端末のリモートサポートシステム、リモートサポート方法
【課題】リモート操作を受けるユーザが、リモート操作を受けた手順を学習することが可能なリモートシステム、サポート方法を提供する。
【解決手段】サポートサーバ100は、ユーザ端末10からのサポート要求に応じて、ユーザ端末10の設定情報を取得し、サポート端末150から、サポート要求に対する操作をサポート者から受付け、サポートサーバは、サポート者から受付けた操作を、ユーザ端末からのサポート要求に対応した設定を行う設定コマンドとして、ユーザ端末に送信する。ユーザ端末10は、送信された設定コマンドに基づいて、当該サポート要求に応じた設定を実行する際に、当該サポート要求に応じた設定を行うためのユーザインターフェースを段階的に演出表示する。
【解決手段】サポートサーバ100は、ユーザ端末10からのサポート要求に応じて、ユーザ端末10の設定情報を取得し、サポート端末150から、サポート要求に対する操作をサポート者から受付け、サポートサーバは、サポート者から受付けた操作を、ユーザ端末からのサポート要求に対応した設定を行う設定コマンドとして、ユーザ端末に送信する。ユーザ端末10は、送信された設定コマンドに基づいて、当該サポート要求に応じた設定を実行する際に、当該サポート要求に応じた設定を行うためのユーザインターフェースを段階的に演出表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、公衆回線網を介して接続されたユーザの端末を、リモートからサポートするサポートシステム、リモートサポート方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、公衆回線網に接続された携帯端末をWebサーバ等と接続することで、ユーザに様々なサービスが提供されている。特に、スマートフォン(高機能携帯電話)の登場により、従来、パソコンに対して行われていた高度なサービスを、携帯電話で行うことが可能になってきた。
【0003】
また、サーバが提供するサービスではなく、スマートフォン単独でも、様々な機能がそれ自体に搭載されている。したがって、ユーザは、搭載されている全ての機能を熟知するには時間がかかることが多い。例えば、ユーザが所望する機能が、スマートフォンに搭載されていても、その機能を設定する方法が不明であるため、ユーザがその機能を活用することができないといった問題も生じている。
【0004】
したがって、このような高度なWebサービスや、高度なスマートフォンの機能を最大限、利用するには、スマートフォンに対する設定操作や機能を、ユーザは熟知する必要がある。さらに、操作に不慣れなユーザが、端末に対して、初めての設定を行うと、削除すべきでない設定情報を削除してしまったり、適切でない設定を行うことでエラーを発生させてしまう場合も多い。
【0005】
このような課題に対して、ユーザの端末に対して、システムからリモートサポート(遠隔保守)を行うことで、ユーザの端末を遠隔から設定したり、遠隔からユーザを指導する方法が知られている。例えば、特許文献1では、サポート対象となる各クライアントの画面情報をサーバ側で取得し、サーバでこの画面情報を、常時、一覧表示することで、クライアントに対するサポート及び監視の効率を向上させることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−6062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一方、サポートを円滑に行うために、サポートの端末からユーザの端末に、ユーザが望む設定のためのコマンドを送信して、クライアントの設定をサポート側から行なってしまうことが考えられる。例えば、ユーザが、サウンド設定において、所定の着信音を設定できない場合に、サーバからユーザの端末に、着信音を所定の着信音に設定する設定コマンドを送信し、設定を完了する方法が考えられる。
【0008】
しかしながら、この設定コマンドを、単にサーバからユーザの端末に送信して設定する方法では、ユーザが設定のための操作方法を意識することなく、設定が完了してしまう。この場合、ユーザは、再度、同じような設定を行う際に、自らの操作で設定することができない場合がある。さらに、ユーザ端末10に対して、一の設定を行うにも、いくつもの段階的な操作を経て、設定したい項目に到達できる場合がある。このような場合は、この段階的な操作の全てを理解しておかなくては、設定が完了できない。
【0009】
本発明は、この課題に鑑み、端末のリモート操作において、リモート操作を受けるユーザが、リモート操作を受けた手順を学習することが可能なリモートシステム、サポート方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0011】
第1の特徴に係る発明は、端末と、当該端末をリモート操作するリモート端末と、リモートサーバとを備えるリモートシステムであって、
前記リモートサーバは、
前記端末からのリモート要求に応じて、当該端末に記憶されたデータを取得するデータ取得モジュール、を備え、
前記リモート端末は、
前記端末からのリモート要求に対する操作をサポート者から受付ける操作受付モジュールを備え、
前記リモートサーバは、さらに、
前記リモート者から受付けた操作を、前記端末からのリモート要求に対応した操作を行うコマンドとして、前記端末に送信するコマンド送信モジュールを備え、
前記端末は、
前記コマンド送信モジュールにより送信されたコマンドに基づいて、当該リモート要求に対する前記サポート者の操作を前記端末に反映する際に、前記端末を操作するユーザが、当該端末で当該リモート要求に応じた操作を自ら行うためのユーザインターフェースを、段階的に表示する演出モジュールを備えるサポートシステムを提供する。
【0012】
第1の特徴に係る発明によれば、リモートサーバは、端末からのリモート要求に応じて、当該端末に記憶されたデータを取得し、リモート端末は、端末からのリモート要求に対する操作をサポート者から受付ける。そして、リモートサーバは、さらに、リモート者から受付けた操作を、端末からのリモート要求に対応した操作を行うコマンドとして、端末に送信する。加えて、端末は、ここで送信されたコマンドに基づいて、当該リモート要求に対するサポート者の操作を端末に反映する際に、端末を操作するユーザが、端末で当該リモート要求に応じた操作を自ら行うためのユーザインターフェースを、段階的に表示する。
【0013】
したがって、リモートサーバは、リモート要求を端末から受けて、このリモート要求に対応したコマンドにより、リモート要求された事項の反映を完了させるとともに、この設定を行うためのユーザインターフェースを段階的に端末に表示させることで、端末を操作するユーザが、リモート要求した操作方法を学ぶことが可能である。
【0014】
第2の特徴に係る発明は、端末と、当該端末をサポートするサポート端末と、サポートサーバとを備えるサポートシステムであって、
前記サポートサーバは、
前記端末からのサポート要求に応じて、当該端末のソフトウェア的な又はハードウェア的な設定情報を取得する設定情報取得モジュール、を備え、
前記サポート端末は、
前記端末からのサポート要求に対する操作をサポート者から受付ける設定操作受付モジュールを備え、
前記サポートサーバは、さらに、
前記サポート者から受付けた操作を、前記端末からのサポート要求に対応した設定を行う設定コマンドとして、前記端末に送信するコマンド送信モジュールを備え、
前記端末は、
前記コマンド送信モジュールにより送信された設定コマンドに基づいて、当該サポート要求に応じた設定を実行する際に、当該端末で、当該サポート要求に応じた設定を行うためのユーザインターフェースを段階的に表示する設定演出モジュールを備えるサポートシステムを提供する。
【0015】
第2の特徴に係る発明によれば、サポートサーバは、端末からのサポート要求に応じて、当該端末のソフトウェア的な又はハードウェア的な設定情報を取得し、サポート端末は、端末からのサポート要求に対する操作をサポート者から受付け、サポートサーバは、さらに、サポート者から受付けた操作を、端末からのサポート要求に対応した設定を行う設定コマンドとして、端末に送信する。端末は、これに応じて、送信された設定コマンドに基づいて、当該サポート要求に応じた設定を実行する際に、当該端末で、当該サポート要求に応じた設定を行うためのユーザインターフェースを段階的に表示する。
【0016】
したがって、サポートサーバは、サポート要求を端末から受けて、このサポート要求に対応した設定を行う設定コマンドを端末に送信することにより、端末の設定を完了させるとともに、この設定を行うためのユーザインターフェースを段階的に端末に表示させることで、端末を設定するユーザが設定操作の学習をすることが可能である。
【0017】
第2の特徴に係る発明は、発明のカテゴリにおいてシステムのみならず、方法においても同様の作用・効果を奏する。
【0018】
第3の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明であって、前記サポートサーバは、
前記端末から前記端末の表示画面に対応する画像ID、文字列の少なくともいずれか一方を取得する画面情報取得モジュールと、
取得した前記設定情報と、取得した前記画像ID、前記文字列に対応した表示画面を前記サポート端末に表示する端末情報出力モジュールと、を備えるサポートシステムを提供する。
【0019】
第3の特徴に係る発明によれば、サポートサーバは、端末から、端末の画面情報に対応する画像ID、文字列の少なくともいずれか一方を取得し、取得した画像ID、文字列の少なくともいずれか一方に対応した画像を、サポート端末に表示する。
【0020】
したがって、サポートサーバは、端末の画面情報をサポート端末に表示させることが可能である。この際に、端末の画面情報そのものを送受信するのではなく、画像ID、文字列の送受信により対応した画像の表示処理を行うので、端末とサポートサーバ間のデータ転送量を削減し、サポート時間のロスを回避することが可能である。さらに、このデータ転送量を削減した状態で、端末に段階的に表示させたユーザインターフェースを、サポート端末側でも、この演出が行われているか否かを確認することが可能である。
【0021】
第4の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明であって、前記設定演出モジュールは、段階的に表示した、前記ユーザインターフェースを、前記端末のユーザの操作に応じて再表示する再表示モジュールを備える、サポートシステムを提供する。
【0022】
したがって、端末を所有するユーザは、以前に、段階的に表示されたユーザインターフェースを、再表示させることが可能である。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、リモートシステムにより、リモート操作を受けるユーザが、リモート操作を受けた手順を学習することが可能なリモートシステム、サポート方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、サポートシステム1の構成図である。
【図2】図2は、サポートサーバ100、ユーザ端末10、サポート端末150の機能ブロック図である。
【図3】図3は、サポートサーバ100、ユーザ端末10、サポート端末150が実行するリモートサポート処理を示すフローチャート図である。
【図4】図4は、設定コマンド対応テーブルを示す図である。
【図5】図5は、ユーザ端末10が実行するユーザインターフェース演出処理を示すフローチャート図である。
【図6】図6は、サポート端末150に表示される画面イメージ図である。
【図7】図7は、ユーザ端末10に表示される画面イメージ図(基本設定画面)である。
【図8】図8は、ユーザ端末10に表示される画面イメージ図(サウンド設定画面)である。
【図9】図9は、ユーザ端末10が実行する画面情報分析処理を示すフローチャート図である。
【図10】図10は、画像ID対応テーブルを示す図である。
【図11】図11は、ユーザ端末10に表示される画面情報を説明する図である。
【図12】図12は、画像ID・文字列対応テーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0026】
以下では、本発明の好適な実施形態として、リモートシステムをリモートサポートシステムに適用した例について説明する。本発明において、ユーザ端末10に対してリモート操作することは、ユーザ端末10にサポートをリモートから行う用途で使用される場合について説明する。後述するサポートサーバは、一般的には、リモートサーバであってよい。サポート要求は、一般的には、リモート要求であってよい。
【0027】
[サポートシステムのシステム構成]
図1は、本発明の好適な実施形態であるサポートシステム1のシステム構成図である。サポートシステム1は、ユーザ端末10a〜10c(以下、単に「10」とする)、サポートサーバ100、公衆回線網3(インターネット網や第3世代、第4世代通信網など)、サポート端末150から構成される。
【0028】
ユーザ端末10は、公衆回線網3を介して、サポートサーバ100と通信可能に接続されている。サポートサーバ100とサポート端末150は、LAN(Local Area Network)で接続されていてもよいし、公衆回線網3を介して接続されていてもよい。サポートシステム1内の通信は、無線通信、有線通信を問わない。ユーザ端末10が公衆回線網3と接続するために、ルータ等のネットワーク機器を介して通信可能であってよい。
【0029】
ユーザ端末10は、ユーザがサポートを受けるための一般的な情報端末であってよく、後述する機能を備える情報機器や電化製品である。ユーザ端末10は、例えば、携帯電話、スマートフォン10b、複合型プリンタ、テレビ10a、ルータ又はゲートウェイ等のネットワーク機器、コンピュータ10cに加えて、冷蔵庫、洗濯機等の白物家電であってもよいし、電話機、ネットブック端末、スレート端末、電子書籍端末、電子辞書端末、携帯型音楽プレーヤ、携帯型コンテンツ再生・録画プレーヤ等の一般的な情報家電であってよい。
【0030】
サポート端末150は、ユーザ端末10に対してサポートを行うサポート者が使用する一般的な情報端末である。
【0031】
[各機能の説明]
図2は、サポート端末150、サポートサーバ100、ユーザ端末10の機能ブロックと各機能の関係を示す図である。
【0032】
ユーザ端末10及びサポート端末150は、制御部として、CPU(Central Processing Unit),RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部として、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi(Wireless Fidelity対応デバイス又は、第3世代移動通信システム等のIMT−2000規格に準拠した無線デバイス等を備える(有線によるLAN接続であってもよい)。
【0033】
さらに、ユーザ端末10及びサポート端末150は、出力・入力部として、制御部で制御したデータや画像を出力表示する表示部を備え、かつ、ユーザやサポート者からの入力を受付けるタッチパネルやキーボード、マウス等を備える。加えて、ユーザ端末10及びサポート端末150は、記憶部として、ハードディスクや半導体メモリによる、データのストレージ部を備える。
【0034】
ユーザ端末10において、制御部がアプリケーション層の所定のプログラムを読み込むことで、通信部、出力・入力部、記憶部と協働して、設定情報送信モジュール11、画面情報送信モジュール12、設定演出モジュール13、設定実行モジュール14、再表示モジュール15、画面情報分析モジュール17を実現する。ユーザ端末10の記憶部の一部が、演出画像ストレージ16を実現する。各モジュールの具体的な機能については、図3に基づいて説明する。
【0035】
サポート端末150において、制御部が所定のアプリケーション層の所定のプログラムを読み込むことで、通信部、出力・入力部、記憶部と協働して、端末情報表示モジュール151、設定操作受付モジュール152とを実現する。各モジュールの具体的な機能については、図3に基づいて説明する。
【0036】
サポートサーバ100は、制御部として、CPU(Central Processing Unit),RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部として、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi(Wireless Fidelity)対応デバイスを備える(有線であってもよい)。加えて、サポートサーバ100は、記憶部として、ハードディスクや半導体メモリによる、データのストレージ部を備える。
【0037】
サポートサーバ100の制御部が所定のアプリケーション層の所定のプログラムを読み込むことで、通信部、記憶部と協働して、設定情報取得モジュール101、画面情報取得モジュール102、端末情報出力モジュール103、コマンド送信モジュール104を実現する。各モジュールの機能については、図3に基づいて説明する。
【0038】
[リモートサポート処理]
図3は、ユーザ端末10、サポートサーバ100、サポート端末150が実行するリモートサポート処理のフローチャートである。
【0039】
ユーザ端末10は、ユーザからサポートを要求する操作を受付ける(ステップS01)。ユーザ端末10には、リモートサポートを受けるためのアプリケーションがインストールされており、例えば、このアプリケーションを起動する操作をユーザから受付ける。
【0040】
ユーザ端末10が、ユーザからサポートを要求する操作を受付けた場合(ステップS01:「YES」)には、ユーザ端末10は、サポートサーバ100に接続して、サポート要求があった旨をサポートサーバ100に通知して、ステップS02に処理を移す。ユーザ端末10が、ユーザからサポートを要求する操作を受付けない場合(ステップS01:「NO」)は、ステップS01の処理をループする。
【0041】
次に、サポートサーバ100の設定情報取得モジュール101は、ユーザ端末10の設定情報の取得を要求する(ステップS02)。
【0042】
設定情報とは、ユーザ端末10にハードウェアとして設定されているデータ及び、ソフトウェアとして設定されているデータである。サポートサーバ100は、ユーザ端末10に記憶されている全ての設定情報を取得要求しなくてよく、サポートサーバ100が取得する設定情報は、ユーザ端末10の機種ごとに、サポートサーバ100に予め定められていてよい。一例として、図6に示すように、サポート端末150に表示されるサポート画面155では、サウンド設定のマナーモードの設定が「有効」であったり、着信音量が「29」であることが、ソフトウェアとして設定される設定情報である。なお、設定情報に加えて、図6に示す、お客様情報(電話番号、端末のモデル名、ネットワーク)を取得要求してもよい。
【0043】
この要求に応じて、ユーザ端末10の設定情報送信モジュール11は、サポートサーバ100に要求された設定情報を送信する(ステップS03)。
【0044】
サポートサーバ100の設定情報取得モジュール101は、ユーザ端末10から送信された設定情報を受信し、取得する(ステップS04)。サポートサーバ100は、任意のサポート端末150を選択して、設定情報を取得したことを選択したサポート端末150に通知する。
【0045】
この通知に応じて、選択されたサポート端末150の端末情報表示モジュール151は、サポート者から操作に応じて、サポートサーバ100にアクセスすることで、サポートサーバ100の端末情報出力モジュール103が、設定情報をサポート端末150に表示させる(ステップS05)。一例として、図6に示すようなサポート画面155がサポート端末150に表示される。
【0046】
次に、サポート端末150の設定操作受付モジュール152は、ユーザからのサポート要求に対する解決策となる設定操作をサポート者から受付ける(ステップS06)。サポート者から設定操作を受付けた場合(ステップS06:「YES」)には、その設定操作をサポートサーバ100に送信し、ステップS07に移行する。サポート者から設定操作を受付けない場合(ステップS06:「NO」)は、サポート者からの入力待ちとなり、ステップS06をループする。
【0047】
サポートサーバ100のコマンド送信モジュール104は、サポート端末150からの設定操作を受信すると、その設定操作に対応する設定コマンドを生成し(ステップS07)、生成した設定コマンドをユーザ端末10に送信する(ステップS08)。その後、ステップS09に処理を移す。
【0048】
設定コマンドとは、サポートサーバ100が、サポートの要求をした設定を、ユーザ端末10に対して行わせるコマンドである。例えば、ユーザ端末10のサウンド設定が、所定のコンフィグレーションファイルに記述されることで設定されている場合には、このコンフィグレーションファイルをユーザが望む設定に更新することで、サウンド設定が変更される。この際に、サポートサーバ100が、所定のコマンドを送信して、ユーザ端末10に記憶されているコンフィグレーションファイルを入れ替えたり、記述を変更する。ここで送信した所定のコマンドが、設定コマンドである。
【0049】
図4の設定コマンド対応テーブルに示すように、サポート端末150から受付けた設定操作と、生成する設定コマンドは、予め対応付けられてサポートサーバ100に記憶されている。設定コマンドは、設定コマンド対応テーブル内のコマンドそのものであってもよいが、サポート端末150から入力された文字列、数値を設定コマンド対応テーブル内のコマンドに含めて、設定コマンドを生成してもよい。図4の例では、設定操作が「音量変更操作」であって、着信音量変更を「音量15」に設定する操作である。この場合に対応する設定コマンドは、着信音量コマンド1である。
【0050】
次に、サポートサーバ100は、設定演出データをユーザ端末10に送信する(ステップS09)。ユーザ端末10の設定演出モジュール13は、サポートサーバ100から送信された設定演出データを受信し、受信した設定演出データを演出画像ストレージ16に記憶し、ユーザインターフェースの演出処理を実行する(ステップS10)。
【0051】
設定演出データとは、サポート要求した設定を、ユーザが自らユーザ端末10を操作して設定する際に、ユーザ端末10に段階的に表示されるユーザインターフェースに関するデータである。すなわち、設定演出データは、このユーザインターフェースを、ユーザ端末10に段階的に表示するシナリオデータと、このシナリオデータを実行させるためのコマンドから構成される。
【0052】
シナリオデータとは、ユーザがサポート要求した設定を、自らユーザ端末10を操作して設定するために、ユーザ端末10に表示するユーザインターフェースについて、どのユーザインターフェースを、どの順番で表示し、どのような操作で次のユーザインターフェースに移行するかといった取り決めを定めたデータである。図4の例では、設定演出データは、着信音量シナリオ1であって、最初に、設定ウィンドウを表示し、次に、サウンド設定の選択表示をして・・というシナリオで構成されている。設定演出データは、このシナリオデータを、ユーザ端末10に実行させるためのコマンドを含む。
【0053】
設定演出データは、図4の設定コマンド対応テーブルのように、設定操作、設定コマンドと予め対応付けられている。したがって、サポートサーバ100は、設定操作、設定コマンドが決定すれば、設定演出データも決定する。図4の例では、設定コマンド「着信音量コマンド1」に対応する設定演出データは、「着信音量シナリオ1」である。
【0054】
次に、ユーザ端末10の設定実行モジュール14は、サポートサーバ100から受信した設定コマンドを実行する(ステップS11)。すなわち、設定実行モジュール14は、サポートサーバ100から受信した設定コマンドを実行することで、サポート要求した項目を実際に設定させることができる。例えば、先の例では、ユーザ端末10の着信音量を音量15に設定することが可能である。
【0055】
[ユーザインターフェースの演出処理]
図5、図7、図8に基づいて、ユーザ端末10の設定演出モジュール13が実行し、上述のステップS10に対応するユーザインターフェースの演出処理について説明する。最初に、設定演出モジュール13は、ユーザ端末10の表示部に、サポート要求した設定のユーザインターフェースの演出が始まるメッセージを表示し、演出を開始してよいかの操作を受付ける。このユーザからの演出開始の操作に応じて、ステップS30の処理を開始する。
【0056】
設定演出モジュール13は、設定演出データのシナリオデータに基づいて、ユーザインターフェースの演出処理を実行する。図5のシナリオデータは、ユーザ端末10の着信音量を設定するシナリオである。このシナリオは、三段階の画面表示(基本設定画面、サウンド設定画面、着信音設定画面)で構成されている。この例のように、シナリオが必ずしも三段階で構成されるというものではなく、その設定が完了するまで必要な画面構成数が段階数となる。この例では、最初に、ユーザ端末10の表示部に「着信音量を設定するデモを行ないます。画面をタップしてください。」等のメッセージが表示されてもよい。
【0057】
最初に、設定演出モジュール13は、基本設定画面の表示を行う(ステップS30)。基本設定画面とは、図7に示すような画面であって、ユーザ端末10の通信設定(無線とネットワーク)、サウンド設定、メール設定、アプリケーション設定・・など、ユーザ端末10の基本的な設定を行う画面である。ここで、基本設定画面において、ユーザがこの画面で操作すべき項目を強調表示してもよい。すなわち、図7に示すように、この場合、シナリオが「着信音量の設定」であるので、次にユーザが操作すべきアイコンとして、サウンド設定54の項目を強調表示してよい。
【0058】
次に、設定演出モジュール13は、ユーザからの操作待ちとなる(ステップS31)。例えば、図7に示す、次へアイコン55を操作した場合(ステップS31:「YES」)には、次の段階のユーザインターフェースを表示するために、ステップS32に移行する。次へアイコン55を操作するまで(ステップS31:「NO」)は、本処理の処理待ちとなる。
【0059】
次に、第2段階として、設定演出モジュール13は、サウンド設定画面を表示する(ステップS32)。サウンド設定画面とは、図8に示すようなユーザ端末10のサウンド関連を設定する画面である。通常、ユーザがユーザ端末10に対して、基本設定画面で、サウンド設定の項目を選択操作すると、サウンド設定画面が表示される。このサウンド設定画面においても、ユーザがこの画面で操作すべき項目を強調表示してもよい。すなわち、図8に示すように、この場合、シナリオが「着信音量の設定」であるので、次にユーザが操作すべきアイコンとして、電話着信音57の項目を強調表示してよい。
【0060】
次に、同様に、設定演出モジュール13は、ユーザからの操作待ちとなる(ステップS33)。例えば、図8に示す、次へアイコン56を操作した場合(ステップS33:「YES」)には、次の段階のユーザインターフェースを表示するために、ステップS34に移行する。次へアイコン55を操作するまで(ステップS33:「NO」)は、本処理の処理待ちとなる。
【0061】
次に、第3段階として、設定演出モジュール13は、電話着信音設定画面を表示する(ステップS34)。電話着信音設定画面は、電話着信音を設定するための画面である。図示しないが、通常、この画面を操作することで、ユーザはユーザ端末10の着信音量を変更できる。ここでは、実際に、ユーザ端末10の着信音量を変更設定しないが、変更するためのユーザインターフェースは、変更完了となるまで演出表示する。
【0062】
なお、ステップS31、S33では、ユーザからの操作を受信するか否かにより、次のステップに移行しているが、例えば、ユーザからの操作を受信せずに、所定時間経過したら、次のステップに移行してもよい。
【0063】
[設定演出データの再表示]
上述のように、設定コマンドがサポートサーバ100から送信され、ユーザ端末10に設定が実行されるタイミングのみで、設定演出データがユーザ端末10に表示されるのではなく、一度、受信した設定演出データは、演出画像ストレージに記憶され、ユーザからの任意の表示要求に応じて、再表示可能に構成されてよい。この場合は、再表示モジュール15が、ユーザから再表示を要求する操作を受付けて、演出画像ストレージに記憶された設定演出データを読み出し、段階的に表示したユーザインターフェースを再表示する。
【0064】
[画面情報分析処理]
一方、リモートサポート処理のステップS02からステップS05までの処理に並行して、ユーザ端末10は、図9の画面情報分析処理を実行する。すなわち、ステップS01と同様に、ユーザ端末10は、サポート要求があったと判断した場合(ステップS20:「YES」)は、ステップS21に処理を移す。サポート要求があるまでは、ステップS01と同様に処理待ちとなる(ステップS20:「NO」)。
【0065】
画面情報とは、原則的には、ユーザ端末10に表示されている画面イメージ全体である。例えば、ユーザ端末10の表示部の領域を越えて、画面イメージが存在する場合(ユーザ端末10の画面をスクロールすると表示される領域が存在する場合)には、表示部の領域を超えた部分を含む。
【0066】
ユーザ端末10の画面情報分析モジュール17は、現在、ユーザ端末10の表示部に表示されている画像及び文字列の分析を行う(ステップS21)。画面情報分析モジュール17は、最初に、表示部に表示されている文字列を抽出する。
【0067】
一方、ユーザ端末10には、図10に示す画像ID対応テーブルが予め記憶されている。すなわち、画像ID対応テーブルは、ユーザ端末10の表示部に表示されるアイコン画像が画像IDとともに対応づけられたテーブルである。この画像ID対応テーブルを参照して、画面情報分析モジュール17は、現在、表示部に表示されている画像のうち、画像IDに対応するアイコン画像があるか否かを判断する。この結果、画面情報分析モジュール17は、抽出された文字列と、画面上に存在したアイコン画像に対応する画像IDを決定する(ステップS22)。
【0068】
なお、画像ID対応テーブルは、サポートサーバ100にのみ記憶されていて、画面情報分析処理が開始すると、ユーザ端末10がサポートサーバ100からダウンロードして、ユーザ端末10に記憶してもよい。
【0069】
次に、画面情報送信モジュール12は、決定した画像IDと文字列を、サポートサーバ100に送信する(ステップS23)。
【0070】
一例として、ユーザ端末10の表示部に、図11の画面情報62が表示されている場合で上述の処理を説明する。画面情報分析モジュール17は、文字列を検索することで、「設定」、「無線とネットワーク」、「サウンド設定」を抽出する。そして、図10に示す、画像ID対応テーブルを参照して、画像ID「001」、「002」が対応するアイコン画像が存在すると判断する。したがって、文字列「設定」、「無線とネットワーク」、「サウンド設定」を決定し、画像ID「001」、「002」を決定し、これらのデータをサポートサーバ100に送信する。
【0071】
一方、サポートサーバ100の画面情報取得モジュール102は、図12示す、画像ID・文字列対応テーブルを参照して、取得した画像ID及び文字列に対応する対応画像データを決定する。上記の例の場合では、文字列「設定」、「無線とネットワーク」、「サウンド設定」を決定し、画像ID「001」、「002」では、対応画像データは、「Sound1.png」になる。
【0072】
対応画像データは、原則的には、ユーザ端末10に表示されている画面イメージ全体に対応する画像データである。例えば、ユーザ端末10の表示部の領域を越えて、画面イメージが存在する場合(ユーザ端末10の画面をスクロールすると表示される領域が存在する場合)には、表示部の領域を超えた部分を含む画像データである。
【0073】
サポートサーバ100の端末情報出力モジュール103は、サポート端末150からの要求に応じて、決定した対応画像データをサポート端末150に表示する。図6の例に示すように、サポート端末150には、ユーザ画面イメージ158の箇所に、ユーザ端末10に表示されている画面情報62と同じ画像が表示されている。したがって、サポート者は、ユーザが視認している画面情報を把握することが可能である。
【0074】
なお、画面情報分析処理は、ステップS20において、サポート要求があったタイミングで始動するが、ユーザ端末10の表示部に表示される画面情報が更新されるたびに、ステップS21からステップS23が実行される。これにより、常に、サポート端末150に、ユーザ端末10に表示さている画面情報と同じ画像が表示される。
【0075】
なお、ユーザ端末10に記憶される画像ID対応テーブルと、画像ID・文字列対応テーブルは、ユーザ端末10の機種毎に異なるテーブルが設けられている。すなわち、リモートサポート処理のステップS04の設定情報において、サポートサーバ100は、ユーザ端末10の機種名を取得しておく。そして、この取得した機種名に基づいて、画像ID・文字列対応テーブルを参照して、対応画像データを決定する。
【0076】
なお、上述の説明では、文字列と画像IDとの両方で、一つの対応画像データが決定されているが、文字列と画像IDのどちらか一方で、一つの対応画像データが決定されてもよい。
【0077】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU,情報処理装置,各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD(CD−ROMなど)、DVD(DVD−ROM、DVD−RAMなど)等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送し記憶して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記憶装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0078】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0079】
1 サポートシステム、3 公衆回線網、10 ユーザ端末、100 サポートサーバ、150 サポート端末
【技術分野】
【0001】
本発明は、公衆回線網を介して接続されたユーザの端末を、リモートからサポートするサポートシステム、リモートサポート方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、公衆回線網に接続された携帯端末をWebサーバ等と接続することで、ユーザに様々なサービスが提供されている。特に、スマートフォン(高機能携帯電話)の登場により、従来、パソコンに対して行われていた高度なサービスを、携帯電話で行うことが可能になってきた。
【0003】
また、サーバが提供するサービスではなく、スマートフォン単独でも、様々な機能がそれ自体に搭載されている。したがって、ユーザは、搭載されている全ての機能を熟知するには時間がかかることが多い。例えば、ユーザが所望する機能が、スマートフォンに搭載されていても、その機能を設定する方法が不明であるため、ユーザがその機能を活用することができないといった問題も生じている。
【0004】
したがって、このような高度なWebサービスや、高度なスマートフォンの機能を最大限、利用するには、スマートフォンに対する設定操作や機能を、ユーザは熟知する必要がある。さらに、操作に不慣れなユーザが、端末に対して、初めての設定を行うと、削除すべきでない設定情報を削除してしまったり、適切でない設定を行うことでエラーを発生させてしまう場合も多い。
【0005】
このような課題に対して、ユーザの端末に対して、システムからリモートサポート(遠隔保守)を行うことで、ユーザの端末を遠隔から設定したり、遠隔からユーザを指導する方法が知られている。例えば、特許文献1では、サポート対象となる各クライアントの画面情報をサーバ側で取得し、サーバでこの画面情報を、常時、一覧表示することで、クライアントに対するサポート及び監視の効率を向上させることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−6062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一方、サポートを円滑に行うために、サポートの端末からユーザの端末に、ユーザが望む設定のためのコマンドを送信して、クライアントの設定をサポート側から行なってしまうことが考えられる。例えば、ユーザが、サウンド設定において、所定の着信音を設定できない場合に、サーバからユーザの端末に、着信音を所定の着信音に設定する設定コマンドを送信し、設定を完了する方法が考えられる。
【0008】
しかしながら、この設定コマンドを、単にサーバからユーザの端末に送信して設定する方法では、ユーザが設定のための操作方法を意識することなく、設定が完了してしまう。この場合、ユーザは、再度、同じような設定を行う際に、自らの操作で設定することができない場合がある。さらに、ユーザ端末10に対して、一の設定を行うにも、いくつもの段階的な操作を経て、設定したい項目に到達できる場合がある。このような場合は、この段階的な操作の全てを理解しておかなくては、設定が完了できない。
【0009】
本発明は、この課題に鑑み、端末のリモート操作において、リモート操作を受けるユーザが、リモート操作を受けた手順を学習することが可能なリモートシステム、サポート方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0011】
第1の特徴に係る発明は、端末と、当該端末をリモート操作するリモート端末と、リモートサーバとを備えるリモートシステムであって、
前記リモートサーバは、
前記端末からのリモート要求に応じて、当該端末に記憶されたデータを取得するデータ取得モジュール、を備え、
前記リモート端末は、
前記端末からのリモート要求に対する操作をサポート者から受付ける操作受付モジュールを備え、
前記リモートサーバは、さらに、
前記リモート者から受付けた操作を、前記端末からのリモート要求に対応した操作を行うコマンドとして、前記端末に送信するコマンド送信モジュールを備え、
前記端末は、
前記コマンド送信モジュールにより送信されたコマンドに基づいて、当該リモート要求に対する前記サポート者の操作を前記端末に反映する際に、前記端末を操作するユーザが、当該端末で当該リモート要求に応じた操作を自ら行うためのユーザインターフェースを、段階的に表示する演出モジュールを備えるサポートシステムを提供する。
【0012】
第1の特徴に係る発明によれば、リモートサーバは、端末からのリモート要求に応じて、当該端末に記憶されたデータを取得し、リモート端末は、端末からのリモート要求に対する操作をサポート者から受付ける。そして、リモートサーバは、さらに、リモート者から受付けた操作を、端末からのリモート要求に対応した操作を行うコマンドとして、端末に送信する。加えて、端末は、ここで送信されたコマンドに基づいて、当該リモート要求に対するサポート者の操作を端末に反映する際に、端末を操作するユーザが、端末で当該リモート要求に応じた操作を自ら行うためのユーザインターフェースを、段階的に表示する。
【0013】
したがって、リモートサーバは、リモート要求を端末から受けて、このリモート要求に対応したコマンドにより、リモート要求された事項の反映を完了させるとともに、この設定を行うためのユーザインターフェースを段階的に端末に表示させることで、端末を操作するユーザが、リモート要求した操作方法を学ぶことが可能である。
【0014】
第2の特徴に係る発明は、端末と、当該端末をサポートするサポート端末と、サポートサーバとを備えるサポートシステムであって、
前記サポートサーバは、
前記端末からのサポート要求に応じて、当該端末のソフトウェア的な又はハードウェア的な設定情報を取得する設定情報取得モジュール、を備え、
前記サポート端末は、
前記端末からのサポート要求に対する操作をサポート者から受付ける設定操作受付モジュールを備え、
前記サポートサーバは、さらに、
前記サポート者から受付けた操作を、前記端末からのサポート要求に対応した設定を行う設定コマンドとして、前記端末に送信するコマンド送信モジュールを備え、
前記端末は、
前記コマンド送信モジュールにより送信された設定コマンドに基づいて、当該サポート要求に応じた設定を実行する際に、当該端末で、当該サポート要求に応じた設定を行うためのユーザインターフェースを段階的に表示する設定演出モジュールを備えるサポートシステムを提供する。
【0015】
第2の特徴に係る発明によれば、サポートサーバは、端末からのサポート要求に応じて、当該端末のソフトウェア的な又はハードウェア的な設定情報を取得し、サポート端末は、端末からのサポート要求に対する操作をサポート者から受付け、サポートサーバは、さらに、サポート者から受付けた操作を、端末からのサポート要求に対応した設定を行う設定コマンドとして、端末に送信する。端末は、これに応じて、送信された設定コマンドに基づいて、当該サポート要求に応じた設定を実行する際に、当該端末で、当該サポート要求に応じた設定を行うためのユーザインターフェースを段階的に表示する。
【0016】
したがって、サポートサーバは、サポート要求を端末から受けて、このサポート要求に対応した設定を行う設定コマンドを端末に送信することにより、端末の設定を完了させるとともに、この設定を行うためのユーザインターフェースを段階的に端末に表示させることで、端末を設定するユーザが設定操作の学習をすることが可能である。
【0017】
第2の特徴に係る発明は、発明のカテゴリにおいてシステムのみならず、方法においても同様の作用・効果を奏する。
【0018】
第3の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明であって、前記サポートサーバは、
前記端末から前記端末の表示画面に対応する画像ID、文字列の少なくともいずれか一方を取得する画面情報取得モジュールと、
取得した前記設定情報と、取得した前記画像ID、前記文字列に対応した表示画面を前記サポート端末に表示する端末情報出力モジュールと、を備えるサポートシステムを提供する。
【0019】
第3の特徴に係る発明によれば、サポートサーバは、端末から、端末の画面情報に対応する画像ID、文字列の少なくともいずれか一方を取得し、取得した画像ID、文字列の少なくともいずれか一方に対応した画像を、サポート端末に表示する。
【0020】
したがって、サポートサーバは、端末の画面情報をサポート端末に表示させることが可能である。この際に、端末の画面情報そのものを送受信するのではなく、画像ID、文字列の送受信により対応した画像の表示処理を行うので、端末とサポートサーバ間のデータ転送量を削減し、サポート時間のロスを回避することが可能である。さらに、このデータ転送量を削減した状態で、端末に段階的に表示させたユーザインターフェースを、サポート端末側でも、この演出が行われているか否かを確認することが可能である。
【0021】
第4の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明であって、前記設定演出モジュールは、段階的に表示した、前記ユーザインターフェースを、前記端末のユーザの操作に応じて再表示する再表示モジュールを備える、サポートシステムを提供する。
【0022】
したがって、端末を所有するユーザは、以前に、段階的に表示されたユーザインターフェースを、再表示させることが可能である。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、リモートシステムにより、リモート操作を受けるユーザが、リモート操作を受けた手順を学習することが可能なリモートシステム、サポート方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、サポートシステム1の構成図である。
【図2】図2は、サポートサーバ100、ユーザ端末10、サポート端末150の機能ブロック図である。
【図3】図3は、サポートサーバ100、ユーザ端末10、サポート端末150が実行するリモートサポート処理を示すフローチャート図である。
【図4】図4は、設定コマンド対応テーブルを示す図である。
【図5】図5は、ユーザ端末10が実行するユーザインターフェース演出処理を示すフローチャート図である。
【図6】図6は、サポート端末150に表示される画面イメージ図である。
【図7】図7は、ユーザ端末10に表示される画面イメージ図(基本設定画面)である。
【図8】図8は、ユーザ端末10に表示される画面イメージ図(サウンド設定画面)である。
【図9】図9は、ユーザ端末10が実行する画面情報分析処理を示すフローチャート図である。
【図10】図10は、画像ID対応テーブルを示す図である。
【図11】図11は、ユーザ端末10に表示される画面情報を説明する図である。
【図12】図12は、画像ID・文字列対応テーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0026】
以下では、本発明の好適な実施形態として、リモートシステムをリモートサポートシステムに適用した例について説明する。本発明において、ユーザ端末10に対してリモート操作することは、ユーザ端末10にサポートをリモートから行う用途で使用される場合について説明する。後述するサポートサーバは、一般的には、リモートサーバであってよい。サポート要求は、一般的には、リモート要求であってよい。
【0027】
[サポートシステムのシステム構成]
図1は、本発明の好適な実施形態であるサポートシステム1のシステム構成図である。サポートシステム1は、ユーザ端末10a〜10c(以下、単に「10」とする)、サポートサーバ100、公衆回線網3(インターネット網や第3世代、第4世代通信網など)、サポート端末150から構成される。
【0028】
ユーザ端末10は、公衆回線網3を介して、サポートサーバ100と通信可能に接続されている。サポートサーバ100とサポート端末150は、LAN(Local Area Network)で接続されていてもよいし、公衆回線網3を介して接続されていてもよい。サポートシステム1内の通信は、無線通信、有線通信を問わない。ユーザ端末10が公衆回線網3と接続するために、ルータ等のネットワーク機器を介して通信可能であってよい。
【0029】
ユーザ端末10は、ユーザがサポートを受けるための一般的な情報端末であってよく、後述する機能を備える情報機器や電化製品である。ユーザ端末10は、例えば、携帯電話、スマートフォン10b、複合型プリンタ、テレビ10a、ルータ又はゲートウェイ等のネットワーク機器、コンピュータ10cに加えて、冷蔵庫、洗濯機等の白物家電であってもよいし、電話機、ネットブック端末、スレート端末、電子書籍端末、電子辞書端末、携帯型音楽プレーヤ、携帯型コンテンツ再生・録画プレーヤ等の一般的な情報家電であってよい。
【0030】
サポート端末150は、ユーザ端末10に対してサポートを行うサポート者が使用する一般的な情報端末である。
【0031】
[各機能の説明]
図2は、サポート端末150、サポートサーバ100、ユーザ端末10の機能ブロックと各機能の関係を示す図である。
【0032】
ユーザ端末10及びサポート端末150は、制御部として、CPU(Central Processing Unit),RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部として、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi(Wireless Fidelity対応デバイス又は、第3世代移動通信システム等のIMT−2000規格に準拠した無線デバイス等を備える(有線によるLAN接続であってもよい)。
【0033】
さらに、ユーザ端末10及びサポート端末150は、出力・入力部として、制御部で制御したデータや画像を出力表示する表示部を備え、かつ、ユーザやサポート者からの入力を受付けるタッチパネルやキーボード、マウス等を備える。加えて、ユーザ端末10及びサポート端末150は、記憶部として、ハードディスクや半導体メモリによる、データのストレージ部を備える。
【0034】
ユーザ端末10において、制御部がアプリケーション層の所定のプログラムを読み込むことで、通信部、出力・入力部、記憶部と協働して、設定情報送信モジュール11、画面情報送信モジュール12、設定演出モジュール13、設定実行モジュール14、再表示モジュール15、画面情報分析モジュール17を実現する。ユーザ端末10の記憶部の一部が、演出画像ストレージ16を実現する。各モジュールの具体的な機能については、図3に基づいて説明する。
【0035】
サポート端末150において、制御部が所定のアプリケーション層の所定のプログラムを読み込むことで、通信部、出力・入力部、記憶部と協働して、端末情報表示モジュール151、設定操作受付モジュール152とを実現する。各モジュールの具体的な機能については、図3に基づいて説明する。
【0036】
サポートサーバ100は、制御部として、CPU(Central Processing Unit),RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部として、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi(Wireless Fidelity)対応デバイスを備える(有線であってもよい)。加えて、サポートサーバ100は、記憶部として、ハードディスクや半導体メモリによる、データのストレージ部を備える。
【0037】
サポートサーバ100の制御部が所定のアプリケーション層の所定のプログラムを読み込むことで、通信部、記憶部と協働して、設定情報取得モジュール101、画面情報取得モジュール102、端末情報出力モジュール103、コマンド送信モジュール104を実現する。各モジュールの機能については、図3に基づいて説明する。
【0038】
[リモートサポート処理]
図3は、ユーザ端末10、サポートサーバ100、サポート端末150が実行するリモートサポート処理のフローチャートである。
【0039】
ユーザ端末10は、ユーザからサポートを要求する操作を受付ける(ステップS01)。ユーザ端末10には、リモートサポートを受けるためのアプリケーションがインストールされており、例えば、このアプリケーションを起動する操作をユーザから受付ける。
【0040】
ユーザ端末10が、ユーザからサポートを要求する操作を受付けた場合(ステップS01:「YES」)には、ユーザ端末10は、サポートサーバ100に接続して、サポート要求があった旨をサポートサーバ100に通知して、ステップS02に処理を移す。ユーザ端末10が、ユーザからサポートを要求する操作を受付けない場合(ステップS01:「NO」)は、ステップS01の処理をループする。
【0041】
次に、サポートサーバ100の設定情報取得モジュール101は、ユーザ端末10の設定情報の取得を要求する(ステップS02)。
【0042】
設定情報とは、ユーザ端末10にハードウェアとして設定されているデータ及び、ソフトウェアとして設定されているデータである。サポートサーバ100は、ユーザ端末10に記憶されている全ての設定情報を取得要求しなくてよく、サポートサーバ100が取得する設定情報は、ユーザ端末10の機種ごとに、サポートサーバ100に予め定められていてよい。一例として、図6に示すように、サポート端末150に表示されるサポート画面155では、サウンド設定のマナーモードの設定が「有効」であったり、着信音量が「29」であることが、ソフトウェアとして設定される設定情報である。なお、設定情報に加えて、図6に示す、お客様情報(電話番号、端末のモデル名、ネットワーク)を取得要求してもよい。
【0043】
この要求に応じて、ユーザ端末10の設定情報送信モジュール11は、サポートサーバ100に要求された設定情報を送信する(ステップS03)。
【0044】
サポートサーバ100の設定情報取得モジュール101は、ユーザ端末10から送信された設定情報を受信し、取得する(ステップS04)。サポートサーバ100は、任意のサポート端末150を選択して、設定情報を取得したことを選択したサポート端末150に通知する。
【0045】
この通知に応じて、選択されたサポート端末150の端末情報表示モジュール151は、サポート者から操作に応じて、サポートサーバ100にアクセスすることで、サポートサーバ100の端末情報出力モジュール103が、設定情報をサポート端末150に表示させる(ステップS05)。一例として、図6に示すようなサポート画面155がサポート端末150に表示される。
【0046】
次に、サポート端末150の設定操作受付モジュール152は、ユーザからのサポート要求に対する解決策となる設定操作をサポート者から受付ける(ステップS06)。サポート者から設定操作を受付けた場合(ステップS06:「YES」)には、その設定操作をサポートサーバ100に送信し、ステップS07に移行する。サポート者から設定操作を受付けない場合(ステップS06:「NO」)は、サポート者からの入力待ちとなり、ステップS06をループする。
【0047】
サポートサーバ100のコマンド送信モジュール104は、サポート端末150からの設定操作を受信すると、その設定操作に対応する設定コマンドを生成し(ステップS07)、生成した設定コマンドをユーザ端末10に送信する(ステップS08)。その後、ステップS09に処理を移す。
【0048】
設定コマンドとは、サポートサーバ100が、サポートの要求をした設定を、ユーザ端末10に対して行わせるコマンドである。例えば、ユーザ端末10のサウンド設定が、所定のコンフィグレーションファイルに記述されることで設定されている場合には、このコンフィグレーションファイルをユーザが望む設定に更新することで、サウンド設定が変更される。この際に、サポートサーバ100が、所定のコマンドを送信して、ユーザ端末10に記憶されているコンフィグレーションファイルを入れ替えたり、記述を変更する。ここで送信した所定のコマンドが、設定コマンドである。
【0049】
図4の設定コマンド対応テーブルに示すように、サポート端末150から受付けた設定操作と、生成する設定コマンドは、予め対応付けられてサポートサーバ100に記憶されている。設定コマンドは、設定コマンド対応テーブル内のコマンドそのものであってもよいが、サポート端末150から入力された文字列、数値を設定コマンド対応テーブル内のコマンドに含めて、設定コマンドを生成してもよい。図4の例では、設定操作が「音量変更操作」であって、着信音量変更を「音量15」に設定する操作である。この場合に対応する設定コマンドは、着信音量コマンド1である。
【0050】
次に、サポートサーバ100は、設定演出データをユーザ端末10に送信する(ステップS09)。ユーザ端末10の設定演出モジュール13は、サポートサーバ100から送信された設定演出データを受信し、受信した設定演出データを演出画像ストレージ16に記憶し、ユーザインターフェースの演出処理を実行する(ステップS10)。
【0051】
設定演出データとは、サポート要求した設定を、ユーザが自らユーザ端末10を操作して設定する際に、ユーザ端末10に段階的に表示されるユーザインターフェースに関するデータである。すなわち、設定演出データは、このユーザインターフェースを、ユーザ端末10に段階的に表示するシナリオデータと、このシナリオデータを実行させるためのコマンドから構成される。
【0052】
シナリオデータとは、ユーザがサポート要求した設定を、自らユーザ端末10を操作して設定するために、ユーザ端末10に表示するユーザインターフェースについて、どのユーザインターフェースを、どの順番で表示し、どのような操作で次のユーザインターフェースに移行するかといった取り決めを定めたデータである。図4の例では、設定演出データは、着信音量シナリオ1であって、最初に、設定ウィンドウを表示し、次に、サウンド設定の選択表示をして・・というシナリオで構成されている。設定演出データは、このシナリオデータを、ユーザ端末10に実行させるためのコマンドを含む。
【0053】
設定演出データは、図4の設定コマンド対応テーブルのように、設定操作、設定コマンドと予め対応付けられている。したがって、サポートサーバ100は、設定操作、設定コマンドが決定すれば、設定演出データも決定する。図4の例では、設定コマンド「着信音量コマンド1」に対応する設定演出データは、「着信音量シナリオ1」である。
【0054】
次に、ユーザ端末10の設定実行モジュール14は、サポートサーバ100から受信した設定コマンドを実行する(ステップS11)。すなわち、設定実行モジュール14は、サポートサーバ100から受信した設定コマンドを実行することで、サポート要求した項目を実際に設定させることができる。例えば、先の例では、ユーザ端末10の着信音量を音量15に設定することが可能である。
【0055】
[ユーザインターフェースの演出処理]
図5、図7、図8に基づいて、ユーザ端末10の設定演出モジュール13が実行し、上述のステップS10に対応するユーザインターフェースの演出処理について説明する。最初に、設定演出モジュール13は、ユーザ端末10の表示部に、サポート要求した設定のユーザインターフェースの演出が始まるメッセージを表示し、演出を開始してよいかの操作を受付ける。このユーザからの演出開始の操作に応じて、ステップS30の処理を開始する。
【0056】
設定演出モジュール13は、設定演出データのシナリオデータに基づいて、ユーザインターフェースの演出処理を実行する。図5のシナリオデータは、ユーザ端末10の着信音量を設定するシナリオである。このシナリオは、三段階の画面表示(基本設定画面、サウンド設定画面、着信音設定画面)で構成されている。この例のように、シナリオが必ずしも三段階で構成されるというものではなく、その設定が完了するまで必要な画面構成数が段階数となる。この例では、最初に、ユーザ端末10の表示部に「着信音量を設定するデモを行ないます。画面をタップしてください。」等のメッセージが表示されてもよい。
【0057】
最初に、設定演出モジュール13は、基本設定画面の表示を行う(ステップS30)。基本設定画面とは、図7に示すような画面であって、ユーザ端末10の通信設定(無線とネットワーク)、サウンド設定、メール設定、アプリケーション設定・・など、ユーザ端末10の基本的な設定を行う画面である。ここで、基本設定画面において、ユーザがこの画面で操作すべき項目を強調表示してもよい。すなわち、図7に示すように、この場合、シナリオが「着信音量の設定」であるので、次にユーザが操作すべきアイコンとして、サウンド設定54の項目を強調表示してよい。
【0058】
次に、設定演出モジュール13は、ユーザからの操作待ちとなる(ステップS31)。例えば、図7に示す、次へアイコン55を操作した場合(ステップS31:「YES」)には、次の段階のユーザインターフェースを表示するために、ステップS32に移行する。次へアイコン55を操作するまで(ステップS31:「NO」)は、本処理の処理待ちとなる。
【0059】
次に、第2段階として、設定演出モジュール13は、サウンド設定画面を表示する(ステップS32)。サウンド設定画面とは、図8に示すようなユーザ端末10のサウンド関連を設定する画面である。通常、ユーザがユーザ端末10に対して、基本設定画面で、サウンド設定の項目を選択操作すると、サウンド設定画面が表示される。このサウンド設定画面においても、ユーザがこの画面で操作すべき項目を強調表示してもよい。すなわち、図8に示すように、この場合、シナリオが「着信音量の設定」であるので、次にユーザが操作すべきアイコンとして、電話着信音57の項目を強調表示してよい。
【0060】
次に、同様に、設定演出モジュール13は、ユーザからの操作待ちとなる(ステップS33)。例えば、図8に示す、次へアイコン56を操作した場合(ステップS33:「YES」)には、次の段階のユーザインターフェースを表示するために、ステップS34に移行する。次へアイコン55を操作するまで(ステップS33:「NO」)は、本処理の処理待ちとなる。
【0061】
次に、第3段階として、設定演出モジュール13は、電話着信音設定画面を表示する(ステップS34)。電話着信音設定画面は、電話着信音を設定するための画面である。図示しないが、通常、この画面を操作することで、ユーザはユーザ端末10の着信音量を変更できる。ここでは、実際に、ユーザ端末10の着信音量を変更設定しないが、変更するためのユーザインターフェースは、変更完了となるまで演出表示する。
【0062】
なお、ステップS31、S33では、ユーザからの操作を受信するか否かにより、次のステップに移行しているが、例えば、ユーザからの操作を受信せずに、所定時間経過したら、次のステップに移行してもよい。
【0063】
[設定演出データの再表示]
上述のように、設定コマンドがサポートサーバ100から送信され、ユーザ端末10に設定が実行されるタイミングのみで、設定演出データがユーザ端末10に表示されるのではなく、一度、受信した設定演出データは、演出画像ストレージに記憶され、ユーザからの任意の表示要求に応じて、再表示可能に構成されてよい。この場合は、再表示モジュール15が、ユーザから再表示を要求する操作を受付けて、演出画像ストレージに記憶された設定演出データを読み出し、段階的に表示したユーザインターフェースを再表示する。
【0064】
[画面情報分析処理]
一方、リモートサポート処理のステップS02からステップS05までの処理に並行して、ユーザ端末10は、図9の画面情報分析処理を実行する。すなわち、ステップS01と同様に、ユーザ端末10は、サポート要求があったと判断した場合(ステップS20:「YES」)は、ステップS21に処理を移す。サポート要求があるまでは、ステップS01と同様に処理待ちとなる(ステップS20:「NO」)。
【0065】
画面情報とは、原則的には、ユーザ端末10に表示されている画面イメージ全体である。例えば、ユーザ端末10の表示部の領域を越えて、画面イメージが存在する場合(ユーザ端末10の画面をスクロールすると表示される領域が存在する場合)には、表示部の領域を超えた部分を含む。
【0066】
ユーザ端末10の画面情報分析モジュール17は、現在、ユーザ端末10の表示部に表示されている画像及び文字列の分析を行う(ステップS21)。画面情報分析モジュール17は、最初に、表示部に表示されている文字列を抽出する。
【0067】
一方、ユーザ端末10には、図10に示す画像ID対応テーブルが予め記憶されている。すなわち、画像ID対応テーブルは、ユーザ端末10の表示部に表示されるアイコン画像が画像IDとともに対応づけられたテーブルである。この画像ID対応テーブルを参照して、画面情報分析モジュール17は、現在、表示部に表示されている画像のうち、画像IDに対応するアイコン画像があるか否かを判断する。この結果、画面情報分析モジュール17は、抽出された文字列と、画面上に存在したアイコン画像に対応する画像IDを決定する(ステップS22)。
【0068】
なお、画像ID対応テーブルは、サポートサーバ100にのみ記憶されていて、画面情報分析処理が開始すると、ユーザ端末10がサポートサーバ100からダウンロードして、ユーザ端末10に記憶してもよい。
【0069】
次に、画面情報送信モジュール12は、決定した画像IDと文字列を、サポートサーバ100に送信する(ステップS23)。
【0070】
一例として、ユーザ端末10の表示部に、図11の画面情報62が表示されている場合で上述の処理を説明する。画面情報分析モジュール17は、文字列を検索することで、「設定」、「無線とネットワーク」、「サウンド設定」を抽出する。そして、図10に示す、画像ID対応テーブルを参照して、画像ID「001」、「002」が対応するアイコン画像が存在すると判断する。したがって、文字列「設定」、「無線とネットワーク」、「サウンド設定」を決定し、画像ID「001」、「002」を決定し、これらのデータをサポートサーバ100に送信する。
【0071】
一方、サポートサーバ100の画面情報取得モジュール102は、図12示す、画像ID・文字列対応テーブルを参照して、取得した画像ID及び文字列に対応する対応画像データを決定する。上記の例の場合では、文字列「設定」、「無線とネットワーク」、「サウンド設定」を決定し、画像ID「001」、「002」では、対応画像データは、「Sound1.png」になる。
【0072】
対応画像データは、原則的には、ユーザ端末10に表示されている画面イメージ全体に対応する画像データである。例えば、ユーザ端末10の表示部の領域を越えて、画面イメージが存在する場合(ユーザ端末10の画面をスクロールすると表示される領域が存在する場合)には、表示部の領域を超えた部分を含む画像データである。
【0073】
サポートサーバ100の端末情報出力モジュール103は、サポート端末150からの要求に応じて、決定した対応画像データをサポート端末150に表示する。図6の例に示すように、サポート端末150には、ユーザ画面イメージ158の箇所に、ユーザ端末10に表示されている画面情報62と同じ画像が表示されている。したがって、サポート者は、ユーザが視認している画面情報を把握することが可能である。
【0074】
なお、画面情報分析処理は、ステップS20において、サポート要求があったタイミングで始動するが、ユーザ端末10の表示部に表示される画面情報が更新されるたびに、ステップS21からステップS23が実行される。これにより、常に、サポート端末150に、ユーザ端末10に表示さている画面情報と同じ画像が表示される。
【0075】
なお、ユーザ端末10に記憶される画像ID対応テーブルと、画像ID・文字列対応テーブルは、ユーザ端末10の機種毎に異なるテーブルが設けられている。すなわち、リモートサポート処理のステップS04の設定情報において、サポートサーバ100は、ユーザ端末10の機種名を取得しておく。そして、この取得した機種名に基づいて、画像ID・文字列対応テーブルを参照して、対応画像データを決定する。
【0076】
なお、上述の説明では、文字列と画像IDとの両方で、一つの対応画像データが決定されているが、文字列と画像IDのどちらか一方で、一つの対応画像データが決定されてもよい。
【0077】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU,情報処理装置,各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD(CD−ROMなど)、DVD(DVD−ROM、DVD−RAMなど)等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送し記憶して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記憶装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0078】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0079】
1 サポートシステム、3 公衆回線網、10 ユーザ端末、100 サポートサーバ、150 サポート端末
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末と、当該端末をリモート操作するリモート端末と、リモートサーバとを備えるリモートシステムであって、
前記リモートサーバは、
前記端末からのリモート要求に応じて、当該端末に記憶されたデータを取得するデータ取得モジュール、を備え、
前記リモート端末は、
前記端末からのリモート要求に対する操作をサポート者から受付ける操作受付モジュールを備え、
前記リモートサーバは、さらに、
前記リモート者から受付けた操作を、前記端末からのリモート要求に対応した操作を行うコマンドとして、前記端末に送信するコマンド送信モジュールを備え、
前記端末は、
前記コマンド送信モジュールにより送信されたコマンドに基づいて、当該リモート要求に対する前記サポート者の操作を前記端末に反映する際に、前記端末を操作するユーザが、当該端末で当該リモート要求に応じた操作を自ら行うためのユーザインターフェースを、段階的に表示する演出モジュールを備えるリモートシステム。
【請求項2】
端末と、当該端末をサポートするサポート端末と、サポートサーバとを備えるサポートシステムであって、
前記サポートサーバは、
前記端末からのサポート要求に応じて、当該端末のソフトウェア的な又はハードウェア的な設定情報を取得する設定情報取得モジュール、を備え、
前記サポート端末は、
前記端末からのサポート要求に対する操作をサポート者から受付ける設定操作受付モジュールを備え、
前記サポートサーバは、さらに、
前記サポート者から受付けた操作を、前記端末からのサポート要求に対応した設定を行う設定コマンドとして、前記端末に送信するコマンド送信モジュールを備え、
前記端末は、
前記コマンド送信モジュールにより送信された設定コマンドに基づいて、当該サポート要求に応じた設定を実行する際に、当該端末で、当該サポート要求に応じた設定を行うためのユーザインターフェースを段階的に表示する設定演出モジュールを備えるサポートシステム。
【請求項3】
前記サポートサーバは、
前記端末から前記端末の画面情報に対応する画像ID、文字列の少なくともいずれか一方を取得する画面情報取得モジュールと、
取得した前記画像ID、前記文字列の少なくともいずれか一方に対応した画像を、前記サポート端末に表示する端末情報出力モジュールと、を備える請求項1に記載のサポートシステム。
【請求項4】
前記設定演出モジュールは、段階的に表示した、前記ユーザインターフェースを、前記端末のユーザの操作に応じて再表示する再表示モジュールを備える、請求項1に記載のサポートシステム。
【請求項5】
端末と、当該端末をサポートするサポート端末と、サポートサーバとを備えるサポートシステムが実行するサポート方法であって、
前記サポートサーバは、
前記端末からのサポート要求に応じて、当該端末のソフトウェア的な又はハードウェア的な設定情報を取得するステップを実行し、
前記サポート端末は、
前記端末からのサポート要求に対する操作をサポート者から受付けるステップを実行し、
前記サポートサーバは、さらに、
前記サポート者から受付けた操作を、前記端末からのサポート要求に対応した設定を行う設定コマンドとして、前記端末に送信するステップを実行し、
前記端末は、
前記コマンド送信ステップにより送信された設定コマンドに基づいて、当該サポート要求に応じた設定を実行する際に、当該端末で、当該サポート要求に応じた設定を行うためのユーザインターフェースを段階的に表示するステップを実行するサポート方法。
【請求項1】
端末と、当該端末をリモート操作するリモート端末と、リモートサーバとを備えるリモートシステムであって、
前記リモートサーバは、
前記端末からのリモート要求に応じて、当該端末に記憶されたデータを取得するデータ取得モジュール、を備え、
前記リモート端末は、
前記端末からのリモート要求に対する操作をサポート者から受付ける操作受付モジュールを備え、
前記リモートサーバは、さらに、
前記リモート者から受付けた操作を、前記端末からのリモート要求に対応した操作を行うコマンドとして、前記端末に送信するコマンド送信モジュールを備え、
前記端末は、
前記コマンド送信モジュールにより送信されたコマンドに基づいて、当該リモート要求に対する前記サポート者の操作を前記端末に反映する際に、前記端末を操作するユーザが、当該端末で当該リモート要求に応じた操作を自ら行うためのユーザインターフェースを、段階的に表示する演出モジュールを備えるリモートシステム。
【請求項2】
端末と、当該端末をサポートするサポート端末と、サポートサーバとを備えるサポートシステムであって、
前記サポートサーバは、
前記端末からのサポート要求に応じて、当該端末のソフトウェア的な又はハードウェア的な設定情報を取得する設定情報取得モジュール、を備え、
前記サポート端末は、
前記端末からのサポート要求に対する操作をサポート者から受付ける設定操作受付モジュールを備え、
前記サポートサーバは、さらに、
前記サポート者から受付けた操作を、前記端末からのサポート要求に対応した設定を行う設定コマンドとして、前記端末に送信するコマンド送信モジュールを備え、
前記端末は、
前記コマンド送信モジュールにより送信された設定コマンドに基づいて、当該サポート要求に応じた設定を実行する際に、当該端末で、当該サポート要求に応じた設定を行うためのユーザインターフェースを段階的に表示する設定演出モジュールを備えるサポートシステム。
【請求項3】
前記サポートサーバは、
前記端末から前記端末の画面情報に対応する画像ID、文字列の少なくともいずれか一方を取得する画面情報取得モジュールと、
取得した前記画像ID、前記文字列の少なくともいずれか一方に対応した画像を、前記サポート端末に表示する端末情報出力モジュールと、を備える請求項1に記載のサポートシステム。
【請求項4】
前記設定演出モジュールは、段階的に表示した、前記ユーザインターフェースを、前記端末のユーザの操作に応じて再表示する再表示モジュールを備える、請求項1に記載のサポートシステム。
【請求項5】
端末と、当該端末をサポートするサポート端末と、サポートサーバとを備えるサポートシステムが実行するサポート方法であって、
前記サポートサーバは、
前記端末からのサポート要求に応じて、当該端末のソフトウェア的な又はハードウェア的な設定情報を取得するステップを実行し、
前記サポート端末は、
前記端末からのサポート要求に対する操作をサポート者から受付けるステップを実行し、
前記サポートサーバは、さらに、
前記サポート者から受付けた操作を、前記端末からのサポート要求に対応した設定を行う設定コマンドとして、前記端末に送信するステップを実行し、
前記端末は、
前記コマンド送信ステップにより送信された設定コマンドに基づいて、当該サポート要求に応じた設定を実行する際に、当該端末で、当該サポート要求に応じた設定を行うためのユーザインターフェースを段階的に表示するステップを実行するサポート方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−190242(P2012−190242A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52949(P2011−52949)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(500132694)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(500132694)
【Fターム(参考)】
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