説明

立体駐車場と建築物

【課題】 簡易な構成で建築物本体と立体駐車場本体との間に介在させるのに適した緩衝部座を備えた建築物を提供しようとする。
【解決手段】
従来の建築物に変わって、建築物本体と立体駐車場本体と複数の緩衝部材とを備え、前記緩衝部材は前記立体駐車場本体により支持されており水平に沿って延びる第一垂直線をもつ第一端面を前記建築物本体に向ける第一緩衝部材と前記立体駐車場本体により支持されており水平に沿って延びる第二垂直線を持つ第二端面を前記建築物本体に向ける第二緩衝部材とを有し、前記第一緩衝部材または前記第二緩衝部材の一方が前記第一緩衝部材または前記第二緩衝部材の他方の周囲に配され、地震が発生しないときに前記第一端面と対面する前記建築物本体と間に所定寸法の隙間を空け前記第二端面を対面する前記建築物本体に接触させ、第二緩衝部材の少なくとも一部が第二垂直軸に沿って圧縮変形する、ものとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物本体と共に設けられる立体駐車場とその建築物に係る。特に、騒音が小さく地震が発生したときの安定性に優れる立体駐車場とその建築物に関する。
【背景技術】
【0002】
車両を駐車させるために立体駐車場が用いられる。
例えば、建築物の一部として立体駐車場を設けることがある。
例えば、建築物本体が基礎に自立し、立体駐車場がその建築物本体に併設して自立する。
例えば、中空空間を内部にもつ建築物本体が基礎に自立し、立体駐車場がその内部空間に収まって基礎に自立する。
これらの場合に、緩衝部材を建築物本体と立体駐車場との間に配することがある。
この様にすると、地震等が発生したときに、緩衝部材が建築物本体と立体駐車場との直接に干渉することを防ぐことをできる。
また、地震が発生しないときも、緩衝部材が建築物本体と立体駐車場との間に介在すると、立体駐車場を安定させることできる。
地震が発生したときに緩衝部材に要求される物理特性と地震が発生しないときに緩衝部材に異なり物理特性を要求される。
例えば、地震が発生したときに、建築物本体と立体駐車場とが直接に接触しない様に、緩衝部材の弾性変形代が少ないことを望まれる。また、建築物本体や立体駐車場に施工した耐火壁を傷めないことを求められる。
例えば、地震が発生しないときに、立体駐車場から発生する振動が建築物に伝搬して騒音が建築物本体に生じないことを求められる。
【0003】
上記の要求を満足するために異なる物理特性を持つ2種類の緩衝部材を用意し、地震が発生しないときに1種類の緩衝部材が建築物本体と立体駐車場とに接触し、地震が発生すると他の種類の緩衝部材が建築物本体と立体駐車場とに接触するにようする工夫が考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は以上に述べた問題点に鑑み案出されたもので、簡易な構成で建築物本体と立体駐車場本体との間に介在させるのに適した緩衝部材を備えた立体駐車場と建築物とを提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係る基礎に設けられる建築物を、基礎に自立する建築物本体と、基礎に自立する立体駐車場本体と、建築物本体と立体駐車場本と体の間に設けられる複数の緩衝部材と、を備え、前記緩衝部材は前記建築物本体または前記立体駐車場本体のうちのどちらか一方により支持されており水平に沿って延びる第一垂直線をもつ第一端面を前記建築物本体または前記立体駐車場本体のうちの他方に向ける第一緩衝部材と前記建築物本体または前記立体駐車場本体のうちのどちらか一方により支持されており水平に沿って延びる第二垂直線を持つ第二端面を前記建築物本体または前記立体駐車場本体のうちの他方に向ける第二緩衝部材とを有し、前記第一緩衝部材または前記第二緩衝部材の一方が前記第一緩衝部材または前記第二緩衝部材の他方の周囲に配され、地震が発生しないときに前記第一端面と対面する前記建築物本体または前記立体駐車場本体と間に所定寸法の隙間を空け前記第二端面を対面する前記建築物本体または前記立体駐車場本体に接触させ、第二緩衝部材の少なくとも一部が第二垂直線に沿って圧縮変形できる、ものとした。
【0006】
上記本発明の構成により、建築物本体が、基礎に自立する。立体駐車場本体が、基礎に自立する。複数の緩衝部材が、建築物本体と立体駐車場本体との間に設けられる。前記緩衝部材の第一緩衝部材は、前記建築物本体または前記立体駐車場本体のうちのどちらか一方により支持されており、水平に沿って延びる第一垂直線をもつ第一端面を前記建築物本体または前記立体駐車場本体のうちの他方に向ける。前記緩衝部材の第二緩衝部材は、前記建築物本体または前記立体駐車場本体のうちのどちらか一方により支持されており、水平に沿って延びる第二垂直線を持つ第二端面を前記建築物本体または前記立体駐車場本体のうちの他方に向ける。前記第一緩衝部材または前記第二緩衝部材の一方が前記第一緩衝部材または前記第二緩衝部材の他方の周囲に配される。地震が発生しないときに前記第一端面と対面する前記建築物本体または前記立体駐車場本体と間に所定寸法の隙間を空け前記第二端面を対面する前記建築物本体または前記立体駐車場本体に接触させる。
第二緩衝部材が第二垂直線に沿って圧縮変形できる。
その結果、地震が発生しないときに立体駐車場の振動が第二緩衝部材を介して建築物本体に伝達され、地震が発生すると前記第二緩衝部材が圧縮変形し所定寸法だけ短くなったときに第一端面が建築物本体または立体駐車場本体に接触して建築物本体と立体駐車場本体とが支え合う。
【0007】
以下に、本発明の実施形態に係る建築物を説明する。本発明は、以下に記載した実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組み合わされた態様を含む。
【0008】
本発明の実施形態に係る建築物は、前記第一緩衝部材または前記第二緩衝部材のうちのどちから一方が前記第一緩衝部材または前記第二緩衝部材の他方の周囲を囲う。
上記の実施形態の構成により、前記第一緩衝部材または前記第二緩衝部材のうちのどちから一方が、前記第一緩衝部材または前記第二緩衝部材の他方の周囲を囲う。
その結果、第二緩衝部材が圧縮変形し所定寸法だけ短くなったときに第一端面が建築物本体または立体駐車場本体に安定して接触する。
【0009】
本発明の実施形態に係る建築物は、前記第一緩衝部材または前記第二緩衝部材のうちのどちらか一方が開口をもつ空隙を形成する弾性体をもち、
前記第一緩衝部材または前記第二緩衝部材の他方が前記空隙に嵌まる弾性体を持つ。
上記の実施形態の構成により、前記第一緩衝部材または前記第二緩衝部材のうちのどちらか一方の弾性体が、開口をもつ空隙を形成する。前記第一緩衝部材または前記第二緩衝部材の他方の弾性体が、前記空隙に嵌まる。
その結果、第二緩衝部材が圧縮変形し所定寸法だけ短くなったときに第一端面が建築物本体または立体駐車場本体に安定して接触する。
【0010】
本発明の実施形態に係る建築物は、前記緩衝部材が前記第一垂直線と前記第二垂直線とを平行にする様に前記第一緩衝部材と前記第二緩衝部材とを支持する支持部材と該支持部材を前記第一垂直線に沿って移動させて前記第一端面と前記第一端面に対面する前記建築物本体または前記立体駐車場本体との間に空けた隙間を調整可能な調整機構とを有する。
上記の実施形態の構成により、前記緩衝部材の支持部材が、前記第一垂直線と前記第二垂直線とを平行にする様に前記第一緩衝部材と前記第二緩衝部材とを支持する。
前記緩衝部材の調整機構が、該支持部材を前記第一垂直線に沿って移動させて前記第一端面と前記第一端面に対面する前記建築物本体または前記立体駐車場本体との間に空けた隙間を調整可能である。
その結果、第一端面とと前記建築物本体または前記立体駐車場本体との間に空けた隙間を所定寸法に容易に調整できる。
【0011】
本発明の実施形態に係る建築物は、複数の前記緩衝部材が高さ方向に所定の間隔を隔てて各々に配置され、複数の前記緩衝部材の各々の前記第二緩衝部材の第二垂直線に沿う変位に係る各々の固有振動数が20Hzより各々に小さい。
上記の実施形態の構成により、複数の前記緩衝部材が高さ方向に所定の間隔を隔てて各々に配置される。複数の前記緩衝部材の各々の前記第二緩衝部材の第二垂直線に沿う変位に係る各々の固有振動数が20Hzより各々に小さい。
その結果、地震が発生しないときに立体駐車場本体の振動が第二緩衝部材を介して建築物本体に伝達する振動特性を調整できる。
【0012】
本発明の実施形態に係る建築物は、前記第一緩衝部材の前記第一垂直線に沿う圧縮変形に係る第一圧縮ばね定数が前記第二緩衝部材の前記第二垂直線に沿う圧縮変形に係る第二圧縮ばね定数より大きい。
上記の実施形態の構成により、前記第一緩衝部材の前記第一垂直線に沿う圧縮変形に係る第一圧縮ばね定数が前記第二緩衝部材の前記第二垂直線に沿う圧縮変形に係る第二圧縮ばね定数より大きい。
その結果、地震が発生して第一端面が前記建築物本体または前記立体駐車場本体に接触した際に立体駐車場本体と建築物本体の相対変位を抑制できる。
【0013】
上記目的を達成するため、本発明に係る建築物本体と共に設けられる立体駐車場を、基礎に自立する立体駐車場本体と、建築物本体と立体駐車場本体との間に設けられる複数の緩衝部材と、を備え、前記緩衝部材は前記建築物本体または前記立体駐車場本体のうちのどちらか一方により支持されており水平に沿って延びる第一垂直線をもつ第一端面を前記建築物本体または前記立体駐車場本体のうちの他方に向ける第一緩衝部材と前記建築物本体または前記立体駐車場本体のうちのどちらか一方により支持されており水平に沿って延びる第二垂直線を持つ第二端面を前記建築物本体または前記立体駐車場本体のうちの他方に向ける第二緩衝部材とを有し、前記第一緩衝部材または前記第二緩衝部材の一方が前記第一緩衝部材または前記第二緩衝部材の他方の周囲に配され、地震が発生しないときに前記第一端面と対面する前記建築物本体または前記立体駐車場本体と間に所定寸法の隙間を空け前記第二端面を対面する前記建築物本体または前記立体駐車場本体に接触させ、
第二緩衝部材が第二垂直線に沿って圧縮変形できる、ものとした。
【0014】
上記本発明の構成により、建築物本体が、基礎に自立する。立体駐車場本体が、基礎に自立する。複数の緩衝部材が、建築物本体と立体駐車場本体との間に設けられる。前記緩衝部材の第一緩衝部材は、前記建築物本体または前記立体駐車場本体のうちのどちらか一方により支持されており、水平に沿って延びる第一垂直線をもつ第一端面を前記建築物本体または前記立体駐車場本体のうちの他方に向ける。前記緩衝部材の第二緩衝部材は、前記建築物本体または前記立体駐車場本体のうちのどちらか一方により支持されており、水平に沿って延びる第二垂直線を持つ第二端面を前記建築物本体または前記立体駐車場本体のうちの他方に向ける。前記第一緩衝部材または前記第二緩衝部材の一方が前記第一緩衝部材または前記第二緩衝部材の他方の周囲に配される。地震が発生しないときに前記第一端面と対面する前記建築物本体または前記立体駐車場本体と間に所定寸法の隙間を空け前記第二端面を対面する前記建築物本体または前記立体駐車場本体に接触させる。第二緩衝部材が第二垂直線に沿って圧縮変形できる。
その結果、地震が発生しないときに立体駐車場の振動が第二緩衝部材を介して建築物本体に伝達され、地震が発生すると前記第二緩衝部材が圧縮変形し所定寸法だけ短くなったときに第一端面が建築物本体または立体駐車場本体に接触して建築物本体と立体駐車場本体とが支え合う。
【0015】
以下に、本発明の実施形態に係る立体駐車場を説明する。本発明は、以下に記載した実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組み合わされた態様を含む。
【0016】
本発明の実施形態に係る立体駐車場は、前記第一緩衝部材または前記第二緩衝部材のうちのどちらか一方が前記第一緩衝部材または前記第二緩衝部材の他方の周囲を囲う。
上記の実施形態の構成により、前記第一緩衝部材または前記第二緩衝部材のうちのどちらか一方が前記第一緩衝部材または前記第二緩衝部材の他方の周囲を囲う。
その結果、第二緩衝部材が圧縮変形し所定寸法だけ短くなったときに第一端面が建築物本体または立体駐車場本体に安定して接触する。
【0017】
本発明の実施形態に係る立体駐車場は、前記第一緩衝部材または前記第二緩衝部材のうちのどちらか一方が開口をもつ空隙を形成する弾性体をもち、前記第一緩衝部材または前記第二緩衝部材の他方が前記空隙に嵌まる弾性体を持つ。
上記の実施形態の構成により、前記第一緩衝部材または前記第二緩衝部材のうちのどちらか一方の弾性体が、開口をもつ空隙を形成する。前記第一緩衝部材または前記第二緩衝部材の他方の弾性体が、前記空隙に嵌まる。
その結果、第二緩衝部材が圧縮変形し所定寸法だけ短くなったときに第一端面が建築物本体または立体駐車場本体に安定して接触する。
【0018】
本発明の実施形態に係る立体駐車場は、前記緩衝部材が前記第一垂直線と前記第二垂直線とを平行にする様に前記第一緩衝部材と前記第二緩衝部材とを支持する支持部材と該支持部材を前記第一垂直線に沿って移動させて前記第一端面と前記第一端面に対面する前記建築物本体または前記立体駐車場本体との間に空けた隙間を調整可能な調整機構とを有する。
上記の実施形態の構成により、前記緩衝部材の支持部材が、前記第一垂直線と前記第二垂直線とを平行にする様に前記第一緩衝部材と前記第二緩衝部材とを支持する。前記緩衝部材の調整機構が、該支持部材を前記第一垂直線に沿って移動させて前記第一端面と前記第一端面に対面する前記建築物本体または前記立体駐車場本体との間に空けた隙間を調整可能である。
その結果、第一端面とと前記建築物本体または前記立体駐車場本体との間に空けた隙間を所定寸法に容易に調整できる。
【0019】
本発明の実施形態に係る立体駐車場は、複数の前記緩衝部材が高さ方向に所定の間隔を隔てて各々に配置され、複数の前記緩衝部材の各々の前記第二緩衝部材の第二垂直線に沿う変位に係る各々の固有振動数が20Hzより各々に小さい。
上記の実施形態の構成により、複数の前記緩衝部材が高さ方向に所定の間隔を隔てて各々に配置される。複数の前記緩衝部材の各々の前記第二緩衝部材の第二垂直線に沿う変位に係る各々の固有振動数が20Hzより各々に小さい。
その結果、地震が発生しないときに立体駐車場本体の振動が第二緩衝部材を介して建築物本体に伝達する振動特性を調整できる。
【0020】
本発明の実施形態に係る立体駐車場は、前記第一緩衝部材の前記第一垂直線に沿う圧縮変形に係る第一圧縮ばね定数が前記第二緩衝部材の前記第二垂直線に沿う圧縮変形に係る第二圧縮ばね定数より大きい。
上記の実施形態の構成により、前記第一緩衝部材の前記第一垂直線に沿う圧縮変形に係る第一圧縮ばね定数が前記第二緩衝部材の前記第二垂直線に沿う圧縮変形に係る第二圧縮ばね定数より大きい。
その結果、地震が発生して第一端面が前記建築物本体または前記立体駐車場本体に接触した際に立体駐車場本体と建築物本体の相対変位を抑制できる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明に係る建築物と立体駐車場とは、その構成により、以下の効果を有する。
複数の緩衝部際を基礎に自立する建築物本体と立体駐車場本体との間に設け、緩衝部材の第一緩衝部材と第二緩衝部材との一方が他方の周囲に配され、第一緩衝部材が前記建築物本体または前記立体駐車場本体の一方に支持させており第一端面を他方に向け、第二緩衝部材が前記建築物本体または前記立体駐車場本体の一方に支持させており第二端面を他方に向け、地震が発生しないときに第二端面を前記建築物本体または前記立体駐車場本体に接触させて第一端面を前記建築物本体または前記立体駐車場本体との間に隙間を空け、前記第二緩衝部材が第二垂直線に沿って圧縮変形できる様にしたので、
地震が発生しないときに立体駐車場の振動が第二緩衝部材を介して建築物本体に伝達され、地震が発生すると前記第二緩衝部材が圧縮変形し所定寸法だけ短くなったときに第一端面が建築物本体または立体駐車場本体に接触して建築物本体と立体駐車場本体とが支え合う。
また、前記第一緩衝部材または前記第二緩衝部材のうちのどちから一方が他方の周囲を囲う様にしたので、第二緩衝部材が圧縮変形し所定寸法だけ短くなったときに第一端面が建築物本体または立体駐車場本体に安定して接触する。
また、前記第一緩衝部材または前記第二緩衝部材のうちのどちらか一方の弾性体が形成する開口をもつ空隙に他方が嵌まる様にしたので、第二緩衝部材が圧縮変形し所定寸法だけ短くなったときに第一端面が建築物本体または立体駐車場本体に安定して接触する。
また、支持部材が前記第一緩衝部材と前記第二緩衝部材とを支持し、前記第一垂直線と前記第二垂直線とを平行にし、前記調整機構が前記支持部材を移動させて第一端面と前記建築物本体または前記立体駐車場本体との間に空けた隙間を調整できる様にしたので、第一端面とと前記建築物本体または前記立体駐車場本体との間に空けた隙間を所定寸法に容易に調整できる。
また、高さ方向に所定の間隔を隔てて各々に配置される複数の緩衝部材の各々の第二緩衝部材の第二垂直線に沿う変位にかかる各々の固有振動数を20Hzより各々に小さくする様にしたので、地震が発生しないときに立体駐車場本体の振動が第二緩衝部材を介して建築物本体に伝達する振動特性を調整できる。
また、前記第一緩衝部材の前記第一垂直線に沿う圧縮変形に係る第一圧縮ばね定数が前記第二緩衝部材の前記第二垂直線に沿う圧縮変形に係る第二圧縮ばね定数より大きい様にしたので、地震が発生して第一端面が前記建築物本体または前記立体駐車場本体に接触した際に立体駐車場本体と建築物本体の相対変位を抑制できる。
従って、簡易な構成で建築物本体と立体駐車場本体との間に介在させるのに適した緩衝部座を備えた立体駐車場と建築物とを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る建築物の正面図である。
【図2】本発明の第一の実施形態に係る立体駐車場の正面図である。
【図3】本発明の第一の実施形態に係る立体駐車場のA−A矢視図である。
【図4】本発明の第一の実施形態に係る緩衝部材の正面図である。
【図5】本発明の第一の実施形態に係る緩衝部材の側面図である。
【図6】本発明の第一の実施形態に係る緩衝部材の作用図である。
【図7】本発明の第二の実施形態に係る緩衝部材の正面図である。
【図8】本発明の第二の実施形態に係る緩衝部材の平面図である。
【図9】本発明の第二の実施形態に係る駐車装置の作用図である。
【図10】本発明の第三の実施形態に係る立体駐車場のA−A矢視図である。
【図11】本発明の第四の実施形態に係る緩衝部材の正面図である。
【図12】本発明の第四の実施形態に係る緩衝部材の側面図である。
【図13】本発明の第四の実施形態に係る緩衝部材の作用図である。
【図14】本発明の実施形態にかかる建築物の質点系モデル図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照して説明する。
【0024】
最初に、本発明の第一の実施形態にかかる建築物と立体駐車場を説明する。
図1は、本発明の第一の実施形態に係る建築物の正面図である。図2は、本発明の第一の実施形態に係る立体駐車場の正面図である。図3は、本発明の第一の実施形態に係る立体駐車場のA−A矢視図である。図4は、本発明の第一の実施形態に係る緩衝部材の正面図である。図5は、本発明の第一の実施形態に係る緩衝部材の側面図である。図6は、本発明の第一の実施形態に係る緩衝部材の作用図である。図14は、本発明の実施形態にかかる建築物の質点系モデル図である。
【0025】
本発明の第一の実施形態に係る建築物100は、基礎に設けられるものであって、建築物本体110と立体駐車場200とで構成される。
立体駐車場200は、車両を駐車させるものであって、建築物本体110と共に設けられるものである。
立体駐車場200は、立体駐車場本体210と複数の緩衝部材220とで構成される。
建築物本体110が内部空間Hを形成し、立体駐車場200が内部空間Hに設けられてもよい。
内部空間Hは、ボイドと呼称される。
立体駐車場本体210は、基礎に自立する。
例えば、立体駐車場本体210は、内部空間Hに設けられ、基礎に自立する。
複数の緩衝部材220は、建築物本体110と立体駐車場本体210との間に設けられる。
複数の緩衝部材220は、高さ方向に所定の間隔を隔てて各々に配置されてもよい。
複数の緩衝部材220のうち幾つかの緩衝部材220を一組として、複数組が高さ方向に所定の間隔を隔てて各々に配置されてもよい。
【0026】
図3は、8個の緩衝部材220を一組として、一組の緩衝部材220が、一定の高さに配される様子を示す。
1組の緩衝部材220は、4個のx軸方向緩衝部材220xと4個のy軸方向緩衝部材220yとで構成される。
水平面に含まれるxy直交座標を仮想し、x軸方向緩衝部材220xの後述する第一垂直線G1と第二垂直線G2がx軸に沿って延び、y軸方向緩衝部材220yの後述する第一垂直線G1と第二垂直線G2がy軸に沿って延びる。
【0027】
緩衝部材220は、第一緩衝部材221と第二緩衝部材222とで構成される。
緩衝部材220は、第一緩衝部材221と第二緩衝部材222と支持部材223と調整機構224とで構成されてもよい。
【0028】
第一緩衝部材221は、建築物本体110または立体駐車場本体210のうちのどちらか一方により支持されており、水平に沿って延びる第一垂直線G1をもつ第一端面S1を建築物本体110または立体駐車場本体210のうちの他方に向ける部材である。
例えば、第一緩衝部材221は、立体駐車場本体210により支持されており、水平に沿って延びる第一垂直線G1をもつ第一端面S1を建築物本体110に向ける部材である。
【0029】
第二緩衝部材222は、建築物本体110または立体駐車場本体210のうちのどちらか一方により支持されており、水平に沿って延びる第二垂直線G2をもつ第二端面S2を建築物本体110または立体駐車場本体210のうちの他方に向ける部材である。
例えば、第二緩衝部材222は、立体駐車場本体210により支持されており、水平に沿って延びる第二垂直線G2をもつ第二端面S2を建築物本体110に向ける部材である。
【0030】
地震が発生しないときに、第一端面S1と対面する建築物本体110または立体駐車場本体210と間に所定寸法Dの隙間を空け、第二端面S2を対面する建築物本体110または立体駐車場本体210に接触させる。
例えば、地震が発生しないときに、第一端面S1と対面する建築物本体110と間に所定寸法Dの隙間を空け、第二端面S2を対面する建築物本体110に接触させる。
第一緩衝部材221が第一垂直線G1に沿って圧縮変形できる。
第二緩衝部材222が第二垂直線G2に沿って圧縮変形できる。
例えば、第一緩衝部材221が、第一端面S1を形成する弾性体を持つ。
例えば、第二緩衝部材222が、第二端面S2を形成する弾性体を持つ。
【0031】
第一緩衝部材221または第二緩衝部材222の一方が第一緩衝部材221または第二緩衝部材222の他方の周囲に配される。
例えば、第一緩衝部材221が第二緩衝部材222の周囲に配される。
【0032】
第一緩衝部材221または第二緩衝部材222のうちのどちから一方が第一緩衝部材221または第二緩衝部材222の他方の周囲を囲ってもよい。
例えば、第一緩衝部材221が第二緩衝部材222の周囲を囲う。
【0033】
第一緩衝部材221または第二緩衝部材222のうちのどちらか一方が開口をもつ空隙を形成する弾性体をもち、第一緩衝部材221または第二緩衝部材222の他方が空隙に嵌まる弾性体を持ってもよい。
例えば、第一緩衝部材221が開口をもつ空隙を形成する弾性体をもち、第二緩衝部材222が空隙に嵌まる弾性体を持つ。
図4は、第一緩衝部材221の弾性体が直径D1の空隙を形成し、第二緩衝部材222の弾性体が直径D2の円柱形である様子を示す。第二緩衝部材222の弾性体が第一緩衝部材221の弾性体が形成する直径D1の空隙に嵌まる。
【0034】
支持部材223は、第一垂直線G1と第二垂直線G2とを平行にする様に第一緩衝部材と第二緩衝部材とを支持する部材である。
例えば、支持部材223は、第一垂直線G1と第二垂直線G2とを平行にする様に第一緩衝部材221と第二緩衝部材222とを共に支持する1つの部材である。
例えば、支持部材223は、第一垂直線G1と第二垂直線G2とを平行にし第一端面S1と第二端面S2とを同一方向に向けて第一緩衝部材221と第二緩衝部材222とを共に支持する1つの部材である。
【0035】
調整機構224は、支持部材223を第一垂直線G1に沿って移動させて、第一端面S1と第一端面S1に対面する建築物本体110または立体駐車場本体210との間に空けた隙間を調整可能な機構である。
例えば、調整機構224は、支持部材223を第一垂直線G1に沿って移動させて、第一端面S1と第一端面S1に対面する建築物本体110の間に空けた隙間の寸法Dを調整可能な機構である。
例えば、調整機構224は、ネジ棒224aとナット224bと一対のフランジ224cとで構成される。
一対のフランジ224cがネジ棒224aの両端にナット224bにより連結される。
ナット224bを回転させることにより、一対の224cの離間距離が調整され、第一端面S1と第一端面S1に対面する建築物本体110の間に空けた隙間の寸法Dを調整できる。
【0036】
複数の緩衝部材220が高さ方向に所定の間隔を隔てて各々に配置されており、
複数の緩衝部材220の各々の第二緩衝部材222の第二垂直線G2に沿う変位に係る各々の固有振動数が20Hzより各々に小さくてもよい。
複数の緩衝部材220が高さ方向に所定の間隔を隔てて各々に配置されており、
複数の緩衝部材220の各々の第二緩衝部材222の第二垂直線G2に沿う変位に係る各々の固有振動数が15Hzより各々に小さくてもよい。
この様にすると、可聴域の振動が駐車場本体210から建築物本体110へ固体伝搬するのを抑制できる。
図14は、図1の建築物を質点系モデルである。
立体駐車場の質量は緩衝部材220の設けられる高さ毎に分かれて分布する複数の集中質量と仮想し、複数の集中質量は複数の高さ毎に緩衝部材220を各々に設けられる。
固有振動数fは以下の式により計算する。

f=1/2π×SQRT(K×g/W)

ここで、
Kは同一の方向に沿った変位に係るばね定数(kgf/cm)
Wは同一の方向に沿って変位する1組の緩衝部材にかかる集中質量(kgf)
gは重量加速度(980cm/s

ばね定数Kは集中質量を第一垂直線または第二垂直線のうちの一方に沿って単位変位させるのに必要な力である。

例えば、第一垂直線G1と第二垂直線G2がx軸に沿って延びる一組の緩衝部材について、
fx=1/2π×SQRT(Kx×g/W)

ここで、
Kxはx軸方向に沿った変位に係るばね定数(kgf/cm)
Wは同一の方向に沿って変位する1組の緩衝部材にかかる集中質量(kgf)
gは重量加速度(980cm/s

fy=1/2π×SQRT(Ky×g/W)

ここで、
Kyはy軸方向に沿った変位に係るばね定数(kgf/cm)
Wは同一の方向に沿って変位する1組の緩衝部材にかかる集中質量(kgf)
gは重量加速度(980cm/s
【0037】
第一緩衝部材221の第一垂直線G1に沿う圧縮変形に係る第一圧縮ばね定数が第二緩衝部材222の第二垂直線G2に沿う圧縮変形に係る第二圧縮ばね定数より大きくてもよい。
第一端面S1の面積を選んで、第一圧縮ばね定数を所望の値にすることができる。
例えば、第一半径D1を小さくすると第一端面S1の面積が大きくなり、第一圧縮ばね定数が大きくなる。第一半径D1を大きくすると第一端面S1の面積が小さくなり、第一圧縮ばね定数が小さくなる。
第二端面S2の面積を選んで、第二圧縮ばね定数を希望の値にすることができる。
例えば、第二半径D2を小さくすると第二端面S2の面積が小さくなり、第二圧縮ばね定数が小さくなる。第二半径D2を大きくすると第二端面S2の面積が大きくなり、第一圧縮ばね定数が大きくなる。
【0038】
以下に、本発明の第一の実施形態にかかる建築物と立体駐車場の作用を、図を基に、説明する。
図6は、本発明の第一の実施形態に係る緩衝部材の作用を示す。
【0039】
図6の上図は、地震が発生しないときの緩衝部材220の様子を示す。
第一緩衝部材221の第一端面S1が建築物本体110との間に所定の隙間Dを空ける。
例えば、第一端面S1が建築物架構111との間に所定寸法Dの隙間を空ける。
第二緩衝部材222の第二端面S2が建築物本体110に接触する。
例えば、第二端面S2が建築物架構111に接触する。
立体駐車場本体210で発生した振動が、第二緩衝部材222を介して建築物本体110に固体伝搬する。
【0040】
図6の下図は、地震が発生したときの緩衝部材220の様子を示す。
地震の変動により建築物本体110と立体駐車場本体210との複数の隙間のうちの幾つかの隙間が狭くなり、第二緩衝部材222が圧縮される。
第一緩衝部材221の第一端面S1が、建築物本体110に接触する。
例えば、第一端面S1が建築物架構111に接触する。
地震が収まると、上図の状態に戻る。
【0041】
次に、本発明の第二の実施形態にかかる建築物と立体駐車場を説明する。
図7は、本発明の第二の実施形態に係る緩衝部材の正面図である。図8は、本発明の第二の実施形態に係る緩衝部材の平面図である。図9は、本発明の第二の実施形態に係る駐車装置の作用図である。
【0042】
本発明の第二の実施形態に係る建築物100は、基礎に設けられるものであって、建築物本体110と立体駐車場200とで構成される。
立体駐車場200は、車両を駐車させるものであって、建築物本体110と共に設けられるものである。
立体駐車場200は、立体駐車場本体210と複数の緩衝部材220とで構成される。
建築物本体110が内部空間を形成し、立体駐車場200が内部空間に設けられてもよい。
立体駐車場本体210は、基礎に自立する。
例えば、立体駐車場本体210は、内部空間Hに設けられ、基礎に自立する。
複数の緩衝部材220は、建築物本体110と立体駐車場本体210との間に設けられる。
複数の緩衝部材220は、高さ方向に所定の間隔を隔てて各々に配置されてもよい。
複数の緩衝部材220のうち幾つかの緩衝部材220を一組として、複数組が高さ方向に所定の間隔を隔てて各々に配置されてもよい。
【0043】
一定の高さ毎における複数の緩衝部材220の配置は、第一の実施形態にかかる建築物と立体駐車場のものと同じなので、説明を省略する。
【0044】
緩衝部材220は、第一緩衝部材221と第二緩衝部材222とで構成される。
緩衝部材220は、第一緩衝部材221と第二緩衝部材222と支持部材223と調整機構224とで構成されてもよい。
【0045】
第一緩衝部材221は、建築物本体110または立体駐車場本体210のうちのどちらか一方により支持されており、水平に沿って延びる第一垂直線G1をもつ第一端面S1を建築物本体110または立体駐車場本体210のうちの他方に向ける部材である。
例えば、第一緩衝部材221は、立体駐車場本体210により支持されており、水平に沿って延びる第一垂直線G1をもつ第一端面S1を建築物本体110に向ける部材である。
【0046】
第二緩衝部材222は、建築物本体110または立体駐車場本体210のうちのどちらか一方により支持されており、水平に沿って延びる第二垂直線G2をもつ第二端面S2を建築物本体110または立体駐車場本体210のうちの他方に向ける部材である。
例えば、第二緩衝部材222は、立体駐車場本体210により支持されており、水平に沿って延びる第二垂直線G2をもつ第二端面S2を建築物本体110に向ける部材である。
【0047】
地震が発生しないときに、第一端面S1と対面する建築物本体110または立体駐車場本体210と間に所定寸法の隙間を空け、第二端面S2を対面する建築物本体110または立体駐車場本体210に接触させる。
例えば、地震が発生しないときに、第一端面S1と対面する建築物本体110と間に所定寸法の隙間を空け、第二端面S2を対面する建築物本体110に接触させる。
第二緩衝部材222が第二垂直線G2に沿って圧縮変形できる。
例えば、第一緩衝部材221が、第一端面S1を形成する弾性体を持つ。
例えば、第二緩衝部材222が、第二端面S2を形成する弾性体を持つ。
【0048】
第一緩衝部材221または第二緩衝部材222の一方が第一緩衝部材221または第二緩衝部材222の他方の周囲に配される。
例えば、第一緩衝部材221が第二緩衝部材222の周囲に配される。
【0049】
第一緩衝部材221または第二緩衝部材222のうちのどちから一方が第一緩衝部材221または第二緩衝部材222の他方の周囲を囲ってもよい。
例えば、第一緩衝部材221が第二緩衝部材222の左右に配される。
【0050】
第一緩衝部材221または第二緩衝部材222のうちのどちらか一方が間に空隙を形成する弾性体をもち、第一緩衝部材221または第二緩衝部材222の他方が空隙に位置する弾性体を持ってもよい。
例えば、第一緩衝部材221が間に空隙を設けた1対の弾性体をもち、第二緩衝部材222が空隙に嵌まる弾性体を持つ。
図7は、第一緩衝部材221の左右1対の弾性体が間に隙間を形成し、第二緩衝部材222の弾性体が直径D2の円柱形である様子を示す。第二緩衝部材222の弾性体が第一緩衝部材221の左右1対の弾性体が形成する空隙に嵌まる。
【0051】
支持部材223は、調整機構224の構造は、第一の実施形態にかかる建築物と立体駐車場のものと同じなので、説明を省略する。
【0052】
複数の緩衝部材220が高さ方向に所定の間隔を隔てて各々に配置されており、
複数の緩衝部材220の各々の第二緩衝部材222の第二垂直線G2に沿う変位に係る各々の固有振動数が20Hzより各々に小さくてもよい。
複数の緩衝部材220が高さ方向に所定の間隔を隔てて各々に配置されており、
複数の緩衝部材220の各々の第二緩衝部材222の第二垂直線G2に沿う変位に係る各々の固有振動数が15Hzより各々に小さくてもよい。
この様にすると、可聴域の振動が駐車場本体210から建築物本体110へ固体伝搬するのを抑制できる。
【0053】
第一緩衝部材221の第一垂直線G1に沿う圧縮変形に係る第一圧縮ばね定数が第二緩衝部材222の第二垂直線G2に沿う圧縮変形に係る第二圧縮ばね定数より大きくてもよい。
ここで、圧縮ばね定数は単位変位をするのに必要な力である。
第一端面S1の面積を選んで、第一圧縮ばね定数を所望の値にすることができる。
例えば、第一端面S1の面積を大きくすると、第一圧縮ばね定数が大きくなる。第一端面S1の面積を小さくすると、第一圧縮ばね定数が小さくなる。
第二端面S2の面積を選んで、第二圧縮ばね定数を希望の値にすることができる。
例えば、第二半径D2を小さくすると第二端面S2の面積が小さくなり、第二圧縮ばね定数が小さくなる。第二半径D2を大きくすると第二端面S2の面積が大きくなり、第一圧縮ばね定数が大きくなる。
【0054】
以下に、本発明の第二の実施形態にかかる建築物と立体駐車場の作用を、図を基に、説明する。
図9は、本発明の第二の実施形態に係る緩衝部材の作用を示す。
【0055】
図9の上図は、地震が発生しないときの緩衝部材220の様子を示す。
第一緩衝部材221の第一端面S1が建築物本体110との間に所定寸法Dの隙間を空ける。
例えば、第一端面S1が建築物架構111との間に所定寸法Dの隙間を空ける。
第二緩衝部材222の第二端面S2が建築物本体110に接触する。
例えば、第二端面S2が建築物架構111に接触する。
立体駐車場本体210で発生した振動が、第二緩衝部材222を介して建築物本体110に固体伝搬する。
【0056】
図9の下図は、地震が発生したときの緩衝部材220の様子を示す。
地震の変動により建築物本体110と立体駐車場本体210との複数の隙間のうちの幾つかの隙間が狭くなり、第二緩衝部材222が圧縮される。
第一緩衝部材221の第一端面S1が、建築物本体110に接触する。
例えば、第一端面S1が建築物架構111に接触する。
地震が収まると、上図の状態に戻る。
【0057】
次に、本発明の第三の実施形態にかかる建築物と立体駐車場を説明する。
図10は、本発明の第三の実施形態に係る立体駐車場のA−A矢視図である。
【0058】
本発明の第三の実施形態に係る建築物100は、基礎に設けられるものであって、建築物本体110と立体駐車場200とで構成される。
立体駐車場200は、車両を駐車させるものであって、建築物本体110と共に設けられるものである。
立体駐車場200は、立体駐車場本体210と複数の緩衝部材220とで構成される。
建築物本体110が内部空間を形成し、立体駐車場200が内部空間に設けられてもよい。
立体駐車場本体210は、基礎に自立する。
例えば、立体駐車場本体210は、内部空間Hに設けられ、基礎に自立する。
複数の緩衝部材220は、建築物本体110と立体駐車場本体210との間に設けられる。
複数の緩衝部材220は、高さ方向に所定の間隔を隔てて各々に配置されてもよい。
複数の緩衝部材220のうち幾つかの緩衝部材220を一組として、複数組が高さ方向に所定の間隔を隔てて各々に配置されてもよい。
【0059】
図10は、8個の緩衝部材220を一組として、一組の緩衝部材220が、一定の高さに配される様子を示す。
1組の緩衝部材220は、4個のx軸方向緩衝部材220xと4個のy軸方向緩衝部材220yとで構成される。
水平面に含まれるxy直交座標を仮想し、x軸方向緩衝部材220xの後述する第一垂直線G1と第二垂直線G2がx軸に沿って延び、y軸方向緩衝部材220yの後述する第一垂直線G1と第二垂直線G2がy軸に沿って延びる。
【0060】
緩衝部材220は、第一緩衝部材221と第二緩衝部材222とで構成される。
緩衝部材220は、第一緩衝部材221と第二緩衝部材222と支持部材223と調整機構224とで構成されてもよい。
【0061】
第一緩衝部材221は、建築物本体110または立体駐車場本体210のうちのどちらか一方により支持されており、水平に沿って延びる第一垂直線G1をもつ第一端面S1を建築物本体110または立体駐車場本体210のうちの他方に向ける部材である。
例えば、第一緩衝部材221は、建築物本体110により支持されており、水平に沿って延びる第一垂直線G1をもつ第一端面S1を立体駐車場本体210に向ける部材である。
【0062】
第二緩衝部材222は、建築物本体110または立体駐車場本体210のうちのどちらか一方により支持されており、水平に沿って延びる第二垂直線G2をもつ第二端面S2を建築物本体110または立体駐車場本体210のうちの他方に向ける部材である。
例えば、第二緩衝部材222は、建築物本体110により支持されており、水平に沿って延びる第二垂直線G2をもつ第二端面S2を立体駐車場本体210に向ける部材である。
【0063】
地震が発生しないときに、第一端面S1と対面する建築物本体110または立体駐車場本体210と間に所定寸法の隙間を空け、第二端面S2を対面する建築物本体110または立体駐車場本体210に接触させる。
例えば、地震が発生しないときに、第一端面S1と対面する立体駐車場本体210と間に所定寸法Dの隙間を空け、第二端面S2を対面する立体駐車場本体210に接触させる。
第二緩衝部材222が第二垂直線G2に沿って圧縮変形できる。
例えば、第一緩衝部材221が、第一端面S1を形成する弾性体を持つ。
例えば、第二緩衝部材222が、第二端面S2を形成する弾性体を持つ。
【0064】
第一緩衝部材221または第二緩衝部材222の一方が第一緩衝部材221または第二緩衝部材222の他方の周囲に配される。
例えば、第一緩衝部材221が第二緩衝部材222の周囲に配される。
【0065】
第一緩衝部材221または第二緩衝部材222のうちのどちから一方が第一緩衝部材221または第二緩衝部材222の他方の周囲を囲ってもよい。
例えば、第一緩衝部材221が第二緩衝部材222の他方の周囲を囲う。
【0066】
第一緩衝部材221または第二緩衝部材222のうちのどちらか一方が開口をもつ空隙を形成する弾性体をもち、第一緩衝部材221または第二緩衝部材222の他方が空隙に嵌まる弾性体を持ってもよい。
例えば、第一緩衝部材221が開口をもつ空隙を形成する弾性体をもち、第二緩衝部材222が空隙に嵌まる弾性体を持つ。
図4は、第一緩衝部材221の弾性体が直径D1の空隙を形成し、第二緩衝部材222の弾性体が直径D2の円柱形である様子を示す。第二緩衝部材222の弾性体が第一緩衝部材221の弾性体が形成する直径D1の空隙に嵌まる。
【0067】
支持部材223は、第一垂直線G1と第二垂直線G2とを平行にする様に第一緩衝部材と第二緩衝部材とを支持する部材である。
例えば、支持部材223は、第一垂直線G1と第二垂直線G2とを平行にする様に第一緩衝部材221と第二緩衝部材222とを共に支持する1つの部材である。
例えば、支持部材223は、第一垂直線G1と第二垂直線G2とを平行にし第一端面S1と第二端面S2とを同一方向に向けて第一緩衝部材221と第二緩衝部材222とを共に支持する1つの部材である。
【0068】
調整機構224は、支持部材223を第一垂直線G1と第二垂直線G2とに沿って移動させて、第一端面S1と第一端面S1に対面する建築物本体110または立体駐車場本体210との間に空けた隙間を調整可能な機構である。
例えば、 調整機構224は、支持部材223を第一垂直線G1と第二垂直線G2とに沿って移動させて、第一端面S1と第一端面S1に対面する立体駐車場本体210の間に空けた隙間を調整可能な機構である。
例えば、調整機構224は、ネジ棒224aとナット224bと一対のフランジ224cとで構成される。
一対のフランジ224cがネジ棒224aの両端にナット224bにより連結される。
ナット224bを回転させることにより、一対の224cの離間距離が調整され、第一端面S1と第一端面S1に対面する立体駐車場本体210との間に空けた隙間を調整できる。
【0069】
複数の緩衝部材220が高さ方向に所定の間隔を隔てて各々に配置されており、
複数の緩衝部材220の各々の第二緩衝部材222の第二垂直線G2に沿う変位に係る各々の固有振動数が20Hzより各々に小さくてもよい。
複数の緩衝部材220が高さ方向に所定の間隔を隔てて各々に配置されており、
複数の緩衝部材220の各々の第二緩衝部材222の第二垂直線G2に沿う変位に係る各々の固有振動数が15Hzより各々に小さくてもよい。
この様にすると、可聴域の振動が駐車場本体210から建築物本体110へ固体伝搬擦るのを抑制できる。
【0070】
第一緩衝部材221の第一垂直線G1に沿う圧縮変形に係る第一圧縮ばね定数が第二緩衝部材222の第二垂直線G2に沿う圧縮変形に係る第二圧縮ばね定数より大きくてもよい。
ここで、圧縮ばね定数は単位変位をするのに必要な力である。
第一端面S1の面積を選んで、第一圧縮ばね定数を所望の値にすることができる。
例えば、第一半径D1を小さくすると第一端面S1の面積が大きくなり、第一圧縮ばね定数が大きくなる。第一半径D1を大きくすると第一端面S1の面積が小さくなり、第一圧縮ばね定数が小さくなる。
第二端面S2の面積を選んで、第二圧縮ばね定数を希望の値にすることができる。
例えば、第二半径D2を小さくすると第二端面S2の面積が小さくなり、第二圧縮ばね定数が小さくなる。第二半径D2を大きくすると第二端面S2の面積が大きくなり、第一圧縮ばね定数が大きくなる。
【0071】
以下に、本発明の第三の実施形態にかかる建築物と立体駐車場の作用は、第一の実施形態にかかる建築物と立体駐車場のものと同じなので、説明を省略する。
【0072】
以下に、本発明の第四の実施形態にかかる建築物と立体駐車場を説明する。
図11は、本発明の第四の実施形態に係る緩衝部材の正面図である。図12は、本発明の第四の実施形態に係る緩衝部材の側面図である。図13は、本発明の第四の実施形態に係る緩衝部材の作用図である。
【0073】
本発明の第四の実施形態に係る建築物100は、基礎に設けられるものであって、建築物本体110と立体駐車場200とで構成される。
立体駐車場200は、車両を駐車させるものであって、建築物本体110と共に設けられるものである。
立体駐車場200は、立体駐車場本体210と複数の緩衝部材220とで構成される。
建築物本体110が内部空間を形成し、立体駐車場200が内部空間に設けられてもよい。
立体駐車場本体210は、基礎に自立する。
例えば、立体駐車場本体210は、内部空間Hに設けられ、基礎に自立する。
複数の緩衝部材220は、建築物本体110と立体駐車場本体210との間に設けられる。
複数の緩衝部材220は、高さ方向に所定の間隔を隔てて各々に配置されてもよい。
複数の緩衝部材220のうち幾つかの緩衝部材220を一組として、複数組が高さ方向に所定の間隔を隔てて各々に配置されてもよい。
【0074】
一定の高さ毎における複数の緩衝部材220の配置は、第一の実施形態にかかる建築物と立体駐車場のものと同じなので、説明を省略する。
【0075】
緩衝部材220は、第一緩衝部材221と第二緩衝部材222とで構成される。
緩衝部材220は、第一緩衝部材221と第二緩衝部材222と支持部材223と調整機構224とで構成されてもよい。
【0076】
第一緩衝部材221は、建築物本体110または立体駐車場本体210のうちのどちらか一方により支持されており、水平に沿って延びる第一垂直線G1をもつ第一端面S1を建築物本体110または立体駐車場本体210のうちの他方に向ける部材である。
例えば、第一緩衝部材221は、立体駐車場本体210により支持されており、水平に沿って延びる第一垂直線G1をもつ第一端面S1を建築物本体110に向ける部材である。
【0077】
第二緩衝部材222は、建築物本体110または立体駐車場本体210のうちのどちらか一方により支持されており、水平に沿って延びる第二垂直線G2をもつ第二端面S2を建築物本体110または立体駐車場本体210のうちの他方に向ける部材である。
例えば、第二緩衝部材222は、建築物本体110により支持されており、水平に沿って延びる第二垂直線G2をもつ第二端面S2を立体駐車場本体210に向ける部材である。
【0078】
地震が発生しないときに、第一端面S1と対面する建築物本体110または立体駐車場本体210と間に所定寸法の隙間を空け、第二端面S2を対面する建築物本体110または立体駐車場本体210に接触させる。
例えば、地震が発生しないときに、第一端面S1と対面する建築物本体110と間に所定寸法の隙間を空け、第二端面S2を対面する立体駐車場本体210に接触させる。
第一緩衝部材221が第一垂直線G1に沿って圧縮変形できる。
第二緩衝部材222が第二垂直線G2に沿って圧縮変形できる。
例えば、第一緩衝部材221が、第一端面S1を形成する弾性体を持つ。
例えば、第二緩衝部材222が、第二端面S2を形成する弾性体を持つ。
【0079】
第一緩衝部材221または第二緩衝部材222の一方が第一緩衝部材221または第二緩衝部材222の他方の周囲に配される。
例えば、第一緩衝部材221が第二緩衝部材222の周囲に配される。
【0080】
第一緩衝部材221または第二緩衝部材222のうちのどちから一方が第一緩衝部材221または第二緩衝部材222の他方の周囲を囲ってもよい。
例えば、第一緩衝部材221が第二緩衝部材222の他方の周囲を囲う。
【0081】
第一緩衝部材221または第二緩衝部材222のうちのどちらか一方が開口をもつ空隙を形成する弾性体をもち、第一緩衝部材221または第二緩衝部材222の他方が空隙に嵌まる弾性体を持ってもよい。
例えば、第一緩衝部材221が開口をもつ空隙を形成する弾性体をもち、第二緩衝部材222が空隙に嵌まる弾性体を持つ。
図11は、第一緩衝部材221の弾性体が直径D1の空隙を形成し、第二緩衝部材222の弾性体が直径D2の円柱形である様子を示す。第二緩衝部材222の弾性体が第一緩衝部材221の弾性体が形成する直径D1の空隙に嵌まる。
【0082】
支持部材223と調整機構224の構成は、第一の支持形態にかかる建築物と立体駐車場のものと同じなので、説明を省略する。
【0083】
複数の緩衝部材220が高さ方向に所定の間隔を隔てて各々に配置されており、
複数の緩衝部材220の各々の第二緩衝部材222の第二垂直線G2に沿う変位に係る各々の固有振動数が20Hzより各々に小さくてもよい。
複数の緩衝部材220が高さ方向に所定の間隔を隔てて各々に配置されており、
複数の緩衝部材220の各々の第二緩衝部材222の第二垂直線G2に沿う変位に係る各々の固有振動数が15Hzより各々に小さくてもよい。
この様にすると、可聴域の振動が立体駐車場本体210から建築物本体110へ固体伝搬するのを抑制できる。
【0084】
第一緩衝部材221の第一垂直線G1に沿う圧縮変形に係る第一圧縮ばね定数が第二緩衝部材222の第二垂直線G2に沿う圧縮変形に係る第二圧縮ばね定数より大きくてもよい。
ここで、圧縮ばね定数は単位変位をするのに必要な力である。
第一端面S1の面積を選んで、第一圧縮ばね定数を所望の値にすることができる。
例えば、第一半径D1を小さくすると第一端面S1の面積が大きくなり、第一圧縮ばね定数が大きくなる。第一半径D1を大きくすると第一端面S1の面積が小さくなり、第一圧縮ばね定数が小さくなる。
第二端面S2の面積を選んで、第二圧縮ばね定数を希望の値にすることができる。
例えば、第二半径D2を小さくすると第二端面S2の面積が小さくなり、第二圧縮ばね定数が小さくなる。第二半径D2を大きくすると第二端面S2の面積が大きくなり、第一圧縮ばね定数が大きくなる。
【0085】
以下に、本発明の第四の実施形態にかかる建築物と立体駐車場の作用を、図を基に、説明する。
図13は、本発明の第四の実施形態に係る緩衝部材の作用を示す。
【0086】
図13の上図は、地震が発生しないときの緩衝部材220の様子を示す。
第一緩衝部材221の第一端面S1が建築物本体110との間に所定の隙間Dを空ける。
例えば、第一端面S1が建築物架構111との間に所定の隙間Dを空ける。
第二緩衝部材222の第二端面S2が立体駐車場本体210に接触する。
例えば、第二端面S2が支持部材223に接触する。
立体駐車場本体210で発生した振動が、第二緩衝部材222を介して建築物本体110に固体伝搬する。
【0087】
図13の下図は、地震が発生したときの緩衝部材220の様子を示す。
地震の変動により建築物本体110と立体駐車場本体210との複数の隙間のうちの幾つかの隙間が狭くなり、第二緩衝部材222が圧縮される。
第一緩衝部材221の第一端面S1が、建築物本体110に接触する。
例えば、第一端面S1が建築物架構111に接触する。
地震が収まると、上図の状態に戻る。
【0088】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、その構成により、以下の効果を有する。
複数の緩衝部際220を基礎に自立する建築物本体110と立体駐車場本体210との間に設け、緩衝部材220の第一緩衝部材221と第二緩衝部材222との一方が他方の周囲に配され、第一緩衝部材221が建築物本体110または立体駐車場本体210の一方に支持させており第一端面S1を他方に向け、第二緩衝部材222が建築物本体110または立体駐車場本体210の一方に支持させており第二端面S2を他方に向け、地震が発生しないときに第二端面S2を建築物本体110または立体駐車場本体210に接触させて第一端面S1を建築物本体110または立体駐車場本体210との間に隙間を空け、第二緩衝部材222が第二垂直線G2に沿って圧縮変形できる様にしたので、地震が発生しないときに立体駐車場200の振動が第二緩衝部材222を介して建築物本体110に伝達され、地震が発生すると第二緩衝部材222が圧縮変形し所定寸法Dだけ短くなったときに第一端面S1が建築物本体110または立体駐車場本体210に接触して建築物本体110と立体駐車場本体210とが支え合う。
また、第一緩衝部材221または第二緩衝部材222のうちのどちから一方が他方の周囲を囲う様にしたので、第二緩衝部材222が圧縮変形し所定寸法Dだけ短くなったときに第一端面S1が建築物本体110または立体駐車場本体210に安定して接触する。
また、第一緩衝部材221または第二緩衝部材222のうちのどちらか一方の弾性体が形成する開口をもつ空隙に他方が嵌まる様にしたので、第二緩衝部材222が圧縮変形し所定寸法Dだけ短くなったときに第一端面S1が建築物本体110または立体駐車場本体210に安定して接触する。
また、支持部材223が第一緩衝部材221と第二緩衝部材222とを支持し、第一垂直線G1と第二垂直線G2とを平行にし、調整機構224が支持部材223を移動させて第一端面S1と建築物本体110または立体駐車場本体210との間に空けた隙間の寸法を調整できる様にしたので、第一端面S1と建築物本体110または立体駐車場本体210との間に空けた隙間を所定寸法Dに容易に調整できる。
また、高さ方向に所定の間隔を隔てて各々に配置される複数の緩衝部材220の各々の第二緩衝部材222の第二垂直線G2に沿う変位にかかる各々の固有振動数fを20Hzより各々に小さくする様にしたので、地震が発生しないときに立体駐車場本体210の振動が第二緩衝部材222を介して建築物本体110に伝達する振動特性を調整できる。
また、第一緩衝部材221の第一垂直線G1に沿う圧縮変形に係る第一圧縮ばね定数が第二緩衝部材222の第二垂直線G2に沿う圧縮変形に係る第二圧縮ばね定数より大きい様にしたので、地震が発生して第一端面S1が建築物本体110または立体駐車場本体210に接触した際に立体駐車場本体210と建築物本体110の相対変位を抑制できる。
【0089】
本発明は以上に述べた実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。
立体駐車場が建築物のボイドの中に自立する例で説明したが、これに限定されない。例えば、立体駐車場と建築物本体とが並列して自立してもよい。
【符号の説明】
【0090】
H 内部空間
D 所定の寸法
G1 第一垂直線
G2 第二垂直線
S1 第一端面
S2 第二端面
100 建築物
110 建築物本体
111 建築物架構
200 立体駐車場
210 立体駐車場本体
220 緩衝部材
220x x軸方向緩衝部材
220y y軸方向緩衝部材
221 第一緩衝部材
222 第二緩衝部材
223 支持部材
224 調整機構
224a ネジ棒
224b ナット
224c フランジ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0091】
【特許文献1】特開平10−115113号
【特許文献2】特開2003−56189号
【特許文献3】特開2009−114651号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基礎に設けられる建築物であって、
基礎に自立する建築物本体と、
基礎に自立する立体駐車場本体と、
建築物本体と立体駐車場本体との間に設けられる複数の緩衝部材と、
を備え、
前記緩衝部材は前記建築物本体または前記立体駐車場本体のうちのどちらか一方により支持されており水平に沿って延びる第一垂直線をもつ第一端面を前記建築物本体または前記立体駐車場本体のうちの他方に向ける第一緩衝部材と前記建築物本体または前記立体駐車場本体のうちのどちらか一方により支持されており水平に沿って延びる第二垂直線を持つ第二端面を前記建築物本体または前記立体駐車場本体のうちの他方に向ける第二緩衝部材とを有し、
前記第一緩衝部材または前記第二緩衝部材の一方が前記第一緩衝部材または前記第二緩衝部材の他方の周囲に配され、
地震が発生しないときに前記第一端面と対面する前記建築物本体または前記立体駐車場本体と間に所定寸法の隙間を空け前記第二端面を対面する前記建築物本体または前記立体駐車場本体に接触させ、
第二緩衝部材が第二垂直線に沿って圧縮変形できる、
ことを特徴とする建築物。
【請求項2】
前記第一緩衝部材または前記第二緩衝部材のうちのどちから一方が前記第一緩衝部材または前記第二緩衝部材の他方の周囲を囲う、
ことを特徴とする請求項1に記載の建築物。
【請求項3】
前記第一緩衝部材または前記第二緩衝部材のうちのどちらか一方が開口をもつ空隙を形成する弾性体をもち、
前記第一緩衝部材または前記第二緩衝部材の他方が前記空隙に嵌まる弾性体を持つ、
ことを特長とする請求項2に記載の建築物。
【請求項4】
前記緩衝部材が前記第一垂直線と前記第二垂直線とを平行にする様に前記第一緩衝部材と前記第二緩衝部材とを支持する支持部材と該支持部材を前記第一垂直線に沿って移動させて前記第一端面と前記第一端面に対面する前記建築物本体または前記立体駐車場本体との間に空けた隙間を調整可能な調整機構とを有する、
ことを特徴とする請求項3に記載の建築物。
【請求項5】
複数の前記緩衝部材が高さ方向に所定の間隔を隔てて各々に配置され、
複数の前記緩衝部材の各々の前記第二緩衝部材の第二垂直線に沿う変位に係る各々の固有振動数が20Hzより各々に小さい、
ことを特徴とする請求項4に記載の建築物。
【請求項6】
前記第一緩衝部材の前記第一垂直線に沿う圧縮変形に係る第一圧縮ばね定数が前記第二緩衝部材の前記第二垂直線に沿う圧縮変形に係る第二圧縮ばね定数より大きい、
ことを特徴とする請求項5に記載の建築物。
【請求項7】
建築物本体と共に設けられる立体駐車場であって、
基礎に自立する立体駐車場本体と、
建築物本体と立体駐車場本体との間に設けられる複数の緩衝部材と、
を備え、
前記緩衝部材は前記建築物本体または前記立体駐車場本体のうちのどちらか一方により支持されており水平に沿って延びる第一垂直線をもつ第一端面を前記建築物本体または前記立体駐車場本体のうちの他方に向ける第一緩衝部材と前記建築物本体または前記立体駐車場本体のうちのどちらか一方により支持されており水平に沿って延びる第二垂直線を持つ第二端面を前記建築物本体または前記立体駐車場本体のうちの他方に向ける第二緩衝部材とを有し、
前記第一緩衝部材または前記第二緩衝部材の一方が前記第一緩衝部材または前記第二緩衝部材の他方の周囲に配され、
地震が発生しないときに前記第一端面と対面する前記建築物本体または前記立体駐車場本体と間に所定寸法の隙間を空け前記第二端面を対面する前記建築物本体または前記立体駐車場本体に接触させ、
第二緩衝部材が第二垂直線に沿って圧縮変形できる、
ことを特徴とする立体駐車場。
【請求項8】
前記第一緩衝部材または前記第二緩衝部材のうちのどちらか一方が前記第一緩衝部材または前記第二緩衝部材の他方の周囲を囲う、
ことを特徴とする請求項7に記載の立体駐車場。
【請求項9】
前記第一緩衝部材または前記第二緩衝部材のうちのどちらか一方が開口をもつ空隙を形成する弾性体をもち、
前記第一緩衝部材または前記第二緩衝部材の他方が前記空隙に嵌まる弾性体を持つ、
ことを特長とする請求項8に記載の立体駐車場。
【請求項10】
前記緩衝部材が前記第一垂直線と前記第二垂直線とを平行にする様に前記第一緩衝部材と前記第二緩衝部材とを支持する支持部材と該支持部材を前記第一垂直線に沿って移動させて前記第一端面と前記第一端面に対面する前記建築物本体または前記立体駐車場本体との間に空けた隙間を調整可能な調整機構とを有する、
ことを特徴とする請求項9に記載の立体駐車場。
【請求項11】
複数の前記緩衝部材が高さ方向に所定の間隔を隔てて各々に配置され、
複数の前記緩衝部材の各々の前記第二緩衝部材の第二垂直線に沿う変位に係る各々の固有振動数が20Hzより各々に小さい、
ことを特徴とする請求項10に記載の立体駐車場。
【請求項12】
前記第一緩衝部材の前記第一垂直線に沿う圧縮変形に係る第一圧縮ばね定数が前記第二緩衝部材の前記第二垂直線に沿う圧縮変形に係る第二圧縮ばね定数より大きい、
ことを特徴とする請求項11に記載の立体駐車場。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−241490(P2012−241490A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−115483(P2011−115483)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(000198363)IHI運搬機械株式会社 (292)
【Fターム(参考)】