説明

端末とサーバとの間の通信方法

本発明は、サーバ(14)との端末(10)の通信の方法に関し、端末は、アプリケーションと、サーバ(14)と通信することができるコンピュータソフトウエアとを含む。本方法は、アプリケーション(26)によって要求(RLoc)をソフトウエア(34)に送信する段階(42)と、要求を実行することができるようにソフトウエア(34)がサーバ(14)と通信するのに必要なデータ(DAutor)をソフトウエア(34)によってアプリケーション(26)から取得する段階(44)とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末のサーバとの通信のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
端末、例えば、移動電話が、特定のサービス、例えば、電話の位置に基づくサービスを管理するようになった、以下でアプリケーションとよぶアプリケーションプログラムを含むような方法は、従来技術において既に公知である。端末はまた、サーバとデータを交換するために端末の外部にあるサーバと通信するようになったコンピュータプログラムを含む。この方法は、サーバと通信した後に、例えば、サーバによってプログラムに送信されたデータを受信した後にプログラムによって実行することができる要求をアプリケーションがサーバに送信する段階を含むことができる。この目的のために、プログラムは、プログラムがサーバと通信することができるのに必要な認証データを、例えば非公開暗号鍵に関連付けられたサーバ識別子の形式で含み、このデータは、コンピュータプログラムにサーバと情報を交換することが許可されることを保証する。従って、アプリケーションによってプログラムに送信されるあらゆる要求は、プログラムとサーバの間の通信を利用して実行することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
問題は、どのアプリケーションも、要求を、その要求をサーバを利用して実行するプログラムに送信することができるということである。特に、上述のサービスと競合するサービスを管理する最初に意図されたもの以外のアプリケーションは、サーバを利用して要求を実行するプログラムを用いることができる。このことから言えることは、サーバが属するオペレータの競合者が、このオペレータによって提案されるサービスと競合するサービスを提供するアプリケーションをこのオペレータのリソースを自由に無料で用いてユーザに提供することができるということである。また、サーバを用いることが許可されたアプリケーションに関する利用契約を結んでいないオペレータの利用契約者は、自由にこのサーバを用い、かつこのサーバを用いる利点の恩典を無料で取得することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、サーバによって送信されたデータへのアクセスのより良い制御を保証するサーバとの端末の通信の方法を提供する。
【0005】
この目的に対して、本発明の主題は、サーバとの端末の通信のための方法であり、端末は、アプリケーション及びコンピュータプログラムを含み、プログラムは、サーバと通信するようになっており、本方法は、アプリケーションが要求をプログラムに送信する段階と、プログラムがサーバと通信を行い、かつサーバが要求を実行するのに必要なデータをプログラムがアプリケーションから取得する段階とを含む。
【0006】
本方法により、サーバと通信するのに必要なデータを最初に含むのはコンピュータプログラムではなく、一般的に支援サーバが属するオペレータと同じオペレータによって管理されるアプリケーションであることになるアプリケーションである。その結果、そのサーバを用いる利点の恩典を取得することが許可されておらず、かつ競合するオペレータによって管理されるか又は権利侵害の目的でインストールされた別のアプリケーションは、サーバとの通信に必要なデータをプログラムに供給することができないことになり、従って、アプリケーションによってプログラムに送信された要求の実行を可能にするデータをプログラムから取得することができないことになる。すなわち、オペレータによってサーバと通信することが許可されたアプリケーションのみが、そうすることができることになる。
【0007】
一般的に、アプリケーションは、サービスを管理するようになったデータ処理タスクであることになり、このサービスに対して、アプリケーションは、要求をプログラムに送信するのみならず、ユーザ、例えば、端末のユーザと端末のインタフェースを通じて対話し、又はデータベースのような端末の記憶手段と、他のコンピュータプログラムと、又は他の外部サーバと対話することによっても論理を提供することに注意されたい。一方、サーバにアクセスするのに端末で用いられるプログラムは、一般的に、端末ユーザに対しては直接アクセス可能ではない。
【0008】
サーバとプログラムの間で設定される通信は、アプリケーションによってプログラムに送信される要求の完全又は部分的な実行を可能にすることに更に注意されたい。特に、この要求は、サーバとプログラムの間の通信により、同じくプログラムによって実行される他のオペレーションによっても実行することができる。
【0009】
更に、プログラムがアプリケーションからデータを取得する段階は、例えば、アプリケーションがこのデータをプログラムに送信する段階、又は例えばアプリケーションによって記憶されたデータへのアクセスを読取モードにおいてこのプログラムだけに限定することにより、アプリケーションがこのプログラムによるこのデータへのアクセスを認証する段階という形式でアプリケーションがデータをプログラムに供給する段階とすることができる。
【0010】
以下で説明するように、本発明の通信方法は、サーバとの端末の本発明の通信を含む測位支援サーバを用いる端末の測位法の関連において、特に衛星に基づく測位法の関連において特に有益である。
【0011】
例えば、GPSを用いる端末の衛星測位を容易にするために、サーバが測位される端末、特に移動電話に測位支援データを供給する測位支援サーバを用いる方法、例えば、支援GPS(A−GPS)又はGPS+法が当業技術で既に公知である。例えば、移動電話は、ユーザによって作動されると、測位要求を端末のプログラムに送信する測位サービスを管理するためのアプリケーションを含む。このプログラムは、適切な場合には、「インターネット」接続を有する電話ネットワーク上で外部測位支援サーバと通信することができる。より正確には、プログラムは、例えば、端末の大体の位置を推定することができる支援サーバに電話ネットワークを用いて支援要求を送信する。尚も例示的に、支援サーバは、測位される端末が見つかる可能性が高いエリアの上方にどの衛星が位置するかを判断することができ(予め行われる端末の事前測位による)、従って、衛星によって送信されるどの信号がこの端末にその位置を提供する可能性が高いかを示す端末測位支援データを端末のプログラムに供給することができる。このデータにより、端末は、これらの衛星につながり、次に、測位データを要求した端末上のアプリケーションに正確な測位データを迅速に供給することができる。
【0012】
一般的に、支援サーバを所有するオペレータの測位サービスに関する契約を有し、従って、それに対して料金を支払っているユーザだけに支援サービスへのアクセスを限定することが必要である。この目的のために、従来技術のプログラムは、支援サーバによって供給される測位支援データへのアクセスを認証するデータを例えば暗号鍵の形式で含み、このデータは、測位支援サーバと情報を交換する許可がプログラムに与えられたことを保証する。しかし、これらの条件下では、プログラム内に常駐的に記憶された認証データにより、支援サーバにアクセスする許可は、プログラムに測位要求を送信するあらゆるアプリケーション、特に競合するアプリケーション又は海賊版アプリケーションに与えられる。
【0013】
本発明の通信方法により、支援サーバによって送信されるデータへの改善されたアクセス制御を与える支援サーバを用いた測位法が利用可能である。本方法では、支援サーバとの通信に必要なデータを最初に含むのは、コンピュータプログラムではなく測位サービス管理アプリケーションであり、一般的に、このアプリケーションは、支援サーバを所有するオペレータによって管理されるアプリケーションであることになる。その結果、許可されたアプリケーション以外のアプリケーションは、このサーバとの通信に必要なデータをプログラムに供給することができなくなり、従って、プログラムから測位支援データを取得することができなくなる。従って、そうすることができるのは、支援データにアクセスする許可がオペレータによって与えられたアプリケーションのみである。
【0014】
この測位法は、あらゆる種類の測位、特に、GPS又はガリレオ衛星(ガリレオ衛星が運用状態になった場合)を利用した測位を組み合わせる「全地球ナビゲーション衛星システム(GNSS)」による測位のような衛星測位、又はいずれか他の種類の衛星測位において用いることができることに注意されたい。この測位法は、端末を所定の時点で一度限りのベースで測位し、かつ端末をある一定の期間の間に実時間で、すなわち、ナビゲーション法として測位するその両方において用いることができることに更に注意されたい。更に、本方法は、衛星によって送信される信号を受信するための手段、及び測位支援サーバと通信するための手段が設けられた端末を測位することができ、これらの通信手段は、例えば、GPRS、EDGE、UMTSなどのネットワークのような移動電話ネットワークを用い、ネットワークは、適切な場合は支援サーバへのアクセスを提供する。この端末は、例えば、移動電話又はナビゲーション端末であることになる。
【0015】
本方法の変形は、プログラムが、衛星によって送信される信号を受信するための手段内の位置計算モジュールと通信する段階を含む。従って、上述のプログラムは、測位支援サーバのようなサーバと、アプリケーションと、更にGPS信号レシーバのような衛星によって送信される信号を受信するようになった手段と同時に通信することができる。このプログラムは、サーバによって供給されるデータ、例えば、測位支援データを受信手段内の位置計算モジュール(集積回路の「チップセット」を含む)に送信するのにこのデータを用いるか、又はこの計算モジュールを制御するか又はこのモジュールによって行われた計算に対して加えられる補正を計算するのにこのデータを用いることができる。
【0016】
コンピュータプログラムと位置計算モジュールとの間のこの通信は、間接的なものとすることができ、例えば、プログラムは、端末のマイクロプロセッサによってメモリ内で実行され、マイクロプロセッサのソフトウエアを用いてこのモジュール(ソフトウエア形式にある)と通信する。代替的に、プログラムは、計算モジュールに直接実施することにより、端末のマイクロプロセッサとは別々の受信手段内の位置モジュールと(ハードウエアを通じて)直接通信することができ、これらの手段は、特定のオペレーションを実行するように構成することができるので、この直接の実施は、プログラムの高速実行を可能にするという利点を有する。また、プログラムが通信するこの位置計算モジュールは、必ずしも測位支援サーバを用いなくても衛星測位において用いることができることに更に注意されたい。この場合、モジュールは、支援データなしにいずれにせよ端末の位置を計算することができるが、支援データが用いられた場合よりも非常に長い遅延を伴って得られる低品質の測位しかもたらさない。従って、端末を測位するのに測位支援サーバを用いることは、任意的なものとすることができる。
【0017】
本方法の1つの変形では、データを取得する段階中に得られるデータ(DAutor)は、このデータのサーバへの伝送の後に、プログラムから削除される。データ(DAutor)は、プログラムが、例えば、サーバによる支援要求の実行から生じるデータを受信した時に削除することができる。具体的には、取得データを認証データとよび、本方法は、プログラムが、測位要求を実行するための支援データをサーバから受信する段階を含み、プログラム内の認証データを削除する段階がそれに続く。従って、例えば、コンピュータプログラムが測位支援データを受信するようにサーバと情報を交換するのに認証データが用いられた状態で、プログラムがアプリケーションによって認証されたデータを再度受信することなしに支援サーバから支援を得ることができないように、例えば、プログラムのバッファメモリから認証データを除去することにより、認証データは、プログラムから削除される。認証データを削除するこの段階は、任意的に、支援データを受信する段階の直後に実行することができることに注意されたい。
【0018】
別の変形では、本方法は、プログラムが、他のデータ、例えば、測位データを送信する段階を含み、例えば、行われるアクションに対して課金を行うために、アクションが行われていること又は行われたことを警告する段階が続く。例えば、アプリケーションは、その端末測位の必要に応じて、特に、プログラムとサーバの間の通信の終了時点に得られる測位データを受信する。この測位データの受信は、サービス、例えば、測位支援サービスが提供されたことを反映し、警告段階は、オペレータが、提供したサービスに対して後に課金を行うことを可能にする。この警告段階は、例えば、オペレータのネットワーク内に位置する課金サーバと、特に端末への地図のダウンロードを可能にするアプリケーションと通信する地図サーバとの間の接続の形態を取ることができる。従って、端末が地図をダウンロードする度に、警告段階は、地図製作サーバと課金サーバの間の接続を設定する段階を含む。警告段階は、多くの他の形式を取ることができる。例えば、アプリケーションは、地図を受信した後、又はプログラムが測位データを受信した後に課金サーバに直接接続することができ、又はアプリケーションは、行った測位オペレーションの回数を記憶し、この回数を定期的に外部サーバに伝送することができる。
【0019】
別の代替形態は、プログラムによってアプリケーションから得られる認証データとよぶデータが、サーバのIPアドレス又はドメイン名のようなサーバ識別子と、少なくともアプリケーションとサーバとによって共有され、TLS(トランスポート層セキュリティ)、GBA(汎用ブートストラッピングアーキテクチャ)、又はPSK(事前共有鍵)通信プロトコルに従って生成することができる暗号鍵とで構成される群の要素のうちの少なくとも1つを含むことである。それにも関わらず、認証データのこれらの例は、本発明を限定するものではないことは理解されるであろう。
【0020】
本発明はまた、コード命令を含むコンピュータプログラムに関し、命令は、プログラムがプロセッサによって実行された時に、要求を受信する段階と、サーバと通信を行うのに、かつサーバが要求を実行するのに必要なデータを取得する段階とを実行する。
【0021】
本発明はまた、コード命令を含むアプリケーションに関し、命令は、それがプロセッサによって実行された時に、要求をプログラムに送信する段階と、プログラムとサーバの間の通信に必要なデータを供給する段階とを実行する。
【0022】
本発明は、更に、サーバと通信するようになった通信端末に関し、端末は、アプリケーション及びプログラムを含み、アプリケーションは、要求をプログラムに送信するようになっており、コンピュータプログラムは、プログラムがサーバと通信を行って要求の実行を可能にするのに必要なデータをアプリケーションから取得するようになっている。
【0023】
衛星測位支援サーバを利用して測位されるようになった通信端末の場合には、測位支援を受けることを可能にするために、アプリケーションは、端末の測位要求をプログラムに送信するようになっており、プログラムは、サーバと通信することができるのに必要なデータをアプリケーションから取得するようになっている。
【0024】
本発明は、更に、上述の端末及び測位支援サーバを含むシステムに関する。
本発明は、更に、上記に定めたコンピュータプログラム及び/又はアプリケーションを記憶し、上記に定めたコンピュータプログラム及び/又はアプリケーションをダウンロードする観点でこれらを利用可能にする記憶媒体を提供する。
【0025】
本発明は、単に一例として与える以下の説明を読み、図面を参照することでより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態の端末を含む通信システムを示す模式図である。
【図2】図1からの端末とサーバの間の通信の方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、サーバ14と通信するようになった通信端末10を示している。より正確には、この例では、端末10は、衛星12を用いて測位されるようになっており、サーバ14は、端末10を測位するのに支援を行う(地上の)衛星測位支援サーバである。端末10は、例えば、移動電話であるか、又は自動車内に用いることができるもののようなナビゲーション端末である。
【0028】
端末10は、受信手段内の位置計算モジュール18に関連付けられたアンテナ16と、端末10のマイクロプロセッサとは別々のものであってアンテナ16によって受信された信号からマイクロプロセッサによって処理することができるデータを生成するようにこれらの信号を処理することができる「チップセット」とよばれる1つ又はそれよりも多くの集積回路とを含む衛星によって送信された信号を受信するための手段16、18を含む。
【0029】
更に、端末10は、通信ネットワーク22と通信するための手段20、24を含み、この例では、このネットワーク22は、GPRS、EDGE、又はUMTSネットワークのような移動電話ネットワーク、特に「インターネット」を用いるものである。通信手段は、アンテナ20を含み、アンテナ20は、アンテナ20によって伝送される信号を受信するための手段24に関連付けられる。
【0030】
上述の受信手段16、18、20、24が単なる例であることは明らかであろう。特に、これらの手段は、必ずしもアンテナを含むわけではなく、又はアンテナ16、20は、組み合わせることができると考えられる。
【0031】
更に、端末10は、この例では端末10を測位するための測位サービスを管理するサービス管理アプリケーション26を含む。このアプリケーションは、メモリ32のような記憶手段に関連付けられた端末10のマイクロプロセッサに実施される。
【0032】
アプリケーション26は、測位サービスを提供するために、様々なツール、例えば、表示画面28及び入力キーボード29を含む端末10のユーザとインタフェースで接続するための手段と対話することができる。また、アプリケーション26は、外部の地図製作サーバ30と対話することができ、地図を画面28上に表示するために、このサーバ30からネットワーク22を通じてこれらの地図をダウンロードすることができる。また、アプリケーション26は、特に、受信手段16から測位データを受信することができ(下記を参照されたい)、適切な場合は、ネットワーク22を通じて課金サーバ31と通信することができる。
【0033】
アプリケーション26は、端末10のデータベースのようなサービスを提供する他のツール、他のコンピュータプログラム、又は他の外部サービスと対話することができる。
【0034】
1つの変形では、アプリケーション26は、端末10以外の端末のユーザとインタフェースで接続するための手段、例えば、端末10と類似の(しかし、必ずしもインタフェース手段を含むわけではない)端末を有する子供を、端末10を測位するアプリケーション26を照会することによって測位しようと試るある一定の端末を有する大人とインタフェースで接続するための手段と対話することができる。
【0035】
更に、アプリケーション26は、コンピュータプログラム34と通信するように、特に、端末10を測位する要求をコンピュータプログラム34に送信するようになっている。更に、アプリケーション26は、測位支援を受けることを可能にするために、プログラム34がネットワーク22を通じて支援サーバ14と通信することができるのに必要な認証データとよぶデータをプログラム34に供給することができる。
【0036】
コンピュータプログラム34は、アプリケーション26及び支援サーバ14と通信する機能に加えて、衛星信号を受信するための手段18と通信することができる。
【0037】
一実施形態では、このコンピュータプログラム34は、端末10のマイクロプロセッサに実施される。別の実施形態では、コンピュータプログラム34は、受信手段内、より正確には、端末のマイクロプロセッサとは別々の計算モジュール18に実施される。プログラム34がマイクロプロセッサによって実行されることなくモジュール18に直接実施される上述の場合には、プログラム34は、特定のオペレーションを実行するように構成することができ、この実行は、特に高速なものであることになる。
【0038】
アプリケーション26に関連付けられたメモリ32は、測位支援を受けることを可能にするために、プログラム34がサーバ14と通信することができるのに必要な認証データとよぶデータDAutorを記憶することができることに注意されたい。より正確には、この認証データは、この場合はサーバ14のIPアドレス又はドメイン名、及びサーバ14へのアクセス制御のセキュリティを非常に高くする暗号非公開鍵を含み、この鍵は、アプリケーション26とサーバ14によって共有される。しかし、このデータDAutorは、複数の他の形式を取ることができ、特に、暗号鍵、IPアドレス、又はドメイン名を必ずしも含むわけではない。
【0039】
次に、図2を参照して、図1の端末によって実施される通信方法、この場合は測位法を説明する。
【0040】
本方法は、端末10の測位を要求する段階40で始まり、この要求は、端末10のユーザがこの端末のキーボード29及び画面28を用いて対話するアプリケーション26によって受け取られる。この段階40には、アプリケーション26が測位要求RLocをコンピュータプログラム34に送信する段階42が続き、この送信段階には、アプリケーション26が、測位支援を受けることを可能にするためにプログラム34がサーバ14と通信するのに必要なデータDAutorをプログラム34に供給する段階44が続く。代替的に、段階42と段階44は、同時のものとすることができる。
【0041】
段階42及び段階44には、プログラム34が端末を測位する要求RLoc、及び認証データDAutorを受信する段階46が続き、要求RLocは、データDAutorの前後又はデータDAutorと同時に受信される。段階46には、プログラム34が端末10の測位を助ける要求RAssistをサーバ14に送信する段階48、及びプログラム34が予め受信していたデータDAutorをサーバ14に供給する段階50が続く。一方が他方の前後又は他方と同時に発生する段階48、50には、サーバ14が支援要求RAssist及び認証データDAutorを受信する段階52が続く。受信段階52には、サーバ14による認証データDAutorの検証段階54が続き、この検証段階中に、例えば、データDAutorを生成するのにアプリケーション26によって用いられた暗号非公開鍵を把握しているサーバ14は、このデータDAutorがその非公開鍵を用いて生成されたことを検証する。
【0042】
プログラム34とサーバ14の間の有効な通信を設定し、サーバとプログラムの間のデータ交換を可能にすることを目的とする段階48から段階54は、他の形式を取ることができることに注意されたい。特に、本方法は、プログラム34が予め得られたデータDAutorをサーバ14に送信する段階を系統図的に含まず、プログラムとサーバの間のアクセスを確立する段階を含むことができる。これは、データDAutorがサーバ14のIPアドレスしか含まない場合とすることができ、このアドレスは、接続を設定するのに必要であるが、サーバには送信されない。更に、暗号アルゴリズムは、送信はされないが、通信を暗号化/解読することを可能にする鍵を含むことができる。
【0043】
検証段階54が肯定的な結果を有するか又は接続が設定されている場合には、サーバ14による近似的又は大雑把な測位段階56が続き、この大雑把な測位は、端末10が位置するエリアを測位することができるネットワーク22、この場合は移動電話ネットワークを用いて行われる。段階56には、サーバ14が支援データDAssistをプログラム34に送信する段階58が続き、このデータDAssistは、段階56に続いて得られた近似的な位置の関数としての情報、例えば、端末10の上方に位置して端末10の高速で効率的な測位を可能にする見込みが高い信号を発する衛星12の識別情報、又はその後の正確な測位を可能にするための端末10が位置する環境に関する補正データを含む。このデータDAssistは、他の形式を取ることができる。例えば、サーバ14は、端末10の大雑把な測位エリアの座標のみをプログラム34に送信することができ、次に、プログラム34は、それ自体で計算を実施する段階に進む。
【0044】
プログラム34がデータDAssistを受信する段階60には、データDAutorをプログラム34のバッファメモリから削除する段階61、及びプログラム34がこのデータを処理する段階62が続き、サーバ14よりも高速で正確に端末10の正確な位置を取得するために、正確な測定を行うことを可能にする命令を受信手段16、18に送信する段階64が続く。この段階64には、手段16、18が、端末34によって送信された命令を特に測定を行うことによって実行する段階66、次に、測定から得られた端末10に関する中間測位データDInterをプログラム34に送信する段階68が続き、このデータDInterは、その後の正確な測位データの生成を可能にする。
【0045】
送信段階68には、プログラム34がデータDInterを受信する段階70、更にこのデータDInterを処理する段階71が続き、この処理段階中には、例えば、受信手段によって測定されたデータDInterを段階60中にプログラムに供給されたデータDAssistの関数として補正する計算が実施される。この段階71は、測定値を補正するために測定値をサーバ14と交換する段階を含むことができる(この場合、段階71の後に削除段階61が実行される)。段階71には、測位データDLocをアプリケーション26に送信する段階72が続く。
【0046】
アプリケーション26がデータDLocを受信する段階74には、本方法の例では、アプリケーション26が、データDLocによって与えられる位置に対応する地図のネットワーク22からのダウンロードを要求する段階76が続く。段階76には、地図製作サーバ30が要求を受信する段階78、更に、サーバ30が、関係する地図を検索する段階80が続き、この地図をアプリケーション26に送信する段階82、及びアプリケーション26が端末10の位置に関連する地図を画面28上に表示する段階84が続く。更に、送信段階82には、サーバ30が、ネットワーク22を通じて課金サーバ31に測位が行われたことを警告する段階86が続き、その後、この段階には、サーバ31が、提供されたサービスに対して課金を行う段階88が続く。
【0047】
プログラム34又はアプリケーション26は、例えば、端末10内にインストールされる前に記憶媒体、例えば、CD又はDVD上に記憶することができることに注意されたい。同様に、プログラム34又はアプリケーション26は、特に「インターネット」を通じて利用可能にすることができる。
【0048】
最終的に、本発明は、上述の実施形態に限定されないことに注意されたい。
特に、プログラム34とサーバ14の間のやり取りは、正確な測定を行うために手段16、18によって行われる測定の上流で行うことができ、及び/又は測定値を補正するために測定の下流で行うことができる。
【0049】
更に、プログラム34がアプリケーション26からデータDAutorを取得する段階44は、アプリケーション26がこのデータを送信する以外の形式を取ることができる。メモリ32は、アプリケーションが書込みを行うことができるメモリであり(場合によってはアプリケーション26の外部)、読取モードにおいてこのメモリへのアクセスがプログラム34に限定されるように考えることができる。この場合、プログラムは、データDAutorをメモリ32内のこのデータを読み取ることによって取得することができる。従って、競合アプリケーション又は海賊版アプリケーションは、データDAutorを読み取る許可が与えられていないので、このデータを取得することができない。
【0050】
更に、段階88までの段階は、他の段階によって置換することができる。本発明の1つの特定の変形では、端末10を子供に持たせ、アプリケーション26は、測位処理中に端末10のインタフェースではなく、外部サーバと対話し、外部サーバに子供の位置に関するデータDLocを供給し、母親は、この位置を見つける上でこの外部サーバと通信することができることに注意されたい。
【0051】
プログラム34は、最初は支援サーバ14との通信を可能にするデータを含まないので、アプリケーション26以外のアプリケーションであって許可が与えられていないものが端末10内にダウンロードされた場合には、このアプリケーションは、端末を測位するためにサーバ14と通信することができないことは明らかであろう。この他方のアプリケーションは、場合によっては受信手段68から測位データ、例えば、GPSデータを取得することができると考えられるが、サーバ14の事前の支援、すなわち、A−GPSがなく、その結果、このデータは精度が低く、より低速で得られるであろう。
【符号の説明】
【0052】
DAutor サーバと通信するのに必要なデータ
RLoc 要求
14 サーバ
26 アプリケーション
34 ソフトウエア
42 要求を送信する段階
44 DAutorを取得する段階

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションと、サーバ(14)と通信するようになったコンピュータプログラムとを含む端末(10)の該サーバ(14)との通信の方法であって、
アプリケーション(26)が要求(RLoc)をプログラム(34)に送信する段階(42)と、
前記プログラム(34)が、該プログラム(34)が前記サーバ(14)と通信を行うのに必要であり、かつ該サーバが前記要求を実行するのに必要なデータ(DAutor)を前記アプリケーション(26)から取得する段階(44)と、
を特徴とする方法。
【請求項2】
前記取得されたデータ(DAutor)は、それが前記サーバに送信された後に前記プログラムにおいて削除されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
プログラムがプロセッサによって実行された時に、
a.要求(RLoc)を受信する段階、
b.サーバ(14)と通信を行うのに必要であり、かつ該サーバ(14)が前記要求を実行するのに必要なデータ(DAutor)を取得する段階(44)、
を実行するコード命令、
を含むことを特徴とするコンピュータプログラム(34)。
【請求項4】
プロセッサによって実行された時に、
要求(RLoc)をプログラム(34)に送信する段階と、
前記プログラム(34)とサーバ(14)の間の通信に必要なデータ(DAutor)を供給する段階と、
を実行するコード命令、
を含むことを特徴とするアプリケーション(26)。
【請求項5】
サーバ(14)と通信するようになった通信端末(10)であって、
アプリケーション(26)と、
プログラム(34)と、
を含み、
前記アプリケーション(26)は、要求(RLoc)を前記プログラム(34)に送信する(42)ようになっており、
前記コンピュータプログラム(34)は、該プログラム(34)が前記サーバ(14)と通信を行って前記要求の実行を可能にするのに必要なデータ(DAutor)を前記アプリケーションから取得するようになっている、
ことを特徴とする端末。
【請求項6】
請求項3に記載のコンピュータプログラム(34)が記憶された記憶媒体。
【請求項7】
請求項4に記載のアプリケーション(26)が記憶された記憶媒体。
【請求項8】
請求項3に記載のコンピュータプログラム(34)をそれをダウンロードする観点で利用可能にする段階。
【請求項9】
請求項4に記載のアプリケーション(26)をそれをダウンロードする観点で利用可能にする段階。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−532512(P2010−532512A)
【公表日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−514068(P2010−514068)
【出願日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【国際出願番号】PCT/FR2008/051178
【国際公開番号】WO2009/007611
【国際公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(591034154)フランス・テレコム (290)
【Fターム(参考)】