説明

端末装置及びプログラム

【課題】休止状態への変更を簡単かつ確実な方法で実現できるようにする。
【解決手段】目覚まし時計ACの制御部11は、アラーム機能が有効な状態に変更された際に、その近距離通信部17を介して外部機器(携帯電話機CP)に対し休止状態への変更指示を通知する。一方、携帯電話機CPの制御部1は、目覚まし時計ACからそのアラーム機能が有効な状態に変更されたことを示す変更通知を、近距離通信部8を介して受信した際に、自己の状態を休止状態に変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部機器との間で近距離通信を行う端末装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機などの端末装置の節電対策として、その待受状態において最寄りの基地局を確認するために間欠的(周期的)に無線通信部を動作させることで電力消費を抑えるようにしているが、CPUをスリープ状態(休止状態)としても動作するタイマを設けて、この間欠動作のタイミングでCPUをスリープ状態(休止状態)にすることによって更に節電効果を向上させるようにした技術が開示されている(特許文献1参照)。また、携帯電話機が第三者によって不正に使用されることを制限するために、現在の位置に応じて休止状態に自動的に移行させるようにした技術が開示されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−196038号公報
【特許文献2】特開2006−332845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、多くの携帯電話機には、アラーム設定時刻に応じてアラーム報知を行うアラーム機能が備えられており、目覚まし時計の代わりに使用されているが、音量不足や電池消耗を避ける、あるいは寝ている間は着信音によって起こされたくない、などの理由で携帯電話機とは別に目覚まし時計を使用することが多い。このような場合、目覚まし時計に対してはアラーム時刻を設定する操作を行い、携帯電話機に対しては休止状態に移行させる操作を行うようにしているが、その都度、携帯電話機側で休止状態へ移行させるための操作を行うことはユーザに負担をかけることになる。
【0005】
本発明の課題は、休止状態への変更を簡単かつ確実な方法で実現できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために請求項1記載の発明は、アラーム設定時刻に応じてアラーム報知を行うアラーム機能を備える端末装置であって、外部機器と近距離通信を行う近距離通信手段と、前記アラーム機能が有効な状態に変更されたか否かを判別する判別手段と、この判別手段によってアラーム機能が有効な状態に変更されたと判別された際に、前記近距離通信手段を介して前記外部機器に対し休止状態への変更指示を通知する通知手段と、を具備したことを特徴とする。
【0007】
請求項1に従属する発明として、前記通知手段は、前記アラーム機能がアラーム設定時刻に応じてアラーム報知を行った際に、前記近距離通信手段を介して前記外部機器に対し休止状態の解除指示を通知する、ようにしたことを特徴とする請求項2記載の発明であってもよい。
【0008】
また、上述した課題を解決するために請求3項記載の発明は、アラーム設定時刻に応じてアラーム報知を行うアラーム機能を備える外部機器と近距離通信を行う近距離通信手段と、前記外部機器が備えるアラーム機能が有効な状態に変更されたことを示す変更通知を当該外部機器から前記近距離通信手段を介して受信する受信手段と、この受信手段が変更通知を受信した際に自己の状態を休止状態に変更する制御手段と、を具備したことを特徴とする。
【0009】
請求項3に従属する発明として、前記制御手段は、少なくとも計時機能を除き、前記近距離通信手段を含む機能を休止させる休止状態に変更する、ようにしたことを特徴とする請求項4記載の発明であってもよい。
【0010】
請求項3に従属する発明として、前記受信手段は、前記外部機器から前記近距離通信手段を介して送信される前記アラーム機能のアラーム設定時刻を受信し、前記外部機器から前記近距離通信手段を介して休止状態の解除指示の通知を受信し、前記制御手段は、前記受信したアラーム設定時刻の所定時間前を検出した際に、前記近距離通信手段を有効な状態にして通信可能状態に変更し、前記外部機器から休止状態の解除指示の通知を受信した際に、前記休止状態を解除する、ようにしたことを特徴とする請求項5記載の発明であってもよい。
【0011】
請求項5に従属する発明として、前記制御手段は、前記受信したアラーム設定時刻の所定時間前を検出した際に、前記近距離通信手段を有効な状態にして通信可能状態に変更するほか、所定の処理を実行可能な状態に変更する、ようにしたことを特徴とする請求項6記載の発明であってもよい。
【0012】
請求項3に従属する発明として、前記受信手段は、前記外部機器から前記近距離通信手段を介して送信される前記アラーム機能のアラーム設定時刻を受信し、前記制御手段は、前記受信したアラーム設定時刻に基づいて、前記休止状態を解除する、ようにしたことを特徴とする請求項7記載の発明であってもよい。
【0013】
また、上述した課題を解決するために請求項8記載の発明は、コンピュータに対して、外部機器と近距離通信を行う機能と、アラーム設定時刻に応じてアラーム報知を行うアラーム機能が有効な状態に変更されたか否かを判別する機能と、前記アラーム機能が有効な状態に変更されたと判別された際に、前記近距離通信を介して前記外部機器に対し休止状態への変更指示を通知する機能と、を実現させるためのプログラムを特徴とする。
【0014】
また、上述した課題を解決するために請求項9記載の発明は、コンピュータに対して、アラーム設定時刻に応じてアラーム報知を行うアラーム機能を備える外部機器と近距離通信を行う機能と、前記外部機器が備えるアラーム機能が有効な状態に変更されたことを示す変更通知を当該外部機器から前記近距離通信手段を介して受信する機能と、前記変更通知を受信した際に休止状態に変更する機能と、を実現させるためのプログラムを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、休止状態への変更を簡単かつ確実な方法で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】(1)は、携帯電話機CPの基本的な構成要素を示したブロック図、(2)は、目覚まし時計ACの基本的な構成要素を示したブロック図。
【図2】目覚まし時計AC側に設けられている接続フラグCFを説明するための図。
【図3】電源投入に応じて実行開始される携帯電話機CPの全体動作の概要を示したフローチャート。
【図4】図3の動作に続くフローチャート。
【図5】電源投入に応じて実行開始される目覚まし時計ACの全体動作の概要を示したフローチャート。
【図6】第2実施形態において、電源投入に応じて実行開始される携帯電話機CPの全体動作の概要を示したフローチャート。
【図7】第2実施形態において、電源投入に応じて実行開始される目覚まし時計ACの全体動作の概要を示したフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(実施形態1)
以下、図1〜図5を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
本実施形態は、端末装置として目覚まし時計に適用し、その外部機器として携帯電話機に適用した場合を例示したり、逆に、端末装置として携帯電話機に適用し、その外部機器として目覚まし時計に適用した場合を例示したりしたもので、図1(1)は、携帯電話機CPの基本的な構成要素を示したブロック図、また、図1(2)は、目覚まし時計ACの基本的な構成要素を示したブロック図である。
【0018】
携帯電話機CPは、例えば、2つの筐体を折り畳み自在に取り付けた折り畳みタイプの端末装置で、この携帯電話機CPには、音声通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能(Webアクセス機能)などのほか、現在日時を計時する計時機能、外部機器としての目覚まし時計ACとの間で近距離通信を行う近距離通信機能が備えられている。また、目覚まし時計ACは、据え置き型(フリースタンディングタイプ)の端末装置で、現在日時を計時する計時機能、アラーム設定時刻(目覚ましセット時刻)に応じてアラーム報知を行うアラーム機能などのほか、外部機器としての携帯電話機CPとの間で近距離通信を行う近距離通信機能が備えられている。
【0019】
携帯電話機CPは、図1(1)に示すように構成されている。この携帯電話機CPの制御部1は、二次電池を備えた電源部2からの電力供給によって動作し、記憶部3内の各種のプログラムに応じてこの携帯電話機CPの全体動作を制御するもので、制御部1には図示しないCPU(中央演算処理装置)やメモリなどが設けられている。記憶部3は、ROM、RAMなどの内部メモリで、図示しないプログラム領域とデータ領域とを有し、この記憶部3内のプログラム領域には、後述する図3及び図4に示す動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムが格納されている。
【0020】
また、記憶部3内のデータ領域には、フラグ情報や携帯電話機CPの動作に必要な各種の情報を一時記憶する。なお、記憶部3は、例えば、SDカード、ICカードなど、着脱自在な可搬型メモリ(記録メディア)を含む構成であってもよく、あるいは図示しない所定の外部サーバ上に記憶部3が有する構成であってもよい。操作部4は、ダイヤル入力、文字入力、コマンド入力などを行うもので、制御部1は、操作部4からの操作信号に応じた処理として、例えば、発信処理、電子メール受信処理など、各種の処理を行う。
【0021】
通信部5は、図示しない無線部、ベースバンド部、多重分離部などを備え、例えば、音声通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能の動作時に最寄りの基地局との間でデータの送受信を行うもので、音声通話機能の動作時にはベースバンド部の受信側から信号を取り込んで受信ベースバンド信号に復調したのち、電話部6を介して通話用スピーカSPから音声出力させ、また、通話用マイクMCからの入力音声データを電話部6から取り込み、送信ベースバンド信号に符号化した後、ベースバンド部の送信側に与えてアンテナAT1から発信出力させる。表示部7は、例えば、高精細液晶、有機ELなどを使用し、アイコン、文字データ、待受画像などを表示する。
【0022】
近距離通信部8は、例えば、Bluetooth(登録商標)、赤外線通信などの非接触タイプの近距離通信によって、目覚まし時計ACとの間でアンテナAT2を介して交信を行うもので、制御部1は、近距離通信部8からの交信結果に基づいてその通信可能エリア内(例えば、半径10m以内)に存在している目覚まし時計ACを検出(探索)するようにしている。すなわち、制御部1は、近距離通信が可能なエリア内に目覚まし時計ACが存在しているかを検出し、そのエリア内に存在している目覚まし時計ACを連携対象(ペアリング対象)として特定するようにしている。
【0023】
この場合、制御部1は、目覚まし時計ACから発信出力される機器識別情報を、近距離通信部8を介して受信取得すると共に、予め設定されている機器識別情報と照合し、その結果、受信した機器識別情報が、設定されている機器識別情報に該当することを条件に、その目覚まし時計ACを連携対象(ペアリング対象)として特定するようにしている。報知部9は、スピーカ、LED(発光ダイオード)を備え、制御部1は、着信報知時などで報知部9を駆動することによってスピーカからアラーム音を発生させたり、LED(発光ダイオード)を点滅させたりする。
【0024】
目覚まし時計ACは、図1(2)に示すように、CPUやメモリなどが設けられている制御部11を中核とするもので、例えば、太陽電池を備えた電源部12、プログラムやデータを記憶する記憶部13、現在日時を計時する時計部14、液晶パネルなどを備えた表示部15のほか、操作部16、近距離通信部17、報知部18を有する構成となっている。記憶部13は、図示しないが、プログラム領域とデータ領域を有し、プログラム領域には、後述する図5に示す動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムが格納され、データ領域には、アラーム設定時刻(目覚ましセット時刻)、接続フラグCFなどのデータが記憶されているほか、携帯電話機CPに近距離通信される自己の機器識別情報が記憶されている。この機器識別情報は、製造No、一連Noなどの固有の識別情報であるが、目覚まし時計ACを識別可能であれば、その内容は問わない。
【0025】
近距離通信部17は、例えば、Bluetooth(登録商標)や赤外線通信などの非接触タイプの近距離通信によって携帯電話機CPとの間でアンテナAT3を介して交信を行うもので、制御部11は、アラーム機能が有効な状態に変更された際に、つまり、アラーム機能のセット操作(アラーム報知のオン操作)が行われることによってアラーム報知可能な状態に設定された際に、近距離通信を介して外部機器としての携帯電話機CPに目覚ましセット時刻を送信したり、休止状態への変更指示を通知したりするようにしている。また、制御部11は、目覚ましセット時刻を検出してアラーム報知を行った際に、近距離通信部17を介して外部機器(携帯電話機CP)に休止解除指示を通知するようにしている。報知部18は、スピーカ、LED(発光ダイオード)を備え、制御部11は、目覚ましセット時刻の到達を検出した際に、報知部18を駆動することによってスピーカからアラーム音を発生させたり、LED(発光ダイオード)を点滅させたりする。
【0026】
ここで、携帯電話機CP側では、目覚まし時計ACからの指示に応じた動作を行う。すなわち、目覚まし時計ACから休止状態への変更指示を受信したときには、一部の機能(計時機能及び特定キー操作を受け付けるキー入力機能)を除いて、近距離通信機能を含む他の全ての機能を休止させる休止状態に変更するようにしている。なお、この休止状態中での自己宛の音声電話に対しては、留守番電話として通信事業者側のサービスセンタにその音声メッセージが登録され、また、自己宛の電子メールは、通信事業者側のメールボックスに登録される。また、携帯電話機CPは、受信した目覚ましセット時刻の所定時間前(例えば、1分前)を検出したときには、近距離通信機能を動作させて目覚まし時計ACとの接続を復帰させると共に、休止状態中に通信事業者側に届いた自己宛の留守番電話や電子メールを、無線通信網(図示省略)を介してバックグランドで受信取得するようにしている。また、携帯電話機CPは、目覚まし時計ACから休止解除指示を受信すると、上述した休止状態の解除を行うようにしている。
【0027】
図2は、目覚まし時計AC側に設けられている接続フラグCFを説明するための図である。
接続フラグCFは、携帯電話機CPと近距離通信を介して接続されている状態か否かを示すもので、“0”は、携帯電話機CPに接続されていない状態を示し、“1”は、携帯電話機CPに接続されている状態を示している。目覚まし時計ACは、接続フラグCFが“1”の状態において携帯電話機CPに目覚ましセット時刻を送信したり、休止状態への変更指示を通知したり、休止解除指示を通知したりする。
【0028】
次に、この第1実施形態における携帯電話機CP及び目覚まし時計ACの動作概念を図3〜図5に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、ネットワークなど伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。このことは後述する他の実施形態においても同様であり、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用して本実施形態特有の動作を実行することもできる。
【0029】
図3及び図4は、電源投入に応じて実行開始される携帯電話機CPの全体動作の概要を示したフローチャートである。図5は、電源投入に応じて実行開始される目覚まし時計ACの全体動作の概要を示したフローチャートである。
先ず、携帯電話機CPにおいてその制御部1は、電源投入操作が行われると、所定のメモリをクリアするなどの初期設定を行った後、待受状態となる(図3のステップA1)。この待受状態において、目覚まし時計ACとの接続を要求するための接続要求操作が行われたかを調べたり(ステップA2)、目覚まし時計ACから休止指示を受信したかを調べたり(ステップA6)、電話着信の有無を調べたり(図4のステップA15)、目覚まし時計ACとの接続を切断するための切断要求操作が行われたかを調べたり(ステップA20)、その他の操作が行われたかを調べたりする(ステップA24)。
【0030】
ここで、電話着信を検出したときには(図4のステップA15でYES)、回線接続させるオフフック操作に応じて(ステップA16でYES)、通話可能状態とする通話処理を開始する(ステップA17)。また、その後のオンフック操作に応じて(ステップA18でYES)、回線切断処理を実行したのち(ステップA19)、上述の待受状態に戻る(図3のステップA2)。また、その他の操作が行われたときには(図4のステップA24でYES)、その操作に応じた処理として、発信処理、電子メール送信処理などを行った後(ステップA25)、上述の待受状態に戻る(図3のステップA2)。
【0031】
一方、目覚まし時計AC側においては、電源投入操作が行われると、計時動作を開始して計時情報を表示させた後(図5のステップB1)、携帯電話機CPからの接続要求を受信したかを調べたり(ステップB2)、目覚ましセット操作(アラーム報知のオン操作)が行われたかを調べたり(ステップB6)、目覚ましセット時刻に到達したかを調べたり(ステップB11)、携帯電話機CPからの切断要求を受信したかを調べたり(ステップB15)、その他の操作が行われたかを調べたりする(ステップB16)。ここで、その他の操作として、例えば、時刻修正操作、目覚ましセット時刻の設定操作などが行われた場合には(ステップB16でYES)、その操作に応じた処理として、計時情報(日時情報)を修正する時刻修正処理、アラーム報知時を示すアラーム時刻を設定するアラーム時刻設定処理などを行った後(ステップB17)、上述のステップB2に戻る。
【0032】
いま、携帯電話機CP側において、目覚まし時計ACとの接続を要求するための接続要求操作が行われると(図3のステップA2でYES)、近距離通信部8を介して目覚まし時計ACに接続要求を送信した後(ステップA3)、目覚まし時計ACから接続完了通知が送信されてくるまで受信待ち状態となる(ステップA4)。ここで、目覚まし時計ACからの接続完了通知を受信すると(ステップA4でYES)、目覚まし時計ACとの接続確立(ペアリング確立)を行った後(ステップA5)、上述のステップA2に戻る。
【0033】
目覚まし時計AC側では、近距離通信部17を介して携帯電話機CPからの接続要求を受信すると(図5のステップB2でYES)、携帯電話機CPとの接続を確立する接続処理を行った後(ステップB3)、近距離通信部17を介して携帯電話機CPに接続完了通知を送信する(ステップB4)。そして、携帯電話機CPに接続されている状態を示すために接続フラグCFを“1”とした後(ステップB5)、上述のステップB2に戻る。
【0034】
このようにして携帯電話機CPと目覚まし時計ACとの接続を確立させた状態において、その接続を解除するために、携帯電話機CP側において切断要求操作が行われると(図4のステップA20でYES)、目覚まし時計ACとの接続を切断する切断処理を実行すると共に(ステップA21)、近距離通信部8を介して目覚まし時計ACに切断要求を送信した後(ステップA22)、目覚まし時計ACから切断完了通知が送信されてくるまで受信待ち状態となる(ステップA23)。
【0035】
目覚まし時計AC側では、近距離通信部17を介して携帯電話機CPからの切断要求を受信すると(図5のステップB15でYES)、携帯電話機CPとの接続を切断する切断処理を実行した後(ステップB18)、近距離通信部17を介して携帯電話機CPに切断完了通知を送信する(ステップB19)。そして、接続フラグCFを“0”とした後(ステップB20)、上述のステップB2に戻る。ここで携帯電話機CP側において切断完了通知を受信すると(図3のステップA23でYES)、上述のステップA2に戻る。
【0036】
一方、目覚まし時計AC側において、目覚ましセット操作(アラーム報知のオン操作)が行われると(図5のステップB6でYES)、目覚ましセット処理を行ってアラーム機能を動作させてアラーム報知可能な状態とした後(ステップB7)、接続フラグCFは“1”であるかを調べる(ステップB8)。いま、接続フラグCFが“0”で、携帯電話機CPとの接続が確立されていない場合には(ステップB8でNO)、上述のステップB2に戻るが、接続フラグCFが“1”で、携帯電話機CPとの接続が確立されている場合には(ステップB8でYES)、近距離通信部17を介して携帯電話機CPに対し目覚ましセット時刻を送信すると共に(ステップB9)、休止状態への変更指示を通知した後(ステップB10)、上述のステップB2に戻る。
【0037】
携帯電話機CP側では、近距離通信部8を介して目覚まし時計ACから休止状態への変更指示を受信すると(図3のステップA6でYES)、この変更指示と共に目覚まし時計ACから送信されてきた目覚ましセット時刻を受信して一時記憶した後(ステップA7)、自己を休止状態に移行させる(ステップA8)。この場合、一部の機能を除き、近距離通信機能を含む各機能が休止状態となるが、この休止状態においても計時機能及び特定キー操作を受け付けるキー入力機能が動作可能な状態となっているために、制御部1は、計時機能で得られた現在日時と目覚ましセット時刻とを比較し、目覚ましセット時刻の所定時間前(例えば、1分前)に到達したかを調べたり(ステップA9)、休止状態解除操作が行われたかを調べたりする(ステップA10)。
【0038】
ここで、携帯電話機CP側において、休止状態解除操作が行われたときには(ステップA10でYES)、休止状態を解除して全機能が動作可能な通常状態に復帰させる(ステップA14)。また、目覚ましセット時刻の所定時間前に到達したことを検出したときには(ステップA9でYES)、目覚まし時計AC側との接続確立を復帰させた後(ステップA11)、上述の休止状態中において通信事業者側に届いた自己宛の留守番電話や電子メールをバックグランドで受信する動作を開始させた後(ステップA12)、目覚まし時計ACから休止解除指示が送信されてくるまで受信待ち状態となる(ステップA13)。
【0039】
目覚まし時計AC側において、目覚ましセット時刻に到達したことを検出したときには(図5のステップB11でYES)、報知部18を駆動させてアラーム音を発生させたり、LEDを点滅させたりする目覚まし報知を行う(ステップB12)。そして、接続フラグCFは“1”であるかを調べる(ステップB13)。いま、接続フラグCFが“0”で、携帯電話機CPとの接続が確立されていない場合には(ステップB13でNO)、上述のステップB2に戻るが、接続フラグCFが“1”で、携帯電話機CPとの接続が確立されている場合には(ステップB13でYES)、近距離通信部17を介して携帯電話機CPに対して休止解除指示を送信する(ステップB14)。ここで、携帯電話機CP側において、休止解除指示を受信すると(図3のステップA13でYES)、休止状態を解除して全機能が動作可能な通常状態に復帰させた後(ステップA14)、上述のステップA2に戻る。
【0040】
以上のように、第1実施形態において目覚まし時計ACの制御部11は、アラーム機能が有効な状態に変更された際に、その近距離通信部17を介して外部機器(携帯電話機CP)に対し休止状態への変更指示を通知するようにしたので、目覚まし時計ACのアラーム報知をオンにセットするだけで、携帯電話機CPを自動的に休止状態に変更することができ、例えば、睡眠中に携帯電話機CPの節電や着信音の停止を図ることが可能となる。
【0041】
アラーム機能が目覚ましセット時刻に応じてアラーム報知を行った際に、その近距離通信部17を介して外部機器(携帯電話機CP)に対し休止状態の解除指示を通知するようにしたので、休止状態を解除する手間が省けるほか、解除忘れを防止することができる。
【0042】
携帯電話機CPの制御部1は、目覚まし時計ACからそのアラーム機能が有効な状態に変更されたことを示す変更通知を、近距離通信部8を介して受信した際に、自己の状態を休止状態に変更するようにしたので、目覚まし時計ACのアラーム報知をオンにセットするだけで、携帯電話機CPを自動的に休止状態に変更することができ、例えば、睡眠中に携帯電話機CPの節電や着信音の停止を図ることが可能となる。
【0043】
休止状態への変更に応じて、計時機能を除き、近距離通信を含む機能を休止させるようにしたので、計時を維持しつつ節電を図ることができる。
【0044】
携帯電話機CPの制御部1は、目覚まし時計ACから受信した目覚ましセット時刻の所定時間前を検出した際に、近距離通信部8を有効な状態にして通信可能状態に変更し、また、目覚まし時計ACから休止状態の解除指示の通知を受信した際に、休止状態を解除するようにしたので、携帯電話機CP側でも目覚ましセット時刻を把握しておくことができ、また、休止状態を解除する手間が省けるほか、解除忘れを防止することができる
【0045】
携帯電話機CPは、目覚まし時計ACから受信した目覚ましセット時刻の所定時間前を検出した際に、近距離通信部8を有効な状態に変更するほか、所定の処理(例えば、留守電やメールをバックグラウンドで受信する処理)を実行するようにしたので、休止状態の解除後、直ちに留守電やメールを確認することができる。
【0046】
なお、上述した第1実施形態においては、目覚ましセット時刻の所定時間前を検出した際に、所定の処理として、留守電やメールをバックグラウンドで受信する処理を行うようにしたが、これに限らず、任意の処理であってもよい。
【0047】
(実施形態2)
以下、本発明の第2実施形態について図6及び図7を中心に説明する。
なお、上述した第1実施形態において携帯電話機CPは、目覚まし時計ACから休止状態の解除指示の通知を受信した際に、休止状態を解除するようにしたが、この第2実施形態において携帯電話機CPは、目覚まし時計ACから受信した目覚ましセット時刻を記憶している状態において、この目覚ましセット時刻に到達したことを検出した際に、自身で休止状態を解除するようにしたものである。ここで、両実施形態において基本的あるいは名称的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略すると共に、以下、第2実施形態の特徴部分を中心に説明するものとする。
【0048】
図6は、第2実施形態において、電源投入に応じて実行開始される携帯電話機CPの全体動作の概要を示したフローチャートである。なお、この図6に続くフローチャートは、第1実施形態で説明した図4と同様であるため、その説明は省略するものとする。図7は、第2実施形態において、電源投入に応じて実行開始される目覚まし時計ACの全体動作の概要を示したフローチャートである。
【0049】
先ず、携帯電話機CPにおいてその制御部1は、電源投入操作が行われると、所定のメモリをクリアするなどの初期設定を行った後、待受状態となる(図6のステップC1)。この待受状態において、目覚まし時計ACとの接続を要求するための接続要求操作が行われたかを調べたり(ステップC2)、目覚まし時計ACから休止指示を受信したかを調べたりするほか(ステップC6)、上述した第1実施形態と同様に、図4のフローにおいて、電話着信の有無を調べたり、目覚まし時計ACとの接続を切断する切断要求操作が行われたかを調べたり、その他の操作が行われたかを調べたりする。
【0050】
一方、目覚まし時計ACにおいては、電源投入操作が行われると、計時動作を開始して計時情報を表示させた後(図7のステップD1)、携帯電話機CPからの接続要求を受信したかを調べたり(ステップD2)、目覚ましセット操作(アラーム報知のオン操作)が行われたかを調べたり(ステップD6)、目覚ましセット時刻に到達したかを調べたり(ステップD11)、携帯電話機CPからの切断要求を受信したかを調べたり(ステップD13)、その他の操作が行われたかを調べたりする(ステップD14)。ここで、その他の操作として、例えば、時刻修正操作、目覚ましセット時刻の設定操作などが行われた場合には(ステップD14でYES)、その操作に応じた処理として、時刻修正処理、目覚ましセット時刻の設定処理などを行った後(ステップD15)、上述のステップD2に戻る。
【0051】
いま、携帯電話機CP側において、目覚まし時計ACとの接続を要求するための接続要求操作が行われると(図6のステップC2でYES)、近距離通信部8を介して目覚まし時計ACに接続要求を送信した後(ステップC3)、目覚まし時計ACから接続完了通知が送信されてくるまで受信待ち状態となる(ステップC4)。ここで、目覚まし時計ACからの接続完了通知を受信すると(ステップC4でYES)、目覚まし時計ACとの接続確立(ペアリング確立)を行った後(ステップC5)、上述のステップC2に戻る。
ここで、目覚まし時計AC側では、近距離通信部17を介して携帯電話機CPからの接続要求を受信すると(図7のステップD2でYES)、携帯電話機CPとの接続を確立した後(ステップD3)、近距離通信部17を介して携帯電話機CPに接続完了通知を送信する(ステップD4)。そして、接続フラグCFを“1”とした後(ステップD5)、上述のステップD2に戻る。なお、携帯電話機CPと目覚まし時計ACとの接続を確立させた状態において、その接続を解除するために、携帯電話機CP側において切断要求操作が行われた場合には、上述した第1実施形態と同様の動作が行われる(ステップD16〜D18)。
【0052】
ここで、目覚まし時計AC側において、目覚ましセット操作(アラーム報知のオン操作)が行われると(ステップD6でYES)、目覚ましセット処理を行ってアラーム機能を動作させてアラーム報知可能な状態とした後(ステップD7)、接続フラグCFは“1”であるかを調べる(ステップD8)。いま、接続フラグCFが“0”で、携帯電話機CPとの接続が確立されていない場合には(ステップD8でNO)、上述のステップD2に戻るが、接続フラグCFが“1”で、携帯電話機CPとの接続が確立されている場合には(ステップD8でYES)、近距離通信部17を介して携帯電話機CPに目覚ましセット時刻を送信すると共に(ステップD9)、休止状態への変更指示を通知した後(ステップD10)、上述のステップD2に戻る。
【0053】
携帯電話機CP側では、近距離通信部8を介して目覚まし時計ACから休止状態への変更指示を受信すると(図6のステップC6でYES)、この変更指示と共に、目覚まし時計ACから送信されてきた目覚ましセット時刻を受信して一時記憶した後(ステップC7)、休止状態に移行させる(ステップC8)。この場合、一部の機能を除き、近距離通信機能を含む各機能が休止状態となるが、この休止状態においても計時機能及び特定キー操作を受け付けるキー入力機能が動作可能な状態となっているために、制御部1は、計時機能で得られた現在日時と目覚ましセット時刻とを比較し、目覚ましセット時刻に到達したかを調べたり(ステップC9)、休止状態解除操作が行われたかを調べたりする(ステップC10)。
【0054】
ここで、携帯電話機CP側において、休止状態解除操作が行われたときには(ステップC10でYES)、休止状態を解除して全機能が動作可能な通常状態に復帰させる(ステップC11)。また、目覚ましセット時刻の到達を検出したときにも(ステップC9でYES)、休止状態を解除して全機能が動作可能な通常状態に復帰させた後(ステップC11)、上述のステップC2に戻る。ここで、目覚まし時計AC側において、目覚ましセット時刻の到達を検出したときには(図7のステップD11でYES)、報知部18を駆動させてアラーム音を発生させたり、LEDを点滅させたりする目覚まし報知を行った後(ステップD12)、上述のステップD2に戻る。
【0055】
以上のように、この第2実施形態において携帯電話機CPが休止状態となっている場合に、その制御部1は、目覚まし時計ACから近距離通信部8を介して受信記憶したアラーム設定時刻(目覚ましセット時刻)を検出した際に、休止状態を解除するようにしたので、例えば、目覚まし時計ACが電池切れであったり、目覚まし時計AC側で目覚ましセット時刻に到達する前にその時刻が解除されたりした場合でも、特別な操作を行うことなく、携帯電話機CPの休止状態を解除することができる。
【0056】
なお、上述した第2実施形態において携帯電話機CPは、目覚ましセット時刻を検出した際に、自身で休止状態を解除するようにしたが、目覚ましセット時刻の経過直後に休止状態を解除するようにしてもよい。これによって目覚ましセット時刻に目覚まし時計ACから解除指示の通知を受信することができなかった場合でも、目覚ましセット時刻の経過直後に休止状態を解除することができる。
【0057】
上述した各実施形態においては、目覚まし時計ACからそのアラーム機能が有効な状態として、アラーム報知可能な状態とする目覚ましセット操作(アラーム報知のオン操作)が行われたことを検出するようにしたが、目覚ましセット時刻が設定された状態をアラーム機能が有効な状態としてもよい。
【0058】
上述した各実施形態においては、携帯電話機CPの休止状態として、計時機能及び特定キー操作を受け付けるキー入力機能を除き、近距離通信機能を含む各機能が休止している状態としたが、近距離通信機能が可能な状態としてもよく、一部の機能を動作可能な状態とし、他の機能が動作不可能な状態を休止状態としてもよい。
【0059】
上述した各実施形態においては、目覚まし時計ACを例示したが、アラーム機能付きの腕時計・電子装身具・パーソナルコンピュータ・PDAなどであってもよい。また、携帯電話機CPを例示したが、これに限らず、パーソナルコンピュータ、PDA、デジタルカメラ、音楽プレイヤーなど、任意の端末装置であってもよい。更に、折り畳みタイプの端末装置に限らず、ストレートタイプ、スライドタイプ、スピントップタイプなど任意の筐体構造であってもよい。
【0060】
また、上述した各実施形態において示した“装置”や“機”とは、機能別に複数の筐体に分離されていてもよく、単一の筐体に限らない。また、上述したフローチャートに記述した各ステップは、時系列的な処理に限らず、複数のステップを並列的に処理したり、別個独立して処理したりするようにしてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1、11 制御部
3、13 記憶部
4、16 操作部
7、15 表示部
8、17 近距離通信部
18 報知部
AC 目覚まし時計
CP 携帯電話機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アラーム設定時刻に応じてアラーム報知を行うアラーム機能を備える端末装置であって、
外部機器と近距離通信を行う近距離通信手段と、
前記アラーム機能が有効な状態に変更されたか否かを判別する判別手段と、
この判別手段によってアラーム機能が有効な状態に変更されたと判別された際に、前記近距離通信手段を介して前記外部機器に対し休止状態への変更指示を通知する通知手段と、
を具備したことを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記通知手段は、前記アラーム機能がアラーム設定時刻に応じてアラーム報知を行った際に、前記近距離通信手段を介して前記外部機器に対し休止状態の解除指示を通知する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項3】
アラーム設定時刻に応じてアラーム報知を行うアラーム機能を備える外部機器と近距離通信を行う近距離通信手段と、
前記外部機器が備えるアラーム機能が有効な状態に変更されたことを示す変更通知を当該外部機器から前記近距離通信手段を介して受信する受信手段と、
この受信手段が変更通知を受信した際に自己の状態を休止状態に変更する制御手段と、
を具備したことを特徴とする端末装置。
【請求項4】
前記制御手段は、少なくとも計時機能を除き、前記近距離通信手段を含む機能を休止させる休止状態に変更する、
ようにしたことを特徴とする請求項3記載の端末装置。
【請求項5】
前記受信手段は、前記外部機器から前記近距離通信手段を介して送信される前記アラーム機能のアラーム設定時刻を受信し、前記外部機器から前記近距離通信手段を介して休止状態の解除指示の通知を受信し、
前記制御手段は、前記受信したアラーム設定時刻の所定時間前を検出した際に、前記近距離通信手段を有効な状態にして通信可能状態に変更し、前記外部機器から休止状態の解除指示の通知を受信した際に、前記休止状態を解除する、
ようにしたことを特徴とする請求項3記載の端末装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記受信したアラーム設定時刻の所定時間前を検出した際に、前記近距離通信手段を有効な状態にして通信可能状態に変更するほか、所定の処理を実行可能な状態に変更する、
ようにしたことを特徴とする請求項5記載の端末装置。
【請求項7】
前記受信手段は、前記外部機器から前記近距離通信手段を介して送信される前記アラーム機能のアラーム設定時刻を受信し、
前記制御手段は、前記受信したアラーム設定時刻に基づいて、前記休止状態を解除する、
ようにしたことを特徴とする請求項3記載の端末装置。
【請求項8】
コンピュータに対して、
外部機器と近距離通信を行う機能と、
アラーム設定時刻に応じてアラーム報知を行うアラーム機能が有効な状態に変更されたか否かを判別する機能と、
前記アラーム機能が有効な状態に変更されたと判別された際に、前記近距離通信を介して前記外部機器に対し休止状態への変更指示を通知する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項9】
コンピュータに対して、
アラーム設定時刻に応じてアラーム報知を行うアラーム機能を備える外部機器と近距離通信を行う機能と、
前記外部機器が備えるアラーム機能が有効な状態に変更されたことを示す変更通知を当該外部機器から前記近距離通信手段を介して受信する機能と、
前記変更通知を受信した際に休止状態に変更する機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−14965(P2011−14965A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−154671(P2009−154671)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】