説明

端末装置、その制御方法、ならびに、プログラム

【課題】通信対戦ゲームの結果を記録する際の不正行為を防止する端末装置等を提供する。
【解決手段】通信対戦ゲームを提供する端末装置201において、記憶部202には、各プレイヤーの対戦履歴が記憶され、交換部203は、通信対戦を開始しようとする相手と対戦履歴を交換し、判定部204は、交換により得られた相手の対戦履歴と、記憶部202に記憶される相手の対戦履歴と、が矛盾するか否かを判定し、矛盾すると判定された場合、警告部205は、その旨を警告し、通信対戦が完了すると、更新部206は、記憶部202に記憶される自身の対戦履歴と、相手の対戦履歴と、を、当該完了した通信対戦の結果、判定の結果、ならびに、交換により得られた対戦履歴に基づいて更新し、自身と相手以外の他人の対戦履歴については、新しい対戦履歴で古い対戦履歴を上書き更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信対戦ゲームの結果を記録する際の不正行為を防止するのに好適な端末装置、その制御方法、ならびに、これらをコンピュータにて実現するプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、各種の通信対戦ゲームが提供されている。端末装置同士がサーバ装置を介さずに直接通信して対戦を行う形態では、対戦中に端末装置の電源やネットワーク接続を切断するような不正行為が生じることがあり、特許文献1には、このような不正行為を抑制する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−050323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
サーバ装置を利用しないシステムでは、対戦結果を端末装置に保存することとなる。この形態では、たとえば、対戦に負けた場合に、対戦結果が保存される直前にメモリカードを抜挿して交換し、対戦に負ける前のメモリカードをまた用いて、成績が悪くならないようにする、という不正行為がなされることがある。
【0005】
したがって、このような不正行為を適切に抑制できるようにしたい、との要望は強い。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するもので、通信対戦ゲームの結果を記録する際の不正行為を防止するのに好適な端末装置、その制御方法、ならびに、これらをコンピュータにて実現するプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の目的を達成するため、本発明の原理にしたがって、下記の発明を開示する。
【0008】
本発明の第1の観点に係る端末装置は、複数の端末装置のそれぞれを操作するプレイヤー同士を通信対戦させるゲームを提供し、記憶部、交換部、判定部、警告部、更新部を備え、以下のように構成する。
【0009】
すなわち、記憶部には、当該ゲームに参加するプレイヤーの対戦履歴が記憶される。
【0010】
典型的には、プレイヤーの対戦履歴には、各プレイヤーが使用しているキャラクターごとに、その名称、当該キャラクターを使用して行った通信対戦の勝敗数や取得ポイント数等の成績、そのキャラクターを使用して通信対戦を行った最後の日時、通信対戦の結果対戦相手からもらったメッセージ、そのキャラクターが作成された日時、そのキャラクターが現在も生きている(使用可能)かそれとも死んでいる(使用不可能)か、などの情報が含まれる。
【0011】
また、プレイヤーごとに、当該プレイヤーが最後に行った通信の日時、当該プレイヤーとの通信対戦において通信の切断が生じる等、各種のエラーの数を記憶するのが一般的である。
【0012】
なお、プレイヤーを区別するためには、プレイヤーの名称のほか、端末装置の製造番号やMAC(Media Access Control)アドレス、ゲームのソフトウェアのシリアル番号などを利用することができる。
【0013】
一方、交換部は、端末装置を操作するプレイヤー(以下「自身」という。)と他の端末装置を操作するプレイヤー(以下「相手」という。)との通信対戦が開始される前に、記憶部に記憶される対戦履歴と、当該他の端末装置の記憶部に記憶される対戦履歴と、を交換する。
【0014】
すなわち、通信対戦を開始する前に相手の端末装置から取得されるのは、相手の対戦履歴のほか、相手の端末装置が持つ他のプレイヤーの対戦履歴である。したがって、あるプレイヤーがさまざまなプレイヤーと通信対戦を行えば、あたかも噂が広まるように対戦履歴が伝播されるので、多数の端末装置において、対戦履歴が自然に共有されることになる。
【0015】
なお、交換の際に、端末装置同士が有するリアルタイムクロックの日時情報もあわせて交換することとし、両者のずれが所定の誤差範囲よりも大きい場合には、時刻合わせをするようプレイヤーに促すこととするのが望ましい。
【0016】
さらに、判定部は、交換により得られた相手の対戦履歴と、記憶部に記憶される相手の対戦履歴と、が矛盾するか否かを判定する。
【0017】
たとえば、相手のキャラクターが、記憶部内の対戦履歴では、相手のキャラクターが死んでいることになっており、交換により相手から得られた対戦履歴では、相手のキャラクターが生きていることになっている場合がある。一旦死んだキャラクターが二度と復活しないことを前提とするゲームにおいては、このような状況は、矛盾と判断される。
【0018】
一方、警告部は、判定により、矛盾すると判定された場合、その旨を警告する。
【0019】
対戦履歴に矛盾がある場合には、相手が不正行為を行っている可能性がある。このため、通信対戦を開始する前に警告し、本当に通信対戦を行うか、プレイヤーに確認するのが典型的である。
【0020】
さらに、更新部は、自身と相手との通信対戦が完了すると、記憶部に記憶される自身の対戦履歴と、相手の対戦履歴と、を、当該完了した通信対戦の結果、判定の結果、ならびに、交換により得られた対戦履歴に基づいて更新する。
【0021】
矛盾しないと判定された場合には、交換により得られた対戦履歴と現在記憶されている対戦履歴を結合し、これに完了した通信対戦の結果を勝敗数や取得ポイント数、そのプレイヤーが最後に行った通信の日時などに反映させる。
【0022】
相手のキャラクターが死んでいるために矛盾すると判定された場合には、上記の結合結果において、相手のエラーの数を増やし、死んでいるキャラクターの対戦成績やそのキャラクターを使って最後に通信対戦が行われた日時の情報は、記憶部に記憶されていた旧来の情報をそのまま維持するのが典型的である。
【0023】
また、記憶部の容量に制限がある場合には、情報が更新された日時が古いものから、あるいは、当該プレイヤーが最後に行った通信の日時が古いものから消去するのが典型的である。
【0024】
本発明によれば、対戦履歴を伝播させることで、通信対戦ゲームの結果を記録する際の不正行為の発見を可能とし、プレイヤーに不正行為をしないように促すことができるようになる。
【0025】
また、本発明の端末装置において、更新部は、自身でも相手でもないプレイヤー(以下「他人」という。)の対戦成績を、記憶部に記憶される他人の対戦履歴と、交換により得られた他人の対戦履歴と、のうち、最新のものに更新し、判定により矛盾しないと判定された場合、相手の対戦履歴を、当該完了した通信対戦の結果により更新し、判定により矛盾すると判定された場合、相手の対戦履歴を、当該矛盾を表す情報により更新する。
【0026】
本発明は、上記発明の好適実施形態に係るものであり、他人については対戦履歴を共有し、相手については矛盾のない場合にのみ対戦履歴を反映させるものである。
【0027】
本発明によれば、対戦履歴に矛盾が生じているプレイヤーと通信をした場合であっても、その他のプレイヤーの対戦履歴の共有が行われるので、対戦履歴の伝播がスムースに行われるようになる。
【0028】
また、本発明の端末装置において、通信対戦は、プレイヤーが作成したキャラクター同士を使用することにより進められ、キャラクターが死亡して以降は、当該キャラクターは使用することができなくなり、対戦履歴には、当該キャラクターの名称と、当該キャラクターが作成された日時と、当該キャラクターの生死を示す情報が含まれ、交換により得られた相手の対戦履歴と、記憶部に記憶される相手の対戦履歴と、において、キャラクターの名称と、作成された日時と、が一致し、交換により得られた対戦履歴には、キャラクターが生存している旨の情報が、記憶部に記憶される対戦履歴には、キャラクターが死亡している旨の情報が含まれている場合、判定部は、矛盾していると判定するように構成することができる。
【0029】
本発明は、上記発明の好適実施形態に係るものであり、キャラクターが「死んだ」「ロスト」状態になった場合には、復活できないようなゲームを想定したものである。プレイヤーが使用するキャラクターは、その名称と作成された日時によって区別されるので、通信対戦の際に画面に表示されるキャラクター名が同じであったとしても、作成された日時の情報が異なれば、別のキャラクターとして取り扱われる。
【0030】
本発明によれば、キャラクターが一旦死亡した場合には、二度と復活できないようなゲームにおいて、ある名称のキャラクターが使用不可となった場合に、同じ名称のキャラクターを作成したとしても、両キャラクターを別のキャラクターとして取り扱うことにより、プレイヤーは同じ名称のキャラクターを使用することができるようになる。
【0031】
また、本発明の端末装置において、記憶部は、端末装置から着脱可能な情報記録媒体に対戦履歴を記憶し、通信対戦ならびに交換部による交換は、端末装置と、他の端末装置と、の間のピアツーピア通信もしくはアドホックモード通信により行われるように構成することができる。
【0032】
本発明では、サーバ装置を用意しなくとも、対戦履歴の共有が可能であるから、通信対戦を行なう場合に、端末装置同士が近接して無線通信を行うアドホックモード通信に好適である。
【0033】
このほか、無線LAN(Local Area Network)アクセスポイント経由でインターネットを介してロビーサーバ装置に接続し、通信対戦相手を紹介してもらってから、ピアツーピア通信で対戦するような場合に適用することもできる。
【0034】
EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)により構成されたメモリカードやUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の、端末装置から着脱可能な情報記憶媒体に対戦履歴を記憶する場合には、通信対戦を開始する前に対戦履歴をある媒体Aにセーブしておき、別の媒体Bに交換してから通信対戦を行って、通信対戦に負けた場合には、その媒体Bを廃棄して、また媒体Aを利用する、という不正行為が生じやすい。
【0035】
本発明では、このような不正行為が生じたとしても、発見することができるようになるので、プレイヤーの不正行為をできるだけ抑制することができるようになる。
【0036】
本発明のその他の観点に係る制御方法は、複数の端末装置のそれぞれを操作するプレイヤー同士を通信対戦させるゲームを提供する端末装置を制御する制御方法であって、当該端末装置は、記憶部、交換部、判定部、警告部、更新部を備え、記憶部には、当該ゲームに参加するプレイヤーの対戦履歴が記憶され、交換工程、判定工程、警告工程、更新工程を備え、以下のように構成する。
【0037】
すなわち、交換工程では、交換部が、端末装置を操作するプレイヤー(以下「自身」という。)と他の端末装置を操作するプレイヤー(以下「相手」という。)との通信対戦が開始される前に、記憶部に記憶される対戦履歴と、当該他の端末装置の記憶部に記憶される対戦履歴と、を交換する。
【0038】
一方、判定工程では、判定部が、交換により得られた相手の対戦履歴と、記憶部に記憶される相手の対戦履歴と、が矛盾するか否かを判定する。
【0039】
さらに、警告工程では、判定により、矛盾すると判定された場合、警告部が、その旨を警告する。
【0040】
そして、更新工程では、更新部が、自身と相手との通信対戦が完了すると、記憶部に記憶される自身の対戦履歴と、相手の対戦履歴と、を、当該完了した通信対戦の結果、判定の結果、ならびに、交換により得られた対戦履歴に基づいて更新する。
【0041】
本発明のその他の観点に係るプログラムは、コンピュータを上記の端末装置の各部として機能させるように構成する。
【0042】
また、本発明のプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記憶媒体に記録することができる。
【0043】
上記プログラムは、プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記憶媒体は、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0044】
本発明によれば、通信対戦ゲームの結果を記録する際の不正行為を防止するのに好適な端末装置、その制御方法、ならびに、これらをコンピュータにて実現するプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】典型的な情報処理装置の概要構成を示す模式図である。
【図2】情報処理装置がROMカセットに記録されたプログラムを実行することにより実現される端末装置の概要構成を示す説明図である。
【図3】本実施形態にかかる端末装置を制御する処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】液晶ディスプレイに表示される表示例を示す説明図である。
【図5】液晶ディスプレイに表示される表示例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下に本発明の実施形態を説明する。以下では、理解を容易にするため、ゲーム用の情報処理装置を利用して本発明が実現される実施形態を説明するが、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。
【0047】
したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【実施例1】
【0048】
図1は、プログラムを実行することにより、本実施形態の端末装置として機能しうる典型的な情報処理装置の概要構成を示す模式図である。以下、本図を参照して説明する。
【0049】
本図に示す情報処理装置101は、携帯可能なマルチメディア端末であり、CPU(Central Processing Unit)102、RAM(Random Access Memory)103、ROM(Read Only Memory)104、入力装置105、画像処理部106、液晶ディスプレイ107、音声処理部108、ヘッドホン109、カセットリーダ110、ROMカセット111、外部メモリ112、RTC(Real Time Clock)113、無線LAN(Local Area Network)インターフェース114、カメラ115を備える。
【0050】
本実施形態に係るプログラムが記録されたROMカセット111を、情報処理装置101に装着することによって、本実施形態に係る端末装置が実現され、プレイヤーは情報処理装置101を利用して、他のプレイヤーと、通信対戦ゲームができるようになる。
【0051】
ここで、CPU 102は、情報処理装置101の各部を制御するとともに、各種の演算処理や判断処理を行う。
【0052】
情報処理装置101に電源が投入されると、CPU 102は、ROM 104に記録されたIPL(Initial Program Loader)を実行し、その処理の過程で、カセットリーダ110を介して接続されたROMカセット111に記録されたプログラムに処理を移行する。
【0053】
情報処理装置101で実行されるゲームプログラムやマルチメディア情報再生プログラムは、ROMカセット111によって提供されるのが一般的であるが、ROM 104内にあらかじめ用意しておくことも可能である。
【0054】
また、ROM 104内には、BIOS(Basic Input Output System)と呼ばれるプログラム群が用意されており、入力装置105や画像処理部106、音声処理部108の制御を行うことができる。
【0055】
RAM 103は、一時的な情報を記憶するための領域であり、外部メモリ112は、不揮発な情報を記憶するための領域である。外部メモリ112としては、ハードディスクなど、主として情報処理装置101に内蔵されるもののほか、各種のメモリカードなど、情報処理装置101に抜挿されるものを利用しても良い。
【0056】
入力装置105は、各種のボタンやキーボード、マウス、ジョイスティック等により実現されるのが一般的であるが、液晶ディスプレイ107と一体に形成されたタッチスクリーンを入力装置105として利用することも可能である。
【0057】
画像処理部106は、CPU 102の制御の下、各種の文字情報や画像情報を液晶ディスプレイ107に表示させるものであり、一般には、垂直同期割込周期(典型的には、30分の1秒や60分の1秒程度である。)ごとに、RAM 103内に用意されたフレームバッファに記憶された画素情報を液晶ディスプレイ107の各画素に反映させる。
【0058】
ユーザからの指示入力は、液晶ディスプレイ107に表示されたカーソルを入力装置105の移動ボタン操作により移動して、所望のメニュー項目にカーソルを合わせ、決定ボタン操作によって当該メニュー項目を選択するのが一般的であるが、タッチスクリーンを利用する場合にはカーソルは不要である。また、入力装置105の各ボタンに割り当てられる機能があらかじめ決まっている場合には、液晶ディスプレイ107に対する表示は、必ずしも必要ではない。
【0059】
音声処理部108は、RAM 103やROM 104、ROMカセット111、外部メモリ112に用意された音声データをヘッドホン109に出力する。音声データとしては、音声の波形データをディジタル化したPCM(Pulse Code Modulation)データや、PCMデータを圧縮してサイズを小さくしたMP3(MPeg audio layer-3)データ等を利用することが可能であるほか、MIDI(Music Instruction Data Interface)データのように、音高、音長、音量、音色の種類を定義するデータを用意し、これにしたがって、あらかじめ用意された音源波形データを適宜選択・変形して再生する手法を採用しても良い。
【0060】
RTC 113は、現在の日時を計測するもので、情報処理装置101を初めて利用する際に時刻合わせを行うのが一般的であるが、無線LANインターフェース114を介してNTP(Network Time Protocol)サーバに接続することで、自動的に時刻合わせを行うような態様を採用することも可能である。
【0061】
また、アラーム割込を発生させる機能を持つRTC 113もある。設定された時刻になるとアラーム割込が発生して、CPU 102は、現在実行中のプログラムを一時中断し、あらかじめ設定された割込ハンドラを実行してから、中断したプログラムを再開する。
【0062】
無線LANインターフェース114は、自宅や会社、街角に用意された無線LANアクセスポイントを介してインターネットに接続したり、近傍に配置された他の情報処理装置101と、アドホックに通信路を確立し、1対1で通信を行うなどが可能である。
【0063】
カメラ115は、情報処理装置101によってディジタルカメラの機能を実現するものであり、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)撮像素子などの技術を適用することが可能である。撮影された画像は、一時的にRAM 103に展開された後、外部メモリ112等に保存される。
【0064】
このほか、ビジネス用コンピュータ、携帯電話、PDA(Personal Data Assistant)、携帯ゲーム装置、多機能テレビジョン装置、DVD(Digital Versatile Disc)プレイヤー、携帯音楽プレイヤーなどを、本発明の端末装置が実現される情報処理装置として採用することもできる。
【0065】
図2は、情報処理装置101がROMカセット111に記録されたプログラムを実行することにより実現される端末装置の概要構成を示す説明図である。以下、本図を参照して説明する。
【0066】
本図に示すように、端末装置201は、記憶部202、交換部203、判定部204、警告部205、更新部206、対戦部207を備え、当該端末装置201を使用するプレイヤーと、当該端末装置201と同じ構成を有する他の端末装置201を使用するプレイヤーと、に、通信対戦ゲームを提供する。以下、まず各部の機能について概説し、ついで、各部の機能を、実際に行われる制御処理の流れにしたがって、詳細に説明する。
【0067】
まず、記憶部202には、当該ゲームに参加するプレイヤーの対戦履歴が記憶される。本実施形態では、記憶部202は、外部メモリ112により構成される。
【0068】
一方、交換部203は、端末装置201を操作するプレイヤー(以下「自身」という。)と他の端末装置201を操作するプレイヤー(以下「相手」という。)との通信対戦が対戦部207によって開始される前に、記憶部202に記憶される対戦履歴と、当該他の端末装置201の記憶部202に記憶される対戦履歴と、を交換する。この交換により、自身でも相手でもないプレイヤー(以下「他人」という。)の対戦履歴も、2つの端末装置201において共有されることになる。
【0069】
本実施形態では、CPU 102の制御の下、無線LANインターフェース114が外部メモリ112と共働して、交換部203として機能する。
【0070】
さらに、判定部204は、交換により得られた相手の対戦履歴と、記憶部202に記憶される相手の対戦履歴と、が矛盾するか否かを判定する。
【0071】
本実施形態では、CPU 102が、相手の端末装置201から得た対戦履歴を一時的に記憶するRAM 103および外部メモリ112と共働して、判定部204として機能する。
【0072】
そして、警告部205は、判定により、矛盾すると判定された場合、その旨を警告する。
【0073】
本実施形態では、CPU 102が画像処理部106と共働して液晶ディスプレイ107にその旨のメッセージを表示したり、対戦履歴の一覧を液晶ディスプレイ107に表示する際に、対戦履歴と矛盾するプレイヤーとそうでないプレイヤーとで表示のフォントや色を変化させるなどして、警告部205として機能する。
【0074】
さらに、対戦部207は、端末装置201と他の端末装置201との間で通信を行って、通信対戦ゲームを実現する。対戦部207には、各種の通信対戦ゲームの技術を適用することができる。
【0075】
典型的には、入力装置105が自身のプレイヤーからの指示入力を受け付け、同様に相手のプレイヤーが行った指示入力を無線LANインターフェース114でいずれか一方の端末装置201に集め、もしくは双方の端末装置201で交換し、CPU 102が当該指示入力に基づいてRAM 103に記憶された現在のゲームの状態を更新し、画像処理部106を制御してゲームの進行の状況を液晶ディスプレイ107に表示することによって、通信対戦ゲームが進行し、何らかの条件が満たされることによって、通信対戦が完了して、ゲームの勝敗等が定まることとなる。
【0076】
そして、更新部206は、自身と相手との通信対戦が完了すると、記憶部202に記憶される自身の対戦履歴と、相手の対戦履歴と、を、当該完了した通信対戦の結果、判定の結果、ならびに、交換により得られた対戦履歴に基づいて更新する。
【0077】
本実施形態では、CPU 102が、判定結果や通信対戦の結果、相手の対戦履歴が記憶されているRAM 103、自身の対戦履歴が記憶される外部メモリ112と共働して、更新部206として機能する。
【0078】
以下、これらの要素を実現するために情報処理装置101の各部が行う処理について、詳細に説明する。
【0079】
図3は、本実施形態にかかる端末装置201を制御する処理の流れを示すフローチャートである。以下、本図を参照して説明する。
【0080】
本処理が開始されると、CPU 102は、外部メモリ112を参照して、プレイヤー自身の情報や、当該プレイヤーが使用するキャラクターの情報を、RAM 103に読み出すとともに、RAM 103において、通信対戦に必要な情報の初期化を行う(ステップS301)。
【0081】
ここで、記憶部202として機能する外部メモリ112には、プレイヤーの対戦履歴として、各プレイヤーが使用しているキャラクターごとに、以下の情報が記憶される。
(a)キャラクターの名称。
(b)そのキャラクターを使用して行った通信対戦の勝敗数や取得ポイント数等の成績。
(c)そのキャラクターを使用して通信対戦を行った最後の日時。
(d)各通信対戦の結果、対戦相手からもらったメッセージ。
(e)そのキャラクターが作成された日時。
(f)そのキャラクターが現在も生きている(使用可能)かそれとも死んでいる(使用不可能)か。
【0082】
また、プレイヤーごとに、以下の情報が記憶される。
(a)プレイヤーが端末装置201を操作することによっていずれか他の端末装置201のプレイヤーと最後に行った通信の日時。必ずしも通信対戦が成立することを要しない。
(b)プレイヤーとの通信対戦において通信の切断が生じた等、各種のエラーの数。
(c)プレイヤーの対戦履歴に矛盾があると判定された回数。
【0083】
なお、プレイヤーを区別するためには、プレイヤーの名称のほか、端末装置201の製造番号やMAC(Media Access Control)アドレス、ゲームのソフトウェアのシリアル番号などを利用することができる。
【0084】
ついで、CPU 102は、無線LANインターフェース114を動作させて、近傍に配置される他の端末装置201とのアドホック通信を試行する(ステップS302)。アドホック通信が成立しなければ(ステップS302;No)、近傍に配置される無線LANアクセスポイントを介してインターネットに接続するインフラストラクチャ通信を試行する(ステップS303)。インフラストラクチャ通信も成立しなければ(ステップS303;No)、通信対戦ができない旨の報告を液晶ディスプレイ107に表示して(ステップS304)、本処理を終了する。
【0085】
一方、インフラストラクチャ通信が成立した場合(ステップS303;Yes)、所定のロビーサーバ装置との間で通信を行い、インターネットを介して接続される他の端末装置201の紹介を要求する(ステップS305)。すると、ロビーサーバ装置が、通信対戦を希望する他の端末装置201を紹介してくるので、当該他の端末装置201との、インフラストラクチャモードによる1対1通信を開始して(ステップS306)、ステップS308に進む。
【0086】
一方、アドホック通信が成立すれば(ステップS302;Yes)、当該通信相手の端末装置201との、インフラストラクチャモードによる1対1通信を開始して(ステップS307)、ステップS308に進む。
【0087】
1対1通信が開始されたら、CPU 102は、外部メモリ112に記憶された対戦履歴をRAM 103に一時的に読み出して(ステップS308)、無線LANインターフェース114を介して、当該対戦履歴を相手の端末装置201に送信する(ステップS309)。
【0088】
さらに、CPU 102は、相手の端末装置201から送信された対戦履歴を、無線LANインターフェース114を介して受信し(ステップS310)、一時的にRAM 103に記憶する(ステップS311)。
【0089】
すなわち、ステップS308〜ステップS311の処理によって、通信対戦を開始する前に、相手の端末装置201から、相手の対戦履歴のほか、相手の端末装置201が持つ他人のプレイヤーの対戦履歴が取得されることになる。
【0090】
なお、交換の際には、端末装置201同士が有するRTC 113の日時情報もあわせて交換することとし、両者のずれが所定の誤差範囲よりも大きい場合には、時刻合わせをするようプレイヤーに促すこととするのが望ましい。
【0091】
そして、CPU 102は、当該端末装置201に集められた対戦履歴のうち、他人の対戦履歴を結合する(ステップS312)。結合の際には、たとえば、以下のような処理を行う。
(a)同一のプレイヤーの同一のキャラクターの対戦履歴が両者に存在する場合には、そのプレイヤーが最後に行った通信の日時がより最近のもののみを採用し、古い対戦履歴は消去する。
(b)外部メモリ112には記憶容量の制限がある場合等には対戦履歴の個数を制限する必要がある。この場合には、プレイヤーが最後に通信を行った日時が古い対戦履歴から消去する。
(c)このほか、成績上位のプレイヤーについては、優先して対戦履歴を残したり、それ以外のプレイヤーについて、適宜古いものから対戦履歴を消去することとしても良い。また、成績の上位度と対戦履歴の新しさの両方に基づいて、消去するか否かの優先度を計算し、消去すべき対戦履歴を選択することとしても良い。
【0092】
結合ができたら、CPU 102は、結合された他人の対戦履歴を外部メモリ112に書き込む(ステップS313)。この処理により、RAM 103のうち、他人の対戦履歴が記憶されている領域を解放され、通信対戦等の処理で利用することができるようになる。
【0093】
このような処理を行うことで、あるプレイヤーの端末装置201がさまざまなプレイヤーの端末装置201と通信を行うだけで、あたかも噂が広まるように、対戦履歴が多数の端末装置201で、自然に共有されることになる。
【0094】
ついで、CPU 102は、
(a)ステップS311において受信した対戦履歴のうち相手の対戦履歴と、
(b)ステップS308において外部メモリ112から読み出された相手の対戦履歴と、
が矛盾するか否かを判定する(ステップS314)。
【0095】
本実施形態では、対戦においてキャラクターが敗北して体力パラメータが0になった場合に、当該キャラクターが「死亡」してしまい、当該キャラクターについての成績パラメータ等の更新は停止され、二度と復活できないものとする「真剣勝負モード」のゲームを想定している。
【0096】
あるプレイヤーが真剣勝負モードで勝利した回数や死亡したキャラクターの数は、対戦の成績の情報として採用することができる。当該勝利回数が多ければ多いほど、そのプレイヤーの習熟度は高いことになり、死亡したキャラクターの数が多ければ多いほど、熱心度が高いことになる。
【0097】
さて、本実施形態の情報処理装置101では、外部メモリ112として、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)により構成されたメモリカードやUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の、端末装置201から着脱可能な情報記憶媒体を採用している。
【0098】
このような場合、
(a)通信対戦を開始する前に、現在の対戦履歴を情報記録媒体Aにセーブし、
(b)情報記録媒体Aを情報処理装置101から外して、
(c)他の情報記録媒体Bを情報処理装置101に装着してから通信対戦を行い、
(d)通信対戦に負けた場合には、情報記録媒体Bに記録されたセーブデータを廃棄して、情報記録媒体Aを利用する
という不正行為が行われることがある。
【0099】
そこで、本実施形態では、
(a)ステップS311において相手の端末装置201から受信した相手の対戦履歴では、キャラクターが生存していることになっているにもかかわらず、
(b)ステップS308において外部メモリ112から読み出された対戦履歴ではキャラクターが死亡していることになっている
場合には、矛盾している、と判定すれば良い。
【0100】
あるキャラクターが死亡した、との情報が対戦履歴の交換によって広まっているにもかかわらず、当該キャラクターを使用しているプレイヤーからの情報では当該キャラクターが生きていることになっていれば、そのプレイヤーが上記のような不正行為をした可能性が高いからである。
【0101】
また、キャラクターの同一性は、キャラクター名だけではなく、キャラクターが作成された日時の情報等を合わせて比較することが望ましい。一旦「死亡」したキャラクターと同じ名前の同じキャラクターを新たに作成したこともありうるからである。
【0102】
プレイヤーが使用するキャラクターは、その名称と作成された日時によって区別されるので、通信対戦の際に画面に表示されるキャラクター名が同じであったとしても、作成された日時の情報が異なれば、別のキャラクターとして取り扱われる。
【0103】
キャラクターが一旦死亡した場合には、二度と復活できないようなゲームにおいて、ある名称のキャラクターが使用不可となった場合に、同じ名称のキャラクターを作成したとしても、両キャラクターを別のキャラクターとして取り扱うことにより、プレイヤーは同じ名称のキャラクターを使用することができるようになる。
【0104】
このほか、キャラクターが敗北して体力パラメータが0になった場合であっても、当該キャラクターは「生存」したままとする「練習モード」を選択することも可能なゲームにおいては、真剣勝負モードでの結果のみを参照することによって、矛盾か否かを判定すれば良い。
【0105】
相手について矛盾がない場合(ステップS314;No)、CPU 102は、画像処理部106を制御して、相手および他人の対戦履歴を成績順に液晶ディスプレイ107に表示する(ステップS315)。
【0106】
図4は、ステップS315において液晶ディスプレイ107に表示される表示例を示す説明図である。以下、本図を参照して説明する。
【0107】
画面401には、複数のプレイヤー/キャラクターの対戦成績402が複数、勝率の順に表示されており、相手のプレイヤー/キャラクターの対戦成績402aが画面中央に強調表示されている。
【0108】
また、メッセージ403として、入力装置105の矢印キー等を操作することによってスクロールさせることができることや、入力装置105のAボタンやBボタンを操作することによって、通信対戦を開始したり、通信対戦をやめたりすることができる旨が表示されている。
【0109】
表示されている対戦成績402の総数に対する現在の表示位置および現在の表示範囲は、スクロールバー411内におけるスクロールボックス412の位置および長さによって提示される。
【0110】
このほか、この表示画面で他の入力操作を行うことによって、当該キャラクターや当該プレイヤーの対戦履歴の詳細情報を閲覧できるように構成しても良い。
【0111】
一方、相手について矛盾がある場合(ステップS314;Yes)、CPU 102は、画像処理部106を制御して、相手および他人の対戦履歴を成績順に液晶ディスプレイ107に表示する際に、相手について矛盾がある旨を合わせて表示する(ステップS316)。
【0112】
図5は、ステップS316において液晶ディスプレイ107に表示される表示例を示す説明図である。以下、本図を参照して説明する。
【0113】
画面401に表示される情報は、図4における場合と類似しているが、相手のプレイヤー/キャラクターの対戦成績402aとして、当該プレイヤーが不正行為を行っているかもしれない旨の警告を表す警告マーク404が、合わせて表示されている。
【0114】
ステップS315およびステップS316において、CPU 102は、入力装置105の操作に基づいて、適宜画面表示を更新等し、ユーザの入力指示に基づいて、通信対戦を開始するか、それともやめるかを判定する(ステップS317)。
【0115】
通信対戦を開始する場合(ステップS317;Yes)、CPU 102は、通信対戦ゲームのための処理を実行して(ステップS318)、対戦が終了したら、対戦の結果に基づいて、外部メモリ112からRAM 103内に読み出された自身の対戦履歴を書き換え(ステップS319)、これを外部メモリ112に書き出す(ステップS320)。
【0116】
さらに、ステップS314において矛盾があると判定されたか否かを調べ(ステップS321)、矛盾がないと判定されていた場合(ステップS321;No)、対戦の結果に基づいて、無線LANインターフェース114から受信されRAM 103内に記憶された相手の対戦履歴を書き換え(ステップS322)、これを外部メモリ112に書き出して(ステップS323)、ステップS302に戻る。
【0117】
ステップS322においては、相手のキャラクターの成績やメッセージ、相手のキャラクターの生死の情報、相手のプレイヤーの通信日時などが更新されることになる。
【0118】
一方、矛盾があると判定されていた場合(ステップS321;Yes)、外部メモリ112からRAM 103内に読み出された相手の対戦履歴のうち、最後に行った通信の日時および矛盾ありと判定された回数を更新して(ステップS324)、これを外部メモリ112に書き出して(ステップS325)、ステップS302に戻る。
【0119】
これによって、「死亡」したはずのキャラクターの情報は、そのまま維持されることになり、以後の通信対戦においても当該端末装置201から他の端末装置201へ、噂が広まるように伝播していくことになる。
【0120】
通信対戦をやめる場合(ステップS317;No)、ステップS314において矛盾があると判定されたか否かを調べ(ステップS326)、矛盾がないと判定されていた場合(ステップS326;No)、対戦の結果に基づいて、無線LANインターフェース114から受信されRAM 103内に記憶された相手の対戦履歴のうち、最後に行った通信の日時を書き換え(ステップS327)、これを外部メモリ112に書き出して(ステップS328)、ステップS302に戻る。
【0121】
一方、矛盾があると判定されていた場合(ステップS326;Yes)、外部メモリ112からRAM 103内に読み出された相手の対戦履歴のうち、最後に行った通信の日時と矛盾ありと判定された回数を更新して(ステップS329)、これを外部メモリ112に書き出して(ステップS330)、ステップS302に戻る。
【0122】
このように、矛盾しないと判定された場合には、交換により得られた対戦履歴と現在記憶されている対戦履歴が結合され、完了した通信対戦の結果や勝敗数や取得ポイント数、そのプレイヤーが最後に行った通信の日時などが反映されることになる。
【0123】
特に、判定により矛盾しないと判定された場合、相手の対戦履歴は、当該完了した通信対戦の結果により更新され、判定により矛盾すると判定された場合、相手の対戦履歴は、当該矛盾を表す情報により更新されることになる。
【0124】
相手のキャラクターが死んでいるために矛盾すると判定された場合には、上記の結合結果において、相手の矛盾判定回数が増加し、死んでいるキャラクターの対戦成績やそのキャラクターを使って最後に通信対戦が行われた日時の情報は、記憶部202に記憶されていた旧来の情報がそのまま維持されることになる。
【0125】
このように、本実施形態によれば、対戦履歴を伝播させることで、通信対戦ゲームの結果を記録する際の不正行為の発見を可能とし、プレイヤーに不正行為をしないように促すことができるようになる。
【0126】
また、本実施形態によれば、対戦履歴に矛盾が生じているプレイヤーと通信をした場合であっても、他人のプレイヤーの対戦履歴の共有が行われるので、対戦履歴の伝播がスムースに行われるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0127】
以上説明したように、本発明によれば、通信対戦ゲームの結果を記録する際の不正行為を防止するのに好適な端末装置、その制御方法、ならびに、これらをコンピュータにて実現するプログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0128】
101 情報処理装置
102 CPU
103 RAM
104 ROM
105 入力装置
106 画像処理部
107 液晶ディスプレイ
108 音声処理部
109 ヘッドフォン
110 カセットリーダ
111 ROMカセット
112 外部メモリ
113 RTC
114 無線LANインターフェース
115 カメラ
201 端末装置
202 記憶部
203 交換部
204 判定部
205 警告部
206 更新部
207 対戦部
401 画面
402 対戦成績
403 メッセージ
404 警告マーク
411 スクロールバー
412 スクロールボックス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末装置のそれぞれを操作するプレイヤー同士を通信対戦させるゲームを提供する端末装置であって、
当該ゲームに参加するプレイヤーの対戦履歴が記憶される記憶部、
前記端末装置を操作するプレイヤー(以下「自身」という。)と他の端末装置を操作するプレイヤー(以下「相手」という。)との通信対戦が開始される前に、前記記憶部に記憶される対戦履歴と、当該他の端末装置の記憶部に記憶される対戦履歴と、を交換する交換部、
前記交換により得られた相手の対戦履歴と、前記記憶部に記憶される相手の対戦履歴と、が矛盾するか否かを判定する判定部、
前記判定により、矛盾すると判定された場合、その旨を警告する警告部、
自身と相手との通信対戦が完了すると、前記記憶部に記憶される自身の対戦履歴と、相手の対戦履歴と、を、当該完了した通信対戦の結果、前記判定の結果、ならびに、前記交換により得られた対戦履歴に基づいて更新する更新部
を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の端末装置であって、前記更新部は、
自身でも相手でもないプレイヤー(以下「他人」という。)の対戦成績を、前記記憶部に記憶される他人の対戦履歴と、前記交換により得られた他人の対戦履歴と、のうち、最新のものに更新し、
前記判定により矛盾しないと判定された場合、相手の対戦履歴を、当該完了した通信対戦の結果により更新し、
前記判定により矛盾すると判定された場合、相手の対戦履歴を、当該矛盾を表す情報により更新する
ことを特徴とする端末装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の端末装置であって、
前記通信対戦は、プレイヤーが作成したキャラクター同士を使用することにより進められ、キャラクターが死亡して以降は、当該キャラクターは使用することができなくなり、
前記対戦履歴には、当該キャラクターの名称と、当該キャラクターが作成された日時と、当該キャラクターの生死を示す情報が含まれ、
前記交換により得られた相手の対戦履歴と、前記記憶部に記憶される相手の対戦履歴と、において、キャラクターの名称と、作成された日時と、が一致し、前記交換により得られた対戦履歴には、キャラクターが生存している旨の情報が、前記記憶部に記憶される対戦履歴には、キャラクターが死亡している旨の情報が含まれている場合、前記判定部は、矛盾していると判定する
ことを特徴とする端末装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の端末装置であって、
前記記憶部は、前記端末装置から着脱可能な情報記録媒体に前記対戦履歴を記憶し、
前記通信対戦ならびに前記交換部による交換は、前記端末装置と、前記他の端末装置と、の間のピアツーピア通信もしくはアドホックモード通信により行われる
ことを特徴とする端末装置。
【請求項5】
複数の端末装置のそれぞれを操作するプレイヤー同士を通信対戦させるゲームを提供する端末装置を制御する制御方法であって、当該端末装置は、記憶部、交換部、判定部、警告部、更新部を備え、前記記憶部には、当該ゲームに参加するプレイヤーの対戦履歴が記憶され、
前記交換部が、前記端末装置を操作するプレイヤー(以下「自身」という。)と他の端末装置を操作するプレイヤー(以下「相手」という。)との通信対戦が開始される前に、前記記憶部に記憶される対戦履歴と、当該他の端末装置の記憶部に記憶される対戦履歴と、を交換する交換工程、
前記判定部が、前記交換により得られた相手の対戦履歴と、前記記憶部に記憶される相手の対戦履歴と、が矛盾するか否かを判定する判定工程、
前記判定により、矛盾すると判定された場合、前記警告部が、その旨を警告する警告工程、
前記更新部が、自身と相手との通信対戦が完了すると、前記記憶部に記憶される自身の対戦履歴と、相手の対戦履歴と、を、当該完了した通信対戦の結果、前記判定の結果、ならびに、前記交換により得られた対戦履歴に基づいて更新する更新工程
を備えることを特徴とする制御方法。
【請求項6】
コンピュータを、複数の端末装置のそれぞれを操作するプレイヤー同士を通信対戦させるゲームを提供する端末装置として機能させるプログラムであって、当該プログラムは、当該コンピュータを、
当該ゲームに参加するプレイヤーの対戦履歴が記憶される記憶部、
前記端末装置を操作するプレイヤー(以下「自身」という。)と他の端末装置を操作するプレイヤー(以下「相手」という。)との通信対戦が開始される前に、前記記憶部に記憶される対戦履歴と、当該他の端末装置の記憶部に記憶される対戦履歴と、を交換する交換部、
前記交換により得られた相手の対戦履歴と、前記記憶部に記憶される相手の対戦履歴と、が矛盾するか否かを判定する判定部、
前記判定により、矛盾すると判定された場合、その旨を警告する警告部、
自身と相手との通信対戦が完了すると、前記記憶部に記憶される自身の対戦履歴と、相手の対戦履歴と、を、当該完了した通信対戦の結果、前記判定の結果、ならびに、前記交換により得られた対戦履歴に基づいて更新する更新部
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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