説明

端末装置、電子メールの送信方法、電子メールプログラム

【課題】受信側の電子メール受信環境の影響を受けずに、送信者の意図した表示形式で電子メールを受信者に送ることができ、かつ、メールデータの保存管理を容易に行える端末装置、電子メールの送信方法、電子メールプログラムを提供する。
【解決手段】端末装置100は、電子メールのヘッダを作成するヘッダ作成手段30と、電子メールの本文を作成する本文作成手段20と、ヘッダ作成手段により作成されたヘッダに含まれる情報の少なくとも一部に基づいたヘッダ画像領域及び本文作成手段により作成された本文に基づいた本文画像領域を含むラスタ形式の画像データを生成する画像生成手段40と、画像生成手段により生成された画像データを電子メールに添付して送信する送信手段(50)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子メールを画像データとして取り扱う端末装置、電子メールの送信方法、電子メールプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子メールを受信した後、そのデータを保存することが通常行われている。受信した電子メールのデータは、受信した環境によって様々な形式で保存されている。例えば、携帯電話端末を用いて受信した電子メールは、その携帯電話サービス事業者毎に異なる形式で保存される。また、パーソナルコンピュータを用いて受信した電子メールは、使用する電子メールソフト毎に異なる形式で保存される。よって、受信した電子メールを大切に保存しておく場合であっても、それぞれのファイル形式で別々に保存するか、データの変換処理を行う必要があり、保存データの管理が煩雑であった。
【0003】
一方で、電子メールは、送信側の機器と受信側の機器との間で、その種類や機種が異なる場合が多い。したがって、送信側と受信側とで表示可能な文字、行数、表示サイズ等が異なり、送信者の意図した表示形式のまま受信側の機器に表示されない場合がある。
例えば、丸付き文字やローマ数字等のいわゆる機種依存文字は、そのまま送信しても受信者の装置上で正しく表示される保障はない。
また、携帯電話端末で使われている絵文字は、携帯電話サービス事業者毎に異なっている。これについては、この携帯電話サービス事業者毎に異なる絵文字をサーバ上で対応を取って相互に変換するサービスも行われている。しかし、あくまでも疑似的な変換に過ぎず、送信者の意図する絵文字のまま受信者に伝わる保障はなかった。
さらに、複数の文字を並べた文字列で人の顔等を表現するいわゆる顔文字が使われることもあるが、顔文字を形成する文字列の途中で改行されてしまうと、どのような顔文字であるのか判別が困難となる場合もあった。
さらにまた、イラストや写真等を背景とした電子メールを送信する手法として、HTML形式を用いて電子メールを送る手法がある。しかし、HTML形式の電子メールは、受信側の機器や電子メールソフトが対応していない場合、正しく表示されなかった。
【0004】
このような問題に対して、特許文献1には、電子メールをラスタ形式の画像データに変換して送信する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−235152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の技術では、画像データを見ただけでは、差出人が誰であるのか、いつ送信された電子メールであるのか、という電子メールにとって重要な情報が分からないという問題があった。そのため、特許文献1では、メールの受信側においても特許文献1の発明が提供する電子メールソフトを立ち上げて利用することを想定している。受信側にも専用の電子メールソフトが必要な特許文献1のシステムでは、汎用性がなく、使い勝手が悪かった。
【0007】
本発明の課題は、受信側の電子メール受信環境の影響を受けずに、送信者の意図した表示形式で電子メールを受信者に送ることができ、かつ、メールデータの保存管理を容易に行える端末装置、電子メールの送信方法、電子メールプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の事項を提案している。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0009】
(1)本発明は、電子メールのヘッダを作成するヘッダ作成手段(30)と、前記電子メールの本文を作成する本文作成手段(20)と、前記ヘッダ作成手段により作成された前記ヘッダに含まれる情報の少なくとも一部に基づいたヘッダ画像領域(401b,401c,401d)及び前記本文作成手段により作成された前記本文に基づいた本文画像領域(401a)を含むラスタ形式の画像データ(401)を生成する画像生成手段(40)と、前記画像生成手段により生成された前記画像データを前記電子メールに添付して送信する送信手段(50)とを備える端末装置(100)を提案している。
【0010】
この発明によれば、ヘッダ作成手段は、電子メールのヘッダを作成する。本文作成手段は、電子メールの本文を作成する。画像生成手段は、ヘッダ作成手段により作成されたヘッダに含まれる情報の少なくとも一部に基づいたヘッダ画像領域及び本文作成手段により作成された本文に基づいた本文画像領域を含むラスタ形式の画像データを生成する。送信手段は、画像生成手段により生成された画像データを電子メールに添付して送信する。したがって、受信側の電子メール受信環境の影響を受けずに、送信者の意図した表示形式で電子メールを受信者に送ることができる。また、送信側及び受信側の双方において、メールデータの保存管理を容易に行える。
【0011】
(2)本発明は、(1)に記載の端末装置において、前記画像生成手段(40)の動作と前記送信手段(50)の動作とを連携するように制御する画像データ送信制御手段(60)を備えることを特徴とする端末装置(100)を提案している。
【0012】
この発明によれば、画像データ送信制御手段は、画像生成手段の動作と送信手段の動作とを連携するように制御する。よって、送信者は、複雑な操作や作業を行うことなく、簡単に本発明による電子メールを送信できる。
【0013】
(3)本発明は、(1)又は(2)に記載の端末装置において、前記画像生成手段(40)は、前記ヘッダに含まれる情報の中から差出人に関する情報に基づいたヘッダ画像領域(401c)を含む画像データ(401)を生成することを特徴とする端末装置(100)を提案している。
【0014】
この発明によれば、画像生成手段は、ヘッダに含まれる情報の中から差出人に関する情報に基づいたヘッダ画像領域を含む画像データを生成する。したがって、受信者は、受信した電子メールに添付された画像ファイルを見ただけで差出人を確認できる。
【0015】
(4)本発明は、(1)から(3)までのいずれか1項に記載の端末装置において、前記画像生成手段(40)は、前記ヘッダに含まれる情報の中から件名に関する情報に基づいたヘッダ画像領域(401b)を含む画像データを生成することを特徴とする端末装置(100)を提案している。
【0016】
この発明によれば、画像生成手段は、ヘッダに含まれる情報の中から件名に関する情報に基づいたヘッダ画像領域を含む画像データを生成する。したがって、受信者は、受信した電子メールに添付された画像ファイルを見ただけで件名を確認できる。
【0017】
(5)本発明は、(1)から(4)までのいずれか1項に記載の端末装置において、前記画像生成手段(40)は、前記ヘッダに含まれる情報の中から発信日時に関する情報に基づいたヘッダ画像領域(401d)を含む画像データ(401)を生成することを特徴とする端末装置(100)を提案している。
【0018】
この発明によれば、画像生成手段は、ヘッダに含まれる情報の中から発信日時に関する情報に基づいたヘッダ画像領域を含む画像データを生成する。したがって、受信者は、受信した電子メールに添付された画像ファイルを見ただけで発信日時を確認できる。
【0019】
(6)本発明は、(1)から(5)までのいずれか1項に記載の端末装置において、前記画像生成手段(40)は、前記ヘッダに含まれる情報の少なくとも一部に基づいたファイル名を、生成した画像データのファイル名とすることを特徴とする端末装置を提案している。
【0020】
この発明によれば、画像生成手段は、ヘッダに含まれる情報の少なくとも一部に基づいたファイル名を、生成した画像データのファイル名とする。したがって、受信者は、受信した電子メールに添付された画像データを保存していた場合に、容易に所望の画像データを検索できる。
【0021】
(7)本発明は、(1)から(6)までのいずれか1項に記載の端末装置において、前記送信手段(50)は、前記画像データを前記電子メールに添付して送信するときに、前記本文作成手段(20)により作成された前記本文を削除して送信する、又は、前記本文を代替本文と差し替えて前記電子メールを送信することを特徴とする端末装置を提案している。
【0022】
この発明によれば、送信手段は、画像データを電子メールに添付して送信するときに、本文作成手段により作成された本文を削除して送信する、又は、本文を代替本文と差し替えて電子メールを送信する。したがって、受信者が自然と添付された画像データを閲覧するように誘導できる。
【0023】
(8)本発明は、電子メールのヘッダを作成するヘッダ作成ステップ(S10)と、前記電子メールの本文を作成する本文作成ステップ(S20)と、前記ヘッダ作成ステップにおいて作成された前記ヘッダに含まれる情報の少なくとも一部に基づいたヘッダ画像領域(401b,401c,401d)及び前記本文作成ステップにおいて作成された前記本文に基づいた本文画像領域(401a)を含むラスタ形式の画像データ(401)を生成する画像生成ステップ(S40,S70)と、前記画像生成ステップにおいて生成された前記画像データを前記電子メールに添付して送信する送信ステップ(S100)と、を備え、前記画像生成ステップの動作と前記送信ステップの動作とを連携するように制御する電子メールの送信方法を提案している。
【0024】
この発明によれば、ヘッダ作成ステップでは、電子メールのヘッダを作成する。本文作成ステップでは、電子メールの本文を作成する。画像生成ステップでは、ヘッダ作成ステップにおいて作成されたヘッダに含まれる情報の少なくとも一部に基づいたヘッダ画像領域及び本文作成ステップにおいて作成された本文に基づいた本文画像領域を含むラスタ形式の画像データを生成する。送信ステップでは、画像生成ステップにおいて生成された画像データを電子メールに添付して送信する。画像生成ステップの動作と送信ステップの動作とは、連携するように制御される。したがって、受信側の電子メール受信環境の影響を受けずに、送信者の意図した表示形式で電子メールを受信者に送ることができる。また、送信側及び受信側の双方において、メールデータの保存管理を容易に行える。さらに、送信者は、複雑な操作や作業を行うことなく、簡単に本発明による電子メールを送信できる。
【0025】
(9)本発明は、コンピュータを、電子メールのヘッダを作成するヘッダ作成手段(30)と、前記電子メールの本文を作成する本文作成手段(20)と、前記ヘッダ作成手段により作成された前記ヘッダに含まれる情報の少なくとも一部に基づいたヘッダ画像領域(401b,401c,401d)及び前記本文作成手段により作成された前記本文に基づいた本文画像領域(401a)を含むラスタ形式の画像データ(401)を生成する画像生成手段(40)と、前記画像生成手段により生成された前記画像データを前記電子メールに添付して送信する送信手段(50)と、前記画像生成手段の動作と前記送信手段の動作とを連携するように制御する画像データ送信制御手段(60)として機能させるための電子メールプログラムを提案している。
【0026】
この発明によれば、ヘッダ作成手段は、電子メールのヘッダを作成する。本文作成手段は、電子メールの本文を作成する。画像生成手段は、ヘッダ作成手段により作成されたヘッダに含まれる情報の少なくとも一部に基づいたヘッダ画像領域及び本文作成手段により作成された本文に基づいた本文画像領域を含むラスタ形式の画像データを生成する。送信手段は、画像生成手段により生成された画像データを電子メールに添付して送信する。画像データ送信制御手段は、画像生成手段の動作と送信手段の動作とを連携するように制御する。したがって、このプログラムを実行するコンピュータは、受信側の電子メール受信環境の影響を受けずに、送信者の意図した表示形式で電子メールを受信者に送ることができる。また、送信側及び受信側の双方において、メールデータの保存管理を容易に行える。さらに、送信者は、複雑な操作や作業を行うことなく、簡単に本発明による電子メールを送信できる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、受信側の電子メール受信環境の影響を受けずに、送信者の意図した表示形式で電子メールを受信者に送ることができる。また、送信側及び受信側の双方において、メールデータの保存管理を容易に行える。さらに、送信者は、複雑な操作や作業を行うことなく、簡単に本発明による電子メールを送信できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明による電子メールの送信方法を用いた端末装置100の実施形態を示す図である。
【図2】本実施形態の端末装置100の電子メールに関する動作を示すフローチャートである。
【図3】メール作成画面の表示例を示す図である。
【図4】画像データの確認画面の表示例を示す図である。
【図5】本実施形態の端末装置100が画像形式で送信した電子メールを受信した受信端末における表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態について詳細に説明する。
なお、本実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組み合わせを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、本実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0030】
(実施形態)
図1は、本発明による電子メールの送信方法を用いた端末装置100の実施形態を示す図である。
本実施形態の端末装置100は、入力操作手段10と、本文作成手段20と、ヘッダ作成手段30と、画像生成手段40と、送信手段50と、画像データ送信制御手段60と、表示部70とを備えた携帯電話端末である。
【0031】
入力操作手段10は、端末装置100の使用者が入力操作を行う入力デバイスであり、例えば、入力キーやタッチパネルで構成される。
【0032】
本文作成手段20は、電子メールの本文を作成する部分である。具体的には、本文作成手段20は、使用者が入力操作手段10により文字や絵文字の入力を行う他、使用者の指示にしたがって文字装飾の指定をしたり、イラストや写真等を背景に指定したり文中に挿入したりして、電子メール本文の作成を行う。
【0033】
ヘッダ作成手段30は、電子メールに必要なヘッダを作成する。ヘッダの内容については、通常の電子メールと相違がなく、差出人のメールアドレス、宛先のメールアドレス、件名、送信日時等である。ヘッダ作成手段30は、使用者が入力操作手段10により入力した宛先、件名にしたがってヘッダを作成する。ただし、本実施形態のヘッダ作成手段30は、電子メールの送信前にヘッダを作成するので、送信日時には、仮の値として、電子メール作成時の日時が設定される。また、ヘッダ作成手段30は、端末装置100に設定されている差出人のメールアドレスに基づいてヘッダの差出人に関する情報を作成する。
【0034】
画像生成手段40は、ヘッダ作成手段30により作成されたヘッダと、本文作成手段20により作成された本文とを用いて画像データを生成する。画像生成手段40が作成する画像データは、ヘッダに含まれる情報の少なくとも一部に基づいたヘッダ画像領域401b,401c,401d(図4参照)と、本文に基づいた本文画像領域401a(図4参照)とを含んでいる。具体的には、ヘッダ画像領域の基とするヘッダとしては、差出人のメールアドレス、宛先のメールアドレス、件名、送信日時がある。このうち、差出人のメールアドレスと宛先のメールアドレスについては、アドレスをそのまま画像に変換してもよいが、差出人及び宛先のメールアドレスを記憶するアドレス帳の氏名欄(名称欄)の氏名や名称を画像に変換することが望ましい。また、氏名とともにアドレスを併記する形で画像化してもよい。また、送信日時については、上述した仮の送信日時(電子メール作成時の日時)で画像化する。
【0035】
画像生成手段40が生成する画像データは、ラスタ形式の画像データである。ラスタ形式の画像データとは、点の羅列により表現した画像データであり、例えば、JPEG/JPEG2000、BMP、GIF、TIFF、PNG、PICT等があり、本実施形態では汎用性の高いJPEGを用いている。なお、JPEG以外のラスタ形式の画像データを生成してもよい。
また、画像生成手段40は、ヘッダに含まれる情報の少なくとも一部に基づいたファイル名を、生成した画像データのファイル名とする。本実施形態の画像生成手段40は、件名をファイル名とした画像データを生成する。例えば、「暑中お見舞い」という電子メールの件名であるときには、生成する画像データのファイル名は、「暑中お見舞い.jpg」となる。
【0036】
送信手段50は、画像生成手段40により生成された画像データを電子メールに添付して送信する。本実施形態では、端末装置100が携帯電話端末であるので、携帯電話サービスの通信機能により、電子メールを送信する。
【0037】
また、送信手段50は、画像データを電子メールに添付して送信するときに、本文作成手段により作成された本文を代替本文と差し替えて電子メールを送信する。ここで、代替本文とは、通常の電子メールにおける本文の領域に代替させるためのテキストデータである。本実施形態では、本文は画像データに変換されており、受信者にはその画像データを見て貰いたい。しかし、本文を従来のようにそのまま画像データとともに送信してしまうと、受信者は始めにテキストデータの本文を見てしまい、画像データを見ないおそれがある。そこで、本実施形態では、画像化済みの本文については、送信時に代替本文に置き換えている。本実施形態の代替本文は、「本文はありません 添付ファイルを見てください」という文章である。なお、代替する文章は他の文言であってもよいし、単に本文を削除するだけとしてもよい。また、本文を削除したり置き換えたりすることなくそのまま送るようにすることもできる。
【0038】
画像データ送信制御手段60は、使用者により電子メールを画像形式で送信する操作が行われたときに、画像生成手段40の動作と送信手段50の動作とを連携するように制御を行う。具体的には、画像データ送信制御手段60は、画像形式で送信する前に、画像生成手段40を制御して送信日時の部分を実際の送信日時とした画像データとする。その後、画像データ送信制御手段60は、送信手段50を制御して、電子メールの本文を代替本文と置き換えて、画像データを添付して電子メールを送信する。このように、画像データ送信制御手段60は、電子メールを画像形式で送信する操作が行われたときに、電子メールの画像データ化及び画像データの添付と、本文の置き換えを行い、送信するまでの動作を自動的に実行できるように、画像生成手段40と送信手段50とを連携させる。
【0039】
表示部70は、本文作成手段20やヘッダ作成手段30による本文やヘッダの作成画面を表示したり、画像生成手段40が生成した画像の表示をしたりする。
【0040】
図2は、本実施形態の端末装置100の電子メールに関する動作を示すフローチャートである。
図3は、メール作成画面の表示例を示す図である。
送信メール作成を開始すると、図3のような送信メール画面が表示部70に表示される。
【0041】
ステップ(以下、S)10では、ヘッダ作成手段30は、宛先入力領域301及び件名入力領域302に対して使用者が入力した宛先及び件名に基づいてヘッダを作成する(ヘッダ作成ステップ)。また、ヘッダ作成手段30は、端末装置100に設定されている差出人(使用者)の情報に基づいてヘッダの差出人に関する情報を作成する。なお、件名の入力は必須ではない。
【0042】
S20では、本文作成手段20は、本文入力領域303に対して使用者が入力した本文に基づいて本文を作成する(本文作成ステップ)。なお、図3に示したような文字のみの本文に限らず、背景画像を追加したり、絵文字やイラストを追加したりできるようにしてもよい。
【0043】
S30では、通常送信を行うか、画像形式送信を行うかを判断する。ここで、通常送信とは、従来からの通常の電子メール送信と同じ送信を行うことである。一方、画像形式送信とは、画像生成手段40により画像化されたヘッダ及び本文を送信することである。なお、通常送信を行うか、画像形式送信を行うかは、通常送信ボタン304が選択されたか、画像形式送信ボタン305が選択されたかによって判断される。通常送信を行う場合には、S100へ進み、画像形式送信を行う場合には、S40へ進む。
【0044】
S40では、画像生成手段40は、件名、宛先、差出人、本文、仮の送信日時を含むラスタ形式の画像データ(図4の画像データ401参照)を生成する(画像生成ステップ)。本実施形態では、JPEG形式の画像データを生成する。
【0045】
S50では、画像生成手段40は、生成した画像データを表示部70に表示して、使用者に生成画像の適否を判断させる。
図4は、画像データの確認画面の表示例を示す図である。
ここで、画像生成手段40が生成した画像データについて説明する。
画像データ401中には、本文画像領域401aと、ヘッダ画像領域401b,401c,401dが含まれている。
本文画像領域401aは、本文作成手段20により作成した電子メールの本文をフォントや配置をそのままの形態で画像化した領域である。
【0046】
ヘッダ画像領域401bは、ヘッダ作成手段30が作成したヘッダ中の件名をそのまま画像化した領域である。本実施形態のヘッダ画像領域401bは、本文画像領域401aの上方において、左右方向の中央にセンタリングして配置される。
【0047】
ヘッダ画像領域401cは、ヘッダ作成手段30が作成したヘッダ中の差出人に関する情報を画像化した領域である。差出人については、ヘッダでは電子メールアドレスとして記憶されていても、本実施形態では、電子メール送信者として登録してある差出人名を画像化する。本実施形態のヘッダ画像領域401cは、本文画像領域401aの下方において、左右方向の右側に寄せる右揃えをして配置される。
【0048】
ヘッダ画像領域401dは、ヘッダ作成手段30が作成したヘッダ中の送信日時に関する情報を画像化した領域である。なお、図4に示す画像データ確認を行っているS50では、まだ送信が実行されていないので、確認用に表示するヘッダ画像領域401dの送信日時は、その確認表示を行った時の日時を仮で画像化して表示する。本実施形態のヘッダ画像領域401dは、本文画像領域401a及びヘッダ画像領域401dの下方において、左右方向の右側に寄せる右揃えをして配置される。
【0049】
S60では、S50で表示した画像データを承認するか否かの判断を行う。具体的には、図4に示した画像データの確認画面において、確認ボタン402が選択されたか、修正ボタン403が選択されたかによって、画像データを承認するか否かの判断を行う。確認ボタン402が選択されて画像データを承認する場合には、S70へ進み、修正ボタン403が選択されて画像データの修正を行う(承認されない)場合には、S10へ戻り、図3に示す送信メール作成画面を再度表示する。
【0050】
S70では、画像生成手段40は、先に生成した画像データのヘッダ画像領域401dの仮の送信日時を現在の日時に修正したラスタ形式の画像データを生成する(画像生成ステップ)。
【0051】
S80では、送信手段50は、本文を画像送信用の代替本文に置き換える。なお、代替本文に置き換えずに、本文を削除するだけとしてもよい。
S90では、S70で生成した画像データを電子メールに添付データとして添付する。
S100では、画像データを添付した電子メールを送信する(送信ステップ)。なお、ヘッダについては、電子メールの送信に必要であるので、そのまま送信される。
【0052】
図5は、本実施形態の端末装置100が画像形式で送信した電子メールを受信した受信端末における表示例を示す図である。
本実施形態の端末装置100が画像形式で送信した電子メールは、従来からある通常の電子メールソフトがインストールされた機器であれば特別な操作等を必要とせずに見ることができる。図5に示す例では、送信日時領域501及び件名領域502には、ヘッダの情報を表する。本文領域503には、送信時に置き換えられた代替本文が表示される。本実施形態では、「本文はありません 添付ファイルを見てください」と表示される。本文領域503の下には、添付画像データ表示領域504が表示される。図5の例では、添付された画像データが縮小表示されている。
【0053】
このように、受信した電子メールに添付された画像データは、件名、送信者、送信日時、本文の全てが含まれている。また、画像データのファイル名には、件名と同じファイル名となっている。よって、受信者は、画像データを保存しておけば、使用する電子メールソフトが変わったり、使用する携帯電話端末が変わったりしても、電子メールとして必要な情報を閲覧できる。また、電子メールに添付される画像データに背景や絵文字等を含めたものとすれば、郵便等で送られる紙の手紙のように送信者の意図するままの形態で受信できる。よって、メールを大切なデータとして保存するような用途としても利用できる。
【0054】
以上説明したように、本実施形態によれば、ヘッダの一部と本文とに基づいてラスタ形式の画像データを生成し、これを電子メールに添付して送信する。よって、送信者の意図するままの形態で受信者に伝えることができる。
また、画像生成手段40が生成する画像データは、ラスタ形式であるので、通常の電子メールソフトで閲覧でき、受信側の受信環境の影響を受けずに、容易に実現できる。その上、画像データを保存すれば、後日における閲覧も電子メールソフトを用いることなく容易に行うことができ、管理も容易である。
さらに、画像データ送信制御手段60は、画像データの生成から電子メールへ添付して送信するまでの一連の動作を一括して自動的に実行する。よって、送信者は、簡単な操作で本発明による電子メールを送信できる。
さらにまた、本実施形態では、画像データの生成を電子メールの送信を行う端末装置100で行う。よって、サーバ上で画像変換等をする必要がなく、一度に大量のメールを処理するサーバの処理負担を増加させることもない。
その上、画像データとなっているので、引用されたり、改ざんされたりすることが通常のテキスト形式の電子メールと比べて困難であり、安全性を高めることができる。
【0055】
なお、端末装置の処理をコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録された電子メールプログラムを端末装置に読み込ませ、実行することによって本発明の端末装置、電子メールの送信方法を実現することができる。ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺装置等のハードウェアを含む。
【0056】
また、「コンピュータシステム」は、WWW(World Wide Web)システムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0057】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0058】
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0059】
(変形形態)
(1)本実施形態において、ヘッダの中で件名と、送信者と、送信日時を画像データに含める例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、送信者のみを画像データ中に含めてもよいし、宛先の方の名前を画像データ中に含めてもよいし、ヘッダに含まれる全ての情報を画像データ中に含めてもよい。
【0060】
(2)本実施形態において、端末装置100は、携帯電話端末である例を挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、本発明の実施に必要な電子メールプログラムを備えるノートパソコンや携帯型情報端末、携帯型ゲーム機等であってもよい。
【0061】
なお、本実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【符号の説明】
【0062】
10 入力操作手段
20 本文作成手段
30 ヘッダ作成手段
40 画像生成手段
50 送信手段
60 画像データ送信制御手段
70 表示部
100 端末装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子メールのヘッダを作成するヘッダ作成手段と、
前記電子メールの本文を作成する本文作成手段と、
前記ヘッダ作成手段により作成された前記ヘッダに含まれる情報の少なくとも一部に基づいたヘッダ画像領域及び前記本文作成手段により作成された前記本文に基づいた本文画像領域を含むラスタ形式の画像データを生成する画像生成手段と、
前記画像生成手段により生成された前記画像データを前記電子メールに添付して送信する送信手段と、
を備える端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の端末装置において、
前記画像生成手段の動作と前記送信手段の動作とを連携するように制御する画像データ送信制御手段を備えること、
を特徴とする端末装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の端末装置において、
前記画像生成手段は、前記ヘッダに含まれる情報の中から差出人に関する情報に基づいたヘッダ画像領域を含む画像データを生成すること、
を特徴とする端末装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の端末装置において、
前記画像生成手段は、前記ヘッダに含まれる情報の中から件名に関する情報に基づいたヘッダ画像領域を含む画像データを生成すること、
を特徴とする端末装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の端末装置において、
前記画像生成手段は、前記ヘッダに含まれる情報の中から発信日時に関する情報に基づいたヘッダ画像領域を含む画像データを生成すること、
を特徴とする端末装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の端末装置において、
前記画像生成手段は、前記ヘッダに含まれる情報の少なくとも一部に基づいたファイル名を、生成した画像データのファイル名とすること、
を特徴とする端末装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の端末装置において、
前記送信手段は、前記画像データを前記電子メールに添付して送信するときに、前記本文作成手段により作成された前記本文を削除して送信する、又は、前記本文を代替本文と差し替えて前記電子メールを送信すること、
を特徴とする端末装置。
【請求項8】
電子メールのヘッダを作成するヘッダ作成ステップと、
前記電子メールの本文を作成する本文作成ステップと、
前記ヘッダ作成ステップにおいて作成された前記ヘッダに含まれる情報の少なくとも一部に基づいたヘッダ画像領域及び前記本文作成ステップにおいて作成された前記本文に基づいた本文画像領域を含むラスタ形式の画像データを生成する画像生成ステップと、
前記画像生成ステップにおいて生成された前記画像データを前記電子メールに添付して送信する送信ステップと、
を備え、
前記画像生成ステップの動作と前記送信ステップの動作とを連携するように制御する電子メールの送信方法。
【請求項9】
コンピュータを、
電子メールのヘッダを作成するヘッダ作成手段と、
前記電子メールの本文を作成する本文作成手段と、
前記ヘッダ作成手段により作成された前記ヘッダに含まれる情報の少なくとも一部に基づいたヘッダ画像領域及び前記本文作成手段により作成された前記本文に基づいた本文画像領域を含むラスタ形式の画像データを生成する画像生成手段と、
前記画像生成手段により生成された前記画像データを前記電子メールに添付して送信する送信手段と、
前記画像生成手段の動作と前記送信手段の動作とを連携するように制御する画像データ送信制御手段として機能させるための電子メールプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−13879(P2011−13879A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−156681(P2009−156681)
【出願日】平成21年7月1日(2009.7.1)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】