説明

立体駐車装置

【課題】安全性の向上を図ることができる立体駐車装置を提供する。
【解決手段】立体駐車装置1では、コンセントボックス13のカバー部15の開状態が開状態検知スイッチ17aによって検知されたときには、ゲートの閉動作を禁止し、カバー部15の開状態が開状態検知スイッチ17aによって検知されないときには、ゲートの閉動作の禁止を解除する。ここで、立体駐車装置1では、ゲートが閉じている状態のときにのみパレットの移動等が行われる。そのため、コンセントボックス13のカバー部15が開状態のときにゲートの閉動作を禁止することで、カバー部15の開状態においてはパレット等の動作を停止させることができる。従って、カバー部15の開状態ではパレット6の移動等が行われないので、開状態のカバー部15が他のパレット6や車両Vに接触することを防止でき、安全性の向上を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体駐車装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、駐車中に電気自動車のバッテリに給電可能な設備を備える立体駐車装置が知られている。例えば、特許文献1に記載の立体駐車装置では、電気自動車のバッテリを充電するための充電装置が装置の下部に設けられており、その充電装置に接続された充電ケーブルが各パレットまで延設されている。これにより、この立体駐車装置では、駐車スペースに備え付けの充電ケーブルを電気自動車に接続することで、駐車中にバッテリの充電を行うことができる。
【0003】
しかしながら、充電を行う際に用いる充電ケーブルの車両側の接続端子は、電気自動車の車種によって形状が異なっていることがある。そのため、上記従来の立体駐車装置のように、駐車スペースに備え付けの充電ケーブルでは一部の車種に対応することができないといった問題が生じる。そこで、近年では、車種に応じた充電ケーブルを運転者が持参し、充電ケーブルを備え付けのコンセントに接続して充電する形態が採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−366283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、一般的に立体駐車装置は屋外に設置されることが多いため、コンセントのみが駐車スペースに設けられている場合には、コンセントが雨等によって濡れてしまう。そこで、立体駐車装置では、コンセントを雨等から防ぐために、コンセントをコンセントボックスに収容している。このコンセントボックスには、開閉自在なカバーが設けられており、カバーは、通常マグネット等の固定手段により閉状態が維持されている。しかしながら、コンセントボックスのカバーは、例えばパレットの移動に伴う振動等により開状態となることがある。また、充電の際に、作業者がカバーを閉め忘れることがある。特に充電ケーブルを収納可能なコンセントボックスにおいては、収納空間の大型化に伴いカバーも大きくなるため、カバーが開状態のままパレットの移動が行われると、カバーが他のパレットや車両に接触するおそれがある。
【0006】
本発明は、上記課題解決のためになされたものであり、安全性の向上を図ることができる立体駐車装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の立体駐車装置は、車両が載置される複数のパレットが移動可能に設けられていると共に、パレットに載置される電気自動車のバッテリを充電するための充電器と、パレット上に配置され、充電器に接続されるコンセントを収容するための収容空間を有すると共に、収容空間の開口部に開閉可能に設けられたカバー部を有する筺体とを具備する充電手段を備える立体駐車装置であって、車両の入出庫に係る制御を行う入出庫制御手段と、カバー部の開状態を検知する開状態検知手段と、入出庫制御手段における制御を禁止するインターロック手段と、インターロック手段を制御するインターロック制御手段とを備え、インターロック制御手段は、開状態検知手段によってカバー部の開状態が検知されたときに、インターロック手段を動作して入手出庫制御手段における制御を禁止し、開状態検知手段によってカバー部の開状態が検知されていないときに、インターロック手段を解除して入出庫制御手段における制御の禁止を解除することを特徴とする。
【0008】
この立体駐車装置では、コンセントを収容する筺体に設けられたカバー部の開状態が検知されたときは、インターロック手段が動作して入出庫制御手段における制御が禁止され、カバー部の開状態が検知されないときには、インターロック手段が解除されて入出庫制御手段における制御の禁止が解除される。すなわち、カバー部が閉じているときにのみ装置操作に係る制御が可能となる。これにより、筺体のカバー部が開状態のときには例えばパレットの移動等といった制御が行われないので、開状態のカバー部が他のパレットや車両に接触することを防止でき、安全性の向上を図ることができる。
【0009】
また、入出庫制御手段は、車両の入出庫を規制するゲートの開閉動作を制御しており、インターロック手段は、入出庫制御手段によるゲートの閉動作を禁止することが好ましい。ゲートが設けられた立体駐車装置においては、通常、車両の入出庫が終了した際にゲートを閉じる作業を行う。そこで、カバー部が開状態の場合には、ゲートの閉動作を禁止して通常とは異なる動作をさせることにより、作業者に違和感を覚えさせることでカバー部の閉め忘れ等を気付かせることができる。
【0010】
また、開状態検知手段によってカバー部の開状態が検知されたときに、カバー部が開状態であることを表示手段に表示させる表示制御手段を更に備えることが好ましい。このように、例えば車両の入出庫を操作する操作盤のディスプレイにカバー部が開状態である旨の表示を行うことで、カバー部が開状態であることを作業者に確実に知らしめることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、安全性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係る立体駐車装置の正面図である。
【図2】操作盤を示す図である。
【図3】立体駐車装置の内部を示す斜視図である。
【図4】コンセントボックスを示す斜視図である。
【図5】立体駐車装置の機能ブロックを示すブロック図である。
【図6】液晶タッチパネルの表示の一例を示す図である。
【図7】立体駐車装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】変形例に係る立体駐車装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る立体駐車装置を示す正面図である。図1に示すように、立体駐車装置1は、自動車等の車両(電気自動車とも称する)Vが載置される複数のパレットが多段に配置されてなる立体駐車装置であり、昇降横行式の後進乗り入れ型多段立体駐車装置である。
【0014】
ここでの立体駐車装置1は、地上3段の3列構造を有しており、具体的には、地上面Gに位置する地上段2、最上位置の最上段3及び地上段2と最上段3との間に位置する中間段4を含む構造を有している。また、立体駐車装置1は、最上段3において車両Vを横並びにして3台駐車可能な3列(3連基)構造とされており、その結果、最大7台の車両Vを駐車し収容する。立体駐車装置1では、ゲート5が開かれ、地上段2に位置する車両Vが出庫される、或いは地上面Gから車両Vが入庫されることになる。なお、以下の説明では、立体駐車装置1において車両Vが入出する側を前側とし、車両Vが横並びに並ぶ方向を左右方向とし、高さ方向を上下方向(鉛直方向)として説明する。
【0015】
この立体駐車装置1は、車両Vが載置されるパレット6として、地上段パレット6a、中間段パレット6b及び最上段パレット6cを備えている。パレット6b,6cは、水平状態が維持されるように吊りチェーン(図示しない)で吊下支持されている。この吊りチェーンは、巻上装置(図示しない)に接続されてその巻き上げ及び巻き下げが可能とされている。これにより、パレット6b,6cは、昇降可能になっている。なお、パレット6a,6bの横行(スライド移動)機構は公知のものであり、詳細な説明を省略するが、例えば以下の通りである。パレット6a,6bは、左右方向に延在するガイドレールに車輪を介して支持されており、モータの駆動によって車輪が回転されることで、ガイドレール上をこのガイドレールに沿って摺動する。なお、立体駐車装置1におけるパレット6の移動は、ゲート5が閉じている状態(地上段2の位置にゲート5が存在する状態)のときにのみ可能となっている。すなわち、立体駐車装置1では、ゲート5が開いている状態では、パレット6の移動等を行うことができないようになっている。
【0016】
また、立体駐車装置1には、パレット6の動作等を指示するための操作盤7が設けられている。この操作盤7は、例えば図示左側の前側支柱8に配置されている。操作盤7について、図2を参照しながら説明する。図2は、操作盤を示す図である。同図に示すように、操作盤7は、電源キースイッチ8と、非常停止ボタン9と、液晶タッチパネル10とを備えている。
【0017】
電源キースイッチ8は、立体駐車装置1専用のキー(鍵)が挿し込まれる部分であり、立体駐車装置1の電源スイッチである。電源キースイッチ8は、キーが挿し込まれた状態で「切」から「入」側にキーが回されることで、立体駐車装置1の動作を開始し、「入」から「切」側にキーが回されることで、立体駐車装置1の動作を終了する。
【0018】
非常停止ボタン9は、立体駐車装置1の異常や事故等の発生を未然に防ぐ目的で使用されるボタンである。この非常停止ボタン9が押下されると、後述する制御装置22(図3参照)に動作停止信号が出力され、立体駐車装置1の動作が停止される。
【0019】
液晶タッチパネル10は、車両Vの入出庫の際の操作を行うためのものである。液晶タッチパネル10は、車両Vの入出庫の際に必要な情報の表示を行うと共に、その表示に対する入力を操作者から受け付ける。より具体的には、液晶タッチパネル10では、入出庫の際に数字キーを表示して作業者からパレット番号の入力を受け付けたり、ゲート5を閉じるための指示の入力等を受け付ける。液晶タッチパネル10は、入力に応じた信号を制御装置22に出力する。
【0020】
また、立体駐車装置1は、駐車中の電気自動車Vのバッテリを充電するための充電設備を備えている。以下、充電設備について詳細に説明する。図3は、立体駐車装置の内部を示す斜視図である。同図に示すように、立体駐車装置1の充電設備11は、電源Pと、充電器12と、コンセントボックス(筺体)13とを含んで構成されている。
【0021】
電源9は、外部の三相交流電源である。この電源9は、駆動部(図示しない)及び充電器11に給電する。なお、図示しないが、電源9は、第1相がU、第2相がV、第3相がWとなっている。
【0022】
充電器12は、例えば立体駐車装置1の後方下部に設けられている。この充電器12は、電源Pを電源として電気自動車Vのバッテリに給電する装置である。具体的には、充電器12は、電源Pにおける三相交流電源(U,V,W)のうち二相(U,V)を取り出した電源を電源としている。充電器12は、後述するコンセント18に接続ケーブルCKを介して接続されている。なお、充電器12は、電源Pとコンセント18との間に介在する機器等であり、変圧等を行う機器や電源9からコンセント18までを接続するケーブル等を含むものである。
【0023】
コンセントボックス13は、パレット6の幅方向(左右方向)における一端側(図示左側)の後端部に配置されている。このコンセントボックス13は、例えばステンレス等の部材により略柱状に形成されており、パレット6に固定されている。
【0024】
図4に示すように、コンセントボックス13の上側には、略柱状の収容空間Sが形成されている。具体的には、この収容空間Sは、上面13aと、この上面13aに対向する下面13bと、側面13c,13dとによって形成されている。また、コンセントボックス13には、収容空間Sの一部を開放する開放部(開口部)14が形成されている。そして、コンセントボックス13には、開放部14を覆うカバー部15が設けられている。
【0025】
カバー部15は、断面略L字状を成し、コンセントボックス13に対して開閉自在に取り付けられている。このカバー部15には、開閉の際に作業者に把持される把手16が取り付けられている(図3参照)。なお、コンセントボックス13には、カバー部15に対応する位置にマグネット17が設けられており、カバー部15は、マグネット17により閉状態において固定される。このマグネット17は、カバー部15を保持する機能と、カバー部15の開状態を検知する機能とを有している。閉状態を検知する機能の詳細については、後述する。
【0026】
また、図3に示すように、カバー部15は、その下端15aが下面13bよりも上方の位置となるように形成されている。これにより、下面13bとカバー部15の下端15aとの間には、カバー部15の閉状態において隙間Dが形成される。つまり、隙間Dは、カバー部15の形状に沿って略L字状に形成されている。この隙間Dは、カバー部15の閉状態において、充電ケーブルKをコンセントボックス13内から外側に取り出すためのケーブル取出部として機能する。なお、隙間Dの間隔は、例えば20mm以上となっている。
【0027】
また、コンセントボックス13内には、コンセント18と、一対のフック19a,19bとが設けられている。具体的には、側面13cには、この側面13cに沿って板状部材20が配設されており、コンセント18は、板状部材20の上端側に設けられている。このコンセント18には、上述のように接続ケーブルCKを介して充電器12に接続されている。これにより、各パレット6においてバッテリの充電が可能となっている。そして、コンセント18には、その全体を覆うようにカバー18aが開閉自在に設けられている。
【0028】
フック19a,19bは、板状部材20においてコンセント18の下方に上下一対設けられている。具体的には、フック19a,19bは、例えばステンレス等の部材によって形成された棒状部材であり、断面L字状を成している。フック19a,19bは、鉛直方向において同一直線上に所定の間隔を有して配置されており、それぞれの先端部21a,21bが外側を向くように設けられている。このような構成により、充電ケーブルKは、一端側のコンセントプラグ(図示しない)がコンセント18に差し込まれた状態で、フック19a,19bに複数回巻き掛けられている。
【0029】
続いて、立体駐車装置1の機能的な構成について説明する。図5は、立体駐車装置の機能ブロックを示すブロック図である。同図に示すように、立体駐車装置1は、制御装置22を備えている。この制御装置22は、立体駐車装置1の動作を統括制御する装置である。制御装置22には、開状態検知スイッチ17aと、ゲート駆動部23と、操作盤7とが接続されている。なお、制御装置22は、図3に示すように、立体駐車装置1の後方部に配置されている。
【0030】
開状態検知スイッチ17aは、カバー部15の開状態を検知するスイッチである。開状態検知スイッチ17aは、例えばコンセントボックス13のマグネット17(図4参照)に内蔵されたリミットスイッチであり、カバー部15との接触状態によりカバー部15の開状態を検知する。開状態検知スイッチ17aは、カバー部15が開状態である場合(図4参照)には開信号を、カバー部15が開状態でない場合(図3参照)には閉信号をそれぞれ制御装置22に出力する。なお、開状態検知スイッチ17aは、リミットスイッチに限定されず、カバー部15の開状態又は閉状態を検知できるものであればよい。
【0031】
制御装置22は、インターロック制御部221と、インターロック部222と、ゲート駆動制御部223と、表示制御部224とを備えている。
【0032】
インターロック制御部221は、インターロック部222を制御する部分である。インターロック制御部221は、開状態検知スイッチ17aの検知状態に基づいて、インターロック部222を制御する。具体的には、インターロック制御部221は、開状態検知スイッチ17aから出力された開信号を受け取ると、インターロック動作信号をインターロック部222に出力する。また、インターロック制御部221は、開状態検知スイッチ17aから出力された閉信号を受け取ると、インターロック解除信号をインターロック部222に出力する。
【0033】
インターロック部222は、ゲート駆動制御部223におけるゲート5の閉動作の制御を禁止する部分である。具体的には、インターロック部222は、インターロック制御部221から出力されたインターロック動作信号を受け取ると、ゲート駆動制御部223におけるゲート5の閉動作の制御を禁止する。また、インターロック部222は、インターロック制御部221から出力されたインターロック解除信号を受け取ると、ゲート駆動制御部223におけるゲート5の閉動作の制御の禁止を解除する。インターロック部222は、インターロックの動作又は解除に応じて動作禁止信号又は動作禁止解除信号をゲート駆動制御部223及び操作盤7に出力する。
【0034】
ゲート駆動制御部223は、ゲート5の開閉動作を行うゲート駆動部23を制御する部分である。ゲート駆動制御部223は、インターロック部222から出力された信号に応じて、ゲート駆動部23を制御する。具体的には、ゲート駆動制御部223は、インターロック部222から出力された動作禁止信号を受け取ると、ゲート5の閉動作を禁止、すなわちゲート5の開状態を保持するようにゲート駆動部23を制御する。また、ゲート駆動制御部223は、インターロック部222から出力された動作禁止解除信号を受け取ると、ゲート5の閉動作の禁止を解除、すなわちゲート5を閉じるようにゲート駆動部23を制御する。
【0035】
表示制御部224は、操作盤7における液晶タッチパネル10の表示を制御する部分である。表示制御部224は、開状態検知スイッチ17aから出力された開信号を受け取ると、操作盤7の液晶タッチパネル10にその旨を示す情報を表示させる。図6は、液晶タッチパネルの表示の一例を示す図である。同図に示すように、表示制御部224は、カバー部15が開状態である場合には、液晶タッチパネル10に例えば「コンセントボックスのカバー部が開いています」と表示させる。
【0036】
ゲート駆動部23は、ゲート5の開閉動作を行う部分である。具体的には、ゲート駆動部23は、例えばモータであり、ゲート5に接続されたチェーンの巻き取り及び繰り出しを行うことによりゲート5の開閉動作を行う。従って、ゲート駆動制御部223は、ゲート駆動部23への電流の供給を制御することによりゲート駆動部23を制御する。
【0037】
操作盤7は、インターロック部222から出力された動作禁止信号を受け取ると、液晶タッチパネル10におけるゲート5の閉動作の操作を不許可とする。また、操作盤7は、インターロック部222から出力された動作禁止解除信号を受け取ると、液晶タッチパネル10におけるゲート5の閉動作の操作を許可する。
【0038】
続いて、立体駐車装置1の動作について説明する。図7は、立体駐車装置の動作を示すフローチャートである。
【0039】
図7に示すように、まず操作盤7において電源キースイッチ8が「入」にされると、液晶タッチパネル10にパレット番号が表示され、これに応じて利用者・操作者からパレット番号が入力される(ステップS01)。次に、入力されたパレット番号のパレット6が、駆動部(図示しない)によって地上段2の入出庫位置まで移動される(ステップS02)。そして、パレット6が地上段2の入出庫位置に停止した後、ゲート駆動部23によってゲート5が開かれる(ステップS03)。
【0040】
ゲート5が開かれると、車両Vの入出庫が行われる。このとき、液晶タッチパネル10には、ゲート5を閉じるための解除ボタンが表示される。そして、液晶タッチパネル10に解除ボタンが表示されると、コンセントボックス13のカバー部15の開状態、すなわち開状態検知スイッチ17aによってカバー部15の開状態が検知されているか否かが、インターロック制御部221によって判定される(ステップS04)。カバー部15が開状態であると判定された場合には、ステップS08に進む。一方、カバー部15が開状態であると判定されなかった場合には、ステップS05に進む。
【0041】
ステップS05では、液晶タッチパネル10において解除ボタンの押下(操作)が許可、すなわちインターロック部222においてゲート5の閉動作が許可される。そして、解除ボタンの押下に応じてゲート5がゲート駆動部23によって閉じられる(ステップS06)。その後、パレット6が入出庫位置から所定の位置に移動され(ステップS07)、入出庫が終了される。なお、入出庫の終了の際には、操作盤7の電源キースイッチ8が「切」とされてキーが抜き取られる。
【0042】
一方、ステップS08では、液晶タッチパネル10において解除ボタンの押下が不許可、すなわちインターロック部222においてゲート5の閉動作が禁止される。このとき、表示制御部224によって液晶タッチパネル10にカバー部15が開いている旨の表示がされる(ステップS09)。そして、ステップS04の処理に戻り、上記処理が繰り返される。
【0043】
以上説明したように、立体駐車装置1では、コンセントボックス13のカバー部15の開状態が開状態検知スイッチ17aによって検知されたときには、ゲート5の閉動作を禁止し、カバー部15の開状態が開状態検知スイッチ17aによって検知されないときには、ゲート5の閉動作の禁止を解除する。ここで、立体駐車装置1では、ゲート5が閉じている状態のときにのみパレット6の移動等が行われる。そのため、コンセントボックス13のカバー部15が開状態のときにゲート5の閉動作を禁止することで、カバー部15の開状態においてはパレット6等の動作を停止させることができる。従って、カバー部15の開状態においてはパレット6の移動等が行われないので、開状態のカバー部15が他のパレット6や車両Vに接触することを防止でき、安全性の向上を図ることができる。
【0044】
また、本実施形態では、コンセントボックス13のカバー部15が開いているときのインターロック部222の制御対象をゲート5としている。ゲート5が設けられた立体駐車装置1においては、通常、車両Vの入出庫が終了した際にゲート5を閉じる作業を操作盤7において行う。そこで、カバー部15が開状態の場合に、操作盤7における操作を不可とし、ゲート5の閉動作を禁止して通常とは異なる動作をさせることにより、作業者に違和感を覚えさせて充電の際のカバー部15の閉め忘れ等を気付かせることができる。
【0045】
また、開状態検知スイッチ17aによってカバー部15の開状態が検知されたときに、カバー部15が開状態であることを操作盤7の液晶タッチパネル19に表示させている。このように、操作盤7の液晶タッチパネル10にカバー部15が開状態である旨の表示を行うことで、カバー部15が開状態であることを利用者・操作者に確実に知らしめることができる。
【0046】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、立体駐車装置1として昇降横行式の後進乗り入れ型多段立体駐車装置を例示し、インターロック部222における制御対象をゲート5としたが、上述の構成はその他の立体駐車装置に適用してもよい。具体的には、図8を参照しながら説明する。
【0047】
図8は、変形例に係る立体駐車装置の正面図である。同図に示すように、立体駐車装置1Aは、ピット式の立体駐車装置であり、2つグループの立体駐車装置G1,G2が同一のピットP内に並設されている。この立体駐車装置1Aにおける各立体駐車装置G1,G2には、ピットP内に立設された枠体30,40に囲まれた空間に、パレット昇降体31,41が配置されている。このパレット昇降体31,41は、車両Vが載置される複数(本実施形態では3枚)のパレット6を備えて構成されている。
【0048】
このような構成を有する立体駐車装置1Aにおいて、インターロック部222は、例えば立体駐車装置G2のパレット昇降体31におけるパレット6上に配置されたコンセントボックス13のカバー部15が開状態である場合、立体駐車装置G2全体の操作を不可とする。すなわち、立体駐車装置G2におけるパレット昇降体31の昇降動作を禁止する。また、インターロック部222は、立体駐車装置G2のパレット昇降体31のパレット6上に配置されたコンセントボックス13のカバー部15が開状態である場合、立体駐車装置G1のパレット昇降体41の昇降動作を禁止する。すななち、立体駐車装置G2に隣接するパレット昇降体41の動作を禁止する。
【0049】
以上のように、立体駐車装置1Aでは、グループの異なる2つの立体駐車装置G1,G2が並設されている場合に、例えば立体駐車装置G2のパレット昇降体31のパレット6上に配置されたコンセントボックス13のカバー部15が開いているときには、立体駐車装置G2全体の動作及びこの立体駐車装置G2に隣接する立体駐車装置G1のパレット昇降体41の昇降動作をインターロック部222が禁止する。そのため、開状態のコンセントボックス13のカバー部15が隣接するパレット昇降体41のパレット6やパレット6に載置された車両Vに接触すること等を防止することができる。その結果、安全性の向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0050】
1,1A…立体駐車装置、5…ゲート、6…パレット、10…液晶タッチパネル(表示手段)、11…充電設備(充電手段)、12…充電器、13…コンセントボックス(筺体)、14…開放部(開口部)、15…カバー部、17a…開状態検知スイッチ(開状態検知手段)、22…制御装置(入出庫制御手段)、221…インターロック制御部(インターロック制御手段)、222…インターロック部(インターロック手段)、223…ゲート駆動制御部(入出庫制御手段)、224…表示制御部(表示制御手段)、S…収容空間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が載置される複数のパレットが移動可能に設けられていると共に、前記パレットに載置される電気自動車のバッテリを充電するための充電器と、
前記パレット上に配置され、前記充電器に接続されるコンセントを収容するための収容空間を有すると共に、当該収容空間の開口部に開閉可能に設けられたカバー部を有する筺体とを具備する充電手段を備える立体駐車装置であって、
前記車両の入出庫に係る制御を行う入出庫制御手段と、
前記カバー部の開状態を検知する開状態検知手段と、
前記入出庫制御手段における制御を禁止するインターロック手段と、
前記インターロック手段を制御するインターロック制御手段とを備え、
前記インターロック制御手段は、前記開状態検知手段によって前記カバー部の開状態が検知されたときに、前記インターロック手段を動作して前記入手出庫制御手段における制御を禁止し、前記開状態検知手段によって前記カバー部の開状態が検知されていないときに、前記インターロック手段を解除して前記入出庫制御手段における制御の禁止を解除することを特徴とする立体駐車装置。
【請求項2】
前記入出庫制御手段は、前記車両の入出庫を規制するゲートの開閉動作を制御しており、
前記インターロック手段は、前記入出庫制御手段による前記ゲートの閉動作を禁止することを特徴とする請求項1記載の立体駐車装置。
【請求項3】
前記開状態検知手段によって前記カバー部の開状態が検知されたときに、前記カバー部が開状態であることを表示手段に表示させる表示制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1又は2記載の立駐車装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−80264(P2011−80264A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−233648(P2009−233648)
【出願日】平成21年10月7日(2009.10.7)
【出願人】(000003377)東急車輛製造株式会社 (332)