説明

端子台

【課題】安価に構成できるうえに、組立性を向上できる端子台を提供する。
【解決手段】端子台本体14にねじ体11および端子12を組み込む。ねじ体11は、ねじ21の頭部25とねじ軸部26との間に板ばね22を回動可能に保持する。板ばね22にはねじ21の側方へ突出する一対のばね片部31を設ける。端子台本体14には、端子12にねじ21が螺合する位置から螺合が外れて離反する位置までの間でねじ体11を軸方向に沿って移動可能に支持するねじ体支持部60を設ける。ねじ体支持部60の両側に一対のばね片部31が係合する一対の溝部62を設ける。一対の溝部62の離反ガイド部64に一対のばね片部31が弾性変形状態で接触することにより、ばね片部31の弾性復元力によってねじ体11を端子12から離反する上方へ移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子から螺合が外れたねじが端子から自動的に離反移動するオートアップ機能を備えた端子台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、端子台では、端子台本体に、端子が固定されているとともに、この端子に螺合する座金付きねじが軸方向に沿って移動可能に配置されている。座金付きねじは、ねじの頭部とねじ軸部との間に座金が回動可能に取り付けられている。
【0003】
そして、この端子台に例えば丸型圧着端子を接続する場合には、座金付きねじを端子から螺合を外して離反させた状態で、それら座金付きねじと端子との間に丸型圧着端子を配置し、座金付きねじを丸型圧着端子に挿通させるとともに端子に螺合して締め込むことにより、丸型圧着端子を端子に圧接させて接続している。
【0004】
また、オートアップ機能を備えた端子台では、座金に設けられたL字状突起にコイルスプリングを取り付けた座金付きねじが端子台本体に組み込まれており、座金付きねじを端子に螺合して締め込む際に、コイルスプリングを弾性変形させ、一方、端子に閉め込まれている座金付きねじを緩める際に、座金付きねじが端子から外れると、コイルスプリングの弾性復元力によって座金付きねじを端子から離反する方向へ自動的に移動させ、丸型圧着端子の接続を容易にできるようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−209345号公報(第5−6頁、図1−6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のオートアップ機能を備えた端子台では、端子から螺合が外れた座金付きねじを端子から離反する方向へ移動させるのに、コイルスプリングを用いているため、このコイルスプリングを取り付けるL字状突起を設けた専用の座金を用いる必要があり、一般的な座金を用いる場合に比べて高価になる問題がある。
【0007】
また、端子台本体に座金付きねじを組み込む際に、座金のL字状突起からコイルスプリングが外れたり、外れたコイルスプリングが飛び散りやすく、組立性が悪い問題がある。
【0008】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、安価に構成できるうえに、組立性を向上できる端子台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の端子台は、頭部およびねじ軸部を有するねじ、およびこのねじの頭部とねじ軸部との間に回動可能に装着された基部およびこの基部から前記ねじの側方へ突出されたばね片部を有する板ばねを備えたねじ体と、前記ねじのねじ軸部が螺合するねじ孔部を有する端子と、前記端子を固定する端子固定部、この端子固定部に固定された前記端子のねじ孔部に前記ねじのねじ軸部が螺合する位置から螺合が外れて離反する位置までの間で前記ねじ体を軸方向に沿って移動可能に支持するねじ体支持部、およびこのねじ体支持部に配置された前記ねじ体の前記板ばねのばね片部が弾性変形状態で接触しそのばね片部の弾性復元力によって前記ねじ体を前記端子から離反する方向へ移動させる離反ガイド部を備えた端子台本体とを具備しているものである。
【0010】
請求項2記載の端子台は、請求項1記載の端子台において、前記板ばねのばね片部は、一対で、前記基部の両側から前記ねじの両側方へ突出されているものである。
【0011】
請求項3記載の端子台は、請求項1または2記載の端子台において、前記端子台本体は、前記ねじ体支持部の側部に沿って前記ばねのばね片部が係合する溝部を有し、この溝部の中間部には前記ねじ体支持部へ向かって近付く方向に突出する突出部が設けられ、この突出部より前記端子から離反する側には前記ねじ体支持部から離反する方向へ向かって傾斜する前記離反ガイド部が設けられ、前記突出部より前記端子に近い側には前記ねじ体支持部から離反する方向へ向かって傾斜する逃げ部が設けられ、前記ねじ体のねじが前記端子に締め込まれている状態では前記ばね片部が前記逃げ部に配置され、前記端子に締め込まれている前記ねじを緩める際に、前記ばね片部が前記突出部に接触して弾性変形するとともに、前記ねじが前記端子から外れる直前に前記ばね片部が弾性変形状態で前記離反ガイド部に接触し、前記ねじが前記端子から外れることで前記ばね片部の弾性復元力によって前記ねじが前記端子から離反する方向へ移動するものである。
【0012】
請求項4記載の端子台は、請求項3記載の端子台において、前記端子台本体には、それぞれ前記ねじ体および前記端子を配置する複数の端子部が並設され、これら端子部の並設方向に対して交差する方向に前記溝部が配置されているものである。
【0013】
請求項5記載の端子台は、請求項3または4記載の端子台において、前記板ばねのばね片部は、弾性変形前の状態で前記基部から前記ねじの頭部の側方域へ向けて斜めに突出されているものである。
【0014】
請求項6記載の端子台は、請求項1ないし5いずれか一記載の端子台において、前記端子台本体には、前記端子固定部に前端子の未固定状態で前記ねじ体が挿通可能とする開口部が形成され、前記端子から前記ねじのねじ軸部の先端が所定寸法離反した位置で前記端子から離反する方向への前記ねじ体の移動を規制するカバー部が形成され、このカバー部に前記ねじの頭部を操作する操作孔が形成されているものである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の端子台によれば、端子から螺合が外れたねじを端子から離反する方向へ移動させるのに、ねじの頭部とねじ軸部との間に回動可能に装着された板ばねを用いるため、安価に構成できるうえに、端子台本体に組み立てる際にねじから板ばねが外れたり飛び散るようなことがなく、組立性を向上できる。
【0016】
請求項2記載の端子台によれば、請求項1記載の端子台の効果に加えて、板ばねは、基部の両側から一対のばね片部を突出しているため、板ばねの弾性復元力によってねじを端子から離反する方向へ移動させる際、および板ばねを弾性変形させてねじを端子に螺合する際とも、ねじを軸方向に沿って平行に移動させることができる。
【0017】
請求項3記載の端子台によれば、請求項1または2記載の端子台の効果に加えて、ねじが端子に締め込まれている状態では、ばね片部を逃げ部に配置し、ばね片部に弾性変形が生じないようにすることが可能となるため、板ばねによるねじのオートアップ機能を確実に維持することができ、また、端子に締め込まれているねじを緩める際に、ばね片部が突出部に接触して弾性変形するとともに、ねじが端子から外れる直前にばね片部が弾性変形状態で離反ガイド部に接触するため、ねじが端子から外れることでばね片部の弾性復元力によってねじが端子から離反する方向へ確実に移動させることができる。
【0018】
請求項4記載の端子台によれば、請求項3記載の端子台の効果に加えて、端子台本体にそれぞれねじ体および端子を配置する複数の端子部を設けても、これら端子部の並設方向に対して交差する方向に溝部を配置しているため、端子部の並設方向に端子台本体が大形化するのを防止できる。
【0019】
請求項5記載の端子台によれば、請求項3または4記載の端子台の効果に加えて、ばね片部が弾性変形前の状態で基部からねじの頭部の側方域へ向かって斜めに突出しているため、ばね片部が突出部との接触によって無理なく弾性変形しやすくすることができるとともに離反ガイド部との接触によってねじを端子から離反する方向に確実に移動させることができる。
【0020】
請求項6記載の端子台によれば、請求項1ないし5いずれか一記載の端子台の効果に加えて、端子台本体の端子固定部に設けた開口部からねじ体支持部にねじ体を挿通できるため、端子台本体に対して一方向からねじ体および端子を容易に組み立てることができるとともに、端子台本体には端子から離反する方向へのねじ体の移動を規制するカバー部を形成でき、カバー部を別途用いる必要がなく、部品点数を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の端子台の一実施の形態を示し、(a)は図2のA−A視断面図、(b)は図2のB−B視断面図、(c)は図2のC−C視断面図である。
【図2】同上端子台の断面図である。
【図3】同上端子台の端子台本体、ねじ体および端子の斜視図である。
【図4】同上端子台の組立状態の底面側から見た斜視図である。
【図5】同上ねじ体の分解状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0023】
図1ないし図4に示すように、端子台は、複数であって例えば3つのねじ体11および端子12、これらねじ体11および端子12がそれぞれ組み込まれる3つの端子部13が並設された端子台本体14を備えている。端子台本体14の一面は端子台を基板などの被取付部に取り付ける取付面15とし、以下、この取付面15側を下側、取付面15に対して反対側を上側、端子部13の並設方向に対して交差する側を左右として説明する。
【0024】
図5に示すように、ねじ体11は、ねじ21、および板ばね22および座金23を備えている。
【0025】
ねじ21は、図示しないねじ回し工具が係合する頭部25、雄ねじが形成されたねじ軸部26、およびこれら頭部25とねじ軸部26との間に形成された首部27を有している。ねじ軸部26の雄ねじを形成する前の円柱軸を通じて板ばね22および座金23を首部27に配置した後、円柱軸に板ばね22および座金23を回動可能に抜け止め保持するストッパ28を形成しているとともに、雄ねじを形成している。
【0026】
板ばね22は、ばね性を有する金属板材料で一体に形成されており、略四角形状の基部30、およびこの基部30の対向する左右両側の辺部から突出する一対のばね片部31を備えている。基部30にはねじ21の首部27に回動可能に嵌合する孔部32が形成され、左右両側の辺部の少なくとも一端部にストッパ部33が立設されている。一対のばね片部31は、弾性変形する前の状態で、左右両側の辺部の中央部から略逆ハ字状をなすようにねじ21の頭部25の両側方域へ向けて斜めに突出されている。各ばね片部31の先端側には内面側(上面側)に略L字状に折曲された当接部34が形成され、各ばね片部31の当接部34と基部30との間には外面側(下面側)が凹曲面となる湾曲部35が形成されている。
【0027】
座金23は、金属材料で略四角形状に形成されており、中央にはねじ21の首部27に回動可能に嵌合する孔部37が形成されている。座金23の四隅部および4つの各辺部の中央部が下面側へ向けて突出するように形成されている。
【0028】
また、図1ないし図3に示すように、端子12は、導電性を有する金属材料によって一体に形成されており、接続板部41、この接続板部41の対向する左右両側から下方へ折曲された取付板部42、および一方の取付板部42から下方へ突出された端子片部43を備えている。接続板部41にはねじ21のねじ軸部26が螺合するねじ孔部44が形成されている。
【0029】
また、図1ないし図4に示すように、端子台本体14は、絶縁性を有する合成樹脂材料にて、3つの端子部13が並ぶ四角形箱状に一体に形成されている。
【0030】
各端子部13は仕切板部51で仕切られており、各端子部13には、内部に上下方向に沿って空間部52が形成され、この空間部52の下面に端子台本体14の下面に開口する開口部53が形成され、空間部52の上面にカバー部54が形成され、空間部52の左右両側面に空間部52に連通して開口する配線口55が形成されている。
【0031】
開口部53の左右の内縁部に、端子12を固定する端子固定部57が形成されている。これら端子固定部57には、端子12の取付板部42の両側縁部がそれぞれ圧入されて抜け止め固定する固定溝58が形成されている。端子固定部57に固定された端子12は、接続板部41の上面が配線口55の下縁部と略同一となる。これら端子固定部57の間の開口部53を、端子12の未固定時様態で、ねじ体11が挿通可能とする。
【0032】
空間部52には、ねじ体11を軸方向に沿って上下方向に移動可能に収納し支持するねじ体支持部60が形成されている。このねじ体支持部60は、四角形状の板ばね22の基部30および座金23が回り止めされた嵌合状態で上下方向に移動可能とする断面四角形状に形成されている。
【0033】
ねじ体支持部60の左右両側面の中央には、板ばね22の一対のばね片部31が係合する一対の溝部62が上下方向に沿って形成されている。これら溝部62の上下方向中間部には、ねじ体支持部60の中心へ向かって近付く方向に突出する突出部63が形成され、この突出部63より上側にはねじ体支持部60の中心から離反する方向へ向かって拡開傾斜する離反ガイド部64が形成され、突出部63より下側にはねじ体支持部60の中心から離反する方向へ向かって拡開傾斜する逃げ部65が形成されている。これら突出部63、離間ガイド部64および逃げ部65とねじ体11とは、図1(a)に示すようにねじ体11のねじ21が端子12に締め込まれている状態ではばね片部31が逃げ部65に配置され、端子12に締め込まれているねじ21を緩める際に、ばね片部31が突出部63に接触して弾性変形するとともに、図1(b)に示すようにねじ21が端子12から外れる直前にばね片部31が弾性変形状態で離反ガイド部64に接触し、図1(c)に示すようにねじ21が端子12から外れることでばね片部31の弾性復元力によってねじ21が端子12から離反する上方へ移動する関係を有する。
【0034】
カバー部54には、ねじ回し工具を挿入してねじ21の頭部25を回動操作する操作孔67が形成されているとともに、この操作孔67の左右両側に各溝部62の上端が連通開口されている。操作孔67の縁部下面には、板ばね22のストッパ部33が当接して上方へのねじ体11の移動を規制する規制部68が形成されている。板ばね22のストッパ部33が規制部68に当接した位置は、ねじ21のねじ軸部26の先端が、端子12から所定寸法離反した位置であって、配線口55より上方に移動した位置である。
【0035】
配線口55は、ねじ体支持部60の下部の左右両側に連通開口されている。
【0036】
次に、端子台の動作につい説明する。
【0037】
まず、端子台を組み立てるには、図3に示すように、ねじ体11のねじ21のねじ軸部26を端子12のねじ孔部44に螺合して一体に組み合わせ、このねじ体11を端子台本体14の端子部13の開口部53から挿入してねじ体支持部60の下部に配置するとともに、端子12の左右両側の取付板部42の両側縁部を端子固定部57の固定溝58に差し込み、端子12を所定の固定位置まで圧入して固定する。
【0038】
端子台の組立状態では、端子台本体14の下面から各端子部13に配置された各端子12の端子片部43が突出し、これら端子片部43を利用して基板などの被取付部に接続する。
【0039】
図1(a)および図2の左側の端子部13に示すように、ねじ体11のねじ21が端子12に締め込まれている状態では、一対のばね片部31が一対の溝部62の逃げ部65に配置され、一対のばね片部31に弾性変形が生じないような負荷がかかっていない状態となる。そのため、一対のばね片部31のばね性が損なわれるようなことがなく、所定量の弾性変形によって所望の弾性復元力を発揮することができる。
【0040】
ねじ回し工具をカバー部54の操作孔67から差し込んでねじ21の頭部25に係合し、端子12に締め込まれているねじ21を緩める方向に回動操作することにより、ねじ21が端子12に対して上方へ移動し、このねじ21と一緒に一対のばね片部31が一対の溝部62内を上方へ移動するとともに当接部34が突出部63に接触してねじ体支持部60の中心側へ押され、一対のばね片部31が互いに接近するように弾性変形する。
【0041】
図1(b)および図2の中央の端子部13に示すように、ねじ21が端子12から外れる直前に、一対のばね片部31が弾性変形状態で当接部34が離反ガイド部64に接触し、一対のばね片部31の弾性復元力によってねじ21が上方へ移動するように付勢する。このとき、各ばね片部31の当接部34と基部30との間には外面側(下面側)が凹曲面となる湾曲部35が形成されているため、各ばね片部31の外面が突出部63に当接することがなく、確実に一対のばね片部31の弾性復元力によってねじ21が上方へ移動するように付勢することができる。
【0042】
図1(c)および図2の右側の端子部13に示すように、ねじ21が端子12から外れることで、一対のばね片部31の弾性復元力によって、一対のばね片部31が離反ガイド部64の表面を摺動しながら拡開してねじ21を上方へ移動させ、ねじ21と端子12と間が開いた状態で保持する。
【0043】
そして、この端子台に例えば丸型圧着端子を接続するには、丸型圧着端子を配線口55からねじ21と端子12と間に差し込み、ねじ回し工具でねじ21を一対のばね片部31の付勢に抗して下方へ押して移動させ、ねじ21のねじ軸部26を丸型圧着端子に挿通させるとともに端子12に螺合させて締め込む。
【0044】
ねじ21を端子12に締め込んでいくと、一対のばね片部31が突出部63と当接して弾性変形するが、突出部63を通過して逃げ部65に移動することで弾性変形が解除されていく。
【0045】
座金23と端子12との間に丸型圧着端子を挟み込んだ状態にねじ21を締め込み、丸型圧着端子と端子12とを電気的に接続する。
【0046】
このように構成された端子台では、端子12から螺合が外れたねじ21を端子12から離反する上方へ移動させるのに、ねじ21の頭部25とねじ軸部26との間に回動可能に装着された板ばね22を用いるため、安価に構成できるうえに、端子台本体14に組み立てる際にねじ21から板ばね22が外れたり飛び散るようなことがなく、組立性を向上できる。
【0047】
また、板ばね22は、基部30の両側から一対のばね片部31を突出しているため、板ばね22の弾性復元力によってねじ21を端子12から離反する方向へ移動させる際、および板ばね22を弾性変形させてねじ21を端子12に螺合する際とも、ねじ21を軸方向に沿って平行に移動させることができる。
【0048】
また、ねじ21が端子12に締め込まれている状態では、ばね片部31を逃げ部65に配置し、ばね片部31に弾性変形が生じないようにすることが可能となるため、板ばね22によるねじ21のオートアップ機能を確実に維持することができる。さらに、端子12に締め込まれているねじ21を緩める際に、ばね片部31が突出部63に接触して弾性変形するとともに、ねじ21が端子12から外れる直前にばね片部31が弾性変形状態で離反ガイド部64に接触するため、ねじ21が端子12から外れることでばね片部31の弾性復元力によってねじ21が端子12から離反する上方へ確実に移動させることができる。
【0049】
また、端子台本体14にそれぞれねじ体11および端子12を配置する複数の端子部13を設けても、これら端子部13の並設方向に対して交差する方向に溝部62を配置しているため、端子部13の並設方向に端子台本体14が大形化するのを防止できる。
【0050】
また、板ばね22は、ばね片部31が弾性変形前の状態で基部30からねじ21の頭部25の側方域へ向かって斜めに突出しているため、ばね片部31が突出部63との接触によって無理なく弾性変形しやすくすることができるとともに離反ガイド部64との接触によってねじ21を端子12から離反する上方に確実に移動させることができる。
【0051】
また、端子台本体14の端子固定部57に設けた開口部53からねじ体支持部60にねじ体11を挿通できるため、端子台本体14に対して一方向からねじ体11および端子12を容易に組み立てることができるとともに、端子台本体14には端子12から離反する方向へのねじ体11の移動を規制するカバー部54を形成でき、カバー部54を別途用いる必要がなく、部品点数を削減できる。
【0052】
なお、端子台は、3つの端子部13を並設した構成に限らず、3つ以外の複数の端子部13を並設した構成でも、1つの端子部13のみを備えた構成でもよい。
【0053】
また、端子台本体14には、溝部62に離反ガイド部64とともに突出部63および逃げ部65を設けていたが、例えば、突出部63から下側を突出部63と同じ位置として逃げ部65を省略したり、溝部62の上端から下端まで連続して傾斜する離反ガイド部64を設けて突出部63および逃げ部65を省略してもよく、少なくとも離反ガイド部64が設けられていればよい。
【0054】
また、座金23を用いることで端子12との間に配線を確実に挟持し、緩みを防止できるが、座金23を省略してもよい。
【符号の説明】
【0055】
11 ねじ体
12 端子
13 端子部
14 端子台本体
21 ねじ
22 板ばね
25 頭部
26 ねじ軸部
30 基部
31 ばね片部
44 ねじ孔部
53 開口部
54 カバー部
57 端子固定部
60 ねじ体支持部
62 溝部
63 突出部
64 離反ガイド部
65 逃げ部
67 操作孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭部およびねじ軸部を有するねじ、およびこのねじの頭部とねじ軸部との間に回動可能に装着された基部およびこの基部から前記ねじの側方へ突出されたばね片部を有する板ばねを備えたねじ体と、
前記ねじのねじ軸部が螺合するねじ孔部を有する端子と、
前記端子を固定する端子固定部、この端子固定部に固定された前記端子のねじ孔部に前記ねじのねじ軸部が螺合する位置から螺合が外れて離反する位置までの間で前記ねじ体を軸方向に沿って移動可能に支持するねじ体支持部、およびこのねじ体支持部に配置された前記ねじ体の前記板ばねのばね片部が弾性変形状態で接触しそのばね片部の弾性復元力によって前記ねじ体を前記端子から離反する方向へ移動させる離反ガイド部を備えた端子台本体と
を具備していることを特徴とする端子台。
【請求項2】
前記板ばねのばね片部は、一対で、前記基部の両側から前記ねじの両側方へ突出されている
ことを特徴とする請求項1記載の端子台。
【請求項3】
前記端子台本体は、前記ねじ体支持部の側部に沿って前記ばねのばね片部が係合する溝部を有し、この溝部の中間部には前記ねじ体支持部へ向かって近付く方向に突出する突出部が設けられ、この突出部より前記端子から離反する側には前記ねじ体支持部から離反する方向へ向かって傾斜する前記離反ガイド部が設けられ、前記突出部より前記端子に近い側には前記ねじ体支持部から離反する方向へ向かって傾斜する逃げ部が設けられ、前記ねじ体のねじが前記端子に締め込まれている状態では前記ばね片部が前記逃げ部に配置され、前記端子に締め込まれている前記ねじを緩める際に、前記ばね片部が前記突出部に接触して弾性変形するとともに、前記ねじが前記端子から外れる直前に前記ばね片部が弾性変形状態で前記離反ガイド部に接触し、前記ねじが前記端子から外れることで前記ばね片部の弾性復元力によって前記ねじが前記端子から離反する方向へ移動する
ことを特徴とする請求項1または2記載の端子台。
【請求項4】
前記端子台本体には、それぞれ前記ねじ体および前記端子を配置する複数の端子部が並設され、これら端子部の並設方向に対して交差する方向に前記溝部が配置されている
ことを特徴とする請求項3記載の端子台。
【請求項5】
前記板ばねのばね片部は、弾性変形前の状態で前記基部から前記ねじの頭部の側方域へ向けて斜めに突出されている
ことを特徴とする請求項3または4記載の端子台。
【請求項6】
前記端子台本体には、前記端子固定部に前端子の未固定状態で前記ねじ体が挿通可能とする開口部が形成され、前記端子から前記ねじのねじ軸部の先端が所定寸法離反した位置で前記端子から離反する方向への前記ねじ体の移動を規制するカバー部が形成され、このカバー部に前記ねじの頭部を操作する操作孔が形成されている
ことを特徴とする請求項1ないし5いずれか一記載の端子台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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