説明

端末装置及びプログラム

【課題】複数種類の情報を含むコンテンツを適切に表示できるようにする。
【解決手段】制御部1は、縦横比の異なる表示部7に、例えば、文字、画像など複数種類の情報を含むコンテンツ(例えば、ニュースコンテンツ)を表示させる場合に、この表示部7の向きが縦長表示となる状態であるか、横長表示となる状態であるかに応じて、複数種類の情報を混在可能とする表示を行わせるか、特定種類(例えば、画像)の情報に特化した表示を行わせるかを切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種類の情報を含むコンテンツを表示する縦横比の異なる表示部を備える端末装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ニュース、娯楽、趣味などのコンテンツを登録会員宛に電子メールで定期的に配信するサービスやインターネットを介してダウンロードするサービスを利用可能であり、テキスト以外にも表、グラフ、静止画、動画などの複数種類の情報を含むコンテンツを任意に閲覧することが可能となっている。そして、従来では、例えば、パーソナルコンピュータに対してテキスト、画像などを含むコンテンツを配信して、その画像の拡大表示を可能とした技術が開発されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−178370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した先行技術にあっては、新聞記事を受け取る受信側がパーソナルコンピュータのように、ある程度の大きさの画面サイズを有する装置であれば、1画面内でテキスト、静止画、動画などを同時に表示させたとしてもそれらを閲覧することが可能であるが、携帯電話機やPDA(携帯情報端末)のように画面サイズが小さいと、1画面内に表示可能な情報量が限られてしまうため、表示スクロール操作や表示切り替え操作などを行う必要があるほか、例えば、動画表示や拡大画像を快適に閲覧するためには更に面倒な操作を行う必要があった。
【0005】
本発明の課題は、複数種類の情報を含むコンテンツを適切に表示できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために請求項1記載の発明は、複数種類の情報を含むコンテンツを表示する縦横比の異なる表示部を備える端末装置であって、前記表示部の向きが縦長表示となる状態か横長表示となる状態かを検出する向き検出手段と、前記コンテンツを前記表示部に表示させる場合に、前記向き検出手段による検出結果に基づいて、複数種類の情報を混在可能とする表示を行わせるか特定種類の情報に特化した表示を行わせるかの切り替えを制御する制御手段と、を具備したことを特徴とする。
【0007】
請求項1に従属する発明として、前記制御手段は、前記複数種類の情報を混在可能とする表示から特定種類の情報に特化した表示に切り替える際に、前記表示部に前記特定種類の情報の少なくとも一部分が表示されている場合には、当該特定種類の情報に切り替え、前記特定種類の情報が表示されていない場合には、前記表示部から外れていてその表示部の近くに位置する特定種類の情報に切り替える、ようにしたことを特徴とする請求項2記載の発明であってもよい。
【0008】
請求項1に従属する発明として、前記制御手段は、前記複数種類の情報を混在可能とする表示から特定種類の情報に特化した表示に切り替える際に、前記特定種類の情報のサイズが前記表示部の大きさと異なる場合には、前記特定種類の情報を前記表示部の大きさに合わせるサイズ変更処理を行う、ようにしたことを特徴とする請求項3記載の発明であってもよい。
【0009】
請求項1に従属する発明として、当該端末装置を振る動作を検出する動作検出手段を更に備え、前記制御手段は、前記コンテンツの中に前記特定種類の情報が複数含まれていて、そのいずれかの情報が前記表示部に表示されている状態において、前記動作検出手段によって振る動作が検出された場合に、その振られた方向に応じて前記特定種類の複数の情報の中から前記表示部に表示中の情報を除いた他の情報を指定して、前記表示部に切り替え表示する、ようにしたことを特徴とする請求項4記載の発明であってもよい。
【0010】
請求項1に従属する発明として、当該端末装置を振る動作を検出する動作検出手段を更に備え、前記制御手段は、前記特定種類の情報が前記表示部に表示されている状態において、前記動作検出手段によって振る動作が検出された場合に、その振られた方向に応じて前記表示部に表示されている情報の大きさを変更して表示する、ようにしたことを特徴とする請求項5記載の発明であってもよい。
【0011】
請求項1〜請求項5のいずれかに従属する発明として、前記複数種類の情報は、静止画、動画、表、グラフ、テキストのうち、少なくともその2以上である、ことを特徴とする請求項6記載の発明であってもよい。
【0012】
請求項6に従属する発明として、前記制御手段は、前記複数種類の情報を混在可能とする表示から特定種類の情報に特化した表示に切り替える際に、前記特定種類の情報が動画の場合は、この動画の先頭から再生を開始する、ようにしたことを特徴とする請求項7記載の発明であってもよい。
【0013】
また、上述した課題を解決するために請求項8記載の発明は、複数種類の情報を含むコンテンツを表示する縦横比の異なる表示部を備え、筐体の形態に応じて複数のスタイルに変更可能な端末装置であって、前記複数のスタイルのうち現在どのスタイルであるかを検出するスタイル検出手段と、前記コンテンツを前記表示部に表示させる場合に、前記スタイル検出手段による検出結果に基づいて、前記コンテンツを複数種類の情報を混在可能とする表示を行わせるか特定種類の情報に特化した表示を行わせるかの切り替えを制御する制御手段と、を具備したことを特徴とする。
【0014】
請求項8に従属する発明として、前記制御手段は、前記複数種類の情報を混在可能とする表示から特定種類の情報に特化した表示に切り替える際に、前記表示部に前記特定種類の情報の少なくとも一部分が表示されている場合には、当該特定種類の情報に切り替え、前記特定種類の情報が表示されていない場合には、前記表示部から外れていてその表示部の近くに位置する特定種類の情報に切り替える、ようにしたことを特徴とする請求項9記載の発明であってもよい。
【0015】
請求項8に従属する発明として、前記制御手段は、前記複数種類の情報を混在可能とする表示から特定種類の情報に特化した表示に切り替える際に、前記特定種類の情報のサイズが前記表示部の大きさと異なる場合には、前記特定種類の情報を前記表示部の大きさに合わせるサイズ変更処理を行う、ようにしたことを特徴とする請求項10記載の発明であってもよい。
【0016】
請求項8に従属する発明として、当該端末装置を振る動作を検出する動作検出手段を更に備え、前記制御手段は、前記コンテンツの中に前記特定種類の情報が複数含まれていて、そのいずれかの情報が前記表示部に表示されている状態において、前記動作検出手段によって振る動作が検出された場合に、その振られた方向に応じて前記特定種類の複数の情報の中から前記表示部に表示中の情報を除いた他の情報を指定して、前記表示部に切り替え表示する、ようにしたことを特徴とする請求項11記載の発明であってもよい。
【0017】
請求項8に従属する発明として、当該端末装置を振る動作を検出する動作検出手段を更に備え、前記制御手段は、前記特定種類の情報が前記表示部に表示されている状態において、前記動作検出手段によって振る動作が検出された場合に、その振られた方向に応じて前記表示部に表示されている情報の大きさを変更して表示する、ようにしたことを特徴とする請求項12記載の発明であってもよい。
【0018】
請求項8〜請求項12のいずれかに従属する発明として、前記複数種類の情報は、静止画、動画、表、グラフ、テキストのうち、少なくともその2以上である、ことを特徴とする請求項13記載の発明であってもよい。
【0019】
請求項13に従属する発明として、前記制御手段は、前記複数種類の情報を混在可能とする表示から特定種類の情報に特化した表示に切り替える際に、前記特定種類の情報が動画の場合は、この動画の先頭から再生を開始する、ようにしたことを特徴とする請求項14記載の発明であってもよい。
【0020】
請求項1〜請求項14のいずれかに従属する発明として、当該端末装置は、前記表示部を備える表示部筐体と操作部を備える操作部筐体とを有し、前記操作部筐体と前記表示部筐体とが開閉可能に取り付けられていると共に、前記操作部筐体に対して前記表示部筐体がその表裏が反転可能に取り付けられてなり、前記複数のスタイルのうちその一つは、前記表示部筐体を開いた状態で前記表示部及び前記操作部が露出した状態となる形態であり、少なくとも他の一つのスタイルは、前記表示部筐体を閉じた状態で前記表示部が露出し、かつ前記操作部が隠れた状態となる形態である、ことを特徴とする請求項15記載の発明であってもよい。
【0021】
また、上述した課題を解決するために請求項16記載の発明は、コンピュータに対して、縦横比の異なる表示部が縦長表示となる状態か横長表示となる状態かを検出する機能と、複数種類の情報を含むコンテンツを前記表示部に表示させる場合に、前記検出結果に基づいて、前記複数種類の情報を混在可能とする表示を行わせるか特定種類の情報に特化した表示を行わせるかの切り替えを制御する機能と、を実現させるためのプログラムを特徴とする。
【0022】
また、上述した課題を解決するために請求項17記載の発明は、コンピュータに対して、筐体の形態に応じて複数のスタイルを変更可能な端末装置が現在どのスタイルであるかを検出する機能と、複数種類の情報を含むコンテンツを表示部に表示させる場合に、前記検出結果に基づいて、前記コンテンツをその複数種類の情報を混在可能とする表示を行わせるか特定種類の情報に特化した表示を行わせるかの切り替えを制御する機能と、を実現させるためのプログラムを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、複数種類の情報を含むコンテンツを適切に表示することができ、実用性に富んだものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】端末装置として適用した携帯電話機の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図2】携帯電話機の外観図で、(1)は、表示部7の縦向き、(2)は、横向きを示した図。
【図3】(1)〜(3)は、複数種類の情報が含まれているニュースコンテンツと表示部7の向き(縦向き/横向き)に応じて表示される情報を説明するための図。
【図4】複数種類の情報を含むコンテンツを解析することによって生成されるコンテンツ表示管理テーブルMTを説明するための図。
【図5】電源投入に応じて実行開始される携帯電話機の動作(本実施形態の特徴的な動作)を説明するためのフローチャート。
【図6】特定種類の情報の表示変更処理(図5のステップA15)を詳述するためのフローチャート。
【図7】表示対象コンテンツ内のどの部分が表示中であるかを例示した図。
【図8】(1)は、特定種類の情報を表示部7の大きさにフイットさせて表示させた状態を示し、(2)は、特定種類の情報を拡大して表示させた状態を示し、(3)は、特定種類の情報を縮小して表示させた状態を示した図。
【図9】筐体の振り方向を説明するための図で、(1)はオープンスタイル、(2)はビュースタイルを示した図。
【図10】第2実施形態における携帯電話機の外観図。
【図11】第2実施形態において、電源投入に応じて実行開始される携帯電話機の動作(本実施形態の特徴的な動作)を説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(実施形態1)
【0026】
以下、図1〜図9を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
本実施形態は、端末装置として携帯電話機に適用した場合を例示したもので、図1は、この携帯電話機の基本的な構成要素を示したブロック図である。
携帯電話機は、2つの筐体(後述する表示部筐体と操作部筐体)を折り畳み自在(開閉自在)に取り付けた折り畳みタイプで、音声通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能(Webアクセス機能)などが備えられている。携帯電話機は、無線通信網(図示省略)に接続されると、他の携帯電話機(図示省略)との間で通話可能な状態となったり、電子メールの送受信が可能となったりする。また、携帯電話機は、無線通信網、インターネット(図示省略)を介してWebサイトをアクセスして閲覧可能となったり、コンテンツ配信サーバ(図示省略)から配信された動画、静止画、ニュース、天気予報など、各種のコンテンツを受信可能となったりする。
【0027】
制御部1は、二次電池を備えた電源部2からの電力供給によって動作し、記憶部3内の各種のプログラムに応じてこの携帯電話機の全体動作を制御するもので、この制御部1にはCPU(中央演算処理装置)やメモリなどが設けられている。記憶部3は、ROM、RAMなどの内部メモリで、プログラム領域とデータ領域とを有し、このプログラム領域には、後述する図5及び図6に示す動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムが格納されている。また、記憶部3のデータ領域には、フラグ情報、タイマ情報、この携帯電話機の動作に必要な各種の情報が一時記憶されているほか、後述するコンテンツ表示管理テーブルMTなどが設けられている。
【0028】
通信部4は、音声通話機能の構成要素であり、無線部、ベースバンド部、多重分離部などを備え、例えば、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能の動作時に最寄りの基地局との間でデータの送受信を行うもので、通話機能の動作時にはベースバンド部の受信側から信号を取り込んで受信ベースバンド信号に復調したのち、電話部5を介して通話用スピーカSPから音声出力させ、また、通話用マイクMCからの入力音声データを電話部5から取り込み、送信ベースバンド信号に符号化したのち、ベースバンド部の送信側に与えてアンテナATから発信出力させる。操作部6は、十字キー(決定キーや上下左右のカーソルキーなど)、数値キー、文字キーなど、各種の押し釦式のキーを備え、ダイヤル入力、文字入力、コマンド入力などを行うもので、制御部1は、操作部6からの操作信号に応じた処理として、例えば、発信処理など、各種の処理を行う。
【0029】
表示部7は、例えば、高精細液晶や有機ELなどを使用したもので、日時情報、アイコン、文字データ、待受画像、電子新聞などの各種のコンテンツを表示する。そして、表示部7の表示画面(表示領域)は、携帯電話機の筐体(表示部筐体)の表面周縁部を除き略表面全体に設けられたもので、例えば、640×360画素(16:9)のように縦横比の異なる画面構成となっている。制御部1は、例えば、コンテンツ配信サーバからダウンロードしたコンテンツ、例えば、テキスト以外にも静止画、動画、表、グラフなどの複数種類の情報、例えば、少なくても2種類以上の情報が含まれているニュースコンテンツ(新聞記事コンテンツ)を表示部7に表示させる場合に、向き検出部8の検出結果に基づいて複数種類の情報を混在可能な状態で表示させるか、特定種類の情報に特化した状態で表示させるかを切り替えるようにしている。
【0030】
向き検出部8は、縦横比の異なる表示部7が縦長表示となる状態(縦向き)か横長表示となる状態(横向き)かを検出するもので、例えば、3軸タイプの加速度センサによって構成されている。なお、向き検出部8によって検出される縦向き/横向きは、厳密な向きを意味するものではなく、ある程度、斜めに傾いていても略縦向き/略横向きとして検出するようにしている。制御部1は、例えば、コンテンツ配信サーバから配信されたニュースコンテンツを表示部7に表示させる場合に、向き検出部8によって縦向きが検出されたのか、横向きが検出されたのかに応じて、複数種類の情報が混在した状態で表示させるか、特定種類の情報に特化した状態で表示させるかを切り替えるようにしている。
【0031】
振り動作検出部9は、携帯電話機を構成する筐体が水平方向(前後左右のいずれかの方向)に動かされたか(振られたか)、垂直方向(上下のいずれかの方向)に動かされたか(振られたか)を検出するもので、例えば、3軸タイプの加速度センサによって構成されている。制御部1は、例えば、コンテンツ配信サーバから配信されたニュースコンテンツ内の特定種類の情報が表示部7に表示されている状態において、振り動作検出部9によって検出された振り方向は、垂直方向であるか水平方向であるかを判別し、水平方向に振られた場合には、表示中の特定種類の情報に代わって、ニュースコンテンツ内において振られた方向に位置している特定種類の他の情報を表示部7に表示させ、垂直方向に振られた場合には、表示中の特定種類の情報を振られた方向に応じて拡大あるいは縮小表示させるようにしている。なお、スタイル検出部10については、後述する第2実施形態で説明するものとする。
【0032】
図2は、携帯電話機の外観図である。
折り畳みタイプの携帯電話機は、その装置本体を構成する操作部筐体11Aと表示部筐体11Bとを有し、操作部筐体11Aは操作部6を備え、操作部筐体11Aは表示部7を備えている。この操作部筐体11Aと表示部筐体11Bとは折り畳み自在(開閉可能)に取り付けられており、両筐体11A、11Bが開いた状態では操作部6及び表示部7が露出した状態となる。ここで、操作部筐体11Aと表示部筐体11Bとを開いた状態において、図2(1)は、縦横比の異なる表示部7が縦長表示となる状態(縦向き)を示し、図2(2)は、表示部7が横長表示となる状態(横向き)を示している。
【0033】
図3は、テキスト以外にも静止画、動画、表、グラフなどのように複数種類の情報が含まれているニュースコンテンツ(新聞記事コンテンツ)と、表示部7の向き(縦向き/横向き)に応じて表示部7に表示される情報を説明するための図である。
図3(1)は、ニュースコンテンツの構成を示し、テキスト以外に複数の静止画として写真(1)、写真(2)、写真(3)が含まれている場合の表示状態を示した図である。図3(2)は、筐体(表示部7)の向きが縦向きの状態において、ニュースコンテンツの一部が表示部7に表示されている場合を示し、この表示画面内には記事(テキスト)のほか、この記事に掲載されている写真(1)の一部が表示されている。
【0034】
図3(3)は、筐体(表示部7)の向きを図3(2)に示した縦向きの状態から横向きの状態に変更した場合の表示状態を示した図で、図3(2)で部分表示されていた写真(1)の全体が表示部7の大きさに合わせて表示された場合を示している。すなわち、表示部7の向きを図3(2)に示す複数種類の情報が表示されている縦向きの状態から図3(3)に示す横向きの状態に変更すると、特定種類の情報に特化した表示に変更されることを示している。図示の例において、写真(1)は、その縦サイズが表示画面の短辺サイズに合わせた大きさに変更されて表示された場合を示している。なお、特定種類の情報として静止画を示したが、動画、表、グラフなどであってもよい。また、特定種類の情報を何にするかを任意に設定可能としてもよい。
【0035】
図4は、テキスト以外にも静止画、動画、表、グラフなどのように複数種類の情報を含むコンテンツを解析することによって生成されるコンテンツ表示管理テーブルMTを説明するための図である。
コンテンツ表示管理テーブルMTは、表示対象コンテンツを解析した結果を記憶するもので、このコンテンツ内に含まれている特定種類の情報の個々を識別するための「ID」に対応して、その特定種類の情報がコンテンツ内にどこに配置されているかを示す「位置」と、その特定種類の情報の大きさ示す「サイズ」の項目を有している。制御部1は、表示対象のコンテンツを解析することによって特定種類の情報を検出しながら特定種類の情報毎に、その「位置」及び「サイズ」を求めることによってコンテンツ表示管理テーブルMTを生成するようにしている。なお、「位置」は、特定種類の情報の基準点位置(例えば、左上角部)を示している。
【0036】
次に、第1実施形態における携帯電話機の動作概念を図5及び図6に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、ネットワークなど伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。このことは後述する他の実施形態においても同様であり、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用して本実施形態特有の動作を実行することもできる。
【0037】
図5は、電源投入に応じて実行開始される携帯電話機の動作(本実施形態の特徴的な動作)を説明するためのフローチャートである。
先ず、制御部1(図1参照)は、電源投入操作に応じて所定のメモリをクリアするなどの初期設定を行った後(ステップA1)、何らかの操作や着信などの待ち受け状態となる。すなわち、コンテンツ表示の開始を指示する操作が行われたかを調べたり(ステップA2)、その他の操作が行われたかを調べたり(ステップA20)、電話の着信有無を調べたりする(ステップA22)。いま、その他の操作が行われたときには(ステップA20でYES)、その操作に応じた処理として、例えば、発信処理などを行った後(ステップA21)、上述のステップA2に戻る。また、電話着信を検出したときには(ステップA22でYES)、通話処理を行った後(ステップA23)、上述のステップA2に戻る。
【0038】
いま、コンテンツ表示の開始を指示する操作が行われたときには(ステップA2でYES)、この表示対象コンテンツを解析することによってその中に特定種類の情報(例えば、静止画)が含まれているかを調べ(ステップA3)、特定種類の情報が含まれていなければ(ステップA3でNO)、表示対象コンテンツを表示部7に通常表示させる(ステップA18)。この場合、表示対象コンテンツのサイズが大きくて表示部7内にその全てを収めて表示させることができないようなときには、操作部6の上下左右のカーソルキーを操作することによってスクロール表示させて任意の内容を表示させることが可能となっている。このように通常表示されている状態において、コンテンツ表示の終了を指示する操作が行われると(ステップ19でYES)、上述のステップA2に戻る。
【0039】
また、表示対象コンテンツを解析した結果、特定種類の情報が含まれている場合には(ステップA3でYES)、この特定種類の情報毎に、その位置とサイズとを求めることによってコンテンツ表示管理テーブルMTを生成する(ステップA4)。ここで、向き検出部8の検出結果を参照し、縦横比の異なる表示部7が縦長表示となる状態(縦向き)であるかを調べ(ステップA5)、縦向きであれば(ステップA5でYES)、表示対象コンテンツを通常のように混在表示、つまり、複数種類の情報を混在可能とする表示を行わせる(ステップA6)。この場合、表示対象コンテンツのサイズが大きくて表示部7内にその全てを収めて表示させることができないようなときには、表示部7の大きさに相当する範囲内の情報が表示される。
【0040】
ここで、図7は、表示対象コンテンツ内のどの部分が表示中であるかを例示した図で、図示の「DP1」〜「DP3」は、表示部7が縦向きの場合に、その表示画面の表示内容を示している。ここで、「DP1」は、文字(テキスト)のみが表示されていて、特定種類の情報(例えば、静止画、動画など)が表示されていない表示画面を示している。「DP2」、「DP3」は、テキスト以外にも特定種類の情報(例えば、静止画、動画など)が含まれている場合、つまり、複数種類の情報が混在して表示部7に表示されている表示画面を示している。このように複数種類の情報が混在可能となる表示状態において、コンテンツ表示の終了を指示する操作が行われたかを調べ(ステップA7)、終了操作が行われるまで、上述のステップA2に戻る。
【0041】
また、表示部7が横向きの場合、あるいは縦向きから横向きに変更された場合には(ステップA5でNO)、特定種類の情報(例えば、静止画)が表示部7に表示されているかを調べ(ステップA8)、表示されていれば(ステップA8でYES)、コンテンツ表示管理テーブルMTを参照し(ステップA9)、表示対象コンテンツの中に含まれている特定種類の情報の数は一つであるかを調べる(ステップA10)。いま、特定種類の情報が一つであれば(ステップA10でYES)、この表示中の特定種類の情報を表示部7の大きさ(表示画面の大きさ)にフイット(拡大あるいは縮小)させて表示部7に表示させる(ステップA11)。すなわち、特定種類の情報のサイズが表示部7の大きさと異なる場合には、特定種類の情報を表示部7の大きさに合わせるためにそのサイズを変更する処理(拡大/縮小処理)を行い、この拡大/縮小した情報を表示部7に表示させる。図8(1)は、特定種類の情報を表示部7の大きさにフイットさせて表示させた場合を例示した図である。なお、図8中、矩形の破線は、表示画面を示している(以下、同様)。
【0042】
また、表示対象コンテンツの中に特定種類の情報が二つ以上含まれている場合には(ステップA10でNO)、そのいずれか一つの特定種類の情報を所定の優先順位に従って指定すると共に、この指定した情報を表示部7の大きさ(表示画面の大きさ)にフイット(拡大あるいは縮小)させて表示部7に表示させる(ステップA12)。例えば、図7のように、表示対象コンテンツの中に特定種類の情報が複数個含まれている場合において、「DP2」の表示画面のように、その一つとして、特定種類の情報(1)の一部が表示されているときには、この情報(1)を表示部7の大きさにフイットさせて表示部7に表示させるが、「DP3」の表示画面のように、二つの特定種類の情報(2)、(3)の一部がそれぞれ表示されているときには、表示量の多い情報(3)を表示部7の大きさにフイットさせて表示部7に表示させる。その他、表示画面の所定位置にある情報を指定したり、情報の大きい電話番号を指定したりするなど、複数の情報の中からどの情報を優先して表示させるかは任意である。
【0043】
一方、表示部7が横向きの場合において特定種類の情報が表示されていない場合には(ステップA8でNO)、コンテンツ表示管理テーブルMTを参照し(ステップA16)、表示部7から外れていてその表示部7から一番近い特定種類の情報を指定して、その情報を表示部7の大きさ(その表示画面の大きさ)にフィットさせて表示させる(ステップA17)。例えば、図7に示す場合に、「DP1」の表示画面は、テキストのみが表示されていて、特定種類の情報(例えば、静止画)が表示されていない表示画面であるため、コンテンツ表示管理テーブルMTを参照し、表示部7から外れていてその表示部7に一番近い特定種類の情報(2)を指定して、この特定種類の情報(2)を表示部7の大きさにフイットさせて表示させる。
【0044】
このようにして特定種類の情報に特化した表示を行わせた後は、特定種類の情報は動画であるかを調べ(ステップA13)、動画以外の静止画、表、グラフなどであれば(ステップA13でNO)、特定種類の情報の表示変更処理に移るが(ステップA15)、動画であれば(ステップA13でYES)、その先頭から再生動作を開始させた後(ステップA14)、特定種類の情報の表示変更処理に移る(ステップA15)。
【0045】
図6は、特定種類の情報の表示変更処理(図5のステップA15)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、制御部1は、振り動作検出部9の検出結果を参照し、筐体が水平方向(前後左右のいずれかの方向)に振られたかを判別したり(ステップB1)、垂直方向(上下いずれかの方向)に振られたかを判別したりする(ステップB5)。ここで、いずれの方向にも振られなければ(ステップB5でNO)、この時点で図5のフローに戻るが、水平方向のいずれかに振られた場合には(ステップB1でYES)、コンテンツ表示管理テーブルMTを参照し(ステップB2)、特定種類の他の情報(現在表示中の情報以外の特定種類の情報)が表示対象コンテンツ内に含まれているかを調べる(ステップB3)。
【0046】
ここで、特定種類の他の情報が含まれていなければ(ステップB3でNO)、この時点で図5のフローに戻る。いま、表示対象コンテンツ内に表示中である特定種類の情報以外にも、当該特定種類の他の情報が存在している場合には、この特定種類の他の情報の中から振られた方向に位置する情報を指定すると共に、この指定した情報を表示部7の大きさ(その表示画面の大きさ)にフィットさせて表示させた後(ステップB4)、図5のフローに戻る。
【0047】
図9は、筐体の振り方向を説明するための図である。
ここで、表示部7が横向き状態において左右前後の方向は、図示のように定められる。すなわち、XY座標系においてその原点から図中右側のX軸を挟む角度90度の範囲を右の振り方向とし、左側のX軸を挟む角度90度の範囲を左の振り方向とする。同様に、図中上側(前側)のY軸を挟む角度90度の範囲を前の振り方向とし、下側(後側)のY軸を挟む角度90度の範囲を後の振り方向とする。なお、振り方向が複数の範囲に含まれる場合には、どちらが多く含まれるかによって振り方向を決定するようにしている。
【0048】
一方、筐体(表示部7)が垂直方向(上下いずれかの方向)に振られたときには(ステップB5でYES)、コンテンツ表示管理テーブルMTを参照し(ステップB6)、特定種類の情報(現在表示中の情報)を振られた方向に所定量だけ拡大あるいは縮小して表示部7に表示させる(ステップB7)。すなわち、上方向に振られたときには、例えば、図8(2)に示すように、特定種類の情報を1段階拡大して表示させ、下方向に振られたときには、図8(3)に示すように、特定種類の情報を1段階縮小して表示させる。その後、図5のフローに戻る。
【0049】
このようにして特定種類の情報の表示変更処理が終わると(図5のステップA15)、コンテンツ表示の終了を指示する操作が行われたかを調べ(ステップA7)、終了操作が行われるまで上述のステップA5に戻り、以下、筐体(表示部7)の向きに応じて複数種類の情報を混在可能とする表示を行わせるか、特定種類の情報に特化した表示を行わせるかを切り替える処理を行うが(ステップA5〜A12)、コンテンツ表示の終了を指示する操作が行われると(ステップA7でYES)、上述のステップA2に戻る。
【0050】
以上のように、第1実施形態において制御部1は、複数種類の情報を含むコンテンツを表示する縦横比の異なる表示部7に表示させる場合に、表示部7の向きが縦長表示となる状態か横長表示となる状態かに応じて、複数種類の情報を混在可能とする表示を行わせるか特定種類の情報に特化した表示を行わせるかを切り替えるようにしたので、例えば、文字、画像などが混在したニュースコンテンツ(新聞記事コンテンツ)の表示時に、複雑なキー操作を行わずに、表示部7の向きを縦長表示あるいは横長表示に変えるだけで、文字、画像などが混在した表示、あるいは注目したい特定種類の情報に特化した見易い表示に切り替えることが可能となり、複数種類の情報を含むコンテンツを適切に表示することができ、実用性に富んだものとなる。
【0051】
複数種類の情報を混在可能とする表示から特定種類の情報に特化した表示に切り替える際に、表示部7に特定種類の情報の少なくとも一部分が表示されている場合には、当該特定種類の情報に切り替え、特定種類の情報が表示されていない場合には、表示部7から外れていて、その表示部の近くに位置する特定種類の情報に切り替えるようにしたので、例えば、現在読んでいる新聞記事に関連する写真のように、関連する情報に切り替えて見ることができる。
【0052】
複数種類の情報を混在可能とする表示から特定種類の情報に特化した表示に切り替える際に、特定種類の情報のサイズが表示部7の大きさと異なる場合には、特定種類の情報を表示部7の大きさに合わせるサイズ変更処理を行うようにしたので、ユーザがサイズ変更を行う手間をかけることなく、適切な表示サイズに切り替えることができる。
【0053】
特定種類の情報が表示されている状態において、振り動作検出部9によって振る動作が検出された場合に、その振られた方向に応じて、特定種類の複数の情報の中から表示部7に表示中の情報を除いた他の情報を指定して、その情報を表示部7に切り替え表示するようにしたので、振るという簡単な操作で情報の切り替えを容易に行うことができる。
【0054】
特定種類の情報が表示されている状態において、振り動作検出部9によって振る動作が検出された場合に、その振られた方向に応じて、表示部7に表示されている情報の大きさを変更して表示するようにしたので、振るという簡単な操作で情報の大きさを容易に変更することができる。
【0055】
特定種類の情報は、静止画、動画、表、グラフ、テキストのうち、少なくともその2以上であるので、特定種類の情報の混在表示から静止画、動画、表、グラフに特化した表示に容易に切り替えることができる。
【0056】
複数種類の情報を混在可能とする表示から特定種類の情報に特化した表示に切り替える際に、特定種類の情報が動画の場合は、この動画の先頭から再生を開始するようにしたので、動画再生時にその先頭位置に戻す操作を省くことができる。
【0057】
なお、上述した第1実施形態においては、縦横比の異なる表示部7の向きとして縦向きの場合には、複数種類の情報を混在可能とする表示を行わせ、横向きの場合には、特定種類の情報に特化した表示を行わせるようにしたが、これとは逆に、横向きの場合には、複数種類の情報を混在可能とする表示を行わせ、縦向きの場合には、特定種類の情報に特化した表示を行わせるようにしてもよい。
【0058】
上述した第1実施形態においては、表示部7の向きとして、縦向きと横向きの2種類を例示したが、この2種類に限らず、その中間の向きを検出するようにしてもよい。この場合、複数種類の情報を混在可能とする表示を行わせるか、特定種類の情報に特化した表示を行わせるかの切り替えのほか、上述の中向き状態であれば、複数種類の情報の中から特定種類の情報(例えば、動画)を除いた表示を行うようにしてもよい。
【0059】
(実施形態2)
以下、この発明の第2実施形態について図10及び図11を参照して説明する。
なお、上述した第1実施形態においては、複数種類の情報を含むコンテンツを縦横比の異なる表示部7に表示させる場合に、この表示部7の向きに応じて、複数種類の情報を混在可能とする表示を行わせるか特定種類の情報に特化した表示を行わせるかの切り替えを制御するようにしたが、この第2実施形態においては、筐体のスタイルに応じて、複数種類の情報を混在可能とする表示を行わせるか特定種類の情報に特化した表示を行わせるかの切り替えを制御するようにしたものである。ここで、両実施形態において基本的あるいは名称的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略すると共に、以下、第2実施形態の特徴部分を中心に説明するものとする。
【0060】
図10は、第2実施形態における携帯電話機の外観図である。
この携帯電話機は、操作部筐体11Aと表示部筐体11Bとが開閉可能(折り畳み可能)に取り付けられていると共に、操作部筐体11Aに対して表示部筐体11Bがその表裏が反転可能となるように取り付けられてなる2軸ヒンジタイプの携帯電話機である。この2軸ヒンジタイプの携帯電話機は、表示部筐体11Bの折り畳みを開いた状態で表示部7及び操作部6が露出した状態となるオープンスタイルと(図10(1)参照)、表示部筐体11Bを折り畳んで閉じた状態で表示部7が露出し、かつ操作部6が隠れた状態となるビュースタイルを有している(図10(2)参照)。
【0061】
スタイル検出部10(図1参照)は、操作部筐体11Aと表示部筐体11Bとの連結状態に応じて変化するスタイルを検出するもので、例えば、操作部筐体11Aと表示部筐体11Bの各所に磁石と磁力センサを配置して、この磁力センサの検出結果に基づいてスタイルを検出する構成となっている。なお、スタイル検出部10は、所定のスタイルに変更されるまでの途中の形態(前後の形態)を含めて検出するようにしてもよい。例えば、オープンスタイルとは、完全に折り畳みを開いた状態のみに限らず、その途中の形態(例えば、半開き状態)をも含めるようにしてもよい。
【0062】
図11は、第2実施形態において、電源投入に応じて実行開始される携帯電話機の動作(本実施形態の特徴的な動作)を説明するためのフローチャートである。なお、図11のフローチャートは、スタイルに関する点が相違し、その他は上述した図5のフローチャートと基本的に同様であるため、同様の部分についてはその説明を簡単に行うものとする。
先ず、制御部1初期設定を行った後(ステップC1)、コンテンツ表示の開始を指示する操作が行われたかを調べたり(ステップC2)、その他の操作が行われたかを調べたり(ステップC20)、電話の着信有無を調べたりする(ステップC22)。いま、その他の操作が行われたときには(ステップC20でYES)、その操作に応じた処理を行い(ステップC21)、電話着信を検出したときには(ステップC22でYES)、通話処理を行う(ステップC23)。
【0063】
コンテンツ表示の開始を指示する操作が行われたときには(ステップC2でYES)、この表示対象コンテンツを解析し、その結果、特定種類の情報が含まれていなければ(ステップC3でNO)、表示対象コンテンツを表示部7に通常表示させる(ステップC18)。ここで、コンテンツ表示の終了を指示する操作が行われると(ステップC19でYES)、上述のステップC2に戻る。また、特定種類の情報が含まれている場合には(ステップC3でYES)、特定種類の情報毎に、その位置とサイズとを求めて、コンテンツ表示管理テーブルMTを生成した後(ステップC4)、スタイル検出部10の検出結果に基づいてオープンスタイルかビュースタイルかを判別し(ステップC5)、オープンスタイルであれば(ステップC5でYES)、表示対象コンテンツ内の複数種類の情報を混在可能とする表示を行わせる(ステップC6)。その後、コンテンツ表示の終了を指示する操作が行われるまで(ステップC7)、上述のステップC5に戻る。
【0064】
また、ビュースタイルの場合、あるいはオープンスタイルからビュースタイルに変更された場合に(ステップC5でYES)、特定種類の情報(例えば、静止画)が表示部7に表示されていれば(ステップC8でYES)、コンテンツ表示管理テーブルMTを参照し(ステップC9)、表示対象コンテンツの中に含まれている特定種類の情報の数は一つであるかを調べる(ステップC10)。ここで、一つであれば(ステップC10でYES)、この表示中の特定種類の情報を表示部7の大きさ(表示画面の大きさ)にフイット(拡大あるいは縮小)させて表示部7に表示させる(ステップC11)。
【0065】
また、表示対象コンテンツの中に特定種類の情報が二つ以上含まれている場合には(ステップC10でNO)、そのいずれか一つの特定種類の情報を所定の優先順位に従って指定すると共に、この指定した情報を表示部7の大きさにフイットさせて表示部7に表示させる(ステップC12)。また、ビュースタイルの場合において特定種類の情報が表示されていなければ(ステップC8でNO)、コンテンツ表示管理テーブルMTを参照し(ステップC16)、表示部7から外れていてその表示部7から一番近い特定種類の情報を指定して、その情報を表示部7の大きさにフィットさせて表示させる(ステップC17)。
【0066】
このようにして特定種類の情報に特化した表示を行った後は、特定種類の情報は動画であるかを調べ(ステップC13)、動画以外の静止画、表、グラフなどであれば(ステップC13でNO)、特定種類の情報の表示変更処理に移るが(ステップC15)、動画であれば(ステップC13でYES)、その先頭から再生動作を開始させた後(ステップC14)、上述した図6のフローチャートに従って特定種類の情報の表示変更処理を実行する(ステップC15)。すなわち、振り動作検出部9の検出結果に基づいて筐体が水平方向(前後左右のいずれかの方向)、垂直方向(上下いずれかの方向)のいずれに振られたかを判別し、水平方向に振られた場合には、その振られた方向に応じて、他の情報を表示部7に切り替え表示し、垂直方向に振られた場合には、その振られた方向に応じて、表示部7に表示されている情報の大きさを変更して表示する制御を行う。
【0067】
このようにして特定種類の情報の表示変更処理が終わると(ステップC15)、コンテンツ表示の終了を指示する操作が行われたかを調べ(ステップC7)、終了操作が行われるまで上述のステップC5に戻り、以下、筐体のスタイルに応じて複数種類の情報を混在可能とする表示を行わせるか、特定種類の情報に特化した表示を行わせるかを切り替える処理を行うが(ステップC5〜C12)、コンテンツ表示の終了を指示する操作が行われると(ステップC7でYES)、上述のステップC2に戻る。
【0068】
以上のように、第2実施形態において制御部1は、複数種類の情報を含むコンテンツを表示する縦横比の異なる表示部7に表示させる場合に、筐体のスタイルがオープンスタイルかビュースタイルかに応じて、複数種類の情報を混在可能とする表示を行わせるか、特定種類の情報に特化した表示を行わせるかを切り替えるようにしたので、例えば、文字、画像などが混在したニュースコンテンツ(新聞記事コンテンツ)の表示時に、複雑なキー操作を行わずに、筐体のスタイルを変えるだけで、文字、画像などが混在した表示、あるいは注目したい特定種類の情報に特化した見易い表示に切り替えることが可能となり、複数種類の情報を含むコンテンツを適切に表示することができ、実用性に富んだものとなる。
【0069】
複数種類の情報を混在可能とする表示から特定種類の情報に特化した表示に切り替える際に、表示部7に特定種類の情報の少なくとも一部分が表示されている場合には、当該特定種類の情報に切り替え、特定種類の情報が表示されていない場合には、表示部7から外れていて、その表示部の近くに位置する特定種類の情報に切り替えるようにしたので、例えば、現在読んでいる新聞記事に関連する写真のように、関連する情報に切り替えて見ることができる。
【0070】
複数種類の情報を混在可能とする表示から特定種類の情報に特化した表示に切り替える際に、特定種類の情報のサイズが表示部7の大きさと異なる場合には、特定種類の情報を表示部7の大きさに合わせるサイズ変更処理を行うようにしたので、ユーザがサイズ変更を行う手間をかけることなく、適切な表示サイズに切り替えることができる。
【0071】
特定種類の情報が表示されている状態において、振り動作検出部9によって振る動作が検出された場合に、その振られた方向に応じて、特定種類の複数の情報の中から表示部7に表示中の情報を除いた他の情報を指定して、その情報を表示部7に切り替え表示するようにしたので、振るという簡単な操作で情報の切り替えを容易に行うことができる。
【0072】
特定種類の情報が表示されている状態において、振り動作検出部9によって振る動作が検出された場合に、その振られた方向に応じて、表示部7に表示されている情報の大きさを変更して表示するようにしたので、振るという簡単な操作で情報の大きさを容易に変更することができる。
【0073】
特定種類の情報は、静止画、動画、表、グラフ、テキストのうち、少なくともその2以上であるので、特定種類の情報の混在表示から静止画、動画、表、グラフに特化した表示に容易に切り替えることができる。
【0074】
複数種類の情報を混在可能とする表示から特定種類の情報に特化した表示に切り替える際に、特定種類の情報が動画の場合は、この動画の先頭から再生を開始するようにしたので、動画再生時にその先頭位置に戻す操作を省くことができる。
【0075】
オープンスタイルの場合には複数種類の情報を混在可能とする表示を行わせ、ビュースタイルの場合には特定種類の情報に特化した表示を行わせるようにしたので、カメラ撮影など特別な操作の際に使用されるビュースタイルに変えるだけで、特定種類の情報に特化した表示に切り替えることができる。
【0076】
なお、上述した第2実施形態においては、筐体のスタイルとしてオープンスタイルの場合には、複数種類の情報を混在可能とする表示を行わせ、ビュースタイルの合には、特定種類の情報に特化した表示を行わせるようにしたが、これとは逆に、ビュースタイルの場合には、複数種類の情報を混在可能とする表示を行わせ、オープンスタイルの場合には、特定種類の情報に特化した表示を行わせるようにしてもよい。
【0077】
上述した第2実施形態においては、筐体のスタイルとしてオープンスタイル、ビュースタイルの2種類を例示したが、この2種類に限らず、その中間のスタイルを検出するようにしてもよい。この場合、複数種類の情報を混在可能とする表示を行わせるか、特定種類の情報に特化した表示を行わせるかの切り替えのほか、上述の中間のスタイルであれば、複数種類の情報の中から特定種類の情報(例えば、動画)を除いた表示を行うようにしてもよい。
【0078】
上述した第2実施形態においては、2軸ヒンジタイプの携帯電話機に適用したが、折り畳みタイプ、スライドタイプ、スピントップタイプなど任意の筐体構造であってもよく、また、スタイルとして、オープンスタイル、ビュースタイルを例示したが、筐体構造に応じた任意のスタイルであってもよい。
【0079】
また、上述した各実施形態においては、端末装置として携帯電話機を例示したが、これに限らず、例えば、縦横比の異なる表示部を備えるパーソナルコンピュータ、PDA、デジタルカメラ、音楽プレイヤー、それらの複合機など、任意の端末装置であってもよい。
【0080】
上述した各実施形態において示した“装置”や“機”とは、機能別に複数の筐体に分離されていてもよく、単一の筐体に限らない。また、上述したフローチャートに記述した各ステップは、時系列的な処理に限らず、複数のステップを並列的に処理したり、別個独立して処理したりするようにしてもよい。
【符号の説明】
【0081】
1 制御部
3 記憶部
6 操作部
7 表示部
8 向き検出部
9 振り動作検出部
10 スタイル検出部
MT コンテンツ表示管理テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の情報を含むコンテンツを表示する縦横比の異なる表示部を備える端末装置であって、
前記表示部の向きが縦長表示となる状態か横長表示となる状態かを検出する向き検出手段と、
前記コンテンツを前記表示部に表示させる場合に、前記向き検出手段による検出結果に基づいて、複数種類の情報を混在可能とする表示を行わせるか特定種類の情報に特化した表示を行わせるかの切り替えを制御する制御手段と、
を具備したことを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記複数種類の情報を混在可能とする表示から特定種類の情報に特化した表示に切り替える際に、前記表示部に前記特定種類の情報の少なくとも一部分が表示されている場合には、当該特定種類の情報に切り替え、前記特定種類の情報が表示されていない場合には、前記表示部から外れていてその表示部の近くに位置する特定種類の情報に切り替える、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記複数種類の情報を混在可能とする表示から特定種類の情報に特化した表示に切り替える際に、前記特定種類の情報のサイズが前記表示部の大きさと異なる場合には、前記特定種類の情報を前記表示部の大きさに合わせるサイズ変更処理を行う、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項4】
当該端末装置を振る動作を検出する動作検出手段を更に備え、
前記制御手段は、前記コンテンツの中に前記特定種類の情報が複数含まれていて、そのいずれかの情報が前記表示部に表示されている状態において、前記動作検出手段によって振る動作が検出された場合に、その振られた方向に応じて前記特定種類の複数の情報の中から前記表示部に表示中の情報を除いた他の情報を指定して、前記表示部に切り替え表示する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項5】
当該端末装置を振る動作を検出する動作検出手段を更に備え、
前記制御手段は、前記特定種類の情報が前記表示部に表示されている状態において、前記動作検出手段によって振る動作が検出された場合に、その振られた方向に応じて前記表示部に表示されている情報の大きさを変更して表示する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項6】
前記複数種類の情報は、静止画、動画、表、グラフ、テキストのうち、少なくともその2以上である、
ことを特徴とする請求項1〜請求項5いずれか記載の端末装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記複数種類の情報を混在可能とする表示から特定種類の情報に特化した表示に切り替える際に、前記特定種類の情報が動画の場合は、この動画の先頭から再生を開始する、
ようにしたことを特徴とする請求項6記載の端末装置。
【請求項8】
複数種類の情報を含むコンテンツを表示する縦横比の異なる表示部を備え、筐体の形態に応じて複数のスタイルに変更可能な端末装置であって、
前記複数のスタイルのうち現在どのスタイルであるかを検出するスタイル検出手段と、
前記コンテンツを前記表示部に表示させる場合に、前記スタイル検出手段による検出結果に基づいて、前記コンテンツを複数種類の情報を混在可能とする表示を行わせるか特定種類の情報に特化した表示を行わせるかの切り替えを制御する制御手段と、
を具備したことを特徴とする端末装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記複数種類の情報を混在可能とする表示から特定種類の情報に特化した表示に切り替える際に、前記表示部に前記特定種類の情報の少なくとも一部分が表示されている場合には、当該特定種類の情報に切り替え、前記特定種類の情報が表示されていない場合には、前記表示部から外れていてその表示部の近くに位置する特定種類の情報に切り替える、
ようにしたことを特徴とする請求項8記載の端末装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記複数種類の情報を混在可能とする表示から特定種類の情報に特化した表示に切り替える際に、前記特定種類の情報のサイズが前記表示部の大きさと異なる場合には、前記特定種類の情報を前記表示部の大きさに合わせるサイズ変更処理を行う、
ようにしたことを特徴とする請求項8記載の端末装置。
【請求項11】
当該端末装置を振る動作を検出する動作検出手段を更に備え、
前記制御手段は、前記コンテンツの中に前記特定種類の情報が複数含まれていて、そのいずれかの情報が前記表示部に表示されている状態において、前記動作検出手段によって振る動作が検出された場合に、その振られた方向に応じて前記複数の特定種類の情報の中から前記表示部に表示中の情報を除いた他の情報を指定して、前記表示部に切り替え表示する、
ようにしたことを特徴とする請求項8記載の端末装置。
【請求項12】
当該端末装置を振る動作を検出する動作検出手段を更に備え、
前記制御手段は、前記特定種類の情報が前記表示部に表示されている状態において、前記動作検出手段によって振る動作が検出された場合に、その振られた方向に応じて前記表示部に表示されている情報の大きさを変更して表示する、
ようにしたことを特徴とする請求項8記載の端末装置。
【請求項13】
前記複数種類の情報は、静止画、動画、表、グラフ、テキストのうち、少なくともその2以上である、
ことを特徴とする請求項8〜請求項12いずれか記載の端末装置。
【請求項14】
前記制御手段は、前記複数種類の情報を混在可能とする表示から特定種類の情報に特化した表示に切り替える際に、前記特定種類の情報が動画の場合は、この動画の先頭から再生を開始する、
ようにしたことを特徴とする請求項13記載の端末装置。
【請求項15】
当該端末装置は、前記表示部を備える表示部筐体と操作部を備える操作部筐体とを有し、前記操作部筐体と前記表示部筐体とが開閉可能に取り付けられていると共に、前記操作部筐体に対して前記表示部筐体がその表裏が反転可能に取り付けられてなり、
前記複数のスタイルのうちその一つは、前記表示部筐体を開いた状態で前記表示部及び前記操作部が露出した状態となる形態であり、少なくとも他の一つのスタイルは、前記表示部筐体を閉じた状態で前記表示部が露出し、かつ前記操作部が隠れた状態となる形態である、
ことを特徴とする請求項1〜請求項14いずれか記載の端末装置。
【請求項16】
コンピュータに対して、
縦横比の異なる表示部が縦長表示となる状態か横長表示となる状態かを検出する機能と、
複数種類の情報を含むコンテンツを前記表示部に表示させる場合に、前記検出結果に基づいて、前記複数種類の情報を混在可能とする表示を行わせるか特定種類の情報に特化した表示を行わせるかの切り替えを制御する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項17】
コンピュータに対して、
筐体の形態に応じて複数のスタイルを変更可能な端末装置が現在どのスタイルであるかを検出する機能と、
複数種類の情報を含むコンテンツを表示部に表示させる場合に、前記検出結果に基づいて、前記コンテンツをその複数種類の情報を混在可能とする表示を行わせるか特定種類の情報に特化した表示を行わせるかの切り替えを制御する機能と、
を実現させるためのプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−53736(P2011−53736A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−199380(P2009−199380)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】