端末制御システム、端末制御方法およびプログラム
【課題】端末から取得した位置情報と関連付いた端末状態情報に基づいて、端末を制御するための制御情報を含んだマップを自動的に作成する。
【解決手段】第1の端末は、自己の位置情報および自己の端末状態情報を、マップサーバに送信する。マップサーバの情報記憶手段は、第1の端末から受信した第1の端末の位置情報と第1の端末の端末状態情報とを記憶する。マップサーバのマップ情報作成手段は、記憶されている位置情報に基づいて1以上の所定領域を決定し、記憶されている位置情報のうち各所定領域に含まれる位置情報に関連付いている端末状態情報に基づいて各所定領域の端末状態情報を決定し、決定された端末状態情報を各所定領域に関連付ける。マップサーバのマップ作成手段は、関連付けされた所定領域群を統合し、制御情報マップを作成する。第2の端末は、マップサーバから受信した制御情報マップに基づいて、制御を行う。
【解決手段】第1の端末は、自己の位置情報および自己の端末状態情報を、マップサーバに送信する。マップサーバの情報記憶手段は、第1の端末から受信した第1の端末の位置情報と第1の端末の端末状態情報とを記憶する。マップサーバのマップ情報作成手段は、記憶されている位置情報に基づいて1以上の所定領域を決定し、記憶されている位置情報のうち各所定領域に含まれる位置情報に関連付いている端末状態情報に基づいて各所定領域の端末状態情報を決定し、決定された端末状態情報を各所定領域に関連付ける。マップサーバのマップ作成手段は、関連付けされた所定領域群を統合し、制御情報マップを作成する。第2の端末は、マップサーバから受信した制御情報マップに基づいて、制御を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置情報および端末状態を関連付けたマップに基づいて端末を制御する端末制御システム、端末制御方法およびプログラムに関し、特に、ユーザおよび端末の種類毎に用意されたマップに基づいて端末を制御する端末制御システム、端末制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、現在位置情報により地理情報をアダプティブに参照し、携帯端末を自律的に制御する技術が提案されている。具体的には、あらかじめサーバに用意しておいた、地理情報と関連付いた端末制御情報に基づいて、端末の機能を場所毎に制御する。例えば、書店においてカメラを用いたデジタル万引きができないようにするためには、あらかじめ書店の場所を示す地理情報と関連付いたカメラ機能を制限する情報をサーバに用意しておく。そして、端末が、自己の地理情報に基づいてサーバの情報を参照し、端末が書店の場所にある場合には、カメラ機能が制限される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−67763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、端末の最適な状態は、ユーザの属性や端末の機能にも影響を受けるため、ユーザ毎や端末の種類毎にも異なる。しかし、特許文献1に記載の技術では、地理情報に基づいて端末を最適な状態に制御することはできるが、ユーザ毎および端末の種類毎に端末を最適な状態に制御することはできない。また、端末を最適な状態に制御するための情報を、ユーザ毎および端末の種類毎にサーバを管理する者が作成するのは膨大な労力が必要となるため、困難であった。
【0005】
そこで、本発明は、上記の課題に鑑みてされたものであり、端末から取得した位置情報と関連付いた端末状態情報に基づいて、端末を制御するための制御情報を含んだマップを自動的に作成することができる端末制御システム、端末制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。また、端末から取得した位置情報に関連付いた端末状態情報に基づいて自動的に作成された制御情報を含んだマップを、ユーザの属性に関する情報や端末の機能に関する情報によりユーザ毎および端末毎に最適化し、最適化されたマップにより端末を制御する端末制御システム、端末制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の事項を提案している。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0007】
(1)本発明は、情報を提供する第1の端末(例えば、図1の提供端末10に相当)と、前記情報に基づいて制御情報マップを作成するマップサーバ(例えば、図1のマップサーバ100に相当)と、前記制御情報マップに基づいて制御される第2の端末(例えば、図1の利用端末20に相当)と、を備える端末制御システムであって、前記第1の端末は、
自己の位置情報および自己の端末状態情報を、前記マップサーバに送信する送信手段を備え、前記マップサーバは、前記第1の端末から受信した前記第1の端末の位置情報と前記第1の端末の端末状態情報とを記憶する情報記憶手段(例えば、図4の情報記憶部110に相当)と、前記記憶されている位置情報に基づいて1以上の所定領域を決定し、前記記憶されている位置情報のうち各所定領域に含まれる位置情報に関連付いている前記端末状態情報に基づいて前記各所定領域の端末状態情報を決定し、前記決定された端末状態情報を前記各所定領域に関連付けるマップ情報作成手段(例えば、図4のマップ情報作成部120に相当)と、関連付けされた所定領域群を統合し、前記制御情報マップを作成するマップ作成手段(例えば、図4のマップ作成部130に相当)と、を備え、前記第2の端末は、前記マップサーバから受信した制御情報マップに基づいて、制御を行う制御手段を備えることを特徴とする端末制御システムを提案している。
【0008】
この発明によれば、第1の端末は、自己の位置情報および自己の端末状態情報を、マップサーバに送信する。マップサーバの情報記憶手段は、第1の端末から受信した第1の端末の位置情報と第1の端末の端末状態情報とを記憶する。マップサーバのマップ情報作成手段は、記憶されている位置情報に基づいて1以上の所定領域を決定し、記憶されている位置情報のうち各所定領域に含まれる位置情報に関連付いている端末状態情報に基づいて各所定領域の端末状態情報を決定し、決定された端末状態情報を各所定領域に関連付ける。マップサーバのマップ作成手段は、関連付けされた所定領域群を統合し、制御情報マップを作成する。第2の端末は、マップサーバから受信した制御情報マップに基づいて、制御を行う。したがって、端末から制御情報マップを作成するのに必要な位置情報と関連付いた端末状態情報を取得することにより、端末から取得した位置情報と関連付いた端末状態情報に基づいて、自動的に端末制御情報を含んだ制御情報マップを作成することができる。
【0009】
(2)本発明は、(1)の端末制御システムについて、前記マップサーバは、前記作成された制御情報マップを記憶するマップ記憶手段(例えば、図4のマップ記憶部140に相当)をさらに備え、前記マップ作成手段は、前記作成された制御情報マップと前記記憶された制御情報マップとをマージし、前記制御情報マップを再作成することを特徴とする端末制御システムを提案している。
【0010】
この発明によれば、マップサーバのマップ記憶手段は、作成された制御情報マップを記憶する。マップサーバのマップ作成手段は、作成された制御情報マップと記憶された制御情報マップとをマージし、制御情報マップを再作成する。したがって、端末から取得した位置情報と関連付いた端末状態情報に基づいて作成した制御情報マップに、以前に端末から取得した位置情報と関連付いた端末状態情報の情報に基づいて作成された制御情報マップの情報を取り込むことにより、多くの端末から取得された情報を制御情報マップに含むことができる。
【0011】
(3)本発明は、(2)の端末制御システムについて、前記第1の端末の送信部は、自己の位置情報と自己の端末状態情報とを併せて、前記位置情報および端末状態情報を取得した時刻を前記マップサーバに送信し、前記情報記憶手段は、前記第1の端末から受信した前記第1の端末の位置情報、前記第1の端末の端末状態情報、および時刻を記憶し、前記マップ情報作成手段は、前記記憶されている位置情報のうち前記各所定領域に含まれる位置情報に関連した前記時刻に基づいて前記各所定領域の時刻を決定し、前記決定された時刻を前記各所定領域に関連付け、前記マップ作成手段は、前記各所定領域に関連付けされた時刻に基づいて、前記作成された制御情報マップと前記記憶された制御情報マップとをマージし、前記制御情報マップを再作成することを特徴とする端末制御システムを提案している。
【0012】
この発明によれば、第1の端末の送信部は、自己の位置情報と自己の端末状態情報とを併せて、位置情報および端末状態情報を取得した時刻をマップサーバに送信する。マップサーバの情報記憶手段は、第1の端末から受信した第1の端末の位置情報、第1の端末の端末状態情報、および時刻を記憶する。マップサーバのマップ情報作成手段は、記憶されている位置情報のうち各所定領域に含まれる位置情報に関連した時刻に基づいて各所定領域の時刻を決定し、決定された時刻を各所定領域に関連付ける。マップサーバのマップ作成手段は、各所定領域に関連付けされた時刻に基づいて、作成された制御情報マップと記憶された制御情報マップとをマージし、制御情報マップを再作成する。したがって、端末から取得した位置情報と関連付いた端末状態情報に基づいて作成した制御情報マップに、以前に作成された制御情報マップの情報のうち新しい情報だけを取り込むことにより、新しい情報だけを制御情報マップに含むことができる。
【0013】
(4)本発明は、(2)の端末制御システムについて、前記端末状態情報が通信方式毎の通信強度である場合に、前記マップ作成手段は、前記作成された制御情報マップの通信方式毎の通信強度と前記記憶された制御情報マップの通信方式毎の通信強度とを前記通信方式毎に重みつけ平均し、出力した前記各所定領域の通信方式毎の通信強度に基づいて決定された前記各所定領域の通信方式を前記作成された制御情報マップに関連付けることにより、前記作成された制御情報マップと前記記憶された制御情報マップとをマージし、前記制御情報マップを再作成することを特徴とする端末制御システムを提案している。
【0014】
この発明によれば、マップサーバのマップ作成手段は、作成された制御情報マップの通信方式毎の通信強度と記憶された制御情報マップの通信方式毎の通信強度とを通信方式毎に重みつけ平均し、出力した各所定領域の通信方式毎の通信強度に基づいて決定された各所定領域の通信方式を作成された制御情報マップに関連付けることにより、作成された制御情報マップと記憶された制御情報マップとをマージし、前記制御情報マップを再作成する。したがって、端末から取得した位置情報と関連付いた通信強度に基づいて作成した制御情報マップの通信強度と、以前に作成された制御情報マップの通信強度とを重み付け平均して出力された通信強度により通信方式を決定することにより、制御情報マップにより精度のよい通信方式を含めることができる。
【0015】
(5)本発明は、(2)から(4)の端末制御システムについて、前記端末状態情報が通信方式毎の通信強度であり、前記記憶されている位置情報が3地点以上ある場合に、マップ情報作成手段は、前記記憶されている位置情報から隣接する任意の2地点を選択し、前記選択された2地点の距離が所定の値以上である場合に、前記選択された2地点の中間地点を新たな位置情報として作成する地点作成手段(例えば、図4の地点作成部122に相当)と、前記記憶されている位置情報および複数の前記作成された新たな位置情報から隣接する任意の3地点を選択し、前記選択された3地点を結んだ三角形を前記所定領域とする通信領域決定手段(例えば、図4の通信領域決定部123に相当)と、前記所定領域を形成する3地点の通信強度から算出された前記所定領域の通信強度に基づいて、前記所定領域の通信方法を決定する通信方法決定手段(例えば、図4の通信方法決定部124に相当)と、を備えることを特徴とする端末制御システムを提案している。
【0016】
この発明によれば、マップ情報作成手段の地点作成手段は、記憶されている位置情報から隣接する任意の2地点を選択し、選択された2地点の距離が所定の値以上である場合に、選択された2地点の中間地点を新たな位置情報として作成する。マップ情報作成手段の通信領域決定手段は、記憶されている位置情報および複数の作成された新たな位置情報から隣接する任意の3地点を選択し、選択された3地点を結んだ三角形を所定領域とする。マップ情報作成手段の通信方法決定手段は、所定領域を形成する3地点の通信強度から算出された所定領域の通信強度に基づいて、所定領域の通信方法を決定する。したがって、端末から取得した位置情報と関連付いた通信強度に基づいて、端末が通信強度を取得していない地点の通信強度を決定することができ、通信方式が複数ある場合に、取得した通信強度に基づいて端末が通信強度を取得していない地点の通信方式を決定することができる。
【0017】
(6)本発明は、(2)から(5)の端末制御システムについて、前記端末状態情報が前記第1の端末のユーザ操作に基づく端末の状態変化を特定する状態変化情報であり、前記マップ情報作成手段は、前記位置情報および前記状態変化情報に基づいて、クラスタリングアルゴリズムにより1以上の前記所定領域を決定する状態変化領域決定手段(例えば、図4の状態変化領域決定部125に相当)と、前記クラスタリングアルゴリズムによって決定された各所定領域に含まれる状態変化情報に基づいて、前記各所定領域の特徴を表す領域特徴情報を生成する領域特徴情報生成手段(例えば、図4の領域特徴情報生成部126に相当)と、を備えることを特徴とする端末制御システムを提案している。
【0018】
この発明によれば、マップ情報作成手段の状態変化領域決定手段は、位置情報および状態変化情報に基づいて、クラスタリングアルゴリズムにより1以上の所定領域を決定する。マップ情報作成手段の領域特徴情報生成手段は、クラスタリングアルゴリズムによって決定された各所定領域に含まれる状態変化情報に基づいて、各所定領域の特徴を表す領域特徴情報を生成する。したがって、クラスタリングアルゴリズムにより適切な範囲で各所定領域を決定すること、および各所定領域の特徴を表す領域特徴情報を生成することができることにより、自己の特徴を表す状態変化情報を関連付けた領域を制御情報マップに含めることができる。
【0019】
(7)本発明は、(1)から(6)の端末制御システムについて、前記第2の端末を特定するための端末識別情報と前記第2の端末の属性を表す端末属性情報とを管理する端末管理サーバ(例えば、図14の端末管理サーバ400に相当)と、前記第2の端末のユーザを特定するためのユーザ識別情報と前記ユーザの属性を表すユーザ属性情報とを管理するユーザ管理サーバ(例えば、図14のユーザ管理サーバ500に相当)とをさらに備え、前記マップサーバは、前記記憶されている端末属性情報および前記記憶されているユーザ属性情報に基づいて、前記作成された制御情報マップに関連付いている前記端末状態情報のうち、前記第2の端末に適した制御情報マップに関連付ける前記端末状態情報を選択し、前記制御情報マップを最適化する最適化手段(例えば、図21の最適化部150に相当)、をさらに備えることを特徴とする端末制御システムを提案している。
【0020】
この発明によれば、端末管理サーバは、第2の端末を特定するための端末識別情報と第2の端末の属性を表す端末属性情報とを管理する。ユーザ管理サーバは、第2の端末のユーザを特定するためのユーザ識別情報とユーザの属性を表すユーザ属性情報とを管理する。前記マップサーバの最適化手段は、記憶されている端末属性情報および記憶されているユーザ属性情報に基づいて、作成された制御情報マップに関連付いている端末状態情報のうち、第2の端末に適した制御情報マップに関連付ける端末状態情報を選択し、制御情報マップを最適化する。したがって、ユーザの属性に関する情報や端末の機能に関する情報に基づいて制御情報マップを最適化することにより、ユーザ毎および端末毎に最適化された制御情報マップを作成することができる。
【0021】
(8)本発明は、(7)の端末制御システムについて、前記最適化手段は、前記記憶されている端末属性情報および前記記憶されているユーザ属性情報に基づいて、前記第2の端末に適した制御情報マップに関連付ける端末状態情報を選択するためのルールをあらかじめ保持し、前記ルールにしたがって、前記制御情報マップを最適化することを特徴とする端末制御システムを提案している。
【0022】
この発明によれば、最適化手段は、記憶されている端末属性情報および記憶されているユーザ属性情報に基づいて、第2の端末に適した制御情報マップに関連付ける端末状態情報を選択するためのルールをあらかじめ保持し、ルールにしたがって、制御情報マップを最適化する。したがって、あらかじめ設定されたルールにしたがって、ユーザ毎および端末毎に制御情報マップに含める端末制御情報を決定することができる。
【0023】
(9)本発明は、(8)の端末制御システムについて、前記端末状態情報が通信方式毎の通信強度である場合に、前記ルールは、前記制御情報マップに関連付ける通信方式の優先順位を決定するルールを含み、前記最適化手段は、前記優先順位の高い通信方式の下に優先順位の低い通信方式を関連付けることにより、前記制御情報マップを最適化することを特徴とする端末制御システムを提案している。
【0024】
この発明によれば、最適化手段は、制御情報マップに関連付ける通信方式の優先順位を決定するルールを参照し、優先順位の高い通信方式の下に優先順位の低い通信方式を関連付けることにより、制御情報マップを最適化する。したがって、制御情報マップに関連付けられた通信方法に優先順位を付けることにより、端末が使用する通信方法を優先順位にしたがって決定することができる。
【0025】
(10)本発明は、(1)から(9)の端末制御システムについて、前記第1の端末が前記マップサーバに対し前記端末状態情報を提供した回数に応じて、前記第1の端末の利用料金に対する割引金額を算出する割引計算手段(例えば、図27の割引計算部160に相当)を備えることを特徴とする端末制御システムを提案している。
【0026】
この発明によれば、割引計算手段は、第1の端末がマップサーバに対し端末状態情報を提供した回数に応じて、第1の端末の利用料金に対する割引金額を算出する。したがって、制御情報マップを作成するのに必要な情報(位置情報と関連付いた端末状態情報)を提供した端末のユーザに対し、貢献度に応じて、端末使用料金を割引くことができ、制御情報マップを作成するのに必要な情報を提供する端末を増やすことができる。
【0027】
(11)本発明は、(1)から(10)の端末制御システムについて、前記端末状態情報が前記第1の端末のユーザ操作に基づく端末の状態変化を特定する状態変化情報である場合に、前記第1の端末の送信手段は、アドホックネットワークを利用し、第3の端末に前記状態変化情報をおよび自己の端末識別情報を送信し、前記第3の端末は、受信した状態変化情報に基づいて自己の端末の状態を変化させた場合に、前記状態変化情報と前記第1の端末および自己の端末識別情報とを前記マップサーバへ送信することを特徴とする端末制御システムを提案している。
【0028】
この発明によれば、第1の端末の送信手段は、アドホックネットワークを利用し、第3の端末に状態変化情報をおよび自己の端末識別情報を送信する。第3の端末は、受信した状態変化情報に基づいて自己の端末の状態を変化させた場合に、状態変化情報と第1の端末および自己の端末識別情報とをマップサーバへ送信する。したがって、マップサーバへ端末の状態変化を特定する状態変化情報を送信する端末を自動的に増やすことができ、より精度の高い制御情報マップを作成することができる。
【0029】
(12)本発明は、(1)から(11)の端末制御システムについて、前記端末状態情報は、通信方式毎の通信強度、前記第1の端末にて起動されているアプリケーションを特定するためのアプリ識別情報、前記第1の端末の動作モードを特定するためのモード識別情報、および前記第1の端末に表示されたコンテンツを特定するためのコンテンツ識別情報のうち少なくとも1つであることを特徴とする端末制御システムを提案している。
【0030】
この発明によれば、端末状態情報は、通信方式毎の通信強度、第1の端末にて起動されているアプリケーションを特定するためのアプリ識別情報、第1の端末の動作モードを特定するためのモード識別情報、および第1の端末に表示されたコンテンツを特定するためのコンテンツ識別情報のうち少なくとも1つである。したがって、通信方式、アプリケーション、動作モード、およびコンテンツについての端末制御情報を制御情報マップに含めることができ、端末の位置情報に応じて、端末の通信方式、アプリケーション、動作モード、およびコンテンツに関する制御を行うことができる。
【0031】
(13)本発明は、(1)から(12)の端末制御システムについて、前記第2の端末が通信を行う場合に、前記受信した制御情報マップを自己の位置情報に基づいて参照し、通信方式を決定することを特徴とする端末制御システムを提案している。
【0032】
この発明によれば、第2の端末が通信を行う場合に、受信した制御情報マップを自己の位置情報に基づいて参照し、通信方式を決定する。したがって、第2の端末は、制御情報マップに基づいて通信方法を決定することにより、最適な通信方法により通信を行うことができる。
【0033】
(14)本発明は、(1)から(13)の端末制御システムについて、前記第2の端末が所定のタイミングにて、前記受信した制御情報マップを自己の位置情報に基づいて参照し、前記第2の端末が表示するアプリケーションの最適配置を行う端末制御システムを提案している。
【0034】
この発明によれば、第2の端末が所定のタイミングにて、受信した制御情報マップを自己の位置情報に基づいて参照し、第2の端末が表示するアプリケーションの最適配置を行う。したがって、第2の端末は、自己の位置情報および制御情報マップに基づいて表示されるアプリケーションの最適配置を行うことにより、第2の端末のユーザに最適なアプリケーションの選択を促すことができる。
【0035】
(15)本発明は、情報を提供する第1の端末と、前記情報に基づいて制御情報マップを作成するマップサーバと、前記制御情報マップに基づいて制御される第2の端末と、を備える端末制御システムにおける端末制御方法であって、前記第1の端末が、自己の位置情報および自己の端末状態情報を、前記マップサーバに送信する第1のステップと、前記マップサーバが、前記第1の端末から受信した前記第1の端末の位置情報と前記第1の端末の端末状態情報とを記憶する第2のステップと、前記マップサーバが、前記記憶されている位置情報に基づいて1以上の所定領域を決定し、前記記憶されている位置情報のうち各所定領域に含まれる位置情報に関連付いている前記端末状態情報に基づいて前記各所定領域の端末状態情報を決定し、前記決定された端末状態情報を前記各所定領域に関連付ける第3のステップ(例えば、図13のS101からS108)と、前記マップサーバが、関連付けされた所定領域群を統合し、前記制御情報マップを作成する第4のステップ(例えば、図13のS109)と、前記第2の端末が、前記マップサーバから受信した制御情報マップに基づいて、制御を行う第4のステップを備えることを特徴とする端末制御方法を提案している。
【0036】
この発明によれば、第1の端末は、自己の位置情報および自己の端末状態情報を、マップサーバに送信する。マップサーバは、第1の端末から受信した第1の端末の位置情報と第1の端末の端末状態情報とを記憶する。マップサーバが、記憶されている位置情報に基づいて1以上の所定領域を決定し、記憶されている位置情報のうち各所定領域に含まれる位置情報に関連付いている端末状態情報に基づいて各所定領域の端末状態情報を決定し、決定された端末状態情報を各所定領域に関連付ける。マップサーバは、関連付けされた所定領域群を統合し、制御情報マップを作成する。第2の端末は、マップサーバから受信した制御情報マップに基づいて、制御を行う。したがって、端末から制御情報マップを作成するのに必要な位置情報と関連付いた端末状態情報を取得することにより、端末から取得した位置情報と関連付いた端末状態情報に基づいて、自動的に端末制御情報を含んだ制御情報マップを作成することができる。
【0037】
(16)本発明は、情報を提供する第1の端末と、前記情報に基づいて制御情報マップを作成するマップサーバと、前記制御情報マップに基づいて制御される第2の端末と、を備える端末制御システムにおける端末制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記第1の端末が、自己の位置情報および自己の端末状態情報を、前記マップサーバに送信する第1のステップと、前記マップサーバが、前記第1の端末から受信した前記第1の端末の位置情報と前記第1の端末の端末状態情報とを記憶する第2のステップと、前記マップサーバが、前記記憶されている位置情報に基づいて1以上の所定領域を決定し、前記記憶されている位置情報のうち各所定領域に含まれる位置情報に関連付いている前記端末状態情報に基づいて前記各所定領域の端末状態情報を決定し、前記決定された端末状態情報を前記各所定領域に関連付ける第3のステップ(例えば、図13のS101からS108)と、前記マップサーバが、関連付けされた所定領域群を統合し、前記制御情報マップを作成する第4のステップ(例えば、図13のS109)と、前記第2の端末が、前記マップサーバから受信した制御情報マップに基づいて、制御を行う第4のステップを備えることを特徴とするプログラムを提案している。
【0038】
この発明によれば、第1の端末は、自己の位置情報および自己の端末状態情報を、マップサーバに送信する。マップサーバは、第1の端末から受信した第1の端末の位置情報と第1の端末の端末状態情報とを記憶する。マップサーバが、記憶されている位置情報に基づいて1以上の所定領域を決定し、記憶されている位置情報のうち各所定領域に含まれる位置情報に関連付いている端末状態情報に基づいて各所定領域の端末状態情報を決定し、決定された端末状態情報を各所定領域に関連付ける。マップサーバは、関連付けされた所定領域群を統合し、制御情報マップを作成する。第2の端末が、マップサーバから受信した制御情報マップに基づいて、制御を行う。したがって、端末から制御情報マップを作成するのに必要な位置情報と関連付いた端末状態情報を取得することにより、端末から取得した位置情報と関連付いた端末状態情報に基づいて、自動的に端末制御情報を含んだ制御情報マップを作成することができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、端末から取得した端末の位置における端末状態情報に基づいて、自動的に作成された位置情報に関連付いた端末制御情報により端末を制御することができるという効果がある。また、端末から取得した端末の位置における端末状態情報に基づいて自動的に作成された位置情報に関連付いた端末制御情報を、ユーザの属性に関する情報や端末の機能に関する情報によりユーザ毎や端末毎に最適化し、最適された位置情報に関連付いた端末制御情報により端末を制御することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】第1の実施形態に係る端末制御システムの構成を示す図である。
【図2】第1の実施形態に係る提供端末の獲得方法を示す図である。
【図3】第1の実施形態に係る利用端末のアプリケーション表示の一例を示す図である。
【図4】第1の実施形態に係るマップサーバの構成を示す図である。
【図5】第1の実施形態に係る通信情報テーブルの一例を示す図である。
【図6】第1の実施形態に係る状態変化情報テーブルの一例を示す図である。
【図7】第1の実施形態に係る広告情報テーブルの一例を示す図である。
【図8】第1の実施形態に係る領域作成方法のイメージ図である。
【図9】第1の実施形態に係る領域の通信強度の算出方法のイメージ図である。
【図10】第1の実施形態に係る領域特徴情報生成部により生成された各領域の特徴を表す領域特徴情報の一例である。
【図11】第1の実施形態に係る制御情報マップの一例を示す図である。
【図12】第1の実施形態に係る制御情報マップのマージ方法を示す図である。
【図13】第1の実施形態に係る端末制御システムの処理フローである。
【図14】第2の実施形態に係る端末制御システムの構成を示す図である。
【図15】第2の実施形態に係る端末管理記憶部のデータ構成の一例を示す図である。
【図16】第2の実施形態に係る広告レベル設定例を示す図である。
【図17】第2の実施形態に係る通信レベル設定例を示す図である。
【図18】第2の実施形態に係る携帯電話機のデバイス構成情報の一例を示す図である。
【図19】第2の実施形態に係る端末IDの決定に必要な各IDの決定ルールを示す図である。
【図20】第2の実施形態に係るユーザ管理記憶部のデータ構成の一例を示す図である。
【図21】第2の実施形態に係るマップサーバの構成を示す図である。
【図22】第2の実施形態に係る通信品質決定ルールの一例を示す図である。
【図23】第2の実施形態に係る通信決定ルールの一例を示す図である。
【図24】第2の実施形態に係る広告決定ルールの一例を示す図である。
【図25】第2の実施形態に係る最適化された制御情報マップを示す図である。
【図26】第3の実施形態に係る端末制御システムを示す図である。
【図27】第3の実施形態に係るマップサーバの構成を示す図である。
【図28】第3の実施形態に係る貢献情報テーブルのデータ構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素などとの置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組み合わせを含むさまざまなバリエーションが可能である。したがって、本実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0042】
<第1の実施形態>
以下、図1から図13を用いて、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0043】
<端末制御システムの構成>
図1は、第1の実施形態に係る端末制御システム1の構成を示す図である。第1の実施形態に係る端末制御システム1は、図1に示すように、提供端末10、マップサーバ100、および利用端末20を備える。提供端末10とマップサーバ100、利用端末20とマップサーバ100とは、それぞれネットワークを介して接続されている。
【0044】
第1の実施形態においては、提供端末10および利用端末20は携帯電話機とするが、提供端末10および利用端末20は通信機能を有していればよく、例えば、PHS、PDA、PC、ゲーム機などであってもよい。また、図1では、説明の便宜上、提供端末10と利用端末20とに分けて図示しているが、いずれの端末もユーザの使用状態によって、提供端末10か、利用端末20かになることができる。
【0045】
提供端末10は、位置情報および自己の端末状態情報を取得する。第1の実施形態において、位置情報は緯度経度であり、提供端末10に備えられた全地球測位システム(GPS=Global Positioning System)などの現在位置取得機能により取得される。
【0046】
端末状態情報は端末の状態を示す情報であり、通信方式毎の通信強度、起動されたアプリケーションを特定するアプリID、変更されたモードを特定するモードID、ユーザが利用したサービスを特定するサービスID、ユーザが閲覧したコンテンツを特定するコンテンツIDである。なお、通信方式には、例えば、WiFi、3G、およびWiMAXなどがある。
【0047】
提供端末10は、位置情報とともにその位置における通信方式毎の通信強度(以下、通信情報という)を定期的に取得する。通信情報は、提供端末10に備えられた通信強度測定機能により取得される。なお、ゲームなど他の用途があるアプリケーションに定期的に位置情報および通信情報を取得し、マップサーバ100に送信するプログラムを組み込み、そのアプリケーションが起動されている時に、位置情報および通信情報を定期的に取得できるようにしてもよい。なお、提供端末10は、位置情報とともにその位置における通信方式毎の通信強度を取得する際に、時刻を併せて取得してもよい。
【0048】
提供端末10は、ユーザの操作に応じてアプリケーションが起動された場合に、自己の位置情報とともに起動されたアプリケーションを特定するためのアプリIDを取得する。提供端末10は同様に、ユーザの操作に応じてモードが変更された場合、ユーザがサービスを利用した場合、およびユーザがコンテンツを閲覧した場合に、自己の位置情報とともにそれぞれを特定する情報(モードID、サービスID、およびコンテンツID)を取得する。以下、位置情報とともに取得されるアプリID、モードID、サービスID、およびコンテンツIDを状態変化情報という。なお、提供端末10は、位置情報とともに状態変化情報を取得する際に、時刻を併せて取得してもよい。
【0049】
提供端末10は、取得した位置情報および自己の端末状態情報の組み合わせをマップサーバ100に送信する。具体的には、提供端末10は、取得した位置情報と通信情報の組み合わせ、取得した位置情報と状態変化情報の組み合わせを対応つけてマップサーバ100に送信する。提供端末10は、端末状態情報を取得する度にマップサーバ100に送信してもよいし、端末状態情報をいくつか取得した後に、まとめてマップサーバ100に送信してもよい。
【0050】
また、提供端末10は、ユーザが設定した広告に関する情報をマップサーバ100へ送信する。具体的には、提供端末10は、ユーザに対し広告に関する情報を設定するための設定画面を提供し、設定画面に入力された広告に関する情報をマップサーバ100へ送信する。広告に関する情報とは、広告を特定するための広告情報(例えば、広告のURL)や、広告の閲覧対象を特定するための閲覧対象情報(例えば、年齢や性別)、広告の表示エリアの位置情報(例えば、経度緯度)、広告の閲覧期間、広告の閲覧回数などである。
【0051】
ここで、提供端末10とは、自端末の位置情報および自端末の端末状態情報を取得することを了承したユーザの端末である。その他に、提供端末10は無線LANのアドホックモードの通信(以下、アドホック通信とする)を用いることにより、自端末の位置情報および自端末の端末状態情報を取得することを了承したユーザ以外の端末を提供端末10にすることもできる。それにより、提供端末10の数を自動的に増やすことができ、マップサーバ100に多くの情報を集めることができる。
【0052】
図2は、第1の実施形態に係る提供端末10の獲得方法を示す図である。端末10は提供端末10であり、すなわち自端末の位置情報および自端末の端末状態情報を取得することを了承したユーザの端末である。端末11−Aおよび端末11−B(以下、両方を指して端末11とする)は、自端末の位置情報および自端末の端末状態情報を取得することを了承したユーザ以外の端末である。
【0053】
端末11は、アプリケーションが起動されたことに応じて、アドホック通信を利用して、自己を特定する端末IDおよびアプリIDを端末11に送信する。なお、端末11は、ユーザの操作に応じてモードが変更されたことに応じてモードIDなどを送信することもできる。
【0054】
端末11は、受信したアプリIDに基づいて取得したアプリケーションを起動するか否かの問い合わせ通知を出力する。なお、端末11は複数の端末からアプリIDを受信することができ、あらかじめ端末11に設定された閾値を超える数の受信があった場合に、問い合わせ通知を出力するようにしてもよい。
【0055】
端末11はユーザにより、受信したアプリIDのアプリケーションが起動されたことに応じて、自己の位置情報、起動されたアプリケーションのアプリID、端末10および自己の端末IDをマップサーバ100へ送信する。
【0056】
また、端末11は、アドホック通信を利用して、さらに別の端末へアプリケーションIDを送信することもできる。
【0057】
図1に戻って、マップサーバ100は、提供端末10から位置情報および提供端末10の端末状態情報の組み合わせを受信し、蓄積する。具体的には、マップサーバ100は提供端末10から、位置情報と通信情報の組み合わせ、位置情報と状態変化情報の組み合わせ、および広告に関する情報を提供端末10から受信し、蓄積する。マップサーバ100は、蓄積した位置情報と通信情報、位置情報と状態変化情報、および広告に関する情報に基づいて、制御情報マップを作成し、利用端末20へ送信する。マップサーバ100は、定期的に利用端末20へ作成した制御情報マップを送信してもよいし、利用端末20からの要求に応じて送信してもよい。
【0058】
利用端末20は、マップサーバ100から制御情報マップを受信し、保持する。利用端末20は、所定のタイミングに応じて、自己の位置情報を取得し、保持している制御情報マップと照らし合わせ、自己の状態を変化させる。所定のタイミングには、ユーザからの通信開始要求のタイミング、利用端末20がスリープ状態または休止状態から戻ったタイミング、一定時間が経過したタイミング、利用端末20が一定距離移動したタイミングなどがある。
【0059】
利用端末20は、通信を行う際に、制御情報マップをGPSなどにより取得した自己の位置情報に基づいて参照し、通信方式を決定する。また、利用端末20は、スリープ状態から戻った際に、制御情報マップをGPSなどにより取得した自己の位置情報に基づいて参照し、利用端末20に表示するアプリケーションの最適配置を行う。
【0060】
図3は、第1の実施形態に係る利用端末20のアプリケーション表示の一例である。制御情報マップにしたがって、場所毎(場所A、場所B)に適したアプリケーションをユーザに知らせるために、利用端末20は最適配置されたアプリケーションを表示する。その場所に適したアプリケーションを最適な順に利用端末20に表示する場合には、図に示すように最適な順に上からアプリケーションを表示することができる。図の例では、場所Aでは経路検索が、場所Bではブラウザが最適なアプリケーションである。
【0061】
図4は、第1の実施形態に係るマップサーバ100の構成を示す図である。マップサーバ100は、情報記憶部110、マップ情報作成部120、マップ作成部130、およびマップ記憶部140を備える。
【0062】
情報記憶部110は、提供端末10から受信した位置情報と通信情報、位置情報と状態変化情報、広告に関する情報を記憶する。情報記憶部110は、位置情報および通信情報を記憶する通信情報テーブル111、位置情報および状態変化情報を記憶する状態変化情報テーブル112、および広告情報に関する情報を記憶する広告情報テーブル113を有する。また、情報記憶部110は、マップ情報作成部120に記憶している情報を送信すると、マップ情報作成部120に送信した情報を削除する。
【0063】
図5は、第1の実施形態に係る通信情報テーブル111の一例を示す図である。通信情報テーブル111は、位置情報を示す「緯度」および「経度」、通信情報を示す「通信方式毎(本実施例において通信方式は、WiFi、3G、およびWiMAX)の通信強度」、および位置情報を取得した時刻を示す「タイムスタンプ」から構成される。
【0064】
図6は、第1の実施形態に係る状態変化情報テーブル112の一例を示す図である。状態変化情報テーブル112は、位置情報を示す「緯度」および「経度」、状態変化情報を示す「アプリID」、「モードID」、「サービスID」、および「コンテンツID」から構成される。ただし、図6および後述する図10においては、理解しやすいように、IDの代わりにアプリケーション名、モード名、サービス名、コンテンツ名を表示している。なお、位置情報に対し、アプリID、モードID、サービスID、およびコンテンツIDのうち少なくとも1つが記憶されていればよい。また、状態変化情報テーブル112は、アドホック通信を利用して取得された状態変化情報の場合には、経由した端末数を提供端末10から取得し、記憶してもよい。なお、位置情報を取得した時刻を示す「タイムスタンプ」を記憶してもよい。
【0065】
図7は、第1の実施形態に係る広告情報テーブル113の一例を示す図である。広告情報テーブル113は、広告を特定するための「広告情報」、広告の閲覧対象を示す「閲覧対象」、位置情報を示す「経度」および「緯度」、広告を閲覧対象とする範囲を示す「対象範囲」、広告を閲覧できる期間を示す「閲覧期間」、および広告を閲覧できる回数を示す「閲覧回数」から構成される。なお、広告情報および位置情報以外は記憶されていなくてもよい。
【0066】
図4に戻って、マップ情報作成部120は、制御部121、地点作成部122、通信領域決定部123、通信方法決定部124、状態変化領域決定部125、および領域特徴情報生成部126を備え、情報記憶部110の各テーブルの情報に基づいて、領域を作成し、作成された領域に端末状態情報を関連付ける。
【0067】
制御部121は、あらかじめ設定されたタイミングにおいて、情報記憶部110の通信情報テーブル111から取得した情報を地点作成部122に送信する。また、制御部121は情報記憶部110の状態変化情報テーブル112から取得した情報を状態変化領域決定部125に送信する。あらかじめ設定されたタイミングとは、一定時間経過のタイミングでもよいし、情報記憶部110の情報量がしきい値以上になったタイミングでもよい。
【0068】
地点作成部122は、通信領域決定部123において領域を決定するのに必要な地点を、情報記憶部110の通信情報テーブル111の位置情報に基づいて作成する。
【0069】
図8は、第1の実施形態に係る領域作成方法のイメージ図である。図8において、黒点は通信情報テーブル111に記憶されている位置情報に基づく地点であり、白点は、地点作成部122にて作成される地点である。図8を用いて、地点作成方法について説明する。
【0070】
地点作成部122は、まず隣接する黒点200、201を選択し、選択された2つの黒点200、201の距離が閾値以上であるか否か判断する。この閾値を小さくするほど通信領域決定部123で作成される領域が小さくなる。
【0071】
地点作成部122は、選択された2つの黒点200、201の距離が閾値以上である場合には、選択された2つの黒点200、201の中間に新たな地点(白点)210を作成する。白点210は、2つの黒点200、201の位置情報および通信情報の平均値を自己の位置情報および通信情報として持つ。
【0072】
図4に戻って、地点作成部122は通信情報テーブル111に記憶されている位置情報に基づく地点すべてについて、上記処理を行い、通信領域決定部123において領域を決定するのに必要な地点を作成する。
【0073】
通信領域決定部123は、通信情報テーブル111に記憶されている位置情報に基づく地点および地点作成部122にて作成された地点に基づいて、領域を作成する。図8を用いて、領域の作成方法について説明する。
【0074】
通信領域決定部123は、通信情報テーブル111に記憶されている位置情報に基づく地点および地点作成部122にて作成された地点から任意に互いに隣接する3地点200、210、211を選択し、選択した3地点200、210、211を結んだ直線に囲まれた部分を1つの領域220とする。続いて、同様に隣接する3地点201、210、211を選択し、選択した3地点201、210、211を結んだ直線に囲まれた部分を1つの領域221とする。このようにして、通信領域決定部123は、通信情報テーブル111に記憶されている位置情報に基づく地点および地点作成部122にて作成された地点すべてについて、上記処理を行う。
【0075】
通信方法決定部124は、通信領域決定部123で作成された領域を構成する3点の通信情報に基づいて領域の通信方法を決定し、領域に関連付ける。
【0076】
図9は、第1の実施形態に係る領域の通信強度の算出方法のイメージ図である。図9(a)は、通信領域決定部123にて作成された領域220を示す図である。図9(b)は、領域220を囲む3点の位置情報および通信情報である。本説明において、通信情報は、WiFi、3G、およびWiMAXの通信強度とする。なお、この情報は通信情報テーブル111に記憶されているものである。図9(c)は通信方法決定部124により算出された領域220の通信情報である。図9を用いて、領域の通信強度の算出方法について説明する。
【0077】
通信方法決定部124は、図9(a)に示す領域220を囲む3点200、210、211の通信情報(図9(b)に示す)の平均値を領域220の通信情報(図9(c))として決定する。通信方法決定部124は、もっとも通信強度が強い3Gを領域における通信方法に決定し、決定した通信方法3Gを領域220に関連付ける。なお、領域に通信情報を関連付けてもよい。
【0078】
図4に戻って、状態変化領域決定部125は、状態変化情報テーブル112に記憶されている位置情報および状態変化情報を対象として、位置情報および状態変化情報に基づいて、クラスタリングアルゴリズムにより、1以上のクラスタに分類する。このとき、状態変化情報テーブル112に記憶されている位置情報に基づく地点の数やその地点の密集度を利用して、クラスタアルゴリズムを適用する。なお、クラスタリングアルゴリズムには、k−means法、PLSI(Probabilistic Latent Semantic Indexing)等様々な方法があり、任意の方法を利用することができる。そして、状態変化領域決定部125は、各クラスタに含まれる地点の位置情報に基づいて、すなわち、各クラスタに含まれる地点を全て含むように1以上の領域を決定する。
【0079】
また、状態変化領域決定部125は、広告情報テーブル113に記憶されている位置情報および対象範囲に基づいて1以上の領域を決定する。なお、状態変化領域決定部125は、広告情報テーブル113に記憶されている位置情報および広告情報などを対象として、クラスタリングアルゴリズムを用いて、1以上の領域を決定してもよい。
【0080】
領域特徴情報生成部126は、状態変化領域決定部125で作成された各領域(すなわち、各クラスタ)の状態変化情報に基づいて、各領域の特徴を表す領域特徴情報を生成する。そして、領域特徴情報生成部126は、状態変化領域決定部125で作成された各領域に領域特徴情報を関連付ける。
【0081】
図10は、第1の実施形態に係る領域特徴情報生成部126により生成された各領域の特徴を表す領域特徴情報の一例である。領域特徴情報は、領域の中心の位置情報を示す「緯度」および「経度」、状態変化情報としての「モードID」と「アプリID」、「タイムスタンプ」、および「人数」から構成される。人数は、状態変化領域決定部125で作成されたクラスタに含まれる位置情報または状態変化情報の数であり、緯度42°経度135°を中心とする領域内で路線検索のアプリケーションを使用した人数を表す。なお、領域特徴情報には、状態変化情報テーブル112を構成するサービスIDやコンテンツIDを含めてもよい。
【0082】
また、領域特徴情報生成部126は、各領域(すなわち、各クラスタ)の広告情報に基づいて各領域の特徴を表す領域特徴情報を生成し、状態変化領域決定部125で作成された各領域に領域特徴情報を関連付ける。なお、領域特徴情報生成部126は、閾値以上の人数である領域特徴情報を有する領域を選択し、選択された領域に状態変化情報を関連付けてもよい。
【0083】
マップ作成部130は、通信方法決定部124から取得した通信方式を関連付けた領域、および領域特徴情報生成部126から取得した領域特徴情報を関連付けた領域を統合し、制御情報マップを作成する。
【0084】
図11は、第1の実施形態にかかる制御情報マップの一例を示す図である。図11(a)は、通信方式に関する制御情報マップの一例である。通信領域決定部123が作成した複数の領域をマップ作成部130が統合して、図(a)に示す制御情報マップが作成される。なお、図において、領域に関連付けられた通信方法の違いは領域のハッチングの違いで表している。
【0085】
図11(b)は、通信方式および状態変化情報に関する制御情報マップの一例を示す図である。制御情報マップ上の円領域が、状態変化領域決定部125で作成される領域であり、マップ作成部130が図1(a)に示す制御情報マップにそれらを統合して、図11(b)に示す制御情報マップが作成される。
【0086】
図4に戻って、マップ作成部130は、また、作成した制御情報マップとマップ記憶部140に記憶されている制御情報マップとをマージし、制御情報マップを再作成する。
【0087】
制御情報マップを構成する各領域にタイムスタンプが関連付けられている場合には、マップ作成部130は、作成した制御情報マップとマップ記憶部140に記憶されている制御情報マップの各領域においてタイムスタンプを比較する。マップ作成部130は、タイムスタンプが新しい端末状態情報を優先することで、作成した制御情報マップとマップ記憶部140に記憶されている制御情報マップをマージし、制御情報マップを再作成する。
【0088】
図12は、第1の実施形態に係る制御情報マップのマージ方法を示す図である。図12(a)は、マップ記憶部140に記憶されている制御情報マップである。図12(b)は、マップ作成部130にて作成された制御情報マップである。図12(c)は、マップ記憶部140に記憶されていた制御情報マップ(a)とマップ作成部130にて作成された制御情報マップ(b)とを重ね合わせ、新たに作成された制御情報マップである。例えば、図12(a)の領域300のタイムスタンプを12:00、図12(b)の領域301のタイムスタンプが10:00とした場合に、マップ作成部130は、タイムスタンプの新しい図12(b)の領域301の端末状態情報を優先し、図12(c)の領域302の端末状態情報とする。マップ作成部130は、この処理を各領域について行い、タイムスタンプの新しい端末状態情報が優先された制御情報マップ図12(c)を作成する。
【0089】
図4に戻って、制御情報マップを構成する各領域に通信情報が関連付けられている場合には、マップ作成部130は、作成した制御情報マップとマップ記憶部140に記憶されている制御情報マップそれぞれを構成する領域毎に通信情報に重み付けをしたうえで重み付け平均し、出力された値に基づいて通信方法を決定し、決定した通信方式を領域に関連付ける。この処理を各領域について行い、作成した制御情報マップとマップ記憶部140に記憶されている制御情報マップをマージし、制御情報マップを再作成する。
【0090】
マップ記憶部140は、マップ作成部130にて作成された制御情報マップを記憶する。なお、マップ記憶部140は、最初、あらかじめ用意された制御情報マップを記憶しておく。
【0091】
<表示システムの処理>
図13は、第1の実施形態に係る端末制御システムの処理フローである。なお、マップサーバ100の情報記憶部110は、提供端末10から受信した位置情報および端末状態情報の組み合わせを記憶している。
【0092】
ステップ(以下、単にSと記す)101では、制御部121は、あらかじめ設定されたタイミングにおいて、情報記憶部110の通信情報テーブル111および状態変化情報テーブル112から情報を取得する。
【0093】
S102では、制御部121は、取得した情報が通信情報テーブル111の情報であるか否か判断する。
【0094】
S103では、地点作成部122は、制御部121から通信情報テーブル111の情報を受信し、受信した情報に含まれる位置情報の地点に基づいて、領域を決定するのに必要な新たな地点を作成する。
【0095】
S104では、通信領域決定部123は、制御部121から受信した情報に含まれる位置情報に基づく地点およびS103で作成された新たな地点に基づいて、領域を作成する。
【0096】
S105では、通信方法決定部124は、S104で作成された領域毎に通信方法を決定し、領域に関連付ける。
【0097】
S106では、状態変化領域決定部125は、制御部121から状態変化情報テーブル112の情報を受信し、受信した情報に含まれる位置情報および状態変化情報に基づいて、クラスタリングアルゴリズムにより1以上の領域を決定する。
【0098】
S107では、領域特徴情報生成部126は、S106で作成された領域毎に、各領域に含まれる状態変化情報に基づいて各領域の特徴を表す領域特徴情報を生成し、各領域に関連付ける。なお、状態変化領域決定部125で作成され各領域に含まれる位置情報の数を、状態変化情報を使用した人数として領域特徴情報に含める。
【0099】
S108では、閾値以上の人数である領域特徴情報を有する領域を選択し、選択された領域に状態変化情報を関連付ける。
【0100】
S109では、マップ作成部130は、S105で通信方式が関連付けられた領域、およびS108で状態変化情報が関連付けられた領域を統合し、制御情報マップを作成する。
【0101】
S110では、マップ作成部130は作成した制御情報マップとマップ記憶部140に記憶されている制御情報マップとをマージし、制御情報マップを再作成する。
【0102】
S111では、マップ作成部130は、S110で作成されたマップをマップ記憶部140に記憶する。
【0103】
S112では、マップ作成部130はS110で作成されたマップを利用端末20に送信する。なお、ステップS111およびS112の順は逆であってもよい。
【0104】
以上説明したように、第1の実施形態によれば、提供端末10から制御情報マップを作成するのに必要な位置情報と関連付いた端末状態情報(通信情報および状態変化情報)を取得することにより、提供端末10から取得した位置情報と関連付いた端末状態情報に基づいて、自動的に端末制御情報を含んだ制御情報マップを作成することができる。また、アドホック通信を利用し、マップサーバ100へ提供端末10の状態変化を特定する状態変化情報を送信する提供端末10を自動的に増やすことができ、より精度の高い制御情報マップを作成することができる。
【0105】
<第2の実施形態>
図14から図25を用いて、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態の端末制御システム2は、端末管理サーバ400、およびユーザ管理サーバ500が追加され、マップサーバ100に最適化部150が追加された他は、第1の実施形態と同様の形態をしている。よって、前述した第1の実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
【0106】
図14は、第2の実施形態に係る端末制御システム2の構成を示す図である。第2の実施形態に係る端末制御システム2は、端末管理サーバ400、およびユーザ管理サーバ500をさらに備えた点において、相違する。
【0107】
端末管理サーバ400は、端末管理記憶部を備え、利用端末20の端末情報を管理する。図15は、第2の実施形態に係る端末管理記憶部のデータ構成の一例を示す。図に示すように、端末管理記憶部には、利用端末20を特定するための「端末ID」と、利用端末20の属性情報を示す「広告レベル」および「通信レベル」が記憶されている。
【0108】
広告レベルとは、利用端末20のユーザが受信する広告をどのくらい許容するかを表す数値であり、数値が高いほど拒否される広告は多くなる。図16は、第2の実施形態に係る広告レベル設定例を示す図である。図に示すように、広告レベルは受信可能な広告の条件(個人向けの広告および全体向けの広告を受信するか否か)を設定することにより、ユーザが受信する広告をどのくらい許容するかを表すことができる。
【0109】
通信レベルとは、利用端末20のユーザが要求する通信品質を表す数値であり、この数値が高い端末ほど通信品質のよい通信方法を優先的に使用することができる。図17は、第2の実施形態に係る通信レベル設定例を示す図である。図に示すように、通信レベルは通信方法の優先順位を設定することにより、ユーザが要求する通信品質を表すことができる。
【0110】
ここで、端末IDの決定方法について説明する。端末IDはデバイスの構成により決定する。図18は、第2の実施形態に係る携帯電話機のデバイス構成情報の一例である。図18に示すデバイス構成情報を有する携帯電話機(以下、携帯電話機Aとする)を例に用いて、端末IDの決定方法について説明する。まず、端末により標準化されている部分を特定する情報であるプラットフォームID(以下、PFIDとする)を決定する。図19は、第2の実施形態に係る端末IDの決定に必要な各IDの決定ルールを示す図である。図19(a)は、PFIDの決定ルールを示し、本ルールに従うと携帯電話機AのPFIDは「0」となる。
【0111】
次に、端末により標準化されていない部分を特定するための情報であるディテイルID(以下、DIDとする)を決定する。DIDは、WiFi、WiMAX、Ethernet(登録商標)、SIM、キーボードおよび加速度センサの有無情報(有る場合には1、ない場合には0とする)と、画面サイズとをこの順につなげたものある。よって、携帯電話機AのDIDは、「11011132048」となる。
【0112】
そして、バイナリに影響する部分を特定するための情報であるバイナリID(以下、BIDとする)を決定する。BIDはCPUの種類およびOSのバージョンにより決まる。図19(b)は、BIDの決定ルールを示し、本ルールに従うと携帯電話機AのBIDは「002」となる。
【0113】
最後に、端末を特定するための情報であるユニークID(以下、UIDとする)を決定する。UIDは、SIM、Macアドレス、およびBluetoothアドレスそれぞれのハッシュ値をつなげて作成する。図19(c)は、携帯電話機AのSIM、Macアドレス、Bluetoothアドレス、およびそれらのハッシュ値から求められたUIDを示す。
【0114】
このようにして求めた、PFID、DID、BID、およびUIDをこの順につなげ、端末IDとする。よって、携帯電話機Aの端末IDは「0110111320480021234567890123456789」となる。このように、端末IDを作成することにより、端末IDから端末の構成を知ることができる。アプリIDについても同様にして決定することができる。
【0115】
図14に戻って、ユーザ管理サーバ500は、ユーザ管理記憶部を備え、利用端末20のユーザのユーザ情報を管理する。図20は、第2の実施形態に係るユーザ管理記憶部のデータ構成の一例を示す。図に示すように、ユーザ管理記憶部には、ユーザを特定するためのユーザIDと、ユーザが所有する端末を示す端末IDと、ユーザの属性を示すプロファイルと、ユーザが複数端末を所有する場合に、端末全体での上限パケットを決めるか否かを示すパケットとが記憶されている。
【0116】
図21は、第2の実施形態に係るマップサーバ100の構成を示す図である。マップサーバ100は、最適化部150をさらに備える。
【0117】
最適化部150は、端末管理サーバ400から端末ID、広告レベル、および通信レベルを受信する。また、最適化部150は、端末IDに基づいてユーザ管理サーバ500からプロファイルおよびパケット情報を受信する。そして、最適化部150は端末管理サーバ400およびユーザ管理サーバ500から受信した情報に基づいて保持するルールを参照し、制御情報マップの最適化、すなわち、制御情報マップに関連付けられている情報の最適化を行う。
【0118】
まず、制御情報マップに関連付けられている通信方法の最適化について説明する。最適化部150は、端末管理サーバ400から受信した端末IDから特定される端末の種別、およびユーザ管理サーバ500のパケット情報に基づいて、通信品質決定ルールを参照し、利用端末20に最適な通信決定ルールを選択する。図22は、第2の実施形態に係る通信品質決定ルールの一例を示す図である。図20に示すユーザID「0000000001」の場合、図15に示す端末IDから携帯電話機と特定され、図20に示すパケット情報からパケットはシェアしないと特定できるので、最適化部150は図22に示す通信品質決定ルールを参照し、通信決定ルール1を選択する。
【0119】
次に、最適化部150は、制御情報マップの領域毎に混雑度や通信方法毎の通信強度に基づいて、通信決定ルールを参照し、通信パターンを決定する。図23は、第2の実施形態に係る通信決定ルールの一例を示す図である。混雑度が高く、各通信方式の強度が高い場合、図23に示す通信決定ルールを参照し、通信パターン1が選択される。
【0120】
そして、最適化部150は、端末管理サーバ400から受信した通信レベルに基づいて、通信パターンを参照し、通信方式の優先順位を決定する。通信パターンには通信レベル毎に通信方式の優先順位が設定されている。
【0121】
最後に、最適化部150は、決定された通信方式の優先順位にしたがって、優先順位の高い通信方法の下に優先順位の低い通信方法を関連付け、制御情報マップに通信方法を関連付ける。
【0122】
次に、制御情報マップに関連付けられている広告情報の最適化について説明する。最適化部150は、端末管理サーバ400から受信した広告レベル、およびユーザ管理サーバ500から受信したプロファイルに基づいて、利用端末20のユーザに最適な広告を選択する。図24は、第2の実施形態に係る広告決定ルールの一例を示す図である。図20に示すユーザID「0000000002」、端末ID「11101360480025432109876543215432」の場合、図15に示す広告レベルから広告レベルは1と特定され、図20に示すプロファイルから20代女性であることが特定できるので、最適化部150は図24の広告決定ルールを参照し、20代女性向けの広告であって、個人向けの広告を最適な広告として選択する。
【0123】
そして、最適化部150は制御情報マップに関連付けられた広告情報のうち、最適な広告として選択されなかった広告の広告情報を削除する。
【0124】
図25は、第2の実施形態に係る最適化された制御情報マップを示す図である。図25(a)と(b)は同一の制御情報マップから、利用端末20およびそのユーザの情報に基づいて、最適化部150にて最適化された制御情報マップである。このように、最適化部150にて最適化されることにより、利用端末20毎に異なる制御情報マップを作成することができる。
【0125】
以上説明したように、第2の実施形態によれば、ユーザの属性に関する情報や端末の機能に関する情報に基づいて制御情報マップを最適化することにより、ユーザ毎および端末毎に最適化された制御情報マップを作成することができる。
【0126】
<第3の実施形態>
図26から図28を用いて、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態の端末制御システム3は、料金管理サーバ600が追加され、マップサーバ100に、貢献情報テーブル114、および割引計算部160が追加された他は、第1の実施形態と同様の形態をしている。よって、前述した第1の実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
【0127】
図26は、第3の実施形態に係る端末制御システム3を示す図である。第3の実施形態に係る端末制御システム3は、料金管理サーバ600をさらに備えた点において、相違する。料金管理サーバ600は、端末毎の使用料金を管理する。料金管理サーバ600は、料金管理記憶部を備え、ユーザID、端末IDおよび端末使用料金を対応付けて記憶する。料金管理サーバ600は、マップサーバ100からユーザIDに対応付けられた割引料金を受信すると、料金管理記憶部に記憶されているから端末使用料金から割引料金を減算し、ユーザの端末使用料金を算出する。
【0128】
図27は、第3の実施形態に係るマップサーバ100の構成を示す図である。マップサーバ100は割引計算部160を、情報記憶部110は貢献情報テーブル114をさらに備える。
【0129】
貢献情報テーブル114は、ユーザ毎にマップサーバ100に情報を提供した回数を管理する。図28は、第3の実施形態に係る貢献情報テーブル114のデータ構成の一例を示す。図に示すように、貢献情報テーブルには、マップサーバ100に情報を提供したユーザを特定する「ユーザID」、ユーザが新規に情報を提供した回数を示す「新規提供回数」、ユーザが過去に情報を提供した回数を示す「全提供回数」、他ユーザが情報を提供した回数を示す「他提供回数」、およびユーザが広告を設定した回数を示す「広告設定回数」が記憶されている。新規提供回数は、所定の期間内にユーザが情報を提供した回数であり、所定の期間後、値はリセットされ「0」になる。
【0130】
割引計算部160は、貢献情報テーブル114から情報を取得し、ユーザ毎に割引金額を算出する。なお、割引金額の算出は定期的に行われ、例えば、ユーザの端末使用料金が計算されるタイミングで行われる。割引金額は、提供端末10のユーザの貢献度に応じて決まる。例えば、過去の情報提供は1回につき2円、新規の情報提供は1回につき5円、広告の設定は1回につき10円加算され、他提供回数は1回につき0.1円減算されるとすると、ユーザID「0000000001」のユーザは100×2+20×5−0.1×1000=200円、の割引を受けることができる。また、割引計算部160は、算出した割引金額を料金管理サーバ600へ送信する。
【0131】
以上説明したように、第3の実施形態によれば、制御情報マップを作成するのに必要な情報(位置情報と関連付いた端末状態情報)を提供した端末のユーザに対し、貢献度に応じて、端末使用料金を割引くことができ、制御情報マップを作成するのに必要な情報を提供する提供端末10を増やすことができる。
【符号の説明】
【0132】
10 提供端末
20 利用端末
100 マップサーバ
110 情報記憶部
120 マップ情報作成部
130 マップ作成部
140 マップ記憶部
150 最適化部
160 割引計算部
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置情報および端末状態を関連付けたマップに基づいて端末を制御する端末制御システム、端末制御方法およびプログラムに関し、特に、ユーザおよび端末の種類毎に用意されたマップに基づいて端末を制御する端末制御システム、端末制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、現在位置情報により地理情報をアダプティブに参照し、携帯端末を自律的に制御する技術が提案されている。具体的には、あらかじめサーバに用意しておいた、地理情報と関連付いた端末制御情報に基づいて、端末の機能を場所毎に制御する。例えば、書店においてカメラを用いたデジタル万引きができないようにするためには、あらかじめ書店の場所を示す地理情報と関連付いたカメラ機能を制限する情報をサーバに用意しておく。そして、端末が、自己の地理情報に基づいてサーバの情報を参照し、端末が書店の場所にある場合には、カメラ機能が制限される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−67763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、端末の最適な状態は、ユーザの属性や端末の機能にも影響を受けるため、ユーザ毎や端末の種類毎にも異なる。しかし、特許文献1に記載の技術では、地理情報に基づいて端末を最適な状態に制御することはできるが、ユーザ毎および端末の種類毎に端末を最適な状態に制御することはできない。また、端末を最適な状態に制御するための情報を、ユーザ毎および端末の種類毎にサーバを管理する者が作成するのは膨大な労力が必要となるため、困難であった。
【0005】
そこで、本発明は、上記の課題に鑑みてされたものであり、端末から取得した位置情報と関連付いた端末状態情報に基づいて、端末を制御するための制御情報を含んだマップを自動的に作成することができる端末制御システム、端末制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。また、端末から取得した位置情報に関連付いた端末状態情報に基づいて自動的に作成された制御情報を含んだマップを、ユーザの属性に関する情報や端末の機能に関する情報によりユーザ毎および端末毎に最適化し、最適化されたマップにより端末を制御する端末制御システム、端末制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の事項を提案している。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0007】
(1)本発明は、情報を提供する第1の端末(例えば、図1の提供端末10に相当)と、前記情報に基づいて制御情報マップを作成するマップサーバ(例えば、図1のマップサーバ100に相当)と、前記制御情報マップに基づいて制御される第2の端末(例えば、図1の利用端末20に相当)と、を備える端末制御システムであって、前記第1の端末は、
自己の位置情報および自己の端末状態情報を、前記マップサーバに送信する送信手段を備え、前記マップサーバは、前記第1の端末から受信した前記第1の端末の位置情報と前記第1の端末の端末状態情報とを記憶する情報記憶手段(例えば、図4の情報記憶部110に相当)と、前記記憶されている位置情報に基づいて1以上の所定領域を決定し、前記記憶されている位置情報のうち各所定領域に含まれる位置情報に関連付いている前記端末状態情報に基づいて前記各所定領域の端末状態情報を決定し、前記決定された端末状態情報を前記各所定領域に関連付けるマップ情報作成手段(例えば、図4のマップ情報作成部120に相当)と、関連付けされた所定領域群を統合し、前記制御情報マップを作成するマップ作成手段(例えば、図4のマップ作成部130に相当)と、を備え、前記第2の端末は、前記マップサーバから受信した制御情報マップに基づいて、制御を行う制御手段を備えることを特徴とする端末制御システムを提案している。
【0008】
この発明によれば、第1の端末は、自己の位置情報および自己の端末状態情報を、マップサーバに送信する。マップサーバの情報記憶手段は、第1の端末から受信した第1の端末の位置情報と第1の端末の端末状態情報とを記憶する。マップサーバのマップ情報作成手段は、記憶されている位置情報に基づいて1以上の所定領域を決定し、記憶されている位置情報のうち各所定領域に含まれる位置情報に関連付いている端末状態情報に基づいて各所定領域の端末状態情報を決定し、決定された端末状態情報を各所定領域に関連付ける。マップサーバのマップ作成手段は、関連付けされた所定領域群を統合し、制御情報マップを作成する。第2の端末は、マップサーバから受信した制御情報マップに基づいて、制御を行う。したがって、端末から制御情報マップを作成するのに必要な位置情報と関連付いた端末状態情報を取得することにより、端末から取得した位置情報と関連付いた端末状態情報に基づいて、自動的に端末制御情報を含んだ制御情報マップを作成することができる。
【0009】
(2)本発明は、(1)の端末制御システムについて、前記マップサーバは、前記作成された制御情報マップを記憶するマップ記憶手段(例えば、図4のマップ記憶部140に相当)をさらに備え、前記マップ作成手段は、前記作成された制御情報マップと前記記憶された制御情報マップとをマージし、前記制御情報マップを再作成することを特徴とする端末制御システムを提案している。
【0010】
この発明によれば、マップサーバのマップ記憶手段は、作成された制御情報マップを記憶する。マップサーバのマップ作成手段は、作成された制御情報マップと記憶された制御情報マップとをマージし、制御情報マップを再作成する。したがって、端末から取得した位置情報と関連付いた端末状態情報に基づいて作成した制御情報マップに、以前に端末から取得した位置情報と関連付いた端末状態情報の情報に基づいて作成された制御情報マップの情報を取り込むことにより、多くの端末から取得された情報を制御情報マップに含むことができる。
【0011】
(3)本発明は、(2)の端末制御システムについて、前記第1の端末の送信部は、自己の位置情報と自己の端末状態情報とを併せて、前記位置情報および端末状態情報を取得した時刻を前記マップサーバに送信し、前記情報記憶手段は、前記第1の端末から受信した前記第1の端末の位置情報、前記第1の端末の端末状態情報、および時刻を記憶し、前記マップ情報作成手段は、前記記憶されている位置情報のうち前記各所定領域に含まれる位置情報に関連した前記時刻に基づいて前記各所定領域の時刻を決定し、前記決定された時刻を前記各所定領域に関連付け、前記マップ作成手段は、前記各所定領域に関連付けされた時刻に基づいて、前記作成された制御情報マップと前記記憶された制御情報マップとをマージし、前記制御情報マップを再作成することを特徴とする端末制御システムを提案している。
【0012】
この発明によれば、第1の端末の送信部は、自己の位置情報と自己の端末状態情報とを併せて、位置情報および端末状態情報を取得した時刻をマップサーバに送信する。マップサーバの情報記憶手段は、第1の端末から受信した第1の端末の位置情報、第1の端末の端末状態情報、および時刻を記憶する。マップサーバのマップ情報作成手段は、記憶されている位置情報のうち各所定領域に含まれる位置情報に関連した時刻に基づいて各所定領域の時刻を決定し、決定された時刻を各所定領域に関連付ける。マップサーバのマップ作成手段は、各所定領域に関連付けされた時刻に基づいて、作成された制御情報マップと記憶された制御情報マップとをマージし、制御情報マップを再作成する。したがって、端末から取得した位置情報と関連付いた端末状態情報に基づいて作成した制御情報マップに、以前に作成された制御情報マップの情報のうち新しい情報だけを取り込むことにより、新しい情報だけを制御情報マップに含むことができる。
【0013】
(4)本発明は、(2)の端末制御システムについて、前記端末状態情報が通信方式毎の通信強度である場合に、前記マップ作成手段は、前記作成された制御情報マップの通信方式毎の通信強度と前記記憶された制御情報マップの通信方式毎の通信強度とを前記通信方式毎に重みつけ平均し、出力した前記各所定領域の通信方式毎の通信強度に基づいて決定された前記各所定領域の通信方式を前記作成された制御情報マップに関連付けることにより、前記作成された制御情報マップと前記記憶された制御情報マップとをマージし、前記制御情報マップを再作成することを特徴とする端末制御システムを提案している。
【0014】
この発明によれば、マップサーバのマップ作成手段は、作成された制御情報マップの通信方式毎の通信強度と記憶された制御情報マップの通信方式毎の通信強度とを通信方式毎に重みつけ平均し、出力した各所定領域の通信方式毎の通信強度に基づいて決定された各所定領域の通信方式を作成された制御情報マップに関連付けることにより、作成された制御情報マップと記憶された制御情報マップとをマージし、前記制御情報マップを再作成する。したがって、端末から取得した位置情報と関連付いた通信強度に基づいて作成した制御情報マップの通信強度と、以前に作成された制御情報マップの通信強度とを重み付け平均して出力された通信強度により通信方式を決定することにより、制御情報マップにより精度のよい通信方式を含めることができる。
【0015】
(5)本発明は、(2)から(4)の端末制御システムについて、前記端末状態情報が通信方式毎の通信強度であり、前記記憶されている位置情報が3地点以上ある場合に、マップ情報作成手段は、前記記憶されている位置情報から隣接する任意の2地点を選択し、前記選択された2地点の距離が所定の値以上である場合に、前記選択された2地点の中間地点を新たな位置情報として作成する地点作成手段(例えば、図4の地点作成部122に相当)と、前記記憶されている位置情報および複数の前記作成された新たな位置情報から隣接する任意の3地点を選択し、前記選択された3地点を結んだ三角形を前記所定領域とする通信領域決定手段(例えば、図4の通信領域決定部123に相当)と、前記所定領域を形成する3地点の通信強度から算出された前記所定領域の通信強度に基づいて、前記所定領域の通信方法を決定する通信方法決定手段(例えば、図4の通信方法決定部124に相当)と、を備えることを特徴とする端末制御システムを提案している。
【0016】
この発明によれば、マップ情報作成手段の地点作成手段は、記憶されている位置情報から隣接する任意の2地点を選択し、選択された2地点の距離が所定の値以上である場合に、選択された2地点の中間地点を新たな位置情報として作成する。マップ情報作成手段の通信領域決定手段は、記憶されている位置情報および複数の作成された新たな位置情報から隣接する任意の3地点を選択し、選択された3地点を結んだ三角形を所定領域とする。マップ情報作成手段の通信方法決定手段は、所定領域を形成する3地点の通信強度から算出された所定領域の通信強度に基づいて、所定領域の通信方法を決定する。したがって、端末から取得した位置情報と関連付いた通信強度に基づいて、端末が通信強度を取得していない地点の通信強度を決定することができ、通信方式が複数ある場合に、取得した通信強度に基づいて端末が通信強度を取得していない地点の通信方式を決定することができる。
【0017】
(6)本発明は、(2)から(5)の端末制御システムについて、前記端末状態情報が前記第1の端末のユーザ操作に基づく端末の状態変化を特定する状態変化情報であり、前記マップ情報作成手段は、前記位置情報および前記状態変化情報に基づいて、クラスタリングアルゴリズムにより1以上の前記所定領域を決定する状態変化領域決定手段(例えば、図4の状態変化領域決定部125に相当)と、前記クラスタリングアルゴリズムによって決定された各所定領域に含まれる状態変化情報に基づいて、前記各所定領域の特徴を表す領域特徴情報を生成する領域特徴情報生成手段(例えば、図4の領域特徴情報生成部126に相当)と、を備えることを特徴とする端末制御システムを提案している。
【0018】
この発明によれば、マップ情報作成手段の状態変化領域決定手段は、位置情報および状態変化情報に基づいて、クラスタリングアルゴリズムにより1以上の所定領域を決定する。マップ情報作成手段の領域特徴情報生成手段は、クラスタリングアルゴリズムによって決定された各所定領域に含まれる状態変化情報に基づいて、各所定領域の特徴を表す領域特徴情報を生成する。したがって、クラスタリングアルゴリズムにより適切な範囲で各所定領域を決定すること、および各所定領域の特徴を表す領域特徴情報を生成することができることにより、自己の特徴を表す状態変化情報を関連付けた領域を制御情報マップに含めることができる。
【0019】
(7)本発明は、(1)から(6)の端末制御システムについて、前記第2の端末を特定するための端末識別情報と前記第2の端末の属性を表す端末属性情報とを管理する端末管理サーバ(例えば、図14の端末管理サーバ400に相当)と、前記第2の端末のユーザを特定するためのユーザ識別情報と前記ユーザの属性を表すユーザ属性情報とを管理するユーザ管理サーバ(例えば、図14のユーザ管理サーバ500に相当)とをさらに備え、前記マップサーバは、前記記憶されている端末属性情報および前記記憶されているユーザ属性情報に基づいて、前記作成された制御情報マップに関連付いている前記端末状態情報のうち、前記第2の端末に適した制御情報マップに関連付ける前記端末状態情報を選択し、前記制御情報マップを最適化する最適化手段(例えば、図21の最適化部150に相当)、をさらに備えることを特徴とする端末制御システムを提案している。
【0020】
この発明によれば、端末管理サーバは、第2の端末を特定するための端末識別情報と第2の端末の属性を表す端末属性情報とを管理する。ユーザ管理サーバは、第2の端末のユーザを特定するためのユーザ識別情報とユーザの属性を表すユーザ属性情報とを管理する。前記マップサーバの最適化手段は、記憶されている端末属性情報および記憶されているユーザ属性情報に基づいて、作成された制御情報マップに関連付いている端末状態情報のうち、第2の端末に適した制御情報マップに関連付ける端末状態情報を選択し、制御情報マップを最適化する。したがって、ユーザの属性に関する情報や端末の機能に関する情報に基づいて制御情報マップを最適化することにより、ユーザ毎および端末毎に最適化された制御情報マップを作成することができる。
【0021】
(8)本発明は、(7)の端末制御システムについて、前記最適化手段は、前記記憶されている端末属性情報および前記記憶されているユーザ属性情報に基づいて、前記第2の端末に適した制御情報マップに関連付ける端末状態情報を選択するためのルールをあらかじめ保持し、前記ルールにしたがって、前記制御情報マップを最適化することを特徴とする端末制御システムを提案している。
【0022】
この発明によれば、最適化手段は、記憶されている端末属性情報および記憶されているユーザ属性情報に基づいて、第2の端末に適した制御情報マップに関連付ける端末状態情報を選択するためのルールをあらかじめ保持し、ルールにしたがって、制御情報マップを最適化する。したがって、あらかじめ設定されたルールにしたがって、ユーザ毎および端末毎に制御情報マップに含める端末制御情報を決定することができる。
【0023】
(9)本発明は、(8)の端末制御システムについて、前記端末状態情報が通信方式毎の通信強度である場合に、前記ルールは、前記制御情報マップに関連付ける通信方式の優先順位を決定するルールを含み、前記最適化手段は、前記優先順位の高い通信方式の下に優先順位の低い通信方式を関連付けることにより、前記制御情報マップを最適化することを特徴とする端末制御システムを提案している。
【0024】
この発明によれば、最適化手段は、制御情報マップに関連付ける通信方式の優先順位を決定するルールを参照し、優先順位の高い通信方式の下に優先順位の低い通信方式を関連付けることにより、制御情報マップを最適化する。したがって、制御情報マップに関連付けられた通信方法に優先順位を付けることにより、端末が使用する通信方法を優先順位にしたがって決定することができる。
【0025】
(10)本発明は、(1)から(9)の端末制御システムについて、前記第1の端末が前記マップサーバに対し前記端末状態情報を提供した回数に応じて、前記第1の端末の利用料金に対する割引金額を算出する割引計算手段(例えば、図27の割引計算部160に相当)を備えることを特徴とする端末制御システムを提案している。
【0026】
この発明によれば、割引計算手段は、第1の端末がマップサーバに対し端末状態情報を提供した回数に応じて、第1の端末の利用料金に対する割引金額を算出する。したがって、制御情報マップを作成するのに必要な情報(位置情報と関連付いた端末状態情報)を提供した端末のユーザに対し、貢献度に応じて、端末使用料金を割引くことができ、制御情報マップを作成するのに必要な情報を提供する端末を増やすことができる。
【0027】
(11)本発明は、(1)から(10)の端末制御システムについて、前記端末状態情報が前記第1の端末のユーザ操作に基づく端末の状態変化を特定する状態変化情報である場合に、前記第1の端末の送信手段は、アドホックネットワークを利用し、第3の端末に前記状態変化情報をおよび自己の端末識別情報を送信し、前記第3の端末は、受信した状態変化情報に基づいて自己の端末の状態を変化させた場合に、前記状態変化情報と前記第1の端末および自己の端末識別情報とを前記マップサーバへ送信することを特徴とする端末制御システムを提案している。
【0028】
この発明によれば、第1の端末の送信手段は、アドホックネットワークを利用し、第3の端末に状態変化情報をおよび自己の端末識別情報を送信する。第3の端末は、受信した状態変化情報に基づいて自己の端末の状態を変化させた場合に、状態変化情報と第1の端末および自己の端末識別情報とをマップサーバへ送信する。したがって、マップサーバへ端末の状態変化を特定する状態変化情報を送信する端末を自動的に増やすことができ、より精度の高い制御情報マップを作成することができる。
【0029】
(12)本発明は、(1)から(11)の端末制御システムについて、前記端末状態情報は、通信方式毎の通信強度、前記第1の端末にて起動されているアプリケーションを特定するためのアプリ識別情報、前記第1の端末の動作モードを特定するためのモード識別情報、および前記第1の端末に表示されたコンテンツを特定するためのコンテンツ識別情報のうち少なくとも1つであることを特徴とする端末制御システムを提案している。
【0030】
この発明によれば、端末状態情報は、通信方式毎の通信強度、第1の端末にて起動されているアプリケーションを特定するためのアプリ識別情報、第1の端末の動作モードを特定するためのモード識別情報、および第1の端末に表示されたコンテンツを特定するためのコンテンツ識別情報のうち少なくとも1つである。したがって、通信方式、アプリケーション、動作モード、およびコンテンツについての端末制御情報を制御情報マップに含めることができ、端末の位置情報に応じて、端末の通信方式、アプリケーション、動作モード、およびコンテンツに関する制御を行うことができる。
【0031】
(13)本発明は、(1)から(12)の端末制御システムについて、前記第2の端末が通信を行う場合に、前記受信した制御情報マップを自己の位置情報に基づいて参照し、通信方式を決定することを特徴とする端末制御システムを提案している。
【0032】
この発明によれば、第2の端末が通信を行う場合に、受信した制御情報マップを自己の位置情報に基づいて参照し、通信方式を決定する。したがって、第2の端末は、制御情報マップに基づいて通信方法を決定することにより、最適な通信方法により通信を行うことができる。
【0033】
(14)本発明は、(1)から(13)の端末制御システムについて、前記第2の端末が所定のタイミングにて、前記受信した制御情報マップを自己の位置情報に基づいて参照し、前記第2の端末が表示するアプリケーションの最適配置を行う端末制御システムを提案している。
【0034】
この発明によれば、第2の端末が所定のタイミングにて、受信した制御情報マップを自己の位置情報に基づいて参照し、第2の端末が表示するアプリケーションの最適配置を行う。したがって、第2の端末は、自己の位置情報および制御情報マップに基づいて表示されるアプリケーションの最適配置を行うことにより、第2の端末のユーザに最適なアプリケーションの選択を促すことができる。
【0035】
(15)本発明は、情報を提供する第1の端末と、前記情報に基づいて制御情報マップを作成するマップサーバと、前記制御情報マップに基づいて制御される第2の端末と、を備える端末制御システムにおける端末制御方法であって、前記第1の端末が、自己の位置情報および自己の端末状態情報を、前記マップサーバに送信する第1のステップと、前記マップサーバが、前記第1の端末から受信した前記第1の端末の位置情報と前記第1の端末の端末状態情報とを記憶する第2のステップと、前記マップサーバが、前記記憶されている位置情報に基づいて1以上の所定領域を決定し、前記記憶されている位置情報のうち各所定領域に含まれる位置情報に関連付いている前記端末状態情報に基づいて前記各所定領域の端末状態情報を決定し、前記決定された端末状態情報を前記各所定領域に関連付ける第3のステップ(例えば、図13のS101からS108)と、前記マップサーバが、関連付けされた所定領域群を統合し、前記制御情報マップを作成する第4のステップ(例えば、図13のS109)と、前記第2の端末が、前記マップサーバから受信した制御情報マップに基づいて、制御を行う第4のステップを備えることを特徴とする端末制御方法を提案している。
【0036】
この発明によれば、第1の端末は、自己の位置情報および自己の端末状態情報を、マップサーバに送信する。マップサーバは、第1の端末から受信した第1の端末の位置情報と第1の端末の端末状態情報とを記憶する。マップサーバが、記憶されている位置情報に基づいて1以上の所定領域を決定し、記憶されている位置情報のうち各所定領域に含まれる位置情報に関連付いている端末状態情報に基づいて各所定領域の端末状態情報を決定し、決定された端末状態情報を各所定領域に関連付ける。マップサーバは、関連付けされた所定領域群を統合し、制御情報マップを作成する。第2の端末は、マップサーバから受信した制御情報マップに基づいて、制御を行う。したがって、端末から制御情報マップを作成するのに必要な位置情報と関連付いた端末状態情報を取得することにより、端末から取得した位置情報と関連付いた端末状態情報に基づいて、自動的に端末制御情報を含んだ制御情報マップを作成することができる。
【0037】
(16)本発明は、情報を提供する第1の端末と、前記情報に基づいて制御情報マップを作成するマップサーバと、前記制御情報マップに基づいて制御される第2の端末と、を備える端末制御システムにおける端末制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記第1の端末が、自己の位置情報および自己の端末状態情報を、前記マップサーバに送信する第1のステップと、前記マップサーバが、前記第1の端末から受信した前記第1の端末の位置情報と前記第1の端末の端末状態情報とを記憶する第2のステップと、前記マップサーバが、前記記憶されている位置情報に基づいて1以上の所定領域を決定し、前記記憶されている位置情報のうち各所定領域に含まれる位置情報に関連付いている前記端末状態情報に基づいて前記各所定領域の端末状態情報を決定し、前記決定された端末状態情報を前記各所定領域に関連付ける第3のステップ(例えば、図13のS101からS108)と、前記マップサーバが、関連付けされた所定領域群を統合し、前記制御情報マップを作成する第4のステップ(例えば、図13のS109)と、前記第2の端末が、前記マップサーバから受信した制御情報マップに基づいて、制御を行う第4のステップを備えることを特徴とするプログラムを提案している。
【0038】
この発明によれば、第1の端末は、自己の位置情報および自己の端末状態情報を、マップサーバに送信する。マップサーバは、第1の端末から受信した第1の端末の位置情報と第1の端末の端末状態情報とを記憶する。マップサーバが、記憶されている位置情報に基づいて1以上の所定領域を決定し、記憶されている位置情報のうち各所定領域に含まれる位置情報に関連付いている端末状態情報に基づいて各所定領域の端末状態情報を決定し、決定された端末状態情報を各所定領域に関連付ける。マップサーバは、関連付けされた所定領域群を統合し、制御情報マップを作成する。第2の端末が、マップサーバから受信した制御情報マップに基づいて、制御を行う。したがって、端末から制御情報マップを作成するのに必要な位置情報と関連付いた端末状態情報を取得することにより、端末から取得した位置情報と関連付いた端末状態情報に基づいて、自動的に端末制御情報を含んだ制御情報マップを作成することができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、端末から取得した端末の位置における端末状態情報に基づいて、自動的に作成された位置情報に関連付いた端末制御情報により端末を制御することができるという効果がある。また、端末から取得した端末の位置における端末状態情報に基づいて自動的に作成された位置情報に関連付いた端末制御情報を、ユーザの属性に関する情報や端末の機能に関する情報によりユーザ毎や端末毎に最適化し、最適された位置情報に関連付いた端末制御情報により端末を制御することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】第1の実施形態に係る端末制御システムの構成を示す図である。
【図2】第1の実施形態に係る提供端末の獲得方法を示す図である。
【図3】第1の実施形態に係る利用端末のアプリケーション表示の一例を示す図である。
【図4】第1の実施形態に係るマップサーバの構成を示す図である。
【図5】第1の実施形態に係る通信情報テーブルの一例を示す図である。
【図6】第1の実施形態に係る状態変化情報テーブルの一例を示す図である。
【図7】第1の実施形態に係る広告情報テーブルの一例を示す図である。
【図8】第1の実施形態に係る領域作成方法のイメージ図である。
【図9】第1の実施形態に係る領域の通信強度の算出方法のイメージ図である。
【図10】第1の実施形態に係る領域特徴情報生成部により生成された各領域の特徴を表す領域特徴情報の一例である。
【図11】第1の実施形態に係る制御情報マップの一例を示す図である。
【図12】第1の実施形態に係る制御情報マップのマージ方法を示す図である。
【図13】第1の実施形態に係る端末制御システムの処理フローである。
【図14】第2の実施形態に係る端末制御システムの構成を示す図である。
【図15】第2の実施形態に係る端末管理記憶部のデータ構成の一例を示す図である。
【図16】第2の実施形態に係る広告レベル設定例を示す図である。
【図17】第2の実施形態に係る通信レベル設定例を示す図である。
【図18】第2の実施形態に係る携帯電話機のデバイス構成情報の一例を示す図である。
【図19】第2の実施形態に係る端末IDの決定に必要な各IDの決定ルールを示す図である。
【図20】第2の実施形態に係るユーザ管理記憶部のデータ構成の一例を示す図である。
【図21】第2の実施形態に係るマップサーバの構成を示す図である。
【図22】第2の実施形態に係る通信品質決定ルールの一例を示す図である。
【図23】第2の実施形態に係る通信決定ルールの一例を示す図である。
【図24】第2の実施形態に係る広告決定ルールの一例を示す図である。
【図25】第2の実施形態に係る最適化された制御情報マップを示す図である。
【図26】第3の実施形態に係る端末制御システムを示す図である。
【図27】第3の実施形態に係るマップサーバの構成を示す図である。
【図28】第3の実施形態に係る貢献情報テーブルのデータ構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素などとの置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組み合わせを含むさまざまなバリエーションが可能である。したがって、本実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0042】
<第1の実施形態>
以下、図1から図13を用いて、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0043】
<端末制御システムの構成>
図1は、第1の実施形態に係る端末制御システム1の構成を示す図である。第1の実施形態に係る端末制御システム1は、図1に示すように、提供端末10、マップサーバ100、および利用端末20を備える。提供端末10とマップサーバ100、利用端末20とマップサーバ100とは、それぞれネットワークを介して接続されている。
【0044】
第1の実施形態においては、提供端末10および利用端末20は携帯電話機とするが、提供端末10および利用端末20は通信機能を有していればよく、例えば、PHS、PDA、PC、ゲーム機などであってもよい。また、図1では、説明の便宜上、提供端末10と利用端末20とに分けて図示しているが、いずれの端末もユーザの使用状態によって、提供端末10か、利用端末20かになることができる。
【0045】
提供端末10は、位置情報および自己の端末状態情報を取得する。第1の実施形態において、位置情報は緯度経度であり、提供端末10に備えられた全地球測位システム(GPS=Global Positioning System)などの現在位置取得機能により取得される。
【0046】
端末状態情報は端末の状態を示す情報であり、通信方式毎の通信強度、起動されたアプリケーションを特定するアプリID、変更されたモードを特定するモードID、ユーザが利用したサービスを特定するサービスID、ユーザが閲覧したコンテンツを特定するコンテンツIDである。なお、通信方式には、例えば、WiFi、3G、およびWiMAXなどがある。
【0047】
提供端末10は、位置情報とともにその位置における通信方式毎の通信強度(以下、通信情報という)を定期的に取得する。通信情報は、提供端末10に備えられた通信強度測定機能により取得される。なお、ゲームなど他の用途があるアプリケーションに定期的に位置情報および通信情報を取得し、マップサーバ100に送信するプログラムを組み込み、そのアプリケーションが起動されている時に、位置情報および通信情報を定期的に取得できるようにしてもよい。なお、提供端末10は、位置情報とともにその位置における通信方式毎の通信強度を取得する際に、時刻を併せて取得してもよい。
【0048】
提供端末10は、ユーザの操作に応じてアプリケーションが起動された場合に、自己の位置情報とともに起動されたアプリケーションを特定するためのアプリIDを取得する。提供端末10は同様に、ユーザの操作に応じてモードが変更された場合、ユーザがサービスを利用した場合、およびユーザがコンテンツを閲覧した場合に、自己の位置情報とともにそれぞれを特定する情報(モードID、サービスID、およびコンテンツID)を取得する。以下、位置情報とともに取得されるアプリID、モードID、サービスID、およびコンテンツIDを状態変化情報という。なお、提供端末10は、位置情報とともに状態変化情報を取得する際に、時刻を併せて取得してもよい。
【0049】
提供端末10は、取得した位置情報および自己の端末状態情報の組み合わせをマップサーバ100に送信する。具体的には、提供端末10は、取得した位置情報と通信情報の組み合わせ、取得した位置情報と状態変化情報の組み合わせを対応つけてマップサーバ100に送信する。提供端末10は、端末状態情報を取得する度にマップサーバ100に送信してもよいし、端末状態情報をいくつか取得した後に、まとめてマップサーバ100に送信してもよい。
【0050】
また、提供端末10は、ユーザが設定した広告に関する情報をマップサーバ100へ送信する。具体的には、提供端末10は、ユーザに対し広告に関する情報を設定するための設定画面を提供し、設定画面に入力された広告に関する情報をマップサーバ100へ送信する。広告に関する情報とは、広告を特定するための広告情報(例えば、広告のURL)や、広告の閲覧対象を特定するための閲覧対象情報(例えば、年齢や性別)、広告の表示エリアの位置情報(例えば、経度緯度)、広告の閲覧期間、広告の閲覧回数などである。
【0051】
ここで、提供端末10とは、自端末の位置情報および自端末の端末状態情報を取得することを了承したユーザの端末である。その他に、提供端末10は無線LANのアドホックモードの通信(以下、アドホック通信とする)を用いることにより、自端末の位置情報および自端末の端末状態情報を取得することを了承したユーザ以外の端末を提供端末10にすることもできる。それにより、提供端末10の数を自動的に増やすことができ、マップサーバ100に多くの情報を集めることができる。
【0052】
図2は、第1の実施形態に係る提供端末10の獲得方法を示す図である。端末10は提供端末10であり、すなわち自端末の位置情報および自端末の端末状態情報を取得することを了承したユーザの端末である。端末11−Aおよび端末11−B(以下、両方を指して端末11とする)は、自端末の位置情報および自端末の端末状態情報を取得することを了承したユーザ以外の端末である。
【0053】
端末11は、アプリケーションが起動されたことに応じて、アドホック通信を利用して、自己を特定する端末IDおよびアプリIDを端末11に送信する。なお、端末11は、ユーザの操作に応じてモードが変更されたことに応じてモードIDなどを送信することもできる。
【0054】
端末11は、受信したアプリIDに基づいて取得したアプリケーションを起動するか否かの問い合わせ通知を出力する。なお、端末11は複数の端末からアプリIDを受信することができ、あらかじめ端末11に設定された閾値を超える数の受信があった場合に、問い合わせ通知を出力するようにしてもよい。
【0055】
端末11はユーザにより、受信したアプリIDのアプリケーションが起動されたことに応じて、自己の位置情報、起動されたアプリケーションのアプリID、端末10および自己の端末IDをマップサーバ100へ送信する。
【0056】
また、端末11は、アドホック通信を利用して、さらに別の端末へアプリケーションIDを送信することもできる。
【0057】
図1に戻って、マップサーバ100は、提供端末10から位置情報および提供端末10の端末状態情報の組み合わせを受信し、蓄積する。具体的には、マップサーバ100は提供端末10から、位置情報と通信情報の組み合わせ、位置情報と状態変化情報の組み合わせ、および広告に関する情報を提供端末10から受信し、蓄積する。マップサーバ100は、蓄積した位置情報と通信情報、位置情報と状態変化情報、および広告に関する情報に基づいて、制御情報マップを作成し、利用端末20へ送信する。マップサーバ100は、定期的に利用端末20へ作成した制御情報マップを送信してもよいし、利用端末20からの要求に応じて送信してもよい。
【0058】
利用端末20は、マップサーバ100から制御情報マップを受信し、保持する。利用端末20は、所定のタイミングに応じて、自己の位置情報を取得し、保持している制御情報マップと照らし合わせ、自己の状態を変化させる。所定のタイミングには、ユーザからの通信開始要求のタイミング、利用端末20がスリープ状態または休止状態から戻ったタイミング、一定時間が経過したタイミング、利用端末20が一定距離移動したタイミングなどがある。
【0059】
利用端末20は、通信を行う際に、制御情報マップをGPSなどにより取得した自己の位置情報に基づいて参照し、通信方式を決定する。また、利用端末20は、スリープ状態から戻った際に、制御情報マップをGPSなどにより取得した自己の位置情報に基づいて参照し、利用端末20に表示するアプリケーションの最適配置を行う。
【0060】
図3は、第1の実施形態に係る利用端末20のアプリケーション表示の一例である。制御情報マップにしたがって、場所毎(場所A、場所B)に適したアプリケーションをユーザに知らせるために、利用端末20は最適配置されたアプリケーションを表示する。その場所に適したアプリケーションを最適な順に利用端末20に表示する場合には、図に示すように最適な順に上からアプリケーションを表示することができる。図の例では、場所Aでは経路検索が、場所Bではブラウザが最適なアプリケーションである。
【0061】
図4は、第1の実施形態に係るマップサーバ100の構成を示す図である。マップサーバ100は、情報記憶部110、マップ情報作成部120、マップ作成部130、およびマップ記憶部140を備える。
【0062】
情報記憶部110は、提供端末10から受信した位置情報と通信情報、位置情報と状態変化情報、広告に関する情報を記憶する。情報記憶部110は、位置情報および通信情報を記憶する通信情報テーブル111、位置情報および状態変化情報を記憶する状態変化情報テーブル112、および広告情報に関する情報を記憶する広告情報テーブル113を有する。また、情報記憶部110は、マップ情報作成部120に記憶している情報を送信すると、マップ情報作成部120に送信した情報を削除する。
【0063】
図5は、第1の実施形態に係る通信情報テーブル111の一例を示す図である。通信情報テーブル111は、位置情報を示す「緯度」および「経度」、通信情報を示す「通信方式毎(本実施例において通信方式は、WiFi、3G、およびWiMAX)の通信強度」、および位置情報を取得した時刻を示す「タイムスタンプ」から構成される。
【0064】
図6は、第1の実施形態に係る状態変化情報テーブル112の一例を示す図である。状態変化情報テーブル112は、位置情報を示す「緯度」および「経度」、状態変化情報を示す「アプリID」、「モードID」、「サービスID」、および「コンテンツID」から構成される。ただし、図6および後述する図10においては、理解しやすいように、IDの代わりにアプリケーション名、モード名、サービス名、コンテンツ名を表示している。なお、位置情報に対し、アプリID、モードID、サービスID、およびコンテンツIDのうち少なくとも1つが記憶されていればよい。また、状態変化情報テーブル112は、アドホック通信を利用して取得された状態変化情報の場合には、経由した端末数を提供端末10から取得し、記憶してもよい。なお、位置情報を取得した時刻を示す「タイムスタンプ」を記憶してもよい。
【0065】
図7は、第1の実施形態に係る広告情報テーブル113の一例を示す図である。広告情報テーブル113は、広告を特定するための「広告情報」、広告の閲覧対象を示す「閲覧対象」、位置情報を示す「経度」および「緯度」、広告を閲覧対象とする範囲を示す「対象範囲」、広告を閲覧できる期間を示す「閲覧期間」、および広告を閲覧できる回数を示す「閲覧回数」から構成される。なお、広告情報および位置情報以外は記憶されていなくてもよい。
【0066】
図4に戻って、マップ情報作成部120は、制御部121、地点作成部122、通信領域決定部123、通信方法決定部124、状態変化領域決定部125、および領域特徴情報生成部126を備え、情報記憶部110の各テーブルの情報に基づいて、領域を作成し、作成された領域に端末状態情報を関連付ける。
【0067】
制御部121は、あらかじめ設定されたタイミングにおいて、情報記憶部110の通信情報テーブル111から取得した情報を地点作成部122に送信する。また、制御部121は情報記憶部110の状態変化情報テーブル112から取得した情報を状態変化領域決定部125に送信する。あらかじめ設定されたタイミングとは、一定時間経過のタイミングでもよいし、情報記憶部110の情報量がしきい値以上になったタイミングでもよい。
【0068】
地点作成部122は、通信領域決定部123において領域を決定するのに必要な地点を、情報記憶部110の通信情報テーブル111の位置情報に基づいて作成する。
【0069】
図8は、第1の実施形態に係る領域作成方法のイメージ図である。図8において、黒点は通信情報テーブル111に記憶されている位置情報に基づく地点であり、白点は、地点作成部122にて作成される地点である。図8を用いて、地点作成方法について説明する。
【0070】
地点作成部122は、まず隣接する黒点200、201を選択し、選択された2つの黒点200、201の距離が閾値以上であるか否か判断する。この閾値を小さくするほど通信領域決定部123で作成される領域が小さくなる。
【0071】
地点作成部122は、選択された2つの黒点200、201の距離が閾値以上である場合には、選択された2つの黒点200、201の中間に新たな地点(白点)210を作成する。白点210は、2つの黒点200、201の位置情報および通信情報の平均値を自己の位置情報および通信情報として持つ。
【0072】
図4に戻って、地点作成部122は通信情報テーブル111に記憶されている位置情報に基づく地点すべてについて、上記処理を行い、通信領域決定部123において領域を決定するのに必要な地点を作成する。
【0073】
通信領域決定部123は、通信情報テーブル111に記憶されている位置情報に基づく地点および地点作成部122にて作成された地点に基づいて、領域を作成する。図8を用いて、領域の作成方法について説明する。
【0074】
通信領域決定部123は、通信情報テーブル111に記憶されている位置情報に基づく地点および地点作成部122にて作成された地点から任意に互いに隣接する3地点200、210、211を選択し、選択した3地点200、210、211を結んだ直線に囲まれた部分を1つの領域220とする。続いて、同様に隣接する3地点201、210、211を選択し、選択した3地点201、210、211を結んだ直線に囲まれた部分を1つの領域221とする。このようにして、通信領域決定部123は、通信情報テーブル111に記憶されている位置情報に基づく地点および地点作成部122にて作成された地点すべてについて、上記処理を行う。
【0075】
通信方法決定部124は、通信領域決定部123で作成された領域を構成する3点の通信情報に基づいて領域の通信方法を決定し、領域に関連付ける。
【0076】
図9は、第1の実施形態に係る領域の通信強度の算出方法のイメージ図である。図9(a)は、通信領域決定部123にて作成された領域220を示す図である。図9(b)は、領域220を囲む3点の位置情報および通信情報である。本説明において、通信情報は、WiFi、3G、およびWiMAXの通信強度とする。なお、この情報は通信情報テーブル111に記憶されているものである。図9(c)は通信方法決定部124により算出された領域220の通信情報である。図9を用いて、領域の通信強度の算出方法について説明する。
【0077】
通信方法決定部124は、図9(a)に示す領域220を囲む3点200、210、211の通信情報(図9(b)に示す)の平均値を領域220の通信情報(図9(c))として決定する。通信方法決定部124は、もっとも通信強度が強い3Gを領域における通信方法に決定し、決定した通信方法3Gを領域220に関連付ける。なお、領域に通信情報を関連付けてもよい。
【0078】
図4に戻って、状態変化領域決定部125は、状態変化情報テーブル112に記憶されている位置情報および状態変化情報を対象として、位置情報および状態変化情報に基づいて、クラスタリングアルゴリズムにより、1以上のクラスタに分類する。このとき、状態変化情報テーブル112に記憶されている位置情報に基づく地点の数やその地点の密集度を利用して、クラスタアルゴリズムを適用する。なお、クラスタリングアルゴリズムには、k−means法、PLSI(Probabilistic Latent Semantic Indexing)等様々な方法があり、任意の方法を利用することができる。そして、状態変化領域決定部125は、各クラスタに含まれる地点の位置情報に基づいて、すなわち、各クラスタに含まれる地点を全て含むように1以上の領域を決定する。
【0079】
また、状態変化領域決定部125は、広告情報テーブル113に記憶されている位置情報および対象範囲に基づいて1以上の領域を決定する。なお、状態変化領域決定部125は、広告情報テーブル113に記憶されている位置情報および広告情報などを対象として、クラスタリングアルゴリズムを用いて、1以上の領域を決定してもよい。
【0080】
領域特徴情報生成部126は、状態変化領域決定部125で作成された各領域(すなわち、各クラスタ)の状態変化情報に基づいて、各領域の特徴を表す領域特徴情報を生成する。そして、領域特徴情報生成部126は、状態変化領域決定部125で作成された各領域に領域特徴情報を関連付ける。
【0081】
図10は、第1の実施形態に係る領域特徴情報生成部126により生成された各領域の特徴を表す領域特徴情報の一例である。領域特徴情報は、領域の中心の位置情報を示す「緯度」および「経度」、状態変化情報としての「モードID」と「アプリID」、「タイムスタンプ」、および「人数」から構成される。人数は、状態変化領域決定部125で作成されたクラスタに含まれる位置情報または状態変化情報の数であり、緯度42°経度135°を中心とする領域内で路線検索のアプリケーションを使用した人数を表す。なお、領域特徴情報には、状態変化情報テーブル112を構成するサービスIDやコンテンツIDを含めてもよい。
【0082】
また、領域特徴情報生成部126は、各領域(すなわち、各クラスタ)の広告情報に基づいて各領域の特徴を表す領域特徴情報を生成し、状態変化領域決定部125で作成された各領域に領域特徴情報を関連付ける。なお、領域特徴情報生成部126は、閾値以上の人数である領域特徴情報を有する領域を選択し、選択された領域に状態変化情報を関連付けてもよい。
【0083】
マップ作成部130は、通信方法決定部124から取得した通信方式を関連付けた領域、および領域特徴情報生成部126から取得した領域特徴情報を関連付けた領域を統合し、制御情報マップを作成する。
【0084】
図11は、第1の実施形態にかかる制御情報マップの一例を示す図である。図11(a)は、通信方式に関する制御情報マップの一例である。通信領域決定部123が作成した複数の領域をマップ作成部130が統合して、図(a)に示す制御情報マップが作成される。なお、図において、領域に関連付けられた通信方法の違いは領域のハッチングの違いで表している。
【0085】
図11(b)は、通信方式および状態変化情報に関する制御情報マップの一例を示す図である。制御情報マップ上の円領域が、状態変化領域決定部125で作成される領域であり、マップ作成部130が図1(a)に示す制御情報マップにそれらを統合して、図11(b)に示す制御情報マップが作成される。
【0086】
図4に戻って、マップ作成部130は、また、作成した制御情報マップとマップ記憶部140に記憶されている制御情報マップとをマージし、制御情報マップを再作成する。
【0087】
制御情報マップを構成する各領域にタイムスタンプが関連付けられている場合には、マップ作成部130は、作成した制御情報マップとマップ記憶部140に記憶されている制御情報マップの各領域においてタイムスタンプを比較する。マップ作成部130は、タイムスタンプが新しい端末状態情報を優先することで、作成した制御情報マップとマップ記憶部140に記憶されている制御情報マップをマージし、制御情報マップを再作成する。
【0088】
図12は、第1の実施形態に係る制御情報マップのマージ方法を示す図である。図12(a)は、マップ記憶部140に記憶されている制御情報マップである。図12(b)は、マップ作成部130にて作成された制御情報マップである。図12(c)は、マップ記憶部140に記憶されていた制御情報マップ(a)とマップ作成部130にて作成された制御情報マップ(b)とを重ね合わせ、新たに作成された制御情報マップである。例えば、図12(a)の領域300のタイムスタンプを12:00、図12(b)の領域301のタイムスタンプが10:00とした場合に、マップ作成部130は、タイムスタンプの新しい図12(b)の領域301の端末状態情報を優先し、図12(c)の領域302の端末状態情報とする。マップ作成部130は、この処理を各領域について行い、タイムスタンプの新しい端末状態情報が優先された制御情報マップ図12(c)を作成する。
【0089】
図4に戻って、制御情報マップを構成する各領域に通信情報が関連付けられている場合には、マップ作成部130は、作成した制御情報マップとマップ記憶部140に記憶されている制御情報マップそれぞれを構成する領域毎に通信情報に重み付けをしたうえで重み付け平均し、出力された値に基づいて通信方法を決定し、決定した通信方式を領域に関連付ける。この処理を各領域について行い、作成した制御情報マップとマップ記憶部140に記憶されている制御情報マップをマージし、制御情報マップを再作成する。
【0090】
マップ記憶部140は、マップ作成部130にて作成された制御情報マップを記憶する。なお、マップ記憶部140は、最初、あらかじめ用意された制御情報マップを記憶しておく。
【0091】
<表示システムの処理>
図13は、第1の実施形態に係る端末制御システムの処理フローである。なお、マップサーバ100の情報記憶部110は、提供端末10から受信した位置情報および端末状態情報の組み合わせを記憶している。
【0092】
ステップ(以下、単にSと記す)101では、制御部121は、あらかじめ設定されたタイミングにおいて、情報記憶部110の通信情報テーブル111および状態変化情報テーブル112から情報を取得する。
【0093】
S102では、制御部121は、取得した情報が通信情報テーブル111の情報であるか否か判断する。
【0094】
S103では、地点作成部122は、制御部121から通信情報テーブル111の情報を受信し、受信した情報に含まれる位置情報の地点に基づいて、領域を決定するのに必要な新たな地点を作成する。
【0095】
S104では、通信領域決定部123は、制御部121から受信した情報に含まれる位置情報に基づく地点およびS103で作成された新たな地点に基づいて、領域を作成する。
【0096】
S105では、通信方法決定部124は、S104で作成された領域毎に通信方法を決定し、領域に関連付ける。
【0097】
S106では、状態変化領域決定部125は、制御部121から状態変化情報テーブル112の情報を受信し、受信した情報に含まれる位置情報および状態変化情報に基づいて、クラスタリングアルゴリズムにより1以上の領域を決定する。
【0098】
S107では、領域特徴情報生成部126は、S106で作成された領域毎に、各領域に含まれる状態変化情報に基づいて各領域の特徴を表す領域特徴情報を生成し、各領域に関連付ける。なお、状態変化領域決定部125で作成され各領域に含まれる位置情報の数を、状態変化情報を使用した人数として領域特徴情報に含める。
【0099】
S108では、閾値以上の人数である領域特徴情報を有する領域を選択し、選択された領域に状態変化情報を関連付ける。
【0100】
S109では、マップ作成部130は、S105で通信方式が関連付けられた領域、およびS108で状態変化情報が関連付けられた領域を統合し、制御情報マップを作成する。
【0101】
S110では、マップ作成部130は作成した制御情報マップとマップ記憶部140に記憶されている制御情報マップとをマージし、制御情報マップを再作成する。
【0102】
S111では、マップ作成部130は、S110で作成されたマップをマップ記憶部140に記憶する。
【0103】
S112では、マップ作成部130はS110で作成されたマップを利用端末20に送信する。なお、ステップS111およびS112の順は逆であってもよい。
【0104】
以上説明したように、第1の実施形態によれば、提供端末10から制御情報マップを作成するのに必要な位置情報と関連付いた端末状態情報(通信情報および状態変化情報)を取得することにより、提供端末10から取得した位置情報と関連付いた端末状態情報に基づいて、自動的に端末制御情報を含んだ制御情報マップを作成することができる。また、アドホック通信を利用し、マップサーバ100へ提供端末10の状態変化を特定する状態変化情報を送信する提供端末10を自動的に増やすことができ、より精度の高い制御情報マップを作成することができる。
【0105】
<第2の実施形態>
図14から図25を用いて、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態の端末制御システム2は、端末管理サーバ400、およびユーザ管理サーバ500が追加され、マップサーバ100に最適化部150が追加された他は、第1の実施形態と同様の形態をしている。よって、前述した第1の実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
【0106】
図14は、第2の実施形態に係る端末制御システム2の構成を示す図である。第2の実施形態に係る端末制御システム2は、端末管理サーバ400、およびユーザ管理サーバ500をさらに備えた点において、相違する。
【0107】
端末管理サーバ400は、端末管理記憶部を備え、利用端末20の端末情報を管理する。図15は、第2の実施形態に係る端末管理記憶部のデータ構成の一例を示す。図に示すように、端末管理記憶部には、利用端末20を特定するための「端末ID」と、利用端末20の属性情報を示す「広告レベル」および「通信レベル」が記憶されている。
【0108】
広告レベルとは、利用端末20のユーザが受信する広告をどのくらい許容するかを表す数値であり、数値が高いほど拒否される広告は多くなる。図16は、第2の実施形態に係る広告レベル設定例を示す図である。図に示すように、広告レベルは受信可能な広告の条件(個人向けの広告および全体向けの広告を受信するか否か)を設定することにより、ユーザが受信する広告をどのくらい許容するかを表すことができる。
【0109】
通信レベルとは、利用端末20のユーザが要求する通信品質を表す数値であり、この数値が高い端末ほど通信品質のよい通信方法を優先的に使用することができる。図17は、第2の実施形態に係る通信レベル設定例を示す図である。図に示すように、通信レベルは通信方法の優先順位を設定することにより、ユーザが要求する通信品質を表すことができる。
【0110】
ここで、端末IDの決定方法について説明する。端末IDはデバイスの構成により決定する。図18は、第2の実施形態に係る携帯電話機のデバイス構成情報の一例である。図18に示すデバイス構成情報を有する携帯電話機(以下、携帯電話機Aとする)を例に用いて、端末IDの決定方法について説明する。まず、端末により標準化されている部分を特定する情報であるプラットフォームID(以下、PFIDとする)を決定する。図19は、第2の実施形態に係る端末IDの決定に必要な各IDの決定ルールを示す図である。図19(a)は、PFIDの決定ルールを示し、本ルールに従うと携帯電話機AのPFIDは「0」となる。
【0111】
次に、端末により標準化されていない部分を特定するための情報であるディテイルID(以下、DIDとする)を決定する。DIDは、WiFi、WiMAX、Ethernet(登録商標)、SIM、キーボードおよび加速度センサの有無情報(有る場合には1、ない場合には0とする)と、画面サイズとをこの順につなげたものある。よって、携帯電話機AのDIDは、「11011132048」となる。
【0112】
そして、バイナリに影響する部分を特定するための情報であるバイナリID(以下、BIDとする)を決定する。BIDはCPUの種類およびOSのバージョンにより決まる。図19(b)は、BIDの決定ルールを示し、本ルールに従うと携帯電話機AのBIDは「002」となる。
【0113】
最後に、端末を特定するための情報であるユニークID(以下、UIDとする)を決定する。UIDは、SIM、Macアドレス、およびBluetoothアドレスそれぞれのハッシュ値をつなげて作成する。図19(c)は、携帯電話機AのSIM、Macアドレス、Bluetoothアドレス、およびそれらのハッシュ値から求められたUIDを示す。
【0114】
このようにして求めた、PFID、DID、BID、およびUIDをこの順につなげ、端末IDとする。よって、携帯電話機Aの端末IDは「0110111320480021234567890123456789」となる。このように、端末IDを作成することにより、端末IDから端末の構成を知ることができる。アプリIDについても同様にして決定することができる。
【0115】
図14に戻って、ユーザ管理サーバ500は、ユーザ管理記憶部を備え、利用端末20のユーザのユーザ情報を管理する。図20は、第2の実施形態に係るユーザ管理記憶部のデータ構成の一例を示す。図に示すように、ユーザ管理記憶部には、ユーザを特定するためのユーザIDと、ユーザが所有する端末を示す端末IDと、ユーザの属性を示すプロファイルと、ユーザが複数端末を所有する場合に、端末全体での上限パケットを決めるか否かを示すパケットとが記憶されている。
【0116】
図21は、第2の実施形態に係るマップサーバ100の構成を示す図である。マップサーバ100は、最適化部150をさらに備える。
【0117】
最適化部150は、端末管理サーバ400から端末ID、広告レベル、および通信レベルを受信する。また、最適化部150は、端末IDに基づいてユーザ管理サーバ500からプロファイルおよびパケット情報を受信する。そして、最適化部150は端末管理サーバ400およびユーザ管理サーバ500から受信した情報に基づいて保持するルールを参照し、制御情報マップの最適化、すなわち、制御情報マップに関連付けられている情報の最適化を行う。
【0118】
まず、制御情報マップに関連付けられている通信方法の最適化について説明する。最適化部150は、端末管理サーバ400から受信した端末IDから特定される端末の種別、およびユーザ管理サーバ500のパケット情報に基づいて、通信品質決定ルールを参照し、利用端末20に最適な通信決定ルールを選択する。図22は、第2の実施形態に係る通信品質決定ルールの一例を示す図である。図20に示すユーザID「0000000001」の場合、図15に示す端末IDから携帯電話機と特定され、図20に示すパケット情報からパケットはシェアしないと特定できるので、最適化部150は図22に示す通信品質決定ルールを参照し、通信決定ルール1を選択する。
【0119】
次に、最適化部150は、制御情報マップの領域毎に混雑度や通信方法毎の通信強度に基づいて、通信決定ルールを参照し、通信パターンを決定する。図23は、第2の実施形態に係る通信決定ルールの一例を示す図である。混雑度が高く、各通信方式の強度が高い場合、図23に示す通信決定ルールを参照し、通信パターン1が選択される。
【0120】
そして、最適化部150は、端末管理サーバ400から受信した通信レベルに基づいて、通信パターンを参照し、通信方式の優先順位を決定する。通信パターンには通信レベル毎に通信方式の優先順位が設定されている。
【0121】
最後に、最適化部150は、決定された通信方式の優先順位にしたがって、優先順位の高い通信方法の下に優先順位の低い通信方法を関連付け、制御情報マップに通信方法を関連付ける。
【0122】
次に、制御情報マップに関連付けられている広告情報の最適化について説明する。最適化部150は、端末管理サーバ400から受信した広告レベル、およびユーザ管理サーバ500から受信したプロファイルに基づいて、利用端末20のユーザに最適な広告を選択する。図24は、第2の実施形態に係る広告決定ルールの一例を示す図である。図20に示すユーザID「0000000002」、端末ID「11101360480025432109876543215432」の場合、図15に示す広告レベルから広告レベルは1と特定され、図20に示すプロファイルから20代女性であることが特定できるので、最適化部150は図24の広告決定ルールを参照し、20代女性向けの広告であって、個人向けの広告を最適な広告として選択する。
【0123】
そして、最適化部150は制御情報マップに関連付けられた広告情報のうち、最適な広告として選択されなかった広告の広告情報を削除する。
【0124】
図25は、第2の実施形態に係る最適化された制御情報マップを示す図である。図25(a)と(b)は同一の制御情報マップから、利用端末20およびそのユーザの情報に基づいて、最適化部150にて最適化された制御情報マップである。このように、最適化部150にて最適化されることにより、利用端末20毎に異なる制御情報マップを作成することができる。
【0125】
以上説明したように、第2の実施形態によれば、ユーザの属性に関する情報や端末の機能に関する情報に基づいて制御情報マップを最適化することにより、ユーザ毎および端末毎に最適化された制御情報マップを作成することができる。
【0126】
<第3の実施形態>
図26から図28を用いて、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態の端末制御システム3は、料金管理サーバ600が追加され、マップサーバ100に、貢献情報テーブル114、および割引計算部160が追加された他は、第1の実施形態と同様の形態をしている。よって、前述した第1の実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
【0127】
図26は、第3の実施形態に係る端末制御システム3を示す図である。第3の実施形態に係る端末制御システム3は、料金管理サーバ600をさらに備えた点において、相違する。料金管理サーバ600は、端末毎の使用料金を管理する。料金管理サーバ600は、料金管理記憶部を備え、ユーザID、端末IDおよび端末使用料金を対応付けて記憶する。料金管理サーバ600は、マップサーバ100からユーザIDに対応付けられた割引料金を受信すると、料金管理記憶部に記憶されているから端末使用料金から割引料金を減算し、ユーザの端末使用料金を算出する。
【0128】
図27は、第3の実施形態に係るマップサーバ100の構成を示す図である。マップサーバ100は割引計算部160を、情報記憶部110は貢献情報テーブル114をさらに備える。
【0129】
貢献情報テーブル114は、ユーザ毎にマップサーバ100に情報を提供した回数を管理する。図28は、第3の実施形態に係る貢献情報テーブル114のデータ構成の一例を示す。図に示すように、貢献情報テーブルには、マップサーバ100に情報を提供したユーザを特定する「ユーザID」、ユーザが新規に情報を提供した回数を示す「新規提供回数」、ユーザが過去に情報を提供した回数を示す「全提供回数」、他ユーザが情報を提供した回数を示す「他提供回数」、およびユーザが広告を設定した回数を示す「広告設定回数」が記憶されている。新規提供回数は、所定の期間内にユーザが情報を提供した回数であり、所定の期間後、値はリセットされ「0」になる。
【0130】
割引計算部160は、貢献情報テーブル114から情報を取得し、ユーザ毎に割引金額を算出する。なお、割引金額の算出は定期的に行われ、例えば、ユーザの端末使用料金が計算されるタイミングで行われる。割引金額は、提供端末10のユーザの貢献度に応じて決まる。例えば、過去の情報提供は1回につき2円、新規の情報提供は1回につき5円、広告の設定は1回につき10円加算され、他提供回数は1回につき0.1円減算されるとすると、ユーザID「0000000001」のユーザは100×2+20×5−0.1×1000=200円、の割引を受けることができる。また、割引計算部160は、算出した割引金額を料金管理サーバ600へ送信する。
【0131】
以上説明したように、第3の実施形態によれば、制御情報マップを作成するのに必要な情報(位置情報と関連付いた端末状態情報)を提供した端末のユーザに対し、貢献度に応じて、端末使用料金を割引くことができ、制御情報マップを作成するのに必要な情報を提供する提供端末10を増やすことができる。
【符号の説明】
【0132】
10 提供端末
20 利用端末
100 マップサーバ
110 情報記憶部
120 マップ情報作成部
130 マップ作成部
140 マップ記憶部
150 最適化部
160 割引計算部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を提供する第1の端末と、前記情報に基づいて制御情報マップを作成するマップサーバと、前記制御情報マップに基づいて制御される第2の端末と、を備える端末制御システムであって、
前記第1の端末は、
自己の位置情報および自己の端末状態情報を、前記マップサーバに送信する送信手段を備え、
前記マップサーバは、
前記第1の端末から受信した前記第1の端末の位置情報と前記第1の端末の端末状態情報とを記憶する情報記憶手段と、
前記記憶されている位置情報に基づいて1以上の所定領域を決定し、前記記憶されている位置情報のうち各所定領域に含まれる位置情報に関連付いている前記端末状態情報に基づいて前記各所定領域の端末状態情報を決定し、前記決定された端末状態情報を前記各所定領域に関連付けるマップ情報作成手段と、
関連付けされた所定領域群を統合し、前記制御情報マップを作成するマップ作成手段と、
を備え、
前記第2の端末は、
前記マップサーバから受信した制御情報マップに基づいて、制御を行う制御手段を備えることを特徴とする端末制御システム。
【請求項2】
前記マップサーバは、
前記作成された制御情報マップを記憶するマップ記憶手段をさらに備え、
前記マップ作成手段は、前記作成された制御情報マップと前記記憶された制御情報マップとをマージし、前記制御情報マップを再作成することを特徴とする請求項1に記載の端末制御システム。
【請求項3】
前記第1の端末の送信部は、
自己の位置情報と自己の端末状態情報とを併せて、前記位置情報および端末状態情報を取得した時刻を前記マップサーバに送信し、
前記情報記憶手段は、
前記第1の端末から受信した前記第1の端末の位置情報、前記第1の端末の端末状態情報、および時刻を記憶し、
前記マップ情報作成手段は、
前記記憶されている位置情報のうち前記各所定領域に含まれる位置情報に関連した前記時刻に基づいて前記各所定領域の時刻を決定し、前記決定された時刻を前記各所定領域に関連付け、
前記マップ作成手段は、
前記各所定領域に関連付けされた時刻に基づいて、前記作成された制御情報マップと前記記憶された制御情報マップとをマージし、前記制御情報マップを再作成することを特徴とする請求項2に記載の端末制御システム。
【請求項4】
前記端末状態情報が通信方式毎の通信強度である場合に、
前記マップ作成手段は、
前記作成された制御情報マップの通信方式毎の通信強度と前記記憶された制御情報マップの通信方式毎の通信強度とを前記通信方式毎に重みつけ平均し、出力した前記各所定領域の通信方式毎の通信強度に基づいて決定された前記各所定領域の通信方式を前記作成された制御情報マップに関連付けることにより、前記作成された制御情報マップと前記記憶された制御情報マップとをマージし、前記制御情報マップを再作成することを特徴とする請求項2に記載の端末制御システム。
【請求項5】
前記端末状態情報が通信方式毎の通信強度であり、前記記憶されている位置情報が3地点以上ある場合に、
マップ情報作成手段は、
前記記憶されている位置情報から隣接する任意の2地点を選択し、前記選択された2地点の距離が所定の値以上である場合に、前記選択された2地点の中間地点を新たな位置情報として作成する地点作成手段と、
前記記憶されている位置情報および複数の前記作成された新たな位置情報から隣接する任意の3地点を選択し、前記選択された3地点を結んだ三角形を前記所定領域とする通信領域決定手段と、
前記所定領域を形成する3地点の通信強度から算出された前記所定領域の通信強度に基づいて、前記所定領域の通信方法を決定する通信方法決定手段と、
を備えることを特徴とする請求項2から4に記載の端末制御システム。
【請求項6】
前記端末状態情報が前記第1の端末のユーザ操作に基づく端末の状態変化を特定する状態変化情報であり、
前記マップ情報作成手段は、
前記位置情報および前記状態変化情報に基づいて、クラスタリングアルゴリズムにより1以上の前記所定領域を決定する状態変化領域決定手段と、
前記クラスタリングアルゴリズムによって決定された各所定領域に含まれる状態変化情報に基づいて、前記各所定領域の特徴を表す領域特徴情報を生成する領域特徴情報生成手段と、
を備えることを特徴とする請求項2から5に記載の端末制御システム。
【請求項7】
前記第2の端末を特定するための端末識別情報と前記第2の端末の属性を表す端末属性情報とを管理する端末管理サーバと、
前記第2の端末のユーザを特定するためのユーザ識別情報と前記ユーザの属性を表すユーザ属性情報とを管理するユーザ管理サーバとをさらに備え、
前記マップサーバは、
前記記憶されている端末属性情報および前記記憶されているユーザ属性情報に基づいて、前記作成された制御情報マップに関連付いている前記端末状態情報のうち、前記第2の端末に適した制御情報マップに関連付ける前記端末状態情報を選択し、前記制御情報マップを最適化する最適化手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1から6に記載の端末制御システム。
【請求項8】
前記最適化手段は、
前記記憶されている端末属性情報および前記記憶されているユーザ属性情報に基づいて、前記第2の端末に適した制御情報マップに関連付ける端末状態情報を選択するためのルールをあらかじめ保持し、前記ルールにしたがって、前記制御情報マップを最適化することを特徴とする請求項7に記載の端末制御システム。
【請求項9】
前記端末状態情報が通信方式毎の通信強度である場合に、前記ルールは、前記制御情報マップに関連付ける通信方式の優先順位を決定するルールを含み、
前記最適化手段は、
前記優先順位の高い通信方式の下に優先順位の低い通信方式を関連付けることにより、前記制御情報マップを最適化することを特徴とする請求項8に記載の端末制御システム。
【請求項10】
前記第1の端末が前記マップサーバに対し前記端末状態情報を提供した回数に応じて、前記第1の端末の利用料金に対する割引金額を算出する割引計算手段を備えることを特徴とする請求項1から9に記載の端末制御システム。
【請求項11】
前記端末状態情報が前記第1の端末のユーザ操作に基づく端末の状態変化を特定する状態変化情報である場合に、
前記第1の端末の送信手段は、アドホックネットワークを利用し、第3の端末に前記状態変化情報をおよび自己の端末識別情報を送信し、
前記第3の端末は、受信した状態変化情報に基づいて自己の端末の状態を変化させた場合に、前記状態変化情報と前記第1の端末および自己の端末識別情報を前記マップサーバへ送信することを特徴とする請求項1から10に記載の端末制御システム。
【請求項12】
前記端末状態情報は、通信方式毎の通信強度、前記第1の端末にて起動されているアプリケーションを特定するためのアプリ識別情報、前記第1の端末の動作モードを特定するためにモード識別情報、および前記第1の端末に表示されたコンテンツを特定するためのコンテンツ識別情報のうち少なくとも1つであることを特徴とする請求項1から11に記載の端末制御システム。
【請求項13】
前記第2の端末が通信を行う場合に、前記受信した制御情報マップを自己の位置情報に基づいて参照し、通信方式を決定することを特徴とする請求項1から12に記載の端末制御システム。
【請求項14】
前記第2の端末が所定のタイミングにて、前記受信した制御情報マップを自己の位置情報に基づいて参照し、前記第2の端末が表示するアプリケーションの最適配置を行うことを特徴とする請求項1から13に記載の端末制御システム。
【請求項15】
情報を提供する第1の端末と、前記情報に基づいて制御情報マップを作成するマップサーバと、前記制御情報マップに基づいて制御される第2の端末と、を備える端末制御システムにおける端末制御方法であって、
前記第1の端末が、自己の位置情報および自己の端末状態情報を、前記マップサーバに送信する第1のステップと、
前記マップサーバが、前記第1の端末から受信した前記第1の端末の位置情報と前記第1の端末の端末状態情報とを記憶する第2のステップと、
前記マップサーバが、前記記憶されている位置情報に基づいて1以上の所定領域を決定し、前記記憶されている位置情報のうち各所定領域に含まれる位置情報に関連付いている前記端末状態情報に基づいて前記各所定領域の端末状態情報を決定し、前記決定された端末状態情報を前記各所定領域に関連付ける第3のステップと、
前記マップサーバが、関連付けされた所定領域群を統合し、前記制御情報マップを作成する第4のステップと、
前記第2の端末が、前記マップサーバから受信した制御情報マップに基づいて、制御を行う第4のステップを備えることを特徴とする端末制御方法。
【請求項16】
情報を提供する第1の端末と、前記情報に基づいて制御情報マップを作成するマップサーバと、前記制御情報マップに基づいて制御される第2の端末と、を備える端末制御システムにおける端末制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記第1の端末が、自己の位置情報および自己の端末状態情報を、前記マップサーバに送信する第1のステップと、
前記マップサーバが、前記第1の端末から受信した前記第1の端末の位置情報と前記第1の端末の端末状態情報とを記憶する第2のステップと、
前記マップサーバが、前記記憶されている位置情報に基づいて1以上の所定領域を決定し、前記記憶されている位置情報のうち各所定領域に含まれる位置情報に関連付いている前記端末状態情報に基づいて前記各所定領域の端末状態情報を決定し、前記決定された端末状態情報を前記各所定領域に関連付ける第3のステップと、
前記マップサーバが、関連付けされた所定領域群を統合し、前記制御情報マップを作成する第4のステップと、
前記第2の端末が、前記マップサーバから受信した制御情報マップに基づいて、制御を行う第4のステップを備えることを特徴とする端末制御プログラム。
【請求項1】
情報を提供する第1の端末と、前記情報に基づいて制御情報マップを作成するマップサーバと、前記制御情報マップに基づいて制御される第2の端末と、を備える端末制御システムであって、
前記第1の端末は、
自己の位置情報および自己の端末状態情報を、前記マップサーバに送信する送信手段を備え、
前記マップサーバは、
前記第1の端末から受信した前記第1の端末の位置情報と前記第1の端末の端末状態情報とを記憶する情報記憶手段と、
前記記憶されている位置情報に基づいて1以上の所定領域を決定し、前記記憶されている位置情報のうち各所定領域に含まれる位置情報に関連付いている前記端末状態情報に基づいて前記各所定領域の端末状態情報を決定し、前記決定された端末状態情報を前記各所定領域に関連付けるマップ情報作成手段と、
関連付けされた所定領域群を統合し、前記制御情報マップを作成するマップ作成手段と、
を備え、
前記第2の端末は、
前記マップサーバから受信した制御情報マップに基づいて、制御を行う制御手段を備えることを特徴とする端末制御システム。
【請求項2】
前記マップサーバは、
前記作成された制御情報マップを記憶するマップ記憶手段をさらに備え、
前記マップ作成手段は、前記作成された制御情報マップと前記記憶された制御情報マップとをマージし、前記制御情報マップを再作成することを特徴とする請求項1に記載の端末制御システム。
【請求項3】
前記第1の端末の送信部は、
自己の位置情報と自己の端末状態情報とを併せて、前記位置情報および端末状態情報を取得した時刻を前記マップサーバに送信し、
前記情報記憶手段は、
前記第1の端末から受信した前記第1の端末の位置情報、前記第1の端末の端末状態情報、および時刻を記憶し、
前記マップ情報作成手段は、
前記記憶されている位置情報のうち前記各所定領域に含まれる位置情報に関連した前記時刻に基づいて前記各所定領域の時刻を決定し、前記決定された時刻を前記各所定領域に関連付け、
前記マップ作成手段は、
前記各所定領域に関連付けされた時刻に基づいて、前記作成された制御情報マップと前記記憶された制御情報マップとをマージし、前記制御情報マップを再作成することを特徴とする請求項2に記載の端末制御システム。
【請求項4】
前記端末状態情報が通信方式毎の通信強度である場合に、
前記マップ作成手段は、
前記作成された制御情報マップの通信方式毎の通信強度と前記記憶された制御情報マップの通信方式毎の通信強度とを前記通信方式毎に重みつけ平均し、出力した前記各所定領域の通信方式毎の通信強度に基づいて決定された前記各所定領域の通信方式を前記作成された制御情報マップに関連付けることにより、前記作成された制御情報マップと前記記憶された制御情報マップとをマージし、前記制御情報マップを再作成することを特徴とする請求項2に記載の端末制御システム。
【請求項5】
前記端末状態情報が通信方式毎の通信強度であり、前記記憶されている位置情報が3地点以上ある場合に、
マップ情報作成手段は、
前記記憶されている位置情報から隣接する任意の2地点を選択し、前記選択された2地点の距離が所定の値以上である場合に、前記選択された2地点の中間地点を新たな位置情報として作成する地点作成手段と、
前記記憶されている位置情報および複数の前記作成された新たな位置情報から隣接する任意の3地点を選択し、前記選択された3地点を結んだ三角形を前記所定領域とする通信領域決定手段と、
前記所定領域を形成する3地点の通信強度から算出された前記所定領域の通信強度に基づいて、前記所定領域の通信方法を決定する通信方法決定手段と、
を備えることを特徴とする請求項2から4に記載の端末制御システム。
【請求項6】
前記端末状態情報が前記第1の端末のユーザ操作に基づく端末の状態変化を特定する状態変化情報であり、
前記マップ情報作成手段は、
前記位置情報および前記状態変化情報に基づいて、クラスタリングアルゴリズムにより1以上の前記所定領域を決定する状態変化領域決定手段と、
前記クラスタリングアルゴリズムによって決定された各所定領域に含まれる状態変化情報に基づいて、前記各所定領域の特徴を表す領域特徴情報を生成する領域特徴情報生成手段と、
を備えることを特徴とする請求項2から5に記載の端末制御システム。
【請求項7】
前記第2の端末を特定するための端末識別情報と前記第2の端末の属性を表す端末属性情報とを管理する端末管理サーバと、
前記第2の端末のユーザを特定するためのユーザ識別情報と前記ユーザの属性を表すユーザ属性情報とを管理するユーザ管理サーバとをさらに備え、
前記マップサーバは、
前記記憶されている端末属性情報および前記記憶されているユーザ属性情報に基づいて、前記作成された制御情報マップに関連付いている前記端末状態情報のうち、前記第2の端末に適した制御情報マップに関連付ける前記端末状態情報を選択し、前記制御情報マップを最適化する最適化手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1から6に記載の端末制御システム。
【請求項8】
前記最適化手段は、
前記記憶されている端末属性情報および前記記憶されているユーザ属性情報に基づいて、前記第2の端末に適した制御情報マップに関連付ける端末状態情報を選択するためのルールをあらかじめ保持し、前記ルールにしたがって、前記制御情報マップを最適化することを特徴とする請求項7に記載の端末制御システム。
【請求項9】
前記端末状態情報が通信方式毎の通信強度である場合に、前記ルールは、前記制御情報マップに関連付ける通信方式の優先順位を決定するルールを含み、
前記最適化手段は、
前記優先順位の高い通信方式の下に優先順位の低い通信方式を関連付けることにより、前記制御情報マップを最適化することを特徴とする請求項8に記載の端末制御システム。
【請求項10】
前記第1の端末が前記マップサーバに対し前記端末状態情報を提供した回数に応じて、前記第1の端末の利用料金に対する割引金額を算出する割引計算手段を備えることを特徴とする請求項1から9に記載の端末制御システム。
【請求項11】
前記端末状態情報が前記第1の端末のユーザ操作に基づく端末の状態変化を特定する状態変化情報である場合に、
前記第1の端末の送信手段は、アドホックネットワークを利用し、第3の端末に前記状態変化情報をおよび自己の端末識別情報を送信し、
前記第3の端末は、受信した状態変化情報に基づいて自己の端末の状態を変化させた場合に、前記状態変化情報と前記第1の端末および自己の端末識別情報を前記マップサーバへ送信することを特徴とする請求項1から10に記載の端末制御システム。
【請求項12】
前記端末状態情報は、通信方式毎の通信強度、前記第1の端末にて起動されているアプリケーションを特定するためのアプリ識別情報、前記第1の端末の動作モードを特定するためにモード識別情報、および前記第1の端末に表示されたコンテンツを特定するためのコンテンツ識別情報のうち少なくとも1つであることを特徴とする請求項1から11に記載の端末制御システム。
【請求項13】
前記第2の端末が通信を行う場合に、前記受信した制御情報マップを自己の位置情報に基づいて参照し、通信方式を決定することを特徴とする請求項1から12に記載の端末制御システム。
【請求項14】
前記第2の端末が所定のタイミングにて、前記受信した制御情報マップを自己の位置情報に基づいて参照し、前記第2の端末が表示するアプリケーションの最適配置を行うことを特徴とする請求項1から13に記載の端末制御システム。
【請求項15】
情報を提供する第1の端末と、前記情報に基づいて制御情報マップを作成するマップサーバと、前記制御情報マップに基づいて制御される第2の端末と、を備える端末制御システムにおける端末制御方法であって、
前記第1の端末が、自己の位置情報および自己の端末状態情報を、前記マップサーバに送信する第1のステップと、
前記マップサーバが、前記第1の端末から受信した前記第1の端末の位置情報と前記第1の端末の端末状態情報とを記憶する第2のステップと、
前記マップサーバが、前記記憶されている位置情報に基づいて1以上の所定領域を決定し、前記記憶されている位置情報のうち各所定領域に含まれる位置情報に関連付いている前記端末状態情報に基づいて前記各所定領域の端末状態情報を決定し、前記決定された端末状態情報を前記各所定領域に関連付ける第3のステップと、
前記マップサーバが、関連付けされた所定領域群を統合し、前記制御情報マップを作成する第4のステップと、
前記第2の端末が、前記マップサーバから受信した制御情報マップに基づいて、制御を行う第4のステップを備えることを特徴とする端末制御方法。
【請求項16】
情報を提供する第1の端末と、前記情報に基づいて制御情報マップを作成するマップサーバと、前記制御情報マップに基づいて制御される第2の端末と、を備える端末制御システムにおける端末制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記第1の端末が、自己の位置情報および自己の端末状態情報を、前記マップサーバに送信する第1のステップと、
前記マップサーバが、前記第1の端末から受信した前記第1の端末の位置情報と前記第1の端末の端末状態情報とを記憶する第2のステップと、
前記マップサーバが、前記記憶されている位置情報に基づいて1以上の所定領域を決定し、前記記憶されている位置情報のうち各所定領域に含まれる位置情報に関連付いている前記端末状態情報に基づいて前記各所定領域の端末状態情報を決定し、前記決定された端末状態情報を前記各所定領域に関連付ける第3のステップと、
前記マップサーバが、関連付けされた所定領域群を統合し、前記制御情報マップを作成する第4のステップと、
前記第2の端末が、前記マップサーバから受信した制御情報マップに基づいて、制御を行う第4のステップを備えることを特徴とする端末制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公開番号】特開2011−234084(P2011−234084A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−101974(P2010−101974)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】
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