説明

端末、端末における通信データ受信方法および端末において通信データを受信するためのプログラム

【課題】 メールの受信者が、発信者毎に着信音を設定せず、かつ表示部を確認することなく発信者を認知する。
【解決手段】 発信局の携帯電話からメロディデータが添付されたメールが送信される。受信局の携帯電話におけるメール受信方法は、メールの受信を検知すると(S100にてYES)、受信したメールにメロディデータが添付されている否かを判断するステップ(S104、S106)と、添付データが着信音に設定されているか否かを判断するステップ(S108)と、メロディデータが添付され、かつ添付データが着信音に設定されていると(S104にてYES、S108にてYES)、受信したメールに添付されたメロディデータを読出して(S110)、着信音として出力するステップ(S112)とを含む。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、端末において情報を受信する技術に関し、特に、情報を受信したことを携帯電話のユーザに認知させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、携帯電話を用いて、ショートメッセージやメールを送受信できるシステムがある。このシステムにおいて、メールサーバは、発信局の携帯電話からショートメッセージやメールを受信して、それらを、発信局の携帯電話により指定された受信局の携帯電話に送信する。また、メールサーバを介さずに、発信局の携帯電話は、ショートメッセージを受信局の携帯電話に送信する場合がある。いずれの場合であっても、受信局の携帯電話においては、ショートメッセージやメールを受信すると、受信したことをユーザに認知させるために、メッセージ着信メロディやメール着信メロディを鳴らしたり、携帯電話を振動させたり、携帯電話の表示部にメッセージやメールを着信したことを表示したりする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の携帯電話は、ショートメッセージやメールが着信したことを受信局の携帯電話のユーザに認知させるにすぎない。このユーザが誰からのショートメッセージやメールであるのかを知るためには、携帯電話の表示部に表示された発信局の情報を見なければならない。
【0004】この問題点を解決するために、携帯電話に複数の着信メロディを記憶しておき、電話帳データに登録された発信局ごとに異なる着信メロディを設定することが考えられる。この方法により、予め設定された発信局から、ショートメッセージやメールを着信すると、所定の着信メロディを鳴らすことができる。
【0005】しかしながら、受信局の携帯電話のユーザは、電話帳データに発信局ごとに異なる着信メロディを設定しなければならない。さらに、発信局の携帯電話のユーザが要求する着信メロディを、受信局の携帯電話に鳴らすことができない。
【0006】本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、受信者が、新たな設定をせず、かつ表示部を確認することなく、ショートメッセージやメールの着信時に、発信者を認知することができる、端末、端末における通信データ受信方法および端末において通信データを受信するためのプログラムを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る端末は、他の装置から通信データを受信するための受信手段と、受信手段が受信した通信データが、音を発生させる第1のデータを含むか否かを判断するための判断手段と、第1のデータを含むと判断手段が判断すると、第1のデータにより発生する音を、通信データの着信音として出力するための出力手段とを含む。
【0008】第1の発明によると、端末は、他の装置から第1のデータを含む通信データを受信すると、その通信データの着信音として、第1のデータにより発生する音を出力する。これにより、送信者が、たとえばメールにメロディデータを添付して送信すると、そのメールを受信した端末は、そのメロディデータによるメロディを着信音として出力する。メールの送信者が、同じメロディを添付してメールを送信することを繰返すと、受信者は受信したメールの発信者を認知できるようになる。その結果、受信者が、新たな設定をせず、かつ表示部を確認することなく、発信者を認知することができる端末を提供することができる。
【0009】第2の発明に係る端末は、第1の発明の構成に加えて、第1のデータにより発生する音を、通信データの着信音として出力するように、端末のユーザが設定するための設定手段と、設定手段により設定されるまで、第1のデータを、通信データの着信音として出力することを禁止するように、出力手段を制御するための制御手段とをさらに含む。
【0010】第2の発明によると、メールの受信者が添付データによる着信音の発生を設定するまでは、添付データによる着信音の発生が行なわれなくなる。これにより、発信者がメールに添付したメロディを、受信者が聞きたくない場合に、メロディの出力を防ぐことができる。
【0011】第3の発明に係る端末は、第1または第2の発明の構成に加えて、第1のデータは、端末において、音楽を発生させるデータおよび前記他の装置のユーザの声を発生させるデータのいずれかである。
【0012】第3の発明によると、メールに添付された音楽データに基づいて、その音楽を、メールの着信音として使用できる。また、メールに添付された、発信者の声を発生させるデータに基づいて、その声をメールの着信音として使用できる。これにより、たとえば発信者が自分の名前を言う声を発生させるデータを添付してメールを送信すると、発信者の名前を言う発信者の声が着信音として出力できる。その結果、容易にメールの送信者を認知できる。
【0013】第4の発明に係る端末は、第1〜第3のいずれかの発明の構成に加えて、データは、第1のデータに加えて、端末のユーザが視覚により認知可能な第2のデータを含み、端末は、第2のデータを表示するための表示手段をさらに含む。
【0014】第4の発明によると、端末は、メール本文のテキストデータ、添付された画像データなどを表示手段に表示することができる。
【0015】第5の発明に係る通信データ受信方法は、他の装置から通信データを受信する受信ステップと、受信ステップにて受信した通信データが、音を発生させる第1のデータを含むか否かを判断する判断ステップと、判断ステップにて第1のデータを含むと判断されると、第1のデータにより発生する音を、通信データの着信音として出力する出力ステップとを含む。
【0016】第5の発明によると、通信データ受信方法は、他の装置から第1のデータを含む通信データを受信すると、その通信データの着信音として、第1のデータにより発生する音を出力する。これにより、送信者が、たとえばメールにメロディデータを添付して送信すると、そのメールを受信した端末は、そのメロディデータによるメロディを着信音として出力する。メールの送信者が、同じメロディを添付してメールを送信することを繰返すと、受信者は受信したメールの発信者を認知できるようになる。その結果、受信者が、新たな設定をせず、かつ表示部を確認することなく、発信者を認知することができる通信データ受信方法を提供することができる。
【0017】第6の発明に係るプログラムは、コンピュータを含む端末において通信データを受信するためのプログラムである。プログラムはコンピュータに、他の装置から通信データを受信する受信手順と、受信ステップにて受信した通信データが、音を発生させる第1のデータを含むか否かを判断する判断手順と、判断手順にて第1のデータを含むと判断されると、第1のデータにより発生する音を、通信データの着信音として出力する出力手順とを実行させる。
【0018】第6の発明によると、プログラムは、他の装置から第1のデータを含む通信データを受信すると、その通信データの着信音として、第1のデータにより発生する音を出力する。これにより、送信者が、たとえばメールにメロディデータを添付して送信すると、そのメールを受信した端末は、そのメロディデータによるメロディを着信音として出力する。メールの送信者が、同じメロディを添付してメールを送信することを繰返すと、受信者は受信したメールの発信者を認知できるようになる。その結果、受信者が、新たな設定をせず、かつ表示部を確認することなく、発信者を認知することができる通信データを受信するためのプログラムを提供することができる。
【0019】第7の発明に係るプログラムは、第6の発明の構成に加えて、さらにコンピュータに、第1のデータにより発生する音を、通信データの着信音として出力するように、端末のユーザが設定する設定手順と、設定ステップにて設定されるまで、第1のデータを、通信データの着信音として出力することを禁止するように、出力手順を制御する制御手順とを実行させる。
【0020】第7の発明によると、メールの受信者が添付データによる着信音の発生を設定するまでは、添付データによる着信音の発生が行なわれなくなる。これにより、発信者がメールに添付したメロディを、受信者が聞きたくない場合に、メロディの出力を防ぐことができる。
【0021】第8の発明に係るプログラムは、第6または第7の発明の構成に加えて、第1のデータは、端末において、音楽を発生させるデータおよび前記他の装置のユーザの声を発生させるデータのいずれかである。
【0022】第8の発明によると、メールに添付された音楽データに基づいて、その音楽を、メールの着信音として使用できる。また、メールに添付された、発信者の声を発生させるデータに基づいて、その声をメールの着信音として使用できる。これにより、たとえば発信者の名前を言う発信者の声が着信音として出力できる。その結果、容易にメールの送信者を認知できる。
【0023】第9の発明に係るプログラムは、第6〜第8のいずれかの発明の構成に加えて、データは、第1のデータに加えて、端末のユーザが視覚により認知可能な第2のデータを含み、プログラムは、さらにコンピュータに、第2のデータを表示する表示手順を実行させる。
【0024】第9の発明によると、プログラムは、メール本文のテキストデータ、添付された画像データなどを端末に表示させることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0026】本発明の端末は、ショートメッセージやメールの通信機能を有する携帯電話に限定されず、通信機能を有するPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末、ショートメッセージやメールの通信機能を有する固定電話でもよい。以下の説明では、端末を携帯電話と想定する。
【0027】本実施の形態に係る携帯電話200が受信するメールは、図1に示すメールシステムにより送受信される。メールシステムは、携帯電話200やコンピュータからのメールを受信して、携帯電話200に送信するメールサーバ100と、発信局および受信局の携帯電話200と、携帯電話200の基地局300と、メールサーバ100と携帯電話の基地局300とを接続するネットワーク400とを含む。このメールシステムで送受信される情報には、メールのみならず、キャラクタデータを送受信するためのショートメッセージを含む。また、メールサーバ100を介さずに、発信局の携帯電話200と受信局の携帯電話200とで直接送受信されるショートメッセージやメールを含む。
【0028】受信局の携帯電話200は、メールを受信すると、ユーザにメールの発信局の携帯電話のユーザを認知させる認知機能を有する。この認知機能は、携帯電話200の表示部を用いることなく実現される。
【0029】図2を参照して、携帯電話200は、この携帯電話200の全体を制御する制御部220と、メールサーバ100および他の携帯電話200と通信するための通信部230と、制御部220において実行されるプログラム、そのプログラムが実行されたときの中間データおよび通信部230を介して受信したデータを記憶する記憶部240と、入出力部250とを含む。
【0030】入出力部250は、テンキーなどを含む操作部252と、操作部252に入力された電話番号を表示したり、受信したショートメッセージやメールを表示したりするLCD(Liquid Crystal Display)を含む表示部254と、音声を入力するマイクを含む音声入力部256と、音声を出力するスピーカを含む音声出力部258とを含む。
【0031】操作部252には、この携帯電話200のユーザにより、他の電話装置の電話番号が入力されたり、着信音の設定(種類、音量)が入力されたりする。
【0032】表示部254は、受信したメールに携帯電話200に画像を表示させるデータが添付されていると、以下のようにして画像を表示させる。添付されたデータは、画像を表わす、圧縮符号化されたデジタルデータであると想定する。表示部254は、添付データに含まれる、画像を表わす圧縮符号化されたデジタルデータを復号する。表示部254は、復号されたデジタルデータに基づいて、LCDに画像を表示させる。
【0033】音声出力部258は、受信したメールに携帯電話200に音を出力させるデータが添付されていると、以下のようにして音を発生させる。添付されたデータは、音を表わす、圧縮符号化されたデジタルデータであると想定する。この音は、発信者の声などである。音声出力部258は、添付データに含まれる、音を表わす圧縮符号化されたデジタルデータを復号する。音声出力部258は、復号されたデジタルデータをアナログデータに変換して、スピーカから音を出力させる。なお、メロディデータ(テンポ、音符、休符)の場合には、圧縮符号化されて発信局の携帯電話200から送信されない。このため、音声出力部258は、復号化処理を行なうことなく、メロディデータに基づいて、スピーカからメロディを出力させる。
【0034】記憶部240は、制御部220において実行されるプログラムが記憶されている。既に述べた認知機能は、携帯電話200のハードウェアと、制御部220により実行されるソフトウェアとにより実現される。一般的にこうしたソフトウェアは、記憶部240にプログラムとして記憶されて、必要に応じて、制御部220が読み出して実行する。
【0035】これらの携帯電話200のハードウェア自体は一般的なものである。携帯電話の制御部220は、コンピュータにより実現され、CPUおよびOS(Operating System)を含み、プログラムを実行する環境を備えたものである。本発明のプログラムは、このようなコンピュータに、認知機能を実現するプログラムである。したがって本発明の最も本質的な部分は、各種のメモリなどの記録媒体に記録されたプログラムである。
【0036】図3を参照して、発信局の携帯電話200からメールサーバ100へ、メールサーバ100から、受信局の携帯電話200に送信されるメールデータについて説明する。メールデータは、このデータがメールデータであることを示すフラグを含むヘッダと、受信局の電話番号と、発信局の電話番号と、本文データ(テキストデータ)と、添付データとを含む。なお、添付データは、メールデータに含まれない場合がある。
【0037】図4を参照して、メールデータ(図3)の添付データが、画像データである場合について説明する。添付データが画像データである場合、添付データは、識別子(1)と、画像データ(圧縮コード、圧縮画像データ)とを含む。識別子(1)は、他の種類の添付データと、画像データとを識別するための符号である。
【0038】図5を参照して、メールデータ(図3)の添付データが、メロディデータである場合について説明する。添付データがメロディデータである場合、添付データは、識別子(2)と、メロディデータ(テンポ、音符、休符)とを含む。
【0039】図6を参照して、メールデータ(図3)の添付データが、音声データである場合について説明する。添付データが音声データである場合、添付データは、識別子(3)と、音声データ(圧縮コード、圧縮音声データ)とを含む。
【0040】図4〜図6に示すように、添付データの種類は、それぞれの添付データに含まれる識別子の種類により判断することができる。
【0041】図7を参照して、携帯電話200で実行されるプログラムは、着信処理に関し、以下のような制御構造を有する。
【0042】ステップ(以下ステップを、Sと略す。)100にて、受信局の携帯電話200の制御部220は、メールを受信したか否かを判断する。メールを受信すると(S100にてYES)、処理はS102へ移される。もしそうでないと(S100にてNO)、処理はS100へ戻され、発信局の携帯電話200からのメールの受信を待つ。
【0043】S102にて、制御部220は、受信したメールデータ(図3)を記憶部240に記憶する。S104にて、制御部220は、受信したメールデータに添付データがあるか否かを判断する。この判断は、メールデータ(図3)のデータ構造に基づいて行なわれる。添付データがある場合には(S104にてYES)、処理はS106へ移される。もしそうでないと(S104にてNO)、処理はS120へ移される。
【0044】S106にて、制御部220は、添付データの識別子が1であるか否かを判断する。添付データの識別子が「1」であると(S106にてYES)、処理はS120へ移される。もしそうでないと(S106にてNO)、処理はS108へ移される。
【0045】S108にて、制御部220は、添付データが着信音に設定されているか否かを判断する。この判断は、予め受信局の携帯電話200のユーザにより設定されて、記憶部240に記憶されている情報に基づいて行なわれる。添付データが着信音に設定されていると(S108にてYES)、処理はS110へ移される。もしそうでないと(S108にてNO)、処理はS120へ移される。
【0046】S110にて、制御部220は、メールデータ(図3)の添付データを読出す。このとき読出される添付データは、メロディデータや音声データである。S112にて、制御部120は、添付データを音声出力部258から出力する。このとき、添付データがメロディデータである場合には、所定のテンポで、所定の音符および休符がスピーカから出力される。また、添付データが音声データである場合には、音声出力部258にて圧縮音声データが復号されて復号されたデジタルデータがアナログデータに変換されてスピーカから出力される。
【0047】S114にて、制御部220は、添付データを出力してから予め定められた時間が経過したか否かを判断する。予め定められた時間が経過すると(S114にてYES)、処理はS116へ移される。もしそうでないと(S114にてNO)、処理はS112へ戻され、添付データの出力を続ける。S116にて、制御部220は、添付データの出力を停止させる。
【0048】S118にて、制御部220は、携帯電話200の電源が切断されたか否かを判断する。携帯電話200の電源が切断されると(S118にてYES)、この処理を終了する。もしそうでないと(S118にてNO)、処理はS100へ戻され、次のメールの受信を待つ。
【0049】S120にて、制御部220は、予め設定されたメロディデータを記憶部240から読出す。受信局の携帯電話200のユーザは、記憶部240に、メロディデータと、メールを受信したときに発信者を区別することなくそのメロディデータを出力するような設定とを記憶させている。
【0050】S122にて、制御部220は、設定されたメロディデータを、音声出力部258から出力する。S124にて、制御部220は、設定されたメロディデータを出力してから予め定められた時間が経過したか否かを判断する。予め定められた時間が経過すると(S124にてYES)、処理はS126へ移される。もしそうでないと(S124にてNO)、処理はS122へ戻され、設定されたメロディデータの出力を続ける。
【0051】S126にて、制御部220は、設定されたメロディデータの出力を停止させる。このS126における処理の後、処理はS118へ移される。
【0052】なお、S114およびS124において、着信音は予め定められた時間経過するまで出力されるものとして説明したが、これに限定されるものではない。受信局の携帯電話200のユーザが停止入力を行なうまで、着信音を鳴らすようにしてもよい。
【0053】図8を参照して、本実施の形態に係る携帯電話200で実行されるプログラムは、表示処理に関し、以下のような制御構造を有する。
【0054】S200にて、制御部220は、表示部254に、受信メールの一覧を表示させる。S202にて、制御部220は、操作部252からメールの表示要求が入力されたか否かを判断する。メールの表示要求が入力されると(S202にてYES)、処理はS204へ移される。もしそうでないと(S202にてNO)、処理はS200へ戻され、受信メールの一覧の表示を続ける。
【0055】S204にて、制御部220は、表示が要求されたメールの本文データを表示部254に表示させる。S206にて、制御部220は、操作部252から、添付データの出力要求の入力を検知したか否かを判断する。添付データの出力要求を検知すると(S206にてYES)、処理はS208へ移される。もしそうでないと(S206にてNO)、処理はS218へ移される。
【0056】S208にて、制御部220は、出力要求された添付データの識別子が「1」であるか否かを判断する。識別子が「1」であると(S208にてYES)、処理はS216へ移される。もしそうでないと(S208にてNO)、処理はS210へ移される。
【0057】S210にて、制御部220は、出力要求された添付データの識別子が「2」であるか否かを判断する。識別子が「2」であると(S210にてYES)、処理はS212へ移される。もしそうでないと(S210にてNO)、処理はS214へ移される。
【0058】S212にて、制御部220は、図5に示すメロディデータに従って、メロディを音声出力部258に出力させる。S214にて、制御部220は、図6に示す音声データに従って、音声を音声出力部258に出力させる。S216にて、制御部220は、図4に示す画像データに従って、表示部254に画像データを出力させる。
【0059】S218にて、制御部220は、受信局の携帯電話200の電源が切断されたか否かを判断する。携帯電話200の電源が切断されると(S208にてYES)、この表示処理を終了する。もしそうでないと(S218にてNO)、処理はS210へ戻され、受信メールの一覧を表示部254に表示させる。
【0060】なお、添付されたメロディデータおよび音声データが、着信音にのみ使用される場合、図8のS212およびS214にて行なわれる処理は行なわれない。
【0061】以上のような構造およびフローチャートに基づく、携帯電話200の動作について説明する。
【0062】[着信動作]発信局の携帯電話200のユーザが、メールの本文データに、メロディデータまたは音声データを添付データとして添付して送信した場合の、受信局の携帯電話200の動作について説明する。
【0063】受信局の携帯電話200は、メールを受信したことを検知すると(S100にてYES)、受信したメールデータ(図3)を記憶部240に記憶する(S102)。受信したメールデータ(図3)には、添付データが添付され(S104にYES)、識別子が「2」または「3」であるため(S106にてNO)、添付データが着信音に設定されているか否かが判断される(S108)。添付データが着信音に設定されていると(S108にてYES)、受信したメールデータ(図3)の添付データが読出され(S110)、予め定められた時間が経過するまで(S114にてYES)、読出された添付データ(メロディデータまたは音声データ)が音声出力部258から呼出音として出力される。
【0064】また、添付データが着信音に設定されていない場合には(S108にてNO)、予めメールを受信した際の着信音として設定されているメロディデータが記憶部240から読出され(S120)、予め定められた時間が経過するまで(S124にてYES)、設定されたメロディデータが出力される。
【0065】[表示動作]画像データ、メロディデータおよび音声データなどの添付データが添付されたメールデータが記憶部240に記憶されている場合の携帯電話200の表示動作について説明する。
【0066】受信メールの一覧が表示され(S200)、受信局の携帯電話200のユーザが、1つのメールについての表示要求を操作部252から入力する(S202にてYES)。受信局の携帯電話200のユーザにより指定されたメールの本文データが表示部254に表示される(S204)。
【0067】受信局の携帯電話200のユーザが添付データの出力を要求すると(S206にてYES)、添付されたデータが画像データである場合には(S208にてYES)、添付された画像データに基づいて、表示部254に画像が表示される(S216)。添付されたデータがメロディデータである場合には(S208にてNO、S210にてYES)、メロディデータに基づいて、音声出力部258からメロディが出力される(S212)。添付されたデータが音声データである場合には(S218にてNO、S210にてNO)、受信した音声データに基づいて、音声が音声出力部258から出力される(S214)。
【0068】以上のようにして、本実施の形態に係る携帯電話は、他の携帯電話からメロディデータまたは音声データが添付されたメールデータを受信すると、そのメールの着信音として、メロディデータまたは音声データに基づき発生するメロディまたは音声をスピーカから出力する。これにより、発信局の携帯電話のユーザが、メールにメロディデータまたは音声データを添付して送信すると、受信局の携帯電話は、そのメロディデータによるメロディまたはその音声データによる音声を着信音として出力する。同じメロディを添付してメールを送信することが繰返されると、受信局の携帯電話のユーザは、表示部に表示される内容に基づかずに、受信したメールの発信者を認知できるようになる。その結果、メールの受信者が、新たな設定をせずかつ表示部を確認することなく、メールの発信者を認知することができる。
【0069】今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態に係るメールシステムの全体構成図である。
【図2】 携帯電話の制御ブロック図である。
【図3】 携帯電話からメールサーバ、メールサーバから他の携帯電話に送信される、メールデータを示す図である。
【図4】 メールデータに含まれる添付データ(その1)を示す図である。
【図5】 メールデータに含まれる添付データ(その2)を示す図である。
【図6】 メールデータに含まれる添付データ(その3)を示す図である。
【図7】 本実施の形態における携帯電話の着信処理を表わすフローチャートである。
【図8】 本実施の形態における携帯電話の表示処理を表わすフローチャートである。
【符号の説明】
100 メールサーバ、200 携帯電話、220 制御部、230 通信部、240 記憶部、250 入出力部、252 操作部、254 表示部、256 音声入力部、258 音声出力部、300 携帯電話基地局、400 ネットワーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 他の装置から通信データを受信するための受信手段と、前記受信手段が受信した通信データが、音を発生させる第1のデータを含むか否かを判断するための判断手段と、前記第1のデータを含むと前記判断手段が判断すると、前記第1のデータにより発生する音を、前記通信データの着信音として出力するための出力手段とを含む、端末。
【請求項2】 前記端末は、前記第1のデータにより発生する音を、前記通信データの着信音として出力するように、前記端末のユーザが設定するための設定手段と、前記設定手段により設定されるまで、前記第1のデータを、前記通信データの着信音として出力することを禁止するように、前記出力手段を制御するための制御手段とをさらに含む、請求項1に記載の端末。
【請求項3】 前記第1のデータは、前記端末において、音楽を発生させるデータおよび前記他の装置のユーザの声を発生させるデータのいずれかである、請求項1または2に記載の端末。
【請求項4】 前記データは、前記第1のデータに加えて、前記端末のユーザが視覚により認知可能な第2のデータを含み、前記端末は、前記第2のデータを表示するための表示手段をさらに含む、請求項1〜3のいずれかに記載の端末。
【請求項5】 他の装置から通信データを受信する受信ステップと、前記受信ステップにて受信した通信データが、音を発生させる第1のデータを含むか否かを判断する判断ステップと、前記判断ステップにて前記第1のデータを含むと判断されると、前記第1のデータにより発生する音を、前記通信データの着信音として出力する出力ステップとを含む、端末における通信データ受信方法。
【請求項6】 コンピュータを含む端末において通信データを受信するためのプログラムであって、前記プログラムは前記コンピュータに、他の装置から通信データを受信する受信手順と、前記受信ステップにて受信した通信データが、音を発生させる第1のデータを含むか否かを判断する判断手順と、前記判断手順にて前記第1のデータを含むと判断されると、前記第1のデータにより発生する音を、前記通信データの着信音として出力する出力手順とを実行させる、プログラム。
【請求項7】 前記プログラムは、さらに前記コンピュータに、前記第1のデータにより発生する音を、前記通信データの着信音として出力するように、前記端末のユーザが設定する設定手順と、前記設定ステップにて設定されるまで、前記第1のデータを、前記通信データの着信音として出力することを禁止するように、前記出力手順を制御する制御手順とを実行させるプログラムを含む、請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】 前記第1のデータは、前記端末において、音楽を発生させるデータおよび前記他の装置のユーザの声を発生させるデータのいずれかである、請求項6または7に記載のプログラム。
【請求項9】 前記データは、前記第1のデータに加えて、前記端末のユーザが視覚により認知可能な第2のデータを含み、前記プログラムは、さらに前記コンピュータに、前記第2のデータを表示する表示手順を実行させるプログラムを含む、請求項6〜8のいずれかに記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2003−8686(P2003−8686A)
【公開日】平成15年1月10日(2003.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−190911(P2001−190911)
【出願日】平成13年6月25日(2001.6.25)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】