説明

端末及びコンピュータプログラムに対応した、サーバと少なくとも1つのクライアント端末との間でのコンテンツ可視化データの送信の方法

本発明は、サーバと、少なくとも1つのクライアント端末との間で、コンテンツ表示データを送信する方法に関し、それにより、前記データは、少なくとも1つの親ノードと少なくとも1つの子ノードとを備える階層木のノード内に配列され、表示可能な要素が各ノードと関連付けられる。本発明によれば、一つのそのような方法は、以下のステップを備え、該サーバは、該木の単純化した表示をクライアントへ送信し、前記表示は、該ノードのうちの少なくともいくつかのために、表示すべきコンテンツにおける該表示可能な要素を配置するための情報のみを備え、該クライアント端末は、該クライアントから、表示すべきコンテンツにおける関心対象ノードに関連付けられている表示可能な要素への距離に関連する判断基準の関数として、該単純化した表示から少なくとも1つの関心対象ノードを選択し、前記表示可能な要素を、選択された関心対象ノードのために復元できるようにするために、地理的データが送信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.発明の分野.
本発明の分野は、2D及び3Dイメージ及び3Dシーンの可視化である。より具体的には、本発明は、そのようなイメージ及びそのようなシーンをクライアント端末上で可視化するのに用いられるデータ送信の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、より具体的には、データが木型で構成され、該木の各ノードが、所定のレベルの詳しさで見られる緻密な要素に相当する、マルチレベルの詳細な情報のコンサルテーションの分野に適用することができる。これは特に、例えば、市のモデル等の巨大な環境のネットワーク可視化において有益であるが、より一般的には、データが例えば、3Dコンテンツまたはプログレッシブイメージであろうがなかろうが、階層木で体系化されたどのような種類のデータにも適用することができる。
【0003】
2.従来の解決法
インターネット等の通信ネットワークを介してクライアントがアクセスするサーバに格納された大きなサイズのシーンまたはイメージの、クライアント端末上での素早くかつ双方向の可視化の実現の必要性が高まっている。現在、そのような3Dモデルまたはそのようなプログレッシブイメージを復元するのに必要なデータベースは、(特に、該データベースが、大きな市のプログレッシブかつ階層的な描写を可能にする場合)ますます巨大になり、そのため、(帯域幅または送信時間に関して)該クライアント端末に対するデータの送信のコストは、ますます高くなっている。
【0004】
これまで、図1及び図2を参照して以下に示すクライアントサーバ型アーキテクチャにおける可視化データの送信に対しては、2つの主な技術が知られている。
【0005】
それらの技術の第1の技術においては、サーバ10は、このクライアント11が、関連する表示の再構築を始めることができる前に、または、必要なナビゲートがある場合に、可視化データの全体をクライアント11へ送信する。これは、特に、それに対して、データの段階的または連続的な送信が不可能である、仮想現実モデリング言語(Virtual Reality Modelling Language;VRML)で符号化された3Dシーンの送信に適用することができる。
【0006】
そのため、クライアント11は、第1の要求121をサーバ10へ送信して、ベース内に存在する全てのデータを送信するかを問い合わせ、3Dイメージのシーンの表示の復元を可能にする。サーバ10は、ステップ131において、所要のモデルの全体を送信することによって応答する。その後、クライアント11は、ロードされたモデルに141をナビゲートする。クライアント11がモデルの変更15を望む場合には、サーバ10が、要求される新たなモデルに関連する可視化データの全体の新たな送信132によって応答する該モデルに対して、新たな要求122を送信しなければならない。クライアント11が、その表示においてナビゲート142を始めることができるのは、この新たなモデルが完全にロードされてからである。
【0007】
図2に示す第2の従来の送信方法は、サーバ10の(2Dまたは3D)モデルのクライアント11への連続送信に依存する。これは、所定の瞬間におけるその可視化が、アクティブノード(すなわち、考慮された瞬間における該モデルの視覚表示において描画されるノード)の全ての親ノードが使用可能であることを必要とする、木型構造または階層構造で符号化されたイメージまたは3Dコンテンツに関連する。実際には、階層構造の場合、該クライアントは、該親要素がまだ送信されていない場合、該要素の存在を知ることができないため、該構造のノード間には高い依存性がある。要求に応じたデータ送信のこのような状況において、該クライアントは、子ノードに問い合わせ、以下の子ノードに問い合わせることができる前に、送信を待たなければならない。
【0008】
従って、この方法によれば、ユーザの視点に適応された詳しさのレベルで、データの一部を参照できるようにするためには、該階層的木の連続送信を実行する必要がある。該木の洗練化は再帰的に行われ、親ノードから現在の視点に対応するノードに向かって始められる。その結果、該木の走査は、徹底的に行われる。
【0009】
第1のステップ21は、クライアント11が、特定の要求211をサーバ10へ送信した後に受取る該木の第1のノード24を検索212できるようにする。その後に続くステップ22及び23は、クライアント11が、シーン及びイメージにおける位置の関数として必要な情報を検索できるようにする。第1のノード24を検索212した後、該クライアントは、その位置により、該ノードを展開する必要があるか否か、すなわち、その位置が、該シーンの、または該イメージのより詳細な表示を必要とするか否かを判断することができる。該クライアントは、その位置に対応する最適なモデルに収れんするまで、この操作を再帰的に実行する。
【0010】
従って、該木の1つ以上のノードの各受信後、クライアント11は、該木を復元して、該木が、それに使用できるものを既に持っている特定のノードの子ノードを必要とするか否かを判断した後、換言すれば、該木の1つ以上のノードを展開しなければならないか否かを判断した後、該木を走査し、または通過25する。図2において、クライアント11は、該木の走査251中、第1のノード24を展開すべきかを判断する。参照したステップ22の間、該クライアントは、サーバ10に対する要求221を処理し、該サーバは、要求された子ノード26及び27を該クライアントに送信する222。該木の新たな走査252は、該クライアントが、受信したばかりのノード26及び27の子ノードを必要とするかを判断できるようにする。その結果、該クライアントは、新たな要求223をサーバ10に送信し、該サーバは、ノード26及び27の子ノードを該クライアントに送信する224。カスタム11の位置の変更15があった場合、該木の新たな走査253は、該カスタムにとってノード26はもはや必要ないが、ノード27の子ノードは、展開する必要があるかもしれないことを該カスタムが判断できるようにする。そして、該カスタムは、これらのライン上の対応する要求231をサーバ10へ送信する。
【0011】
3.従来技術の欠点
図1の第1の送信方法の1つの欠点は、可視化データの大部分に関連するモデルまたは複雑なイメージの送信に適していないということである。実際には、そのようなモデルの場合、上記サーバから上記クライアントへのデータの最初の送信のための時間は、該モデルのビューイング始めることができる前に、該モデルのローディングの完了を待たなければならないクライアントにとって、非常に長くかつ高くつくものでもある。従って、この第1の方法において、ユーザは、直ちに該イメージまたはシーン内をナビゲートすることができない。
【0012】
図2の第2の送信方法は、ビューイングを始めることができる前に、ローディングの完了を待つというこの問題を解決するのに用いることができる。しかし、その欠点は、特に、所望の詳しさのレベルが、木構造のより深い枝に相当する場合、メッセージの大量の交換(要求211、212、221〜224、231、…)を発生させるということである。
【0013】
この方法の別の欠点は、特に、該クライアントによって視られることのない特定のノードからの不必要な情報の送信を引き起こすということである。実際には、ノードの展開に対する要求の受信時に、該サーバは、該クライアントに、展開すべきノードの全ての子ノードを送信する。
【0014】
さらに、図2に示すような従来技術におけるカスタム・サーバ間の多くの交換は、該クライアントを有する木構造が、ユーザの位置により、最適なレベルの詳しさに収れんする速度を制限する。この方法の1つの欠点は、ナビゲーションの開始時に、イメージまたはシーンの表示の連続的洗練化が該クライアントに見えて、視覚的不快感をこのクライアントにもたらすということである。
【0015】
また、これらの欠点は、該クライアントが、該シーンまたはイメージにおいて、すばやく動いたときに生じ、該ユーザの新たな視点をマッチングさせる情報の不足は、新たなノードを該サーバから受信したときに、該連続的洗練化の視認性を生じさせる。ここでもまた、木走査モード及び引き起こされる交換は、最適なレベルの詳しさに対する速い収れんをもたらさない。
【発明の開示】
【0016】
4.発明の概要
本発明は、従来技術のこれらの欠点を有せず、サーバと少なくとも1つのクライアント端末との間でのコンテンツの可視化のためのデータの送信の方法のかたちをとるアプローチを提案し、前記データは、少なくとも1つの親ノードと少なくとも1つの子ノードとを備える階層木のノード内に配列され、視覚化可能な要素は、前記ノードの各々と関連付けられている。
【0017】
本発明によれば、この種の方法は、以下のステップ、すなわち、
前記サーバによる前記クライアントに対する送信ステップであって、前記ノードの少なくともいくつかに対して、可視化すべき前記コンテンツ内に前記視覚化可能な要素を配置するための情報の一片のみを備える前記階層木の単純化した表示の送信ステップと、
可視化すべき前記コンテンツにおける、前記クライアント端末による、前記単純化した表示からの、少なくとも1つの関心対象ノード(node of interest)の選択ステップであって、前記関心対象ノードに関連する前記視覚化可能な要素からの前記クライアントの距離の判断基準の関数としての選択ステップと、
前記選択されたノードまたは関心対象ノードのための前記視覚化可能な要素の復元を可能にする幾何学的データの送信ステップと、
を備える。
【0018】
従って、本発明は、サーバと1つ以上のクライアント端末との間での、木構造内に配列された可視化データの送信に対する全く新規でかつ独創的なアプローチに依存する。実際には、本発明は、イメージまたはシーンの復元を可能にする幾何学的データを含まないが、ユーザが、全ての階層木を視ることを可能にし、かつ現在の視点の関数として、該シーンまたはイメージの復元に必要な幾何学的データを含むノードを選択する、単純化した木構造の最初の送信に依存する。その後、ニーズに細かく対応する要求を生成することができる。
【0019】
この送信の方法は、従来技術の方法と比較して、木構造データのより速いローディングに用いることができ、そのため、ユーザがシーンの可視化またはイメージの可視化を、視点に適応した最適なレベルの詳しさで始めることを可能にする。この発明は、ユーザの位置の急激な変化の場合、同じ利点をもたらす。
【0020】
従って、一つの有利な実施形態において、本発明は、初期化中、およびユーザの位置の急激な変化の場合の両方において、該表示の最適なレベルの詳しさに対するより速い収れんを提案する。従って、この有利な実施形態においては、本発明は、可視的である復元されたイメージまたはシーンの連続的な洗練化を伴うことなく、ユーザにとって感じの良い視覚的描画を可能にする方法を提案する。
【0021】
一つの特定の実施形態によれば、本発明は、木構造型コンテンツのネットワーク化した利用に適応され、要求モードで機能する可視化アプリケーションの最適化を可能にする。従って、この特定の実施形態において、本発明は、要求モードで機能するカスタム・サーバアーキテクチャに適している木構造で配列された可視化データの送信の方法を提案する。
【0022】
有利には、本発明は、様々な処理機能、特に、大量のクライアント端末が同じデータサーバにアクセスするカスタム・サーバアーキテクチャを有するクライアント端末に適応される。
【0023】
さらに、本発明の特定の実施形態において、この種の可視化データ送信方法は、リソース、特に、帯域幅及び送信時間に関して、コストがほとんどかからない。
【0024】
好ましくは、前記単純化した表示は、該木の前記ノードの各々のために以下のもの、すなわち、
前記ノードの識別子と、
前記ノードを、前記ノードの前記親ノードに、および/または前記ノードの前記子ノードにリンクできるようにする情報の一片と、
可視化すべき前記コンテンツにおける前記ノードに関連する前記視覚化可能な要素の中心の位置(例えば、該シーンまたは該イメージに関連するデカルト座標系における該要素の重心)と、
前記ノードに関連する前記視覚化可能な要素の選択のゾーンと、
を備える。
【0025】
この種の選択ゾーンは、例えば、可視化すべきコンテンツが3Dシーンである場合には、半径Rの球であり、または、可視化すべき該コンテンツが2Dイメージである場合には、半径Rの円盤である。また、該選択ゾーンは、該コンテンツの性質または視覚用途のニーズに適応された他のどのような形態もとることができる。
【0026】
子ノードと親ノードを接続するのに用いられる情報は、該単純化した木内で考えられた該ノードの親ノードの識別子の形態をとることができる。また、所定のノードに対して、該単純化した表示における子の数を表すために選定して、必要に応じて、それらの子ノードのコンテンツを送信することも可能である。
【0027】
有利には、前記クライアントの現在の位置が、前記選択ゾーンに含まれる場合には、前記階層木のノードは、関心対象ノードとして選択される。例えば、該シーンまたは該イメージに関連するデカルト座標系におけるユーザの位置が調べられ、この位置が、考えられた該ノードに関連する半径Rの上記球に含まれているか否かが判断される。
【0028】
一つの有利な特徴によれば、前記クライアント端末は、前記サーバに、前記関心対象ノードの前記可視化データを得るための要求を送信する。該関心対象ノードに含まれる幾何学的データを用いて、該クライアントは、実際に、視点に適応された該イメージまたは該シーンの表示を復元することができる。これらの要求は、ユーザの要求を対象とするものであり、該ユーザの要求に完全に対応しており、それによって、不必要なデータの送信を防ぐ。
【0029】
また、ユーザは、該復元されたシーンまたはイメージ内で迅速にナビゲートすることができる。
【0030】
好ましくは、前記送信動作に先立って、前記クライアント端末は、前記端末のキャッシュ内の前記関心対象ノードの前記データの存在を確認し、前記データが前記キャッシュ内に既に存在する場合、前記要求は前記サーバへ送信されない。
【0031】
それに伴って、該サーバは、該ユーザに必要な幾何学的データのみを送信するが、該ユーザはまだ利用できず、すなわち、該ネットワークの不必要な過負荷は、データトラフィックを必要な量に厳密に制限することによって防止される。
【0032】
本発明の別の有利な特徴によれば、前記クライアントの前記現在の位置が変化した場合、前記クライアント端末は、前記データがまだ、前記サーバによって送信されていなければ、もはや関心対象ノードではない少なくとも1つのノードから前記データを得るための前記要求のキャンセルをサーバに問い合わせる。
【0033】
実際には、ユーザが該サーバから特定の幾何学的データを要求する瞬間と、該サーバが該ユーザの要求に応じる瞬間との間には、一定の時間が経過する可能性がある。その間に、該ユーザが該シーンまたは該イメージ内において移動した場合には、および要求されたデータが古くなった場合には、該ユーザは、該サーバが不必要になる情報を送信することを防ぐために、該サーバにそのことを知らせることができる。
【0034】
有利には、前記選択ステップの間に、前記クライアント端末は、前記単純化した表示のノードを走査して、前記走査したノードの前記親ノードが関心対象ノードである場合にのみ、前記距離の判断基準が、前記走査したノードに対して確認されたか否かを判断する。従って、該ユーザが、階層木の異なるノードを検査して、それらが含む幾何学的データが、コンテンツを可視化するのに必要であるか否かを判断する際、該ユーザは、親ノードが関心対象ノードでなければ、該親ノードの子ノードを走査しない。従って、該木の全体を走査して、可視的なノードを判断する必要はない。この特徴は、以下に詳細に説明する親ノード及び子ノードの選択ゾーンの包含という特性に直接由来する。
【0035】
また、本発明は、プロセッサによりプログラムが実行された場合に、上述した、サーバと少なくとも1つのクライアント端末との間でのコンテンツ可視化データの送信の方法のステップの実行のためのプログラムコード命令を備える、コンピュータプログラムプロダクトに関する。
【0036】
また、本発明は、少なくとも1つのクライアント端末のためにデザインされたコンテンツの可視化のためのデータサーバに関し、前記データは、少なくとも1つの親ノードと少なくとも1つの子ノードとを備える階層木のノード内に配列されており、視覚化可能な要素が、前記ノードの各々と関連付けられている。このようなサーバは、
前記クライアントが、可視化すべき前記コンテンツにおける、前記単純化した表示からの、少なくとも1つの関心対象ノードの選択であって、前記関心対象ノードに関連する前記視覚化可能な要素からの前記クライアントの距離の判断基準の関数としての選択を実行するために、前記ノードのうちの少なくともいくつかに対して、可視化すべき前記コンテンツ内に前記視覚化可能な要素を配置するための情報の一片のみを備える前記階層木の単純化した表示の、前記クライアントに対する生成及び送信の手段と、
前記選択されたノードまたは関心対象ノードのための前記視覚化可能な要素の復元を可能にする幾何学的データの、前記クライアントへの送信の手段と、
を備える。
【0037】
また、本発明は、コンピュータ内で使用可能な、または前記コンピュータによって使用可能なキャリア上に記録されたプログラムコード命令を備えるコンピュータプログラムプロダクトに関し、前記プログラムは、サーバと、少なくとも1つのクライアント端末との間でのコンテンツの可視化のためのデータの送信を可能にし、前記データは、少なくとも1つの親ノードと、少なくとも1つの子ノードとを備える階層木のノード内に配列されており、視覚化可能な要素が、前記ノードの各々と関連付けられている。このようなコンピュータプログラムは、
前記サーバによる前記クライアントへの送信ステップであって、前記ノードのうちの少なくともいくつかに対して、可視化すべき前記コンテンツ内に前記視覚化可能な要素を配置するための情報の一片のみを備える前記階層木の単純化した表示の送信ステップを実行する、コンピュータ可読プログラミング手段と、
可視化すべき前記コンテンツにおける、前記クライアント端末による、前記単純化した表示からの、少なくとも1つの関心対象ノードの選択ステップであって、前記関心対象ノードに関連する前記視覚化可能な要素からの前記クライアントの距離の判断基準の関数としての選択のステップの実行のためのコンピュータ可読プログラム可能手段と、
前記選択されたノードまたは関心対象ノードのための前記視覚化可能な要素の復元を可能にする幾何学的データの、前記クライアントへの送信のステップを実行するコンピュータ可読プログラミング手段と、
を備える。
【0038】
また、本発明は、少なくとも1つの親ノードと、少なくとも1つの子ノードとを備える階層木のノード内に配列された可視化データからのコンテンツデータの可視化のためのクライアント端末に関し、視覚化可能な要素が、前記ノードの各々と関連付けられている。このような端末は、
サーバによって送信され、かつ前記ノードの少なくともいくつかに対して、可視化すべき前記コンテンツに前記視覚化可能な要素を配置するための情報の一片のみを備える、前記階層木の単純化した表示の受信の手段と、
前記単純化した表示からの、少なくとも1つの関心対象ノードの、可視化すべき前記コンテンツにおける前記関心対象ノードの選択であって、該関心対象ノードに関連する前記視覚化可能な要素からの前記クライアントの距離の判断基準の関数としての選択の手段と、
前記選択されたノードまたは関心対象ノードのための前記視覚化可能な要素の復元を可能にする幾何学的データの、前記クライアントへの送信の手段と、
を備える。
【0039】
5.符号の説明
本発明の他の特徴及び特性は、単純に例示的かつ非制限的実施例として示した具体的な実施形態の以下の説明から、および添付図面から、より明確になるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
6.発明の実施形態の説明
6.1 本発明の全般的な説明
本発明の一般的原理は、(木構造に含まれる幾何学的データのではなく)3Dイメージまたはシーンの可視化を可能にするデータの木構造の単純化した表示の、サーバによるクライアントへの送信、およびこの単純化した表示からの、視点に従って必要とする幾何学的データの、該クライアントによる選択に依存する。
【0041】
図3を参照すると、本発明によるクライアントサーバの交換の実施形態が示されている。実施形態のこの実施例は、親の選択ゾーンにおける子の選択ゾーンの包含を規定している。
【0042】
第1の段階30は、クライアント11の初期化に相当する。接続処理手順301の後、視覚化すべきシーンまたはイメージの単純化した説明を有するファイルを受信する302。この木の説明ファイルは、サーバ10によって生成され、可視化すべきノードの選択に用いられる情報のみを含む。従って、該木の詳しさのレベルに関連する各ノードに対して、該ファイルは、該シーンの座標系におけるその位置、ならびに選択ゾーンを、すなわち、該ノードの各々に対して、
該ノードのインデックスと、
該ノードの中心の位置(例えば、該イメージまたはシーンに関連するデカルト座標系における重心の位置x、y、z)と、
このノードのための選択ゾーン(例えば、該選択ゾーンが球または円盤状である場合、半径r)と、
親ノードのインデックスと、
を含む。
【0043】
該クライアントが木の説明ファイルを受信すると302、端末11は、このファイルを復号した後、該ノードの子のセットのための選択ゾーンが、親の選択ゾーン内に含まれているかを確認する。必要であれば、該クライアントは、該親ノードのための選択ゾーンを拡大する際に、この包含の特性との整合に必要な補正を行う。一旦、補正が行われると、該クライアントは、送信されている木構造を復元する。この確認は必須ではなく、また、該サーバによって、または、サードパーティのデバイスによって行うこともできる。
【0044】
第2の段階(31〜33)は、シーンの可視化に相当する。この可視化段階の間、クライアント11は、(該シーンまたはイメージに関連するデカルト座標系における(x、y、z)座標のかたちでも表される)該シーンまたはイメージにおけるユーザの位置の関数として可視化すべきノード35の選択を担当する。ユーザは、初期化30においてサーバ10によって送信された説明ファイルを使用する(341〜343)。ユーザ11の現在の位置が、ノード35iの選択ゾーンに含まれている場合、このノードが選択される。各時点で、ロードされたデータ及び必要なノードにより、該クライアントは、可視化データを受信するために、該サーバに要求を送信する。クライアント11が、該シーンまたはイメージの可視化のために必要とする情報は、幾何学的表示、圧縮イメージ、テクスチャに対するリンク、ウェーブレット係数等とすることができる。
【0045】
このようにして、第1の可視化ステップ31において、クライアント11は、サーバ10から受信した302木の単純化した表示を走査し341、符号351〜353のノードに含まれる幾何学的データを必要とするかどうかを判断する。該ユーザは、サーバ10に、このデータを取得するための要求311を送信し、サーバ10は、このデータを該ユーザへ送信する312。その結果、クライアント11は、符号351〜353のノードに関連するシーンまたはイメージの要素を見ることができる。例えば、該シーンが、市のモデルである場合、クライアント11は、その位置によって見える建物を可視化する。
【0046】
該ユーザによる該シーンの第1の動き151の後、該クライアント端末は、単純化した木を再び走査し342、該木のノードの各々を検査し、これまでに受信したノード352及び353の子ノード354〜357に含まれている幾何学的データの必要性があるかを判断する。そして、該クライアント端末は、サーバ10に、この不足しているデータを取得するための要求321を送信し、該サーバは、このデータを、該クライアント端末へ送信する322。受信時、該クライアントは、受信したデータ(354〜357)およびそのキャッシュ(351〜353)内に既に存在するデータから、符号351〜357のノードに関連する全ての要素の表示を復元する。
【0047】
該クライアントの位置の新たな変化152があった場合、該ユーザは、単純化した木の新たな走査343を介した第3の可視化ステップ33を始め、それによって該ユーザは、新たな位置を考慮して、符号351〜355のノードのみが、該ユーザにとって関心のあるノードを構成しているかを判断することができる。関心対象ノード351〜355に含まれる全ての幾何学的データは、クライアント端末11のキャッシュ内に既に格納されているため、この第3の可視化ステップ33の場合、該端末との交換は必要なく、すなわち、クライアント11は、該ユーザが既にロードしているデータを使用する。
【0048】
図3に示すこの伝送方法は、どのような種類の木構造データにも、特に、3Dシーン及び2Dイメージの細部のマルチレベル表示に適用することができる。実際には、細部のマルチレベル表示は、該シーンまたはイメージの複雑さを視点に適応できるようにする。木の形態で行われた構造化は、該シーンの異なるレベルの細部を格納するのに用いられる。そして、根ノードは、より粗いレベルの細部を表し、葉ノードは、該シーンのより詳細なモデル(初期モデル)に相当する。情報のいくつかの部分は、該木のノードに格納することができる。
【0049】
例えば、3Dシーンの場合、以下のものを挙げることができる。
リッジ・マージャー(ridge mergers)を格納する、Hoppe(「Efficient Implementation of Progressive Meshes」,Computer and Graphics,vol.22,pp.27−36,1998)またはLuebke(「View−Dependent Simplification of Arbitrary Polygonal Environments」,Computer Graphics SIGGRAPH97,vol.31,pp.199−208,New York,1997,ACM Press)によって提案された「Vertex Trees」。
J.Royanらによって提案されたPBTree(「PBTree―A new progressive and hierarchical representation for network−based navigation in urban environments」,VMV 2003,Munich,Germany)は、2D1/2データ(土地占有面積、標高、高さ)として表された建物に対して行われた単純化を格納する。
3Dオブジェクトの各レベルの細部のためのファセットインデックスの格納を可能にするVRMLレベルの細部。
【0050】
MPEG4(「Motion Picture Expert Group」)VTC及びJPEG2000(「Joint Picture Expert Group」)表示等のイメージの細部のマルチレベル表示に関しては、木構造は黙示的であり、イメージの入れ子ピクセルゾーンへの細分化に依存する(例えば、該イメージは、該木の4つのノードに関連する4つのゾーンに細分化され、その後、それらの親ゾーンの各々も、該木の4つの子ゾーンに関連する4つの子ゾーンに細分化され、その他いろいろである)。情報のアイテムは、該イメージの何らかのゾーンを洗練するように送信される。
【0051】
この文書においては以下で、上述した階層的PBTree構造に依存する本発明の一実施形態の実施例を、より具体的に説明する。
【0052】
6.2 本発明の特定の実施形態の説明
以下、詳しさのレベルに関連するデータの選択が、可視化すべきシーンまたはイメージにおける該データに関連する視覚化可能な要素の重心の位置に依存する、本発明の特定の実施形態の実施例の説明を記載する。以下において、該説明は、J.RoyanらによるPBTreeマルチレベル詳細アルゴリズムに基づいて記述された、市の3D表示に焦点を当てる。
【0053】
図4は、そのような表示に関連する木構造(PBTree)を示す。このPBTreeの各ノード40iは、所定の詳しさのレベルにおける建物の2D1/2モデルを格納する。建物のセットの詳細のこのマルチレベル表示を生成するのに用いられる単純化は、全部で3つである。すなわち、
・土地占有面積のピークの排除、
・2つの隣接する建物の融合、
・2つの隣接していない建物の融合。
【0054】
従って、図4において、符号41のノードのセットは、融合することができる全てのノードを一緒にグループ化し、符号42のノードのセットは、アクティブノード(すなわち、その関連するコンテンツが、上記クライアント端末上で可視化され、洗練化される傾向があるノード)のリストを表す。
【0055】
この木に加えて、該市のモデルは、該ノードの各々に関連する該建物の占有面積を定義するベクトルによって記述される。各ノードは、関連する建物の3D復元を可能にする2D1/2表示を含まなければならず、また、以下の要素、すなわち、
木ノード構造と、
建物の土地専有面積(上記ベクトルにインデックスが付けられたポリゴン)と、
高さと、
海抜と、
ルーフモデルと、
場合により、該建物のより複雑な3Dモデリングを可能にする1つ以上のパラメータと、
を備える。
【0056】
この表示は、クライアントに対する連続的または段階的な視点依存性送信を可能にする。
【0057】
オーバーフライトナビゲーションモードの場合の該PBTree、ならびに構築プロセスおよびその用途の説明は、上述した論文(「PBTree―A new progressive and hierarchical representation for network−based navigation in urban environments」,VMV 2003,Munich,Germany)に詳しく記載されており、また、本特許出願の目的ではない。しかし、PBTreeというコンセプトに対するさらなる情報のためにここで説明する。
【0058】
本願明細書において以下に説明する実施は、より具体的には、ユーザの位置の関数として送信すべきノードの選択に関連する。
【0059】
図5は、2つの主要な段階に体系化された、6つの連続ステップを備える木構造の説明ファイルを生成する方法のブロック図である。この生成は、上記サーバにより、オブジェクトの可視化データの記憶時、または、このオブジェクトへのアクセスを希望するユーザによる第1の要求の受信時に実行される。
【0060】
第1の段階50は、ノードの各々に関連する選択ゾーンの計算からなる。この段階は、オブジェクト(シーンまたはイメージ、この場合は市)を表す全体の木のローディング52で始まり、上記クライアント端末は、可視化することを希望する。反復ループにおいて、次に、上記サーバは、ローディングした木のノードの各々を介して、順序不同の走査でステップ53へ進む。走査したノードの各々に対して、該サーバは、ノード選択ゾーン、すなわち、ユーザが、該ノードのコンテンツのローディングを必要とするのに配置されなければならない地理的ゾーンを決める(ステップ54)。本発明の実施形態の一つの特定の実施例においては、該選択ゾーンを定義するために、元のモデルの関数として計算される幾何学的誤差を用いることが提案される。より具体的には、該選択ゾーンは、多数のパラメータを伴う包括的な費用関数を用いる場合、その半径が、元のモデルに対する幾何学的誤差の関数として選定される球である。
【0061】
該サーバは、この計算した該選択ゾーンの各々の中心を保存し(ステップ55)、該木の全てのノードが、正確に処理されたかを確認する(ステップ56)。そうでない場合、符号53のステップに戻って、該木を走査し、イエスの場合には、該方法の第2の段階へ進む。
【0062】
階層木の単純化した表示を生成する第2の段階51は、親ノードのゾーンにおける子ノードの該ゾーンの包含の特性の確認からなる。実際には、実施形態のこの特定の実施例においては、この包含という制約を、該木の全てのノードに対して確認すべきであるということが決定される。この第2の段階51は、任意である。
【0063】
ここでもまた、該サーバは、該木のノードの各々を走査するが(ステップ58)、その走査順序は、以下のように決まる。すなわち、最初に、該木の底部におけるノード、すなわち、葉ノードが走査されて、この動作は、根元で終了する。走査された該ノードの各々に対して、該ノードが1つ以上の子を有するか否かを調べるためにチェックが行われる。有していない場合、この動作は、前のステップ57に戻って、該木のノードを走査する。応答が肯定的である場合、この動作は、次のステップ59へ流れて、親ノードの選択ゾーンにおける子ノードのセットのための選択ゾーンの包含を確認する。先祖テスト58は、該木の葉ノードに関連する選択ゾーンの変更がないことを示す。
【0064】
子ノード及び親ノードのための選択ゾーンの包含の特性の確認のステップ59には、次の計算が適用される。すなわち、Opを、親ノードpのための選択ゾーンの中心とし、Onを、子ノードnのための選択ゾーンの中心とする。Rpを、親ノードpのための選択ゾーンの半径とし、Rnを子ノードnのための選択ゾーンの半径とする。OpとOnとの間には、距離dnが存在する。次のことを確認しなければならない。
【0065】
∀n,dn+Rn<Rp
【0066】
少なくとも1つの子ノードに対して、この不等式が確認されない場合、親ノードの選択ゾーンは、包含特性が適合するように広げられる。
【0067】
次いで、該木の全てのノードが正しく処理されているかをチェックするために、テスト56が実施される。結果が否定的である場合、該サーバは、該木を走査するステップ57に戻り、結果が肯定的である場合には、階層木の単純化した表示の生成が終了する(ステップ60)。
【0068】
図6は、図5に従って生成された木構造の説明ファイルの幾何学的表示を示す。該ノードの各々に関連する可視化要素は、市の説明スペースにおける位置を有する。図6の左側の部分は、考察される市を描写できるようにする該木構造の異なるノード611〜741、およびこの木構造の根ノード611に関連する選択ゾーン612を示す。図6の右側の部分は、ノード611〜741のための選択ゾーンの包含の特性を示す。ノード及び関連する選択ゾーンは、インデックスがなければ、同じ参照符号を有し、該ノードに関連するインデックスは1であり、該選択ゾーンに関連するインデックスは2であることに留意されたい。
【0069】
図6を見て分かるように、葉ノード721、731及び741に関連する選択ゾーン722、732及び742は、符号671のノードに関連する選択ゾーン672に含まれている。同様に、子ノード651、661及び671に関連する選択ゾーン652、662及び672は、符号621のノードに関連する選択ゾーン622に含まれている。最終的に、ノード621、631及び641に関連する選択ゾーン622、632及び642は、根ノード611に関連する選択ゾーン612に含まれている。
【0070】
本発明の実施形態のこの実施例において、2D表示の場合、該選択ゾーンは円である。3Dモデルの場合には、該選択ゾーンは球である。それらの球の中心は、(該市内にリリーフ機能がない場合を除いて)同じ面内に位置している必要はないことに留意することが重要である。そのため、図6は、市の表示の考察の場合、平面図であると考えるべきである。
【0071】
当然、該木構造が異なる可視化データを含む場合には、該選択ゾーンのための他の表示(四角形、多角形等)の使用を想定することも可能である。
【0072】
図5の処理の終了時において、該階層木のノードの各々に対して、次のもの、すなわち、
該木におけるノードのインデックスと、
(該市の表示に関連する座標系におけるデカルト座標(x,y,z)のかたちでの)該ノードの重心の位置と、
(半径rのかたちで表され、該選択ゾーンが、該ノードの重心に中心がある球である)このノードのための選択ゾーンと、
親ノードのインデックスと、
を含むファイルが得られる。
【0073】
一つの変形例においては、該親ノードのインデックスを示す代わりに、各ノードに対して、該親ノードが有する子ノードの数を示すことも可能である。
【0074】
上記サーバによる(図3において、符号301が付けられた)初期化要求の受信時に、上記クライアント端末へ送信されるのがこのファイルである。該クライアント端末によるローディング時間を最適化するために、このファイルの異なるノードの特定の組織化を選択することが可能である。
【0075】
図7は、このファイルの受信時に、市を可視化するために該クライアント端末によって実施される関心対象ノードの選択のメカニズムを示す。
【0076】
本発明の実施形態のこの実施例において、可視化すべきノードを選択するのはクライアントである。上記サーバへ要求を送信して、木構造を可視化するのに必要なデータを送るように要求するのも該クライアントである。実際には、単純化した木表示(または、該木構造の説明ファイル)は、それによって該市を復元することが可能である幾何学的情報は含まず、そのため、該クライアントは、一旦、ノードを選択したら、該サーバに、この情報を要求しなければならない。
【0077】
一つの代替の実施形態においては、該ノードの選択及び該要求の送信が、例えば、該クライアント端末よりも大きな処理能力を備えた、該ネットワークの介在装置へシフトされるケースを想定することができる。
【0078】
該クライアント端末による(または、該ネットワークの介在装置による)関心対象ノードの選択は、2つの主要な段階、すなわち、テストすべきノードのリスト(list of nodes to be tested;LNT)からの潜在的関心対象ノードのリスト(list of nodes of potential interest;LNP)の生成のための段階76と、該LNPリストを洗練化して、ローディングすべきまたは送信すべきノードを選択する第2の段階77とを備える。
【0079】
上記クライアント端末は、最初に、上記木の単純化した表示をロードし(ステップ70)、次いで、関心対象ノードの最後の選択以降、このシーンにおけるユーザの位置が変わったか否かを調べるためにテストする(ステップ75)。関心対象ノードの第1の選択である場合、この質問に対する応答は肯定的であり、該クライアント端末が第1の処理段階76に入るのを可能にする。テストすべきノードのリストLNTは、該木の根ノードによって初期化される(ステップ761)。次いで、該LNTリストが空でないかを調べるためにテストが行われる(ステップ762)。その答えが否定的である場合、該動作は、第2の処理段階77へ進む。答えが肯定的である場合は、該LNTの第1のノードが除去されて(ステップ763)、現在のノードとして採用される。
【0080】
符号764のステップは、ユーザの現在の位置が、該現在のノードの選択ゾーンに含まれているかを調べるために確認する際に存在する。Oをオブザーバーの位置とし、Onを該現在のノードの選択のゾーンの中心とし、Rnをこのゾーンの半径とする。|On−O|<Rnである場合、包含が存在する。
【0081】
次に、該動作は、該現在のノードが、可能性のあるノード、すなわち、潜在的関心対象ノードであるノードのリストLNPに加えられる、次のステップ765へ進む。次いで、このノードが葉であるかを調べるために、テストが行われる(ステップ766)。その答えが否定的である場合、このノードの子ノードがLNTリストの最後に加えられる。
【0082】
ユーザの位置が、現在のノードの選択ゾーン内にない場合(符号764のステップの結果)、または、現在のノードが葉である場合(符号766の検査の結果)、該動作は、LNTリストが空でないかを調べるためにテストが実行される符号762のステップに戻る。
【0083】
第2の処理段階77は、上記サーバとクライアントとの間での余計な送信を防ぐためのLNPリストの補正の段階であると見なすことができる。該LNPリストのノードの各々が走査されて(ステップ771)、各ノードに対して、このノードがクライアントのキャッシュに存在するかを調べるためにチェックが行われる(ステップ772)(該キャッシュの使用は、同じ情報の複数回の送信を防ぐために必要である)。該ノードが既に該キャッシュ内にある場合、該ノードは、該LNPから引き出される(ステップ773)。次いで、符号772のテストに対して否定的な応答がある場合には、該LNP内に確認すべきノードが残っているかを判断するために、ステップ774が実行される。残っている場合、該動作は第2の段階77の第1のステップ771へ戻る。
【0084】
残っていない場合には、補正されたLNPリストを用いて、該クライアント端末は、そのコンテンツが市を可視化するのに該端末にとって必要な、関心対象ノードの全てを使用することができる。その結果、該端末は、該サーバに、それらのノードの各々に関連する幾何学的データを取得するための要求を送信することができる。
【0085】
符号78のステップは、必要な場合における(このデータがキャッシュにない場合)、該ノードの幾何学的データの送信のためのステップである。そして、該動作は、関心対象ノードの全ての幾何学的データがロードされるまで、新たな位置をテストするための符号75のステップへ戻る。
【0086】
図7の処理を最適化するために、親ノードが関心対象ノードとして選択されない場合には、子ノードをテストすることを避けることが可能である。この最適化の場合、該木全体を走査して、そのコンテンツがユーザに見えるノードを判断することは必要ない(子ノードのための選択ゾーンは、それらの親の選択ゾーンに含まれていることが分かっている)。
【0087】
図9及び図10は、本発明のサーバ及びクライアント端末の2つのブロック図を示す。このように、該サーバは、メモリM91と、コンピュータプログラムPg92によって駆動されるプロセッサPを備えた処理ユニット90とを有する。処理ユニット90は、プロセッサPがプログラムPg92の命令に従って、該ノードの幾何学的情報を含まない該木の単純化した表示95をそこから生成する階層木のかたちで組織化された、3Dイメージまたはシーンの可視化のための可視化データ93を受取る。また、処理ユニット90は、クライアント端末の要求94を受信するようにデザインされた入力を有し、プロセッサPは、該要求によって、単純化した表示95、または、該端末が可視化すべきコンテンツをその視点の関数として再構築することを可能にする、幾何学的データ96の送信を有効にする。
【0088】
一例として、該クライアント端末は、メモリM101と、コンピュータプログラムPg102によって駆動されるプロセッサPを備えた処理ユニット100とを備える。処理ユニット100は、入力において、上記サーバによって生成された階層木の単純化した表示95を受取り、プロセッサPはそこから、プログラムPg102の命令に従って、1つ以上の関心対象ノードをユーザの視点の関数として選択し、対応する要求103を該サーバへ送信する。また、処理ユニット100は、該サーバによって生成された幾何学的データ96を受信するようにデザインされた入力を有し、プロセッサPは、該入力から、視覚化すべきコンテンツ104を、その視点の関数として再構築する。
【0089】
要するに、本発明の方法は、木構造データのより迅速なローディングを可能にする。可視的なノードを展開または融合する必要があるか否かを識別するのに、全ての可視的ノードを走査する必要はない。該ノードを再帰的に送信する必要もない。
【0090】
さらに、可視化すべきシーンにおけるユーザの動きが非常に速い場合、古くなったノードの送信をキャンセルして、新たな位置を示すことが可能である。
【0091】
上記クライアント端末によって視覚化すべきコンテンツが2Dイメージである特定の場合、および該イメージに関連する選択ゾーンが通常のものである場合、いくつかの種類の圧縮フォーマットを含む該イメージの木構造の説明ファイルを生成することが可能である。
【0092】
逆に、圧縮フォーマットを1つだけ用いる場合には、該イメージのコンテンツに従って選択ゾーンを適応させることが可能である。
【0093】
図8は、有用なこの実施例を示し、該イメージのマッピングは分かっており、ユーザは、該イメージに対する位置に従って必要とされる情報を問い合わせることができる。図8の異なるゾーン81、82、83は、異なる圧縮フォーマット(JPEG、JPEG2000等)に対応することができる。これらのフォーマットの各々は、異なる特性を有するため、それらの固有の特徴を、考察するゾーン内のイメージのコンテンツの関数として利用することは、非常に有用である。また、このマッピングの利用を想定して、該圧縮フォーマットが圧縮するイメージのコンテンツを考慮する該圧縮フォーマットを生成することも可能である。例えば、JPEG2000の場合、該ゾーンに従って、異なるサイズのタイルを有することは不可能である。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】従来技術に関連して既に説明した、可視化すべきモデルの従来の送信全体に依存する、サーバとクライアント端末との間での可視化データの送信のための方法を示す。
【図2】クライアントとサーバとの間での要求の連続的な交換により、可視化すべきモデルの連続伝送を実施する従来の方法を示す。
【図3】本発明の送信方法のブロック図を示す。
【図4】本発明の実施形態の特定の実施例における、市の3D表示に関連するPBTree型の木構造を示す。
【図5】図4の木構造の生成の方法のブロック図を示す。
【図6】図5のブロック図に従って生成された木構造の説明ファイルの幾何学的表示を示す。
【図7】クライアント端末による、関心対象ノードの選択のメカニズムのブロック図である。
【図8】選択ゾーンが定まっていない2Dイメージの実施例を示す。
【図9】本発明によるサーバ及びクライアント端末のブロック図を示す。
【図10】本発明によるサーバ及びクライアント端末のブロック図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ(10)と少なくとも1つのクライアント端末(11)との間でのコンテンツの可視化のためのデータの送信の方法であって、前記データが、少なくとも1つの親ノードと、少なくとも1つの子ノードとを備える階層木のノード(351〜357;401〜404;611〜741)内に配列されており、視覚化可能な要素が、前記ノードの各々と関連付けられている方法において、
前記サーバによる前記クライアントに対する送信ステップであって、前記ノードの少なくともいくつかに対して、可視化すべき前記コンテンツ内に前記視覚化可能な要素を配置するための情報の一片のみを備える前記階層木の単純化した表示の送信ステップ(302)と、
可視化すべき前記コンテンツにおける、前記クライアント端末による、前記単純化した表示からの、少なくとも1つの関心対象ノードの選択ステップであって、前記関心対象ノードに関連する前記視覚化可能な要素からの前記クライアントの距離の判断基準の関数としての選択ステップと、
前記選択されたノードまたは関心対象ノードのための前記視覚化可能な要素の復元を可能にする幾何学的データの送信ステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記単純化した表示が、前記階層木のノードの各々のために、
前記ノードの識別子と、
前記ノードを、前記ノードの前記親ノードに、および/または前記ノードの前記子ノードにリンクできるようにする情報の一片と、
可視化すべき前記コンテンツにおける前記ノードに関連する前記視覚化可能な要素の中心の位置と、
前記ノードに関連する前記視覚化可能な要素の選択のゾーン(612〜742)と、
を備えることを特徴とする、請求項1に記載の送信方法。
【請求項3】
前記階層木のノードは、前記クライアントの現在の位置が、前記選択ゾーンに含まれている場合、関心対象ノードとして選択されることを特徴とする、請求項2に記載の送信方法。
【請求項4】
前記クライアント端末は前記サーバへ、前記関心対象ノードの前記可視化データを得るための要求(311、321)を送信することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の送信方法。
【請求項5】
前記送信動作に先立って、前記クライアント端末が、前記端末のキャッシュ内の前記関心対象ノードの前記データの存在を確認すること(772)、および前記要求は、前記キャッシュに既に存在する前記データに対しては、前記サーバへ送信されないことを特徴とする、請求項4に記載の送信方法。
【請求項6】
前記クライアントの前記現在の位置が変化した場合(151、152)、前記クライアント端末は、前記データの一片がまだ、前記サーバによって送信されていなければ、もはや関心対象ノードではない少なくとも1つのノードから前記データを得るための前記要求のキャンセルを前記サーバに問い合わせることを特徴とする、請求項4または請求項5に記載の送信方法。
【請求項7】
前記選択ステップの間に、前記クライアント端末は、前記単純化した表示のノードを走査して、前記走査したノードの前記親ノードが関心対象ノードである場合にのみ、前記距離の判断基準が、前記走査したノードに対して確認されたか否かを判断することを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の送信方法。
【請求項8】
プロセッサによりプログラムが実行された場合に、請求項1から7のいずれか1項に記載の、サーバと少なくとも1つのクライアント端末との間でのコンテンツ可視化データの送信の方法のステップの実行のためのプログラムコード命令を備える、コンピュータプログラムプロダクト。
【請求項9】
少なくとも1つのクライアント端末のためにデザインされたコンテンツの可視化のためのデータサーバであって、
前記データが、少なくとも1つの親ノードと少なくとも1つの子ノードとを備える階層木のノード内に配列されており、視覚化可能な要素が、前記ノードの各々と関連付けられているデータサーバにおいて、
前記クライアントが、可視化すべき前記コンテンツにおける、前記単純化した表示からの、少なくとも1つの関心対象ノードの選択であって、前記関心対象ノードに関連する前記視覚化可能な要素からの前記クライアントの距離の判断基準の関数としての選択を実行するために、前記ノードのうちの少なくともいくつかに対して、可視化すべき前記コンテンツ内に前記視覚化可能な要素を配置するための情報の一片のみを備える前記階層木の単純化した表示の、前記クライアントに対する生成及び送信の手段と、
前記選択されたノードまたは関心対象ノードのための前記視覚化可能な要素の復元を可能にする幾何学的データの送信の手段と、
を備えることを特徴とする、データサーバ。
【請求項10】
コンピュータ内で使用可能な、または前記コンピュータによって使用可能なキャリア上に記録されたプログラムコード命令を備えるコンピュータプログラムプロダクトであって、前記プログラムが、サーバと、少なくとも1つのクライアント端末との間でのコンテンツの可視化のためのデータの送信を可能にし、前記データが、少なくとも1つの親ノードと、少なくとも1つの子ノードとを備える階層木のノード内に配列されており、視覚化可能な要素が、前記ノードの各々と関連付けられているコンピュータプログラムプロダクトにおいて、
前記サーバによる前記クライアントへの送信ステップであって、前記ノードのうちの少なくともいくつかに対して、可視化すべき前記コンテンツ内に前記視覚化可能な要素を配置するための情報の一片のみを備える前記階層木の単純化した表示の送信ステップを実行する、コンピュータ可読プログラミング手段と、
可視化すべき前記コンテンツにおける、前記クライアント端末による、前記単純化した表示からの、少なくとも1つの関心対象ノードの選択ステップであって、前記関心対象ノードに関連する前記視覚化可能な要素からの前記クライアントの距離の判断基準の関数としての選択ステップを実行する、コンピュータ可読プログラム可能手段と、
前記選択されたノードまたは関心対象ノードのための前記視覚化可能な要素の復元を可能にする幾何学的データの、前記クライアントへの送信のステップを実行するコンピュータ可読プログラミング手段と、
を備えることを特徴とする、コンピュータプログラムプロダクト。
【請求項11】
少なくとも1つの親ノードと、少なくとも1つの子ノードとを備える階層木のノード内に配列された可視化データからのコンテンツデータの可視化のためのクライアント端末であって、視覚化可能な要素が、前記ノードの各々と関連付けられているクライアント端末において、
サーバによって送信され、かつ前記ノードの少なくともいくつかに対して、可視化すべき前記コンテンツ内に前記視覚化可能な要素を配置するための情報の一片のみを備える、前記階層木の単純化した表示の受信の手段と、
前記単純化した表示からの、少なくとも1つの関心対象ノードの、可視化すべき前記コンテンツにおける前記関心対象ノードの選択であって、該関心対象ノードに関連する前記視覚化可能な要素からの前記クライアントの距離の判断基準の関数としての選択の手段と、
前記選択されたノードまたは関心対象ノードのための前記視覚化可能な要素の復元を可能にする幾何学的データの受信の手段と、
を備えることを特徴とする、クライアント端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2008−533575(P2008−533575A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−500168(P2008−500168)
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【国際出願番号】PCT/EP2006/060312
【国際公開番号】WO2006/094919
【国際公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(591034154)フランス テレコム (290)