説明

端末の情報処理ユニットの再構成方法

本発明は、端末(1)の情報処理ユニットの再構成方法に関する。前記端末は、通信システム(2,3)から情報を受信するように構成されている。本発明の方法は、情報処理ユニットの再構成段階を開始する段階と、前記情報処理ユニットの前記再構成段階開始を通知する情報メッセージを、前記端末から前記通信システムに送信する段階とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末の情報処理ユニットの再構成に関する。
【背景技術】
【0002】
端末は、通常少なくとも1つの情報処理ユニットを具備している。このユニットは、前記ユニットが通信システムから受信する、またはそのようなシステムに送信する情報に、特定数の処理を実行する。第1に、単語「通信」は、本明細書で前記単語の広義の意味で使用することに留意すべきである。特に、ポイントツーポイント通信またはポイントツーマルチポイント放送でも良い。上述の処理は、例えば、変調/復調、アナログ/デジタル、またはデジタル/アナログ変換及び符号化/復号化処理を具備しても良い。
【0003】
端末の情報処理ユニットは、入力または出力情報に適用する処理を修正するために、再構成を実行する必要があり得る。
【0004】
そのような再構成は、特に通信モードの変更に必要であり得る。例として、無線通信分野では、デュアルモード端末は、GSM(Global System for Mobile communication)技術と、他方でUMTS(Universal Mode Telecommunicaton System)とを使用する通信システムに対応する装置と通信することが可能であっても良い。このことは、特に通信システムの無線カバレッジが一様でなく、かつGSMカバレッジ群内に、UMTSカバレッジの局在的な島が点在する場合に、発生する。
【0005】
前記端末が、GSMカバレッジ群から、UMTSカバレッジの局在的な島にローミングする場合、前記端末の情報処理ユニットは、GSM技術による通信システムで交換される情報の処理から、UTMS技術による処理に切り替えるために、再構成段階を実行可能である。
【0006】
他の例は、選択的に、周波数分割多重(FDD)機構、または時分割多重(TDD)機構により、通信可能である無線端末である。
【0007】
さらに他の例は、通信規格を何も変更せずに、端末の情報処理ユニット部分で符号化を変更することに関する。
【0008】
再構成段階の間に、前記端末で受信する情報の処理は、悪化するまたは中断しさえもし得る。この状態は、サービス品質に悪影響をもたらす。特に、通信環境で前記端末が情報を受信する場合、後者は重大な悪化を経験する、または切断されることさえ起こりうる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、端末内部の再構成イベント時に、サービス品質の改善を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、このように、端末の情報処理ユニットの再構成方法を提案する。前記端末は、通信システムから情報を受信するように構成する。前記方法は、
情報処理ユニットの再構成段階を開始する段階と、
前記情報処理ユニットの再構成段階開始を通知する情報を、前記端末から前記通信システムに送信する段階と、
を具備する。
【0011】
前記情報処理ユニットの再構成段階開始を通知する情報を、前記通信システムに送信することで、前記システムに再構成の開始を知らしめることが可能となる。前記通信システムは、次いで、もし必要であれば、適切に前記システムの動作を適合するために、前記情報を考慮しても良い。前記システムは、このようにして、再構成の発生にも関らずサービス品質を維持するように動作する手段を具備する。
【0012】
前記端末が、前記端末の情報処理ユニットの再構成段階の終了に続くイベントを通知可能であるのが好ましい。この情報は、前記通信システムが、前記通信システムの動作モードを適合するために再度使用しても良い。例えば、前記イベントの通知に対して、前記システムが送信する情報の公称の処理を繰り返しても良い。
【0013】
再構成段階の間、前記端末のバッファメモリ内に、前記通信システムから受信した情報を格納可能であるのが好ましい。これにより、再構成段階の後に、前記端末の情報処理ユニットによって処理可能である情報を保持することが可能となる。そうでなければ、前記再構成の間に前記システムによって送信された情報が失われ得る。
【0014】
前記端末内のバッファメモリを高速に空にするために、再構成段階後に前記情報処理ユニットが退化処理を実施するのが好ましい。このようにして、受信情報の処理遅延を限定することによって、サービス品質を改善する。
【0015】
本発明は、情報処理ユニットを具備する端末と、前記端末に情報送信可能である通信システムとの間の通信方法も提案する。前記方法は、前記通信システムが、通信環境で、前記端末に情報を送信するときに、
前記端末から前記通信システムに、前記端末の情報処理ユニットの再構成段階開始を通知する情報を送信する段階を具備する。
【0016】
再構成段階開始を通知することによって、前記通信システムは、必要であれば、続いて利用することが可能である、利用可能な関連情報を有する。特に、前記システムは、現在の通信の許容可能なサービス品質を維持するように、前記端末に情報送信モードを適合しても良い。
【0017】
例として、前記通信システムは、再構成の開始を一度通知されると、前記端末に向けた特定の情報の送信を遅延させ、前記端末に向けたエラーに対する特定の情報保護を強化し、または、前記端末に向けた特定の情報の圧縮を強化しさえもし得る。
【0018】
本発明は、情報処理ユニットを具備するとともに、通信システムから情報を受信するように構成した端末も提案する。前記端末は、
前記情報処理ユニットの再構成段階を開始する手段と、
前記情報処理ユニットの再構成段階開始を、前記通信システムに通知する手段と、
を具備する。
【0019】
本発明は、情報処理ユニットを具備する少なくとも1つの端末に情報を送信するように構成する通信システムを提案する。前記通信システムは、
前記端末の前記情報処理ユニットの再構成段階開始を通知する情報を前記端末から受信する手段を具備する。
【0020】
本発明は、通信システムから情報を受信するように構成した端末の情報処理ユニットの再構成を実施可能である命令を具備し、前記プログラムが端末のコンピュータ手段によってロードされるとともに実行された場合に、
前記情報処理ユニットの再構成段階を開始する段階と、
前記情報処理ユニットの再構成段階開始を通知する情報を、前記端末から前記通信システムに送信する段階と、
を具備することを特徴とするコンピュータプログラム製品を提案する。
【0021】
本発明は最後に情報処理ユニットを具備する少なくとも1つの端末に情報を送信するように構成された通信システムのコンピュータ手段にロードされるとともに実行されたときに、
前記情報処理ユニットの再構成段階開始を通知する情報を前記端末から受信する段階を実施可能な命令を具備するコンピュータプログラム製品を提案する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の他の特徴及び利点は、添付図面を伴った、非限定的な代表的実施態様の以下の説明から明らかになる。
【0023】
図1は、2つのサブシステム2,3を具備する通信(または放送)システムを示している。各サブシステムは、通信モードによって通信することが可能である。以下に説明する実施例では、サブシステム2はGSMネットワークであり、一方サブシステム3は、UMTSネットワークである。前記2つのサブシステム間のサービス継続性を確保するために、例えば、監督管理器8を経由して、前記2つのサブシステムの間に、相互接続を構成する。
【0024】
サブシステム2,3は、他の通信規格を使用しても良いことに留意する。例えば、前記2つのサブシステムが両方ともGSMまたはUMTS技術を、サブシステム2に関してFDDモードで実施するとともに、サブシステム3に関してTDDモードで実施しても良い。前記2つのサブシステムは、適用する符号化のみは異なるが、1つかつ同一の通信規格を実施しても良い。
【0025】
前記2つのサブシステム2,3は、図1に別々に示されていることにも留意する。しかしながら、前記通信システムは、複数の通信モードを選択的に適用可能な単一の装置群であっても良い。
【0026】
端末1は、前記通信システムで実施する各通信モードによって、選択的に通信可能である。従って、図1を参照して説明する実施例では、端末1は、GSM技術に従って、かつUMTS技術に従って通信可能なデュアルモード無線端末である。
【0027】
このように、端末1は、GSMプロトコルに従って、ネットワーク2から、基地局4を経由して情報を受信する。前記端末1はまた、UMTSプロトコルに従って、ネットワーク3から、基地局5を経由して情報を受信しても良い。
【0028】
端末1が情報を交換する通信システムが、別々のサブシステムに分割不可能であるときは、1つかつ同一の基地局が、GSM技術及びUMTS技術の一方または他方による端末1との通信を許可しても良いことに留意する。
【0029】
以下に説明する実施例では、端末1は、ネットワーク2,3の1つまたは他と交換する情報を処理するように再構成可能な単一の情報処理ユニットを具備する。
【0030】
このように、もし端末1が、最初にGSMモードでネットワーク2と通信しているとともに、もしUMTSモードで通信を継続する必要があるならば、前記端末または前記通信システムの主導により、前記端末1は、前記端末1がUMTSモードで情報を処理可能になるように、次いで前記端末1の情報処理ユニットを再構成する。ネットワーク2は、例えば監督管理器8を経由して、前記端末1は通信を継続する必要があることを、ネットワーク3に示す。次いで、端末1の情報処理ユニットの再構成の後、UMTS技術によって、端末1と端末3との間で通信が再開される。
【0031】
再構成の間、端末1の情報処理ユニットが、ネットワーク2から引き続き受信している情報と、ネットワーク3から既に受信した情報とを処理することは不可能である。この目的のため、一度、端末1の情報処理ユニットを再構成するとともに、従ってもう一度動作可能となったときに、前記情報を処理するために、端末1は、バッファメモリ内に、この間に受信した情報を格納するのが好ましい。
【0032】
この動作モードは、図2及び図3の上部に説明してある。最初に、ネットワーク2の基地局4は、通信環境内で、GSMプロトコルにしたがって、端末1に情報フレーム9を送信する。次いで、端末1は、GSMモードからUMTSモードに切り替えるために、前記端末1の情報処理ユニットの再構成段階を開始する。同時に、ネットワーク3の基地局5は、UMTS技術に従って、現在の通信に関連する情報フレーム11の送信を開始する。端末1は、次いで、もしバッファメモリを具備しているならば、前記再構成段階の間に受信したフレームで端末1のバッファメモリを満たす。
【0033】
前記バッファメモリは、この使用専用であっても良く、または端末1の情報処理ユニットによる処理待ちの全ての受信済み情報を一時的に格納するのに使用するのと同一のものであっても良い。説明の簡単を旨とするために、以下では、バッファメモリは、再構成段階の間に受信した情報の、一時的な受信専用とみなす。
【0034】
このようにして、基地局5から受信した第1フレーム11は、バッファメモリ18の領域18aに格納し、このように前記メモリ内の空き領域18bを残している。端末1上でフレーム11を受信すると、バッファメモリが完全に満たされる(図3内の符号20)、または端末1内での再構成が完了するまで、端末1は、前記フレーム11を端末1のバッファメモリに格納する。端末1の前記バッファメモリは、再構成段階の間に受信する情報を全て具備可能であるような大きさにするのが好ましい。
【0035】
それ故、再構成段階(図3内の符号15)は、適宜、端末1上で受信した情報で、端末1のバッファメモリを満たすとともに、処理を待機することを伴う。この、好ましい動作モードによって、前記再構成段階の間に前記端末で受信するフレームの欠落を防止する。
【0036】
本発明によると、端末1内部の前記再構成段階開始は、ネットワーク3に通知される。このようにして、端末1は、基地局5を経由して、ネットワーク3に、再構成段階を開始したことを知らせても良い(図2のメッセージ10)。この情報は、例えば、専用の物理チャネル上で送信するか、または共通の制御チャネルで送信する。
【0037】
この場合、前記再構成段階開始は、メッセージ10の送信とほぼ同時でも良く、または前記メッセージ10の送信をトリガしても良い。
【0038】
変形例として、前記再構成段階開始以前に、端末1がメッセージ10を送信しても良い。この場合、前記再構成が開始される時刻の指示を具備するのが好ましい。これにより、ネットワーク3は、来るべき再構成段階を考慮に入れて、対策を講じることが可能となる。
【0039】
前記メッセージを受信すると、ネットワーク3は、前記再構成段階が開始された、または開始されるという事実を考慮するよう、ネットワーク3の動作モードを適合可能である。
【0040】
実施している動作モードは、例えば、端末1が一時的に前記メモリ内に格納されている情報を迅速に処理可能になるように、端末1の前記バッファメモリの占有率を制限することを目的とする。端末1がバッファメモリを具備しない場合であっても、例えば、端末1が注意を向けるために送信を一時的に中断することによって、前記ネットワークが再構成段階開始時に前記情報に応答することは可能である。
【0041】
しかしながら、ネットワーク3は、端末1内部の再構成段階開始に関する情報を、ネットワーク3にとって好ましいように解釈することは自由であることに留意する。ネットワーク3は、前記情報を無視するとともに、同一のモードで動作継続しても良い。このように、端末1によってメッセージ10を送信することで、特に、現在の通信の充分なサービス品質を維持するためにネットワーク3が好ましいように利用可能な関連情報を、ネットワーク3に提供することが可能になる。
【0042】
第1実施態様では、ネットワーク3は基地局5から端末1へのフレーム送信を先送りすることによって、再構成段階開始に関する前記情報の受信に応答しても良い。このように、情報の欠落を防止するため、または、適宜端末1のバッファメモリが過剰充填されるのを防止するために、例えば、ネットワーク3によるメッセージ10の受信から送信するなど、所定の遅延の後にフレーム11を送信する。前記バッファメモリが過剰充填された場合には、基地局5によって送信する情報の欠落を招く前記バッファメモリの飽和が、このようにして防止される。
【0043】
ネットワーク3が実施する通信モードが遅延をサポートするとともに、そのような遅延が現在の通信で受け入れ可能な場合(例えばリアルタイム制約のないデータ送信)に限って、基地局5が送信する特定フレームの送信に導入した遅延を予測しても良いことに留意する。
【0044】
代表的な第2実施態様では、ネットワーク3は基地局5が送信する情報を、他の情報よりも高レベルの圧縮により圧縮することによって、再構成段階開始に関する情報の受信に応答しても良い。このようにして、基地局5から端末1まで送信するフレームの量を制限するとともに、適宜、前記端末のバッファメモリの飽和及び、従って情報の欠落を防止する。もちろん、端末1は、基地局5が送信する情報を回収する対応する展開アルゴリズムを具備しなければならない。この目的に、いかなる圧縮/展開アルゴリズムを使用しても良い。
【0045】
他の好ましい実施態様では、再構成段階開始の後に、バッファメモリをより高速に空にするために、端末1の情報処理ユニットで実行する処理を退化させる準備をするのが好ましい。換言すると、端末1の情報処理ユニットで実施するアルゴリズムには、再構成段階開始後に、公称の場合よりも、より非力ではあるが、より高速なものもある。(図3内の段階16)
【0046】
この場合は特に、ネットワーク3は、基地局5からの送信情報を、他の情報よりエラーに対して高い保護レベルで保護することによって、再構成段階開始に関する情報の受信に応答するのが好ましい。例えば、基地局5が送信したフレーム11は、公称モードで送信するフレームよりも、より情報の冗長性をより多く具備しても良い。このようにすれば、たとえもし端末1が退化させた処理アルゴリズムを実施しても、過度のエラーなしに、送信情報を回収可能である。
【0047】
ネットワーク3が再構成段階開始の通知を受けたときに、基地局5が端末1に送信する情報フレームを制限することは、前記端末1が退化処理アルゴリズムを実施する場合にも好ましいことに留意する。実際に、上記で説明したが、ネットワーク3による情報の送信遅延または増大する圧縮は、端末1のバッファメモリの占有率を制限するとともに、従って退化アルゴリズムで処理すべき情報量を制限する。このようにして、わずかな情報処理を優先付けすることによって、前記端末上で、処理品質が向上するとともに、従って通信品質が維持される。
【0048】
もちろん、この状況を考慮するために、ネットワーク3は、端末1内部での再構成段階開始に関する情報の受信時に、他の動作を実施しても良い。実施例として、上記で説明した代表的実施態様の組み合わせが予想される。このようにして、基地局5が送信する情報は、圧縮しても良く、かつ同時に冗長化しても良い。このようにすれば、冗長性のために強化した送信すべき情報量を、圧縮が制限する。このようにして、端末1による一時的な退化処理動作の実施に影響されうる通信の品質を維持しながら、公称モード時と同様の情報量を送信することが可能である。
【0049】
上記で説明したように、ネットワーク3は、特定の情報を特定の方法で端末1に送信する前に、特定の情報を処理することによって、端末1で通信再構成段階が開始されたことを示す情報の受信に応答可能である(送信遅延、強化した圧縮、強化したエラーに対する保護等)。
【0050】
ネットワーク3が再構成段階開始の通知を受けたときに、この特定の処理を即座に適用しても良い(図2内のメッセージ10)。前記処理は、所定数のフレーム11に適用しても良い。例えば、時間カウンターを開始するメッセージ10の受信と、前記カウンターの終了との間に、端末1に送信した全てのフレーム11は、特定の方法で処理しても良い。前記カウンターは、次いで再構成段階の平均経過時間をカバーするように設定するのが好ましい。
【0051】
変形例として、メッセージ10は、ネットワーク3が端末1の情報処理ユニットの再構成に必要な時間を減少することを可能にする指示を具備しても良い。前記指示は、例えば再構成継続時間のような、時間を示す型であっても良い。前記指示はまた、再構成の型を示しても良い(即ち、通信規格の変更、符号化/復号化の変更等)。
【0052】
他の実施態様では、ネットワーク3が、再構成段階開始に続くイベントの通知を受けるまで、基地局5によって端末1に送信される情報の特定の処理を適用しても良い。
【0053】
対象のイベントは、例えば、再構成段階の終了時、即ち、前記端末の前記情報処理ユニットを、UMTS技術によるネットワーク3と通信するように構成した時点であっても良い。実際には、再構成段階の終了時に、端末1の前記情報処理ユニットは、再度受信情報を処理可能となり、また、もしバッファメモリが空にし始めることが可能であれば、適宜端末1のバッファメモリに格納してある情報を処理可能となる(図3内の段階16と段階21及び22)。
【0054】
変形例として、端末1がバッファメモリを具備する場合、対象イベントは、前記バッファメモリの占有率が所定のしきい値を下回った時点を示しても良い。対象の前記バッファメモリが、再構成段階開始に続く受信情報の一時的受信専用である場合、例えば前記しきい値はゼロに設定しても良い。この場合、端末1は、基地局5に対して、端末1のバッファメモリは空であるとともに、基地局5によって送信される情報の公称の処理が再開可能である示すメッセージ12を送信する。このように、ネットワーク3は、端末1が再度受信情報を充分に処理可能になったことの通知を受けた場合に限って、公称の動作を再開する。
【0055】
同様に、もし端末1が、再構成段階開始後に受信情報の退化処理を実施するならば、対象の前記イベントが発生したときに、端末1は公称の動作を再開しても良い。このようにして、端末1とネットワーク3との整合性の取れた動作を保証することが可能である。
【0056】
続いて、フレーム13内で送信した情報は、基地局5とネットワーク3とによって公称、即ち、通常の圧縮及び保護アルゴリズムと、遅延なしの処理しても良い(図3内の段階17)。端末1のバッファメモリは、空または低占有率を維持する(図3内の段階23)。
【0057】
上記に鑑み、前記端末内部の再構成段階に必要な時間を考慮することによって、無線資源を最適化することを、本発明によって可能になると解される。
【0058】
上記で説明した実施例では、端末1は、単一の情報処理ユニットを具備していたことに留意する。しかしながら、本発明は各自がそれぞれの処理動作によって情報処理可能である、いくつかの独立した情報処理ユニットを具備する端末にも適用可能である。この場合、前記再構成段階は、1つの情報処理ユニットから他に切り替えることと解釈すべきである。
【0059】
そのような切り替えは、実際は瞬間的ではない。前記切り替え期間の間に、端末によって受信する情報の処理は、単一の情報処理ユニットの再構成の場合と同様、退化し中断しさえもする。従って、上記の動作は、この場合にも引き続き適用可能であるとともに、同様の型の改善例を取得することを可能とする。
【0060】
上記で説明した動作はまた、適切なコンピュータプログラムを使用して実施しても良い。例えば、前記端末上でロードするとともに実行するプログラムは、再構成手順を実行する、即ち再構成段階を開始するとともに、このことをネットワークに通知するための命令を具備しても良い。ネットワークのコンピュータ手段がロードするとともに実行する他のプログラムは、前記端末内部での再構成段階開始に関する情報を受信するとともに、適宜、前記端末に送信された情報の処理を適切に適合させる命令を具備しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】図1は、本発明を実施可能なシステムの機能構成図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態による図1のシステム内部の情報交換を示している図である。
【図3】図3は、図2の情報交換に関連する、端末のバッファメモリの状態を示している図である。
【符号の説明】
【0062】
1 端末
4 基地局
5 基地局
9 情報フレーム
10 メッセージ
11 第1フレーム
12 メッセージ
13 フレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末(1)が、通信システム(2,3)から情報を受信するように構成され、
情報処理ユニットの再構成段階を開始する段階と、
前記端末から前記通信システムに、前記情報処理ユニットの再構成段階開始を通知する情報を送信する段階と、
を具備することを特徴とする端末(1)の情報処理ユニットの再構成方法。
【請求項2】
端末(1)から通信システム(2,3)に、前記情報処理ユニットの再構成段階の終了に続くイベントを通知する情報を送信する段階をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の再構成方法。
【請求項3】
前記情報処理ユニットの再構成段階の間に、端末(1)のバッファメモリ(18−23)内に、通信システム(2,3)から受信した情報を格納する段階をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の再構成方法。
【請求項4】
前記情報処理ユニットの再構成段階の終了に続くイベントは、端末(1)のバッファメモリ(18−23)の占有率の所定しきい値を下回る変化であることを特徴とする請求項2に記載の再構成方法。
【請求項5】
端末(1)のバッファメモリ(18−23)を高速に空にするために、前記情報処理ユニットの再構成段階の後に、前記情報処理ユニットによって退化処理動作を適用することを特徴とする請求項3または4に記載の再構成方法。
【請求項6】
通信システムが通信環境で端末に情報を送信する場合に、
前記端末から前記通信システムに、前記端末の情報処理ユニットの再構成段階開始を通知する情報を送信する段階を具備することを特徴とする、前記情報処理ユニットを具備する端末(1)と、前記端末に情報を送信可能な通信システム(2,3)との間の通信方法。
【請求項7】
端末(1)の前記情報処理ユニットの再構成は、第1通信モードから第2通信モードへの通信モードの切り替えに関することを特徴とする請求項6に記載の通信方法。
【請求項8】
前記情報処理ユニットの再構成段階開始を通知する情報を送信する段階に続き、
通信システム(2,3)から端末(1)に情報送信する段階をさらに具備し、
前記情報処理ユニットの再構成段階開始を考慮して、送信の前に少なくともいくらかの前記情報が処理されていることを特徴とする請求項6または7に記載の通信方法。
【請求項9】
前記情報処理ユニットの再構成段階の終了に続くイベントを通知する情報を、端末(1)から通信システム(2,3)に送信する段階をさらに具備することを特徴とする請求項8に記載の通信方法。
【請求項10】
送信される前に、前記情報処理ユニットの再構成段階開始を考慮に入れて処理される情報は、情報処理ユニットの再構成段階開始を通知する信号の受信および情報処理ユニットの再構成段階の終了に続くイベントを通知する情報の受信の間に、前記通信システムから前記端末に送信する少なくともいくらかの情報であることを特徴とする請求項8および9に記載の通信方法。
【請求項11】
通信システム(2,3)から端末(1)に情報を送信する前に、前記情報処理ユニットの再構成段階開始を考慮して、少なくともいくらかの前記情報を処理することは、送信遅延の導入、エラーに対する強化された保護および強化された圧縮のうちの少なくとも1つを具備することを特徴とする請求項8〜10の何れか1項に記載の通信方法。
【請求項12】
情報処理ユニットを具備するとともに、通信システム(2,3)から情報を受信するように構成され、
前記情報処理ユニットの再構成段階を開始する手段と、
前記情報処理ユニットの再構成段階開始を前記通信システムに通知する手段と、
を具備することを特徴とする端末(1)。
【請求項13】
情報処理ユニットを具備する少なくとも1つの端末(1)に情報を送信するように構成され、
前記端末の情報処理ユニットの再構成段階開始を通知する情報を前記端末から受信する手段を具備することを特徴とする通信システム(2,3)。
【請求項14】
前記情報処理ユニットの再構成段階開始を通知する情報の受信に続き、
前記開始を考慮して、送信の前に端末(1)に送信した情報の少なくともいくらかを処理する手段
をさらに具備することを特徴とする請求項13に記載の通信システム(2,3)。
【請求項15】
通信システム(2,3)から情報を受信するように構成された端末(1)の情報処理ユニットの再構成を実施可能な命令を具備し、
前記プログラムが前記端末のコンピュータ手段にロードされるとともに実行されたときに、
前記情報処理ユニットの再構成段階を開始する段階と、
前記情報処理ユニットの再構成段階開始を通知する情報を、前記端末から前記通信システムに送信する段階と、
を具備することを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項16】
少なくとも1つの端末(1)に情報を送信するように構成された通信システム(2,3)のコンピュータ手段にロードされるとともに実行されたときに、
前記情報処理ユニットの再構成段階開始を通知する情報を前記端末から受信する段階
を実施可能な命令を具備することを特徴とするコンピュータプログラム製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−541528(P2008−541528A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−509465(P2008−509465)
【出願日】平成18年4月24日(2006.4.24)
【国際出願番号】PCT/FR2006/000916
【国際公開番号】WO2006/117451
【国際公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(591034154)フランス テレコム (290)
【Fターム(参考)】