端末装置、コンテンツ表示システム、プログラム、データ構造およびコンテンツ配信サーバ
【課題】コンテンツの目的に合わせて、時間的に変化し得る情報のうち、最新の情報を提供することができる端末装置を提供する。
【解決手段】端末装置1は、電子コンテンツの内容を表示する際に、当該表示する内容の一部について、センシングサーバ3から取得したセンシングデータを埋め込んで表示する。電子コンテンツは、電子コンテンツ内には、必要とする情報の内容を示したものとして、時間的条件または位置的条件を含む取得条件データが含まれている。センシングサーバ3は、取得条件データを受信し、センシングデータを提供する際に、受信した取得条件データと収集したセンシングデータとの関連性判断を行い、最適なセンシングデータを抽出して、端末装置1に提供する。
【解決手段】端末装置1は、電子コンテンツの内容を表示する際に、当該表示する内容の一部について、センシングサーバ3から取得したセンシングデータを埋め込んで表示する。電子コンテンツは、電子コンテンツ内には、必要とする情報の内容を示したものとして、時間的条件または位置的条件を含む取得条件データが含まれている。センシングサーバ3は、取得条件データを受信し、センシングデータを提供する際に、受信した取得条件データと収集したセンシングデータとの関連性判断を行い、最適なセンシングデータを抽出して、端末装置1に提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子コンテンツを表示する端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子コンテンツを表示するものとしては、以下のようなものがある。例えば、特許文献1のシステムは、水族館の魚の画像を撮像して魚の名前をデータベースから読み出し、画像と名前を合成してリアルタイム図鑑を作成するものである。
【0003】
特許文献2のシステムは、複数の撮像手段から撮像された画像をリアルタイムに集約してスライドショーを作成するものである。端末は、新たな画像が追加されるたびにスライドショーに用いる画像ファイルを更新する。
【0004】
特許文献3のシステムは、通信負荷低減のため、画像を送信する際に、更新画像データのどの領域を送信するかを判断して画像を送信するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−60130号公報
【特許文献2】特開2009−303004号公報
【特許文献3】特開2006−246153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のシステムは、いずれも、時間的に変化し得る情報を提供するものではなかった。また、コンテンツ提供者自身が情報収集の整備をすることなく、広く情報を収集し、提供を行うことができるものではなかった。
【0007】
この発明は、コンテンツの目的に合わせて、時間的に変化し得る情報のうち、最新の情報を提供することができる端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の端末装置は、電子コンテンツを記憶する記憶部と、前記電子コンテンツの内容を表示する表示部と、外部サーバとデータ送受信を行う通信部と、前記記憶部から前記電子コンテンツを読み出し、前記表示部に前記コンテンツの内容を表示させる制御部と、を備えた端末装置であって、前記記憶部に記憶された電子コンテンツは、対象物をセンシングした結果であるセンシングデータの時間的条件または位置的条件を含む取得条件データを含み、前記制御部は、前記電子コンテンツを前記表示部に表示する前に、前記取得条件データを読み出す処理と、前記取得条件データに合致するセンシングデータを受信し、当該受信したセンシングデータを前記電子コンテンツの内容に含めて前記表示部に表示させることを特徴とする。
本発明における電子コンテンツとは、デジタル化され電子的に記録可能な文書データまたは、文書データと画像データ、映像データ、楽曲データもしくはプログラム等の結合を包含する。この電子コンテンツには、例えば、電子書籍、電子看板データが含まれる。そして、本発明における電子書籍とは、書籍をデジタルデータにし、パソコンや携帯情報端末(PDA)、携帯電話などで読める形にしたものである。電子書籍とWebページの大きな相違点は、電子書籍にはページの概念があり、ページ番号からなる目次の設定が可能であったり、ページめくりという操作が可能であったりするが、Webページでは、ページの概念がなく、目次の設定やページめくりという操作ができないということにある。電子看板データは、ページ数が1ページのみしかないという点が、電子書籍との相違点である。電子看板データは、電子看板というハードウェアの記憶部に記憶されて表示等される。
【0009】
本発明の端末装置は、電子コンテンツの内容を表示する際に外部から受信したセンシングデータを含めて表示する。例えば、電子コンテンツ内に、センシングデータを画像として埋め込むべき領域を定義するために、HTMLでの<IMG>タグを用いる。そして、前記のセンシングデータの取得条件は、HTMLでの<TEXTARE>タグ用いて記述する。この場合、取得条件には、少なくともセンシングデータの情報種別、時間的条件および位置的条件が含まれる。電子書籍の主要なフォーマットには、EPUBとPDFとXMDFと.BOOKがある。本発明では、主としてEPUBフォーマットの最新版であるEPUB3の電子書籍としての電子コンテンツにおけるセンシングデータの取得と表示を中心に説明する。ただし、この説明はEPUBに限定した説明ではなく、他の電子書籍のフォーマットにおいても適用可能な部分が多い。なぜならば、多くの電子書籍フォーマットではHTMLをサポートしているからである。
例えば、電子書籍のコンテンツを構成するHTMLファイルで記述されたTEXTAREA内のデータとして、後述の図4に示す取得条件データをHIDDEN属性のデータとして予め記述しておく。端末装置は、このようにして記述された取得条件データを、JavaScript(登録商標)プログラムでオブジェクトとして読み取りURLに付随したコマンドパラメータに加工し、センシングサーバ3に対して、”location.href “命令用いて、送信することができる(図5参照)。詳しくは、後述する。そして、外部サーバが取得条件データに合致するセンシングデータを抽出し、当該抽出したセンシングデータを、外部サーバ内の所定URLに用意する。端末装置は、外部サーバ内の所定URLに用意されたものを、後述の図2に示す<IMG>タグでのsrc=”url”で示されるurlで示されるアドレス上から画像データとして取得して、表示部に表示する。これにより、当該センシングデータは、電子コンテンツ内に埋め込まれた当該取得条件データに合致するものとして受信される。したがって、コンテンツの目的に合わせた対象物のリアルタイム情報を提供することができる。
【0010】
また、前記記憶部に記憶された電子コンテンツは、前記取得条件データを読み出すトリガとなるイベント記述が含まれ、前記制御部は、前記イベント記述を読み出すことで、前記記電子コンテンツを前記表示部に表示する前に、前記取得条件データを読み出すことが望ましい。
【0011】
例えば、トリガーイベントは、制御部に含まれて動作するイベントハンドラーを拡張することで実現できる。電子コンテンツが電子看板に表示する広告であれば、視線検知イベントを検知するプログラムをイベントハンドラーに追加する事もできるし、電子コンテンツが電子書籍であれば、センシングデータを表示するページの近くのページが閲覧されたということでイベントが発生するようなイベントハンドラーを実装することもできる。これらのイベントハンドラーによるイベントの検知で動作を開始するプログラムをJavaScriptプログラムで組んで、当該JavaScriptプログラムを電子コンテンツに含ませておくことも容易である。この場合、不必要なセンシングデータを無駄に更新することがない。
【0012】
また、電子コンテンツが電子書籍である場合、所定のページが閲覧されたことを、トリガとすることが望ましい。電子書籍では、センシングデータを埋め込むべきページの近くのページが閲覧されたとか、当該ページにジャンプする目次の部分がクリックされたというようなイベントを記述しておく。すると、電子書籍の当該ページに記述された取得条件データが読み出しされ、条件に合致するセンシングデータが、センシングサーバに要求され、そのセンシングサーバからの応答として、センシングデータが端末装置に取得される。
【0013】
また、端末装置は、視線感知センサを備え、前記制御部は、前記視線感知センサで視線感知した場合に、前記取得条件データを読み出す態様も可能である。
【0014】
例えば端末装置が駅等に設置される電子看板である場合、当該電子看板に視線検知用の画像センサを搭載し、その画像センサが電子看板に近付く人の視線が電子看板に向いている事を検知すると、取得条件データが読み出しされ、センシングデータが受信される。
【0015】
なお、取得条件データは、端末装置に接続された外部サーバに送信され、当該外部サーバの判断部が、受信した取得条件データに合致するセンシングデータを判断し、当該センシングデータを端末装置に送信する。
【0016】
なお、本発明は、記憶部、表示部、通信部、および制御部を備えた端末装置の当該制御部に実行されるプログラム実現可能である。また、本発明は、電子コンテンツのデータ構造としても実現可能である。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、コンテンツの目的に合わせて、時間的に変化し得る情報のうち、最新の情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】コンテンツ表示システムの構成を示すブロック図である。
【図2】電子コンテンツのデータ構造の一例を示す図である。
【図3】端末装置1およびセンシングサーバ3間のデータの流れを示す図である。
【図4】取得条件データのデータ構造を示す図である。
【図5】検索コマンドおよび検索パラメータの例を示す図である。
【図6】提供契約データベースのデータ構造を示す図である。
【図7】利用契約データベースのデータ構造を示す図である。
【図8】端末装置1の動作を示すフローチャートである。
【図9】センシングサーバ3の動作を示すフローチャートである。
【図10】電子コンテンツとして、WEBページを実現する場合の応用例を示す図である。
【図11】電子書籍の応用例を示す図である。
【図12】電子看板の応用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明の端末装置を用いたコンテンツ表示システムの構成を示すブロック図である。コンテンツ表示システムは、インターネット7を介して接続される端末装置(情報処理装置)1と、コンテンツ提供者サーバ2と、センシングサーバ3と、複数のセンサ(同図の例ではセンサ51〜54の4つ)と、を備えている。
【0020】
端末装置1の制御部11は、通信部12およびインターネット7を介してコンテンツ提供者サーバ2から電子コンテンツをダウンロードし、記憶部であるコンテンツDB14に記憶する。制御部11は、コンテンツDB14から電子コンテンツを読み出し、当該電子コンテンツの内容を表示部13に表示する。
【0021】
センシングサーバ3は、通信部37およびインターネット7を介して、各センサが対象物についてセンシングした結果であるセンシングデータを受信し、センシングデータDB36に記憶する。対象物は、例えば、ホテル、植物園、寺社、レストラン等の観光地である。センサとしては、カメラや温度センサ、湿度センサ等がある。
【0022】
端末装置1の制御部11は、電子コンテンツの内容を表示する際に、当該表示する内容の一部について、センシングサーバ3から取得したセンシングデータを埋め込んで表示する。図2は電子コンテンツのデータ構造の例を示すものである。電子コンテンツは、図2に示すように、例えばHTMLデータからなり、センシングデータを画像として埋め込むべき領域を定義するHTMLタグ<IMG>があり、当該タグには、画像の場所や大きさ等を示す各種のオプションがある。図2はHTMLデータのタグの一例を示しており、属性名称、属性項目値から構成される。なお、制御部11は、センシングサーバ3にセンシングデータを検索させるための検索コマンドおよび検索パラメータを生成する処理を実行し、センシングサーバ3に対するセンシングデータの要求コマンドを送信する。これらの変換プログラムは、一般的にJavaScriptプログラム等で記述されていてもよい。電子コンテンツには、図3に示すように、当該JavaScriptプログラムや、センシングデータを受信できなかったときに表示する(あるいは、センシングデータを受信するまでに暫定的に表示する)画像データが含まれている。
【0023】
センシングデータを電子コンテンツの中に示すためには、センシングデータの時間的条件および位置的条件を含む取得条件データを、当該電子コンテンツの中に含めておく必要がある。図4は、センシングデータの取得条件データのデータ構造の一例を示すものである。この取得条件データは、電子コンテンツを構成するHTMLで記述されたコンテンツにおけるTEXTAREA内に予めHIDDEN属性のデフォルト値として埋め込まれたデータとして実現する事もできる。TEXTAREA内のデータは、TEXTAREAにname属性を定義する事で、JavaScriptプログラムにおけるオブジェクトとして参照可能である。
したがって、HTMLで記述されたコンテンツおよびJavaScriptプログラムを含む電子コンテンツにおいては、図4に示す取得条件データを、JavaScriptプログラムにて操作できる。すなわち、図4に示す取得条件データをJavaScriptプログラムが、HTMLでのTEXTAREAからオブジェクトとして読み取り、読み取った取得条件データを用いて、図5に示すフォーマットでのコマンド文字列を合成して、URL1という文字列変数に入れることが簡単にできる。端末装置1の制御部11は、JavaScriptプログラムが次の命令を実行することで、センシングサーバ3に対して、取得条件データを含むセンシングデータの取得要求コマンドを送信することができる。
location.href = “URL1”;
このことを、さらに詳しく説明する。すなわち、図5に示す検索コマンドでの各コマンドパラメータ(検索パラメータ)を、図4に示す取得条件データによって記述する。図4で示される取得条件データは、XMLタグのタグ名称の部分、<tag_name> </tag_name>と、それに囲まれるタグ値valueからなり、次のような一般形式である。
<tag_name>value</tag_name>
このような一般形式で記述される図4の取得条件の部分を用いて、図5に示すコマンドパラメータの部分を次のように生成する。
tag_name=value
このようなコマンドパラメータ(検索パラメータ)を、URL1の中でつなぐ場合には、”&”で結合していく。これによって、図5に示す検索パラ-メタをURL1という文字列変数の中に生成することができる。そうして、生成されたURL1という文字列変数を用いて、次の命令を実行するのである。
location.href = “URL1”;
図3を参照して、端末装置1およびセンシングサーバ3間のデータの流れと、端末装置1およびセンシングサーバ3の動作を、さらに詳しく説明する。段落0023の説明では、図3において、コンテンツデータを制御部11が読み取って、通信部12を介して、検索コマンドおよび検索パラメータを送信する処理まで説明した。次に、センシングサーバ3の判断部31は、通信部37を介して取得条件データを受信し、センシングデータを提供する前に、取得条件データとセンシングデータ利用契約のマッチング、および、取得条件データとセンシングデータ提供契約のマッチングを行なう。詳しくは、後述する(段落0032を参照)。
判断部31は、上記の2つのマッチングが成立するセンシングデータがあった場合、そのセンシングデータを含むHTMLデータを自動生成して、端末装置1にHTTPプロトコルで送信してもよい。また、該当するセンシングデータを画像データに変換して、それを表示用センシングデータ格納エリア38に保存するという方法も実行できる。その場合、表示用センシングデータ格納エリア38のURLは、図2に示す<IMG>タグで示される画像表示のためのタグの中で、Src=“url”オプションで用いるurlと同じ値になるように設定する。そうすることで、端末装置1の制御部11の動作において、電子コンテンツ内に記述され、図2に示した<IMG>タグの働きで、センシングサーバ3からのセンシングデータを画像として加工したものが、端末装置1の表示部13に表示されることとなる。
【0024】
センシングサーバ3は、各地に設置されたセンサが出力するデータや、人が入力したデータを収集するものである。例えば、図1の例では、4つのセンサ51〜54が各地に設置されている。
【0025】
センシングサーバ3の提供契約登録部34は、これらセンサの所有者と契約を締結し、各種センサからデータ提供を受け、対価を支払う。センシングデータ提供契約は、インターネット7を介してオンラインで各種センサの所有者と締結される。図6にセンシングデータ提供契約のデータ構造を示す。センシングデータ提供契約のデータは、センシングデータ提供契約DB32に蓄積されている。図6に示すように、センシングデータ提供契約は、センサID毎に締結する。各センシングデータ提供契約は、各データ項目に示すような契約条件となっている。
【0026】
センサは、温度、湿度、照度、気圧、加速度、音等を測定するものである場合、映像を取得する監視カメラである場合、携帯端末である場合がある。また、複数のセンサを有するシステムも含まれる。センシングデータ提供契約において、センシングデータを提供可能なデータの制限、信頼度などが決められている。
【0027】
また、提供されるセンシングデータには、データを取得した時刻、位置等が付加されていることが望ましい。時刻、位置の付加が困難な場合は、センシングサーバ3とセンサとの間に、時刻、位置を付加する中間ノードを設置する場合や、センサに当該付加機能を追加する。なお、センシングデータの提供条件については、例えば、映像であれば、カメラの所有者が利用する場合は、何ら制限がなく、その他の利用者へ提供する場合は、プライバシや機密事項に配慮し、映像の一部を隠す、あるいは、一部の時間は提供しない、提供者を制限する等の条件を記載してもよい。また、データの提供に関する免責事項、データの信頼性等も付加してもよい。
【0028】
一方、センシングサーバ3の利用契約登録部35は、各種センサの利用者と契約を締結し、各種センサのデータを利用者に提供して対価の支払いを受ける。センシングデータ利用契約は、インターネット7を介してオンラインで各利用者と締結される。本実施形態における利用者とは、コンテンツ提供者である。コンテンツ提供者は、利用契約を締結することで、コンテンツ提供者自身が各地の情報収集を行うための整備をすることなく、コンテンツを提供できるようになる。
【0029】
センシングデータ利用契約のデータは、センシングデータ利用契約DB33に蓄積されている。図7にセンシングデータ利用契約のデータ構造を示す。センシングデータ利用契約は、センシングデータを利用するコンテンツ提供者の名称、アプリケーション名、コンテンツの名称、センシングデータを利用する際の対価等が記載されている。
【0030】
センシングデータ利用契約は、センシングサーバ3が取得条件データを受信したときに参照される。図4に示したように、取得条件データには、コンテンツ提供者の名称、アプリケーション名、コンテンツの名称、センシング1回あたりの対価等が記載されている。判断部31は、取得条件データを受信したとき、まずセンシングデータ利用契約DB33を参照し、取得条件データとのマッチングを行う。センシングデータ利用契約と取得条件データとのマッチングは、各属性項目について行われる。基本的には、取得条件データに記載されたコンテンツ提供者の名称、アプリケーション名、コンテンツの名称等が、センシングデータ利用契約に記載されている場合にマッチングしたことになる。
【0031】
判断部31は、センシングデータ利用契約と取得条件データとのマッチングが完了すると、次にセンシングデータ提供契約と取得条件データとのマッチングを行う。図4に示したように、取得条件データには、取得条件データID、センシング対象の位置・座標、情報の種別、センシングデータ発生の絶対時刻、センシングデータ発生の相対時刻、センシングデータの位置差の許容値、センシングデータの発生時刻差の許容値等が含まれている。判断部31は、このような取得条件データを受信したとき、センシングデータ提供契約DB32を参照し、取得条件データとのマッチングを行う。センシングデータ提供契約と取得条件データとのマッチングは、各属性項目について行われる。基本的には、取得条件データに記載されたセンシング対象の位置・座標、情報の種別、センシングデータ発生の絶対時刻、センシングデータ発生の相対時刻、センシングデータの位置差の許容値、センシングデータの発生時刻差の許容値等の全ての条件が、センシングデータ提供契約に記載されている場合にマッチングしたことになる。
【0032】
例えば、図4の例では、センシング対象の位置・座標を(34.9854,135.7577)と設定している。すなわち、この例では京都駅の緯度、経度に設定している。この場合、当該コンテンツは、京都駅の情報を取得し、表示するという意図が現れていることになる。そこで、センシングサーバ3の判断部31は、図6に示したセンシングデータ提供契約のデータ構造から、当該条件に合致するものを検索し、合致するものが存在した場合に、当該センサからのセンシングデータをセンシングデータDB36から取得し、端末装置1に提供する。例えば、図6においては、センサID5が条件に合致するため、当該センサID5のデータ(カメラで撮影した映像データ)を端末装置1に提供する。
【0033】
このように、センシングサーバ3は、センシングデータ提供契約に示された条件と取得条件データに示された条件とを照合し、合致し、かつ当該契約における物理的センサが動作可能である場合に、当該物理的センサIDで特定されたセンサからのデータを、取得条件データIDに対応するセンシングデータとして端末装置1に提供する。
【0034】
コンテンツ提供者(コンテンツ提供者サーバ2の運営者)は、センシングサーバ3の運用者と利用契約登録部35の機能を用いてセンシングデータ利用契約を締結する。そして、締結されたセンシングデータ利用契約は、利用契約DB33に記憶される。また、センサの所有者は、センシングサーバ3の運用者と提供契約登録部34の機能を用いて、センシングデータ提供契約を締結する。そして、締結されたセンシングデータ提供契約は、提供契約DB32に記憶される。判断部31は、端末装置1から受信した取得条件データと提供契約DB32内にあるセンシングデータ提供契約および利用契約DB33内にあるセンシングデータ提供契約とを、属性項目毎にマッチングする。そして、判断部31は、マッチングした結果、条件を満たすセンサが対象物をセンシングした結果であるセンシングデータを取得して、端末装置1に送信する。端末装置1は、電子コンテンツの記述に従って、取得したセンシングデータをコンテンツの内容に埋め込んで表示する。これにより、コンテンツ提供者側においては、電子コンテンツで提供するコンテンツ内の一部領域をセンシングデータによりリアルタイムに変化する情報提供領域と定め、素材として収集したセンシングデータを、所定条件を満足する新しい情報として提供を行うことができる。したがって、従来は、過去に作成された写真や情報を提供するしかなかった電子コンテンツにおいて、リアルタイム性の高い情報を提供することが可能となる。
【0035】
なお、各種センサからは自動的にデータを送信するようにしてもよいが、提供者が手動で図6に示した各データ項目を入力するようにしてもよい。なお、手動入力する場合には、各データ項目の表現内容にばらつきがある可能性もあるため、提供者は、予め規定された複数のメニューから選択することで手動入力するようにすることが望ましい。また、センサによっては、例えばカメラ内蔵のGPS(Global Positioning System)携帯電話であって、緯度と経度で示される位置情報のGPSからの取得と、カメラによる画像の撮像と、画像撮像の時刻の取得ができて、撮像した画像を位置情報と時刻情報と対にして送信できるもの(以下、GPS携帯電話という。)である場合もある。この場合、前記のGPS携帯電話に、センシングデータ提供契約をセンシングサーバ3と締結するためのソフトウェアを搭載しておき、例えば図6のセンサID=mの行に示される内容からなるセンシングデータ提供契約を締結してもよい。この場合、センシング領域の位置の欄には、「移動体」との記述が入っている。これは、特定の緯度・経度で示される固定位置にセンサが存在しているのではなく、移動可能なセンサであることを示している。もしも、取得条件データで示された条件に該当できるような位置にセンサID=mのセンサが所定時刻内までに移動可能であり、センシングデータ利用契約で示されるようなセンシングデータ種別やデータ量や保証精度や対価などの条件が合致するならば、センサID=mのセンサからのセンシングデータは、センシングサーバ3によって取得され、そのセンシングデータを必要としている端末装置1に送信するようにしてもよい。
【0036】
次に、フローチャートを参照しながら、コンテンツ表示システムの動作について説明する。図8は、端末装置1の動作を示すフローチャートである。まず、端末装置1の制御部11は、コンテンツDB14からコンテンツを読み出し、表示部13に表示する(s11)。なお、コンテンツは定期的に、あるいは、端末装置1の使用者の指示により、コンテンツ提供者サーバ2からダウンロードされる。
【0037】
制御部11は、読み出した電子コンテンツ内に取得条件データが含まれているか否かを判断する(s12)。取得条件データが含まれていない場合、s11の処理に戻り、コンテンツの読み出し、表示を繰り返す。
【0038】
取得条件データが含まれていた場合、制御部11は、トリガーイベントが含まれているか否かを確認する(s13)。トリガーイベントが含まれていない場合、上述した取得条件データを含むセンシングデータの取得要求コマンド(すなわち、検索コマンドおよび検索パラメータ)がセンシングサーバ3に送信され(s14)、トリガーイベントが含まれている場合、イベント条件を満たした場合に限り、検索コマンドおよび検索パラメータが送信される(s15)。
【0039】
図4に示したように、取得条件データには、トリガーイベントの記述が含まれている場合がある。例えば、図4の例では、<トリガーイベント>視線検知</トリガーイベント>という記述が含まれている。これは、端末装置1が駅等に設置された電子看板であり、電子コンテンツが広告である場合において、電子看板である端末装置1に視線検知用の画像センサを搭載していて、当該画像センサが電子看板に近付く人の視線が電子看板に向いている事を検知すると、「視線検知=Yes」となり、取得条件データの送信が行われることになる。
トリガーイベントは、端末装置1の制御部11に含まれて動作するイベントハンドラーを拡張することで実現できる。視線検知イベントを検知するプログラムをイベントハンドラーに追加する事もできるし、センシングデータを表示するページの近くのページが閲覧されたという事でイベントが発生するようなイベントハンドラーを実装することもできる。これらのイベントハンドラーによるイベントの検知で動作を開始するプログラムをJavaScriptプログラムで組んで、当該JavaScriptプログラムを電子コンテンツに含ませておくことも容易である。例えば、電子書籍のフォーマットであるEPUB3ではJavaScriptプログラムもHTMLもサポートしているので、本実施形態にて説明した内容は容易に実現することができる。
【0040】
また、端末装置1がパーソナルコンピュータや携帯型端末であり、電子コンテンツが電子書籍である場合、当該ページの近くのページが閲覧された、あるいは、当該ページにジャンプする目次の部分がクリックされたと、いうイベントを、上記の<トリガーイベント>に記述しておけば、当該トリガーの発生に基づいて、電子書籍の当該ページに記述された取得条件データの他の部分が、センシングサーバ3に送信される。
【0041】
その後、制御部11は、所定時間内にセンシングデータを受信したか否かを判断する(s16)。所定時間内に受信しなかった場合、s11の処理に戻り、コンテンツの読み出し、表示から処理を繰り返す。このとき、センシングデータを埋め込むべき領域には、何も表示しないか、電子コンテンツ内に予め含まれていたデフォルト画像等を表示する。
【0042】
制御部11は、所定時間内にセンシングデータを受信した場合、当該受信したセンシングデータをコンテンツ内の所定の領域に埋め込んで表示する(s17)。
【0043】
次に、図9は、センシングサーバ3の動作を示すフローチャートである。まず、センシングサーバ3の判断部31は、端末装置1から取得条件データを含むセンシングデータの取得要求コマンド(検索コマンドおよび検索パラメータ)を受信する(s31)。判断部31は、利用契約DB33を参照し、受信した取得条件データとのマッチングを行う。図4に示したように、取得条件データには、コンテンツ提供者の名称、アプリケーション名、コンテンツの名称等の条件が記載されている。また、図7に示したように、センシングデータ利用契約にもコンテンツ提供者の名称、アプリケーション名、コンテンツの名称等の条件が記載されている。
【0044】
判断部31は、取得条件データを受信したとき、まずセンシングデータ利用契約DB33を参照し、センシングデータ利用契約と取得条件データの各属性項目について、取得条件データに記載された全ての条件が、センシングデータ利用契約に記載されているか否かを判断する。
【0045】
各属性項目について、一致しない項目が存在してマッチングが完了しなかった場合、判断部31は、端末装置1にセンシングデータ該当無し情報を送信する(s33)。
【0046】
一方、判断部31は、センシングデータ利用契約と取得条件データとのマッチングが完了すると、次にセンシングデータ提供契約と取得条件データとのマッチングを行い、センシングデータの抽出を行い(s34)、抽出したセンシングデータをURLで指定される表示用センシングデータ格納エリア38に保存する(s35)。例えば、図4の取得条件データの例では、センシング対象の位置・座標を(34.9854,135.7577)と設定しているため、判断部31は、図6に示したセンシングデータ提供契約のデータ構造から、センサID5が条件に合致するため、当該センサID5のデータ(カメラで撮影した映像データ)をセンシングデータとして表示用センシングデータ格納エリア38に保存する。これにより、端末装置1の制御部11は、表示用センシングデータ格納エリア38内の所定URLに用意されたものを、図2に示した<IMG>タグでのsrc=”url”で示されるurlで示されるアドレス上から画像データとして取得して、表示部に表示する。
【0047】
また、センシングデータ提供契約のデータに、取得条件データに示された緯度、経度をセンシング領域とした契約データがなかった場合、あるいはセンサが故障している場合があると、判断部31は、GPS携帯電話すなわち、「移動体」となっているセンシングデータ提供契約の契約者に、センシングデータを送信するように依頼する態様とすることも可能である。例えば、契約者に対し、「京都駅コンコースの画像を30分以内に送信してください。」と記載したメールを同報送信する。ここで、メールを受け取った提供者のうち、京都駅コンコースにいた提供者は、GPS携帯電話を用いて京都駅コンコースの様子を撮影し、撮影日時と緯度、経度情報をともにセンシングサーバ3に送信する。当該データは、GPS携帯電話に搭載されたセンシングデータ提供契約の専用アプリケーションで送信されることが望ましい。この場合、当該専用アプリケーションが自動的に撮影時点の緯度、経度情報を取得してセンシングサーバ3に撮影して得た画像データを送信する。このようにして移動体からセンシングデータを提供することも可能である。
【0048】
判断部31は、表示用センシングデータ格納エリア38に保存すると、ログを出力する(s36)。ログは、センシングサーバ3内の課金DB(不図示)や、課金サーバ等に出力され、蓄積される。当該蓄積されたログは、センシングデータの利用履歴を示したものであり、課金に用いられる。すなわち、センシングデータ利用契約には、利用者としてコンテンツ提供者が記載されているため、課金サーバは、当該ログを参照することで、利用履歴に応じた課金を行うことができる。
【0049】
次に、図10、図11、および図12は、本実施形態のコンテンツ表示システムの応用例を示す図である。図10は、電子コンテンツとして、WEBページを実現する場合の応用例を示す図である。図10、図11、および図12中に示す太矢印は、データの流れを示すものである。
【0050】
この場合、端末装置1は、一般的なパーソナルコンピュータや携帯端末である。図10(A)に示すように、端末装置1は、WEBブラウザを用いて、インターネット7を介してコンテンツ提供者サーバ2のURLにアクセスし、コンテンツを受信する。この場合、コンテンツは、HTMLデータ(あるいはHTMLと互換性を有するデータ)となっており、WEBブラウザで表示することができる。そして、端末装置1は、HTMLデータに含まれるタグオプションとしての取得条件データおよびトリガーイベントに基づいて、インターネット7を介してセンシングサーバ3に取得条件データを送信する。
【0051】
すると、図10(B)に示すように、センシングサーバ3は、受信した取得条件データに応じたセンシングデータの抽出を行い、センサ(同図の例ではセンサ51)から取得したセンシングデータ(センサ51からインターネット7を介して都度受信したもの、またはセンシングデータDB36に蓄積したもの)を表示用センシングデータ格納エリア38に保存する。端末装置1は、表示用センシングデータ格納エリア38からセンシングデータを受信し、WEBブラウザ内の所定の領域にセンシングデータを表示する。例えば、この例では、京都市の現在の実際に撮影した映像や、現在の天気(例えば実際に京都市にいるセンサ提供者がテキスト入力したものを天気画像として表示したもの)、現在の実際の気温、現在の実際の湿度等が表示される。
【0052】
コンテンツ提供者は、コンテンツ利用契約を締結するだけで、コンテンツ提供者自身が各地の実際の映像や天気等の情報収集を行うための整備をすることなく、各地の映像や天気情報を提供できるようになる。また、コンテンツ提供者は、コンテンツ利用契約を締結するだけで、政府機関等の他の気象情報サーバから受信する情報よりも、よりリアルタイム性が高く、精度の高い情報を提供することができる。
【0053】
次に、図11は、電子書籍の応用例を示す図である。この場合も、端末装置1は、一般的なパーソナルコンピュータや携帯端末である。図11(A)に示すように、端末装置1は、電子書籍ブラウザを用いて、インターネット7を介してコンテンツ提供者サーバ2からコンテンツを受信する。この場合、コンテンツは、電子書籍であるが、上述のHTMLデータに近い構造となっている。そして、端末装置1は、電子書籍に含まれた、タグオプションである取得条件データ、およびトリガーイベントに基づいて、インターネット7を介してセンシングサーバ3に取得条件データを送信する。上述したように、電子書籍ではセンシングデータを埋め込む予定のページの近くのページが閲覧された、あるいは、当該ページにジャンプする目次の部分がクリックされたというようなイベントを、トリガーイベントに記述しておく。
【0054】
すると、図11(B)に示すように、センシングサーバ3は、受信した取得条件データに応じたセンシングデータの抽出を行い、センサ(同図の例ではセンサ51)から取得したセンシングデータ(センサ51からインターネット7を介して都度受信したもの、またはセンシングデータDB36に蓄積したもの)を表示用センシングデータ格納エリア38に保存する。端末装置1は、表示用センシングデータ格納エリア38からセンシングデータを受信し、電子書籍の所定のページ内の所定の領域にセンシングデータを表示する。これにより、電子書籍の当該ページは新しい情報が表示される。なお、コンテンツが電子書籍である場合、端末装置1における一連の動作を、図2に示したオプションの1つのaltオプションで記述するコメントとして記述しておくことも可能である。また、そのような記述を電子書籍に組み込む機能を、電子書籍自動組版エンジンに装備することも可能である。電子書籍には種々のフォーマットが存在するが、これらのフォーマットの中に条件取得データを記述しておくことで種々のフォーマットに対応することが可能である。
【0055】
次に、図12は、電子看板の応用例を示す図である。この例では、端末装置1は、カラー電子ペーパ、あるいはLCD等を採用した、列車内の中吊り広告、駅待合室での電子看板、駅構内の各所での電子看板である。図12(A)に示すように、端末装置1は、専用のアプリケーションを用いて、インターネット7を介してコンテンツ提供者サーバ2から広告等のコンテンツを受信する。この場合も、コンテンツは、上述のHTMLデータに近い構造となっている。そして、端末装置1は、コンテンツに含まれた、タグオプションである取得条件データ、およびトリガーイベントに基づいて、インターネット7を介してセンシングサーバ3に取得条件データを送信する。
【0056】
上述したように、電子看板では、トリガーイベントとして、「視線検知」という記述が含まれ、端末装置1に視線検知用の画像センサを搭載していて、当該画像センサが電子看板に近付く人の視線が電子看板に向いている事を検知すると、「視線検知=Yes」となり、取得条件データの送信が行われることになる。
【0057】
すると、図12(B)に示すように、センシングサーバ3は、受信した取得条件データに応じたセンシングデータの抽出を行い、センサ(同図の例ではセンサ51)から取得したセンシングデータ(センサ51からインターネット7を介して都度受信したもの、またはセンシングデータDB36に蓄積したもの)を表示用センシングデータ格納エリア38に保存する。端末装置1は、表示用センシングデータ格納エリア38からセンシングデータを受信し、○○温泉の「今日の様子」といった領域上にセンシングデータ(動画)を表示する。この場合、観光地に設置されたカメラや観光地に来訪した提供者のカメラで撮影された動画を、センシングデータとして提供することにより、観光地や商店街などのリアルタイム画像を含んだ広告を、駅や列車内に設置できることになる。
【符号の説明】
【0058】
1…端末装置
2…コンテンツ提供者サーバ
3…センシングサーバ
7…インターネット
11…制御部
12…通信部
13…表示部
14…コンテンツDB
31…判断部
32…センシングデータ提供契約DB
33…センシングデータ利用契約DB
34…提供契約登録部
35…利用契約登録部
36…センシングデータDB
37…通信部
51,52,53,54…センサ
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子コンテンツを表示する端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子コンテンツを表示するものとしては、以下のようなものがある。例えば、特許文献1のシステムは、水族館の魚の画像を撮像して魚の名前をデータベースから読み出し、画像と名前を合成してリアルタイム図鑑を作成するものである。
【0003】
特許文献2のシステムは、複数の撮像手段から撮像された画像をリアルタイムに集約してスライドショーを作成するものである。端末は、新たな画像が追加されるたびにスライドショーに用いる画像ファイルを更新する。
【0004】
特許文献3のシステムは、通信負荷低減のため、画像を送信する際に、更新画像データのどの領域を送信するかを判断して画像を送信するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−60130号公報
【特許文献2】特開2009−303004号公報
【特許文献3】特開2006−246153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のシステムは、いずれも、時間的に変化し得る情報を提供するものではなかった。また、コンテンツ提供者自身が情報収集の整備をすることなく、広く情報を収集し、提供を行うことができるものではなかった。
【0007】
この発明は、コンテンツの目的に合わせて、時間的に変化し得る情報のうち、最新の情報を提供することができる端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の端末装置は、電子コンテンツを記憶する記憶部と、前記電子コンテンツの内容を表示する表示部と、外部サーバとデータ送受信を行う通信部と、前記記憶部から前記電子コンテンツを読み出し、前記表示部に前記コンテンツの内容を表示させる制御部と、を備えた端末装置であって、前記記憶部に記憶された電子コンテンツは、対象物をセンシングした結果であるセンシングデータの時間的条件または位置的条件を含む取得条件データを含み、前記制御部は、前記電子コンテンツを前記表示部に表示する前に、前記取得条件データを読み出す処理と、前記取得条件データに合致するセンシングデータを受信し、当該受信したセンシングデータを前記電子コンテンツの内容に含めて前記表示部に表示させることを特徴とする。
本発明における電子コンテンツとは、デジタル化され電子的に記録可能な文書データまたは、文書データと画像データ、映像データ、楽曲データもしくはプログラム等の結合を包含する。この電子コンテンツには、例えば、電子書籍、電子看板データが含まれる。そして、本発明における電子書籍とは、書籍をデジタルデータにし、パソコンや携帯情報端末(PDA)、携帯電話などで読める形にしたものである。電子書籍とWebページの大きな相違点は、電子書籍にはページの概念があり、ページ番号からなる目次の設定が可能であったり、ページめくりという操作が可能であったりするが、Webページでは、ページの概念がなく、目次の設定やページめくりという操作ができないということにある。電子看板データは、ページ数が1ページのみしかないという点が、電子書籍との相違点である。電子看板データは、電子看板というハードウェアの記憶部に記憶されて表示等される。
【0009】
本発明の端末装置は、電子コンテンツの内容を表示する際に外部から受信したセンシングデータを含めて表示する。例えば、電子コンテンツ内に、センシングデータを画像として埋め込むべき領域を定義するために、HTMLでの<IMG>タグを用いる。そして、前記のセンシングデータの取得条件は、HTMLでの<TEXTARE>タグ用いて記述する。この場合、取得条件には、少なくともセンシングデータの情報種別、時間的条件および位置的条件が含まれる。電子書籍の主要なフォーマットには、EPUBとPDFとXMDFと.BOOKがある。本発明では、主としてEPUBフォーマットの最新版であるEPUB3の電子書籍としての電子コンテンツにおけるセンシングデータの取得と表示を中心に説明する。ただし、この説明はEPUBに限定した説明ではなく、他の電子書籍のフォーマットにおいても適用可能な部分が多い。なぜならば、多くの電子書籍フォーマットではHTMLをサポートしているからである。
例えば、電子書籍のコンテンツを構成するHTMLファイルで記述されたTEXTAREA内のデータとして、後述の図4に示す取得条件データをHIDDEN属性のデータとして予め記述しておく。端末装置は、このようにして記述された取得条件データを、JavaScript(登録商標)プログラムでオブジェクトとして読み取りURLに付随したコマンドパラメータに加工し、センシングサーバ3に対して、”location.href “命令用いて、送信することができる(図5参照)。詳しくは、後述する。そして、外部サーバが取得条件データに合致するセンシングデータを抽出し、当該抽出したセンシングデータを、外部サーバ内の所定URLに用意する。端末装置は、外部サーバ内の所定URLに用意されたものを、後述の図2に示す<IMG>タグでのsrc=”url”で示されるurlで示されるアドレス上から画像データとして取得して、表示部に表示する。これにより、当該センシングデータは、電子コンテンツ内に埋め込まれた当該取得条件データに合致するものとして受信される。したがって、コンテンツの目的に合わせた対象物のリアルタイム情報を提供することができる。
【0010】
また、前記記憶部に記憶された電子コンテンツは、前記取得条件データを読み出すトリガとなるイベント記述が含まれ、前記制御部は、前記イベント記述を読み出すことで、前記記電子コンテンツを前記表示部に表示する前に、前記取得条件データを読み出すことが望ましい。
【0011】
例えば、トリガーイベントは、制御部に含まれて動作するイベントハンドラーを拡張することで実現できる。電子コンテンツが電子看板に表示する広告であれば、視線検知イベントを検知するプログラムをイベントハンドラーに追加する事もできるし、電子コンテンツが電子書籍であれば、センシングデータを表示するページの近くのページが閲覧されたということでイベントが発生するようなイベントハンドラーを実装することもできる。これらのイベントハンドラーによるイベントの検知で動作を開始するプログラムをJavaScriptプログラムで組んで、当該JavaScriptプログラムを電子コンテンツに含ませておくことも容易である。この場合、不必要なセンシングデータを無駄に更新することがない。
【0012】
また、電子コンテンツが電子書籍である場合、所定のページが閲覧されたことを、トリガとすることが望ましい。電子書籍では、センシングデータを埋め込むべきページの近くのページが閲覧されたとか、当該ページにジャンプする目次の部分がクリックされたというようなイベントを記述しておく。すると、電子書籍の当該ページに記述された取得条件データが読み出しされ、条件に合致するセンシングデータが、センシングサーバに要求され、そのセンシングサーバからの応答として、センシングデータが端末装置に取得される。
【0013】
また、端末装置は、視線感知センサを備え、前記制御部は、前記視線感知センサで視線感知した場合に、前記取得条件データを読み出す態様も可能である。
【0014】
例えば端末装置が駅等に設置される電子看板である場合、当該電子看板に視線検知用の画像センサを搭載し、その画像センサが電子看板に近付く人の視線が電子看板に向いている事を検知すると、取得条件データが読み出しされ、センシングデータが受信される。
【0015】
なお、取得条件データは、端末装置に接続された外部サーバに送信され、当該外部サーバの判断部が、受信した取得条件データに合致するセンシングデータを判断し、当該センシングデータを端末装置に送信する。
【0016】
なお、本発明は、記憶部、表示部、通信部、および制御部を備えた端末装置の当該制御部に実行されるプログラム実現可能である。また、本発明は、電子コンテンツのデータ構造としても実現可能である。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、コンテンツの目的に合わせて、時間的に変化し得る情報のうち、最新の情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】コンテンツ表示システムの構成を示すブロック図である。
【図2】電子コンテンツのデータ構造の一例を示す図である。
【図3】端末装置1およびセンシングサーバ3間のデータの流れを示す図である。
【図4】取得条件データのデータ構造を示す図である。
【図5】検索コマンドおよび検索パラメータの例を示す図である。
【図6】提供契約データベースのデータ構造を示す図である。
【図7】利用契約データベースのデータ構造を示す図である。
【図8】端末装置1の動作を示すフローチャートである。
【図9】センシングサーバ3の動作を示すフローチャートである。
【図10】電子コンテンツとして、WEBページを実現する場合の応用例を示す図である。
【図11】電子書籍の応用例を示す図である。
【図12】電子看板の応用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明の端末装置を用いたコンテンツ表示システムの構成を示すブロック図である。コンテンツ表示システムは、インターネット7を介して接続される端末装置(情報処理装置)1と、コンテンツ提供者サーバ2と、センシングサーバ3と、複数のセンサ(同図の例ではセンサ51〜54の4つ)と、を備えている。
【0020】
端末装置1の制御部11は、通信部12およびインターネット7を介してコンテンツ提供者サーバ2から電子コンテンツをダウンロードし、記憶部であるコンテンツDB14に記憶する。制御部11は、コンテンツDB14から電子コンテンツを読み出し、当該電子コンテンツの内容を表示部13に表示する。
【0021】
センシングサーバ3は、通信部37およびインターネット7を介して、各センサが対象物についてセンシングした結果であるセンシングデータを受信し、センシングデータDB36に記憶する。対象物は、例えば、ホテル、植物園、寺社、レストラン等の観光地である。センサとしては、カメラや温度センサ、湿度センサ等がある。
【0022】
端末装置1の制御部11は、電子コンテンツの内容を表示する際に、当該表示する内容の一部について、センシングサーバ3から取得したセンシングデータを埋め込んで表示する。図2は電子コンテンツのデータ構造の例を示すものである。電子コンテンツは、図2に示すように、例えばHTMLデータからなり、センシングデータを画像として埋め込むべき領域を定義するHTMLタグ<IMG>があり、当該タグには、画像の場所や大きさ等を示す各種のオプションがある。図2はHTMLデータのタグの一例を示しており、属性名称、属性項目値から構成される。なお、制御部11は、センシングサーバ3にセンシングデータを検索させるための検索コマンドおよび検索パラメータを生成する処理を実行し、センシングサーバ3に対するセンシングデータの要求コマンドを送信する。これらの変換プログラムは、一般的にJavaScriptプログラム等で記述されていてもよい。電子コンテンツには、図3に示すように、当該JavaScriptプログラムや、センシングデータを受信できなかったときに表示する(あるいは、センシングデータを受信するまでに暫定的に表示する)画像データが含まれている。
【0023】
センシングデータを電子コンテンツの中に示すためには、センシングデータの時間的条件および位置的条件を含む取得条件データを、当該電子コンテンツの中に含めておく必要がある。図4は、センシングデータの取得条件データのデータ構造の一例を示すものである。この取得条件データは、電子コンテンツを構成するHTMLで記述されたコンテンツにおけるTEXTAREA内に予めHIDDEN属性のデフォルト値として埋め込まれたデータとして実現する事もできる。TEXTAREA内のデータは、TEXTAREAにname属性を定義する事で、JavaScriptプログラムにおけるオブジェクトとして参照可能である。
したがって、HTMLで記述されたコンテンツおよびJavaScriptプログラムを含む電子コンテンツにおいては、図4に示す取得条件データを、JavaScriptプログラムにて操作できる。すなわち、図4に示す取得条件データをJavaScriptプログラムが、HTMLでのTEXTAREAからオブジェクトとして読み取り、読み取った取得条件データを用いて、図5に示すフォーマットでのコマンド文字列を合成して、URL1という文字列変数に入れることが簡単にできる。端末装置1の制御部11は、JavaScriptプログラムが次の命令を実行することで、センシングサーバ3に対して、取得条件データを含むセンシングデータの取得要求コマンドを送信することができる。
location.href = “URL1”;
このことを、さらに詳しく説明する。すなわち、図5に示す検索コマンドでの各コマンドパラメータ(検索パラメータ)を、図4に示す取得条件データによって記述する。図4で示される取得条件データは、XMLタグのタグ名称の部分、<tag_name> </tag_name>と、それに囲まれるタグ値valueからなり、次のような一般形式である。
<tag_name>value</tag_name>
このような一般形式で記述される図4の取得条件の部分を用いて、図5に示すコマンドパラメータの部分を次のように生成する。
tag_name=value
このようなコマンドパラメータ(検索パラメータ)を、URL1の中でつなぐ場合には、”&”で結合していく。これによって、図5に示す検索パラ-メタをURL1という文字列変数の中に生成することができる。そうして、生成されたURL1という文字列変数を用いて、次の命令を実行するのである。
location.href = “URL1”;
図3を参照して、端末装置1およびセンシングサーバ3間のデータの流れと、端末装置1およびセンシングサーバ3の動作を、さらに詳しく説明する。段落0023の説明では、図3において、コンテンツデータを制御部11が読み取って、通信部12を介して、検索コマンドおよび検索パラメータを送信する処理まで説明した。次に、センシングサーバ3の判断部31は、通信部37を介して取得条件データを受信し、センシングデータを提供する前に、取得条件データとセンシングデータ利用契約のマッチング、および、取得条件データとセンシングデータ提供契約のマッチングを行なう。詳しくは、後述する(段落0032を参照)。
判断部31は、上記の2つのマッチングが成立するセンシングデータがあった場合、そのセンシングデータを含むHTMLデータを自動生成して、端末装置1にHTTPプロトコルで送信してもよい。また、該当するセンシングデータを画像データに変換して、それを表示用センシングデータ格納エリア38に保存するという方法も実行できる。その場合、表示用センシングデータ格納エリア38のURLは、図2に示す<IMG>タグで示される画像表示のためのタグの中で、Src=“url”オプションで用いるurlと同じ値になるように設定する。そうすることで、端末装置1の制御部11の動作において、電子コンテンツ内に記述され、図2に示した<IMG>タグの働きで、センシングサーバ3からのセンシングデータを画像として加工したものが、端末装置1の表示部13に表示されることとなる。
【0024】
センシングサーバ3は、各地に設置されたセンサが出力するデータや、人が入力したデータを収集するものである。例えば、図1の例では、4つのセンサ51〜54が各地に設置されている。
【0025】
センシングサーバ3の提供契約登録部34は、これらセンサの所有者と契約を締結し、各種センサからデータ提供を受け、対価を支払う。センシングデータ提供契約は、インターネット7を介してオンラインで各種センサの所有者と締結される。図6にセンシングデータ提供契約のデータ構造を示す。センシングデータ提供契約のデータは、センシングデータ提供契約DB32に蓄積されている。図6に示すように、センシングデータ提供契約は、センサID毎に締結する。各センシングデータ提供契約は、各データ項目に示すような契約条件となっている。
【0026】
センサは、温度、湿度、照度、気圧、加速度、音等を測定するものである場合、映像を取得する監視カメラである場合、携帯端末である場合がある。また、複数のセンサを有するシステムも含まれる。センシングデータ提供契約において、センシングデータを提供可能なデータの制限、信頼度などが決められている。
【0027】
また、提供されるセンシングデータには、データを取得した時刻、位置等が付加されていることが望ましい。時刻、位置の付加が困難な場合は、センシングサーバ3とセンサとの間に、時刻、位置を付加する中間ノードを設置する場合や、センサに当該付加機能を追加する。なお、センシングデータの提供条件については、例えば、映像であれば、カメラの所有者が利用する場合は、何ら制限がなく、その他の利用者へ提供する場合は、プライバシや機密事項に配慮し、映像の一部を隠す、あるいは、一部の時間は提供しない、提供者を制限する等の条件を記載してもよい。また、データの提供に関する免責事項、データの信頼性等も付加してもよい。
【0028】
一方、センシングサーバ3の利用契約登録部35は、各種センサの利用者と契約を締結し、各種センサのデータを利用者に提供して対価の支払いを受ける。センシングデータ利用契約は、インターネット7を介してオンラインで各利用者と締結される。本実施形態における利用者とは、コンテンツ提供者である。コンテンツ提供者は、利用契約を締結することで、コンテンツ提供者自身が各地の情報収集を行うための整備をすることなく、コンテンツを提供できるようになる。
【0029】
センシングデータ利用契約のデータは、センシングデータ利用契約DB33に蓄積されている。図7にセンシングデータ利用契約のデータ構造を示す。センシングデータ利用契約は、センシングデータを利用するコンテンツ提供者の名称、アプリケーション名、コンテンツの名称、センシングデータを利用する際の対価等が記載されている。
【0030】
センシングデータ利用契約は、センシングサーバ3が取得条件データを受信したときに参照される。図4に示したように、取得条件データには、コンテンツ提供者の名称、アプリケーション名、コンテンツの名称、センシング1回あたりの対価等が記載されている。判断部31は、取得条件データを受信したとき、まずセンシングデータ利用契約DB33を参照し、取得条件データとのマッチングを行う。センシングデータ利用契約と取得条件データとのマッチングは、各属性項目について行われる。基本的には、取得条件データに記載されたコンテンツ提供者の名称、アプリケーション名、コンテンツの名称等が、センシングデータ利用契約に記載されている場合にマッチングしたことになる。
【0031】
判断部31は、センシングデータ利用契約と取得条件データとのマッチングが完了すると、次にセンシングデータ提供契約と取得条件データとのマッチングを行う。図4に示したように、取得条件データには、取得条件データID、センシング対象の位置・座標、情報の種別、センシングデータ発生の絶対時刻、センシングデータ発生の相対時刻、センシングデータの位置差の許容値、センシングデータの発生時刻差の許容値等が含まれている。判断部31は、このような取得条件データを受信したとき、センシングデータ提供契約DB32を参照し、取得条件データとのマッチングを行う。センシングデータ提供契約と取得条件データとのマッチングは、各属性項目について行われる。基本的には、取得条件データに記載されたセンシング対象の位置・座標、情報の種別、センシングデータ発生の絶対時刻、センシングデータ発生の相対時刻、センシングデータの位置差の許容値、センシングデータの発生時刻差の許容値等の全ての条件が、センシングデータ提供契約に記載されている場合にマッチングしたことになる。
【0032】
例えば、図4の例では、センシング対象の位置・座標を(34.9854,135.7577)と設定している。すなわち、この例では京都駅の緯度、経度に設定している。この場合、当該コンテンツは、京都駅の情報を取得し、表示するという意図が現れていることになる。そこで、センシングサーバ3の判断部31は、図6に示したセンシングデータ提供契約のデータ構造から、当該条件に合致するものを検索し、合致するものが存在した場合に、当該センサからのセンシングデータをセンシングデータDB36から取得し、端末装置1に提供する。例えば、図6においては、センサID5が条件に合致するため、当該センサID5のデータ(カメラで撮影した映像データ)を端末装置1に提供する。
【0033】
このように、センシングサーバ3は、センシングデータ提供契約に示された条件と取得条件データに示された条件とを照合し、合致し、かつ当該契約における物理的センサが動作可能である場合に、当該物理的センサIDで特定されたセンサからのデータを、取得条件データIDに対応するセンシングデータとして端末装置1に提供する。
【0034】
コンテンツ提供者(コンテンツ提供者サーバ2の運営者)は、センシングサーバ3の運用者と利用契約登録部35の機能を用いてセンシングデータ利用契約を締結する。そして、締結されたセンシングデータ利用契約は、利用契約DB33に記憶される。また、センサの所有者は、センシングサーバ3の運用者と提供契約登録部34の機能を用いて、センシングデータ提供契約を締結する。そして、締結されたセンシングデータ提供契約は、提供契約DB32に記憶される。判断部31は、端末装置1から受信した取得条件データと提供契約DB32内にあるセンシングデータ提供契約および利用契約DB33内にあるセンシングデータ提供契約とを、属性項目毎にマッチングする。そして、判断部31は、マッチングした結果、条件を満たすセンサが対象物をセンシングした結果であるセンシングデータを取得して、端末装置1に送信する。端末装置1は、電子コンテンツの記述に従って、取得したセンシングデータをコンテンツの内容に埋め込んで表示する。これにより、コンテンツ提供者側においては、電子コンテンツで提供するコンテンツ内の一部領域をセンシングデータによりリアルタイムに変化する情報提供領域と定め、素材として収集したセンシングデータを、所定条件を満足する新しい情報として提供を行うことができる。したがって、従来は、過去に作成された写真や情報を提供するしかなかった電子コンテンツにおいて、リアルタイム性の高い情報を提供することが可能となる。
【0035】
なお、各種センサからは自動的にデータを送信するようにしてもよいが、提供者が手動で図6に示した各データ項目を入力するようにしてもよい。なお、手動入力する場合には、各データ項目の表現内容にばらつきがある可能性もあるため、提供者は、予め規定された複数のメニューから選択することで手動入力するようにすることが望ましい。また、センサによっては、例えばカメラ内蔵のGPS(Global Positioning System)携帯電話であって、緯度と経度で示される位置情報のGPSからの取得と、カメラによる画像の撮像と、画像撮像の時刻の取得ができて、撮像した画像を位置情報と時刻情報と対にして送信できるもの(以下、GPS携帯電話という。)である場合もある。この場合、前記のGPS携帯電話に、センシングデータ提供契約をセンシングサーバ3と締結するためのソフトウェアを搭載しておき、例えば図6のセンサID=mの行に示される内容からなるセンシングデータ提供契約を締結してもよい。この場合、センシング領域の位置の欄には、「移動体」との記述が入っている。これは、特定の緯度・経度で示される固定位置にセンサが存在しているのではなく、移動可能なセンサであることを示している。もしも、取得条件データで示された条件に該当できるような位置にセンサID=mのセンサが所定時刻内までに移動可能であり、センシングデータ利用契約で示されるようなセンシングデータ種別やデータ量や保証精度や対価などの条件が合致するならば、センサID=mのセンサからのセンシングデータは、センシングサーバ3によって取得され、そのセンシングデータを必要としている端末装置1に送信するようにしてもよい。
【0036】
次に、フローチャートを参照しながら、コンテンツ表示システムの動作について説明する。図8は、端末装置1の動作を示すフローチャートである。まず、端末装置1の制御部11は、コンテンツDB14からコンテンツを読み出し、表示部13に表示する(s11)。なお、コンテンツは定期的に、あるいは、端末装置1の使用者の指示により、コンテンツ提供者サーバ2からダウンロードされる。
【0037】
制御部11は、読み出した電子コンテンツ内に取得条件データが含まれているか否かを判断する(s12)。取得条件データが含まれていない場合、s11の処理に戻り、コンテンツの読み出し、表示を繰り返す。
【0038】
取得条件データが含まれていた場合、制御部11は、トリガーイベントが含まれているか否かを確認する(s13)。トリガーイベントが含まれていない場合、上述した取得条件データを含むセンシングデータの取得要求コマンド(すなわち、検索コマンドおよび検索パラメータ)がセンシングサーバ3に送信され(s14)、トリガーイベントが含まれている場合、イベント条件を満たした場合に限り、検索コマンドおよび検索パラメータが送信される(s15)。
【0039】
図4に示したように、取得条件データには、トリガーイベントの記述が含まれている場合がある。例えば、図4の例では、<トリガーイベント>視線検知</トリガーイベント>という記述が含まれている。これは、端末装置1が駅等に設置された電子看板であり、電子コンテンツが広告である場合において、電子看板である端末装置1に視線検知用の画像センサを搭載していて、当該画像センサが電子看板に近付く人の視線が電子看板に向いている事を検知すると、「視線検知=Yes」となり、取得条件データの送信が行われることになる。
トリガーイベントは、端末装置1の制御部11に含まれて動作するイベントハンドラーを拡張することで実現できる。視線検知イベントを検知するプログラムをイベントハンドラーに追加する事もできるし、センシングデータを表示するページの近くのページが閲覧されたという事でイベントが発生するようなイベントハンドラーを実装することもできる。これらのイベントハンドラーによるイベントの検知で動作を開始するプログラムをJavaScriptプログラムで組んで、当該JavaScriptプログラムを電子コンテンツに含ませておくことも容易である。例えば、電子書籍のフォーマットであるEPUB3ではJavaScriptプログラムもHTMLもサポートしているので、本実施形態にて説明した内容は容易に実現することができる。
【0040】
また、端末装置1がパーソナルコンピュータや携帯型端末であり、電子コンテンツが電子書籍である場合、当該ページの近くのページが閲覧された、あるいは、当該ページにジャンプする目次の部分がクリックされたと、いうイベントを、上記の<トリガーイベント>に記述しておけば、当該トリガーの発生に基づいて、電子書籍の当該ページに記述された取得条件データの他の部分が、センシングサーバ3に送信される。
【0041】
その後、制御部11は、所定時間内にセンシングデータを受信したか否かを判断する(s16)。所定時間内に受信しなかった場合、s11の処理に戻り、コンテンツの読み出し、表示から処理を繰り返す。このとき、センシングデータを埋め込むべき領域には、何も表示しないか、電子コンテンツ内に予め含まれていたデフォルト画像等を表示する。
【0042】
制御部11は、所定時間内にセンシングデータを受信した場合、当該受信したセンシングデータをコンテンツ内の所定の領域に埋め込んで表示する(s17)。
【0043】
次に、図9は、センシングサーバ3の動作を示すフローチャートである。まず、センシングサーバ3の判断部31は、端末装置1から取得条件データを含むセンシングデータの取得要求コマンド(検索コマンドおよび検索パラメータ)を受信する(s31)。判断部31は、利用契約DB33を参照し、受信した取得条件データとのマッチングを行う。図4に示したように、取得条件データには、コンテンツ提供者の名称、アプリケーション名、コンテンツの名称等の条件が記載されている。また、図7に示したように、センシングデータ利用契約にもコンテンツ提供者の名称、アプリケーション名、コンテンツの名称等の条件が記載されている。
【0044】
判断部31は、取得条件データを受信したとき、まずセンシングデータ利用契約DB33を参照し、センシングデータ利用契約と取得条件データの各属性項目について、取得条件データに記載された全ての条件が、センシングデータ利用契約に記載されているか否かを判断する。
【0045】
各属性項目について、一致しない項目が存在してマッチングが完了しなかった場合、判断部31は、端末装置1にセンシングデータ該当無し情報を送信する(s33)。
【0046】
一方、判断部31は、センシングデータ利用契約と取得条件データとのマッチングが完了すると、次にセンシングデータ提供契約と取得条件データとのマッチングを行い、センシングデータの抽出を行い(s34)、抽出したセンシングデータをURLで指定される表示用センシングデータ格納エリア38に保存する(s35)。例えば、図4の取得条件データの例では、センシング対象の位置・座標を(34.9854,135.7577)と設定しているため、判断部31は、図6に示したセンシングデータ提供契約のデータ構造から、センサID5が条件に合致するため、当該センサID5のデータ(カメラで撮影した映像データ)をセンシングデータとして表示用センシングデータ格納エリア38に保存する。これにより、端末装置1の制御部11は、表示用センシングデータ格納エリア38内の所定URLに用意されたものを、図2に示した<IMG>タグでのsrc=”url”で示されるurlで示されるアドレス上から画像データとして取得して、表示部に表示する。
【0047】
また、センシングデータ提供契約のデータに、取得条件データに示された緯度、経度をセンシング領域とした契約データがなかった場合、あるいはセンサが故障している場合があると、判断部31は、GPS携帯電話すなわち、「移動体」となっているセンシングデータ提供契約の契約者に、センシングデータを送信するように依頼する態様とすることも可能である。例えば、契約者に対し、「京都駅コンコースの画像を30分以内に送信してください。」と記載したメールを同報送信する。ここで、メールを受け取った提供者のうち、京都駅コンコースにいた提供者は、GPS携帯電話を用いて京都駅コンコースの様子を撮影し、撮影日時と緯度、経度情報をともにセンシングサーバ3に送信する。当該データは、GPS携帯電話に搭載されたセンシングデータ提供契約の専用アプリケーションで送信されることが望ましい。この場合、当該専用アプリケーションが自動的に撮影時点の緯度、経度情報を取得してセンシングサーバ3に撮影して得た画像データを送信する。このようにして移動体からセンシングデータを提供することも可能である。
【0048】
判断部31は、表示用センシングデータ格納エリア38に保存すると、ログを出力する(s36)。ログは、センシングサーバ3内の課金DB(不図示)や、課金サーバ等に出力され、蓄積される。当該蓄積されたログは、センシングデータの利用履歴を示したものであり、課金に用いられる。すなわち、センシングデータ利用契約には、利用者としてコンテンツ提供者が記載されているため、課金サーバは、当該ログを参照することで、利用履歴に応じた課金を行うことができる。
【0049】
次に、図10、図11、および図12は、本実施形態のコンテンツ表示システムの応用例を示す図である。図10は、電子コンテンツとして、WEBページを実現する場合の応用例を示す図である。図10、図11、および図12中に示す太矢印は、データの流れを示すものである。
【0050】
この場合、端末装置1は、一般的なパーソナルコンピュータや携帯端末である。図10(A)に示すように、端末装置1は、WEBブラウザを用いて、インターネット7を介してコンテンツ提供者サーバ2のURLにアクセスし、コンテンツを受信する。この場合、コンテンツは、HTMLデータ(あるいはHTMLと互換性を有するデータ)となっており、WEBブラウザで表示することができる。そして、端末装置1は、HTMLデータに含まれるタグオプションとしての取得条件データおよびトリガーイベントに基づいて、インターネット7を介してセンシングサーバ3に取得条件データを送信する。
【0051】
すると、図10(B)に示すように、センシングサーバ3は、受信した取得条件データに応じたセンシングデータの抽出を行い、センサ(同図の例ではセンサ51)から取得したセンシングデータ(センサ51からインターネット7を介して都度受信したもの、またはセンシングデータDB36に蓄積したもの)を表示用センシングデータ格納エリア38に保存する。端末装置1は、表示用センシングデータ格納エリア38からセンシングデータを受信し、WEBブラウザ内の所定の領域にセンシングデータを表示する。例えば、この例では、京都市の現在の実際に撮影した映像や、現在の天気(例えば実際に京都市にいるセンサ提供者がテキスト入力したものを天気画像として表示したもの)、現在の実際の気温、現在の実際の湿度等が表示される。
【0052】
コンテンツ提供者は、コンテンツ利用契約を締結するだけで、コンテンツ提供者自身が各地の実際の映像や天気等の情報収集を行うための整備をすることなく、各地の映像や天気情報を提供できるようになる。また、コンテンツ提供者は、コンテンツ利用契約を締結するだけで、政府機関等の他の気象情報サーバから受信する情報よりも、よりリアルタイム性が高く、精度の高い情報を提供することができる。
【0053】
次に、図11は、電子書籍の応用例を示す図である。この場合も、端末装置1は、一般的なパーソナルコンピュータや携帯端末である。図11(A)に示すように、端末装置1は、電子書籍ブラウザを用いて、インターネット7を介してコンテンツ提供者サーバ2からコンテンツを受信する。この場合、コンテンツは、電子書籍であるが、上述のHTMLデータに近い構造となっている。そして、端末装置1は、電子書籍に含まれた、タグオプションである取得条件データ、およびトリガーイベントに基づいて、インターネット7を介してセンシングサーバ3に取得条件データを送信する。上述したように、電子書籍ではセンシングデータを埋め込む予定のページの近くのページが閲覧された、あるいは、当該ページにジャンプする目次の部分がクリックされたというようなイベントを、トリガーイベントに記述しておく。
【0054】
すると、図11(B)に示すように、センシングサーバ3は、受信した取得条件データに応じたセンシングデータの抽出を行い、センサ(同図の例ではセンサ51)から取得したセンシングデータ(センサ51からインターネット7を介して都度受信したもの、またはセンシングデータDB36に蓄積したもの)を表示用センシングデータ格納エリア38に保存する。端末装置1は、表示用センシングデータ格納エリア38からセンシングデータを受信し、電子書籍の所定のページ内の所定の領域にセンシングデータを表示する。これにより、電子書籍の当該ページは新しい情報が表示される。なお、コンテンツが電子書籍である場合、端末装置1における一連の動作を、図2に示したオプションの1つのaltオプションで記述するコメントとして記述しておくことも可能である。また、そのような記述を電子書籍に組み込む機能を、電子書籍自動組版エンジンに装備することも可能である。電子書籍には種々のフォーマットが存在するが、これらのフォーマットの中に条件取得データを記述しておくことで種々のフォーマットに対応することが可能である。
【0055】
次に、図12は、電子看板の応用例を示す図である。この例では、端末装置1は、カラー電子ペーパ、あるいはLCD等を採用した、列車内の中吊り広告、駅待合室での電子看板、駅構内の各所での電子看板である。図12(A)に示すように、端末装置1は、専用のアプリケーションを用いて、インターネット7を介してコンテンツ提供者サーバ2から広告等のコンテンツを受信する。この場合も、コンテンツは、上述のHTMLデータに近い構造となっている。そして、端末装置1は、コンテンツに含まれた、タグオプションである取得条件データ、およびトリガーイベントに基づいて、インターネット7を介してセンシングサーバ3に取得条件データを送信する。
【0056】
上述したように、電子看板では、トリガーイベントとして、「視線検知」という記述が含まれ、端末装置1に視線検知用の画像センサを搭載していて、当該画像センサが電子看板に近付く人の視線が電子看板に向いている事を検知すると、「視線検知=Yes」となり、取得条件データの送信が行われることになる。
【0057】
すると、図12(B)に示すように、センシングサーバ3は、受信した取得条件データに応じたセンシングデータの抽出を行い、センサ(同図の例ではセンサ51)から取得したセンシングデータ(センサ51からインターネット7を介して都度受信したもの、またはセンシングデータDB36に蓄積したもの)を表示用センシングデータ格納エリア38に保存する。端末装置1は、表示用センシングデータ格納エリア38からセンシングデータを受信し、○○温泉の「今日の様子」といった領域上にセンシングデータ(動画)を表示する。この場合、観光地に設置されたカメラや観光地に来訪した提供者のカメラで撮影された動画を、センシングデータとして提供することにより、観光地や商店街などのリアルタイム画像を含んだ広告を、駅や列車内に設置できることになる。
【符号の説明】
【0058】
1…端末装置
2…コンテンツ提供者サーバ
3…センシングサーバ
7…インターネット
11…制御部
12…通信部
13…表示部
14…コンテンツDB
31…判断部
32…センシングデータ提供契約DB
33…センシングデータ利用契約DB
34…提供契約登録部
35…利用契約登録部
36…センシングデータDB
37…通信部
51,52,53,54…センサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子コンテンツを記憶する記憶部と、
前記電子コンテンツの内容を表示する表示部と、
外部サーバとデータ送受信を行う通信部と、
前記記憶部から前記電子コンテンツを読み出し、前記表示部に前記電子コンテンツの内容を表示させる制御部と、
を備えた端末装置であって、
前記記憶部に記憶された電子コンテンツは、時間的に変化し得る情報であるセンシングデータの時間的条件または位置的条件を含む取得条件データを含み、
前記制御部は、前記電子コンテンツを前記表示部に表示する前に、前記取得条件データを読み出す処理と、
前記取得条件データに合致するセンシングデータを受信し、当該受信したセンシングデータを前記電子コンテンツの内容に含めて前記表示部に表示させることを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記記憶部に記憶された電子コンテンツは、前記取得条件データを読み出すトリガとなるイベント記述が含まれ、
前記制御部は、前記イベント記述を読み出すことで、前記電子コンテンツを前記表示部に表示する前に、前記取得条件データを読み出すことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記記憶部に記憶された電子コンテンツは、電子書籍であり、所定のページが閲覧されたことを、前記取得条件データを読み出すトリガとすることを特徴とする請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記端末装置は、視線感知センサを備え、
前記制御部は、前記視線感知センサで視線感知した場合に、前記取得条件データを読み出すことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の端末装置。
【請求項5】
端末装置と、当該端末装置に接続される外部サーバと、からなるコンテンツ表示システムであって、
前記端末装置は、
電子コンテンツを記憶する記憶部と、
前記電子コンテンツの内容を表示する表示部と、
外部サーバとデータ送受信を行う通信部と、
前記記憶部から前記電子コンテンツを読み出し、前記表示部に前記電子コンテンツの内容を表示させる制御部と、を備え、
前記記憶部に記憶された電子コンテンツは、時間的に変化し得る情報であるセンシングデータの時間的条件または位置的条件を含む取得条件データを含み、
前記制御部は、前記電子コンテンツを前記表示部に表示する前に、前記取得条件データを読み出し、前記取得条件データを前記外部サーバに送信し、
前記外部サーバは、前記取得条件データを受信する通信部と、
前記取得条件データに合致するセンシングデータを判断し、当該センシングデータを前記端末装置に送信する判断部と、
を備え、
前記端末装置の制御部は、前記取得条件データに合致するセンシングデータを受信し、当該受信したセンシングデータを前記電子コンテンツの内容に含めて前記表示部に表示させることを特徴とするコンテンツ表示システム。
【請求項6】
電子コンテンツを記憶する記憶部と、
前記電子コンテンツの内容を表示する表示部と、
外部サーバとデータ送受信を行う通信部と、
前記記憶部から前記電子コンテンツを読み出し、前記表示部に前記電子コンテンツの内容を表示させる制御部と、
を備えた端末装置の前記制御部に実行されるプログラムであって、
前記記憶部に記憶された電子コンテンツは、時間的に変化し得る情報であるセンシングデータの時間的条件または位置的条件を含む取得条件データを含み、
前記制御部に、前記電子コンテンツを前記表示部に表示する前に、前記取得条件データを読み出す処理と、
前記取得条件データに合致するセンシングデータを受信し、当該受信したセンシングデータを前記電子コンテンツの内容に含めて前記表示部に表示させる表示処理と、を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項7】
前記記憶部に記憶された電子コンテンツは、前記取得条件データを読み出すトリガとなるイベント記述が含まれ、
前記制御部に、前記イベント記述を読み出しさせることで、前記電子コンテンツを前記表示部に表示する前に、前記取得条件データを読み出しさせることを特徴とする請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記記憶部に記憶された電子コンテンツは、電子書籍であり、所定のページが閲覧されたことを、前記取得条件データを読み出すトリガとすることを特徴とする請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記端末装置は、視線感知センサを備え、
前記制御部に、前記視線感知センサで視線感知した場合に、前記取得条件データを読み出しさせることを特徴とする請求項6または請求項7に記載のプログラム。
【請求項10】
情報処理装置に読み出しされる電子コンテンツのデータ構造であって、
時間的に変化し得る情報であるセンシングデータの、時間的条件および位置的条件を含む取得条件データと、前記取得条件データを読み出すトリガとなるイベント記述と、当該センシングデータの情報の種別と、を含み、
前記情報処理装置に、前記電子コンテンツを表示部に表示する前に、前記取得条件データを読み出す処理と、
当該取得条件データに合致するセンシングデータを、前記電子コンテンツの内容に含めて表示する処理と、を実行させる記述が含まれたことを特徴とするデータ構造。
【請求項11】
前記情報処理装置が、前記イベント記述を読み出すことで、前記電子コンテンツを前記表示部に表示する前に、前記取得条件データを読み出しすることを特徴とする請求項10に記載のデータ構造。
【請求項12】
前記電子コンテンツは、電子書籍であり所定のページが閲覧されたことを、前記取得条件データを読み出すトリガとすることを特徴とする請求項11に記載のデータ構造。
【請求項13】
時間的に変化し得る情報であるセンシングデータの時間的条件または位置的条件を含む取得条件データを含む電子コンテンツを配信するコンテンツ配信サーバであって、
前記電子コンテンツは、配信を受ける情報処理装置に、前記電子コンテンツを表示部に表示する前に、前記取得条件データを読み出す処理と、
当該取得条件データに合致するセンシングデータを、前記電子コンテンツの内容に含めて表示する処理と、を実行させる記述が含まれたことを特徴とするコンテンツ配信サーバ。
【請求項1】
電子コンテンツを記憶する記憶部と、
前記電子コンテンツの内容を表示する表示部と、
外部サーバとデータ送受信を行う通信部と、
前記記憶部から前記電子コンテンツを読み出し、前記表示部に前記電子コンテンツの内容を表示させる制御部と、
を備えた端末装置であって、
前記記憶部に記憶された電子コンテンツは、時間的に変化し得る情報であるセンシングデータの時間的条件または位置的条件を含む取得条件データを含み、
前記制御部は、前記電子コンテンツを前記表示部に表示する前に、前記取得条件データを読み出す処理と、
前記取得条件データに合致するセンシングデータを受信し、当該受信したセンシングデータを前記電子コンテンツの内容に含めて前記表示部に表示させることを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記記憶部に記憶された電子コンテンツは、前記取得条件データを読み出すトリガとなるイベント記述が含まれ、
前記制御部は、前記イベント記述を読み出すことで、前記電子コンテンツを前記表示部に表示する前に、前記取得条件データを読み出すことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記記憶部に記憶された電子コンテンツは、電子書籍であり、所定のページが閲覧されたことを、前記取得条件データを読み出すトリガとすることを特徴とする請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記端末装置は、視線感知センサを備え、
前記制御部は、前記視線感知センサで視線感知した場合に、前記取得条件データを読み出すことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の端末装置。
【請求項5】
端末装置と、当該端末装置に接続される外部サーバと、からなるコンテンツ表示システムであって、
前記端末装置は、
電子コンテンツを記憶する記憶部と、
前記電子コンテンツの内容を表示する表示部と、
外部サーバとデータ送受信を行う通信部と、
前記記憶部から前記電子コンテンツを読み出し、前記表示部に前記電子コンテンツの内容を表示させる制御部と、を備え、
前記記憶部に記憶された電子コンテンツは、時間的に変化し得る情報であるセンシングデータの時間的条件または位置的条件を含む取得条件データを含み、
前記制御部は、前記電子コンテンツを前記表示部に表示する前に、前記取得条件データを読み出し、前記取得条件データを前記外部サーバに送信し、
前記外部サーバは、前記取得条件データを受信する通信部と、
前記取得条件データに合致するセンシングデータを判断し、当該センシングデータを前記端末装置に送信する判断部と、
を備え、
前記端末装置の制御部は、前記取得条件データに合致するセンシングデータを受信し、当該受信したセンシングデータを前記電子コンテンツの内容に含めて前記表示部に表示させることを特徴とするコンテンツ表示システム。
【請求項6】
電子コンテンツを記憶する記憶部と、
前記電子コンテンツの内容を表示する表示部と、
外部サーバとデータ送受信を行う通信部と、
前記記憶部から前記電子コンテンツを読み出し、前記表示部に前記電子コンテンツの内容を表示させる制御部と、
を備えた端末装置の前記制御部に実行されるプログラムであって、
前記記憶部に記憶された電子コンテンツは、時間的に変化し得る情報であるセンシングデータの時間的条件または位置的条件を含む取得条件データを含み、
前記制御部に、前記電子コンテンツを前記表示部に表示する前に、前記取得条件データを読み出す処理と、
前記取得条件データに合致するセンシングデータを受信し、当該受信したセンシングデータを前記電子コンテンツの内容に含めて前記表示部に表示させる表示処理と、を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項7】
前記記憶部に記憶された電子コンテンツは、前記取得条件データを読み出すトリガとなるイベント記述が含まれ、
前記制御部に、前記イベント記述を読み出しさせることで、前記電子コンテンツを前記表示部に表示する前に、前記取得条件データを読み出しさせることを特徴とする請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記記憶部に記憶された電子コンテンツは、電子書籍であり、所定のページが閲覧されたことを、前記取得条件データを読み出すトリガとすることを特徴とする請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記端末装置は、視線感知センサを備え、
前記制御部に、前記視線感知センサで視線感知した場合に、前記取得条件データを読み出しさせることを特徴とする請求項6または請求項7に記載のプログラム。
【請求項10】
情報処理装置に読み出しされる電子コンテンツのデータ構造であって、
時間的に変化し得る情報であるセンシングデータの、時間的条件および位置的条件を含む取得条件データと、前記取得条件データを読み出すトリガとなるイベント記述と、当該センシングデータの情報の種別と、を含み、
前記情報処理装置に、前記電子コンテンツを表示部に表示する前に、前記取得条件データを読み出す処理と、
当該取得条件データに合致するセンシングデータを、前記電子コンテンツの内容に含めて表示する処理と、を実行させる記述が含まれたことを特徴とするデータ構造。
【請求項11】
前記情報処理装置が、前記イベント記述を読み出すことで、前記電子コンテンツを前記表示部に表示する前に、前記取得条件データを読み出しすることを特徴とする請求項10に記載のデータ構造。
【請求項12】
前記電子コンテンツは、電子書籍であり所定のページが閲覧されたことを、前記取得条件データを読み出すトリガとすることを特徴とする請求項11に記載のデータ構造。
【請求項13】
時間的に変化し得る情報であるセンシングデータの時間的条件または位置的条件を含む取得条件データを含む電子コンテンツを配信するコンテンツ配信サーバであって、
前記電子コンテンツは、配信を受ける情報処理装置に、前記電子コンテンツを表示部に表示する前に、前記取得条件データを読み出す処理と、
当該取得条件データに合致するセンシングデータを、前記電子コンテンツの内容に含めて表示する処理と、を実行させる記述が含まれたことを特徴とするコンテンツ配信サーバ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図10】
【公開番号】特開2013−55595(P2013−55595A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193934(P2011−193934)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
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