端末装置、画像処理方法、及びプログラム
【課題】画像データに対する計測記録データを容易に作成することができる端末装置、画像処理方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】記憶部140は、画像データ内の第1座標範囲と、第1座標範囲に関する第1計測値データと、が関連付けられた第1画像データを保持する。制御部150は、第2画像データ内の第2座標範囲をユーザの指定に応じて取得する。解析部160は、第1座標範囲の画像パターンと第2座標範囲の画像パターンを比較し、比較結果及び第1計測値データに基づいて、第2座標範囲に関する第2計測値データを算出する。
【解決手段】記憶部140は、画像データ内の第1座標範囲と、第1座標範囲に関する第1計測値データと、が関連付けられた第1画像データを保持する。制御部150は、第2画像データ内の第2座標範囲をユーザの指定に応じて取得する。解析部160は、第1座標範囲の画像パターンと第2座標範囲の画像パターンを比較し、比較結果及び第1計測値データに基づいて、第2座標範囲に関する第2計測値データを算出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は端末装置、画像処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話をはじめとする端末装置は、撮像機能(いわゆるカメラ機能、ビデオ機能)を備えることが一般的となってきている。ユーザは、撮像した画像データに対して、計測記録データを関連付けることができる。計測記録データとは、画像データ内の計測範囲(たとえば追跡対象の建築物が表示されている画像範囲)と、建築物や人物等の追跡対象物の実世界での大きさ(高さ、幅、奥行き)と、が対応付けられたデータである。
【0003】
端末装置において画像データに関連付ける計測記録データを生成する場合、端末装置のユーザは、その計測記録データに関する数値データを入力する必要があった。ユーザは、端末装置上のテンキー、タッチパネル等を操作して当該入力を行う。ユーザが画像データに対してこの入力処理を行うことにより、例えば他のユーザが、画像データ内の計測対象物の実世界での大きさを把握することができる。また、入力を行ったユーザが、一定時間経過後に画像データ内の計測対象物の実世界での大きさを把握することができる。
【0004】
なお、特許文献1には、元画像データに一連の画像処理を施して目標画像データを作成する画像処理装置に関する技術が開示されている。しかしながら、当該画像処理装置は、上記した計測記録データの処理に関する開示がない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−295143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、ユーザは、数値データを手入力することにより、計測記録データを作成していた。この入力処理の手順は、一般的には容易な操作である。しかしながら、端末装置のユーザが端末装置の操作に精通していない場合、当該ユーザは、この入力処理を行うことが困難な場合がある(すなわち、敷居が高いと感じる場合がある)。また、ユーザは、この入力処理を煩わしく感じることがある。さらにまた、ユーザは、誤操作等により、計測記録データを正確に入力できない恐れもある。
【0007】
本発明は、上記した問題に鑑みてなされたものであり、画像データに対する計測記録データを容易に作成することができる端末装置、画像処理方法、及びプログラムを提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかる端末装置の一態様は、
画像データ内の第1座標範囲と、前記第1座標範囲の実世界での大きさに関する第1計測値データと、が関連付けられた第1画像データを保持する端末装置であって、
第2画像データ内の第2座標範囲をユーザの指定に応じて取得する制御部と、
前記第1座標範囲の画像パターンと前記第2座標範囲の画像パターンを比較し、比較結果及び前記第1の実データに基づいて、前記第2座標範囲の実世界での大きさに関する第2計測値データを算出する解析部と、を備える、ものである。
【0009】
本発明にかかる画像処理方法の一態様は、
画像データ内の第1座標範囲と、前記第1座標範囲の実世界での大きさに関する第1計測値データと、が関連付けられた第1画像データを保持し、
第2画像データ内の第2座標範囲をユーザの指定に応じて取得し、
前記第1座標範囲の画像パターンと前記第2座標範囲の画像パターンを比較し、比較結果及び前記第1の実データに基づいて、前記第2座標範囲の実世界での大きさに関する第2計測値データを算出する、ものである。
【0010】
本発明にかかるプログラムの一態様は、
上記した画像処理方法をコンピュータに行わせるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、画像データに対する計測記録データを容易に作成することができる端末装置、画像処理方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施の形態1にかかる端末装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1にかかる画像データ記憶部141の構成を示す概念図である。
【図3】実施の形態1にかかる計測データ記憶部142の構成を示す概念図である。
【図4】実施の形態1にかかる計測範囲、計測値の例を示す概念図である。
【図5】実施の形態1にかかる解析部160の計測値の算出手法を示す概念図である。
【図6】実施の形態1にかかる解析部160の計測値の算出手法を示す概念図である。
【図7】実施の形態1にかかる端末装置10の計測記録データの作成手順を示すフローチャートである。
【図8】実施の形態1にかかる端末装置10の計測記録データの作成手順を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態1にかかる解析部160による解析処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】実施の形態1にかかる制御部150による保存処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】実施の形態1にかかる端末装置10の表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】実施の形態1にかかる表示部120に表示する表示画面の一例を示す概念図である。
【図13】実施の形態1にかかる端末装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施の形態1>
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態にかかる端末装置の構成を示すブロック図である。ここで、端末装置10は、例えば携帯電話、タブレット型コンピュータ等が該当する。
【0014】
端末装置10は、画像インデックス付与部110と、操作キー120と、表示部130と、記憶部140と、制御部150と、解析部160と、を有する構成である。
【0015】
画像インデックス付与部110は、撮像部(図示せず)が撮影した画像データに画像インデックスを付与する処理部である。ここで、画像インデックスとは、画像データの識別番号である。画像インデックス付与部110は、画像インデックスを付与した画像データを制御部160に供給する。
【0016】
操作キー120は、端末装置10に備えられた物理的な入力装置であり、例えば携帯電話のテンキー、十字キー等が該当する。ユーザは、操作キー120を押下することにより、端末装置10に対する任意の入力を行う。たとえば、ユーザは、操作キー120の操作を介して、ある画像データに対する計測範囲、計測値等のデータを入力する。計測範囲、計測値等のデータの詳細は、後述する。
【0017】
表示部130は、ユーザに対する表示画面、入力画面等を提供する。表示部130は、例えば端末装置10上に設けられた液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)画面である。
【0018】
記憶部140は、画像データをはじめとする各種データを保持する記憶部である。記憶部140は、不揮発性のデータストレージであり、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ等が該当する。記憶部140は、画像データ記憶部141と、計測データ記憶部142と、を有する。なお、記憶部140は、USB(Universal Serial Bus)等のコネクタを介して着脱可能な構成であっても良い。
【0019】
画像データ記憶部141は、画像データと、画像インデックスを関連付けて記憶する。図2は、画像データ記憶部141の構成を示す概念図である。図示するように、各画像データは、画像インデックスと1対1の対応で関連付けられている。
【0020】
計測データ記憶部142は、計測記録データを記憶する。図3は、計測データ記憶部142の構成を示す概念図である。図示するように、計測記録データは、計測記録インデックス、計測記録データ名、計測範囲、計測値、及び画像インデックスを含む。
【0021】
計測記録インデックスは、当該計測記録データを識別するための情報である。計測記録データ名とは、当該計測記録データに付与する名称である。この計測記録データ名により、ユーザは、どのような計測記録データであるかを識別することができる。計測範囲とは、画像データ内における計測対象物の座標範囲を示す情報である。計測値とは、計測範囲内にある計測対象物の実世界での大きさを示す値である。画像インデックスは、対応付けられた画像データを識別するための情報である。
【0022】
図4は、計測範囲、計測値の例を示す概念図である。画像データは、640×480ドットの画像である。当該画像データには、タワー型の建造物が撮像(描写)されている。ここで、ユーザは、当該建造物に関する計測記録データを保存したいものとする。この場合、ユーザは、表示画面上に示された画像データを操作キー120を用いて指定することにより、図中の点線部分の計測範囲を指定する。計測範囲は、画像データ内での座標情報((420,240),(520,400))となる。また、計測値は、当該建築物の実世界での高さ(180m)に該当する。計測値は、ユーザが操作キー120の操作により入力する場合もあり、解析部160により自動的に算出される場合もある。詳細は、後述する。
【0023】
再び図1を参照して各処理部の説明を行う。制御部150は、他の処理部の制御を行う処理部である。以下、その詳細を説明する。
【0024】
制御部150は、画像データ記憶部141に対するデータ書き込みを行う。また、制御部150は、画像データ記憶部141からのデータ読み出しを行う。同様に、制御部150は、計測記録データ記憶部142に対するデータ書き込みを行う。また、制御部150は、計測記録データ記憶部142からのデータ読み出しを行う。
【0025】
制御部150は、記憶部140から読み出したデータを表示部130を介してユーザに提示する。制御部150は、表示部130に入力画面(たとえば計測範囲の入力画面)を表示し、操作キー120からの入力を受信する。
【0026】
さらに、制御部150は、ユーザからの画像インデックス、及び計測範囲の入力を解析部160に通知し、計測値の自動算出を指示する。なお、制御部150の詳細な動作は、以降のフローチャートの説明(図7、図8)等を介して適宜説明する。
【0027】
解析部160は、既に(計測値を含む)計測記録データと関連付けられた画像データと、これから計測値を算出する画像データの画像インデックス及び計測範囲と、に基づいて計測値を算出する処理部である。
【0028】
なお、以降の説明では、既に(計測値を含む)計測記録データと関連付けられた画像データを"比較元画像データ(第1画像データ)"と呼称し、解析部160が算出する計測値と関連付けられる画像データを"比較対象画像データ(第2画像データ)"と呼称する。また、比較元画像データと比較対象画像データを総称して計測記録画像データと呼称する。
【0029】
図5を参照して、解析部160の計測値の算出例(第1例)を説明する。図5は、タワー型の同一建築物を違う地点から撮像した2つの画像を示す図である。解析部160には、比較元画像データの計測範囲((400,240)〜(520,400))、画像データサイズ(640x480)、計測値(高さ="180m")が入力される(図5(A))。また、解析部160には、比較対象画像データの計測範囲((40,80)〜(220〜320))、画像データサイズ(640x480)が入力される(図5(B))。
【0030】
解析部160は、比較元画像データの計測範囲内の画像パターンと、比較対象画像データの計測範囲内の画像パターンと、を比較する。例えば、解析部160は、図5(C)に示すように、計測範囲の縮尺を調整し、その上で画像比較を行う。ここで、画像比較には、例えばドットパターンの比較や、輪郭を検出し、輪郭同士の類似性の比較等の一般的に用いられる画像比較手法を用いれば良い。画像比較において、例えばドットパターンが一定閾値以上一致する場合、輪郭が所定割合以上一致する場合等に両者が類似関係にあると判定すればよい。すなわち、解析部160は、一定の閾値(指標値)を基に、既知の手法により両画像パターンの類否を判断すればよい。
【0031】
図5では、解析部160は、計測範囲内の画像パターンが(ほぼ)完全一致した(類似関係にある)と判定する。そのため、解析部160は、比較対象画像データ内のタワー型建築物の高さ(計測値)も180mであると解析する。解析部160は、解析結果(比較対象画像データの計測値="180m")を制御部150に通知する。
【0032】
次に、図6を参照して、解析部160の計測値の算出例(第2例)を説明する。図6は、タワー型の建築物を同一地点から撮像した2つの画像を示す図である。ここで、図6(A)は、比較元画像データであり、建築途中の状態のタワー型建築物を撮像した画像である。図6(B)は、比較対象画像データであり、建築が完了した状態のタワー型建築物を撮像した画像である。
【0033】
解析部160には、比較元画像データの計測範囲((400,240)〜(520,400))、画像データサイズ(640x480)、計測値(高さ="180m")が入力される(図6(A))。また、解析部160には、比較対象画像データの計測範囲((400,160)〜(520〜400))、画像データサイズ(640x480)が入力される(図6(B))。
【0034】
解析部160は、比較元画像データの計測範囲内の画像パターンと、比較対象画像データの計測範囲内の画像パターンと、を比較する。図6(C)は、比較のイメージを示す概念図である。解析部160は、両計測範囲同士が完全一致しないものの、輪郭が一致する範囲があると判定する(図6(C))。そこで、解析部160は、比較元画像データの計測値("180m")を基に、比較対象画像データの計測値を推定する。まず解析部160は、比較対象画像データの計測範囲の縦方向の画素数(座標幅)は、比較元画像データの縦方向の画素数(座標幅)の1.5倍であり、横方向の画素数(座標幅)は一致することを算出する。この算出値に応じて、解析部160は、比較元画像データの計測値(高さ="180m")に"1.5"を乗算した270mを比較対象画像データの計測値(高さ="270m"、図6(B)の撮像時点でのタワー型建築物の高さ)と解析する。解析部160は、解析結果(比較対象画像データの計測値="270m")を制御部150に通知する。
【0035】
なお、上述の例(図6)では、比較元画像データの計測範囲と、比較対象画像データの計測範囲の一部範囲と、が一致する例について説明したが、必ずしもこれに限られない。比較元画像データの計測範囲の一部範囲と、比較対象画像データの計測範囲と、が一致する場合も同様の手法により比較対象画像データの計測値を算出できる。
【0036】
次に、図7及び図8を参照して、計測記録データの作成処理の流れを説明する。図7及び図8は、計測記録データの作成処理の流れを示すフローチャートである。はじめに、制御部150は、画像インデックス付与部110から、画像データ及び画像インデックスを取得し、画像データ記憶部141に当該画像データと画像インデックスを保存する(S1)。
【0037】
制御部150は、保存した画像データを計測記録画像データ(計測値を付与する画像データ)とするか否かを入力させる入力画面を表示部130に表示する(S2)。
【0038】
ユーザは、操作キー120を操作し、計測記録画像データ(計測値を付与する画像データ)とするか否かを入力する(S3)。計測記録画像データ(計測値を付与する画像データ)としない場合(S3:No)、端末装置10は、一連の処理を終了する。
【0039】
計測記録画像データ(計測値を付与する画像データ)とする場合(S3:Yes)、ユーザは、表示部130上の入力画面を操作キー120により操作し、計測記録画像データ(計測値を付与する画像データ)と関連付ける計測記録インデックスを指定する(S4)。なお、図3に示したように、各計測記録インデックスに対して、複数の画像インデックスを関連付けることができる。制御部150は、指定された計測記録インデックスを取得する(S5)。
【0040】
ユーザは、S1にて保存した画像データの計測範囲を指定する(S6)。例えば、ユーザは、画像データを表示部130に表示し、操作キー120を操作することにより計測範囲を指定する。制御部150は、ユーザが入力した計測範囲を取得する(S7)。
【0041】
制御部150は、S5にて取得した計測記録インデックスと同じ値を持つ計測記録データが計測データ記憶部142内に存在するか否かを判定する(S8)。同じ値を持つ計測記録データが存在する場合(S8:Yes)、制御部150は、比較元画像データが存在するものとする。同じ値を持つ計測記録データが存在しない場合(S8:No)、制御部150は、比較元画像データが存在せず、S1にて指定された画像データに対してユーザが直接計測値を設定すると判定する。
【0042】
S5にて取得した計測記録インデックスと同じ値を持つ計測記録データが存在する場合(S8:Yes)、制御部150は、当該計測記録インデックスにより識別される計測範囲、計測値、画像データインデックスの組を全て抽出する(S9)。制御部150は、S4にて取得した計測記録インデックスを持つ計測記録データに、S1にて取得した画像インデックスを保存する(S10)。
【0043】
制御部150は、S9にて取得したデータの組(計測範囲、計測値、画像データインデックス)内の画像インデックスに対応する画像データ(すなわち比較元画像データ)を画像データ記憶部141から取得する。制御部150は、取得した画像データ(比較元画像データ)、S9にて取得したデータの組(計測範囲、計測値、画像データインデックス)、S1にて取得した画像データ(比較対象画像データ)及び画像インデックス(比較対象画像データのインデックス)、S6にて取得した計測範囲(比較対象画像データの計測範囲)、を解析部160に供給する。
【0044】
解析部160は、供給された情報を基に、比較対象画像データの計測値を算出する(S11)。S11の処理の詳細は、図9を参照して改めて説明する。解析部160は、算出した比較対象画像データの計測値を制御部150に供給する。その後、制御部150は、図10を参照して後述する記録処理を行う(S15)。
【0045】
一方、S5にて取得した計測記録インデックスと同じ値を持つ計測記録データが存在しない場合(S8:No)、制御部150は、表示部130を介してユーザに計測記録データ名の入力を促す。ユーザは、操作キー120の操作により、計測記録データ名を入力する。制御部150は、S5にて取得した計測記録インデックスと、入力された計測記録データ名と、を関連付けた計測記録データを計測データ記憶部142に保存する(S12)。
【0046】
制御部150は、S12にて新たに保存した計測記録データに、S1にて取得した画像インデックスを保存する(S13)。そして、制御部150は、ユーザに対して計測値の入力を促す。ユーザは、S6にて指定した計測範囲に対応する計測値を操作キー120の操作を介して入力する(S14)。そして、制御部150は、前述のS15の処理を行う。
【0047】
次に、図9を参照して、解析部160による解析処理(上述のS11)の処理を説明する。解析部160は、比較対象画像データの計測範囲と、比較元画像データの計測範囲と、が類似関係にあるか否かを判定する(S21)。ここで、類似関係とは、図5に示すように縮尺を変えると略一致する場合や、図6に示すように計測範囲の一部範囲が略一致する場合を含む。解析部160は、S9にて取得した全てのデータの組を比較元画像データの情報として、比較処理を行う。
【0048】
類似関係にない場合(S21:No)、解析部160は、制御部150を介して「計測範囲が一致しない(類似しない)」というメッセージを表示部130に表示する。
【0049】
類似関係にある場合(S21:Yes)、解析部160は、比較対象画像データの計測範囲と、比較元画像データの計測範囲と、の比率(画像幅の比率)を算出する(S22)。解析部160は、算出した比率と、比較元画像データの計測値と、を基に比較対象画像データの計測値を算出する(S23)。
【0050】
次に、図10のフローチャートを参照し、制御部150による比較対象画像データの計測範囲、及び計測値の保存処理(S15)の詳細を説明する。はじめに制御部150は、S10にて保存した画像インデックスに対応するデータ行に、S7にて取得した計測範囲を保存する(S31)。続いて、制御部150は、S10にて保存した画像インデックスに対応するデータ行(S31にて操作したデータ行と同一データ行)に、S11またはS14にて取得した計測値を保存する(S32)。
【0051】
続いて、図11を参照して、画像データと、計測記録データを合わせて表示する際の処理について説明する。図11は、画像データと、計測記録データが関連付けられた表示画面を生成する処理の流れを示すフローチャートである。
【0052】
ユーザは、操作キー120の操作により、計測記録インデックスを入力する。制御部150は、入力された計測記録インデックスをキーとして、計測データ記憶部142から計測記録データ(計測記録インデックス、計測記録データ名、計測範囲、計測値、及び画像インデックス)を取得する(S41)。
【0053】
制御部150は、取得した計測記録データ内に含まれる画像インデックスをキーとして、画像データを画像データ記憶部141から取得する(S42)。制御部150は、当該画像インデックスと対応する計測値を取得する(S43)。同様に、制御部150は、当該画像インデックスと対応する計測範囲を取得する(S44)。制御部150は、取得した画像データ、計測範囲、計測値を基に、画像データ毎に表示画面を生成する。ここで、表示画面は、画像データ上に計測値と計測範囲が重畳された画面であり、例えば図4に示す画面である。表示部130は、制御部150が生成した表示画面を表示する(S45)。
【0054】
なお、計測データ記憶部142は、図3の構成に加えて、各計測値の計測日時を保持しても良い。すなわち、計測データ記憶部142は、計測値がユーザにより入力された日時、または解析部160が計測値を算出した日時を計測値と関連付けて保持しても良い。そして、制御部150は、表示画面上に計測値及び当該計測日時を表示しても良い。図12に当該表示画面の一例を示す。図12に示すように、各計測値が計測範囲と関連付けられている。これにより、計測対象物(図12ではタワー型建築物)の計測値(高さ)の遷移を時間経過と合わせて把握することができる。
【0055】
続いて本実施の形態にかかる端末装置の効果について説明する。上述したように解析部160は、比較元画像データ(第1画像データ)の計測範囲と計測値を基に、比較対象画像データ(第2画像データ)の計測値を算出している。これにより、ユーザが計測範囲を指定するだけで比較対象画像データの計測値を自動的に得ることができる。計測値の自動算出により、ユーザの入力処理が軽減され、画像データと計測記録データの管理を容易に行うことができる。
【0056】
さらに、画像データと計測記録データは、図2及び図3に示すように関連付けられて保存される。これにより、ユーザは、図4に示すような表示画面、すなわち画像データに計測範囲及び計測値が重畳された表示画面を参照することができる。これにより、ユーザは、視覚的に計測値の情報を認識することが可能となる。
【0057】
さらにまた、図5、図6を参照して説明したように、計測対象物の縮尺が異なる場合や、計測対象物が変化した場合であっても、解析部160は、比較対象画像データ(第2画像データ)の計測値を算出することができる。これにより、ユーザの入力の手間を省き、計測対象物の変化に追従しつつ、比較対象画像データ(第2画像データ)の計測値を算出することができる。
【0058】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0059】
なお、端末装置10内の制御部150、解析部160の処理は、任意のコンピュータ内で動作するプログラムとして実現することが可能である。プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。例えば、プログラムは、記憶部140内に格納される。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0060】
ここで、改めて、本発明の概要を、図13を参照して説明する。図13は、本発明の端末装置10にかかるブロック図である。図13には、本発明の特徴的な構成要素のみを記載している。端末装置10は、記憶部140と、制御部150と、解析部160と、を備える。
【0061】
記憶部140は、比較元画像データ(第1画像データ)と、比較元画像データの計測範囲(第1座標範囲)及び当該計測範囲に関する計測値(第1計測値データ)を保持する。なお、記憶部140は、前述のように必ずしも端末装置10内に備えられる必要はなく、USB等により接続可能な構成であってもよい。
【0062】
制御部150は、任意の入力手段により入力された比較対象画像データ(第2画像データ)の計測範囲(第2画像データ)を取得する。
【0063】
解析部160は、比較元画像データの計測範囲の画像パターンと、比較対象画像データの計測範囲の画像パターンと、を比較する。解析部160は、解析結果と、比較元画像データの計測値と、を基に比較対象画像データの計測範囲の計測値(第2計測値データ)を算出する。
【0064】
当該構成であっても、端末装置10は、比較対象画像データの計測値を自動的に算出することができる。これにより、ユーザの入力の手間が省け、簡易な構成で計測値を得ることができる。
【0065】
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0066】
(付記1)
画像データ内の第1座標範囲と、前記第1座標範囲の実世界での大きさに関する第1計測値データと、が関連付けられた第1画像データを保持する端末装置であって、
第2画像データ内の第2座標範囲をユーザの指定に応じて取得する制御部と、
前記第1座標範囲の画像パターンと前記第2座標範囲の画像パターンを比較し、比較結果及び前記第1計測値データに基づいて、前記第2座標範囲の実世界での大きさに関する第2計測値データを算出する解析部と、を備える端末装置。
【0067】
(付記2)
前記解析部は、縮尺を変更することにより前記第1座標範囲の画像パターンと前記第2座標範囲の画像パターンが所定基準を満たす類似関係にあると判断される場合、前記第2計測値データを前記第1計測値データと等しい値とすることを特徴とする付記1に記載の端末装置。
【0068】
(付記3)
前記解析部は、前記第1座標範囲の画像パターンと前記第2座標範囲の画像パターンの一部範囲、または前記第2座標範囲の画像パターンと前記第1座標範囲の画像パターンの一部範囲において所定基準を満たす類似関係にある場合、前記第1及び第2座標範囲の座標幅の比率と、前記第1計測値データと、に基づいて前記第2計測値データを算出することを特徴とする付記1に記載の端末装置。
【0069】
(付記4)
前記第1計測値データ、及び前記第2計測値データは、実世界での高さまたは幅を示すデータであることを特徴とする付記1乃至付記3のいずれか1項に記載の端末装置。
【0070】
(付記5)
前記第1画像データ、及び前記第2画像データを画像データの識別子である画像インデックスとそれぞれ関連付けて記憶する画像データ記憶部と、
前記第1座標範囲、前記第1計測値データ、及び前記第1画像データに対応する前記画像インデックスを関連付けて記憶し、前記第2座標範囲、前記第2計測値データ、及び前記第2画像データに対応する前記画像インデックスを関連付けて記憶する計測データ記憶部と、を更に備えることを特徴とする付記1乃至付記4のいずれか1項に記載の端末装置。
【0071】
(付記6)
前記制御部は、前記画像インデックスをキーとして、前記画像データ記憶部及び前記計測データ記憶部を検索し、前記画像データ記憶部の検索により取得した画像データに対し、前記計測データ記憶部の検索により取得した座標範囲及び計測値の情報を重畳した表示画面を生成することを特徴とする付記5に記載の端末装置。
【0072】
(付記7)
前記制御部は、前記計測データ記憶部の検索により取得した前記計測値の情報と計測日時の情報を関連付けて表示する前記表示画面を生成することを特徴とする付記6に記載の端末装置。
【0073】
(付記8)
画像データ内の第1座標範囲と、前記第1座標範囲の実世界での大きさに関する第1計測値データと、が関連付けられた第1画像データを保持し、
第2画像データ内の第2座標範囲をユーザの指定に応じて取得し、
前記第1座標範囲の画像パターンと前記第2座標範囲の画像パターンを比較し、比較結果及び前記第1計測値データに基づいて、前記第2座標範囲の実世界での大きさに関する第2計測値データを算出する、画像処理方法。
【0074】
(付記9)
縮尺を変更することにより前記第1座標範囲の画像パターンと前記第2座標範囲の画像パターンが所定基準を満たす類似関係にあると判断される場合、前記第2計測値データを前記第1計測値データと等しい値とすることを特徴とする付記8に記載の画像処理方法。
【0075】
(付記10)
前記第1座標範囲の画像パターンと前記第2座標範囲の画像パターンの一部範囲、または前記第2座標範囲の画像パターンと前記第1座標範囲の画像パターンの一部範囲において所定基準を満たす類似関係にある場合、前記第1及び第2座標範囲の座標幅の比率と、前記第1計測値データと、に基づいて前記第2計測値データを算出することを特徴とする付記8に記載の画像処理方法。
【0076】
(付記11)
前記第1計測値データ、及び前記第2計測値データは、実世界での高さまたは幅を示すデータであることを特徴とする付記8乃至付記10のいずれか1項に記載の画像処理方法。
【0077】
(付記12)
前記第1画像データに、前記第1座標範囲及び前記第1計測値データの情報を重畳した表示画面、または前記第2画像データに、前記第2座標範囲及び前記第2計測値データの情報を重畳した表示画面、を生成することを特徴とする付記8乃至付記11のいずれか1項に記載の画像処理方法。
【0078】
(付記13)
付記8乃至付記12に記載の画像処理方法をコンピュータに行わせるためのプログラム。
【符号の説明】
【0079】
10 端末装置
110 画像インデックス付与部
120 操作キー
130 表示部
140 記憶部
141 画像データ記憶部
142 計測データ記憶部
150 制御部
160 解析部
【技術分野】
【0001】
本発明は端末装置、画像処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話をはじめとする端末装置は、撮像機能(いわゆるカメラ機能、ビデオ機能)を備えることが一般的となってきている。ユーザは、撮像した画像データに対して、計測記録データを関連付けることができる。計測記録データとは、画像データ内の計測範囲(たとえば追跡対象の建築物が表示されている画像範囲)と、建築物や人物等の追跡対象物の実世界での大きさ(高さ、幅、奥行き)と、が対応付けられたデータである。
【0003】
端末装置において画像データに関連付ける計測記録データを生成する場合、端末装置のユーザは、その計測記録データに関する数値データを入力する必要があった。ユーザは、端末装置上のテンキー、タッチパネル等を操作して当該入力を行う。ユーザが画像データに対してこの入力処理を行うことにより、例えば他のユーザが、画像データ内の計測対象物の実世界での大きさを把握することができる。また、入力を行ったユーザが、一定時間経過後に画像データ内の計測対象物の実世界での大きさを把握することができる。
【0004】
なお、特許文献1には、元画像データに一連の画像処理を施して目標画像データを作成する画像処理装置に関する技術が開示されている。しかしながら、当該画像処理装置は、上記した計測記録データの処理に関する開示がない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−295143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、ユーザは、数値データを手入力することにより、計測記録データを作成していた。この入力処理の手順は、一般的には容易な操作である。しかしながら、端末装置のユーザが端末装置の操作に精通していない場合、当該ユーザは、この入力処理を行うことが困難な場合がある(すなわち、敷居が高いと感じる場合がある)。また、ユーザは、この入力処理を煩わしく感じることがある。さらにまた、ユーザは、誤操作等により、計測記録データを正確に入力できない恐れもある。
【0007】
本発明は、上記した問題に鑑みてなされたものであり、画像データに対する計測記録データを容易に作成することができる端末装置、画像処理方法、及びプログラムを提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかる端末装置の一態様は、
画像データ内の第1座標範囲と、前記第1座標範囲の実世界での大きさに関する第1計測値データと、が関連付けられた第1画像データを保持する端末装置であって、
第2画像データ内の第2座標範囲をユーザの指定に応じて取得する制御部と、
前記第1座標範囲の画像パターンと前記第2座標範囲の画像パターンを比較し、比較結果及び前記第1の実データに基づいて、前記第2座標範囲の実世界での大きさに関する第2計測値データを算出する解析部と、を備える、ものである。
【0009】
本発明にかかる画像処理方法の一態様は、
画像データ内の第1座標範囲と、前記第1座標範囲の実世界での大きさに関する第1計測値データと、が関連付けられた第1画像データを保持し、
第2画像データ内の第2座標範囲をユーザの指定に応じて取得し、
前記第1座標範囲の画像パターンと前記第2座標範囲の画像パターンを比較し、比較結果及び前記第1の実データに基づいて、前記第2座標範囲の実世界での大きさに関する第2計測値データを算出する、ものである。
【0010】
本発明にかかるプログラムの一態様は、
上記した画像処理方法をコンピュータに行わせるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、画像データに対する計測記録データを容易に作成することができる端末装置、画像処理方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施の形態1にかかる端末装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1にかかる画像データ記憶部141の構成を示す概念図である。
【図3】実施の形態1にかかる計測データ記憶部142の構成を示す概念図である。
【図4】実施の形態1にかかる計測範囲、計測値の例を示す概念図である。
【図5】実施の形態1にかかる解析部160の計測値の算出手法を示す概念図である。
【図6】実施の形態1にかかる解析部160の計測値の算出手法を示す概念図である。
【図7】実施の形態1にかかる端末装置10の計測記録データの作成手順を示すフローチャートである。
【図8】実施の形態1にかかる端末装置10の計測記録データの作成手順を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態1にかかる解析部160による解析処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】実施の形態1にかかる制御部150による保存処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】実施の形態1にかかる端末装置10の表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】実施の形態1にかかる表示部120に表示する表示画面の一例を示す概念図である。
【図13】実施の形態1にかかる端末装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施の形態1>
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態にかかる端末装置の構成を示すブロック図である。ここで、端末装置10は、例えば携帯電話、タブレット型コンピュータ等が該当する。
【0014】
端末装置10は、画像インデックス付与部110と、操作キー120と、表示部130と、記憶部140と、制御部150と、解析部160と、を有する構成である。
【0015】
画像インデックス付与部110は、撮像部(図示せず)が撮影した画像データに画像インデックスを付与する処理部である。ここで、画像インデックスとは、画像データの識別番号である。画像インデックス付与部110は、画像インデックスを付与した画像データを制御部160に供給する。
【0016】
操作キー120は、端末装置10に備えられた物理的な入力装置であり、例えば携帯電話のテンキー、十字キー等が該当する。ユーザは、操作キー120を押下することにより、端末装置10に対する任意の入力を行う。たとえば、ユーザは、操作キー120の操作を介して、ある画像データに対する計測範囲、計測値等のデータを入力する。計測範囲、計測値等のデータの詳細は、後述する。
【0017】
表示部130は、ユーザに対する表示画面、入力画面等を提供する。表示部130は、例えば端末装置10上に設けられた液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)画面である。
【0018】
記憶部140は、画像データをはじめとする各種データを保持する記憶部である。記憶部140は、不揮発性のデータストレージであり、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ等が該当する。記憶部140は、画像データ記憶部141と、計測データ記憶部142と、を有する。なお、記憶部140は、USB(Universal Serial Bus)等のコネクタを介して着脱可能な構成であっても良い。
【0019】
画像データ記憶部141は、画像データと、画像インデックスを関連付けて記憶する。図2は、画像データ記憶部141の構成を示す概念図である。図示するように、各画像データは、画像インデックスと1対1の対応で関連付けられている。
【0020】
計測データ記憶部142は、計測記録データを記憶する。図3は、計測データ記憶部142の構成を示す概念図である。図示するように、計測記録データは、計測記録インデックス、計測記録データ名、計測範囲、計測値、及び画像インデックスを含む。
【0021】
計測記録インデックスは、当該計測記録データを識別するための情報である。計測記録データ名とは、当該計測記録データに付与する名称である。この計測記録データ名により、ユーザは、どのような計測記録データであるかを識別することができる。計測範囲とは、画像データ内における計測対象物の座標範囲を示す情報である。計測値とは、計測範囲内にある計測対象物の実世界での大きさを示す値である。画像インデックスは、対応付けられた画像データを識別するための情報である。
【0022】
図4は、計測範囲、計測値の例を示す概念図である。画像データは、640×480ドットの画像である。当該画像データには、タワー型の建造物が撮像(描写)されている。ここで、ユーザは、当該建造物に関する計測記録データを保存したいものとする。この場合、ユーザは、表示画面上に示された画像データを操作キー120を用いて指定することにより、図中の点線部分の計測範囲を指定する。計測範囲は、画像データ内での座標情報((420,240),(520,400))となる。また、計測値は、当該建築物の実世界での高さ(180m)に該当する。計測値は、ユーザが操作キー120の操作により入力する場合もあり、解析部160により自動的に算出される場合もある。詳細は、後述する。
【0023】
再び図1を参照して各処理部の説明を行う。制御部150は、他の処理部の制御を行う処理部である。以下、その詳細を説明する。
【0024】
制御部150は、画像データ記憶部141に対するデータ書き込みを行う。また、制御部150は、画像データ記憶部141からのデータ読み出しを行う。同様に、制御部150は、計測記録データ記憶部142に対するデータ書き込みを行う。また、制御部150は、計測記録データ記憶部142からのデータ読み出しを行う。
【0025】
制御部150は、記憶部140から読み出したデータを表示部130を介してユーザに提示する。制御部150は、表示部130に入力画面(たとえば計測範囲の入力画面)を表示し、操作キー120からの入力を受信する。
【0026】
さらに、制御部150は、ユーザからの画像インデックス、及び計測範囲の入力を解析部160に通知し、計測値の自動算出を指示する。なお、制御部150の詳細な動作は、以降のフローチャートの説明(図7、図8)等を介して適宜説明する。
【0027】
解析部160は、既に(計測値を含む)計測記録データと関連付けられた画像データと、これから計測値を算出する画像データの画像インデックス及び計測範囲と、に基づいて計測値を算出する処理部である。
【0028】
なお、以降の説明では、既に(計測値を含む)計測記録データと関連付けられた画像データを"比較元画像データ(第1画像データ)"と呼称し、解析部160が算出する計測値と関連付けられる画像データを"比較対象画像データ(第2画像データ)"と呼称する。また、比較元画像データと比較対象画像データを総称して計測記録画像データと呼称する。
【0029】
図5を参照して、解析部160の計測値の算出例(第1例)を説明する。図5は、タワー型の同一建築物を違う地点から撮像した2つの画像を示す図である。解析部160には、比較元画像データの計測範囲((400,240)〜(520,400))、画像データサイズ(640x480)、計測値(高さ="180m")が入力される(図5(A))。また、解析部160には、比較対象画像データの計測範囲((40,80)〜(220〜320))、画像データサイズ(640x480)が入力される(図5(B))。
【0030】
解析部160は、比較元画像データの計測範囲内の画像パターンと、比較対象画像データの計測範囲内の画像パターンと、を比較する。例えば、解析部160は、図5(C)に示すように、計測範囲の縮尺を調整し、その上で画像比較を行う。ここで、画像比較には、例えばドットパターンの比較や、輪郭を検出し、輪郭同士の類似性の比較等の一般的に用いられる画像比較手法を用いれば良い。画像比較において、例えばドットパターンが一定閾値以上一致する場合、輪郭が所定割合以上一致する場合等に両者が類似関係にあると判定すればよい。すなわち、解析部160は、一定の閾値(指標値)を基に、既知の手法により両画像パターンの類否を判断すればよい。
【0031】
図5では、解析部160は、計測範囲内の画像パターンが(ほぼ)完全一致した(類似関係にある)と判定する。そのため、解析部160は、比較対象画像データ内のタワー型建築物の高さ(計測値)も180mであると解析する。解析部160は、解析結果(比較対象画像データの計測値="180m")を制御部150に通知する。
【0032】
次に、図6を参照して、解析部160の計測値の算出例(第2例)を説明する。図6は、タワー型の建築物を同一地点から撮像した2つの画像を示す図である。ここで、図6(A)は、比較元画像データであり、建築途中の状態のタワー型建築物を撮像した画像である。図6(B)は、比較対象画像データであり、建築が完了した状態のタワー型建築物を撮像した画像である。
【0033】
解析部160には、比較元画像データの計測範囲((400,240)〜(520,400))、画像データサイズ(640x480)、計測値(高さ="180m")が入力される(図6(A))。また、解析部160には、比較対象画像データの計測範囲((400,160)〜(520〜400))、画像データサイズ(640x480)が入力される(図6(B))。
【0034】
解析部160は、比較元画像データの計測範囲内の画像パターンと、比較対象画像データの計測範囲内の画像パターンと、を比較する。図6(C)は、比較のイメージを示す概念図である。解析部160は、両計測範囲同士が完全一致しないものの、輪郭が一致する範囲があると判定する(図6(C))。そこで、解析部160は、比較元画像データの計測値("180m")を基に、比較対象画像データの計測値を推定する。まず解析部160は、比較対象画像データの計測範囲の縦方向の画素数(座標幅)は、比較元画像データの縦方向の画素数(座標幅)の1.5倍であり、横方向の画素数(座標幅)は一致することを算出する。この算出値に応じて、解析部160は、比較元画像データの計測値(高さ="180m")に"1.5"を乗算した270mを比較対象画像データの計測値(高さ="270m"、図6(B)の撮像時点でのタワー型建築物の高さ)と解析する。解析部160は、解析結果(比較対象画像データの計測値="270m")を制御部150に通知する。
【0035】
なお、上述の例(図6)では、比較元画像データの計測範囲と、比較対象画像データの計測範囲の一部範囲と、が一致する例について説明したが、必ずしもこれに限られない。比較元画像データの計測範囲の一部範囲と、比較対象画像データの計測範囲と、が一致する場合も同様の手法により比較対象画像データの計測値を算出できる。
【0036】
次に、図7及び図8を参照して、計測記録データの作成処理の流れを説明する。図7及び図8は、計測記録データの作成処理の流れを示すフローチャートである。はじめに、制御部150は、画像インデックス付与部110から、画像データ及び画像インデックスを取得し、画像データ記憶部141に当該画像データと画像インデックスを保存する(S1)。
【0037】
制御部150は、保存した画像データを計測記録画像データ(計測値を付与する画像データ)とするか否かを入力させる入力画面を表示部130に表示する(S2)。
【0038】
ユーザは、操作キー120を操作し、計測記録画像データ(計測値を付与する画像データ)とするか否かを入力する(S3)。計測記録画像データ(計測値を付与する画像データ)としない場合(S3:No)、端末装置10は、一連の処理を終了する。
【0039】
計測記録画像データ(計測値を付与する画像データ)とする場合(S3:Yes)、ユーザは、表示部130上の入力画面を操作キー120により操作し、計測記録画像データ(計測値を付与する画像データ)と関連付ける計測記録インデックスを指定する(S4)。なお、図3に示したように、各計測記録インデックスに対して、複数の画像インデックスを関連付けることができる。制御部150は、指定された計測記録インデックスを取得する(S5)。
【0040】
ユーザは、S1にて保存した画像データの計測範囲を指定する(S6)。例えば、ユーザは、画像データを表示部130に表示し、操作キー120を操作することにより計測範囲を指定する。制御部150は、ユーザが入力した計測範囲を取得する(S7)。
【0041】
制御部150は、S5にて取得した計測記録インデックスと同じ値を持つ計測記録データが計測データ記憶部142内に存在するか否かを判定する(S8)。同じ値を持つ計測記録データが存在する場合(S8:Yes)、制御部150は、比較元画像データが存在するものとする。同じ値を持つ計測記録データが存在しない場合(S8:No)、制御部150は、比較元画像データが存在せず、S1にて指定された画像データに対してユーザが直接計測値を設定すると判定する。
【0042】
S5にて取得した計測記録インデックスと同じ値を持つ計測記録データが存在する場合(S8:Yes)、制御部150は、当該計測記録インデックスにより識別される計測範囲、計測値、画像データインデックスの組を全て抽出する(S9)。制御部150は、S4にて取得した計測記録インデックスを持つ計測記録データに、S1にて取得した画像インデックスを保存する(S10)。
【0043】
制御部150は、S9にて取得したデータの組(計測範囲、計測値、画像データインデックス)内の画像インデックスに対応する画像データ(すなわち比較元画像データ)を画像データ記憶部141から取得する。制御部150は、取得した画像データ(比較元画像データ)、S9にて取得したデータの組(計測範囲、計測値、画像データインデックス)、S1にて取得した画像データ(比較対象画像データ)及び画像インデックス(比較対象画像データのインデックス)、S6にて取得した計測範囲(比較対象画像データの計測範囲)、を解析部160に供給する。
【0044】
解析部160は、供給された情報を基に、比較対象画像データの計測値を算出する(S11)。S11の処理の詳細は、図9を参照して改めて説明する。解析部160は、算出した比較対象画像データの計測値を制御部150に供給する。その後、制御部150は、図10を参照して後述する記録処理を行う(S15)。
【0045】
一方、S5にて取得した計測記録インデックスと同じ値を持つ計測記録データが存在しない場合(S8:No)、制御部150は、表示部130を介してユーザに計測記録データ名の入力を促す。ユーザは、操作キー120の操作により、計測記録データ名を入力する。制御部150は、S5にて取得した計測記録インデックスと、入力された計測記録データ名と、を関連付けた計測記録データを計測データ記憶部142に保存する(S12)。
【0046】
制御部150は、S12にて新たに保存した計測記録データに、S1にて取得した画像インデックスを保存する(S13)。そして、制御部150は、ユーザに対して計測値の入力を促す。ユーザは、S6にて指定した計測範囲に対応する計測値を操作キー120の操作を介して入力する(S14)。そして、制御部150は、前述のS15の処理を行う。
【0047】
次に、図9を参照して、解析部160による解析処理(上述のS11)の処理を説明する。解析部160は、比較対象画像データの計測範囲と、比較元画像データの計測範囲と、が類似関係にあるか否かを判定する(S21)。ここで、類似関係とは、図5に示すように縮尺を変えると略一致する場合や、図6に示すように計測範囲の一部範囲が略一致する場合を含む。解析部160は、S9にて取得した全てのデータの組を比較元画像データの情報として、比較処理を行う。
【0048】
類似関係にない場合(S21:No)、解析部160は、制御部150を介して「計測範囲が一致しない(類似しない)」というメッセージを表示部130に表示する。
【0049】
類似関係にある場合(S21:Yes)、解析部160は、比較対象画像データの計測範囲と、比較元画像データの計測範囲と、の比率(画像幅の比率)を算出する(S22)。解析部160は、算出した比率と、比較元画像データの計測値と、を基に比較対象画像データの計測値を算出する(S23)。
【0050】
次に、図10のフローチャートを参照し、制御部150による比較対象画像データの計測範囲、及び計測値の保存処理(S15)の詳細を説明する。はじめに制御部150は、S10にて保存した画像インデックスに対応するデータ行に、S7にて取得した計測範囲を保存する(S31)。続いて、制御部150は、S10にて保存した画像インデックスに対応するデータ行(S31にて操作したデータ行と同一データ行)に、S11またはS14にて取得した計測値を保存する(S32)。
【0051】
続いて、図11を参照して、画像データと、計測記録データを合わせて表示する際の処理について説明する。図11は、画像データと、計測記録データが関連付けられた表示画面を生成する処理の流れを示すフローチャートである。
【0052】
ユーザは、操作キー120の操作により、計測記録インデックスを入力する。制御部150は、入力された計測記録インデックスをキーとして、計測データ記憶部142から計測記録データ(計測記録インデックス、計測記録データ名、計測範囲、計測値、及び画像インデックス)を取得する(S41)。
【0053】
制御部150は、取得した計測記録データ内に含まれる画像インデックスをキーとして、画像データを画像データ記憶部141から取得する(S42)。制御部150は、当該画像インデックスと対応する計測値を取得する(S43)。同様に、制御部150は、当該画像インデックスと対応する計測範囲を取得する(S44)。制御部150は、取得した画像データ、計測範囲、計測値を基に、画像データ毎に表示画面を生成する。ここで、表示画面は、画像データ上に計測値と計測範囲が重畳された画面であり、例えば図4に示す画面である。表示部130は、制御部150が生成した表示画面を表示する(S45)。
【0054】
なお、計測データ記憶部142は、図3の構成に加えて、各計測値の計測日時を保持しても良い。すなわち、計測データ記憶部142は、計測値がユーザにより入力された日時、または解析部160が計測値を算出した日時を計測値と関連付けて保持しても良い。そして、制御部150は、表示画面上に計測値及び当該計測日時を表示しても良い。図12に当該表示画面の一例を示す。図12に示すように、各計測値が計測範囲と関連付けられている。これにより、計測対象物(図12ではタワー型建築物)の計測値(高さ)の遷移を時間経過と合わせて把握することができる。
【0055】
続いて本実施の形態にかかる端末装置の効果について説明する。上述したように解析部160は、比較元画像データ(第1画像データ)の計測範囲と計測値を基に、比較対象画像データ(第2画像データ)の計測値を算出している。これにより、ユーザが計測範囲を指定するだけで比較対象画像データの計測値を自動的に得ることができる。計測値の自動算出により、ユーザの入力処理が軽減され、画像データと計測記録データの管理を容易に行うことができる。
【0056】
さらに、画像データと計測記録データは、図2及び図3に示すように関連付けられて保存される。これにより、ユーザは、図4に示すような表示画面、すなわち画像データに計測範囲及び計測値が重畳された表示画面を参照することができる。これにより、ユーザは、視覚的に計測値の情報を認識することが可能となる。
【0057】
さらにまた、図5、図6を参照して説明したように、計測対象物の縮尺が異なる場合や、計測対象物が変化した場合であっても、解析部160は、比較対象画像データ(第2画像データ)の計測値を算出することができる。これにより、ユーザの入力の手間を省き、計測対象物の変化に追従しつつ、比較対象画像データ(第2画像データ)の計測値を算出することができる。
【0058】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0059】
なお、端末装置10内の制御部150、解析部160の処理は、任意のコンピュータ内で動作するプログラムとして実現することが可能である。プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。例えば、プログラムは、記憶部140内に格納される。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0060】
ここで、改めて、本発明の概要を、図13を参照して説明する。図13は、本発明の端末装置10にかかるブロック図である。図13には、本発明の特徴的な構成要素のみを記載している。端末装置10は、記憶部140と、制御部150と、解析部160と、を備える。
【0061】
記憶部140は、比較元画像データ(第1画像データ)と、比較元画像データの計測範囲(第1座標範囲)及び当該計測範囲に関する計測値(第1計測値データ)を保持する。なお、記憶部140は、前述のように必ずしも端末装置10内に備えられる必要はなく、USB等により接続可能な構成であってもよい。
【0062】
制御部150は、任意の入力手段により入力された比較対象画像データ(第2画像データ)の計測範囲(第2画像データ)を取得する。
【0063】
解析部160は、比較元画像データの計測範囲の画像パターンと、比較対象画像データの計測範囲の画像パターンと、を比較する。解析部160は、解析結果と、比較元画像データの計測値と、を基に比較対象画像データの計測範囲の計測値(第2計測値データ)を算出する。
【0064】
当該構成であっても、端末装置10は、比較対象画像データの計測値を自動的に算出することができる。これにより、ユーザの入力の手間が省け、簡易な構成で計測値を得ることができる。
【0065】
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0066】
(付記1)
画像データ内の第1座標範囲と、前記第1座標範囲の実世界での大きさに関する第1計測値データと、が関連付けられた第1画像データを保持する端末装置であって、
第2画像データ内の第2座標範囲をユーザの指定に応じて取得する制御部と、
前記第1座標範囲の画像パターンと前記第2座標範囲の画像パターンを比較し、比較結果及び前記第1計測値データに基づいて、前記第2座標範囲の実世界での大きさに関する第2計測値データを算出する解析部と、を備える端末装置。
【0067】
(付記2)
前記解析部は、縮尺を変更することにより前記第1座標範囲の画像パターンと前記第2座標範囲の画像パターンが所定基準を満たす類似関係にあると判断される場合、前記第2計測値データを前記第1計測値データと等しい値とすることを特徴とする付記1に記載の端末装置。
【0068】
(付記3)
前記解析部は、前記第1座標範囲の画像パターンと前記第2座標範囲の画像パターンの一部範囲、または前記第2座標範囲の画像パターンと前記第1座標範囲の画像パターンの一部範囲において所定基準を満たす類似関係にある場合、前記第1及び第2座標範囲の座標幅の比率と、前記第1計測値データと、に基づいて前記第2計測値データを算出することを特徴とする付記1に記載の端末装置。
【0069】
(付記4)
前記第1計測値データ、及び前記第2計測値データは、実世界での高さまたは幅を示すデータであることを特徴とする付記1乃至付記3のいずれか1項に記載の端末装置。
【0070】
(付記5)
前記第1画像データ、及び前記第2画像データを画像データの識別子である画像インデックスとそれぞれ関連付けて記憶する画像データ記憶部と、
前記第1座標範囲、前記第1計測値データ、及び前記第1画像データに対応する前記画像インデックスを関連付けて記憶し、前記第2座標範囲、前記第2計測値データ、及び前記第2画像データに対応する前記画像インデックスを関連付けて記憶する計測データ記憶部と、を更に備えることを特徴とする付記1乃至付記4のいずれか1項に記載の端末装置。
【0071】
(付記6)
前記制御部は、前記画像インデックスをキーとして、前記画像データ記憶部及び前記計測データ記憶部を検索し、前記画像データ記憶部の検索により取得した画像データに対し、前記計測データ記憶部の検索により取得した座標範囲及び計測値の情報を重畳した表示画面を生成することを特徴とする付記5に記載の端末装置。
【0072】
(付記7)
前記制御部は、前記計測データ記憶部の検索により取得した前記計測値の情報と計測日時の情報を関連付けて表示する前記表示画面を生成することを特徴とする付記6に記載の端末装置。
【0073】
(付記8)
画像データ内の第1座標範囲と、前記第1座標範囲の実世界での大きさに関する第1計測値データと、が関連付けられた第1画像データを保持し、
第2画像データ内の第2座標範囲をユーザの指定に応じて取得し、
前記第1座標範囲の画像パターンと前記第2座標範囲の画像パターンを比較し、比較結果及び前記第1計測値データに基づいて、前記第2座標範囲の実世界での大きさに関する第2計測値データを算出する、画像処理方法。
【0074】
(付記9)
縮尺を変更することにより前記第1座標範囲の画像パターンと前記第2座標範囲の画像パターンが所定基準を満たす類似関係にあると判断される場合、前記第2計測値データを前記第1計測値データと等しい値とすることを特徴とする付記8に記載の画像処理方法。
【0075】
(付記10)
前記第1座標範囲の画像パターンと前記第2座標範囲の画像パターンの一部範囲、または前記第2座標範囲の画像パターンと前記第1座標範囲の画像パターンの一部範囲において所定基準を満たす類似関係にある場合、前記第1及び第2座標範囲の座標幅の比率と、前記第1計測値データと、に基づいて前記第2計測値データを算出することを特徴とする付記8に記載の画像処理方法。
【0076】
(付記11)
前記第1計測値データ、及び前記第2計測値データは、実世界での高さまたは幅を示すデータであることを特徴とする付記8乃至付記10のいずれか1項に記載の画像処理方法。
【0077】
(付記12)
前記第1画像データに、前記第1座標範囲及び前記第1計測値データの情報を重畳した表示画面、または前記第2画像データに、前記第2座標範囲及び前記第2計測値データの情報を重畳した表示画面、を生成することを特徴とする付記8乃至付記11のいずれか1項に記載の画像処理方法。
【0078】
(付記13)
付記8乃至付記12に記載の画像処理方法をコンピュータに行わせるためのプログラム。
【符号の説明】
【0079】
10 端末装置
110 画像インデックス付与部
120 操作キー
130 表示部
140 記憶部
141 画像データ記憶部
142 計測データ記憶部
150 制御部
160 解析部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データ内の第1座標範囲と、前記第1座標範囲の実世界での大きさに関する第1計測値データと、が関連付けられた第1画像データを保持する端末装置であって、
第2画像データ内の第2座標範囲をユーザの指定に応じて取得する制御部と、
前記第1座標範囲の画像パターンと前記第2座標範囲の画像パターンを比較し、比較結果及び前記第1計測値データに基づいて、前記第2座標範囲の実世界での大きさに関する第2計測値データを算出する解析部と、を備える端末装置。
【請求項2】
前記解析部は、縮尺を変更することにより前記第1座標範囲の画像パターンと前記第2座標範囲の画像パターンが所定基準を満たす類似関係にあると判断される場合、前記第2計測値データを前記第1計測値データと等しい値とすることを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記解析部は、前記第1座標範囲の画像パターンと前記第2座標範囲の画像パターンの一部範囲、または前記第2座標範囲の画像パターンと前記第1座標範囲の画像パターンの一部範囲において所定基準を満たす類似関係にある場合、前記第1及び第2座標範囲の座標幅の比率と、前記第1計測値データと、に基づいて前記第2計測値データを算出することを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項4】
前記第1計測値データ、及び前記第2計測値データは、実世界での高さまたは幅を示すデータであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項5】
前記第1画像データ、及び前記第2画像データを画像データの識別子である画像インデックスとそれぞれ関連付けて記憶する画像データ記憶部と、
前記第1座標範囲、前記第1計測値データ、及び前記第1画像データに対応する前記画像インデックスを関連付けて記憶し、前記第2座標範囲、前記第2計測値データ、及び前記第2画像データに対応する前記画像インデックスを関連付けて記憶する計測データ記憶部と、を更に備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記画像インデックスをキーとして、前記画像データ記憶部及び前記計測データ記憶部を検索し、前記画像データ記憶部の検索により取得した画像データに対し、前記計測データ記憶部の検索により取得した座標範囲及び計測値の情報を重畳した表示画面を生成することを特徴とする請求項5に記載の端末装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記計測データ記憶部の検索により取得した前記計測値の情報と計測日時の情報を関連付けて表示する前記表示画面を生成することを特徴とする請求項6に記載の端末装置。
【請求項8】
画像データ内の第1座標範囲と、前記第1座標範囲の実世界での大きさに関する第1計測値データと、が関連付けられた第1画像データを保持し、
第2画像データ内の第2座標範囲をユーザの指定に応じて取得し、
前記第1座標範囲の画像パターンと前記第2座標範囲の画像パターンを比較し、比較結果及び前記第1計測値データに基づいて、前記第2座標範囲の実世界での大きさに関する第2計測値データを算出する、画像処理方法。
【請求項9】
前記第1計測値データ、及び前記第2計測値データは、実世界での高さまたは幅を示すデータであることを特徴とする請求項8に記載の画像処理方法。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載の画像処理方法をコンピュータに行わせるためのプログラム。
【請求項1】
画像データ内の第1座標範囲と、前記第1座標範囲の実世界での大きさに関する第1計測値データと、が関連付けられた第1画像データを保持する端末装置であって、
第2画像データ内の第2座標範囲をユーザの指定に応じて取得する制御部と、
前記第1座標範囲の画像パターンと前記第2座標範囲の画像パターンを比較し、比較結果及び前記第1計測値データに基づいて、前記第2座標範囲の実世界での大きさに関する第2計測値データを算出する解析部と、を備える端末装置。
【請求項2】
前記解析部は、縮尺を変更することにより前記第1座標範囲の画像パターンと前記第2座標範囲の画像パターンが所定基準を満たす類似関係にあると判断される場合、前記第2計測値データを前記第1計測値データと等しい値とすることを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記解析部は、前記第1座標範囲の画像パターンと前記第2座標範囲の画像パターンの一部範囲、または前記第2座標範囲の画像パターンと前記第1座標範囲の画像パターンの一部範囲において所定基準を満たす類似関係にある場合、前記第1及び第2座標範囲の座標幅の比率と、前記第1計測値データと、に基づいて前記第2計測値データを算出することを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項4】
前記第1計測値データ、及び前記第2計測値データは、実世界での高さまたは幅を示すデータであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項5】
前記第1画像データ、及び前記第2画像データを画像データの識別子である画像インデックスとそれぞれ関連付けて記憶する画像データ記憶部と、
前記第1座標範囲、前記第1計測値データ、及び前記第1画像データに対応する前記画像インデックスを関連付けて記憶し、前記第2座標範囲、前記第2計測値データ、及び前記第2画像データに対応する前記画像インデックスを関連付けて記憶する計測データ記憶部と、を更に備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記画像インデックスをキーとして、前記画像データ記憶部及び前記計測データ記憶部を検索し、前記画像データ記憶部の検索により取得した画像データに対し、前記計測データ記憶部の検索により取得した座標範囲及び計測値の情報を重畳した表示画面を生成することを特徴とする請求項5に記載の端末装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記計測データ記憶部の検索により取得した前記計測値の情報と計測日時の情報を関連付けて表示する前記表示画面を生成することを特徴とする請求項6に記載の端末装置。
【請求項8】
画像データ内の第1座標範囲と、前記第1座標範囲の実世界での大きさに関する第1計測値データと、が関連付けられた第1画像データを保持し、
第2画像データ内の第2座標範囲をユーザの指定に応じて取得し、
前記第1座標範囲の画像パターンと前記第2座標範囲の画像パターンを比較し、比較結果及び前記第1計測値データに基づいて、前記第2座標範囲の実世界での大きさに関する第2計測値データを算出する、画像処理方法。
【請求項9】
前記第1計測値データ、及び前記第2計測値データは、実世界での高さまたは幅を示すデータであることを特徴とする請求項8に記載の画像処理方法。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載の画像処理方法をコンピュータに行わせるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−104661(P2013−104661A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−246186(P2011−246186)
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(000232254)日本電気通信システム株式会社 (586)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(000232254)日本電気通信システム株式会社 (586)
【Fターム(参考)】
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