説明

端末装置、承認システム、承認方法、プログラム、及び記録媒体

【課題】承認者が外出先でも簡易に案件の承認行為を行う。
【解決手段】管理装置1の案件DB11は、案件の確認状況情報を記憶しており、案件情報送信部12は、案件の関連文書データを端末装置3へ送信する。端末装置3の関連文書表示制御部32は、管理装置1から受信した関連文書データの画面をタッチパネルに表示させ、確認行為制御部35は、関連文書データの画面の表示中に、この表示されている画面において承認者による所定の操作が行われたことを検出した場合、操作が行われた旨を管理装置1へ通知する。管理装置1の確認状況更新部14は、承認者により所定の操作が行われた旨の通知を端末装置3から受信すると、案件DB11に記憶されている案件の確認状況情報を承認済みに更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔で案件の承認を行う端末装置、承認システム、承認方法、プログラム、及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、企業等において、承認者が外出しているような時でも、承認者が保有する携帯端末によって案件の承認行為を簡単に行なうための遠隔承認システムがある。また、特許文献1には、効率的な承認行為を行なうためのシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−334186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の遠隔承認システムでは、外出先において、承認者が社内にいるときと同じ方法で承認行為を行なうのは手間であり、結果として案件の進捗が滞ることがあった。
外出先での承認行為が手間である1つの原因として、普段社内で使用するものとは違う端末である携帯端末が使用されるため、ユーザインタフェース(UI)が最適化されていないことが挙げられる。
例えば、特許文献1に記載のシステムにおいて承認者が承認行為を行うには、端末に表示されている関連文書を確認する作業と、端末において承認を行なう作業とを行う必要がある。このように、関連文書を確認する作業と、承認を行なう作業とは別々であり、これら一連の作業を行なうにはそれぞれのメニューをたどる必要があった。
つまり、承認対象の案件についての関連文書を閲覧する画面と、承認行為を行なう画面とは別々に用意されており、外出先であっても、承認者には携帯端末によって関連文書にアクセスする作業と、承認行為を行なう画面を探す作業とが求められる。
【0005】
また、他の原因として、通常画面サイズが充分ではない携帯端末では、関連文書を閲覧する画面と、承認行為を行う画面との両方の画面を一度に表示させるのは困難であり、そこでこれらの画面を切替えようとすると、操作が煩雑になってしまうことが挙げられる。
特に通信環境が悪く必要な通信速度が確保できない場合は、画面の切替えに時間がかかるため、承認行為に割く時間が限られている外出先では、完了できないことが多い。
【0006】
上記のような原因を含め、外出先等で携帯端末を利用して承認行為を行なうには、携帯端末の入力デバイスの使い勝手、表示部のサイズ、通信部の仕様・性能、通信環境等の様々な制約により、困難な要素が多かった。
【0007】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、承認者が外出先でも簡易に案件の承認行為を行うことができる端末装置、承認システム、承認方法、プログラム、及び記録媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、上記の課題を解決すべくなされたもので、画面を表示する表示部と、案件の確認状況情報を記憶する管理装置から前記案件の関連文書データを受信し、受信した関連文書データの画面を前記表示部に表示させる関連文書表示制御部と、前記表示部に前記関連文書データの画面が表示されているときに、表示されている前記画面においてユーザによる所定の操作が行われたことを検出した場合、前記操作が行われた旨を前記管理装置へ通知して前記案件の確認状況情報を前記操作に対応した確認状況情報に更新させる確認行為制御部と、を備えることを特徴とする端末装置である。
【0009】
また、本発明は、管理装置と端末装置とを有する承認システムであって、前記管理装置は、案件の確認状況情報を記憶する記憶部と、前記案件の関連文書データを前記端末装置へ送信する案件情報送信部と、前記端末装置から、ユーザにより前記端末装置において所定の操作が行われた旨の通知を受け、前記記憶部に記憶されている前記案件の確認状況情報を、前記操作に対応した確認状況情報に更新する確認状況更新部と、を備え、前記端末装置は、画面を表示する表示部と、ユーザによる操作を受ける入力部と、前記管理装置から前記案件の関連文書データを受信し、受信した関連文書データの画面を前記表示部に表示させる関連文書表示制御部と、前記表示部に前記関連文書データの画面が表示されているときに、表示されている前記画面においてユーザによる所定の操作が行われたことを検出した場合、前記操作が行われた旨を前記管理装置へ通知する確認行為制御部と、を備える、ことを特徴とする承認システムである。
【0010】
また、本発明は、管理装置と端末装置とを有する承認システムに用いられる承認方法であって、前記管理装置の案件情報送信部が、前記管理装置の記憶部に確認状況情報が記憶されている案件の関連文書データを前記端末装置へ送信する案件情報送信過程と、前記端末装置の関連文書表示制御部が、前記管理装置から前記案件の関連文書データを受信し、受信した関連文書データの画面を前記端末装置の表示部に表示させる関連文書表示過程と、前記端末装置の確認行為制御部が、前記表示部に前記関連文書データの画面が表示されているときに、表示されている前記画面においてユーザによる所定の操作が行われたことを検出した場合、前記操作が行われた旨を前記管理装置へ通知する確認行為通知過程と、前記管理装置の案件情報送信部が、前記端末装置から、ユーザにより前記端末装置において所定の操作が行われた旨の通知を受け、前記記憶部に記憶されている前記案件の確認状況情報を、前記操作に対応した確認状況情報に更新する確認状況更新過程と、を有することを特徴とする承認方法である。
【0011】
また、本発明は、画面を表示する表示部を備える端末装置に用いられるコンピュータを、案件の確認状況情報を記憶する管理装置から前記案件の関連文書データを受信し、受信した関連文書データの画面を前記表示部に表示させる関連文書表示制御部、前記表示部に前記関連文書データの画面が表示されているときに、表示されている前記画面においてユーザによる所定の操作が行われたことを検出した場合、前記操作が行われた旨を前記管理装置へ通知して前記案件の確認状況情報を前記操作に対応した確認状況情報に更新させる確認行為制御部、として動作させることを特徴とするプログラムである。
また、本発明は、上記プログラムを記録した記録媒体である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、承認者は、外出先でも簡易に案件の承認行為を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態による承認システムの構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態による承認システムの処理フローを示す図である。
【図3】本発明の第2の実施形態による承認システムの構成を示すブロック図である。
【図4】同実施形態による承認システムの処理フローを示す図である。
【図5】本発明の第3の実施形態による承認システムの構成を示すブロック図である。
【図6】同実施形態による承認システムの処理フローを示す図である。
【図7】同実施形態による端末の画面表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0015】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態による承認システムの構成を示すブロック図であり、本実施形態に関係する機能ブロックのみ抽出して示してある。同図に示すように、本実施形態の承認システムは、通信網9を介して接続される管理装置1及び端末装置3を備えて構成される。同図では端末装置3を1台のみ示しているが、複数台の端末が存在しうる。
【0016】
管理装置1は、例えばコンピュータサーバで実現することができ、案件データベース(以下、「案件DB」と記載する。)11、案件情報送信部12、通信部13、及び確認状況更新部14を備えて構成される。
【0017】
案件DB11は、案件情報を記憶する記憶部である。案件情報は、案件を一意に特定する識別情報である案件IDと、当該案件の関連文書データと、当該案件の確認状況情報とを対応づけた情報が少なくとも含まれる。関連文書データは、例えば案件の説明や、求める承認の内容など、案件に関する情報を記述した関連文書の電子データである。確認状況情報は、案件の確認状況(ステータス)を示し、例えば、「未承認」、「承認済み」などを示す。
【0018】
通信部13は、有線または無線により通信網9と接続され、通信網9を介して端末装置3とデータの送受信を行う。案件情報送信部12は、案件DB11から読み出した関連文書データを端末装置3に送信する。確認状況更新部14は、承認者により端末装置3において行われた確認行為に基づいて、案件DB11に記憶されている案件の確認状況情報を更新する。
【0019】
端末装置3は、承認者であるユーザが携帯する可搬のコンピュータ端末である。端末装置3は、通信部31、関連文書表示制御部32、表示部33、入力部34、及び確認行為制御部35を備えて構成される。なお、端末装置3が、例えば、スマートフォンなどの携帯電話である場合には、受話器及び送話器を制御する音声処理部(図示せず)がさらに付加される。
【0020】
通信部31は、無線により通信網9と接続され、通信網9を介して管理装置1とデータの送受信を行う。なお、通信部31は、有線により通信網9により接続されてもよい。表示部33は、画面を表示するディスプレイである。入力部34は、ユーザによる操作を受け付ける入力デバイスである。例えば、タッチパネルにより、表示部33及び入力部34を実現することができる。
【0021】
関連文書表示制御部32は、管理装置1から送信された案件DB11内の関連文書データを表示部33に表示させる関連文書ビューワであり、承認者が関連文書を閲覧できるようにする。確認行為制御部35は、関連文書データ表示中に、すなわち、承認者が関連文書を閲覧している間に、予め決められた確認操作が承認者によって入力部34に行なわれたことを検出し、案件IDとともにその確認行為を管理装置1へ通知する。
【0022】
図2は、図1に示す承認システムの処理フローを示す図である。
管理装置1の案件情報送信部12は、案件DB11に記憶されている案件情報から、承認者による承認が必要な案件の案件IDと、この案件IDに対応した関連文書データを読み出して通信部13に出力し、承認者の端末装置3に送信するよう指示する。この案件IDにより特定される案件情報の確認状況情報には、例えば、「未承認」が設定されている。通信部13は、通信網9を介して案件ID及び関連文書データを端末装置3に送信する(ステップS110)。端末装置3の通信部31は、通信網9を介して案件ID及び関連文書データを受信する。関連文書表示制御部32は、通信部31が受信した関連文書データを表示部33に全画面表示等により表示させる(ステップS120)。これにより承認者は、表示部33に表示されている関連文書データを閲覧する。
【0023】
例えば、ステップS110において、管理装置1は、承認者のアドレスを宛先とした電子メールにより案件ID及び関連文書データを送信してもよく、承認者の端末装置3からのアクセスを受けたときに案件ID及び関連文書データを送信してもよい。なお、管理装置1は、関連文書データを送信する代わりに、関連文書データの表示画面データを送信して端末装置3に表示させてもよい。このように、承認者が端末装置3を用いて関連文書を閲覧する時は、管理装置1から関連文書データを端末装置3に転送してから閲覧してもよく、管理装置1内の案件DB11に記憶されている関連文書データに直接アクセスしてもよい。
【0024】
承認者は、表示部33に表示されている関連文書データを閲覧し、承認を行う場合は、予め決められた所定の確認操作(承認操作)を入力部34により行なう。例えば、端末装置3がタッチパネルを備えている場合、承認者は、関連文書が表示されている画面上に、予め決められた所定のパターンを指やタッチペンで描く。
【0025】
確認行為制御部35は、表示部33に関連文書データが表示されているときに、承認者によって入力部34に予め決められた確認操作が行なわれたことを検出すると(ステップS130)、案件IDと、確認操作を示す操作情報とを通信部31に出力し、管理装置1へ送信するよう指示する。通信部31は、通信網9を介して案件ID及び操作情報を管理装置1へ送信する(ステップS140)。
【0026】
管理装置1の通信部13は、通信網9を介して案件ID及び操作情報を受信すると、確認状況更新部14へ出力する。確認状況更新部14は、操作情報が確認操作を示していると判断した場合、案件IDにより案件DB11に記憶されている案件情報を特定し、特定した案件情報内の確認状況情報を「承認済み」に書き換える(ステップS150)。
【0027】
なお、上記において確認行為制御部35は、表示部33に関連文書データが表示されているときに、承認者によって入力部34に予め決められた確認操作が行なわれたことを検出しているが、「承認済み」のステータスに対応した操作だけでなく、他のステータスに対応した操作を検出してもよい。例えば、ステップS130において、確認行為制御部35は、表示部33に関連文書データが表示されているときに、予め決められた保留操作が承認者によって入力部34に行われたこを検出する。保留操作とは、保留のステータスに対応した操作であり、保留とは、閲覧によって関連文書を確認したが承認しない、差し戻し等のことである。例えば、承認者は、関連文書が表示されている端末装置3の画面上に、保留ステータスに対応して予め決められた所定のパターンを指やタッチペンで描く。
この場合、ステップS140において、確認行為制御部35は、案件IDと、保留操作が行われたことを示す操作情報を通信部31に出力し、管理装置1へ送信するよう指示する。ステップS150において、管理装置1の確認状況更新部14は、操作情報が保留操作を示していると判断した場合、案件IDに対応して案件DB11に記憶されている確認状況情報を「保留」に書き換える。
これにより、様々な承認ステータスを管理装置1が備える案件DB11に反映させることができる。
【0028】
従来の承認システムの場合、承認者による承認作業は、下記のような手順となる。
(1)承認者は、端末装置を用いて関連文書データを電子メール等により入手し、内容を確認する。
(2)端末装置の通信アプリを起動し、管理装置にアクセスする。
(3)承認者は、端末装置を用いて、管理装置が提供する承認作業メニューをたどる。
(4)承認者は、端末装置に承認結果を入力して管理装置へ送信する。
【0029】
一方、本実施形態の場合、承認者による承認作業は、下記のような手順になる。
(1)承認者は、端末装置3を用いて関連文書データを電子メール等により入手し、内容を確認する。
(2)承認者は、端末装置3に確認操作を行なう。
【0030】
例えば、承認者は、関連文書を全画面表示などで端末装置3のタッチパネルに表示させて閲覧し、この閲覧している画面において、タッチパネルに所定の操作を行うことにより、管理装置で管理している承認ステータスを変更する。
つまり、端末装置3の関連文書表示制御部32が、管理装置1から案件の関連文書データを受信して表示部33に表示させる。そして、関連文書表示制御部32が関連文書データの画面を表示させているときに、確認行為制御部35が、表示部33に表示されている画面においてユーザ(承認者)による所定の操作が行われたことを検出した場合、その操作が行われた旨を管理装置1へ通知する。管理装置1の確認状況更新部14は、案件DB11に記憶されている案件の確認状況情報を、操作に対応した確認状況情報に更新する。
これにより、承認者が簡単に承認行為を行なうことが可能になる。従って、承認者が外出先でスマートフォンなどの携帯端末を使って承認を行なう際、表示や操作が分かりにくく、結局は活用しきれないという従来の課題を解決することができる。
【0031】
本実施形態によれば、関連文書の確認作業と承認作業の間の手間がないため、承認者は簡易な手順によって承認のための確認行為を行なうのみで、その確認行為の結果を承認システムに反映させることができる。
【0032】
[第2の実施形態]
本実施形態では、端末において行われた確認操作によって承認者を認証する。以下、第1の実施形態との差分を中心に説明する。
【0033】
図3は、本発明の第2の実施形態による承認システムの構成を示すブロック図であり、本実施形態に関係する機能ブロックのみ抽出して示してある。この図において、図1に示す第1の実施形態と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。同図に示すように、本実施形態の承認システムは、通信網9を介して接続される管理装置1a及び端末装置3aを備えて構成される。
【0034】
管理装置1aが、図1に示す第1の実施形態の管理装置1と異なる点は、案件DB11に代えて案件DB11aを備える点、確認状況更新部14に代えて確認状況更新部14aを備える点である。
案件DB11aは、案件情報に加え、承認者別確認操作情報を記憶する。承認者別確認操作情報は、承認者IDと確認操作情報とを対応付けた情報である。承認者IDは、承認者を一意に特定する識別情報である。確認操作情報は、承認者個別の確認操作を示す。確認状況更新部14aは、端末装置3aに入力された確認操作を示す確認操作情報を受信し、受信した確認操作情報と案件DB11aに記憶されている確認操作情報とを照合して承認者を認証する。確認状況更新部14aは、認証が成功した場合、案件DB11aに記憶されている案件情報内の確認状況情報を更新する。
【0035】
端末装置3aが、図1に示す第1の実施形態の端末装置3と異なる点は、確認行為制御部35に代えて確認行為制御部35aを備える点である。
確認行為制御部35aは、関連文書の表示中に、ユーザによって入力部34に予め決められた確認操作が行なわれたことを検出し、案件IDとともにその確認操作を示す確認操作情報を管理装置1aに通知する。
【0036】
図4は、図3に示す承認システムの処理フローを示す図である。
ステップS210における管理装置1aの処理、及びステップS220における端末装置3aの処理は、図2に示す第1の実施形態のステップS110における管理装置1の処理、及びびステップS120における端末装置3の処理と同じである。
【0037】
承認者は、端末装置3aの表示部33に表示されている関連文書データを閲覧し、承認を行う場合は、自身について予め決められた確認操作を入力部34により行なう。確認行為制御部35aは、表示部33に関連文書データが表示されているときに、承認者によって入力部34に確認操作が行なわれたことを検出すると(ステップS230)、案件IDと、承認者により行われた確認操作を示す確認操作情報を通信部31に出力し、管理装置1aへ送信するよう指示する。例えば、確認操作情報は、承認者が端末装置3aのタッチパネルに描いたパターンを示す。通信部31は、通信網9を介して案件ID及び確認操作情報を管理装置1aへ送信する(ステップS240)。
【0038】
管理装置1aの通信部13は、通信網9を介して案件ID及び確認操作情報を受信すると、確認状況更新部14aへ出力する。確認状況更新部14aは、案件ID及び関連文書データの送信先である承認者のIDに対応した確認操作情報を、案件DB11aに記憶されている承認者別確認操作情報から読み出す。確認状況更新部14aは、端末装置3aから受信した確認操作情報と、案件DB11aから読み出した確認操作情報とが一致するかにより承認者を認証する(ステップS250)。例えば、端末装置3aから受信した確認操作情報がタッチパネルに描かれたパターンを示す場合、確認状況更新部14aは、案件DB11aから読み出した確認操作情報が示すパターンと一致するかを判断し、認証を行う。
【0039】
認証が成功した場合(ステップS260:YES)、確認状況更新部14aは、案件IDにより案件DB11aに記憶されている案件情報を特定し、特定した案件情報内の確認状況情報を「承認済み」に書き換える(ステップS270)。一方、認証が失敗した場合(ステップS260:NO)、管理装置1aは、所定のエラー処理を行う(ステップS280)。
【0040】
上記実施形態によれば、承認者は簡易な手順で承認を行なうことができことに加え、承認者の認証を行ってから案件のステータスを更新することができる。
【0041】
[第3の実施形態]
本実施形態では、確認依頼者が確認操作を指定する。以下、第1の実施形態との差分を中心に説明する。
【0042】
図5は、本発明の第3の実施形態による承認システムの構成を示すブロック図であり、本実施形態に関係する機能ブロックのみ抽出して示してある。この図において、図1に示す第1の実施形態と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。同図に示すように、本実施形態の承認システムは、通信網9を介して接続される管理装置1b及び端末装置3bを備えて構成される。
【0043】
管理装置1bが、図1に示す第1の実施形態の管理装置1と異なる点は、案件DB11に代えて案件DB11bを備える点、案件情報送信部12に代えて案件情報送信部12bを備える点である。
案件DB11bは、案件情報に加え、案件別確認操作情報を記憶する。案件別確認操作情報は、案件IDと確認操作情報とを対応づけた情報である。確認操作情報は、承認者が行なう確認操作である。案件別確認操作情報は、例えば、各案件の確認要求者が確認操作を決定して案件DB11bに登録する。案件情報送信部12bは、案件ID及び関連文書データと、この案件IDに対応した確認操作情報を案件DB11bから読み出して端末装置3bに送信する。
【0044】
端末装置3bが、図1に示す第1の実施形態の端末装置3と異なる点は、関連文書表示制御部32に代えて関連文書表示制御部32bを備える点、及び確認行為制御部35に代えて確認行為制御部35bを備える点である。
関連文書表示制御部32bは、関連文書データを表示部33に表示させるとともに、関連文書データの表示中に、確認操作のガイドを表示部33に表示させる。確認行為制御部35bは、承認者が関連文書を閲覧している間に、管理装置1bから受信した確認操作情報で示される確認操作が承認者によって入力部34に行なわれたことを検出し、案件IDとともにその確認行為を管理装置1bに通知する。
【0045】
図6は、図5に示す承認システムの処理フローを示す図である。
管理装置1bの案件情報送信部12bは、案件DB11bに記憶されている案件情報から、承認者による承認が必要な案件の案件IDと、この案件IDに対応した関連文書データを読み出す。さらに案件情報送信部12bは、案件DB11bに記憶されている案件別確認操作情報から、この案件IDに対応した確認操作情報を読み出す。案件情報送信部12bは、読み出した案件ID、関連文書データ及び確認操作情報を通信部13に出力し、承認者の端末装置3bに送信するよう指示する。通信部13は、通信網9を介して案件ID、関連文書データ及び確認操作情報を端末装置3bに送信する(ステップS310)。
【0046】
端末装置3bの通信部31は、通信網9を介して案件ID、関連文書データ及び確認操作情報を受信する。関連文書表示制御部32bは、通信部31が受信した関連文書データを表示部33に全画面表示させる(ステップS320)。関連文書表示制御部32bは、関連文書データを表示部33に表示させているどこかのタイミングで、確認操作情報により示される確認操作のガイドを表示部33に表示させる(ステップS330)。ガイドの表示タイミングは、例えば、関連文書データの所定部分を全て表示させた場合、関連文書データを所定の割合まであるいは最後まで表示させた場合、表示開始から所定時間が過ぎた場合などとすることができるが、これに限定されず、任意に決めることができる。承認者は、端末装置3bの表示部33に表示されている関連文書データを閲覧し、承認を行う場合は、表示部33に表示されているガイドで示されるとおりの確認操作を入力部34により行なう(ステップS340)。
【0047】
例えば、端末装置3bがタッチパネルを備える場合、関連文書表示制御部32bは、関連文書データの表示に重ねて、確認操作情報により示される図形や文字等のなぞりパターンをタッチパネルに表示させる。承認者は、タッチパネルに表示されているなぞりパターンを指やタッチペンでなぞる。
【0048】
確認行為制御部35bは、確認操作情報により示される確認操作が承認者によって入力部34に行なわれたことを検出すると、案件IDと、確認操作を示す操作情報を通信部31に出力し、管理装置1bへ送信するよう指示する。通信部31は、通信網9を介して案件ID及び操作情報を管理装置1bへ送信する(ステップS350)。
【0049】
ステップS360における管理装置1bの処理は、図2に示す第1の実施形態のステップS150における管理装置1の処理と同じである。
【0050】
図7は、図6のステップS330における端末装置3bの画面表示例を示す図である。同図に示すように、タッチパネルには、関連文書データの画面表示に重ねて、確認操作情報で示されるなぞりパターンが表示されている。承認者は、タッチパネルに表示されているなぞりパターンを指やタッチペンでなぞる入力操作を行う。
【0051】
なお、上記においては、管理装置1bの案件情報送信部12bは、案件毎に確認要求者が決定した確認操作を示す確認操作情報を案件DB11bから読み出して送信しているが、端末装置3bに案件ID及び関連文書データを送信する度に確認操作情報を生成してもよい。例えば、案件情報送信部12bは、ランダムになぞりパターンなどの確認操作を発生させ、発生させた確認操作を示す確認操作情報を、案件ID及び関連文書データとともに端末装置3bに送信する。
あるいは、管理装置1bから確認操作情報を送信せず、端末装置3bの関連文書表示制御部32bが確認操作情報を生成してもよい。案件情報送信部12bは、管理装置1bから案件ID及び関連文書データを受信する度に、ランダムになぞりパターンなどの確認操作を発生させる。
【0052】
本実施形態によれば、承認者は簡易な手順で承認を行なうことができことに加え、案件毎に認証を行ってから案件のステータスを更新することができる。
【0053】
上述の管理装置1、1a、1b及び端末装置3、3a、3bは内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0054】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0055】
1、1a、1b…管理装置
11、11a、11b…案件データベース(案件DB)
12、12b…案件情報送信部
13…通信部
14、14a…確認状況更新部
3、3a、3b…端末
31…通信部
32、32b…関連文書表示制御部
33…表示部
34…入力部
35、35a、35b…確認行為制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面を表示する表示部と、
案件の確認状況情報を記憶する管理装置から前記案件の関連文書データを受信し、受信した関連文書データの画面を前記表示部に表示させる関連文書表示制御部と、
前記表示部に前記関連文書データの画面が表示されているときに、表示されている前記画面においてユーザによる所定の操作が行われたことを検出した場合、前記操作が行われた旨を前記管理装置へ通知して前記案件の確認状況情報を前記操作に対応した確認状況情報に更新させる確認行為制御部と、
を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項2】
管理装置と端末装置とを有する承認システムであって、
前記管理装置は、
案件の確認状況情報を記憶する記憶部と、
前記案件の関連文書データを前記端末装置へ送信する案件情報送信部と、
前記端末装置から、ユーザにより前記端末装置において所定の操作が行われた旨の通知を受け、前記記憶部に記憶されている前記案件の確認状況情報を、前記操作に対応した確認状況情報に更新する確認状況更新部と、
を備え、
前記端末装置は、
画面を表示する表示部と、
前記管理装置から前記案件の関連文書データを受信し、受信した関連文書データの画面を前記表示部に表示させる関連文書表示制御部と、
前記表示部に前記関連文書データの画面が表示されているときに、表示されている前記画面においてユーザによる所定の操作が行われたことを検出した場合、前記操作が行われた旨を前記管理装置へ通知する確認行為制御部と、
を備える、
ことを特徴とする承認システム。
【請求項3】
前記確認状況情報が示す前記案件の確認状況は、承認または保留を含み、
前記確認行為制御部は、前記確認状況に対応した前記所定の操作が行われたことを検出した場合、前記操作が行われた旨を前記管理装置へ通知する、
ことを特徴とする請求項2に記載の承認システム。
【請求項4】
管理装置と端末装置とを有する承認システムに用いられる承認方法であって、
前記管理装置の案件情報送信部が、前記管理装置の記憶部に確認状況情報が記憶されている案件の関連文書データを前記端末装置へ送信する案件情報送信過程と、
前記端末装置の関連文書表示制御部が、前記管理装置から前記案件の関連文書データを受信し、受信した関連文書データの画面を前記端末装置の表示部に表示させる関連文書表示過程と、
前記端末装置の確認行為制御部が、前記表示部に前記関連文書データの画面が表示されているときに、表示されている前記画面においてユーザによる所定の操作が行われたことを検出した場合、前記操作が行われた旨を前記管理装置へ通知する確認行為通知過程と、
前記管理装置の案件情報送信部が、前記端末装置から、ユーザにより前記端末装置において所定の操作が行われた旨の通知を受け、前記記憶部に記憶されている前記案件の確認状況情報を、前記操作に対応した確認状況情報に更新する確認状況更新過程と、
を有することを特徴とする承認方法。
【請求項5】
画面を表示する表示部を備える端末装置に用いられるコンピュータを、
案件の確認状況情報を記憶する管理装置から前記案件の関連文書データを受信し、受信した関連文書データの画面を前記表示部に表示させる関連文書表示制御部、
前記表示部に前記関連文書データの画面が表示されているときに、表示されている前記画面においてユーザによる所定の操作が行われたことを検出した場合、前記操作が行われた旨を前記管理装置へ通知して前記案件の確認状況情報を前記操作に対応した確認状況情報に更新させる確認行為制御部、
として動作させることを特徴とするプログラム。
【請求項6】
画面を表示する表示部を備える端末装置に用いられるコンピュータを、
案件の確認状況情報を記憶する管理装置から前記案件の関連文書データを受信し、受信した関連文書データの画面を前記表示部に表示させる関連文書表示制御部、
前記表示部に前記関連文書データの画面が表示されているときに、表示されている前記画面においてユーザによる所定の操作が行われたことを検出した場合、前記操作が行われた旨を前記管理装置へ通知して前記案件の確認状況情報を前記操作に対応した確認状況情報に更新させる確認行為制御部、
として動作させることを特徴とするプログラムを記録した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−61915(P2013−61915A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201581(P2011−201581)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)