説明

端末装置およびプログラム

【課題】端末装置の移動状態に応じて、地図データを表示させる更新間隔を適切に制御することによって、ユーザの利便性を損なうことなく、省電力化を図ることを目的とする。
【解決手段】携帯電話機10は、移動状態を検出して、その検出された移動状態が制御内容記憶部102eに記憶されている制御内容のどの項目に該当するかを判別し、該当する項目の表示更新間隔を読み出し、読み出された表示更新間隔を、タイマ値記憶部102cの表示更新タイマのタイマ値として設定する。表示更新間隔が「2分」または「固定表示」である場合には、携帯電話機10は、自らの位置情報および対象の位置情報を含む地図データを画面B106bに白黒で表示し、画面B106bへの電力供給を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図データを表示手段に表示させる端末装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自らの位置や対象(たとえば、目的地、待ち合わせ相手)の位置などの位置情報を取得して、その位置情報を含む地図データを表示部に表示させるナビゲーション機能が搭載された端末装置がある。このような端末装置では、周期的に位置情報を取得して、その位置情報に基づいて地図データを更新して、その更新された地図データを表示部に更新表示している。
【0003】
ところが表示を更新するには電力が必要なため、更新表示を頻繁に行うと、表示を更新するための消費電力が大きくなってしまうという問題点がある。
端末装置の消費電力を抑制する方法としては、移動体の移動状況や地図データに基づいて、画面を操縦者(ユーザ)が見るべき状況で無いと判断された場合には、画面の輝度を下げたり、画面表示を消去させたりする技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2007−132870号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、画面を見るべき状況ではなくてもユーザが画面を確認したい場合があることは充分に考えられる。前述の技術では、そのような場合にユーザが画面を確認することができないという不都合が起こり、ナビゲーション(すなわち案内すること)の利便性を大きく損なってしまう。
【0006】
ところで、端末装置(又は端末装置を携帯するユーザ)の移動状態によっては、地図データの表示の更新を頻繁に行う必要がない場合も有り得る。たとえば、高速で移動中であれば、ユーザが迷いなく進んでいるということで、ユーザが経路を知っている可能性が高く、経路や周囲の状況を案内するための地図データの表示の更新を頻繁に行わなくても、利便性を損なうことが無い。また反対に、ほとんど移動していなければ、現在表示している地図データで充分であり、表示の更新を頻繁に行わなくても、利便性を損なうことが無い。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、端末装置の移動状態に応じて、地図データを表示させる更新間隔を適切に制御することによって、利便性を損なうことなく、省電力化を図ることができる端末装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的達成のため、請求項1に記載の発明は、地図データを表示手段に表示させる端末装置であって、位置情報を取得する位置取得手段と、前記端末装置の移動状態を検出する移動検出手段と、前記移動状態に基づいて、前記位置情報を含む地図データを前記表示手段に表示させる更新間隔を制御する表示制御手段と、を備えることを特徴とする。
更に、コンピュータに、上述した請求項1記載の発明に示した主要機能を実現させるためのプログラムを提供する(請求項14記載の発明)。
【0009】
また、好ましい態様として、たとえば請求項2記載のように、請求項1記載の端末装置において、前記表示制御手段は、前記移動検出手段によって、前記移動状態として、所定の時間内の移動量が所定の移動量よりも大きいことが検出された場合に、前記更新間隔を所定の更新間隔よりも長くするように制御する、ようにしても良い。
【0010】
また、好ましい態様として、たとえば請求項3記載のように、請求項1記載の端末装置において、前記表示制御手段は、前記移動検出手段によって、前記移動状態として、所定の時間内の移動量が所定の移動量よりも小さいことが検出された場合に、前記更新間隔を所定の更新間隔よりも長くするように制御する、ようにしても良い。
【0011】
また、好ましい態様として、たとえば請求項4記載のように、請求項1記載の端末装置において、前記表示制御手段は、前記更新間隔の制御として、前記位置情報を含む地図データを前記表示手段に固定表示させるか、前記位置情報を含む地図データを更新して、その更新された地図データを前記表示手段に更新表示させるかを制御する、ようにしても良い。
【0012】
また、好ましい態様として、たとえば請求項5記載のように、請求項4記載の端末装置において、前記表示制御手段は、前記移動検出手段によって、前記移動状態として、所定の時間内の移動量が所定の移動量よりも大きいことが検出された場合に、前記位置情報を含む地図データを前記表示手段に固定表示させるように制御する、ようにしても良い。
【0013】
また、好ましい態様として、たとえば請求項6記載のように、請求項4記載の端末装置において、前記表示制御手段は、前記移動検出手段によって、前記移動状態として、所定の時間内の移動量が所定の移動量よりも小さいことが検出された場合に、前記位置情報を含む地図データを前記表示手段に固定表示させるように制御する、ようにしても良い。
【0014】
また、好ましい態様として、たとえば請求項7記載のように、請求項4記載の端末装置において、前記表示制御手段は、前記表示手段に固定表示させるように制御する場合には、前記位置情報および対象の位置情報を含む地図データを前記表示手段に固定表示させるように制御する、ようにしても良い。
【0015】
また、好ましい態様として、たとえば請求項8記載のように、請求項4記載の端末装置において、前記表示制御手段によって前記表示手段に固定表示させるように制御された場合に、前記取得手段による位置情報の取得を抑制する抑制手段を更に備える、ようにしても良い。
【0016】
また、好ましい態様として、たとえば請求項9記載のように、請求項4記載の端末装置において、前記表示手段は、電力供給が停止されても表示内容が保持される表示手段であって、前記表示制御手段によって前記表示手段に固定表示させるように制御された場合に、前記表示手段への電力供給を停止する停止手段を更に備える、ようにしても良い。
【0017】
また、好ましい態様として、たとえば請求項10記載のように、請求項1記載の端末装置において、前記端末装置の主要動作用の電池残量を検出する残量検出手段を更に備え、前記表示制御手段は、前記残量検出手段によって、前記電池残量が少ないことが検出された場合に、前記移動状態に基づいて前記更新間隔を制御する、ようにしても良い。
【0018】
また、好ましい態様として、たとえば請求項11記載のように、請求項1記載の端末装置において、前記端末装置の消費電力を抑制するための省電力動作モードに設定するモード設定手段を更に備え、前記表示制御手段は、前記モード設定手段によって、前記省電力動作モードに設定されている場合に、前記移動状態に基づいて前記更新間隔を制御する、ようにしても良い。
【0019】
また、好ましい態様として、たとえば請求項12記載のように、請求項1記載の端末装置において、前記端末装置の筐体の使用状態を示すスタイルを検出するスタイル検出手段を更に備え、前記表示制御手段は、前記スタイル検出手段によって、前記スタイルが所定のスタイルであることが検出された場合に、前記移動状態に基づいて前記更新間隔を制御する、ようにしても良い。
【0020】
また、好ましい態様として、たとえば請求項13記載のように、請求項1記載の端末装置において、前記表示手段は、第1表示手段および第2表示手段を含み、前記表示制御手段は、前記移動状態に基づいて、前記位置情報を含む地図データを前記第1表示手段に表示させるか、前記第2表示手段に表示させるかを制御する、ようにしても良い。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、端末装置の移動状態に応じて、地図データを表示させる更新間隔を適切に制御することによって、利便性を損なうことなく、省電力化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
A.構成
図1は、本発明の実施形態におけるシステム構成の一例を示す図である。
端末装置の一例としての携帯電話機10は、基地局11および交換機12を介して、無線通信網13に接続されている。さらに、携帯電話機10は、無線通信網13を介してインターネット14とも接続されている。携帯電話機10は、音声通話機能、メール機能、インターネット接続機能(webアクセス機能)を有する。
【0023】
また、携帯電話機10は、GPS衛星15(GPS : Global Positioning System)から送られてくる電波に基づいて自らの現在位置を示す位置情報を取得したり、あるいは、無線通信網13に接続されている端末装置の位置情報を記憶して管理する位置情報管理サーバ16から送られてくる位置情報を自らの現在位置を示す位置情報として取得したりする。
【0024】
また、携帯電話機10は、ナビゲーション機能に関連する各種情報を記憶して管理するナビゲーションサービス装置17に、インターネット14を介して接続されていて、自らの位置情報をナビゲーションサービス装置17に送信したり、目的地や待ち合わせ相手などの対象の位置情報をナビゲーションサービス装置17から受信したり、地図データや交通情報などの各種情報をナビゲーションサービス装置17との間で送受信したりする。なお、待ち合わせ相手の位置情報については、相手が所有する端末装置(不図示)から無線通信網13を介して取得するようにしても良い。
【0025】
図2は、本実施形態における携帯電話機10の構成の一例を示す図である。
携帯電話機10は、中央制御部100、ROM101、RAM102、無線通信部103、GPS受信部104、音声信号処理部105、表示部106、操作部107、RTC108、報知部109、移動状態検出部110、スタイル検出部111および電池部112からなる。
【0026】
中央制御部100は、ROM101内の各種のプログラムに応じてこの携帯電話機10の全体動作を制御する。
【0027】
ROM101のプログラム領域には、後述する図10〜図16に示す動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムが格納されている。
【0028】
RAM102は、たとえば、ワーク領域を有する内部メモリで、後述する位置情報記憶部102a、移動状態記憶部102b、タイマ値記憶部102c、位置情報取得タイミング記憶部102dおよび制御内容記憶部102eなどが設けられている。なお、RAM102の記憶内容は、必要に応じて不揮発性メモリ(たとえば、フラッシュメモリ)に保存記憶される。
【0029】
無線通信部103は、音声通話時にはアンテナANT1を介して受信復調した音声データを中央制御部100に出力する一方、中央制御部100から供給される音声データを変調して得た送信信号を高周波増幅してアンテナANT1から送出する。また、メール通信時やインターネット通信時には、中央制御部100の制御の下にアンテナANT1を介して基地局11との間でデータの送受信を行う。
【0030】
GPS受信部104は、GPS衛星15から送られてくる電波をアンテナANT2を介して受信し、この電波に基づいて携帯電話機10の現在位置(緯度、経度、高度)を取得し、取得した現在位置を示す信号を中央制御部100に出力する。
【0031】
音声信号処理部105は、マイクMICおよびスピーカSPを備え、中央制御部100から供給される音声データを音声信号にD/A変換してスピーカSPから再生・発音させたり、マイクMICから出力される音声信号を音声データにA/D変換して中央制御部100に供給したりする。
【0032】
表示部106は、カラー液晶パネル、カラー有機ELパネル、電子ペーパなどの表示デバイスと表示ドライバから構成され、中央制御部100の制御の下に、待受画面など各種情報を再生・表示する。
【0033】
操作部107は、たとえば、操作ボタン、タッチパネル、操作ダイヤル、キーボード、マウスなどのユーザインタフェースであり、ユーザの操作入力を電気信号に変換して中央制御部100に出力する。
【0034】
RTC108は、時刻計時やタイマなどに用いるリアルタイムクロックを発生して中央制御部100に出力する。
【0035】
報知部109は、サウンドスピーカ109a、LED109b、振動モータ109cなどを有し、音声通話やメールの着信などの各種イベントをユーザに報知する。
【0036】
移動状態検出部110は、加速度センサなどの各種センサから構成され、携帯電話機10の移動量をセンサによって測定し、その測定結果を示す信号を中央制御部100に出力する。
【0037】
スタイル検出部111は、携帯電話機10の筐体の各所に配設された磁石と磁力センサなどから構成され、磁力センサによる測定結果(どこに配設された磁石が磁力センサに近いかなど)に基づいて筐体の使用状態を示すスタイルを検出し、その検出結果を示す信号を中央制御部100に出力する。
【0038】
電池部112は、リチウムイオン電池や燃料電池などから構成され、携帯電話機10の各部で使用される電力を供給する。また、電池部112は、外部の充電機器(不図示)と接続され、電池の充電を行う。さらに、電池部112は、電池残量を検出し、その検出結果を示す信号を中央制御部100に出力する。
【0039】
図3は、本実施形態における携帯電話機10の外観の一例を示す図である。
携帯電話機10は、筐体113と筐体114とがヒンジ部115によって接続された折り畳み構造になっている。
図3−1は、筐体113と筐体114との折り畳みを開いた使用状態であるオープンスタイルを示す図である。
筐体113の折り畳みを閉じたときに内側となる面には、カラー液晶パネルやカラー有機ELパネルからなる画面A106aが配設されている。また、この画面A106aの全面に、指や操作器具などを使用して行う接触操作を検出するタッチパネル107aが操作部107として設けられている。
筐体114の折り畳みを閉じたときに内側となる面には、電子ペーパからなる画面B106bが配設されている。また、この画面B106bの全面に、タッチパネル107bが操作部107として設けられている。なお、電子ペーパは、電子ペーパへの電力供給が停止されても表示内容が保持されるようになっている。
【0040】
図3−2は、筐体113と筐体114との折り畳みを閉じた使用状態であるクローズスタイルを示す図である。
筐体114の折り畳みを閉じたときに外側となる面には、カラー液晶パネルやカラー有機ELパネルからなる画面C106cが配設されている。また、この画面C106cの全面に、タッチパネル107cが操作部107として設けられている。
【0041】
図4は、本実施形態における位置情報記憶部102aに記憶される位置情報の一例を示す図である。
位置情報記憶部102aは、日時、自らの位置情報および対象の位置情報を対応付けて記憶している。日時は自らの位置情報および対象の位置情報を取得した日時であり、自らの位置情報は携帯電話機10の位置を示す位置情報であり、対象の位置情報は目的地や待ち合わせの相手などの位置を示す位置情報である。なお、対象が目的地などのように位置が変わらないような対象である場合には、その位置情報を複数回にわたって取得、記憶しなくても良い。
【0042】
図5は、本実施形態における移動状態記憶部102bに記憶される移動状態の一例を示す図である。
移動状態記憶部102bは、日時および移動量を対応付けて記憶している。日時は移動量を検出した日時であり、移動量は携帯電話機10の移動量(たとえば移動距離)である。本実施形態では、直前3秒間の移動量を検出して3秒ごとに記憶し、この3秒ごとに記憶された移動量に基づいた移動状態を利用している。
【0043】
図6は、本実施形態におけるタイマ値記憶部102cに記憶されるタイマ値の一例を示す図である。
タイマ値記憶部102cは、種類およびタイマ値を対応付けて記憶している。種類はタイマの種類を示す。本実施形態では「移動検出タイマ」、「位置取得タイマ」、「表示更新タイマ」としている。タイマ値はそのタイマの値(時間)を示す。タイマの詳細に関しては後述する。
【0044】
図7は、本実施形態における位置情報取得タイミング記憶部102dに記憶される位置情報取得タイミングの一例を示す図である。
位置情報取得タイミング記憶部102dは、項目および設定フラグを対応付けて記憶している。項目は位置情報を取得するタイミングを示す。本実施形態では「表示更新間隔に連動する」、「表示更新間隔に連動しない」としている。設定フラグはその項目が設定されているか否かを示すフラグであり、設定されている場合に「1」、設定されていない場合に「0」となる。
【0045】
図8は、本実施形態における制御内容記憶部102eに記憶される制御内容の一例を示す図である。
制御内容記憶部102eは、項目、表示更新間隔および現在フラグを対応付けて記憶している。項目は移動状態の内容を示す。本実施形態では、1分間の移動量が「2000メートルより長い」、「1500メートルより長い」、「1000メートルより長い」、「1000〜50メートル」、「50メートルより短い」、「30メートルより短い」、「20メートルより短い」としている。表示更新間隔は、表示部106(画面A106a、画面B106b、画面C106c)に表示される地図データの表示を更新する間隔を示す。本実施形態では、「固定表示(更新しない)」、「2分」、「1分」、「3秒」としている。現在フラグは、現在の携帯電話機10の移動状態がどの項目に該当するかを示すフラグであり、現在の移動状態に該当する場合に「1」、該当しない場合に「0」となる。
【0046】
図9は、本実施形態における表示部106(画面A106a、画面B106b、画面C106c)に表示される地図データの表示態様の一例を示す図である。
図9−1は、表示更新間隔が「3秒」または「1分」の場合の表示態様の一例である。この表示態様では、自らの位置情報を含む地図データを表示し、さらに、自らの位置から対象の位置への方向を示す矢印を表示する。
図9−2は、表示更新間隔が「2分」または「固定表示」の場合の表示態様の一例である。この表示態様では、自らの位置情報および対象の位置情報を含む地図データを表示する。
また、図9−1では地図データをカラーで表示し、図9−2では地図データを白黒で表示するなどして、現在の表示更新間隔をユーザが認識できるように、両者の表示態様を変えることによって報知している。
【0047】
B.動作
次に、本実施形態における動作について説明する。
図10は、本実施形態における携帯電話機10の動作の一例を説明するためのフローチャート(メインルーチン)である。
まず、携帯電話機10は、電源オン操作があったか否かを判断し(ステップA1)、電源オン操作があった場合には(ステップA1でYES)、電源をオンし、無線通信網13への位置登録動作や待受画面表示動作などの待受処理を行う(ステップA2)。
【0048】
次に、携帯電話機10は、設定操作、ナビゲーション操作、着信検出、電池残量充分検出、電池残量少検出、電源オフ操作およびその他の操作の各イベントの有無を判断する(ステップA3〜ステップA9)。これらのイベントが発生しない場合には(ステップA3〜ステップA9でNO)、その後、ステップA3に戻る。一方、これらのイベントのいずれかが発生すると、その発生したイベントに応じた処理を実行する。以下、イベントごとの動作を説明する。
【0049】
B−a.設定操作
設定操作が行われると(ステップA3でYES)、携帯電話機10は、その設定操作に応じた設定処理を行う(ステップA10)。設定処理とは、タイマ値を設定する操作に応じてタイマ値記憶部102cに記憶されているタイマ値を設定する処理、位置情報取得タイミングを設定する操作に応じて位置情報取得タイミング記憶部102dに記憶されている設定フラグを設定する処理、制御内容を設定する操作に応じて制御内容記憶部102eに記憶されている項目および表示更新間隔を設定する処理、携帯電話機10の消費電力を抑制するための省電力動作モードの設定や解除を行う操作に応じて省電力フラグ(不図示)を(設定された場合には「1」、解除された場合には「0」に)設定する処理などである。なお、省電力動作モードに設定されると、消費電力を抑制するために、表示部106の輝度を下げたり、スピーカSPから出力される音量を下げたり、ユーザ操作が所定期間無い場合に、表示部106の表示をオフしたりするような各種処理を行う。その後、ステップA3に戻る。
【0050】
B−b.ナビゲーション操作
ナビゲーション操作(ナビゲーション機能を起動させる操作)が行われると(ステップA4でYES)、携帯電話機10は、ナビゲーション処理を行う(ステップA11)。ナビゲーション処理については後述する。その後、ステップA3に戻る。
【0051】
B−c.着信検出
着信を検出すると(ステップA5でYES)、携帯電話機10は、基地局11と通信を行い、発信先との間で音声通話路を確立するなどの通話処理を行う(ステップA12)。その後、ステップA3に戻る。
【0052】
B−d.電池残量充分検出
電池部112の電池残量が充分な状態であること(すなわち、携帯電話機10の各部が動作するのに充分な残量であること、あるいは、電池部112の電池残量が、少ない残量から充電などによって充分な残量になったこと)を検出すると(ステップA6でYES)、携帯電話機10は、電池残量フラグ(不図示)を「0」に設定する(ステップA13)。その後、ステップA3に戻る。
【0053】
B−e.電池残量少検出
電池部112の電池残量が少ない状態であること(すなわち、携帯電話機10の各部が動作するのに充分な残量ではないこと、あるいは、電池部112の電池残量が、充分な残量から少ない残量になったこと)を検出すると(ステップA7でYES)、携帯電話機10は、電池残量フラグ(不図示)を「1」に設定する(ステップA14)。その後、ステップA3に戻る。
【0054】
B−f.電源オフ操作
電源オフ操作が行われると(ステップA8でYES)、携帯電話機10は、電源オフ処理を行い(ステップA15)、このフローチャート(メインルーチン)を終了する。
【0055】
B−g.その他の操作
その他の操作が行われると(ステップA9でYES)、携帯電話機10は、その他の操作に応じた処理を行う(ステップA16)。その他の操作とは、たとえば、発信操作、インターネット接続操作などである。その後、ステップA3に戻る。
【0056】
図11は、上述したナビゲーション処理の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
携帯電話機10は、ナビゲーション機能を起動した後、対象(目的地や待ち合わせの相手)を指定する対象指定操作を受け付け(ステップB1)、地図データの縮尺を指定する縮尺指定操作を受け付けた後(ステップB2)、初期処理を行う(ステップB3)。初期処理については後述する。
【0057】
次に、携帯電話機10は、移動検出タイマタイムアウト、位置取得タイマタイムアウト、表示更新タイマタイムアウト、ナビゲーション終了操作、その他の操作の各イベントの有無を判断する(ステップB4〜B8)。これらのイベントが発生しない場合には(ステップB4〜B8でNO)、その後、ステップB4に戻る。一方、これらのイベントのいずれかが発生すると、その発生したイベントに応じた処理を実行する。以下、イベントごとの動作を説明する。
【0058】
B−h.移動検出タイマタイムアウト
移動検出タイマのタイムアウトを検出すると(ステップB4でYES)、携帯電話機10は、移動状態判別処理を行う(ステップB9)。移動状態判別処理については後述する。その後、ステップB4に戻る。
【0059】
B−i.位置取得タイマタイムアウト
位置取得タイマのタイムアウトを検出すると(ステップB5でYES)、携帯電話機10は、自らの位置情報と、対象指定操作で指定された対象の位置情報とを取得し、取得した日時と対応付けて位置情報記憶部102aに記憶し(ステップB10)、位置取得タイマのタイマ値をタイマ値記憶部102cから読み出して、位置取得タイマを起動する(ステップB11)。その後、ステップB4に戻る。
【0060】
B−j.表示更新タイマタイムアウト
表示更新タイマのタイムアウトを検出すると(ステップB6でYES)、携帯電話機10は、表示処理を行う(ステップB12)。表示処理については後述する。その後、ステップB4に戻る。
【0061】
B−k.ナビゲーション終了操作
ナビゲーション終了操作が行われると(ステップB7でYES)、携帯電話機10は、ナビゲーション機能を終了し(ステップB13)、このフローチャートを終了する。
【0062】
B−l.その他の操作
ナビゲーション機能に関するその他の操作が行われると(ステップB8でYES)、携帯電話機10は、その他の操作に応じた処理を行う(ステップB14)。その後、ステップB4に戻る。
【0063】
図12は、上述した初期処理の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
携帯電話機10は、タイマ値記憶部102cに記憶されている移動検出タイマ、位置取得タイマおよび表示更新タイマのそれぞれのタイマ値を3秒に設定して記憶し(ステップC1)、移動状態(直前3秒間の移動量)を検出して、検出した日時と対応付けて移動状態記憶部102bに記憶し(ステップC2)、移動検出タイマのタイマ値をタイマ値記憶部102cから読み出して、移動検出タイマを起動する(ステップC3)。なお、ナビゲーション機能が起動してから3秒経過していないなどの理由により直前3秒間の移動量が検出できない場合には、検出できるだけの時間の移動量に基づいて3秒間の移動量を検出(算出)するようにしても良い。
【0064】
次に、携帯電話機10は、自らの位置情報と、対象指定操作で指定された対象の位置情報とを取得して、取得した日時と対応付けて位置情報記憶部102aに記憶し(ステップC4)、位置取得タイマのタイマ値をタイマ値記憶部102cから読み出して、位置取得タイマを起動する(ステップC5)。その後、携帯電話機10は、表示更新処理Aを行い(ステップC6)、このフローチャートを終了する。表示更新処理Aについては後述する。
【0065】
図13は、上述した移動状態判別処理の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
携帯電話機10は、移動状態(直前3秒間の移動量)を検出して、検出した日時と対応付けて移動状態記憶部102bに記憶し(ステップD1)、移動検出タイマのタイマ値をタイマ値記憶部102cから読み出して、移動検出タイマを起動する(ステップD2)。
次に、携帯電話機10は、筐体の使用状態を示すスタイルがオープンスタイルか否かを判別する(ステップD3)。オープンスタイルであると判別された場合には(ステップD3でYES)、電池残量フラグが「1」であるか否かを判別する(ステップD4)。電池残量フラグが「1」でない(すなわち、電池残量が充分な状態である)と判別された場合には(ステップD4でNO)、省電力フラグが「1」であるか否かを判別する(ステップD5)。
【0066】
ステップD3でオープンスタイルでない(すなわち、クローズスタイルである)と判別された場合(ステップD3でNO)、または、ステップD5で省電力フラグが「1」でない(すなわち、省電力動作モードに設定されていない状態である)と判別された場合には(ステップD5でNO)、このフローチャートを終了する。一方、ステップD4で電池残量フラグが「1」である(すなわち、電池残量が少ない状態である)と判別された場合(ステップD4でYES)、または、ステップD5で省電力フラグが「1」である(すなわち、省電力動作モードに設定されている状態である)と判別された場合には(ステップD5でYES)、携帯電話機10は、ステップD1で検出された移動状態が、制御内容記憶部102eに記憶されている制御内容のどの項目に該当するかを判別し(ステップD6)、現在フラグが「0」である制御内容の項目に該当するか否かを判別する(ステップD7)。
【0067】
現在フラグが「0」である制御内容の項目に該当しない(すなわち、現在フラグが「1」である制御内容の項目に該当する=前回の移動状態判別処理で判別した移動状態から変化がなかった)と判別された場合には(ステップD7でNO)、このフローチャートを終了する。一方、現在フラグが「0」である制御内容の項目に該当する(すなわち、今回が初めての移動状態判別処理であった、または、前前回の移動状態判別処理で判別した移動状態から変化があった)と判別された場合には(ステップD7でYES)、携帯電話機10は、制御内容記憶部102eに記憶されている制御内容の該当する項目の現在フラグを「1」に設定し、それ以外の制御内容の項目の現在フラグを「0」に設定する(ステップD8)。
【0068】
次に、携帯電話機10は、制御内容記憶部102eに記憶されている制御内容のうち、現在フラグが「1」である項目の表示更新間隔を読み出し(ステップD9)、読み出された表示更新間隔を、タイマ値記憶部102cの表示更新タイマのタイマ値として設定する(ステップD10)。たとえば、読み出された表示更新間隔が「2分」であれば、表示更新タイマのタイマ値を「2分」に設定する。なお、読み出された表示更新間隔が「固定表示」であれば、表示更新タイマのタイマ値を「無限大」に設定する。
【0069】
次に、携帯電話機10は、位置情報取得タイミング記憶部102dに記憶されている位置情報取得タイミングについて、設定フラグが「1」である項目が「表示更新間隔に連動する」であるか否か(すなわち、位置情報取得タイミングが「表示更新間隔に連動する」に設定されているか否か)を判別する(ステップD11)。設定フラグが「1」である項目が「表示更新間隔に連動する」であると判別された場合には(ステップD11でYES)、携帯電話機10は、ステップD9で読み出された表示更新間隔を、タイマ値記憶部102cの位置取得タイマのタイマ値として設定する(ステップD12)。
【0070】
たとえば、読み出された表示更新間隔が「2分」であれば、位置取得タイマのタイマ値を「2分」に設定する。なお、読み出された表示更新間隔が「固定表示」であれば、位置取得タイマのタイマ値を「無限大」に設定する。一方、設定フラグが「1」である項目が「表示更新間隔に連動する」ではない(すなわち、設定フラグが「1」である項目が「表示更新間隔に連動しない」である)と判別された場合には(ステップD11でNO)、ステップD13に遷移する。
【0071】
次に、携帯電話機10は、自らの位置情報と、対象指定操作で指定された対象の位置情報とを取得して、取得した日時と対応付けて位置情報記憶部102aに記憶し(ステップD13)、位置取得タイマのタイマ値をタイマ値記憶部102cから読み出して、位置取得タイマを起動する(ステップD14)。その後、携帯電話機10は、表示更新処理Bを行い(ステップD15)、移動状態に変化があったために表示更新間隔が変更された旨を、サウンドスピーカ109aからの音出力、LED109bからの光出力、振動モータ109cによる振動発生、表示部106によるメッセージ表示などによって報知し(ステップD16)、このフローチャートを終了する。表示更新処理Bについては後述する。
【0072】
図14は、上述した表示処理の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
携帯電話機10は、筐体の使用状態を示すスタイルがオープンスタイルか否かを判別する(ステップE1)。オープンスタイルであると判別された場合には(ステップE1でYES)、電池残量フラグが「1」であるか否かを判別する(ステップE2)。電池残量フラグが「1」でない(すなわち、電池残量が充分な状態である)と判別された場合には(ステップE2でNO)、省電力フラグが「1」であるか否かを判別する(ステップE3)。
【0073】
ステップE1でオープンスタイルでない(すなわち、クローズスタイルである)と判別された場合(ステップE1でNO)、または、ステップE3で省電力フラグが「1」でない(すなわち、省電力動作モードに設定されていない状態である)と判別された場合には(ステップE3でNO)、携帯電話機10は、表示更新処理Aを行い(ステップE4)、このフローチャートを終了する。一方、ステップE2で電池残量フラグが「1」である(すなわち、電池残量が少ない状態である)と判別された場合(ステップE2でYES)、または、ステップE3で省電力フラグが「1」である(すなわち、省電力動作モードに設定されている状態である)と判別された場合には(ステップE3でYES)、携帯電話機10は、表示更新処理Bを行い(ステップE5)、このフローチャートを終了する。表示更新処理Aおよび表示更新処理Bについては後述する。
【0074】
図15は、上述した表示更新処理Aの動作の一例を説明するためのフローチャートである。
携帯電話機10は、位置情報記憶部102aに記憶されている最新の自らの位置情報および対象の位置情報を読み出し、縮尺指定操作によって指定された縮尺の地図データにこれらの位置情報が一度に表示可能か否かを判別する(ステップF1)。一度に表示可能であると判別された場合には(ステップF1でYES)、携帯電話機10は、指定された縮尺で自らの位置情報および対象の位置情報を含む地図データを生成する(ステップF2)。一方、一度に表示可能でないと判別された場合には(ステップF1でNO)、指定された縮尺で自らの位置情報を含む地図データを生成する(ステップF3)。
【0075】
次に、携帯電話機10は、筐体の使用状態を示すスタイルがオープンスタイルか否かを判別する(ステップF4)。オープンスタイルであると判別された場合には(ステップF4でYES)、携帯電話機10は、ステップF2またはステップF3で生成された地図データを画面A106aにカラーで表示し(ステップF5)、表示更新タイマのタイマ値をタイマ値記憶部102cから読み出して、表示更新タイマを起動し(ステップF6)、このフローチャートを終了する。一方、ステップF4でオープンスタイルでない(すなわち、クローズスタイルである)と判別された場合には(ステップF4でNO)、携帯電話機10は、ステップF2またはステップF3で生成された地図データを画面C106cにカラーで表示し(ステップF7)、ステップF6に遷移した後、このフローチャートを終了する。
【0076】
図16は、上述した表示更新処理Bの動作の一例を説明するためのフローチャートである。
携帯電話機10は、制御内容記憶部102eに記憶されている制御内容のうち、現在フラグが「1」である項目の表示更新間隔を読み出し、読み出された表示更新間隔が「2分」または「固定表示」であるか否かを判別する(ステップG1)。表示更新間隔が「2分」または「固定表示」であると判別された場合には(ステップG1でYES)、携帯電話機10は、位置情報記憶部102aに記憶されている最新の自らの位置情報および対象の位置情報を読み出し、これらの位置情報が一度に表示可能な縮尺で、これらの位置情報を含む地図データを生成する(ステップG2)。
【0077】
次に、携帯電話機10は、画面B106bへの電力供給を開始し(ステップG3)、ステップG2で生成された地図データを画面B106bに白黒で表示した後(ステップG4)、画面B106bへの電力供給を停止し(ステップG5)、表示更新タイマのタイマ値をタイマ値記憶部102cから読み出して、表示更新タイマを起動し(ステップG6)、このフローチャートを終了する。一方、ステップG1で、表示更新間隔が「2分」または「固定表示」ではない(すなわち「3秒」または「1分」である)と判別された場合には(ステップG1でNO)、携帯電話機10は、位置情報記憶部102aに記憶されている最新の自らの位置情報および対象の位置情報を読み出し、縮尺指定操作によって指定された縮尺の地図データにこれらの位置情報が一度に表示可能か否かを判別する(ステップG7)。
【0078】
一度に表示可能であると判別された場合には(ステップG7でYES)、携帯電話機10は、指定された縮尺で自らの位置情報および対象の位置情報を含む地図データを生成する(ステップG8)。一方、一度に表示可能でないと判別された場合には(ステップG7でNO)、指定された縮尺で自らの位置情報を含む地図データを生成する(ステップG9)。次に、携帯電話機10は、ステップG8またはステップG9で生成された地図データを画面A106aにカラーで表示し(ステップG10)、ステップG6に遷移した後、このフローチャートを終了する。
【0079】
上述した実施形態においては、端末装置(携帯電話機10)の移動状態に応じて、地図データを表示させる更新間隔を適切に制御するようにしたので、ユーザの利便性を損なうことなく、省電力化を図ることができる。
【0080】
また、上述した実施形態においては、1分間の移動量が「1000メートルより長い」場合には表示更新間隔を「1分」とし、「1500メートルより長い」場合には表示更新間隔を「2分」とするなどのように、所定の時間内の移動量が所定の移動量よりも大きい場合には地図データを表示させる更新間隔を長くするようにしたので、ユーザの利便性を損なうことなく、表示の更新に必要な電力の消費を抑制することができる。移動状態として、所定の時間内の移動量が所定の移動量よりも大きい場合には、ユーザがあまり迷うことなく移動していることが考えられる。つまり、ユーザが経路や周囲の状況を知っている可能性が高い。そのような場合には、地図データを表示させる更新間隔を長くしても、ユーザの利便性を損なうことなく、省電力化を図ることができる。また、高速道路を移動している場合も考えられる。この場合には、経路の選択肢はほとんどなく、知りたい周囲の状況もあまり無いので、地図データを表示させる更新間隔を長くしても、ユーザの利便性を損なうことなく、表示の更新に必要な電力の消費を抑制することができる。
【0081】
また、上述した実施形態においては、1分間の移動量が「50メートルより短い」場合には表示更新間隔を「1分」とし、「30メートルより短い」場合には表示更新間隔を「2分」とするなどのように、所定の時間内の移動量が所定の移動量よりも小さい場合には地図データを表示させる更新間隔を長くするようにしたので、ユーザの利便性を損なうことなく、表示の更新に必要な電力の消費を抑制することができる。移動状態として、所定の時間内の移動量が所定の移動量よりも小さい場合には、現在表示している地図データで充分であり、地図データを表示させる更新間隔を長くしても、ユーザの利便性を損なうことなく、省電力化を図ることができる。
【0082】
また、上述した実施形態においては、1分間の移動量が「2000メートルより長い」場合、または「20メートルより短い」場合には表示更新間隔を「固定表示」にするなどのように、更新間隔の制御として、地図データを固定表示させるか更新表示させるかを制御し、固定表示で充分な場合には固定表示させるようにしたので、ユーザの利便性を損なうことなく、省電力化を図ることができる。
【0083】
また、上述した実施形態においては、移動状態として、所定の時間内の移動量が所定の移動量よりも大きい場合に、地図データを固定表示させるようにしたので、ユーザの利便性を損なうことなく、省電力化を図ることができる。
【0084】
また、上述した実施形態においては、移動状態として、所定の時間内の移動量が所定の移動量よりも小さい場合に、地図データを固定表示させるようにしたので、ユーザの利便性を損なうことなく、省電力化を図ることができる。
【0085】
また、上述した実施形態においては、地図データを固定表示させる場合には、自らの位置情報と対象の位置情報とを含む地図データを固定表示させるようにしたので、固定表示であっても、ユーザは自らの位置と対象の位置との関係を把握することができる。
【0086】
また、上述した実施形態においては、地図データを固定表示させた場合には、位置情報の取得を抑制するようにしたので、ユーザの利便性を損なうことなく、位置情報の取得に必要な電力の消費を抑制することができる。
【0087】
また、上述した実施形態においては、電子ペーパなどのように、電力供給が停止されても表示内容が保持される表示手段に地図データを固定表示させた場合には、その表示手段への電力供給を停止するようにしたので、ユーザの利便性を損なうことなく、省電力化を図ることができる。
【0088】
また、上述した実施形態においては、電池残量が少ない場合や消費電力を抑制するための省電力動作モードに設定されている場合に、端末装置の移動状態に応じて、地図データを表示させる更新間隔を制御するようにしたので、いつも以上に省電力化を図る必要がある場合に、ユーザの利便性を損なうことなく、表示の更新に必要な電力の消費を抑制することができる。
【0089】
また、上述した実施形態においては、オープンスタイルなどのように、所定のスタイルの場合に、端末装置の移動状態に応じて、地図データを表示させる更新間隔を制御するようにしたので、端末装置のスタイルが表示間隔を制御するのに適したスタイルの場合に、ユーザの利便性を損なうことなく、表示の更新に必要な電力の消費を抑制することができる。
【0090】
また、上述した実施形態においては、1分間の移動量が「1000〜50メートル」の場合には画面A106a(カラー液晶パネルやカラー有機ELパネルからなる画面)に地図データを表示させ、「1500メートルより長い」場合には画面B106b(電子ペーパからなる画面)に地図データを表示させるなどのように、端末装置の移動状態に応じて、地図データを表示させる表示手段を制御するようにしたので、移動状態に適した表示手段に地図データを表示させることができる。
【0091】
なお、上述した実施形態においては、端末装置を携帯電話機としているが、たとえば、パーソナルコンピュータ、PDA、デジタルカメラ、音楽プレイヤー、携帯ゲーム機などのように、地図データを表示手段に表示させる任意の端末装置で良い。
【0092】
また、上述した実施形態においては、端末装置に搭載されている表示手段に地図データを表示させるようにしているが、外部モニタなどのように、端末装置に搭載されていない表示手段に地図データを表示させるようにしても良い。
【0093】
また、上述した実施形態においては、折り畳み構造になっている筐体の内側の面に2つの画面、外側の面に1つの画面を配設するようにしたが、たとえば、内側の面に操作キーなどの操作部と1つの液晶画面、外側の面に1つの電子ペーパ画面を配設するなどのように、画面や操作部の配置は任意の配置で良い。
【0094】
また、上述した実施形態においては、筐体の構造を折り畳み構造とし、筐体の使用状態を示すスタイルをオープンスタイルとクローズスタイルとしたが、筐体の構造は任意の構造で良く、またスタイルも端末装置の筐体の構造に応じた任意のスタイルで良い。
【0095】
また、上述した実施形態においては、スタイルがオープンスタイルの場合、電池残量が少ない状態の場合、省電力動作モードに設定されている状態の場合に、表示更新間隔を制御するようにしたが、より簡易的に、スタイル、電池残量、動作モードに関わらずに、表示更新間隔を制御するようにしても良い。また表示更新間隔を制御するスタイル、電池残量、動作モードをユーザが設定できるようにしても良い。
【0096】
また、上述した実施形態においては、加速度センサなどの各種センサを用いて移動状態の検出を行っているが、GPS衛星15から送られてくる電波に基づいて取得した自らの位置情報や位置情報管理サーバ16から送られてくる位置情報から、移動状態を検出(算出)するようにしても良い。なお、この場合には、表示更新間隔を長くしても、位置情報の取得間隔は長くしないようにすることが望ましい。
【0097】
また、上述した実施形態においては、移動状態として、1分間の移動量を用いているが、速度など、任意の移動状態を用いても良い。
【0098】
また、上述した実施形態においては、表示更新間隔やタイマ値を、「3秒」、「1分」、「2分」とし、制御内容の閾値を、「2000メートル」や「20メートル」などとしているが、これらに限らず、任意の値で良い。
【0099】
また、上述した実施形態においては、表示更新間隔が「3秒」または「1分」の場合の地図データをカラー表示、表示更新間隔が「2分」または「固定表示」の場合の地図データを白黒表示としたが、これらに限らず、ユーザが表示更新間隔を区別して認識できるような表示態様であれば良い。また「固定表示」の場合とそれ以外の場合で区別して表示するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】システム構成の一例を示す図。
【図2】携帯電話機10の構成の一例を示す図。
【図3】携帯電話機10の外観の一例を示す図。
【図4】位置情報記憶部102aに記憶される位置情報の一例を示す図。
【図5】移動状態記憶部102bに記憶される移動状態の一例を示す図。
【図6】タイマ値記憶部102cに記憶されるタイマ値の一例を示す図。
【図7】位置情報取得タイミング記憶部102dに記憶される位置情報取得タイミングの一例を示す図。
【図8】制御内容記憶部102eに記憶される制御内容の一例を示す図。
【図9】表示部106に表示される地図データの表示態様の一例を示す図。
【図10】携帯電話機10の動作の一例を説明するためのフローチャート(メインルーチン)。
【図11】ナビゲーション処理の動作の一例を説明するためのフローチャート。
【図12】初期処理の動作の一例を説明するためのフローチャート。
【図13】移動状態判別処理の動作の一例を説明するためのフローチャート。
【図14】表示処理の動作の一例を説明するためのフローチャート。
【図15】表示更新処理Aの動作の一例を説明するためのフローチャート。
【図16】表示更新処理Bの動作の一例を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
【0101】
10 携帯電話機
11 基地局
12 交換機
13 無線通信網
14 インターネット
15 GPS衛星
16 位置情報管理サーバ
17 ナビゲーションサービス装置
100 中央制御部
101 ROM
102 RAM
103 無線通信部
104 GPS受信部
105 音声信号処理部
106 表示部
107 操作部
108 RTC
109 報知部
110 移動状態検出部
111 スタイル検出部
112 電池部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データを表示手段に表示させる端末装置であって、
位置情報を取得する位置取得手段と、
前記端末装置の移動状態を検出する移動検出手段と、
前記移動状態に基づいて、前記位置情報を含む地図データを前記表示手段に表示させる更新間隔を制御する表示制御手段と、
を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記移動検出手段によって、前記移動状態として、所定の時間内の移動量が所定の移動量よりも大きいことが検出された場合に、前記更新間隔を所定の更新間隔よりも長くするように制御する、
ことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記移動検出手段によって、前記移動状態として、所定の時間内の移動量が所定の移動量よりも小さいことが検出された場合に、前記更新間隔を所定の更新間隔よりも長くするように制御する、
ことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記更新間隔の制御として、前記位置情報を含む地図データを前記表示手段に固定表示させるか、前記位置情報を含む地図データを更新して、その更新された地図データを前記表示手段に更新表示させるかを制御する、
ことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記移動検出手段によって、前記移動状態として、所定の時間内の移動量が所定の移動量よりも大きいことが検出された場合に、前記位置情報を含む地図データを前記表示手段に固定表示させるように制御する、
ことを特徴とする請求項4記載の端末装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記移動検出手段によって、前記移動状態として、所定の時間内の移動量が所定の移動量よりも小さいことが検出された場合に、前記位置情報を含む地図データを前記表示手段に固定表示させるように制御する、
ことを特徴とする請求項4記載の端末装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記表示手段に固定表示させるように制御する場合には、前記位置情報および対象の位置情報を含む地図データを前記表示手段に固定表示させるように制御する、
ことを特徴とする請求項4記載の端末装置。
【請求項8】
前記表示制御手段によって前記表示手段に固定表示させるように制御された場合に、前記取得手段による位置情報の取得を抑制する抑制手段を更に備える、
ことを特徴とする請求項4記載の端末装置。
【請求項9】
前記表示手段は、電力供給が停止されても表示内容が保持される表示手段であって、
前記表示制御手段によって前記表示手段に固定表示させるように制御された場合に、前記表示手段への電力供給を停止する停止手段を更に備える、
ことを特徴とする請求項4記載の端末装置。
【請求項10】
前記端末装置の主要動作用の電池残量を検出する残量検出手段を更に備え、
前記表示制御手段は、前記残量検出手段によって、前記電池残量が少ないことが検出された場合に、前記移動状態に基づいて前記更新間隔を制御する、
ことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項11】
前記端末装置の消費電力を抑制するための省電力動作モードに設定するモード設定手段を更に備え、
前記表示制御手段は、前記モード設定手段によって、前記省電力動作モードに設定されている場合に、前記移動状態に基づいて前記更新間隔を制御する、
ことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項12】
前記端末装置の筐体の使用状態を示すスタイルを検出するスタイル検出手段を更に備え、
前記表示制御手段は、前記スタイル検出手段によって、前記スタイルが所定のスタイルであることが検出された場合に、前記移動状態に基づいて前記更新間隔を制御する、
ことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項13】
前記表示手段は、第1表示手段および第2表示手段を含み、
前記表示制御手段は、前記移動状態に基づいて、前記位置情報を含む地図データを前記第1表示手段に表示させるか、前記第2表示手段に表示させるかを制御する、
ことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項14】
コンピュータに、
位置情報を取得する機能、
端末装置の移動状態を検出する機能、
前記移動状態に基づいて、前記位置情報を含む地図データを表示手段に表示させる更新間隔を制御する機能、
を実現させるためのプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−276550(P2009−276550A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−127484(P2008−127484)
【出願日】平成20年5月14日(2008.5.14)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】