説明

端子金具

【課題】接続信頼性を向上させるとともに、防水性能を確保する。
【解決手段】本発明は、ボルト挿通孔が端部に開口して設けられた端子接続部と、ボルト締結用の締結座面を有するボルト固定部が設けられた電線接続部と、ボルト固定部を端子接続部の端部に固定するボルトと、端子接続部を構成する金属材よりも硬質の金属材で構成され、端子接続部の内部に収容され、ボルトと螺合するナットとを備え、端子接続部には、ボルトの締結方向においてナットを面で受ける受け面が設けられており、ボルト固定部を端子接続部の端部に配置してボルトをボルト挿通孔に挿通してナットに螺合させることにより、ボルトの頭部がボルト固定部の締結座面に圧接されるとともに、ナットが端子接続部の受け面に圧接される構成としたところに特徴を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子金具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ボルト締結孔が端部に開口して設けられた端子接続部と、ボルト締結用の締結座面を有するボルト固定部が設けられた電線接続部と、ボルト固定部を端子接続部の端部に固定するボルトとを備えた端子金具として、下記特許文献1に記載のものが知られている。このものは、ボルト固定部を端子接続部の端部に配置してボルトをボルト締結孔に螺合させることにより、ボルトの頭部がボルト固定部の締結座面に圧接され、端子接続部と電線接続部が導通可能に接続されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平6−58560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、端子金具は電気的特性に優れた銅によって形成されているものの、銅は鉄やステンレスなどに比べて軟質とされているため、銅製の端子接続部にボルト締結孔を形成した場合には、ボルト締結の際にボルト締結孔内のねじ山を潰すおそれがある。したがって、端子接続部と電線接続部の接続が不安定になって接続信頼性を損なうことになる。また、上記の端子金具は、ボルト締結部が外部に露出しており、防水性能を備えていない。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、接続信頼性を向上させるとともに、防水性能を確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ボルト挿通孔が端部に開口して設けられた端子接続部と、ボルト締結用の締結座面を有するボルト固定部が設けられた電線接続部と、ボルト固定部を端子接続部の端部に固定するボルトと、端子接続部を構成する金属材よりも硬質の金属材で構成され、端子接続部の内部に収容され、ボルトと螺合するナットとを備え、端子接続部には、ボルトの締結方向においてナットを面で受ける受け面が設けられており、ボルト固定部を端子接続部の端部に配置してボルトをボルト挿通孔に挿通してナットに螺合させることにより、ボルトの頭部がボルト固定部の締結座面に圧接されるとともに、ナットが端子接続部の受け面に圧接される構成としたところに特徴を有する。
【0007】
このような構成によると、ボルトが螺合するナットを端子接続部とは別に形成し、このナットを構成する金属材が端子接続部を構成する金属材よりも硬質とされているため、ナットのねじ山が潰れるおそれはない。しかも、ナットは、端子接続部の受け面によって面で受けられているため、ナットをしっかりと受け止めることができ、ナットを受け止める金属材が削られるなどしてボルトが緩むことを確実に規制できる。この結果、ボルトの頭部がボルト固定部の締結座面に圧接されかつナットが端子接続部の受け面に圧接された状態に維持されるため、接続信頼性を向上させることができる。
【0008】
本発明の実施の態様として、以下の構成が好ましい。
ナットを収容するナット収容孔が端子接続部の側部に開口して設けられており、端子接続部の内部には、ボルト挿通孔がナット収容孔に連結される開口が設けられ、この開口の開口縁部に受け面が設けられている構成としてもよい。
このような構成によると、端子接続部の側部からナット収容孔にナットを挿入することでナットを端子接続部の内部に収容できる。
【0009】
ナットは、ボルトの締結方向と交差する方向に遊動可能に収容されている構成としてもよい。
このような構成によると、ボルトの先端をナットに螺合させる際に、ボルトの先端の位置に合わせてナットを移動させることができ、ボルトとナットの組み付け公差を吸収しやすくなる。
【0010】
ナットとともに端子接続部の内部に収容されてナットの抜け方向への移動を規制する規制部材を備えた構成としてもよい。
このような構成によると、規制部材によってナットが抜け方向へ移動することを規制できる。例えば、規格品のナットを用いた場合には、ナットが端子接続部の形状に合わせて作られていないため、ナットが端子接続部の内部に収容された状態においてナットと端子接続部の外面との間に隙間が形成されることがある。このような場合、その隙間に規制部材を収容することにより、ナットが抜け方向へ移動することを規制できる。
【0011】
電線に接続された電線側端子を内部に収容し、ボルト固定部を外部に臨ませる作業孔が設けられた端子収容部材と、作業孔に嵌合するシール装着部を有し、作業孔を塞ぐ蓋体と、シール装着部に装着され、作業孔をシール状態で塞ぐシール部材とを備えた構成としてもよい。
このような構成では、作業孔を蓋体で塞ぐと、シール部材によって作業孔がシール状態で閉じられるため、ボルト締結部が水で濡れることはなく、防水性能を確保することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、接続信頼性を向上させるとともに、防水性能を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】端子金具の周辺構造を示す分解斜視図
【図2】車両側コネクタを斜め前方から見た斜視図
【図3】車両側コネクタを斜め後方から見た斜視図
【図4】図2においてバックリテーナを外した状態の車両側コネクタを示す斜視図
【図5】図3においてバックリテーナを外した状態の車両側コネクタを示す斜視図
【図6】車両側コネクタを前方から見た正面図
【図7】車両側コネクタを右側方から見た右側面図
【図8】図6におけるA−A線断面図
【図9】図7におけるB−B線断面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施形態>
本発明の実施形態を図1ないし図9の図面を参照しながら説明する。本実施形態の車両側コネクタ10は、大電流回路用コネクタ(図示せず)に嵌合可能とされており、車両に搭載されたバッテリ(図示せず)に接続されている。この車両側コネクタ10は、図2に示すように、円筒状をなすコネクタ嵌合部11を有しており、このコネクタ嵌合部11の内部には、複数の端子収容筒12が設けられている。一方、コネクタ嵌合部11の外周側面には、車両のボディにボルト止めされるコネクタ取付部13が外周側に張り出す形態で設けられている。このコネクタ取付部13には、複数のカラー14が圧入やインサート成形によって固定されており、このカラー14にボルト(図示せず)を挿通し、ボディ側に形成されたねじ孔に締め込むことによってコネクタ取付部13がボディに固定されている。
【0015】
コネクタ嵌合部11は、図8に示すように、コネクタ取付部13を前後方向に貫通する形態で配されている。また、端子収容筒12は、コネクタ嵌合部11の奥壁を前後方向に貫通する形態で配されている。端子収容筒12の前端は、コネクタ嵌合部11の前端よりも後方に位置している。
【0016】
コネクタ嵌合部11のうちコネクタ取付部13よりも後方に突出した部分(以下、「コネクタ嵌合部の後方部分」という)11Rには、バックリテーナ20が装着されている。このバックリテーナ20は、端子収容筒12の内部に収容された端子金具30を抜け止めする抜止部材である。また、バックリテーナ20は、前方に開口する形態をなし、コネクタ嵌合部11の後方部分11Rに対して後方から覆い被さるように装着されている。コネクタ嵌合部11の後方部分11Rには、複数の係止突起15が設けられている。一方、バックリテーナ20の前端側には、各係止突起15に係止することでバックリテーナ20をコネクタ嵌合部11の後方部分11Rに固定する複数の係止孔21が設けられている。
【0017】
端子金具30は、図1に示すように、相手側端子(丸ピン形状の端子)に嵌合可能な端子接続部40、この端子接続部40に接続される電線接続部50、この電線接続部50を端子接続部40にボルト止めするボルト60などを備えて構成されている。
【0018】
端子接続部40は、すり割り端子などの名称と呼ばれる端子であって、複数の接触片41を備えている。これらの接触片41は、円柱状をなす端子本体42から前方に突出する形態で環状に配置されている。端子本体42の外周側面には、第1ゴムリング43が嵌着される第1嵌着溝44が周設されている。また、端子本体42の後端には、端子本体42よりも小径をなし同軸に配された接続筒部45が連設されている。端子本体42から接続筒部45にかけての範囲には、ボルト60が挿通されるボルト挿通孔46が後方に開口して形成されている。また、端子本体42の外周側面には、ナット70が内部に収容されるナット収容孔47が側方に開口して形成されている。第1嵌着溝44は、端子本体42の前端側に配されており、ナット収容孔47は、第1嵌着溝44の後方に配されている。
【0019】
電線接続部50は、図1に示す端子収容部材51の内部に、図8に示す丸端子52が収容された構成とされている。この丸端子52は、ボルト締結用の締結座面を有するボルト固定部53を備えており、その締結座面は、ボルト60を通す孔の周囲に形成されている。丸端子52は、全体として平板状をなし、その締結座面が端子接続部40のボルト挿通孔46の軸線方向と直交する配置で配されている。ボルト固定部53の側方には、電線Wの芯線に接続される芯線接続部54がボルト固定部53と面一をなすように同一平面上に並んで一体に形成されている。
【0020】
端子収容部材51は、端子接続部40の接続筒部45を内部に収容するシール筒部55を有している。このシール筒部55は、図1に示すように、端子収容部材51の一端から前方に突出する筒状とされている。一方、シール筒部55の他端には、電線Wを通す電線挿通孔59が側方に開口して形成されている。シール筒部55の外周面には、第2ゴムリング56が嵌着される第2嵌着溝57が周設されている。シール筒部55は、図8に示すように、端子収容筒12の後端開口の内部に嵌合可能とされている。
【0021】
これにより、第2ゴムリング56が第2嵌着溝57の周面と端子収容筒12の内周面との間に挟持されることで、端子収容部材51と端子収容筒12との間がシールされる。これとともに、第1ゴムリング43が第1嵌着溝44の周面と端子収容筒12の内周面との間に挟持されることで、端子接続部40の端子本体42と端子収容筒12との間がシールされる。さらに、端子収容筒12の内部からナット収容孔47への浸水が各ゴムリング43,56によって規制される。
【0022】
端子収容部材51におけるシール筒部55の後方には、ボルト止め作業を行うための作業孔58が開口している。この作業孔58には、蓋体80が嵌合可能とされている。蓋体80には、作業孔58に嵌合可能なシール装着部81が設けられている。シール装着部81は、略円筒状をなし、その外周面には、第3ゴムリング82が嵌着可能な第3嵌着溝83が周設されている。また、蓋体80の外周縁には、蓋体80を端子収容部材51に固定するための一対の取付片84,84が設けられている。一方、端子収容部材51の外面には、各取付片84,84が係止可能な一対の取付突起51A,51Aが形成されている。したがって、蓋体80のシール装着部81を作業孔58に嵌合させると、各取付片84,84が各取付突起51A,51Aに係止して蓋体80が端子収容部材51に固定される。また、第3ゴムリング82が第3嵌着溝83の周面と作業孔58の内周面との間に挟持されることで、蓋体80と端子収容部材51の間がシールされる。
【0023】
端子収容部材51の電線挿通孔59の周囲には、キャップ90が装着されている。キャップ90は一対の装着片91,91を有し、これらの装着片91,91を、端子収容部材51の外面に設けられた一対の装着突起51B,51Bに係止させることで、端子収容部材51に固定されている。電線Wの被覆と電線挿通孔59の内周面との間には止水処理が施されており、電線挿通孔59から端子収容部材51の内部に浸水することが規制されている。
【0024】
さて、本実施形態では、ボルト60の軸部が、ボルト固定部53の孔を通ってボルト挿通孔46に挿通されており、ナット70に螺合している。ボルト60を締め込むと、ナット70がボルト60の頭部側に引き寄せられて端子接続部40に設けられた受け面48に圧接される。この受け面48は、ナット収容孔47に連結されたボルト挿通孔46の開口の開口縁部に形成されている。ナット70が受け面48に圧接された状態では、ボルト60の頭部が接続筒部45の後端部に圧接されている。したがって、ボルト60を強固に締め付けることができ、この締め付けに伴ってナット70のねじ山が潰れることもないため、端子接続部40と電線接続部50を強固にボルト止めすることができる。
【0025】
また、ナット収容孔47にボルト60が収容された状態では、ナット収容孔47の開口とボルト60との間に隙間が形成されている。この隙間には、規制部材71が収容されている。この規制部材71は合成樹脂製であって、ボルト60をナット70に締め込む前におけるナット70の抜け方向への移動を規制している。規制部材71は、図1に示すように、断面略H字状をなしてナット70のナット収容孔47への収容方向に延びる形態をなしている。また、規制部材71のうち端子接続部40の端子本体42の外周側面に臨む面は、端子本体42の外周側面に沿う弧状とされている。
【0026】
さらに、ナット70は、ナット収容孔47に収容された状態ではボルト60の締結方向と交差する方向に遊動可能とされている。このため、ボルト60の軸部の先端がナット70の軸心から外れた状態でナット収容孔47に進入した場合でも、このボルト60の軸部の先端の位置に合わせてナット70を誘い込むことができるため、ボルト60とナット70を確実に螺合させることができる。
【0027】
本実施形態は以上のような構成であって、続いて車両側コネクタ10の組み付け手順を説明する。まず、各ゴムリング43,56,82を各嵌着溝44,57,83に装着し、端子接続部40のナット収容孔47にナット70を挿入し、このナット70に引き続いて規制部材71をナット収容孔47に挿入する。そして、端子接続部40の接続筒部45を、端子収容部材51のシール筒部55の内部に嵌合させる。次に、電線Wの端末に接続された丸端子52を端子収容部材51の電線挿通孔59から内部に進入させ、丸端子52のボルト固定部53を接続筒部45の後端部に配置する。また、予め電線Wに先通ししておいたキャップ90を電線挿通孔59の外周に装着する。
【0028】
次に、ボルト60の軸部を端子収容部材51の後方から作業孔58およびボルト固定部53の孔に通して、ボルト挿通孔46に挿通させる。すると、ボルト60の軸部の先端がナット70の孔の孔縁部に摺接することで、ナット70がボルト60の軸部の先端側に誘い込まれ、ナット70に螺合し始める。ボルト60の締結作業が完了すると、ボルト60の頭部が接続筒部45の後端部に圧接されるとともに、ナット70が受け面48に面で受けられて圧接される。この後、蓋体80によって作業孔58を閉止する。こうして、端子金具30が完成する。
【0029】
次に、各端子金具30の端子接続部40を各端子収容筒12に対して後方から挿入する。各端子金具30を各端子収容筒12に収容した後、バックリテーナ20をコネクタ嵌合部11の後方部分11Rに対して後方から装着する。すると、各端子金具30は、バックリテーナ20によって後方に抜け止めされた状態で保持される。この後、コネクタ取付部13のカラー14にボルトを通して車両のボディに対してボルト締結を行うことで、車両側コネクタ10がボディに取り付け固定される。
【0030】
なお、バックリテーナ20の側面には、図7に示すように、一方の端子収容部材51を挿通させて側方へ引き出す引き出し孔22が設けられており、この引き出し孔22を通して電線Wが側方へ引き出されている。また、他方の端子収容部材51については、バックリテーナ20の下側から側方へ引き出されている。また、各端子収容部材51,51から側方へ引き出された各電線W,Wは、上下方向に揃って配設され、バックリテーナ20よりも後方にはみ出さないようになっており、車両側コネクタ10の前後寸法の短縮化が図られている。
【0031】
以上のように本実施形態では、ボルト60に螺合するナット70を端子接続部40とは別に構成し、端子接続部40よりも硬質の金属材でナット70を形成したから、ボルト60に締め込みによってナット70のねじ山が潰れることを回避できる。また、ナット70が受け面48によって面で受けられるため、ボルト60の締め付け力に受け面48全体に分散させることができる。したがって、ナット収容孔47の変形を規制するとともにナット70をナット収容孔47に確実に保持できる。
【0032】
ナット70を収容するナット収容孔47が端子接続部40の側部に開口して設けられており、端子接続部40においてボルト挿通孔46がナット収容孔47に連結される開口の開口縁部に受け面48が設けられている構成としたから、端子接続部40の側部からナット収容孔47にナット70を挿入することでナット70を端子接続部40の内部に収容できる。
【0033】
ナット70は、ボルト60の締結方向と交差する方向に遊動可能に収容されている構成としたから、ボルト60の先端をナット70に螺合させる際に、ボルト60の先端の位置に合わせてナット70を移動させることができ、ボルト60とナット70の組み付け公差を吸収しやすくなる。
【0034】
ナット70とともに端子接続部40の内部に収容されてナット70の抜け方向への移動を規制する規制部材71を備えた構成としたから、規制部材71によってナット70が抜け方向へ移動することを規制できる。特に本実施形態では、規格品のナット70を用いており、ナット70が端子接続部40の形状に合わせて作られていないため、ナット70が端子接続部40の内部に収容された状態においてナット70と端子接続部40の外面との間に隙間が形成されているものの、その隙間に規制部材71を収容することにより、ナット70が抜け方向へ移動することを規制できる。
【0035】
丸端子52を内部に収容し、ボルト固定部53を外部に臨ませる作業孔58が設けられた端子収容部材51と、作業孔58に嵌合するシール装着部81を有し、作業孔58を塞ぐ蓋体80と、シール装着部81に装着され、作業孔58をシール状態で塞ぐ第3ゴムリング82とを備えた構成としたから、作業孔58を蓋体80で塞いだ状態では、第3ゴムリング82によって作業孔58がシール状態で閉じられ、ボルト60の頭部が水で濡れることはなく、防水性能を確保することができる。
【0036】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態ではナット収容孔47が端子本体42の側部に開口しているものの、本発明によると、ナット収容孔が端子本体の前部(各接触片の基端部が連結された端部)に開口しているものでもよい。
【0037】
(2)上記実施形態ではナット70と規制部材71を別体で形成したものの、本発明によると、ナットと規制部材を一体に成形してもよい。また、規制部材にリブを設けることにより、ナット収容孔47に対するがた詰めを行い、ナットを正規の装着位置に位置決めしてもよい。
【0038】
(3)上記実施形態では丸端子52を端子収容部材51の内部に収容しているものの、本発明によると、丸端子をモールド成形することによって丸端子と端子収容部材を一体に形成してもよい。
【符号の説明】
【0039】
10…車両側コネクタ
30…端子金具
40…端子接続部
46…ボルト挿通孔
47…ナット収容孔
48…受け面
50…電線接続部
51…端子収容部材
52…丸端子(電線側端子)
53…ボルト固定部
58…作業孔
60…ボルト
70…ナット
71…規制部材
80…蓋体
81…シール装着部
W…電線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボルト挿通孔が端部に開口して設けられた端子接続部と、
ボルト締結用の締結座面を有するボルト固定部が設けられた電線接続部と、
前記ボルト固定部を前記端子接続部の端部に固定するボルトと、
前記端子接続部を構成する金属材よりも硬質の金属材で構成され、前記端子接続部の内部に収容され、前記ボルトと螺合するナットとを備え、
前記端子接続部には、前記ボルトの締結方向において前記ナットを面で受ける受け面が設けられており、前記ボルト固定部を前記端子接続部の端部に配置して前記ボルトを前記ボルト挿通孔に挿通して前記ナットに螺合させることにより、前記ボルトの頭部が前記ボルト固定部の前記締結座面に圧接されるとともに、前記ナットが前記端子接続部の前記受け面に圧接される端子金具。
【請求項2】
前記ナットを収容するナット収容孔が前記端子接続部の側部に開口して設けられており、前記端子接続部の内部には、前記ボルト挿通孔が前記ナット収容孔に連結される開口が設けられ、この開口の開口縁部に前記受け面が設けられている請求項1に記載の端子金具。
【請求項3】
前記ナットは、前記ボルトの締結方向と交差する方向に遊動可能に収容されている請求項1または請求項2に記載の端子金具。
【請求項4】
前記ナットとともに前記端子接続部の内部に収容されて前記ナットの抜け方向への移動を規制する規制部材を備えた請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の端子金具。
【請求項5】
電線に接続された電線側端子を内部に収容し、前記ボルト固定部を外部に臨ませる作業孔が設けられた端子収容部材と、
前記作業孔に嵌合するシール装着部を有し、前記作業孔を塞ぐ蓋体と、
前記シール装着部に装着され、前記作業孔をシール状態で塞ぐシール部材とを備えた請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の端子金具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−84418(P2013−84418A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−222962(P2011−222962)
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】