説明

端末装置、サーバ装置、ネットワークシステム、通信方法及び通信プログラム

【課題】ユーザに所望されているコンテンツを配信可能にすること。
【解決手段】実施形態に係る端末装置は、ユーザによって設定されるデータであって、かかるユーザに関するユーザ情報毎にユーザ情報の利用を許可するか否かを示すデータであるオプトアロウクッキーを記憶するクッキー記憶部と、ユーザ情報に基づいて配信対象のコンテンツを決定するサーバ装置と通信接続を行う接続部と、接続部によって通信接続されたサーバ装置がクッキーを受け付けている場合に、クッキー記憶部に記憶されているオプトアロウクッキーをサーバ装置に送信する送信部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置、サーバ装置、ネットワークシステム、通信方法及び通信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ウェブサーバ(Web Server)は、HTTPクッキー(HyperText Transfer Protocol Cookie:以下、単に「クッキー」と表記する)を用いて各種処理を行う場合がある。例えば、ウェブサーバは、端末装置からブラウザを介してアクセスされた場合に、クッキーを端末装置に送信する。その後、端末装置のブラウザは、ウェブサーバにアクセスする場合に、かかるクッキーをウェブサーバに送信する。これにより、ウェブサーバは、端末装置を利用する個々のユーザを識別することが可能となり、例えば、ユーザ毎にカスタマイズしたコンテンツを提供することが可能となる。
【0003】
一例を挙げて説明すると、広告配信サーバ等は、クッキーを用いてユーザを識別することで、かかるユーザの行動履歴等を特定し、特定した行動履歴を用いてユーザが興味を持っていると考えられる分野に関する広告コンテンツを配信する。このような技術は、ターゲティング広告等と呼ばれており、広告配信効果を高めることができると考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−96202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来技術では、広告配信サーバ等のサーバ装置がユーザに所望されているコンテンツを配信できるとは限らなかった。具体的には、上記のターゲティング広告等の従来技術では、あくまで行動履歴等を用いてユーザが興味を持っていると考えられる分野を推定しているに過ぎないので、かかる分野を高精度に特定できるとは限らなかった。このため、例えば広告配信サーバは、必ずしもユーザの興味に対応する広告コンテンツを配信できるとは限らず、この結果、広告配信効果を高めることができるとも限らなかった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ユーザに所望されているコンテンツを配信可能にする端末装置、サーバ装置、ネットワークシステム、通信方法及び通信プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る端末装置は、ユーザによって設定されるデータであって、当該ユーザに関するユーザ情報毎に該ユーザ情報の利用を許可するか否かを示すデータである許可データを記憶する記憶部と、ユーザ情報に基づいて配信対象のコンテンツを決定するサーバ装置と通信接続を行う接続部と、前記接続部によって通信接続されたサーバ装置がクッキーを受け付けている場合に、前記記憶部に記憶されている許可データを当該サーバ装置に送信する送信部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
実施形態に係る端末装置、サーバ装置、ネットワークシステム、通信方法及び通信プログラムは、ユーザに所望されているコンテンツを配信することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、実施例1に係るネットワークシステムの構成例を示す図である。
【図2】図2は、端末装置のブラウザに表示されるコンテンツの一例を示す図である。
【図3】図3は、実施例1に係る端末装置の構成例を示す図である。
【図4】図4は、実施例1におけるオプトアロウクッキーに設定される情報例を示す図である。
【図5】図5は、許諾区分設定画面の一例を示す図である。
【図6】図6は、限定要素設定画面の一例を示す図である。
【図7】図7は、実施例1に係る広告配信サーバの構成例を示す図である。
【図8】図8は、実施例1に係る端末装置による通信処理手順を示すフローチャートである。
【図9】図9は、実施例2に係るネットワークシステムの構成例を示す図である。
【図10】図10は、実施例2に係る広告配信サーバの構成例を示す図である。
【図11】図11は、実施例3に係るネットワークシステムの構成例を示す図である。
【図12】図12は、実施例3に係る端末装置の構成例を示す図である。
【図13】図13は、実施例3に係るオプトアロウウェブサーバの構成例を示す図である。
【図14】図14は、各実施例に係る端末装置が保持するオプトアロウクッキーの変形例を説明するための図である。
【図15】図15は、各実施例に係る端末装置が保持するオプトアロウクッキーの変形例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る端末装置、サーバ装置、ネットワークシステム、通信方法及び通信プログラムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例により本願に係る端末装置、サーバ装置、ネットワークシステム、通信方法及び通信プログラムが限定されるものではない。
【実施例1】
【0011】
[実施例1に係るネットワークシステムの構成]
まず、図1を用いて、実施例1に係るネットワークシステムについて説明する。図1は、実施例1に係るネットワークシステムの構成例を示す図である。図1に例示するように、実施例1に係るネットワークシステム1には、コンテンツサーバ10と、広告配信サーバ(「アドサーバ:Ad Server」とも呼ばれる)20と、端末装置100とが含まれる。端末装置100は、図示しないネットワーク網を介して、コンテンツサーバ10及び広告配信サーバ20と有線又は無線により通信可能に接続される。
【0012】
なお、図1では、ネットワークシステム1に、コンテンツサーバ10、広告配信サーバ20及び端末装置100が1台ずつ含まれる例を示したが、ネットワークシステム1には、複数台のコンテンツサーバ10、広告配信サーバ20及び端末装置100が含まれてもよい。
【0013】
コンテンツサーバ10は、例えばウェブサーバであり、端末装置100に対してウェブページ等のコンテンツ(以下、「ウェブコンテンツ」と表記する場合がある)を配信するコンピュータである。実施例1では、コンテンツサーバ10によって配信されるウェブページには、広告配信サーバ20によって配信される広告用のコンテンツ(以下、「広告コンテンツ」と表記する場合がある)が表示される広告枠が含まれるものとする。
【0014】
広告配信サーバ20は、端末装置100に対して広告コンテンツを配信するコンピュータである。例えば、広告配信サーバ20は、上記ウェブページの広告枠に表示される広告コンテンツを端末装置100に配信する。かかる広告コンテンツは、例えば、広告を目的とした画像データであり、企業名、商品名、商品を紹介するサイトのURL(Uniform Resource Locator)等の情報が描出され、商品を紹介するサイト等にリンクが張られる。
【0015】
また、図1に示した例では、広告配信サーバ20は、ユーザ情報記憶部22を有する。ユーザ情報記憶部22は、端末装置100のユーザに関する各種情報であるユーザ情報を記憶する。例えば、ユーザ情報記憶部22は、ユーザ情報として、端末装置100のユーザにおける属性情報(性別、住所、年齢、収入等)や、ユーザが端末装置100を用いてサイトを閲覧した履歴を示す閲覧履歴(「行動履歴」とも呼ばれる)や、かかるサイトにおいてユーザが商品を購入した履歴を示す購買履歴等に関する情報を記憶する。ユーザ情報記憶部22は、このようなユーザ情報をユーザ毎に記憶する。
【0016】
端末装置100は、ユーザによって利用される情報処理装置であり、例えば、PC(Personal Computer)や携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)等である。かかる端末装置100は、図1に例示するように、クッキー記憶部140を有する。クッキー記憶部140は、コンテンツサーバ10や広告配信サーバ20等のサーバ装置から受信したクッキーを記憶する。具体的には、端末装置100は、ウェブブラウザ(以下、単に「ブラウザ」と表記する)を有しており、かかるブラウザを介してサーバ装置からクッキーを受信した場合に、受信したクッキーをクッキー記憶部140に格納する。
【0017】
このような構成の下、実施例1に係るネットワークシステム1は、ユーザが興味を持っている分野に関する広告コンテンツを配信可能にする。この点について簡単に説明する。まず、広告配信サーバ20は、端末装置100から初めてアクセスされた場合や、過去に端末装置100に対して生成したクッキーに有効期限が切れた場合等に、端末装置100用のクッキー(図1では、「Ad Cookie:アドクッキー」と表記する)を生成し、生成したアドクッキーを端末装置100に送信する。かかる場合に、端末装置100は、広告配信サーバ20から受信したアドクッキーをクッキー記憶部140に格納する。その後に、端末装置100は、コンテンツサーバ10から広告枠が含まれるウェブコンテンツを受信した場合に、かかる広告枠に表示される広告コンテンツの取得要求を広告配信サーバ20に送信する。
【0018】
このとき、一般的な端末装置は、前述において広告配信サーバ20から受信したアドクッキーを広告配信サーバ20に送信する。これにより、広告配信サーバ20は、端末装置から受信したアドクッキーを用いて端末装置のブラウザを特定することができる。言い換えれば、広告配信サーバ20は、端末装置のユーザを特定することができる。そして、広告配信サーバ20は、特定したユーザに対応するユーザ情報をユーザ情報記憶部22から取得し、取得したユーザ情報を用いてユーザが興味を持っていると考えられる分野を推定した後に、かかる分野に関する広告コンテンツを端末装置に配信する。しかし、このような広告配信サーバ20は、あくまでユーザが興味を持っていると考えられる分野を推定しているに過ぎず、ユーザの興味を特定できるとは限らない。このため、広告配信サーバ20は、必ずしもユーザの興味に対応する広告コンテンツを配信できるとは限らず、この結果、広告配信効果を高めることができるとも限らない。
【0019】
一方、実施例1に係る端末装置100は、広告コンテンツの取得要求を広告配信サーバ20に送信する場合に、上記のアドクッキーとともに、ユーザ情報毎にかかるユーザ情報の利用を許可するか否かを示すデータである許可データをクッキーとして広告配信サーバ20に送信する。以下では、このような許可データを「Opt−allow Cookie:オプトアロウクッキー」と表記する場合がある。かかるオプトアロウクッキーは、ユーザによって設定されるクッキーであって、例えば、ユーザ情報(性別、住所、年齢、収入、行動履歴、購買履歴等)毎に、広告配信サーバ20によるユーザ情報の利用を許可する否かを示すフラグ等のデータである。
【0020】
広告配信サーバ20は、端末装置100からアドクッキー及びオプトアロウクッキーを受信した場合には、かかるアドクッキーを用いて端末装置100のユーザを特定する。さらに、広告配信サーバ20は、かかるオプトアロウクッキーを参照することにより、利用することが許可されているユーザ情報を特定する。そして、広告配信サーバ20は、端末装置100のユーザに対応するユーザ情報のうち、利用することが許可されているユーザ情報をユーザ情報記憶部22から取得する。そして、広告配信サーバ20は、このようにして取得したユーザ情報を用いて配信対象の広告コンテンツを決定し、決定した広告コンテンツを端末装置100に配信する(図1では、「Opt−allow配信」と表記する)。すなわち、実施例1に係る広告配信サーバ20は、ユーザの意思が反映されているオプトアロウクッキーにより特定されるユーザ情報を用いて配信対象の広告コンテンツを決定するので、ユーザが興味を持っている分野を高精度に特定することができ、ひいてはユーザが真に興味を持っている分野に関する広告コンテンツを配信することができる。
【0021】
このようにして、実施例1に係る端末装置100は、コンテンツサーバ10から配信されるウェブコンテンツと広告配信サーバ20から配信される広告コンテンツとをブラウザ上に表示する。図2に、端末装置100のブラウザに表示されるコンテンツの一例を示す。図2に示した例では、端末装置100は、所定の表示部(後述する表示部130)にブラウザB10を表示するとともに、かかるブラウザB10に、コンテンツサーバ10から配信されるウェブコンテンツWc11と、広告配信サーバ20から配信される広告コンテンツAc11とをブラウザB10上に表示する。なお、広告コンテンツAc11が表示される広告枠に関する情報や、広告コンテンツAc11を保持する広告配信サーバ20に関する情報は、例えば、ウェブコンテンツWc11を構成するHTMLファイル等によって指定されている。
【0022】
このように、実施例1に係るネットワークシステム1では、端末装置100が、ユーザにより設定されたオプトアロウクッキーを広告配信サーバ20に送信し、広告配信サーバ20が、ユーザの意思が反映されているオプトアロウクッキーに従って配信対象の広告コンテンツを決定する。これにより、実施例1における広告配信サーバ20は、ユーザが真に興味を持っている分野に関する広告コンテンツを配信することができる。
【0023】
例えば、ユーザが過去に閲覧したサイトに関する分野に興味を持っているものとする。かかる場合に、実施例1におけるユーザは、行動履歴の利用を許可するようにオプトアロウクッキーを設定することで、過去に閲覧したサイトに関する分野の広告コンテンツを広告配信サーバ20から得ることができる。また、例えば、ユーザが過去に購入した商品に関する分野に興味を持っているものとする。かかる場合に、実施例1におけるユーザは、購買履歴の利用を許可するようにオプトアロウクッキーを設定することで、過去に購入した商品に関する分野の広告コンテンツを広告配信サーバ20から得ることができる。
【0024】
このようなことから、実施例1に係るネットワークシステム1は、広告配信サーバ20がユーザニーズに見合う広告コンテンツを配信することができ、端末装置100のユーザが所望の広告コンテンツを得ることができるので、広告配信サーバ20及び端末装置100の双方にとってメリットのあるコンテンツ流通を実現することができる。
【0025】
以下に、図1に示した端末装置100の構成について説明し、次に広告配信サーバ20の構成について説明し、次に端末装置100による処理手順について説明し、最後に実施例1の効果について説明する。
【0026】
[実施例1に係る端末装置の構成]
図3を用いて、図1に示した端末装置100の構成について説明する。図3は、実施例1に係る端末装置100の構成例を示す図である。図3に例示するように、実施例1に係る端末装置100は、ネットワークIF(interface)110と、入力部120と、表示部130と、クッキー記憶部140と、制御部150とを有する。
【0027】
ネットワークIF110は、コンテンツサーバ10や広告配信サーバ20等のサーバ装置との間で各種データを送受信するNIC(Network Interface Card)等である。例えば、ネットワークIF110は、コンテンツサーバ10からウェブコンテンツを受信したり、広告配信サーバ20からアドクッキーや広告コンテンツを受信したり、広告配信サーバ20に対してオプトアロウクッキーを送信したりする。
【0028】
入力部120は、ユーザから各種操作の入力を受け付ける入力デバイスであり、例えば、キーボードやマウス等である。表示部130は、各種情報を表示制御する表示デバイスであり、例えば、液晶ディスプレイ等である。なお、端末装置100は、入力部120と表示部130とが一体化されたタッチパネル式の表示部(タッチディスプレイ等)を有してもよい。
【0029】
クッキー記憶部140は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置であり、各種クッキーを記憶する。具体的には、クッキー記憶部140は、広告配信サーバ20から送信されるアドクッキー、コンテンツサーバ10から送信されるクッキー(以下、「コンテンツクッキー」と表記する場合がある)、ユーザによって設定されたオプトアロウクッキー等を記憶する。
【0030】
図3に示した例では、クッキー記憶部140は、アドクッキーA11及びA12と、コンテンツクッキーC11及びC12と、オプトアロウクッキーOA11とを記憶する。なお、アドクッキーA11とアドクッキーA12とは、同一の広告配信サーバ20によって送信されたクッキーであってもよいし、異なる広告配信サーバ20によって送信されたクッキーであってもよい。同様に、コンテンツクッキーC11とコンテンツクッキーC12とは、同一又は異なるコンテンツサーバによって送信されたクッキーである。
【0031】
ここで、実施例1におけるオプトアロウクッキーについて説明する。オプトアロウクッキーは、広告配信サーバ20等のサーバ装置によるユーザ情報の利用をユーザが許可するか否かを示す許諾コードとしての役割を担う。実施例1におけるオプトアロウクッキーは、基本的にはユーザ情報自体(「性別:男性」、「住所:東京都・・・」、「年齢:25歳」、「年収:500万」等)が設定されるのではなく、ユーザ情報毎にかかるユーザ情報の利用を許可するか否かを示すフラグ等が設定される。これは、実施例1では、広告配信サーバ20がユーザ情報自体(行動履歴、購買履歴等)をユーザ情報記憶部22に保持しており、端末装置100がオプトアロウクッキーによってユーザ情報記憶部22に記憶されている各ユーザ情報の利用を許可するか否かを広告配信サーバ20に通知するからである。
【0032】
また、オプトアロウクッキーのフォーマットは、RFC(Request for Comments)2109や2965や6265等によって定義されているクッキーの仕様に準拠する。一例を挙げて説明すると、例えば、オプトアロウクッキーの「NAME」には「OPTALLOW」等が設定され、オプトアロウクッキーの「VALUE」にはユーザ情報の利用を許可するか否かを示すフラグ等の情報が設定される。なお、「NAME」に設定される「OPTALLOW」に限らず、オプトアロウクッキーであることを識別できる情報であれば如何なる情報であってもよい。
【0033】
上記のVALUEに設定される情報のフォーマットは、各種情報のデータサイズが固定である固定長形式であってもよいし、各種情報のデータサイズが可変である可変長形式であってもよいし、固定長形式と可変長形式との組合せ形式であってもよいし、CSV(Comma Separated Values)形式であってもよいし、所定の特殊文字列(例えば、「;」等)を区切り文字とする形式であってもよい。例えば、オプトアロウクッキーのフォーマットが固定長形式や可変長形式である場合には、図4を用いて後述する各種情報(「性別」の利用を許可するか否かを示すフラグ等)が設定される領域が規定されている。また、例えば、オプトアロウクッキーのフォーマットがCSV形式や特殊文字列区切り形式等である場合には、後述する各種情報が設定される順序が規定されている。また、オプトアロウクッキーのフォーマットが可変長形式である場合、オプトアロウクッキーには可変長データ部分のデータサイズがオフセットとして設定されることが規定されている。また、VALUEには、URLエンコードされた後の情報が設定されてもよい。端末装置100及び広告配信サーバ20は、このような規定に準拠して動作する。
【0034】
なお、上記では、オプトアロウクッキーがRFCに準拠する場合を例に挙げたが、オプトアロウクッキーは、必ずしも既存のクッキーの仕様に準拠する必要はない。例えば、オプトアロウクッキー用の新たな仕様が規定されてもよい。
【0035】
続いて、図4を用いて、オプトアロウクッキーに設定される情報について説明する。図4は、実施例1におけるオプトアロウクッキーに設定される情報例を示す図である。なお、図4では、オプトアロウクッキーの「VALUE」に設定される情報の一例を示す。
図4に例示するように、オプトアロウクッキーには、「コンテンツ識別子」、「発行者識別子」、「受諾者識別子」、「許諾条件情報」といった情報が設定される。
【0036】
「コンテンツ識別子」は、オプトアロウクッキーを識別するための識別情報等を示す。「発行者識別子」は、オプトアロウクッキーの発行者(送信元)であるブラウザを識別するための識別情報等を示す。例えば、広告配信サーバ20等のサーバ装置は、かかる「発行者識別子」に設定されている識別情報を参照することで、オプトアロウクッキーの送信元であるブラウザを特定する。「受諾者識別子」は、オプトアロウクッキーの受諾者(送信先)であるサーバ装置を識別するための識別情報等を示す。例えば、かかる「受諾者識別子」には、広告配信サーバ20のドメインやIP(Internet Protocol)アドレス等が設定される。「許諾条件情報」は、ユーザ情報の利用を許可する否かを示す「許諾区分」や、ユーザ情報の利用を限定するための利用条件等を示す「限定要素」が含まれる。
【0037】
このような情報が設定されるオプトアロウクッキーは、『「受諾者識別子」によって識別されるサーバ装置が、「発行者識別子」によって識別される端末装置100(端末装置100が備えるブラウザ)から、「許諾条件情報」によって利用許可されているユーザ情報を配信対象のコンテンツ決定処理に用いることを許諾される』ことを示す。
【0038】
上記の「許諾条件情報」についてより詳細に説明する。図4に例示するように、「許諾条件情報」には、「許諾区分」として、「デモグラ(デモグラフィック)区分」、「ジオグラ(ジオグラフィック)区分」、「サイコグラ(サイコグラフィック)区分」、「ライフログ区分」、「スポンサー区分」、「テリトリー区分」、「使用区分」といった情報が設定される。
【0039】
「デモグラ区分」は、ユーザの属性情報や個人情報等の利用を許可するか否かを示す。例えば、「デモグラ区分」は、ユーザの「性別」、「住所」、「年齢」、「収入」等の項目を含み、かかる項目毎に利用可否を示すフラグが設定される。これにより、端末装置100のユーザは、「デモグラ区分」に関するユーザ情報の利用可否を広告配信サーバ20に通知することができる。なお、以下では、ユーザ情報の利用を許可する場合には、フラグ「1」が設定され、ユーザ情報の利用を許可しない場合には、フラグ「0」が設定されるものとする。
【0040】
「ジオグラ区分」は、端末装置100の位置に関する情報の利用を許可するか否かを示す。例えば、「ジオグラ区分」は、端末装置100の「現在位置」等の項目を含み、かかる項目毎に利用可否を示すフラグが設定される。これにより、端末装置100のユーザは、「ジオグラ区分」に関するユーザ情報の利用可否を広告配信サーバ20に通知することができる。
【0041】
上記の「現在位置」について説明すると、図3では図示することを省略したが、実施例1に係る端末装置100は、GPS(Global Positioning System)機能を有し、端末装置100の現在位置を示す現在位置情報を広告配信サーバ20に送信する場合がある。そして、広告配信サーバ20は、オプトアロウクッキーにおいて現在位置情報の利用が許可されている場合には、端末装置100から受信した現在位置情報を用いて配信対象の広告コンテンツを決定し、オプトアロウクッキーにおいて現在位置情報の利用が許可されていない場合には、現在位置情報を用いずに配信対象の広告コンテンツを決定する。
【0042】
「サイコグラ区分」は、ユーザの嗜好や意思等に関する情報の利用を許可するか否かを示す。例えば、「サイコグラ区分」は、ユーザの嗜好に関する項目として「スイーツ」、「果物」、「飲料」等を含み、かかる項目毎にユーザが興味を持っているか否かを示すフラグが設定される。また、例えば、「サイコグラ区分」は、ユーザの意思に関する項目として「無料コンテンツを広告付きで閲覧したい」、「車の広告だけ見たい」等を含み、かかる項目毎にユーザの意思があるか否かを示すフラグが設定される。これにより、端末装置100のユーザは、嗜好や意思等に関する情報を広告配信サーバ20に通知することができる。なお、以下では、ユーザが興味を持っている項目にはフラグ「1」が設定され、ユーザが興味を持っていない項目にはフラグ「0」が設定されるものとする。また、ユーザの意思がある項目にはフラグ「1」が設定され、ユーザの意思がない項目にはフラグ「0」が設定されるものとする。
【0043】
「ライフログ区分」は、各種履歴情報の利用を許可するか否かを示す。例えば、「ライフログ区分」は、ユーザが端末装置100を用いて閲覧したサイトの「閲覧履歴(行動履歴)」や、各種サイトから購入した「購買履歴」や、ユーザの「診療履歴」や「職歴」等の項目を含み、かかる項目毎に利用可否を示すフラグが設定される。これにより、端末装置100のユーザは、「ライフログ区分」に関するユーザ情報(ユーザの嗜好や意思)の利用可否を広告配信サーバ20に通知することができる。
【0044】
「スポンサー区分」は、ユーザが所望する広告コンテンツの広告主に関する情報を示す。例えば、「スポンサー区分」は、広告主に関する情報として「AAA会社」、「BBB会社」、「食品関連会社」、「スポーツ関連会社」等の項目を含み、かかる項目毎にユーザが所望する広告コンテンツの広告主であるか否かを示すフラグが設定される。これにより、端末装置100のユーザは、「スポンサー区分」に関するユーザ情報の利用可否を広告配信サーバ20に通知することができる。この結果、ユーザは、所望の広告主によって提供される広告コンテンツを取得することが可能となる。
【0045】
「テリトリー区分」は、ユーザが所望する広告コンテンツの配信元の地域に関する情報を示す。例えば、「テリトリー区分」は、広告配信サーバ20が設置される国名として「日本」、「アメリカ」等の項目を含み、かかる項目毎に広告コンテンツの配信元がユーザに許可された国であるか否かを示すフラグが設定される。これにより、端末装置100のユーザは、「テリトリー区分」に関するユーザ情報の利用可否を広告配信サーバ20に通知することができる。この結果、ユーザは、所望の国に配置された広告配信サーバ20からのみ広告コンテンツを取得することが可能となる。
【0046】
「使用区分」は、ユーザ情報を他の装置から取得する手法としてダウンロード又はストリーミングのいずれかの手法を示すコード値等が設定される。実施例1では、かかる「使用区分」を用いない例を示すので、ここでは説明を省略する。
【0047】
また、図4に例示するように、「許諾条件情報」には、ユーザ情報の利用を限定する「限定要素」として、「通常利用条件」、「拡張利用条件」、「蓄積条件」、「共有条件」といった情報が設定される。実施例1におけるオプトアロウクッキーでは、かかる「限定要素」が「許諾区分」に含まれる項目毎に設定され得る。例えば、実施例1におけるオプトアロウクッキーにおいては、ユーザ情報全体を示す「許諾区分」に対して1個の「限定要素」が設定される場合もあれば、「デモグラ区分」等の区分毎に「限定要素」が設定される場合もあれば、「性別」等の詳細項目毎に「限定要素」が設定される場合もある。どのような単位で「限定要素」が設定されるかは、後述するユーザの設定操作によって決定される。
【0048】
かかる「限定要素」についてより詳細に説明すると、「通常利用条件」は、「利用態様限定」、「台数人数限定」、「ターゲティング限定」、「媒体限定」、「寿命限定」、「時間帯限定」等が設定される。
【0049】
「利用態様限定」は、ユーザ情報の利用目的を限定するための情報を示す。例えば、「利用態様限定」は、ユーザ情報の利用目的として「広告」、「PR(Public Relations)」、「キャンペーン」、「マーケティング」等の項目を含み、かかる項目毎に、これらを目的としてユーザ情報を利用してよいか否かを示すフラグが設定される。
【0050】
一例を挙げて説明すると、例えば、広告配信サーバ20は、「利用態様限定」の「広告」に利用許可を示すフラグ「1」が設定されているオプトアロウクッキーを受信した場合には、配信対象の広告コンテンツ(広告目的のコンテンツ)を決定する際に、かかる「利用態様限定」により利用限定されているユーザ情報であっても用いる。一方、広告配信サーバ20は、「利用態様限定」の「広告」に利用不許可を示すフラグ「0」が設定されているオプトアロウクッキーを受信した場合には、配信対象の広告コンテンツを決定する際に、かかる「利用態様限定」によって利用限定されているユーザ情報を用いない。また、例えば、広告配信サーバ20は、「利用態様限定」の「PR」に利用許可を示すフラグ「1」が設定されているオプトアロウクッキーを受信した場合には、配信対象のPR用コンテンツ(PR目的のコンテンツ)を決定する際に、かかる「利用態様限定」によって利用限定されているユーザ情報であっても用いる。一方、広告配信サーバ20は、「利用態様限定」の「PR」に利用不許可を示すフラグ「0」が設定されているオプトアロウクッキーを受信した場合には、配信対象のPR用コンテンツを決定する際に、かかる「利用態様限定」によって利用限定されているユーザ情報を用いない。このように、ユーザは、オプトアロウクッキーを用いることで、ユーザ情報毎にかかるユーザ情報の利用目的を制限することができる。
【0051】
「台数人数限定」は、k−匿名性を保持するための情報を示し、ここの例ではユーザ情報を用いて特定される端末装置又はユーザの数の上限値が設定される。具体的には、「台数人数限定」は、かかる「台数人数限定」によって利用限定されているユーザ情報を用いることで特定される端末装置又はユーザの数が「台数人数限定」に設定されている数値よりも大きい場合には、かかるユーザ情報を利用することを許可し、特定される端末装置又はユーザの数が「台数人数限定」に設定されている数値以下である場合には、かかるユーザ情報を利用することを許可しないことを示す。
【0052】
一例を挙げて説明すると、例えば、広告配信サーバ20は、「台数人数限定」に「10」が設定されているオプトアロウクッキーを受信したものとする。また、ここでは、かかる「台数人数限定」が「デモグラ」に対して設定されているものとする。このとき、広告配信サーバ20は、端末装置100のユーザにおける「デモグラ」から特定されるユーザの数が「10」よりも大きい場合には、かかる「デモグラ」を用いて、配信対象の広告コンテンツを決定する。一方、広告配信サーバ20は、端末装置100のユーザにおける「デモグラ」から特定されるユーザの数が「10」以下である場合には、かかる「デモグラ」を用いずに、配信対象の広告コンテンツを決定する。例えば、番地まで含む住所が設定されている「デモグラ」からは所定のユーザに特定されるので、広告配信サーバ20は、このような「デモグラ」を用いない。
【0053】
「ターゲティング限定」は、ユーザ情報をターゲティングに用いることを許可するか否かを示す。例えば、「ターゲティング限定」は、「デモグラ」、「ジオグラ」、「サイコグラ」、「ライフログ」等の項目を含み、かかる項目毎にフラグが設定される。
【0054】
「媒体限定」は、ユーザ情報を用いて決定した広告コンテンツの配信先としてよい媒体(デバイス)に関する情報を示す。例えば、「媒体限定」は、「所有端末」、「屋外広告装置」、「屋内広告装置」等の項目を含み、かかる項目毎に配信可否を示すフラグが設定される。なお、実施例1では、広告配信サーバ20によって広告コンテンツが端末装置100(ユーザの「所有端末」)に配信される例を示しているが、広告配信サーバ20は、端末装置100から現在位置情報を取得した場合には、端末装置100の現在位置近傍に設置されている電子看板(Digital Signage)等に広告コンテンツを配信してもよい。「屋外広告装置」及び「屋内広告装置」とは、このような電子看板等を示す。
【0055】
「寿命限定」は、ユーザ情報の利用可能回数や、ユーザ情報を用いて決定した広告コンテンツの配信回数や、ユーザ情報の利用可能期間等が設定される。「時間帯限定」は、ユーザ情報の利用を許可する時間帯等が設定される。このように、ユーザは、オプトアロウクッキーを用いることで、ユーザ情報毎にかかるユーザ情報の利用回数や利用期間等を制限することができる。
【0056】
「拡張利用条件」は、オプトアロウクッキーの拡張領域を示す。「蓄積条件」は、広告配信サーバ20が各ユーザ情報を保持することが許可される期間等が設定される。「共有条件」は、広告配信サーバ間でユーザ情報を共有してよいか否かを示すフラグが設定される。実施例1では、「拡張利用条件」、「蓄積条件」、「共有条件」を用いない例を示すので、ここでは説明を省略する。
【0057】
上述してきた各種情報がオプトアロウクッキーに設定される。例えば、オプトアロウクッキーのフォーマットが固定長形式であり、「コンテンツ識別子」、「発行者識別子」、「受諾者識別子」、「許諾条件情報」の順に設定されることが規定されているものとする。さらに、「許諾条件情報」については、「デモグラ区分」、「性別」、「住所」、「年齢」、「収入」、「ジオグラ区分」、「現在位置」、「サイコグラ区分」、「嗜好」、「スイーツ」、「果物」、「飲料」、「意思」、「無料コンテンツを広告付きで閲覧したい」、「車の広告だけ見たい」、「ライフログ区分」、「行動履歴」、「購買履歴」、「診療履歴」、「職歴」、「スポンサー区分」、「テリトリー区分」、「使用区分」の順に設定されることが規定されているものとする。
【0058】
そして、オプトアロウクッキーに「11010001111010111100・・・」といったデータが設定されているものとする。なお、ここでは、「コンテンツ識別子」、「発行者識別子」及び「受諾者識別子」の設定情報について記載することを省略しており、先頭に記載した「1」が「デモグラ区分」を示し、次に記載した「1」が「性別」を示し、次の「0」が「住所」を示し、次の「1」が「年齢」を示し、次の「0」が「収入」を示し、次の「0」が「ジオグラ区分」を示し、次の「0」が「現在位置」を示し、次の「1」が「サイコグラ区分」を示し、次の「1」が「嗜好」を示し、次の「1」が「スイーツ」を示し、次の「1」が「果物」を示し、次の「0」が「飲料」を示し、次の「1」が「意思」を示し、次の「0」が「無料コンテンツを広告付きで閲覧したい」を示し、次の「1」が「車の広告だけ見たい」を示し、次の「1」が「ライフログ区分」を示し、次の「1」が「行動履歴」を示し、次の「1」が「購買履歴」を示し、次の「0」が「診療履歴」を示し、次の「0」が「職歴」を示す。
【0059】
上記例の場合、端末装置100のユーザは、「デモグラ区分」のうち、「性別」及び「年齢」の利用を許可しているが、「住所」及び「収入」の利用を許可していない。また、ユーザは、「ジオグラ区分」の利用を許可していない。また、ユーザは、「サイコグラ区分」の利用を許可しており、さらに、かかるユーザの嗜好が「スイーツ」及び「果物」であることを示すとともに、「車の広告だけ見たい」という意思を示している。また、ユーザは、「ジオグラ区分」のうち、「行動履歴」及び「購買履歴」の利用を許可しているが、「診療履歴」及び「職歴」の利用を許可していない。
【0060】
このように、端末装置100のユーザは、オプトアロウクッキーを用いることによって、広告配信サーバ20に対して、利用することを許可するユーザ情報の項目を通知するとともに、ユーザ自身の嗜好や意思等を通知することができる。これにより、ユーザは、広告配信サーバ20から所望の広告コンテンツを得ることができる。例えば、ユーザは、上記例のようにオプトアロウクッキーを設定した場合には、自身の性別や年齢のユーザを販売対象としている自動車に関する広告コンテンツ等を得ることができる。
【0061】
なお、図4に示した各種情報は一例であって、上記例に限られない。例えば、オプトアロウクッキーは、図4に例示した全ての情報が設定されていることを要せず、一部の情報のみが設定されてもよい。また、例えば、オプトアロウクッキーは、図4に例示した情報以外の情報が設定されてもよい。また、上述したオプトアロウクッキーのフォーマットは一例であって、上記例に限られない。オプトアロウクッキーのフォーマットは、図4に例示したユーザ情報の利用可否に関する情報や、ユーザの嗜好や意思等に関する情報をクッキーとしてサーバ装置に通知することができれば如何なる態様であってもよい。
【0062】
図3の説明に戻って、制御部150は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、図示しない記憶装置に記憶されているプログラムがRAM(Random Access Memory)を作業領域として実行されることにより実現される。また、例えば、制御部150は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。かかる制御部150は、生成部151と、ブラウザ制御部152とを有する。
【0063】
生成部151は、ユーザによる操作に従って、オプトアロウクッキーを生成し、生成したオプトアロウクッキーをクッキー記憶部140に格納する。具体的には、生成部151は、ユーザによってオプトアロウクッキーを設定する旨の操作が行われた場合に、オプトアロウクッキーを設定するための設定画面を表示部130に表示する。そして、生成部151は、かかる設定画面上でユーザによる各種設定操作が行われた場合に、各種設定操作に従ってオプトアロウクッキーを生成する。
【0064】
ここで、図5及び図6に、生成部151によって表示されるオプトアロウクッキーの設定画面の一例を示す。図5は、図4に例示した「許諾区分」を設定するための許諾区分設定画面G21の一例を示し、図6は、図4に例示した「限定要素」を設定するための限定要素設定画面G22の一例を示す。
【0065】
図5に示すように、ユーザは、許諾区分設定画面G21において、図4に例示した許諾区分(「デモグラ」等)や、各許諾区分に含まれる詳細項目(「性別」等)をチェックボックスにより選択することで、利用許可する項目を設定することができる。
【0066】
一例を挙げて説明すると、許諾区分設定画面G21において、文字列データ「デモグラ」の左側に配置されたチェックボックスCB30をチェックする設定操作が行われた場合には、「デモグラ」に含まれるユーザ情報(「性別」等)の利用を許可することを示す。また、文字列データ「性別」及び「住所」のチェックボックスをチェックせずに、文字列データ「年齢」及び「収入」のチェックボックスをチェックする設定操作が行われた場合には、「デモグラ」に含まれるユーザ情報のうち「性別」及び「住所」の利用を許可しないが、「年齢」及び「収入」の利用を許可することを示す。
【0067】
また、図5に例示した許諾区分設定画面G21では、「ジオグラ」の「現在位置」及び「除外地域指定」がチェックされた場合には、例えば、都道府県や市区町村等を選択するためのプルダウンにより除外地域を選択することができる。かかる「除外地域指定」は、所定地域以外において現在位置情報の利用を許可することを可能にする。なお、「除外地域指定」を設定する操作が行われた場合には、オプトアロウクッキーには除外地域を示すコード値等が設定される。
【0068】
なお、図5では、図示することを省略したが、許諾区分設定画面G21では、図4に例示した「スポンサー区分」、「テリトリー区分」、「使用区分」といった項目についても設定することができる。
【0069】
また、図6に示すように、ユーザは、限定要素設定画面G22において、図4に例示した「限定要素」(「利用態様限定」)や、各許諾区分に含まれる詳細項目(利用態様限定の「広告」等)をチェックボックスにより選択することで、限定要素を設定することができる。上記の通り、実施例1におけるオプトアロウクッキーにおいて、「限定要素」は、「許諾区分」に含まれる項目毎に設定され得る。つまり限定要素設定画面G22は、図5に例示した許諾区分設定画面G21に表示される項目毎に設定され得る。かかる設定を可能にする例を説明すると、例えば、図5に例示した許諾区分設定画面G21に表示される各許諾区分「デモグラ」、「ジオグラ」、「サイコグラ」、「ライフログ」や、詳細項目「性別」、「住所」、・・・、「職歴」等には限定要素設定画面G22へのリンクが張られており、限定要素設定画面G22は、リンク元のユーザ情報について「限定要素」を設定する画面として機能する。これにより、ユーザは、許諾区分毎や詳細項目毎に「限定要素」を設定することができる。
【0070】
なお、図6では、図示することを省略したが、限定要素設定画面G22では、図4に例示した「寿命限定」、「時間帯限定」、「蓄積条件」、「共有条件」といった項目についても設定することができる。
【0071】
生成部151は、このような許諾区分設定画面G21や限定要素設定画面G22において設定された情報に基づいて、オプトアロウクッキーを生成する。また、生成部151は、ユーザによってオプトアロウクッキーを更新する旨の操作が行われた場合には、クッキー記憶部140に記憶されているオプトアロウクッキーの状態を反映した許諾区分設定画面G21や限定要素設定画面G22を表示部130に表示することで、オプトアロウクッキーを更新させることもできる。
【0072】
図3の説明に戻って、ブラウザ制御部152は、入力部120を介して行われるユーザ操作に基づいて、ブラウザを表示部130に表示するとともに、ブラウザを介してコンテンツサーバ10や広告配信サーバ20との間でHTTP通信を行う。例えば、ブラウザ制御部152は、コンテンツサーバ10や広告配信サーバ20に対してHTTPリクエストを送信したり、コンテンツサーバ10や広告配信サーバ20から受信した各種コンテンツ(ウェブコンテンツや広告コンテンツ)をブラウザ上に表示したりする。また、ブラウザ制御部152は、コンテンツサーバ10や広告配信サーバ20からクッキー(コンテンツクッキー、アドクッキー等)を受信した場合には、受信したクッキーをクッキー記憶部140に格納する。
【0073】
このようなブラウザ制御部152は、接続部153と、送信部154と、表示制御部155とを有する。接続部153は、ユーザ情報に基づいて配信対象のコンテンツを決定する広告配信サーバ20等のサーバ装置と通信接続を行う。なお、接続部153は、広告配信サーバ20に限らず、各種サーバ装置との間で通信接続を行う。
【0074】
送信部154は、接続部153によって通信接続された広告配信サーバ20がクッキーを受け付けている場合に、クッキー記憶部140に記憶されているオプトアロウクッキーを広告配信サーバ20に送信する。
【0075】
具体的には、送信部154は、広告コンテンツの取得要求を広告配信サーバ20に送信する場合に、かかる広告配信サーバ20から受信済みのアドクッキーがクッキー記憶部140に格納されているか否かを判定する。そして、送信部154は、アドクッキーがクッキー記憶部140に格納されている場合には、かかるアドクッキーとともに、クッキー記憶部140に格納されているオプトアロウクッキーを広告配信サーバ20に送信する。
【0076】
表示制御部155は、コンテンツサーバ10や広告配信サーバ20等のサーバ装置から受信した各種コンテンツをブラウザ上に表示制御する。例えば、表示制御部155は、図2に示した例のように、コンテンツサーバ10から受信したウェブコンテンツと、広告配信サーバ20から受信した広告コンテンツとをブラウザ上に表示する。
【0077】
[実施例1に係る広告配信サーバの構成]
次に、図7を用いて、図1に示した広告配信サーバ20の構成について説明する。図7は、実施例1に係る広告配信サーバ20の構成例を示す図である。図7に例示するように、実施例1に係る広告配信サーバ20は、ネットワークIF21と、ユーザ情報記憶部22と、ウェブ制御部23とを有する。
【0078】
ネットワークIF21は、端末装置100との間で各種データを送受信するNIC等である。例えば、ネットワークIF21は、端末装置100に対してアドクッキーや広告コンテンツを送信したり、端末装置100からオプトアロウクッキーを受信したりする。
【0079】
ユーザ情報記憶部22は、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置である。かかるユーザ情報記憶部22は、上記の通り、端末装置100のユーザに関する各種ユーザ情報を記憶する。例えば、ユーザ情報記憶部22は、ライフログ等に関するユーザ情報を記憶する。
【0080】
ウェブ制御部23は、例えば、CPUやMPU等によって、図示しない記憶装置に記憶されているプログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、例えば、ウェブ制御部23は、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0081】
かかるウェブ制御部23は、広告配信サーバ20をウェブサーバとして動作させ、端末装置100のブラウザ制御部152との間でHTTP通信を行う。例えば、ウェブ制御部23は、端末装置100からブラウザを介してアクセスされた場合に、端末装置100用のアドクッキーを生成し、生成したアドクッキーを端末装置100に送信する。また、ウェブ制御部23は、端末装置100からアクセスされた場合に、アクセス内容に基づいて、ユーザ情報記憶部22に記憶されている各種ユーザ情報を更新する。
【0082】
このようなウェブ制御部23は、受付部24と、決定部25と、配信部26とを有する。受付部24は、端末装置100から各種クッキーを受け付ける。例えば、受付部24は、端末装置100の送信部154によって送信されるアドクッキー及びオプトアロウクッキーを受け付ける。
【0083】
決定部25は、受付部24によって受け付けられたクッキーに基づいて、端末装置100に配信する広告コンテンツを決定する。具体的には、決定部25は、受付部24によってアドクッキー及びオプトアロウクッキーが受け付けられた場合には、かかるアドクッキーを用いて端末装置100のユーザを特定し、さらに、オプトアロウクッキーを参照することにより、利用することが許可されているユーザ情報を特定する。そして、決定部25は、端末装置100のユーザに対応するユーザ情報、かつ、利用することが許可されているユーザ情報をユーザ情報記憶部22から取得し、取得したユーザ情報を用いて配信対象の広告コンテンツを決定する。
【0084】
また、決定部25は、受付部24によってオプトアロウクッキーを含まないアドクッキーが受け付けられた場合には、かかるアドクッキーを用いて端末装置100のユーザを特定する。そして、決定部25は、特定したユーザに対応するユーザ情報をユーザ情報記憶部22から取得し、取得したユーザ情報を用いて配信対象の広告コンテンツを決定する。
【0085】
配信部26は、決定部25によって決定された広告コンテンツを端末装置100に配信する。これにより、広告配信サーバ20は、ユーザの意思が反映されているオプトアロウクッキーを用いて配信対象の広告コンテンツを決定するので、ユーザが興味を持っている分野に関する広告コンテンツを端末装置100に配信することができる。
【0086】
[実施例1に係る端末装置による処理手順]
次に、図8を用いて、実施例1に係る端末装置100による通信処理の手順について説明する。図8は、実施例1に係る端末装置100による通信処理手順を示すフローチャートである。なお、図8では、端末装置100によるクッキーの送信処理について説明する。
【0087】
図8に示すように、端末装置100の接続部153は、広告配信サーバ20と通信接続を行う(ステップS101)。例えば、接続部153は、広告コンテンツの取得要求を広告配信サーバ20に送信する場合に、広告配信サーバ20と通信接続を行う。
【0088】
続いて、送信部154は、広告コンテンツの取得要求を広告配信サーバ20に送信する場合に、かかる広告配信サーバ20から受信済みのアドクッキーがクッキー記憶部140に格納されているか否かを判定する(ステップS102)。
【0089】
そして、送信部154は、アドクッキーがクッキー記憶部140に格納されている場合には(ステップS102肯定)、クッキー記憶部140に格納されているオプトアロウクッキーを取得する(ステップS103)。そして、送信部154は、かかるアドクッキーとともに、クッキー記憶部140から取得したオプトアロウクッキーを広告配信サーバ20に送信する(ステップS104)。
【0090】
一方、送信部154は、アドクッキーがクッキー記憶部140に格納されていない場合には(ステップS102否定)、広告配信サーバ20にクッキーを送信しない。なお、ユーザによってオプトアロウクッキーの設定が行われていない場合には、クッキー記憶部140にはオプトアロウクッキーが記憶されていない。このような場合には、送信部154は、クッキー記憶部140に格納されているアドクッキーのみを広告配信サーバ20に送信する。
【0091】
[実施例1の効果]
上述してきたように、実施例1に係る端末装置100は、ユーザによって設定されるオプトアロウクッキーを記憶するクッキー記憶部140と、ユーザ情報に基づいて配信対象のコンテンツを決定する広告配信サーバ20と通信接続を行う接続部153と、接続部153によって通信接続された広告配信サーバ20がクッキーを受け付けている場合に、クッキー記憶部140に記憶されているオプトアロウクッキーを広告配信サーバ20に送信する送信部154とを有する。
【0092】
これにより、実施例1に係る端末装置100は、ユーザ自身の意思が反映されたオプトアロウクッキーを広告配信サーバ20に送信することで、ユーザが所望する広告コンテンツを広告配信サーバ20から取得することができる。また、広告配信サーバ20は、端末装置100からオプトアロウクッキーを受け付けることにより、ユーザニーズに見合う広告コンテンツを配信することができるので、広告効果を高めることができる。
【実施例2】
【0093】
上記実施例1では、広告配信サーバ20がユーザ情報を保持している例を示した。しかし、広告配信サーバ20は、ユーザ情報を保持しているとは限らない。また、広告配信サーバ20は、ユーザ情報を保持している場合であっても、ユーザが利用許可した全てのユーザ情報を保持しているとは限らない。そこで、実施例2では、広告配信サーバ20が、所定の装置からユーザ情報を取得する例について説明する。なお、以下の実施例では、既に示した構成部位と同様の機能を有する部位には同一符号を付すこととして、その詳細な説明を省略する。
【0094】
[実施例2に係るネットワークシステムの構成]
まず、図9を用いて、実施例2に係るネットワークシステムについて説明する。図9は、実施例2に係るネットワークシステムの構成例を示す図である。図9に例示するように、実施例2に係るネットワークシステム2には、コンテンツサーバ10と、広告配信サーバ20aと、端末装置100と、第三者サーバ30とが含まれる。第三者サーバ30は、図示しないネットワーク網を介して、広告配信サーバ20a及び端末装置100と有線又は無線により通信可能に接続される。
【0095】
第三者サーバ30は、端末装置100のユーザに関するユーザ情報を管理するコンピュータであり、ユーザ情報記憶部31を有する。かかる第三者サーバ30は、例えば、広告配信サーバ20aの管理者や端末装置100のユーザとは異なる企業や団体等の第三者機関によって管理されるサーバ装置や、クラウド環境下に配置されるサーバ装置等である。
【0096】
このような第三者サーバ30は、端末装置100のユーザによる許可の下、かかるユーザの各種ユーザ情報をユーザ情報記憶部31に保持する。例えば、第三者サーバ30は、端末装置100から各種ユーザ情報を受信し、受信したユーザ情報をユーザ情報記憶部31に保持する。また、例えば、第三者サーバ30は、ユーザによる許可の下、広告配信サーバ20a以外の他のサーバ装置(広告配信サーバやコンテンツサーバ)から、ユーザ情報を取得し、取得したユーザ情報をユーザ情報記憶部31に保持する。
【0097】
広告配信サーバ20aは、端末装置100からオプトアロウクッキーを受信した場合に、かかるオプトアロウクッキーを参照することにより、利用許可されているユーザ情報を特定する。そして、広告配信サーバ20aは、特定したユーザ情報がユーザ情報記憶部22に格納されていない場合には、かかるユーザ情報を送信することを第三者サーバ30に対して要求する。言い換えれば、広告配信サーバ20aは、ユーザ情報の取得要求を第三者サーバ30に送信する。そして、広告配信サーバ20aは、第三者サーバ30から送信されたユーザ情報やユーザ情報記憶部22に記憶されているユーザ情報のうち、利用許可されているユーザ情報を用いて配信対象の広告コンテンツを決定する。
【0098】
これにより、広告配信サーバ20aは、利用することが許可されているユーザ情報をユーザ情報記憶部22に保持していない場合であっても、かかるユーザ情報を用いて配信対象の広告コンテンツを決定することができる。
【0099】
[実施例2に係る広告配信サーバの構成]
次に、図10を用いて、図9に示した広告配信サーバ20aの構成について説明する。図10は、実施例2に係る広告配信サーバ20aの構成例を示す図である。図10に例示するように、実施例2に係る広告配信サーバ20aは、ネットワークIF21と、ユーザ情報記憶部22と、ウェブ制御部23aとを有する。かかるウェブ制御部23aは、受付部24と、決定部25と、配信部26と、要求部27とを有する。
【0100】
要求部27は、受付部24によってアドクッキー及びオプトアロウクッキーが受け付けられた場合に、かかるアドクッキー及びオプトアロウクッキーに基づいて、端末装置100のユーザに対応するユーザ情報を特定する。ここで、要求部27は、特定したユーザ情報がユーザ情報記憶部22に格納されていない場合には、かかるユーザ情報の取得要求を第三者サーバ30に送信する。そして、要求部27は、かかる取得要求に応答して第三者サーバ30からユーザ情報が送信された場合に、かかるユーザ情報をユーザ情報記憶部22に格納する。これにより、決定部25は、第三者サーバ30から送信されたユーザ情報を用いて配信対象の広告コンテンツを決定することが可能となる。
【0101】
ここで、実施例2における端末装置100は、オプトアロウクッキーの「コンテンツ識別子」に、ユーザ情報の保存場所を示す保存場所情報を設定する。例えば、端末装置100は、第三者サーバ30におけるユーザ情報の保存場所を示す保存場所情報を第三者サーバ30から取得し、取得した保存場所情報を「コンテンツ識別子」に設定する。なお、端末装置100は、第三者サーバ30から保存場所情報を予め取得してもよい。
【0102】
そして、広告配信サーバ20aの要求部27は、オプトアロウクッキーの「コンテンツ識別子」から保存場所情報を取得し、取得した保存場所情報に従って、ユーザ情報の取得要求を第三者サーバ30に送信する。これにより、要求部27は、端末装置100によって指定された第三者サーバ30からユーザ情報を取得することができる。
【0103】
[実施例2の効果]
上述してきたように、実施例2に係る広告配信サーバ20aは、利用することが許可されているユーザ情報を保持しない場合であっても、かかるユーザ情報を第三者サーバ30から取得することができるので、ユーザの興味を高精度に特定できる。これにより、広告配信サーバ20aは、ユーザに所望されている広告コンテンツを端末装置100に配信することができるので、広告効果を高めることができる。
【0104】
なお、上記実施例2では、広告配信サーバ20aが、第三者サーバ30からユーザ情報を取得する例を示した。しかし、ユーザ情報を保持する装置は第三者サーバ30でなくてもよい。例えば、端末装置100がユーザ情報を保持してもよい。かかる場合に、広告配信サーバ20aは、「コンテンツ識別子」に設定されている保存場所情報に従って、端末装置100からユーザ情報を取得する。
【0105】
また、上記実施例1において説明したように、オプトアロウクッキーの「使用区分」は、ユーザ情報を他の装置から取得する方式としてダウンロード又はストリーミングのいずれかの手法を示すコード値が設定される。実施例2に係る広告配信サーバ20aの要求部27は、「使用区分」にダウンロードを示す情報が設定されている場合には、第三者サーバ30から取得したユーザ情報をユーザ情報記憶部22に格納する。一方、要求部27は、「使用区分」にストリーミングを示す情報が設定されている場合には、第三者サーバ30からストリーミングによりユーザ情報を取得し、取得したユーザ情報をユーザ情報記憶部22に格納することなく決定部25に出力する。
【0106】
また、上記実施例1において説明したように、オプトアロウクッキーの「蓄積条件」は、ユーザ情報を保持することが許可される期間等が設定される。実施例2に係る広告配信サーバ20aは、第三者サーバ30からユーザ情報を取得した場合には、取得したユーザ情報を「蓄積条件」に設定されている期間だけクッキー記憶部140に格納する。
【0107】
また、上記実施例1及び2では、オプトアロウクッキーに設定される「ジオグラ」の「除外地域指定」や「サイコグラ」や「スポンサー区分」や「テリトリー区分」がフラグやコード値によって設定される例を示した。しかし、「除外地域指定」や「サイコグラ」等に関する情報については、第三者サーバ30が、文字列データとしてユーザ情報記憶部31に保持してもよい。「除外地域指定」や「サイコグラ」等は、多数のパターンが存在することが考えられるが、第三者サーバ30は、「除外地域指定」や「サイコグラ」等を文字列データとして保持することで、多数のパターンに対してフレキシブルに対応することができる。
【0108】
例えば、第三者サーバ30は、「除外地域指定」として、「東京都を除外」、「東京都港区を除外」、「東京都以外を除外」といった文字列データを保持したり、「サイコグラ」として、「嗜好:ABC社のXYZ製品」、「嗜好:DD県産の名物」、「意思:車と自転車の広告だけ見たい」といった文字列データを保持したりする。そして、実施例2に係る広告配信サーバ20aは、オプトアロウクッキーに設定されていないこの種の文字列データを第三者サーバ30から取得する。そして、広告配信サーバ20aは、第三者サーバ30から取得した文字列データを形態素解析するなどしてユーザ情報を解析し、解析結果を用いて配信対象の広告コンテンツを決定する。このように、「除外地域指定」や「サイコグラ」等を文字列データとして第三者サーバ30に保持させることで、広告配信サーバ20aは、多数のユーザ情報を取得することができるので、ユーザの興味を高精度に特定できる。また、多数のパターンが存在することが考えられる「除外地域指定」や「サイコグラ」等を第三者サーバ30に保持させることにより、オプトアロウクッキーのデータサイズを小さくすることができる。
【0109】
また、上記実施例1及び2では、端末装置100がオプトアロウクッキーを広告配信サーバ20等に送信する例を示した。しかし、第三者サーバ30が、オプトアロウクッキーを保持してもよい。かかる場合に、広告配信サーバ20aの要求部27は、ブラウザを備える端末装置100との間でブラウザを介して通信を行う場合に、オプトアロウクッキーを送信することを第三者サーバ30に対して要求する。そして、決定部25は、要求部27による要求に応答して第三者サーバ30から送信されたオプトアロウクッキーに基づいて、端末装置100に配信する広告コンテンツを決定する。
【実施例3】
【0110】
上記実施例1及び2では、図5及び図6を用いて説明したように、端末装置100がオプトアロウクッキーの設定画面を表示し、かかる設定画面に入力された情報からオプトアロウクッキーを生成する例を示した。この例の場合、複数の端末装置を所有するユーザは、端末装置毎にオプトアロウクッキーの設定操作を行うことを要する。そこで、実施例3では、ウェブサーバによって提供される設定画面を介してウェブサーバにオプトアロウクッキーを蓄積し、端末装置がかかるウェブサーバにアクセスすることにより、オプトアロウクッキーを取得する例について説明する。
【0111】
[実施例3に係るネットワークシステムの構成]
まず、図11を用いて、実施例3に係るネットワークシステムについて説明する。図11は、実施例3に係るネットワークシステムの構成例を示す図である。図11に例示するように、実施例3に係るネットワークシステム3には、端末装置200〜200と、オプトアロウウェブサーバ40とが含まれる。端末装置200〜200は、図示しないネットワーク網を介して、オプトアロウウェブサーバ40と有線又は無線により通信可能に接続される。なお、図11では、図示することを省略したが、端末装置200〜200は、図1に例示したコンテンツサーバ10や広告配信サーバ20と有線又は無線により通信可能に接続される。また、以下では、端末装置200〜200を区別する必要がない場合には、これらを総称して「端末装置200」と表記する場合がある。
【0112】
オプトアロウウェブサーバ40は、ウェブサーバであり、端末装置200から所定のURLにアクセスされた場合に、図5に例示した許諾区分設定画面G21や、図6に例示した限定要素設定画面G22を端末装置200に提供する。そして、オプトアロウウェブサーバ40は、かかる許諾区分設定画面G21や限定要素設定画面G22上でユーザによる各種設定操作が行われた場合に、各種設定操作に従ってオプトアロウクッキーを生成し、生成したオプトアロウクッキーをクッキー記憶部42に格納する。この後、オプトアロウウェブサーバ40は、端末装置200からアクセスされた場合に、クッキー記憶部42に記憶されているオプトアロウクッキーを端末装置200に送信する。
【0113】
端末装置200〜200は、例えば、デスクトップ型PC、ノート型PC、携帯電話機、PDA等である。これらの端末装置200は、上記の通り、オプトアロウウェブサーバ40にアクセスすることにより、かかるオプトアロウウェブサーバ40から許諾区分設定画面G21や限定要素設定画面G22が提供される。また、端末装置200は、オプトアロウウェブサーバ40によってオプトアロウクッキーが生成された後に、オプトアロウウェブサーバ40にアクセスすることにより、オプトアロウウェブサーバ40からオプトアロウクッキーが提供される。
【0114】
ここで、上記の端末装置200〜200が所定の一人のユーザによって所有されているものとする。かかる場合に、ユーザは、所定の端末装置200に用いて、オプトアロウウェブサーバ40にオプトアロウクッキーを生成させた後には、他の端末装置200を用いてオプトアロウウェブサーバ40にアクセスすることで、他の端末装置200にオプトアロウクッキーを取得させることができる。これにより、ユーザは、デスクトップ型PC、ノート型PC、携帯電話機、PDA等の複数の端末装置200を所有する場合であっても、オプトアロウクッキーの設定操作を1回行うだけで、かかる複数の端末装置200にオプトアロウクッキーを設定することができる。
【0115】
[実施例3に係る端末装置の構成]
次に、図12を用いて、図11に示した端末装置200の構成について説明する。図12は、実施例3に係る端末装置200の構成例を示す図である。図12に例示するように、実施例3に係る端末装置200は、ネットワークIF110と、入力部120と、表示部130と、クッキー記憶部140と、制御部250とを有する。
【0116】
制御部250は、ブラウザ制御部252を有する。かかるブラウザ制御部252は、ブラウザを介して、コンテンツサーバ10や広告配信サーバ20やオプトアロウウェブサーバ40との間でHTTP通信を行う。実施例3におけるブラウザ制御部252は、オプトアロウウェブサーバ40にアクセスすることにより、オプトアロウウェブサーバ40から許諾区分設定画面G21や限定要素設定画面G22を構成するHTMLファイルを取得する。これらのHTMLファイルは、表示制御部155によってブラウザ上に表示される。また、ブラウザ制御部252は、許諾区分設定画面G21や限定要素設定画面G22上でユーザによる各種設定操作が行われた場合に、かかる設定操作内容をオプトアロウウェブサーバ40に送信する。これにより、ブラウザ制御部252は、オプトアロウウェブサーバ40にオプトアロウクッキーを生成させることができる。
【0117】
このようなブラウザ制御部252は、図12に例示するように、接続部153と、送信部154と、表示制御部155と、要求部253と、格納部254とを有する。要求部253は、オプトアロウクッキーを記憶するオプトアロウウェブサーバ40に対してブラウザを介してアクセスすることにより、かかるオプトアロウクッキーを送信することを要求する。言い換えれば、要求部253は、オプトアロウクッキーの取得要求をオプトアロウウェブサーバ40に送信する。格納部254は、要求部253による要求に応答してオプトアロウウェブサーバ40から送信されたオプトアロウクッキーをクッキー記憶部140に格納する。
【0118】
[実施例3に係るオプトアロウウェブサーバの構成]
次に、図13を用いて、図11に示したオプトアロウウェブサーバ40の構成について説明する。図13は、実施例3に係るオプトアロウウェブサーバ40の構成例を示す図である。図13に例示するように、実施例3に係るオプトアロウウェブサーバ40は、ネットワークIF41と、クッキー記憶部42と、ウェブ制御部43とを有する。
【0119】
ネットワークIF41は、端末装置200との間で各種データを送受信するNIC等である。例えば、ネットワークIF41は、端末装置200に対してオプトアロウクッキーを送信したりする。
【0120】
クッキー記憶部42は、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置であり、後述する生成部44によって生成されるオプトアロウクッキーを記憶する。
【0121】
ウェブ制御部43は、例えば、CPUやMPU等によって、図示しない記憶装置に記憶されているプログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、例えば、ウェブ制御部43は、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。かかるウェブ制御部43は、オプトアロウウェブサーバ40をウェブサーバとして動作させ、例えば、端末装置200のブラウザ制御部252との間でHTTP通信を行う。
【0122】
このようなウェブ制御部43は、図13に例示するように、生成部44と、送信部45とを有する。生成部44は、端末装置200から所定のURLにアクセスされた場合に、許諾区分設定画面G21や限定要素設定画面G22を構成するHTMLファイルを端末装置200に送信する。そして、生成部44は、許諾区分設定画面G21や限定要素設定画面G22上でユーザにより行われた設定操作内容を端末装置200から受信した場合に、かかる設定操作内容に従ってオプトアロウクッキーを生成し、生成したオプトアロウクッキーをクッキー記憶部42に格納する。
【0123】
送信部45は、生成部44によってオプトアロウクッキーが生成された後に、端末装置200からアクセスされた場合に、クッキー記憶部42に記憶されているオプトアロウクッキーを端末装置200に送信する。
【0124】
なお、オプトアロウウェブサーバ40の生成部44は、オプトアロウクッキーを生成した場合に、かかるオプトアロウクッキーを取得するためのアクセス先を示すURLを端末装置200に通知してもよい。かかる場合に、端末装置200の要求部253は、生成部44によって通知されたURLにアクセスする。そして、オプトアロウウェブサーバ40の送信部45は、かかるURLにアクセスされた場合に、オプトアロウクッキーを端末装置200に送信する。
【0125】
[実施例3の効果]
上述してきたように、実施例3に係る端末装置200は、オプトアロウクッキーを記憶するオプトアロウウェブサーバ40に対してブラウザを介してアクセスすることにより、オプトアロウクッキーを送信することを要求する要求部253と、要求部253による要求に応答してオプトアロウウェブサーバ40から送信されたオプトアロウクッキーをクッキー記憶部140に格納する格納部254とを有する。
【0126】
したがって、実施例3に係る端末装置200を用いると、複数の端末装置200を所有するユーザであっても、オプトアロウクッキーの設定操作を1回行うだけで、複数の端末装置200にオプトアロウクッキーを容易に設定することができる。また、ウェブサーバは、クライアントにクッキーを送信する機能を有するので、実施例3に係るネットワークシステム3は、オプトアロウウェブサーバ40に大規模な改造を加えることなく実現することができる。
【0127】
なお、上記実施例3において、オプトアロウウェブサーバ40は、許諾区分設定画面G21や限定要素設定画面G22においてオプトアロウクッキーを設定させる際に、かかるオプトアロウクッキーの送信先とする端末装置200の識別情報を設定させてもよい。そして、オプトアロウウェブサーバ40は、かかる識別情報に対応付けてオプトアロウクッキーをクッキー記憶部42に保持しておき、端末装置200からアクセスされた場合に、かかる端末装置200の識別情報に対応するオプトアロウクッキーをクッキー記憶部42から取得し、取得したオプトアロウクッキーを端末装置200に送信してもよい。これにより、オプトアロウウェブサーバ40は、ユーザによって指定された端末装置200に対してのみオプトアロウクッキーを送信することができる。
【0128】
また、図11に示した例では、オプトアロウウェブサーバ40と端末装置200とが異なる装置であるものとして説明した。しかし、端末装置200がオプトアロウウェブサーバ40と同様の機能を有してもよい。例えば、PC等の端末装置200は、ウェブサーバとして動作することも可能であるので、端末装置200が、図13に示したウェブ制御部43を有してもよい。これにより、ユーザは、PC等の端末装置200(端末装置200Aとする)にオプトアロウクッキーを設定した後に、ノート型PC、携帯電話機、PDA等の他の端末装置200から、かかる端末装置200Aにアクセスさせることでノート型PC、携帯電話機、PDAにオプトアロウクッキーを設定することができる。
【実施例4】
【0129】
ところで、上述したネットワークシステムは、上記実施例以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、実施例4では、上記のネットワークシステムの他の実施例について説明する。
【0130】
[複数のオプトアロウクッキー]
上記実施例では、端末装置100や200が1個のオプトアロウクッキーをクッキー記憶部140に保持する例を示した。しかし、端末装置100や端末装置200のクッキー記憶部140は、複数のオプトアロウクッキーを記憶してもよい。そして、端末装置100や200の送信部154は、接続部153によって通信接続されたサーバ装置との間で通信が行われている時点における状況に応じて、クッキー記憶部140に記憶されている複数のオプトアロウクッキーのうち、かかるサーバ装置に送信するオプトアロウクッキーを変動させてもよい。
【0131】
この点について、図14及び図15を用いて、いくつか例を説明する。図14及び図15は、各実施例に係る端末装置が保持するオプトアロウクッキーの変形例を説明するための図である。なお、以下では、端末装置100を例に挙げて説明するが、端末装置200にも同様に適用することができる。
【0132】
図14に示した例では、端末装置100のクッキー記憶部140は、各広告配信サーバに対応するオプトアロウクッキーを記憶する。具体的には、クッキー記憶部140は、アドクッキーA11を送信した広告配信サーバに対応するオプトアロウクッキーOA11と、アドクッキーA12を送信した広告配信サーバに対応するオプトアロウクッキーOA12と、アドクッキーA13を送信した広告配信サーバ及びアドクッキーA14を送信した広告配信サーバに対応するオプトアロウクッキーOA13とを記憶する。このように、クッキー記憶部140は、広告配信サーバ毎に異なる1個のオプトアロウクッキーを記憶してもよいし、複数の広告配信サーバに対して1個のオプトアロウクッキーを記憶してもよい。
【0133】
そして、図14に示した例において、送信部154は、クッキー記憶部140に記憶されているオプトアロウクッキーのうち、接続部153によって通信接続された広告配信サーバ20に対応するオプトアロウクッキーを広告配信サーバ20に送信する。例えば、送信部154は、アドクッキーA11を送信した広告配信サーバに対してはオプトアロウクッキーOA11を送信し、アドクッキーA12を送信した広告配信サーバに対してはオプトアロウクッキーOA12を送信する。
【0134】
これにより、端末装置100のユーザは、広告配信サーバ毎に異なるオプトアロウクッキーを送信することができるので、所望の広告コンテンツを広告配信サーバから取得することができる。
【0135】
また、図15に示した例では、端末装置100のクッキー記憶部140は、所定の時刻範囲又は所定の日時範囲に対応するオプトアロウクッキーや、所定の地域に対応するオプトアロウクッキーを記憶する。具体的には、クッキー記憶部140は、アドクッキーA11を送信した広告配信サーバに対応するオプトアロウクッキーとして、「午前」に対応するオプトアロウクッキーOA11と、「午後」に対応するオプトアロウクッキーOA12とを記憶する。また、クッキー記憶部140は、アドクッキーA12を送信した広告配信サーバに対応するオプトアロウクッキーとして、「東京」に対応するオプトアロウクッキーOA13と、「京都」に対応するオプトアロウクッキーOA14とを記憶する。
【0136】
そして、図15に示した例において、送信部154は、クッキー記憶部140に記憶されているオプトアロウクッキーのうち、現在日時に対応するオプトアロウクッキーを広告配信サーバ20に送信したり、端末装置100の所在位置に対応するオプトアロウクッキーを広告配信サーバ20に送信したりする。例えば、送信部154は、現在日時が「午前」である場合には、アドクッキーA11を送信した広告配信サーバに対してはオプトアロウクッキーOA11を送信し、現在日時が「午後」である場合には、アドクッキーA11を送信した広告配信サーバに対してはオプトアロウクッキーOA12を送信する。また、例えば、送信部154は、端末装置100の所在位置が「東京」である場合には、アドクッキーA12を送信した広告配信サーバに対してはオプトアロウクッキーOA13を送信し、端末装置100の所在位置が「京都」である場合には、アドクッキーA12を送信した広告配信サーバに対してはオプトアロウクッキーOA14を送信する。
【0137】
これにより、端末装置100のユーザは、時間帯や所在位置に応じて異なるオプトアロウクッキーを広告配信サーバに送信することができるので、所望の広告コンテンツを広告配信サーバから取得することができる。例えば、ユーザによっては、午前中は自動車関連の広告を視聴したいが、午後は食事関連の広告を視聴したい場合がある。また、例えば、ユーザによっては、自宅近傍では自動車関連の広告を視聴したいが、出張先等では食事関連の広告を視聴したい場合がある。端末装置100が図15を用いて説明した処理を行うことにより、このようなユーザニーズに応えることができる。
【0138】
また、ここでは図示することを省略するが、クッキー記憶部140は、1台の広告配信サーバ20に対応する複数のオプトアロウクッキーを記憶してもよい。例えば、端末装置100が複数のユーザで共有されている場合、端末装置100は、広告配信サーバ20からユーザ毎に異なるアドクッキーを受信する場合がある。これは、広告配信サーバ20は、ユーザID等が異なる場合には、異なるクッキーを生成するからである。そこで、端末装置100のクッキー記憶部140は、アドクッキーと同様に、ユーザ毎に異なるオプトアロウクッキーを記憶してもよい。そして、端末装置100は、アドクッキーを送信する際に、かかるアドクッキーに対応するオプトアロウクッキーについても広告配信サーバ20に送信する。
【0139】
[オプトアロウクッキーの送信契機]
上記実施例では、端末装置100や200が、アドクッキーを送信する契機において、アドクッキーとともにオプトアロウクッキーを送信する例を示した。しかし、端末装置100や端末装置200は、広告配信サーバ20からオプトアロウクッキーの取得要求を受け付けた場合に、かかる取得要求に応答してアドクッキー及びオプトアロウクッキーを送信してもよいし、オプトアロウクッキーのみを送信してもよい。例えば、実施例2における広告配信サーバ20aは、端末装置100からオプトアロウクッキーのみを受信した場合には、かかるオプトアロウクッキーの「コンテンツ識別子」に設定されている格納場所情報を参照することにより、ユーザ情報を第三者サーバ30等から取得する。
【0140】
また、端末装置100や200は、アドクッキーを送信する契機において、アドクッキーの代わりにオプトアロウクッキーを送信してもよい。このとき、端末装置100や端末装置200の送信部154は、オプトアロウクッキーの「発行者識別子」に、広告配信サーバ20から受信済みのアドクッキーに設定されているクッキー名を設定する。これにより、広告配信サーバ20は、送信部154から受信したオプトアロウクッキーの「発行者識別子」を参照することにより、端末装置100や200のブラウザを識別することができる。
【0141】
[オプトアロウクッキーの設定内容]
上記実施例では、オプトアロウクッキーには、主にユーザ情報の利用可否を示すフラグ等が設定される例を示した。しかし、オプトアロウクッキーには、ユーザ情報自体が文字列データとして設定されてもよい。例えば、「性別:男性、年齢:25歳、・・・」といった情報がURLエンコードされてオプトアロウクッキーのVALUEに設定されてもよい。かかる場合には、広告配信サーバ20等は、オプトアロウクッキーに設定されている文字列データを形態素解析するなどしてユーザ情報を解析し、解析結果を用いて配信対象の広告コンテンツを決定する。
【0142】
[共有条件]
上記実施例では説明を省略したが、広告配信サーバ20等のサーバ装置は、ユーザ情報をサーバ装置間で共有してもよい。例えば、広告配信サーバには、PC向けの広告配信サーバもあれば、携帯端末向けの広告配信サーバもある。このようなPC向け広告配信サーバと携帯端末向け広告配信サーバとが連携すると、双方の広告配信サーバは、各種デバイスから得られるユーザ情報に基づいて広告コンテンツを配信することができる。ここで、上記の通り、オプトアロウクッキーの「共有条件」は、広告配信サーバ間でユーザ情報を共有してよいか否かを示すフラグが設定される。したがって、ユーザは、かかる「共有条件」を設定することで、サーバ装置間におけるユーザ情報の共有を許可するか否かをサーバ装置に通知することができる。
【0143】
[サーバ装置]
上記実施例では、端末装置100や200によって、広告配信サーバ20や20aにオプトアロウクッキーが送信される例を示した。しかし、端末装置100や端末装置200は、コンテンツサーバ10等のサーバ装置に対してオプトアロウクッキーを送信してもよい。例えば、コンテンツサーバ10がユーザ情報に基づいて、端末装置100や200に対して配信するウェブページをカスタマイズさせるものとする。かかる場合には、端末装置100や端末装置200は、コンテンツクッキーとともにオプトアロウクッキーをコンテンツサーバ10に送信することで、ユーザが所望するウェブページをコンテンツサーバ10から取得することができる。
【0144】
[システム構成]
また、上記実施例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、図2〜図6、図12、図14、図15等に例示した各種情報は、あくまで一例であって任意の情報に変更することができる。
【0145】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、図3に示した端末装置100の生成部151は、端末装置100以外の別の装置が備えてもよい。例えば、端末装置100とは異なるオプトアロウクッキー生成装置が生成部151を有し、かかるオプトアロウクッキー生成装置によって生成されたオプトアロウクッキーが端末装置100に設定されてもよい。
【0146】
また、上記の各実施例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。例えば、図12に示した端末装置200は、図3に示した生成部151を有してもよい。すなわち、実施例3に係る端末装置200は、オプトアロウクッキーを生成する処理を行うとともに、オプトアロウウェブサーバ40からオプトアロウクッキーを取得する処理を行ってもよい。
【0147】
[プログラム]
また、上記実施例において説明した端末装置100及び200が実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。例えば、実施例1に係る端末装置100が実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。この場合、コンピュータがプログラムを実行することにより、上記実施例1と同様の効果を得ることができる。さらに、かかるプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータに読み込ませて実行することにより上記実施例1と同様の処理を実現してもよい。
【0148】
同様に、上記実施例において説明した広告配信サーバ20や第三者サーバ30やオプトアロウウェブサーバ40等が実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。例えば、実施例1に係る広告配信サーバ20が実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。この場合、コンピュータがプログラムを実行することにより、上記実施例1と同様の効果を得ることができる。さらに、かかるプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータに読み込ませて実行することにより上記実施例1と同様の処理を実現してもよい。
【符号の説明】
【0149】
1〜3 ネットワークシステム
10 コンテンツサーバ
20 広告配信サーバ
22 ユーザ情報記憶部
23 ウェブ制御部
24 受付部
25 決定部
26 配信部
27 要求部
30 第三者サーバ
31 ユーザ情報記憶部
40 オプトアロウウェブサーバ
42 クッキー記憶部
43 ウェブ制御部
44 生成部
45 送信部
100 端末装置
140 クッキー記憶部
151 生成部
152 ブラウザ制御部
153 接続部
154 送信部
155 表示制御部
253 要求部
254 格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによって設定されるデータであって、当該ユーザに関するユーザ情報毎に該ユーザ情報の利用を許可するか否かを示すデータである許可データを記憶する記憶部と、
ユーザ情報に基づいて配信対象のコンテンツを決定するサーバ装置と通信接続を行う接続部と、
前記接続部によって通信接続されたサーバ装置がクッキー(HTTP Cookie)を受け付けている場合に、前記記憶部に記憶されている許可データを当該サーバ装置に送信する送信部と
を備えたことを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記記憶部は、
前記ユーザ情報が保存されている保存場所を示す保存場所情報を含む許可データを記憶する
ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記記憶部は、
複数の許可データを記憶し、
前記送信部は、
前記サーバ装置との間で通信が行われている時点における状況に応じて、前記記憶部に記憶されている複数の許可データのうち当該サーバ装置に送信する許可データを変動させる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記記憶部は、
各サーバ装置に対応する許可データを記憶し、
前記送信部は、
前記記憶部に記憶されている許可データのうち、前記接続部によって通信接続されたサーバ装置に対応する許可データを当該サーバ装置に送信する
ことを特徴とする請求項3に記載の端末装置。
【請求項5】
前記記憶部は、
所定の時刻範囲又は所定の日時範囲に対応する許可データを記憶し、
前記送信部は、
前記記憶部に記憶されている許可データのうち、現在日時に対応する許可データを前記サーバ装置に送信する
ことを特徴とする請求項3に記載の端末装置。
【請求項6】
前記記憶部は、
所定の地域に対応する許可データを記憶し、
前記送信部は、
前記記憶部に記憶されている許可データのうち、当該端末装置の所在位置に対応する許可データを前記サーバ装置に送信する
ことを特徴とする請求項3に記載の端末装置。
【請求項7】
許可データを記憶するウェブサーバに対してブラウザを介してアクセスすることにより、当該許可データを送信することを要求する要求部と、
前記要求部による要求に応答して前記ウェブサーバから送信された許可データを前記記憶部に格納する格納部と
をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の端末装置。
【請求項8】
前記送信部は、
前記接続部によって通信接続されたサーバ装置から受信済みのクッキーとともに、前記記憶部に記憶されている許可データを当該サーバ装置に送信する
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の端末装置。
【請求項9】
前記記憶部は、
前記許可データとして、前記ユーザの属性、前記ユーザの嗜好、前記ユーザの意思、当該端末装置の現在位置、又は、当該端末装置による通信の通信履歴に関するユーザ情報毎に該ユーザ情報の利用を許可するか否かを示すデータを記憶する
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の端末装置。
【請求項10】
前記記憶部は、
前記ユーザ情報毎に該ユーザ情報の利用を限定するデータである限定データを含む許可データを記憶する
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の端末装置。
【請求項11】
前記記憶部は、
前記限定データとして、前記ユーザ情報の利用目的を限定するための利用態様データ、前記ユーザ情報の利用によって特定される端末装置又はユーザの数を限定するための数限定データ、前記ユーザ情報に基づいて決定されたコンテンツの配信先としてよいデバイスを限定するためのデバイスデータ、前記ユーザ情報の利用回数又は利用期間を限定するための寿命データを記憶する
ことを特徴とする請求項10に記載の端末装置。
【請求項12】
ブラウザを備える端末装置との間で当該ブラウザを介して通信を行う場合に、ユーザによって設定されるデータであって、当該ユーザに関するユーザ情報毎に該ユーザ情報の利用を許可するか否かを示すデータである許可データを送信することを所定の装置に対して要求する要求部と、
前記要求部による要求に応答して前記所定の装置から送信された許可データに基づいて、前記端末装置に配信するコンテンツを決定する決定部と
を備えたことを特徴とするサーバ装置。
【請求項13】
端末装置とサーバ装置とを含むネットワークシステムであって、
前記端末装置は、
ユーザによって設定されるデータであって、当該ユーザに関するユーザ情報毎に該ユーザ情報の利用を許可するか否かを示すデータである許可データを記憶する記憶部と、
ユーザ情報に基づいて配信対象のコンテンツを決定するサーバ装置と通信接続を行う接続部と、
前記接続部によって通信接続されたサーバ装置がクッキーを受け付けている場合に、前記記憶部に記憶されている許可データを当該サーバ装置に送信する送信部とを備え、
前記サーバ装置は、
前記端末装置からクッキーを受け付ける受付部と、
前記受付部によって許可データがクッキーとして受け付けられた場合に、当該許可データに基づいて前記端末装置に配信するコンテンツを決定する決定部と
を備えたことを特徴とするネットワークシステム。
【請求項14】
端末装置が実行する通信方法であって、
前記端末装置のユーザに関するユーザ情報に基づいて、当該端末装置に配信するコンテンツを決定するサーバ装置と通信接続を行う接続工程と、
前記接続工程によって通信接続されたサーバ装置がクッキーを受け付けている場合に、前記ユーザによって設定されるデータであって、ユーザ情報毎に該ユーザ情報の利用を許可するか否かを示すデータである許可データを当該サーバ装置に送信する送信工程と
を含んだことを特徴とする通信方法。
【請求項15】
前記端末装置のユーザに関するユーザ情報に基づいて、当該端末装置に配信するコンテンツを決定するサーバ装置と通信接続を行う接続手順と、
前記接続手順によって通信接続されたサーバ装置がクッキーを受け付けている場合に、前記ユーザによって設定されるデータであって、ユーザ情報毎に該ユーザ情報の利用を許可するか否かを示すデータである許可データを当該サーバ装置に送信する送信手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする通信プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−84063(P2013−84063A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−222222(P2011−222222)
【出願日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【出願人】(000151092)株式会社電通 (57)