説明

端末監視システム

【課題】第1の移動端末の使用者が存在する領域に第2の移動端末の使用者が所定期間以上存在することを、第1の移動端末に関する端末に通知することが可能な端末監視システムを提供する。
【解決手段】監視サーバ4は、無線端末2−1〜2−Nから、無線端末2−1〜2−Nそれぞれの位置情報を、時刻とともに受信する。また、監視サーバ4は、各無線端末2の位置情報と時刻とに基づいて、ある無線端末2と同じ所定の範囲内の場所に、所定期間存在している別の無線端末2を特定する。さらに、監視サーバ4は、無線端末#1に対し、無線端末#2が特定された場合に、その旨を示す通知を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1は、GPS(Global Positioning System)機能搭載の携帯型通信装置の位置を検索し、所在確認要求があった場合に位置情報を提供する防犯・防災情報システムを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−251088号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述した背景からなされたものであり、第1の移動端末の使用者が存在する領域に第2の移動端末の使用者が所定期間以上存在することを、第1の移動端末に関する所定の端末に通知することが可能な端末監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る端末監視システムは、複数の移動端末それぞれの位置情報およびその位置情報が得られた時刻に基づいて、所定期間以上、前記複数の移動端末のうちの第1の移動端末が存在する所定の範囲の領域に前記複数の移動端末のうちの第2の移動端末が存在する場合に、前記第2の移動端末を特定する端末特定手段と、前記端末特定手段によって前記第2の移動端末が特定された場合に、前記第1の移動端末に関する所定の端末にその旨を通知する通知手段とを有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る端末監視システムによれば、第1の移動端末の使用者が存在する領域に第2の移動端末の使用者が所定期間以上存在することを、第1の移動端末に関する所定の端末に通知することできる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施形態にかかる端末監視システムの構成を示す図である。
【図2】図1に示した無線端末の構成を示す図である。
【図3】図1に示した監視サーバの構成を示す図である。
【図4】図3(C)に示した無線端末、時刻および領域の関係を例示した図である。
【図5】監視サーバと無線端末等との通信における処理を示す通信シーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を説明する。
【0009】
図1は、本発明の実施形態にかかる端末監視システム1の構成を示す図である。
図1に示すように、端末監視システム1は、携帯電話等の無線端末(移動端末)2−1〜2−N(Nは、2以上の整数。但し、Nが常に同じ数であるとは限らない)との間で通信を行う基地局112と、基地局112を制御する基地局制御装置114と、監視サーバ4と、PC等の固定端末120とが、コアネットワーク102、インターネット100を介して接続されて構成される。
コアネットワーク102には、固定電話(図示せず)を接続する電話網104が接続されている。
なお、以下、無線端末2−1〜2−Nなど、複数ある構成部分のいずれかを特定せずに示すときには、単に、無線端末2などと略記することがある。
また、以下、単に、無線端末2−1を、無線端末#1(または端末#1)、無線端末2−2を、無線端末#2(または端末#2)などと記載することがある。
【0010】
無線端末2は、基地局112とデータの送受信を行う。
また、無線端末2は、GPS衛星10からのGPS信号を用いて、自己の物理的な位置を示す位置情報を、時刻とともに取得することができる。
つまり、無線端末2は、ある時刻における自身の無線端末2の位置情報を取得する。
【0011】
監視サーバ4は、無線端末2−1〜2−Nから、無線端末2−1〜2−Nそれぞれの位置情報を、時刻とともに受信する。
また、監視サーバ4は、各無線端末2の位置情報と時刻とに基づいて、ある無線端末2(例えば無線端末#1)と同じ所定の範囲内の場所に、所定期間存在している別の無線端末2(例えば無線端末#2等)を特定する。
さらに、監視サーバ4は、無線端末#1に対し、無線端末#2が特定された場合に、その旨を示す通知(他端末特定通知)を送信する。
【0012】
なお、監視サーバ4は、無線端末#1の代わりに、無線端末#1の使用者に関する固定端末120、または無線端末#1の使用者に関する別の無線端末2(例えば無線端末#X)に対して、他端末特定通知を無線端末#1の識別情報とともに送信してもよい。
なお、監視サーバ4は、無線端末#1等に対し他端末特定通知を送信する際に、特定された無線端末#2の位置情報を、併せて送信してもよい(つまり、他端末特定通知は、特定された無線端末#2の位置情報を含みうる)。
【0013】
無線端末2(無線端末#1)は、監視サーバ4から他端末特定通知を受信した場合に、警報音または振動を発生させ、それによって、無線端末#1の使用者は、他端末特定通知を受信したことを認識できる。
さらに、無線端末2(無線端末#1)は、監視サーバ4から特定された無線端末#2の位置情報を受信した場合に、その無線端末#2の位置情報を、無線端末#1の位置情報とともにディスプレイ等に表示してもよい。
【0014】
固定端末120または無線端末#1の使用者に関する別の無線端末2(無線端末#X)は、例えば無線端末#1の使用者の家族または警備会社等の端末であって、監視サーバ4から他端末特定通知を受信した場合に、警報音または振動を発生させ、それによって、固定端末120の使用者は、無線端末#1に関する他端末特定通知を受信したことを認識できる。
さらに、固定端末120または無線端末#1の使用者に関する別の無線端末2(無線端末#X)は、監視サーバ4から特定された無線端末#2の位置情報を受信した場合に、その無線端末#2の位置情報を、無線端末#1の位置情報とともにディスプレイ等に表示してもよい。
【0015】
図2は、図1に示した無線端末2の構成を示す図であり、(A)はハードウェア構成を示し、(B)はソフトウェア構成を示す。
図2(A)に示すように、無線端末2は、無線用アンテナ202、GPS用アンテナ204、受信部206、送信部208、GPS信号受信部210、制御部212、記憶部214、入出力部216、および振動部218から構成される。
【0016】
受信部206は、無線用アンテナ202を介して基地局112から無線信号を受信し、送信部208は、無線用アンテナ202を介して基地局112に対して無線信号を送信すする。
GPS信号受信部210は、GPS用アンテナ204を介してGPS衛星10からGPS信号を受信する。
制御部212は、通信に伴う信号処理および制御を行う。
【0017】
記憶部214は、図2(B)に示す端末ソフトウェア22等の処理プログラムと、通信に伴うデータおよびパラメータとを記憶する。
入出力部216は、例えばテンキーおよびマイク等の入力装置、および、ディスプレイ、LEDおよびスピーカ等の出力装置であって、使用者からの操作および音声等を受け入れ、制御部212の制御によって画像を表示し音声等を出力する。
振動部218は、制御部212の制御によって振動を発生させる。
【0018】
図2(B)は、無線端末2において動作する端末ソフトウェア24を示す。
図2(B)に示すように、端末ソフトウェア24は、物理層制御部240、プロトコルスタック制御部242、アプリケーション部246、アイドルタスク248およびGPS受信機能部250から構成される。
端末ソフトウェア24は、記憶部214にロードされ、図2(A)に示した無線端末2のハードウェア資源を具体的に利用して実行される。
端末ソフトウェア24において、物理層制御部240は、通信プロトコルの物理層に関する処理を行う。
【0019】
プロトコルスタック制御部242は、通信プロトコルのプロトコルスタック(データリンク層およびネットワーク層など)に関する処理を行う。
アプリケーション部246は、通信モジュールの制御を行う。
アイドルタスク248は、アイドル時にソフトウェアが正常に動作しているか否かを、タイマを用いて監視する。タイマがタイムアップすると、アイドルタスク248の制御によって、ハードウェアがリセットされる。
GPS受信機能部250は、GPS信号を受信し、位置情報に関する処理を行い、位置情報を取得する。
【0020】
図3は、図1に示した監視サーバ4の構成を示す図であり、(A)はハードウェア構成を示し、(B)はソフトウェア構成を示す。また、(C)は(B)に示した監視プログラム40において処理される監視用テーブルである。
図3(A)に示すように、監視サーバ4は、CPU152およびメモリ154などを含む本体150、キーボードおよび表示装置などを含む入出力装置156、他の装置との通信を行う通信装置158、および、CD装置およびHDD装置など、記録媒体162に対するデータの記録および再生を行う記録装置160から構成される。
つまり、監視サーバ4は、情報処理および他の装置との通信が可能なコンピュータとしてのハードウェア構成部分を有している。
【0021】
図3(B)は、監視サーバ4において動作する監視プログラム40を示す。
図3(B)に示すように、監視プログラム40は、通信処理部402、位置情報取得部404、位置情報格納部406、端末特定部408、および通知部410から構成される。
監視プログラム40は、メモリ154にロードされ、図3(A)に示した監視サーバ4のハードウェア資源を具体的に利用して実行される。
監視プログラム40において、通信処理部402は、ネットワーク100等を介して無線端末2との間で通信を行うために必要な処理を行う。
位置情報取得部404は、各無線端末2から、その無線端末2の位置情報を時刻とともに取得する。
位置情報格納部406は、無線端末2から取得した位置情報を、図3(C)に示す監視用テーブルを用いて格納する。
【0022】
図3(C)は、位置情報格納部406に格納される監視用テーブルを例示する図である。
図3(C)に示すように、位置情報格納部406は、各無線端末2からの位置情報を、各無線端末2と時刻とを関連付けて格納する。
このとき、位置情報格納部406は、その位置情報がどの所定の範囲の領域(エリアA〜Dなど)に対応するかを判断し、ある時刻に無線端末がその領域(エリア)に存在したことを示すように、監視用テーブルを格納する。
【0023】
例えば、無線端末#1は、時刻#1においてエリアAに含まれる位置情報に対応する位置に存在し、時刻#2においてエリアBに含まれる位置情報に対応する位置に存在する。
また、例えば、無線端末#4は、時刻#1においてエリアAに含まれる位置情報に対応する位置に存在し、時刻#2〜#4においてエリアBに含まれる位置情報に対応する位置に存在する。
なお、図3(C)に例示したエリアA〜Dなどは、例えば、市町村等の地理上の区画であってもよく、緯度経度等により任意にマトリックス状に区切られた領域であってもよく、任意の地点を中心とした半径数10m以内の領域であってもよく、または各基地局112のセルであってもよい。
【0024】
端末特定部408は、たとえば監視用テーブルを使用して、所定の無線端末(例えば無線端末#1)と同じ所定の範囲の領域に、所定期間存在している他の無線端末2があるか否かを判断し、ある場合はその無線端末2(例えば無線端末#2)を特定する。
たとえば、所定期間が時刻#1〜時刻#4の時間に対応する期間である場合について例示する。
端末特定部408は、時刻#4において、時刻#4,#3,#2,#1のときに無線端末#1と同じ領域に存在した無線端末2があるか否かを判断する。
【0025】
図4は、図3(C)に示した無線端末、時刻および領域(エリア)の関係を例示した図である。
図3(C)に示した例では、時刻#1において、無線端末#1〜#4が、同一領域であるエリアAに存在しており、時刻#2においても、無線端末#1〜#4が、同一領域であるエリアBに存在している(図4(A))。
また、時刻#3において、無線端末#1〜#3が、同一領域であるエリアCに存在しており(図4(B))、時刻#4において、無線端末#1,#2が、同一領域であるエリアDに存在している(図4(C))。
【0026】
つまり、無線端末#2が、時刻#1〜時刻#4にかけて、無線端末#1と同じ領域(エリアA〜D)に存在していた、言い換えれば、無線端末#2が時刻#1〜時刻#4にかけて、無線端末#1と同一の領域(エリア)を移動していたと判断される。
したがって、端末特定部408は、無線端末#1と同じ所定の範囲の領域に所定期間存在した他の無線端末2として、無線端末#2を特定する。
この場合、端末特定部408は、通知部410に対し、特定した無線端末#2の識別情報と、無線端末#2の現在の位置情報とを出力する。
通知部410は、端末特定部408からの無線端末#2の識別情報と現在の位置情報とを含む他端末特定通知を、無線端末#2または予め指定された端末(固定端末120または無線端末#X等)に対して、通知処理部402およびインターネット100等を介して送信する。
【0027】
図5は、監視サーバ4と無線端末2等との通信における処理(S10)を示す通信シーケンス図である。
図5に示すように、ステップ100−1〜100−3(S100−1〜S100−3)において、監視サーバ4は、無線端末2−1〜2−3から、これらの現在の位置情報を受信する。
ステップ102(S102)において、監視サーバ4は、各無線端末2の位置情報と時刻とに基づいて、ある無線端末2(例えば無線端末#1)と、所定期間、同一の領域を移動した別の無線端末2(例えば無線端末#2)を特定する。
ステップ104(S104)において、監視サーバ4は、他端末特定通知を、無線端末#2、または予め指定された固定端末120または無線端末2−Xに対して送信する。
【0028】
以上説明したように、本実施形態にかかる端末監視システム1は、第1の移動端末(無線端末#1)と同じ所定の範囲内の場所に所定期間存在している第2の移動端末(無線端末#2)が特定された場合に通知を行うことができる。
したがって、本実施形態にかかる端末監視システム1は、無線端末#1の使用者を尾行する者の存在を、無線端末#1の使用者およびその関係者、または警察等の監視者等に容易に通知することができる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、端末監視システムに利用可能である。
【符号の説明】
【0030】
1・・・端末監視システム,
2−1〜2−N・・・無線端末,120・・・固定端末,4・・・監視サーバ,40・・・監視プログラム,402・・・通信処理部,404・・・位置情報取得部,406・・・位置情報格納部,408・・・端末特定部,410・・・通知部,

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の移動端末それぞれの位置情報およびその位置情報が得られた時刻に基づいて、所定期間以上、前記複数の移動端末のうちの第1の移動端末が存在する所定の範囲の領域に前記複数の移動端末のうちの第2の移動端末が存在する場合に、前記第2の移動端末を特定する端末特定手段と、
前記端末特定手段によって前記第2の移動端末が特定された場合に、前記第1の移動端末に関する所定の端末にその旨を通知する通知手段と
を有する端末監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−228838(P2011−228838A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−94960(P2010−94960)
【出願日】平成22年4月16日(2010.4.16)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】