説明

端末装置、それに用いられるプログラム及び情報処理システム

【課題】利用者の所望する閉領域の面積を高精度で提供する。
【解決手段】利用者が電子ペン10で、地図エリア100をなぞると、電子ペン10は、なぞった軌跡の座標を所定間隔で演算し、当該座標を含む記入情報250を生成し、端末装置25へ送信する。端末装置25は、電子ペン10から記入情報250を受信し、当該記入情報250の座標データ253に基づいて軌跡を形成し、当該軌跡により規定される閉領域の地図上の面積を算出する。さらに端末装置25は、地図エリア100の縮尺を利用することにより、地表上の面積S出することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペン装置によりペン装置用媒体等に印刷された地図上の面積情報を提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、「電子ペン」、「デジタルペン」などと呼ばれるペン型入力デバイスが登場しており(以下、本明細書では「電子ペン」と呼ぶ。)、その代表的なものとしてスウェーデンのAnoto社が開発した「アノトペン(Anoto pen)」が知られている。アノトペンは、所定のドットパターンが印刷された専用紙(以下、「専用ペーパー」とも呼ぶ。)とともに使用される。アノトペンは、通常のインクタイプのペン先部に加えて、専用紙上のドットパターンを読み取るための小型カメラと、データ通信ユニットを搭載している。利用者が専用紙上にアノトペンで文字などを書いたり、専用紙上に図案化されている画像にチェックマークを記入したりすると、ペンの移動に伴って小型カメラが専用紙に印刷されたドットパターンを検出し、利用者が書き込んだ文字、画像などの記入情報が取得される。この記入情報が、データ通信ユニットによりアノトペンから近くのパーソナルコンピュータや携帯電話などの端末装置に送信される。このアノトペンを利用したシステムは、キーボードに代わる入力デバイスとして利用することが可能であり、上述のパーソナルコンピュータやキーボードの使用に抵抗がある利用者にとっては非常に使いやすい。そのため、現在、各種ビジネス上の書類、申込書、契約書等に記入されたデータをデジタル化する手法として、電子ペンを利用したシステムが普及しつつある(特許文献1参照)。
【0003】
これに関連して、デジタイザなどの座標入力装置において、複数の座標値で囲まれる領域について、地図の縮尺も用いて面積を求める手法が提案されている(特許文献2参照)。
【0004】
また、本出願人は、Anoto社の技術に見られるような電子ペンを用い、地図が印刷されている上記専用ペーパー上で、利用者が上記電子ペンで閉曲線を描画すると、当該閉曲線内部の面積を算出する面積算出システムを提案している(特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】特表2003−511761号公報
【特許文献2】特公平3−50283号公報
【特許文献3】特開2006−309505号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献2においては、面積の具体的な求め方については何ら記載されていない。一方、特許文献3は、閉曲線内部を予め定義されている単位図形に分割することにより、当該閉曲線内部の閉領域の面積を計算している。しかし、実際には利用者が描画した閉曲線内部が整数個の単位図形に分割できるとは限らず、1個の単位図形に満たない誤差領域が生じる。このため、特許文献3の手法により得られる面積は概略値としては使用できるが、高精度の面積計算を要求されるような分野には適用することができない。
【0007】
本発明は、利用者の所望する閉領域の面積を高精度で提供する端末装置、それに用いられるプログラム及び情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの観点では、媒体に印刷されたコード化パターンを読み取って演算された離散的な座標データを電子ペン又はスキャナから受信し、その座標データの軌跡によって規定される閉領域の面積を演算する端末装置は、座標データを受信するデータ通信手段と、前記データ通信手段によって受信され、前記軌跡に沿って前記電子ペン又は前記スキャナによって演算された前記座標データに基づいて、前記軌跡により規定される閉領域の面積を演算する面積演算手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
上記の端末装置は、媒体に印刷されたコード化パターンを読み取って演算された離散的な座標データを電子ペン又はスキャナから受信し、その座標データの軌跡によって規定される閉領域の面積を演算する。具体的に、端末装置は、データ通信手段と面積演算手段とを備える。データ通信手段は、電子ペン又はスキャナから座標データを受信する。面積演算手段は、前記データ通信手段によって受信され、前記軌跡に沿って前記電子ペン又は前記スキャナによって演算された前記座標データに基づいて、電子ペン又はスキャナの軌跡を特定し、その軌跡により規定される閉領域の面積を演算する。
【0010】
本発明の他の観点では、地図エリアとコード化パターンが印刷された媒体の前記コード化パターンを読み取って演算された離散的な座標データを電子ペン又はスキャナから受信し、その座標データから前記地図エリア上の軌跡によって規定される閉領域の地表上の面積を演算する端末装置は、座標データを受信するデータ通信手段と、前記データ通信手段によって受信され、前記軌跡に沿って前記電子ペン又は前記スキャナによって演算された前記座標データ、及び、前記地図エリアにおける地図の縮尺値に基づいて、前記軌跡により規定される閉領域に対応する地表上の面積を演算する面積演算手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
上記の端末装置は、地図エリアとコード化パターンが印刷された媒体の前記コード化パターンを読み取って演算された離散的な座標データを電子ペン又はスキャナから受信し、その座標データから前記地図エリア上の軌跡によって規定される閉領域の地表上の面積を演算する。具体的に、端末装置は、データ通信手段と面積演算手段とを備える。データ通信手段は、電子ペン又はスキャナから座標データを受信する。面積演算手段は、データ通信手段によって受信され、前記軌跡に沿って前記電子ペン又は前記スキャナによって演算された前記座標データに基づいて、地図上の面積を算出する。そして、地図上の面積と、前記地図エリアにおける地図の縮尺値とに基づいて、前記軌跡により規定される閉領域に対応する地表上の面積を演算する。
【0012】
上記の端末装置の一態様では、さらに、前記面積演算手段によって演算された前記面積を報知する報知手段を備えることができる。これにより、利用者は面積演算手段によって演算された面積を報知手段により認識することができる。
【0013】
上記の端末装置の他の一態様では、前記面積演算手段は、前記閉領域を複数の微小領域に分割し、微小領域毎の面積の和を前記面積として計算する。これにより、閉領域が多数の曲線などにより構成される複雑な形状であっても、面積を精度良く算出することができる。
【0014】
本発明の他の観点では、媒体に印刷されたコード化パターンを読み取って演算された離散的な座標データを電子ペン又はスキャナから受信し、その座標データの軌跡から面積を演算するコンピュータにより実行されるプログラムは、座標データを受信するデータ通信手段、前記データ通信手段によって受信され、前記軌跡に沿って前記電子ペン又は前記スキャナによって演算された前記座標データに基づいて、前記軌跡により規定される閉領域の面積を演算する面積演算手段、として前記コンピュータを機能させる。
【0015】
本発明の他の観点では、地図エリアとコード化パターンが印刷された媒体の前記コード化パターンを読み取って演算された離散的な座標データを電子ペン又はスキャナから受信し、その座標データから前記地図エリア上の筆跡によって示される経路に対応する地表上の距離を演算するコンピュータにより実行されるプログラムは、座標データを受信するデータ通信手段、前記データ通信手段によって受信され、前記軌跡に沿って前記電子ペン又は前記スキャナによって演算された前記座標データ、及び、前記地図エリアにおける地図の縮尺値に基づいて、前記軌跡により規定される閉領域に対応する地表上の面積を演算する面積演算手段、として前記コンピュータを機能させる。
【0016】
上記プログラムをコンピュータにより実行することにより、上述の端末装置を実現することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る端末装置、それに用いられるプログラムによれば、電子ペン又はスキャナの操作により、利用者の所望する閉領域の面積を高精度で提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0019】
本実施形態の情報処理システムは、図1及び図2に示すように、電子ペン10、専用ペーパー(電子ペン用媒体)20及び端末装置25から構成される。ここで、図1は電子ペン10の使用形態を模式的に示す図であり、図2は電子ペン10の構成を示すブロック図である。専用ペーパー20には、ドットパターン(コード化パターン)が印刷されている。電子ペン10は、通常のインクペンと同様のペン先部17を備えており、利用者が通常のインクペンと同様にペン先部17によって専用ペーパー20上に閉曲線などを書くと、電子ペン10は、ペン先部17の移動軌跡(筆跡)に沿って、専用ペーパー20に印刷されたドットパターンを局所的、連続的に読み取り、専用ペーパー20におけるその局所位置の座標を算出し、その座標データ等を端末装置25へ送信する。電子ペン10は、端末装置25へ確実にデータを送信できるよう、端末装置25の近傍で使用される。端末装置25は、受信した座標データ等に基づいて、電子ペン10の移動軌跡により規定される閉領域の面積を演算する。以下、各構成について詳細に説明する。
【0020】
[専用ペーパー]
まず、専用ペーパー(媒体)20について説明する。専用ペーパー20は、用紙上にドットパターンが印刷され、さらにその上に地図などの図案や項目、文言、イラスト等が印刷されたものである。ドットパターンは、赤外線を吸収するカーボンを含んだインキにより印刷される。また、図案等は、赤外域に吸収性を持たないインキにより印刷される。ドットパターンと図案等とは用紙に対して同時に印刷してもよいし、どちらかを先に印刷してもよい。
【0021】
図3に、本実施形態で使用する地図等が印刷された専用ペーパー20の例を示す。図3に示す専用ペーパー20は、地図を表示する地図表示エリア100と、送信エリア110とを有する。利用者が電子ペン10で送信エリア110に接触すると、それまでに電子ペン10内部に記憶されていた座標データなどの記入情報が端末装置25へ送信される。ドットパターンは、専用ペーパー20のほぼ全面に印刷されており、その上に地図の図柄、地名等の文字などが赤外域に吸収性を持たないインキにより印刷されている。なお、図3の例では、地理上の1つの島が印刷されている。利用者は、ドットパターンを意識することなく、電子ペン10を用いて、上記地図エリア100上に所望の閉曲線を記入する。図3の例では、利用者は電子ペン80を用いて、「○○島」の輪郭をなぞっている。
【0022】
[ドットパターン]
続いて、ドットパターン(コード化パターン)について説明する。図4は、専用ペーパー20に印刷されたドットパターンのドットとそのドットが変換される値との関係を説明する図である。図4に示すように、ドットパターンの各ドットは、その位置によって所定の値に対応付けられている。すなわち、ドットの位置を格子の基準位置(縦線及び横線の交差点)から上下左右のどの方向にシフトするかによって、各ドットは、0〜3の値に対応付けられている。また、各ドットの値は、さらに、X座標用の第1ビット値及びY座標用の第2ビット値に変換できる。このようにして対応付けられた情報の組合せにより、専用ペーパー20上の位置座標が決定されるよう構成されている。
【0023】
図5(a)は、あるドットパターンの配列を示している。図5(a)に示すように、縦横約2mmの範囲内に6×6個のドットが、専用ペーパー20上のどの部分から6×6ドットを取ってもユニークなパターンとなるように配置されている。これら36個のドットにより形成されるドットパターンは、位置座標(例えば、そのドットパターンがその専用ペーパー20上のどの位置にあるのか)と、専用ペーパー20毎に固有の識別子であるドットパターンアドレスを保持している。図5(b)は、図5(a)に示す各ドットを、格子の基準位置からのシフト方向によって、図4に示す規則性に基づいて対応づけられた値に変換したものである。この変換は、ドットパターンの画像を撮影する電子ペン10によって行われる。
【0024】
[電子ペン]
次に電子ペン10について説明する。図2に示すように、電子ペン10は、その内部にプロセッサ11、メモリ12、データ通信ユニット13、バッテリー14、LED15、カメラ16、圧力センサ18及びクロック22を備える。また、電子ペン10は通常のインクペンと同様の構成要素としてインクカートリッジ(図示せず)などを有する。
【0025】
バッテリー14は電子ペン10内の各部品に電力を供給するためのものであり、例えば電子ペン10のキャップ(図示せず)の脱着により電子ペン10自体の電源のオン/オフを行うよう構成させてもよい。クロック22は、現在時刻(タイムスタンプ)を示す時間情報を発信し、プロセッサ11に供給する。圧力センサ18は、利用者が電子ペン10により専用ペーパー20上に文字などを書く際にペン先部17に与えられる圧力、即ち筆圧を検出し、プロセッサ11へ供給する。
【0026】
プロセッサ11は、圧力センサ18から与えられる筆圧データに基づいて、LED15及びカメラ16のスイッチのオン/オフを切換える。即ち、利用者が電子ペン10で専用ペーパー20上に記入すると、ペン先部17には筆圧がかかり、圧力センサ18によって所定値以上の筆圧が検出されたときに、プロセッサ11は、利用者が記入を開始したと判定して、LED15及びカメラ16を作動させる。その一方、圧力センサ18によって検出された筆圧が所定値未満であると、プロセッサ11は、利用者による筆記が終了したと判定して、LED15及びカメラ16の作動を終了させる。
【0027】
LED15は、電子ペン10のペン先付近に取り付けられており、専用ペーパー20上のペン先部17近傍(領域15a)に向けて、赤外線を照明する(図1参照)。領域15aは、ペン先部17が専用ペーパー20に接触する位置とはわずかにずれている。カメラ16は、LED15によって照明された領域15a内におけるドットパターンを撮影し、そのドットパターンの画像データをプロセッサ11に供給する。ここで、カーボンは赤外線を吸収するため、LED15によって照射された赤外線は、ドットの部分でドットに含まれるカーボンによって吸収される。そのため、ドットの部分は、赤外線の反射量が少なく、ドット以外の部分は赤外線の反射量が多い。したがって、カメラ16の撮影により、赤外線の反射量の違いから、カーボンを含むドットの領域とそれ以外の領域を区別することができる。たとえ撮影領域に図案等が印刷されてあったとしても、図案等のインクは、赤外域に吸収性を持たないため、ドットパターンを認識することができる。なお、カメラ16による撮影領域は、図5(a)に示すような約2mm×約2mmの大きさを含む範囲であり、カメラ16の撮影は、毎秒50〜100回程度行われる。
【0028】
プロセッサ11は、利用者によって記入が行われて、カメラ16が作動している間、カメラ16によって供給される画像データのドットパターンから、利用者が記入するストロークの専用ペーパー20上でのX,Y座標データ(単に「座標データ」とも呼ぶ)を連続的に演算していく。すなわち、プロセッサ11は、カメラ16によって供給される、図5(a)に示されるようなドットパターンの画像データを図5(b)に示すデータ配列に変換し、さらに、X座標ビット値・Y座標ビット値に変換して、そのデータ配列から所定の演算方法によりX,Y座標データを算出するとともに、ドットパターンアドレスを算出する。ここで、ドットパターンアドレスとは、専用ペーパー20の頁ごと又は種類ごとに設定される識別子であるが、ドットパターンアドレスと地図の縮尺情報とが対応できるよう、少なくとも、地図表示エリア100ごとにドットパターンアドレスが対応付けられている。
【0029】
そしてプロセッサ11は、クロック22から取得した時間情報251と、ドットパターンアドレス252と、座標データ253と、筆圧データ254とを関連付け、これらの情報を記入情報250として取得する。そして、プロセッサ11は、記入情報250を、データ通信ユニット13により端末装置25へ送信させる。図6に記入情報250の概念図を示す。ここで、一枚の専用ペーパー(媒体)20内の6×6のドットパターンは、その専用ペーパー20内で重複することはないため、利用者が電子ペン10で地図エリア100をなぞると、そのなぞった箇所が地図エリア100のどの位置であるかを、記入情報250から特定することができる。
【0030】
データ通信ユニット13は、プロセッサ11により供給される記入情報250を、端末装置25へ無線送信する。データ通信ユニット13による送信は、Bluetooth(登録商標)の無線送信によると好適である。なお、USBケーブルを使用した有線送信、端子などの接触によるデータ送信など、他の方法によって、データ通信ユニット13から端末装置25へデータ送信を行ってもよい。データ通信ユニット13による端末装置25への記入情報250の送信は、送信エリア110へのチェックマーク後に行われる。
【0031】
[端末装置]
次に、端末装置25について図7を参照して説明する。端末装置25は、ハードウェアとして、電子ペン10とのデータ通信が可能なアンテナ装置、CPU等のプロセッサ、ROMやRAMといったメモリ、スピーカ、ディスプレイ等で構成される、PCや携帯電話、或いは携帯端末である。図7は、端末装置25の機能ブロック図である。端末装置25は、電子ペン10から受信したX,Y座標データを含む記入情報250を用いて専用アプリケーションを実行することで所定の処理を行う。
【0032】
図7に示すように、端末装置25は、情報記憶手段40、データ通信手段41、面積演算手段42、音声出力部43及び表示部44を備える。物理的には、情報記憶手段40は、ROMやRAMといったメモリによって構成され、データ通信手段41は、データ通信ユニット、プロセッサ等によって構成され、音声出力部43はスピーカ、表示部44はディスプレイ等で構成される。また、面積演算手段42は、CPU等のプロセッサに組み込まれている。
【0033】
情報記憶手段40は、地図エリア100におけるドットパターンアドレス252に対応させて、地図エリア100に描かれた地図の縮尺値を記憶している。なお、縮尺値は、例えば「1:25000」のような比の形、あるいは「2万5千分の1」のような分数で表される。また、情報記憶手段40は、電子ペン10から取得した記入情報250と、面積演算手段42が演算した軌跡(筆跡)により規定される閉領域の面積や地表上の面積を記憶するメモリである。
【0034】
データ通信手段41は、電子ペン10のデータ通信ユニット13によって送信される記入情報250を受信する手段であり、Bluetooth(登録商標)による通信方式の電波を受信するアンテナ等により構成される。
【0035】
面積演算手段42は、データ通信手段41によって受信された複数の記入情報250を参照し、記入情報250に含まれるドットパターンアドレス252に対応付けられた縮尺値を情報記憶手段40から読み出す。また、面積演算手段42は、軌跡(筆跡)の座標データ253に沿って軌跡(筆跡)を決定し、その軌跡(筆跡)により規定される閉領域の面積、即ち地図エリア上の面積を算出する。さらに、面積演算手段42は、縮尺値を参照して、地図エリア上の面積から地表上の面積を演算する。面積演算手段42による面積計算について以下に詳細に説明する。
【0036】
図8は、面積演算手段42による面積計算の方法を説明するための図である。いま、図3に示すように、利用者が電子ペン10を利用し、専用ペーパー20の地図エリア100内に印刷されている「○○島」の輪郭をなぞることで送信された記入情報250を、端末装置25のデータ通信手段41が受信することにより、面積演算手段42は、その輪郭に対応した閉曲線150に沿って時系列順の複数のX,Y座標データを取得する。図8は、この閉曲線150を示す。
【0037】
図8において、面積演算手段42は、取得したされたX,Y座標データで表される位置座標を直線補間することにより閉曲線150を規定し、その閉曲線150内部の閉領域151を複数の微小領域160に分割する。具体的には、まず、閉領域151のX座標の最小値Xmin及び最大値Xmaxを求め、XminからXmaxの間を、X方向の長さがdxである複数の微小区間に分割する。これら微小区間毎に微小領域160が規定される。複数の微小領域160毎に面積を計算し、その合計を閉領域151の面積とする。
【0038】
ここで、ある微小区間dxで補間される関数をft(x)とし、Y座標の値が大きい関数からt=0,1,2,…とする。すなわち、ある微小区間dxで補間される関数を、Y座標の値が大きい関数から順にf(x),f(x),f(x),…とする。そして変数「k」を導入し、
Xminのとき、k=0、
Xmin+dxのとき、k=1、
Xmin+2dxのとき、k=2、
Xmin+3dxのとき、k=3、
……
Xmaxのとき、k=kmax、
として、kを、閉領域151内に存在する微小領域160の順位とする。
【0039】
=Xmin、bmax=bkmax=Xmax、
となるようなX座標aj、bjによって順位kにおける微小区間dxを定義すると、X座標ajからbj間の微小区間dx内にある閉領域151の面積Mjの一般式は、次式で表される。
【0040】
【数1】

ただし、N=(tmax−1)/2 である。
【0041】
図8の例では、tmaxが1の場合の微小領域160pとtmaxが5の場合の微小区間160qが斜線により例示されている。微小領域160pは1つの領域である。一方、微小領域160qは、Y方向に並んだ3つの領域160q、160q、160qにより構成されている。1つの微小区間dxにおける微小領域160の面積をMjで示すこととする。
【0042】
例えば、微小領域160pの面積Mj(p)は、微小領域160pを規定する関数f(x)とf(x)の差の積分により得られ、以下の式により算出される。
【0043】
【数2】

【0044】
一方、微小領域160qは3つの領域から構成される。微小領域160qの面積はMj(q)で示される。なお、微小領域160qの面積Mj(q)は、3つの領域160q、160q、160qの面積の和となる。微小領域160qを構成する3つの領域の面積をMj1(q)、Mj2(q)、Mj3(q)とすると、各領域の面積はその領域を規定する関数の差の積分により得られ、以下のようになる。
【0045】
【数3】

よって、微小領域160qの面積Mj(q)は、上記3つの領域の面積の和となり、以下の式により得られる。
【0046】
【数4】

【0047】
面積演算手段42は、こうしてX座標の最小値Xminから最大値Xmaxまでの間に規定される複数の微小領域についてそれぞれ面積を計算し、それらの総和を閉領域151の面積、即ち地図上の面積として算出する。
【0048】
このように、本実施形態では、利用者の筆跡により規定される閉領域151が多数の曲線を含む複雑な形状であったとしても、それを複数の微小領域160に分割し、微小領域160毎の面積の総和として算出するので、精度の高い面積計算が可能となる。
【0049】
また、面積演算手段42は、記入情報250に含まれるドットパターンアドレスに基づいて、情報記憶手段40に記憶された縮尺情報を参照して、そのドットパターンアドレスに対応した縮尺値を取得する。そして、面積演算手段42は、位置座標が専用ペーパー20における実寸に則しているものとすれば、上記のように演算した地図上の面積と縮尺値とから、利用者が記入した閉曲線内部の閉領域の地表上の面積Sを以下のように演算する。
【0050】
【数5】

ここで、「c」は縮尺率であり、例えば2万5千分の1などである。
【0051】
また、面積演算手段42は、こうして演算した地表上の面積Sを、音声出力部43から音声で報知させる。音声による案内メッセージ例は「面積は、○○kmです。」である。なお、面積演算手段42は、さらに地表上の面積Sを表示部44上に文字などで表示してもよい。
【0052】
[専用アプリケーション]
次に、端末装置25にインストールされる専用アプリケーション(プログラム)55について図9を参照して説明する。図9は、専用アプリケーション55のモジュール構成を示す。専用アプリケーション55は、電子ペン10が専用ペーパー20をなぞった経路に関する記入情報250に基づいて所定の処理を実行するものであって、ダウンロード等により予め端末装置25にインストールされている。専用アプリケーション55は、専用ペーパー20に対応付けられており、電子ペン10による専用ペーパー20への記入により、端末装置25が記入情報250を受信することにより、専用アプリケーション55が動作する。
【0053】
図9に示すように、専用アプリケーション55は、データ通信モジュール300、情報記憶モジュール301、及び面積演算モジュール302を有する。
【0054】
データ通信モジュール300は、専用アプリケーション55をダウンロードしたり、電子ペン10から記入情報250を受信したりする機能を有する。データ通信モジュール300は、端末装置25にデータ通信手段41を構成させるモジュールである。
【0055】
情報記憶モジュール301は、地図エリア100におけるドットパターンアドレス252に対応させて、地図エリア100に描かれた地図の縮尺値を保持し、また、電子ペン10から取得した記入情報250と、面積演算手段42が演算した地図上の面積や地表上の面積をメモリに記憶させる機能を有する。情報記憶モジュール301は、端末装置25に情報記憶手段40を構成させるモジュールである。
【0056】
面積演算モジュール302は、複数の記入情報250を参照し、座標データ253に沿った軌跡を決定し、その軌跡により規定される閉領域の面積を求め、さらに、記入情報250のドットパターンアドレス252に対応付けられた縮尺値を情報記憶手段40から読み出して、縮尺値を参照して地表上の面積Sを演算し、音声出力部43に対して音声で地表上の面積Sを報知させる機能を有する。面積演算モジュール302は、端末装置25に面積演算手段42を構成させるモジュールである。
【0057】
[面積演算処理]
次に、本実施形態の電子ペン・システムにより行われる面積演算処理について図10及び図11を参照して説明する。図10は面積演算処理のフローチャートであり、図11は面積演算処理中の面積演算ステップのフローチャートである。
【0058】
ここで、本実施形態における面積演算処理とは、利用者が電子ペン10を専用ペーパー20の地図エリア100に接触させてから離脱させるまでの間に、なぞった閉曲線内部の閉領域における地表上の面積Sを算出し、その結果を通知する処理である。
【0059】
図3に示すように、利用者は、電子ペン10のペン先部17により、専用ペーパー(電子ペン用媒体)20の地図エリア100内の面積計算の対象となる領域(図3の例では「○○島」)の輪郭をなぞる。電子ペン10は、圧力センサ18で検出された筆圧が所定値以上となったことで、電子ペン10のペン先部17が専用ペーパー20に接触したことを検出し、カメラ16によって特定の接触開始点からドットパターンの撮像を開始し、専用ペーパー20上での局所的なX,Y座標データ(位置座標)とドットパターンアドレスを演算する。そして、利用者が地図エリア上の面積計算の対象となる領域の輪郭をなぞり終えるまで(即ち、電子ペン10が閉曲線をなぞって接触開始点に戻り接触が解除されるまで)、電子ペン10は利用者がなぞった閉曲線上のX,Y座標の集合である筆跡データを取得する(ステップS1)。
【0060】
利用者が面積計算の対象となる領域をなぞり終え、電子ペン10を送信エリア110(図3参照)に接触させると、電子ペン10は図6に示す記入情報250を端末装置25へ送信する(ステップS2)。端末装置25は、電子ペン10から送信された記入情報250を受信し(ステップS3)、面積演算を行う(ステップS4)。ステップS4において実行される面積演算の詳細なフローチャートを図11に示す。
【0061】
面積演算手段42は、記入情報250から筆跡データを取得し(ステップS21)、筆跡データに基づいて閉領域を認識する(ステップS22)。図3の例では、利用者により「○○島」の輪郭がなぞられたことで電子ペン80が取得した筆跡データに基づいて閉曲線150が特定され、その内部の閉領域151(図8参照)が認識される。次に、面積演算手段42は、閉領域を構成する座標データから、X座標の最大値Xmax及び最小値Xminを特定する(ステップS23)。そして、面積演算手段42は、X座標の最小値Xminから微小区間dxの位置におけるする1つ目の微小領域160を認識し、その微小領域160における関数ft(x)を求める(ステップS24)。そして、面積演算手段42は、前述のように、その微小領域における2つの関数の差を積分することにより、当該微小領域160の面積Mjを求める(ステップS25)。
【0062】
次に、面積演算手段42は、X座標の最大値Xmaxに相当する最後の微小区間160(即ち、j=kmax)まで面積Mjを計算し加算したかを判定し(ステップS26)、加算していない場合には(ステップS26;No)、次の微小区間dxに対応する微小領域160における関数ft(x)を同様に求める(ステップS27)。そして、面積演算手段42は、求められた関数ft(x)に基づいてその微小領域160の面積Mjを求め、先に求められている微小領域の面積Mjに加算する(ステップS26)。こうして、面積演算手段42は、X座標の最大値Xmaxに対応する最後の微小領域160まで、微小領域160面積Mjを繰り返し求めて加算する。
【0063】
全ての微小領域160の面積Mjが加算されると(ステップS26;Yes)、その面積Mjの和は地図上の閉領域151の面積となる。続いて、面積演算手段42は、情報記憶手段40に記憶された縮尺情報を参照して、位置座標情報に含まれるドットパターンアドレスに対応した縮尺率(縮尺値)cを取得する。そして、面積演算手段42は、地図上の面積と、縮尺率cとを用いて地表上の面積Sを算出する(ステップS28)。さらに、面積演算手段42は、算出された地表上の面積Sを音声出力部43から音声により利用者に報知する(ステップS29)。こうして、面積演算処理は終了する。
【0064】
このように、利用者が電子ペン10を所望の閉曲線に沿って地図エリア100上でなぞると、それに応じて、電子ペン10は、なぞった閉曲線の位置座標を取得する。そして、端末装置25は、その位置座標に基づいて、地図上における閉曲線内部の閉領域の面積を演算し、地表上の面積Sを音声出力部43を介して出力することができる。
【0065】
[本実施形態による作用効果]
実施形態の電子ペン及び端末装置によれば、利用者が電子ペン10で地図表示エリア100をなぞると、電子ペン10は、なぞられた経路上の座標を所定間隔で演算し、当該座標を含む記入情報250を生成し、メモリ12に記憶する。そして、利用者が電子ペン10を送信エリア110に接触させると、電子ペン10は、当該記入情報250を端末装置25へまとめて送信する。
【0066】
端末装置25は、電子ペン10から記入情報250を取得し、当該記入情報250の座標データ253に基づいて、軌跡(筆跡)を決定し、当該軌跡により規定される地図上の面積を算出する。さらに、端末装置25は、縮尺値cを参照し、軌跡により規定される地図上の閉領域に対応する地表上の面積Sを演算して音声出力部43または表示部44により出力する。これにより、利用者はこの情報処理システムによって、地図上の所望する領域の精度の高い地表上の面積を簡単に知ることができる。
【0067】
なお、本発明は、上記の実施形態に限られない。
【0068】
上記実施形態では、面積演算手段42によって、閉領域151を規定するための閉曲線150が、演算された位置座標を直線補間することにより規定されたが、その代わりに、設定された微小区間dx内のいくつかの位置座標を間引き、その領域に近接する位置座標同士を直線補間して関数ft(x)を設定してもよい。これにより、面積演算手段42による処理の負荷を軽減することができる。
【0069】
また、上記実施形態では、電子ペン10は、送信エリア110をチェックマークをしたときに、記入情報250を端末装置25へ送信したが、位置座標を演算する都度、逐次且つ即時的に端末装置25へ送信するようにしてもよい。このとき、端末装置25のデータ通信手段41は、逐次的に記入情報250を受信し、面積演算手段42は、ペン・アップとなった最後の記入情報250の受信を確認した後、面積演算処理を行うようにするとよい。
【0070】
また、上記実施形態では、地図エリア100上でなぞられた閉領域に対応する地表上の面積Sを求めるために、面積演算手段42が縮尺値cを参照しているが、単に、専用ペーパー20上でなぞった閉領域の面積を求めたい場合には、面積演算手段42は縮尺値cを使用することなく、地図上の面積を音声出力部43に音声で出力させるようにしてもよい。
【0071】
上記実施形態では、データ通信手段41によって受信された記入情報250に含まれる座標データ253が連続して同じであれば、同じ座標データ253の記入情報250のうち、2つ目以降の記入情報250を情報記憶手段40に記憶せず、面積演算手段42も軌跡の長さの演算に加味しないようにしてもよい。これにより、端末装置25の処理の負担を低減することができる。同様にして、上記第実施形態の電子ペン10は、取得した記入情報250に含まれる座標データ253が連続して同じであれば、同じ座標データ253の記入情報250のうち、2つ目以降の記入情報250をメモリ12に記憶しないようにしてもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、位置座標を求める装置としてインクカートリッジを有する電子ペン10を使用したが、インクカートリッジの付いていないペン型スキャナを用いてもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、端末装置25は、音声出力部43によって音声で地表上の面積Sを報知したが、これに限られず、表示部44へ文字や画像で出力するようにしてもよい。
【0074】
また、上記実施形態では、閉曲線150は、ペン・ダウン位置からペン・アップ位置までの一回のストロークにより記入された軌跡によって規定されているが、面積演算手段42は、複数のストロークの軌跡から閉曲線150を規定するよう処理してもよい。これにより、利用者は、無理に一回のストロークで閉空間を描かなくとも、数回のストロークで閉空間150を描くことで、閉空間150の地表上の面積Sを知ることができる。また、専用ペーパー20が地図でない場合には、面積演算手段42によって、閉曲線150内の面積そのものを演算し、報知手段43,44によって報知させるとよい。
【0075】
また、電子ペン10内に、ペン自体又はその所有者に関するプロパティ情報(ペン情報又はペン所有者情報)を保持しておき、端末装置25から参照することができるようにしてもよいし、プロパティ情報の全部又は一部を記入情報と共に端末装置25に送信するようにしてもよい。ペン情報としては、バッテリーレベル、ペンID、ペン製造者番号、ペンソフトウェアのバージョン、サブスクリプションプロバイダのID、空きメモリ容量などが挙げられる。また、ペン所有者情報としては、国籍、言語、タイムゾーン、emailアドレス、名称、住所、ファックス/電話番号、携帯電話番号などが挙げられる。
【0076】
また、上記実施形態では、ドットは赤外線を吸収するカーボンを含むインクとし、電子ペン10のLED15を、赤外線を照射するLEDとし、カメラ16によって赤外線の反射量の差によって、電子ペン10でドットパターンを読み取っていたが、これに限らない。例えば、ドットは所定波長の光によって所定波長を発光するインクとし、電子ペン10のLED15を、ドットのインクを発光させる光を照射するものとし、カメラ16によってドットのインクが発光する波長の領域を検知することによって、電子ペン10でドットパターンを読み取るようにしてもよく、カメラ16によってドットパターンが読み取れれば、ドットのインクの種別やLED15の照射光等は上記実施形態で示したものに限られない。また、専用ペーパー20における位置座標が特定できるものであれば、ドットパターンの代わりに、別のコード化されたパターン、例えば、2次元コードパターンなどであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、電子ペン用媒体から構成される地図上で所定領域の面積を算出するアプリケーションに適用することができる。また、例えば球形のボールなどの立体測定対象物に対して電子ペン用媒体をあてがって測定対象領域を電子ペンでなぞり、その測定対象領域の面積を算出するアプリケーションにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】電子ペンの使用形態を模式的に示す図である。
【図2】第1実施形態における電子ペンの構成を示すブロック図である。
【図3】実施形態における専用ペーパーを示す図である。
【図4】専用ペーパーに印刷されたドットパターンによる情報の表現方法を説明する図である。
【図5】(a)は、ドットパターンを模式的に示し、(b)は、それに対応する情報の例を示す図である。
【図6】記入情報の構成を示す図である。
【図7】実施形態における端末装置の機能ブロック図である。
【図8】閉領域の面積演算方法を説明する図である。
【図9】実施形態における専用アプリケーションのモジュール構成図である。
【図10】実施形態における面積演算処理のフローチャートである。
【図11】面積演算処理中の面積演算ステップのフローチャートである。
【符号の説明】
【0079】
10…電子ペン、11…プロセッサ、12…メモリ、13…データ通信ユニット、14…バッテリー、15…LED、16…カメラ、18…圧力センサ、20…専用ペーパー(媒体)、22…クロック、25…端末装置、40…情報記憶手段、41…データ通信手段、42…面積演算手段、43…音声出力部、44…表示部、55…専用アプリケーション、100…地図エリア、110…送信エリア、150…閉曲線、151…閉領域、160…微小領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体に印刷されたコード化パターンを読み取って演算された離散的な座標データを電子ペン又はスキャナから受信し、その座標データの軌跡によって規定される閉領域の面積を演算する端末装置であって、
座標データを受信するデータ通信手段と、
前記データ通信手段によって受信され、前記軌跡に沿って前記電子ペン又は前記スキャナによって演算された前記座標データに基づいて、前記軌跡により規定される閉領域の面積を演算する面積演算手段と、
を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項2】
地図エリアとコード化パターンが印刷された媒体の前記コード化パターンを読み取って演算された離散的な座標データを電子ペン又はスキャナから受信し、その座標データから前記地図エリア上の軌跡によって規定される閉領域の地表上の面積を演算する端末装置であって、
座標データを受信するデータ通信手段と、
前記データ通信手段によって受信され、前記軌跡に沿って前記電子ペン又は前記スキャナによって演算された前記座標データ、及び、前記地図エリアにおける地図の縮尺値に基づいて、前記軌跡により規定される閉領域に対応する地表上の面積を演算する面積演算手段と、
を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項3】
さらに、前記面積演算手段によって演算された前記面積を報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記面積演算手段は、前記閉領域を複数の微小領域に分割し、微小領域毎の面積の和を前記面積として計算することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のペン装置。
【請求項5】
媒体に印刷されたコード化パターンを読み取って演算された離散的な座標データを電子ペン又はスキャナから受信し、その座標データの軌跡から面積を演算するコンピュータにより実行されるプログラムであって、
座標データを受信するデータ通信手段、
前記データ通信手段によって受信され、前記軌跡に沿って前記電子ペン又は前記スキャナによって演算された前記座標データに基づいて、前記軌跡により規定される閉領域の面積を演算する面積演算手段、
として前記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項6】
地図エリアとコード化パターンが印刷された媒体の前記コード化パターンを読み取って演算された離散的な座標データを電子ペン又はスキャナから受信し、その座標データから前記地図エリア上の筆跡によって示される経路に対応する地表上の距離を演算するコンピュータにより実行されるプログラムであって、
座標データを受信するデータ通信手段、
前記データ通信手段によって受信され、前記軌跡に沿って前記電子ペン又は前記スキャナによって演算された前記座標データ、及び、前記地図エリアにおける地図の縮尺値に基づいて、前記軌跡により規定される閉領域に対応する地表上の面積を演算する面積演算手段、
として前記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−48440(P2009−48440A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−214404(P2007−214404)
【出願日】平成19年8月21日(2007.8.21)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】