端末制御装置、移動通信端末、端末制御方法および通信システム
【課題】位置推定の精度を向上させること。
【解決手段】移動通信端末101は、自端末の位置を特定可能なGPS信号を定期的な受信時刻T1〜T6に受信する。端末制御装置は、移動通信端末101が受信したGPS信号から特定される位置に基づいて、定期的な受信時刻T1〜T6を含む時刻t1〜t8における移動通信端末101の位置を推定する。端末制御装置は、推定した定期的な受信時刻T3〜T6における位置p2,p4,p6,p8の少なくともいずれかが、移動通信端末101がGPS信号を受信できない不感地域E1に含まれるか否かを判定する。含まれると判定した場合に、端末制御装置は、移動通信端末101の不感地域E1への進入時刻t3より前で、受信時刻T1〜T6のうちの進入時刻t3の直前の受信時刻T3より後の時刻T3−2を算出する。端末制御装置は、算出した時刻T3−2にGPS信号を受信するように移動通信端末101を制御する。
【解決手段】移動通信端末101は、自端末の位置を特定可能なGPS信号を定期的な受信時刻T1〜T6に受信する。端末制御装置は、移動通信端末101が受信したGPS信号から特定される位置に基づいて、定期的な受信時刻T1〜T6を含む時刻t1〜t8における移動通信端末101の位置を推定する。端末制御装置は、推定した定期的な受信時刻T3〜T6における位置p2,p4,p6,p8の少なくともいずれかが、移動通信端末101がGPS信号を受信できない不感地域E1に含まれるか否かを判定する。含まれると判定した場合に、端末制御装置は、移動通信端末101の不感地域E1への進入時刻t3より前で、受信時刻T1〜T6のうちの進入時刻t3の直前の受信時刻T3より後の時刻T3−2を算出する。端末制御装置は、算出した時刻T3−2にGPS信号を受信するように移動通信端末101を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末制御装置、移動通信端末、端末制御方法および通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電車などの移動体に乗車した移動通信端末の位置を推定する方式が知られている(たとえば、下記特許文献1参照。)。この方式においては、たとえば、移動通信端末が、定期的にGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)衛星からの無線信号を受信して位置情報を取得し、取得した位置情報と取得時刻をサーバへ送信する。そして、サーバが、移動通信端末から送信される位置情報と取得時刻から移動速度を算出し、サーバで保有している経路情報に沿って移動すると予測することで、移動通信端末が位置情報を取得しない間の位置推定を行う。
【0003】
また、移動通信端末の位置推定に関して、通信不能エリアを予測して、サーバから移動体へのデータ送信タイミングを変える技術が知られている(たとえば、下記特許文献2参照。)。また、トンネルに入るとGPS受信不能となる場合に、進入直前に取得したGPS信号から算出した速度と車載カメラの画像から算出した速度を用いてナビゲーションを行う技術が知られている(たとえば、下記特許文献3参照。)。
【0004】
また、トンネルに入る直前のGPS情報と、トンネル内の誘導点での標準走行速度から自車の位置推定を行い、トンネル内にある速度計測装置などの位置を通知する技術が知られている(たとえば、下記特許文献4参照。)。また、トンネルに入る前に、トンネルの出口の気象情報を予め受信することで、トンネルの出口付近で気象情報における注意すべき運転注意情報を通知する技術が知られている(たとえば、下記特許文献5参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−81551号公報
【特許文献2】特開2001−27538号公報
【特許文献3】特開2009−168614号公報
【特許文献4】特開2011−39038号公報
【特許文献5】特開2008−232952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来技術では、定期的な受信時刻にGPS信号を受信する移動通信端末がトンネルなどの不感地域を通過すると、GPS信号が受信されない期間が長くなり、移動通信端末の位置推定の精度が低くなる場合がある。
【0007】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、位置推定の精度を向上させることができる端末制御装置、移動通信端末、端末制御方法および通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明の一側面によれば、自端末の位置を特定可能な無線信号を定期的な受信時刻に受信する移動通信端末について、前記移動通信端末が受信した無線信号から特定される位置に基づいて、前記定期的な受信時刻を含む各時刻における前記移動通信端末の位置を推定し、前記移動通信端末が前記無線信号を受信できない不感地域を示す情報に基づいて、推定した前記定期的な受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれるか否かを判定し、前記受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれると判定した場合に、推定された前記各時刻における位置に基づいて、前記移動通信端末の前記不感地域への進入時刻より前で、前記定期的な受信時刻のうちの前記進入時刻の直前の受信時刻より後における少なくとも一つの時刻を算出し、算出した時刻に前記無線信号を受信するように前記移動通信端末を制御する端末制御装置、移動通信端末、端末制御方法および通信システムが提案される。
【0009】
また、本発明の別の側面によれば、自端末の位置を特定可能な無線信号を定期的な受信時刻に受信する移動通信端末について、前記移動通信端末が受信した無線信号から特定される位置に基づいて、前記定期的な受信時刻を含む各時刻における前記移動通信端末の位置を推定し、前記移動通信端末が前記無線信号を受信できない不感地域を示す情報に基づいて、推定した前記定期的な受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれるか否かを判定し、前記受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれると判定した場合に、推定された前記各時刻における位置に基づいて、前記移動通信端末の前記不感地域からの脱出時刻より後で、前記定期的な受信時刻のうちの前記脱出時刻の直後の受信時刻より前における少なくとも一つの時刻を算出し、算出した時刻に前記無線信号を受信するように前記移動通信端末を制御する端末制御装置、移動通信端末、端末制御方法および通信システムが提案される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一側面によれば、位置推定の精度を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1−1】図1−1は、実施の形態1にかかる端末制御装置による制御前の状態の一例を示す図である。
【図1−2】図1−2は、実施の形態1にかかる端末制御装置による制御例1を示す図である。
【図1−3】図1−3は、実施の形態1にかかる端末制御装置による制御例2を示す図である。
【図1−4】図1−4は、実施の形態1にかかる端末制御装置による制御例3を示す図である。
【図2】図2は、通信システムの一例を示す図である。
【図3】図3は、サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
【図4】図4は、移動通信端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図5】図5は、実施の形態1にかかるサーバの機能的な構成の一例を示す図である。
【図6】図6は、運行DBの一例を示す図である。
【図7】図7は、路線DBの一例を示す図である。
【図8】図8は、圏外DBの一例を示す図である。
【図9】図9は、実施の形態1にかかる移動通信端末の機能的構成の一例を示す図である。
【図10】図10は、実施の形態1にかかるサーバの動作の一例を示すフローチャートである。
【図11】図11は、実施の形態1にかかる移動通信端末の動作の一例を示すフローチャートである。
【図12】図12は、実施の形態2にかかるサーバの動作の一例を示すフローチャートである。
【図13】図13は、実施の形態2にかかる移動通信端末の一例を示すフローチャートである。
【図14】図14は、実施の形態3にかかる移動通信端末の機能的な構成の一例を示す図である。
【図15】図15は、実施の形態3にかかる移動通信端末の位置推定動作の一例を示すフローチャートである。
【図16】図16は、実施の形態3にかかる移動通信端末のGPS受信動作の一例を示すフローチャートである。
【図17】図17は、実施の形態4にかかるサーバの機能的な構成の一例を示す図である。
【図18】図18は、実施の形態4にかかる圏外・不安定DBの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる端末制御装置、移動通信端末、端末制御方法および通信システムの実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
(実施の形態1)
(実施の形態1にかかる端末制御装置による制御例)
図1−1は、実施の形態1にかかる端末制御装置による制御前の状態の一例を示す図である。図1−1において、横軸は時間を示している。移動通信端末101は、定期的な受信時刻T1〜T6において、移動通信端末101(自端末)の位置を特定可能な無線信号を受信する。無線信号は、たとえば、GPS衛星から送信されるGPS信号である。ただし、無線信号は、GPS信号に限らず、移動通信端末101の現在位置を特定可能な無線信号であればよい。受信時刻T1〜T6は、一例としては5分間隔の時刻である。
【0014】
実施の形態1にかかる端末制御装置(以下、単に「端末制御装置」とも称する。)は、移動通信端末101によるGPS信号の受信時刻を制御する制御装置である。端末制御装置は、移動通信端末101がGPS信号を受信する定期的な受信時刻を、たとえば移動通信端末101からの通知によって取得することができる。
【0015】
時刻t0は、現在時刻である。時刻t1〜t8は、未来の時刻である。時刻t0〜t8は、一例としては5秒間隔の時刻である。不感地域E1は、移動通信端末101がGPS信号を受信できない地域を、移動通信端末101の通過時刻と対応付けて示したものである。不感地域E1は、たとえば外部からの無線信号を受信できないトンネルなどの地域である。図1−1に示す例では、移動通信端末101は、時刻t3において不感地域E1に進入する。また、移動通信端末101は、時刻t5において不感地域E1から脱出する。
【0016】
移動通信端末101は、たとえば、GPS信号を受信するごとに、受信したGPS信号によって特定した位置を示す位置情報を端末制御装置へ送信する。端末制御装置は、移動通信端末101から受信した位置情報に基づいて、位置情報によって特定される位置以外の各時刻における移動通信端末101の位置を推定する。位置情報によって特定される位置以外の各時刻は、図1−1に示す例ではたとえば時刻t1,t3,t5,t7である。
【0017】
これにより、移動通信端末101がGPS信号を受信する間隔が長くても(たとえば5分)、移動通信端末101がGPS信号を受信しない間の移動通信端末101の位置を推定することができる。このため、移動通信端末101のGPS信号の受信動作の回数を少なくし、移動通信端末101の消費電力を抑えることができる。
【0018】
ただし、移動通信端末101は、不感地域E1を通過する時刻t3〜t5の期間はGPS信号を受信できない。不受信期間102は、移動通信端末101がGPS信号を受信しない期間である。図1−1に示す例では、不受信期間102の始点は、受信時刻T1〜T6のうちの、移動通信端末101が不感地域E1へ進入する直前の受信時刻T3となる。不受信期間102の終点は、受信時刻T1〜T6のうちの、移動通信端末101が不感地域E1から脱出した直後の受信時刻T5となる。したがって、不受信期間102の長さは、受信時刻T1〜T6の周期の2倍(たとえば10分)となる。
【0019】
図1−2は、実施の形態1にかかる端末制御装置による制御例1を示す図である。図1−2において、図1−1に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。端末制御装置は、図1−2に示すように、時刻t1〜t8における移動通信端末101の位置p1〜p8を推定する。具体的には、端末制御装置は、移動通信端末101が受信したGPS信号に基づく位置情報を移動通信端末101から取得し、取得した位置情報に基づいて時刻t1〜t8における位置p1〜p8を推定する。
【0020】
端末制御装置が推定する時刻t1〜t8における位置p1〜p8には、受信時刻T1〜T6における移動通信端末101の位置p2,p4,p6,p8も含まれる。端末制御装置は、不感地域E1を含む不感地域を示す情報に基づいて、推定した受信時刻T3〜T6における移動通信端末101の位置p2,p4,p6,p8の少なくともいずれかが不感地域E1に含まれているか否かを判定する。図1−2に示す例では、受信時刻T4における移動通信端末101の位置p4が不感地域E1に含まれると判定される。
【0021】
また、端末制御装置は、位置p2,p4,p6,p8の少なくともいずれかが不感地域E1に含まれていると判定した場合に、追加の受信時刻を算出する。追加の受信時刻は、たとえば、不感地域E1に移動通信端末101が進入する時刻t3(進入時刻)より前で、受信時刻T1〜T6のうちの時刻t3の直前の受信時刻T3より後における少なくとも一つの時刻である。
【0022】
図1−2に示す例では、端末制御装置は、受信時刻T3と時刻t3との間の時刻T3−2を算出したとする。端末制御装置は、算出した時刻T3−2にGPS信号を受信するように移動通信端末101を制御する。具体的には、端末制御装置は、時刻T3−2を含む受信制御信号を移動通信端末101へ送信することで移動通信端末101を制御する。
【0023】
図1−2に示す例では、不受信期間102の始点は、受信時刻T3と時刻t3との間の時刻T3−2となる。不受信期間102の終点は、受信時刻T1〜T6のうちの、移動通信端末101が不感地域E1から脱出した直後の受信時刻T5となる。図1−1および図1−2に示すように、端末制御装置による制御を行うことによって、移動通信端末101におけるGPS信号の不受信期間102を短くすることができる。
【0024】
また、端末制御装置は、時刻t3より第1所定時間以上前の時刻を算出してもよい。これにより、たとえば、移動通信端末101が不感地域E1に進入する前にGPS信号の受信を完了可能な追加の受信時刻を算出することができる。
【0025】
また、端末制御装置は、受信時刻T3より第2所定時間以上後の時刻を算出してもよい。これにより、受信時刻T3におけるGPS信号の受信と、追加の受信時刻におけるGPS信号の受信と、の間隔を第2所定時間より長くすることができる。このため、移動通信端末の消費電力を抑えることができる。
【0026】
また、端末制御装置は、受信時刻T3と時刻t3との間の差が所定時間以下である場合は、追加の受信時刻において移動通信端末に無線信号を受信させないようにしてもよい。これにより、定期的な受信時刻と追加の受信時刻との間隔が短くなり、位置精度の向上の効果が小さいにも関わらず追加の受信時刻でGPS信号を受信することを回避し、移動通信端末の消費電力を抑えることができる。
【0027】
また、位置p2,p4,p6,p8の少なくともいずれかが不感地域E1に含まれているか否かを判定する場合について説明したが、このような判定に限らない。たとえば、端末制御装置は、定期的な受信時刻T1〜T6のうちの、現在時刻の直後(次回)の受信時刻における位置が不感地域E1に含まれるか否かを判定してもよい。
【0028】
図1−2に示す例では、受信時刻T3の後に、次回の受信時刻T4における位置p4が不感地域E1に含まれると判断される。このように、次回の受信時刻における位置が不感地域E1に含まれるか否かを判定することで、たとえば現在から2回目以降の受信時刻における位置が不感地域E1に含まれるか否かを判定するより後の時点で推定された位置に基づいて判定がなされる。これにより、定期的な受信時刻における位置が不感地域E1に含まれるか否かをより精度よく判定することができる。また、より後の時点で推定された位置に基づいて追加の受信時刻が算出されるため、位置推定の精度を向上させる追加の受信時刻をより精度よく算出することができる。
【0029】
図1−3は、実施の形態1にかかる端末制御装置による制御例2を示す図である。図1−3において、図1−2に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。端末制御装置は、検出した不感地域E1からの移動通信端末101が脱出する時刻t5(第1時刻)より後で、受信時刻T3〜T6のうちの時刻t5の直後の受信時刻T5(第2時刻)より前における少なくとも一つの時刻を算出してもよい。
【0030】
図1−3に示す例では、端末制御装置は、時刻t5と受信時刻T5との間の時刻T4−2を算出したとする。端末制御装置は、算出した時刻T4−2にGPS信号を受信するように移動通信端末101を制御する。具体的には、端末制御装置は、時刻T4−2を含む受信制御信号を移動通信端末101へ送信することで移動通信端末101を制御する。
【0031】
図1−3に示す例では、不受信期間102の始点は、受信時刻T1〜T6のうちの、移動通信端末101が不感地域E1へ進入する直前の受信時刻T3となる。不受信期間102の終点は、時刻t5と受信時刻T5との間の時刻T4−2となる。図1−1および図1−3に示すように、端末制御装置による制御を行うことによって、移動通信端末101におけるGPS信号の不受信期間102を短くすることができる。
【0032】
また、端末制御装置は、時刻t5(脱出時刻)の直後の受信時刻T5より第3所定時間以上前の時刻を算出してもよい。これにより、たとえば、追加の受信時刻におけるGPS信号の受信と、時刻T5におけるGPS信号の受信と、の間隔を第3所定時間より長くすることができる。このため、移動通信端末の消費電力を抑えることができる。
【0033】
図1−4は、実施の形態1にかかる端末制御装置による制御例3を示す図である。図1−4において、図1−2または図1−3に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。端末制御装置は、図1−2に示した時刻T3−2と、図1−3に示した時刻T4−2と、の両方を算出してもよい。
【0034】
端末制御装置は、算出した時刻T3−2および時刻T4−2にGPS信号を受信するように移動通信端末101を制御する。具体的には、端末制御装置は、時刻T3−2および時刻T4−2を含む受信制御信号を移動通信端末101へ送信することで移動通信端末101を制御する。
【0035】
図1−4に示す例では、不受信期間102の始点は時刻T3−2となる。不受信期間102の終点は時刻T4−2となる。図1−1〜図1−4に示すように、図1−4に示した制御を行うことによって、移動通信端末101におけるGPS信号の不受信期間102をさらに短くすることができる。
【0036】
(通信システム)
図2は、通信システムの一例を示す図である。図2に示すように、通信システム200は、サーバ210と、ネットワーク220と、基地局230と、移動通信端末240と、を含んでいる。サーバ210は、ネットワーク220を介して基地局230に接続されており、基地局230を介して移動通信端末240と通信を行う。実施の形態1にかかる端末制御装置は、たとえばサーバ210に適用することができる。
【0037】
サーバ210は、基地局230を介して移動通信端末240へ受信制御信号を送信することで、移動通信端末240によるGPS信号の受信時刻を制御する。また、サーバ210は、基地局230を介して、GPS衛星201から受信したGPS信号に基づく位置情報を移動通信端末240から受信する。ネットワーク220は、たとえば移動体通信網である。基地局230は、移動通信端末240との間で無線通信を行うことで、サーバ210と移動通信端末240との間の通信を中継する。
【0038】
移動通信端末240は、端末制御装置による制御対象の移動通信端末であり、図1−1〜図1−4に示した移動通信端末101に対応する構成である。移動通信端末240は、たとえば移動通信端末240を所有するユーザが列車などの移動体に乗って移動する際に、GPS衛星201からのGPS信号を定期的な受信時刻に受信する。
【0039】
また、移動通信端末240は、定期的な受信時刻に加えて、サーバ210から基地局230を介して受信する受信制御信号によって指示される追加の受信時刻においてもGPS衛星201からのGPS信号を受信する。また、移動通信端末240は、GPS信号を受信するごとに、受信したGPS信号に基づく位置情報を、基地局230を介してサーバ210へ送信する。
【0040】
サーバ210は、移動通信端末240からの位置情報に基づいて移動通信端末240の位置推定を行う。たとえば、サーバ210は、移動通信端末240が乗車している列車の運行情報に関するデータベース(時刻表など)を用いて、移動通信端末240の未来の位置を推定する。そして、サーバ210は、移動通信端末240の位置推定の結果に基づくサービスを提供する。
【0041】
たとえば、サーバ210は、移動通信端末240がデータのダウンロードを行う場合に、通信環境の悪いエリアでは移動通信端末240にダウンロードを実行させず、通信環境のよいエリアで移動通信端末240にダウンロードを実行させる制御を行ってもよい。具体的には、サーバ210は、移動通信端末240の位置推定の結果に基づいて、移動通信端末240が通信環境のよいエリアに進入する時刻を算出し、算出した時刻まで移動通信端末240にダウンロードを待機させる制御を行う。ダウンロードを待機させる制御は、たとえば基地局230を介して制御信号を移動通信端末240へ送信することによって行うことができる。
【0042】
または、サーバ210は、たとえば、推定した移動通信端末240の位置に関連する情報を移動通信端末240へ送信するサービスを提供してもよい。ただし、移動通信端末240の位置推定の結果に基づくサービスはこれらに限らず、各種のサービスを適用することができる。
【0043】
また、サーバ210は、移動通信端末240の位置推定の結果に基づくサービスを行わず、移動通信端末240が、受信したGPS信号に基づき現在位置を推定し、推定結果に基づく処理を行ってもよい。たとえば、移動通信端末240は、データのダウンロードを実行する際に、通信環境のよいエリアに進入するまでダウンロードを待機する処理を行ってもよい。
【0044】
また、サーバ210は、移動通信端末240がGPS信号を定期的に受信する位置が、GPS信号を受信できないトンネルなどの不感地域に重なっている場合に、移動通信端末240が不感地域に進入する前の追加の受信時刻を移動通信端末240へ通知する。移動通信端末240は、定期的な受信時刻に加えて、サーバ210から通知された追加の受信時刻においてもGPS信号を受信する。これにより、移動通信端末240が不感地域を通過する際のGPS信号を受信しない期間を短くし、移動通信端末240の位置推定の精度を向上させることができる。
【0045】
(サーバのハードウェア構成)
図3は、サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示したサーバ210は、たとえば図3に示す情報処理装置300によって実現することができる。情報処理装置300は、CPU310と、メインメモリ320と、補助メモリ330と、ユーザインタフェース340と、通信インタフェース350と、を備えている。CPU310、メインメモリ320、補助メモリ330、ユーザインタフェース340および通信インタフェース350は、バス301によって接続されている。
【0046】
CPU310(Central Processing Unit)は、情報処理装置300の全体の制御を司る。また、情報処理装置300はCPU310を複数備えていてもよい。メインメモリ320は、たとえばRAM(Random Access Memory)である。メインメモリ320は、CPU310のワークエリアとして使用される。補助メモリ330は、たとえば、ハードディスク、光ディスク、フラッシュメモリなどの不揮発メモリである。補助メモリ330には、情報処理装置300を動作させる各種のプログラムが記憶されている。補助メモリ330に記憶されたプログラムは、メインメモリ320にロードされてCPU310によって実行される。
【0047】
ユーザインタフェース340は、たとえば、ユーザからの操作入力を受け付ける入力デバイスや、ユーザへ情報を出力する出力デバイスなどを含む。入力デバイスは、たとえばキー(たとえばキーボード)やリモコンなどによって実現することができる。出力デバイスは、たとえばディスプレイやスピーカなどによって実現することができる。また、タッチパネルなどによって入力デバイスおよび出力デバイスを実現してもよい。ユーザインタフェース340は、CPU310によって制御される。
【0048】
通信インタフェース350は、たとえば、ネットワーク220を介して基地局230との間で通信を行う通信インタフェースである。通信インタフェース350により、基地局230を介した移動通信端末240との通信が可能になる。通信インタフェース350は、CPU310によって制御される。
【0049】
(移動通信端末のハードウェア構成)
図4は、移動通信端末のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示した移動通信端末240は、たとえば図4に示す情報処理装置400によって実現することができる。情報処理装置400は、CPU410と、メインメモリ420と、補助メモリ430と、ユーザインタフェース440と、通信インタフェース450と、GPSユニット460と、を備えている。CPU410、メインメモリ420、補助メモリ430、ユーザインタフェース440、通信インタフェース450およびGPSユニット460は、バス401によって接続されている。
【0050】
CPU410、メインメモリ420、補助メモリ430、ユーザインタフェース440および通信インタフェース450は、それぞれ図3に示したCPU310、メインメモリ320、補助メモリ330、ユーザインタフェース340および通信インタフェース350と同様である。ただし、通信インタフェース450は、たとえば、基地局230との間で無線通信を行う通信インタフェースである。通信インタフェース350により、基地局230を介したサーバ210との通信が可能になる。
【0051】
GPSユニット460は、図2に示したGPS衛星201からのGPS信号を受信し、受信したGPS信号に基づいて移動通信端末240の現在位置を特定する装置である。GPSユニット460は、CPU310によって制御される。
【0052】
(実施の形態1にかかるサーバの機能的な構成)
図5は、実施の形態1にかかるサーバの機能的な構成の一例を示す図である。図5に示すように、サーバ210は、運行DB501と、圏外DB502と、路線DB503と、受信部510と、位置推定部520と、位置情報処理部530と、受信可否判定部540と、追加受信時刻算出部550と、送信部560と、を備えている。
【0053】
運行DB501、圏外DB502および路線DB503は、たとえば図3に示した補助メモリ330に記憶されている。または、運行DB501、圏外DB502および路線DB503は、たとえば図3に示したユーザインタフェース340や通信インタフェース350を介して外部から入力され、メインメモリ320に記憶されてもよい。
【0054】
受信部510および送信部560は、たとえば図3に示した通信インタフェース350によって実現することができる。位置推定部520、位置情報処理部530、受信可否判定部540および追加受信時刻算出部550は、たとえば図3に示したCPU310によって実現することができる。
【0055】
運行DB501は、電車などの列車ごとに運行情報が格納されたデータベースである(たとえば図6参照)。たとえば、運行DB501には、列車ごとに、時刻と位置との対応情報が格納されている。位置は、たとえば緯度および経度の組み合わせである。時刻と位置との対応情報は、たとえば、列車の各駅における発着時刻と、各駅の各位置と、の情報に基づいて、列車が駅間を等速で移動すると仮定して作成することができる。または、時刻と位置との対応情報は、列車が駅から発車してから次の駅に到着するまでの加速度を考慮して作成されてもよい。
【0056】
圏外DB502は、運行DB501に含まれる各位置のうちの、GPS信号を受信できない不感地域に含まれる各位置(または位置の範囲)が格納されたデータベースである(たとえば図8参照)。路線DB503は、運行DB501に含まれる各位置が格納されたデータベースである(たとえば図7参照)。なお、圏外DB502および路線DB503は、1つのデータベースによって実現してもよい。
【0057】
受信部510は、基地局230を介して、移動通信端末240からの位置情報を受信する。位置情報は、たとえば緯度および経度の組み合わせである。受信部510は、受信した位置情報を位置推定部520へ出力する。
【0058】
位置推定部520は、移動通信端末240の各時刻における位置を推定する推定部である。具体的には、位置推定部520は、受信部510から出力される位置情報が示す位置以外の各時刻における移動通信端末240を、移動通信端末240からの位置情報が示す位置に基づいて推定する。また、位置推定部520は、受信部510から新たに位置情報が出力されると、移動通信端末240の位置の推定結果を新たな位置情報に基づいて補正することにより、移動通信端末240の位置を順次推定する。
【0059】
たとえば、位置推定部520は、受信部510から出力される位置情報と、運行DB501と、に基づいて移動通信端末240の位置推定を行う。位置推定部520は、各時刻における移動通信端末240の位置の推定結果を位置情報処理部530へ通知する。
【0060】
また、位置推定部520は、移動通信端末240の次回のGPS信号の受信時刻における移動通信端末240の位置を推定する。具体的には、位置推定部520は、受信部510から出力される位置情報および運行DB501に基づいて、移動通信端末240が乗車している列車を特定する。
【0061】
そして、位置推定部520は、特定した列車と、移動通信端末240の次回のGPS信号の受信時刻と、の組み合わせに対応する位置を運行DB501から取得することで、次回のGPS信号の受信時刻における移動通信端末240の位置を推定することができる。位置推定部520は、推定した次回の受信時刻における移動通信端末240の位置を受信可否判定部540へ通知する。
【0062】
なお、移動通信端末240の位置推定の方法は、運行DB501を用いる方法に限らず、たとえば位置情報から得られる速度情報と、路線DB503と、を用いる方法を適用してもよい。
【0063】
また、サーバ210は、移動通信端末240におけるGPS信号の定期的な受信時刻を、たとえば移動通信端末240から受信部510を介して取得する。たとえば、移動通信端末240は、サーバ210との通信開始時に、GPS信号の次回の受信時刻と、GPS信号の受信間隔と、をサーバ210へ通知する。これにより、サーバ210は、移動通信端末240の定期的な受信時刻を、(次回の受信時刻)+(受信間隔)×N(N=1,2,3,…)のように算出することができる。
【0064】
また、移動通信端末240は、GPS信号の定期的な受信時刻を変更した場合は、GPS信号の次回の受信時刻と、GPS信号の受信間隔と、をサーバ210へ再度通知する。これにより、サーバ210は、移動通信端末240の変更後の定期的な受信時刻を算出することができる。
【0065】
位置情報処理部530は、位置推定部520から出力された位置の推定結果に基づく処理を行う。たとえば、位置情報処理部530は、移動通信端末240がデータのダウンロードを行う際に、推定された移動通信端末240の将来の位置のうちの通信環境の良い位置を特定する。通信環境の良い位置の特定は、たとえば各位置における通信環境の程度を示すデータベースに基づいて行うことができる。
【0066】
位置情報処理部530は、特定した位置に移動通信端末240が到達する時刻を運行DB501に基づいて特定し、特定した時刻においてデータのダウンロードを行うべきことを指示する信号を、送信部560から移動通信端末240へ送信させる。これにより、通信環境の良い位置においてデータのダウンロードを行うように移動通信端末240を制御することができる。ただし、位置の推定結果に基づく位置情報処理部530による処理は、データのダウンロードのタイミングの制御に限らず、特定した位置に関する情報を送信部560から移動通信端末240へ送信させるなど各種の処理を適用することができる。
【0067】
受信可否判定部540は、移動通信端末240の次回のGPS信号の受信時刻において移動通信端末240がGPS信号を受信可能か否かを判定する。具体的には、受信可否判定部540は、位置推定部520から通知された、次回の受信時刻における移動通信端末240の位置が、圏外DB502に格納された不感地域に含まれているか否かを判定する。受信可否判定部540は、判定結果を追加受信時刻算出部550へ通知する。
【0068】
追加受信時刻算出部550は、次回のGPS信号の受信時刻においてGPS信号を受信できない旨の判定結果が受信可否判定部540から通知されると、移動通信端末240がGPS信号を受信する追加の受信時刻を算出する。具体的には、追加受信時刻算出部550は、図1−2に示したように、移動通信端末240が不感地域へ進入するより前の時刻を追加の受信時刻として算出する。
【0069】
たとえば、追加受信時刻算出部550は、移動通信端末240が不感地域に進入する位置を運行DB501および圏外DB502から取得し、取得した位置の直前の位置を路線DB503から特定する。なお、追加受信時刻算出部550は、精度を考慮して、取得した位置より所定の距離(たとえば50[m])だけ前の位置を特定してもよい。
【0070】
そして、追加受信時刻算出部550は、特定した位置に列車が到達する時刻を運行DB501から特定する。これにより、移動通信端末240が不感地域に進入する直前の時刻を算出することができる。追加受信時刻算出部550は、算出した時刻を追加の受信時刻として含む受信制御信号を送信部560へ出力する。
【0071】
また、追加受信時刻算出部550は、特定した位置に列車が到達する時刻より、第1所定時間前の時刻を算出してもよい。第1所定時間は、たとえば、移動通信端末240がGPS信号の動作を開始して終了するまでに要する時間である。これにより、追加の受信時刻に移動通信端末240がGPS信号の受信動作を行ったにも関わらず、GPS信号の受信が完了するまでに移動通信端末240が不感地域に進入し、GPS信号の受信ができないという状況を回避することができる。
【0072】
また、第1所定時間には、移動通信端末240が受信したGPS信号に基づく位置情報をサーバ210へ送信するために要する時間を加えてもよい。これにより、追加の受信時刻に移動通信端末240がGPS信号を受信したにも関わらず、サーバ210への位置情報の送信が完了するまでに移動通信端末240が不感地域に進入し、位置情報の送信ができないという状況を回避することができる。
【0073】
また、追加受信時刻算出部550は、特定した位置に列車が到達する時刻より前で、かつ特定した位置に列車が到達する時刻の直前の定期的な受信時刻より第2所定時間後の時刻を算出してもよい。これにより、算出した追加の受信時刻と、定期的な受信時刻と、の差を第2所定時間より長くすることができる。したがって、追加の受信時刻と定期的な受信時刻との間隔が短く、追加の受信時刻にGPS信号を受信しても位置推定の精度の効果が小さい状況においても追加の受信時刻にGPS信号を受信することを回避することができる。これにより、移動通信端末240の消費電力を抑えることができる。
【0074】
また、追加受信時刻算出部550は、算出した追加の受信時刻と、定期的な受信時刻と、の差が第2所定時間以下である場合は、算出した追加の受信時刻を送信部560へ出力しなくてもよい。これにより、追加の受信時刻にGPS信号を受信しても位置推定の精度の効果が小さい状況においては、移動通信端末240に受信制御信号が送信されず、移動通信端末240が追加の受信時刻にGPS信号を受信しないようにすることができる。これにより、移動通信端末240の消費電力を抑えることができる。
【0075】
または、追加受信時刻算出部550は、図1−3に示したように、移動通信端末240が不感地域から脱出した後の時刻を追加の受信時刻として算出してもよい。具体的には、追加受信時刻算出部550は、移動通信端末240が不感地域から脱出する位置を運行DB501および圏外DB502から取得し、取得した位置の直後の位置を路線DB503から特定する。なお、追加受信時刻算出部550は、精度を考慮して、取得した位置より所定の距離(たとえば50[m])だけ後の位置を特定してもよい。
【0076】
そして、追加受信時刻算出部550は、特定した位置に列車が到達する時刻を運行DB501から特定する。これにより、移動通信端末240が不感地域から脱出する直後の時刻を算出することができる。追加受信時刻算出部550は、算出した時刻を追加の受信時刻として含む受信制御信号を送信部560へ出力する。
【0077】
また、追加受信時刻算出部550は、特定した位置に列車が到達する時刻から、第3所定時間後の時刻を算出してもよい。これにより、算出した追加の受信時刻と、定期的な受信時刻と、の差を第3所定時間より長くすることができる。したがって、追加の受信時刻と定期的な受信時刻との間隔が短く、追加の受信時刻にGPS信号を受信しても位置推定の精度の効果が小さい状況においても追加の受信時刻にGPS信号を受信することを回避することができる。これにより、移動通信端末240の消費電力を抑えることができる。
【0078】
また、追加受信時刻算出部550は、算出した追加の受信時刻と、定期的な受信時刻と、の差が第3所定時間以下である場合は、算出した追加の受信時刻を送信部560へ出力しなくてもよい。これにより、追加の受信時刻にGPS信号を受信しても位置推定の精度の効果が小さい状況においては、移動通信端末240に受信制御信号が送信されず、移動通信端末240が追加の受信時刻にGPS信号を受信しないようにすることができる。これにより、移動通信端末240の消費電力を抑えることができる。
【0079】
または、追加受信時刻算出部550は、図1−4に示したように、移動通信端末240が不感地域へ進入するより前の時刻と、移動通信端末240が不感地域から脱出した後の時刻と、を追加の受信時刻として算出してもよい。この場合は、追加受信時刻算出部550は、算出した各時刻を含む受信制御信号を送信部560へ出力する。
【0080】
送信部560は、追加受信時刻算出部550によって算出された追加の受信時刻にGPS信号を受信するように移動通信端末240を制御する制御部である。具体的には、送信部560は、基地局230を介して、追加受信時刻算出部550から出力された受信制御信号を移動通信端末240へ送信する。これにより、移動通信端末240が不感地域に進入する前に、移動通信端末240にGPS信号を受信させることができる。
【0081】
(サーバの各データベース)
図6は、運行DBの一例を示す図である。図6に示すように、運行DB501は、列車番号、時刻、緯度および経度の項目を含んでいる。列車番号「xxx」および列車番号「yyy」は、列車の識別情報である。運行DB501には、列車番号が「xxx」である列車についての時刻、緯度および経度を含む運行情報610と、列車番号が「yyy」である列車についての時刻、緯度および経度を含む運行情報620と、が含まれている。
【0082】
たとえば、運行DB501の一つ目のレコードは、列車番号が「xxx」である列車が時刻「10:19:45」において緯度「35.233027」、経度「139.70247」の位置にいる予定であることを示している。このように、運行DB501は、移動通信端末240によって受信されるGPS信号から特定される位置と、所定の路線に沿って運行される列車(移動体)ごとの時刻と予定位置との対応情報を含む情報である。
【0083】
図7は、路線DBの一例を示す図である。図7に示すように、路線DB503は、図6に示した運行情報610または運行情報620に含まれる緯度および経度を抽出して得られた情報である。路線DB503により、運行DB501の対象の路線上の各位置を得ることができる。
【0084】
図8は、圏外DBの一例を示す図である。図8に示すように、圏外DB502は、図7に示した路線DB503が示す各位置のうちの不感地域(圏外)に含まれる各位置を抽出して得られた情報である。図8に示す圏外DB502には、2つの不感地域を示す不感地域情報810,820が含まれている。
【0085】
不感地域情報810は、緯度「35.238828」および経度「139.700443」〜緯度「35.240879」および経度「139.697471」の範囲の不感地域を示している。不感地域情報820は、緯度「35.243464」および経度「139.691913」〜緯度「35.246013」および経度「139.687042」の範囲の不感地域を示している。
【0086】
(実施の形態1にかかる移動通信端末の機能的構成)
図9は、実施の形態1にかかる移動通信端末の機能的構成の一例を示す図である。図9に示すように、移動通信端末240は、GPS信号受信部910と、送信部920と、受信部930と、受信制御部940と、を備えている。
【0087】
GPS信号受信部910は、たとえば図4に示したGPSユニット460によって実現することができる。送信部920および受信部930は、たとえば図4に示した通信インタフェース450によって実現することができる。受信制御部940は、たとえば図4に示したCPU410によって実現することができる。
【0088】
GPS信号受信部910は、GPS衛星201からのGPS信号を受信する。GPS信号受信部910がGPS信号の受信動作を行うタイミングは受信制御部940によって制御される。GPS信号受信部910は、受信したGPS信号によって特定される位置を示す位置情報を送信部920へ出力する。ただし、GPS信号受信部910が出力する位置情報は、受信したGPS信号によって特定される位置を示す情報に限らず、受信したGPS信号など、移動通信端末240の現在位置を特定可能な情報であればよい。
【0089】
送信部920は、GPS信号受信部910から出力された位置情報を、基地局230を介してサーバ210へ送信する。受信部930は、サーバ210から基地局230を介して送信される受信制御信号を受信する。受信部930は、受信した受信制御信号を受信制御部940へ出力する。
【0090】
受信制御部940は、定期的な受信時刻にGPS信号の受信動作を行うようにGPS信号受信部910を制御する。また、受信制御部940は、受信部930から受信制御信号が出力されると、受信制御信号に含まれる追加の受信時刻にもGPS信号の受信動作を行うようにGPS信号受信部910を制御する。
【0091】
(実施の形態1にかかるサーバの動作)
図10は、実施の形態1にかかるサーバの動作の一例を示すフローチャートである。サーバ210は、たとえば以下の各ステップを実行する。まず、サーバ210は、移動通信端末240から位置情報を受信したか否かを判断し(ステップS1001)、位置情報を受信するまで待つ(ステップS1001:Noのループ)。
【0092】
ステップS1001において、位置情報を受信すると(ステップS1001:Yes)、サーバ210は、受信した位置情報が示す第1位置が運行DB501に存在するか否かを判断する(ステップS1002)。第1位置が運行DB501に存在しない場合(ステップS1002:No)は、運行DB501にしたがって運行する列車に移動通信端末240が乗車していないと判断することができる。この場合は、サーバ210は、ステップS1001へ戻る。
【0093】
ステップS1002において、第1位置が運行DB501に存在する場合(ステップS1002:Yes)は、サーバ210は、移動通信端末240から位置情報を再度受信したか否かを判断し(ステップS1003)、位置情報を再度受信するまで待つ(ステップS1003:Noのループ)。
【0094】
ステップS1003において、位置情報を再度受信すると(ステップS1003:Yes)、サーバ210は、再度受信した位置情報が示す第2位置が運行DB501に存在するか否かを判断する(ステップS1004)。第2位置が運行DB501に存在しない場合(ステップS1004:No)は、サーバ210は、ステップS1003へ戻る。
【0095】
ステップS1004において、第2位置が運行DB501に存在する場合(ステップS1002:Yes)は、サーバ210は、ステップS1001,S1003において受信した各位置情報が示す第1,第2位置と運行DB501とに基づいて移動通信端末240が乗車中の列車を特定する(ステップS1005)。
【0096】
つぎに、サーバ210は、運行DB501に基づいて、移動通信端末240の次の定期的な受信時刻における、ステップS1005によって特定した列車の位置を特定する(ステップS1006)。これにより、移動通信端末240の次の定期的な受信時刻における移動通信端末240の位置を特定することができる。
【0097】
つぎに、サーバ210は、ステップS1006によって特定した位置が圏外DB502に存在するか否かを判断する(ステップS1007)。特定した位置が圏外DB502に存在しない場合(ステップS1007:No)は、サーバ210は、ステップS1003へ戻る。
【0098】
ステップS1007において、特定した位置が圏外DB502に存在する場合(ステップS1007:Yes)は、移動通信端末240の次の定期的な受信時刻に、移動通信端末240が不感地域に位置していると判断することができる。この場合は、サーバ210は、路線DB503と圏外DB502とに基づいて、追加の受信時刻を算出する(ステップS1008)。
【0099】
つぎに、サーバ210は、ステップS1008によって算出した追加の受信時刻を含む受信制御信号を移動通信端末240へ送信し(ステップS1009)、ステップS1003へ戻る。以上の各ステップにより、サーバ210は、移動通信端末240の次の定期的な受信時刻に、移動通信端末240が不感地域に位置していると推定される場合に、不感地域に進入する前に移動通信端末240にGPS信号を受信させることができる。
【0100】
なお、ステップS1002,S1004において、位置情報が示す位置との間の距離が所定値以下の位置が運行DB501に含まれている場合は、位置情報が示す位置が運行DB501に含まれていると判断するようにしてもよい。
【0101】
(実施の形態1にかかる移動通信端末の動作)
図11は、実施の形態1にかかる移動通信端末の動作の一例を示すフローチャートである。移動通信端末240は、たとえば以下の各ステップを実行する。まず、移動通信端末240は、定期的な受信時刻になったか否かを判断する(ステップS1101)。定期的な受信時刻になった場合(ステップS1101:Yes)は、移動通信端末240は、GPS衛星201からのGPS信号を受信する(ステップS1102)。
【0102】
つぎに、移動通信端末240は、ステップS1102によって受信したGPS信号に基づく位置情報をサーバ210へ送信し(ステップS1103)、ステップS1101へ戻る。ステップS1101において、定期的な受信時刻になっていない場合(ステップS1101:No)は、移動通信端末240は、サーバ210からの受信制御信号を受信済みか否かを判断する(ステップS1104)。
【0103】
ステップS1104において、受信制御信号を受信済みでない場合(ステップS1104:No)は、移動通信端末240は、ステップS1101へ戻る。受信制御信号を受信済みである場合(ステップS1104:Yes)は、移動通信端末240は、受信済みの受信制御信号に含まれる追加の受信時刻になったか否かを判断する(ステップS1105)。追加の受信時刻になっていない場合(ステップS1105:No)は、移動通信端末240は、ステップS1101へ戻る。
【0104】
ステップS1105において、追加の受信時刻になった場合(ステップS1105:Yes)は、移動通信端末240は、ステップS1102へ移行する。これにより、移動通信端末240は、定期的な受信時刻でGPS信号を受信してサーバ210へ送信するとともに、サーバ210から受信制御信号を受信した場合は、追加の受信時刻においてもGPS信号を受信し、位置情報をサーバ210へ送信することができる。
【0105】
(通信システムの動作の具体例)
たとえば、移動通信端末240は、一度目の位置情報として緯度「35.233027」および経度「139.70247」を10時19分45秒に取得し、取得した位置情報をサーバ210へ通知したとする。サーバ210は、移動通信端末240から通知された位置情報が運行DB501に存在するかどうかを判定する。
【0106】
図6に示した運行DB501には、10時19分45秒と、緯度「35.233027」および経度「139.70247」と、の組み合わせが存在するため、移動通信端末240が運行DB501に対応する路線の列車に乗車していると判断することができる。ただし、上記の組み合わせは、列車番号「xxx」,「yyy」のそれぞれに存在するため、この段階では移動通信端末240がいずれの列車に乗車しているかは不明である。
【0107】
移動通信端末240は、2度目の位置情報として、緯度「35.237233」および経度「139.702127」を10時22分30秒に取得し、取得した位置情報をサーバ210へ通知したとする。サーバ210は、移動通信端末240から通知された位置情報が運行DB501に存在するかどうかを判定する。
【0108】
図6に示した運行DB501には、10時22分30秒と、緯度「35.237233」および経度「139.702127」と、の組み合わせが存在する。このため、サーバ210は、一度目の位置情報と、二度目の位置情報と、の組み合わせにより、移動通信端末240が列車番号「xxx」の列車に乗車していると判断することができる。
【0109】
つぎに、サーバ210は、移動通信端末240の次回の定期的な受信時刻を算出する。たとえば前回の定期的な受信時刻が10時20分05秒であり、定期的な受信間隔が5分であるとすると、次回の定期的な受信時刻は10時25分05秒となる。サーバ210は、次回の受信時刻である10時25分05秒における移動通信端末240の位置を運行DB501によって特定する。たとえば、サーバ210は、図6に示した運行DB501を用いて、列車番号「xxx」の列車の10時25分05秒における位置を取得する。これにより、次回の受信時刻における移動通信端末240の位置が緯度「35.243464」および経度「139.691913」であると特定することができる。
【0110】
このように、サーバ210は、運行DB501に基づいて移動通信端末240を乗せて運行する列車(列車番号「xxx」)を特定し、特定した列車に対応する対応情報(運行情報610)を運行DB501から取得する。そして、サーバ210は、取得した対応情報に基づいて、各時刻における移動通信端末101の位置を推定することができる。
【0111】
サーバ210は、特定した緯度「35.243464」および経度「139.691913」が圏外DB502に含まれているため、移動通信端末240が次回の定期的な受信時刻に不感地域に位置していると推定することができる。このため、サーバ210は、列車番号「xxx」の列車の、緯度「35.243464」および経度「139.691913」が含まれる不感地域の直前における位置を運行DB501から算出する。
【0112】
たとえば、緯度「35.243464」および経度「139.691913」は、不感地域の先頭であるため、サーバ210は、路線DB503において、緯度「35.243464」および経度「139.691913」の2つ前(1つ前でもよい)の位置を取得する。この場合は、図7に示した路線DB503から、緯度「35.242701」および経度「139.694273」が取得される。
【0113】
サーバ210は、取得した位置に列車番号「xxx」の列車が到達する時刻を運行DB501から特定する。図6に示した運行DB501の例では、10時24分55秒が特定される。サーバ210は、特定した10時24分55秒を追加の受信時刻として含む受信制御信号を移動通信端末240へ送信する。これにより、移動通信端末240は、不感地域に進入する直前にGPS信号を受信することができる。
【0114】
このように、実施の形態1によれば、定期的な受信時刻においてGPS信号を受信する移動通信端末に対して、不感地域の直前や直後にGPS信号を受信するように受信時刻を追加することができる。これにより、不感地域を通過する際にGPS信号が受信されない期間を短くし、移動通信端末の位置の推定精度を向上させることができる。
【0115】
また、定期的な受信時刻に加えて、算出した不感地域の前の受信時刻にも移動通信端末にGPS信号を受信させることで、算出した不感地域の前の受信時刻に移動通信端末にGPS信号を簡単な制御によって受信させることができる。ただし、算出した不感地域の前の受信時刻に移動通信端末にGPS信号を受信させる方法はこれに限らない。たとえば、移動通信端末のGPS信号の定期的な各受信時刻をそれぞれ同じだけずらすことで、算出した不感地域の前の受信時刻に移動通信端末にGPS信号を受信させることも可能である。また、移動通信端末のGPS信号の定期的な受信間隔を変更させることで、算出した不感地域の前の受信時刻に移動通信端末にGPS信号を受信させることも可能である。
【0116】
(実施の形態2)
実施の形態2について、実施の形態1と異なる部分について説明する。実施の形態2にかかる端末制御装置は、たとえば、追加の受信時刻に移動通信端末101にGPS信号を受信させた後に、定期的な受信時刻におけるGPS信号の受信動作を停止するように移動通信端末101を制御する。これにより、たとえば、移動通信端末101の消費電力を抑えることができる。
【0117】
(実施の形態2にかかるサーバの動作)
図12は、実施の形態2にかかるサーバの動作の一例を示すフローチャートである。実施の形態2にかかるサーバ210は、たとえば以下の各ステップを実行する。図12に示すステップS1201〜S1208は、それぞれ図10に示したステップS1001〜S1008と同様である。
【0118】
ステップS1208のつぎに、サーバ210は、路線DB503と圏外DB502とに基づいて、受信停止期間を算出する(ステップS1209)。受信停止期間の算出については後述する。つぎに、サーバ210は、ステップS1208によって算出した追加の受信時刻およびステップS1209によって算出した受信停止期間を含む受信制御信号を移動通信端末240へ送信し(ステップS1210)、ステップS1203へ戻る。
【0119】
ステップS1210によって送信される受信制御信号は、追加の受信時刻においてGPS信号を受信するとともに、その後、受信停止期間の間はGPS信号の受信動作を停止することを指示する信号である。これにより、追加の受信時刻に移動通信端末240にGPS信号を受信させた後に、定期的な受信時刻におけるGPS信号の受信を停止するように移動通信端末240を制御することができる。
【0120】
また、移動通信端末240にGPS信号の受信動作を停止させた後に、定期的な受信時刻のうちの、不感地域からの移動通信端末240の脱出時刻の直後の時刻までに、GPS信号の受信動作を再開するように移動通信端末240を制御することができる。これにより、定期的な受信時刻において移動通信端末240が不感地域を脱出しているにも関わらずGPS信号を受信しなくなることを回避し、移動通信端末240の位置推定の精度の低下を抑えつつ消費電力を抑えることができる。
【0121】
ステップS1209において、サーバ210の追加受信時刻算出部550は、たとえば、移動通信端末240が不感地域から脱出する位置を運行DB501および圏外DB502から取得する。そして、追加受信時刻算出部550は、取得した時刻より後で、取得した時刻の直後の定期的な受信時刻より前の任意の時刻を停止終了時刻として算出する。そして、追加受信時刻算出部550は、算出した追加の受信時刻から、算出した停止終了時刻までの期間を受信停止期間として受信制御信号に格納する。
【0122】
(実施の形態2にかかる移動通信端末)
図13は、実施の形態2にかかる移動通信端末の一例を示すフローチャートである。実施の形態2にかかる移動通信端末240は、たとえば以下の各ステップを実行する。図13に示すステップS1301〜S1305は、それぞれ図11に示したステップS1101〜S1105と同様である。
【0123】
ステップS1305において、追加の受信時刻になった場合(ステップS1305:Yes)は、移動通信端末240は、GPS衛星201からのGPS信号を受信する(ステップS1306)。つぎに、移動通信端末240は、ステップS1306によって受信した位置情報をサーバ210へ送信する(ステップS1307)。
【0124】
つぎに、移動通信端末240は、受信済みの受信制御信号に含まれている受信停止期間が経過するまでGPS信号の受信動作を停止し(ステップS1308)、ステップS1301へ戻る。これにより、移動通信端末240は、サーバ210から受信制御信号を受信した場合は、追加の受信時刻においてもGPS信号を受信してサーバ210へ送信するとともに、その後、不感地域を脱出するまでGPS信号の受信動作を停止することができる。これにより、移動通信端末240の消費電力を抑えることができる。
【0125】
このように、実施の形態2によれば、追加の受信時刻に移動通信端末にGPS信号を受信させた後に、定期的な受信時刻におけるGPS信号の受信動作を停止させることができる。これにより、移動通信端末101の消費電力を抑えることができる。
【0126】
また、移動通信端末にGPS信号の受信動作を停止させた後に、定期的な受信時刻のうちの、不感地域からの移動通信端末の脱出時刻の直後の時刻までに、GPS信号の受信動作を再開させることができる。これにより、移動通信端末240の位置推定の精度の低下を抑えつつ消費電力を抑えることができる。
【0127】
(実施の形態3)
実施の形態3について、実施の形態1と異なる部分について説明する。実施の形態3においては、移動通信端末240のGPS信号受信部910によるGPS信号の受信時刻の制御を移動通信端末240によって行う。この場合は、サーバ210は、移動通信端末240によるGPS信号の受信時刻を制御する機能を有していなくてもよい。
【0128】
また、移動通信端末240は、自端末の各時刻における位置を自端末で推定し、推定結果に基づく処理を自端末で行ってもよい。この場合は、移動通信端末240は、位置情報をサーバ210へ送信しなくてもよい。
【0129】
(実施の形態3にかかる移動通信端末の機能的な構成)
図14は、実施の形態3にかかる移動通信端末の機能的な構成の一例を示す図である。図14において、図5または図9に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図14に示すように、実施の形態3にかかる移動通信端末240は、運行DB501と、圏外DB502と、路線DB503と、位置推定部520と、位置情報処理部530と、受信可否判定部540と、追加受信時刻算出部550と、GPS信号受信部910と、受信制御部940と、を備えている。
【0130】
GPS信号受信部910は、受信したGPS信号に基づく位置情報を位置推定部520へ出力する。位置推定部520は、GPS信号受信部910から出力された位置情報に基づいて移動通信端末240の位置を推定する。
【0131】
追加受信時刻算出部550は、算出した時刻を含む受信制御信号を受信制御部940へ出力する。受信制御部940は、追加受信時刻算出部550から受信制御信号が出力されると、受信制御信号によって指示された時刻にもGPS信号の受信動作を行うようにGPS信号受信部910を制御する。
【0132】
(実施の形態3にかかる移動通信端末の位置推定動作)
図15は、実施の形態3にかかる移動通信端末の位置推定動作の一例を示すフローチャートである。実施の形態3にかかる移動通信端末240は、たとえば以下の各ステップを実行する。まず、移動通信端末240は、GPS信号を受信する(ステップS1501)。つぎに、移動通信端末240は、ステップS1504によって受信したGPS信号により特定される第1位置が運行DB501に存在するか否かを判断する(ステップS1502)。第1位置が運行DB501に存在しない場合(ステップS1502:No)は、移動通信端末240は、ステップS1501へ戻る。
【0133】
ステップS1502において、第1位置が運行DB501に存在する場合(ステップS1502:Yes)は、移動通信端末240は、所定時間待機し(ステップS1503)、GPS信号を再度受信する(ステップS1504)。
【0134】
つぎに、移動通信端末240は、ステップS1504によって再度受信したGPS信号により特定される第2位置が運行DB501に存在するか否かを判断する(ステップS1505)。第2位置が運行DB501に存在しない場合(ステップS1505:No)は、移動通信端末240は、ステップS1504へ戻る。
【0135】
ステップS1505において、第2位置が運行DB501に存在する場合(ステップS1505:Yes)は、移動通信端末240は、ステップS1506へ移行する。すなわち、移動通信端末240は、ステップS1501,S1504において受信した各GPS信号により特定される第1,第2位置と運行DB501とに基づいて移動通信端末240が乗車中の列車を特定する(ステップS1506)。
【0136】
つぎに、移動通信端末240は、運行DB501に基づいて、移動通信端末240の次の定期的な受信時刻における、ステップS1506によって特定した列車の位置を特定する(ステップS1507)。これにより、移動通信端末240の次の定期的な受信時刻における移動通信端末240の位置を特定することができる。
【0137】
つぎに、移動通信端末240は、ステップS1507によって特定した位置が圏外DB502に含まれているか否かを判断する(ステップS1508)。特定した位置が圏外DB502に含まれていない場合(ステップS1508:No)は、移動通信端末240は、ステップS1504へ戻る。特定した位置が圏外DB502に含まれている場合(ステップS1508:Yes)は、移動通信端末240は、路線DB503と圏外DB502とに基づいて、追加の受信時刻を算出する(ステップS1509)。
【0138】
つぎに、移動通信端末240は、ステップS1509によって算出した追加の受信時刻を記憶し(ステップS1510)、ステップS1504へ戻る。ステップS1510において、移動通信端末240は、たとえば図4に示したメインメモリ420や補助メモリ430に受信制御信号を記憶する。
【0139】
以上の各ステップにより、移動通信端末240は、GPS信号受信部910の次の定期的な受信時刻に、移動通信端末240が不感地域に位置していると推定される場合に、不感地域に進入する前にGPS信号受信部910にGPS信号を受信させることができる。
【0140】
(実施の形態3にかかる移動通信端末のGPS受信動作)
図16は、実施の形態3にかかる移動通信端末のGPS受信動作の一例を示すフローチャートである。実施の形態3にかかる移動通信端末240は、図15に示した各ステップとともに以下の各ステップを行う。図16に示すステップS1601,S1602は、図11に示したステップS1101,S1102と同様である。
【0141】
ステップS1602のつぎに、移動通信端末240は、ステップS1602により受信したGPS信号に基づく位置情報を取得する(ステップS1603)。すなわち、移動通信端末240は、位置情報をサーバ210へ送信しなくてもよい。ただし、移動通信端末240は、ステップS1603において位置情報をサーバ210へ送信してもよい。
【0142】
ステップS1601において、定期的な受信時刻になっていない場合(ステップS1601:No)は、移動通信端末240は、図15に示したステップS1510によって追加の受信時刻が記憶されているか否かを判断する(ステップS1604)。追加の受信時刻が記憶されていない場合(ステップS1604:No)は、移動通信端末240は、ステップS1601へ戻る。
【0143】
ステップS1604において、追加の受信時刻が記憶されている場合(ステップS1604:Yes)は、移動通信端末240は、記憶されている追加の受信時刻になったか否かを判断する(ステップS1605)。追加の受信時刻になっていない場合(ステップS1605:No)は、移動通信端末240は、ステップS1601へ戻る。追加の受信時刻になった場合(ステップS1605:Yes)は、移動通信端末240は、ステップS1602へ移行する。
【0144】
以上の各ステップにより、移動通信端末240は、定期的な受信時刻でGPS信号を受信して位置情報を取得するとともに、追加の受信時刻が記憶された場合は、追加の受信時刻においてもGPS信号を受信して位置情報を取得することができる。
【0145】
このように、実施の形態3によれば、外部の端末制御装置(たとえばサーバ210)を用いなくても、GPS信号の受信時刻の制御を移動通信端末によって行うことで、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。また、実施の形態3において、実施の形態2のように、追加の受信時刻にGPS信号を受信した後に、定期的な受信時刻におけるGPS信号の受信動作を停止してもよい。また、実施の形態3において、実施の形態2のように、GPS信号の受信動作を停止した後に、定期的な受信時刻のうちの、不感地域からの移動通信端末の脱出時刻の直後の時刻までに、GPS信号の受信動作を再開してもよい。
【0146】
(実施の形態4)
実施の形態4について、実施の形態1と異なる部分について説明する。実施の形態4においては、たとえば、不感地域だけでなく、移動通信端末の移動が不安定になる不安定地域を移動通信端末が通過する際も、GPS信号の受信時刻を追加する。これにより、移動通信端末の位置推定の精度を向上させることができる。
【0147】
(実施の形態4にかかるサーバの機能的な構成)
図17は、実施の形態4にかかるサーバの機能的な構成の一例を示す図である。図17において、図5に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図17に示すように、実施の形態4にかかるサーバ210は、図5に示した圏外DB502および受信可否判定部540に代えて、圏外・不安定DB1701および判定部1710を備えている。
【0148】
圏外・不安定DB1701は、たとえば図3に示した補助メモリ330に記憶されている。または、圏外・不安定DB1701は、たとえば図3に示したユーザインタフェース340や通信インタフェース350を介して外部から入力され、メインメモリ320に記憶されてもよい。判定部1710は、たとえば図3に示したCPU310によって実現することができる。
【0149】
圏外・不安定DB1701は、運行DB501に含まれる各位置のうちの、GPS信号を受信できない不感地域に含まれる各位置に加えて、駅などの列車の運行が不安定となる不安定地域の各位置が格納されたデータベースである。また、移動通信端末240は、圏外・不安定DB1701に代えて、図5に示した路線DB503と、不安定地域の各位置が格納されたデータベースと、を備えていてもよい。
【0150】
判定部1710は、次回の受信時刻における移動通信端末240の位置が、不感地域に含まれているか否かを圏外・不安定DB1701に基づいて判定する。また、判定部1710は、次回の受信時刻における移動通信端末240の位置が不安定地域に含まれているか否かを圏外・不安定DB1701に基づいて判定する。そして、判定部1710は、次回の受信時刻における移動通信端末240の位置が不感地域および不安定地域の少なくともいずれかに含まれている場合は、追加受信時刻算出部550へ通知する。
【0151】
追加受信時刻算出部550は、次回の受信時刻における移動通信端末240の位置が不感地域および不安定地域の少なくともいずれかに含まれていることが判定部1710から通知されると、移動通信端末240がGPS信号を受信する追加の受信時刻を算出する。また、追加受信時刻算出部550は、図5に示した圏外DB502に代えて圏外・不安定DB1701を参照することによって追加の受信時刻を算出する。
【0152】
(圏外・不安定DB)
図18は、実施の形態4にかかる圏外・不安定DBの一例を示す図である。図18において、図8に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図18に示すように、圏外・不安定DB1701には、図8に示した不感地域情報810,820に加えて不安定地域情報1810が格納されている。不安定地域情報1810は、駅などの列車の運行が不安定となる不安定地域の各位置を示す情報である。
【0153】
このように、実施の形態4によれば、定期的な受信時刻における位置の少なくともいずれかが不感地域および不安定地域の少なくともいずれかに含まれる場合に、不感地域や不安定地域の直前にGPS信号を受信するように受信時刻を追加することができる。これにより、不安定地域の直前にGPS信号を受信することで、位置の推定が困難な不安定地域においても移動通信端末の位置推定の精度を向上させることができる。
【0154】
以上説明したように、端末制御装置、移動通信端末、端末制御方法および通信システムによれば、位置推定の精度を向上させることができる。
【0155】
上述した各実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0156】
(付記1)自端末の位置を特定可能な無線信号を定期的な受信時刻に受信する移動通信端末を制御する端末制御装置において、
前記移動通信端末が受信した無線信号から特定される位置に基づいて、前記定期的な受信時刻を含む各時刻における前記移動通信端末の位置を推定する推定部と、
前記移動通信端末が前記無線信号を受信できない不感地域を示す情報に基づいて、前記推定部によって推定された前記定期的な受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれるか否かを判定する判定部と、
前記受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれると前記判定部によって判定された場合に、前記推定部によって推定された前記各時刻における位置に基づいて、前記移動通信端末の前記不感地域への進入時刻より前で、前記定期的な受信時刻のうちの前記進入時刻の直前の受信時刻より後における少なくとも一つの時刻を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された時刻に前記無線信号を受信するように前記移動通信端末を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする端末制御装置。
【0157】
(付記2)前記制御部は、前記算出された時刻において前記移動通信端末に前記無線信号を受信させた後に、前記定期的な受信時刻における前記無線信号の受信動作を停止するように前記移動通信端末を制御することを特徴とする付記1に記載の端末制御装置。
【0158】
(付記3)前記制御部は、前記移動通信端末に前記無線信号の受信動作を停止させた後に、前記定期的な受信時刻のうちの、前記不感地域からの前記移動通信端末の脱出時刻の直後の受信時刻までに、前記無線信号の受信動作を再開するように前記移動通信端末を制御することを特徴とする付記2に記載の端末制御装置。
【0159】
(付記4)前記算出部は、前記進入時刻より所定時間以上前の時刻を算出することを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の端末制御装置。
【0160】
(付記5)前記算出部は、前記直前の受信時刻より所定時間以上後の時刻を算出することを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の端末制御装置。
【0161】
(付記6)前記制御部は、前記直前の受信時刻と、前記進入時刻と、の間の差が所定時間以下である場合は、前記算出部によって算出された時刻において前記移動通信端末に前記無線信号を受信させないことを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載の端末制御装置。
【0162】
(付記7)前記算出部は、前記移動通信端末の前記不感地域からの脱出時刻より後で、前記定期的な受信時刻のうちの前記脱出時刻の直後の受信時刻より前における少なくとも一つの時刻をさらに算出し、
前記制御部は、前記算出部によって算出された各時刻に前記無線信号を受信するように前記移動通信端末を制御することを特徴とする付記1〜6のいずれか一つに記載の端末制御装置。
【0163】
(付記8)前記算出部は、前記直後の受信時刻より所定時間以上前の時刻を算出することを特徴とする付記7に記載の端末制御装置。
【0164】
(付記9)前記推定部は、前記移動通信端末によって受信される無線信号から特定される位置と、所定の路線に沿って運行される移動体ごとの時刻と予定位置との対応情報を含む運行情報と、に基づいて、前記移動通信端末を乗せて運行する移動体を特定し、特定した移動体に対応する対応情報を前記運行情報から取得し、取得した対応情報に基づいて、前記各時刻における前記移動通信端末の位置を推定することを特徴とする付記1〜8のいずれか一つに記載の端末制御装置。
【0165】
(付記10)前記判定部は、前記定期的な受信時刻のうちの、現在時刻の直後の受信時刻における位置が前記不感地域に含まれるか否かを判定することを特徴とする付記1〜9のいずれか一つに記載の端末制御装置。
【0166】
(付記11)前記判定部は、前記不感地域を示す情報と、前記移動通信端末の移動が不安定となる不安定地域を示す情報と、に基づいて、前記定期的な受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域および前記不安定地域の少なくともいずれかに含まれるか否かを判定し、
前記算出部は、前記受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域および前記不安定地域の少なくともいずれかに含まれると前記判定部によって判定された場合に、前記少なくとも一つの時刻を算出することを特徴とする付記1〜10のいずれか一つに記載の端末制御装置。
【0167】
(付記12)自端末の位置を特定可能な無線信号を定期的な受信時刻に受信する移動通信端末を制御する端末制御装置において、
前記移動通信端末が受信した無線信号から特定される位置に基づいて、前記定期的な受信時刻を含む各時刻における前記移動通信端末の位置を推定する推定部と、
前記移動通信端末が前記無線信号を受信できない不感地域を示す情報に基づいて、前記推定部によって推定された前記定期的な受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれるか否かを判定する判定部と、
前記受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれると前記判定部によって判定された場合に、前記推定部によって推定された前記各時刻における位置に基づいて、前記移動通信端末の前記不感地域からの脱出時刻より後で、前記定期的な受信時刻のうちの前記脱出時刻の直後の受信時刻より前における少なくとも一つの時刻を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された時刻に前記無線信号を受信するように前記移動通信端末を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする端末制御装置。
【0168】
(付記13)自端末の位置を特定可能な無線信号を定期的な受信時刻に受信する受信部と、
前記受信部によって受信された無線信号から特定される位置に基づいて、前記定期的な受信時刻を含む各時刻における自端末の位置を推定する推定部と、
前記受信部が前記無線信号を受信できない不感地域を示す情報に基づいて、前記推定部によって推定された前記定期的な受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれるか否かを判定する判定部と、
前記受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれると前記判定部によって判定された場合に、前記推定部によって推定された前記各時刻における位置に基づいて、前記不感地域への自端末の進入時刻より前で、前記定期的な受信時刻のうちの前記進入時刻の直前の受信時刻より後における少なくとも一つの時刻を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された時刻に前記無線信号を受信するように前記受信部を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする移動通信端末。
【0169】
(付記14)自端末の位置を特定可能な無線信号を定期的な受信時刻に受信する受信部と、
前記受信部によって受信された無線信号から特定される位置に基づいて、前記定期的な受信時刻を含む各時刻における自端末の位置を推定する推定部と、
前記受信部が前記無線信号を受信できない不感地域を示す情報に基づいて、前記推定部によって推定された前記定期的な受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれるか否かを判定する判定部と、
前記受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれると前記判定部によって判定された場合に、前記推定部によって推定された前記各時刻における位置に基づいて、前記不感地域からの自端末の脱出時刻より後で、前記定期的な受信時刻のうちの前記脱出時刻の直後の受信時刻より前における少なくとも一つの時刻を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された時刻に前記無線信号を受信するように前記受信部を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする移動通信端末。
【0170】
(付記15)自端末の位置を特定可能な無線信号を定期的な受信時刻に受信する移動通信端末を制御する端末制御方法において、
前記移動通信端末が受信した無線信号から特定される位置に基づいて、前記定期的な受信時刻を含む各時刻における前記移動通信端末の位置を推定し、
前記移動通信端末が前記無線信号を受信できない不感地域を示す情報に基づいて、推定した前記定期的な受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれるか否かを判定し、
前記受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれると判定した場合に、推定された前記各時刻における位置に基づいて、前記移動通信端末の前記不感地域への進入時刻より前で、前記定期的な受信時刻のうちの前記進入時刻の直前の受信時刻より後における少なくとも一つの時刻を算出し、
算出した時刻に前記無線信号を受信するように前記移動通信端末を制御することを特徴とする端末制御方法。
【0171】
(付記16)自端末の位置を特定可能な無線信号を定期的な受信時刻に受信する移動通信端末を制御する端末制御方法において、
前記移動通信端末が受信した無線信号から特定される位置に基づいて、前記定期的な受信時刻を含む各時刻における前記移動通信端末の位置を推定し、
前記移動通信端末が前記無線信号を受信できない不感地域を示す情報に基づいて、推定した前記定期的な受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれるか否かを判定し、
前記受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれると判定した場合に、推定された前記各時刻における位置に基づいて、前記移動通信端末の前記不感地域からの脱出時刻より後で、前記定期的な受信時刻のうちの前記脱出時刻の直後の受信時刻より前における少なくとも一つの時刻を算出し、
算出した時刻に前記無線信号を受信するように前記移動通信端末を制御することを特徴とする端末制御方法。
【0172】
(付記17)自端末の位置を特定可能な無線信号を定期的な受信時刻に受信する移動通信端末と、
前記移動通信端末が受信した無線信号から特定される位置に基づいて、前記定期的な受信時刻を含む各時刻における前記移動通信端末の位置を推定し、前記移動通信端末が前記無線信号を受信できない不感地域を示す情報に基づいて、推定した前記定期的な受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれるか否かを判定し、前記受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれると判定した場合に、推定された前記各時刻における位置に基づいて、前記移動通信端末の前記不感地域への進入時刻より前で、前記定期的な受信時刻のうちの前記進入時刻の直前の受信時刻より後における少なくとも一つの時刻を算出し、算出した時刻に前記無線信号を受信するように前記移動通信端末を制御する端末制御装置と、
を含むことを特徴とする通信システム。
【0173】
(付記18)自端末の位置を特定可能な無線信号を定期的な受信時刻に受信する移動通信端末と、
前記移動通信端末が受信した無線信号から特定される位置に基づいて、前記定期的な受信時刻を含む各時刻における前記移動通信端末の位置を推定し、前記移動通信端末が前記無線信号を受信できない不感地域を示す情報に基づいて、推定した前記定期的な受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれるか否かを判定し、前記受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれると判定した場合に、推定された前記各時刻における位置に基づいて、前記移動通信端末の前記不感地域からの脱出時刻より後で、前記定期的な受信時刻のうちの前記脱出時刻の直後の受信時刻より前における少なくとも一つの時刻を算出し、算出した時刻に前記無線信号を受信するように前記移動通信端末を制御する端末制御装置と、
を含むことを特徴とする通信システム。
【符号の説明】
【0174】
t0〜t8 時刻
p1〜p8 位置
101,240 移動通信端末
102 不受信期間
200 通信システム
201 GPS衛星
220 ネットワーク
300,400 情報処理装置
301,401 バス
610,620 運行情報
810,820 不感地域情報
1810 不安定地域情報
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末制御装置、移動通信端末、端末制御方法および通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電車などの移動体に乗車した移動通信端末の位置を推定する方式が知られている(たとえば、下記特許文献1参照。)。この方式においては、たとえば、移動通信端末が、定期的にGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)衛星からの無線信号を受信して位置情報を取得し、取得した位置情報と取得時刻をサーバへ送信する。そして、サーバが、移動通信端末から送信される位置情報と取得時刻から移動速度を算出し、サーバで保有している経路情報に沿って移動すると予測することで、移動通信端末が位置情報を取得しない間の位置推定を行う。
【0003】
また、移動通信端末の位置推定に関して、通信不能エリアを予測して、サーバから移動体へのデータ送信タイミングを変える技術が知られている(たとえば、下記特許文献2参照。)。また、トンネルに入るとGPS受信不能となる場合に、進入直前に取得したGPS信号から算出した速度と車載カメラの画像から算出した速度を用いてナビゲーションを行う技術が知られている(たとえば、下記特許文献3参照。)。
【0004】
また、トンネルに入る直前のGPS情報と、トンネル内の誘導点での標準走行速度から自車の位置推定を行い、トンネル内にある速度計測装置などの位置を通知する技術が知られている(たとえば、下記特許文献4参照。)。また、トンネルに入る前に、トンネルの出口の気象情報を予め受信することで、トンネルの出口付近で気象情報における注意すべき運転注意情報を通知する技術が知られている(たとえば、下記特許文献5参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−81551号公報
【特許文献2】特開2001−27538号公報
【特許文献3】特開2009−168614号公報
【特許文献4】特開2011−39038号公報
【特許文献5】特開2008−232952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来技術では、定期的な受信時刻にGPS信号を受信する移動通信端末がトンネルなどの不感地域を通過すると、GPS信号が受信されない期間が長くなり、移動通信端末の位置推定の精度が低くなる場合がある。
【0007】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、位置推定の精度を向上させることができる端末制御装置、移動通信端末、端末制御方法および通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明の一側面によれば、自端末の位置を特定可能な無線信号を定期的な受信時刻に受信する移動通信端末について、前記移動通信端末が受信した無線信号から特定される位置に基づいて、前記定期的な受信時刻を含む各時刻における前記移動通信端末の位置を推定し、前記移動通信端末が前記無線信号を受信できない不感地域を示す情報に基づいて、推定した前記定期的な受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれるか否かを判定し、前記受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれると判定した場合に、推定された前記各時刻における位置に基づいて、前記移動通信端末の前記不感地域への進入時刻より前で、前記定期的な受信時刻のうちの前記進入時刻の直前の受信時刻より後における少なくとも一つの時刻を算出し、算出した時刻に前記無線信号を受信するように前記移動通信端末を制御する端末制御装置、移動通信端末、端末制御方法および通信システムが提案される。
【0009】
また、本発明の別の側面によれば、自端末の位置を特定可能な無線信号を定期的な受信時刻に受信する移動通信端末について、前記移動通信端末が受信した無線信号から特定される位置に基づいて、前記定期的な受信時刻を含む各時刻における前記移動通信端末の位置を推定し、前記移動通信端末が前記無線信号を受信できない不感地域を示す情報に基づいて、推定した前記定期的な受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれるか否かを判定し、前記受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれると判定した場合に、推定された前記各時刻における位置に基づいて、前記移動通信端末の前記不感地域からの脱出時刻より後で、前記定期的な受信時刻のうちの前記脱出時刻の直後の受信時刻より前における少なくとも一つの時刻を算出し、算出した時刻に前記無線信号を受信するように前記移動通信端末を制御する端末制御装置、移動通信端末、端末制御方法および通信システムが提案される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一側面によれば、位置推定の精度を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1−1】図1−1は、実施の形態1にかかる端末制御装置による制御前の状態の一例を示す図である。
【図1−2】図1−2は、実施の形態1にかかる端末制御装置による制御例1を示す図である。
【図1−3】図1−3は、実施の形態1にかかる端末制御装置による制御例2を示す図である。
【図1−4】図1−4は、実施の形態1にかかる端末制御装置による制御例3を示す図である。
【図2】図2は、通信システムの一例を示す図である。
【図3】図3は、サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
【図4】図4は、移動通信端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図5】図5は、実施の形態1にかかるサーバの機能的な構成の一例を示す図である。
【図6】図6は、運行DBの一例を示す図である。
【図7】図7は、路線DBの一例を示す図である。
【図8】図8は、圏外DBの一例を示す図である。
【図9】図9は、実施の形態1にかかる移動通信端末の機能的構成の一例を示す図である。
【図10】図10は、実施の形態1にかかるサーバの動作の一例を示すフローチャートである。
【図11】図11は、実施の形態1にかかる移動通信端末の動作の一例を示すフローチャートである。
【図12】図12は、実施の形態2にかかるサーバの動作の一例を示すフローチャートである。
【図13】図13は、実施の形態2にかかる移動通信端末の一例を示すフローチャートである。
【図14】図14は、実施の形態3にかかる移動通信端末の機能的な構成の一例を示す図である。
【図15】図15は、実施の形態3にかかる移動通信端末の位置推定動作の一例を示すフローチャートである。
【図16】図16は、実施の形態3にかかる移動通信端末のGPS受信動作の一例を示すフローチャートである。
【図17】図17は、実施の形態4にかかるサーバの機能的な構成の一例を示す図である。
【図18】図18は、実施の形態4にかかる圏外・不安定DBの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる端末制御装置、移動通信端末、端末制御方法および通信システムの実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
(実施の形態1)
(実施の形態1にかかる端末制御装置による制御例)
図1−1は、実施の形態1にかかる端末制御装置による制御前の状態の一例を示す図である。図1−1において、横軸は時間を示している。移動通信端末101は、定期的な受信時刻T1〜T6において、移動通信端末101(自端末)の位置を特定可能な無線信号を受信する。無線信号は、たとえば、GPS衛星から送信されるGPS信号である。ただし、無線信号は、GPS信号に限らず、移動通信端末101の現在位置を特定可能な無線信号であればよい。受信時刻T1〜T6は、一例としては5分間隔の時刻である。
【0014】
実施の形態1にかかる端末制御装置(以下、単に「端末制御装置」とも称する。)は、移動通信端末101によるGPS信号の受信時刻を制御する制御装置である。端末制御装置は、移動通信端末101がGPS信号を受信する定期的な受信時刻を、たとえば移動通信端末101からの通知によって取得することができる。
【0015】
時刻t0は、現在時刻である。時刻t1〜t8は、未来の時刻である。時刻t0〜t8は、一例としては5秒間隔の時刻である。不感地域E1は、移動通信端末101がGPS信号を受信できない地域を、移動通信端末101の通過時刻と対応付けて示したものである。不感地域E1は、たとえば外部からの無線信号を受信できないトンネルなどの地域である。図1−1に示す例では、移動通信端末101は、時刻t3において不感地域E1に進入する。また、移動通信端末101は、時刻t5において不感地域E1から脱出する。
【0016】
移動通信端末101は、たとえば、GPS信号を受信するごとに、受信したGPS信号によって特定した位置を示す位置情報を端末制御装置へ送信する。端末制御装置は、移動通信端末101から受信した位置情報に基づいて、位置情報によって特定される位置以外の各時刻における移動通信端末101の位置を推定する。位置情報によって特定される位置以外の各時刻は、図1−1に示す例ではたとえば時刻t1,t3,t5,t7である。
【0017】
これにより、移動通信端末101がGPS信号を受信する間隔が長くても(たとえば5分)、移動通信端末101がGPS信号を受信しない間の移動通信端末101の位置を推定することができる。このため、移動通信端末101のGPS信号の受信動作の回数を少なくし、移動通信端末101の消費電力を抑えることができる。
【0018】
ただし、移動通信端末101は、不感地域E1を通過する時刻t3〜t5の期間はGPS信号を受信できない。不受信期間102は、移動通信端末101がGPS信号を受信しない期間である。図1−1に示す例では、不受信期間102の始点は、受信時刻T1〜T6のうちの、移動通信端末101が不感地域E1へ進入する直前の受信時刻T3となる。不受信期間102の終点は、受信時刻T1〜T6のうちの、移動通信端末101が不感地域E1から脱出した直後の受信時刻T5となる。したがって、不受信期間102の長さは、受信時刻T1〜T6の周期の2倍(たとえば10分)となる。
【0019】
図1−2は、実施の形態1にかかる端末制御装置による制御例1を示す図である。図1−2において、図1−1に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。端末制御装置は、図1−2に示すように、時刻t1〜t8における移動通信端末101の位置p1〜p8を推定する。具体的には、端末制御装置は、移動通信端末101が受信したGPS信号に基づく位置情報を移動通信端末101から取得し、取得した位置情報に基づいて時刻t1〜t8における位置p1〜p8を推定する。
【0020】
端末制御装置が推定する時刻t1〜t8における位置p1〜p8には、受信時刻T1〜T6における移動通信端末101の位置p2,p4,p6,p8も含まれる。端末制御装置は、不感地域E1を含む不感地域を示す情報に基づいて、推定した受信時刻T3〜T6における移動通信端末101の位置p2,p4,p6,p8の少なくともいずれかが不感地域E1に含まれているか否かを判定する。図1−2に示す例では、受信時刻T4における移動通信端末101の位置p4が不感地域E1に含まれると判定される。
【0021】
また、端末制御装置は、位置p2,p4,p6,p8の少なくともいずれかが不感地域E1に含まれていると判定した場合に、追加の受信時刻を算出する。追加の受信時刻は、たとえば、不感地域E1に移動通信端末101が進入する時刻t3(進入時刻)より前で、受信時刻T1〜T6のうちの時刻t3の直前の受信時刻T3より後における少なくとも一つの時刻である。
【0022】
図1−2に示す例では、端末制御装置は、受信時刻T3と時刻t3との間の時刻T3−2を算出したとする。端末制御装置は、算出した時刻T3−2にGPS信号を受信するように移動通信端末101を制御する。具体的には、端末制御装置は、時刻T3−2を含む受信制御信号を移動通信端末101へ送信することで移動通信端末101を制御する。
【0023】
図1−2に示す例では、不受信期間102の始点は、受信時刻T3と時刻t3との間の時刻T3−2となる。不受信期間102の終点は、受信時刻T1〜T6のうちの、移動通信端末101が不感地域E1から脱出した直後の受信時刻T5となる。図1−1および図1−2に示すように、端末制御装置による制御を行うことによって、移動通信端末101におけるGPS信号の不受信期間102を短くすることができる。
【0024】
また、端末制御装置は、時刻t3より第1所定時間以上前の時刻を算出してもよい。これにより、たとえば、移動通信端末101が不感地域E1に進入する前にGPS信号の受信を完了可能な追加の受信時刻を算出することができる。
【0025】
また、端末制御装置は、受信時刻T3より第2所定時間以上後の時刻を算出してもよい。これにより、受信時刻T3におけるGPS信号の受信と、追加の受信時刻におけるGPS信号の受信と、の間隔を第2所定時間より長くすることができる。このため、移動通信端末の消費電力を抑えることができる。
【0026】
また、端末制御装置は、受信時刻T3と時刻t3との間の差が所定時間以下である場合は、追加の受信時刻において移動通信端末に無線信号を受信させないようにしてもよい。これにより、定期的な受信時刻と追加の受信時刻との間隔が短くなり、位置精度の向上の効果が小さいにも関わらず追加の受信時刻でGPS信号を受信することを回避し、移動通信端末の消費電力を抑えることができる。
【0027】
また、位置p2,p4,p6,p8の少なくともいずれかが不感地域E1に含まれているか否かを判定する場合について説明したが、このような判定に限らない。たとえば、端末制御装置は、定期的な受信時刻T1〜T6のうちの、現在時刻の直後(次回)の受信時刻における位置が不感地域E1に含まれるか否かを判定してもよい。
【0028】
図1−2に示す例では、受信時刻T3の後に、次回の受信時刻T4における位置p4が不感地域E1に含まれると判断される。このように、次回の受信時刻における位置が不感地域E1に含まれるか否かを判定することで、たとえば現在から2回目以降の受信時刻における位置が不感地域E1に含まれるか否かを判定するより後の時点で推定された位置に基づいて判定がなされる。これにより、定期的な受信時刻における位置が不感地域E1に含まれるか否かをより精度よく判定することができる。また、より後の時点で推定された位置に基づいて追加の受信時刻が算出されるため、位置推定の精度を向上させる追加の受信時刻をより精度よく算出することができる。
【0029】
図1−3は、実施の形態1にかかる端末制御装置による制御例2を示す図である。図1−3において、図1−2に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。端末制御装置は、検出した不感地域E1からの移動通信端末101が脱出する時刻t5(第1時刻)より後で、受信時刻T3〜T6のうちの時刻t5の直後の受信時刻T5(第2時刻)より前における少なくとも一つの時刻を算出してもよい。
【0030】
図1−3に示す例では、端末制御装置は、時刻t5と受信時刻T5との間の時刻T4−2を算出したとする。端末制御装置は、算出した時刻T4−2にGPS信号を受信するように移動通信端末101を制御する。具体的には、端末制御装置は、時刻T4−2を含む受信制御信号を移動通信端末101へ送信することで移動通信端末101を制御する。
【0031】
図1−3に示す例では、不受信期間102の始点は、受信時刻T1〜T6のうちの、移動通信端末101が不感地域E1へ進入する直前の受信時刻T3となる。不受信期間102の終点は、時刻t5と受信時刻T5との間の時刻T4−2となる。図1−1および図1−3に示すように、端末制御装置による制御を行うことによって、移動通信端末101におけるGPS信号の不受信期間102を短くすることができる。
【0032】
また、端末制御装置は、時刻t5(脱出時刻)の直後の受信時刻T5より第3所定時間以上前の時刻を算出してもよい。これにより、たとえば、追加の受信時刻におけるGPS信号の受信と、時刻T5におけるGPS信号の受信と、の間隔を第3所定時間より長くすることができる。このため、移動通信端末の消費電力を抑えることができる。
【0033】
図1−4は、実施の形態1にかかる端末制御装置による制御例3を示す図である。図1−4において、図1−2または図1−3に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。端末制御装置は、図1−2に示した時刻T3−2と、図1−3に示した時刻T4−2と、の両方を算出してもよい。
【0034】
端末制御装置は、算出した時刻T3−2および時刻T4−2にGPS信号を受信するように移動通信端末101を制御する。具体的には、端末制御装置は、時刻T3−2および時刻T4−2を含む受信制御信号を移動通信端末101へ送信することで移動通信端末101を制御する。
【0035】
図1−4に示す例では、不受信期間102の始点は時刻T3−2となる。不受信期間102の終点は時刻T4−2となる。図1−1〜図1−4に示すように、図1−4に示した制御を行うことによって、移動通信端末101におけるGPS信号の不受信期間102をさらに短くすることができる。
【0036】
(通信システム)
図2は、通信システムの一例を示す図である。図2に示すように、通信システム200は、サーバ210と、ネットワーク220と、基地局230と、移動通信端末240と、を含んでいる。サーバ210は、ネットワーク220を介して基地局230に接続されており、基地局230を介して移動通信端末240と通信を行う。実施の形態1にかかる端末制御装置は、たとえばサーバ210に適用することができる。
【0037】
サーバ210は、基地局230を介して移動通信端末240へ受信制御信号を送信することで、移動通信端末240によるGPS信号の受信時刻を制御する。また、サーバ210は、基地局230を介して、GPS衛星201から受信したGPS信号に基づく位置情報を移動通信端末240から受信する。ネットワーク220は、たとえば移動体通信網である。基地局230は、移動通信端末240との間で無線通信を行うことで、サーバ210と移動通信端末240との間の通信を中継する。
【0038】
移動通信端末240は、端末制御装置による制御対象の移動通信端末であり、図1−1〜図1−4に示した移動通信端末101に対応する構成である。移動通信端末240は、たとえば移動通信端末240を所有するユーザが列車などの移動体に乗って移動する際に、GPS衛星201からのGPS信号を定期的な受信時刻に受信する。
【0039】
また、移動通信端末240は、定期的な受信時刻に加えて、サーバ210から基地局230を介して受信する受信制御信号によって指示される追加の受信時刻においてもGPS衛星201からのGPS信号を受信する。また、移動通信端末240は、GPS信号を受信するごとに、受信したGPS信号に基づく位置情報を、基地局230を介してサーバ210へ送信する。
【0040】
サーバ210は、移動通信端末240からの位置情報に基づいて移動通信端末240の位置推定を行う。たとえば、サーバ210は、移動通信端末240が乗車している列車の運行情報に関するデータベース(時刻表など)を用いて、移動通信端末240の未来の位置を推定する。そして、サーバ210は、移動通信端末240の位置推定の結果に基づくサービスを提供する。
【0041】
たとえば、サーバ210は、移動通信端末240がデータのダウンロードを行う場合に、通信環境の悪いエリアでは移動通信端末240にダウンロードを実行させず、通信環境のよいエリアで移動通信端末240にダウンロードを実行させる制御を行ってもよい。具体的には、サーバ210は、移動通信端末240の位置推定の結果に基づいて、移動通信端末240が通信環境のよいエリアに進入する時刻を算出し、算出した時刻まで移動通信端末240にダウンロードを待機させる制御を行う。ダウンロードを待機させる制御は、たとえば基地局230を介して制御信号を移動通信端末240へ送信することによって行うことができる。
【0042】
または、サーバ210は、たとえば、推定した移動通信端末240の位置に関連する情報を移動通信端末240へ送信するサービスを提供してもよい。ただし、移動通信端末240の位置推定の結果に基づくサービスはこれらに限らず、各種のサービスを適用することができる。
【0043】
また、サーバ210は、移動通信端末240の位置推定の結果に基づくサービスを行わず、移動通信端末240が、受信したGPS信号に基づき現在位置を推定し、推定結果に基づく処理を行ってもよい。たとえば、移動通信端末240は、データのダウンロードを実行する際に、通信環境のよいエリアに進入するまでダウンロードを待機する処理を行ってもよい。
【0044】
また、サーバ210は、移動通信端末240がGPS信号を定期的に受信する位置が、GPS信号を受信できないトンネルなどの不感地域に重なっている場合に、移動通信端末240が不感地域に進入する前の追加の受信時刻を移動通信端末240へ通知する。移動通信端末240は、定期的な受信時刻に加えて、サーバ210から通知された追加の受信時刻においてもGPS信号を受信する。これにより、移動通信端末240が不感地域を通過する際のGPS信号を受信しない期間を短くし、移動通信端末240の位置推定の精度を向上させることができる。
【0045】
(サーバのハードウェア構成)
図3は、サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示したサーバ210は、たとえば図3に示す情報処理装置300によって実現することができる。情報処理装置300は、CPU310と、メインメモリ320と、補助メモリ330と、ユーザインタフェース340と、通信インタフェース350と、を備えている。CPU310、メインメモリ320、補助メモリ330、ユーザインタフェース340および通信インタフェース350は、バス301によって接続されている。
【0046】
CPU310(Central Processing Unit)は、情報処理装置300の全体の制御を司る。また、情報処理装置300はCPU310を複数備えていてもよい。メインメモリ320は、たとえばRAM(Random Access Memory)である。メインメモリ320は、CPU310のワークエリアとして使用される。補助メモリ330は、たとえば、ハードディスク、光ディスク、フラッシュメモリなどの不揮発メモリである。補助メモリ330には、情報処理装置300を動作させる各種のプログラムが記憶されている。補助メモリ330に記憶されたプログラムは、メインメモリ320にロードされてCPU310によって実行される。
【0047】
ユーザインタフェース340は、たとえば、ユーザからの操作入力を受け付ける入力デバイスや、ユーザへ情報を出力する出力デバイスなどを含む。入力デバイスは、たとえばキー(たとえばキーボード)やリモコンなどによって実現することができる。出力デバイスは、たとえばディスプレイやスピーカなどによって実現することができる。また、タッチパネルなどによって入力デバイスおよび出力デバイスを実現してもよい。ユーザインタフェース340は、CPU310によって制御される。
【0048】
通信インタフェース350は、たとえば、ネットワーク220を介して基地局230との間で通信を行う通信インタフェースである。通信インタフェース350により、基地局230を介した移動通信端末240との通信が可能になる。通信インタフェース350は、CPU310によって制御される。
【0049】
(移動通信端末のハードウェア構成)
図4は、移動通信端末のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示した移動通信端末240は、たとえば図4に示す情報処理装置400によって実現することができる。情報処理装置400は、CPU410と、メインメモリ420と、補助メモリ430と、ユーザインタフェース440と、通信インタフェース450と、GPSユニット460と、を備えている。CPU410、メインメモリ420、補助メモリ430、ユーザインタフェース440、通信インタフェース450およびGPSユニット460は、バス401によって接続されている。
【0050】
CPU410、メインメモリ420、補助メモリ430、ユーザインタフェース440および通信インタフェース450は、それぞれ図3に示したCPU310、メインメモリ320、補助メモリ330、ユーザインタフェース340および通信インタフェース350と同様である。ただし、通信インタフェース450は、たとえば、基地局230との間で無線通信を行う通信インタフェースである。通信インタフェース350により、基地局230を介したサーバ210との通信が可能になる。
【0051】
GPSユニット460は、図2に示したGPS衛星201からのGPS信号を受信し、受信したGPS信号に基づいて移動通信端末240の現在位置を特定する装置である。GPSユニット460は、CPU310によって制御される。
【0052】
(実施の形態1にかかるサーバの機能的な構成)
図5は、実施の形態1にかかるサーバの機能的な構成の一例を示す図である。図5に示すように、サーバ210は、運行DB501と、圏外DB502と、路線DB503と、受信部510と、位置推定部520と、位置情報処理部530と、受信可否判定部540と、追加受信時刻算出部550と、送信部560と、を備えている。
【0053】
運行DB501、圏外DB502および路線DB503は、たとえば図3に示した補助メモリ330に記憶されている。または、運行DB501、圏外DB502および路線DB503は、たとえば図3に示したユーザインタフェース340や通信インタフェース350を介して外部から入力され、メインメモリ320に記憶されてもよい。
【0054】
受信部510および送信部560は、たとえば図3に示した通信インタフェース350によって実現することができる。位置推定部520、位置情報処理部530、受信可否判定部540および追加受信時刻算出部550は、たとえば図3に示したCPU310によって実現することができる。
【0055】
運行DB501は、電車などの列車ごとに運行情報が格納されたデータベースである(たとえば図6参照)。たとえば、運行DB501には、列車ごとに、時刻と位置との対応情報が格納されている。位置は、たとえば緯度および経度の組み合わせである。時刻と位置との対応情報は、たとえば、列車の各駅における発着時刻と、各駅の各位置と、の情報に基づいて、列車が駅間を等速で移動すると仮定して作成することができる。または、時刻と位置との対応情報は、列車が駅から発車してから次の駅に到着するまでの加速度を考慮して作成されてもよい。
【0056】
圏外DB502は、運行DB501に含まれる各位置のうちの、GPS信号を受信できない不感地域に含まれる各位置(または位置の範囲)が格納されたデータベースである(たとえば図8参照)。路線DB503は、運行DB501に含まれる各位置が格納されたデータベースである(たとえば図7参照)。なお、圏外DB502および路線DB503は、1つのデータベースによって実現してもよい。
【0057】
受信部510は、基地局230を介して、移動通信端末240からの位置情報を受信する。位置情報は、たとえば緯度および経度の組み合わせである。受信部510は、受信した位置情報を位置推定部520へ出力する。
【0058】
位置推定部520は、移動通信端末240の各時刻における位置を推定する推定部である。具体的には、位置推定部520は、受信部510から出力される位置情報が示す位置以外の各時刻における移動通信端末240を、移動通信端末240からの位置情報が示す位置に基づいて推定する。また、位置推定部520は、受信部510から新たに位置情報が出力されると、移動通信端末240の位置の推定結果を新たな位置情報に基づいて補正することにより、移動通信端末240の位置を順次推定する。
【0059】
たとえば、位置推定部520は、受信部510から出力される位置情報と、運行DB501と、に基づいて移動通信端末240の位置推定を行う。位置推定部520は、各時刻における移動通信端末240の位置の推定結果を位置情報処理部530へ通知する。
【0060】
また、位置推定部520は、移動通信端末240の次回のGPS信号の受信時刻における移動通信端末240の位置を推定する。具体的には、位置推定部520は、受信部510から出力される位置情報および運行DB501に基づいて、移動通信端末240が乗車している列車を特定する。
【0061】
そして、位置推定部520は、特定した列車と、移動通信端末240の次回のGPS信号の受信時刻と、の組み合わせに対応する位置を運行DB501から取得することで、次回のGPS信号の受信時刻における移動通信端末240の位置を推定することができる。位置推定部520は、推定した次回の受信時刻における移動通信端末240の位置を受信可否判定部540へ通知する。
【0062】
なお、移動通信端末240の位置推定の方法は、運行DB501を用いる方法に限らず、たとえば位置情報から得られる速度情報と、路線DB503と、を用いる方法を適用してもよい。
【0063】
また、サーバ210は、移動通信端末240におけるGPS信号の定期的な受信時刻を、たとえば移動通信端末240から受信部510を介して取得する。たとえば、移動通信端末240は、サーバ210との通信開始時に、GPS信号の次回の受信時刻と、GPS信号の受信間隔と、をサーバ210へ通知する。これにより、サーバ210は、移動通信端末240の定期的な受信時刻を、(次回の受信時刻)+(受信間隔)×N(N=1,2,3,…)のように算出することができる。
【0064】
また、移動通信端末240は、GPS信号の定期的な受信時刻を変更した場合は、GPS信号の次回の受信時刻と、GPS信号の受信間隔と、をサーバ210へ再度通知する。これにより、サーバ210は、移動通信端末240の変更後の定期的な受信時刻を算出することができる。
【0065】
位置情報処理部530は、位置推定部520から出力された位置の推定結果に基づく処理を行う。たとえば、位置情報処理部530は、移動通信端末240がデータのダウンロードを行う際に、推定された移動通信端末240の将来の位置のうちの通信環境の良い位置を特定する。通信環境の良い位置の特定は、たとえば各位置における通信環境の程度を示すデータベースに基づいて行うことができる。
【0066】
位置情報処理部530は、特定した位置に移動通信端末240が到達する時刻を運行DB501に基づいて特定し、特定した時刻においてデータのダウンロードを行うべきことを指示する信号を、送信部560から移動通信端末240へ送信させる。これにより、通信環境の良い位置においてデータのダウンロードを行うように移動通信端末240を制御することができる。ただし、位置の推定結果に基づく位置情報処理部530による処理は、データのダウンロードのタイミングの制御に限らず、特定した位置に関する情報を送信部560から移動通信端末240へ送信させるなど各種の処理を適用することができる。
【0067】
受信可否判定部540は、移動通信端末240の次回のGPS信号の受信時刻において移動通信端末240がGPS信号を受信可能か否かを判定する。具体的には、受信可否判定部540は、位置推定部520から通知された、次回の受信時刻における移動通信端末240の位置が、圏外DB502に格納された不感地域に含まれているか否かを判定する。受信可否判定部540は、判定結果を追加受信時刻算出部550へ通知する。
【0068】
追加受信時刻算出部550は、次回のGPS信号の受信時刻においてGPS信号を受信できない旨の判定結果が受信可否判定部540から通知されると、移動通信端末240がGPS信号を受信する追加の受信時刻を算出する。具体的には、追加受信時刻算出部550は、図1−2に示したように、移動通信端末240が不感地域へ進入するより前の時刻を追加の受信時刻として算出する。
【0069】
たとえば、追加受信時刻算出部550は、移動通信端末240が不感地域に進入する位置を運行DB501および圏外DB502から取得し、取得した位置の直前の位置を路線DB503から特定する。なお、追加受信時刻算出部550は、精度を考慮して、取得した位置より所定の距離(たとえば50[m])だけ前の位置を特定してもよい。
【0070】
そして、追加受信時刻算出部550は、特定した位置に列車が到達する時刻を運行DB501から特定する。これにより、移動通信端末240が不感地域に進入する直前の時刻を算出することができる。追加受信時刻算出部550は、算出した時刻を追加の受信時刻として含む受信制御信号を送信部560へ出力する。
【0071】
また、追加受信時刻算出部550は、特定した位置に列車が到達する時刻より、第1所定時間前の時刻を算出してもよい。第1所定時間は、たとえば、移動通信端末240がGPS信号の動作を開始して終了するまでに要する時間である。これにより、追加の受信時刻に移動通信端末240がGPS信号の受信動作を行ったにも関わらず、GPS信号の受信が完了するまでに移動通信端末240が不感地域に進入し、GPS信号の受信ができないという状況を回避することができる。
【0072】
また、第1所定時間には、移動通信端末240が受信したGPS信号に基づく位置情報をサーバ210へ送信するために要する時間を加えてもよい。これにより、追加の受信時刻に移動通信端末240がGPS信号を受信したにも関わらず、サーバ210への位置情報の送信が完了するまでに移動通信端末240が不感地域に進入し、位置情報の送信ができないという状況を回避することができる。
【0073】
また、追加受信時刻算出部550は、特定した位置に列車が到達する時刻より前で、かつ特定した位置に列車が到達する時刻の直前の定期的な受信時刻より第2所定時間後の時刻を算出してもよい。これにより、算出した追加の受信時刻と、定期的な受信時刻と、の差を第2所定時間より長くすることができる。したがって、追加の受信時刻と定期的な受信時刻との間隔が短く、追加の受信時刻にGPS信号を受信しても位置推定の精度の効果が小さい状況においても追加の受信時刻にGPS信号を受信することを回避することができる。これにより、移動通信端末240の消費電力を抑えることができる。
【0074】
また、追加受信時刻算出部550は、算出した追加の受信時刻と、定期的な受信時刻と、の差が第2所定時間以下である場合は、算出した追加の受信時刻を送信部560へ出力しなくてもよい。これにより、追加の受信時刻にGPS信号を受信しても位置推定の精度の効果が小さい状況においては、移動通信端末240に受信制御信号が送信されず、移動通信端末240が追加の受信時刻にGPS信号を受信しないようにすることができる。これにより、移動通信端末240の消費電力を抑えることができる。
【0075】
または、追加受信時刻算出部550は、図1−3に示したように、移動通信端末240が不感地域から脱出した後の時刻を追加の受信時刻として算出してもよい。具体的には、追加受信時刻算出部550は、移動通信端末240が不感地域から脱出する位置を運行DB501および圏外DB502から取得し、取得した位置の直後の位置を路線DB503から特定する。なお、追加受信時刻算出部550は、精度を考慮して、取得した位置より所定の距離(たとえば50[m])だけ後の位置を特定してもよい。
【0076】
そして、追加受信時刻算出部550は、特定した位置に列車が到達する時刻を運行DB501から特定する。これにより、移動通信端末240が不感地域から脱出する直後の時刻を算出することができる。追加受信時刻算出部550は、算出した時刻を追加の受信時刻として含む受信制御信号を送信部560へ出力する。
【0077】
また、追加受信時刻算出部550は、特定した位置に列車が到達する時刻から、第3所定時間後の時刻を算出してもよい。これにより、算出した追加の受信時刻と、定期的な受信時刻と、の差を第3所定時間より長くすることができる。したがって、追加の受信時刻と定期的な受信時刻との間隔が短く、追加の受信時刻にGPS信号を受信しても位置推定の精度の効果が小さい状況においても追加の受信時刻にGPS信号を受信することを回避することができる。これにより、移動通信端末240の消費電力を抑えることができる。
【0078】
また、追加受信時刻算出部550は、算出した追加の受信時刻と、定期的な受信時刻と、の差が第3所定時間以下である場合は、算出した追加の受信時刻を送信部560へ出力しなくてもよい。これにより、追加の受信時刻にGPS信号を受信しても位置推定の精度の効果が小さい状況においては、移動通信端末240に受信制御信号が送信されず、移動通信端末240が追加の受信時刻にGPS信号を受信しないようにすることができる。これにより、移動通信端末240の消費電力を抑えることができる。
【0079】
または、追加受信時刻算出部550は、図1−4に示したように、移動通信端末240が不感地域へ進入するより前の時刻と、移動通信端末240が不感地域から脱出した後の時刻と、を追加の受信時刻として算出してもよい。この場合は、追加受信時刻算出部550は、算出した各時刻を含む受信制御信号を送信部560へ出力する。
【0080】
送信部560は、追加受信時刻算出部550によって算出された追加の受信時刻にGPS信号を受信するように移動通信端末240を制御する制御部である。具体的には、送信部560は、基地局230を介して、追加受信時刻算出部550から出力された受信制御信号を移動通信端末240へ送信する。これにより、移動通信端末240が不感地域に進入する前に、移動通信端末240にGPS信号を受信させることができる。
【0081】
(サーバの各データベース)
図6は、運行DBの一例を示す図である。図6に示すように、運行DB501は、列車番号、時刻、緯度および経度の項目を含んでいる。列車番号「xxx」および列車番号「yyy」は、列車の識別情報である。運行DB501には、列車番号が「xxx」である列車についての時刻、緯度および経度を含む運行情報610と、列車番号が「yyy」である列車についての時刻、緯度および経度を含む運行情報620と、が含まれている。
【0082】
たとえば、運行DB501の一つ目のレコードは、列車番号が「xxx」である列車が時刻「10:19:45」において緯度「35.233027」、経度「139.70247」の位置にいる予定であることを示している。このように、運行DB501は、移動通信端末240によって受信されるGPS信号から特定される位置と、所定の路線に沿って運行される列車(移動体)ごとの時刻と予定位置との対応情報を含む情報である。
【0083】
図7は、路線DBの一例を示す図である。図7に示すように、路線DB503は、図6に示した運行情報610または運行情報620に含まれる緯度および経度を抽出して得られた情報である。路線DB503により、運行DB501の対象の路線上の各位置を得ることができる。
【0084】
図8は、圏外DBの一例を示す図である。図8に示すように、圏外DB502は、図7に示した路線DB503が示す各位置のうちの不感地域(圏外)に含まれる各位置を抽出して得られた情報である。図8に示す圏外DB502には、2つの不感地域を示す不感地域情報810,820が含まれている。
【0085】
不感地域情報810は、緯度「35.238828」および経度「139.700443」〜緯度「35.240879」および経度「139.697471」の範囲の不感地域を示している。不感地域情報820は、緯度「35.243464」および経度「139.691913」〜緯度「35.246013」および経度「139.687042」の範囲の不感地域を示している。
【0086】
(実施の形態1にかかる移動通信端末の機能的構成)
図9は、実施の形態1にかかる移動通信端末の機能的構成の一例を示す図である。図9に示すように、移動通信端末240は、GPS信号受信部910と、送信部920と、受信部930と、受信制御部940と、を備えている。
【0087】
GPS信号受信部910は、たとえば図4に示したGPSユニット460によって実現することができる。送信部920および受信部930は、たとえば図4に示した通信インタフェース450によって実現することができる。受信制御部940は、たとえば図4に示したCPU410によって実現することができる。
【0088】
GPS信号受信部910は、GPS衛星201からのGPS信号を受信する。GPS信号受信部910がGPS信号の受信動作を行うタイミングは受信制御部940によって制御される。GPS信号受信部910は、受信したGPS信号によって特定される位置を示す位置情報を送信部920へ出力する。ただし、GPS信号受信部910が出力する位置情報は、受信したGPS信号によって特定される位置を示す情報に限らず、受信したGPS信号など、移動通信端末240の現在位置を特定可能な情報であればよい。
【0089】
送信部920は、GPS信号受信部910から出力された位置情報を、基地局230を介してサーバ210へ送信する。受信部930は、サーバ210から基地局230を介して送信される受信制御信号を受信する。受信部930は、受信した受信制御信号を受信制御部940へ出力する。
【0090】
受信制御部940は、定期的な受信時刻にGPS信号の受信動作を行うようにGPS信号受信部910を制御する。また、受信制御部940は、受信部930から受信制御信号が出力されると、受信制御信号に含まれる追加の受信時刻にもGPS信号の受信動作を行うようにGPS信号受信部910を制御する。
【0091】
(実施の形態1にかかるサーバの動作)
図10は、実施の形態1にかかるサーバの動作の一例を示すフローチャートである。サーバ210は、たとえば以下の各ステップを実行する。まず、サーバ210は、移動通信端末240から位置情報を受信したか否かを判断し(ステップS1001)、位置情報を受信するまで待つ(ステップS1001:Noのループ)。
【0092】
ステップS1001において、位置情報を受信すると(ステップS1001:Yes)、サーバ210は、受信した位置情報が示す第1位置が運行DB501に存在するか否かを判断する(ステップS1002)。第1位置が運行DB501に存在しない場合(ステップS1002:No)は、運行DB501にしたがって運行する列車に移動通信端末240が乗車していないと判断することができる。この場合は、サーバ210は、ステップS1001へ戻る。
【0093】
ステップS1002において、第1位置が運行DB501に存在する場合(ステップS1002:Yes)は、サーバ210は、移動通信端末240から位置情報を再度受信したか否かを判断し(ステップS1003)、位置情報を再度受信するまで待つ(ステップS1003:Noのループ)。
【0094】
ステップS1003において、位置情報を再度受信すると(ステップS1003:Yes)、サーバ210は、再度受信した位置情報が示す第2位置が運行DB501に存在するか否かを判断する(ステップS1004)。第2位置が運行DB501に存在しない場合(ステップS1004:No)は、サーバ210は、ステップS1003へ戻る。
【0095】
ステップS1004において、第2位置が運行DB501に存在する場合(ステップS1002:Yes)は、サーバ210は、ステップS1001,S1003において受信した各位置情報が示す第1,第2位置と運行DB501とに基づいて移動通信端末240が乗車中の列車を特定する(ステップS1005)。
【0096】
つぎに、サーバ210は、運行DB501に基づいて、移動通信端末240の次の定期的な受信時刻における、ステップS1005によって特定した列車の位置を特定する(ステップS1006)。これにより、移動通信端末240の次の定期的な受信時刻における移動通信端末240の位置を特定することができる。
【0097】
つぎに、サーバ210は、ステップS1006によって特定した位置が圏外DB502に存在するか否かを判断する(ステップS1007)。特定した位置が圏外DB502に存在しない場合(ステップS1007:No)は、サーバ210は、ステップS1003へ戻る。
【0098】
ステップS1007において、特定した位置が圏外DB502に存在する場合(ステップS1007:Yes)は、移動通信端末240の次の定期的な受信時刻に、移動通信端末240が不感地域に位置していると判断することができる。この場合は、サーバ210は、路線DB503と圏外DB502とに基づいて、追加の受信時刻を算出する(ステップS1008)。
【0099】
つぎに、サーバ210は、ステップS1008によって算出した追加の受信時刻を含む受信制御信号を移動通信端末240へ送信し(ステップS1009)、ステップS1003へ戻る。以上の各ステップにより、サーバ210は、移動通信端末240の次の定期的な受信時刻に、移動通信端末240が不感地域に位置していると推定される場合に、不感地域に進入する前に移動通信端末240にGPS信号を受信させることができる。
【0100】
なお、ステップS1002,S1004において、位置情報が示す位置との間の距離が所定値以下の位置が運行DB501に含まれている場合は、位置情報が示す位置が運行DB501に含まれていると判断するようにしてもよい。
【0101】
(実施の形態1にかかる移動通信端末の動作)
図11は、実施の形態1にかかる移動通信端末の動作の一例を示すフローチャートである。移動通信端末240は、たとえば以下の各ステップを実行する。まず、移動通信端末240は、定期的な受信時刻になったか否かを判断する(ステップS1101)。定期的な受信時刻になった場合(ステップS1101:Yes)は、移動通信端末240は、GPS衛星201からのGPS信号を受信する(ステップS1102)。
【0102】
つぎに、移動通信端末240は、ステップS1102によって受信したGPS信号に基づく位置情報をサーバ210へ送信し(ステップS1103)、ステップS1101へ戻る。ステップS1101において、定期的な受信時刻になっていない場合(ステップS1101:No)は、移動通信端末240は、サーバ210からの受信制御信号を受信済みか否かを判断する(ステップS1104)。
【0103】
ステップS1104において、受信制御信号を受信済みでない場合(ステップS1104:No)は、移動通信端末240は、ステップS1101へ戻る。受信制御信号を受信済みである場合(ステップS1104:Yes)は、移動通信端末240は、受信済みの受信制御信号に含まれる追加の受信時刻になったか否かを判断する(ステップS1105)。追加の受信時刻になっていない場合(ステップS1105:No)は、移動通信端末240は、ステップS1101へ戻る。
【0104】
ステップS1105において、追加の受信時刻になった場合(ステップS1105:Yes)は、移動通信端末240は、ステップS1102へ移行する。これにより、移動通信端末240は、定期的な受信時刻でGPS信号を受信してサーバ210へ送信するとともに、サーバ210から受信制御信号を受信した場合は、追加の受信時刻においてもGPS信号を受信し、位置情報をサーバ210へ送信することができる。
【0105】
(通信システムの動作の具体例)
たとえば、移動通信端末240は、一度目の位置情報として緯度「35.233027」および経度「139.70247」を10時19分45秒に取得し、取得した位置情報をサーバ210へ通知したとする。サーバ210は、移動通信端末240から通知された位置情報が運行DB501に存在するかどうかを判定する。
【0106】
図6に示した運行DB501には、10時19分45秒と、緯度「35.233027」および経度「139.70247」と、の組み合わせが存在するため、移動通信端末240が運行DB501に対応する路線の列車に乗車していると判断することができる。ただし、上記の組み合わせは、列車番号「xxx」,「yyy」のそれぞれに存在するため、この段階では移動通信端末240がいずれの列車に乗車しているかは不明である。
【0107】
移動通信端末240は、2度目の位置情報として、緯度「35.237233」および経度「139.702127」を10時22分30秒に取得し、取得した位置情報をサーバ210へ通知したとする。サーバ210は、移動通信端末240から通知された位置情報が運行DB501に存在するかどうかを判定する。
【0108】
図6に示した運行DB501には、10時22分30秒と、緯度「35.237233」および経度「139.702127」と、の組み合わせが存在する。このため、サーバ210は、一度目の位置情報と、二度目の位置情報と、の組み合わせにより、移動通信端末240が列車番号「xxx」の列車に乗車していると判断することができる。
【0109】
つぎに、サーバ210は、移動通信端末240の次回の定期的な受信時刻を算出する。たとえば前回の定期的な受信時刻が10時20分05秒であり、定期的な受信間隔が5分であるとすると、次回の定期的な受信時刻は10時25分05秒となる。サーバ210は、次回の受信時刻である10時25分05秒における移動通信端末240の位置を運行DB501によって特定する。たとえば、サーバ210は、図6に示した運行DB501を用いて、列車番号「xxx」の列車の10時25分05秒における位置を取得する。これにより、次回の受信時刻における移動通信端末240の位置が緯度「35.243464」および経度「139.691913」であると特定することができる。
【0110】
このように、サーバ210は、運行DB501に基づいて移動通信端末240を乗せて運行する列車(列車番号「xxx」)を特定し、特定した列車に対応する対応情報(運行情報610)を運行DB501から取得する。そして、サーバ210は、取得した対応情報に基づいて、各時刻における移動通信端末101の位置を推定することができる。
【0111】
サーバ210は、特定した緯度「35.243464」および経度「139.691913」が圏外DB502に含まれているため、移動通信端末240が次回の定期的な受信時刻に不感地域に位置していると推定することができる。このため、サーバ210は、列車番号「xxx」の列車の、緯度「35.243464」および経度「139.691913」が含まれる不感地域の直前における位置を運行DB501から算出する。
【0112】
たとえば、緯度「35.243464」および経度「139.691913」は、不感地域の先頭であるため、サーバ210は、路線DB503において、緯度「35.243464」および経度「139.691913」の2つ前(1つ前でもよい)の位置を取得する。この場合は、図7に示した路線DB503から、緯度「35.242701」および経度「139.694273」が取得される。
【0113】
サーバ210は、取得した位置に列車番号「xxx」の列車が到達する時刻を運行DB501から特定する。図6に示した運行DB501の例では、10時24分55秒が特定される。サーバ210は、特定した10時24分55秒を追加の受信時刻として含む受信制御信号を移動通信端末240へ送信する。これにより、移動通信端末240は、不感地域に進入する直前にGPS信号を受信することができる。
【0114】
このように、実施の形態1によれば、定期的な受信時刻においてGPS信号を受信する移動通信端末に対して、不感地域の直前や直後にGPS信号を受信するように受信時刻を追加することができる。これにより、不感地域を通過する際にGPS信号が受信されない期間を短くし、移動通信端末の位置の推定精度を向上させることができる。
【0115】
また、定期的な受信時刻に加えて、算出した不感地域の前の受信時刻にも移動通信端末にGPS信号を受信させることで、算出した不感地域の前の受信時刻に移動通信端末にGPS信号を簡単な制御によって受信させることができる。ただし、算出した不感地域の前の受信時刻に移動通信端末にGPS信号を受信させる方法はこれに限らない。たとえば、移動通信端末のGPS信号の定期的な各受信時刻をそれぞれ同じだけずらすことで、算出した不感地域の前の受信時刻に移動通信端末にGPS信号を受信させることも可能である。また、移動通信端末のGPS信号の定期的な受信間隔を変更させることで、算出した不感地域の前の受信時刻に移動通信端末にGPS信号を受信させることも可能である。
【0116】
(実施の形態2)
実施の形態2について、実施の形態1と異なる部分について説明する。実施の形態2にかかる端末制御装置は、たとえば、追加の受信時刻に移動通信端末101にGPS信号を受信させた後に、定期的な受信時刻におけるGPS信号の受信動作を停止するように移動通信端末101を制御する。これにより、たとえば、移動通信端末101の消費電力を抑えることができる。
【0117】
(実施の形態2にかかるサーバの動作)
図12は、実施の形態2にかかるサーバの動作の一例を示すフローチャートである。実施の形態2にかかるサーバ210は、たとえば以下の各ステップを実行する。図12に示すステップS1201〜S1208は、それぞれ図10に示したステップS1001〜S1008と同様である。
【0118】
ステップS1208のつぎに、サーバ210は、路線DB503と圏外DB502とに基づいて、受信停止期間を算出する(ステップS1209)。受信停止期間の算出については後述する。つぎに、サーバ210は、ステップS1208によって算出した追加の受信時刻およびステップS1209によって算出した受信停止期間を含む受信制御信号を移動通信端末240へ送信し(ステップS1210)、ステップS1203へ戻る。
【0119】
ステップS1210によって送信される受信制御信号は、追加の受信時刻においてGPS信号を受信するとともに、その後、受信停止期間の間はGPS信号の受信動作を停止することを指示する信号である。これにより、追加の受信時刻に移動通信端末240にGPS信号を受信させた後に、定期的な受信時刻におけるGPS信号の受信を停止するように移動通信端末240を制御することができる。
【0120】
また、移動通信端末240にGPS信号の受信動作を停止させた後に、定期的な受信時刻のうちの、不感地域からの移動通信端末240の脱出時刻の直後の時刻までに、GPS信号の受信動作を再開するように移動通信端末240を制御することができる。これにより、定期的な受信時刻において移動通信端末240が不感地域を脱出しているにも関わらずGPS信号を受信しなくなることを回避し、移動通信端末240の位置推定の精度の低下を抑えつつ消費電力を抑えることができる。
【0121】
ステップS1209において、サーバ210の追加受信時刻算出部550は、たとえば、移動通信端末240が不感地域から脱出する位置を運行DB501および圏外DB502から取得する。そして、追加受信時刻算出部550は、取得した時刻より後で、取得した時刻の直後の定期的な受信時刻より前の任意の時刻を停止終了時刻として算出する。そして、追加受信時刻算出部550は、算出した追加の受信時刻から、算出した停止終了時刻までの期間を受信停止期間として受信制御信号に格納する。
【0122】
(実施の形態2にかかる移動通信端末)
図13は、実施の形態2にかかる移動通信端末の一例を示すフローチャートである。実施の形態2にかかる移動通信端末240は、たとえば以下の各ステップを実行する。図13に示すステップS1301〜S1305は、それぞれ図11に示したステップS1101〜S1105と同様である。
【0123】
ステップS1305において、追加の受信時刻になった場合(ステップS1305:Yes)は、移動通信端末240は、GPS衛星201からのGPS信号を受信する(ステップS1306)。つぎに、移動通信端末240は、ステップS1306によって受信した位置情報をサーバ210へ送信する(ステップS1307)。
【0124】
つぎに、移動通信端末240は、受信済みの受信制御信号に含まれている受信停止期間が経過するまでGPS信号の受信動作を停止し(ステップS1308)、ステップS1301へ戻る。これにより、移動通信端末240は、サーバ210から受信制御信号を受信した場合は、追加の受信時刻においてもGPS信号を受信してサーバ210へ送信するとともに、その後、不感地域を脱出するまでGPS信号の受信動作を停止することができる。これにより、移動通信端末240の消費電力を抑えることができる。
【0125】
このように、実施の形態2によれば、追加の受信時刻に移動通信端末にGPS信号を受信させた後に、定期的な受信時刻におけるGPS信号の受信動作を停止させることができる。これにより、移動通信端末101の消費電力を抑えることができる。
【0126】
また、移動通信端末にGPS信号の受信動作を停止させた後に、定期的な受信時刻のうちの、不感地域からの移動通信端末の脱出時刻の直後の時刻までに、GPS信号の受信動作を再開させることができる。これにより、移動通信端末240の位置推定の精度の低下を抑えつつ消費電力を抑えることができる。
【0127】
(実施の形態3)
実施の形態3について、実施の形態1と異なる部分について説明する。実施の形態3においては、移動通信端末240のGPS信号受信部910によるGPS信号の受信時刻の制御を移動通信端末240によって行う。この場合は、サーバ210は、移動通信端末240によるGPS信号の受信時刻を制御する機能を有していなくてもよい。
【0128】
また、移動通信端末240は、自端末の各時刻における位置を自端末で推定し、推定結果に基づく処理を自端末で行ってもよい。この場合は、移動通信端末240は、位置情報をサーバ210へ送信しなくてもよい。
【0129】
(実施の形態3にかかる移動通信端末の機能的な構成)
図14は、実施の形態3にかかる移動通信端末の機能的な構成の一例を示す図である。図14において、図5または図9に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図14に示すように、実施の形態3にかかる移動通信端末240は、運行DB501と、圏外DB502と、路線DB503と、位置推定部520と、位置情報処理部530と、受信可否判定部540と、追加受信時刻算出部550と、GPS信号受信部910と、受信制御部940と、を備えている。
【0130】
GPS信号受信部910は、受信したGPS信号に基づく位置情報を位置推定部520へ出力する。位置推定部520は、GPS信号受信部910から出力された位置情報に基づいて移動通信端末240の位置を推定する。
【0131】
追加受信時刻算出部550は、算出した時刻を含む受信制御信号を受信制御部940へ出力する。受信制御部940は、追加受信時刻算出部550から受信制御信号が出力されると、受信制御信号によって指示された時刻にもGPS信号の受信動作を行うようにGPS信号受信部910を制御する。
【0132】
(実施の形態3にかかる移動通信端末の位置推定動作)
図15は、実施の形態3にかかる移動通信端末の位置推定動作の一例を示すフローチャートである。実施の形態3にかかる移動通信端末240は、たとえば以下の各ステップを実行する。まず、移動通信端末240は、GPS信号を受信する(ステップS1501)。つぎに、移動通信端末240は、ステップS1504によって受信したGPS信号により特定される第1位置が運行DB501に存在するか否かを判断する(ステップS1502)。第1位置が運行DB501に存在しない場合(ステップS1502:No)は、移動通信端末240は、ステップS1501へ戻る。
【0133】
ステップS1502において、第1位置が運行DB501に存在する場合(ステップS1502:Yes)は、移動通信端末240は、所定時間待機し(ステップS1503)、GPS信号を再度受信する(ステップS1504)。
【0134】
つぎに、移動通信端末240は、ステップS1504によって再度受信したGPS信号により特定される第2位置が運行DB501に存在するか否かを判断する(ステップS1505)。第2位置が運行DB501に存在しない場合(ステップS1505:No)は、移動通信端末240は、ステップS1504へ戻る。
【0135】
ステップS1505において、第2位置が運行DB501に存在する場合(ステップS1505:Yes)は、移動通信端末240は、ステップS1506へ移行する。すなわち、移動通信端末240は、ステップS1501,S1504において受信した各GPS信号により特定される第1,第2位置と運行DB501とに基づいて移動通信端末240が乗車中の列車を特定する(ステップS1506)。
【0136】
つぎに、移動通信端末240は、運行DB501に基づいて、移動通信端末240の次の定期的な受信時刻における、ステップS1506によって特定した列車の位置を特定する(ステップS1507)。これにより、移動通信端末240の次の定期的な受信時刻における移動通信端末240の位置を特定することができる。
【0137】
つぎに、移動通信端末240は、ステップS1507によって特定した位置が圏外DB502に含まれているか否かを判断する(ステップS1508)。特定した位置が圏外DB502に含まれていない場合(ステップS1508:No)は、移動通信端末240は、ステップS1504へ戻る。特定した位置が圏外DB502に含まれている場合(ステップS1508:Yes)は、移動通信端末240は、路線DB503と圏外DB502とに基づいて、追加の受信時刻を算出する(ステップS1509)。
【0138】
つぎに、移動通信端末240は、ステップS1509によって算出した追加の受信時刻を記憶し(ステップS1510)、ステップS1504へ戻る。ステップS1510において、移動通信端末240は、たとえば図4に示したメインメモリ420や補助メモリ430に受信制御信号を記憶する。
【0139】
以上の各ステップにより、移動通信端末240は、GPS信号受信部910の次の定期的な受信時刻に、移動通信端末240が不感地域に位置していると推定される場合に、不感地域に進入する前にGPS信号受信部910にGPS信号を受信させることができる。
【0140】
(実施の形態3にかかる移動通信端末のGPS受信動作)
図16は、実施の形態3にかかる移動通信端末のGPS受信動作の一例を示すフローチャートである。実施の形態3にかかる移動通信端末240は、図15に示した各ステップとともに以下の各ステップを行う。図16に示すステップS1601,S1602は、図11に示したステップS1101,S1102と同様である。
【0141】
ステップS1602のつぎに、移動通信端末240は、ステップS1602により受信したGPS信号に基づく位置情報を取得する(ステップS1603)。すなわち、移動通信端末240は、位置情報をサーバ210へ送信しなくてもよい。ただし、移動通信端末240は、ステップS1603において位置情報をサーバ210へ送信してもよい。
【0142】
ステップS1601において、定期的な受信時刻になっていない場合(ステップS1601:No)は、移動通信端末240は、図15に示したステップS1510によって追加の受信時刻が記憶されているか否かを判断する(ステップS1604)。追加の受信時刻が記憶されていない場合(ステップS1604:No)は、移動通信端末240は、ステップS1601へ戻る。
【0143】
ステップS1604において、追加の受信時刻が記憶されている場合(ステップS1604:Yes)は、移動通信端末240は、記憶されている追加の受信時刻になったか否かを判断する(ステップS1605)。追加の受信時刻になっていない場合(ステップS1605:No)は、移動通信端末240は、ステップS1601へ戻る。追加の受信時刻になった場合(ステップS1605:Yes)は、移動通信端末240は、ステップS1602へ移行する。
【0144】
以上の各ステップにより、移動通信端末240は、定期的な受信時刻でGPS信号を受信して位置情報を取得するとともに、追加の受信時刻が記憶された場合は、追加の受信時刻においてもGPS信号を受信して位置情報を取得することができる。
【0145】
このように、実施の形態3によれば、外部の端末制御装置(たとえばサーバ210)を用いなくても、GPS信号の受信時刻の制御を移動通信端末によって行うことで、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。また、実施の形態3において、実施の形態2のように、追加の受信時刻にGPS信号を受信した後に、定期的な受信時刻におけるGPS信号の受信動作を停止してもよい。また、実施の形態3において、実施の形態2のように、GPS信号の受信動作を停止した後に、定期的な受信時刻のうちの、不感地域からの移動通信端末の脱出時刻の直後の時刻までに、GPS信号の受信動作を再開してもよい。
【0146】
(実施の形態4)
実施の形態4について、実施の形態1と異なる部分について説明する。実施の形態4においては、たとえば、不感地域だけでなく、移動通信端末の移動が不安定になる不安定地域を移動通信端末が通過する際も、GPS信号の受信時刻を追加する。これにより、移動通信端末の位置推定の精度を向上させることができる。
【0147】
(実施の形態4にかかるサーバの機能的な構成)
図17は、実施の形態4にかかるサーバの機能的な構成の一例を示す図である。図17において、図5に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図17に示すように、実施の形態4にかかるサーバ210は、図5に示した圏外DB502および受信可否判定部540に代えて、圏外・不安定DB1701および判定部1710を備えている。
【0148】
圏外・不安定DB1701は、たとえば図3に示した補助メモリ330に記憶されている。または、圏外・不安定DB1701は、たとえば図3に示したユーザインタフェース340や通信インタフェース350を介して外部から入力され、メインメモリ320に記憶されてもよい。判定部1710は、たとえば図3に示したCPU310によって実現することができる。
【0149】
圏外・不安定DB1701は、運行DB501に含まれる各位置のうちの、GPS信号を受信できない不感地域に含まれる各位置に加えて、駅などの列車の運行が不安定となる不安定地域の各位置が格納されたデータベースである。また、移動通信端末240は、圏外・不安定DB1701に代えて、図5に示した路線DB503と、不安定地域の各位置が格納されたデータベースと、を備えていてもよい。
【0150】
判定部1710は、次回の受信時刻における移動通信端末240の位置が、不感地域に含まれているか否かを圏外・不安定DB1701に基づいて判定する。また、判定部1710は、次回の受信時刻における移動通信端末240の位置が不安定地域に含まれているか否かを圏外・不安定DB1701に基づいて判定する。そして、判定部1710は、次回の受信時刻における移動通信端末240の位置が不感地域および不安定地域の少なくともいずれかに含まれている場合は、追加受信時刻算出部550へ通知する。
【0151】
追加受信時刻算出部550は、次回の受信時刻における移動通信端末240の位置が不感地域および不安定地域の少なくともいずれかに含まれていることが判定部1710から通知されると、移動通信端末240がGPS信号を受信する追加の受信時刻を算出する。また、追加受信時刻算出部550は、図5に示した圏外DB502に代えて圏外・不安定DB1701を参照することによって追加の受信時刻を算出する。
【0152】
(圏外・不安定DB)
図18は、実施の形態4にかかる圏外・不安定DBの一例を示す図である。図18において、図8に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図18に示すように、圏外・不安定DB1701には、図8に示した不感地域情報810,820に加えて不安定地域情報1810が格納されている。不安定地域情報1810は、駅などの列車の運行が不安定となる不安定地域の各位置を示す情報である。
【0153】
このように、実施の形態4によれば、定期的な受信時刻における位置の少なくともいずれかが不感地域および不安定地域の少なくともいずれかに含まれる場合に、不感地域や不安定地域の直前にGPS信号を受信するように受信時刻を追加することができる。これにより、不安定地域の直前にGPS信号を受信することで、位置の推定が困難な不安定地域においても移動通信端末の位置推定の精度を向上させることができる。
【0154】
以上説明したように、端末制御装置、移動通信端末、端末制御方法および通信システムによれば、位置推定の精度を向上させることができる。
【0155】
上述した各実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0156】
(付記1)自端末の位置を特定可能な無線信号を定期的な受信時刻に受信する移動通信端末を制御する端末制御装置において、
前記移動通信端末が受信した無線信号から特定される位置に基づいて、前記定期的な受信時刻を含む各時刻における前記移動通信端末の位置を推定する推定部と、
前記移動通信端末が前記無線信号を受信できない不感地域を示す情報に基づいて、前記推定部によって推定された前記定期的な受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれるか否かを判定する判定部と、
前記受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれると前記判定部によって判定された場合に、前記推定部によって推定された前記各時刻における位置に基づいて、前記移動通信端末の前記不感地域への進入時刻より前で、前記定期的な受信時刻のうちの前記進入時刻の直前の受信時刻より後における少なくとも一つの時刻を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された時刻に前記無線信号を受信するように前記移動通信端末を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする端末制御装置。
【0157】
(付記2)前記制御部は、前記算出された時刻において前記移動通信端末に前記無線信号を受信させた後に、前記定期的な受信時刻における前記無線信号の受信動作を停止するように前記移動通信端末を制御することを特徴とする付記1に記載の端末制御装置。
【0158】
(付記3)前記制御部は、前記移動通信端末に前記無線信号の受信動作を停止させた後に、前記定期的な受信時刻のうちの、前記不感地域からの前記移動通信端末の脱出時刻の直後の受信時刻までに、前記無線信号の受信動作を再開するように前記移動通信端末を制御することを特徴とする付記2に記載の端末制御装置。
【0159】
(付記4)前記算出部は、前記進入時刻より所定時間以上前の時刻を算出することを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の端末制御装置。
【0160】
(付記5)前記算出部は、前記直前の受信時刻より所定時間以上後の時刻を算出することを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の端末制御装置。
【0161】
(付記6)前記制御部は、前記直前の受信時刻と、前記進入時刻と、の間の差が所定時間以下である場合は、前記算出部によって算出された時刻において前記移動通信端末に前記無線信号を受信させないことを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載の端末制御装置。
【0162】
(付記7)前記算出部は、前記移動通信端末の前記不感地域からの脱出時刻より後で、前記定期的な受信時刻のうちの前記脱出時刻の直後の受信時刻より前における少なくとも一つの時刻をさらに算出し、
前記制御部は、前記算出部によって算出された各時刻に前記無線信号を受信するように前記移動通信端末を制御することを特徴とする付記1〜6のいずれか一つに記載の端末制御装置。
【0163】
(付記8)前記算出部は、前記直後の受信時刻より所定時間以上前の時刻を算出することを特徴とする付記7に記載の端末制御装置。
【0164】
(付記9)前記推定部は、前記移動通信端末によって受信される無線信号から特定される位置と、所定の路線に沿って運行される移動体ごとの時刻と予定位置との対応情報を含む運行情報と、に基づいて、前記移動通信端末を乗せて運行する移動体を特定し、特定した移動体に対応する対応情報を前記運行情報から取得し、取得した対応情報に基づいて、前記各時刻における前記移動通信端末の位置を推定することを特徴とする付記1〜8のいずれか一つに記載の端末制御装置。
【0165】
(付記10)前記判定部は、前記定期的な受信時刻のうちの、現在時刻の直後の受信時刻における位置が前記不感地域に含まれるか否かを判定することを特徴とする付記1〜9のいずれか一つに記載の端末制御装置。
【0166】
(付記11)前記判定部は、前記不感地域を示す情報と、前記移動通信端末の移動が不安定となる不安定地域を示す情報と、に基づいて、前記定期的な受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域および前記不安定地域の少なくともいずれかに含まれるか否かを判定し、
前記算出部は、前記受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域および前記不安定地域の少なくともいずれかに含まれると前記判定部によって判定された場合に、前記少なくとも一つの時刻を算出することを特徴とする付記1〜10のいずれか一つに記載の端末制御装置。
【0167】
(付記12)自端末の位置を特定可能な無線信号を定期的な受信時刻に受信する移動通信端末を制御する端末制御装置において、
前記移動通信端末が受信した無線信号から特定される位置に基づいて、前記定期的な受信時刻を含む各時刻における前記移動通信端末の位置を推定する推定部と、
前記移動通信端末が前記無線信号を受信できない不感地域を示す情報に基づいて、前記推定部によって推定された前記定期的な受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれるか否かを判定する判定部と、
前記受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれると前記判定部によって判定された場合に、前記推定部によって推定された前記各時刻における位置に基づいて、前記移動通信端末の前記不感地域からの脱出時刻より後で、前記定期的な受信時刻のうちの前記脱出時刻の直後の受信時刻より前における少なくとも一つの時刻を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された時刻に前記無線信号を受信するように前記移動通信端末を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする端末制御装置。
【0168】
(付記13)自端末の位置を特定可能な無線信号を定期的な受信時刻に受信する受信部と、
前記受信部によって受信された無線信号から特定される位置に基づいて、前記定期的な受信時刻を含む各時刻における自端末の位置を推定する推定部と、
前記受信部が前記無線信号を受信できない不感地域を示す情報に基づいて、前記推定部によって推定された前記定期的な受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれるか否かを判定する判定部と、
前記受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれると前記判定部によって判定された場合に、前記推定部によって推定された前記各時刻における位置に基づいて、前記不感地域への自端末の進入時刻より前で、前記定期的な受信時刻のうちの前記進入時刻の直前の受信時刻より後における少なくとも一つの時刻を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された時刻に前記無線信号を受信するように前記受信部を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする移動通信端末。
【0169】
(付記14)自端末の位置を特定可能な無線信号を定期的な受信時刻に受信する受信部と、
前記受信部によって受信された無線信号から特定される位置に基づいて、前記定期的な受信時刻を含む各時刻における自端末の位置を推定する推定部と、
前記受信部が前記無線信号を受信できない不感地域を示す情報に基づいて、前記推定部によって推定された前記定期的な受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれるか否かを判定する判定部と、
前記受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれると前記判定部によって判定された場合に、前記推定部によって推定された前記各時刻における位置に基づいて、前記不感地域からの自端末の脱出時刻より後で、前記定期的な受信時刻のうちの前記脱出時刻の直後の受信時刻より前における少なくとも一つの時刻を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された時刻に前記無線信号を受信するように前記受信部を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする移動通信端末。
【0170】
(付記15)自端末の位置を特定可能な無線信号を定期的な受信時刻に受信する移動通信端末を制御する端末制御方法において、
前記移動通信端末が受信した無線信号から特定される位置に基づいて、前記定期的な受信時刻を含む各時刻における前記移動通信端末の位置を推定し、
前記移動通信端末が前記無線信号を受信できない不感地域を示す情報に基づいて、推定した前記定期的な受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれるか否かを判定し、
前記受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれると判定した場合に、推定された前記各時刻における位置に基づいて、前記移動通信端末の前記不感地域への進入時刻より前で、前記定期的な受信時刻のうちの前記進入時刻の直前の受信時刻より後における少なくとも一つの時刻を算出し、
算出した時刻に前記無線信号を受信するように前記移動通信端末を制御することを特徴とする端末制御方法。
【0171】
(付記16)自端末の位置を特定可能な無線信号を定期的な受信時刻に受信する移動通信端末を制御する端末制御方法において、
前記移動通信端末が受信した無線信号から特定される位置に基づいて、前記定期的な受信時刻を含む各時刻における前記移動通信端末の位置を推定し、
前記移動通信端末が前記無線信号を受信できない不感地域を示す情報に基づいて、推定した前記定期的な受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれるか否かを判定し、
前記受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれると判定した場合に、推定された前記各時刻における位置に基づいて、前記移動通信端末の前記不感地域からの脱出時刻より後で、前記定期的な受信時刻のうちの前記脱出時刻の直後の受信時刻より前における少なくとも一つの時刻を算出し、
算出した時刻に前記無線信号を受信するように前記移動通信端末を制御することを特徴とする端末制御方法。
【0172】
(付記17)自端末の位置を特定可能な無線信号を定期的な受信時刻に受信する移動通信端末と、
前記移動通信端末が受信した無線信号から特定される位置に基づいて、前記定期的な受信時刻を含む各時刻における前記移動通信端末の位置を推定し、前記移動通信端末が前記無線信号を受信できない不感地域を示す情報に基づいて、推定した前記定期的な受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれるか否かを判定し、前記受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれると判定した場合に、推定された前記各時刻における位置に基づいて、前記移動通信端末の前記不感地域への進入時刻より前で、前記定期的な受信時刻のうちの前記進入時刻の直前の受信時刻より後における少なくとも一つの時刻を算出し、算出した時刻に前記無線信号を受信するように前記移動通信端末を制御する端末制御装置と、
を含むことを特徴とする通信システム。
【0173】
(付記18)自端末の位置を特定可能な無線信号を定期的な受信時刻に受信する移動通信端末と、
前記移動通信端末が受信した無線信号から特定される位置に基づいて、前記定期的な受信時刻を含む各時刻における前記移動通信端末の位置を推定し、前記移動通信端末が前記無線信号を受信できない不感地域を示す情報に基づいて、推定した前記定期的な受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれるか否かを判定し、前記受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれると判定した場合に、推定された前記各時刻における位置に基づいて、前記移動通信端末の前記不感地域からの脱出時刻より後で、前記定期的な受信時刻のうちの前記脱出時刻の直後の受信時刻より前における少なくとも一つの時刻を算出し、算出した時刻に前記無線信号を受信するように前記移動通信端末を制御する端末制御装置と、
を含むことを特徴とする通信システム。
【符号の説明】
【0174】
t0〜t8 時刻
p1〜p8 位置
101,240 移動通信端末
102 不受信期間
200 通信システム
201 GPS衛星
220 ネットワーク
300,400 情報処理装置
301,401 バス
610,620 運行情報
810,820 不感地域情報
1810 不安定地域情報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自端末の位置を特定可能な無線信号を定期的な受信時刻に受信する移動通信端末を制御する端末制御装置において、
前記移動通信端末が受信した無線信号から特定される位置に基づいて、前記定期的な受信時刻を含む各時刻における前記移動通信端末の位置を推定する推定部と、
前記移動通信端末が前記無線信号を受信できない不感地域を示す情報に基づいて、前記推定部によって推定された前記定期的な受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれるか否かを判定する判定部と、
前記受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれると前記判定部によって判定された場合に、前記推定部によって推定された前記各時刻における位置に基づいて、前記移動通信端末の前記不感地域への進入時刻より前で、前記定期的な受信時刻のうちの前記進入時刻の直前の受信時刻より後における少なくとも一つの時刻を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された時刻に前記無線信号を受信するように前記移動通信端末を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする端末制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記算出された時刻において前記移動通信端末に前記無線信号を受信させた後に、前記定期的な受信時刻における前記無線信号の受信動作を停止するように前記移動通信端末を制御することを特徴とする請求項1に記載の端末制御装置。
【請求項3】
前記算出部は、前記移動通信端末の前記不感地域からの脱出時刻より後で、前記定期的な受信時刻のうちの前記脱出時刻の直後の受信時刻より前における少なくとも一つの時刻をさらに算出し、
前記制御部は、前記算出部によって算出された各時刻に前記無線信号を受信するように前記移動通信端末を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の端末制御装置。
【請求項4】
前記推定部は、前記移動通信端末によって受信される無線信号から特定される位置と、所定の路線に沿って運行される移動体ごとの時刻と予定位置との対応情報を含む運行情報と、に基づいて、前記移動通信端末を乗せて運行する移動体を特定し、特定した移動体に対応する対応情報を前記運行情報から取得し、取得した対応情報に基づいて、前記各時刻における前記移動通信端末の位置を推定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の端末制御装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記定期的な受信時刻のうちの、現在時刻の直後の受信時刻における位置が前記不感地域に含まれるか否かを判定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の端末制御装置。
【請求項6】
自端末の位置を特定可能な無線信号を定期的な受信時刻に受信する移動通信端末を制御する端末制御装置において、
前記移動通信端末が受信した無線信号から特定される位置に基づいて、前記定期的な受信時刻を含む各時刻における前記移動通信端末の位置を推定する推定部と、
前記移動通信端末が前記無線信号を受信できない不感地域を示す情報に基づいて、前記推定部によって推定された前記定期的な受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれるか否かを判定する判定部と、
前記受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれると前記判定部によって判定された場合に、前記推定部によって推定された前記各時刻における位置に基づいて、前記移動通信端末の前記不感地域からの脱出時刻より後で、前記定期的な受信時刻のうちの前記脱出時刻の直後の受信時刻より前における少なくとも一つの時刻を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された時刻に前記無線信号を受信するように前記移動通信端末を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする端末制御装置。
【請求項7】
自端末の位置を特定可能な無線信号を定期的な受信時刻に受信する受信部と、
前記受信部によって受信された無線信号から特定される位置に基づいて、前記定期的な受信時刻を含む各時刻における自端末の位置を推定する推定部と、
前記受信部が前記無線信号を受信できない不感地域を示す情報に基づいて、前記推定部によって推定された前記定期的な受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれるか否かを判定する判定部と、
前記受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれると前記判定部によって判定された場合に、前記推定部によって推定された前記各時刻における位置に基づいて、前記不感地域への自端末の進入時刻より前で、前記定期的な受信時刻のうちの前記進入時刻の直前の受信時刻より後における少なくとも一つの時刻を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された時刻に前記無線信号を受信するように前記受信部を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする移動通信端末。
【請求項8】
自端末の位置を特定可能な無線信号を定期的な受信時刻に受信する受信部と、
前記受信部によって受信された無線信号から特定される位置に基づいて、前記定期的な受信時刻を含む各時刻における自端末の位置を推定する推定部と、
前記受信部が前記無線信号を受信できない不感地域を示す情報に基づいて、前記推定部によって推定された前記定期的な受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれるか否かを判定する判定部と、
前記受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれると前記判定部によって判定された場合に、前記推定部によって推定された前記各時刻における位置に基づいて、前記不感地域からの自端末の脱出時刻より後で、前記定期的な受信時刻のうちの前記脱出時刻の直後の受信時刻より前における少なくとも一つの時刻を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された時刻に前記無線信号を受信するように前記受信部を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする移動通信端末。
【請求項9】
自端末の位置を特定可能な無線信号を定期的な受信時刻に受信する移動通信端末を制御する端末制御方法において、
前記移動通信端末が受信した無線信号から特定される位置に基づいて、前記定期的な受信時刻を含む各時刻における前記移動通信端末の位置を推定し、
前記移動通信端末が前記無線信号を受信できない不感地域を示す情報に基づいて、推定した前記定期的な受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれるか否かを判定し、
前記受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれると判定した場合に、推定された前記各時刻における位置に基づいて、前記移動通信端末の前記不感地域への進入時刻より前で、前記定期的な受信時刻のうちの前記進入時刻の直前の受信時刻より後における少なくとも一つの時刻を算出し、
算出した時刻に前記無線信号を受信するように前記移動通信端末を制御することを特徴とする端末制御方法。
【請求項10】
自端末の位置を特定可能な無線信号を定期的な受信時刻に受信する移動通信端末を制御する端末制御方法において、
前記移動通信端末が受信した無線信号から特定される位置に基づいて、前記定期的な受信時刻を含む各時刻における前記移動通信端末の位置を推定し、
前記移動通信端末が前記無線信号を受信できない不感地域を示す情報に基づいて、推定した前記定期的な受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれるか否かを判定し、
前記受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれると判定した場合に、推定された前記各時刻における位置に基づいて、前記移動通信端末の前記不感地域からの脱出時刻より後で、前記定期的な受信時刻のうちの前記脱出時刻の直後の受信時刻より前における少なくとも一つの時刻を算出し、
算出した時刻に前記無線信号を受信するように前記移動通信端末を制御することを特徴とする端末制御方法。
【請求項11】
自端末の位置を特定可能な無線信号を定期的な受信時刻に受信する移動通信端末と、
前記移動通信端末が受信した無線信号から特定される位置に基づいて、前記定期的な受信時刻を含む各時刻における前記移動通信端末の位置を推定し、前記移動通信端末が前記無線信号を受信できない不感地域を示す情報に基づいて、推定した前記定期的な受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれるか否かを判定し、前記受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれると判定した場合に、推定された前記各時刻における位置に基づいて、前記移動通信端末の前記不感地域への進入時刻より前で、前記定期的な受信時刻のうちの前記進入時刻の直前の受信時刻より後における少なくとも一つの時刻を算出し、算出した時刻に前記無線信号を受信するように前記移動通信端末を制御する端末制御装置と、
を含むことを特徴とする通信システム。
【請求項12】
自端末の位置を特定可能な無線信号を定期的な受信時刻に受信する移動通信端末と、
前記移動通信端末が受信した無線信号から特定される位置に基づいて、前記定期的な受信時刻を含む各時刻における前記移動通信端末の位置を推定し、前記移動通信端末が前記無線信号を受信できない不感地域を示す情報に基づいて、推定した前記定期的な受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれるか否かを判定し、前記受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれると判定した場合に、推定された前記各時刻における位置に基づいて、前記移動通信端末の前記不感地域からの脱出時刻より後で、前記定期的な受信時刻のうちの前記脱出時刻の直後の受信時刻より前における少なくとも一つの時刻を算出し、算出した時刻に前記無線信号を受信するように前記移動通信端末を制御する端末制御装置と、
を含むことを特徴とする通信システム。
【請求項1】
自端末の位置を特定可能な無線信号を定期的な受信時刻に受信する移動通信端末を制御する端末制御装置において、
前記移動通信端末が受信した無線信号から特定される位置に基づいて、前記定期的な受信時刻を含む各時刻における前記移動通信端末の位置を推定する推定部と、
前記移動通信端末が前記無線信号を受信できない不感地域を示す情報に基づいて、前記推定部によって推定された前記定期的な受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれるか否かを判定する判定部と、
前記受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれると前記判定部によって判定された場合に、前記推定部によって推定された前記各時刻における位置に基づいて、前記移動通信端末の前記不感地域への進入時刻より前で、前記定期的な受信時刻のうちの前記進入時刻の直前の受信時刻より後における少なくとも一つの時刻を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された時刻に前記無線信号を受信するように前記移動通信端末を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする端末制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記算出された時刻において前記移動通信端末に前記無線信号を受信させた後に、前記定期的な受信時刻における前記無線信号の受信動作を停止するように前記移動通信端末を制御することを特徴とする請求項1に記載の端末制御装置。
【請求項3】
前記算出部は、前記移動通信端末の前記不感地域からの脱出時刻より後で、前記定期的な受信時刻のうちの前記脱出時刻の直後の受信時刻より前における少なくとも一つの時刻をさらに算出し、
前記制御部は、前記算出部によって算出された各時刻に前記無線信号を受信するように前記移動通信端末を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の端末制御装置。
【請求項4】
前記推定部は、前記移動通信端末によって受信される無線信号から特定される位置と、所定の路線に沿って運行される移動体ごとの時刻と予定位置との対応情報を含む運行情報と、に基づいて、前記移動通信端末を乗せて運行する移動体を特定し、特定した移動体に対応する対応情報を前記運行情報から取得し、取得した対応情報に基づいて、前記各時刻における前記移動通信端末の位置を推定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の端末制御装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記定期的な受信時刻のうちの、現在時刻の直後の受信時刻における位置が前記不感地域に含まれるか否かを判定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の端末制御装置。
【請求項6】
自端末の位置を特定可能な無線信号を定期的な受信時刻に受信する移動通信端末を制御する端末制御装置において、
前記移動通信端末が受信した無線信号から特定される位置に基づいて、前記定期的な受信時刻を含む各時刻における前記移動通信端末の位置を推定する推定部と、
前記移動通信端末が前記無線信号を受信できない不感地域を示す情報に基づいて、前記推定部によって推定された前記定期的な受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれるか否かを判定する判定部と、
前記受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれると前記判定部によって判定された場合に、前記推定部によって推定された前記各時刻における位置に基づいて、前記移動通信端末の前記不感地域からの脱出時刻より後で、前記定期的な受信時刻のうちの前記脱出時刻の直後の受信時刻より前における少なくとも一つの時刻を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された時刻に前記無線信号を受信するように前記移動通信端末を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする端末制御装置。
【請求項7】
自端末の位置を特定可能な無線信号を定期的な受信時刻に受信する受信部と、
前記受信部によって受信された無線信号から特定される位置に基づいて、前記定期的な受信時刻を含む各時刻における自端末の位置を推定する推定部と、
前記受信部が前記無線信号を受信できない不感地域を示す情報に基づいて、前記推定部によって推定された前記定期的な受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれるか否かを判定する判定部と、
前記受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれると前記判定部によって判定された場合に、前記推定部によって推定された前記各時刻における位置に基づいて、前記不感地域への自端末の進入時刻より前で、前記定期的な受信時刻のうちの前記進入時刻の直前の受信時刻より後における少なくとも一つの時刻を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された時刻に前記無線信号を受信するように前記受信部を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする移動通信端末。
【請求項8】
自端末の位置を特定可能な無線信号を定期的な受信時刻に受信する受信部と、
前記受信部によって受信された無線信号から特定される位置に基づいて、前記定期的な受信時刻を含む各時刻における自端末の位置を推定する推定部と、
前記受信部が前記無線信号を受信できない不感地域を示す情報に基づいて、前記推定部によって推定された前記定期的な受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれるか否かを判定する判定部と、
前記受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれると前記判定部によって判定された場合に、前記推定部によって推定された前記各時刻における位置に基づいて、前記不感地域からの自端末の脱出時刻より後で、前記定期的な受信時刻のうちの前記脱出時刻の直後の受信時刻より前における少なくとも一つの時刻を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された時刻に前記無線信号を受信するように前記受信部を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする移動通信端末。
【請求項9】
自端末の位置を特定可能な無線信号を定期的な受信時刻に受信する移動通信端末を制御する端末制御方法において、
前記移動通信端末が受信した無線信号から特定される位置に基づいて、前記定期的な受信時刻を含む各時刻における前記移動通信端末の位置を推定し、
前記移動通信端末が前記無線信号を受信できない不感地域を示す情報に基づいて、推定した前記定期的な受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれるか否かを判定し、
前記受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれると判定した場合に、推定された前記各時刻における位置に基づいて、前記移動通信端末の前記不感地域への進入時刻より前で、前記定期的な受信時刻のうちの前記進入時刻の直前の受信時刻より後における少なくとも一つの時刻を算出し、
算出した時刻に前記無線信号を受信するように前記移動通信端末を制御することを特徴とする端末制御方法。
【請求項10】
自端末の位置を特定可能な無線信号を定期的な受信時刻に受信する移動通信端末を制御する端末制御方法において、
前記移動通信端末が受信した無線信号から特定される位置に基づいて、前記定期的な受信時刻を含む各時刻における前記移動通信端末の位置を推定し、
前記移動通信端末が前記無線信号を受信できない不感地域を示す情報に基づいて、推定した前記定期的な受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれるか否かを判定し、
前記受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれると判定した場合に、推定された前記各時刻における位置に基づいて、前記移動通信端末の前記不感地域からの脱出時刻より後で、前記定期的な受信時刻のうちの前記脱出時刻の直後の受信時刻より前における少なくとも一つの時刻を算出し、
算出した時刻に前記無線信号を受信するように前記移動通信端末を制御することを特徴とする端末制御方法。
【請求項11】
自端末の位置を特定可能な無線信号を定期的な受信時刻に受信する移動通信端末と、
前記移動通信端末が受信した無線信号から特定される位置に基づいて、前記定期的な受信時刻を含む各時刻における前記移動通信端末の位置を推定し、前記移動通信端末が前記無線信号を受信できない不感地域を示す情報に基づいて、推定した前記定期的な受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれるか否かを判定し、前記受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれると判定した場合に、推定された前記各時刻における位置に基づいて、前記移動通信端末の前記不感地域への進入時刻より前で、前記定期的な受信時刻のうちの前記進入時刻の直前の受信時刻より後における少なくとも一つの時刻を算出し、算出した時刻に前記無線信号を受信するように前記移動通信端末を制御する端末制御装置と、
を含むことを特徴とする通信システム。
【請求項12】
自端末の位置を特定可能な無線信号を定期的な受信時刻に受信する移動通信端末と、
前記移動通信端末が受信した無線信号から特定される位置に基づいて、前記定期的な受信時刻を含む各時刻における前記移動通信端末の位置を推定し、前記移動通信端末が前記無線信号を受信できない不感地域を示す情報に基づいて、推定した前記定期的な受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれるか否かを判定し、前記受信時刻における位置の少なくともいずれかが前記不感地域に含まれると判定した場合に、推定された前記各時刻における位置に基づいて、前記移動通信端末の前記不感地域からの脱出時刻より後で、前記定期的な受信時刻のうちの前記脱出時刻の直後の受信時刻より前における少なくとも一つの時刻を算出し、算出した時刻に前記無線信号を受信するように前記移動通信端末を制御する端末制御装置と、
を含むことを特徴とする通信システム。
【図1−1】
【図1−2】
【図1−3】
【図1−4】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図1−2】
【図1−3】
【図1−4】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−115515(P2013−115515A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258165(P2011−258165)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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