説明

端末装置、異常検出システム、異常検出方法および異常検出プログラム

【課題】端末装置が検出した異常が、登録されているユーザに通知すべき異常であるか否かを判定して、検出した異常を通知すること。
【解決手段】端末本体の現在の位置を示す自端末位置情報を取得する位置情報取得部13と、外部端末の現在の位置を示す外部端末位置情報を受信する無線通信部12と、端末本体と外部端末とが距離閾値以上離れている状態において、振動検出部14が振動閾値以上の振動を検出した場合、異常を検出したことを判定する異常判定部114と、異常判定部によって異常が検出された場合、前記異常が発生していることを報知する報知部19と、を備える端末装置1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の異常検出対象に端末装置を搭載して当該異常検出対象の異常を検出する際に用いて好適な端末装置、異常検出システム、異常検出方法および異常検出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、使用しなくなった携帯端末は保管しているだけで様々な機能が搭載されているのに再利用がされていないのが現状であった。そこで、すでに携帯端末に搭載されているカメラ、スピーカー、加速度センサ、セキュリティロックの機能を使用することで、車両の盗難防止や携帯端末の再利用等を図る技術が検討されている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に記載されている技術では、携帯電話機が備える種々のセンサを利用してセンサが検知した情報を発信することで、盗難対策等を行うようにしている。例えば振動センサを利用する場合、携帯端末を自動車に搭載することを想定すると、センサを動作させた状態で離れていたユーザが自動車に戻ってきて、ドアやトランクの開け閉めなどを行った場合にはセンサが振動を検知することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−311995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような盗難防止機能を備えた携帯端末では、搭乗した者が車両の持ち主であるか、あるいは、第三者であるのかを判断できない。このため、車両の持ち主が、盗難防止機能を発揮できる状態で携帯端末を設定しておき、車両を離れ、その後戻って来て車両を発進された場合、車両の持ち主であるにも関わらず異常を検出することとなる。このように、車両の持ち主が搭乗するたびに異常が検出され、通知されると、ユーザは、煩わしさを感じて、盗難防止機能の設定を解除してしまうおそれがある。この場合、実際に盗難が発生したとしても、盗難防止機能が発揮されないという問題がる。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決することができる端末装置、異常検出システム、異常検出方法および異常検出プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の端末装置は、端末本体の現在の位置を示す自端末位置情報を取得する位置情報取得部と、外部端末の現在の位置を示す外部端末位置情報を受信する無線通信部と、前記自端末位置情報と前記外部端末位置情報とに基づき、前記端末本体と前記外部端末との距離が予め決められた距離閾値以上であるか否かを判定する位置関係判定部と、前記端末本体の振動を検出する振動検出部と、前記振動検出部の検出結果に基づき、前記振動検出部が検出した振動の大きさが予め決められた振動閾値以上であるか否かを判定する振動判定部と、前記位置関係判定部の判定結果と前記振動判定部の判定結果とに基づき、前記端末本体と前記外部端末とが前記距離閾値以上離れている状態において、前記振動検出部が前記振動閾値以上の振動を検出した場合、異常を検出したことを判定する異常判定部と、前記異常判定部によって異常が検出された場合、前記異常が発生していることを報知する報知部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の異常検出システムは、異常検出対象に搭載される端末と、当該端末と無線通信により接続されている外部端末とを備える異常検出システムにおいて、前記端末は、当該端末の端末本体の現在の位置を示す自端末位置情報を取得する位置情報取得部と、外部端末の現在の位置を示す外部端末位置情報を受信する無線通信部と、前記自端末位置情報と前記外部端末位置情報とに基づき、前記端末本体と前記外部端末との距離が予め決められた距離閾値以上であるか否かを判定する位置関係判定部と、前記端末本体の振動を検出する振動検出部と、前記振動検出部の検出結果に基づき、前記振動検出部が検出した振動の大きさが予め決められた振動閾値以上であるか否かを判定する振動判定部と、前記位置関係判定部の判定結果と前記振動判定部の判定結果とに基づき、前記端末本体と前記外部端末とが前記距離閾値以上離れている状態において、前記振動検出部が前記振動閾値以上の振動を検出した場合、異常を検出したことを判定する異常判定部と、前記異常判定部によって異常が検出された場合、前記異常が発生していることを報知する報知部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の異常検出方法は、端末本体の現在の位置を示す自端末位置情報を取得する位置情報取得ステップと、外部端末の現在の位置を示す外部端末位置情報を受信する無線通信ステップと、前記自端末位置情報と前記外部端末位置情報とに基づき、前記端末本体と前記外部端末との距離が予め決められた距離閾値以上であるか否かを判定する位置関係判定ステップと、前記端末本体の振動を検出する振動検出ステップと、前記振動検出ステップにおける検出結果に基づき、検出した振動の大きさが予め決められた振動閾値以上であるか否かを判定する振動判定ステップと、前記位置関係判定ステップにおける判定結果と前記振動判定ステップにおける判定結果とに基づき、前記端末本体と前記外部端末とが前記距離閾値以上離れている状態において、前記振動検出ステップで前記振動閾値以上の振動が検出された場合、異常を検出したことを判定する異常判定ステップと、異常が検出された場合、前記異常が発生していることを報知する報知ステップと、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の異常検出プログラムは、コンピュータを、端末本体の現在の位置を示す自端末位置情報を取得する位置情報取得手段、外部端末の現在の位置を示す外部端末位置情報を受信する無線通信手段、前記自端末位置情報と前記外部端末位置情報とに基づき、前記端末本体と前記外部端末との距離が予め決められた距離閾値以上であるか否かを判定する位置関係判定手段、前記端末本体の振動を検出する振動検出手段、前記振動検出手段の検出結果に基づき、前記振動検出手段が検出した振動の大きさが予め決められた振動閾値以上であるか否かを判定する振動判定手段、前記位置関係判定手段による判定結果と前記振動判定手段による判定結果とに基づき、前記端末本体と前記外部端末とが前記距離閾値以上離れている状態において、前記振動検出手段によって前記振動閾値以上の振動が検出された場合、異常を検出したことを判定する異常判定手段、及び前記異常判定手段によって異常が検出された場合、前記異常が発生していることを報知する報知手段、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、端末装置が検出した異常が、登録されているユーザに通知すべき異常であるか否かを判定して、検出した異常を通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施の形態としての端末装置1の構成例を示すブロック図である。
【図2】図1の端末装置1の使用例を説明するための説明図である。
【図3】図1の端末装置1の動作例を説明するためのフローチャートである。
【図4】図1の端末装置1における主要な構成要素を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明による端末装置の実施の形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態としての端末装置1の構成例を示すブロック図である。図1の端末装置1は、例えば携帯電話機、携帯情報端末等の携帯端末として構成されている。図1に示す例では、端末装置1が、CPU(中央処理装置)11、無線通信部12、位置情報取得部13、振動検出部14、操作部15、カメラ16、画像処理部17、記憶部18、報知部19及び表示部20を備えている。また、図1では、CPU11が所定のプログラムを実行することで実現される複数の機能をブロック化してCPU11内に示している。すなわち、CPU11によって、位置関係判定部111、移動判定部112、振動判定部113、異常判定部114、セキュリティモード判定部115、入出力制御部116及び撮像制御部117として表した各機能が実現される。
【0013】
無線通信部12は、公衆無線LAN(Local Area Network)等に接続して所定の形式の無線信号を送受信することでCPU11の制御の下、所定のデータを送受信する。無線通信部12は、例えば、公衆無線LANの無線端末に接続して、ユーザが予め登録した他の無線端末(以下、外部端末と称する)と通信することで(あるいは当該外部端末が登録されている外部のサーバと接続して通信することで)の外部端末の現在の位置を示す外部端末位置情報等を受信する。無線通信部12によって取得された外部端末位置情報は、位置関係判定部111に入力される。また、無線通信部12は、位置情報取得部13が取得した自端末位置情報を外部端末に送信するために使用することもできる。なお、無線通信部12の接続先は、公衆無線LANに限らず、公衆無線電話網等であってもよい。また、公衆電話網等を用いてユーザが契約しているプロバイダーにアクセスし、インターネットに接続するようにしてもよい。
【0014】
位置情報取得部13は、GPS(Global Positioning System)等を利用して端末装置1本体(以下、端末本体と表す)の現在の位置を示す自端末位置情報を取得する装置である。位置情報取得部13が取得した自端末位置情報は、位置関係判定部111と移動判定部112とに入力される。
【0015】
振動検出部14は、振動センサと信号処理回路等から構成され、端末装置11に生じた振動の大きさや方向を検出する。振動検出部14の出力は、振動判定部113に入力される。
【0016】
操作部15は、タッチパネルや押しボタン等の複数の操作子を有して構成されていて、ユーザによる操作を受け付ける入力装置である。操作部15によって検知された操作子に対するユーザの操作は、入出力制御部116に入力される。
【0017】
カメラ16は、例えば図2に示すように、端末装置1の表示部20の上にレンズ部16aを有する撮像装置である。カメラ16は撮像制御部117の制御の下、静止画や動画を撮像する。カメラ16で撮像された画像を表す撮像信号は、画像処理部17で所定形式のデータに変換され、記憶部18に記憶される。
【0018】
画像処理部17は、カメラ16で撮像された画像を表す撮像信号に対して所定の画像処理を実行することで所定形式のデータに変換する。
【0019】
記憶部18は、不揮発性メモリ等からなる記憶装置であり、画像処理部17から出力された所定形式の画像データ等を記憶する。
【0020】
報知部19は、異常判定部114から信号報知を指示する制御信号が出力された場合に、所定の報知音を発生する。
【0021】
表示部20は、液晶ディスプレイ等の表示装置であり、入出力制御部116によって制御され、文字や画像を表示する。表示部20には、無線通信部12が受信した外部端末位置情報に基づき、外部端末の位置を示す情報等が表示される。
【0022】
また、位置関係判定部111は、位置情報取得部13が取得した自端末位置情報と無線通信部12を用いて取得した外部端末位置情報とに基づき、端末本体と外部端末との距離が予め決められた距離閾値以上であるか否かを判定する。
【0023】
移動判定部112は、位置情報取得部13が取得した自端末位置情報に基づき、端末本体が移動したか否かを判定する。例えば、移動判定部112は、所定時間周期で位置情報取得部13が取得した自端末位置情報と、前回取得した自端末位置情報とを比較し、位置のずれが所定の位置閾値以上であった場合に移動していると判定する。
【0024】
振動判定部113は、振動検出部14の検出結果に基づき、振動検出部14が検出した振動の大きさが予め決められた振動閾値以上であるか否かを判定する。
【0025】
異常判定部114は、位置関係判定部111の判定結果と振動判定部112の判定結果とに基づき、端末本体と外部端末とが所定の距離閾値以上離れている状態において、振動検出部14が振動閾値以上の振動を検出した場合、異常を検出したことを判定する。あるいは、異常判定部114は、移動判定部112の判定結果と振動判定部113の判定結果とに基づき、振動検出部14が振動閾値以上の振動を検出した際に端末本体が移動していると判定された場合、異常を検出したことを判定する。
【0026】
セキュリティモード判定部115は、セキュリティモードで端末装置1が動作している状態において、位置関係判定部111の判定結果に応じて異常判定部114に対して次の制御を行う。ここで、セキュリティモードとは、操作部15に対してユーザが所定の操作を行うことで所定の操作以外の操作を受け付けなくなる動作モードである。すなわち、セキュリティモード判定部115は、セキュリティモードの状態で、端末本体と外部端末とが距離閾値以上離れている場合、異常判定部114による判定処理の実行を許可するとともに、端末本体と外部端末とが距離閾値未満である場合、異常判定部114による判定処理の実行を制限する制御を行う。異常判定部114は、判定処理の実行が許可された場合に、異常判定とその結果に基づく報知部19への出力動作を行うことができる。
【0027】
入出力制御部116は、操作部15の出力信号を入力するとともに、表示部20に所定の画像を表示させるための画像信号を出力する。例えば操作部15に対して所定の操作がなされた場合に、入出力制御部116から所定の画像信号を出力することで、表示部20において無線通信部12が受信した外部端末位置情報に基づく外部端末の位置を示す情報を表示させることができる。
【0028】
撮像制御部117は、例えば異常判定部114によって異常が検出された場合、カメラ16に撮像を指示し、撮像した画像データを取得して記憶部18に記憶させる。
【0029】
次に、図2を参照して、図1の端末装置1の使用例について説明する。図2に示す使用例では、端末装置1が、異常検出対象としての自動車2のダッシュボード2a上に図示していない粘着性の部材等を用いて固定されている。この例では端末装置1は、図1の無線通信部12を介して公衆無線LAN5と無線通信を行うことができる範囲に位置している。また、この場合、端末装置1のユーザ4は、自動車2の車外に位置している。また、ユーザ4は、端末装置1に対して予め外部端末として登録されている携帯電話機等の外部端末3を携帯している。図2に示すような状況において、端末本体と外部端末との距離が所定の距離閾値以上である場合、振動検出部14によって所定の振動閾値以上の振動が検出されたときに、報知部19から所定の報知信号が出力される。
【0030】
なお、外部端末3は、所定のソフトウェアを実行すること等により、端末装置1から直接または端末装置1が接続した所定のサーバからの所定の問い合わせに対して、外部端末3が在る位置情報を送信する機能を有していることとする。
【0031】
次に図3を参照して、図1の端末装置1の動作例について説明する。例えば操作部15に対してユーザが所定の操作を行うことで図3に示す処理が開始される。まず、位置情報取得部13が、自端末位置情報を取得する(S101)。次に、無線通信部12が、外部端末位置情報を受信する(S102)。次に、位置関係判定部111が、位置情報取得部13が取得した自端末位置情報と無線通信部12が取得した外部端末位置情報とに基づき、端末本体と外部端末との距離が予め決められた距離閾値以上であるか否かを判定する(S103)。S103での判定の結果、端末本体と外部端末との距離が距離閾値以上の場合は次のS105へ進み(S104でYESの場合)、以上で無かった場合には処理を終了する(S104でNOの場合)。S105では移動判定部112が、自端末位置情報に基づき、端末本体が移動したか否かを判定する。S105での判定の結果、移動していたと判定された場合には次のS107へ進み(S106でYESの場合)、移動していなかったと判定された場合には処理を終了する(S106でNOの場合)。
【0032】
次に、振動検出部14が、端末本体の振動を検出する(S107)。次に、振動判定部113が、振動検出部14が検出した振動の大きさが予め決められた振動閾値以上であるか否かを判定する(S108)。S108での判定の結果、端末本体の振動の大きさが振動閾値以上の場合は次のS110へ進み(S109でYESの場合)、以上で無かった場合には処理を終了する(S109でNOの場合)。S110では異常判定部114が、異常を検出したと判定する。S110で、異常判定部114が異常を検出したことと判定するのは、この例では、端末本体と外部端末との距離が距離閾値以上(S104でYES)、端末本体が移動していると判定され(S106でYES)、かつ、端末本体の振動の大きさが振動閾値以上(S109でYES)の場合である。
【0033】
次に、報知部19が、異常が発生していることを報知する(S111)。
【0034】
以上のように、上記の実施形態によれば、端末装置1と、ユーザ4が持っている外部端末3とが離れている場合に、異常を検出して、報知することができる。なお、上記構成では、自動車2に搭載した端末装置1と、ユーザ4が持っている外部端末3との位置関係に基づき、ユーザ4が離れている場合に端末装置3の振動を検出したら、ユーザ4ではない第三者が自動車2を移動させた可能性があるため、異常を検出することとしているのである。
【0035】
なお、図3に示した動作例は一例であって、例えば次のような変形例が可能である。例えば、図3のS105〜S106の処理を省略して移動しているか否かに関わらず、他の判定の結果に基づいて異常の報知を行ったり、S102〜S104の処理を省略して距離が離れているか否かに関わらず、他の判定の結果に基づいて異常の報知を行ったりすることができる。
【0036】
例えば、S102〜S104の処理を省略して距離が離れているか否かに関わらず、他の判定の結果に基づいて異常の報知を行うようにすれば、必ずしも、全てのユーザ4が外部端末3を持っているとは限らないが、持っていない場合であっても、車載の端末装置1の位置情報だけを用いて端末装置1が移動(つまり、端末装置1が搭載された自動車2が移動)したときに、異常を検出することとすることができる。
【0037】
また、図3の動作に、セキュリティモード制御部115による制御を加えることで、予めセキュリティモード制御部115に所定の初期設定をしておけば、ユーザ4が自動車2を離れる度に異常判定部114による報知動作を実行可能状態にする設定を手動で行わずとも、自動車2から離れれば、報知動作を実行可能状態にすることができる。また、自動車2に戻ってきたとき、仮に、自分の携帯電話機等の外部端末3をどこかに置き忘れている場合、報知動作は実行可能状態のままである。この状態で自動車2を動かした場合、異常を検出して報知部19から報知信号が出力されることになる。これにより、ユーザ4は、自分の携帯電話機等の外部端末3をどこかに忘れてきたことに気づくことができる。
【0038】
また、表示部20に外部端末3の位置を表示できるようにすることで、例えば携帯電話機等の外部端末3の置き忘れの場合、ユーザ4が例えば、操作部15を介して、外部端末3の位置を地図に表示させるよう指示すると、外部端末3の位置を表示部20に表示させることができる。これにより、ユーザ4は、置き忘れてきた携帯電話機等の外部端末3を取りに戻ることができる。
【0039】
また、無線通信部12によって、位置情報取得部13が取得した自端末位置情報を、外部端末3に送信するようにすれば、例えば、自動車2が盗難された場合、車載の端末装置1の位置が外部端末3に通知されるようになる。これにより、ユーザ4は、盗難された自動車2の現在位置を知ることができる。
【0040】
また、異常判定部114によって異常が検出された場合、カメラ16に撮像を指示し、撮像した画像データを取得して記憶部18に記憶するようにすれば、例えば自動車2が盗難された場合、車載の端末装置1が盗難者の顔や周りの風景を撮影しておくことができる。なお、カメラ16によって撮像されたデータは、記憶部18に記憶するのに限らず、例えば、無線通信部12を用いて外部装置やサーバに送信するようにしてもよい。
【0041】
なお、本発明の実施の形態は上記のものに限定されず、図1にブロックで示した各構成要素を、統合したり、分割したりする変更が適宜可能である。なお、図1の構成において、本発明が必須とする基本的な構成は、図4に示すとおりである。すなわち、端末装置1は、無線通信部12、移動情報取得部13、振動検出部14、CPU11による位置関係判定部111、振動判定部113および異常判定部114、ならびに報知部19を基本的な構成要素として備えている。また、本発明の端末装置11は、CPU11とCPU11で実行されるプログラムを用いて構成されるものである。そのCPU11で実行されるプログラムの一部または全部はコンピュータ読み取り可能な記録媒体または通信回線を介して流通させることが可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 端末装置
2 自動車
3 外部端末
4 ユーザ
5 公衆無線LAN
11 CPU
12 無線通信部
13 位置情報取得部
14 振動検出部
15 操作部
16 カメラ
17 画像処理部
18 記憶部
19 報知部
20 表示部
111 位置関係判定部
112 移動判定部
113 振動判定部
114 異常判定部
115 セキュリティモード判定部
116 入出力制御部
117 撮像制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末本体の現在の位置を示す自端末位置情報を取得する位置情報取得部と、
外部端末の現在の位置を示す外部端末位置情報を受信する無線通信部と、
前記自端末位置情報と前記外部端末位置情報とに基づき、前記端末本体と前記外部端末との距離が予め決められた距離閾値以上であるか否かを判定する位置関係判定部と、
前記端末本体の振動を検出する振動検出部と、
前記振動検出部の検出結果に基づき、前記振動検出部が検出した振動の大きさが予め決められた振動閾値以上であるか否かを判定する振動判定部と、
前記位置関係判定部の判定結果と前記振動判定部の判定結果とに基づき、前記端末本体と前記外部端末とが前記距離閾値以上離れている状態において、前記振動検出部が前記振動閾値以上の振動を検出した場合、異常を検出したことを判定する異常判定部と、
前記異常判定部によって異常が検出された場合、前記異常が発生していることを報知する報知部と、
を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記自端末位置情報に基づき、前記端末本体が移動したか否かを判定する移動判定部をさらに備え、
前記異常判定部は、
前記移動判定部の判定結果と前記振動判定部の判定結果とに基づき、前記振動検出部が前記振動閾値以上の振動を検出した際に前記端末本体が移動していると判定された場合、異常を検出したことを判定することを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記端末本体と前記外部端末とが前記距離閾値以上離れている場合、前記異常判定部による判定処理の実行を許可するとともに、前記端末本体と前記外部端末とが前記距離閾値未満である場合、前記異常判定部による判定処理の実行を制限するセキュリティモード制御部と、をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記無線通信部が受信した前記外部端末位置情報に基づき、前記外部端末の位置を示す情報を表示する表示部を備えることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項5】
前記無線通信部は、
前記位置情報取得部が取得した前記自端末位置情報を、前記外部端末に送信することを特徴とする請求項1から4のうちいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項6】
前記異常判定部によって異常が検出された場合、カメラに撮像を指示し、撮像した画像データを取得する撮像制御部とをさらに備えることを特徴とする請求項1から5のうちいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項7】
異常検出対象に搭載される端末と、当該端末と無線通信により接続されている外部端末とを備える異常検出システムにおいて、
前記端末は、
当該端末の端末本体の現在の位置を示す自端末位置情報を取得する位置情報取得部と、
外部端末の現在の位置を示す外部端末位置情報を受信する無線通信部と、
前記自端末位置情報と前記外部端末位置情報とに基づき、前記端末本体と前記外部端末との距離が予め決められた距離閾値以上であるか否かを判定する位置関係判定部と、
前記端末本体の振動を検出する振動検出部と、
前記振動検出部の検出結果に基づき、前記振動検出部が検出した振動の大きさが予め決められた振動閾値以上であるか否かを判定する振動判定部と、
前記位置関係判定部の判定結果と前記振動判定部の判定結果とに基づき、前記端末本体と前記外部端末とが前記距離閾値以上離れている状態において、前記振動検出部が前記振動閾値以上の振動を検出した場合、異常を検出したことを判定する異常判定部と、
前記異常判定部によって異常が検出された場合、前記異常が発生していることを報知する報知部と、
を備えることを特徴とする異常検出システム。
【請求項8】
端末本体の現在の位置を示す自端末位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
外部端末の現在の位置を示す外部端末位置情報を受信する無線通信ステップと、
前記自端末位置情報と前記外部端末位置情報とに基づき、前記端末本体と前記外部端末との距離が予め決められた距離閾値以上であるか否かを判定する位置関係判定ステップと、
前記端末本体の振動を検出する振動検出ステップと、
前記振動検出ステップにおける検出結果に基づき、検出した振動の大きさが予め決められた振動閾値以上であるか否かを判定する振動判定ステップと、
前記位置関係判定ステップにおける判定結果と前記振動判定ステップにおける判定結果とに基づき、前記端末本体と前記外部端末とが前記距離閾値以上離れている状態において、前記振動検出ステップで前記振動閾値以上の振動が検出された場合、異常を検出したことを判定する異常判定ステップと、
異常が検出された場合、前記異常が発生していることを報知する報知ステップと、
を備えることを特徴とする異常検出方法。
【請求項9】
コンピュータを
端末本体の現在の位置を示す自端末位置情報を取得する位置情報取得手段、
外部端末の現在の位置を示す外部端末位置情報を受信する無線通信手段、
前記自端末位置情報と前記外部端末位置情報とに基づき、前記端末本体と前記外部端末との距離が予め決められた距離閾値以上であるか否かを判定する位置関係判定手段、
前記端末本体の振動を検出する振動検出手段、
前記振動検出手段の検出結果に基づき、前記振動検出手段が検出した振動の大きさが予め決められた振動閾値以上であるか否かを判定する振動判定手段、
前記位置関係判定手段による判定結果と前記振動判定手段による判定結果とに基づき、前記端末本体と前記外部端末とが前記距離閾値以上離れている状態において、前記振動検出手段によって前記振動閾値以上の振動が検出された場合、異常を検出したことを判定する異常判定手段、
前記異常判定手段によって異常が検出された場合、前記異常が発生していることを報知する報知手段、
として機能させるための異常検出プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−74382(P2013−74382A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210582(P2011−210582)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】