説明

立坑内壁調査装置の吊下治具

【課題】軽量かつ安価な構成で、立坑に設置された天蓋を取り外すことなく、立坑内に調査装置を吊り下げることができる立坑内壁調査装置の吊下治具を提供する。
【解決手段】吊下治具10は、立坑501の内壁501aを調査する立坑内壁調査装置1を立坑501内に吊り下げるために用いられる。吊下治具10は、天蓋520の枠リング521に取付可能な取付部16と、取付部16から延びる竿部18とを有する。竿部18は、取付部16を天蓋520に取り付けたときに天蓋520の昇降口を通って斜め下方に傾斜するように構成される。吊下治具10は、一端が立坑内壁調査装置1に接続されるワイヤロープ14を竿部18の先端でガイドするガイド部材20を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立坑内壁調査装置の吊下治具に係り、特に集水井などの立坑の主として経年による変形状況や腐食状況等を調査するために用いる立坑内壁調査装置を立坑内に吊り下げるための吊下治具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地すべりが起こりやすい場所では、地下水を集めて川等に流すために、図1に示すような集水井500が設けられることがある。地すべりの起こりやすい斜面に、例えば直径が3〜4m、深さが20〜60mの立坑501が設けられる。この立坑501には集水のための複数本の集水管502が接続され、かつ、集めた水を川等に流すための1本の排水管503が接続される。図1の破線504はすべり面を示す。立坑501は、例えば図2に示すようなライナープレート510を周方向および鉛直方向に連結して構築される。
【0003】
このライナープレート製の立坑あるいはその他の金属部材で構築した立坑においては、構築後年月を経過したものについて変形状況や腐食状況を調査することが必要となる場合がある。また、セグメントなどの鉄筋コンクリート造りの立坑でも、変形状況などを調査することが必要となる場合がある。
【0004】
この種の立坑の内部を調査する方法として、立坑内に調査装置を吊り下げ、この調査装置により内壁の状態を取得する方法がある。このような調査装置を立坑内に吊り下げる治具や装置として、例えば特許文献1〜5に開示されたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平4−96011号公報
【特許文献2】特開2000−2531号公報
【特許文献3】特開平10−300461号公報
【特許文献4】実開平4−78507号公報
【特許文献5】特開2003−5093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1〜5に開示された治具や装置は、立坑の上端部に設置されている天蓋を取り外してから立坑内に調査装置を吊り下げるものであり、使用に際しては天蓋を取り外す必要がある。一般的に、天蓋の重量は300kgを超えるものであり、天蓋を取り外したり再度設置したりするためには重機を使用する必要がある。
【0007】
また、上記特許文献1〜5に開示された治具や装置を用いて立坑内に調査装置を吊り下げる場合には、吊下治具を安定的に設置するために吊下治具を支持する土台を吊下治具の長さに応じて大型化する必要が生じる。
【0008】
このように、調査装置自体を小型化したとしても、天蓋や吊下治具を支持する土台の重量が大きくなるため、重機を用いなければ立坑の調査ができないという問題がある。重機を立坑が設置される場所まで搬入するためには、立坑までの搬入路を確保する必要があるが、立坑の設置される場所は山間部であることが多く、重機の搬入には多大な手間とコストがかかる。
【0009】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、軽量かつ安価な構成で、立坑に設置された天蓋を取り外すことなく、立坑内に調査装置を吊り下げることができる立坑内壁調査装置の吊下治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する請求項1の発明は、立坑の内壁を調査する立坑内壁調査装置を立坑内に吊り下げる吊下治具であって、前記立坑の上端部の開口を覆う天蓋の外周部または前記立坑の上端部に取付可能な取付部と、前記取付部から延びる竿部と、一端が前記立坑内壁調査装置に接続される線条体を前記竿部の先端でガイドする第1のガイド部材とを備え、前記竿部は、前記取付部を前記天蓋の外周部または前記立坑の上端部に取り付けたときに前記天蓋に形成された昇降口を通って斜め下方に傾斜するように構成されていることを特徴とする立坑内壁調査装置の吊下治具である。
【0011】
請求項2は、請求項1に記載の立坑内壁調査装置の吊下治具において、前記取付部は、前記天蓋の外周部または前記立坑の上端部に係合可能な係合部を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項3は、請求項1または2に記載の立坑内壁調査装置の吊下治具において、前記竿部は、該竿部の長手方向で結合される複数の部材からなることを特徴とする。
【0013】
請求項4は、請求項1から3のいずれか一項に記載の立坑内壁調査装置の吊下治具において、前記第1のガイド部材と前記取付部との間で前記線条体をガイドする第2のガイド部材をさらに備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項5は、請求項4に記載の立坑内壁調査装置の吊下治具において、前記第2のガイド部材は、前記第1のガイド部材と該第2のガイド部材との間の前記線条体の軸線と、該第2のガイド部材から前記線条体の他端までの軸線とをずらすように構成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項6は、請求項4または5に記載の立坑内壁調査装置の吊下治具において、前記竿部は、前記第2のガイド部材が設けられた位置で折れ曲がっていることを特徴とする。
【0016】
請求項7は、請求項1から6のいずれか一項に記載の立坑内壁調査装置の吊下治具において、前記取付部は、水平方向に延び、前記天蓋の外周部の上面に接触するフランジを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、天蓋の昇降口から吊下治具の竿部を立坑内に斜め下方に挿入し、吊下治具の取付部を天蓋の外周部または立坑の上端部に取り付けることができる。これにより、線条体を介して立坑内壁調査装置を立坑内で昇降させることができる。このように、本発明によれば、軽量かつ安価な構成で、立坑に設置された天蓋を取り外すことなく、立坑内に調査装置を吊り下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】集水井の設置状況を説明するための図である。
【図2】立坑に用いられるライナープレートを示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施例に係る吊下治具を用いて立坑内壁調査装置を立坑内に吊り下げている状態を示す模式的断面図である。
【図4】立坑の上端部の開口を覆う天蓋を示す平面図である。
【図5】図4のV−V線断面図である。
【図6】図3の吊下治具を模式的に示す図である。
【図7】図3の吊下治具の第1部材を示す正面図である。
【図8】図7のVIII方向から見た図である。
【図9】図3の吊下治具の第2部材を示す正面図である。
【図10】図9のX方向から見た図である。
【図11】図9のXI方向から見た図である。
【図12】図3の吊下治具の第3部材を示す正面図である。
【図13】図12のXIII方向から見た図である。
【図14】図12の側面図である。
【図15】図12の第3部材の第1のL型フランジに枠リングが挿入された状態を示す部分拡大図である。
【図16】図14の第3部材の第2のL型フランジを用いて取付部を固定する例を示す図である。
【図17】本発明の他の実施例に係る吊下治具を模式的に示す図である。
【図18】本発明のさらに他の実施例に係る吊下治具を模式的に示す図である。
【図19】本発明のさらに他の実施例に係る吊下治具に用いられるガイド部材を示す斜視図である。
【図20】本発明のさらに他の実施例に係る吊下治具に用いられるガイド部材を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る立坑内壁調査装置の吊下治具の実施例について、図1から図20を参照して説明する。なお、図1から図20において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【実施例1】
【0020】
まず、本発明に係る吊下治具を用いて立坑内壁調査装置を吊り下げる立坑について説明する。図1は、立坑501を含む集水井500の設置状況を説明するための図である。図1に示すように、集水井500は、地すべりが起こりやすい場所で地下水を集めて川等に流して地すべりを抑制するために設けられる。この集水井500は、立坑501と、立坑501に接続された複数本の集水管502と、立坑501に接続された1本の排水管503とから構成される。
【0021】
立坑501は、図2に示すような円弧状のライナープレート510を周方向および鉛直方向に連結して構築した円筒状の構築物である。立坑501のサイズは特に限定されないが、例えばその直径が3〜4m、深さが20〜60mである。
【0022】
図2に示すように、ライナープレート510は、円弧状の波付け鋼板部510aの波付け方向の両端に鋼板を折り曲げて形成したフランジ510bを持ち、波付け方向と直交する方向の両端に、別部材の端面プレートを溶接固定したフランジ510cを持つ構造であり、表面には亜鉛メッキが施されている。
【0023】
複数のライナープレート510の円周方向(波付け方向と直交する方向)のフランジ510c同士をボルト接合してリングを形成するとともに、上下に隣接するライナープレート510のフランジ510b同士をボルト接合して、円筒状の立坑501を構築する。その施工は一般に、立坑の頂部(最初の1〜3リング分)を組み立てその周囲を裏込めしかつ固定した後、掘削、組立てを繰り返してライナープレートを下に継ぎ足していき、所望の深さの立坑501を構築する。
【0024】
このようなライナープレートにより構築された立坑501においては、構築後例えば20〜30年などと年月を経過しているものは、変形状況や腐食状況等を調査することが必要となる場合がある。そのような場合に、本発明に係る吊下治具を用いて立坑内壁調査装置を立坑501内に吊り下げ、立坑501の内壁の調査を行う。
【0025】
図3は、本発明の第1の実施例に係る吊下治具10を用いて立坑内壁調査装置1を立坑501内に吊り下げている状態を示す模式的断面図である。図3に示すように、立坑内壁調査装置1は、立坑501の上端部の開口を覆う天蓋520の外周部に固定された吊下治具10を用いて立坑501内に吊り下げられている。立坑内壁調査装置1は、吊下治具10に設けられたウィンチ12から延びるワイヤロープ(線条体)14に接続されており、ウィンチ12の駆動により立坑501内を昇降するようになっている。なお、立坑501の内壁501aに沿って梯子505が螺旋状に設けられている。
【0026】
図4は天蓋520の平面図、図5は図4のV−V線断面図である。天蓋520は、転落事故等を防止するために立坑501の上端部の開口を覆うために設置されるものであり、立坑501に対応した形状を有している。図4に示すように、本実施例における天蓋520は、外周部に設けられた環状の枠リング521と、枠リング521に取り付けられた複数の梁材522と、枠リング521および梁材522の上に取り付けられた略円板状のエキスパンドメタル523と、梁材522に開閉可能に取り付けられた扉524とを有している。図5に示すように、天蓋520は、立坑501のライナープレート510の上端に載置される。
【0027】
天蓋520の扉524は把手524aにより開閉可能となっており、扉524を開くと作業員が立坑501の内部に入るときに使用される昇降口が形成されるようになっている。作業員はこの昇降口から梯子505を使って立坑501の内部に入っていくことができる。
【0028】
図6は、吊下治具10を模式的に示す図である。図6に示すように、吊下治具10は、ワイヤロープ14を巻き上げるウィンチ12と、天蓋520の外周部に取付可能な取付部16と、取付部16から延びる竿部18と、竿部18の先端に設けられた第1のガイド部材20と、第1のガイド部材20とウィンチ12との間に設けられた第2のガイド部材22とを備えている。
【0029】
第1のガイド部材20および第2のガイド部材22は、立坑内壁調査装置1に接続されたワイヤロープ14をガイドするものであり、本実施例においては、第1のガイド部材20および第2のガイド部材22として滑車が用いられている。図6に示すように、立坑内壁調査装置1から鉛直方向に延びるワイヤロープ14は、竿部18の先端に設けられた第1のガイド部材20の滑車の上面にガイドされ、第2のガイド部材22の滑車の下面にガイドされ、ウィンチ12に至る。このように、2つのガイド部材20,22によってワイヤロープ14をガイドすることによって、ウィンチ12から立坑内壁調査装置1に至るワイヤロープ14のブレが小さくなるようにしている。
【0030】
このように、本実施例においては、第1のガイド部材20と第2のガイド部材22との間のワイヤロープ14の延長方向軸線と、第2のガイド部材22からウィンチ12に至るまでのワイヤロープ14の延長方向軸線とがずれるように構成されており、ワイヤロープ14が確実に第1のガイド部材20および第2のガイド部材22にガイドされるようになっている。
【0031】
図6に示すように、本実施例における吊下治具10は、竿部18の長手方向で結合される3つの部材110,120,130から構成されており、これら3つの部材110,120,130に分割できるようになっている。このように、本実施例における吊下治具10は、3つの部材110,120,130に分割することができるので、持ち運びがしやすい。したがって、重機などが入っていけない山間部にある立坑の内壁調査が極めて容易になる。
【0032】
図7は第1部材110を示す正面図、図8は図7のVIII方向から見た図である。図7に示すように、第1部材110は、竿部18の一部を構成する四角柱状の軸部111と、軸部111の一端に設けられたフランジ112とを備えている。図8に示すように、フランジ112には4つの貫通孔112aが形成されている。
【0033】
図9は第2部材120を示す正面図、図10は図9のX方向から見た図、図11は図9のXI方向から見た図である。図9に示すように、第2部材120は、竿部18の一部を構成する四角柱状の軸部121と、軸部121の一端に設けられたフランジ122と、軸部121の他端に設けられたフランジ123とを備えている。図10に示すように、フランジ122には4つの貫通孔122aが形成されている。また、図11に示すように、フランジ123には4つの貫通孔123aが形成されている。
【0034】
上述した第1部材110のフランジ112の貫通孔112aと第2部材120のフランジ122の貫通孔122aとにボルト(図示せず)を挿通し、これらのボルトにナット(図示せず)を締結することで第1部材110と第2部材120とを連結することができる。
【0035】
図12は第3部材130を示す正面図、図13は図12のXIII方向から見た図、図14は図12の側面図である。図12に示すように、第3部材130は、竿部18の一部を構成する四角柱状の軸部131と、軸部131の一端に設けられたフランジ132と、軸部131の他端に設けられた取付部16と、取付部16の上部に設けられたウィンチ台133とを備えている。図13に示すように、フランジ132には4つの貫通孔132aが形成されている。
【0036】
上述した第2部材120のフランジ123の貫通孔123aと第3部材130のフランジ132の貫通孔132aとにボルト(図示せず)を挿通し、これらのボルトにナット(図示せず)を締結することで第2部材120と第3部材130とを連結することができる。
【0037】
図12および図14に示すように、取付部16は、略台形柱状の基部134と、基部134の下端に設けられた第1のL型フランジ135と、基部134の両側に取り付けられた第2のL型フランジ136とを有している。
【0038】
第1のL型フランジ135は、垂直方向に延びる垂直部135aと、水平方向に延びる水平部135bとを有しており、垂直部135aが基部134に固定されている。図12に示すように、水平部135bの上面と基部134の下面との間には隙間Gが形成されている。図15に示すように、この隙間Gには、天蓋520の外周部にある枠リング521を挿入することができるようになっており、枠リング521を挿入すると、第1のL型フランジ135の水平部135bが枠リング521に係合し、取付部16が天蓋520の外周部に固定される。このように、本実施例における第1のL型フランジ135は、天蓋520の枠リング521に係合可能な係合部として機能する。
【0039】
第2のL型フランジ136は、垂直方向に延びる垂直部136aと、水平方向に延びる水平部136bとを有しており、垂直部136aが基部134に固定されている。水平部136bの下面は天蓋520の外周部(枠リング521)に接触するようになっている。上述した第1のL型フランジ135の係合による取付部16の固定が十分でない場合には、この第2のL型フランジ136により取付部16の固定を補強することができる。すなわち、図16に示すように、第2のL型フランジ136の水平部136bと天蓋520の枠リング521とをクランプ137などにより挟み込むことにより、取付部16を天蓋520の外周部に固定することができる。また、第2のL型フランジ136の水平部136bは、枠リング521を上述した隙間Gに挿入する際に枠リング521をガイドする役割も有する。
【0040】
このような構成の吊下治具10において、ウィンチ12からのワイヤロープ14を第2のガイド部材22および第1のガイド部材20に通し、端部を立坑内壁調査装置1に接続する。天蓋520の扉524を開き、昇降口から吊下治具10の竿部18を立坑501内に斜め下方に挿入する。そして、取付部16の第1のL型フランジ135を天蓋520の枠リング521に係合させることにより、吊下治具10を天蓋520の外周部に固定する。必要に応じて、クランプやシャコマンなどの工具を用いて第2のL型フランジ136を天蓋520の外周部に固定してもよい。このようにして設置された吊下治具10のウィンチ12を駆動させることにより立坑内壁調査装置1を立坑501内で昇降させることができる。
【0041】
上述したように、本実施例によれば、第1のL型フランジ135を天蓋520の枠リング521に係合させることにより取付部16を天蓋520の外周部に固定することができるので、吊下治具10の天蓋520への取付が極めて容易である。また、第1のL型フランジ135と枠リング521との係合だけでは吊下治具10の固定が不十分である場合には、クランプやシャコマンなどの工具を用いて第2のL型フランジ136を強固に天蓋520の外周部に固定することができる。
【実施例2】
【0042】
図17は、本発明の他の実施例に係る吊下治具210を模式的に示す図である。本実施例は、第2のガイド部材222の滑車の径を大きくしたもので、立坑内壁調査装置1からのワイヤロープ14が、竿部18の先端に設けられた第1のガイド部材20の滑車の上面にガイドされ、第2のガイド部材222の滑車の上面にガイドされるように構成されている。本実施例においても、第1のガイド部材20と第2のガイド部材222との間のワイヤロープ14の延長方向軸線と、第2のガイド部材222からウィンチ12に至るまでのワイヤロープ14の延長方向軸線とがずれるように構成されている。
【実施例3】
【0043】
図18は、本発明の他の実施例に係る吊下治具310を模式的に示す図である。本実施例においては、第2のガイド部材322が設けられた位置で竿部318が折れ曲がっている。立坑内壁調査装置1からのワイヤロープ14は、竿部318の先端に設けられた第1のガイド部材20の滑車の上面にガイドされ、第2のガイド部材322の滑車の上面にガイドされるように構成されている。本実施例においても、第1のガイド部材20と第2のガイド部材322との間のワイヤロープ14の延長方向軸線と、第2のガイド部材322からウィンチ12に至るまでのワイヤロープ14の延長方向軸線がずれるように構成されている。
【実施例4】
【0044】
上述した実施例においては、ガイド部材20,22として滑車を用いた例について説明したが、ガイド部材20,22はワイヤロープ14をガイドする機能があればどのようなものであってもよい。例えば、図19に示すような環状ガイド部材420や、図20に示すような螺旋状ガイド部材421を用いることもできる。図20に示す螺旋状ガイド部材421は、ワイヤロープ14の両端が固定された後であっても容易にワイヤロープ14を螺旋状ガイド部材421に通すことができる。
【0045】
また、上述した実施例においては、吊下治具10の取付部16を天蓋520の外周部にある枠リング521に取り付ける例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、吊下治具10の取付部16を立坑201(ライナープレート510)の上端部に直接取り付けられるように構成してもよい。
【0046】
また、上述した実施例においては、ワイヤロープ14にウィンチ12を接続して立坑内壁調査装置1を昇降させる例について説明したが、必ずしもウィンチ12を用いる必要はない。例えば、人力によりワイヤロープ14を引っ張ってもよい。
【0047】
これまで本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明は上述の実施例に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0048】
G 隙間
1 立坑内壁調査装置
10 吊下治具
12 ウィンチ
14 ワイヤロープ(線条体)
16 取付部
18 竿部
20 第1のガイド部材
22 第2のガイド部材
110 第1部材
111 軸部
112 フランジ
120 第2部材
121 軸部
122,123 フランジ
130 第3部材
131 軸部
132 フランジ
133 ウィンチ台
134 基部
135 第1のL型フランジ(係合部)
135a 垂直部
135b 水平部
136 第2のL型フランジ
136a 垂直部
136b 水平部
137 クランプ
210 吊下治具
222 第2のガイド部材
310 吊下治具
318 竿部
322 第2のガイド部材
420 環状ガイド部材
421 螺旋状ガイド部材
500 集水井
501 立坑
501a (立坑の)内壁
505 梯子
510 ライナープレート
520 天蓋
521 枠リング
522 梁材
523 エキスパンドメタル
524 扉
524a 把手

【特許請求の範囲】
【請求項1】
立坑の内壁を調査する立坑内壁調査装置を立坑内に吊り下げる吊下治具であって、
前記立坑の上端部の開口を覆う天蓋の外周部または前記立坑の上端部に取付可能な取付部と、
前記取付部から延びる竿部と、
一端が前記立坑内壁調査装置に接続される線条体を前記竿部の先端でガイドする第1のガイド部材とを備え、
前記竿部は、前記取付部を前記天蓋の外周部または前記立坑の上端部に取り付けたときに前記天蓋に形成された昇降口を通って斜め下方に傾斜するように構成されている
ことを特徴とする立坑内壁調査装置の吊下治具。
【請求項2】
前記取付部は、前記天蓋の外周部または前記立坑の上端部に係合可能な係合部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の立坑内壁調査装置の吊下治具。
【請求項3】
前記竿部は、該竿部の長手方向で結合される複数の部材からなることを特徴とする請求項1または2に記載の立坑内壁調査装置の吊下治具。
【請求項4】
前記第1のガイド部材と前記取付部との間で前記線条体をガイドする第2のガイド部材をさらに備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の立坑内壁調査装置の吊下治具。
【請求項5】
前記第2のガイド部材は、前記第1のガイド部材と該第2のガイド部材との間の前記線条体の軸線と、該第2のガイド部材から前記線条体の他端までの軸線とをずらすように構成されていることを特徴とする請求項4に記載の立坑内壁調査装置の吊下治具。
【請求項6】
前記竿部は、前記第2のガイド部材が設けられた位置で折れ曲がっていることを特徴とする請求項4または5に記載の立坑内壁調査装置の吊下治具。
【請求項7】
前記取付部は、水平方向に延び、前記天蓋の外周部の上面に接触するフランジを有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の立坑内壁調査装置の吊下治具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−14950(P2013−14950A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148795(P2011−148795)
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【出願人】(000170646)国土防災技術株式会社 (23)
【出願人】(593112252)サンスイエンジニアリング株式会社 (5)
【出願人】(000006839)日鐵住金建材株式会社 (371)