説明

端子付き電線、端子付き電線の製造方法および端子圧着装置

【課題】端子付き電線が備える圧着端子底部の電線側の端部が周囲の電線に接触し、傷つけることを抑えられる技術を提供する。
【解決手段】端子付き電線5は、絶縁被覆13の端部から芯線12が延び出ている電線10と、芯線12を圧着する芯線圧着部23と絶縁被覆13を圧着する被覆圧着部25とを有する圧着端子20とを備える。この被覆圧着部25の底部251が、電線10の延在方向における外側端部に、絶縁被覆13の外周面に向けて内向きに形成されている突部29を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線を端子に圧着する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電線に端子を圧着する技術として、例えば特許文献1に記載のものが知られている。
【0003】
特許文献1では、所定間隔をあけて連結帯によって並列状に連結された複数の圧着端子が、連結帯を収容する凹溝部のエッジと圧着端子の圧着部を載置する第1下型のエッジとでせん断され、一つずつ切り離される。切り離された圧着端子に対して、第1下型と第1下型に対向配置された第1上型とが相対的に近接移動することによって、端子の圧着部は電線に圧着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−153056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、せん断されたことで形成された圧着端子底部の突出部分、すなわち圧着端子底部の電線側の端部が周囲の電線に接触し、傷つける恐れがある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、端子付き電線が備える圧着端子底部の電線側の端部が周囲の電線に接触し、傷つけることを抑えられる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様は、端子付き電線であって、絶縁被覆の端部から芯線が延び出ている電線と、前記芯線を圧着する芯線圧着部と前記絶縁被覆を圧着する被覆圧着部とを有する圧着端子と、を備え、前記被覆圧着部の底部が、前記電線の延在方向における外側端部に、前記絶縁被覆の外周面に向けて内向きに形成されている内向部を備える。
【0008】
第2の態様は、第1の態様に係る端子付き電線であって、前記内向部が前記絶縁被覆の外周面に食い込んでいる。
【0009】
第3の態様は、第1の態様又は第2の態様に係る端子付き電線であって、前記内向部は、前記被覆圧着部の前記底部全体が前記絶縁被覆の外周面に向けて内向きに傾斜した構造を有する。
【0010】
第4の態様は、第1の態様ないし第3の態様のいずれか一つに係る端子付き電線であって、前記芯線と前記圧着端子とが異種金属であり、防食剤が、少なくとも前記被覆圧着部と、前記被覆圧着部に隣り合う前記絶縁被覆の部分とを被覆して形成される防食部をさらに備える。
【0011】
第5の態様は、芯線と前記芯線を被覆する絶縁被覆とを有する電線が、前記芯線を圧着する芯線圧着部と前記絶縁被覆を圧着する被覆圧着部とを有する圧着端子に接続されている端子付き電線の製造方法であって、(a)前記電線端部の前記絶縁被覆を皮剥して前記芯線を外部に露出させる工程と、(b)前記芯線が前記芯線圧着部に、前記絶縁被覆が前記被覆圧着部に位置するように前記電線を前記圧着端子に配置させる工程と、(c)前記芯線圧着部と前記被覆圧着部とを前記電線に圧着する工程と、(d)前記被覆圧着部の底部のうち少なくとも前記電線の延在方向における外側端部を、前記絶縁被覆の外周面に向けて内向きに加工する工程と、を備える。
【0012】
第6の態様は、第5の態様に係る端子付き電線の製造方法であって、前記工程(c)と前記工程(d)とが同時に実施される。
【0013】
第7の態様は、芯線と前記芯線を被覆する絶縁被覆とを有する電線を、前記芯線を圧着する芯線圧着部と前記絶縁被覆を圧着する被覆圧着部とを有する圧着端子に接続する端子圧着装置であって、前記芯線圧着部を載置可能な第1台部と、前記第1台部の上方に配置されて前記芯線圧着部を下方に押圧可能な第1押部と、前記被覆圧着部を載置可能で、前記被覆圧着部の底部のうち少なくとも前記電線の延在方向における外側端部に当接する、前記被覆圧着部の載置面の部分が上方に傾斜している第2台部と、前記第2台部の上方に配置されて前記第2圧着片を下方に押圧可能な第2押部と、前記第1押部と前記第1台部とを相対的に接近離隔移動させるとともに、前記第2押部と前記第2台部とを相対的に接近離隔移動させる駆動機構部と、を備える。
【0014】
第8の態様は、第7の態様に係る端子圧着装置であって、前記第2台部が有する前記載置面は、前記第1台部側の端部を下方にして傾斜している。
【発明の効果】
【0015】
第1から第8の態様によると、被覆圧着部の底部のうち、少なくとも電線の延在方向における外側端部が、絶縁被覆の外周面に向けて内向きに形成されている。このため、周囲の電線は、被覆圧着部が有する底部の端部に接触しにくく、周囲の電線が損傷を受けることを抑えられる。
【0016】
特に、第2の態様によると、内向部が絶縁被覆の外周面に食い込んでいる。従って、より確実に当該内向部が周囲の電線に接触し、周囲の電線が損傷を受けることを抑えられる。
【0017】
特に、第3の態様及び第8の態様によると、被覆圧着部の底部全体が絶縁被覆の外周面に向けて内向きに傾斜している。このため、底部を傾斜した構造に加工するための金型を容易に作製することができる。
【0018】
特に、第4の態様によると、芯線と圧着端子とが異種金属であり、少なくとも被覆圧着部と、被覆圧着部に隣り合う絶縁被覆の部分とが防食剤で覆われている。被覆圧着部の底部は内向部を備えるため、内向部が内側を向いている分、従来よりも当該内向部の外側部分に塗布される防食剤の厚みを増大させることができる。このため、防食剤に割れが形成されることを抑えることができる。
【0019】
また、特に第6の態様によると、芯線圧着部と被覆圧着部とを電線に圧着する工程と、被覆圧着部の底部のうち外側端部を内向きに加工する工程とが同時に実施されるため、端子付き電線の製造にあたって、工数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施形態における端子付き電線を示す側面図である。
【図2】端子圧着装置の全体構成を示す概略平面図である。
【図3】下型群及び上型群を示す側面図である。
【図4】第1下型及び第1下型を圧着端子の延在方向に沿って圧着端子側から見た状態を示す図である。
【図5】第2下型及び第2下型を圧着端子の延在方向に沿って圧着端子側から見た状態を示す図である。
【図6】圧着端子を圧着端子用連鎖帯から切り離す直前の状態を示す側面図である。
【図7】変形例における端子付き電線の圧着端子の根元側の端部を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付の図面を参照しながら実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であり、本発明の技術的範囲を限定する事例ではない。
【0022】
<1.端子付き電線の構成>
はじめに本実施形態に係る端子付き電線5について説明する。図1には本実施形態における端子付き電線5を示す側面図が示されている。端子付き電線5は、電線10、圧着端子20及び防食部30を備える。
【0023】
電線10は、導電性を有する芯線12と、その芯線12の周囲を被覆する絶縁樹脂等で形成された絶縁被覆13とを備えている。芯線12は、例えば複数の素線11が撚り合わされることによって構成される。
【0024】
電線10が圧着端子20に圧着接続されるにあたって、電線10の一端部では、皮剥等の端末処理が施され、所定の長さ分の芯線12が外部に露出するように加工されている。つまり、電線10は絶縁被覆13の端部から芯線12が延び出た構造を有する。電線10のうち、芯線12が露出している部分と、当該部分に連なる絶縁被覆13の端部とが圧着端子20によって圧着され、圧着端子20と電線10とが接続される。
【0025】
圧着端子20は、金属板を適宜打抜き屈曲加工することにより、一方向に延びる長尺状に形成されている。より具体的には、圧着端子20は、電線10に圧着されている状態において、電線10の延在方向に沿って延びる長尺状に形成されている。なお、本実施形態に係る圧着端子20は雌端子であるが、これに限られるものではなく、圧着端子20は雄端子であってもよい。
【0026】
端子付き電線5において、電線10の芯線12(素線11)と、圧着端子20とは、それぞれ異種の金属で構成されている。具体的には、芯線12はアルミニウム線、つまり、アルミニウムを主成分とする金属(アルミニウム、又はアルミニウム合金)の線材である。一方、圧着端子20は、銅もしくは黄銅などの銅合金の部材、又はそれらの部材に錫メッキもしくは錫に銀、銅、ビスマスなどが添加された錫合金のメッキが施された部材である。このように、本実施形態では、芯線12と圧着端子20とは異種金属、より具体的には標準電極電位の異なる金属がそれぞれに使用されている。なお、電線10の芯線12及び圧着端子20は上記金属に限られず、導電性を有する部材であればよい。
【0027】
圧着端子20は、電線10に接続された際の圧着端子20の先端側から根元側に向けて、順に、接続部21、第1連結部22、芯線圧着部23、第2連結部24、被覆圧着部25、が直線状に連設された構成を有する。このうち、第1連結部22、芯線圧着部23、第2連結部24、被覆圧着部25が、電線10の保持部28に相当する。
【0028】
接続部21は筒状、より具体的には四角筒状の構造を有しており、当該部分に相手側端子が嵌合することによって、相手側端子に接続される部分である。この接続部21の内部には、相手側端子と接触して弾性変形する接触片215が設けられている。
【0029】
第1連結部22は、接続部21と芯線圧着部23とを繋ぐ部分である。第1連結部22の底部221は接続部21の底部211と連なって配置されている。また、電線10の延在方向に垂直な断面形状は略U字形状に形成されている。
【0030】
芯線圧着部23は、第1連結部22の底部221に連なって配置された底部231と、底部231の両側部に設けられており、底部231とともに電線10の露出している芯線12の部分に圧着される一対の圧着片232a,232bとを備えて構成される。芯線圧着部23は、圧着前の段階では、オープンバレル状に形成されており、電線10の延在方向に垂直な断面形状は略U字形状に形成されている。芯線圧着部23の一対の圧着片232a,232bは、互いに対向し、底部231から一方向に向けて立ち上げられた構造を有する。
【0031】
芯線圧着部23が圧着されると、圧着片232a,232bは底部231側に折り曲げられる。これによって、電線10のうち端部で露出している芯線12を底部231と圧着片232a,232bとが把持した状態で圧着される。
【0032】
第2連結部24は、芯線圧着部23と被覆圧着部25とを繋ぐ部分である。第2連結部24の底部241は芯線圧着部23の底部231と被覆圧着部25の底部251とに連なって配置されている。また、電線10の延在方向に垂直な断面形状は略U字形状に形成されている。
【0033】
被覆圧着部25は、第2連結部24に連なって配置された底部251と、底部251の両側部に設けられており、底部251とともに電線10の絶縁被覆13に圧着される一対の圧着片252a,252bとを備えて構成される。被覆圧着部25は、圧着前の段階では、オープンバレル状に形成されており、長手方向に垂直な断面形状は略U字形状に形成されている。被覆圧着部25の一対の圧着片252a,252bは、互いに対向し、底部251から一方向に向けて立ち上げられた構造を有する。
【0034】
被覆圧着部25が圧着されると、圧着片252a,252bは底部251側に折り曲げられる。これによって、電線10のうち絶縁被覆13の部分を底部251と圧着片252a,252bとが把持した状態で圧着される。
【0035】
この被覆圧着部25の底部251は、圧着端子20に接続された電線10の延在方向における外側端部に突部29を備える。この突部29は、圧着端子20が電線10に圧着接続された状態で、一対の圧着片252a,252bが設けられている部分よりも根元側の底部251の部分から突出して形成されている。このような突部29は、端子付き電線5の製造工程で生成されるものであり、これについては後に詳述する。
【0036】
本実施形態における被覆圧着部25の底部251は、その全体を被覆圧着部25に隣り合う絶縁被覆13の外周面に向けて内向きに傾斜させた構造を有する。つまり、底部251全体が本実施形態における内向部に相当する。
【0037】
このように底部251が傾斜しているため、被覆圧着部25における電線10の挿入口254側の径は導出口255側の径よりも小さくなっている。つまり、被覆圧着部25は、根元側の部分が従来よりも絶縁被覆13の外周面側に接近した構造を有している。このため、底部251の一部である突部29についても、底部251に連なって、絶縁被覆13の外周面に向けて内向きに形成されている。ここでは、突部29は絶縁被覆13の外周面に食い込んだ状態となっている。
【0038】
なお、このような底部251の傾斜構造は、被覆圧着部25の底部251全体に採用される必要はなく、例えば底部251の一部分である突部29のみに採用されても構わない。この場合には、突部29が内向部に相当する。内向部は、底部251のうち、少なくとも電線10の延在方向における外側端部に、絶縁被覆13の外周面に向けて内向きに形成されていればよい。
【0039】
なお、図1に示される被覆圧着部25の底部251の傾斜角度及び突部29は、理解を容易にするため、実際の被覆圧着部25よりも誇張した態様で示されている。
【0040】
このような圧着端子20は、連鎖状圧着端子200として端子圧着装置40に供給される(図2参照)。連鎖状圧着端子200は、複数の圧着端子20が被覆圧着部25側で、圧着端子用連鎖帯200aに所定間隔をおいて並列状に並べられた構成とされている。このような連鎖状圧着端子200が順次端子圧着装置40に送り込まれる。
【0041】
防食部30は、圧着端子20と電線10との接続部分に塗布された防食剤の部分である。本実施形態のように、芯線12がアルミニウム線である場合、芯線12の金属材料と、圧着端子20の金属材料との間の標準電極電位の関係は、圧着端子20の標準電極電位よりも、芯線12の標準電極電位の方が低い関係になる。このような関係下で、圧着端子20に接触する芯線12に塩水などの電解質水溶液が付着すると、当該接触部分における芯線12に腐食の一種である電食が生じやすい。このため、芯線12が外部に剥き出しになっている部分、及び芯線12と圧着端子20との接触部分に向けて電解質水溶液が入り込む恐れのある部分などに防食部30が形成される。このような電解質水溶液が入り込む恐れのある部分として、例えば、被覆圧着部25と被覆圧着部25に覆われる絶縁被覆13の部分との隙間などが挙げられる。従って、防食部30は、この隙間を塞ぐために、防食剤が少なくとも被覆圧着部25と、被覆圧着部25の根元側の部分に隣り合う絶縁被覆13の部分とを被覆することで形成されている。つまり、底部251の外側、特に突部29の外側の部分が防食剤に覆われている。なお、本実施形態では、防食部30は、電線10の延在方向における第1連結部22から絶縁被覆13の端部までの外周部分を覆うようにして形成されている。防食剤は、例えば、ポリアミド樹脂又はエポキシ樹脂などが採用される。なお、圧着端子20に使用される金属と芯線12に使用される金属とに標準電極電位の差がない場合には、防食部30は形成されていなくてもよい。
【0042】
<2.端子圧着装置の全体構成>
端子圧着装置40の全体構成について説明する。図2は端子圧着装置40の全体構成を示す概略平面図である。
【0043】
この端子圧着装置40は、基台42と、可動支持フレーム44と、ラム部材48と、端子送りガイド部50と、端子送り機構部54とを備えている。
【0044】
基台42は、板状に形成されており、略水平姿勢で図示省略の装置台上に固定されている。ここでは、基台42は、略方形板状に形成されている。
【0045】
可動支持フレーム44は、基台42に対して略垂直姿勢で立設された板部45と板部45の一主面(前面側)に固定された一対のガイドフレーム片46とを有している。一対のガイドフレーム片46は、基台42に対して略垂直姿勢で、かつ、それらの間に所定間隔をあけた並列姿勢で固定されている。また、一対のガイドフレーム片46の下端部は、基台42の上面から離間しており、これらの間で、後述する下型群60や上型群80を用いた圧着作業が行われる。
【0046】
ラム部材48は、上記一対のガイドフレーム片46間に配設可能な略直方体状に形成されており、特に、その幅寸法は、一対のガイドフレーム片46間の間隔寸法よりも幅狭(ここでは僅かに幅狭)に形成されている。そして、ラム部材48は、一対のガイドフレーム片46間で、一定姿勢で、上昇位置と下降位置との間で昇降自在にガイドされている。
【0047】
また、ラム部材48の上方には、エアシリンダ等のアクチュエータによって構成される昇降駆動機構部49が配設されている。ラム部材48は、ロッド部49aを介して昇降駆動機構部49の駆動力を受けて、昇降駆動する。つまり、昇降駆動機構部49は、後述するように、上型群80と下型群60との間で、芯線圧着部23及び被覆圧着部25の圧着を行わせるようにそれらを近接移動させるように構成されている。
【0048】
このラム部材48の下部には、上型群80の一部として、第1上型84及び第2上型90が取り付けられている。さらに、基台42の上面であってラム部材48の下方位置(すなわち、第1上型84及び第2上型90に対向する下方位置)には、下型群60の一部として、第1下型64及び第2下型70が取付けられている。
【0049】
ラム部材48の昇降駆動に伴って、第1下型64及び第2下型70に対して第1上型84及び第2上型90が接近離隔移動するようになっている。これらの構成については後に詳述する。
【0050】
端子送りガイド部50は略板状に形成されている。この端子送りガイド部50の内部には、連鎖状圧着端子200がガイドされつつ通過可能な圧着端子送りガイド口51が形成されている。そして、本端子圧着装置40の一側方と下型群60とを結ぶ方向に沿って上記圧着端子送りガイド口51が配設されるような姿勢で、端子送りガイド部50が基台42に対して直接又は間接的に固定されている。
【0051】
端子送り機構部54は、下型群60及び上型群80の端子圧着動作1回毎に、圧着端子送りガイド口51内の連鎖状圧着端子200を構成する圧着端子20を1つずつ下型群60に向けて送り込むように構成されている。具体的に、この端子送り機構部54は、例えばエアシリンダ等のアクチュエータで連鎖状圧着端子200を一つずつ送り込む機構で構成されている。より具体的には、アクチュエータの一回の摺動距離が連鎖状圧着端子200の各圧着端子20間の距離に相当するため、アクチュエータの動作によって、圧着端子20は一つずつ送り込まれる。
【0052】
<3.端子圧着装置の圧着部分構成>
本端子圧着装置40による圧着部分の構成についてより詳細に説明する。図3は下型群60及び上型群80を示す側面図である。
【0053】
上述したように基台42上面には下型群60が取付けられており、ラム部材48の下部には、上型群80が取付けられている。そして、これらの間に圧着端子20が所定姿勢で配設されるとともに、電線10の端部がその軸方向を圧着端子20の延在方向に揃えて所定姿勢で配設される。この状態で、芯線圧着部23及び被覆圧着部25の圧着が行われる。
【0054】
下型群60は、圧着端子20及び電線10の延在方向において、電線10側から圧着端子20の先端側に向かう順で、圧着端子カット部61、第1下型64及び第2下型70を備えている。上記のうち第1下型64及び第2下型70は基台42に対して一定位置で固定されている。また、圧着端子カット部61は図示省略のガイド部材によって基台42に対して上下移動自在に支持されると共に、コイルバネ等の付勢部材61Sによって基台42に対して上方に付勢されている。
【0055】
また、上型群80は、圧着端子20及び電線10の延在方向において、電線10側から圧着端子20の先端側に向う順で、第1カット押え部81、第1上型84及び第2上型90を備えている。また、上型群80は、圧着端子20及び電線10の延在方向において、上記第1カット押え部81と略同じ位置に、電線押え部82を有している。これらのうち、電線押え部82、第1上型84及び第2上型90は、ラム部材48に対して一定位置で固定されている。
【0056】
ここで、上記各部材の上下の対応関係及び圧着端子20の対応関係について説明する。
【0057】
圧着端子カット部61は、圧着端子用連鎖帯200aに対応する位置、電線10を基準にすると、圧着端子20上に配設される電線10であってその被覆圧着部25から外方に延出する絶縁被覆13部分の下方位置に配設されている。また、この上方に第1カット押え部81及び電線押え部82が配設されている。
【0058】
第1下型64は、圧着端子20の被覆圧着部25の下方位置に配設されており、第1下型64の上面64aは、被覆圧着部25を載置可能である。この上方の対向位置に、第1上型84が配設されている。
【0059】
また、第2下型70は、芯線圧着部23の下方位置に配設されており、第2下型70の上面70aは、芯線圧着部23を載置可能である。この第2下型70の上方対向位置に、第2上型90が配設されている。
【0060】
各機能別に下型群60及び上型群80の各構成要素について説明する。まず、第1下型64と第1上型84とについて説明する。図4は第1下型64及び第1上型84を圧着端子20の延在方向に沿って圧着端子20側から見た状態を示す図である。
【0061】
第1上型84の下部であって第1下型64の上面64aと対向する位置には、凹溝84aが形成されている。凹溝84aの最上部は、半円弧状に湾曲する、半円柱周面状に形成されている。
【0062】
第1下型64の上面64aは、弧状に湾曲する縦断面形状を有する浅溝状に形成されており、被覆圧着部25の底部251全面を載置し、圧着可能である。また、第1下型64の上面64aは、圧着端子カット部61側の端部が上方に位置し、第2下型70側の端部が下方に位置する傾斜面として構成されている。そして、この上面64aの上端にエッジ部64eが設けられている。
【0063】
なお、上面64aは、必ずしも面全体が傾斜している必要はない。被覆圧着部25の底部251のうち少なくとも電線10の延在方向における外側端部に当接する上面64aの部分が、上方に向けて傾斜した構造を有していればよい。つまり、圧着端子カット部61側の上面64aの一部分が上方に傾斜した構造であればよい。
【0064】
次に、第2下型70と第2上型90とについて説明する。図5は第2下型70及び第2上型90を圧着端子20の延在方向に沿って圧着端子20側から見た状態を示す図である。
【0065】
第2上型90の下部であって当該上面70aと対向する位置には、凹溝90aが形成されている。また、第2下型70の上面70aは、弧状に湾曲する浅溝状に形成されており、その上面70a上に圧着端子20の芯線圧着部23が載置可能とされている。
【0066】
圧着端子20を電線10に接続する際には、まず、芯線圧着部23の内部に電線10の外部に露出した芯線12の部分を、被覆圧着部25内に電線10の絶縁被覆13部分を、それぞれ配設させる。そして、第1上型84を第1下型64に近接させ、第2上型90を第2下型70に近接させることで、被覆圧着部25が絶縁被覆13に、芯線圧着部23が芯線12に、それぞれ圧着される。
【0067】
このとき、第1上型84の凹溝84aの表面は電線10の延在方向に沿って形成されているため、圧着後の被覆圧着部25の上面についても電線10の延在方向に沿って形成される。一方、第1下型64の上面64aは傾斜しているため、第1下型64の上面64aが当接しつつ圧着する被覆圧着部25の底部251は、圧着端子20の先端側から根元側に向けて内向きに、すなわち絶縁被覆13に向けて傾斜した状態に変形する。
【0068】
次に、圧着端子カット部61、第1カット押え部81及び第1下型64で圧着端子20を圧着端子用連鎖帯200aから切り離す構成について説明する。
【0069】
図6は圧着端子20を圧着端子用連鎖帯200aから切り離す直前の状態を示す側面図である。
【0070】
すなわち、圧着端子カット部61は、中実なブロック状に形成され、その内部であって第1下型64に隣設する部分に、圧着端子用連鎖帯200aを収容可能な凹溝部61gが形成されている。この凹溝部61gは、端子送りガイド部50の圧着端子送りガイド口51の延長線上に沿って形成されており、圧着端子送りガイド口51を通って送られる連鎖状圧着端子200の圧着端子用連鎖帯200aが本凹溝部61g内に導入される。
【0071】
この圧着端子カット部61は、凹溝部61gの開口部の上側エッジ部61eと第1下型64の上面64aの上端に位置するエッジ部64eとの間で、圧着端子20と圧着端子用連鎖帯200aとの間の部分をせん断可能な態様ですれ違うように、第1下型64に隣設する位置で昇降自在に配設されている。
【0072】
また、圧着端子カット部61の上面には、略半円筒状の電線ガイド溝61bが形成されており、電線10が当該電線ガイド溝61b上に載置されるようになっている。
【0073】
第1カット押え部81は、電線10の側方を通って下方に突出する押え突部81aを有している。この押え突部81aは、芯線圧着部23及び被覆圧着部25の圧着がなされる前に、圧着端子カット部61の上面であって電線ガイド溝61bの側方部分に当接した状態で、当該第1カット押え部81を下降可能な突出寸法に形成されている。
【0074】
また、電線押え部82は、第1カット押え部81に対して上下移動自在に支持されると共にコイルバネ等の弾性部材82Sによって下方に付勢されている。そして、第1カット押え部81の押え突部81aが圧着端子カット部61の上面に当接する際又はその前に、電線ガイド溝61b上の電線10の上部に当接して、当該電線10を電線ガイド溝61b上の一定位置に保持するようになっている。
【0075】
そして、上記凹溝部61g内に圧着端子用連鎖帯200aを配設しつつ一の圧着端子20を第1下型64及び第2下型70の上面の所定位置に配設した状態で、第1上型84を下降させるべくラム部材48を下降させる。すると、第1カット押え部81の押え突部81aが圧着端子カット部61の上面に当接しつつ、第1カット押え部81が下降する。つまり、第1上型84を下降させる昇降駆動機構部49の駆動力を受けて第1カット押え部81も下降する。すると、圧着端子20と圧着端子用連鎖帯200aとの間の部分が、凹溝部61gの上側エッジ部61eと第1下型64のエッジ部64eとの間に挟み込まれる(図6参照)。
【0076】
ここでは、第1下型64の上面64aは、圧着端子カット部61側に位置するエッジ部64eを上端にして傾斜しているため、挟み込まれた状態の圧着端子20と圧着端子用連鎖帯200aとの間の部分についても、上面64aの傾きに沿って傾斜した状態となる。このような状態で、第1下型64のエッジ部64eと上側エッジ部61eとの挟み込みが行われ、圧着端子20と圧着端子用連鎖帯200aとの間の部分はせん断され、切り離される。切り離された圧着端子20の部分であって、一対の圧着片252a,252bが設けられた底部251の部分よりも外側に位置する底部251の端部が突部29に相当する。このようにして、突部29が絶縁被覆13側に傾斜した構造で形成される。
【0077】
切り離された圧着端子20は、この後、第1上型84及び第2上型90がさらに下降することで、第1下型64及び第2下型70上で、芯線圧着部23及び被覆圧着部25の圧着がなされる。このようにして、第1下型64の上面の傾斜に沿って、被覆圧着部25の底部251は、突部29を最も内向きにして傾斜した状態に変形する。
【0078】
<4.端子圧着装置の動作>
このように構成された端子圧着装置40の動作について説明する。まず、初期状態では、ラム部材48は上昇した状態となっている(図3参照)。この状態で、端子送りガイド部50の圧着端子送りガイド口51を通って、連鎖状圧着端子200が送られてくる。そして、芯線圧着部23を第2下型70上に配置し、被覆圧着部25を第1下型64上に配置した状態で圧着端子20が下型群60と上型群80との間に配設される。
【0079】
この状態で、オペレータが、電線10の端部を下型群60と上型群80との間に配設する。なお、電線10は、事前に端末処理を施されており、端部の絶縁被覆13を取り除かれ、芯線12を部分的に外部に露出させた状態である。オペレータは、露出した芯線12の部分が芯線圧着部23の一対の圧着片232a,232b間に、絶縁被覆13の端部が被覆圧着部25の一対の圧着片252a,252b間に配設されるようにする。
【0080】
この状態で、昇降駆動機構部49の駆動によりラム部材48を下降させる。すると、まず、圧着端子カット部61が下降して、圧着端子20が圧着端子用連鎖帯200aから切り離される。これによって、被覆圧着部25の底部251の端部に突部29が形成される。
【0081】
このとき、電線10の絶縁被覆13の端部は圧着端子カット部61上で電線押え部82により押え付けるように保持されている。
【0082】
ラム部材48がさらに下降すると、第1上型84が第1下型64にさらに接近し、それらの間で、被覆圧着部25は絶縁被覆13に圧着される。これによって、被覆圧着部25の底部251は、圧着端子20の根元側の部分、すなわち電線10の延在方向における外側端部を、絶縁被覆13の外周面に向けて内向きに傾斜させた態様に変形する。このように、被覆圧着部25が電線10の絶縁被覆13を圧着する工程と、被覆圧着部25の底部251を傾斜構造に加工する工程とが同時に行われる。なお、底部251を傾斜構造に加工する工程では、被覆圧着部25の底部251のうち少なくとも電線10の延在方向における外側端部が絶縁被覆13の外周面に向けて内向きに加工されていればよい。
【0083】
また、第2上型90が第2下型70にさらに接近するため、それらの間で、芯線圧着部23は芯線12に圧着される。このようにして、圧着端子20が電線10に対して接続される。
【0084】
この後、昇降駆動機構部49の駆動によりラム部材48を上昇させる。これによって、一体に接続された圧着端子20と電線10とが、端子圧着装置40から取り出し可能となる。また、ラム部材48の上昇に連動して、次の処理対象の圧着端子20が下型群60と上型群80との間に供給される。
【0085】
第2上型90と第2下型70との接近によって一体に接続された圧着端子20と電線10とは、端子圧着装置40から取り出された後で、防食剤を塗布される。このように、防食剤の塗布工程が実施されることによって、電線10の延在方向における第1連結部22から絶縁被覆13の端部までの外周部分に、防食部30が形成される。つまり、防食部30は、底部251の外側、特に突部29の外側の部分を覆って形成される。これによって、圧着端子20と芯線12との接触部分、及び圧着端子20と芯線12との接触部分に向けて電解質水溶液が入り込む恐れのある部分などが防食剤に覆われる。
【0086】
以上のように、本実施形態に係る端子付き電線5では、被覆圧着部25の底部251が、電線10の延在方向における外側端部に、絶縁被覆13の外周面に向けて内向きに形成されている突部29を備える。当該突部29は、内向き、すなわち絶縁被覆13の外周面を向いた構造を有しているため、周囲に配設される他の電線が突部29に接触して傷つくことを抑えられる。また、このとき、突部29が絶縁被覆13の外周面に食い込んでいることによって、より確実に当該突部29が周囲の他の電線に接触することを抑えられる。
【0087】
従来のように、端子付き電線の被覆圧着部の底部に内向きの部分が設けられていない場合には、圧着端子用連鎖帯と圧着端子との間で切り離された圧着端子の部分、すなわち突部は、下方を向いて、すなわち外向きに形成されやすい。より具体的には、当該切り離された部分は、圧着端子カット部が下方に押し込まれることによる、圧着端子カット部の凹溝部の上側エッジ部と第1下型のエッジ部とのせん断によって形成される。従って、第1下型の上面が略水平面である場合には、上側エッジ部を備える圧着端子カット部の下降によって、突部は下方に押し込まれるため、外向きに形成されやすくなる。
【0088】
本実施形態では、第1下型64の上面64aが、圧着端子カット部61側に位置するエッジ部64eを上方にして傾斜している。このため、圧着端子カット部61の下降動作によって、突部29が下方に押し込まれても、第1下型64の上面64aに沿って内向きの状態が維持される。つまり、突部29が外向きに形成されることを抑えられる。
【0089】
なお、突部29が絶縁被覆13の外周面に食い込むことは予期されるものであり、それによって問題が生じることはない。
【0090】
また、突部29のみならず、被覆圧着部25の底部251全体が傾斜している態様は、本実施形態における第1下型64の上面64aのように、底部251全体に接する金型の面を傾斜させることで実現する。従って、底部251を傾斜した構造に加工するための金型を容易に作製することができる。
【0091】
また、この突部29又は底部251が内向きに形成されていることによって、それまで突部29又は底部251が位置していた部分に空間が設けられるため、その分、突部29の外側を覆う防食剤の厚みを従来よりも増大させることができる。このため、電線10が、被覆圧着部25で圧着されている部分を中心に振れることを抑えられる。従って、防食剤に割れが生じにくくなる。
【0092】
また、突部29又は底部251の端部のエッジ部分が内側に向くことによって、突部29またはエッジ部分が防食剤の外部から加わる力に対向することを抑えられる。このため、防食部30に力が加えられた場合に、突部29又はエッジ部分に力が集中して、防食剤に割れが生じることを抑えられる。
【0093】
なお、本実施形態では、下型群60が基台42に対して一定位置に固定され、上型群80を下方に下降させる構成で説明したが、その必要はなく、その双方が動く例であっても、上型群80が固定され、下型群60が上昇する構成であってもよい。要するに、それらが相対的に接近移動する構成であればよい。
【0094】
もっとも、本実施形態のように、下型群60が基台42に対して一定位置に固定され、上型群80を下方に下降させる構成とすることで、可動部分及び駆動機構部を少なくすることが可能であり、構成の簡易化を図ることができる。また、下型群60が固定されているので、圧着端子20及び電線10を安定して支持でき、安定した圧着を行える。
【0095】
<5.変形例>
上記実施形態では、被覆圧着部25が電線10の絶縁被覆13を圧着する工程と、被覆圧着部25の底部251を傾斜構造に加工する工程とが同時に行われていたが、このような形態に限られない。例えば、圧着端子20と電線10との圧着工程が行われ、圧着端子20が電線10に接続された後で、圧着端子20の底部251を内向きに加工する工程が行われても構わない。
【0096】
また、上記実施形態では、被覆圧着部25の底部251に連なる圧着端子20の部分と圧着端子用連鎖帯200aとが接続されており、圧着端子用連鎖帯200aと圧着端子20との間の部分の切り離しが行われていたが、このような形態には限られない。接続部の底部に連なる圧着端子の部分と圧着端子用連鎖帯とが接続されており、圧着端子用連鎖帯と圧着端子との間の部分が切り離される形態であっても構わない。
【0097】
図7には、このような場合における端子付き電線5aの根元側の端部を示す側面図が示されている。この場合、被覆圧着部25の底部251に突部が形成されることはないが、被覆圧着部25の底部251の端部を構成する外向エッジ部29aが周囲の部材を傷つける恐れがある。このため、当該外向エッジ部29a、又は外向エッジ部29aを含む被覆圧着部25の底部251を内向きに傾斜させる加工が施される。なお、図7には底部251全体が内向きに加工されており、底部251が内向部に相当する形態が示されている。端子付き電線5aは、上記実施形態と同等の効果を得られる。
【0098】
なお、上記昇降駆動機構部49は、上記第1上型84と第2上型90とをそれぞれ別々に昇降駆動する2つの駆動部を有していてもよい。
【符号の説明】
【0099】
5 端子付き電線
10 電線
12 芯線
13 絶縁被覆
20 圧着端子
23 芯線圧着部
25 被覆圧着部
29 突部
30 防食部
40 端子圧着装置
251 被覆圧着部の底部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁被覆の端部から芯線が延び出ている電線と、前記芯線を圧着する芯線圧着部と前記絶縁被覆を圧着する被覆圧着部とを有する圧着端子と、を備え、
前記被覆圧着部の底部が、前記電線の延在方向における外側端部に、前記絶縁被覆の外周面に向けて内向きに形成されている内向部を備える端子付き電線。
【請求項2】
請求項1に記載の端子付き電線であって、
前記内向部が前記絶縁被覆の外周面に食い込んでいる、端子付き電線。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の端子付き電線であって、
前記内向部は、前記被覆圧着部の前記底部全体が前記絶縁被覆の外周面に向けて内向きに傾斜した構造を有する、端子付き電線。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一つに記載の端子付き電線であって、
前記芯線と前記圧着端子とが異種金属であり、
防食剤が、少なくとも前記被覆圧着部と、前記被覆圧着部に隣り合う前記絶縁被覆の部分とを被覆して形成される防食部をさらに備える端子付き電線。
【請求項5】
芯線と前記芯線を被覆する絶縁被覆とを有する電線が、前記芯線を圧着する芯線圧着部と前記絶縁被覆を圧着する被覆圧着部とを有する圧着端子に接続されている端子付き電線の製造方法であって、
(a)前記電線端部の前記絶縁被覆を皮剥して前記芯線を外部に露出させる工程と、
(b)前記芯線が前記芯線圧着部に、前記絶縁被覆が前記被覆圧着部に位置するように前記電線を前記圧着端子に配置させる工程と、
(c)前記芯線圧着部と前記被覆圧着部とを前記電線に圧着する工程と、
(d)前記被覆圧着部の底部のうち少なくとも前記電線の延在方向における外側端部を、前記絶縁被覆の外周面に向けて内向きに加工する工程と、
を備える端子付き電線の製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載の端子付き電線の製造方法であって、
前記工程(c)と前記工程(d)とが同時に実施される端子付き電線の製造方法。
【請求項7】
芯線と前記芯線を被覆する絶縁被覆とを有する電線を、前記芯線を圧着する芯線圧着部と前記絶縁被覆を圧着する被覆圧着部とを有する圧着端子に接続する端子圧着装置であって、
前記芯線圧着部を載置可能な第1台部と、
前記第1台部の上方に配置されて前記芯線圧着部を下方に押圧可能な第1押部と、
前記被覆圧着部を載置可能で、前記被覆圧着部の底部のうち少なくとも前記電線の延在方向における外側端部に当接する、前記被覆圧着部の載置面の部分が上方に傾斜している第2台部と、
前記第2台部の上方に配置されて前記第2圧着片を下方に押圧可能な第2押部と、
前記第1押部と前記第1台部とを相対的に接近離隔移動させるとともに、前記第2押部と前記第2台部とを相対的に接近離隔移動させる駆動機構部と、
を備える端子圧着装置。
【請求項8】
請求項7に記載の端子圧着装置であって、
前記第2台部が有する前記載置面は、前記第1台部側の端部を下方にして傾斜している、端子圧着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−89554(P2013−89554A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231627(P2011−231627)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】