説明

端末装置のプログラム、端末装置および端末装置の制御方法

【課題】タグを簡易な手続きで選択することができる端末装置のプログラム等を提供すること。
【解決手段】CPU11は、カメラ部27が撮影したことにより得た第1画像データが含んでいる、ARタグを撮影したことにより得られるタグ画像データを示すタグ画像データ情報を、記憶部12に記憶させる。またCPU11は、記憶部12が記憶しているタグ画像データ情報の少なくとも1つについて、そのタグ画像データ情報の基であるARタグと同じARタグを撮影したことにより得られるタグ画像データが第2画像データの中に含まれていないという第1の条件が成立した場合に、記憶部12が記憶しているタグ画像データ情報のうち、そのタグ画像データ情報の基であるARタグと同じARタグを撮影したことにより得られるタグ画像データが第2画像データの中に含まれていないタグ画像データ情報に基づく付帯データに基づいて、パネル18に画像を表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、タグを簡易な手続きで選択することができる端末装置のプログラム、端末装置および端末装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の技術では、撮影装置が撮影することで取得した現実物体の画像を示す現実画像データを記憶する。そして、現実画像データと、予め記憶している仮想物体の仮想画像を示す仮想画像データとを用いて、現実画像と仮想画像を重ねて表示する。具体例としては、タッチパネルに現実空間の画像が表示されるとともに、当該現実空間の画像に重ねて仮想画像であるボタンの画像が表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−126936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、ユーザ等によって選択された現実物体についての仮想画像を選択的に表示する技術については記載がない。すると、例えば、撮影装置が撮影することで取得した画像内に複数の現実物体が写っている場合には、複数の現実物体の各々に対応して複数の仮想画像が表示されることになる。この場合、ユーザが所定の仮想画像を見つけにくくなる事態や、ユーザが閲覧を所望する仮想画像が見にくくなる事態が発生する場合がある。本明細書では、このような不便性を解消することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願に記載のプログラムは、端末装置のコンピュータが読み取り可能なプログラムであって、コンピュータを、撮影部が撮影したことにより得た第1画像データが含んでいる、タグを撮影したことにより得られるタグ画像データを示すタグ画像データ情報を記憶部に記憶させるタグ画像データ記憶制御手段と、タグ画像データ情報を記憶部が記憶している状態で撮影部が撮影したことにより得た第2画像データの中に、記憶部が記憶しているタグ画像データ情報の少なくとも1つについて、そのタグ画像データ情報の基であるタグと同じタグを撮影したことにより得られるタグ画像データが第2画像データの中に含まれていないという第1の条件が成立した場合に、記憶部が記憶しているタグ画像データ情報のうち、そのタグ画像データ情報の基であるタグと同じタグを撮影したことにより得られるタグ画像データが第2画像データの中に含まれていないタグ画像データ情報に基づく付帯データに基づいて、表示部に画像を表示させる表示制御手段と、して機能させる。
【0006】
本願に記載のプログラムでは、第1画像データに含まれているが、第2画像データに含まれないタグ画像データ情報を、利用者等によって選択されたタグ画像データ情報として検出することができる。そして、選択されたタグ画像データ情報に基づく付帯データに基づいて、表示部に画像を表示させることができる。すなわち、利用者が所望するタグについての画像を、選択的に表示することが可能となる。これにより例えば、撮影部が撮影することで取得した画像内に複数のタグが写っている場合においても、複数のタグの各々に対応する画像の全てが表示されてしまう事態を防止することができるため、利用者の利便性を高めることができる。
【0007】
また、本願に記載のプログラムでは、第1の条件が成立することに応じて、選択されたタグ画像データ情報に基づく付帯データのみを取得することができる。これにより、不要な付帯データを取得してしまうことが防止できる。
【0008】
また、本願に記載のプログラムでは、第1の条件が成立する前に、予め、タグ画像データ記憶制御手段によって取得されたタグ画像データ情報に基づく付帯データを全て取得することができる。これにより、第1の条件が成立した後において、より短い待機時間で画像を表示させることが可能となる。
【0009】
また、本願に記載のプログラムでは、タグが所定の物体で隠された場合のみに、タグが利用者等によって選択されたことを検出することができる。これにより、利用者が意図しない態様でタグが隠されてしまった場合に、当該タグが選択されたと誤って判断されてしまう事態を防止することができる。
【0010】
また、本願に記載のプログラムでは、第1画像内のタグの位置と第2画像内のタグの位置が第1距離以上異なるタグについてのタグ画像データを、利用者等によって移動されたタグであるとして検出することができる。そして、検出されたタグ画像データに基づく付帯データに基づいて、表示部に画像を表示させることができる。これにより、利用者が所望するタグについての画像を、選択的に表示することが可能となる。
【0011】
また、本願に記載のプログラムでは、第2の条件が成立することに応じて、選択されたタグ画像データに基づく付帯データのみを取得することができる。これにより、不要な付帯データを取得してしまうことが防止できる。
【0012】
また、本願に記載のプログラムでは、第2の条件が成立する前に、予め、第1タグ画像データ記憶制御手段によって取得されたタグ画像データに基づく付帯データを全て取得することができる。これにより、第2の条件が成立した後において、より短い待機時間で画像を表示させることが可能となる。
【0013】
また、本願に記載のプログラムでは、撮影部とタグとの距離が第2距離以内である場合のみに、タグが利用者等によって選択されたことを検出することができる。これにより、利用者が意図しない態様でタグが隠されたり移動してしまった場合に、当該タグが選択されたと誤って判断されてしまう事態を防止することができる。
【0014】
また、本願に記載のプログラムでは、タグ画像データに対応するタグの画像が再現される第1画像内の位置から所定の範囲内に、マーカーの画像が再現されない場合に、当該タグ画像データが利用者等によって選択されたとして検出することができる。そして、選択されたタグ画像データに基づく付帯データに基づいて、表示部に画像を表示させることができる。これにより、利用者が所望するタグについての画像を、選択的に表示することが可能となる。
【0015】
また、本願に記載のプログラムでは、第4の条件が成立することに応じて、選択されたタグ画像データに基づく付帯データのみを取得することができる。これにより、不要な付帯データを取得してしまうことが防止できる。
【0016】
また、本願に記載のプログラムでは、第4の条件が成立する前に、予め、タグ画像データ記憶制御手段によって取得されたタグ画像データに基づく付帯データを全て取得することができる。これにより、第4の条件が成立した後において、より短い待機時間で画像を表示させることが可能となる。
【0017】
また、本願に記載のプログラムでは、マーカーが所定の物体で隠された場合のみに、タグが利用者等によって選択されたことを検出することができる。これにより、利用者が意図しない態様でマーカーが隠されてしまった場合に、当該タグが選択されたと誤って判断されてしまう事態を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】拡張現実感提供システム1のブロック図である。
【図2】HMDの動作フローチャート(その1)を示す図である。
【図3】HMDの動作フローチャート(その2)を示す図である。
【図4】第1画像データの画像の一例を示す図である。
【図5】第2画像データの画像の一例を示す図である。
【図6】第2画像データの画像の一例を示す図である。
【図7】HMDの動作フローチャート(その3)を示す図である。
【図8】ARタグの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1実施形態>
図1に、本願に係る第1実施形態として例示される拡張現実感提供システム1のブロック図を示す。拡張現実感提供システム1は、HMD(Head Mounted Display)10、アクセスポイント62、インターネット70、サーバ71、を備える。
【0020】
HMD10について説明する。HMDは、頭部に装着する小型のディスプレイ装置である。HMD10は、現実空間の画像と仮想空間の画像とを合成した画像を、使用者の眼前に提供する装置である。図1に示すように、HMD10は、CPU(Central Processing Unit)11、記憶部12、無線送受信部15、無線アンテナ部16、ボタン入力部17、パネル18、カメラ部27、を主に備えている。
【0021】
カメラ部27は、CCD等により、利用者の位置姿勢に応じた所定範囲を撮影することで画像データを取得する部位である。パネル18は、利用者がHMD10を頭部に装着したときに眼前に位置するように、HMD10に装着されている。パネル18は、画像信号に基づいた画像を表示する。無線送受信部15は、無線アンテナ部16を介して、無線LANのインフラストラクチャーモードに準拠する無線通信201を行う。そして、無線送受信部15により、各種のデータを構成するデジタル信号が送受信される。ボタン入力部17は、HMD10の使用者による操作を受け付ける。
【0022】
CPU11は、記憶部12に記憶されるプログラムに従って処理を実行する。以降、表示プログラム28や基本プログラムなど、プログラムを実行するCPU11のことを、単にプログラム名でも記載する場合がある。例えば「表示プログラム28が」という記載は、表示プログラム28を実行するCPU11が」を意味する場合がある。
【0023】
記憶部12は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(ハードディスク)、CPU11が備えるバッファなどが組み合わされて構成されている。記憶部12は、プログラム21を記憶する。プログラム21は、基本プログラム(図示省略)、表示プログラム28等を含む。基本プログラムは、カメラ部27が撮影することで取得した現実空間の画像をパネル18に表示させるためのプログラム、現実空間の画像に重ねて仮想画像をパネル18に表示させるためのプログラム、無線送受信部15に無線通信201を実行させるためのプログラム、等を含む。また基本プログラムは、カメラ部27が取得した画像データを各プログラムが取得するためのAPI(Application Programming Interface)を提供するプログラムでもある。また表示プログラム28は、後述する拡張現実感提供システム1の動作フローをCPU11に実行させるためのプログラムである。
【0024】
また記憶部12は、設定値記憶領域12aを備える。設定値記憶領域12aには、後述する、所定時間、第1距離、第2距離、などが記憶される。これらの値は、使用者等によって予め記憶されるとしてもよい。
【0025】
サーバ71の構成について説明する。サーバ71は、CPU72、記憶部73、通信部74、を主に備えている。サーバ71は、ネットワークにおいて、HMD10などのクライアント装置に対し、自身の持っている機能やデータを提供する装置である。CPU72は、各機能の制御を行う。記憶部73は、データベース75を記憶する。データベース75は、タグ画像データ情報の各々に対応して、付帯データを記憶している。通信部74は、様々な情報をHMD10との間で通信する。
【0026】
なお、HMD10とアクセスポイント62とは、無線LAN方式のインフラストラクチャーモード(複数の無線LAN端末装置が、アクセスポイントを介してデータ通信するモード)に準拠する無線通信(電波を用いたデータ通信)201を行うことが可能とされている。また、アクセスポイント62とサーバ71とは、インターネット70を介して通信可能とされている。すなわち、HMD10は、アクセスポイント62へアクセスし、無線LANのインフラストラクチャーモードに準拠する無線通信201を行える状態になれば、HMD10は、アクセスポイント62を介して、サーバ71とデータ通信することが可能になる。なお、無線LAN方式の例としては、例えばIEEE802.11a/b/g/nの規格で定められる通信方式が挙げられる。
【0027】
拡張現実感提供システム1の動作の概略を説明する。拡張現実感提供システム1は、カメラ部27が取得した画像データを解析し、当該画像データ内にAR(拡張現実)タグの撮影によって取得したタグ画像データが存在することを認識すれば、サーバ71内のデータベース75からそのARタグに対応した付帯データを取得する。また、取得した付帯データに基づいて、CG(コンピュータグラフィックス)で描画された仮想画像を生成する。そして、画像データから画像を再現した場合にその画像上の、タグ画像データに基づくタグ画像が再現される位置を基準として、仮想画像を現実画像に合成して表示するシステムである。ここでARタグとは、各種の情報を表示するための表示物である。ARタグの一例としては、QRコード(登録商標)などの2次元バーコードが挙げられる。
【0028】
第1実施形態に係る拡張現実感提供システム1の動作を、図2ないし図6を用いて説明する。図2および図3を用いて、HMD10で行われるフローを説明する。図2および図3のフローは、HMD10の表示プログラム28を起動することに応じて、実行が開始される。なお、第1実施形態は、ARタグが複数存在する場合に、使用者によって少なくとも一部が隠されたARタグ、または使用者によって移動されたARタグを、使用者によって選択されたARタグとして取り扱う形態である。第1実施形態の説明例では、ARタグが2次元バーコードである場合を説明する。また、ARタグに埋め込まれている情報が、付帯データを記憶しているデータベース75へアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)である場合を説明する。また、タグ画像データ情報は、タグ画像データを解析して得たURLである場合を説明する。
【0029】
図2のS113において、CPU11は、カメラ部27が撮影することで取得した第1画像データを取得する。そしてCPU11は、画像処理により、第1画像データ内にタグ画像データが含まれているかを判断する。タグ画像データは、ARタグを撮影したことにより得られる画像データである。CPU11は、第1画像データ内にタグ画像データが含まれている場合には、タグ画像データ情報を取得し、記憶部12に記憶させる。タグ画像データ情報は、タグ画像データに関連する各種の情報である。第1実施形態の説明例では、タグ画像データ情報は、データベース75へアクセスするためのURLである場合を説明している。
【0030】
S113における、第1実施形態の説明例での第1画像データについて説明する。図4は、第1画像データを再現した画像110を示す図である。CPU11は、第1画像データに、タグ121ないし123のタグ画像データの3つが含まれていることを判断する。そして、タグ121に関するタグ画像データ情報(http://www.ABC.com/data1)、タグ122に関するタグ画像データ情報(http://www.ABC.com/data2)、タグ123に関するタグ画像データ情報(http://www.ABC.com/data3)、を取得し、記憶部12に記憶させる。
【0031】
S115において、CPU11は、所定時間待機する。なお、所定時間は、設定値記憶領域12aに記憶されている。
【0032】
S117において、CPU11は、カメラ部27が撮影することで取得した第2画像についての第2画像データを取得する。第2画像データは、第1画像データの取得が行われてから所定時間が経過した後に取得された、画像データである。そしてCPU11は、画像処理により、第2画像データ内にタグ画像データが含まれているかを判断する。CPU11は、第2画像データ内にタグ画像データが含まれている場合には、タグ画像データ情報を取得し、記憶部12に記憶させる。
【0033】
S117における、第1実施形態の説明例での動作を説明する。図5は、第2画像データを再現した画像210を示す図である。CPU11は、第2画像データ内に、タグ221および223のタグ画像データの2つが含まれていることを判断する。そして、タグ221に関するタグ画像データ情報(http://www.ABC.com/data1)、および、タグ223に関するタグ画像データ情報(http://www.ABC.com/data3)を取得する。
【0034】
S121において、CPU11は、第1画像データおよび第2画像データに、タグ画像データが含まれているか否かを判断する。含まれていない場合(S121:NO)にはフローが終了され、含まれている場合(S121:YES)にはS123へ進む。S123において、CPU11は、第1画像データに含まれているタグ画像データの全てが、第2画像データに含まれているか否かを判断する。第1画像データに含まれているタグ画像データの全てが、第2画像データに含まれていない場合(S123:NO)には、S127(図3)へ進む。
【0035】
第1実施形態の説明例では、第1画像データの画像110(図4)にはタグ121ないし123の画像が含まれている。また、第2画像データの画像210(図5)にはタグ221および223の画像が含まれている(S121:YES)。しかし、第2画像データの画像210には、第1画像データの画像110内のタグ122に対応するタグ画像データが含まれていない(S123:NO)。よって、S127へ進む。
【0036】
S127において、CPU11は、第1画像データには含まれているが第2画像データには含まれていないARタグが、手によって隠されているか否かを判断する。具体的には、第1画像データを再現した第1画像内の、該当するARタグの画像が再現される位置について、第2画像データを再現した第2画像内ではその位置に、人間の手の画像が再現されるか否かを、周知の画像認識技術によって判断する。第1画像データには含まれているが第2画像データには含まれていないARタグが、手によって隠されていることが判明した場合(S127:YES)には、S128へ進む。そして、手によって隠されているARタグが、使用者によって選択されたARタグ(選択タグ)に設定される。そしてS137へ進む。
【0037】
第1実施形態の説明例では、図4および図5に示すように、タグ122(図4)の画像は、第1画像データの画像110には含まれているが、第2画像データの画像210には含まれていない(S123:NO)。また、第2画像データの画像210(図5)において、タグ122(図4)が、人間の手230によって少なくとも一部が隠されていることが判断される(S127:YES)。よって、タグ122(図4)が、選択タグに設定される(S128)。
【0038】
S137において、CPU11は、選択タグとカメラ部27との離反距離を解析する。具体的には、第1画像内における、選択タグのタグ画像の大きさを画像解析することで、離反距離が算出される。第1実施形態の説明例では、図4において、タグ122の画像の、第1画像データの画像110内での大きさが解析される。
【0039】
S139において、CPU11は、S137で算出した離反距離が、予め定められた第2距離以内である、という条件が成立しているか否かを判断する。第2距離は、一般的な使用者の手の届く距離(肩から指先までの距離)に設定してもよい。当該条件が成立していない場合(S139:NO)にはフローが終了され、当該条件が成立している場合(S139:YES)にはS141へ進む。
【0040】
S141において、CPU11は、選択タグに対応する付帯データを無線送受信部15に取得させる。具体的には、無線送受信部15に、無線通信201、アクセスポイント62、インターネット70を介してサーバ71と通信を実行させる。
【0041】
第1実施形態の説明例では、選択タグ(タグ画像データの画像の基となるタグ122(図4))に関するタグ画像データ情報(http://www.ABC.com/data2)に基づいて、サーバ71のデータベース75にアクセスする。そして、付帯データ(タイトル:AAA、著者:BBB、出版年:CCC年)を取得する。
【0042】
S143において、CPU11は、選択タグのタグ画像データ情報に基づく付帯データに基づいて、仮想画像を生成する。そして、パネル18において、第1実施形態の説明例では、図6に示すように、付帯データを表す仮想画像240が、第2画像データの画像210に重ねて表示される(現実画像に仮想画像を重ねた合成画像が表示される)。
【0043】
また、S123(図2)において、CPU11が、第1画像データに含まれているタグ画像データの全てが、第2画像データに含まれていると判断する場合(S123:YES)には、S131へ進む。S131において、CPU11は、第1画像データおよび第2画像データの各々において、タグ画像データが複数個含まれているか否かを判断する。タグ画像データが複数個含まれている場合(S131:YES)には、S133へ進む。
【0044】
S133において、CPU11は、第1画像データによって再現される第1画像内での位置と、第2画像データによって再現される第2画像内での位置とが異なるARタグが1つのみ存在するか否かを判断する。具体的には、第1画像内において、タグ画像データの基であるARタグの画像が再現される位置が取得される。また、第2画像内において、タグ画像データの基であるARタグの画像が再現される位置が取得される。ここで、ARタグの画像が再現される位置は、第1画像や第2画像のフレームを基準とした位置ではなく、ARタグ周囲の背景を基準とした位置である。よって、第1画像と第2画像との間でカメラ部27の撮影方向が変化している場合においても、ARタグの位置は、当該撮影方向の変化によって影響を受けづらい。
【0045】
そして、CPU11は、第1画像内のARタグの画像位置と第2画像内のARタグの画像位置とが所定の第1距離以上異なるという条件が成立するか否かを判断する。当該条件が成立するARタグの画像が1つのみでない場合(S133:NO)には、フローが終了される。一方、当該条件が成立するARタグの画像が1つのみである場合(S133:YES)、すなわち、1つのARタグが物理的に移動された場合には、S136へ進む。S136において、移動されたARタグが使用者によって選択されたARタグ(選択タグ)に設定され、S137(図3)へ進む。S137以降のステップについては前述の通りであるため、ここでは説明を省略する。
【0046】
また、S131において、第1画像データおよび第2画像データの各々において、タグ画像データが含まれている数が1つである場合(S131:NO)には、S135へ進む。
【0047】
S135において、CPU11は、第1画像データによって再現される第1画像と、第2画像データによって再現される第2画像とを比較し、その1つのARタグの位置が第1距離以上移動しているという条件が成立しているか否かを判断する。なお、移動の判断方法は、S133で用いた方法と同様であるため、ここでは説明を省略する。当該条件が成立しない場合(S135:NO)にはフローが終了される。一方、当該条件が成立する場合(S135:YES)には、1つのARタグが物理的に移動されたと判断され、S136へ進む。S136において、移動されたARタグが使用者によって選択されたARタグ(選択タグ)に設定され、S137(図3)へ進む。S137以降のステップについては前述の通りであるため、ここでは説明を省略する。
【0048】
以上説明した、第1実施形態の説明例に係る拡張現実感提供システム1の効果を説明する。第1実施形態では、第1画像データに含まれているが、第2画像データに含まれないタグ画像データ情報を、利用者等によって選択されたタグ画像データ情報として検出することができる(S125)。そして、選択されたタグ画像データ情報に基づく付帯データに基づいて、パネル18に画像を表示させることができる(S143)。すなわち、利用者によって隠されたARタグを選択し、選択したタグについての付帯データのみをパネル18に表示させることが可能となる。これにより例えば、図4に示すようにカメラ部27が撮影することで取得した第1画像データの画像110内に複数のタグ121ないし123が写っている場合においても、図6に示すように、手230によって隠されたタグについての付帯データを示す仮想画像240のみをパネル18に表示させることができる。よって、複数のタグの各々に対応する画像の全てが表示されてしまう事態を防止することができるため、利用者の利便性を高めることができる。またこれにより、タグを選択するための別途のユーザインタフェース(選択ボタン等)を追加することなく、タグを選択することが可能となる。
【0049】
また、第1実施形態では、タグが人間の手で隠された場合のみに、タグが利用者等によって選択されたことを検出することができる。これにより、他の障害物等がカメラ部27とタグの間に割り込んできた場合など、利用者が意図しない態様でタグが隠されてしまった場合に、当該タグが利用者によって選択されたと誤判断されてしまう事態を防止することができる。
【0050】
また、第1実施形態では、第1画像内のARタグの画像位置と第2画像内のARタグの画像位置とが所定の第1距離以上異なる場合に、当該ARタグが利用者等によって選択されたタグであると検出することができる(S133、S135)。そして、選択されたタグ画像データに基づく付帯データに基づいて、パネル18に画像を表示させることができる(S143)。すなわち、(ARタグの付された物体を利用者が手に取るなどによって)利用者によって移動されたARタグを選択し、選択したタグについての付帯データのみをパネル18に表示させることが可能となる。これにより、利用者が選択したタグについての付帯データを、選択的に表示させることが可能となる。
【0051】
また、第1実施形態では、カメラ部27とARタグとの離反距離が第2距離以内である場合のみに、当該ARタグが利用者等によって選択されたことを検出することができる(S139)。これにより、利用者から遠く離れたARタグを他人が移動させた場合など、利用者が意図しない態様でタグが移動してしまった場合に、当該タグが利用者によって選択されたと誤判断されてしまう事態を防止することができる。
【0052】
<第2実施形態>
第2実施形態を説明する。第2実施形態は、マーカーを備えるARタグを用いる形態である。そして、使用者によってマーカーが隠されたARタグを、使用者によって選択されたARタグとして取り扱う形態である。図8に、第2実施形態で用いられるARタグの一例を示す。ARタグ301は、タグ部311とマーカー312を備える。タグ部311は、各種の情報を表示させるための2次元バーコードである。マーカー312は、目印になる形や色を持つ対象物である。またマーカー312は、タグ部311を基準とした、予め定められた所定の位置に配置される。図8の例では、マーカー312は、タグ部311の下方側に、中心位置P1から距離D1離れて配置されている。なお、第2実施形態に係る拡張現実感提供システム1は、第1実施形態と同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0053】
第1実施形態に係る拡張現実感提供システム1の動作を、図7を用いて説明する。S213において、CPU11は、カメラ部27が撮影することで取得した第1画像についての第1画像データを取得する。そしてCPU11は、画像処理により、第1画像データ内にタグ画像データが含まれているかを判断する。第1画像データ内にタグ画像データが含まれている場合には、CPU11はタグ画像データ情報を取得し、記憶部12に記憶させる。
【0054】
S217においてCPU11は、第1画像データに、タグ画像データが1つ以上含まれているか否かを判断する。含まれていない場合(S217:NO)にはフローが終了され、含まれている場合(S217:YES)にはS219へ進む。
【0055】
S219において、CPU11は、マーカー画像が写っていないタグ画像が存在するか否かを判断する。具体的には、第1画像データに基づいて第1画像を再現し、第1画像内においてタグ画像が再現される中心位置を特定する。そして、特定した中心位置から所定の範囲内に、マーカー画像が存在するか否かを、周知の画像処理技術によって判定する。図8のARタグ301の例では、タグ部311の中心位置P1からの半径が距離D1の範囲内に、マーカー312の画像が存在するか否かが判定される。マーカー画像が写っていないタグ画像が存在しない場合(S219:NO)には、フローが終了される。一方、マーカー画像が写っていないタグ画像が存在する場合(S219:YES)には、S221へ進む。
【0056】
S221において、CPU11は、指によって隠されることで、第1画像内にマーカー画像が存在しない状態とされているか否かを判断する。具体的には、タグ画像を基準として、マーカー画像が存在すべき位置を特定する。そして、特定した位置に、人間の指が存在するか否かを、周知の画像認識技術によって判断する。指によってマーカーが隠されていないと判断される場合(S221:NO)には、ARタグにマーカーが元々備えられていないと判断され、フローが終了される。一方、指によってマーカーが隠されていること判断される場合(S221:YES)には、S222へ進み、指によって隠されているマーカーを備えているARタグが、使用者によって選択されたARタグ(選択タグ)に設定される。そしてS223へ進む。
【0057】
S223において、CPU11は、選択タグに対応する付帯データ取得する処理を行う。なお、S223の内容の詳細は、S141(図3)の内容と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0058】
S225において、CPU11は、選択タグのタグ画像データ情報に基づく付帯データに基づいて、パネル18に画像を表示させる。なお、S225の内容の詳細は、S143(図3)の内容と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0059】
以上説明した、第2実施形態の説明例に係る拡張現実感提供システム1の効果を説明する。第2実施形態では、タグ画像データに対応するタグ画像が再現される第1画像内の位置から所定の範囲内に、マーカー画像が再現されない場合に、当該タグ画像データを、利用者等によって選択されたタグ画像データとして検出することができる(S222)。そして、選択されたタグ画像データに基づく付帯データに基づいて、表示部に画像を表示させることができる(S225)。これにより、利用者によってマーカーが隠されたARタグを選択タグに設定し、選択タグについての付帯データのみをパネル18に表示させることが可能となる。
【0060】
また、本願に記載のプログラムでは、マーカーが指で隠された場合のみに、タグが利用者等によって選択されたことを検出することができる。これにより、他の障害物等がカメラ部27とマーカーの間に割り込んできた場合など、利用者が意図しない態様でマーカーが隠されてしまった場合に、当該タグが選択されたと誤って判断されてしまう事態を防止することができる。
【0061】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。以下に変形例を説明する。
【0062】
<変形例>
第1実施形態および第2実施形態では、選択タグが決定した後に、選択タグに対応する付帯データを取得する(S141、S223)としたが、この形態に限られない。付帯データを取得するタイミングは、様々なタイミングであってよい。例えば、タグ画像データ情報が取得できたタイミング(第1実施形態のS113およびS117、第2実施形態のS213、など)で、付帯データを取得して記憶部12に記憶させておくとしてもよい。そして、選択タグが決定した後に、選択タグに対応する付帯データを記憶部12から読み出すとしてもよい。これにより、選択タグが決定された後において、より短い待機時間で付帯データに関する画像を表示させることが可能となる。
【0063】
またタグ画像データ情報は、URLに限られず、様々な情報であってよい。例えばタグ画像データ情報は、タグ画像データそのもの、タグ画像データを解析して得たデータ、タグ画像データを解析して得たURLに基づいてサーバから得たデータ、などであってよい。
【0064】
なお、タグ画像データ情報が、タグ画像データそのものである場合は、S123において、第2画像データに含まれるタグ画像データを得て、記憶部12に記憶された第1画像データのタグ画像データと比較すればよい。また、タグ画像データ情報が、タグ画像データを解析して得たデータである場合は、S123において、第2画像データに含まれるタグ画像データを解析してタグ画像データ情報(URLなど)を取得し、記憶部12に記憶されている第1画像データに関するタグ画像データ情報(URLなど)と比較すればよい。これにより、第1画像データおよび第2画像データに含まれているタグ画像データは、同一のARタグに基づくタグ画像データであるか否かを判断することができる。
【0065】
またデータベース75が保持される場所は、サーバ71の記憶部73に限られず、例えば、HMD10の記憶部12に保持されてもよい。これにより、付帯データを取得する際に、無線送受信部15や無線通信201を用いた通信を不要とすることが可能となる。
【0066】
また第1実施形態のフロー(図3)において、S137およびS139を省略することも可能である。
【0067】
本開示の技術では、カメラ部27で取得される画像は、静止画に限られず動画も含まれる。すなわち、第1実施形態のS113、S117や第2実施形態のS213は、カメラ部27に静止画の撮影を指令し、指令に従ってカメラ部27が画像データを取得する構成でもよいし、動画の撮影を行っているカメラ部27に、S113、S117、S213のタイミングで、撮影した動画の1シーンの画像データを取得するよう指令する構成でもよい。
【0068】
S123(図2)において、第1画像データに含まれているタグ画像データが1つであり、第2画像データにタグ画像データが含まれていない場合には、S127へ進むとしてもよい。そして、その1つのタグ画像データが手によって隠されていることが判明した場合(S127:YES)には、その1つのタグ画像データの基となるARタグを、選択タグに設定してもよい。
【0069】
本実施形態では、ARタグが2次元バーコードである場合を説明したが、この形態に限られない。ARタグは、各種の情報を表示できる形態であれば何れの画像であってもよく、例えば、特定のキャラクター画像や枠画像などであってもよい。
【0070】
本実施形態では、HMD10を構成する装置を利用者が装着しているが、ユーザが複合現実空間を体験できる形態であれば、HMD10は必ずしも利用者が装着する必要はない。
【0071】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【0072】
HMD10は端末装置の一例である。CPU11はコンピュータの一例である。カメラ部27は撮影部の一例である。S113に到る処理を実行するCPU11は、タグ画像データ記憶制御手段、タグ画像データ記憶制御ステップの一例である。S113を実行するCPU11は、タグ画像データ記憶手段の一例である。パネル18は表示部の一例である。S143、S225に到る処理を実行するCPU11は、表示制御手段、表示制御ステップの一例である。S143、S225を実行するCPU11は、表示手段の一例である。無線送受信部15は取得部の一例である。手230は所定の物体の一例である。
【0073】
第1画像データに含まれているタグ画像データの全てが、第2画像データに含まれていない場合(S123:NO)は、第1の条件が成立する場合の一例である。第1画像内のARタグの画像位置と第2画像内のARタグの画像位置とが所定の第1距離以上異なるというARタグの画像が1つのみである場合(S133:YES)、および、1つのARタグの位置が第1距離以上移動している場合(S135:YES)は、第2の条件が成立する場合の一例である。離反距離が予め定められた第2距離以内である場合(S139:YES)は、第3の条件が成立する場合の一例である。マーカー画像が写っていないタグ画像が存在する場合(S219:YES)は、第4の条件が成立する場合の一例である。
【0074】
なお、各プログラムは一つのプログラムモジュールから構成されるものであってもよいし、複数のプログラムモジュールから構成されるものであってもよい。また、各一例は置換可能な他の構成であってもよく、本発明の範疇である。プログラム(表示プログラム28など)に基づく処理を実行するコンピュータ(CPU11など)であってもよいし、基本プログラムや他のアプリケーションなど、画像処理プログラム以外のプログラムに基づく処理を実行するコンピュータであってもよいし、コンピュータの指示に従って動作するハード構成(パネル18など)であってもよいし、コンピュータとハード構成とが連動した構成であってもよい。もちろん、複数のプログラムに基づく処理を連動させて処理を実行するコンピュータであってもよいし、複数のプログラムに基づく処理を連動させて処理を実行するコンピュータの指示に従って動作するハード構成であってもよい。
【符号の説明】
【0075】
1:拡張現実感提供システム、10:HMD、11:CPU、12:記憶部、15:無線送受信部、18:パネル、27:カメラ部、28:表示プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置のコンピュータが読み取り可能なプログラムであって、
前記コンピュータを、
撮影部が撮影したことにより得た第1画像データが含んでいる、タグを撮影したことにより得られるタグ画像データを示すタグ画像データ情報を記憶部に記憶させるタグ画像データ記憶制御手段と、
タグ画像データ情報を前記記憶部が記憶している状態で前記撮影部が撮影したことにより得た第2画像データの中に、前記記憶部が記憶しているタグ画像データ情報の少なくとも1つについて、そのタグ画像データ情報の基であるタグと同じタグを撮影したことにより得られるタグ画像データが第2画像データの中に含まれていないという第1の条件が成立した場合に、前記記憶部が記憶しているタグ画像データ情報のうち、そのタグ画像データ情報の基であるタグと同じタグを撮影したことにより得られるタグ画像データが第2画像データの中に含まれていないタグ画像データ情報に基づく付帯データに基づいて、表示部に画像を表示させる表示制御手段と、
して機能させるプログラム。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記第1の条件が成立することに応じて、
取得部に、前記記憶部が記憶しているタグ画像データ情報のうち、そのタグ画像データ情報の基であるタグと同じタグを撮影したことにより得られるタグ画像データが前記第2画像データの中に含まれていないタグ画像データ情報に基づく付帯データを取得させ、
前記表示部に前記取得部が取得した付帯データに基づく画像を表示させることを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記表示制御手段は、
取得部にタグ画像データ情報に基づく付帯データを少なくとも1つ取得させ、
前記第1の条件が成立することに応じて、表示部に、前記記憶部が記憶しているタグ画像データ情報のうち、そのタグ画像データ情報の基であるタグと同じタグを撮影したことにより得られるタグ画像データが前記第2画像データの中に含まれていないタグ画像データに基づく付帯データに基づいて画像を表示させることを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記第2画像データに対して画像解析を行うことにより、前記記憶部が記憶しているタグ画像データ情報のうち、そのタグ画像データ情報の基であるタグと同じタグが所定の物体によって隠されていることが判明した場合に、前記第1の条件が成立したと判断することを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項5】
端末装置のコンピュータが読み取り可能なプログラムであって、
前記コンピュータを、
撮影部が撮影したことにより得た第1画像データに基づく第1画像を再現した場合に、その第1画像データが含んでいる、タグを撮影したことにより得られる第1タグ画像データの基であるタグの画像が再現される前記第1画像内の位置と、前記撮影部が前記第1画像データを得た後で前記撮影部が撮影したことにより得た第2画像データに基づく第2画像を再現した場合に、その第2画像データが含んでいる、第1タグ画像データの基であるタグを撮影したことにより得られる第2タグ画像データの基であるタグの画像が再現される前記第2画像内の位置と、が所定の第1距離以上異なるという第2の条件が成立した場合に、位置が前記第1距離以上変化したタグを基とする第1タグ画像データまたは第2タグ画像データに基づく付帯データに基づいて、表示部に画像を表示させる表示制御手段と、
して機能させるプログラム。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記第2の条件が成立することに応じて、
取得部に位置が前記第1距離以上変化したタグを基とする第1タグ画像データまたは第2タグ画像データに基づく付帯データを取得させ、
前記表示部に前記取得部が取得した付帯データに基づく画像を表示させることを特徴とする請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記表示制御手段は、
取得部に第1タグ画像データに基づく付帯データを少なくとも1つ取得させ、
前記第2の条件が成立することに応じて、表示部に、位置が前記第1距離以上変化したタグにより得られる第1タグ画像データに基づく付帯データに基づいて画像を表示させることを特徴とする請求項5に記載のプログラム。
【請求項8】
前記表示制御手段は、前記第1画像データまたは前記第2画像データに対して画像解析を行うことにより、前記撮影部とタグとの距離が予め定められた第2距離以内であるという第3の条件が成立したことを検出した場合に、前記表示部に画像を表示させることを特徴とする請求項1ないし7の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項9】
端末装置のコンピュータが読み取り可能なプログラムであって、
前記コンピュータを、
撮影部が撮影したことにより得た画像データに基づく画像を再現した場合に、その画像データが含んでいる、タグを撮影したことにより得られるタグ画像データの基であるタグの画像が再現される前記第1画像内の位置から所定の範囲内に、マーカーを撮影したことにより得られるマーカー画像データの基であるマーカーの画像が再現されないという第4の条件が成立した場合に、タグ画像データに基づく付帯データに基づいて、表示部に画像を表示させる表示制御手段と、して機能させるプログラム。
【請求項10】
前記表示制御手段は、前記第4の条件が成立することに応じて、取得部にタグ画像データに基づく付帯データを取得させ、前記表示部に前記取得部が取得した付帯データに基づく画像を表示させることを特徴とする請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記表示制御手段は、
取得部にタグ画像データに基づく付帯データを少なくとも1つ取得させ、
前記第4の条件が成立することに応じて、表示部に、タグ画像データに基づく付帯データに基づいて画像を表示させることを特徴とする請求項9に記載のプログラム。
【請求項12】
前記表示制御手段は、前記第1画像データに対して画像解析を行うことにより、タグ画像データに対応するマーカーが所定の物体によって隠されていることが判明した場合に、前記第4の条件が成立したと判断することを特徴とする請求項9ないし11の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項13】
端末装置の制御方法であって、
撮影したことにより得た第1画像データが含んでいる、タグを撮影したことにより得られるタグ画像データを示すタグ画像データ情報を記憶部に記憶するタグ画像データ記憶制御ステップと、
タグ画像データ情報を前記記憶部が記憶している状態で前記撮影部が撮影したことにより得た第2画像データの中に、前記記憶部が記憶しているタグ画像データ情報の少なくとも1つについて、そのタグ画像データ情報の基であるタグと同じタグを撮影したことにより得られるタグ画像データが第2画像データの中に含まれていないという第1の条件が成立した場合に、前記記憶部が記憶しているタグ画像データ情報のうち、そのタグ画像データ情報の基であるタグと同じタグを撮影したことにより得られるタグ画像データが第2画像データの中に含まれていないタグ画像データ情報に基づく付帯データに基づいて、画像を表示する表示制御ステップと、
を備える制御方法。
【請求項14】
撮影したことにより得た第1画像データが含んでいる、タグを撮影したことにより得られるタグ画像データを示すタグ画像データ情報を記憶部に記憶するタグ画像データ記憶手段と、
タグ画像データ情報を前記記憶部が記憶している状態で前記撮影部が撮影したことにより得た第2画像データの中に、前記記憶部が記憶しているタグ画像データ情報の少なくとも1つについて、そのタグ画像データ情報の基であるタグと同じタグを撮影したことにより得られるタグ画像データが第2画像データの中に含まれていないという第1の条件が成立した場合に、前記記憶部が記憶しているタグ画像データ情報のうち、そのタグ画像データ情報の基であるタグと同じタグを撮影したことにより得られるタグ画像データが第2画像データの中に含まれていないタグ画像データ情報に基づく付帯データに基づいて、画像を表示する表示手段と、
を備える端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−248096(P2012−248096A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−120798(P2011−120798)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】