端末位置推定システム及び端末位置推定方法

【課題】基地局との間の往復遅延時間及び隣接基地局からの受信電力に基づいて、移動体端末の端末位置を推定し得る端末位置推定システム及び端末位置推定方法を提供する。
【解決手段】基地局及び隣接基地局との間で無線通信する移動体端末と、移動体端末と基地局及び隣接基地局との間の無線通信を監視する監視装置とを備えた端末位置推定システムにおいて、監視装置は、移動体端末と基地局との間の往復遅延時間を取得し、取得した遅延時間に基づいて、移動体端末と基地局との間の距離を算出し、移動体端末と隣接基地局との間の受信電力を取得し、取得した受信電力及び予め定められた第1の理論伝搬式に基づいて、移動体端末と隣接基地局との間の距離を算出し、算出した移動体端末と基地局との間の距離及び移動体端末と隣接基地局との間の距離に基づいて、移動体端末の端末位置を推定することを特徴とする端末位置推定システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末位置推定システム及び端末位置推定方法に関し、特に移動体端末と基地局との間の往復遅延時間と、基地局及び隣接基地局からの受信電力に基づいて、移動体端末の位置を推定する端末位置推定システム及び端末位置推定方法に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、移動体無線通信システムは、分散して配置される基地局及び隣接基地局と、基地局と無線通信を行う移動体端末とを備えて構成される。
【0003】
基地局及び隣接基地局は、送信した電波が到達する電波到達範囲に「セル」と呼ばれる無線通信可能な領域を形成する。また基地局及び隣接基地局は、指向性アンテナを用いることにより、「セクター」と呼ばれるセルを角度で分割した複数の電波到達範囲を形成する場合もある。セクターは、アンテナの指向性を利用することにより空間を角度で分割して構成されるセルと見なすこともできる。
【0004】
セクター構成としては、一般にセル分割をしない1セクター構成、セルを3つに分割する3セクター構成又はセルを6つに分割する6セクター構成等がある。基地局及び隣接基地局から得られる無線品質情報により移動体端末の位置を推定することができれば、場所ごとの無線品質を確認することが可能となり、また移動体無線通信システムにより提供される無線品質を可視化することが可能となる。以下、1セクター構成の基地局及び隣接基地局により構成される移動体無線通信システムを例に挙げて説明する。
【0005】
図1は、従来の端末位置推定システム10の全体構成図を示す。従来の端末位置推定システム1は、移動体端末11、基地局12、隣接基地局13及び隣接基地局14から構成される。
【0006】
移動体端末11は、基地局12から往復遅延時間(RTD:Round Trip Delay Time)15を受信し、隣接基地局13からRTD16を受信し、隣接基地局14からRTD17を受信する。RTDについては後述する(図2参照)。
【0007】
また移動体端末11は、基地局12、隣接基地局13及び14から受信したRTD15〜17に基づいて、移動体端末11と基地局12、隣接基地局13及び14との間の距離をそれぞれ算出する。具体的には、移動体端末11は、RTD15〜17からそれぞれ片道分の時間を算出し、それぞれ算出した片道分の時間に光の速さを掛けることにより、移動体端末11と、基地局12、隣接基地局13及び14との間の距離をそれぞれ算出する。距離については後述する(図2参照)。
【0008】
そして移動体端末11は、算出された3つの距離を半径とし、基地局12、隣接基地局13及び14のそれぞれの設置位置を中心とする3つの円で囲まれたエリアA1を移動体端末11の端末位置推定エリアA1として決定する。
【0009】
図2は、移動体端末10と基地局11との間のRTD及び距離の概念図を示す。時間t1は、電波が基地局11から移動体端末10に到達するまでにかかる時間であり、時間t2は、電波が移動体端末10から基地局11に到達するまでにかかる時間である。RTDは、時間t1及びと時間t2の和である。
【0010】
距離d1は、時間t1及び時間t2の和を2で割ることにより算出される片道分の時間と、光の速さとを掛けることにより算出され、移動体端末11と基地局12との間の距離である。
【0011】
図3は、移動体端末11と基地局12との間の受信電力(RSRP:Reference Signal Received Power)の概念図を示す。RSRP21は、基地局12から送信された電波が移動体端末11により受信された場合の移動体端末11における受信電力である。
【0012】
図4Aは、移動体端末11と基地局12との間の伝搬路上に建物等の障害物がない場合の伝搬路の概念図を示す。移動体端末11と基地局12との間に建物等の障害物がなく、見通しがある場合をここではLOS(Line Of Sight)と呼ぶ。LOSの場合、移動体端末11と基地局12との間の伝搬路は直線であり、伝搬路上に障害物がないため、RSRP21は反射や回折等の影響を受けない。
【0013】
図4Bは、移動体端末11と基地局12との間の伝搬路上に障害物がある場合の伝搬路の概念図を示す。移動体端末11と基地局12との間に建物等の障害物があって、見通しがない場合をここではNLOS(Non Line Of Sight)と呼ぶ。NLOSの場合、移動体端末11と基地局12との間の伝搬路は直線ではなく、伝搬路上に障害物があるため、RSRP21は反射や回折等の影響を受けて減衰する。
【0014】
ここで、特許文献1には、セルラーネットワークの一又は複数の基地局から伝搬遅延情報を受信し、受信した伝搬遅延情報及び基地局の設置位置の情報に基づいて、移動局の位置を決定する技術が開示されている。
【0015】
また特許文献2には、移動機と基地局との間の無線伝送路の状態が地域的な要因等によって変化した場合であっても、移動機の位置を推定する技術が開示されている。具体的には、基地局と移動機との間の距離に対する受信強度の地理的な変動を考慮して予め定められた各基地局からの距離と受信強度との統計的な関係を確率にて表した確率分布特性と、実際に測定された複数の受信強度から算出される受信強度の平均的な値とに基づいて、移動機が各位置に存在し得る確率を算出することにより、移動機の位置を推定する技術が開示されている。
【0016】
また特許文献3には、移動局装置と基地局装置との通信において障害物や反射等がある場合であっても、移動局装置と基地局装置との間の距離を推定する技術が開示されている。具体的には、基地局装置に関する見通し外の伝搬モデルに基づいて、基地局との距離を推定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特表2010−529419号公報
【特許文献2】特開2001−313972号公報
【特許文献3】特開2011−19026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかし、特許文献1〜3に開示された技術では、基地局及び隣接基地局との間の複数の往復遅延時間(RTD)を得ることができなければ、移動体端末と基地局及び隣接基地局との間の距離を算出することができず、移動体端末の位置を推定することはできない。例えばLTE(Long Term Evolution)のように基地局及び隣接基地局のそれぞれが時間同期しない通信方式では、1つの局からしかRTDを得ることができないため、移動体端末の位置を正確に推定することはできない。
【0019】
従って、こうした非同期型の移動無線通信システムにおいて移動体端末の位置を推定するためには、RTDの他にも何らかの無線品質情報を用いる必要がある。
【0020】
そこで本発明は、以上の点を考慮してなされたもので、基地局との間の往復遅延時間及び隣接基地局からの受信電力に基づいて、移動体端末の端末位置を推定し得る端末位置推定システム及び端末位置推定方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
かかる課題を解決するために、本発明においては、基地局と、前記基地局に隣接して設置される隣接基地局と、前記基地局及び前記隣接基地局との間で無線通信する移動体端末と、前記移動体端末と前記基地局及び前記隣接基地局との間の無線通信を監視する監視装置とを備えた端末位置推定システムにおいて、前記監視装置は、前記移動体端末と前記基地局との間の往復遅延時間を取得し、取得した前記遅延時間に基づいて、前記移動体端末と前記基地局との間の距離を算出し、前記移動体端末と前記隣接基地局との間の受信電力を取得し、取得した前記受信電力及び予め定められた第1の理論伝搬式に基づいて、前記移動体端末と前記隣接基地局との間の距離を算出し、算出した前記移動体端末と前記基地局との間の距離及び前記移動体端末と前記隣接基地局との間の距離に基づいて、前記移動体端末の端末位置を推定することを特徴とする。
【0022】
また、本発明においては、基地局と、前記基地局に隣接して設置される隣接基地局と、前記基地局及び前記隣接基地局との間で無線通信する移動体端末と、前記移動体端末と前記基地局及び前記隣接基地局との間の無線通信を監視する監視装置とを備えた端末位置推定システムによる端末位置推定方法において、前記監視装置により、前記移動体端末と前記基地局との間の往復遅延時間を取得し、取得した前記遅延時間に基づいて、前記移動体端末と前記基地局との間の距離を算出する第1のステップと、前記移動体端末と前記隣接基地局との間の受信電力を取得し、取得した前記受信電力及び予め定められた第1の理論伝搬式に基づいて、前記移動体端末と前記隣接基地局との間の距離を算出する第2のステップと、算出した前記移動体端末と前記基地局との間の距離及び前記移動体端末と前記隣接基地局との間の距離に基づいて、前記移動体端末の端末位置を推定する第3のステップとを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、移動体端末と基地局との間の往復遅延時間と、基地局及び隣接基地局からの受信電力とに基づいて、移動体端末の端末位置を正確に推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】従来の端末位置推定システムを示す全体構成図である。
【図2】移動体端末と基地局との間の往復遅延時間及び距離を示す概念図である。
【図3】移動体端末と基地局との間の受信電力を示す概念図である。
【図4A】見通しがある場合の伝搬路を示す概念図である。
【図4B】見通しがない場合の伝搬路を示す概念図である。
【図5】本発明の端末位置推定システムを示す全体構成図である。
【図6】端末位置推定システムの機能ブロック図である。
【図7】コールログ一覧を示す概念図である。
【図8】端末位置推定処理の処理手順を示すフロー図である。
【図9】NLOS判定処理の処理手順を示すフロー図である。
【図10】理論伝搬式を示す概念図である。
【図11A】見通しがある場合の伝搬路を示す概念図である。
【図11B】見通しがない場合の伝搬路を示す概念図である。
【図12】見通しがない場合の補正内容を示す概念図である。
【図13】距離算出処理の処理手順を示すフロー図である。
【図14】建物情報を考慮した理論伝搬式を示す概念図である。
【図15A】建物情報を考慮しない場合の受信電力の取得範囲を示す概念図である。
【図15B】建物情報を考慮した場合の受信電力の取得範囲を示す概念図である。
【図16】幅を持たせた受信電力の取得範囲を示す概念図である。
【図17】端末位置推定エリアを示す概念図である。
【図18】第2の実施の形態における端末位置推定システムを示す全体構成図である。
【図19】受信電力分布情報を示す概念図である。
【図20】第2の実施の形態における端末位置推定処理を示すフロー図である。
【図21A】メッシュ化した地図上において受信電力分布を可視化した概念図である。
【図21B】メッシュ化した地図上において受信電力分布を可視化した概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0026】
(1)第1の実施の形態
第1の実施の形態では、移動体端末と基地局との間の往復遅延時間と、基地局及び隣接基地局から取得される受信電力とに基づいて、移動体端末の端末位置を正確に推定する端末位置推定システム及び端末位置推定方法について説明する。
【0027】
図5は、第1の実施の形態における端末位置推定システム100の全体構成図を示す。端末位置推定システム100は、移動体端末101、基地局102、隣接基地局103、隣接基地局104及びネットワーク監視装置105から構成される。
【0028】
移動体端末101は、基地局102から往復遅延時間(RTD:Round Trip Delay Time)106を受信し、基地局102、隣接基地局103及び104から受信電力(RSRP:Reference Signal Received Power)107〜109を受信する。
【0029】
ネットワーク監視装置105は、移動体端末101と、基地局102、隣接基地局103及び104との間の無線通信を監視する。
【0030】
またネットワーク監視装置105は、移動体端末101において受信した移動体端末101と基地局102との間のRTD106に基づいて、移動体端末101と基地局102との間の距離を算出する。具体的には、移動体端末101は、RTD106から片道分の時間を算出し、算出した片道分の時間に光の速さを掛けることにより、移動体端末101と基地局102との間の第1の距離d11を算出する。
【0031】
またネットワーク監視装置105は、移動体端末101において受信した隣接基地局103及び104からのRSRP108及び109と、予め定められた理論伝搬式に基づいて(図10参照)、移動体端末101と隣接基地局103との間の第2の距離d12及び移動体端末101と隣接基地局104との間の第3の距離d13をそれぞれ算出する。
【0032】
なおここでは、ネットワーク監視装置105は、算出した第2の距離d12及び第3の距離d13のそれぞれを基準として、プラスマイナスに一定の幅を持たせる。幅を持たせる理由としては、後述するように第1〜第3の距離d11〜d13の交点が端末位置として推定されるのであるが、その際、理論上交点が得られない場合が生じることを防止するためである。
【0033】
ネットワーク監視装置105は、算出された3つの距離を半径とし、基地局102、隣接基地局103及び104のそれぞれの設置位置を中心とする3つの円を描画する。そしてネットワーク監視装置105は、第1〜第3の距離d11〜d13を半径として描画した3つの円が交わるエリアA11を移動体端末101の端末位置推定エリアA11として決定することができる。端末位置推定処理の詳細については後述する(図8等参照)。
【0034】
図6は、端末位置推定システム100の機能ブロック図を示す。端末位置推定システム100は、基地局102、隣接基地局103及び104、ネットワーク監視装置105、基地局制御部201、PDSN(Packet Data Serving Node)202を備えて構成される。
【0035】
基地局102、隣接基地局103及び104は、基地局制御部201及びPDSN202を介して移動体帯端末101と無線通信を行う。
【0036】
基地局制御部201は、基地局102、隣接基地局103及び104の上位装置として、各局の動作を制御する。また基地局制御部210は、基地局102、隣接基地局103及び104からの無線品質情報(例えば、RTD及びRSRP)をネットワーク監視装置105に送信する。
【0037】
PDSN202は、通信プロトコルTCP/IPを用いてネットワークを相互に接続したコンピュータネットワークである。
【0038】
ネットワーク監視装置105は、コールログDB1051、位置推定部1052及び地図表示部1053を備えて構成される。
【0039】
コールログDB1051は、移動体端末101と基地局102との間のRTD106の情報と、基地局102、隣接基地局103及び104から取得されるRSRP107〜109の情報を格納するデータベースである。
【0040】
位置推定部1052は、RTD取得部10521、NLOS判定部10522、RSRP取得部10523及び距離推定部10524を備えて構成される。
【0041】
RTD取得部10521は、コールログDB1051からRTD106の情報を取得する。
【0042】
NLOS判定部10522は、取得したRTD106の情報、後述するRSRP取得部10523から取得したRSRP107及び予め定められた理論伝搬式(図10参照)に基づいて、移動体端末101と基地局102との間に見通しがあるか否かを判定する。またNLOS判定部10522は、判定結果に基づいて、移動体端末101と基地局102との間の距離を算出する。
【0043】
なお見通しがある場合とは、上述したように(図4参照)、移動体端末101と基地局102との間の伝搬路上に障害物がない場合であり、一般にLOS(Line Of Sight)と呼ばれる。また見通しがない場合とは、上述したように(図4参照)、移動体端末101と基地局102との間の伝搬路上に障害物がある場合であり、一般にNLOS(Non Line Of Sight)と呼ばれる。
【0044】
RSRP取得部10523は、コールログDB1051からRSRP107〜109の情報を取得する。
【0045】
距離推定部10524は、取得したRSRP108及び109の情報に基づいて、移動体端末101と隣接基地局103及び104との間の距離を算出する。
【0046】
地図表示部1053は、NLOS判定部10522により算出された移動体端末101と基地局102との間の距離と、距離推定部10524により算出された移動体端末101と隣接基地局103及び104との間の距離とに基づいて、移動体端末101の端末位置推定エリアA11を地図上に表示する。
【0047】
図7は、コールログDB1051に格納されるコールログ一覧10511の概念図を示す。コールログ一覧10511は、基地局RTD欄105111、基地局RSRP欄105112、隣接基地局RSRP欄105113及び105114から構成される。
【0048】
基地局RTD欄105111には、移動体端末101と基地局102との間の往復遅延時間(RTD)106の情報が格納される。
【0049】
基地局RSRP欄105112には、移動体端末101と基地局102との間の受信電力(RSRP)107の情報が格納される。
【0050】
隣接基地局RSRP欄105113及び105114には、移動体端末101と隣接基地局103及び104との間の受信電力(RSRP)108及び109の情報がそれぞれ格納される。
【0051】
従って、例えばRTDが「10」の場合、移動体端末101と基地局102との間のRSRP107は「−85」であり、移動体端末101と隣接基地局103との間のRSRP108は「−90」であり、移動体端末101と隣接基地局104との間のRSRP109は「−95」であることが示されている。
【0052】
図8は、端末位置推定処理の処理手順の概要を示す。ネットワーク監視装置105の位置推定部1052は、例えば図示しない操作部からユーザにより端末位置推定処理の実行指示を受け付けると、この図8に示す処理手順に従って、移動体端末101の端末位置を推定する端末位置推定処理を実行する。
【0053】
まず、位置推定部1052は、コールログDB1051から移動体端末101と基地局102との間のRTD106を取得し、取得したRTD106の情報について、NLOS判定処理を実行する(S1)。
【0054】
図9は、NLOS判定処理の処理手順を示す。位置推定部1052は、コールログDB1051から取得したRTD106の情報に基づいて、移動体端末101と基地局102との間の距離を算出する(S11)。
【0055】
次いで、位置推定部1052は、算出した移動体端末101と基地局102との間の距離、予め定められたNLOSの理論伝搬式(図10参照)及び予め定められたLOSの理論伝搬式(図10参照)に基づいて、NLOSの場合の受信電力(RSRP)及びLOSの場合の受信電力(RSRP)を算出する(S12)。
【0056】
図10は、理論伝搬式300の概念図を示す。理論伝搬式300は、横軸に距離を取り、縦軸に受信電力を取って構成される。また理論伝搬式300は、NLOSの理論伝搬式301及びLOSの理論伝搬式302から構成される。NLOSの理論伝搬式301を下記式(1)に示す。またLOSの理論伝搬式302を下記式(2)に示す。
(数1)
【0057】
L=69.55+22.16log(f[MHz])-13.82log(hb[m])-a(hm[m])+(44.9-6.55log(hb[m]))log(d[km])+A ……(1)
L:伝搬損失
f:周波数
hb:基地局のアンテナの高さ
hm:移動体端末のアンテナの高さ
d:移動体端末と基地局との間の距離
〔大都市の場合〕
a(hm[m])=8.29log(1.54(hm[m]))^2-1.1
A=0
〔中小都市の場合〕
a(hm[m])=(1.11log(f[MHz])-0.7)hm[m]-(1.56log(f[MHz])-0.8)
A=0
〔郊外の場合〕
a(hm[m])=(1.11log(f[MHz])-0.7)hm[m]-(1.56log(f[MHz])-0.8)
A=-2(log(f[MHz]/28))^2-5.4
〔開放地の場合〕
a(hm[m])=(1.11log(f[MHz])-0.7)hm[m]-(1.56log(f[MHz])-0.8)
A=-4.78log(f[MHz])^2+18.33log(f[MHz])-40.94
(数2)
【0058】
L=32.44+20log(f[MHz])+20log(d[km]) ……(2)
L:伝搬損失
f:周波数
d:移動体端末と基地局との間の距離
【0059】
NLOSの理論伝搬式301によれば、移動体端末101と基地局102との間の距離が距離d11の場合、受信電力はRSRP−NLOSであることが示されている。
【0060】
一方、LOSの理論伝搬式302によれば、移動体端末101と基地局102との間の距離が距離d11の場合、受信電力はRSRP−LOSであることが示されている。
【0061】
位置推定部1052は、移動体端末101と基地局102との間の距離d11(図5参照)及びこの図10に示す理論伝搬式300に基づいて、NLOSの場合の受信電力(RSRP)及びLOSの場合の受信電力(RSRP)を算出することができる。
【0062】
図9に戻り、位置推定部1052は、コールログ一覧10511の基地局RSRP欄105112から取得した基地局102からのRSRP107が先に算出したNLOSの場合のRSRP−NLOS及びLOSの場合のRSRP−LOSのうち、何れのRSRPに近いかを判定する(S13)。
【0063】
位置推定部1052は、基地局RSRP欄105111から取得したRSRP107がNLOSの場合のRSRP−NLOSに近い場合、コールログDB1051から取得したRTD106の情報はNLOSであると判定し(S14)、本処理を終了する。
【0064】
これに対し、位置推定部1052は、基地局RSRP欄105112から取得したRSRP107がLOSの場合のRSRP−LOSに近い場合、コールログDB1051から取得したRTD106の情報はLOSであると判定し(S15)、本処理を終了する。
【0065】
図8に戻り、位置推定部1052は、コールログDB1051から取得したRTD106の情報がNLOSであるか否かを判断する(S2)。
【0066】
位置推定部1052は、この判断で肯定結果を得ると、ステップS11で算出した移動体端末101と基地局102との間の距離を補正する(S3)。
【0067】
ここで、補正する理由及び補正内容について説明する。まず補正する理由について、図11A及び図11Bを参照して説明する。
【0068】
図11Aは、移動体端末101と基地局102との間の伝搬路上に障害物がない場合の伝搬路の概念図を示す。移動体端末101と基地局102との間に建物等の障害物がなく見通しがあるLOSの場合、移動体端末101と基地局102との間の伝搬路は直線であり、伝搬路上に障害物がないため、電波は反射や回折等の影響を受けない。従って、コールログ一覧10511のRTD欄105111から取得したRTD106の情報に基づいて算出される距離を補正する必要はない。
【0069】
図11Bは、移動体端末101と基地局102との間の伝搬路上に障害物がある場合の伝搬路の概念図を示す。移動体端末101と基地局102との間に建物等の障害物があり見通しがないNLOSの場合、移動体端末101と基地局102との間の伝搬路は直線ではなく、伝搬路上に障害物があるため、電波は反射や回折等の影響を受ける。従って、コールログ一覧10511のRTD欄105111から取得したRTD106の情報に基づいて算出される距離は、実際の移動体端末101と基地局102との間の距離よりも大きいため、補正する必要がある。
【0070】
図12は、補正内容の概念図を示す。コールログ一覧10511から取得したRTD106の情報がNLOSである場合、RTD106の情報に基づいて算出される距離d11は、上述したように実際の距離よりも大きい値となる。従って、位置推定部1052は、RTD106の情報に基づいて算出される距離について減ずる補正を行うことにより、移動体端末101と基地局102との間の距離d111を算出する。そして位置推定部1052は、減ずる補正を行った後の距離d111を移動体端末101と基地局102との間の距離とする。
【0071】
なお位置推定部1052は、移動体端末101と基地局102との間の距離が大きければ大きい程、誤差も大きくなることから、距離d11に比例して減ずる補正の補正量を大きくして移動体端末101と基地局102との間の距離d111を算出するとしてもよい。
【0072】
図8に戻り、位置推定部1052は、ステップS1の判断で否定結果を得ると、コールログ一覧10511から取得したRTD106の情報に基づいて算出される距離について補正せず、RTD106の情報に基づいて算出された距離d11を移動体端末101と基地局102との間の距離とする。
【0073】
また位置推定部1052は、コールログ一覧10511の隣接基地局RSRP欄105113及び105114から取得したRSRP108及び109の情報と、建物情報を考慮した理論伝搬式(図14参照)とに基づいて、移動体端末101と隣接基地局103及び104との間の距離をそれぞれ算出し、算出した距離に予め定められた分の幅を持たせる(S4)。
【0074】
なお建物情報を考慮した理論伝搬式(図14参照)については後述する。また幅を持たせる理由としては、上述したように(図5参照)、理論上交点が得られない場合が生じることを防止するためである。
【0075】
図13は、移動体端末101と隣接基地局103及び104との間の距離を算出する距離算出処理の処理手順を示す。
【0076】
位置推定部1052は、コールログ一覧10511の隣接基地局RSRP欄105113から取得したRSRP108の情報及び建物情報を考慮した理論伝搬式(図14参照)に基づいて、移動体端末101と隣接基地局103との間の距離を算出する(S21)。
【0077】
ここで、建物情報を考慮した理論伝搬式について図14を参照して説明する。
【0078】
図14は、建物情報を考慮しないNLOSの理論伝搬式301及び建物情報を考慮したNLOSの理論伝搬式401の概念図を示す。建物情報を考慮しないNLOSの理論伝搬式301によれば、移動体端末101と隣接基地局103との間の距離が長くなるとともに、移動体端末101において受信される受信電力(RSRP)は低下する。ここで、NLOSの場合であっても建物情報に応じて様々な環境が存在する。従って1つの理論伝搬式で正確な距離を推定することは困難である。そこで位置推定部1052は、移動体端末101と隣接基地局103との間の距離を算出する際、建物情報を考慮しないNLOSの理論伝搬式301ではなく、建物情報を考慮したNLOSの理論伝搬式401を用いる。これにより、移動体端末101の端末位置を正確に推定することができる。
【0079】
建物情報を考慮したNLOSの理論伝搬式401は、例えば移動体端末101と隣接基地局103又は104との間において、見通しがなく大きなビル等がある地点(伝搬損失が大きい地点)では上記式(1)及び〔大都市の場合〕の値を用い、民家等がある地点(伝搬損失が小さい地点)では上記式(1)及び〔郊外の場合〕の値を用いることにより、距離に応じてRSRPが一様に下がる式(図14の401)ではなく、距離ごとに建物情報による伝搬損失を考慮した式(図14の式301)が形成される。また建物情報を考慮したNLOSの理論伝搬式401は、例えば位置推定部1052内の図示しない記憶部に複数種類の理論伝搬式401が予め格納されるとしてもよい。
【0080】
図15Aは、建物情報を考慮しないNLOSの理論伝搬式301に基づいて、隣接基地局103から取得されるRSRP108を取得し得る範囲を示す。建物情報を考慮しないNLOSの理論伝搬式301が用いられる場合、RSRP108から算出される距離d12は一定となる。
【0081】
図15Bは、建物情報を考慮したNLOSの理論伝搬式401に基づいて、隣接基地局103から取得されるRSRP108を取得し得る範囲を示す。建物情報を考慮したNLOSの理論伝搬式401が用いられる場合、RSRP108から算出される距離は一定とはならない。
【0082】
図13に戻り、位置推定部1052は、算出した距離に予め定められた分の幅を持たせ、隣接基地局103からのRSRP108を取得し得る範囲を算出する(S22)。
【0083】
図16は、建物情報を考慮したNLOSの理論伝搬式401により算出された距離に、予め定められた分の幅を持たせた場合のRSRPの概念図を示す。そもそも理論伝搬式は、フェージングの値を平均化した式であることから、瞬時的な値ではフェージング等により受信電力が落ち込む。一般に見通しがないNLOSの理論伝搬式のモデルとして知られている秦モデルは10[dB]の誤差を許容している。従って、ここでは推定した距離d121にプラスマイナス5[dB]の幅デルタdを持たせる。
【0084】
図13に戻り、位置推定部1052は、上述してきたステップS21及びS22の処理と同様に、コールログ一覧10511の隣接基地局RSRP欄105113から取得したRSRP108の情報及び建物情報を考慮した理論伝搬式に基づいて、移動体端末101と隣接基地局104との間の距離を算出する(S23)。
【0085】
次いで、位置推定部1052は、算出した距離に予め定められた分の幅を持たせ、隣接基地局104からのRSRP109を取得し得る範囲を算出する(S24)。
【0086】
図8に戻り、位置推定部1052は、RTD106の情報から算出された距離d11と、RSRP107及び108から算出された距離d12及びd13とに基づいて、交点を特定する(S5)。
【0087】
具体的には、位置推定部1052は、RTD106の情報から算出された距離を第1の距離d11とし、この第1の距離d11を半径とする基地局102の設置位置を中心とした円を描画する。また位置推定部1052は、RSRP108及び109の情報から算出された距離を第2の距離d12及び第3の距離d13とし、この第2の距離d12及び第3の距離d13を半径とする隣接基地局103及び104の設置位置を中心とした円をそれぞれ描画する。更に位置推定部1052は、第2の距離d12及び第3の距離d13に幅を持たせる。そして位置推定部1052は、第2の距離d12を半径として描画した円を基準として幅を持たせた領域と、第3の距離d13を半径として描画した円を基準として幅を持たせた領域とが交わるエリアA11において、第1の距離d11を半径として描画した円の線上を特定する。
【0088】
そして、位置推定部1052は、特定した線上の何れかの位置を移動体端末101の端末位置推定エリアとして決定し(S6)、本処理を終了する。
【0089】
図17は、実際の測定値を用いて本発明にかかる端末位置推定処理(図8参照)を実行した場合の端末位置推定エリアA11の概念図を示す。位置推定部1052は、移動体端末101と基地局102との間のRTD106に基づいて距離d11を算出し、移動体端末101と隣接基地局103及び104との間のRSRP108及び109に基づいて距離d12及びd13を算出し、算出した距離d11〜d13を用いることにより、移動体端末101の位置推定ポイントとして端末位置推定エリアA11を特定することができる。図17では、位置推定部1052により、実際に推定された端末位置は推定ポイント1011Pであることが示されており、現実の端末位置は端末位置1012Pであることが示されている。推定ポイント1011P及び端末位置1012Pは、何れもエリアA11内に存在し、互いに近似した位置であることから、高精度に端末位置が推定されたことが示されている。
【0090】
以上のように、第1の実施の形態による端末位置推定システム100によれば、移動体端末101と基地局102との間の往復遅延時間(RTD)106と、基地局102、隣接基地局103及び104から得られる受信電力(RSRP)107〜109とに基づいて、移動体端末101の端末位置を推定することができる。
【0091】
またネットワーク監視装置105は、NLOS判定部10522により、移動体端末101と基地局102との間がNLOSであるか否かを判定することができる。具体的には、NLOS判定部10522は、RTDにより算出した移動体端末101と基地局102との間の距離d11、基地局102からの受信電力(RSRP)107、NLOSの理論伝搬式(図10参照)及びLOSの理論伝搬式(図10参照)に基づいて、移動体端末101と基地局102との間がNLOSであるか否かを判定することができる。そして、ネットワーク監視装置105は、移動体端末101と基地局102との間の距離d11について、NLOSの場合には減ずるように補正し、LOSの場合には補正しないように処理することができる。よって、移動体端末101と基地局102との間の距離d11を正確に算出することができる。
【0092】
またネットワーク監視装置105は、距離推定部10524により、移動体端末101と、隣接基地局103及び104との間の距離d12及びd13を算出する際、建物情報を考慮した距離d12及びd13を算出することができる。具体的には、距離推定部10524は、隣接基地局103及び104からの受信電力(RSRP)108及び109と、建物情報を考慮した理論伝搬式(図14参照)とに基づいて、建物情報を考慮した距離d12及びd13を算出することができる。よって、移動体端末101と隣接基地局103及び104との間の距離d12及びd13を正確に算出することができる。
【0093】
(2)第2の実施の形態
第2の実施の形態では、隣接基地局103及び104からのRSRP108及び109に基づいて移動体端末101と隣接基地局103及び104との間の距離を算出する際、地図をメッシュ化したときの各メッシュに配置された隣接基地局から取得されるRSRPに基づいて、移動体端末101の端末位置推定エリアA11求める方法について説明する。
【0094】
図18は、第2の実施の形態における端末位置推定システム100Aの機能ブロック図を示す。端末位置推定システム100Aは、記憶装置1054を備えて構成される点を除いて、第1の実施の形態における端末位置推定システム100と同様に構成されている。
【0095】
記憶装置1054は、地図をメッシュ化したときの各メッシュに配置された隣接基地局(隣接基地局103及び104を含む)の位置情報、識別情報(ID)及び隣接基地局から得られるRSRP値等を含む受信電力分布情報を格納して保持する。
【0096】
図19は、記憶装置1054に格納される受信電力分布情報10541の概念図を示す。受信電力分布情報10541は、緯度欄105411、経度欄105412、隣接基地局ID欄105413及びRSRP欄105414から構成される。
【0097】
緯度欄105411及び経度欄105412には、隣接基地局の設置位置の情報が格納される。
【0098】
隣接基地局ID欄105413には、隣接基地局103及び104を含む隣接基地局を識別するための識別情報が格納される。
【0099】
RSRP欄105414には、移動体端末101と隣接基地局103及び104を含む隣接基地局との間の受信電力(RSRP)の情報が格納される。
【0100】
なお受信電力分布情報10541に格納されるこれらの各種情報は、位置推定部1052により予め計算されて格納されるものとする。
【0101】
図20は、第2の実施の形態における端末位置推定処理の処理手順の概要を示す。第2の実施の形態における端末位置推定処理の処理手順は、受信電力分布情報10541(図19参照)を用いて移動体端末101と隣接基地局103及び104との間の距離を算出する点を除いて、第1の実施の形態における端末位置推定処理(図8参照)と同様である。ネットワーク監視装置105の位置推定部1052は、例えば図示しない操作部からユーザにより第2の実施の形態における端末位置推定処理の実行指示を受け付けると、この図20に示す処理手順に従って、移動体端末101の端末位置を推定する端末位置推定処理を実行する。
【0102】
ステップS31〜S33における処理は、第1の実施の形態における端末位置推定処理(図8参照)のステップS1〜S3と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0103】
位置推定部1052は、コールログ一覧10511の隣接基地局RSRP欄105113及び105114から取得したRSRP108及び109の情報に一致するRSRPを受信電力分布情報10541のRSRP欄105114から検索する。そして位置推定部1052は、検索結果としてRSRPを得ると、得られたRSRPに対応する隣接基地局の位置を受信電力分布情報10541の緯度欄105411及び経度欄105412から取得する。そして位置推定部1052は、取得した隣接基地局の位置と移動体端末との間の距離を算出し、算出した距離に予め定められた分の幅を持たせる(S34)。
【0104】
ステップS35及びS36における処理は、第1の実施の形態における端末位置推定処理(図8参照)のステップS5及びS6と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0105】
図21Aは、メッシュ化した地図上において、建物情報を考慮しない理論伝搬式(図14参照)に基づいて算出された受信電力(RSRP)の分布を可視化した場合の概念図を示す。受信電力分布情報10541のRSRP欄105414には、建物情報を考慮しない理論伝搬式から算出されたRSRP値が格納される。図21Aでは、基地局101から等距離d21上に位置する各メッシュA〜Hには全て同じRSRP値が格納される。
【0106】
図21Bは、メッシュ化した地図上において、建物情報を考慮した理論伝搬式(図14参照)に基づいて算出された受信電力(RSRP)の分布を可視化した場合の概念図を示す。受信電力分布情報10541のRSRP欄105414には、建物情報を考慮した理論伝搬式から算出されたRSRP値が格納される。図21Bでは、基地局101から等距離d21上に位置する各メッシュA〜Hにはそれぞれ異なるRSRP値が格納される。
【0107】
以上のように、第2の実施の形態による端末位置推定システム100Aによれば、予め受信電力分布情報10541を記憶装置1054に格納して保持しておくことにより、端末位置を推定する計算時間を大幅に削減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明は、基地局から取得した往復遅延時間(RTD)と、基地局及び隣接基地局からの受信電力(RSRP)の情報に基づいて、移動体端末の端末位置を正確に推定する端末位置推定システム及び端末位置推定方法に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0109】
100 端末位置推定システム
101 移動体端末
102 基地局
103 隣接基地局
104 隣接基地局
105 ネットワーク装置
106 往復遅延時間
107〜109 受信電力


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局と、前記基地局に隣接して設置される隣接基地局と、前記基地局及び前記隣接基地局との間で無線通信する移動体端末と、前記移動体端末と前記基地局及び前記隣接基地局との間の無線通信を監視する監視装置とを備えた端末位置推定システムにおいて、
前記監視装置は、
前記移動体端末と前記基地局との間の往復遅延時間を取得し、取得した前記遅延時間に基づいて、前記移動体端末と前記基地局との間の距離を算出し、
前記移動体端末と前記隣接基地局との間の受信電力を取得し、取得した前記受信電力及び予め定められた第1の理論伝搬式に基づいて、前記移動体端末と前記隣接基地局との間の距離を算出し、
算出した前記移動体端末と前記基地局との間の距離及び前記移動体端末と前記隣接基地局との間の距離に基づいて、前記移動体端末の端末位置を推定する
ことを特徴とする端末位置推定システム。
【請求項2】
前記監視装置は、
前記移動体端末と前記基地局との間の受信電力を取得し、取得した受信電力、前記遅延時間に基づいて算出した前記移動体端末と前記基地局との間の距離、前記移動体端末と前記基地局との間の伝搬路上に障害物がなく見通しがある場合に予め定められた第2の理論伝搬式及び前記移動体端末と前記基地局との間に障害物があり見通しがない場合に予め定められた第3の理論伝搬式に基づいて、前記移動体端末と前記基地局との間に見通しがあるか否かを判断し、見通しがない場合には前記遅延時間に基づいて算出した前記移動体端末と前記基地局との間の距離について予め定められた分だけ減ずるように補正する
ことを特徴とする請求項1に記載の端末位置推定システム。
【請求項3】
前記第1の理論伝搬式は、
前記移動体端末と前記隣接基地局との間に介在する建物情報を考慮して定められる理論伝搬式であり、
前記監視装置は、
建物情報を考慮して定められる前記第1の理論伝搬式に基づいて、前記移動体端末と前記隣接基地局との間の距離を算出する
ことを特徴とする請求項2に記載の端末位置推定システム。
【請求項4】
前記監視装置は、
前記移動体端末と前記隣接基地局との間の距離を算出した後、算出した距離を基準としてプラスマイナスに一定の幅を持たせた距離を算出し、算出した幅及び前記移動体端末と前記基地局との間の距離に基づいて、前記移動体端末の端末位置を推定する
ことを特徴とする請求項3に記載の端末位置推定システム。
【請求項5】
前記監視装置は、
複数の隣接基地局の位置及び前記複数の隣接基地局から取得される受信電力を受信電力分布情報として格納して予め保持しておく記憶装置を備え、
前記記憶装置に保持されている受信電力分布情報に基づいて、前記移動体端末と前記隣接基地局との間の距離を算出する
ことを特徴とする請求項4に記載の端末位置推定システム。
【請求項6】
基地局と、前記基地局に隣接して設置される隣接基地局と、前記基地局及び前記隣接基地局との間で無線通信する移動体端末と、前記移動体端末と前記基地局及び前記隣接基地局との間の無線通信を監視する監視装置とを備えた端末位置推定システムによる端末位置推定方法において、
前記監視装置により、
前記移動体端末と前記基地局との間の往復遅延時間を取得し、取得した前記遅延時間に基づいて、前記移動体端末と前記基地局との間の距離を算出する第1のステップと、
前記移動体端末と前記隣接基地局との間の受信電力を取得し、取得した前記受信電力及び予め定められた第1の理論伝搬式に基づいて、前記移動体端末と前記隣接基地局との間の距離を算出する第2のステップと、
算出した前記移動体端末と前記基地局との間の距離及び前記移動体端末と前記隣接基地局との間の距離に基づいて、前記移動体端末の端末位置を推定する第3のステップと
を備えたことを特徴とする端末位置推定方法。
【請求項7】
前記第1のステップにおいて、
前記監視装置は、
前記移動体端末と前記基地局との間の受信電力を取得し、取得した受信電力、前記遅延時間に基づいて算出した前記移動体端末と前記基地局との間の距離、前記移動体端末と前記基地局との間の伝搬路上に障害物がなく見通しがある場合に予め定められた第2の理論伝搬式及び前記移動体端末と前記基地局との間に障害物があり見通しがない場合に予め定められた第3の理論伝搬式に基づいて、前記移動体端末と前記基地局との間に見通しがあるか否かを判断し、見通しがない場合には前記遅延時間に基づいて算出した前記移動体端末と前記基地局との間の距離について予め定められた分だけ減ずるように補正する
ことを特徴とする請求項6に記載の端末位置推定方法。
【請求項8】
前記第2のステップにおいて、
前記第1の理論伝搬式は、
前記移動体端末と前記隣接基地局との間に介在する建物情報を考慮して定められる理論伝搬式であり、
前記監視装置は、
建物情報を考慮して定められる前記第1の理論伝搬式に基づいて、前記移動体端末と前記隣接基地局との間の距離を算出する
ことを特徴とする請求項7に記載の端末位置推定方法。
【請求項9】
前記第3のステップにおいて、
前記監視装置は、
前記移動体端末と前記隣接基地局との間の距離を算出した後、算出した距離を基準としてプラスマイナスに一定の幅を持たせた距離を算出し、算出した幅及び前記移動体端末と前記基地局との間の距離に基づいて、前記移動体端末の端末位置を推定する
ことを特徴とする請求項8に記載の端末位置推定方法。
【請求項10】
前記監視装置により、
複数の隣接基地局の位置及び前記複数の隣接基地局から取得される受信電力を受信電力分布情報として格納して予め保持しておく記憶装置を備え、
前記記憶装置に保持されている受信電力分布情報に基づいて、前記移動体端末と前記隣接基地局との間の距離を算出する第4のステップ
を備えたことを特徴とする請求項9に記載の端末位置推定方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21A】
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【図21B】
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【公開番号】特開2013−74543(P2013−74543A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213485(P2011−213485)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】