説明

端末装置、表示方法及びコンピュータプログラム

【課題】地表に位置する施設の管理に用いられるデータ(例えばCADデータ等)の取得を容易にする技術を提供すること。
【解決手段】端末装置であって、使用者が位置を指定するための入力部と、地表を表す地図のデータと、地表に位置する設備に関するデータと、を重畳して、前記入力部において指定された位置の地図を表示するための画面を生成する画面制御部と、前記画面制御部によって生成された画面を表示する表示部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路の施設管理のための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
我が国において、高速道路の建設が全国に拡大している。高速道路は、舗装、橋梁、トンネル、法面、排水系施設(流末排水経路)、交通安全施設、交通管理施設など各種道路施設などによって構成されている。高速道路での安全で円滑な道路交通を維持するためには、これらの施設の点検や補修を行うことや、適切な修繕計画を立案すること(以下、これらの作業をまとめて「施設管理」と言う。)が必要となる。このような施設管理の効率化に対する要求は年々増してきており、様々なシステムが提案されている。例えば特許文献1に開示された技術では、橋梁等の道路構造物をはじめとする各種構造物の維持管理のための管理システムが提案されている。
【0003】
道路本体や各種施設の点検や補修の際には、CAD(Computer Aided Design)データや道路施設管理台帳などが活用されることが一般的である。施設管理を行おうとする者は、管理の対象となる道路本体や各種施設のCADデータや平面図を検索し、紙面に印刷して施設管理を行うことが従来まで一般的であった。例えば、昨今の急激な降雨に伴う法面崩壊を未然防止するために、過去の補修履歴や補修工法、前後の相関などを把握することが重要である。また危険な流体を運搬する大型自動車が路上で転倒した場合などは、転倒した位置の早期特定と、流末排水系統と影響範囲の適切な把握、周辺自治体等への緊急連絡先の把握など早期対処が求められる。従来までは、道路の路線系統毎にまとめて保存されているCADデータや道路台帳図などの中から一つ一つのデータや図面を開くことによってその内容を確認し、必要なデータ等を選択し対処することが一般的であり、より迅速で効率的な対応方法が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−146614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
施設管理に用いられるCADデータや道路管理施設台帳等の量は膨大である。そのため、従来のようなCADデータと各種施設台帳から必要なデータだけを探す方法は、多くの時間を要してしまうという問題があった。また、このような問題はCADデータ等に限った問題ではない。すなわち、竣工写真データ、道路本体や各種施設を構成する部材や寸法、材質などに関するデータ、建設年度や施工業者などに関する情報など、施設管理に用いられる全てのデータに共通する問題である。例えば、ある施設に関するCADデータ等を取得し終えた後に、当該施設の建設年度等の情報を取得する場合には、さらに多くの時間を要してしまっていた。
【0006】
上記事情に鑑み、本発明は、施設管理に用いられるデータの取得を容易にする技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、端末装置であって、使用者が位置を指定するための入力部と、地表を表す地図のデータと、地表に位置する設備に関するデータと、を重畳して、前記入力部において指定された位置の地図を表示するための画面を生成する画面制御部と、前記画面制御部によって生成された画面を表示する表示部と、を備える。
【0008】
本発明の一態様は、上記の端末装置であって、前記画面制御部は、前記入力部の操作に応じてカーソルの位置を制御し、前記設備に関するデータが位置する領域に前記カーソルが位置する場合に、前記設備に関するデータが位置する領域を表す枠を表示する。
【0009】
本発明の一態様は、上記の端末装置であって、前記地表に位置する設備は道路または道路付属設備であり、前記画面制御部は、所定の距離毎に道路の位置を表すキロポストを表す図形又は文字を前記写真のデータに重畳して表示する。
【0010】
本発明の一態様は、上記の端末装置であって、前記画面制御部は、所定の前記キロポストを表すボタンを表示し、使用者によって前記ボタンが選択されると、選択されたキロポストを略中央に位置させて前記画面を生成する。
【0011】
本発明の一態様は、上記の端末装置であって、前記画面制御部は、前記画面のうち印刷した際に紙面に印刷される領域を表す印刷枠を表示する。
本発明の一態様は、上記の端末装置であって、前記画面制御部は、基盤地図情報としての地理空間情報をさらに重畳する。地理空間情報とは、例えばGIS(地理情報システム:Geographic Information System)で使用される情報である。
【0012】
本発明の一態様は、表示方法であって、端末装置が、使用者による位置の指定を受け付ける入力ステップと、端末装置が、地表を表す地図のデータと、地表に位置する設備に関するデータと、を重畳して、前記入力ステップにおいて指定された位置の地図を表示するための画面を生成する画面制御ステップと、端末装置が、前記画面制御ステップによって生成された画面を表示する表示ステップと、を有する。
【0013】
本発明の一態様は、端末装置に対し、使用者による位置の指定を受け付ける入力ステップと、地表を表す地図のデータと、地表に位置する設備に関するデータと、を重畳して、前記入力ステップにおいて指定された位置の地図を表示するための画面を生成する画面制御ステップと、前記画面制御ステップによって生成された画面を表示する表示ステップと、を実行させるためのコンピュータプログラムである。
本発明の一態様は、端末装置に対し、使用者による位置の指定を受け付ける入力ステップと、地表を表す地図のデータと、基盤地図情報であるGISと、地表に位置する流末排水系統、および法面に関する設備データと、を重畳して、前記入力ステップにおいて指定された位置の写真を表示するための画面を生成する画面制御ステップと、前記画面制御ステップによって生成された画面を表示する表示ステップと、特定の路面または斜面等をクリックすると、流末排水系統や法面が点滅等により明示され影響範囲に関する属性情報や履歴情報等が表示されるステップと、を実行させるためのコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、施設管理に用いられるデータの取得を容易にすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】施設管理システムのシステム構成を表すシステム構成図である。
【図2】端末装置の機能構成を表す概略ブロック図である。
【図3】施設管理補助装置の機能構成を表す概略ブロック図である。
【図4】航空写真情報テーブルの概略を表す図である。
【図5】CAD情報テーブルの概略を表す図である。
【図6】属性情報テーブルの概略を表す図である。
【図7】キロポスト情報テーブルの概略を表す図である。
【図8】キロポストボタン情報テーブルの概略を表す図である。
【図9】表示データが表す表示のうち、キロポスト表示状態における表示の具体例を表す図である。
【図10】CADデータ表示枠を表示しているメインウィンドウの具体例を表す図である。
【図11】複数のCADデータが存在する領域にカーソルが位置する場合の、要素データ制御部の処理の概略を表す図である。
【図12】図11のカーソルにおけるCADデータ表示枠の表示例を表す図である。
【図13】属性表示状態における表示の具体例を表す図である。
【図14】印刷枠表示状態における表示の具体例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、施設管理システム100のシステム構成を表すシステム構成図である。施設管理システム100は、道路に関する施設管理の際に用いられるシステムである。以下の説明における施設とは、上述したように道路に関する本体並びに付帯施設であり、例えば道路の路面、橋梁、橋脚、トンネル、法面、擁壁、用水溝、排水溝、カルバート、地下排水溝、呑み口、防護柵、縁石、水路、眩光防止施設、落下物防止柵、立入防止柵、視線誘導標、スノーポール、電気設備、通信設備等である。施設管理システム100は、端末装置200及び施設管理補助装置300を備える。施設管理システム100に設けられる端末装置200の台数は1台であっても良いし複数台であっても良い。端末装置200と施設管理補助装置300とは、ネットワークを介して通信可能に接続される。端末装置200は、施設管理補助装置300にアクセスし、画面の表示に必要なデータ(要素データ)の送信を要求する。施設管理補助装置300は、要求された要素データを生成し、要求元である端末装置200へ送信する。端末装置200は、要素データを受信して、表示すべき画面を生成し、表示部に表示する。以下、施設管理システム100の各装置について説明する。
【0017】
図2は、端末装置200の機能構成を表す概略ブロック図である。端末装置200は、パーソナルコンピュータやスマートフォンやPDA(Personal Digital Assistant)等の、通信機能を有した情報処理装置である。端末装置200は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備える。端末装置200は、端末用助プログラムを実行することによって、入力部201、表示部202、画面制御部203、データ記憶部204、データ制御部205、通信部206を備える装置として機能する。なお、端末装置200の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。
【0018】
入力部201は、使用者が端末装置200に対して命令や値を入力するための入力装置である。入力装置は、例えばキーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の装置である。
表示部202は、画面制御部203によって生成される画面を表示するための画像表示装置である。画像表示装置は、例えばCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の装置である。
【0019】
画面制御部203は、入力部201を介して使用者から入力された指示に従って、画面を生成し、表示部202に表示させる。画面制御部203は、データ記憶部204に記憶されているデータ又はデータ制御部205から渡されるデータを用いて画面を生成する。画面制御部203は、画面を生成するに当たってデータ制御部205に記憶されていないデータが必要となった場合には、データ記憶部204に対して必要なデータを要求する。例えば、画面制御部203は、画面に表示すべき地図の縮尺と中心座標とを通知することによってデータを要求しても良い。
【0020】
データ記憶部204は、磁気記憶装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。データ記憶部204は、データ制御部205によって施設管理補助装置300から受信されたデータを記憶する。
データ制御部205は、画面制御部203によって要求されたデータを施設管理補助装置300に対して要求する。データ制御部205は、施設管理補助装置300からデータを受信すると、画面制御部203に対して渡し、データ記憶部204に書き込む。
【0021】
通信部206は、ネットワークを介して施設管理補助装置300との通信を制御する。通信部206は、施設管理補助装置300からデータを受信すると、受信されたデータをデータ制御部205へ渡す。また、通信部206は、データ制御部205からデータを受けると、受けたデータを施設管理補助装置300へ送信する。
【0022】
図3は、施設管理補助装置300の機能構成を表す概略ブロック図である。施設管理補助装置300は、メインフレームやワークステーションやパーソナルコンピュータなどの情報処理装置を用いて構成される。施設管理補助装置300は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備える。施設管理補助装置300は、施設管理補助プログラムを実行することによって、航空写真DB301、CADデータDB302、属性情報DB303、キロポストDB304、キロポストボタンDB305、地図情報DB306、通信部307、要素データ制御部308を備える装置として機能する。なお、施設管理補助装置300の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。
【0023】
航空写真DB301は、磁気記憶装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。航空写真DB301は、複数の航空写真のデータを記憶する。航空写真のデータは、上空を飛行する航空機や人工衛星などの飛行体から地上を撮像して生成された画像データである。例えば、航空写真のデータは、オルソ航空写真(25cm解像度以上)のデータや、衛星写真のデータである。また、航空写真DB301は、航空写真情報テーブルを記憶する。
【0024】
航空写真DB301は、同じ地点を撮像領域に含む写真として、縮尺の異なる複数の写真を記憶する。例えば、ある地点Aを撮像領域に含む航空写真として、航空写真a−1、航空写真a−2、・・・、航空写真a−nがある。nは、2以上の整数である。航空写真a−1は、航空写真a−2よりも地上解像度が高い画像である。すなわち、航空写真a−1の1つのピクセルの幅に相当する地図上の距離は、航空写真a−2の1つのピクセルの幅に相当する地図上の距離よりも短い。同様に、航空写真a−2は、航空写真a−3よりも縮尺が小さい画像であり、航空写真a−(n−1)は、航空写真a−nよりも地上解像度が高い画像である。
【0025】
航空写真のデータは、二次元平面データで表現される場合や、高さ方向の情報(地図上の高度の情報)を有する数値標高モデル(DEM:Digital Elevation Model)に重畳して、コンピュータ上で立体化(三次元化)して表現されることも可能である。例えば、航空写真のデータは、四隅(左上、右上、右下、左下)の位置情報を有しても良く、この情報に基づき正確な位置上に表現することが可能となる。位置情報とは、緯度及び経度の情報である。高さの情報は、例えばDEMにおいて、メッシュ単位で区切られている数値標高モデルの各メッシュの中心点または四隅に格納されても良く、DEMの緯度経度座標値に合わせて、一枚ごとにメッシュ化された航空写真の位置あわせを行って、地形モデル上に航空写真を貼り付けることによって、地図の画像を生成しても良い。このような航空写真のデータは、例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)2000のフォーマットで構成されても良い。航空写真のデータは他のフォーマットで形成されても良いし、高さ方向の情報は他の方法で航空写真等のデータを表現しても良い。端末装置200の画面制御部203は、航空写真のデータを表示する際に、高さ方向の情報に基づいて航空写真を変形させて立体的に表示する。
【0026】
図4は、航空写真情報テーブルの概略を表す図である。航空写真情報テーブルは、航空写真IDと地図位置情報と縮尺とを対応付けて持つ。このように、航空写真情報テーブルは、航空写真の情報と地図の情報とを関連づけるテーブルである。航空写真IDは、各航空写真のデータに予め付与された識別情報である。地図位置情報は、航空写真が地図上のどの位置を撮像した画像であるかを表す。地図位置情報は、例えば航空写真の左上、及び右下の二点の位置に対応する経度と緯度と高度とを表しても良い。縮尺は、航空写真の縮尺を表す。各航空写真は、航空写真情報テーブルに登録されている地図位置情報にしたがって地図上に配置される。このとき、各航空写真は切れ目がないように互いに接して配置される。そのため、ある航空写真と他の航空写真とにまたがる領域についても、繋ぎ目無く表示することが可能となる。すなわち、このような領域について連続して閲覧することが可能となる。写真に撮像された道路の中心線と、実際の道路の中心線の緯度、経度、高度とを合わせることによって、航空写真のデータに対して地図位置情報が与えられる。この処理は、コンピュータによって自動的に行われても良いし、人間によって行われても良い。
【0027】
CADデータDB302は、磁気記憶装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。CADデータDB302は、複数のCADデータを記憶する。CADデータは、施設の構造を表すCADのデータである。また、CADデータDB302は、CAD情報テーブルを記憶する。
【0028】
図5は、CAD情報テーブルの概略を表す図である。CAD情報テーブルは、CADデータIDと地図位置情報とを対応付けて持つ。このように、CAD情報テーブルは、CADの情報と地図の情報とを関連づけるテーブルである。CADデータIDは、各CADデータに予め付与された識別情報である。地図位置情報は、CADデータが地図上のどの位置の施設を表したものであるかを表す。地図位置情報は、例えばCADデータの左上、左下、右下、右上の四隅の位置に対応する経度及び緯度を表しても良い。
【0029】
属性情報DB303は、磁気記憶装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。属性情報DB303は、属性情報テーブルを記憶する。図6は、属性情報テーブルの概略を表す図である。属性情報テーブルは、属性情報IDと地図位置情報と属性情報とを対応付けて持つ。このように、属性情報テーブルは、属性情報と地図の情報とを関連づけるテーブルである。属性情報IDは、各属性情報に予め付与された識別情報である。地図位置情報は、属性情報が地図上のどの位置の施設の属性情報を表すものであるかを表す。地図位置情報は、例えば属性情報の施設が設けられている領域に対応する複数の点の経度と緯度と高度とを表しても良い。例えば、属性情報が表す施設の図面の形状が上空から見て四角形であれば、四角形を構成する四つの角のうち二つの角の点(例えば左上及び右下の角の点)の経度と緯度と高度とが地図位置情報として設定される。また、属性情報が表す施設の図面の形状が上空から見てn個の点を線で結ぶことによって表される領域に位置する場合には、n個の点の緯度及び経度が地図位置情報として設定されても良い。このように四点の緯度と経度と高度の情報が地図位置情報として設定されたうえ、各点間を結ぶベクトル情報に基づき、縮尺が異なっても円滑にコンピュータ上に表現することが可能である。
【0030】
属性情報は、施設に関する属性情報である。属性情報に具体的にどのような情報が含まれるのかは、施設管理者の管理する目的によって異なる。例えば、施設が道路の路面である場合には、属性情報は、舗装された年、舗装の種類、管理を行う事務所、路線名、インターチェンジの区間名、上下線区分、表層種別、表層名称などを含む。また、施設が橋梁である場合には、属性情報は、橋梁の名称、上下線区分、橋の種別、構造種別、形状、工法、請負業者、などを含む。
【0031】
キロポストDB304は、磁気記憶装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。キロポストDB304は、キロポスト情報テーブルを記憶する。例えば、キロポストDB304は、道路毎にキロポスト情報テーブルを記憶しても良い。図7は、キロポスト情報テーブルの概略を表す図である。キロポスト情報テーブルは、KP番号と地図位置情報とを対応付けて持つ。このように、キロポスト情報テーブルは、キロポストの情報と地図の情報とを関連づけるテーブルである。KP番号は、各キロポストを表す識別情報である。地図位置情報は、各キロポストが地図上のどこに位置するかを表す。地図位置情報は、例えばキロポストの位置に対応する経度と緯度と高度とを表しても良い。
【0032】
キロポストボタンDB305は、磁気記憶装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。キロポストボタンDB305は、キロポストボタン情報テーブルを記憶する。図8は、キロポストボタン情報テーブルの概略を表す図である。キロポストボタン情報テーブルは、KP番号と縮尺と中心座標とを対応付けて持つ。KP番号は、各キロポストボタンのKP番号である。縮尺は、各KP番号に応じたキロポストボタンが選択された場合に表示される地図の縮尺を表す。中心座標は、各KP番号に応じたキロポストボタンが選択された場合に表示される地図の中心位置の座標を表す。例えば、KP番号が“30”であるキロポストボタンが選択された場合、縮尺20000分の1の地図が表示され、表示される地図の中心位置は、緯度、経度、高度が(x512,y512,z512)の地点となる。なお、この地図縮尺はユーザにより任意に設定可能である。
【0033】
地図情報DB306は、磁気記憶装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。地図情報DB306は、地理空間基盤情報と呼ばれるGIS或いは紙面に生成された地図の画像データ(以下、「紙面地図データ」という。)を記憶する。GISまたは紙面地図データは、例えば複数の地点に対して与えられた緯度及び経度の座標情報を含む。紙面地図データは、例えば以下のようにして生成される。まず、紙面の地図の複数の地点に対して、緯度及び経度を設定する。そして、設定された緯度及び経度に基づいて、紙面の地図の画像をアフィン変換する。このような処理によって、紙面地図データが生成される。紙面地図データは、例えばGeoTIFF等のフォーマットで構成される。
【0034】
通信部307は、ネットワークを介して各端末装置200との通信を制御する。通信部307は、端末装置200からデータを受信すると、受信されたデータを要素データ制御部308へ渡す。また、通信部307は、要素データ制御部308から送信用のデータを受けると、受けたデータを端末装置200へ送信する。
【0035】
要素データ制御部308は、端末装置200から受ける要求に応じて、要求された画面の表示に用いられる要素データを生成する。例えば、要素データ制御部308は、要求された画面に表示される領域に関連するデータを、航空写真DB301、CADデータDB302、属性情報DB303、キロポストDB304、キロポストボタンDB305、地図情報DB306から読み出す。より具体的には、要素データ制御部308は以下のように動作する。まず、要素データ制御部308は、縮尺及び中心座標を端末装置200から受信すると、この縮尺及び中心座標に基づいて画面に表示される領域を判定する。次に、要素データ制御部308は、航空写真DB301または地図情報DB306を参照し、受信された縮尺に応じた縮尺の航空写真または地図情報のデータのうち、表示される領域に地図位置情報が含まれる航空写真のデータを読み出す。受信された縮尺と、それに応じた縮尺とは、予め設定される。例えば、受信された縮尺に最も近い縮尺であっても良いし、受信された縮尺よりも大きい縮尺であって、最も近い縮尺であっても良いし、受信された縮尺よりも小さい縮尺であって、最も近い縮尺であっても良いし、他の縮尺であっても良い。また、要素データ制御部308は、CADデータDB302、属性情報DB303、キロポストDB304を参照し、表示される領域に地図位置情報が含まれる各レコードを読み出す。同様に、要素データ制御部308は、キロポストボタンDB305を参照し、表示される領域に中心座標が含まれる各レコードを読み出す。また、要素データ制御部308は、地図情報DB306を参照し、表示される領域の紙面地図データを読み出す。そして、要素データ制御部308は、読み出したデータを含む要素データを生成する。要素データ制御部308は、生成された要素データを、通信部307を介して端末装置200へ送信する要素データの宛先は、要求元の端末装置200である。
【0036】
次に、画面制御部203によって生成される画面の詳細について説明する。図9は、画面制御部203によって生成される画面のうち、キロポスト表示状態における画面の具体例を表す図である。端末装置200の表示部202が表示する画面には、サブウィンドウ401、メインウィンドウ402、補助ウィンドウ403、地図出力ボタン404が表示される。
【0037】
この画面が初めて表示される場合、画面制御部203は、メインウィンドウ402に表示される地図の縮尺と中心座標(緯度及び経度)とをデータ制御部205へ通知する。データ制御部205は、通信部206を介して縮尺と中心座標とを施設管理補助装置300へ送信する。施設管理補助装置300の要素データ制御部308は、受信された縮尺及び中心座標に基づいて、メインウィンドウ402に表示される領域に関連するデータを、航空写真DB301、CADデータDB302、属性情報DB303、キロポストDB304、キロポストボタンDB305、地図情報DB306から読み出す。そして、要素データ制御部308は、読み出したデータに基づいて要素データを生成し、端末装置200へ送信する。データ制御部205は、要素データを受信すると、受信した要素データに含まれる各データをデータ記憶部204に書き込む。また、データ制御部205は、受信した要素データに含まれる各データを画面制御部203へ渡す。画面制御部203は、受信された要素データに含まれる各データに基づいて、メインウィンドウ402に表示される画面を生成する。
【0038】
サブウィンドウ401に表示される画面も、メインウィンドウ402と同様に、画面制御部203が画面の生成に必要な情報をデータ制御部205に要求することによって生成される。例えば、図9のようにC道路の20kmのフォルダが選択されると、画面制御部203は、C道路の20kmのフォルダに含まれる各キロポストボタンに関連する情報をデータ制御部205に要求する。次に、データ制御部205がC道路の20kmのフォルダに含まれる各キロポストボタンに関連する情報を施設管理補助装置300に要求する。次に、要素データ制御部308は、キロポストボタンDB305を参照し、20〜29のKP番号に関するレコード(KP番号、縮尺、中心座標)を読み出して要素データを生成する。この要素データに基づいて、画面制御部203は、サブウィンドウ401の画面に、20〜29のキロポストボタン4011を表示させる。また、画面制御部203は、サブウィンドウ401において20〜29のいずれかのキロポストボタンが選択された場合に、受信した要素データに基づいて、メインウィンドウ402に表示される地図の縮尺及び中心座標を判定し、この縮尺及び中心座標の地図を表示する。
【0039】
メインウィンドウ402に表示される画面は、複数のレイヤによって構成される。例えば、紙面地図データのレイヤ、航空写真のレイヤ、CADのレイヤ、キロポストのレイヤ、属性情報のレイヤ、地表に位置する流末排水系統を表すレイヤ、法面に関する設備データを表すレイヤ、などのレイヤによって画面が構成される。どのレイヤをメインウィンドウ402に表示させるかは、使用者によって選択される。画面制御部203は、使用者によって選択されたレイヤの情報をメインウィンドウ402に表示させる。また、複数のレイヤが選択された場合には、画面制御部203は、選択された複数のレイヤの情報を重畳して表示する。
【0040】
次に、キロポスト表示状態について詳細に説明する。キロポスト表示状態では、サブウィンドウ401には、キロポストボタン4011がツリー構造で表示される。ツリー構造では、最上位に全てのキロポストボタン4011を含む高速道路フォルダが存在する。次に、高速道路フォルダの下位フォルダとして、各道路に位置する全てのキロポストボタン4011を含む道路フォルダが存在する。道路フォルダの具体例として、A道路フォルダ、B道路フォルダ、C道路フォルダ等がある。各道路フォルダの下位フォルダとして、10キロメートル毎に区切られた各領域に位置する全てのキロポストボタン4011を含む10km単位フォルダが存在する。そして、各10km単位フォルダの下位には、各領域に位置するキロポストボタン4011が格納されている。
【0041】
図9の場合、C道路フォルダの20kmフォルダの中に、“20”〜“29”の10個のキロポストボタン4011が格納されている。端末装置200の使用者は、入力部201を操作することによって、サブウィンドウ401内でカーソル501を移動させることができる。端末装置200の使用者が、C道路の表示部分及び20kmの表示部分に対して順にカーソル501を合わせてクリックすると、上記10個のキロポストボタン4011がサブウィンドウ401に表示される。
【0042】
キロポストボタン4011は、1キロメートル毎に設けられるボタンである。キロポストボタン4011がクリックされると、メインウィンドウ402に、クリックされたキロポストボタン4011に対応するキロポストの位置を中心とした地図が表示される。図9では、サブウィンドウ401に表示された“22”のキロポストボタン4011がクリックされた場合の表示例が示されている。図9のメインウィンドウ402には、“22”のキロポストボタンに対応する縮尺及び中心座標に基づいて、C道路の22キロメートル地点のキロポストの位置を中心とした地図が表示されている。このとき、メインウィンドウ402に表示される地図は、航空写真DB301に記憶されている航空写真の画像を用いた地図である。
【0043】
図9のメインウィンドウ402には、クリックされたキロポストボタン4011に対応するキロポストのみならず、表示された地図内に位置する全てのキロポストの位置が、キロポストの数値とともに表示される。一般的に、キロポストは約100メートル毎に設置される。そのため、図9のメインウィンドウ402には、道路(C道路)に沿って、21.4〜22.5のキロポストが100メートルおきに表示される。なお、メインウィンドウ402に表示される各キロポストの表示位置は、キロポストDB304のキロポスト情報テーブルから抽出された要素データに基づいて画面制御部203が決定する。
【0044】
図10は、CADデータまたは電子化された道路平面図面(以降、総称してCADデータと呼称する)の表示枠を表示しているメインウィンドウ402の具体例を表す図である。端末装置200の使用者は、入力部201を操作することによって、メインウィンドウ402に表示されている地図上で、カーソル501を移動させることができる。CADデータが存在する領域にカーソル501が入ると、そのCADデータが存在する領域を表すCADデータ表示枠502が地図上に表示される。現在のカーソル501の位置が、CADデータが存在する領域内であるか否かは、CADデータDB302に記憶されているCAD情報テーブルから抽出された要素データに基づいて画面制御部203が判定する。画面制御部203は、カーソル501の位置がCADデータの存在する領域内であると判定した場合には、このCADデータのCADデータ表示枠502を画面に表示させる。
【0045】
CADデータ表示枠502が表示されているときにクリックがされると、画面制御部203は、補助ウィンドウ403にこのCADデータのファイル名を表示する。また、画面制御部203は、メインウィンドウ403には、例えば航空写真により構成される地図上に、CADデータの図面を重畳して表示する。
【0046】
図11は、複数のCADデータが存在する領域にカーソル501が位置する場合の、画面制御部203の処理の概略を表す図である。図11の場合、カーソル501は、第一のCADデータの領域502aと、第二のCADデータの領域502bとが重複した領域に位置する。この場合、画面制御部203は、カーソル501の位置を領域内に含む全てのCADデータのCADデータ表示枠502を表示するように構成されても良い。この場合、画面制御部203は、第一のCADデータの領域502aを表すCADデータ表示枠502と、第二のCADデータの領域502bを表すCADデータ表示枠502とを、それぞれメインウィンドウ402に表示させる。
【0047】
一方、画面制御部203は、カーソル501の位置を領域内に含むCADデータのうち、いずれか一つを選択してCADデータ表示枠502を表示するように構成されても良い。この場合、画面制御部203は、カーソル501の位置を領域内に含む各CADデータの領域の中心点を算出する。図11の場合、第一のCADデータの中心点は点503aであり、第二のCADデータの中心点は点503bである。なお、この中心点の位置は、予めCADデータDB302に登録されて要素データに含まれていても良い。
【0048】
次に、画面制御部203は、各CADデータの中心点と、カーソル501との距離を算出する。図11の場合、第一のCADデータの中心点503aとカーソル501との距離はLaであり、第二のCADデータの中心点503bとカーソル501との距離はLbである。次に、画面制御部203は、最も短い距離に対応するCADデータを選択する。図11の場合、Laの方がLbよりも小さい。そのため、画面制御部203は、第一のCADデータを選択する。そして、画面制御部203は、選択したCADデータのCADデータ表示枠502を表示する。図12は、図11のカーソル501におけるCADデータ表示枠502の表示例を表す図である。図12に示されるように、距離が最も短かった第一のCADデータのCADデータ表示枠502がメインウィンドウ402に表示されている。一方、距離が最短ではなかった第二のCADデータのCADデータ表示枠502は表示されていない。このようにCADデータ表示枠502が表示されることによって、使用者は必要とするCADデータを容易に取得することが可能となる。
【0049】
図13は、属性表示状態における表示の具体例を表す図である。使用者が入力部201を操作して属性表示状態に遷移するための所定の操作(例えば属性表示用のボタンを押下する操作)を行うと、画面制御部203は、表示すべき属性情報がデータ記憶部204に記憶されているか否か判定する。表示すべき属性情報とは、例えば地図位置情報の座標が現在メインウィンドウ402に表示されている領域内に位置する属性情報である。表示すべき属性情報がデータ記憶部204に記憶されていない場合には、画面制御部203は、表示すべき属性情報を、データ制御部205を介して施設管理補助装置300へ要求する。この要求に対して施設管理補助装置300は属性情報を含む要素データを端末装置200に送信する。画面制御部203は、受信した要素データに基づいて画面を表示する。
【0050】
属性表示状態では、メインウィンドウ402には、属性情報DB403に登録されている施設が、所定の表示態様で地図上に表示される。図13の場合、道路の属性情報のうち舗装された年に応じて、所定の色又は模様で道路が表示される。例えば、路面601a及び路面601cは、X1年に舗装されており、路面601bは、X2年に舗装されている。そのため、路面601a及び路面601cと路面601bとは異なる表示態様で表示される。また、属性情報が属性情報DB403に登録されていない道路に関しては、上記のような所定の表示態様での表示が行われない。そのため、このような未登録の道路は、航空写真のままで表示される。メインウィンドウ402において、属性情報DB403に登録さている施設がクリックされると、クリックされた施設の属性情報がサブウィンドウ401に表示される。
【0051】
図14は、印刷枠表示状態における表示の具体例を表す図である。使用者が入力部201を操作して印刷枠表示状態に遷移するための所定の操作(例えば印刷ボタン404を押下する操作)を行うと、画面制御部203は、下記のような印刷枠表示状態の表示を行う。
【0052】
印刷枠表示状態では、メインウィンドウ402において、印刷される地図の領域を表す枠(印刷枠801)が表示される。印刷ボタン404が押下された時点では、メインウィンドウ402の中央に印刷枠801が表示される。印刷枠801の縦幅及び横幅は、予め設定されている印刷用紙のサイズに応じて決定される。即ち、印刷ボタン404が押下された時点における縮尺の地図を、設定されている印刷用紙に所定の余白を残して印刷する場合に、実際に印刷用紙に印刷される地図の領域が、印刷枠801として表示される。印刷枠801の大きさは、画面制御部203によって算出される。印刷枠801は、ドラッグ操作をすることによって、所望の場所に移動させることができる。最終的に印刷の指示がなされた時点の印刷枠801の位置に応じて印刷がなされる。
【0053】
次に、使用者が施設管理システム100の端末装置200を操作して、所望のCADデータを取得して印刷するまでの処理について説明する。まず、使用者が、管理対象の施設に関する大まかな場所を把握する。具体的には、使用者は、管理対象の施設が属する道路の名前と、キロポストの値とを把握する。施設管理を行う者は、自身が管理すべき施設の大まかな場所を把握していることが一般的である。そのため、上記のような把握は、施設を管理する者にとっては容易に行うことができる。以下の説明では、C道路の22キロメートルのキロポスト付近に管理対象の施設があるものとする。
【0054】
次に、使用者は、キロポスト表示状態の表示が行われるように端末装置200を操作する。例えば、使用者は、キロポスト表示状態の画面を表示するためのボタンを、入力部201を操作してクリックする(ステップS101)。端末装置200は、キロポスト表示状態の画面を表示するために必要となるデータがデータ記憶部204に記憶されているか否か判定する。記録されている場合には、画面制御部203がデータ記憶部204からデータを読み出して画面を表示する。一方、必要なデータがデータ記憶部204に記憶されていない場合には、画面制御部203は、データ制御部205を介して必要なデータを要求するための要求データを、施設管理補助装置300へ送信する(ステップS102)。施設管理補助装置300は、この要求データを受信すると、キロポスト表示状態の画面に必要な要素データを生成し(ステップS103)、端末装置200へ送信する(ステップS104)。
【0055】
端末装置200は、要素データを受信すると(ステップS105)、この要素データに基づいた画面を表示部202に表示する(ステップS106)。使用者は、入力部201を操作し、管理対象の施設が位置するキロポスト付近のキロポストボタン4011をサブウィンドウ401に表示させる。具体的には以下の通りである。使用者がC道路の表示部分及び20kmの表示部分を順にクリックすると、端末装置200の画面制御部203はそれぞれの表示部分がクリックされたことを検知する。画面制御部203は、それぞれのクリックに応じたサブウィンドウ401の表示を更新する。この更新によって、図9に示されるサブウィンドウ401が表示される。
【0056】
次に、使用者は、入力部201を操作し、サブウィンドウ401内の“22”のキロポストボタン4011をクリックする(ステップS107)。このクリックに応じて、端末装置200の画面制御部203は、“22”のキロポストボタン4011がクリックされたことを検知する(ステップS108)。画面制御部203は、このクリックに応じて、キロポスト“22”を中心とした地図を表示する画面を生成する(ステップS109)。この地図を表示する画面は、例えば航空写真のデータを用いて生成される。画面制御部203は、生成した画面によってメインウィンドウ402の表示を更新する(ステップS110)。この更新によって、図9に示されるメインウィンドウ402が表示される。
【0057】
次に、端末装置200の使用者は、管理対象の施設が位置する付近にカーソル501を移動させる(ステップS111)。端末装置200の画面制御部203は、カーソル501の位置を検知する(ステップS112)。画面制御部203は、カーソル501の移動に応じて、CADデータ表示枠502を含む画面を生成する(ステップS113)。端末装置200の画面制御部203は、生成した画面を表示部202に表示する(ステップS114)。使用者は、所望の施設のCADデータに対応するCADデータ表示枠502が表示された時点で、クリックを行う(ステップS115)。
【0058】
ステップS115におけるクリックに応じて、補助ウィンドウ403に、このCADデータのファイル名が表示される(ステップS116)。また、メインウィンドウ403には、航空写真により構成される地図上に、CADデータの図面が重畳して表示される(ステップS117)。補助ウィンドウ403がクリックされると、CADデータが施設管理補助装置300から端末装置200に送信され(ステップS118)、端末装置200に保存される(ステップS119)。次に、使用者は、CADデータが取得された周辺の地図を印刷するために印刷ボタン404をクリックする(ステップS120)。そして、使用者は、所望の位置に印刷枠801を設定し、印刷の指示を行う(ステップS121)。この指示に応じて、画面制御部203は印刷枠801の領域を印刷するための印刷データを生成し(ステップS122)自装置が使用可能な印刷装置に印刷させる(ステップS123)。
使用者は、端末装置200で上記の操作を行うことによって、施設管理に必要となるCADデータや属性情報や地図を容易に取得することが可能となる。
【0059】
<変形例>
また、上記の説明では、航空写真のデータは高さ方向の情報を有している。しかしながら、航空写真のデータは高さ方向の情報を有していなくとも良い。この場合、高さ方向の情報に基づく処理は実行されない。例えば、画面生成部202は、全ての航空写真のデータを同一の平面上に配置することによって、航空写真を用いた地図を形成する。
施設管理補助装置300は、路面または斜面と、その路面又は斜面に関連した流末排水系統や法面とを対応付けて記憶しても良い。この場合、要素データ制御部308は、端末装置200の画面に表示される路面または斜面に対応する流末排水系統や法面の情報を、要素データとして端末装置200へ送信する。端末装置200のデータ制御部205は、路面または斜面がクリックされると、クリックされた路面または斜面に対応する流末排水系統や法面を点滅等により明示する。
また、施設管理補助装置300は、路面または斜面と、その路面又は斜面に関連した流末排水系統や法面と、その影響範囲に関する属性情報や履歴情報とを対応付けて記憶しても良い。この場合、端末装置200のデータ制御部205は、路面または斜面がクリックされると、クリックされた路面または斜面に対応する流末排水系統や法面の影響範囲に関する属性情報や履歴情報などを表示する。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0060】
100…施設管理システム, 200…端末装置, 300…施設管理補助装置, 301…航空写真DB, 302…CADデータDB, 303…属性情報DB, 304…キロポストDB, 305…キロポストボタンDB, 306…地図情報DB, 307…通信部, 308…要素データ制御部, 401…サブウィンドウ, 402…メインウィンドウ, 403…補助ウィンドウ, 404…印刷ボタン404, 501…カーソル, 502…CADデータ表示枠, 801…印刷枠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者が位置を指定するための入力部と、
地表を表す地図のデータと、地表に位置する設備に関するデータと、を重畳して、前記入力部において指定された位置の地図を表示するための画面を生成する画面制御部と、
前記画面制御部によって生成された画面を表示する表示部と、
を備える端末装置。
【請求項2】
前記画面制御部は、前記入力部の操作に応じてカーソルの位置を制御し、前記設備に関するデータが位置する領域に前記カーソルが位置する場合に、前記設備に関するデータが位置する領域を表す枠を表示する、請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記地表に位置する設備は道路または道路付属設備であり、前記画面制御部は、所定の距離毎に道路の位置を表すキロポストを表す図形又は文字を前記写真のデータに重畳して表示する請求項1又は2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記画面制御部は、所定の前記キロポストを表すボタンを表示し、使用者によって前記ボタンが選択されると、選択されたキロポストを略中央に位置させて前記画面を生成する請求項3に記載の端末装置。
【請求項5】
前記画面制御部は、前記画面のうち印刷した際に紙面に印刷される領域を表す印刷枠を表示する請求項1〜4のいずれかに記載の端末装置。
【請求項6】
前記画面制御部は、基盤地図情報としての地理空間情報をさらに重畳する、請求項1〜5のいずれかに記載の端末装置。
【請求項7】
端末装置が、使用者による位置の指定を受け付ける入力ステップと、
端末装置が、地表を表す地図データと、地表に位置する設備に関するデータと、を重畳して、前記入力ステップにおいて指定された位置の地図を表示するための画面を生成する画面制御ステップと、
端末装置が、前記画面制御ステップによって生成された画面を表示する表示ステップと、を有する表示方法。
【請求項8】
端末装置に対し、
使用者による位置の指定を受け付ける入力ステップと、
地表を表す地図のデータと、地表に位置する設備に関するデータと、を重畳して、前記入力ステップにおいて指定された位置の地図を表示するための画面を生成する画面制御ステップと、
前記画面制御ステップによって生成された画面を表示する表示ステップと、
を実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項9】
端末装置に対し、
使用者による位置の指定を受け付ける入力ステップと、
地表を表す地図のデータと、基盤地図情報であるGISと、地表に位置する流末排水系統、および法面に関する設備データと、を重畳して、前記入力ステップにおいて指定された位置の写真を表示するための画面を生成する画面制御ステップと、
前記画面制御ステップによって生成された画面を表示する表示ステップと、
特定の路面または斜面等をクリックすると、流末排水系統や法面が点滅等により明示され影響範囲に関する属性情報や履歴情報等が表示されるステップと
を実行させるためのコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−103292(P2012−103292A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−249089(P2010−249089)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(511300396)NTT空間情報株式会社 (2)
【出願人】(597010972)株式会社ネクスコ・エンジニアリング北海道 (3)
【Fターム(参考)】