説明

端末装置及びプログラム

【課題】録画再生装置用のリモートコントロール機能を有する携帯電話の録画指示によって録画再生装置でコンテンツが録画された場合、どの携帯電話からの録画指示かを判別することを可能にする。
【解決手段】携帯電話10は、キー入力部3の操作により、録画予定の番組のチャンネル、時間(例えば、録画開始時間)等を指定するためのキー入力処理を行った後に、キー入力部3の送信キーが押下されると、固有情報記憶部6に記憶された固有情報と、キー入力処理で指定された操作データとを録画再生装置20に赤外線出力する。携帯電話10から録画指示を受けた録画再生装置20は、録画指示されたコンテンツをスクランブル処理(暗号化処理)しながら録画し、該当する固有情報に対応付けて記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、録画再生装置と録画再生装置用のリモートコントロール機能を有する携帯電話に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、HDDレコーダー等の録画再生装置は、家庭やオフィスにおいて、複数の人によって使用されることが多く、録画再生装置により録画されたテレビ番組等のコンテンツを誰でも視聴することができる。特許文献1には、各個人が所有するICカードを用いて各人の嗜好に合わせたコンテンツを録画し、録画をした人以外のアクセスを制限する技術が開示されている。
さらには、携帯情報端末から録画予約情報を録画・記録装置に送信し、その録画予約情報を受信した録画・記録装置は、その録画予約情報に基づいて、録画予約をセットするように構成した携帯端末による録画・記録装置のコントロールシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−354427号公報
【特許文献2】特開2001−309288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上述のコントロールシステムでは、録画・記録装置に対して録画予約情報を送信することが可能な携帯端末が複数ある場合に、どの携帯端末から送信された録画予約情報に基づいて、録画・記録装置で録画予約がセットされたのかが分からないため、携帯端末のユーザが混乱してしまう。たとえば、家庭において上述のコントロールシステムを実現するために、録画・記録装置として録画再生装置があり、その録画再生装置用のリモートコントロール(リモコン)機能を有する携帯端末として家人のそれぞれが所有する携帯電話を利用する場合が考えられるが、家人のうち誰の携帯電話から送信された録画予約情報に基づいて、録画再生装置で録画予約がセットされたのかが分からないため、混乱を生じてしまう。
【0005】
本発明の課題は、録画再生装置用のリモートコントロール機能を有する携帯電話の録画指示によって録画再生装置でコンテンツが録画された場合、どの携帯電話からの録画指示かを判別することを可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、録画再生装置用のリモートコントロール機能を有する携帯電話であって、近距離無線通信により前記録画再生装置に対してリモートコントロール指示情報を送信する無線送信手段と、前記録画再生装置に録画動作させるための録画指示情報を入力する録画指示入力手段と、前記リモートコントロール機能が指定された状態にあって、前記録画指示入力手段で入力された録画指示情報を前記リモートコントロール指示情報として前記録画再生装置に対して送信する際は、当該録画指示情報に基づいて前記録画再生装置で録画されるコンテンツを当該携帯電話と対応付けるための固有情報と共に送信する送信制御手段と、を備えることを特徴としている。
また、前記録画指示情報は、録画予定の番組のチャンネル及び時間の少なくともいずれか1つを含むことが好ましい。
更に、前記録画再生装置に再生動作させるための再生指示情報を入力する再生指示入力手段を備え、前記送信制御手段は、前記リモートコントロール機能が指定された状態にあって、前記再生指示入力手段で入力された再生指示情報を前記リモートコントロール指示情報として前記録画再生装置に対して送信する際は、当該携帯電話と対応付けられて録画された前記コンテンツを前記録画再生装置で抽出して再生するために、前記固有情報と共に送信することが好ましい。
【0007】
また、上記課題を解決するため、請求項4に記載の発明は、録画再生装置用のリモートコントロール機能を有する携帯電話によってリモートコントロールされる録画再生装置であって、録画指示されたコンテンツを録画する録画手段と、近距離無線通信により前記携帯電話から送信されたリモートコントロール指示情報を受信する無線受信手段と、前記携帯電話から送信されたリモートコントロール指示情報としての録画指示情報を、録画されるコンテンツを当該携帯電話と対応付けるための固有情報と共に受信した際は、受信した録画指示情報に基づいて、録画指示されたコンテンツを受信した固有情報と対応付けて前記録画手段で録画する録画制御手段と、を備えることを特徴としている。
また、前記携帯電話の操作によって録画指示されたか否かを判別する判別手段を備え、前記録画制御手段は、前記判別手段で携帯電話の操作によって録画指示されたと判別された場合に、録画指示されたコンテンツを暗号化して前記録画手段で録画し、前記判別手段で携帯電話の操作によらずに録画指示されたと判別された場合に、録画指示されたコンテンツを暗号化しないで前記録画手段で録画することが好ましい。
更に、再生指示されたコンテンツを再生する再生手段と、前記携帯電話から送信されたリモートコントロール指示情報としての再生指示情報を、前記固有情報と共に受信した際は、前記録画手段で録画されたコンテンツから、受信した固有情報と対応付けられて録画されたコンテンツを抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出されたコンテンツを前記再生手段で再生する再生制御手段と、を備えることが好ましい。
更に、前記携帯電話の操作によって再生指示されたか否かを判別する判別手段を備え、前記再生制御手段は、前記判別手段で携帯電話の操作によって再生指示されたと判別された場合に、前記抽出手段で抽出されたコンテンツが暗号化されていれば暗号化を解除して前記再生手段で再生することが好ましい。
【0008】
また、上記課題を解決するため、請求項8に記載の発明は、録画再生装置用のリモートコントロール機能を有する携帯電話と前記携帯電話によってリモートコントロールされる録画再生装置とからなる録画システムであって、前記携帯電話は、近距離無線通信により前記録画再生装置に対してリモートコントロール指示情報を送信する無線送信手段と、前記録画再生装置に録画動作させるための録画指示情報を入力する録画指示入力手段と、前記リモートコントロール機能が指定された状態にあって、前記録画指示入力手段で入力された録画指示情報を前記リモートコントロール指示情報として前記録画再生装置に対して送信する際は、当該録画指示情報に基づいて前記録画再生装置で録画されるコンテンツを当該携帯電話と対応付けるための固有情報と共に送信する送信制御手段と、を備え、前記録画再生装置は、録画指示されたコンテンツを録画する録画手段と、近距離無線通信により前記携帯電話から送信されたリモートコントロール指示情報を受信する無線受信手段と、前記携帯電話から送信されたリモートコントロール指示情報としての録画指示情報を、録画されるコンテンツを当該携帯電話と対応付けるための固有情報と共に受信した際は、受信した録画指示情報に基づいて、録画指示されたコンテンツを受信した固有情報と対応付けて前記録画手段で録画する録画制御手段と、を備えることを特徴としている。
また、上記課題を解決するため、請求項9に記載の発明は、録画再生装置用のリモートコントロール機能を有する携帯電話のプログラムであって、コンピュータに、近距離無線通信により前記録画再生装置に対してリモートコントロール指示情報を送信する無線送信機能と、前記録画再生装置に録画動作させるための録画指示情報を入力する録画指示入力機能と、前記リモートコントロール機能が指定された状態にあって、前記録画指示入力機能で入力された録画指示情報を前記リモートコントロール指示情報として前記録画再生装置に対して送信する際は、当該録画指示情報に基づいて前記録画再生装置で録画されるコンテンツを当該携帯電話と対応付けるための固有情報と共に送信する送信制御機能と、を実現させることを特徴としている。
また、上記課題を解決するため、請求項10に記載の発明は、録画再生装置用のリモートコントロール機能を有する携帯電話によってリモートコントロールされる録画再生装置のプログラムであって、コンピュータに、録画指示されたコンテンツを録画する録画機能と、近距離無線通信により前記携帯電話から送信されたリモートコントロール指示情報を受信する無線受信機能と、前記携帯電話から送信されたリモートコントロール指示情報としての録画指示情報を、録画されるコンテンツを当該携帯電話と対応付けるための固有情報と共に受信した際は、受信した録画指示情報に基づいて、録画指示されたコンテンツを受信した固有情報と対応付けて前記録画機能で録画する録画制御機能と、を実現させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、録画再生装置用のリモートコントロール機能を有する携帯電話の録画指示によって録画再生装置でコンテンツが録画された場合、どの携帯電話からの録画指示かを判別することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る携帯電話の主要部構成を示すブロック図。
【図2】録画再生装置の主要部構成を示すブロック図。
【図3】図2の録画再生装置のメモリに格納されたデータの構成を示す図。
【図4】本実施形態の携帯電話の液晶表示部に表示されるリモコン機能画面を示す図。
【図5】本実施形態の携帯電話において実行されるリモコン操作処理を示すフローチャート。
【図6】本実施形態の携帯電話の液晶表示部に表示される携帯電話番号入力画面を示す図。
【図7】本実施形態の携帯電話において実行される固有情報要求処理を示すフローチャート。
【図8】本実施形態の携帯電話において実行される固有情報取得処理を示すフローチャート。
【図9】固有情報要求メールの画面表示例を示す図。
【図10】録画再生装置において実行されるリモコン処理を示すフローチャート。
【図11】録画再生装置において実行される録画処理を示すフローチャート。
【図12】録画再生装置において実行される再生処理を示すフローチャート。
【図13】録画再生装置の表示部に表示される再生時のリスト表示の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
まず、本実施形態における構成について説明する。
【0012】
図1に、本発明が適用された実施形態に係る携帯電話10の主要部構成を示す。携帯電話10は、図2に示すように、制御部1、液晶表示部2、キー入力部3、ROM(Read Only Memory)4、RAM(Random Access Memory)5、固有情報記憶部6、赤外線通信部7、音声変換回路8、無線部9を備えて構成される。
【0013】
制御部1は、ROM4に格納されている各種制御処理プログラムを読み出してRAM5内に展開し、それらの制御処理プログラムに従って携帯電話10の各部の動作を統括的に制御する。以下、制御部1の制御動作について説明する。
【0014】
制御部1は、キー入力部3の操作により、録画再生装置20での録画が指示された場合、固有情報記憶部6に記憶された固有情報を読み出して、読み出された固有情報及び操作データを録画再生装置20に赤外線出力させるリモコン操作処理を実行する(図5参照)。
【0015】
また、制御部1は、図6に示す携帯電話番号入力画面(後述)において、他人が録画したコンテンツ(番組)の視聴許可を得るために当該他人が所有する携帯電話の電話番号が入力されると、コンテンツ(番組)視聴希望をするメールを作成し、指定された宛先に送信させる固有情報要求処理を実行する(図7参照)。更に、制御部1は、他の携帯電話から固有情報を取得したり、固有情報記憶部6に記憶された固有情報を他の携帯電話に通知したりする固有情報取得処理を実行する(図8参照)。
【0016】
また、制御部1は、キー入力部3の操作により、録画再生装置20での再生が指示された場合、固有情報記憶部6に記憶された固有情報を読み出して、読み出された固有情報と、他の携帯電話から取得された固有情報と、再生を指示する操作データを録画再生装置20に赤外線出力する。
【0017】
液晶表示部2は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示ディスプレイを備え、制御部1から入力される表示信号に従って所要の表示処理を行う。
【0018】
キー入力部3は、テンキー、カーソルキー、電源キー、送信キー、各種ファンクションキー等を有し、キーの押下に対応する操作信号を制御部1に出力する。
【0019】
ROM4は、制御部1で実行される各種制御処理プログラム及びこれらのプログラムで使用されるデータを格納している。
【0020】
RAM5は、制御部1により実行される各種制御プログラムや各種アプリケーションプログラムをプログラム格納エリアに展開する。また、RAM5は、入力データ及び上記の制御処理プログラムの実行時に生じる処理結果等のデータをワークエリアに一時的に格納する。
【0021】
固有情報記憶部6は、携帯電話10の固有情報(数字、アルファベット等から構成される識別情報)を表すデータを記憶する。この固有情報は、携帯電話10の操作により、録画再生装置20においてコンテンツを録画する場合、録画されたコンテンツを再生する場合、他の携帯電話にコンテンツの視聴を許可する場合などに使用される。
【0022】
赤外線通信部7は、赤外線を利用したIrDA(Infrared Data Association)等の近距離無線通信により、通信可能な範囲内に位置する録画再生装置との通信を制御する。
【0023】
音声変換回路8は、音声デジタル信号をD/Aコンバータ(図示略)によりアナログ信号に変換し、スピーカ8aに出力する。また、音声変換回路8は、通話時に、マイク8bから入力された音声アナログ信号を、A/Dコンバータ(図示略)によりデジタル信号に変換する。スピーカ8aは、音声変換回路8から入力された音声信号を増幅器(図示略)により増幅し、外部に出力する。マイク8bは、外部から入力された音声を音声信号に変換し、音声変換回路8に出力する。
【0024】
無線部9は、音声信号を変調、復調する変調/復調回路(図示略)、アンテナ9a等により構成され、通信ネットワーク上の無線基地局との間で携帯電話用の通信プロトコルを実行し、設定された通信チャネルによりデータ通信や通話などの通信制御を行う。
【0025】
また、携帯電話10は、アドレス帳データ、電話帳データ、送受信された電子メールのデータ等を記憶するメモリを備える。
【0026】
図2に、録画再生装置20の主要部構成を示す。録画再生装置20は、図2に示すように、アンテナ21aを有するデジタル放送受信部21、画像処理部22,音声処理部23、表示部24、スピーカ25、暗号処理部26、赤外線通信部27、入力部28、メモリ29、制御部30を備えて構成される。
【0027】
デジタル放送受信部21は、アンテナ21aを介して受信された放送信号のうち、指定されたチャンネルに対応する放送信号を抽出し、当該抽出された放送信号に対してOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式の復調を行う。すなわち、放送信号の変調方式に対応して、DQPSK(Differential Quadrature Phase Shift Keying)、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、16QAM(Quadracture Amplitude Modulation)、64QAMの4種類の方式による復調を選択的に行い、復調された放送信号から画像信号と音声信号を分離し、画像信号は画像処理部22へ出力し、音声信号は音声処理部23へ出力する。
【0028】
画像処理部22は、デジタル放送受信部21から入力された画像信号をMPEG(Moving Picture Expert Group)-2方式に従って復号化し、映像データ(動画像データ)、静止画像データを生成する。そして、生成された画像データに各種画像処理を施し、画像処理後の画像データを表示部24に出力する。
【0029】
音声処理部23は、デジタル放送受信部21から入力された音声信号をMPEG-2方
式に従って符号化し、音声データを生成する。そして、生成された音声データに各種データ処理を施し、データ処理後の音声データをアナログ変換し、スピーカ25に出力する。
【0030】
表示部24は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示ディスプレイを備え、画像処理部22から入力された画像データを表示ディスプレイ上に表示する。スピーカ25は、音声処理部23から入力されたアナログ音声信号を増幅器(図示略)により増幅し、外部に出力する。
【0031】
暗号処理部26は、携帯電話10から録画が指示されたとき、録画指示されたコンテンツをスクランブル処理(暗号化処理)しながら録画する。また、携帯電話10により再生が指示されたコンテンツがスクランブル処理されて録画されたものであった場合、そのコンテンツの録画データをスクランブル解除(暗号解除)しながら再生する。
【0032】
赤外線通信部27は、赤外線を利用したIrDA(Infrared Data Association)等の近距離無線通信により、通信可能な範囲内に位置する携帯電話から受信された操作信号を制御部30に出力する。
【0033】
入力部28は、電源ON/OFFキー、音量調整キー等の各種キーを備え、キーの押下に対応する操作信号を制御部30に出力する。
【0034】
メモリ29は、制御部30により実行される各種制御処理プログラム及びこれらのプログラムで使用されるデータ等を記憶する。また、メモリ29は、図3に示すように、録画再生装置20と赤外線通信が可能な携帯電話の固有情報毎に、誰でも視聴可能な共有コンテンツ及びスクランブル処理して録画されたコンテンツの録画データを、該当する固有情報に対応付けて記憶する。図3において、スクランブルA、スクランブルBとは、該当する録画データが、スクランブル処理(暗号化処理)されて録画されたデータであることを示す。
【0035】
制御部30は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory
)等から構成され、メモリ29に格納された各種制御処理プログラムをRAMに展開し、当該制御処理プログラムに従って、録画再生装置20の各部の動作を統括的に制御する。以下、制御部30の制御動作について説明する。
【0036】
例えば、制御部30は、携帯電話10から録画が指示された場合、暗号処理部26に対し、録画が指示されたコンテンツのスクランブル処理(暗号化処理)を指示する。また、制御部30は、携帯電話10から、録画されたコンテンツの再生が指示された場合、メモリ29から、再生指示の際に同時に受信された固有情報に対応するコンテンツ(番組)を検索し、検索により抽出されたコンテンツ(番組)のリストを再生可能なリストとして表示部24に表示させる。更に、制御部30は、再生可能なリストの中から選択されたコンテンツがスクランブル処理されたものである場合、暗号処理部26に対し、その選択されたコンテンツのスクランブル解除を指示する。
【0037】
次に、図4〜図13を参照して、本実施形態における動作について説明する。
【0038】
携帯電話10のキー入力部3の操作により、リモコンモードが指定されると、液晶表示部2に、図4に示すようなリモコン機能画面が表示される。リモコン機能画面には、図4に示すように、録画予定のコンテンツ(番組)を指定するための「録画番組指定」ボタン、録画されたコンテンツの再生を指示するための「録画再生」ボタン、他の携帯電話の操作により録画されたコンテンツの視聴に必要な固有情報の取得要求を指示するための「固有情報取得」ボタンが表示される。図4のリモコン機能画面において、「録画番組指定」ボタンが指定されると、図5のリモコン操作処理が開始され、「固有情報取得」ボタンが指定されると、図7の固有情報要求処理が開始される。
【0039】
まず、図5のフローチャートを参照して、携帯電話10において実行されるリモコン操作処理について説明する。
【0040】
まず、キー入力部3の操作により、録画予定の番組のチャンネル、時間(例えば、録画開始時間)等を指定するためのキー入力処理が行われる(ステップS1)。キー入力処理後に、キー入力部3の送信キーが押下されると(ステップS2)、固有情報記憶部6に記憶された固有情報が読み出され(ステップS3)、読み出された固有情報と、ステップS1における操作データが録画再生装置20に赤外線出力され(ステップS4)、本リモコン操作処理が終了する。携帯電話10から録画指示を受けた録画再生装置20では、図11に示す録画処理が行われる。
【0041】
次に、図7のフローチャートを参照して、携帯電話10において実行される固有情報要求処理について説明する。
【0042】
図4のリモコン機能画面において、「固有情報取得」ボタンが指定されると、液晶表示部2に、図6に示すような携帯電話番号入力画面が表示される。録画再生装置20において、他の携帯電話の操作により録画された番組(コンテンツ)を視聴したい場合、図6の携帯電話番号入力画面において、その録画操作をした携帯電話の電話番号が入力される(ステップS10)。携帯電話番号入力画面において、「送信」ボタンが指定されると、番組視聴の希望を通知するための電子メールが作成され(ステップS11)、その作成された電子メールが、ステップS10で入力された電話番号に対応する宛先(電子メールアドレス)に送信され(ステップS12)、本固有情報要求処理が終了する。
【0043】
次に、図8のフローチャートを参照して、携帯電話10において実行される固有情報取得処理について説明する。
【0044】
他の携帯電話から電子メールが受信されると(ステップS20)、その受信された電子メールが、固有情報の取得要求であるか、固有情報を通知するものであるのかが判定される(ステップS21、S26)。
【0045】
ステップS20において受信された電子メールが、固有情報の取得要求であると判定された場合(ステップS21;YES)、液晶表示部2に、図9に示すような固有情報取得要求メールの内容が表示される(ステップS22)。図9に示す画面には、携帯電話10の所有者が録画した番組を、メール送信元の携帯電話の所有者が視聴を希望している旨と、この視聴希望を承諾するか否かを指定するための「承諾する」ボタン及び「承諾しない」ボタンが表示される。
【0046】
図9の画面において、「承諾しない」ボタンが指定された場合(ステップS23;NO)、送信元の携帯電話に、番組視聴を承諾しないことを通知するメッセージが送信され、本固有情報取得処理が終了する。図9の画面において、「承諾する」ボタンが指定された場合(ステップS23;YES)、固有情報記憶部6に記憶された固有情報が読み出される。そして、その読み出された固有情報を通知するための電子メールが作成され(ステップS24)、その作成された電子メールが送信元の携帯電話に送信され(ステップS25)、本固有情報取得処理が終了する。
【0047】
ステップS20において受信された電子メールが、固有情報の通知であると判定された場合(ステップS26;YES)、その通知された固有情報(送信元の携帯電話の固有情報)がRAM5に記録され(ステップS27)、本固有情報取得処理が終了する。ステップ20において受信された電子メールが、固有情報取得要求、固有情報通知以外の電子メールである場合(ステップS26;NO)、通常のメール処理が行われ(ステップS28)、本固有情報取得処理が終了する。
【0048】
図4のリモコン機能画面において、「録画再生」ボタンが指定されると、固有情報記憶部6に記憶された携帯電話10の固有情報と、ステップS27においてRAM5に記憶された固有情報(他の携帯電話から取得した固有情報)及び操作データ(再生指示データ)が録画再生装置20に送信され、録画再生装置20において、図10に示すリモコン処理と、図12に示す再生処理が行われる。
【0049】
次に、図10のフローチャートを参照して、録画再生装置20において実行されるリモコン処理について説明する。
【0050】
携帯電話10からの赤外線受信があると(ステップT1;YES)、その受信情報に、携帯電話10の固有情報が含まれているか否かが判定される(ステップT2)。ステップT2において、受信情報に固有情報が含まれていないと判定された場合(ステップT2;NO)、その受信情報に基づいて、コマンドの受付及び対応する処理が行われる(ステップT4)。
【0051】
ステップT2において、受信情報に固有情報が含まれていると判定された場合(ステップT2;YES)、その固有情報がメモリ29に記憶され(ステップT3)、コマンド(録画コマンド、再生コマンド等)の受付及び対応する処理(録画処理、再生処理等)が行われる(ステップT4)。
【0052】
次に、図11のフローチャートを参照して、録画再生装置20において実行される録画処理について説明する。
【0053】
予め設定されたタイマー予約時間(録画開始時刻)になったとき(ステップT10;YES)又は録画コマンドが指定されたとき(ステップT11;YES)、携帯電話10の操作によって録画が指示されたか否かが判定される(ステップT12)。
【0054】
ステップT12において、携帯電話10の操作によって録画が指示されたと判定された場合(ステップT12;YES)、録画指示された番組がスクランブル処理(暗号化処理)されながら録画され(ステップT13)、本録画処理が終了する。ステップT12において、録画再生装置20本体の操作によって録画が指示されたと判定された場合(ステップT12;NO)、通常の録画処理(スクランブル処理をしない録画処理)が行われ(ステップT14)、本録画処理が終了する。
【0055】
次に、図12のフローチャートを参照して、録画再生装置20において実行される再生処理について説明する。
【0056】
図10のステップT4において受け付けられたコマンドが再生コマンドである場合(ステップT20;YES)、携帯電話10の操作によって再生が指示されたか否かが判定される(ステップT21)。ステップT21において、携帯電話10の操作によって再生が指示されたと判定された場合(ステップT21;YES)、メモリ29から、図10のリモコン処理において受信された固有情報に対応する録画データが検索され、検索により抽出された番組のリストが、再生可能な番組のリストとして表示部24に表示される(ステップT22)。図13に、再生可能な番組のリストの表示例を示す。
【0057】
図13に示す再生可能な番組のリストの中から、再生する番組が選択されると(ステップT23;YES)、その選択された番組がスクランブル処理(暗号化処理)して録画されたものであるか否かが判定される(ステップT24)。なお、ステップT23の再生番組の選択は、携帯電話10のキー入力部3の操作により行われてもよいし、録画再生装置20の入力部28の操作により行われてもよい。
【0058】
ステップT24において、選択された番組がスクランブル処理されて録画されたものであると判定された場合(ステップT24;YES)、選択された番組の録画データがメモリ29から読み出され、その読み出された録画データがスクランブル解除しながら再生され(ステップT25)、本再生処理が終了する。
【0059】
ステップT24において、選択された番組がスクランブル処理されて録画されたものではないと判定された場合、即ち、通常の録画処理で録画されたものであると判定された場合(ステップT24;NO)、選択された番組の録画データがメモリ29から読み出され、その読み出された録画データが通常再生され(ステップT28)、本再生処理が終了する。
【0060】
ステップT21において、携帯電話10の操作によって再生が指示されなかった場合(例えば、録画再生装置20の入力部28の操作又は他のリモコンの操作により再生が指示された場合)(ステップT21;NO)、誰でも視聴可能な共有番組のリストが表示部24に表示される(ステップT26)。ここで、誰でも視聴可能な共有番組とは、メモリ29に記憶された各録画データのうち、スクランブル処理されていない番組を示す。
【0061】
表示部24に表示されたリストから、再生する番組が選択されると(ステップT27;YES)、その選択された番組の録画データがメモリ29から読み出され、その読み出された録画データが通常再生され(ステップT28)、本再生処理が終了する。
【0062】
以上のように、本実施形態の携帯電話10によれば、他の携帯電話の操作によって、スクランブル処理して録画されたコンテンツ(番組)を視聴したい場合、録画操作をした携帯電話から固有情報を取得して視聴許可を得ることにより、他の携帯電話の操作によって録画されたコンテンツであっても気軽に視聴することが可能になる。
【0063】
また、他人の携帯電話から、自分が所有する携帯電話10の操作によって録画されたコンテンツの視聴希望があっても、視聴を承諾しない場合は、視聴を希望した人の携帯電話に固有情報を送信しないことにより、不特定多数の人の視聴を防ぐことができる。
【0064】
なお、本実施形態における記述内容は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0065】
1 制御部
2 液晶表示部
3 キー入力部
4 ROM
5 RAM
6 固有情報記憶部
7 赤外線通信部
8 音声変換回路
9 無線部
10 携帯電話
20 録画再生装置
21 デジタル放送受信部
22 画像処理部
23 音声処理部
24 表示部
25 スピーカ
26 暗号処理部
27 赤外線通信部
28 入力部
29 メモリ
30 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
録画再生装置用のリモートコントロール機能を有する携帯電話であって、
近距離無線通信により前記録画再生装置に対してリモートコントロール指示情報を送信する無線送信手段と、
前記録画再生装置に録画動作させるための録画指示情報を入力する録画指示入力手段と、
前記リモートコントロール機能が指定された状態にあって、前記録画指示入力手段で入力された録画指示情報を前記リモートコントロール指示情報として前記録画再生装置に対して送信する際は、当該録画指示情報に基づいて前記録画再生装置で録画されるコンテンツを当該携帯電話と対応付けるための固有情報と共に送信する送信制御手段と、
を備えることを特徴とする携帯電話。
【請求項2】
前記録画指示情報は、録画予定の番組のチャンネル及び時間の少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする請求項1記載の携帯電話。
【請求項3】
前記録画再生装置に再生動作させるための再生指示情報を入力する再生指示入力手段を備え、
前記送信制御手段は、前記リモートコントロール機能が指定された状態にあって、前記再生指示入力手段で入力された再生指示情報を前記リモートコントロール指示情報として前記録画再生装置に対して送信する際は、当該携帯電話と対応付けられて録画された前記コンテンツを前記録画再生装置で抽出して再生するために、前記固有情報と共に送信することを特徴とする請求項1記載の携帯電話。
【請求項4】
録画再生装置用のリモートコントロール機能を有する携帯電話によってリモートコントロールされる録画再生装置であって、
録画指示されたコンテンツを録画する録画手段と、
近距離無線通信により前記携帯電話から送信されたリモートコントロール指示情報を受信する無線受信手段と、
前記携帯電話から送信されたリモートコントロール指示情報としての録画指示情報を、録画されるコンテンツを当該携帯電話と対応付けるための固有情報と共に受信した際は、受信した録画指示情報に基づいて、録画指示されたコンテンツを受信した固有情報と対応付けて前記録画手段で録画する録画制御手段と、
を備えることを特徴とする録画再生装置。
【請求項5】
前記携帯電話の操作によって録画指示されたか否かを判別する判別手段を備え、
前記録画制御手段は、前記判別手段で携帯電話の操作によって録画指示されたと判別された場合に、録画指示されたコンテンツを暗号化して前記録画手段で録画し、前記判別手段で携帯電話の操作によらずに録画指示されたと判別された場合に、録画指示されたコンテンツを暗号化しないで前記録画手段で録画することを特徴とする請求項4記載の録画再生装置。
【請求項6】
再生指示されたコンテンツを再生する再生手段と、
前記携帯電話から送信されたリモートコントロール指示情報としての再生指示情報を、前記固有情報と共に受信した際は、前記録画手段で録画されたコンテンツから、受信した固有情報と対応付けられて録画されたコンテンツを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段で抽出されたコンテンツを前記再生手段で再生する再生制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項4記載の録画再生装置。
【請求項7】
前記携帯電話の操作によって再生指示されたか否かを判別する判別手段を備え、
前記再生制御手段は、前記判別手段で携帯電話の操作によって再生指示されたと判別された場合に、前記抽出手段で抽出されたコンテンツが暗号化されていれば暗号化を解除して前記再生手段で再生することを特徴とする請求項6記載の録画再生装置。
【請求項8】
録画再生装置用のリモートコントロール機能を有する携帯電話と前記携帯電話によってリモートコントロールされる録画再生装置とからなる録画システムであって、
前記携帯電話は、
近距離無線通信により前記録画再生装置に対してリモートコントロール指示情報を送信する無線送信手段と、
前記録画再生装置に録画動作させるための録画指示情報を入力する録画指示入力手段と、
前記リモートコントロール機能が指定された状態にあって、前記録画指示入力手段で入力された録画指示情報を前記リモートコントロール指示情報として前記録画再生装置に対して送信する際は、当該録画指示情報に基づいて前記録画再生装置で録画されるコンテンツを当該携帯電話と対応付けるための固有情報と共に送信する送信制御手段と、
を備え、
前記録画再生装置は、
録画指示されたコンテンツを録画する録画手段と、
近距離無線通信により前記携帯電話から送信されたリモートコントロール指示情報を受信する無線受信手段と、
前記携帯電話から送信されたリモートコントロール指示情報としての録画指示情報を、録画されるコンテンツを当該携帯電話と対応付けるための固有情報と共に受信した際は、受信した録画指示情報に基づいて、録画指示されたコンテンツを受信した固有情報と対応付けて前記録画手段で録画する録画制御手段と、
を備えることを特徴とする録画システム。
【請求項9】
録画再生装置用のリモートコントロール機能を有する携帯電話のプログラムであって、
コンピュータに、
近距離無線通信により前記録画再生装置に対してリモートコントロール指示情報を送信する無線送信機能と、
前記録画再生装置に録画動作させるための録画指示情報を入力する録画指示入力機能と、
前記リモートコントロール機能が指定された状態にあって、前記録画指示入力機能で入力された録画指示情報を前記リモートコントロール指示情報として前記録画再生装置に対して送信する際は、当該録画指示情報に基づいて前記録画再生装置で録画されるコンテンツを当該携帯電話と対応付けるための固有情報と共に送信する送信制御機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
録画再生装置用のリモートコントロール機能を有する携帯電話によってリモートコントロールされる録画再生装置のプログラムであって、
コンピュータに、
録画指示されたコンテンツを録画する録画機能と、
近距離無線通信により前記携帯電話から送信されたリモートコントロール指示情報を受信する無線受信機能と、
前記携帯電話から送信されたリモートコントロール指示情報としての録画指示情報を、録画されるコンテンツを当該携帯電話と対応付けるための固有情報と共に受信した際は、受信した録画指示情報に基づいて、録画指示されたコンテンツを受信した固有情報と対応付けて前記録画機能で録画する録画制御機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−102449(P2013−102449A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−272548(P2012−272548)
【出願日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【分割の表示】特願2010−250811(P2010−250811)の分割
【原出願日】平成16年3月23日(2004.3.23)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】