端末装置及びプログラム
【課題】異なる複数種類の読取対象を読取ることができるとともに、読取処理のレスポンスを低下させず且つ電力負荷を抑えた端末装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】端末装置1において、トリガキー34が押下された際に、CPU110が実行プログラム及び設定プログラムを実行することにより、読取対象に対して、バーコードスキャナ部10による読取動作をバーコード読取回数連続して行うパターンと、RFIDリーダ/ライタ部20による読取動作をRFID読取回数連続して行うパターンと、が交互に繰り返される交互読取のプロセスを実行する。
【解決手段】端末装置1において、トリガキー34が押下された際に、CPU110が実行プログラム及び設定プログラムを実行することにより、読取対象に対して、バーコードスキャナ部10による読取動作をバーコード読取回数連続して行うパターンと、RFIDリーダ/ライタ部20による読取動作をRFID読取回数連続して行うパターンと、が交互に繰り返される交互読取のプロセスを実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーコードラベル及びRFIDタグ等異なる複数種類の読取対象を読み取る端末装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品に取り付けられたバーコードラベルやRFID(Radio Frequency Identification)タグ等の非接触IDタグを読取対象として読取り、当該読取対象に書き込まれた情報を取得可能な技術を備えるPDA(Personal Digital Assistant)やハンディターミナルなどの端末装置が知られている。当該端末装置は、各商品に取り付けられた読取対象を読取ることで、商品に関する管理情報などを集積可能なことから、商品資産の棚卸しや商品の在庫管理など多様な用途がある。
【0003】
ところで、当該読取対象を用いて資産の棚卸しや商品の在庫管理を行う上で、管理される商品ごとにバーコードラベルやRFIDタグがバラバラに取り付けられているような、読取対象の種類が複数混在する場合は往々にして存在する。
また、近年では、RFIDタグとバーコードラベルの両方の読取対象が同一の商品に取り付けられる場合もある。具体的には、RFIDタグを一意に特定付けるIDが記録されたRFIDタグ上に、当該RFIDタグと同一のIDを書込んだバーコードラベルを印刷しておき、RFIDタグに書き込まれたデータを随時サーバに保存しておくような場合である。このような場合、RFIDタグを読取ることが出来ない状況に陥っても、バーコードラベルからIDを読取ることで、サーバよりRFIDタグに書き込まれたデータを問い合わせることが可能となり、データのバックアップ性が保たれる。
以上のように、商品ごとにバーコードラベルやRFIDタグなどの異なる種類の読取対象がバラバラに取り付けられる場合や、一の商品に異なる種類の読取対象が複数取り付けられる場合などを考慮して、異なる種類の読取対象を一台の端末装置で読取れることが望まれている。
【0004】
そこで、1次元イメージセンサによるバーコードラベルに対する読取処理とRFIDリーダによるRFIDタグに対する読取処理とが可能に構成され、トリガーボタンの押下により、一の読取対象について、バーコードラベルに対する読取処理とRFIDタグに対する読取処理とを、時間差をもたせて順次実行する端末装置が知られている(例えば、特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平2001−52105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の端末装置では、バーコードラベルに対する読取処理を一度実行し終えた後に、RFIDタグに対する読取処理を一度実行するように構成されている。このような構成では、バーコードラベル及びRFIDタグに対する一度の読取処理により読取対象の読取りが成功しなかった場合、当該読取処理を読取対象の読取りが成功するまで繰り返し実施する必要がある。つまり、当該読取処理を繰り返し実施する上で、1次元イメージセンサとRFIDリーダの動作切替えが頻繁に行われるので、1次元イメージセンサやRFIDリーダが動作停止後、再度動作可能状態になるまでの待機時間が蓄積して、読取処理のレスポンスが低下するというおそれがある。また、上記動作切替えが頻繁に行われた場合、1次元イメージセンサやRFIDリーダの動作停止後、再度動作させる際の突入電流が度々端末装置に流れるため、電力負荷が大きいという問題もある。
【0007】
そこで、本発明の課題は、異なる複数種類の読取対象を読取ることができるとともに、読取処理のレスポンスを低下させず且つ電力負荷を抑えた端末装置及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、端末装置であって、バーコードラベルの読取動作を行うバーコード読取部と、非接触IDタグの読取動作を行う非接触ID読取部と、前記バーコード読取部及び前記非接触ID読取部が読取動作を行う読取位置に、前記バーコード読取部もしくは前記非接触ID読取部で読み取られる前記バーコードラベルもしくは前記非接触IDタグを含む読取対象が存在するか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により読取対象が存在すると判断された場合に、前記読取対象に対して前記バーコード読取部により読み取り成功するまで予め設定されたバーコード読取回数連続する読取動作と、前記読取対象に対して前記非接触ID読取部により読み取り成功するまで予め設定された非接触ID読取回数連続する読取動作とを実行する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、プログラムであって、コンピュータを、バーコードラベルの読取動作を行うバーコード読取手段、非接触IDタグの読取動作を行う非接触ID読取手段、前記バーコード読取手段及び前記非接触ID読取手段が読取動作を行う読取位置に、前記バーコード読取手段もしくは前記非接触ID読取手段で読み取られる前記バーコードラベルもしくは前記非接触IDタグを含む読取対象が存在するか否かを判断する判断手段、前記判断手段により読取対象が存在すると判断された場合に、前記読取対象に対して前記バーコード読取手段により読み取り成功するまで予め設定されたバーコード読取回数連続する読取動作と、前記読取対象に対して前記非接触ID読取手段により読み取り成功するまで予め設定された非接触ID読取回数連続する読取動作とを実行する制御手段、として機能させる。
【発明の効果】
【0010】
したがって、本発明は、異なる複数種類の読取対象を読取ることができるとともに、読取処理のレスポンスを低下させず且つ電力負荷を抑えた端末装置及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態1における端末装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】図1の端末装置において、電力供給部の要部構成を説明するための図である。
【図3】図1の端末装置において、ROMに記憶されたテーブルを説明するための図である。
【図4】本発明に係る交互読取のプロセスを複数回実行した場合の、端末装置全体,バーコードスキャナ部,RFIDリーダ/ライタ部の消費電流と、端末装置及びトリガキーの状態と、の時間変化を模式的に説明するための図である。
【図5】バーコードラベルとRFIDタグの読取動作を同時に実行した場合の、電池の電圧と、端末装置全体,バーコードスキャナ部,RFIDリーダ/ライタ部の消費電流と、端末装置及びトリガキーの状態と、の時間変化を模式的に説明するための図であり、(i)は最小電圧を上回る場合を、(ii)は最小電圧を下回る場合を、それぞれ示す。 を説明するためのフローチャートである。
【図6】バーコードに備わる特有の特徴を説明するための図である。
【図7】本発明の実施形態1の端末装置による読取処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態1の端末装置による読取処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】図2の電力供給部の別の要部構成を説明するための図である。
【図10】図7の端末装置による別の読取処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態2における端末装置の要部構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。
【0013】
(実施形態1)
本実施形態に係る端末装置1は、商品等に取付けられたバーコードラベルやRFIDタグ等の読取対象を読取り可能なPDAやハンディターミナルなどの携帯端末である。そして、端末装置1は、図1に示されるように、バーコードスキャナ部10と、RFIDリーダ/ライタ部20と、入出力部30と、二次記憶部40と、電力供給部50と、制御部100と、を含んで構成される。
【0014】
バーコードスキャナ部10は、制御部100の指示に従い、バーコードラベルからバーコード(イメージ)を読取る読取動作を行う。具体的には、バーコードスキャナ部10は、レーザ発生回路11と、受光回路12と、二値化回路13と、デコーダ回路14と、ADC(Analog−to−Digital Conversion)回路15と、などから構成される。
【0015】
レーザ発生回路11は、並設されたLEDランプ(Light Emitting Diode)により発生するレーザ光を読取対象に向けて照射する。
受光回路12は、レーザ発生回路11を介して読取対象に向けて照射されたレーザ光の反射光を受光する。そして、受光回路12にて受光された反射光の電気信号は、二値化回路13及びADC回路15の双方へ出力される。
二値化回路13は、受光回路12で受光された反射光の電気信号に基づいて、反射光を強度の強い白色の反射光と強度の弱い黒色の反射光とに分類(バーコードに係る白色部分と黒色部分を識別分類)し、デジタル形式の二値データに変換してデコーダ回路14へ出力する。
デコーダ回路14は、二値化回路13より出力された二値データより、バーコード形式のデータ(バーコードイメージのデータ)へのデコード処理を行い、当該デコード処理を施したデータを制御部100へ出力する。
ADC回路15は、受光回路12にて受光された反射光の電気信号を、アナログ形式からデジタル形式に変換する処理を行い、デジタル信号として制御部100へ出力する。
なお、バーコードスキャナ部10は、必ずしもデコーダ回路14を備える必要は無く、二値化回路13より出力された二値データが制御部100に出力されるように構成し、制御部100が二値データのデコード処理を行うようにしても勿論良い。
【0016】
RFIDリーダ/ライタ部20は、アンテナ21を有し、制御部100の指示に従い、アンテナ21を介してRFIDタグの情報を読み取りや書き込みを行う。
より具体的には、RFIDリーダ/ライタ部20は、RFIDタグがアンテナ21の読取可能範囲に配置された状態で、制御部100から入力された送信信号を変調してアンテナ21のループコイル(図示省略)に入力する。すると、ループコイルから発生する電磁界を介して、RFIDタグ内のループコイルに電流が発生し、その電気信号が復調され符号化されることにより、RFIDタグ側で情報が受信される。そして、RFIDタグ内のメモリの情報読み出し又は情報書き込みが行われる。また、RFIDタグ内のメモリより読み出した情報等の送信情報の信号に応じてループコイルに発生する電磁界を介して、ループコイルに電流が流れ、RFIDリーダ/ライタ部20によりその電気信号が変調され符号化されることにより、RFIDリーダ/ライタ部20側で情報が受信される。
なお、RFIDリーダ/ライタ部20は、後述のトリガキー34が押下された際に、バーコードスキャナ部10がバーコードラベルに対する読取動作を行う位置(読取位置)と同じ位置よりRFIDタグに対する読取動作が行われるように配設されている。
【0017】
入出力部30は、ユーザが端末装置1を入力操作するための各種操作キー/ボタンや出力表示するためのディスプレイ等である。具体的には、入出力部30は、操作部31と、LCD(Liquid Crystal Display)32と、ブザー装置33と、等を含んで構成される。
操作部31は、トリガキー34やその他の各種操作キー/ボタン,LCD32と一体的に設けられるタッチパネル等を含んで構成される。
トリガキー34は、ユーザが読取位置にバーコードスキャナ部10及びRFIDリーダ/ライタ部20を近づけた状態で当該ユーザに押下操作されることで、読取対象について、バーコードラベル及びRFIDタグに対する読取動作を制御部100に実行させるためのキーである。
LCD32は、画像表示が可能な液晶ディスプレイであり、制御部100からの画像出力信号に従って各種の画像表示を行う。具体的には、LCD32は、バーコードスキャナ部10やRFIDリーダ/ライタ部20による読取対象に対する読取結果の表示などを行う。
ブザー装置33は、制御部100からの音声出力信号に従って、ビープ音やアラーム音を発生させて音声出力を行う。
【0018】
二次記憶部40は、読み書き可能な不揮発性メモリであるEEPROM(ElectricallyErasable Programmable ROM)やフラッシュメモリであり、制御部100からの制御信号に従って、ユーザにより設定されたシステムや各機能に関する設定データなどの各種データを記憶・更新する。
【0019】
電力供給部50は、端末装置1の各部に対して必要な電力供給を行う。具体的には、電力供給部50は、電池51と、DC/DCコンバータ52,53と、複数の状態切換え部54と、を含んで構成される。
電池51は、例えば、ニッケル・カドミウム蓄電池やニッケル・水素蓄電池、リチウムイオン電池等の二次電池であり、電気エネルギーを生成する。
DC/DCコンバータ52,53は、電池51によって生成された電気エネルギーを、端末装置1の各部で必要とされる適切な電圧に変換する。そして、DC/DCコンバータ52にて変換された電圧は後述の制御部100のCPU110に供給され、DC/DCコンバータ53にて変換された電圧は状態切換え部54を介してCPU110以外の端末装置1の各部にそれぞれ供給される。
状態切換え部54は、DC/DCコンバータ53にて変換された電圧による、CPU110以外の端末装置1の各部への電力の供給状態と非供給状態とを、CPU110がGPIO(General Purpose Input/Output)を介して出力する信号に応じて切換える。
なお、状態切換え部54は、電力の供給状態と非供給状態とを切換える機能のみならず、端末装置1の各部が通常に起動した状態である通常モードと端末装置1の各部がサスペンドした状態であるサスペンドモード(スタンバイモード,省電力モード)とを切換える機能を備えたものであってもよい。
【0020】
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)110と、RAM(Random Access Memory)120と、ROM(Read Only Memory)130と、を含んで構成され、端末装置1の各部を統括制御するコンピュータとして機能する。
【0021】
CPU110は、端末装置1の各部から入力される入力信号に応じて、ROM130に記憶された各種プログラム(プログラムコード)を実行するとともに、実行にかかるプログラムに基づいて各部に出力信号を出力することにより、端末装置1の動作全般を統括制御する。具体的には、CPU110は、バーコードスキャナ部10やRFIDリーダ/ライタ部20の駆動制御、状態切換え部54を介した電力供給状態の切換制御(通常モードとサスペンドモードとのモードの切換制御)、操作部31が操作された際の各種操作信号に対する実行制御、LCD32やブザー装置33を介した画像や音声の出力制御、などを行う。
RAM120は、CPU110によって実行される処理プログラムなどを展開するためのプログラム格納領域や、入力データや上記処理プログラムが実行される際に生じる処理結果などを一次的に格納するためのデータ格納領域などを備える。
【0022】
ROM130は、例えば、端末装置1で実行可能なシステムプログラムや、当該システムプログラムで実行可能な各種処理プログラム、上記処理プログラムを実行する際に使用されるデータなどを記憶する。具体的には、ROM130は、テーブル131と、実行プログラムと、設定プログラムと、などを記憶する。
【0023】
テーブル131は、図3に示すように、状態1〜状態3ごとに、読取回数(バーコード読取回数及びRFID読取回数)を予め記憶したテーブルである。
ここで、バーコード読取回数,RFID読取回数(非接触ID読取回数)とは、それぞれ、CPU110が実行プログラムを実行する際に、バーコードスキャナ部10による読取動作を連続して行う回数,RFIDリーダ/ライタ部20による読取動作を連続して行う回数である。
また、状態1〜状態3とは、CPU110が後述の設定プログラムを実行する際に判断/推定する読取対象の存否及び読取対象の種類に応じた分類である。具体的には、状態1とは、CPU110が設定プログラムを実行する際に最初に抽出する読取回数、及び読取対象が存在しないと判断した場合に抽出する読取回数を示す分類である。また、状態2とは、CPU110が設定プログラムを実行する際に読取対象が存在すると判断し、当該読取対象がRFIDタグであると推定した場合に抽出する読取回数を示す分類である。さらに、状態3とは、CPU110が設定プログラムを実行する際に読取対象が存在すると判断し、当該読取対象がバーコードラベルであると推定した場合に抽出する読取回数を示す分類である。
なお、当該テーブル131に記憶されるバーコード読取回数及びRFID読取回数は一例に過ぎず、端末装置1の設置環境やユーザの使用環境等に応じて適宜の変更が可能である。
【0024】
次に、ROM130に記憶された設定プログラム、実行プログラムについて説明する。
【0025】
実行プログラムは、CPU110が、トリガキー34が押下された際に、バーコードスキャナ部10による読取動作をバーコード読取回数連続して行うパターンと、RFIDリーダ/ライタ部20による読取動作をRFID読取回数連続して行うパターンと、が交互に繰り返される交互読取のプロセスを実行するためのプログラムである。
具体的には、ユーザによりトリガキー34が押下されると、CPU110は実行プログラムを実行し、状態切換え部54を介してバーコードスキャナ部10への電力供給を行い,バーコードスキャナ部10を駆動制御し、読取対象について、読取位置に対するバーコードラベルの読取動作をバーコード読取回数分連続して行う。次に、当該バーコード読取回数分の読取動作が終了した段階で、CPU110は、状態切換え部54を介してバーコードスキャナ部10への電力供給を停止するとともにRFIDリーダ/ライタ部20への電力供給を行い、RFIDリーダ/ライタ部20を駆動制御して、読取対象について、読取位置に対するRFIDタグの読取動作をRFID読取回数分連続して行う。次に、当該RFID読取回数分の読取動作が終了した段階で、CPU110は、状態切換え部54を介してRFIDリーダ/ライタ部20への電力供給を停止する。そして、CPU110は、上述の様なバーコードラベルとRFIDタグの読取動作を交互に行う交互読取のプロセスを、ユーザがトリガキー34の押下状態を解除するまで、又は、バーコードラベルとRFIDタグの何れかの読取りが成功するまで繰り返し実行する。
なお、本発明の説明において、バーコード読取部が照射するレーザ光の反射光の強度に基づいて読取対象が存在するか否かを判断するために、まず先にバーコードラベルの読取動作から開始しているが、これに限らず、他のセンサ等との併用により、RFIDタグの読取動作からでも、どちらからでも開始するとしてもよい。また、本件は変形例1乃至2及び実施形態2に関しても同様である。
【0026】
したがって、CPU110が交互読取のプロセスを複数回実行した場合、バーコードスキャナ部10の消費電流IBと、RFIDリーダ/ライタ部20の消費電流ICと、端末装置1全体の消費電流IA(消費電流IB,IC,CPU110の消費電流,その他端末装置1の各部構成の消費電流を含む)と、は図4に示されるように変化する。
ここで、図4において、CPU110は、トリガキー34がユーザに押下された後に状態1〜状態3のプロセスを順次実行したものとする。また、状態3のプロセスの実行終了時点でトリガキー34の押下状態が解除され、CPU110が状態1〜状態3のプロセスを実行する間、バーコードラベルとRFIDタグの何れの読取りも成功しなかったものとする。さらに、図4のTB1〜TB3は、テーブル131にて状態1〜状態3の各々に割り振られたバーコード読取回数分、バーコードスキャナ部10にて連続して読取動作を実行するのに要する時間である。また、図4のTR1〜TR3もTB1〜TB3と同様に、テーブル131にて状態1〜状態3の各々に割り振られたRFID読取回数分、RFIDリーダ/ライタ部20にて連続して読取動作を実行するのに要する時間である。つまり、TB1〜TB3(TR1〜TR3)は、バーコードスキャナ部10(RFIDリーダ/ライタ部20)の起動時間と、バーコードスキャナ部10(RFIDリーダ/ライタ部20)による1回の読取動作に要する時間にバーコード読取回数(RFID読取回数)を乗じた時間と、を足し合わせた時間である。そのため、テーブル131の状態1〜状態3の各々に割り振られたバーコード読取回数及びRFID読取回数に基づいて、TB1=TB3>TB2、TR2>TR1>TR3が成立する。
【0027】
図4に示すように、CPU110は、バーコードラベルとRFIDタグの読取動作を所定時間おきに(所定回数ずつ)交互に実行するので、トリガキー34が押下された際の端末装置1全体の消費電流IAは、消費電流IB又はIR分増加するに過ぎない。そのため、図5(i)に示すような、バーコードラベルとRFIDタグの読取動作を同時に実行した場合のように、消費電流IAの急激な増加を回避することができるので、電池51への負荷を軽減することが出来る。また、バーコードラベルとRFIDタグの読取動作を同時に実行した際の消費電流IAの急激な増加によって、図5(ii)に示すように、電池51の電圧Vが端末装置1全体を動作させるために必要な最小電圧VMを下回り、端末装置1全体の電力供給が停止するような事態も回避することが出来る。また、CPU110は、バーコードラベルとRFIDタグの読取動作が所定時間おきに(所定回数ずつ)交互に実行するため、バーコードスキャナ部10とRFIDリーダ/ライタ部20の駆動状態の切換え回数が少なくなり、読取処理のレスポンスを低下させず、突入電流の発生も抑えられる。
【0028】
設定プログラムは、読取位置に読取対象が存在するか否かを判断し、読取対象が存在すると判断された場合に、当該読取対象の種類を推定し、上記存在するか否かの判断結果及び推定した読取対象の種類に基づいて、バーコード読取回数及びRFID読取回数を設定する機能をCPU110に実行させるプログラムである。
【0029】
具体的には、CPU110が設定プログラムを実行すると、テーブル131より状態1〜状態3の何れかの読取回数を抽出する(トリガキー34が押下された直後、つまり読取回数の初回設定時は状態1の読取回数を抽出するものとする)。そして、CPU110は、当該抽出した回数に基づいて実行プログラムを実行し、バーコードスキャナ部10を駆動制御し、読取位置に対するバーコードラベルの読取動作を行う。そして、CPU110は、当該読取動作において、読取位置からの反射光が受光回路12にて受光されると、ADC回路15を介して当該反射光をデジタル信号として取得する。さらに、CPU110は、取得したデジタル信号に基づいて反射光の強度を算出し、当該算出された強度が予め定められた値を上回るか否かにより、当該読取位置に読取対象が存在するか否かを判断する。つまり、CPU110は、強い反射光が受光回路12で取得された場合に読取位置(及びその近傍に)に何らかの読取対象が存在すると判断し、弱い反射光しか取得されなかった場合は、読取位置(及びその近傍に)に何の読取対象も存在しないと判断する。
【0030】
次に、CPU110は、読取対象が存在すると判断した場合、デコーダ回路14より出力されるデコード処理されたデータにバーコード形式のデータに特有の特徴が存在するか否かを確認する。そして、CPU110は、当該特有の特徴が存在することを確認した場合、読取対象の種類をバーコードラベルであると推定し、当該特有の特徴の存在が確認出来なかった場合、読取対象の種類をRFIDタグであると推定する。ここで、バーコード形式のデータに特有の特徴とは、図6に示すバーコードの端部P1がデコード処理されたデータで検出できるか否かである。ここで、当該バーコードの端部P1は、白色のマージンMaと、規定幅からなる黒色のバーBb及び白色のバーWbの組み合わせと、から構成され、一般にバーコードに備わる部位として知られている。そのため、デコーダ回路14より出力されるデータに端部P1の存在が確認出来た場合は、読取対象の種類がバーコードラベルであると推定できる。
【0031】
次に、CPU110は、読取対象が存在するか否かの判断結果及び読取対象の種類の推定結果に基づいて、ROM130に記憶されたテーブル131よりバーコード読取回数及びRFID読取回数を抽出する。そして、CPU110は、当該抽出したバーコード読取回数,RFID読取回数を、実行プログラムの実行時に、バーコードラベルの読取動作を連続して行う回数,RFIDタグの読取動作を連続して行う回数として設定する。ここで、CPU110が、読取対象が存在しないと判断した場合、図3の状態1の欄に記載された回数をバーコード読取回数,RFID読取回数として設定する。また、CPU110が、読取対象が存在すると判断し、当該読取対象の種類がRFIDタグであると推定した場合、実行プログラムの実行時にRFIDタグの読取動作が重点的に行われるように、図3の状態2の欄に記載された回数をバーコード読取回数,RFID読取回数として設定する。さらに、CPU110が、読取対象が存在すると判断し、当該読取対象の種類がバーコードラベルであると推定した場合、実行プログラムの実行時にバーコードラベルの読取動作が重点的に行われるように、図3の状態3の欄に記載された回数をバーコード読取回数,RFID読取回数として設定する。
なお、上記読取対象が存在するか否かの判断及び読取対象の種類の推定は、複数回に亘る読取位置に対するバーコードラベルの読取動作に基づいて繰り返し行う。これは、バーコードラベルにおけるバーコード自体のかすれや欠損などに起因する、デコーダ回路14によるデコード処理の失敗や不正確さを考慮して、CPU110が一層正確な判断/推定を行うためである。
【0032】
(読取処理)
次に、本実施形態に係る端末装置1による読取処理について図7及び図8のフローチャートを用いて説明する。
【0033】
まず、ユーザによりトリガキー34が押下されると、CPU110は、設定プログラムを実行し、読取回数の設定値(バーコード読取回数の設定値:BM,RFID読取回数の設定値:RMとする)の初回設定であるか否かを判断する(ステップS1)。
そして、CPU110は、読取回数の初回設定であると判断する場合(ステップS1;Yes)、テーブル131より状態1の欄の読取回数を抽出して設定値BM,RMを設定する(ステップS2)。一方で、CPU110は、読取回数の初回設定でないと判断する場合(ステップS1;No)、ステップS3の処理へ移行する。
次いで、CPU110は、実行プログラムを実行し、現在の読取回数(バーコードラベルの読取動作の実行回数の現在値:BC,RFIDタグの読取動作の実行回数の現在値:RCとする)を初期化する(ステップS3)。
【0034】
次いで、CPU110は、状態切換え部54を介してバーコードスキャナ部10への電力供給を行う(ステップS4)。そして、CPU110は、バーコードスキャナ部10を駆動制御してバーコードラベルの読取動作を行う(ステップS5)。
次いで、CPU110は、ステップS5によりバーコードラベルの読取りが成功したか否かを判断し(ステップS6)、読取りが成功したと判断する場合(ステップS6;Yes)は、ステップS24の処理へ移行する。
一方で、CPU110は、読取りが成功していないと判断する場合(ステップS6;No)、ADC回路15を介して読取対象からの反射光(のデジタル信号)を取得し、RAM120に記憶しておく(ステップS7)。さらに、CPU110は、デコーダ回路14より出力されるデコード処理されたデータを取得し、RAM120に記憶しておく(ステップS8)。
次いで、CPU110は、現在値BCが設定値BMに等しくなったか否かを判断し(ステップS9)、等しくないと判断する場合(ステップS9;No)、現在値BCを1加算して(ステップS10)、ステップS5以降の処理を繰り返す。
一方で、CPU110は、現在値BCが設定値BMに等しくなったと判断した場合(ステップS9;Yes)、状態切換え部54を介してバーコードスキャナ部10への電力供給を停止する(ステップS11)。
【0035】
次いで、CPU110は、状態切換え部54を介してRFIDリーダ/ライタ部20への電力供給を行う(ステップS12)。そして、CPU110は、RFIDリーダ/ライタ部20を駆動制御してRFIDタグの読取動作を行う(ステップS13)。
次いで、CPU110は、ステップS13によりRFIDタグの読取りが成功したか否かを判断し(ステップS14)、読取りが成功したと判断する場合(ステップS14;Yes)は、ステップS24の処理へ移行する。
一方で、CPU110は、読取りが成功していないと判断する場合(ステップS14;No)、現在値RCが設定値RMに等しくなったか否かを判断(ステップS15)する。そして、CPU110は、現在値RCが設定値RMに等しくないと判断する場合(ステップS15;No)、現在値RCを1加算して(ステップS16)、ステップS13以降の処理を繰り返す。
一方で、CPU110は、現在値RCが設定値RMに等しくなったと判断した場合(ステップS15;Yes)、状態切換え部54を介してRFIDリーダ/ライタ部20への電力供給を停止する(ステップS17)。
【0036】
次いで、CPU110は、ユーザによるトリガキー34の押下状態が継続されているか否かを判断し(ステップS18)、継続されていないと判断する場合(ステップS18;No)、ステップS24の処理へ移行する。
一方で、CPU110は、ステップS18にて継続されていると判断する場合(ステップS18;Yes)、ステップS7で取得した反射光に基づいて、読取位置に読取対象が存在するか否かを判断する(ステップS19)。
そして、CPU110は、ステップS19にて読取対象が存在しないと判断する場合(ステップS19;No)、テーブル131より状態1の欄の読取回数を抽出して設定値BM,RMを設定し(ステップS20)、ステップS3以降の処理を繰り返す。
一方で、CPU110は、ステップS19にて読取対象が存在すると判断する場合(ステップS19;Yes)、ステップS8にて取得したデータに基づいて読取対象の種類がバーコードラベルであるか否かを判断する(ステップS21)。
そして、CPU110は、ステップS21にて読取対象の種類がバーコードラベルでないと判断する場合(ステップS21;No)、当該種類をRFIDタグと推定し、テーブル131より状態2の欄の読取回数を抽出して設定値BM,RMを設定し(ステップS22)、ステップS3以降の処理を繰り返す。
一方で、CPU110は、ステップS21にて読取対象の種類がバーコードラベルであると判断する場合(ステップS21;Yes)、テーブル131より状態3の欄の読取回数を抽出して設定値BM,RMを設定し(ステップS23)、ステップS3以降の処理を繰り返す。
【0037】
次いで、CPU110は、ステップS6及びステップS14にて読取りが成功したと判断する場合(ステップS6;Yes,ステップS14;Yes)や、ステップS18にて継続されていないと判断する場合(ステップS18;No)、状態切換え部54を介してバーコードスキャナ部10及びRFIDリーダ/ライタ部20への電力供給を停止する(ステップS24)。
そして、CPU110は、LCD32を介して読取対象に対する読取結果の表示を行い(ステップS25)、本処理を終了する。
【0038】
以上により、本実施形態における端末装置1によると、トリガキー34が押下された際に、CPU110が実行プログラム及び設定プログラムを実行することにより、バーコードスキャナ部10による読取動作をバーコード読取回数連続して行うパターンと、RFIDリーダ/ライタ部20による読取動作をRFID読取回数連続して行うパターンと、が交互に繰り返される交互読取のプロセスを実行できる。つまり、バーコードラベルとRFIDタグの読取動作を所定時間おきに(所定回数ずつ)交互に実施できるので、バーコードスキャナ部10とRFIDリーダ/ライタ部20の駆動状態の切換え回数が少なくなり、読取処理のレスポンスを低下させず、突入電流の発生も抑えられる。
したがって、端末装置1及び制御部100が実行するプログラムは、異なる種類の読取対象を読取ることができるとともに、読取処理のレスポンスを低下させず且つ電力負荷を抑えた端末装置及びプログラムといえる。
【0039】
また、端末装置1において、CPU110が設定プログラムを実行する際に、読取対象が存在するか否かの判断結果及び推定した読取対象の種類に基づいて、テーブル131に書き込まれた状態1〜状態3の何れかのバーコード読取回数及びRFID読取回数を抽出することで、上記実行プログラムの実行に係るバーコード読取回数及びRFID読取回数を設定できるように構成されている。そのため、CPU110が設定プログラムを実行する都度、適切なバーコード読取回数及びRFID読取回数を算出して割り振る必要がないため、CPU110の負担が軽減し処理速度の向上が期待できる。
【0040】
また、端末装置1において、CPU110が設定プログラムを実行する際に、読取対象が存在するか否かは、受光回路12により受光される反射光の強度が予め定められた値を上回るか否かにより容易に判断できるので、CPU110への負担がかからない。
【0041】
また、端末装置1において、CPU110が設定プログラムを実行する際に、読取対象の種類がバーコードラベルであるか否かは、デコーダ回路14より出力されるデータに端部P1の存在が確認出来たか否かにより判断できる。つまり、デコーダ回路14より出力されるデータ全体を確認しなくとも、当該データの開始部分(バーコードスキャナ部10により読取ったデータの開始部分)に、端部P1に一致する箇所があるか否かを確認するだけでバーコードラベルであるか否かを判断できるので、CPU110への負担がかからない。
【0042】
(変形例1)
端末装置1の変形例1について、図9を用いて説明する。
図9に示すように、電力供給部50aは、電池51によって生成された電気エネルギーを、DC/DCコンバータ52と、複数のDC/DCコンバータ53aと、により端末装置1の各部で必要とされる適切な電圧に変換するように構成される。つまり、図2に示す電力供給部50では、一のDC/DCコンバータ53を通過後に、CPU110以外の端末装置1の各部に必要な電圧に配分されて当該各部へ供給されるように構成されていたが、図9に示す電力供給部50aでは、CPU110以外の端末装置1の各部に必要な電圧が、複数のDC/DCコンバータ53aに入力される時点で配分されている点で相違する。
このように構成することで、端末装置1の変形例1は、実施形態1に係る端末装置1と同様の効果が得られることは勿論のこと、CPU110以外の端末装置1の各部に必要な電圧が各部それぞれで相違する場合であっても、複数のDC/DCコンバータ53a各々の変換量を調整することで、容易に各部に必要な電圧を生成することができる。
【0043】
(変形例2)
端末装置1の変形例2について、図10を用いて説明する。
実施形態1に係る端末装置1では、図7及び図8に示すようなフローに基づいて、CPU110がRFIDタグの読取動作の実行を完了した後に、読取対象が存在するか否かの判断や読取対象の種類の推定を行う読取処理を実行していた。一方、本変形例2に係る端末装置1では、CPU110がバーコードラベルの読取動作を実行する際に当該判断や推定を行い、バーコード読取回数やRFID読取回数を柔軟に変更する読取処理を実行する。
以下では、本変形例2に係る端末装置1による読取処理について図10(及び図8)のフローチャートを用いて説明する。なお、図10に示すフローチャートの説明において、図7に示すフローチャートと同様のフローについては同じ符号を付し、説明を省略する。
【0044】
CPU110は、ステップS7において読取対象からの反射光を取得し、ステップS8においてデコード処理されたデータを取得すると、ステップS7で取得した反射光に基づいて、読取位置に読取対象が存在するか否かを判断する(ステップS81b)。
そして、CPU110は、ステップS81bにて読取対象が存在しないと判断する場合(ステップS81b;No)、ステップS9の処理へ移行する。
一方で、CPU110は、ステップS81bにて読取対象が存在すると判断する場合(ステップS81b;Yes)、ステップS8にて取得したデータに基づいて読取対象の種類がバーコードラベルであるか否かを判断する(ステップS82b)。
次いで、CPU110は、ステップS82bにて読取対象の種類がバーコードラベルでないと判断する場合(ステップS82b;No)、当該種類をRFIDタグと推定し、設定値RMを8(テーブル131の状態2のRFID読取回数と同じ回数)に設定し(ステップS83b)、ステップS11以降の処理へ移行する。
一方で、CPU110は、ステップS82bにて読取対象の種類がバーコードラベルであると判断する場合(ステップS82b;Yes)、設定値BMが3に設定されているか否かを判断(つまり、現在設定されている設定値BMが、テーブル131の状態2のバーコード読取回数であるか否かを判断)する(ステップS84b)。
そして、CPU110は、設定値BMが3に設定されていないと判断(つまり、現在設定されている設定値BMが、テーブル131の状態1又は状態3のバーコード読取回数であると判断)する場合(ステップS84b;No)、ステップS9以降の処理へ移行する。
一方で、CPU110は、設定値BMが3に設定されていると判断する(つまり、ステップS82bにて読取対象の種類がバーコードラベルであると判断したにも関わらず、現在設定されている設定値BMが、テーブル131の状態2のバーコード読取回数であった)場合(ステップS84b;Yes)、現在設定されている設定値BMに10を加算し(ステップS85b)、ステップS9以降の処理へ移行する。
以降、CPU110は、ステップS9〜ステップS25の処理を実施して読取処理を終了する。
【0045】
以上のような読取処理を実行することで、変形例2に係る端末装置1は、実施形態1に係る端末装置1と同様の効果が得られることは勿論のこと、CPU110がバーコードラベルの読取動作を実行する際に読取対象が存在するか否かの判断や読取対象の種類の推定を行うので、次回の交互読取のプロセスの実行を待つことなく、バーコード読取回数やRFID読取回数を柔軟に変更できる。つまり、重点的に読取処理を実行すべき読取対象が早期に把握できるので、読取処理のレスポンスの向上が期待できる。
【0046】
(実施形態2)
次に、実施形態2に係る端末装置1cについて、図11を用いて説明する。
ここで、実施形態1に係る端末装置1では、CPU110が設定プログラムを実行する際に、ADC回路15より取得するデジタル信号に基づいて反射光の強度を算出し、算出された強度が予め定められた値を上回るか否かにより読取位置に読取対象が存在するか否かを判断していた。一方、端末装置1cでは、上記読取対象が存在するか否かの判断までをバーコードスキャナ部10cで行う点で相違する。
以下の端末装置1cの説明において、実施形態1に係る端末装置1と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0047】
端末装置1cは、図11に示されるように、バーコードスキャナ部10cと、RFIDリーダ/ライタ部20と、入出力部30と、二次記憶部40と、電力供給部50と、制御部100と、を含んで構成される。
【0048】
バーコードスキャナ部10cは、レーザ発生回路11と、受光回路12と、二値化回路13と、デコーダ回路14と、強度判定回路16cと、などから構成される。
【0049】
二値化回路13は、受光回路12で受光された反射光の電気信号に基づいて、反射光を強度の強い白色の反射光と強度の弱い黒色の反射光とに分類(バーコードに係る白色部分と黒色部分を識別分類)し、デジタル形式の二値データに変換してデコーダ回路14へ出力する。この二値化回路13は、内部にゲイン調整回路13cを備える。そして、当該ゲイン調整回路13cは、上記白色の反射光と黒色の反射光とに分類する際の閾値(ゲイン調整値)を動的に変化させる回路である。つまり、ゲイン調整回路13cが当該ゲイン調整値を動的に変化させることで、二値化回路13が、読取対象が端末装置1cから遠い位置にあり、たとえ読取対象にバーコードに係る白色部分が含まれていたとしても全て強度の弱い黒色の反射光に分類する場合や、反対に、読取対象が端末装置1cから近い位置にあり、たとえ読取対象にバーコードに係る黒色部分が含まれていたとしても全て強度の強い白色の反射光に分類する場合、などを防止する。
【0050】
強度判定回路16cは、ゲイン調整回路13cに接続され、受光回路12にて受光された反射光の強度を判定する回路である。具体的には、強度判定回路16cは、ゲイン調整回路13cよりゲイン調整値を取得可能に構成されており、当該ゲイン調整値が予め定められた設定値を上回るか否かを判定する。つまり、ゲイン調整値が設定値を上回る程度に高い値であった場合、読取対象が端末装置1cから近い位置にあるため、二値化回路13が読取対象からの反射光を白色の反射光と黒色の反射光に分類する際、ゲイン調整値を高い値へ変化させたものと推測される。
そのため、CPU110は設定プログラムを実行する際に、強度判定回路16cによるゲイン調整値が設定値を上回るか否かの判定結果を取得し、ゲイン調整値が設定値を上回る場合の判定結果により読取位置に読取対象が存在すると判断できる(反対に、ゲイン調整値が設定値を下回る場合に読取位置に読取対象が存在しないと判断する)。
【0051】
以上により、本実施形態における端末装置1cによると、実施形態1における端末装置1と同様の効果が得られるのは勿論のこと、CPU110が設定プログラムを実行する際に、反射光の強度を算出する演算処理を行うことなく読取位置に読取対象が存在するか否かを判断することが可能となるので、CPU110の負担が軽減し処理速度の向上や端末装置1cの省電力化が期待できる。
【0052】
なお、以上の実施形態における記述は、本発明に係る好適な端末装置の一例であり、これに限定されるものではない。
また、以上の実施形態における端末装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関して本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0053】
例えば、CPU110が設定プログラムを実行し、読取対象の種類をRFIDタグであると推定した場合、その後のバーコードスキャナ部10によるバーコードラベルの読取動作の実行時に、レーザ発生回路11の発光量を所定量制限するように構成し、低電力化が図れるように構成しても良い。
また、テーブル131に記憶された状態1〜3のバーコード読取回数やRFID読取回数は、ユーザの使用環境等に応じて逐次更新出来るようにしても勿論良い。つまり、読取対象の読取りが成功するごとに当該読取られた読取対象の種類を成功した回数とともにRAM120等に記憶しておき、CPU110が、成功した回数に応じて、状態1〜3におけるバーコード読取回数やRFID読取回数を更新する。具体的には、現時点までに成功した回数の多い読取対象の種類がバーコードラベルであった場合、状態1〜3におけるバーコード読取回数を増加させる一方でRFID読取回数を減少させる。反対に、現時点までに成功した回数の多い読取対象の種類がRFIDタグであった場合、バーコード読取回数を減少させRFID読取回数を増加させる。このように、CPU110が交互読取のプロセスを実行する際のバーコード読取回数やRFID読取回数を、ユーザの使用環境等に応じて更新することで、読取処理のレスポンスや端末装置1の省電力化の向上が期待できる。
さらに、テーブル131では、状態1を、CPU110が設定プログラムを実行する際に最初に抽出する読取回数、及び読取対象が存在しないと判断した場合に抽出する読取回数を示す分類としたが、例えば、読取対象が存在しないと判断した場合に抽出する読取回数のみを示す分類を別途状態4としてテーブル131に設けてもよい。この場合、状態4では、読取対象が存在しないとの判断結果を考慮して、読取回数の総数が極力減るように、又はバーコード読取部10とRFIDリーダ/ライタ部20とで消費電力の少ない方が重点的に駆動するように、バーコード読取回数及びRFID読取回数を設定しておくことで、端末装置1の省電力化を図ることができる。
【0054】
また、上記実施形態において、フローチャートに記述されている各機能は、コンピュータとしての制御部100(CPU110)が読み取り可能なプログラムコードの形態で記録媒体(ROM130)に格納されており、このプログラムコードにしたがったコンピュータ(制御部100)による処理動作が実行される。なお、伝送媒体を介して外部より伝送されてきた上述のプログラムコードに従ってコンピュータ(制御部100)による処理動作を実行することもでき、このような伝送媒体も含めて、本実施の形態では記録媒体と定義する。
【符号の説明】
【0055】
1 端末装置
10 バーコードスキャナ部(バーコード読取部)
11 レーザ発生回路(レーザ照射部)
12 受光回路(受光部)
13 二値化回路
14 デコーダ回路(デコード処理部)
15 ADC回路
20 RFIDリーダ/ライタ部(非接触ID読取部)
30 入出力部
31 操作部
34 トリガキー(操作キー)
50,50a 電力供給部
100 制御部(判断手段、制御手段、バーコード読取手段、非接触ID読取手段)
110 CPU
120 RAM
130 ROM(記憶部)
131 テーブル
(実施形態2)
1c 端末装置
10c バーコードスキャナ部(バーコード読取部)
13c ゲイン調整回路
16c 強度判定回路(判断手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーコードラベル及びRFIDタグ等異なる複数種類の読取対象を読み取る端末装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品に取り付けられたバーコードラベルやRFID(Radio Frequency Identification)タグ等の非接触IDタグを読取対象として読取り、当該読取対象に書き込まれた情報を取得可能な技術を備えるPDA(Personal Digital Assistant)やハンディターミナルなどの端末装置が知られている。当該端末装置は、各商品に取り付けられた読取対象を読取ることで、商品に関する管理情報などを集積可能なことから、商品資産の棚卸しや商品の在庫管理など多様な用途がある。
【0003】
ところで、当該読取対象を用いて資産の棚卸しや商品の在庫管理を行う上で、管理される商品ごとにバーコードラベルやRFIDタグがバラバラに取り付けられているような、読取対象の種類が複数混在する場合は往々にして存在する。
また、近年では、RFIDタグとバーコードラベルの両方の読取対象が同一の商品に取り付けられる場合もある。具体的には、RFIDタグを一意に特定付けるIDが記録されたRFIDタグ上に、当該RFIDタグと同一のIDを書込んだバーコードラベルを印刷しておき、RFIDタグに書き込まれたデータを随時サーバに保存しておくような場合である。このような場合、RFIDタグを読取ることが出来ない状況に陥っても、バーコードラベルからIDを読取ることで、サーバよりRFIDタグに書き込まれたデータを問い合わせることが可能となり、データのバックアップ性が保たれる。
以上のように、商品ごとにバーコードラベルやRFIDタグなどの異なる種類の読取対象がバラバラに取り付けられる場合や、一の商品に異なる種類の読取対象が複数取り付けられる場合などを考慮して、異なる種類の読取対象を一台の端末装置で読取れることが望まれている。
【0004】
そこで、1次元イメージセンサによるバーコードラベルに対する読取処理とRFIDリーダによるRFIDタグに対する読取処理とが可能に構成され、トリガーボタンの押下により、一の読取対象について、バーコードラベルに対する読取処理とRFIDタグに対する読取処理とを、時間差をもたせて順次実行する端末装置が知られている(例えば、特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平2001−52105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の端末装置では、バーコードラベルに対する読取処理を一度実行し終えた後に、RFIDタグに対する読取処理を一度実行するように構成されている。このような構成では、バーコードラベル及びRFIDタグに対する一度の読取処理により読取対象の読取りが成功しなかった場合、当該読取処理を読取対象の読取りが成功するまで繰り返し実施する必要がある。つまり、当該読取処理を繰り返し実施する上で、1次元イメージセンサとRFIDリーダの動作切替えが頻繁に行われるので、1次元イメージセンサやRFIDリーダが動作停止後、再度動作可能状態になるまでの待機時間が蓄積して、読取処理のレスポンスが低下するというおそれがある。また、上記動作切替えが頻繁に行われた場合、1次元イメージセンサやRFIDリーダの動作停止後、再度動作させる際の突入電流が度々端末装置に流れるため、電力負荷が大きいという問題もある。
【0007】
そこで、本発明の課題は、異なる複数種類の読取対象を読取ることができるとともに、読取処理のレスポンスを低下させず且つ電力負荷を抑えた端末装置及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、端末装置であって、バーコードラベルの読取動作を行うバーコード読取部と、非接触IDタグの読取動作を行う非接触ID読取部と、前記バーコード読取部及び前記非接触ID読取部が読取動作を行う読取位置に、前記バーコード読取部もしくは前記非接触ID読取部で読み取られる前記バーコードラベルもしくは前記非接触IDタグを含む読取対象が存在するか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により読取対象が存在すると判断された場合に、前記読取対象に対して前記バーコード読取部により読み取り成功するまで予め設定されたバーコード読取回数連続する読取動作と、前記読取対象に対して前記非接触ID読取部により読み取り成功するまで予め設定された非接触ID読取回数連続する読取動作とを実行する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、プログラムであって、コンピュータを、バーコードラベルの読取動作を行うバーコード読取手段、非接触IDタグの読取動作を行う非接触ID読取手段、前記バーコード読取手段及び前記非接触ID読取手段が読取動作を行う読取位置に、前記バーコード読取手段もしくは前記非接触ID読取手段で読み取られる前記バーコードラベルもしくは前記非接触IDタグを含む読取対象が存在するか否かを判断する判断手段、前記判断手段により読取対象が存在すると判断された場合に、前記読取対象に対して前記バーコード読取手段により読み取り成功するまで予め設定されたバーコード読取回数連続する読取動作と、前記読取対象に対して前記非接触ID読取手段により読み取り成功するまで予め設定された非接触ID読取回数連続する読取動作とを実行する制御手段、として機能させる。
【発明の効果】
【0010】
したがって、本発明は、異なる複数種類の読取対象を読取ることができるとともに、読取処理のレスポンスを低下させず且つ電力負荷を抑えた端末装置及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態1における端末装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】図1の端末装置において、電力供給部の要部構成を説明するための図である。
【図3】図1の端末装置において、ROMに記憶されたテーブルを説明するための図である。
【図4】本発明に係る交互読取のプロセスを複数回実行した場合の、端末装置全体,バーコードスキャナ部,RFIDリーダ/ライタ部の消費電流と、端末装置及びトリガキーの状態と、の時間変化を模式的に説明するための図である。
【図5】バーコードラベルとRFIDタグの読取動作を同時に実行した場合の、電池の電圧と、端末装置全体,バーコードスキャナ部,RFIDリーダ/ライタ部の消費電流と、端末装置及びトリガキーの状態と、の時間変化を模式的に説明するための図であり、(i)は最小電圧を上回る場合を、(ii)は最小電圧を下回る場合を、それぞれ示す。 を説明するためのフローチャートである。
【図6】バーコードに備わる特有の特徴を説明するための図である。
【図7】本発明の実施形態1の端末装置による読取処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態1の端末装置による読取処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】図2の電力供給部の別の要部構成を説明するための図である。
【図10】図7の端末装置による別の読取処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態2における端末装置の要部構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。
【0013】
(実施形態1)
本実施形態に係る端末装置1は、商品等に取付けられたバーコードラベルやRFIDタグ等の読取対象を読取り可能なPDAやハンディターミナルなどの携帯端末である。そして、端末装置1は、図1に示されるように、バーコードスキャナ部10と、RFIDリーダ/ライタ部20と、入出力部30と、二次記憶部40と、電力供給部50と、制御部100と、を含んで構成される。
【0014】
バーコードスキャナ部10は、制御部100の指示に従い、バーコードラベルからバーコード(イメージ)を読取る読取動作を行う。具体的には、バーコードスキャナ部10は、レーザ発生回路11と、受光回路12と、二値化回路13と、デコーダ回路14と、ADC(Analog−to−Digital Conversion)回路15と、などから構成される。
【0015】
レーザ発生回路11は、並設されたLEDランプ(Light Emitting Diode)により発生するレーザ光を読取対象に向けて照射する。
受光回路12は、レーザ発生回路11を介して読取対象に向けて照射されたレーザ光の反射光を受光する。そして、受光回路12にて受光された反射光の電気信号は、二値化回路13及びADC回路15の双方へ出力される。
二値化回路13は、受光回路12で受光された反射光の電気信号に基づいて、反射光を強度の強い白色の反射光と強度の弱い黒色の反射光とに分類(バーコードに係る白色部分と黒色部分を識別分類)し、デジタル形式の二値データに変換してデコーダ回路14へ出力する。
デコーダ回路14は、二値化回路13より出力された二値データより、バーコード形式のデータ(バーコードイメージのデータ)へのデコード処理を行い、当該デコード処理を施したデータを制御部100へ出力する。
ADC回路15は、受光回路12にて受光された反射光の電気信号を、アナログ形式からデジタル形式に変換する処理を行い、デジタル信号として制御部100へ出力する。
なお、バーコードスキャナ部10は、必ずしもデコーダ回路14を備える必要は無く、二値化回路13より出力された二値データが制御部100に出力されるように構成し、制御部100が二値データのデコード処理を行うようにしても勿論良い。
【0016】
RFIDリーダ/ライタ部20は、アンテナ21を有し、制御部100の指示に従い、アンテナ21を介してRFIDタグの情報を読み取りや書き込みを行う。
より具体的には、RFIDリーダ/ライタ部20は、RFIDタグがアンテナ21の読取可能範囲に配置された状態で、制御部100から入力された送信信号を変調してアンテナ21のループコイル(図示省略)に入力する。すると、ループコイルから発生する電磁界を介して、RFIDタグ内のループコイルに電流が発生し、その電気信号が復調され符号化されることにより、RFIDタグ側で情報が受信される。そして、RFIDタグ内のメモリの情報読み出し又は情報書き込みが行われる。また、RFIDタグ内のメモリより読み出した情報等の送信情報の信号に応じてループコイルに発生する電磁界を介して、ループコイルに電流が流れ、RFIDリーダ/ライタ部20によりその電気信号が変調され符号化されることにより、RFIDリーダ/ライタ部20側で情報が受信される。
なお、RFIDリーダ/ライタ部20は、後述のトリガキー34が押下された際に、バーコードスキャナ部10がバーコードラベルに対する読取動作を行う位置(読取位置)と同じ位置よりRFIDタグに対する読取動作が行われるように配設されている。
【0017】
入出力部30は、ユーザが端末装置1を入力操作するための各種操作キー/ボタンや出力表示するためのディスプレイ等である。具体的には、入出力部30は、操作部31と、LCD(Liquid Crystal Display)32と、ブザー装置33と、等を含んで構成される。
操作部31は、トリガキー34やその他の各種操作キー/ボタン,LCD32と一体的に設けられるタッチパネル等を含んで構成される。
トリガキー34は、ユーザが読取位置にバーコードスキャナ部10及びRFIDリーダ/ライタ部20を近づけた状態で当該ユーザに押下操作されることで、読取対象について、バーコードラベル及びRFIDタグに対する読取動作を制御部100に実行させるためのキーである。
LCD32は、画像表示が可能な液晶ディスプレイであり、制御部100からの画像出力信号に従って各種の画像表示を行う。具体的には、LCD32は、バーコードスキャナ部10やRFIDリーダ/ライタ部20による読取対象に対する読取結果の表示などを行う。
ブザー装置33は、制御部100からの音声出力信号に従って、ビープ音やアラーム音を発生させて音声出力を行う。
【0018】
二次記憶部40は、読み書き可能な不揮発性メモリであるEEPROM(ElectricallyErasable Programmable ROM)やフラッシュメモリであり、制御部100からの制御信号に従って、ユーザにより設定されたシステムや各機能に関する設定データなどの各種データを記憶・更新する。
【0019】
電力供給部50は、端末装置1の各部に対して必要な電力供給を行う。具体的には、電力供給部50は、電池51と、DC/DCコンバータ52,53と、複数の状態切換え部54と、を含んで構成される。
電池51は、例えば、ニッケル・カドミウム蓄電池やニッケル・水素蓄電池、リチウムイオン電池等の二次電池であり、電気エネルギーを生成する。
DC/DCコンバータ52,53は、電池51によって生成された電気エネルギーを、端末装置1の各部で必要とされる適切な電圧に変換する。そして、DC/DCコンバータ52にて変換された電圧は後述の制御部100のCPU110に供給され、DC/DCコンバータ53にて変換された電圧は状態切換え部54を介してCPU110以外の端末装置1の各部にそれぞれ供給される。
状態切換え部54は、DC/DCコンバータ53にて変換された電圧による、CPU110以外の端末装置1の各部への電力の供給状態と非供給状態とを、CPU110がGPIO(General Purpose Input/Output)を介して出力する信号に応じて切換える。
なお、状態切換え部54は、電力の供給状態と非供給状態とを切換える機能のみならず、端末装置1の各部が通常に起動した状態である通常モードと端末装置1の各部がサスペンドした状態であるサスペンドモード(スタンバイモード,省電力モード)とを切換える機能を備えたものであってもよい。
【0020】
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)110と、RAM(Random Access Memory)120と、ROM(Read Only Memory)130と、を含んで構成され、端末装置1の各部を統括制御するコンピュータとして機能する。
【0021】
CPU110は、端末装置1の各部から入力される入力信号に応じて、ROM130に記憶された各種プログラム(プログラムコード)を実行するとともに、実行にかかるプログラムに基づいて各部に出力信号を出力することにより、端末装置1の動作全般を統括制御する。具体的には、CPU110は、バーコードスキャナ部10やRFIDリーダ/ライタ部20の駆動制御、状態切換え部54を介した電力供給状態の切換制御(通常モードとサスペンドモードとのモードの切換制御)、操作部31が操作された際の各種操作信号に対する実行制御、LCD32やブザー装置33を介した画像や音声の出力制御、などを行う。
RAM120は、CPU110によって実行される処理プログラムなどを展開するためのプログラム格納領域や、入力データや上記処理プログラムが実行される際に生じる処理結果などを一次的に格納するためのデータ格納領域などを備える。
【0022】
ROM130は、例えば、端末装置1で実行可能なシステムプログラムや、当該システムプログラムで実行可能な各種処理プログラム、上記処理プログラムを実行する際に使用されるデータなどを記憶する。具体的には、ROM130は、テーブル131と、実行プログラムと、設定プログラムと、などを記憶する。
【0023】
テーブル131は、図3に示すように、状態1〜状態3ごとに、読取回数(バーコード読取回数及びRFID読取回数)を予め記憶したテーブルである。
ここで、バーコード読取回数,RFID読取回数(非接触ID読取回数)とは、それぞれ、CPU110が実行プログラムを実行する際に、バーコードスキャナ部10による読取動作を連続して行う回数,RFIDリーダ/ライタ部20による読取動作を連続して行う回数である。
また、状態1〜状態3とは、CPU110が後述の設定プログラムを実行する際に判断/推定する読取対象の存否及び読取対象の種類に応じた分類である。具体的には、状態1とは、CPU110が設定プログラムを実行する際に最初に抽出する読取回数、及び読取対象が存在しないと判断した場合に抽出する読取回数を示す分類である。また、状態2とは、CPU110が設定プログラムを実行する際に読取対象が存在すると判断し、当該読取対象がRFIDタグであると推定した場合に抽出する読取回数を示す分類である。さらに、状態3とは、CPU110が設定プログラムを実行する際に読取対象が存在すると判断し、当該読取対象がバーコードラベルであると推定した場合に抽出する読取回数を示す分類である。
なお、当該テーブル131に記憶されるバーコード読取回数及びRFID読取回数は一例に過ぎず、端末装置1の設置環境やユーザの使用環境等に応じて適宜の変更が可能である。
【0024】
次に、ROM130に記憶された設定プログラム、実行プログラムについて説明する。
【0025】
実行プログラムは、CPU110が、トリガキー34が押下された際に、バーコードスキャナ部10による読取動作をバーコード読取回数連続して行うパターンと、RFIDリーダ/ライタ部20による読取動作をRFID読取回数連続して行うパターンと、が交互に繰り返される交互読取のプロセスを実行するためのプログラムである。
具体的には、ユーザによりトリガキー34が押下されると、CPU110は実行プログラムを実行し、状態切換え部54を介してバーコードスキャナ部10への電力供給を行い,バーコードスキャナ部10を駆動制御し、読取対象について、読取位置に対するバーコードラベルの読取動作をバーコード読取回数分連続して行う。次に、当該バーコード読取回数分の読取動作が終了した段階で、CPU110は、状態切換え部54を介してバーコードスキャナ部10への電力供給を停止するとともにRFIDリーダ/ライタ部20への電力供給を行い、RFIDリーダ/ライタ部20を駆動制御して、読取対象について、読取位置に対するRFIDタグの読取動作をRFID読取回数分連続して行う。次に、当該RFID読取回数分の読取動作が終了した段階で、CPU110は、状態切換え部54を介してRFIDリーダ/ライタ部20への電力供給を停止する。そして、CPU110は、上述の様なバーコードラベルとRFIDタグの読取動作を交互に行う交互読取のプロセスを、ユーザがトリガキー34の押下状態を解除するまで、又は、バーコードラベルとRFIDタグの何れかの読取りが成功するまで繰り返し実行する。
なお、本発明の説明において、バーコード読取部が照射するレーザ光の反射光の強度に基づいて読取対象が存在するか否かを判断するために、まず先にバーコードラベルの読取動作から開始しているが、これに限らず、他のセンサ等との併用により、RFIDタグの読取動作からでも、どちらからでも開始するとしてもよい。また、本件は変形例1乃至2及び実施形態2に関しても同様である。
【0026】
したがって、CPU110が交互読取のプロセスを複数回実行した場合、バーコードスキャナ部10の消費電流IBと、RFIDリーダ/ライタ部20の消費電流ICと、端末装置1全体の消費電流IA(消費電流IB,IC,CPU110の消費電流,その他端末装置1の各部構成の消費電流を含む)と、は図4に示されるように変化する。
ここで、図4において、CPU110は、トリガキー34がユーザに押下された後に状態1〜状態3のプロセスを順次実行したものとする。また、状態3のプロセスの実行終了時点でトリガキー34の押下状態が解除され、CPU110が状態1〜状態3のプロセスを実行する間、バーコードラベルとRFIDタグの何れの読取りも成功しなかったものとする。さらに、図4のTB1〜TB3は、テーブル131にて状態1〜状態3の各々に割り振られたバーコード読取回数分、バーコードスキャナ部10にて連続して読取動作を実行するのに要する時間である。また、図4のTR1〜TR3もTB1〜TB3と同様に、テーブル131にて状態1〜状態3の各々に割り振られたRFID読取回数分、RFIDリーダ/ライタ部20にて連続して読取動作を実行するのに要する時間である。つまり、TB1〜TB3(TR1〜TR3)は、バーコードスキャナ部10(RFIDリーダ/ライタ部20)の起動時間と、バーコードスキャナ部10(RFIDリーダ/ライタ部20)による1回の読取動作に要する時間にバーコード読取回数(RFID読取回数)を乗じた時間と、を足し合わせた時間である。そのため、テーブル131の状態1〜状態3の各々に割り振られたバーコード読取回数及びRFID読取回数に基づいて、TB1=TB3>TB2、TR2>TR1>TR3が成立する。
【0027】
図4に示すように、CPU110は、バーコードラベルとRFIDタグの読取動作を所定時間おきに(所定回数ずつ)交互に実行するので、トリガキー34が押下された際の端末装置1全体の消費電流IAは、消費電流IB又はIR分増加するに過ぎない。そのため、図5(i)に示すような、バーコードラベルとRFIDタグの読取動作を同時に実行した場合のように、消費電流IAの急激な増加を回避することができるので、電池51への負荷を軽減することが出来る。また、バーコードラベルとRFIDタグの読取動作を同時に実行した際の消費電流IAの急激な増加によって、図5(ii)に示すように、電池51の電圧Vが端末装置1全体を動作させるために必要な最小電圧VMを下回り、端末装置1全体の電力供給が停止するような事態も回避することが出来る。また、CPU110は、バーコードラベルとRFIDタグの読取動作が所定時間おきに(所定回数ずつ)交互に実行するため、バーコードスキャナ部10とRFIDリーダ/ライタ部20の駆動状態の切換え回数が少なくなり、読取処理のレスポンスを低下させず、突入電流の発生も抑えられる。
【0028】
設定プログラムは、読取位置に読取対象が存在するか否かを判断し、読取対象が存在すると判断された場合に、当該読取対象の種類を推定し、上記存在するか否かの判断結果及び推定した読取対象の種類に基づいて、バーコード読取回数及びRFID読取回数を設定する機能をCPU110に実行させるプログラムである。
【0029】
具体的には、CPU110が設定プログラムを実行すると、テーブル131より状態1〜状態3の何れかの読取回数を抽出する(トリガキー34が押下された直後、つまり読取回数の初回設定時は状態1の読取回数を抽出するものとする)。そして、CPU110は、当該抽出した回数に基づいて実行プログラムを実行し、バーコードスキャナ部10を駆動制御し、読取位置に対するバーコードラベルの読取動作を行う。そして、CPU110は、当該読取動作において、読取位置からの反射光が受光回路12にて受光されると、ADC回路15を介して当該反射光をデジタル信号として取得する。さらに、CPU110は、取得したデジタル信号に基づいて反射光の強度を算出し、当該算出された強度が予め定められた値を上回るか否かにより、当該読取位置に読取対象が存在するか否かを判断する。つまり、CPU110は、強い反射光が受光回路12で取得された場合に読取位置(及びその近傍に)に何らかの読取対象が存在すると判断し、弱い反射光しか取得されなかった場合は、読取位置(及びその近傍に)に何の読取対象も存在しないと判断する。
【0030】
次に、CPU110は、読取対象が存在すると判断した場合、デコーダ回路14より出力されるデコード処理されたデータにバーコード形式のデータに特有の特徴が存在するか否かを確認する。そして、CPU110は、当該特有の特徴が存在することを確認した場合、読取対象の種類をバーコードラベルであると推定し、当該特有の特徴の存在が確認出来なかった場合、読取対象の種類をRFIDタグであると推定する。ここで、バーコード形式のデータに特有の特徴とは、図6に示すバーコードの端部P1がデコード処理されたデータで検出できるか否かである。ここで、当該バーコードの端部P1は、白色のマージンMaと、規定幅からなる黒色のバーBb及び白色のバーWbの組み合わせと、から構成され、一般にバーコードに備わる部位として知られている。そのため、デコーダ回路14より出力されるデータに端部P1の存在が確認出来た場合は、読取対象の種類がバーコードラベルであると推定できる。
【0031】
次に、CPU110は、読取対象が存在するか否かの判断結果及び読取対象の種類の推定結果に基づいて、ROM130に記憶されたテーブル131よりバーコード読取回数及びRFID読取回数を抽出する。そして、CPU110は、当該抽出したバーコード読取回数,RFID読取回数を、実行プログラムの実行時に、バーコードラベルの読取動作を連続して行う回数,RFIDタグの読取動作を連続して行う回数として設定する。ここで、CPU110が、読取対象が存在しないと判断した場合、図3の状態1の欄に記載された回数をバーコード読取回数,RFID読取回数として設定する。また、CPU110が、読取対象が存在すると判断し、当該読取対象の種類がRFIDタグであると推定した場合、実行プログラムの実行時にRFIDタグの読取動作が重点的に行われるように、図3の状態2の欄に記載された回数をバーコード読取回数,RFID読取回数として設定する。さらに、CPU110が、読取対象が存在すると判断し、当該読取対象の種類がバーコードラベルであると推定した場合、実行プログラムの実行時にバーコードラベルの読取動作が重点的に行われるように、図3の状態3の欄に記載された回数をバーコード読取回数,RFID読取回数として設定する。
なお、上記読取対象が存在するか否かの判断及び読取対象の種類の推定は、複数回に亘る読取位置に対するバーコードラベルの読取動作に基づいて繰り返し行う。これは、バーコードラベルにおけるバーコード自体のかすれや欠損などに起因する、デコーダ回路14によるデコード処理の失敗や不正確さを考慮して、CPU110が一層正確な判断/推定を行うためである。
【0032】
(読取処理)
次に、本実施形態に係る端末装置1による読取処理について図7及び図8のフローチャートを用いて説明する。
【0033】
まず、ユーザによりトリガキー34が押下されると、CPU110は、設定プログラムを実行し、読取回数の設定値(バーコード読取回数の設定値:BM,RFID読取回数の設定値:RMとする)の初回設定であるか否かを判断する(ステップS1)。
そして、CPU110は、読取回数の初回設定であると判断する場合(ステップS1;Yes)、テーブル131より状態1の欄の読取回数を抽出して設定値BM,RMを設定する(ステップS2)。一方で、CPU110は、読取回数の初回設定でないと判断する場合(ステップS1;No)、ステップS3の処理へ移行する。
次いで、CPU110は、実行プログラムを実行し、現在の読取回数(バーコードラベルの読取動作の実行回数の現在値:BC,RFIDタグの読取動作の実行回数の現在値:RCとする)を初期化する(ステップS3)。
【0034】
次いで、CPU110は、状態切換え部54を介してバーコードスキャナ部10への電力供給を行う(ステップS4)。そして、CPU110は、バーコードスキャナ部10を駆動制御してバーコードラベルの読取動作を行う(ステップS5)。
次いで、CPU110は、ステップS5によりバーコードラベルの読取りが成功したか否かを判断し(ステップS6)、読取りが成功したと判断する場合(ステップS6;Yes)は、ステップS24の処理へ移行する。
一方で、CPU110は、読取りが成功していないと判断する場合(ステップS6;No)、ADC回路15を介して読取対象からの反射光(のデジタル信号)を取得し、RAM120に記憶しておく(ステップS7)。さらに、CPU110は、デコーダ回路14より出力されるデコード処理されたデータを取得し、RAM120に記憶しておく(ステップS8)。
次いで、CPU110は、現在値BCが設定値BMに等しくなったか否かを判断し(ステップS9)、等しくないと判断する場合(ステップS9;No)、現在値BCを1加算して(ステップS10)、ステップS5以降の処理を繰り返す。
一方で、CPU110は、現在値BCが設定値BMに等しくなったと判断した場合(ステップS9;Yes)、状態切換え部54を介してバーコードスキャナ部10への電力供給を停止する(ステップS11)。
【0035】
次いで、CPU110は、状態切換え部54を介してRFIDリーダ/ライタ部20への電力供給を行う(ステップS12)。そして、CPU110は、RFIDリーダ/ライタ部20を駆動制御してRFIDタグの読取動作を行う(ステップS13)。
次いで、CPU110は、ステップS13によりRFIDタグの読取りが成功したか否かを判断し(ステップS14)、読取りが成功したと判断する場合(ステップS14;Yes)は、ステップS24の処理へ移行する。
一方で、CPU110は、読取りが成功していないと判断する場合(ステップS14;No)、現在値RCが設定値RMに等しくなったか否かを判断(ステップS15)する。そして、CPU110は、現在値RCが設定値RMに等しくないと判断する場合(ステップS15;No)、現在値RCを1加算して(ステップS16)、ステップS13以降の処理を繰り返す。
一方で、CPU110は、現在値RCが設定値RMに等しくなったと判断した場合(ステップS15;Yes)、状態切換え部54を介してRFIDリーダ/ライタ部20への電力供給を停止する(ステップS17)。
【0036】
次いで、CPU110は、ユーザによるトリガキー34の押下状態が継続されているか否かを判断し(ステップS18)、継続されていないと判断する場合(ステップS18;No)、ステップS24の処理へ移行する。
一方で、CPU110は、ステップS18にて継続されていると判断する場合(ステップS18;Yes)、ステップS7で取得した反射光に基づいて、読取位置に読取対象が存在するか否かを判断する(ステップS19)。
そして、CPU110は、ステップS19にて読取対象が存在しないと判断する場合(ステップS19;No)、テーブル131より状態1の欄の読取回数を抽出して設定値BM,RMを設定し(ステップS20)、ステップS3以降の処理を繰り返す。
一方で、CPU110は、ステップS19にて読取対象が存在すると判断する場合(ステップS19;Yes)、ステップS8にて取得したデータに基づいて読取対象の種類がバーコードラベルであるか否かを判断する(ステップS21)。
そして、CPU110は、ステップS21にて読取対象の種類がバーコードラベルでないと判断する場合(ステップS21;No)、当該種類をRFIDタグと推定し、テーブル131より状態2の欄の読取回数を抽出して設定値BM,RMを設定し(ステップS22)、ステップS3以降の処理を繰り返す。
一方で、CPU110は、ステップS21にて読取対象の種類がバーコードラベルであると判断する場合(ステップS21;Yes)、テーブル131より状態3の欄の読取回数を抽出して設定値BM,RMを設定し(ステップS23)、ステップS3以降の処理を繰り返す。
【0037】
次いで、CPU110は、ステップS6及びステップS14にて読取りが成功したと判断する場合(ステップS6;Yes,ステップS14;Yes)や、ステップS18にて継続されていないと判断する場合(ステップS18;No)、状態切換え部54を介してバーコードスキャナ部10及びRFIDリーダ/ライタ部20への電力供給を停止する(ステップS24)。
そして、CPU110は、LCD32を介して読取対象に対する読取結果の表示を行い(ステップS25)、本処理を終了する。
【0038】
以上により、本実施形態における端末装置1によると、トリガキー34が押下された際に、CPU110が実行プログラム及び設定プログラムを実行することにより、バーコードスキャナ部10による読取動作をバーコード読取回数連続して行うパターンと、RFIDリーダ/ライタ部20による読取動作をRFID読取回数連続して行うパターンと、が交互に繰り返される交互読取のプロセスを実行できる。つまり、バーコードラベルとRFIDタグの読取動作を所定時間おきに(所定回数ずつ)交互に実施できるので、バーコードスキャナ部10とRFIDリーダ/ライタ部20の駆動状態の切換え回数が少なくなり、読取処理のレスポンスを低下させず、突入電流の発生も抑えられる。
したがって、端末装置1及び制御部100が実行するプログラムは、異なる種類の読取対象を読取ることができるとともに、読取処理のレスポンスを低下させず且つ電力負荷を抑えた端末装置及びプログラムといえる。
【0039】
また、端末装置1において、CPU110が設定プログラムを実行する際に、読取対象が存在するか否かの判断結果及び推定した読取対象の種類に基づいて、テーブル131に書き込まれた状態1〜状態3の何れかのバーコード読取回数及びRFID読取回数を抽出することで、上記実行プログラムの実行に係るバーコード読取回数及びRFID読取回数を設定できるように構成されている。そのため、CPU110が設定プログラムを実行する都度、適切なバーコード読取回数及びRFID読取回数を算出して割り振る必要がないため、CPU110の負担が軽減し処理速度の向上が期待できる。
【0040】
また、端末装置1において、CPU110が設定プログラムを実行する際に、読取対象が存在するか否かは、受光回路12により受光される反射光の強度が予め定められた値を上回るか否かにより容易に判断できるので、CPU110への負担がかからない。
【0041】
また、端末装置1において、CPU110が設定プログラムを実行する際に、読取対象の種類がバーコードラベルであるか否かは、デコーダ回路14より出力されるデータに端部P1の存在が確認出来たか否かにより判断できる。つまり、デコーダ回路14より出力されるデータ全体を確認しなくとも、当該データの開始部分(バーコードスキャナ部10により読取ったデータの開始部分)に、端部P1に一致する箇所があるか否かを確認するだけでバーコードラベルであるか否かを判断できるので、CPU110への負担がかからない。
【0042】
(変形例1)
端末装置1の変形例1について、図9を用いて説明する。
図9に示すように、電力供給部50aは、電池51によって生成された電気エネルギーを、DC/DCコンバータ52と、複数のDC/DCコンバータ53aと、により端末装置1の各部で必要とされる適切な電圧に変換するように構成される。つまり、図2に示す電力供給部50では、一のDC/DCコンバータ53を通過後に、CPU110以外の端末装置1の各部に必要な電圧に配分されて当該各部へ供給されるように構成されていたが、図9に示す電力供給部50aでは、CPU110以外の端末装置1の各部に必要な電圧が、複数のDC/DCコンバータ53aに入力される時点で配分されている点で相違する。
このように構成することで、端末装置1の変形例1は、実施形態1に係る端末装置1と同様の効果が得られることは勿論のこと、CPU110以外の端末装置1の各部に必要な電圧が各部それぞれで相違する場合であっても、複数のDC/DCコンバータ53a各々の変換量を調整することで、容易に各部に必要な電圧を生成することができる。
【0043】
(変形例2)
端末装置1の変形例2について、図10を用いて説明する。
実施形態1に係る端末装置1では、図7及び図8に示すようなフローに基づいて、CPU110がRFIDタグの読取動作の実行を完了した後に、読取対象が存在するか否かの判断や読取対象の種類の推定を行う読取処理を実行していた。一方、本変形例2に係る端末装置1では、CPU110がバーコードラベルの読取動作を実行する際に当該判断や推定を行い、バーコード読取回数やRFID読取回数を柔軟に変更する読取処理を実行する。
以下では、本変形例2に係る端末装置1による読取処理について図10(及び図8)のフローチャートを用いて説明する。なお、図10に示すフローチャートの説明において、図7に示すフローチャートと同様のフローについては同じ符号を付し、説明を省略する。
【0044】
CPU110は、ステップS7において読取対象からの反射光を取得し、ステップS8においてデコード処理されたデータを取得すると、ステップS7で取得した反射光に基づいて、読取位置に読取対象が存在するか否かを判断する(ステップS81b)。
そして、CPU110は、ステップS81bにて読取対象が存在しないと判断する場合(ステップS81b;No)、ステップS9の処理へ移行する。
一方で、CPU110は、ステップS81bにて読取対象が存在すると判断する場合(ステップS81b;Yes)、ステップS8にて取得したデータに基づいて読取対象の種類がバーコードラベルであるか否かを判断する(ステップS82b)。
次いで、CPU110は、ステップS82bにて読取対象の種類がバーコードラベルでないと判断する場合(ステップS82b;No)、当該種類をRFIDタグと推定し、設定値RMを8(テーブル131の状態2のRFID読取回数と同じ回数)に設定し(ステップS83b)、ステップS11以降の処理へ移行する。
一方で、CPU110は、ステップS82bにて読取対象の種類がバーコードラベルであると判断する場合(ステップS82b;Yes)、設定値BMが3に設定されているか否かを判断(つまり、現在設定されている設定値BMが、テーブル131の状態2のバーコード読取回数であるか否かを判断)する(ステップS84b)。
そして、CPU110は、設定値BMが3に設定されていないと判断(つまり、現在設定されている設定値BMが、テーブル131の状態1又は状態3のバーコード読取回数であると判断)する場合(ステップS84b;No)、ステップS9以降の処理へ移行する。
一方で、CPU110は、設定値BMが3に設定されていると判断する(つまり、ステップS82bにて読取対象の種類がバーコードラベルであると判断したにも関わらず、現在設定されている設定値BMが、テーブル131の状態2のバーコード読取回数であった)場合(ステップS84b;Yes)、現在設定されている設定値BMに10を加算し(ステップS85b)、ステップS9以降の処理へ移行する。
以降、CPU110は、ステップS9〜ステップS25の処理を実施して読取処理を終了する。
【0045】
以上のような読取処理を実行することで、変形例2に係る端末装置1は、実施形態1に係る端末装置1と同様の効果が得られることは勿論のこと、CPU110がバーコードラベルの読取動作を実行する際に読取対象が存在するか否かの判断や読取対象の種類の推定を行うので、次回の交互読取のプロセスの実行を待つことなく、バーコード読取回数やRFID読取回数を柔軟に変更できる。つまり、重点的に読取処理を実行すべき読取対象が早期に把握できるので、読取処理のレスポンスの向上が期待できる。
【0046】
(実施形態2)
次に、実施形態2に係る端末装置1cについて、図11を用いて説明する。
ここで、実施形態1に係る端末装置1では、CPU110が設定プログラムを実行する際に、ADC回路15より取得するデジタル信号に基づいて反射光の強度を算出し、算出された強度が予め定められた値を上回るか否かにより読取位置に読取対象が存在するか否かを判断していた。一方、端末装置1cでは、上記読取対象が存在するか否かの判断までをバーコードスキャナ部10cで行う点で相違する。
以下の端末装置1cの説明において、実施形態1に係る端末装置1と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0047】
端末装置1cは、図11に示されるように、バーコードスキャナ部10cと、RFIDリーダ/ライタ部20と、入出力部30と、二次記憶部40と、電力供給部50と、制御部100と、を含んで構成される。
【0048】
バーコードスキャナ部10cは、レーザ発生回路11と、受光回路12と、二値化回路13と、デコーダ回路14と、強度判定回路16cと、などから構成される。
【0049】
二値化回路13は、受光回路12で受光された反射光の電気信号に基づいて、反射光を強度の強い白色の反射光と強度の弱い黒色の反射光とに分類(バーコードに係る白色部分と黒色部分を識別分類)し、デジタル形式の二値データに変換してデコーダ回路14へ出力する。この二値化回路13は、内部にゲイン調整回路13cを備える。そして、当該ゲイン調整回路13cは、上記白色の反射光と黒色の反射光とに分類する際の閾値(ゲイン調整値)を動的に変化させる回路である。つまり、ゲイン調整回路13cが当該ゲイン調整値を動的に変化させることで、二値化回路13が、読取対象が端末装置1cから遠い位置にあり、たとえ読取対象にバーコードに係る白色部分が含まれていたとしても全て強度の弱い黒色の反射光に分類する場合や、反対に、読取対象が端末装置1cから近い位置にあり、たとえ読取対象にバーコードに係る黒色部分が含まれていたとしても全て強度の強い白色の反射光に分類する場合、などを防止する。
【0050】
強度判定回路16cは、ゲイン調整回路13cに接続され、受光回路12にて受光された反射光の強度を判定する回路である。具体的には、強度判定回路16cは、ゲイン調整回路13cよりゲイン調整値を取得可能に構成されており、当該ゲイン調整値が予め定められた設定値を上回るか否かを判定する。つまり、ゲイン調整値が設定値を上回る程度に高い値であった場合、読取対象が端末装置1cから近い位置にあるため、二値化回路13が読取対象からの反射光を白色の反射光と黒色の反射光に分類する際、ゲイン調整値を高い値へ変化させたものと推測される。
そのため、CPU110は設定プログラムを実行する際に、強度判定回路16cによるゲイン調整値が設定値を上回るか否かの判定結果を取得し、ゲイン調整値が設定値を上回る場合の判定結果により読取位置に読取対象が存在すると判断できる(反対に、ゲイン調整値が設定値を下回る場合に読取位置に読取対象が存在しないと判断する)。
【0051】
以上により、本実施形態における端末装置1cによると、実施形態1における端末装置1と同様の効果が得られるのは勿論のこと、CPU110が設定プログラムを実行する際に、反射光の強度を算出する演算処理を行うことなく読取位置に読取対象が存在するか否かを判断することが可能となるので、CPU110の負担が軽減し処理速度の向上や端末装置1cの省電力化が期待できる。
【0052】
なお、以上の実施形態における記述は、本発明に係る好適な端末装置の一例であり、これに限定されるものではない。
また、以上の実施形態における端末装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関して本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0053】
例えば、CPU110が設定プログラムを実行し、読取対象の種類をRFIDタグであると推定した場合、その後のバーコードスキャナ部10によるバーコードラベルの読取動作の実行時に、レーザ発生回路11の発光量を所定量制限するように構成し、低電力化が図れるように構成しても良い。
また、テーブル131に記憶された状態1〜3のバーコード読取回数やRFID読取回数は、ユーザの使用環境等に応じて逐次更新出来るようにしても勿論良い。つまり、読取対象の読取りが成功するごとに当該読取られた読取対象の種類を成功した回数とともにRAM120等に記憶しておき、CPU110が、成功した回数に応じて、状態1〜3におけるバーコード読取回数やRFID読取回数を更新する。具体的には、現時点までに成功した回数の多い読取対象の種類がバーコードラベルであった場合、状態1〜3におけるバーコード読取回数を増加させる一方でRFID読取回数を減少させる。反対に、現時点までに成功した回数の多い読取対象の種類がRFIDタグであった場合、バーコード読取回数を減少させRFID読取回数を増加させる。このように、CPU110が交互読取のプロセスを実行する際のバーコード読取回数やRFID読取回数を、ユーザの使用環境等に応じて更新することで、読取処理のレスポンスや端末装置1の省電力化の向上が期待できる。
さらに、テーブル131では、状態1を、CPU110が設定プログラムを実行する際に最初に抽出する読取回数、及び読取対象が存在しないと判断した場合に抽出する読取回数を示す分類としたが、例えば、読取対象が存在しないと判断した場合に抽出する読取回数のみを示す分類を別途状態4としてテーブル131に設けてもよい。この場合、状態4では、読取対象が存在しないとの判断結果を考慮して、読取回数の総数が極力減るように、又はバーコード読取部10とRFIDリーダ/ライタ部20とで消費電力の少ない方が重点的に駆動するように、バーコード読取回数及びRFID読取回数を設定しておくことで、端末装置1の省電力化を図ることができる。
【0054】
また、上記実施形態において、フローチャートに記述されている各機能は、コンピュータとしての制御部100(CPU110)が読み取り可能なプログラムコードの形態で記録媒体(ROM130)に格納されており、このプログラムコードにしたがったコンピュータ(制御部100)による処理動作が実行される。なお、伝送媒体を介して外部より伝送されてきた上述のプログラムコードに従ってコンピュータ(制御部100)による処理動作を実行することもでき、このような伝送媒体も含めて、本実施の形態では記録媒体と定義する。
【符号の説明】
【0055】
1 端末装置
10 バーコードスキャナ部(バーコード読取部)
11 レーザ発生回路(レーザ照射部)
12 受光回路(受光部)
13 二値化回路
14 デコーダ回路(デコード処理部)
15 ADC回路
20 RFIDリーダ/ライタ部(非接触ID読取部)
30 入出力部
31 操作部
34 トリガキー(操作キー)
50,50a 電力供給部
100 制御部(判断手段、制御手段、バーコード読取手段、非接触ID読取手段)
110 CPU
120 RAM
130 ROM(記憶部)
131 テーブル
(実施形態2)
1c 端末装置
10c バーコードスキャナ部(バーコード読取部)
13c ゲイン調整回路
16c 強度判定回路(判断手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーコードラベルの読取動作を行うバーコード読取部と、
非接触IDタグの読取動作を行う非接触ID読取部と、
前記バーコード読取部及び前記非接触ID読取部が読取動作を行う読取位置に、前記バーコード読取部もしくは前記非接触ID読取部で読み取られる前記バーコードラベルもしくは前記非接触IDタグを含む読取対象が存在するか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により読取対象が存在すると判断された場合に、前記読取対象に対して前記バーコード読取部により読み取り成功するまで予め設定されたバーコード読取回数連続する読取動作と、前記読取対象に対して前記非接触ID読取部により読み取り成功するまで予め設定された非接触ID読取回数連続する読取動作とを実行する制御部と、
を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の端末装置において、
前記バーコード読取回数及び前記非接触ID読取回数を記憶する記憶部を備え、
前記バーコード読取部は、バーコード形式データへのデコード処理を行うデコード処理部を有し、
前記制御部は、前記デコード処理部によりデコード処理されたデータに、前記バーコード形式データ特有の特徴が存在する場合に当該読取対象の種類をバーコードラベルと判定する判定手段を有し、前記判定手段によりバーコードラベルであると判定される場合とバーコードラベルではないと判定される場合のそれぞれに対応した前記バーコード読取回数及び前記非接触ID読取回数をそれぞれ前記記憶部にテーブル形式で予め記憶し、前記判定手段による当該読取対象の種類の判定結果に基づいて、前記記憶部に記憶された前記バーコード読取回数及び前記非接触ID読取回数を抽出して当該バーコード読取回数及び当該非接触ID読取回数を設定することを特徴とする端末装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の端末装置において、
前記バーコード読取部は、前記読取位置にレーザ光を照射するレーザ照射部と、前記レーザ照射部より照射されたレーザ光の反射光を受光する受光部と、を有し、
前記判断手段は、前記受光部により受光される反射光の強度に基づいて前記読取対象が存在するか否かを判断することを特徴とする端末装置。
【請求項4】
請求項2に記載の端末装置において、
前記制御部は、前記判断手段による判断と前記判定手段による判定がなされた時点で、当該判断及び判定の結果に基づいて前記バーコード読取回数又は前記非接触ID読取回数の内の当該読取対象の種類の方の読取回数を増加させて、当該増加させた読取回数に応じた読取動作の方から連続して読取動作を行うことを特徴とする端末装置。
【請求項5】
コンピュータを、
バーコードラベルの読取動作を行うバーコード読取手段、
非接触IDタグの読取動作を行う非接触ID読取手段、
前記バーコード読取手段及び前記非接触ID読取手段が読取動作を行う読取位置に、前記バーコード読取手段もしくは前記非接触ID読取手段で読み取られる前記バーコードラベルもしくは前記非接触IDタグを含む読取対象が存在するか否かを判断する判断手段、
前記判断手段により読取対象が存在すると判断された場合に、前記読取対象に対して前記バーコード読取手段により読み取り成功するまで予め設定されたバーコード読取回数連続する読取動作と、前記読取対象に対して前記非接触ID読取手段により読み取り成功するまで予め設定された非接触ID読取回数連続する読取動作とを実行する制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
バーコードラベルの読取動作を行うバーコード読取部と、
非接触IDタグの読取動作を行う非接触ID読取部と、
前記バーコード読取部及び前記非接触ID読取部が読取動作を行う読取位置に、前記バーコード読取部もしくは前記非接触ID読取部で読み取られる前記バーコードラベルもしくは前記非接触IDタグを含む読取対象が存在するか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により読取対象が存在すると判断された場合に、前記読取対象に対して前記バーコード読取部により読み取り成功するまで予め設定されたバーコード読取回数連続する読取動作と、前記読取対象に対して前記非接触ID読取部により読み取り成功するまで予め設定された非接触ID読取回数連続する読取動作とを実行する制御部と、
を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の端末装置において、
前記バーコード読取回数及び前記非接触ID読取回数を記憶する記憶部を備え、
前記バーコード読取部は、バーコード形式データへのデコード処理を行うデコード処理部を有し、
前記制御部は、前記デコード処理部によりデコード処理されたデータに、前記バーコード形式データ特有の特徴が存在する場合に当該読取対象の種類をバーコードラベルと判定する判定手段を有し、前記判定手段によりバーコードラベルであると判定される場合とバーコードラベルではないと判定される場合のそれぞれに対応した前記バーコード読取回数及び前記非接触ID読取回数をそれぞれ前記記憶部にテーブル形式で予め記憶し、前記判定手段による当該読取対象の種類の判定結果に基づいて、前記記憶部に記憶された前記バーコード読取回数及び前記非接触ID読取回数を抽出して当該バーコード読取回数及び当該非接触ID読取回数を設定することを特徴とする端末装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の端末装置において、
前記バーコード読取部は、前記読取位置にレーザ光を照射するレーザ照射部と、前記レーザ照射部より照射されたレーザ光の反射光を受光する受光部と、を有し、
前記判断手段は、前記受光部により受光される反射光の強度に基づいて前記読取対象が存在するか否かを判断することを特徴とする端末装置。
【請求項4】
請求項2に記載の端末装置において、
前記制御部は、前記判断手段による判断と前記判定手段による判定がなされた時点で、当該判断及び判定の結果に基づいて前記バーコード読取回数又は前記非接触ID読取回数の内の当該読取対象の種類の方の読取回数を増加させて、当該増加させた読取回数に応じた読取動作の方から連続して読取動作を行うことを特徴とする端末装置。
【請求項5】
コンピュータを、
バーコードラベルの読取動作を行うバーコード読取手段、
非接触IDタグの読取動作を行う非接触ID読取手段、
前記バーコード読取手段及び前記非接触ID読取手段が読取動作を行う読取位置に、前記バーコード読取手段もしくは前記非接触ID読取手段で読み取られる前記バーコードラベルもしくは前記非接触IDタグを含む読取対象が存在するか否かを判断する判断手段、
前記判断手段により読取対象が存在すると判断された場合に、前記読取対象に対して前記バーコード読取手段により読み取り成功するまで予め設定されたバーコード読取回数連続する読取動作と、前記読取対象に対して前記非接触ID読取手段により読み取り成功するまで予め設定された非接触ID読取回数連続する読取動作とを実行する制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−204042(P2011−204042A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−71184(P2010−71184)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
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