCによる)を有し、m.p.138ないし143℃の固体を得る。
【0156】
実施例7:
【化68】


400mlのキシレン中に実施例6の生成物150gの溶液に、66.5gのアリルブロミドおよび114gの炭酸カリウムを添加する。混合物を150℃まで加熱し、5時間反応させ、そして60℃まで冷却する。300mlの水を添加し、混合物を強力に攪拌する。
次いで有機層を回収し、−15℃まで冷却し、そして酢酸中32重量%の過酢酸の溶液128gを30分間で攪拌下で加える。温度を0℃まで上げ、そして反応混合物を4時間反応させる。
500mlの水中250gのK2 CO3 の溶液を添加し、攪拌しながら30分間0℃に保つ。有機層を回収し、100mlの水で3回洗浄し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥さ
せる。溶液を1リットルのステンレス鉄鋼製オートクレーブに入れる。5重量%の炭素上白金3gを添加後、オートクレーブを40バールの水素で満たし、そして攪拌しながら6時間の間、70℃に維持する。次いで、オートクレーブを20℃まで冷却し、そして開放する。濾過により触媒を除去した後、溶液を140℃および1ミリバールで濃縮する。白色固体、融点125ないし135℃、Mn(GPC)=2979g/molとして、生成物が得られる。
【0157】
実施例8:
次式
【化69】


で表される化合物
300mlのトルエン中93gの2−クロロ−4,6−ビス(N−n−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル))−1,3,5−トリアジンの溶液に、42gのアリルブロミドおよび71.7gの炭酸カリウムを添加する。混合物を150℃まで加熱し、10時間反応させ、60℃まで冷却し、そして300mlの水を攪拌下で添加する。次いで有機層を回収し、そして−5℃まで冷却し、そして酢酸中39重量%の過酢酸の溶液64gを30分間で攪拌下で加える。温度を0℃まで上げ、そして反応混合物を2時間反応させる。
500mlの水中90gの炭酸ナトリウム溶液を添加し、攪拌しながら30分間0℃に保つ。有機層を回収し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥させる。溶液を1リットルのステンレス鉄鋼製オートクレーブに入れる。5重量%の炭素上白金3gを添加後、オートクレーブを40バールの水素で満たし、そして攪拌しながら6時間の間70℃に維持する。次いでオートクレーブを20℃まで冷却し、開放する。濾過により触媒を除去した後、溶液を140℃および1ミリバールで濃縮する。白色固体として生成物を得る。
1 H NMR(300MHz,CDCl3 )/ppm:4.97(m,2H);3.67(t,4H);3.29(m,4H);1.80−1.30(m,20H);1.31−1.08(m,28H);0.92−0.80(m,12H)。
【0158】
実施例9:
次式
【化70】


で表される化合物
64.5gの実施例8記載の化合物、200mlのキシレン、20.4gの炭酸カリウムおよび4.6gのN−1−〔2−(3−アミノ−プロピルアミノ)−エチル〕−プロパン−1,3−ジアミンからなる混合物を10時間140℃まで加熱し、20℃まで冷却し、そして200mlの水で洗浄する。回収された有機層を140℃および1ミルバールで濃縮する。得られた固体は115ないし120℃の範囲でm.p.を有する。
【0159】
実施例10:
次式
【化71】


で表される化合物
240mlのトルエン中30gのN,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−1,6−ヘキサンジアミンの溶液に、50gのアリルブロミドおよび63gの炭酸カリウムを添加する。得られた混合物を150℃まで加熱し、そして6時間反応させ、20℃まで冷却し、濾過し、そして110℃および1ミリバールの真空における溶媒蒸発により溶媒の体積を100ml減少させる。濃縮溶液に150mlのトルエンを加え、−10℃まで冷却後、200mlトルエン中82gのm−クロロ過安息香酸の溶液を攪拌下1時間以上かけて加える。混合物を0℃まで加熱後、300ml水中100gの炭酸カリウムの溶液を攪拌下加え、そして20℃に到達させる。
有機層を回収し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして70℃で8時間、5%炭素上白金2gと共に40バールの水素を使用して水素化を行う。触媒を濾過により回収し、そして溶液を110℃で1ミリバール下で濃縮する。
1 H NMR(300MHz,CDCl3 )/ppm:3.75(t,4H);3.54(t,4H);2.82(m,2H);2.63(t,4H);1.78−1.45(m,20H);1.42−1.23(m,4H);1.16(s,12H);1.10(s,12H);0.89(m,6H)。
【0160】
実施例11:
次式
【化72】


で表される化合物
200mlのトルエン中90gの安息香酸1−ブト−2−エニル−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イルエステルの溶液に、70gの4−ブロモ−2−ブテンおよび100gの炭酸カリウムを添加する。混合物を140℃まで加熱し、攪拌下10時間反応させ、20℃まで冷却し、200mlの水中に流し入れ、そして攪拌する。次いで有機層を回収し、110℃で20ミリバールで100mlの溶媒を除去することにより濃縮し、次いで100mlの純粋なトルエンを加える。得られた溶液を−15℃まで冷却し、そして200mlトルエン中100gのm−クロロ過安息香酸の溶液を攪拌下30分間
で加える。混合物を0℃で2時間反応させ、次いで300ml水中40gの炭酸カリウムの溶液を攪拌下加える。有機層を回収し、そして溶液を真空下で蒸発させる。得られた生成物は淡黄色の油状物質である。
1 H NMR(300MHz,CDCl3 )/ppm:7.99(d,2H);7.49(m,1H);7.37(m,2H);5.85(m,1H);5.26(m,1H);5.06−5.00(m,2H);4.28(m,1H);1.94(m,2H);1.71(m,2H);1.25−1.17(m,15H)。
【0161】
実施例12:
次式
【化73】


で表される化合物
250mlのヘキサン中52gの2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの溶液に、102gの炭酸カリウムおよび135gのプロパルギルブロミドを添加する。混合物を140℃まで加熱し、攪拌下10時間反応させ、20℃まで冷却し、300mlの水中に流し入れ、そして攪拌する。次いで有機層を回収し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして真空下で蒸留して64℃および10mmHgで留分を回収し、これを250mlのジクロロメタン中に溶解し、そして−15℃まで冷却する。得られた溶液に200mlヘキサン中100gのm−クロロ過安息香酸の溶液を攪拌下30分で加える。混合物を0℃で2時間反応させ、次いで300ml水中40gの炭酸カリウムの溶液を攪拌下加える。有機層を回収し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして溶媒を真空下で蒸発させる。得られた生成物は淡黄色の油状物質である。
1 H NMR(300MHz,CDCl3 )/ppm:6.82(t,1H);5.49(d,2H);1.52(s,6H);1.13(s,12H)。
【0162】
実施例13:
次式
【化74】


で表される化合物
16gの実施例11記載の化合物、500mlのエタノールおよび0.9gのリンドラー触媒の混合物をオートクレーブ中に入れる。オートクレーブに10バールの水素を満たし、そして攪拌下40℃で6時間維持し、次いでこれを20℃まで冷却し、そして開放する。濾過による触媒の除去後、溶液を真空下で濃縮する。結果として生じた生成物は淡黄色の油状物質として得られる。
1 H NMR(300MHz,CDCl3 )/ppm:6.29(d,1H);4.01(m,1H);1.57(d,3H);1.45(m,6H);1.12(s,12H)。
【0163】
実施例14:
次式
【化75】


で表される化合物
38gの実施例11記載の化合物、300mlのトルエンおよび5重量%で炭素上に支持された白金1gの混合物をオートクレーブ中に入れる。オートクレーブに30バールの水素を満たし、そして攪拌下40℃で6時間維持し、次いでこれを20℃まで冷却し、そして開放する。濾過による触媒の除去後、溶媒を110℃および35ミリバールで真空濃縮により除去する。結果として生じた生成物は淡黄色の油状物質として得られる。
1 H NMR(300MHz,CDCl3 )/ppm:3.69(t,2H);1.45(m,8H);1.15(s,12H);0.92(t,3H)。
【0164】
実施例15:
次式
【化76】


で表される化合物
207gの4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、100gのDBE−2O (75%グルタル酸ジメチルエステルおよび25%アジピン酸ジメチルエステルの混合物,デュポン(DuPont)−USA製)を500mlのトルエン中に溶解し、2gのリチウムアミドを添加し、そして加熱し、そして反応間に生成したメタノールを共沸により蒸留しながら6時間還流を続ける。次いで混合物を20℃まで冷却し、水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させる。次いで、実施例5の化合物の製造に関する記載された同様の方法および同様の化学量論的比率に従い、得られた溶液をアリルブロミド、炭酸ナトリウム、過酢酸、水素および5重量%炭素上白金と反応させる。生成物を淡黄色油状物質として得る。
1 H NMR(300MHz,CDCl3 )/ppm:4.95(m,2H);3.63(t,4H);2.24(m,2H);1.86−1.71(m,4H−6H);1.57−1.44(m,8H);1.15(m,28H);0.89(m,6H)。
【0165】
実施例16:
次式
【化77】


で表される化合物
段階1:
300mlのトルエン中64gの2,4,6−トリス−(N−n−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル))−1,3,5−トリアジンの溶液に48gのアリルブロミドおよび55.8gの炭酸カリウムを加える。混合物を150℃まで加熱し、5時間反応させ、60℃まで冷却し、そして攪拌しながら300mlの水を加える。次いで有機層を回収し、110℃で20ミリバールで100mlの溶媒を除去することにより濃縮し、400mlの純粋なトルエンを添加し、−5℃まで冷却し、そして酢酸中39重量%の過酢酸の溶液57gを攪拌しながら30分間で添加する。温度を0℃まで上げ、そして反応混合物を2時間反応させる。
500ml水中80gの炭酸ナトリウムの溶液を添加し、そして攪拌しながら30分間0℃で保持する。有機層を回収し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥させる。
段階2:
溶液を1リットルのステンレス鉄鋼製オートクレーブ中に入れる。5重量%で炭素上に支持された白金2gを添加後、オートクレーブを40バールの水素で満たし、攪拌しながら6時間70℃に維持し、20℃まで冷却し、そして開放する。濾過による触媒の除去後、溶液を140℃および1ミリバールで濃縮する。生成物は白色固体として得られる,m.p.92−100℃。
【0166】
実施例17:
次式
【化78】


で表される化合物
実施例14の段階1で得られた溶液に43gの臭素を攪拌下25℃、暗色下30分で加える。混合物を6時間25℃で反応させ、500mlの水中54gの炭酸カリウムの溶液で洗浄し、回収し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下(10ミリバール)100℃で濃縮する。得られた淡いピンク色の固体は106−110℃の融点を有する。
【0167】
実施例18:
次式
【化79】


で表される化合物
実施例2の段階1で得られた溶液に88gの臭素を攪拌下25℃、暗色下30分で加える。混合物を6時間25℃で反応させ、1000mlの水中108gの炭酸カリウムの溶液で洗浄し、回収し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下(10ミリバール)120℃で濃縮する。得られた淡黄色の固体は250℃より高い融点を有する(分解)。
臭素含量:32.1重量%;Mn(GPCによる):2862。
【0168】
使用例
実施例20:PPテープにおける光安定化作用
以下に報告する項目のそれぞれの化合物1gおよびトリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスフィット1g、ペンタエリスリトール テトアラキス(3−(3,5−ジ−第三ブチル−4ヒドロキシフェニル)プロピオネート)0.5g、ステアリン酸カルシウム1gを、2.1g/10分のメルトインデックス(230℃および2.16Kgで測定)を有し、すでにトリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニルホスフィット)1gおよびペンタエリスリトール テトラキス(3−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)10.5gを含むポリプロピレン粉末1000gとターボミキサー中で混合する。
混合物を200ないし220℃で押出してポリマー粒子を製造し、次いで半工業的な型の装置(レオナルド−スミラゴ(Leonard-Sumirago)(VA)−イタリア)を使用し、以下の条件下で厚さ50ミクロンおよび幅2.5mmの延伸テープに転化させる。
押出機温度: 210ないし230℃
頭部温度 : 240ないし260℃
延伸率 : 1:6
【0169】
このようにして製造したテープを白色カード上に乗せ、黒色パネル温度63℃のウェザーオーメーター65WR(ASTM G26−96D 2565−85)で曝露する。
一定速度張力計の方法により様々な曝露時間後に採取された試料で残存する引張強さを測定し、これにより初期の引張強さの半分に達するまでに要する曝露時間(時間)(T50)を算出する。
比較のために上述で示されたものと同一の条件で、しかし本発明の安定剤の添加なしでテープを製造し、曝露した。
得られた結果を以下の表に示す。
【0170】
【表1】

【0171】
実施例21:LDPEフィルムにおける光安定化作用
以下に報告する項目のそれぞれの化合物と、0.921g/cm3 の密度および0.60g/10分のメルトフローインデックス(190℃/2.16Kg)を特徴とするLDPEペレット(エニケム(Enichem) 社,ミラノ,イタリア;により提供されたリブレン(Riblene) FF29)とを、ゆるやかなミキサーでマスターバッチを経由させて混合する。粉末LDPEおよび以下に報告する項目の化合物10重量%を押出することによりマスターバッチをあらかじめ製造しておく。
混合物を210℃でブロー押出し、そして厚さ150ミクロンのフィルムを得る。
フィルムを金属フレーム中の白色カードボード上に乗せ、ASTM G26−96に従って、黒色パネル温度63℃、連続乾式サイクルで、アトラス(Atlas)Ci65キセノンアークウェザーオーメーターにおいて曝露する。
【0172】
曝露の間、FT−IR分光光度計によりカルボニルの増加(iCO;カルボニル濃度の増加)を測定し、そして脆化に関して試料を試験して性能を定期的に評価する。いくつかの試料に関して、一定速度張力計の方法により様々な曝露時間後に採取された試料で残存する引張強さを測定し;これにより初期の引張強さの半分に達するまでに要する曝露時間(時間)(T50)を算出する。
結果を以下の表にまとめる。カルボニル濃度の増加の低さおよび高いT50時間は良好な安定性を示す。
【0173】
【表2】

【0174】
実施例22:ボルドー混合物で処理したLDPEフィルムにおける光安定化作用
以下に報告する項目のそれぞれの化合物と、0.921g/cm3 の密度および0.60g/10分のメルトフローインデックス(190℃/2.16Kg)を特徴とするLDPEペレット(エニケム(Enichem) 社,ミラノ,イタリア;により提供されたリブレン(Riblene) FF29)を、ゆるやかなミキサーでマスターバッチを経由させて混合する。
粉末LDPEおよび以下に報告する項目の化合物10重量%を押出することにより、マスターバッチをあらかじめ製造しておく。
混合物を210℃でブロー押出し、そして厚さ150ミクロンのフィルムを得る。
【0175】
害虫駆除剤処理のために、ボルドー混合物(硫酸銅をベースとした幅広く使用されている害虫駆除剤)および水の懸濁液(1リットルの水中に10gの混合物)中にフィルムを24時間保持する。
処理されたフィルムを石英チューブに注入し、ASTM G26−96に従って、黒色パネル温度63℃、連続乾式サイクルで、アトラス(Atlas) Ci65キセノンアークウェザーオーメーターにおいて曝露する。
曝露の間、FT−IR分光光度計によりカルボニルの増加(iCO;カルボニル濃度の増加)を測定して性能を定期的に評価する。
結果を以下の表にまとめる。
【0176】
【表3】

【0177】
実施例23:バパム(VAPAM)で処理したLDPEフィルムにおける光安定化作用
以下に報告する項目のそれぞれの化合物と、0.921g/cm3 の密度および0.60g/10分のメルトフローインデックス(190℃/2.16Kg)を特徴とするLDPEペレット(エニケム(Enichem) 社,ミラノ,イタリア;により提供されたリブレン(Riblene) FF29)を、ゆるやかなミキサーでマスターバッチを経由させて混合する。
粉末LDPEおよび以下に報告する項目の化合物10重量%を押出することにより、マスターバッチをあらかじめ製造しておく。
混合物を210℃でブロー押出し、そして厚さ150ミクロンのフィルムを得る。
【0178】
害虫駆除剤処理のために、50%のバパム(VAPAM)(バスリニ(Baslini) S.p.A., トレビグリオ(Treviglio)/BG,イタリア)を含む2リットルの水性溶液、すなわち式CH3 −NH−CS−SNaを有するメタム−ナトリウム(metam-sodium)382g/リットルの水性溶液により発生した蒸気の存在下で20日間30℃で乾燥機内部に保持する。
処理されたフィルムを石英チューブに注入し、ASTM G26−96に従って黒色パネル温度63℃、連続乾式サイクルでアトラス(Atlas) Ci65キセノンアークウェザーオーメーターにおいて曝露する。
曝露の間、FT−IR分光光度計によりカルボニルの増加を測定し、そして脆化に関して試料を試験して性能を定期的に評価する。結果を以下の表にまとめる;カルボニル濃度の低い増加および高いT50時間は良好な安定性を示す。
【0179】
【表4】

【0180】
実施例24:温室フィルムにおける光安定製作用
以下に報告する項目のそれぞれの化合物と、0.921g/cm3 の密度および0.60g/10分のメルトフローインデックス(190℃/2.16Kg)を特徴とするLDPEペレット(エニケム(Enichem) 社,ミラノ,イタリア;により提供されたリブレン(Riblene) FF29)を、ゆるやかなミキサーでマスターバッチを経由させて混合する。
粉末LDPEおよび本発明の立体障害性ヒドロキシルアミンエーテル(化合物A)10重量%ならびに成分B(=オキソ基および、またはヒドロキシル基含有金属補助安定剤)およびC(更なる補助安定剤;カルボン酸の塩)の適当量を押出することにより、マスターバッチをあらかじめ製造しておく。
混合物を210℃でブロー押出し、そして厚さ150ミクロンのフィルムを得る。ポン
テキオ マルコニ(Pontecchio Marconi)(ボローニャ地方,イタリア)において、温室の南に面する屋根でフィルムを曝露する。
【0181】
バパム(VAPAM)(バスリニ(Baslini) S.p.A.,トレビグリオ(Treviglio)/BG,イタリア)、すなわち式CH3 −NH−CS−SNaを有するメタム−ナトリウム(metam-sodium)382g/リットルの水性溶液;
セスメトリン(SESMETRIN)(ビメックス(Bimex) SpA ,イソラ(Isola)/VI,イタリア):次式
【化80】


を有するペルメトリンの23.75%(%w/w)水性溶液。
6ヵ月毎に10リットルの水中4リットルのバパム(VAPAM)の溶液で、そして毎月セスメトリン(SESMETRIN)(5リットルの水中5g)で、温室に処理を施す。
曝露の間、FT−IR分光光度計によりカルボニルの増加を測定して性能を定期的に評価する。曝露はキロラングラー(Klys;単位面積当りのエネルギー)で測定される;1100Klysは1年の曝露に相当する。
【0182】
【表5】

【0183】
実施例25:木材コーティング
a)含浸:
市販で入手可能な含浸剤(セパム(Sepam) からの固体含量5.2%の“登録商標キシルアモン(Xylamon) インカラー(Incolore)”)を使用して、基材(マツ)を含浸させる。
ブラシにより含浸を行い(1回の塗布)、そして室温で24時間乾燥させる。
b)トップコート:
トップコートを以下の材料から製造する。
73.8部のアルキッド樹脂(登録商標ジャゴル(Jagol) PS21,E.ジャガー(E.Jager) KG),
0.52部の皮張り防止剤(登録商標エクシキン(Exkin) 2,セルボ デルデン(Servo Delden ) B.V.),
20.8部の脂肪族炭化水素溶媒(登録商標エクソル(Exxsol) D40,ドイツ エクソン ケミカル(Deutsche Exxon Chemical) 有限会社),
4.16部の金属乾燥剤(登録商標ジャガーアンチヒドロ−トロックナー( Jager Antihydro-Trockner) E.ジャガー(E.Jager) KG),
0.70部のPE−ワックス,溶媒中21%(登録商標ランコ グリッド(LancoGlidd) AH,G.M.ランガー(Langer)& Co)。
【0184】
トップコートを、2%のUVA(次式
【化81】


で表される化合物;チバスペシャルティケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)からの紫外線吸収剤)および以下の表に示される本発明の安定剤1%で安定化する。
全ての濃度は、バインダーの固体を基準とした重量によるものである。
含浸させたマツ板上にブラシによりトップコートを行い(2回の塗布)、そして各塗布後に室温で24時間乾燥させる。
促進曝露条件(QUV,70℃における光照射を8時間,50℃における圧縮を4時間,UV−Aランプ)に上記板を曝す。
400時間の曝露ごとにDIN67530により光沢(60°)を測定する。安定化されていないトップコートを塗布した未曝露のマツ板を参照として使用する。
結果を以下の表にまとめる。
【0185】
【表6】

全ての試料に関する初期の光沢(60°)は92ないし93である。
結果は、光沢の良好な保持性が本発明の安定剤により達成されることを示している。
【0186】
実施例26:2−コート金属性仕上げの安定化
30gの登録商標ソルベッソ(Solvesso)100中に試験される光安定剤を溶解し、そして以下の組成(重量部)を有する透明コートで試験を行う。
登録商標シンタクリル(Synthacryl)SC3031) 27.51
登録商標シンタクリルSC3702) 23.34
登録商標マプレナル(Maprenal)6503) 27.29
酢酸ブチル/ブタノール(37/8) 4.33
イソブタノール 4.87
登録商標ソルベッソ(Solvesso)1504) 2.72
クリスタルオイルK−305) 8.74
均染助剤 登録商標バイシロン(Baysilon)MA6) 1.20
――――――――――――――――――――――――――――――――
100.00
1 アクリレート樹脂,登録商標ヘキスト(Hoechst) AG;キシレン/ブタノール(26:9)中65%溶液
2 アクリレート樹脂,登録商標ヘキスト(Hoechst) AG;登録商標ソルベッソ(Solvess
o)100中75%溶液
3 メラミン樹脂,登録商標ヘキスト(Hoechst) AG;イソブタノール中55%溶液
4 芳香族炭化水素混合物,沸騰範囲:182ないし203℃(登録商標ソルベッソ(Solvesso)150)または161ないし178℃(登録商標ソルベッソ(Solvesso)100):製造者:登録商標エッソ(Esso)
5 登録商標ソルベッソ(Solvesso)150中1%;製造者:ベイヤー(Bayer) AG
【0187】
ワニスの固体含量を基準として、以下の表に示される安定剤1%および実施例25のUVA1.5%を透明コートに添加する。比較として光安定剤を含まない透明コートを使用する。
透明コートを登録商標ソルベッソ(Solvesso)100で稀釈して粘性を噴霧し、そして用意されたアルミニウム板(登録商標ユニプライムエポキシ(Uniprime Epoxy),銀−金属性ベースコート)に噴霧することによりトップコートを適応し、130℃で30分間焼成し、厚さ40ないし50μmの透明コートの乾燥フィルムを得る。
次いでアトラス(Atlas) Xe−Womウェザーオーメーター(CAM180)において以下に示すサイクルで試料を曝露する;40’紫外光,20’雨(フロント)を伴う光,60’光,60’雨(両面)を伴う闇,70℃における光,40℃における闇(フィルター:石英/ホウ素;340nmで0.55W/cm2)。
次いで、通常の間隔で試料の表面光沢(DIN67530において定義された20°の光沢)を測定する;高い値は良好な安定化を示すものである。結果を以下の表にまとめる。
【0188】
【表7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式I
【化1】


(式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は互いに独立して炭素原子数1ないし8のアルキル基または炭素原子数1ないし5のヒドロキシアルキル基を表すか、あるいはR1 およびR2 は該基が結合している炭素原子と一緒になって炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基を表すか、あるいはR3 およびR4 は該基が結合している炭素原子と一緒になって炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基を表し;R5 、R6 、R7 、R8 およびR9 は互いに独立して水素原子、炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数2ないし8のアルケニル基、炭素原子数5ないし12のアリール基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、電子求引基;または炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ハロゲン原子から選択された残基により置換された炭素原子数6ないし12のアリール基を表し、そしてR7 およびR8 は一緒になって化学結合を形成してもよく;そして
Rは、2ないし500個の炭素原子を含み、そして該基が直接的に結合している炭素原子および窒素原子と一緒になって、置換された5、6または7員環環式構造を形成する有機架橋基を表す。)で表されるモノマー化合物の製造方法であって、
次式II
【化2】


(式中、全ての残基RおよびR1 ないしR9 は式Iで定義された通りである。)で表される化合物を酸化することを特徴とする方法。
【請求項2】
次式V
【化3】


(式中、R、R1 、R2 、R3 およびR4 、R5 、R6 およびR9 は請求項1で式Iに関して定義された通りであり、
7 およびR8 は水素原子、炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数3ないし8のアルケニル基、炭素原子数5ないし12のアリール基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、ハロゲン原子、電子求引基;または炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ハロゲン原子から選択された残基により置換された炭素原子数6ないし12のアリール基を表し;そして
20およびR21の両方は水素原子かハロゲン原子のどちらかを表す。)で表される化合物の製造方法であって;請求項1中で定義された式IIで表される化合物を酸化し、そして
得られた式Iで表される中間体を水素化および/またはハロゲン化することを特徴とする方法。
【請求項3】
A)酸化、熱および/または化学線作用による分解を受けやすい有機ポリマー、および
B)次式IIIa、IVaまたはVa
【化4】


〔式中、R’およびRのそれぞれは次式
【化5】


で表される有機架橋基を表し;
2 は−CO−または−(CH2 p −(式中、Pは0、1または2である。)を表し;E1 は2個の残基R24およびR25を有する炭素原子を表すか、あるいは>N−R25を表すか、あるいは酸素原子を表し、そしてR24およびR25は水素原子または有機残基を表し、架橋基Rは全体で2ないし500個の炭素原子を含むことを特徴とし;
1 、R2 、R3 およびR4 は互いに独立して炭素原子数1ないし8のアルキル基または炭素原子数1ないし5のヒドロキシアルキル基を表すか、あるいはR1およびR2 は該基が結合している炭素原子と一緒になって炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基を表すか、あるいはR3 およびR4 は該基が結合している炭素原子と一緒になって炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基を表し;
5 、R6 、R7 、R8 およびR9 は互いに独立して水素原子、炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数2ないし8のアルケニル基、炭素原子数5ないし12のアリール基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、電子求引基;または炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ハロゲン原子から選択された残基により置換された炭素原子数6ないし12のアリール基を表し;
20およびR21はハロゲン原子を表し;そして
22およびR23は水素原子を表すか、または一緒になって化学結合を形成する。〕で表される化合物の少なくとも一種からなる組成物。
【請求項4】
溶媒、顔料、染料、可塑剤、酸化防止剤、安定剤、チキソトロープ剤、均染助剤、更なる光安定剤、金属不活性化剤、ホスフィットおよびホスホナイト、及び難燃剤から選択された更なる成分を含む請求項3記載の組成物。
【請求項5】
2−ヒドロキシフェニル−ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシフェニル−s−トリアジン、ベンゾフェノンから選択された紫外線吸収剤である更なる成分を含む請求項4記載の組成物。
【請求項6】
次式Ia
【化6】


〔式中、指数nは1ないし15の範囲にわたり;
5 、R6 、R7 、R8 およびR9 は互いに独立して炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数3ないし8のアルケニル基、炭素原子数5ないし12のアリール基、電子求引基;または炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ハロゲン原子により置換された炭素原子数6ないし12のアリール基を表し;
12は炭素原子数2ないし12のアルキレン基、炭素原子数4ないし12のアルケニレン基、炭素原子数5ないし7のシクロアルキレン基、炭素原子数5ないし7のシクロアルキレンジ(炭素原子数1ないし4のアルキレン)基、炭素原子数1ないし4のアルキレンジ(炭素原子数5ないし7のシクロアルキレン)基、フェニレンジ(炭素原子数1ないし4のアルキレン)基あるいは1,4−ピペラジンジイル基、−O−または>N−X1 (式中、X1 は炭素原子数1ないし12のアシル基または(炭素原子数1ないし12のアルコキシ)カルボニル基を表すか、あるいは水素原子を除いて以下に与えられるR14の定義の一つを有す。)により中断された炭素原子数4ないし12のアルキレン基を表し;
あるいはR12は次式(Ib’)または(Ic’)
【化7】


(式中、mは2または3であり、
2 は炭素原子数1ないし18のアルキル基、未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル基の1、2もしくは3個により置換された炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基;未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル基もしくは炭素原子数1ないし4のアルコキシ基の1、2もしくは3個により置換されたフェニル基;未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル基の1、2もしくは3個によりフェニル基上に置換された炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基を表し;そして
基X3 は互いに独立して炭素原子数2ないし12のアルキレン基を表す。)で表される基を表し;
基Aは互いに独立して−OR13、−N(R14)(R15)または次式(Id’)
【化8】


で表される基を表し;
13、R14およびR15は同一または異なっており、水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基;未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル基の1、2もしくは3個により置換された炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基;炭素原子数3ないし18のアルケニル基;未置換または炭素原子数1ないし4個のアルキル基もしくは炭素原子数1ないし4のアルコキシ基の1、2もしくは3個により置換されたフェニル基;未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル基の1、2もしくは3個によりフェニル基上に置換された炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基;テトラヒドロフルフリル基、または2、3もしくは4位に−OH、炭素原子数1ないし8のアルコキシ基、ジ(炭素原子数1ないし4のアルキル)アミノ基または次式(Ie’)
【化9】


(式中、Yは−O−、−CH2 −、−CH2 CH2 −または>N−CH3 を表す。)で表される基により置換された炭素原子数2ないし4のアルキル基を表すか;
または−N(R14)(R15)は付加的に式(Ie’)で表される基を表し;
Xは−O−または>N−R16を表し;
16は水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基、炭素原子数3ないし18のアルケニル基;未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル基の1、2もしくは3個により置換された炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基;未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル基の1、2もしくは3個によりフェニル基上に置換された炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基;テトラヒドロフルフリル基、次式(If’)
【化10】


で表される基、または2、3もしくは4位に−OH、炭素原子数1ないし8のアルコキシ基、ジ(炭素原子数1ないし4のアルキル)アミノ基または式(Ie’)で表される基により置換された炭素原子数2ないし4のアルキル基を表し;
11はR16に関して与えられた定義の一つを有し;そして
基Bは互いに独立してAに関して与えられた定義の一つを有する。〕で表される化合物。
【請求項7】
次式IIIc、IVaまたはVa
【化11】


〔式中Rは次式
【化12】


で表される有機架橋基を表し;
2 は−CO−または−(CH2 p −(式中、Pは0、1または2である。)を表し;E1 は2個の残基R24およびR25を有する炭素原子を表すか、あるいは>N−R25を表すか、あるいは酸素原子を表し、そしてR24およびR25は水素原子または有機残基を表し、架橋基Rは全体で2ないし500の炭素原子を含み、そして該基が直接的に結合している炭素原子および窒素原子と一緒になって、置換された5、6または7員環環式構造を形成することを特徴とし;
1 、R2 、R3 およびR4 は互いに独立して炭素原子数1ないし8のアルキル基または炭素原子数1ないし5のヒドロキシアルキル基を表すか、あるいはR1およびR2 は該基が結合している炭素原子と一緒になって炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基を表すか、あるいはR3 およびR4 は該基が結合している炭素原子と一緒になって炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基を表し;
5 、R6 、R7 、R8 およびR9 は互いに独立して水素原子、炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数2ないし8のアルケニル基、炭素原子数5ないし12のアリール基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、電子求引基;または炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ハロゲン原子から選択された残基により置換された炭素原子数6ないし12のアリール基を表し;
20およびR21はハロゲン原子を表し;そして
22およびR23は水素原子を表すか、または一緒になって化学結合を形成し、
ただし式IIIc中のRは次式
【化13】


(式中、R24およびR25は一緒になって=Oを表すか、または式中、R24は水素原子を表し、R25は水素原子、OHあるいは、フェノキシ基またはアルキルフェノキシ基またはフェニル基またはアルキルフェニル基により置換されたアルカノイルオキシ基である。)で表される架橋基を表さない。〕で表される化合物。
【請求項8】
次式IIIb
【化14】


(式中、基Aは互いに独立して−OR13、−N(R14)(R15)又は次式(IIId)
【化15】


で表される基を表し;
Xは−O−または>N−R16を表し;
16は水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基、炭素原子数3ないし18のアルケニル基;未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル基の1,2もしくは3個により置換された炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基;未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル基の1,2もしくは3個によりフェニル基上に置換された炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基;テトラヒドロフルフリル基、次式(IIIf)
【化16】


で表される基を表すか、
あるいは2、3もしくは4位に−OH、炭素原子数1ないし8のアルコキシ基、ジ(炭素原子数1ないし4のアルキル)アミノ基または式(Ie’)で表される基により置換された炭素原子数2ないし4のアルキル基を表し;
11はR16に関して与えられた定義の一つを有し;そして
基Bは互いに独立してAに関して与えられた定義の一つを有し;そしてここでは式(Ie’)および全ての他の記号は式Iaに関して請求項6で定義された通りである。)で表さ
れる請求項7記載の化合物。
【請求項9】
有機材料に安定剤を塗布することまたは有機材料に安定剤を配合することにより、光、酸素および/または熱による分解に対して該有機材料を安定化させるための方法であって、該安定剤が請求項6記載の式Iaで表される化合物および/または請求項7記載の式IIIc、IVaもしくはVaで表される化合物であることを特徴とする方法。
【請求項10】
有機ポリマーのための難燃剤として、請求項7記載の式IIIcまたは式Vaで表される化合物を使用する方法。

【公開番号】特開2011−6443(P2011−6443A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−182352(P2010−182352)
【出願日】平成22年8月17日(2010.8.17)
【分割の表示】特願平11−47904の分割
【原出願日】平成11年2月25日(1999.2.25)
【出願人】(396023948)チバ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Holding Inc.
【Fターム(参考)】