端末装置、呼制御装置、通信システム、及び通信システムにおける着信応答方法
【課題】ピックアップグループの範囲外に移動してもコールピックアップサービスの提供を受けることができる端末装置、呼制御装置、通信システム、及び通信システムにおける着信応答方法を提供すること。また、ピックアップグループの登録を不要にした端末装置、呼制御装置、通信システム、及び通信システムにおける着信応答方法を提供すること。
【解決手段】通話を要求する発信信号が第1の端末装置から送信されて、呼制御装置において受信された前記発信信号が着信信号に変換されて、前記呼制御装置から無線により送信された前記着信信号を受信する端末装置において、前記着信信号を受信したとき、前記着信信号に含まれる前記端末装置の識別情報を含む着信情報を、前記端末装置に代わり前記第1の端末装置と通話を行う第2の端末装置に対して超音波により出力する超音波出力部を備える。
【解決手段】通話を要求する発信信号が第1の端末装置から送信されて、呼制御装置において受信された前記発信信号が着信信号に変換されて、前記呼制御装置から無線により送信された前記着信信号を受信する端末装置において、前記着信信号を受信したとき、前記着信信号に含まれる前記端末装置の識別情報を含む着信情報を、前記端末装置に代わり前記第1の端末装置と通話を行う第2の端末装置に対して超音波により出力する超音波出力部を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置、呼制御装置、通信システム、及び通信システムにおける着信応答方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、構内電話交換機(PBX:Private Branch eXchange)を介した端末装置間において、コールピックアップサービスと呼ばれるサービスが提供される場合がある。コールピックアップサービスとは、例えば、PBXに登録されたピックアップグループに属する端末装置において呼が着信した場合、同一のピックアップグループに属する他の端末装置が応答し、当該他の端末装置が発信側の端末装置と通信を行うようにしたサービスである。これにより、例えば、着信側端末装置宛ての着信があったときにおいて、着信側端末装置が応答できないような場合、ピックアップ用の端末装置が代わりに応答することができるようになる。例えば、会社内のある部署において、部署内のある端末装置に呼が着信した場合、あるユーザは同一のピックアップグループとして登録された他の端末装置を利用して通話を行うことができる。
【0003】
コールピックアップサービスは、例えば、固定電話機で使用されることを前提としたサービスとなっており、固定電話機(又は固定電話機に接続された物理回線)に対してピックアップグループが登録されるようになっている。コールピックアップサービスは、例えば、固定電話機の物理的位置に依存したサービスとなっている。
【0004】
このようなコールピックアップサービスに関する技術としては、例えば、以下のようなものがある。すなわち、応答端末と着信通知端末は公衆網に接続され、応答端末は着信通知端末からの着信情報の通知を受け取って着信通知端末にコールピックアップを行い、着信通知端末は電話機と応答端末とを接続して通話状態にするようにしたコールピックアップ通信システムがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−354110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、コールピックアップサービスは、上述したように、例えば、固定電話機で使用されることを前提としたサービスとなっている。そのため、PHS(Personal Handyphone System)などの移動端末でコールピックアップサービスが使用される場合、以下のような問題点がある。
【0007】
1)ユーザがPHS端末を持ってピックアップグループの範囲外に移動したとき、そのPHS端末から、移動先の近傍の端末への着信をピックアップできない。例えば、PHS端末は同一のピックアップグループとして登録された端末に対しては当該端末あての着信をピックアップすることができる。しかし、PHS端末が当該端末と通信できる範囲外に移動したとき、移動先においてPHS端末の近傍の端末に着信があっても、PHS端末はその近傍の端末への着信をピックアップすることができない。
【0008】
2)また、ピックアップグループが設定された範囲から離れた場所に移動したPHS端末への着信を移動先の近傍の他の端末からピックアップすることもできない。例えば、移動先におけるPHS端末近傍の他の端末は、PHS端末への着信をピックアップすることができない。
【0009】
3)さらに、PHS端末などは人に括り付けて運用されることが多い。この場合、例えば、会社内において部署異動、席替えなどにより座席が変わると、人はPHS端末を持って移動することになり、それに伴いPHS端末の定位置が移動することになる。そのため、PHS端末においてコールピックアップサービスの提供を受けるためには、移動の都度、ピックアップグループの変更が行わなければならない。
【0010】
4)さらに、PHS端末は、従来の固定電話機と比較して小型である。そのため、近傍の複数あるPHS端末のうちあるPHS端末が着信し着信音が鳴動しても、その着信音がどのPHS端末が発しているのか分かりにくく、着信しているPHS端末に応答することができない、あるいは応答が遅れる場合がある。
【0011】
なお、上述した特開2000−354110号公報に記載された技術は、公衆網における遠隔の端末への着信に応答するようにした転送サービスやワンナンバーサービスに関するものであり、上記した1)から4)までの課題については何ら解決するものではない。
【0012】
そこで、本発明の一目的は、ピックアップグループの範囲外に移動してもコールピックアップサービスの提供を受けることができる端末装置、呼制御装置、通信システム、及び通信システムにおける着信応答方法を提供することにある。
【0013】
また、本発明の一目的は、ピックアップグループの登録を不要にした端末装置、呼制御装置、通信システム、及び通信システムにおける着信応答方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
一態様は、通話を要求する発信信号が第1の端末装置から無線により送信されて、呼制御装置において受信された前記発信信号が着信信号に変換されて、前記呼制御装置から無線により送信された前記着信信号を受信する端末装置において、前記着信信号を受信したとき、前記着信信号に含まれる前記端末装置の識別情報を含む着信情報を、前記端末装置に代わり前記第1の端末装置と通話を行う第2の端末装置に対して超音波により出力する超音波出力部を備える。
【発明の効果】
【0015】
ピックアップグループの範囲外に移動してもコールピックアップサービスの提供を受けることができる端末装置、呼制御装置、通信システム、及び通信システムにおける着信応答方法を提供することができる。また、ピックアップグループの登録を不要にした端末装置、呼制御装置、通信システム、及び通信システムにおける着信応答方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は端末装置の構成例を表わす図である。
【図2】図2は通信システムの構成例を表わす図である。
【図3】図3は端末装置の構成例を表わす図である。
【図4】図4はPBXの構成例を表わす図である。
【図5】図5(A)と図5(B)は着信情報の例をそれぞれ表わす図である。
【図6】図6は動作例を表わすシーケンスチャートである。
【図7】図7は動作例を表わすシーケンスチャートである。
【図8】図8は動作例を表わすシーケンスチャートである。
【図9】図9(A)から図9(C)はピックアップ可能な呼の表示例をそれぞれ表わす図である。
【図10】図10は呼テーブルの構成例を表わす図である。
【図11】図11はPBXの構成例を表わす図である。
【図12】図12は端末の構成例を表わす図である。
【図13】図13はPBXの構成例を表わす図である。
【図14】図14はピックアップグループ情報DBの構成例を表わす図である。
【図15】図15は動作例を表わすシーケンスチャートである。
【図16】図16はPBXの構成例を表わす図である。
【図17】図17は動作例を表わすシーケンスチャートである。
【図18】図18は端末のハードウェア構成例を表わす図である。
【図19】図19はPBXのハードウェア構成例を表わす図である。
【図20】図20は端末の構成例を表わす図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
【0018】
[第1の実施の形態]
最初に第1の実施の形態について説明する。図1は第1の実施の形態における端末装置700の構成例を表わす図である。端末装置700は、例えば、携帯電話機など通話可能な情報携帯端末である。端末装置700は呼制御装置600を介して第1の端末装置500と通話を行うことができる。また、第1の端末装置500は、端末装置700に対して通話を要求する発信信号を送信することができる。呼制御装置600は、発信信号を受信し、これを着信信号に変換し、着信信号を無線により端末装置700に送信することができる。端末装置700は、呼制御装置600から送信された着信信号を受信することができる。
【0019】
端末装置700は、超音波出力部710を備える。超音波出力部710は、着信信号を受信したとき、着信信号に含まれる端末装置700の識別情報を含む着信情報を、第2の端末装置800に対して超音波により出力することができる。端末装置700から超音波出力された識別情報は、第2の端末装置800において受信することができる。
【0020】
このように、端末装置700は、着信信号を受信したとき、端末装置700の識別情報を含む着信情報を超音波により第2の端末装置800に送信することができる。よって、第2の端末装置800は、この着信情報に基づいて、端末装置700に代わり第1の端末装置500と通話を行うことを要求するピックアップ要求信号を呼制御装置600に送信することができ、これにより、第1の端末装置500と通話を行うことができるようになる。
【0021】
よって、第2の端末装置800は、他の呼制御装置などにおいてピックアップグループの登録が行われる場合でも、登録の範囲外において、近傍の端末装置500への着信をピックアップすることができ、コールピックアップサービスの提供を受けることができる。この際、呼制御装置600において第2の端末装置800に対するピックアップグループの登録も不要となる。
【0022】
[第2の実施の形態]
<通信システム10の構成例>
次に第2の実施の形態について説明する。図2は本第2の実施の形態における通信システム10の構成例を表わす図である。通信システム10は、発信側端末装置(以下、「発信側端末」と称する場合がある)100、構内電話交換機(PBX(Private Brach eXchange)、以下、「PBX」と称する場合がある)200、ピックアップ端末装置(以下、「ピックアップ端末」と称する場合がある)300、及び着信側端末装置(以下、「着信側端末」と称する場合がある)400を備える。
【0023】
なお、第1の実施の形態における第1の端末装置500は、例えば、発信側端末400に対応する。また、第1の実施の形態における呼制御装置600は、例えば、PBX200に対応する。さらに、第1の実施の形態にける端末装置700はピックアップ端末装置300、第1の実施の形態における第2の端末装置800は着信側端末400にそれぞれ対応する。また、第2の実施の形態においては、呼制御装置600の一例としてPBX200の例を表わしているが、呼制御装置600としてはPBX200以外にも、例えば、SIP(Session Initiation Protocol)サーバなどであってもよい。
【0024】
発信側端末100、ピックアップ端末300、及び着信側端末400は、例えば、携帯電話機(フィーチャーフォンでもよいしスマートフォンでもよい)やPDA(Personal Digital Assistance)などの端末装置である。本第2の実施の形態では、発信側端末100、ピックアップ端末300、及び着信側端末400を総称して端末装置と称する場合がある。
【0025】
図2の通信システム10においては、発信側端末100は着信側端末400と通話を行うべく、発信信号をPBX200に送信する。PBX200は、受信した発信信号を着信側端末400宛ての着信信号として着信側端末400に送信する。着信側端末400は、PBX200から着信信号を受信すると、着信情報(例えば、着信側端末400の電話番号を含む)を超音波によりピックアップ端末300に送信する。ピックアップ端末300は超音波を受信し、当該呼に対してピックアップする場合、PBX200にピックアップ要求信号を送信する。そして、PBX200は、ピックアップ要求信号に対する応答信号をピックアップ端末300に送信し、以後、ピックアップ端末300は着信側端末400に代わり、発信側端末100と通話を行うことができるようになる。なお、PBX200は、例えば、公衆回線網と接続することができる。
【0026】
図2において、PBX200には、2つのアクセスポイント210,215がある。例えば、PBX200は、アクセスポイント210,215ごとに端末装置100,300,400を収容又は登録することができる。各端末装置100,300,400は、登録されたアクセスポイント210,215において、電話、インターネットの接続など、種々のサービスの提供を受けることができる。なお、本第2の実施の形態では、アクセスポイント210,215によって、端末装置100,300,400において受けることのできるサービスは制限されないものとする。
【0027】
<端末装置とPBXの各構成例>
次に端末装置100,300,400とPBX200の各構成例について説明する。最初に端末装置300,400の構成例について説明し、次に端末装置100の構成例、最後に、PBX200の構成例について説明することにする。
【0028】
なお、端末装置300,400は、例えば同一構成であり、特に断らない限り、端末装置300として説明する。また、端末装置100は、端末装置300と同一である必要はなく、PHSなどの公知の移動端末でもよいし、固定電話機であってもよい。端末装置100が固定電話機の場合、PBX200においては、例えばアクセスポイント210は不要となり、直接PBX200と回線により接続することができる。端末装置100は、例えば、公衆回線を介した公衆網端末でもよい。なお、端末装置について、適宜「端末」と称する場合がある。
【0029】
図3は端末300の構成例を表わす図である。端末300は、信号受信部101、着信処理部102、取消処理部103、着信音鳴動部104、エンコード部105、超音波出力部106、通話開始処理部107、超音波受信部108、デコード部109、ピックアップ対象番号表示部110、ピックアップボタン点滅部111、ピックアップ操作検知部112、ピックアップ信号生成部113、信号送信部114、発信処理部115、及びピックアップ通話開始処理部116とを備える。
【0030】
なお、第1の実施の形態における超音波出力部710は、例えば、信号受信部101、着信処理部102、エンコード部105、及び超音波出力部106に対応する。
【0031】
信号受信部101は、例えば、PBX200から送信された着信信号や発信応答信号、着信取消信号、着信取消応答信号、さらに、確認信号などを受信することができる。各信号の詳細については後述する。信号受信部101は、例えば、無線信号として送信された着信信号や発信応答信号などを受信することができ、受信した無線信号に対して所定の復調処理を施すことで、着信信号や発信応答信号などを復調することができる。信号受信部101は、このような受信処理や復調処理などを行うことができるよう、アンテナ、増幅器、デジタル復調回路、A/D変換回路、帯域フィルタ(BPF:Band Pass Filter)などを備えるようにしてもよい。信号受信部101は、復調等の処理を施した着信信号や発信応答信号などを着信処理部102と発信処理部115に出力することができる。
【0032】
着信処理部102は、信号受信部101から入力した取消信号を取消処理部103に出力することができる。また、着信処理部102は、信号受信部101から着信信号を入力したとき、着信音鳴動部104に対して着信音を鳴動させるよう指示することができる。さらに、着信処理部102は、着信信号から着信情報を抽出し、着信情報をエンコード部105に出力することもできる。着信情報は、例えば、発信側端末100の電話番号と着信側端末400の電話番号が含まれる。さらに、着信処理部102は、信号受信部101から確認信号などを入力したとき、通話開始処理部107に対して通話開始を指示することもできる。着信処理部102は、例えば、各信号のヘッダに格納された信号の種別情報に基づいて、取消信号や着信信号、確認信号などを識別することができ、識別結果に応じて、各信号を各部103等に出力することができる。
【0033】
取消処理部103は、着信信号(又は着信呼)に対する取消処理を行うことができる。取消処理部103は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示部に表示された着信表示を取消したりすることができる。
【0034】
着信音鳴動部104は、着信処理部102から出力された着信音の鳴動の指示に従って、着信音を鳴動することができる。着信音鳴動部104は、例えば、発信側の発信側端末100ごとに異なる着信音を鳴動することもできる。
【0035】
エンコード部105は、着信処理部102から出力された着信情報をコード化する。
【0036】
図5(A)は、例えば、コード化対象の着信情報の例を表わす図である。図5(A)において、「s0」から「s15」は、着信側端末400の電話番号を表わしている。また、図5(A)において、「d0」から「d15」は、例えば、発信側端末100の電話番号を表わしている。エンコード部105は、例えば、各電話番号の各桁「s0」〜「d15」をアスキーコードでコード化することもできる。図5(A)の例では、着信情報は2行に分かれているが、コード化された着信情報は、例えば、着信側端末400と発信側端末100の順(あるいはその逆順)で1行にまとめられることもできる。コード化は、アスキーコード化以外にも、例えば、電話番号の各桁を16進表示にコード化したり、或いは伝送プロトコルなどに従ったコードに変換したりすることもできる。エンコード部105は、エンコードした着信情報を超音波出力部106に出力する。
【0037】
図3に戻り、超音波出力部106は、エンコードされた着信情報を所定の変調方式により超音波の周波数帯域に変調することで超音波を生成し、生成した超音波を超音波スピーカなどから出力することができる。このような変調や超音波出力などが行われるために、超音波出力部106は、例えば、デジタル変調回路、増幅器、無指向性超音波スピーカなどを備えるようにしてもよい。着信情報に対応する超音波は、例えば、着信側端末400から送信される。
【0038】
通話開始処理部107は、例えば、PBX200から送信された応答信号を信号受信部101などを介して受信した場合、発信処理部115などを介して確認信号をPBX200に送信し、通話開始処理を行うことができる。通話開始処理部107は、例えば、音声信号の送信や受信を開始することができる。
【0039】
超音波受信部108は、例えば、着信側端末400から送信された超音波を受信し、所定の復調方式により、受信した超音波から着信情報を復調することができる。超音波受信部108は、このような受信処理や復調処理を行うことができるよう、例えば、無指向性超音波マイクロフォン、増幅器、デジタル復調回路などを備えるようにしてもよい。超音波受信部108は、抽出した着信情報をデコード部109に出力することができる。
【0040】
デコード部109は、コード化された着信情報をデコード化することで、コード化前の着信情報を抽出することができる。着信情報がアスキーコードによりコード化されている場合は、例えば、デコード部109は内部に保持されたコードテーブルを参照することで、アスキーコードに対応するコード化前の着信情報を得ることができる。デコード部109は、デコードした着信情報をピックアップ対象番号表示部110に出力することができる。
【0041】
ピックアップ対象番号表示部110は、デコード部109から出力された着信情報を表示させることができる。図9(A)から図9(C)はピックアップ対象番号表示部110に表示されるピックアップ対象の番号表示例をそれぞれ表わしている。詳細は後述するが、ピックアップ対象番号表示部110は、着信情報に含まれる発信側端末100と着信側端末400の各電話番号を表示することができる。これにより、ピックアップ端末300を利用するユーザは、発信側と着信側の各電話番号を確認することができる。ピックアップ対象番号表示部110は、デコード部109から着信情報を入力したとき、ピックアップボタン点滅部111にピックアップボタンを点滅させるよう指示することができる。
【0042】
ピックアップボタン点滅部111は、ピックアップボタンの点滅の指示を受けたとき、例えば、LED(Light Emitting Diode)などで構成されたピックアップボタンを点滅表示させることができる。ピックアップボタン点滅部111は、ピックアップボタンを点滅させることで、鳴動中の着信側端末400への着信呼に対して、ピックアップ端末300がピックアップ可能であることをユーザに通知することができる。
【0043】
ピックアップ操作検知部112は、点滅表示されているピックアップボタンの押下を検知することができる。ピックアップボタン操作検知部112は、ピックアップボタンの押下を検知すると、ピックアップボタン点滅部111に対してピックアップボタンの点滅表示を停止するよう指示することができる。そして、ピックアップ操作検知部112は、例えば、ピックアップ対象番号表示部110から受け取った着信情報のうち、ピックアップ対象の着信側端末400の電話番号をピックアップ信号生成部113に出力することができる。
【0044】
ピックアップ信号生成部113は、ピックアップ操作検知部112から受け取った着信側端末400の電話番号に対して、当該電話番号を含むピックアップ要求信号を生成する。ピックアップ信号生成部113は、生成したピックアップ要求信号を信号送信部114に出力することができる。
【0045】
信号送信部114は、ピックアップ信号生成部113から出力されたピックアップ要求信号を、例えばPBX200に送信することができる。また、信号送信部114は、例えば、発信処理部115から出力された発信信号を受け取り、発信信号を無線信号としてPBX200に送信することができる。
【0046】
なお、信号送信部114は、発信信号やピックアップ要求信号を無線信号として送信するために、例えば、所定の変調方式による変調処理などを行うことができる。信号送信部114は、このような変調処理などを行うことができるよう、例えば、A/D変換回路、デジタル変調回路、帯域通過フィルタ(BPF)、さらに増幅器などを備えるようにしてもよい。
【0047】
発信処理部115は、例えば、端末300においてユーザの操作による発信操作を受け付け、発信操作により入力された着信側の電話番号に基づいて発信信号を生成する。発信操作は、例えば、ユーザが端末300の操作ボタンを操作して、着信側の電話番号が入力されることにより行われる操作である。生成された発信信号には、例えば、発信操作により入力された着信側の電話番号と、自局の電話番号が含まれることができる。
【0048】
ピックアップ通話開始処理部116は、例えば、信号受信部101において、ピックアップ要求応答信号を受信したとき、発信処理部115を介してピックアップ要求応答信号を入力することができる。ピックアップ要求応答信号は、例えば、ピックアップ信号生成部113において生成されたピックアップ要求信号に対する応答信号としてPBX200から送信されたものである。例えば、ピックアップ端末300は、PBX200からピックアップ要求応答信号を受信することで、ピックアップ可能な端末として動作することができる。そして、ピックアップ通話開始処理部116は、ピックアップ要求応答信号を入力すると、確認信号を生成して信号送信部114に出力し、さらに、ピックアップ通話開始処理を行うことができる。確認信号は、信号送信部114を介してPBX200に送信される。
【0049】
次に、端末100の構成例について説明する。図20は端末100の構成例を表わす図である。端末100は、信号受信部1010、着信処理部1020、取消処理部1030、着信音鳴動部1040、通話開始処理部1070、信号送信部1140、及び発信処理部1150とを備える。
【0050】
信号受信部1010は、例えば、PBX200から送信された着信信号などを受信することができる。信号受信部1010は、例えば、端末300の信号受信部101と同様に、無線信号として送信された着信信号などに対して復調処理などを施すことで着信信号を復調することができる。
【0051】
着信処理部1020は、信号受信部1010から出力された取消信号を取消処理部1030に出力することができる。また、着信処理部1020は、信号受信部1010から出力された着信信号を入力したとき、着信音鳴動部1040に対して着信音を鳴動させるよう指示することができる。さらに、着信処理部1020は、信号受信部1010から出力された確認信号を入力したとき、通話開始処理部1070に対して通話開始を指示することもできる。
【0052】
取消処理部1030は、端末300の取消処理部103と同様に、取消信号を入力したときは、着信信号に対する取消処理を行うことができる。
【0053】
着信音鳴動部1040は、端末300の着信音鳴動部104と同様に、着信音の鳴動の指示に従って、着信音を鳴動することができる。
【0054】
通話開始処理部1070は、端末300の通話開始処理部107と同様に、着信処理部1020からの通話開始の指示に従って、通話を開始するための処理を行う。通話開始処理部1070は、例えば、音声信号の送信や受信を開始することができる。
【0055】
信号送信部1140は、例えば、発信処理部1150から出力された発信信号を受け取り、発信信号を無線信号としてPBX200に送信することができる。
【0056】
発信処理部1150は、例えば、ユーザの操作による発信操作を受け付けて、発信信号を生成することができる。発信操作は、例えば、ユーザが端末100の操作ボタンを操作して、着信側の電話番号などが入力されることにより行われる。発信信号には、例えば、着信側の電話番号(例えば、着信側端末400の電話番号など)と自局の電話番号(例えば、端末100の電話番号など)が含まれ、発信処理部1150により発信信号が生成されることができる。発信処理部1150は、発信信号を信号送信部1140に出力する。
【0057】
次に、PBX200の構成例について説明する。図4はPBX200の構成例を表わす図である。PBX200は、信号受信部201、呼処理部202、ピックアップ切替処理部203、ピックアップ切替完了処理部204、及び信号送信部205を備える。
【0058】
信号受信部201は、例えば、発信側端末100から送信された発信信号を受信することができる。また、信号受信部201は、例えば、着信側端末400から送信された着信応答信号や、ピックアップ要求応答信号、着信取消応答信号、確認信号などを受信することができる。これらの信号の詳細は後述する。信号受信部201は、受信したこれらの信号を呼処理部202に出力することができる。
【0059】
呼処理部202は、例えば、信号受信部201から発信信号を入力したときは、発信信号に基づいて、着信側端末400に対する着信信号を生成することができる。呼処理部202は、例えば、発信信号に含まれる発信側端末100と着信側端末400の各電話番号を抽出し、着信信号に含ませるようにすることができる。
【0060】
また、呼処理部202は、例えば、信号受信部201から着信応答信号を入力したときは、着信応答信号に基づいて、発信側端末100への発信応答信号を生成することができる。
【0061】
さらに、呼処理部202は、信号受信部201からピックアップ要求信号を入力したときは、ピックアップ要求信号をピックアップ切替処理部203に出力することができる。さらに、呼処理部202は、ピックアップ切替処理部203からピックアップ要求応答信号と着信取消信号とを入力したときは、これらの信号を信号送信部205に出力することができる。さらに、呼処理部202は、信号処理部202から信号取消応答信号や確認信号などを入力したときは、これらの信号をピックアップ切替完了処理部204に出力することができる。さらに、呼処理部202は、ピックアップ切替完了処理部204から確認信号を入力したときは、確認信号を信号送信部205に出力することができる。
【0062】
例えば、これらの信号についても、ヘッダなどに種別を表わす情報が含まれており、呼処理部202は種別を表わす情報に基づいて各信号を識別し、ピックアップ切替処理部203などに出力することができる。
【0063】
ピックアップ切替処理部203は、例えば、ピックアップ要求信号を入力したとき、ピックアップ要求信号に含まれる着信情報を抽出し、抽出した着信情報に基づいて該当呼を特定する。該当呼の特定処理については後述する。ピックアップ切替処理部203は、該当呼を特定すると、例えば、特定した該当呼の着信側端末400に対して着信取消信号を生成し、ピックアップ端末300に対してピックアップ要求応答信号を生成する。ピックアップ切替処理部203は、生成した着信取消信号とピックアップ要求応答信号を呼処理部202に出力することができる。
【0064】
ピックアップ切替完了処理部204は、例えば、該当呼の着信側端末400から送信された、着信取消信号に対する着信取消応答信号を入力することができる。また、ピックアップ切替完了処理部204は、例えば、ピックアップ端末300から送信された、ピックアップ要求応答信号に対する確認信号を入力することもできる。ピックアップ切替完了処理部204は、着信取消応答信号または確認信号(或いは、着信取消信号及び確認信号)を入力すると、確認信号を生成して呼処理部202に出力することができる。
【0065】
信号送信部205は、例えば、呼処理部202から出力された発信応答信号や確認信号を発信側端末100に送信したり、着信信号やピックアップ要求応答信号、着信取消信号などを着信側端末400に送信することができる。また、信号送信部205は、例えば、呼処理部202から出力されたピックアップ要求応答信号をピックアップ端末300に送信することもできる。
【0066】
<動作例>
次に本第2の実施の形態における動作例について説明する。図6は本通信システム10におけるシーケンス例を表わす図である。また、図7及び図8は、図6と同じシーケンス例を表わしているが、端末300などの各部がどのように動作するかを含むシーケンス例を表わしている。動作例としては、発信側端末100が着信側端末400に発信信号を送信し、ピックアップ端末300が着信側端末400への呼をピックアップして、ピックアップ端末300と発信側端末100において通話が行われる例である。動作例として、図6を主に説明し、適宜、図7及び図8を参照して説明するものとする。
【0067】
最初に発信側端末100は、操作ボタンなどによるダイヤル操作が行われ、発信処理を行う(S10)。例えば、発信側端末100は、発信処理部1150により発信操作を受け付け、発信操作により入力された着信側端末400の電話番号と発信側端末100の電話番号とを含む発信信号を生成する。
【0068】
次いで、発信側端末100は、発信信号をPBX200に送信する(S11)。例えば、信号送信部114は、発信処理部115から発信信号を入力し、無線信号としてPBX200に送信することができる。
【0069】
次いで、PBX200は、発信信号を受信して呼処理を行い、着信信号を着信側端末400に送信する(S12,S13)。例えば、PBX200の信号受信部201は発信信号を受信して呼処理部202に出力し、呼処理部202は発信信号に基づいて着信側端末400に対する着信信号を生成する。着信信号には、着信情報が含まれる。着信情報は、例えば、発信側端末100の電話番号と着信側端末400の電話番号が含まれる。呼処理部202は、例えば、発信信号に含まれる着信情報を取り出して、着信信号に含ませることができる。例えば、信号送信部205は呼処理部202から着信信号を受け取り、これを着信側端末400に送信する。
【0070】
次いで、着信側端末400は、着信信号に対して着信処理を行い、さらに、着信信号に含まれる着信情報を抽出してエンコードし、更に、エンコードした電話番号を超音波で出力する(S14)。例えば、信号受信部101は着信信号を受信し、着信処理部102は着信信号を入力して着信音鳴動部104に着信音を鳴動させるよう指示する。これにより、着信音鳴動部104は、着信音を鳴動することができる(S17)。また、着信処理部102は、着信信号から着信情報を抽出してエンコード部105に出力し、エンコード部105は着信情報をコード化して、超音波出力部106に出力する。超音波出力部106は、コード化された着信情報を超音波に変調して出力することができる(S18)。信号送信部114は、例えば、着信音鳴動部104から着信音を鳴動した旨の通知を受け、また、超音波出力部106から超音波出力を行った旨の通知を受けたとき、着信信号(S13)に対する着信応答信号を無線信号に変換してPBX200に送信する(S15)。
【0071】
一方、ピックアップ端末300は、着信側端末400から送信される超音波を受信できる範囲内に位置するとき、この超音波を受信することができる(S19)。そして、ピックアップ端末300は、受信した超音波から着信情報を取り出し、着信情報に含まれるピックアップ対象番号を取得することもできる(S19)。ピックアップ対象番号は、例えば、発信側端末100と着信側端末400の各電話番号である。さらに、ピックアップ端末300は、ピックアップボタンを点滅させることができる(S19)。この点滅により、例えば、ピックアップ端末300は、鳴動している着信側端末400のピックアップが可能であることを、ピックアップ端末300を利用するユーザに通知することができる。ピックアップ端末300は、ユーザによりピックアップボタンが押下されると、ピックアップ要求信号を生成しPBX200に送信することができる(S20,S21)。
【0072】
S19からS21までの処理について、図7などに表わされるように、例えば以下のような処理が行われる。すなわち、ピックアップ端末300の超音波受信部108は、着信側端末400から送信された超音波を受信し、着信情報に復調してデコード部109に出力することができる。デコード部109は、コード化された着信情報をデコードしてコード化される前の着信情報を取り出し、ピックアップ対象番号表示部110に出力する。ピックアップ対象番号表示部110は、着信情報に含まれる、発信側端末100の電話番号と着信側端末400の電話番号を表示することができる。
【0073】
図9(A)はピックアップ対象番号表示部110に表示される着信情報の例を表わしている。図9(A)の例では、発信側端末100の電話番号の例として「2001」、着信側端末400の電話番号の例として「2009」が表示されている例を表わしている。なお、図9(B)と図9(C)は他の表示例を表わしているが詳細は後述する。
【0074】
図7に戻り、ピックアップ端末300のピックアップ対象番号表示部110は、例えば、デコード部109から着信情報を受け取ると、ピックアップボタン点滅部111にピックアップボタンの点滅を指示する。これにより、ピックアップ端末300においてピックアップ可能な状態を、ピックアップ端末300を利用するユーザに知らせることができる。
【0075】
そして、ピックアップ操作検知部112は、例えば、ピックアップボタンの押下を検知すると、ピックアップボタンの点滅停止をピックアップボタン点滅部111に通知する。また、ピックアップ操作検知部112は、着信情報(S18)に含まれる着信側端末400の電話番号をピックアップ信号生成部113に出力する。
【0076】
ピックアップ信号生成部113は、ピックアップ操作検知部112から出力された着信側端末400の電話番号を入力すると、当該電話番号と、ピックアップ端末300の電話番号とを含むピックアップ要求信号を生成し、信号送信部116を介してPBX200に送信することができる(S21)。なお、ピックアップ信号生成部113は、着信情報(S18)と、ピックアップ端末300の電話番号とを含むピックアップ要求信号を生成し、PBX200に送信するようにしてもよい。
【0077】
図6に戻り、PBX200は、ピックアップ端末300からピックアップ要求信号を受信すると、例えば、ピックアップ要求信号に含まれる着信側端末400の電話番号(又は着信情報)に基づいて、該当する呼を特定する特定処理を行う(S22)。そして、PBX200は、該当する呼を特定したとき、該当する呼の着信側端末400に対して着信取消信号を送信し(S24)、ピックアップ要求信号を送信したピックアップ端末300に対してピックアップ要求応答信号を送信することができる(S23)。S23とS24の処理順は逆でもよい。S22からS24までの処理は、図7に表わされるように、例えば以下のようにして行われる。
【0078】
すなわち、PBX200の信号受信部201はピックアップ要求信号(S21)を受信すると、呼処理部202を介して、ピックアップ切替処理部203にピックアップ要求信号を出力することができる。
【0079】
ピックアップ切替処理部203は、ピックアップ要求信号に含まれる着信側端末400の電話番号に基づいて、呼を特定する特定処理を行う(S22)。例えば、ピックアップ切替処理部203は、ピックアップ要求信号に含まれる着信側端末400の電話番号に基づいて、どの呼に対するピックアップ要求かを確認する。例えば、PBX200は、発信信号(S11)を発信側端末100から受け取ると、呼ごとに、発信側端末100の電話番号と着信側端末400の電話番号とを組とする呼情報を呼テーブルに記憶する。
【0080】
図10は呼テーブル2021の例を表わす図である。また、図11は呼テーブル2021を含むPBX200の構成例を表わす図である。呼テーブル2021は、例えば、呼処理部202内部に設けられてもよいし、図11に表わされるように呼処理部202の外部に設けられても良い。例えば、呼処理部202は、発信信号(S11)を受信すると、発信信号に含まれる発信側端末の電話番号と着信側端末400の電話番号を呼テーブル2021に記憶することができる。
【0081】
図8に戻り、ピックアップ切替処理部203は、例えば、ピックアップ要求信号をピックアップ端末300から受信すると(S21)、ピックアップ要求信号に含まれる着信側端末400の電話番号が呼テーブル2021に記憶されているか否かを確認する。ピックアップ切替処理部203は、ピックアップ要求信号に含まれる着信側端末400の電話番号が呼テーブル2021に記憶されているときは、呼を特定したこととなり、以後の処理を行う。他方、ピックアップ切替処理部203は、ピックアップ要求信号に含まれる着信側端末400の電話番号が呼テーブル2021に記憶されていないとき、呼の特定ができず(又は呼が確立されていない)、以後の処理を行わないようにする。
【0082】
呼が特定されると、ピックアップ切替処理部203は、ピックアップ要求信号(S21)に対するピックアップ要求応答信号を生成し、さらに、着信取消信号を生成することができる。
【0083】
この場合、ピックアップ切替処理部203は、例えば、ピックアップ要求信号に含まれるピックアップ端末300の電話番号に基づいてピックアップ端末300を特定し、当該ピックアップ端末300に対して、ピックアップ要求応答信号を送信する(S23)。
【0084】
また、ピックアップ切替処理部203は、例えば、特定した呼について、ピックアップ要求信号に含まれる着信側端末400の電話番号に基づいて、該当する着信側端末400を特定し、特定した着信側端末400に対する着信取消信号を生成する。これにより、ピックアップ切替処理部203は、生成した着信取消信号を、呼処理部202と信号送信部205を介して、特定した着信側端末400に送信することができる(S24)。
【0085】
図6に戻り、着信取消信号を受信した着信側端末400は、着信取消処理や超音波出力停止処理などを行い(S25)、着信取消信応答信号をPBX200に送信することができる(S26)。
【0086】
例えば、図8に表わされるように、着信側端末400の信号受信部101は着信取消信号を受信し(S24)、着信処理部102に出力する。着信処理部102は、例えば、着信取消信号を入力すると、着信鳴動部104に対して、鳴動を停止するよう指示する。着信音鳴動部104は、この指示に基づいて、着信音を停止することができる。
【0087】
また、超音波出力部106は、信号受信部101で受信した着信取消信号を、着信処理部102、エンコード部105を介して入力することができ、このとき、出力している超音波(S18)を停止することができる。
【0088】
さらに、取消処理部103も、信号受信部101で受信した着信取消信号について着信処理部102を介して入力することができ、このとき、例えば、表示部に表示されている発信側端末100の電話番号の表示を取消すことができる。
【0089】
信号送信部114は、例えば、取消処理部103や超音波出力部106、着信音鳴動部104から、着信取消信号に対応する処理が行われた旨の通知を受けることができ、この通知を受けたときに着信取消信号(S24)に対応する着信取消応答信号を生成することができる。生成された着信取消応答信号は、信号送信部114からPBX200に送信される(S26)。
【0090】
図6に戻り、ピックアップ端末300は、ピックアップ要求応答信号をPBX200から受信すると、確認信号をPBX200に送信することができる(S27)。例えば、図8に表わされるように、ピックアップ端末300の信号受信部101は、PBX200からピックアップ要求応答信号を受信すると(S23)、発信処理部115を介して、ピックアップ通話開始処理部116に出力することができる。ピックアップ通話開始処理部116は、ピックアップ要求応答信号を入力すると、確認信号を生成し、ピックアップ通話開始処理を行う。ピックアップ通話開始処理部116は、生成した確認信号を、発信処理部115を介して信号送信部114に出力することができる。信号送信部114は、例えば、ピックアップ要求応答信号に対する確認信号をPBX200に送信することができる(S27)。
【0091】
図6に戻り、PBX200は、ピックアップ端末300から確認信号を受信し、着信側端末400から信号取消応答信号を受信すると、発信側端末100に対して、確認信号を送信する(S28)。例えば、図8に表わされるように、PBX200の信号受信部201は、信号取消応答信号と確認信号を受信すると、呼処理部202を介して、ピックアップ切替完了処理部204に2つの信号を出力することができる。又は、信号受信部201は信号取消応答信号と確認信号を受信すると、呼処理部202を介して、2つの信号を受信した旨を通知することもできる。ピックアップ切替完了処理部204は、2つの信号を受信又はその旨の通知を受けたとき、確認信号を生成し、呼処理部202を介して信号送信部205に出力することができる。確認信号は信号送信部205から発信側端末100に送信される(S28)。
【0092】
図6に戻り、発信側端末100は、確認信号を受信すると(S28)、音声信号の送信又は受信を開始することができる(S29)。また、ピックアップ端末300も音声信号の送信又は受信を開始することができる(S30)。これにより、発信側端末100とピックアップ端末300は通話を行うことができる(S31)。
【0093】
例えば、図8に表わされるように、発信側端末100の信号受信部101は、確認信号を受信すると、着信処理部102を介して通話開始処理部107に確認信号を出力することができる。通話開始処理部107は、確認信号を入力したとき、通話処理を開始することができる。例えば、通話開始処理部107は、マイクロフォンから入力された音声信号に対して、誤り訂正符号化処理や変調処理などを施して無線信号として、PBX200を介してピックアップ端末300に送信することができる。また、通話開始処理部107は、PBX200を介してピックアップ端末300から受信した無線信号に対して復調処理や誤り訂正復号化処理などを施して、音声信号に復調することもできる。
【0094】
ピックアップ端末300側は、ピックアップ通話開始処理部116により、マイクロフォンなどから入力された音声信号に対して、誤り訂正符号化処理などが施されて無線信号として発信側端末100に送信することができる。また、ピックアップ通話開始処理部116により、発信側端末100から送信された無線信号に対して復調処理などを施して、音声信号が抽出されて、スピーカから音声が出力されることができる。
【0095】
このように本第2の実施の形態では、着信側端末400宛ての着信が超音波を受信することのできる範囲内に位置するピックアップ端末300であれば、当該ピックアップ端末300は、着信側端末400宛ての着信をピックアップして、通話することができる。従って、PBX200においてピックアップグループの登録が行われなくても、ピックアップ端末300は近傍の端末400宛ての着信をピックアップすることが可能となる。よって、PBX200においてもピックアップグループの登録変更が不要となる。
【0096】
また、ピックアップ端末300が他のPBXにおいてピックアップグループに登録されているときに、当該PBXの通信可能範囲外に移動した場合でも、ピックアップ端末300は着信側端末400の超音波を受信できれば、近傍の端末400宛ての着信をピックアップできる。よって、ピックアップ端末300はピックアップグループの範囲外に移動してもコールピックアップサービスの提供を受けることができる。
【0097】
さらに、ピックアップ端末300は、複数の着信音が鳴動することで近傍の端末400宛ての着信が特定できないときでも、ピックアップボタンを点滅表示させるようにしているため、着信呼を特定できる。よって、ピックアップ端末300は、近傍の端末400宛ての着信呼に応答することができ、又は、応答に遅れることもなくなる。
【0098】
さらに、ピックアップ端末300は超音波出力部106を備え、着信側端末400は超音波受信部108を備えている。よって、ピックアップ端末300宛ての着信が発生したときも超音波出力部106からエンコードされた着信情報が超音波により送信され、着信側端末400の超音波受信部108において着信情報を受信することができる。この場合の着信情報は、例えば、ピックアップ端末300の電話番号が含まれる。そして、着信側端末400においてピックアップ操作が行われると、PBX200にピックアップ要求信号が送信される。PBX200では、ピックアップ端末300宛ての呼を特定し、ピックアップ端末300に着信取消信号、着信側端末400にピックアップ応答要求信号をそれぞれ送信することができる。これにより、着信側端末400は、ピックアップ端末300に代わり、発信側端末100と通話を行うことができる。よって、ピックアップ端末300は、ピックアップグループとして登録されたPBXと通信可能範囲外に移動したとき、移動先においてピックアップ端末300についての着信が発生したときでも、近傍の着信側端末40は当該着信をピックアップすることができる。
【0099】
[第3の実施の形態]
次に第3の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、ピックアップグループなどのデータを登録しなくてもピックアップできる例について説明した。本第3の実施の形態では、登録されたピックアップグループと併用する例について説明する。図12は本第3の実施の形態における端末300,400(本第3の実施の形態でも、特に断らない限り端末300として説明する)の構成例、図13はPBX200の構成例、図14はピックアップグループの例、図15はシーケンス例をそれぞれ表わす図である。
【0100】
端末300は、図12に表わされるように、さらに、ピックアップグループ情報記憶部120を備える。ピックアップグループ情報記憶部120は、PBX200から送信された登録応答信号に含まれるピックアップグループIDを信号受信部101と着信処理部102を介して入力すると、当該ピックアップグループIDを記憶することができる。ピックアップグループ情報記憶部120は、例えば、メモリである。この場合、着信処理部102は、登録応答信号を入力すると、登録応答信号からピックアップグループIDを抽出し、ピックアップグループ情報記憶部120に出力して記憶させることができる。
【0101】
また、PBX200は、図13に表わされるように、さらに、ピックアップグループ情報データベース(DB)220を備える。ピックアップグループ情報DB220は、端末300がどのピックアップグループに属するかについての情報が記憶されたデータベースである。
【0102】
図14はピックアップグループ情報DB220の構成例を表わす図である。ピックアップグループのグループIDごとに端末300の電話番号(又は識別番号)が登録される。例えば、PBX200の管理者により予めピックアップグループ情報DB220に端末300がどのピックアップグループに属するかが登録されることができる。
【0103】
次に、本第3の実施の形態における動作例について図15を参照して説明する。
【0104】
最初に、PBX200はピックアップグループIDの登録を受け付ける(S40)。例えば、ピックアップ処理部203は、PBX200に登録される端末データとして、その端末300,400が属するピックアップグループを受け付け、受け付けたピックアップグループをピックアップグループ情報DB220に登録することができる。例えば、管理者などの操作により、着信側端末400の電話番号と当該端末400が属するピックアップグループの情報とを受け付け、これをピックアップグループ情報DB220に記憶することで、登録を受け付けることができる。
【0105】
次いで、着信側端末400の電源がONになると(S41)、登録信号を送信する(S42)。例えば、着信側端末400の発信処理部115は、着信側端末400の電源ONを検知することができ、電源ONを検知すると、登録信号を生成し、信号送信部114を介してPBX200に登録信号を送信することができる。登録信号の送信は、例えば、着信側端末400の電源がONになったことをPBX200に通知することを表わしており、着信側端末400は登録信号に自局の電話番号を含ませて、PBX200に送信することができる。
【0106】
次いで、PBX200は、登録信号の受信により端末400が電源ONしたことを検知すると、その端末400が属するピックアップグループのグループIDを端末400に通知する(S43)。例えば、PBX200のピックアップ切替処理部203は、信号受信部201、呼処理部202を介して、着信側端末400から登録信号を入力すると、着信側端末400の電源ONを検知することができる。そして、ピックアップ切替処理部203は、登録信号に含まれる着信側端末400の電話番号をキーにして、ピックアップグループ情報DB220を検索する。ピックアップ切替処理部203は、ピックアップグループ情報DB220から着信側端末400のピックアップグループのグループIDを読み出して、当該グループIDを含む登録応答信号を生成する。ピックアップ切替処理部203は、登録信号に含まれる着信側端末400の電話番号に基づいて、生成した登録応答信号を、呼処理部202と信号送信部205を介して着信側端末400に送信することができる。
【0107】
着信側端末400は、登録応答信号を受信すると、登録応答信号に含まれるピックアップグループのグループIDを記憶する(S44)。例えば、着信側端末400の着信処理部102は、登録応答信号を、信号受信部101を介して入力すると、ヘッダ情報などから登録応答信号であることを検知し、登録応答信号に含まれるピックアップグループのグループIDを抽出することができる。そして、着信処理部102は抽出したグループIDをピックアップグループ情報記憶部120に出力することで、ピックアップグループ情報記憶部120において、着信側端末400の属するピックアップグループのグループIDが記憶される。
【0108】
ピックアップ端末300においても着信側端末400と同様に、電源をONにすると(S45)、登録信号をPBX200に送信する(S46)。
【0109】
また、PBX200は、ピックアップ端末300の属するピックアップグループのグループIDをピックアップグループ情報DB220から検索して、登録応答信号に含めてピックアップ端末300に送信する(S47)。ピックアップ端末300はPBX200から受信したグループIDをピックアップグループ情報記憶部120に記憶する(S48)。
【0110】
以後、発信側端末100が発信信号をPBX200に送信し(S11)、着信側端末400は着信信号を受信し(S13)、着信音を鳴動するまでは第2の実施の形態と同様に動作することができる。
【0111】
着信側端末400は、受信した着信信号から着信情報を抽出し、さらに、ピックアップグループ情報記憶部120からグループIDを読み出す。そして、着信側端末400は、着信情報とグループIDとをコード化し、コード化された着信情報とグループIDとを超音波により出力する(S14’)。例えば、着信側端末400のエンコード部105は、着信処理部102から着信情報を受け取ると、ピックアップグループ情報記憶部120から自局のグループIDを読み出し、着信情報とグループIDとをコード化する。
【0112】
図5(B)は着信情報とグループIDとをコード化する直前の状態の例を表わす図である。第2の実施の形態(例えば図5(A))と同様に、「s0」から「s15」は着信側端末400の電話番号、「d0」から「d15」は発信側端末100の電話番号を表わしている。本第3の実施の形態では、さらに、「g0」から「g7」がグループIDを表わしている。エンコード部105は、これらの3つの情報の各桁を順番にすることで1行にし、各桁をアスキーコードなどでコード化することができる。エンコード部105は、例えば、コード化した着信情報とグループIDとを超音波出力部106に出力し、超音波出力部106は着信情報とグループIDとを超音波出力することができる。
【0113】
図15に戻り、ピックアップ端末300は、超音波を受信すると、着信情報とグループIDとを復調し、着信情報からピックアップ対象の電話番号(着信側端末400の電話番号)を取得する。そして、ピックアップ端末300は、超音波から復調したピックアップグループのグループIDと、PBX200から通知を受けたピックアップグループのグループIDとを比較する(S19’)。例えば、ピックアップ対象番号表示部110は、デコード部109でデコードされたグループIDと、ピックアップグループ情報記憶部120に記憶されたグループIDとを比較することができる。そして、ピックアップ対象番号表示部110は、2つのグループIDが一致しないとき、以降の処理を行わない。一方、ピックアップ対象番号表示部110は、2つのグループIDが一致するとき、デコード部109から入力したグループIDを表示し、ピックアップボタン点滅部111に点滅を指示することができる。以降の処理は第2の実施の形態と同様である。
【0114】
このように、本第3の実施の形態では、ピックアップ端末300は着信側端末400から着信情報を超音波で受信しても、着信側端末400と同一のピックアップグループでなれければ、着信側端末400の着信をピックアップすることができない。従って、ピックアップグループの登録と併用することで、ピックアップ可能なピックアップ端末300を制限することも可能となる。なお、本第3の実施の形態においても第2の実施の形態における効果を奏することもできる。
【0115】
[第4の実施の形態]
次に第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態は、ピックアップ端末300や着信側端末400について登録されたアクセスポイント配下の場合と、そうでない場合とで、超音波出力レベルなどを変化させることで、ピックアップ可能な範囲を変化させる例である。図16は本第4の実施の形態におけるPBX200の構成例を表わし、図17は本第4の実施の形態におけるシーケンス例を表わしている。なお、端末300の構成例は第2の実施の形態と同様である(例えば図3)。本第4の実施の形態においても、端末300,400について、とくに断らない限り、端末300として説明する。
【0116】
PBX200は、さらに、端末基本位置管理部230と端末位置把握部231とを備える。
【0117】
端末基本位置管理部230には、例えば、端末300がアクセスポイントで無線通信を行う場合のアクセスポイント識別子(ホームAPID(Access Pont ID))が端末300ごとに登録されている。
【0118】
端末位置把握部231は、信号受信部201からの通知情報に基づいて、端末300がどのアクセスポイントを利用して無線通信を行っているかを検知することができる。例えば、信号受信部201内の第1のアンテナは、第1のアクセスポイント210に属し、第2のアンテナは第2のアクセスポイント215に属している場合を考える。例えば、信号受信部201は、端末300から登録信号などを受信したときに、第1のアンテナで受信したときは第1のアクセスポイント210、第2のアンテナで受信したときは第2のアクセスポイント215で受信したことを検知することができる。そして、信号受信部201は、通知情報を生成し、呼処理部202を介して端末位置把握部231に出力することができる。通知情報には、例えば、登録信号などを受信したアクセスポイント210,215に関する情報と、登録信号などに含まれる端末300の電話番号(又は識別番号)が含まれる。端末位置把握部231は、通知情報に基づいて、端末100がどのアクセスポイント210,215を利用して無線通信を行っているかを検知することができる。
【0119】
そして、端末位置把握部231は、通信情報により通知されたアクセスポイント210,215と、ホームAPIDとを比較して、一致するときは、当該端末300に対して超音波出力レベルと検知レベルを閾値よりも上げるよう指示する。一方、端末位置把握部231は、通知されたアクセスポイント210,215とホームAPIDとが一致しないとき、超音波出力レベルと検知レベルを閾値以下とするように指示することができる。
【0120】
図17は本第4の実施の形態におけるシーケンス例を表わす図である。最初にPBX200において、端末300,400ごとに、端末300,400に対するホームAPIDの登録が行われる(S50)。登録されたホームAPIDは、端末基本位置管理部230に登録される。
【0121】
次いで、着信側端末400又はピックアップ端末300はPBX200にアクセスして、無線通信を開始する。このとき、着信側端末400とピックアップ端末300は、例えば、登録信号を送信し、信号受信部201により登録信号を受信したアクセスポイント210,215が検知される。
【0122】
次いで、信号受信部201は、検知したアクセスポイントを含む検知情報を端末位置把握部231に出力する(S51)。
【0123】
そして、端末位置把握部231は、検知情報に含まれるアクセスポイント210,215が例えば端末300,400が現在無線通信を行っているアクセスポイント210,215を検知し、このアクセスポイント210,215がホームAPIDと一致するかを検知する(S52)。
【0124】
次いで、PBX200は、通知情報に含まれる端末300,400のアクセスポイント210,215がホームAPIDと一致するときは、超音波の出力レベルと検出レベルを閾値よりも上げるように指示する超音波感度変更指示を端末300,400に送信する(S53)。
【0125】
一方、PBX200は、通信情報に含まれる端末300,400のアクセスポイント210,215がホームAPIDと一致しないときは、超音波の出力レベルと検出レベルを閾値よりも上げるよう指示する超音波変更指示を端末300,400に送信する(S53)。
【0126】
超音波感度変更指示を受信した端末300,400は、例えば、超音波出力部106は、信号受信部101などを介して受信した超音波感度変更指示に対応するように超音波の出力レベルを変更する。また、例えば、超音波受信部108も、着信処理部102において超音波感度変更指示を受けたとき、検出レベルを変更するよう超音波受信部108に指示することで検出レベルの変更が行われる。
【0127】
本第4の実施の形態では、着信側端末400とピックアップ端末300とが登録されたアクセスポイント配下でコールピックアップサービスの提供を受けるときは、閾値以上の超音波出力レベルと検出レベルで超音波の送受信を行うことができる。よって、端末300,400は本第4の実施の形態が実施されない場合と比較して、広範囲においてコールピックアップサービスの提供を受けることができるようになる。なお、本第4の実施の形態においても、第2の実施の形態における効果を奏することができる。
【0128】
[その他の実施の形態]
次にその他の実施の形態について説明する。
【0129】
図18は端末300(本例を含む以下の実施の形態においても、端末300,400についてとくに断らない限り、端末300として説明する)の他の構成例、図19はPBX200の他の構成例をそれぞれ表わす図である。図18と図19は、例えば、端末300とPBX200のハードウェアの構成例をそれぞれ表わしている。
【0130】
端末300は、アンテナ150、無線インターフェース151、CPU152、メモリ153、LCD154、操作ボタン155、DSP(Digital Signal Processor)156、着信音スピーカ157、無指向性超音波スピーカ159、無指向性超音波マイクロフォン161を備える。
【0131】
例えば、第2の実施の形態における端末300の信号受信部101と信号送信部114は、アンテナ150と無線インターフェース151に対応する。また、第2の実施の形態における着信処理部102、取消処理部103、エンコード部105、通話開始処理部107、デコード部109、ピックアアップ操作検知部112、ピックアップ信号生成部113、発信処理部115、ピックアップ通話開始処理部116は、例えば、CPU152に対応する。さらに、第2の実施の形態における超音波出力部106は、例えば、DSP156と無指向性超音波スピーカ159に対応する。さらに、第2の実施の形態における超音波受信部108は、例えば、DSP156と無指向性超音波マイクロフォン161に対応する。さらに、第2の実施の形態におけるピックアップ対象番号表示部110は、例えば、LCD154に対応する。さらに、第2の実施の形態におけるピックアップボタン点滅部111は、例えば、操作ボタン155に対応する。
【0132】
また、第1の実施の形態における超音波出力部710は、例えば、アンテナ150と無線インターフェース151、CPU152、DSP156、及び無指向性超音波スピーカ159に対応する。
【0133】
一方、PBX200は、アンテナ250、無線インターフェース251、CPU252、メモリ253を備える。第2の実施の形態における信号受信部201と信号送信部205は、例えば、アンテナ250と無線インターフェース251に対応する。また、第2の実施の形態における呼処理部202、ピックアップ切替処理部203、及びピックアップ切替完了処理部204は、例えば、CPU252に対応する。
【0134】
また、上述した第2の実施の形態などにおいて、端末300は、着信信号を受けると着信音を鳴動して、すぐに着信情報を含む超音波を送信する例について説明した。例えば、端末300は、着信音を鳴動させた後で超音波を送信するようにしてもよい。超音波出力のディレイ送信により、着信側端末400の利用者が着信に出るつもりの呼までピックアップされることを防止することができる。例えば、超音波出力部106は、エンコード部105から着信情報を入力した後、所定期間経過後に超音波を出力することができる。
【0135】
さらに、例えば、複数の着信側端末400がそれぞれ超音波出力を同時に送信する場合、超音波の衝突などにより、ピックアップ端末300はそれぞれの着信をピックアップできない場合もある。そこで、複数の着信側端末400は、超音波出力の出力間隔をランダムな間隔で送信するようにすることもできる。例えば、超音波出力部106は、乱数生成部を保持し、生成された乱数に対応する間隔で、超音波出力を繰り返すようにすることで実施することが可能である。これにより、ピックアップ端末300は、複数の着信側端末400からの着信をそれぞれピックアップすることも可能となる。
【0136】
さらに、例えば、ピックアップ端末300は複数の着信情報を超音波で受信したとき、ディスプレイにピックアップ可能な呼をそれぞれ表示させることもできる。図9(B)は2つのピックアップ可能な呼がピックアップ端末300のピックアップ対象番号表示部110に表示されている例である。ピックアップ端末300の操作ボタンが操作されることで、いずれかの呼が選択され、選択された呼に対してピックアップが行われる。図9(C)はピックアップ可能な呼が電話番号ではなく、名前で表示される例である。例えば、ピックアップ対象番号表示部110は、電話番号と電話番号に対応する名前とを記憶するテーブルを保持し、着信情報に含まれる発着番号に対して、当該テーブルから対応する名前を読み出して、表示させることができる。
【0137】
さらに、例えば、着信側端末400は、ピックアップ端末300にピックアップされないようにすることもできる。例えば、着信側端末400の超音波出力部106は、着信情報をエンコード部105から受け取っても、超音波を送信しないようにすることもできる。或いは、PBX200は着信信号を送信するとき(例えば図6のS13)、着信信号にピックアップのための超音波出力が行われないことを示す情報を含ませることができる。当該情報を受信した着信側端末400は、例えば、着信処理部102において当該情報を確認すると超音波出力部106に超音波出力をしないように指示することもできる。
【0138】
さらに、第2の実施の形態などでは、着信側端末400は超音波により着信情報を送信する例について説明した。着信側端末400は、超音波以外にも、例えば、可聴音や電波、赤外線などにより着信情報を送信するようにしてもよい。可聴音や電波、赤外線などで送信する場合でも、着信側端末400は、着信情報をそれぞれの周波数帯域で送信できるように変調処理を施すことで、着信情報を可聴音、電波、赤外線などに変換して送信することができる。このような超音波や可聴音、電波、赤外線などは、例えば、無線媒体であって、着信側端末400は無線により着信情報を送信することができる、ということができる。
【0139】
さらに、例えば、着信側端末400は電源ONで登録信号をPBX200に送信するとき(例えば図15のS42)、自局の超音波出力レベルをPBX200に送信することもできる。PBX200は、複数の着信側端末400それぞれの超音波出力レベル、さらに、超音波出力レベルからピックアップ通知可能範囲などを導くことができ、複数の着信側端末400を集中管理することもできる。
【0140】
さらに、第3の実施の形態において、ピックアップグループの登録と併用する例について説明した。例えば、端末300,400の利用者が共通のIDを端末300,400に登録し、着信側端末400の着信は、着信側端末400と共通のIDが登録されたピックアップ端末300でピックアップが可能となる。例えば、着信側端末400は、共通IDを含む着信情報を超音波で送信する。ピックアップ端末300は、登録された共通のIDと、超音波で受信した共通IDとが一致するとピックアップ可能とすることができる。
【0141】
さらに、上述した各実施例において、発信信号(S13)には、例えば、発信側端末100と着信側端末400の電話番号が含まれる例を説明した。また、着信情報についても、例えば、これらの電話番号が含まれる例を説明した。ピックアップ要求信号(S21)についても、例えば、着信側端末400の電話番号が含まれる例について説明した。これらについて、電話番号に代えて、各端末100,400のIPアドレスや各端末100,400の所有者情報などの識別情報とすることもできる。例えば、ピックアップ端末300は超音波により着信情報を受けたとき、着信側端末400がどの端末であるかを識別できればよく、電話番号に代えて他の識別情報とすることもできる。また、例えば、PBX200は、ピックアップにより着信取消対象の着信側端末400を特定すればよいため、例えば、電話番号に代えて他の識別情報とすることもできる。
【0142】
以上まとめると付記のようになる。
【0143】
(付記1)
通話を要求する発信信号が第1の端末装置から送信されて、呼制御装置において受信された前記発信信号が着信信号に変換されて、前記呼制御装置から無線により送信された前記着信信号を受信する端末装置において、
前記着信信号を受信したとき、前記着信信号に含まれる前記端末装置の識別情報を含む着信情報を、前記端末装置に代わり前記第1の端末装置と通話を行う第2の端末装置に対して超音波により出力する超音波出力部
を備えることを特徴とする端末装置。
【0144】
(付記2)
前記着信情報は、前記発信信号を送信した前記第1の端末装置の識別情報が含まれることを特徴とする付記1記載の端末装置。
【0145】
(付記3)
前記識別情報は電話番号であることを特徴とする付記1記載の端末装置。
【0146】
(付記4)
更に、前記第1の着信情報をコード化し、コード化された前記着信情報を前記出力部に出力するエンコード部を備えることを特徴とする付記1記載の端末装置。
【0147】
(付記5)
前記超音波出力部は、前記着信情報と、前記呼制御装置から送信されて、前記端末装置の属する第1のピックアップグループのグループIDと、を超音波により出力することを特徴とする付記1記載の端末装置。
【0148】
(付記6)
前記超音波出力部は、前記端末装置が無線通信を行っているアクセスポイントが前記呼制御装置において登録されたアクセスポイントと一致しているとき、前記超音波出力部からの超音波出力レベルを上げ、一致していないとき超音波出力レベルを下げることを特徴とする付記1記載の端末装置。
【0149】
(付記7)
更に、着信音を鳴動する着信音鳴動部を備え、
前記着信音鳴動部は前記着信信号を受信したとき着信音を鳴動し、その後、前記超音波出力部は前記着信情報を超音波により出力することを特徴とする付記1記載の端末装置。
【0150】
(付記8)
前記超音波出力部は前記着信情報を繰り返し超音波により出力するとき、ランダムな出力間隔で出力することを特徴とする付記1記載の端末装置。
【0151】
(付記9)
前記超音波出力部は、前記着信信号を受信したとき超音波出力を行わないことを特徴とする付記1記載の端末装置。
【0152】
(付記10)
前記超音波出力部は、前記着信情報と、前記呼制御装置から送信されて、前記第2の端末装置の属するグループで共通に使用される第1の共通IDとを超音波により出力することを特徴とする付記1記載の端末装置。
【0153】
(付記11)
前記超音波出力部は、前記超音波出力に代えて、可聴音、可聴音、赤外線、又は電波により前記着信情報を出力することを特徴とする付記1記載の端末装置。
【0154】
(付記12)
第1の端末装置の第2の端末装置宛ての着信をピックアップして前記第2の端末装置に代わり前記第1の端末装置と通話を行う端末装置において、
前記第2の端末装置から超音波により送信された、前記第2の端末装置の識別情報を含む着信情報を受信する超音波受信部と、
前記着信情報を受信したとき、前記第2の端末装置に代わり前記第1の端末装置と通話を行うことを要求するピックアップ要求信号を呼制御装置に無線により送信する信号送信部と
を備えることを特徴とする端末装置。
【0155】
(付記13)
更に、前記超音波受信部により受信した前記着信情報をデコード化するデコード部を備えることを特徴とする付記12記載の端末装置。
【0156】
(付記14)
更に、ピックアップボタンを備え、
前記超音波受信部は、前記着信情報を受信したとき、前記ピックアップボタンを点滅させることを特徴とする付記12記載の端末装置。
【0157】
(付記15)
更に、ピックアップ操作検出部を備え、
前記ピックアップ操作検出部は、前記ピックアップボタンの押下を検出したとき、前記ピックアップ要求信号を生成して出力するよう前記信号送信部に指示することを特徴とする付記14記載の端末装置。
【0158】
(付記16)
更に、前記端末装置の属するピックアップグループIDを記憶するピックアップグループ情報記憶部を備え、
前記超音波受信部は、前記着信情報とピックアップグループIDとを受信し、
前記信号送信部は、前記ピックアップグループ情報記憶部に記憶されたピックアップグループIDと、前記超音波受信部で受信したピックアップグループIDとが一致するとき前記ピックアップ要求信号を送信し、一致しないとき前記ピックアップ要求信号を送信しないことを特徴とする付記12記載の端末装置。
【0159】
(付記17)
更に、前記超音波受信部で受信した前記着信情報に基づいて、前記端末装置に代わり前記第1の端末装置と通話を行う1又は複数の呼を表示するピックアップ対象番号表示部を備えることを特徴とする付記12記載の端末装置。
【0160】
(付記18)
第1の端末装置から送信され、第2の端末装置に通話を要求する発信信号を受信して、前記発信信号を着信信号に変換し、変換された前記着信信号を無線により前記第2の端末装置に送信する呼制御装置において、
前記第2の端末装置から超音波により出力された着信情報を受信した第3の端末装置から、前記第2の端末装置に代わり前記第1の端末装置と通話を要求するピックアップ要求信号を無線により受信する信号受信部と、
前記ピックアップ要求信号に対して、前記第3の端末装置に対して前記第2の端末装置に代えて前記第1の端末装置との通話を許可するピックアップ要求応答信号を送信し、前記第2の端末装置に対して前記着信信号の受信を取消す着信取消信号を無線により送信する信号送信部と
を備えることを特徴とする呼制御装置。
【0161】
(付記19)
第1の端末装置と、第2の端末装置と、前記第1の端末装置から送信されて前記第2の端末装置との通話を要求する発信信号を受信して、前記発信信号を着信信号に変換し、変換された前記着信信号を前記第2の端末装置に無線により送信する呼制御装置と、前記第2の端末装置に代わり前記第1の端末装置と通話を行う第3の端末装置とを備える通信システムにおいて、
前記第2の端末装置は、前記着信信号を受信したとき、前記着信信号に含まれる前記第2の端末装置の識別情報を含む着信情報を超音波により出力する超音波出力部を備え、
前記第3の端末装置は、前記第2の端末装置から超音波により送信された前記着信情報を受信する超音波受信部と、前記着信情報を受信したとき、前記第2の端末装置に代わり前記第1の端末装置と通話を行うことを要求するピックアップ要求信号を前記呼制御装置に無線により送信する第1の信号送信部とを備え、
前記呼制御装置は、前記ピックアップ要求信号を受信したとき、前記第3の端末装置に対して前記第2の端末装置に代えて前記第1の端末装置との通話を許可するピックアップ要求応答信号を無線により送信し、前記第2の端末装置に対して前記着信信号の受信を取消す着信取消信号を無線により送信する第2の信号送信部を備えることを特徴とする通信システム。
【0162】
(付記20)
第1の端末装置と、第2の端末装置と、前記第1の端末装置から無線により送信されて前記第2の端末装置との通話を要求する発信信号を受信して、前記発信信号を着信信号に変換し、変換された前記着信信号を前記第2の端末装置に無線により送信する呼制御装置と、前記第2の端末装置に代わり前記第1の端末装置と通話を行う第3の端末装置とを備える通信システムにおける着信応答方法であって、
前記第2の端末装置により、前記着信信号を受信したとき、前記着信信号に含まれる前記第2の端末装置の識別情報を含む着信情報を超音波により出力し、
前記第3の端末装置により、前記第2の端末装置から超音波により送信された前記着信情報を受信し、前記着信情報を受信したとき、前記第2の端末装置に代わり前記第1の端末装置と通話を行うことを要求するピックアップ要求信号を前記呼制御装置に無線により送信し、
前記呼制御装置により、前記ピックアップ要求信号を受信したとき、前記第3の端末装置に対して前記第2の端末装置に代えて前記第1の端末装置との通話を許可するピックアップ要求応答信号を無線により送信し、前記第2の端末装置に対して前記着信信号の受信を取消す着信取消信号を無線により送信することを特徴とする着信応答方法。
【符号の説明】
【0163】
10:通信システム 100:発信側端末
101:信号受信部 102:着信処理部
104:着信音鳴動部 105:エンコード部
106:超音波出力部 108:超音波受信部
109:デコード部 110:ピックアップ対象番号表示部
111:ピックアップボタン点滅部 112:ピックアップ操作検知部
113:ピックアップ信号生成部 114:信号送信部
115:発信処理部 120:ピックアップグループ情報記憶部
152:CPU 200:PBX
201:信号受信部 202:呼処理部
203:ピックアップ切替処理部 204:ピックアップ切替完了処理部
205:信号送信部 220:ピックアップグループ情報DB
230:端末基本位置管理部 252:CPU
300:ピックアップ端末 400:着信側端末
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置、呼制御装置、通信システム、及び通信システムにおける着信応答方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、構内電話交換機(PBX:Private Branch eXchange)を介した端末装置間において、コールピックアップサービスと呼ばれるサービスが提供される場合がある。コールピックアップサービスとは、例えば、PBXに登録されたピックアップグループに属する端末装置において呼が着信した場合、同一のピックアップグループに属する他の端末装置が応答し、当該他の端末装置が発信側の端末装置と通信を行うようにしたサービスである。これにより、例えば、着信側端末装置宛ての着信があったときにおいて、着信側端末装置が応答できないような場合、ピックアップ用の端末装置が代わりに応答することができるようになる。例えば、会社内のある部署において、部署内のある端末装置に呼が着信した場合、あるユーザは同一のピックアップグループとして登録された他の端末装置を利用して通話を行うことができる。
【0003】
コールピックアップサービスは、例えば、固定電話機で使用されることを前提としたサービスとなっており、固定電話機(又は固定電話機に接続された物理回線)に対してピックアップグループが登録されるようになっている。コールピックアップサービスは、例えば、固定電話機の物理的位置に依存したサービスとなっている。
【0004】
このようなコールピックアップサービスに関する技術としては、例えば、以下のようなものがある。すなわち、応答端末と着信通知端末は公衆網に接続され、応答端末は着信通知端末からの着信情報の通知を受け取って着信通知端末にコールピックアップを行い、着信通知端末は電話機と応答端末とを接続して通話状態にするようにしたコールピックアップ通信システムがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−354110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、コールピックアップサービスは、上述したように、例えば、固定電話機で使用されることを前提としたサービスとなっている。そのため、PHS(Personal Handyphone System)などの移動端末でコールピックアップサービスが使用される場合、以下のような問題点がある。
【0007】
1)ユーザがPHS端末を持ってピックアップグループの範囲外に移動したとき、そのPHS端末から、移動先の近傍の端末への着信をピックアップできない。例えば、PHS端末は同一のピックアップグループとして登録された端末に対しては当該端末あての着信をピックアップすることができる。しかし、PHS端末が当該端末と通信できる範囲外に移動したとき、移動先においてPHS端末の近傍の端末に着信があっても、PHS端末はその近傍の端末への着信をピックアップすることができない。
【0008】
2)また、ピックアップグループが設定された範囲から離れた場所に移動したPHS端末への着信を移動先の近傍の他の端末からピックアップすることもできない。例えば、移動先におけるPHS端末近傍の他の端末は、PHS端末への着信をピックアップすることができない。
【0009】
3)さらに、PHS端末などは人に括り付けて運用されることが多い。この場合、例えば、会社内において部署異動、席替えなどにより座席が変わると、人はPHS端末を持って移動することになり、それに伴いPHS端末の定位置が移動することになる。そのため、PHS端末においてコールピックアップサービスの提供を受けるためには、移動の都度、ピックアップグループの変更が行わなければならない。
【0010】
4)さらに、PHS端末は、従来の固定電話機と比較して小型である。そのため、近傍の複数あるPHS端末のうちあるPHS端末が着信し着信音が鳴動しても、その着信音がどのPHS端末が発しているのか分かりにくく、着信しているPHS端末に応答することができない、あるいは応答が遅れる場合がある。
【0011】
なお、上述した特開2000−354110号公報に記載された技術は、公衆網における遠隔の端末への着信に応答するようにした転送サービスやワンナンバーサービスに関するものであり、上記した1)から4)までの課題については何ら解決するものではない。
【0012】
そこで、本発明の一目的は、ピックアップグループの範囲外に移動してもコールピックアップサービスの提供を受けることができる端末装置、呼制御装置、通信システム、及び通信システムにおける着信応答方法を提供することにある。
【0013】
また、本発明の一目的は、ピックアップグループの登録を不要にした端末装置、呼制御装置、通信システム、及び通信システムにおける着信応答方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
一態様は、通話を要求する発信信号が第1の端末装置から無線により送信されて、呼制御装置において受信された前記発信信号が着信信号に変換されて、前記呼制御装置から無線により送信された前記着信信号を受信する端末装置において、前記着信信号を受信したとき、前記着信信号に含まれる前記端末装置の識別情報を含む着信情報を、前記端末装置に代わり前記第1の端末装置と通話を行う第2の端末装置に対して超音波により出力する超音波出力部を備える。
【発明の効果】
【0015】
ピックアップグループの範囲外に移動してもコールピックアップサービスの提供を受けることができる端末装置、呼制御装置、通信システム、及び通信システムにおける着信応答方法を提供することができる。また、ピックアップグループの登録を不要にした端末装置、呼制御装置、通信システム、及び通信システムにおける着信応答方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は端末装置の構成例を表わす図である。
【図2】図2は通信システムの構成例を表わす図である。
【図3】図3は端末装置の構成例を表わす図である。
【図4】図4はPBXの構成例を表わす図である。
【図5】図5(A)と図5(B)は着信情報の例をそれぞれ表わす図である。
【図6】図6は動作例を表わすシーケンスチャートである。
【図7】図7は動作例を表わすシーケンスチャートである。
【図8】図8は動作例を表わすシーケンスチャートである。
【図9】図9(A)から図9(C)はピックアップ可能な呼の表示例をそれぞれ表わす図である。
【図10】図10は呼テーブルの構成例を表わす図である。
【図11】図11はPBXの構成例を表わす図である。
【図12】図12は端末の構成例を表わす図である。
【図13】図13はPBXの構成例を表わす図である。
【図14】図14はピックアップグループ情報DBの構成例を表わす図である。
【図15】図15は動作例を表わすシーケンスチャートである。
【図16】図16はPBXの構成例を表わす図である。
【図17】図17は動作例を表わすシーケンスチャートである。
【図18】図18は端末のハードウェア構成例を表わす図である。
【図19】図19はPBXのハードウェア構成例を表わす図である。
【図20】図20は端末の構成例を表わす図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
【0018】
[第1の実施の形態]
最初に第1の実施の形態について説明する。図1は第1の実施の形態における端末装置700の構成例を表わす図である。端末装置700は、例えば、携帯電話機など通話可能な情報携帯端末である。端末装置700は呼制御装置600を介して第1の端末装置500と通話を行うことができる。また、第1の端末装置500は、端末装置700に対して通話を要求する発信信号を送信することができる。呼制御装置600は、発信信号を受信し、これを着信信号に変換し、着信信号を無線により端末装置700に送信することができる。端末装置700は、呼制御装置600から送信された着信信号を受信することができる。
【0019】
端末装置700は、超音波出力部710を備える。超音波出力部710は、着信信号を受信したとき、着信信号に含まれる端末装置700の識別情報を含む着信情報を、第2の端末装置800に対して超音波により出力することができる。端末装置700から超音波出力された識別情報は、第2の端末装置800において受信することができる。
【0020】
このように、端末装置700は、着信信号を受信したとき、端末装置700の識別情報を含む着信情報を超音波により第2の端末装置800に送信することができる。よって、第2の端末装置800は、この着信情報に基づいて、端末装置700に代わり第1の端末装置500と通話を行うことを要求するピックアップ要求信号を呼制御装置600に送信することができ、これにより、第1の端末装置500と通話を行うことができるようになる。
【0021】
よって、第2の端末装置800は、他の呼制御装置などにおいてピックアップグループの登録が行われる場合でも、登録の範囲外において、近傍の端末装置500への着信をピックアップすることができ、コールピックアップサービスの提供を受けることができる。この際、呼制御装置600において第2の端末装置800に対するピックアップグループの登録も不要となる。
【0022】
[第2の実施の形態]
<通信システム10の構成例>
次に第2の実施の形態について説明する。図2は本第2の実施の形態における通信システム10の構成例を表わす図である。通信システム10は、発信側端末装置(以下、「発信側端末」と称する場合がある)100、構内電話交換機(PBX(Private Brach eXchange)、以下、「PBX」と称する場合がある)200、ピックアップ端末装置(以下、「ピックアップ端末」と称する場合がある)300、及び着信側端末装置(以下、「着信側端末」と称する場合がある)400を備える。
【0023】
なお、第1の実施の形態における第1の端末装置500は、例えば、発信側端末400に対応する。また、第1の実施の形態における呼制御装置600は、例えば、PBX200に対応する。さらに、第1の実施の形態にける端末装置700はピックアップ端末装置300、第1の実施の形態における第2の端末装置800は着信側端末400にそれぞれ対応する。また、第2の実施の形態においては、呼制御装置600の一例としてPBX200の例を表わしているが、呼制御装置600としてはPBX200以外にも、例えば、SIP(Session Initiation Protocol)サーバなどであってもよい。
【0024】
発信側端末100、ピックアップ端末300、及び着信側端末400は、例えば、携帯電話機(フィーチャーフォンでもよいしスマートフォンでもよい)やPDA(Personal Digital Assistance)などの端末装置である。本第2の実施の形態では、発信側端末100、ピックアップ端末300、及び着信側端末400を総称して端末装置と称する場合がある。
【0025】
図2の通信システム10においては、発信側端末100は着信側端末400と通話を行うべく、発信信号をPBX200に送信する。PBX200は、受信した発信信号を着信側端末400宛ての着信信号として着信側端末400に送信する。着信側端末400は、PBX200から着信信号を受信すると、着信情報(例えば、着信側端末400の電話番号を含む)を超音波によりピックアップ端末300に送信する。ピックアップ端末300は超音波を受信し、当該呼に対してピックアップする場合、PBX200にピックアップ要求信号を送信する。そして、PBX200は、ピックアップ要求信号に対する応答信号をピックアップ端末300に送信し、以後、ピックアップ端末300は着信側端末400に代わり、発信側端末100と通話を行うことができるようになる。なお、PBX200は、例えば、公衆回線網と接続することができる。
【0026】
図2において、PBX200には、2つのアクセスポイント210,215がある。例えば、PBX200は、アクセスポイント210,215ごとに端末装置100,300,400を収容又は登録することができる。各端末装置100,300,400は、登録されたアクセスポイント210,215において、電話、インターネットの接続など、種々のサービスの提供を受けることができる。なお、本第2の実施の形態では、アクセスポイント210,215によって、端末装置100,300,400において受けることのできるサービスは制限されないものとする。
【0027】
<端末装置とPBXの各構成例>
次に端末装置100,300,400とPBX200の各構成例について説明する。最初に端末装置300,400の構成例について説明し、次に端末装置100の構成例、最後に、PBX200の構成例について説明することにする。
【0028】
なお、端末装置300,400は、例えば同一構成であり、特に断らない限り、端末装置300として説明する。また、端末装置100は、端末装置300と同一である必要はなく、PHSなどの公知の移動端末でもよいし、固定電話機であってもよい。端末装置100が固定電話機の場合、PBX200においては、例えばアクセスポイント210は不要となり、直接PBX200と回線により接続することができる。端末装置100は、例えば、公衆回線を介した公衆網端末でもよい。なお、端末装置について、適宜「端末」と称する場合がある。
【0029】
図3は端末300の構成例を表わす図である。端末300は、信号受信部101、着信処理部102、取消処理部103、着信音鳴動部104、エンコード部105、超音波出力部106、通話開始処理部107、超音波受信部108、デコード部109、ピックアップ対象番号表示部110、ピックアップボタン点滅部111、ピックアップ操作検知部112、ピックアップ信号生成部113、信号送信部114、発信処理部115、及びピックアップ通話開始処理部116とを備える。
【0030】
なお、第1の実施の形態における超音波出力部710は、例えば、信号受信部101、着信処理部102、エンコード部105、及び超音波出力部106に対応する。
【0031】
信号受信部101は、例えば、PBX200から送信された着信信号や発信応答信号、着信取消信号、着信取消応答信号、さらに、確認信号などを受信することができる。各信号の詳細については後述する。信号受信部101は、例えば、無線信号として送信された着信信号や発信応答信号などを受信することができ、受信した無線信号に対して所定の復調処理を施すことで、着信信号や発信応答信号などを復調することができる。信号受信部101は、このような受信処理や復調処理などを行うことができるよう、アンテナ、増幅器、デジタル復調回路、A/D変換回路、帯域フィルタ(BPF:Band Pass Filter)などを備えるようにしてもよい。信号受信部101は、復調等の処理を施した着信信号や発信応答信号などを着信処理部102と発信処理部115に出力することができる。
【0032】
着信処理部102は、信号受信部101から入力した取消信号を取消処理部103に出力することができる。また、着信処理部102は、信号受信部101から着信信号を入力したとき、着信音鳴動部104に対して着信音を鳴動させるよう指示することができる。さらに、着信処理部102は、着信信号から着信情報を抽出し、着信情報をエンコード部105に出力することもできる。着信情報は、例えば、発信側端末100の電話番号と着信側端末400の電話番号が含まれる。さらに、着信処理部102は、信号受信部101から確認信号などを入力したとき、通話開始処理部107に対して通話開始を指示することもできる。着信処理部102は、例えば、各信号のヘッダに格納された信号の種別情報に基づいて、取消信号や着信信号、確認信号などを識別することができ、識別結果に応じて、各信号を各部103等に出力することができる。
【0033】
取消処理部103は、着信信号(又は着信呼)に対する取消処理を行うことができる。取消処理部103は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示部に表示された着信表示を取消したりすることができる。
【0034】
着信音鳴動部104は、着信処理部102から出力された着信音の鳴動の指示に従って、着信音を鳴動することができる。着信音鳴動部104は、例えば、発信側の発信側端末100ごとに異なる着信音を鳴動することもできる。
【0035】
エンコード部105は、着信処理部102から出力された着信情報をコード化する。
【0036】
図5(A)は、例えば、コード化対象の着信情報の例を表わす図である。図5(A)において、「s0」から「s15」は、着信側端末400の電話番号を表わしている。また、図5(A)において、「d0」から「d15」は、例えば、発信側端末100の電話番号を表わしている。エンコード部105は、例えば、各電話番号の各桁「s0」〜「d15」をアスキーコードでコード化することもできる。図5(A)の例では、着信情報は2行に分かれているが、コード化された着信情報は、例えば、着信側端末400と発信側端末100の順(あるいはその逆順)で1行にまとめられることもできる。コード化は、アスキーコード化以外にも、例えば、電話番号の各桁を16進表示にコード化したり、或いは伝送プロトコルなどに従ったコードに変換したりすることもできる。エンコード部105は、エンコードした着信情報を超音波出力部106に出力する。
【0037】
図3に戻り、超音波出力部106は、エンコードされた着信情報を所定の変調方式により超音波の周波数帯域に変調することで超音波を生成し、生成した超音波を超音波スピーカなどから出力することができる。このような変調や超音波出力などが行われるために、超音波出力部106は、例えば、デジタル変調回路、増幅器、無指向性超音波スピーカなどを備えるようにしてもよい。着信情報に対応する超音波は、例えば、着信側端末400から送信される。
【0038】
通話開始処理部107は、例えば、PBX200から送信された応答信号を信号受信部101などを介して受信した場合、発信処理部115などを介して確認信号をPBX200に送信し、通話開始処理を行うことができる。通話開始処理部107は、例えば、音声信号の送信や受信を開始することができる。
【0039】
超音波受信部108は、例えば、着信側端末400から送信された超音波を受信し、所定の復調方式により、受信した超音波から着信情報を復調することができる。超音波受信部108は、このような受信処理や復調処理を行うことができるよう、例えば、無指向性超音波マイクロフォン、増幅器、デジタル復調回路などを備えるようにしてもよい。超音波受信部108は、抽出した着信情報をデコード部109に出力することができる。
【0040】
デコード部109は、コード化された着信情報をデコード化することで、コード化前の着信情報を抽出することができる。着信情報がアスキーコードによりコード化されている場合は、例えば、デコード部109は内部に保持されたコードテーブルを参照することで、アスキーコードに対応するコード化前の着信情報を得ることができる。デコード部109は、デコードした着信情報をピックアップ対象番号表示部110に出力することができる。
【0041】
ピックアップ対象番号表示部110は、デコード部109から出力された着信情報を表示させることができる。図9(A)から図9(C)はピックアップ対象番号表示部110に表示されるピックアップ対象の番号表示例をそれぞれ表わしている。詳細は後述するが、ピックアップ対象番号表示部110は、着信情報に含まれる発信側端末100と着信側端末400の各電話番号を表示することができる。これにより、ピックアップ端末300を利用するユーザは、発信側と着信側の各電話番号を確認することができる。ピックアップ対象番号表示部110は、デコード部109から着信情報を入力したとき、ピックアップボタン点滅部111にピックアップボタンを点滅させるよう指示することができる。
【0042】
ピックアップボタン点滅部111は、ピックアップボタンの点滅の指示を受けたとき、例えば、LED(Light Emitting Diode)などで構成されたピックアップボタンを点滅表示させることができる。ピックアップボタン点滅部111は、ピックアップボタンを点滅させることで、鳴動中の着信側端末400への着信呼に対して、ピックアップ端末300がピックアップ可能であることをユーザに通知することができる。
【0043】
ピックアップ操作検知部112は、点滅表示されているピックアップボタンの押下を検知することができる。ピックアップボタン操作検知部112は、ピックアップボタンの押下を検知すると、ピックアップボタン点滅部111に対してピックアップボタンの点滅表示を停止するよう指示することができる。そして、ピックアップ操作検知部112は、例えば、ピックアップ対象番号表示部110から受け取った着信情報のうち、ピックアップ対象の着信側端末400の電話番号をピックアップ信号生成部113に出力することができる。
【0044】
ピックアップ信号生成部113は、ピックアップ操作検知部112から受け取った着信側端末400の電話番号に対して、当該電話番号を含むピックアップ要求信号を生成する。ピックアップ信号生成部113は、生成したピックアップ要求信号を信号送信部114に出力することができる。
【0045】
信号送信部114は、ピックアップ信号生成部113から出力されたピックアップ要求信号を、例えばPBX200に送信することができる。また、信号送信部114は、例えば、発信処理部115から出力された発信信号を受け取り、発信信号を無線信号としてPBX200に送信することができる。
【0046】
なお、信号送信部114は、発信信号やピックアップ要求信号を無線信号として送信するために、例えば、所定の変調方式による変調処理などを行うことができる。信号送信部114は、このような変調処理などを行うことができるよう、例えば、A/D変換回路、デジタル変調回路、帯域通過フィルタ(BPF)、さらに増幅器などを備えるようにしてもよい。
【0047】
発信処理部115は、例えば、端末300においてユーザの操作による発信操作を受け付け、発信操作により入力された着信側の電話番号に基づいて発信信号を生成する。発信操作は、例えば、ユーザが端末300の操作ボタンを操作して、着信側の電話番号が入力されることにより行われる操作である。生成された発信信号には、例えば、発信操作により入力された着信側の電話番号と、自局の電話番号が含まれることができる。
【0048】
ピックアップ通話開始処理部116は、例えば、信号受信部101において、ピックアップ要求応答信号を受信したとき、発信処理部115を介してピックアップ要求応答信号を入力することができる。ピックアップ要求応答信号は、例えば、ピックアップ信号生成部113において生成されたピックアップ要求信号に対する応答信号としてPBX200から送信されたものである。例えば、ピックアップ端末300は、PBX200からピックアップ要求応答信号を受信することで、ピックアップ可能な端末として動作することができる。そして、ピックアップ通話開始処理部116は、ピックアップ要求応答信号を入力すると、確認信号を生成して信号送信部114に出力し、さらに、ピックアップ通話開始処理を行うことができる。確認信号は、信号送信部114を介してPBX200に送信される。
【0049】
次に、端末100の構成例について説明する。図20は端末100の構成例を表わす図である。端末100は、信号受信部1010、着信処理部1020、取消処理部1030、着信音鳴動部1040、通話開始処理部1070、信号送信部1140、及び発信処理部1150とを備える。
【0050】
信号受信部1010は、例えば、PBX200から送信された着信信号などを受信することができる。信号受信部1010は、例えば、端末300の信号受信部101と同様に、無線信号として送信された着信信号などに対して復調処理などを施すことで着信信号を復調することができる。
【0051】
着信処理部1020は、信号受信部1010から出力された取消信号を取消処理部1030に出力することができる。また、着信処理部1020は、信号受信部1010から出力された着信信号を入力したとき、着信音鳴動部1040に対して着信音を鳴動させるよう指示することができる。さらに、着信処理部1020は、信号受信部1010から出力された確認信号を入力したとき、通話開始処理部1070に対して通話開始を指示することもできる。
【0052】
取消処理部1030は、端末300の取消処理部103と同様に、取消信号を入力したときは、着信信号に対する取消処理を行うことができる。
【0053】
着信音鳴動部1040は、端末300の着信音鳴動部104と同様に、着信音の鳴動の指示に従って、着信音を鳴動することができる。
【0054】
通話開始処理部1070は、端末300の通話開始処理部107と同様に、着信処理部1020からの通話開始の指示に従って、通話を開始するための処理を行う。通話開始処理部1070は、例えば、音声信号の送信や受信を開始することができる。
【0055】
信号送信部1140は、例えば、発信処理部1150から出力された発信信号を受け取り、発信信号を無線信号としてPBX200に送信することができる。
【0056】
発信処理部1150は、例えば、ユーザの操作による発信操作を受け付けて、発信信号を生成することができる。発信操作は、例えば、ユーザが端末100の操作ボタンを操作して、着信側の電話番号などが入力されることにより行われる。発信信号には、例えば、着信側の電話番号(例えば、着信側端末400の電話番号など)と自局の電話番号(例えば、端末100の電話番号など)が含まれ、発信処理部1150により発信信号が生成されることができる。発信処理部1150は、発信信号を信号送信部1140に出力する。
【0057】
次に、PBX200の構成例について説明する。図4はPBX200の構成例を表わす図である。PBX200は、信号受信部201、呼処理部202、ピックアップ切替処理部203、ピックアップ切替完了処理部204、及び信号送信部205を備える。
【0058】
信号受信部201は、例えば、発信側端末100から送信された発信信号を受信することができる。また、信号受信部201は、例えば、着信側端末400から送信された着信応答信号や、ピックアップ要求応答信号、着信取消応答信号、確認信号などを受信することができる。これらの信号の詳細は後述する。信号受信部201は、受信したこれらの信号を呼処理部202に出力することができる。
【0059】
呼処理部202は、例えば、信号受信部201から発信信号を入力したときは、発信信号に基づいて、着信側端末400に対する着信信号を生成することができる。呼処理部202は、例えば、発信信号に含まれる発信側端末100と着信側端末400の各電話番号を抽出し、着信信号に含ませるようにすることができる。
【0060】
また、呼処理部202は、例えば、信号受信部201から着信応答信号を入力したときは、着信応答信号に基づいて、発信側端末100への発信応答信号を生成することができる。
【0061】
さらに、呼処理部202は、信号受信部201からピックアップ要求信号を入力したときは、ピックアップ要求信号をピックアップ切替処理部203に出力することができる。さらに、呼処理部202は、ピックアップ切替処理部203からピックアップ要求応答信号と着信取消信号とを入力したときは、これらの信号を信号送信部205に出力することができる。さらに、呼処理部202は、信号処理部202から信号取消応答信号や確認信号などを入力したときは、これらの信号をピックアップ切替完了処理部204に出力することができる。さらに、呼処理部202は、ピックアップ切替完了処理部204から確認信号を入力したときは、確認信号を信号送信部205に出力することができる。
【0062】
例えば、これらの信号についても、ヘッダなどに種別を表わす情報が含まれており、呼処理部202は種別を表わす情報に基づいて各信号を識別し、ピックアップ切替処理部203などに出力することができる。
【0063】
ピックアップ切替処理部203は、例えば、ピックアップ要求信号を入力したとき、ピックアップ要求信号に含まれる着信情報を抽出し、抽出した着信情報に基づいて該当呼を特定する。該当呼の特定処理については後述する。ピックアップ切替処理部203は、該当呼を特定すると、例えば、特定した該当呼の着信側端末400に対して着信取消信号を生成し、ピックアップ端末300に対してピックアップ要求応答信号を生成する。ピックアップ切替処理部203は、生成した着信取消信号とピックアップ要求応答信号を呼処理部202に出力することができる。
【0064】
ピックアップ切替完了処理部204は、例えば、該当呼の着信側端末400から送信された、着信取消信号に対する着信取消応答信号を入力することができる。また、ピックアップ切替完了処理部204は、例えば、ピックアップ端末300から送信された、ピックアップ要求応答信号に対する確認信号を入力することもできる。ピックアップ切替完了処理部204は、着信取消応答信号または確認信号(或いは、着信取消信号及び確認信号)を入力すると、確認信号を生成して呼処理部202に出力することができる。
【0065】
信号送信部205は、例えば、呼処理部202から出力された発信応答信号や確認信号を発信側端末100に送信したり、着信信号やピックアップ要求応答信号、着信取消信号などを着信側端末400に送信することができる。また、信号送信部205は、例えば、呼処理部202から出力されたピックアップ要求応答信号をピックアップ端末300に送信することもできる。
【0066】
<動作例>
次に本第2の実施の形態における動作例について説明する。図6は本通信システム10におけるシーケンス例を表わす図である。また、図7及び図8は、図6と同じシーケンス例を表わしているが、端末300などの各部がどのように動作するかを含むシーケンス例を表わしている。動作例としては、発信側端末100が着信側端末400に発信信号を送信し、ピックアップ端末300が着信側端末400への呼をピックアップして、ピックアップ端末300と発信側端末100において通話が行われる例である。動作例として、図6を主に説明し、適宜、図7及び図8を参照して説明するものとする。
【0067】
最初に発信側端末100は、操作ボタンなどによるダイヤル操作が行われ、発信処理を行う(S10)。例えば、発信側端末100は、発信処理部1150により発信操作を受け付け、発信操作により入力された着信側端末400の電話番号と発信側端末100の電話番号とを含む発信信号を生成する。
【0068】
次いで、発信側端末100は、発信信号をPBX200に送信する(S11)。例えば、信号送信部114は、発信処理部115から発信信号を入力し、無線信号としてPBX200に送信することができる。
【0069】
次いで、PBX200は、発信信号を受信して呼処理を行い、着信信号を着信側端末400に送信する(S12,S13)。例えば、PBX200の信号受信部201は発信信号を受信して呼処理部202に出力し、呼処理部202は発信信号に基づいて着信側端末400に対する着信信号を生成する。着信信号には、着信情報が含まれる。着信情報は、例えば、発信側端末100の電話番号と着信側端末400の電話番号が含まれる。呼処理部202は、例えば、発信信号に含まれる着信情報を取り出して、着信信号に含ませることができる。例えば、信号送信部205は呼処理部202から着信信号を受け取り、これを着信側端末400に送信する。
【0070】
次いで、着信側端末400は、着信信号に対して着信処理を行い、さらに、着信信号に含まれる着信情報を抽出してエンコードし、更に、エンコードした電話番号を超音波で出力する(S14)。例えば、信号受信部101は着信信号を受信し、着信処理部102は着信信号を入力して着信音鳴動部104に着信音を鳴動させるよう指示する。これにより、着信音鳴動部104は、着信音を鳴動することができる(S17)。また、着信処理部102は、着信信号から着信情報を抽出してエンコード部105に出力し、エンコード部105は着信情報をコード化して、超音波出力部106に出力する。超音波出力部106は、コード化された着信情報を超音波に変調して出力することができる(S18)。信号送信部114は、例えば、着信音鳴動部104から着信音を鳴動した旨の通知を受け、また、超音波出力部106から超音波出力を行った旨の通知を受けたとき、着信信号(S13)に対する着信応答信号を無線信号に変換してPBX200に送信する(S15)。
【0071】
一方、ピックアップ端末300は、着信側端末400から送信される超音波を受信できる範囲内に位置するとき、この超音波を受信することができる(S19)。そして、ピックアップ端末300は、受信した超音波から着信情報を取り出し、着信情報に含まれるピックアップ対象番号を取得することもできる(S19)。ピックアップ対象番号は、例えば、発信側端末100と着信側端末400の各電話番号である。さらに、ピックアップ端末300は、ピックアップボタンを点滅させることができる(S19)。この点滅により、例えば、ピックアップ端末300は、鳴動している着信側端末400のピックアップが可能であることを、ピックアップ端末300を利用するユーザに通知することができる。ピックアップ端末300は、ユーザによりピックアップボタンが押下されると、ピックアップ要求信号を生成しPBX200に送信することができる(S20,S21)。
【0072】
S19からS21までの処理について、図7などに表わされるように、例えば以下のような処理が行われる。すなわち、ピックアップ端末300の超音波受信部108は、着信側端末400から送信された超音波を受信し、着信情報に復調してデコード部109に出力することができる。デコード部109は、コード化された着信情報をデコードしてコード化される前の着信情報を取り出し、ピックアップ対象番号表示部110に出力する。ピックアップ対象番号表示部110は、着信情報に含まれる、発信側端末100の電話番号と着信側端末400の電話番号を表示することができる。
【0073】
図9(A)はピックアップ対象番号表示部110に表示される着信情報の例を表わしている。図9(A)の例では、発信側端末100の電話番号の例として「2001」、着信側端末400の電話番号の例として「2009」が表示されている例を表わしている。なお、図9(B)と図9(C)は他の表示例を表わしているが詳細は後述する。
【0074】
図7に戻り、ピックアップ端末300のピックアップ対象番号表示部110は、例えば、デコード部109から着信情報を受け取ると、ピックアップボタン点滅部111にピックアップボタンの点滅を指示する。これにより、ピックアップ端末300においてピックアップ可能な状態を、ピックアップ端末300を利用するユーザに知らせることができる。
【0075】
そして、ピックアップ操作検知部112は、例えば、ピックアップボタンの押下を検知すると、ピックアップボタンの点滅停止をピックアップボタン点滅部111に通知する。また、ピックアップ操作検知部112は、着信情報(S18)に含まれる着信側端末400の電話番号をピックアップ信号生成部113に出力する。
【0076】
ピックアップ信号生成部113は、ピックアップ操作検知部112から出力された着信側端末400の電話番号を入力すると、当該電話番号と、ピックアップ端末300の電話番号とを含むピックアップ要求信号を生成し、信号送信部116を介してPBX200に送信することができる(S21)。なお、ピックアップ信号生成部113は、着信情報(S18)と、ピックアップ端末300の電話番号とを含むピックアップ要求信号を生成し、PBX200に送信するようにしてもよい。
【0077】
図6に戻り、PBX200は、ピックアップ端末300からピックアップ要求信号を受信すると、例えば、ピックアップ要求信号に含まれる着信側端末400の電話番号(又は着信情報)に基づいて、該当する呼を特定する特定処理を行う(S22)。そして、PBX200は、該当する呼を特定したとき、該当する呼の着信側端末400に対して着信取消信号を送信し(S24)、ピックアップ要求信号を送信したピックアップ端末300に対してピックアップ要求応答信号を送信することができる(S23)。S23とS24の処理順は逆でもよい。S22からS24までの処理は、図7に表わされるように、例えば以下のようにして行われる。
【0078】
すなわち、PBX200の信号受信部201はピックアップ要求信号(S21)を受信すると、呼処理部202を介して、ピックアップ切替処理部203にピックアップ要求信号を出力することができる。
【0079】
ピックアップ切替処理部203は、ピックアップ要求信号に含まれる着信側端末400の電話番号に基づいて、呼を特定する特定処理を行う(S22)。例えば、ピックアップ切替処理部203は、ピックアップ要求信号に含まれる着信側端末400の電話番号に基づいて、どの呼に対するピックアップ要求かを確認する。例えば、PBX200は、発信信号(S11)を発信側端末100から受け取ると、呼ごとに、発信側端末100の電話番号と着信側端末400の電話番号とを組とする呼情報を呼テーブルに記憶する。
【0080】
図10は呼テーブル2021の例を表わす図である。また、図11は呼テーブル2021を含むPBX200の構成例を表わす図である。呼テーブル2021は、例えば、呼処理部202内部に設けられてもよいし、図11に表わされるように呼処理部202の外部に設けられても良い。例えば、呼処理部202は、発信信号(S11)を受信すると、発信信号に含まれる発信側端末の電話番号と着信側端末400の電話番号を呼テーブル2021に記憶することができる。
【0081】
図8に戻り、ピックアップ切替処理部203は、例えば、ピックアップ要求信号をピックアップ端末300から受信すると(S21)、ピックアップ要求信号に含まれる着信側端末400の電話番号が呼テーブル2021に記憶されているか否かを確認する。ピックアップ切替処理部203は、ピックアップ要求信号に含まれる着信側端末400の電話番号が呼テーブル2021に記憶されているときは、呼を特定したこととなり、以後の処理を行う。他方、ピックアップ切替処理部203は、ピックアップ要求信号に含まれる着信側端末400の電話番号が呼テーブル2021に記憶されていないとき、呼の特定ができず(又は呼が確立されていない)、以後の処理を行わないようにする。
【0082】
呼が特定されると、ピックアップ切替処理部203は、ピックアップ要求信号(S21)に対するピックアップ要求応答信号を生成し、さらに、着信取消信号を生成することができる。
【0083】
この場合、ピックアップ切替処理部203は、例えば、ピックアップ要求信号に含まれるピックアップ端末300の電話番号に基づいてピックアップ端末300を特定し、当該ピックアップ端末300に対して、ピックアップ要求応答信号を送信する(S23)。
【0084】
また、ピックアップ切替処理部203は、例えば、特定した呼について、ピックアップ要求信号に含まれる着信側端末400の電話番号に基づいて、該当する着信側端末400を特定し、特定した着信側端末400に対する着信取消信号を生成する。これにより、ピックアップ切替処理部203は、生成した着信取消信号を、呼処理部202と信号送信部205を介して、特定した着信側端末400に送信することができる(S24)。
【0085】
図6に戻り、着信取消信号を受信した着信側端末400は、着信取消処理や超音波出力停止処理などを行い(S25)、着信取消信応答信号をPBX200に送信することができる(S26)。
【0086】
例えば、図8に表わされるように、着信側端末400の信号受信部101は着信取消信号を受信し(S24)、着信処理部102に出力する。着信処理部102は、例えば、着信取消信号を入力すると、着信鳴動部104に対して、鳴動を停止するよう指示する。着信音鳴動部104は、この指示に基づいて、着信音を停止することができる。
【0087】
また、超音波出力部106は、信号受信部101で受信した着信取消信号を、着信処理部102、エンコード部105を介して入力することができ、このとき、出力している超音波(S18)を停止することができる。
【0088】
さらに、取消処理部103も、信号受信部101で受信した着信取消信号について着信処理部102を介して入力することができ、このとき、例えば、表示部に表示されている発信側端末100の電話番号の表示を取消すことができる。
【0089】
信号送信部114は、例えば、取消処理部103や超音波出力部106、着信音鳴動部104から、着信取消信号に対応する処理が行われた旨の通知を受けることができ、この通知を受けたときに着信取消信号(S24)に対応する着信取消応答信号を生成することができる。生成された着信取消応答信号は、信号送信部114からPBX200に送信される(S26)。
【0090】
図6に戻り、ピックアップ端末300は、ピックアップ要求応答信号をPBX200から受信すると、確認信号をPBX200に送信することができる(S27)。例えば、図8に表わされるように、ピックアップ端末300の信号受信部101は、PBX200からピックアップ要求応答信号を受信すると(S23)、発信処理部115を介して、ピックアップ通話開始処理部116に出力することができる。ピックアップ通話開始処理部116は、ピックアップ要求応答信号を入力すると、確認信号を生成し、ピックアップ通話開始処理を行う。ピックアップ通話開始処理部116は、生成した確認信号を、発信処理部115を介して信号送信部114に出力することができる。信号送信部114は、例えば、ピックアップ要求応答信号に対する確認信号をPBX200に送信することができる(S27)。
【0091】
図6に戻り、PBX200は、ピックアップ端末300から確認信号を受信し、着信側端末400から信号取消応答信号を受信すると、発信側端末100に対して、確認信号を送信する(S28)。例えば、図8に表わされるように、PBX200の信号受信部201は、信号取消応答信号と確認信号を受信すると、呼処理部202を介して、ピックアップ切替完了処理部204に2つの信号を出力することができる。又は、信号受信部201は信号取消応答信号と確認信号を受信すると、呼処理部202を介して、2つの信号を受信した旨を通知することもできる。ピックアップ切替完了処理部204は、2つの信号を受信又はその旨の通知を受けたとき、確認信号を生成し、呼処理部202を介して信号送信部205に出力することができる。確認信号は信号送信部205から発信側端末100に送信される(S28)。
【0092】
図6に戻り、発信側端末100は、確認信号を受信すると(S28)、音声信号の送信又は受信を開始することができる(S29)。また、ピックアップ端末300も音声信号の送信又は受信を開始することができる(S30)。これにより、発信側端末100とピックアップ端末300は通話を行うことができる(S31)。
【0093】
例えば、図8に表わされるように、発信側端末100の信号受信部101は、確認信号を受信すると、着信処理部102を介して通話開始処理部107に確認信号を出力することができる。通話開始処理部107は、確認信号を入力したとき、通話処理を開始することができる。例えば、通話開始処理部107は、マイクロフォンから入力された音声信号に対して、誤り訂正符号化処理や変調処理などを施して無線信号として、PBX200を介してピックアップ端末300に送信することができる。また、通話開始処理部107は、PBX200を介してピックアップ端末300から受信した無線信号に対して復調処理や誤り訂正復号化処理などを施して、音声信号に復調することもできる。
【0094】
ピックアップ端末300側は、ピックアップ通話開始処理部116により、マイクロフォンなどから入力された音声信号に対して、誤り訂正符号化処理などが施されて無線信号として発信側端末100に送信することができる。また、ピックアップ通話開始処理部116により、発信側端末100から送信された無線信号に対して復調処理などを施して、音声信号が抽出されて、スピーカから音声が出力されることができる。
【0095】
このように本第2の実施の形態では、着信側端末400宛ての着信が超音波を受信することのできる範囲内に位置するピックアップ端末300であれば、当該ピックアップ端末300は、着信側端末400宛ての着信をピックアップして、通話することができる。従って、PBX200においてピックアップグループの登録が行われなくても、ピックアップ端末300は近傍の端末400宛ての着信をピックアップすることが可能となる。よって、PBX200においてもピックアップグループの登録変更が不要となる。
【0096】
また、ピックアップ端末300が他のPBXにおいてピックアップグループに登録されているときに、当該PBXの通信可能範囲外に移動した場合でも、ピックアップ端末300は着信側端末400の超音波を受信できれば、近傍の端末400宛ての着信をピックアップできる。よって、ピックアップ端末300はピックアップグループの範囲外に移動してもコールピックアップサービスの提供を受けることができる。
【0097】
さらに、ピックアップ端末300は、複数の着信音が鳴動することで近傍の端末400宛ての着信が特定できないときでも、ピックアップボタンを点滅表示させるようにしているため、着信呼を特定できる。よって、ピックアップ端末300は、近傍の端末400宛ての着信呼に応答することができ、又は、応答に遅れることもなくなる。
【0098】
さらに、ピックアップ端末300は超音波出力部106を備え、着信側端末400は超音波受信部108を備えている。よって、ピックアップ端末300宛ての着信が発生したときも超音波出力部106からエンコードされた着信情報が超音波により送信され、着信側端末400の超音波受信部108において着信情報を受信することができる。この場合の着信情報は、例えば、ピックアップ端末300の電話番号が含まれる。そして、着信側端末400においてピックアップ操作が行われると、PBX200にピックアップ要求信号が送信される。PBX200では、ピックアップ端末300宛ての呼を特定し、ピックアップ端末300に着信取消信号、着信側端末400にピックアップ応答要求信号をそれぞれ送信することができる。これにより、着信側端末400は、ピックアップ端末300に代わり、発信側端末100と通話を行うことができる。よって、ピックアップ端末300は、ピックアップグループとして登録されたPBXと通信可能範囲外に移動したとき、移動先においてピックアップ端末300についての着信が発生したときでも、近傍の着信側端末40は当該着信をピックアップすることができる。
【0099】
[第3の実施の形態]
次に第3の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、ピックアップグループなどのデータを登録しなくてもピックアップできる例について説明した。本第3の実施の形態では、登録されたピックアップグループと併用する例について説明する。図12は本第3の実施の形態における端末300,400(本第3の実施の形態でも、特に断らない限り端末300として説明する)の構成例、図13はPBX200の構成例、図14はピックアップグループの例、図15はシーケンス例をそれぞれ表わす図である。
【0100】
端末300は、図12に表わされるように、さらに、ピックアップグループ情報記憶部120を備える。ピックアップグループ情報記憶部120は、PBX200から送信された登録応答信号に含まれるピックアップグループIDを信号受信部101と着信処理部102を介して入力すると、当該ピックアップグループIDを記憶することができる。ピックアップグループ情報記憶部120は、例えば、メモリである。この場合、着信処理部102は、登録応答信号を入力すると、登録応答信号からピックアップグループIDを抽出し、ピックアップグループ情報記憶部120に出力して記憶させることができる。
【0101】
また、PBX200は、図13に表わされるように、さらに、ピックアップグループ情報データベース(DB)220を備える。ピックアップグループ情報DB220は、端末300がどのピックアップグループに属するかについての情報が記憶されたデータベースである。
【0102】
図14はピックアップグループ情報DB220の構成例を表わす図である。ピックアップグループのグループIDごとに端末300の電話番号(又は識別番号)が登録される。例えば、PBX200の管理者により予めピックアップグループ情報DB220に端末300がどのピックアップグループに属するかが登録されることができる。
【0103】
次に、本第3の実施の形態における動作例について図15を参照して説明する。
【0104】
最初に、PBX200はピックアップグループIDの登録を受け付ける(S40)。例えば、ピックアップ処理部203は、PBX200に登録される端末データとして、その端末300,400が属するピックアップグループを受け付け、受け付けたピックアップグループをピックアップグループ情報DB220に登録することができる。例えば、管理者などの操作により、着信側端末400の電話番号と当該端末400が属するピックアップグループの情報とを受け付け、これをピックアップグループ情報DB220に記憶することで、登録を受け付けることができる。
【0105】
次いで、着信側端末400の電源がONになると(S41)、登録信号を送信する(S42)。例えば、着信側端末400の発信処理部115は、着信側端末400の電源ONを検知することができ、電源ONを検知すると、登録信号を生成し、信号送信部114を介してPBX200に登録信号を送信することができる。登録信号の送信は、例えば、着信側端末400の電源がONになったことをPBX200に通知することを表わしており、着信側端末400は登録信号に自局の電話番号を含ませて、PBX200に送信することができる。
【0106】
次いで、PBX200は、登録信号の受信により端末400が電源ONしたことを検知すると、その端末400が属するピックアップグループのグループIDを端末400に通知する(S43)。例えば、PBX200のピックアップ切替処理部203は、信号受信部201、呼処理部202を介して、着信側端末400から登録信号を入力すると、着信側端末400の電源ONを検知することができる。そして、ピックアップ切替処理部203は、登録信号に含まれる着信側端末400の電話番号をキーにして、ピックアップグループ情報DB220を検索する。ピックアップ切替処理部203は、ピックアップグループ情報DB220から着信側端末400のピックアップグループのグループIDを読み出して、当該グループIDを含む登録応答信号を生成する。ピックアップ切替処理部203は、登録信号に含まれる着信側端末400の電話番号に基づいて、生成した登録応答信号を、呼処理部202と信号送信部205を介して着信側端末400に送信することができる。
【0107】
着信側端末400は、登録応答信号を受信すると、登録応答信号に含まれるピックアップグループのグループIDを記憶する(S44)。例えば、着信側端末400の着信処理部102は、登録応答信号を、信号受信部101を介して入力すると、ヘッダ情報などから登録応答信号であることを検知し、登録応答信号に含まれるピックアップグループのグループIDを抽出することができる。そして、着信処理部102は抽出したグループIDをピックアップグループ情報記憶部120に出力することで、ピックアップグループ情報記憶部120において、着信側端末400の属するピックアップグループのグループIDが記憶される。
【0108】
ピックアップ端末300においても着信側端末400と同様に、電源をONにすると(S45)、登録信号をPBX200に送信する(S46)。
【0109】
また、PBX200は、ピックアップ端末300の属するピックアップグループのグループIDをピックアップグループ情報DB220から検索して、登録応答信号に含めてピックアップ端末300に送信する(S47)。ピックアップ端末300はPBX200から受信したグループIDをピックアップグループ情報記憶部120に記憶する(S48)。
【0110】
以後、発信側端末100が発信信号をPBX200に送信し(S11)、着信側端末400は着信信号を受信し(S13)、着信音を鳴動するまでは第2の実施の形態と同様に動作することができる。
【0111】
着信側端末400は、受信した着信信号から着信情報を抽出し、さらに、ピックアップグループ情報記憶部120からグループIDを読み出す。そして、着信側端末400は、着信情報とグループIDとをコード化し、コード化された着信情報とグループIDとを超音波により出力する(S14’)。例えば、着信側端末400のエンコード部105は、着信処理部102から着信情報を受け取ると、ピックアップグループ情報記憶部120から自局のグループIDを読み出し、着信情報とグループIDとをコード化する。
【0112】
図5(B)は着信情報とグループIDとをコード化する直前の状態の例を表わす図である。第2の実施の形態(例えば図5(A))と同様に、「s0」から「s15」は着信側端末400の電話番号、「d0」から「d15」は発信側端末100の電話番号を表わしている。本第3の実施の形態では、さらに、「g0」から「g7」がグループIDを表わしている。エンコード部105は、これらの3つの情報の各桁を順番にすることで1行にし、各桁をアスキーコードなどでコード化することができる。エンコード部105は、例えば、コード化した着信情報とグループIDとを超音波出力部106に出力し、超音波出力部106は着信情報とグループIDとを超音波出力することができる。
【0113】
図15に戻り、ピックアップ端末300は、超音波を受信すると、着信情報とグループIDとを復調し、着信情報からピックアップ対象の電話番号(着信側端末400の電話番号)を取得する。そして、ピックアップ端末300は、超音波から復調したピックアップグループのグループIDと、PBX200から通知を受けたピックアップグループのグループIDとを比較する(S19’)。例えば、ピックアップ対象番号表示部110は、デコード部109でデコードされたグループIDと、ピックアップグループ情報記憶部120に記憶されたグループIDとを比較することができる。そして、ピックアップ対象番号表示部110は、2つのグループIDが一致しないとき、以降の処理を行わない。一方、ピックアップ対象番号表示部110は、2つのグループIDが一致するとき、デコード部109から入力したグループIDを表示し、ピックアップボタン点滅部111に点滅を指示することができる。以降の処理は第2の実施の形態と同様である。
【0114】
このように、本第3の実施の形態では、ピックアップ端末300は着信側端末400から着信情報を超音波で受信しても、着信側端末400と同一のピックアップグループでなれければ、着信側端末400の着信をピックアップすることができない。従って、ピックアップグループの登録と併用することで、ピックアップ可能なピックアップ端末300を制限することも可能となる。なお、本第3の実施の形態においても第2の実施の形態における効果を奏することもできる。
【0115】
[第4の実施の形態]
次に第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態は、ピックアップ端末300や着信側端末400について登録されたアクセスポイント配下の場合と、そうでない場合とで、超音波出力レベルなどを変化させることで、ピックアップ可能な範囲を変化させる例である。図16は本第4の実施の形態におけるPBX200の構成例を表わし、図17は本第4の実施の形態におけるシーケンス例を表わしている。なお、端末300の構成例は第2の実施の形態と同様である(例えば図3)。本第4の実施の形態においても、端末300,400について、とくに断らない限り、端末300として説明する。
【0116】
PBX200は、さらに、端末基本位置管理部230と端末位置把握部231とを備える。
【0117】
端末基本位置管理部230には、例えば、端末300がアクセスポイントで無線通信を行う場合のアクセスポイント識別子(ホームAPID(Access Pont ID))が端末300ごとに登録されている。
【0118】
端末位置把握部231は、信号受信部201からの通知情報に基づいて、端末300がどのアクセスポイントを利用して無線通信を行っているかを検知することができる。例えば、信号受信部201内の第1のアンテナは、第1のアクセスポイント210に属し、第2のアンテナは第2のアクセスポイント215に属している場合を考える。例えば、信号受信部201は、端末300から登録信号などを受信したときに、第1のアンテナで受信したときは第1のアクセスポイント210、第2のアンテナで受信したときは第2のアクセスポイント215で受信したことを検知することができる。そして、信号受信部201は、通知情報を生成し、呼処理部202を介して端末位置把握部231に出力することができる。通知情報には、例えば、登録信号などを受信したアクセスポイント210,215に関する情報と、登録信号などに含まれる端末300の電話番号(又は識別番号)が含まれる。端末位置把握部231は、通知情報に基づいて、端末100がどのアクセスポイント210,215を利用して無線通信を行っているかを検知することができる。
【0119】
そして、端末位置把握部231は、通信情報により通知されたアクセスポイント210,215と、ホームAPIDとを比較して、一致するときは、当該端末300に対して超音波出力レベルと検知レベルを閾値よりも上げるよう指示する。一方、端末位置把握部231は、通知されたアクセスポイント210,215とホームAPIDとが一致しないとき、超音波出力レベルと検知レベルを閾値以下とするように指示することができる。
【0120】
図17は本第4の実施の形態におけるシーケンス例を表わす図である。最初にPBX200において、端末300,400ごとに、端末300,400に対するホームAPIDの登録が行われる(S50)。登録されたホームAPIDは、端末基本位置管理部230に登録される。
【0121】
次いで、着信側端末400又はピックアップ端末300はPBX200にアクセスして、無線通信を開始する。このとき、着信側端末400とピックアップ端末300は、例えば、登録信号を送信し、信号受信部201により登録信号を受信したアクセスポイント210,215が検知される。
【0122】
次いで、信号受信部201は、検知したアクセスポイントを含む検知情報を端末位置把握部231に出力する(S51)。
【0123】
そして、端末位置把握部231は、検知情報に含まれるアクセスポイント210,215が例えば端末300,400が現在無線通信を行っているアクセスポイント210,215を検知し、このアクセスポイント210,215がホームAPIDと一致するかを検知する(S52)。
【0124】
次いで、PBX200は、通知情報に含まれる端末300,400のアクセスポイント210,215がホームAPIDと一致するときは、超音波の出力レベルと検出レベルを閾値よりも上げるように指示する超音波感度変更指示を端末300,400に送信する(S53)。
【0125】
一方、PBX200は、通信情報に含まれる端末300,400のアクセスポイント210,215がホームAPIDと一致しないときは、超音波の出力レベルと検出レベルを閾値よりも上げるよう指示する超音波変更指示を端末300,400に送信する(S53)。
【0126】
超音波感度変更指示を受信した端末300,400は、例えば、超音波出力部106は、信号受信部101などを介して受信した超音波感度変更指示に対応するように超音波の出力レベルを変更する。また、例えば、超音波受信部108も、着信処理部102において超音波感度変更指示を受けたとき、検出レベルを変更するよう超音波受信部108に指示することで検出レベルの変更が行われる。
【0127】
本第4の実施の形態では、着信側端末400とピックアップ端末300とが登録されたアクセスポイント配下でコールピックアップサービスの提供を受けるときは、閾値以上の超音波出力レベルと検出レベルで超音波の送受信を行うことができる。よって、端末300,400は本第4の実施の形態が実施されない場合と比較して、広範囲においてコールピックアップサービスの提供を受けることができるようになる。なお、本第4の実施の形態においても、第2の実施の形態における効果を奏することができる。
【0128】
[その他の実施の形態]
次にその他の実施の形態について説明する。
【0129】
図18は端末300(本例を含む以下の実施の形態においても、端末300,400についてとくに断らない限り、端末300として説明する)の他の構成例、図19はPBX200の他の構成例をそれぞれ表わす図である。図18と図19は、例えば、端末300とPBX200のハードウェアの構成例をそれぞれ表わしている。
【0130】
端末300は、アンテナ150、無線インターフェース151、CPU152、メモリ153、LCD154、操作ボタン155、DSP(Digital Signal Processor)156、着信音スピーカ157、無指向性超音波スピーカ159、無指向性超音波マイクロフォン161を備える。
【0131】
例えば、第2の実施の形態における端末300の信号受信部101と信号送信部114は、アンテナ150と無線インターフェース151に対応する。また、第2の実施の形態における着信処理部102、取消処理部103、エンコード部105、通話開始処理部107、デコード部109、ピックアアップ操作検知部112、ピックアップ信号生成部113、発信処理部115、ピックアップ通話開始処理部116は、例えば、CPU152に対応する。さらに、第2の実施の形態における超音波出力部106は、例えば、DSP156と無指向性超音波スピーカ159に対応する。さらに、第2の実施の形態における超音波受信部108は、例えば、DSP156と無指向性超音波マイクロフォン161に対応する。さらに、第2の実施の形態におけるピックアップ対象番号表示部110は、例えば、LCD154に対応する。さらに、第2の実施の形態におけるピックアップボタン点滅部111は、例えば、操作ボタン155に対応する。
【0132】
また、第1の実施の形態における超音波出力部710は、例えば、アンテナ150と無線インターフェース151、CPU152、DSP156、及び無指向性超音波スピーカ159に対応する。
【0133】
一方、PBX200は、アンテナ250、無線インターフェース251、CPU252、メモリ253を備える。第2の実施の形態における信号受信部201と信号送信部205は、例えば、アンテナ250と無線インターフェース251に対応する。また、第2の実施の形態における呼処理部202、ピックアップ切替処理部203、及びピックアップ切替完了処理部204は、例えば、CPU252に対応する。
【0134】
また、上述した第2の実施の形態などにおいて、端末300は、着信信号を受けると着信音を鳴動して、すぐに着信情報を含む超音波を送信する例について説明した。例えば、端末300は、着信音を鳴動させた後で超音波を送信するようにしてもよい。超音波出力のディレイ送信により、着信側端末400の利用者が着信に出るつもりの呼までピックアップされることを防止することができる。例えば、超音波出力部106は、エンコード部105から着信情報を入力した後、所定期間経過後に超音波を出力することができる。
【0135】
さらに、例えば、複数の着信側端末400がそれぞれ超音波出力を同時に送信する場合、超音波の衝突などにより、ピックアップ端末300はそれぞれの着信をピックアップできない場合もある。そこで、複数の着信側端末400は、超音波出力の出力間隔をランダムな間隔で送信するようにすることもできる。例えば、超音波出力部106は、乱数生成部を保持し、生成された乱数に対応する間隔で、超音波出力を繰り返すようにすることで実施することが可能である。これにより、ピックアップ端末300は、複数の着信側端末400からの着信をそれぞれピックアップすることも可能となる。
【0136】
さらに、例えば、ピックアップ端末300は複数の着信情報を超音波で受信したとき、ディスプレイにピックアップ可能な呼をそれぞれ表示させることもできる。図9(B)は2つのピックアップ可能な呼がピックアップ端末300のピックアップ対象番号表示部110に表示されている例である。ピックアップ端末300の操作ボタンが操作されることで、いずれかの呼が選択され、選択された呼に対してピックアップが行われる。図9(C)はピックアップ可能な呼が電話番号ではなく、名前で表示される例である。例えば、ピックアップ対象番号表示部110は、電話番号と電話番号に対応する名前とを記憶するテーブルを保持し、着信情報に含まれる発着番号に対して、当該テーブルから対応する名前を読み出して、表示させることができる。
【0137】
さらに、例えば、着信側端末400は、ピックアップ端末300にピックアップされないようにすることもできる。例えば、着信側端末400の超音波出力部106は、着信情報をエンコード部105から受け取っても、超音波を送信しないようにすることもできる。或いは、PBX200は着信信号を送信するとき(例えば図6のS13)、着信信号にピックアップのための超音波出力が行われないことを示す情報を含ませることができる。当該情報を受信した着信側端末400は、例えば、着信処理部102において当該情報を確認すると超音波出力部106に超音波出力をしないように指示することもできる。
【0138】
さらに、第2の実施の形態などでは、着信側端末400は超音波により着信情報を送信する例について説明した。着信側端末400は、超音波以外にも、例えば、可聴音や電波、赤外線などにより着信情報を送信するようにしてもよい。可聴音や電波、赤外線などで送信する場合でも、着信側端末400は、着信情報をそれぞれの周波数帯域で送信できるように変調処理を施すことで、着信情報を可聴音、電波、赤外線などに変換して送信することができる。このような超音波や可聴音、電波、赤外線などは、例えば、無線媒体であって、着信側端末400は無線により着信情報を送信することができる、ということができる。
【0139】
さらに、例えば、着信側端末400は電源ONで登録信号をPBX200に送信するとき(例えば図15のS42)、自局の超音波出力レベルをPBX200に送信することもできる。PBX200は、複数の着信側端末400それぞれの超音波出力レベル、さらに、超音波出力レベルからピックアップ通知可能範囲などを導くことができ、複数の着信側端末400を集中管理することもできる。
【0140】
さらに、第3の実施の形態において、ピックアップグループの登録と併用する例について説明した。例えば、端末300,400の利用者が共通のIDを端末300,400に登録し、着信側端末400の着信は、着信側端末400と共通のIDが登録されたピックアップ端末300でピックアップが可能となる。例えば、着信側端末400は、共通IDを含む着信情報を超音波で送信する。ピックアップ端末300は、登録された共通のIDと、超音波で受信した共通IDとが一致するとピックアップ可能とすることができる。
【0141】
さらに、上述した各実施例において、発信信号(S13)には、例えば、発信側端末100と着信側端末400の電話番号が含まれる例を説明した。また、着信情報についても、例えば、これらの電話番号が含まれる例を説明した。ピックアップ要求信号(S21)についても、例えば、着信側端末400の電話番号が含まれる例について説明した。これらについて、電話番号に代えて、各端末100,400のIPアドレスや各端末100,400の所有者情報などの識別情報とすることもできる。例えば、ピックアップ端末300は超音波により着信情報を受けたとき、着信側端末400がどの端末であるかを識別できればよく、電話番号に代えて他の識別情報とすることもできる。また、例えば、PBX200は、ピックアップにより着信取消対象の着信側端末400を特定すればよいため、例えば、電話番号に代えて他の識別情報とすることもできる。
【0142】
以上まとめると付記のようになる。
【0143】
(付記1)
通話を要求する発信信号が第1の端末装置から送信されて、呼制御装置において受信された前記発信信号が着信信号に変換されて、前記呼制御装置から無線により送信された前記着信信号を受信する端末装置において、
前記着信信号を受信したとき、前記着信信号に含まれる前記端末装置の識別情報を含む着信情報を、前記端末装置に代わり前記第1の端末装置と通話を行う第2の端末装置に対して超音波により出力する超音波出力部
を備えることを特徴とする端末装置。
【0144】
(付記2)
前記着信情報は、前記発信信号を送信した前記第1の端末装置の識別情報が含まれることを特徴とする付記1記載の端末装置。
【0145】
(付記3)
前記識別情報は電話番号であることを特徴とする付記1記載の端末装置。
【0146】
(付記4)
更に、前記第1の着信情報をコード化し、コード化された前記着信情報を前記出力部に出力するエンコード部を備えることを特徴とする付記1記載の端末装置。
【0147】
(付記5)
前記超音波出力部は、前記着信情報と、前記呼制御装置から送信されて、前記端末装置の属する第1のピックアップグループのグループIDと、を超音波により出力することを特徴とする付記1記載の端末装置。
【0148】
(付記6)
前記超音波出力部は、前記端末装置が無線通信を行っているアクセスポイントが前記呼制御装置において登録されたアクセスポイントと一致しているとき、前記超音波出力部からの超音波出力レベルを上げ、一致していないとき超音波出力レベルを下げることを特徴とする付記1記載の端末装置。
【0149】
(付記7)
更に、着信音を鳴動する着信音鳴動部を備え、
前記着信音鳴動部は前記着信信号を受信したとき着信音を鳴動し、その後、前記超音波出力部は前記着信情報を超音波により出力することを特徴とする付記1記載の端末装置。
【0150】
(付記8)
前記超音波出力部は前記着信情報を繰り返し超音波により出力するとき、ランダムな出力間隔で出力することを特徴とする付記1記載の端末装置。
【0151】
(付記9)
前記超音波出力部は、前記着信信号を受信したとき超音波出力を行わないことを特徴とする付記1記載の端末装置。
【0152】
(付記10)
前記超音波出力部は、前記着信情報と、前記呼制御装置から送信されて、前記第2の端末装置の属するグループで共通に使用される第1の共通IDとを超音波により出力することを特徴とする付記1記載の端末装置。
【0153】
(付記11)
前記超音波出力部は、前記超音波出力に代えて、可聴音、可聴音、赤外線、又は電波により前記着信情報を出力することを特徴とする付記1記載の端末装置。
【0154】
(付記12)
第1の端末装置の第2の端末装置宛ての着信をピックアップして前記第2の端末装置に代わり前記第1の端末装置と通話を行う端末装置において、
前記第2の端末装置から超音波により送信された、前記第2の端末装置の識別情報を含む着信情報を受信する超音波受信部と、
前記着信情報を受信したとき、前記第2の端末装置に代わり前記第1の端末装置と通話を行うことを要求するピックアップ要求信号を呼制御装置に無線により送信する信号送信部と
を備えることを特徴とする端末装置。
【0155】
(付記13)
更に、前記超音波受信部により受信した前記着信情報をデコード化するデコード部を備えることを特徴とする付記12記載の端末装置。
【0156】
(付記14)
更に、ピックアップボタンを備え、
前記超音波受信部は、前記着信情報を受信したとき、前記ピックアップボタンを点滅させることを特徴とする付記12記載の端末装置。
【0157】
(付記15)
更に、ピックアップ操作検出部を備え、
前記ピックアップ操作検出部は、前記ピックアップボタンの押下を検出したとき、前記ピックアップ要求信号を生成して出力するよう前記信号送信部に指示することを特徴とする付記14記載の端末装置。
【0158】
(付記16)
更に、前記端末装置の属するピックアップグループIDを記憶するピックアップグループ情報記憶部を備え、
前記超音波受信部は、前記着信情報とピックアップグループIDとを受信し、
前記信号送信部は、前記ピックアップグループ情報記憶部に記憶されたピックアップグループIDと、前記超音波受信部で受信したピックアップグループIDとが一致するとき前記ピックアップ要求信号を送信し、一致しないとき前記ピックアップ要求信号を送信しないことを特徴とする付記12記載の端末装置。
【0159】
(付記17)
更に、前記超音波受信部で受信した前記着信情報に基づいて、前記端末装置に代わり前記第1の端末装置と通話を行う1又は複数の呼を表示するピックアップ対象番号表示部を備えることを特徴とする付記12記載の端末装置。
【0160】
(付記18)
第1の端末装置から送信され、第2の端末装置に通話を要求する発信信号を受信して、前記発信信号を着信信号に変換し、変換された前記着信信号を無線により前記第2の端末装置に送信する呼制御装置において、
前記第2の端末装置から超音波により出力された着信情報を受信した第3の端末装置から、前記第2の端末装置に代わり前記第1の端末装置と通話を要求するピックアップ要求信号を無線により受信する信号受信部と、
前記ピックアップ要求信号に対して、前記第3の端末装置に対して前記第2の端末装置に代えて前記第1の端末装置との通話を許可するピックアップ要求応答信号を送信し、前記第2の端末装置に対して前記着信信号の受信を取消す着信取消信号を無線により送信する信号送信部と
を備えることを特徴とする呼制御装置。
【0161】
(付記19)
第1の端末装置と、第2の端末装置と、前記第1の端末装置から送信されて前記第2の端末装置との通話を要求する発信信号を受信して、前記発信信号を着信信号に変換し、変換された前記着信信号を前記第2の端末装置に無線により送信する呼制御装置と、前記第2の端末装置に代わり前記第1の端末装置と通話を行う第3の端末装置とを備える通信システムにおいて、
前記第2の端末装置は、前記着信信号を受信したとき、前記着信信号に含まれる前記第2の端末装置の識別情報を含む着信情報を超音波により出力する超音波出力部を備え、
前記第3の端末装置は、前記第2の端末装置から超音波により送信された前記着信情報を受信する超音波受信部と、前記着信情報を受信したとき、前記第2の端末装置に代わり前記第1の端末装置と通話を行うことを要求するピックアップ要求信号を前記呼制御装置に無線により送信する第1の信号送信部とを備え、
前記呼制御装置は、前記ピックアップ要求信号を受信したとき、前記第3の端末装置に対して前記第2の端末装置に代えて前記第1の端末装置との通話を許可するピックアップ要求応答信号を無線により送信し、前記第2の端末装置に対して前記着信信号の受信を取消す着信取消信号を無線により送信する第2の信号送信部を備えることを特徴とする通信システム。
【0162】
(付記20)
第1の端末装置と、第2の端末装置と、前記第1の端末装置から無線により送信されて前記第2の端末装置との通話を要求する発信信号を受信して、前記発信信号を着信信号に変換し、変換された前記着信信号を前記第2の端末装置に無線により送信する呼制御装置と、前記第2の端末装置に代わり前記第1の端末装置と通話を行う第3の端末装置とを備える通信システムにおける着信応答方法であって、
前記第2の端末装置により、前記着信信号を受信したとき、前記着信信号に含まれる前記第2の端末装置の識別情報を含む着信情報を超音波により出力し、
前記第3の端末装置により、前記第2の端末装置から超音波により送信された前記着信情報を受信し、前記着信情報を受信したとき、前記第2の端末装置に代わり前記第1の端末装置と通話を行うことを要求するピックアップ要求信号を前記呼制御装置に無線により送信し、
前記呼制御装置により、前記ピックアップ要求信号を受信したとき、前記第3の端末装置に対して前記第2の端末装置に代えて前記第1の端末装置との通話を許可するピックアップ要求応答信号を無線により送信し、前記第2の端末装置に対して前記着信信号の受信を取消す着信取消信号を無線により送信することを特徴とする着信応答方法。
【符号の説明】
【0163】
10:通信システム 100:発信側端末
101:信号受信部 102:着信処理部
104:着信音鳴動部 105:エンコード部
106:超音波出力部 108:超音波受信部
109:デコード部 110:ピックアップ対象番号表示部
111:ピックアップボタン点滅部 112:ピックアップ操作検知部
113:ピックアップ信号生成部 114:信号送信部
115:発信処理部 120:ピックアップグループ情報記憶部
152:CPU 200:PBX
201:信号受信部 202:呼処理部
203:ピックアップ切替処理部 204:ピックアップ切替完了処理部
205:信号送信部 220:ピックアップグループ情報DB
230:端末基本位置管理部 252:CPU
300:ピックアップ端末 400:着信側端末
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通話を要求する発信信号が第1の端末装置から送信されて、呼制御装置において受信された前記発信信号が着信信号に変換されて、前記呼制御装置から無線により送信された前記着信信号を受信する端末装置において、
前記着信信号を受信したとき、前記着信信号に含まれる前記端末装置の識別情報を含む着信情報を、前記端末装置に代わり前記第1の端末装置と通話を行う第2の端末装置に対して超音波により出力する超音波出力部
を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項2】
第1の端末装置の第2の端末装置宛ての着信をピックアップして前記第2の端末装置に代わり前記第1の端末装置と通話を行う端末装置において、
前記第2の端末装置から超音波により送信された、前記第2の端末装置の識別情報を含む着信情報を受信する超音波受信部と、
前記着信情報を受信したとき、前記第2の端末装置に代わり前記第1の端末装置と通話を行うことを要求するピックアップ要求信号を呼制御装置に無線により送信する信号送信部と
を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項3】
第1の端末装置から送信され、第2の端末装置に通話を要求する発信信号を受信して、前記発信信号を着信信号に変換し、変換された前記着信信号を無線により前記第2の端末装置に送信する呼制御装置において、
前記第2の端末装置から超音波により出力された着信情報を受信した第3の端末装置から、前記第2の端末装置に代わり前記第1の端末装置と通話を要求するピックアップ要求信号を無線により受信する信号受信部と、
前記ピックアップ要求信号に対して、前記第3の端末装置に対して前記第2の端末装置に代えて前記第1の端末装置との通話を許可するピックアップ要求応答信号を送信し、前記第2の端末装置に対して前記着信信号の受信を取消す着信取消信号を無線により送信する信号送信部と
を備えることを特徴とする呼制御装置。
【請求項4】
第1の端末装置と、第2の端末装置と、前記第1の端末装置から送信されて前記第2の端末装置との通話を要求する発信信号を受信して、前記発信信号を着信信号に変換し、変換された前記着信信号を前記第2の端末装置に無線により送信する呼制御装置と、前記第2の端末装置に代わり前記第1の端末装置と通話を行う第3の端末装置とを備える通信システムにおいて、
前記第2の端末装置は、前記着信信号を受信したとき、前記着信信号に含まれる前記第2の端末装置の識別情報を含む着信情報を超音波により出力する超音波出力部を備え、
前記第3の端末装置は、前記第2の端末装置から超音波により送信された前記着信情報を受信する超音波受信部と、前記着信情報を受信したとき、前記第2の端末装置に代わり前記第1の端末装置と通話を行うことを要求するピックアップ要求信号を前記呼制御装置に無線により送信する第1の信号送信部とを備え、
前記呼制御装置は、前記ピックアップ要求信号を受信したとき、前記第3の端末装置に対して前記第2の端末装置に代えて前記第1の端末装置との通話を許可するピックアップ要求応答信号を無線により送信し、前記第2の端末装置に対して前記着信信号の受信を取消す着信取消信号を無線により送信する第2の信号送信部を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項5】
第1の端末装置と、第2の端末装置と、前記第1の端末装置から無線により送信されて前記第2の端末装置との通話を要求する発信信号を受信して、前記発信信号を着信信号に変換し、変換された前記着信信号を前記第2の端末装置に無線により送信する呼制御装置と、前記第2の端末装置に代わり前記第1の端末装置と通話を行う第3の端末装置とを備える通信システムにおける着信応答方法であって、
前記第2の端末装置により、前記着信信号を受信したとき、前記着信信号に含まれる前記第2の端末装置の識別情報を含む着信情報を超音波により出力し、
前記第3の端末装置により、前記第2の端末装置から超音波により送信された前記着信情報を受信し、前記着信情報を受信したとき、前記第2の端末装置に代わり前記第1の端末装置と通話を行うことを要求するピックアップ要求信号を前記呼制御装置に無線により送信し、
前記呼制御装置により、前記ピックアップ要求信号を受信したとき、前記第3の端末装置に対して前記第2の端末装置に代えて前記第1の端末装置との通話を許可するピックアップ要求応答信号を無線により送信し、前記第2の端末装置に対して前記着信信号の受信を取消す着信取消信号を無線により送信することを特徴とする着信応答方法。
【請求項1】
通話を要求する発信信号が第1の端末装置から送信されて、呼制御装置において受信された前記発信信号が着信信号に変換されて、前記呼制御装置から無線により送信された前記着信信号を受信する端末装置において、
前記着信信号を受信したとき、前記着信信号に含まれる前記端末装置の識別情報を含む着信情報を、前記端末装置に代わり前記第1の端末装置と通話を行う第2の端末装置に対して超音波により出力する超音波出力部
を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項2】
第1の端末装置の第2の端末装置宛ての着信をピックアップして前記第2の端末装置に代わり前記第1の端末装置と通話を行う端末装置において、
前記第2の端末装置から超音波により送信された、前記第2の端末装置の識別情報を含む着信情報を受信する超音波受信部と、
前記着信情報を受信したとき、前記第2の端末装置に代わり前記第1の端末装置と通話を行うことを要求するピックアップ要求信号を呼制御装置に無線により送信する信号送信部と
を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項3】
第1の端末装置から送信され、第2の端末装置に通話を要求する発信信号を受信して、前記発信信号を着信信号に変換し、変換された前記着信信号を無線により前記第2の端末装置に送信する呼制御装置において、
前記第2の端末装置から超音波により出力された着信情報を受信した第3の端末装置から、前記第2の端末装置に代わり前記第1の端末装置と通話を要求するピックアップ要求信号を無線により受信する信号受信部と、
前記ピックアップ要求信号に対して、前記第3の端末装置に対して前記第2の端末装置に代えて前記第1の端末装置との通話を許可するピックアップ要求応答信号を送信し、前記第2の端末装置に対して前記着信信号の受信を取消す着信取消信号を無線により送信する信号送信部と
を備えることを特徴とする呼制御装置。
【請求項4】
第1の端末装置と、第2の端末装置と、前記第1の端末装置から送信されて前記第2の端末装置との通話を要求する発信信号を受信して、前記発信信号を着信信号に変換し、変換された前記着信信号を前記第2の端末装置に無線により送信する呼制御装置と、前記第2の端末装置に代わり前記第1の端末装置と通話を行う第3の端末装置とを備える通信システムにおいて、
前記第2の端末装置は、前記着信信号を受信したとき、前記着信信号に含まれる前記第2の端末装置の識別情報を含む着信情報を超音波により出力する超音波出力部を備え、
前記第3の端末装置は、前記第2の端末装置から超音波により送信された前記着信情報を受信する超音波受信部と、前記着信情報を受信したとき、前記第2の端末装置に代わり前記第1の端末装置と通話を行うことを要求するピックアップ要求信号を前記呼制御装置に無線により送信する第1の信号送信部とを備え、
前記呼制御装置は、前記ピックアップ要求信号を受信したとき、前記第3の端末装置に対して前記第2の端末装置に代えて前記第1の端末装置との通話を許可するピックアップ要求応答信号を無線により送信し、前記第2の端末装置に対して前記着信信号の受信を取消す着信取消信号を無線により送信する第2の信号送信部を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項5】
第1の端末装置と、第2の端末装置と、前記第1の端末装置から無線により送信されて前記第2の端末装置との通話を要求する発信信号を受信して、前記発信信号を着信信号に変換し、変換された前記着信信号を前記第2の端末装置に無線により送信する呼制御装置と、前記第2の端末装置に代わり前記第1の端末装置と通話を行う第3の端末装置とを備える通信システムにおける着信応答方法であって、
前記第2の端末装置により、前記着信信号を受信したとき、前記着信信号に含まれる前記第2の端末装置の識別情報を含む着信情報を超音波により出力し、
前記第3の端末装置により、前記第2の端末装置から超音波により送信された前記着信情報を受信し、前記着信情報を受信したとき、前記第2の端末装置に代わり前記第1の端末装置と通話を行うことを要求するピックアップ要求信号を前記呼制御装置に無線により送信し、
前記呼制御装置により、前記ピックアップ要求信号を受信したとき、前記第3の端末装置に対して前記第2の端末装置に代えて前記第1の端末装置との通話を許可するピックアップ要求応答信号を無線により送信し、前記第2の端末装置に対して前記着信信号の受信を取消す着信取消信号を無線により送信することを特徴とする着信応答方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2013−110546(P2013−110546A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253444(P2011−253444)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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