端末装置
【課題】多様な入力操作に対応可能な端末装置を提供する。
【解決手段】装置前面側にタッチパネル、装置後面側にタッチパッド26を配置した裏面操作面28を備える携帯端末装置あるいはゲーム装置において、裏面操作面28に特定領域40および検出領域A〜Dを予め設定する。ユーザ操作に対応して、特定領域40から検出領域A〜Dへのドラッグ操作が検出されると、その検出領域A〜Dに対応し、メニュー表示等の予め設定された処理が実行される。
【解決手段】装置前面側にタッチパネル、装置後面側にタッチパッド26を配置した裏面操作面28を備える携帯端末装置あるいはゲーム装置において、裏面操作面28に特定領域40および検出領域A〜Dを予め設定する。ユーザ操作に対応して、特定領域40から検出領域A〜Dへのドラッグ操作が検出されると、その検出領域A〜Dに対応し、メニュー表示等の予め設定された処理が実行される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルを有する携帯型の端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2003−330611号公報には、機器の表面と裏面とに表示パネルとタッチセンサとをそれぞれ設け、タッチセンサに対するユーザの指接触位置を表示パネルに表示し、指接触位置と表示パネルの操作ボタン表示とが重なったときに、その操作ボタンに対応する処理を実行する入力装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−330611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の入力装置は、表示パネルの操作ボタンへの操作入力を裏面のタッチセンサから間接的に行うものであり、操作入力の幅が広がるものではない。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、入力操作性が良好であり、且つ多様な操作入力に対応可能な端末装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の端末装置は、装置本体と、装置本体の前面側に配置されるパネル表示面と、パネル表示面に対する押下操作を検出する第1入力検出手段と、装置本体の後面側に配置される裏側操作面と、裏側操作面に対する押下操作を検出する第2入力検出手段と、裏側操作面に検出領域を設定する領域設定手段と、第2入力検出手段が検出領域への所定の押下操作を検出したとき、この検出領域に対応して予め設定された処理を実行する処理実行手段と、を備える。第2入力検出手段は、裏側操作面でのドラッグ操作を検出する。裏側操作面は、特定領域を有する。領域設定手段は、特定領域を除く領域に検出領域を設定する。特定領域から検出領域へのドラッグ操作を第2入力検出手段が検出したとき、処理実行手段は、この検出領域に対応して予め設定された処理を実行する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、入力操作性が良好であり、且つ多様な操作入力に対応させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係る端末装置を示す外観斜視図であり、(a)は前面側を、(b)後面側をそれぞれ示している。
【図2】端末装置の主要部の概略的なシステム構成の一例を示すブロック図である。
【図3】端末装置の主要部の概略的なソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】端末装置の使用状態を示す斜視図である。
【図5】第1の領域設定パターンの一例を示す図である。
【図6】第1の領域設定パターンの他の例を示す図である。
【図7】第1の領域設定パターンのさらに他の例を示す図である。
【図8】第2の領域設定パターンを示す図である。
【図9】第3の領域設定パターンを示す図である。
【図10】ガイド画面対応領域を加えた領域設定パターンの一例を示す図である。
【図11】ガイド画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。本実施形態は、本発明の例示であり、本発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更可能である。
【0010】
本実施形態は、図1(a)、(b)に示すように、携帯型の端末装置1である。
【0011】
<端末装置の外観構成>
端末装置1は、矩形板形状の装置本体2と、装置本体2の前面上に配置されるパネル表示面3と、装置本体2の後面(背面)上に配置されるタッチパッド26とを備える。このほか、端末装置1は、スピーカ15及びマイクロフォン16(図2に示す)や、図示しない赤外線ポート、USB端子、外部メモリ収容部、充電用端子、電源スイッチ等を備えている。外部メモリ収容部には、メモリスティックやメモリカードなどの外部メモリ21(図2に示す)が収容される。ユーザは、パネル表示面3がユーザ側を向いた状態で、短辺側又は長辺側の両側部を左右の手によって把持して端末装置1を使用する。短辺側が把持される場合(図5に示す)を横持ち使用態様と称し、長辺側が把持される場合を縦持ち使用態様と称する。
【0012】
<端末装置のシステム構成>
図2を参照して、端末装置1のシステム構成について説明する。図2は、端末装置1の主要部の概略的なシステム構成の一例を示すブロック図である。
【0013】
端末装置1は、制御部11、出力インターフェース12、入力インターフェース13、バックライト14、上記スピーカ15、上記マイクロフォン16、記憶部17、GPSユニット18、無線ユニット19、外部入力端子インターフェース20等を備えている。
【0014】
記憶部17は、RAM(Random Access Memory)からなるメインメモリと、ROM(Read Only Memory)とを備えている。
【0015】
制御部11は、中央演算処理装置(CPU:Central Processing Unit)及びその周辺装置等からなるメイン制御部と、フレームバッファに描画を行う画像処理装置(GPU:Graphic Processing Unit)等からなる画像制御部と、楽音、効果音等を発生する音声処理装置(SPU:Sound Processing Unit)等からなる音声制御部などから構成されている。
【0016】
メイン制御部は、CPUと、割り込み制御やダイレクトメモリアクセス(DMA:Direct Memory Access)転送の制御等を行う周辺装置制御部を備えている。
【0017】
音声制御部は、メイン制御部の制御の下、楽音、効果音等を発生するSPUと、SPUにより、波形データ等が記録されるサウンドバッファとを備え、SPUによって発生される楽音、効果音等がスピーカ15から出力される。SPUは、例えば16ビットの音声データを4ビットの差分信号として適応予測符号化(ADPCM:Adaptive Differential PCM)された音声データを再生するADPCM復号機能と、サウンドバッファに記憶されている波形データを再生することにより、効果音等を発生する再生機能と、サウンドバッファに記憶されている波形データを変調させて再生する変調機能等を備えている。また、SPUは、マイクロフォン16から供給された音声データをCPUに供給する機能を備えている。マイクロフォン16は、外部からの音声が入力されると、所定のサンプリング周波数と量子化ビット数によるA/D変換等を施して、SPUに音声データを供給する。
【0018】
画像制御部は、ジオメトリトランスファエンジン(GTE:Geometry Transfer Engine)と、GPUと、フレームバッファと、画像デコーダとを備えている。GTEは、例えば複数の演算を並列に実行する並列演算機構を備え、上記CPUからの演算要求に応じて座標変換、光源計算、行列あるいはベクトルなどの演算を高速に行う。そして、メイン制御部は、GTEによる演算結果に基づいて3角形や4角形などの基本的な単位図形(ポリゴン)の組合せとして3次元モデルを定義して3次元像を描画するための各ポリゴンに対応する描画命令をGPUに送る。GPUは、メイン制御部からの描画命令に従って、フレームバッファに対して多角形(ポリゴン)等の描画を行う。フレームバッファは、GPUにより描画された画像を記憶する。このフレームバッファは、所謂デュアルポートRAMからなり、GPUからの描画あるいは記憶部17のメインメモリからの転送と、表示のための読み出しとを同時に行うことができる。また、このフレームバッファには、ビデオ出力として出力される表示領域の他に、GPUがポリゴン等の描画を行う際に参照するカラールックアップテーブル(CLUT:Color Lock Up Table)が記憶されるCLUT領域と、描画時に座標変換されてGPUによって描画されるポリゴン等の中に挿入(マッピング)される素材(テクスチャ)が記憶されるテクスチャ領域が設けられている。これらのCLUT領域とテクスチャ領域は、表示領域の変更等に従って動的に変更される。画像デコーダは、メイン制御部からの制御により、記憶部17のメインメモリに記憶され離散コサイン変換等の直交変換により圧縮されて符号化された静止画あるいは動画の画像データを復号してメインメモリに記憶させる。
【0019】
記憶部17のROMには、端末装置1の各部を制御するためのオペレーティングシステム等のプログラムが記憶されている。制御部11のCPUは、ROMに記憶されているオペレーティングシステムを記憶部17のメインメモリに読み出し、読み出したオペレーティングシステムを実行することにより、この端末装置1の全体を制御する。更に、ROMには、端末装置1の各部や端末装置1に接続される各種周辺機器を制御するための制御プログラムや、映像コンテンツを再生するための映像再生プログラムや、ゲームを行う機能をCPUに実現させるためのゲームプログラムなどの各種プログラムが格納されている。
【0020】
記憶部17のメインメモリには、CPUがROMから読み出したプログラムや、各種プログラムの実行の際に用いられるデータ等の各種データが記憶される。
【0021】
GPSユニット18は、制御部11の制御の下、人工衛星が発信する電波を受信し、これを用いて端末装置1の位置情報(緯度・経度・高度など)を求めて制御部11へ出力する。
【0022】
無線通信部ユニット19は、制御部11の制御の下、赤外線ポートを介して他の端末装置と無線通信を行う。
【0023】
外部入力端子インターフェース20は、USB端子とUSBコントローラとを備え、USB端子を介して外部機器との間でUSB接続が行われる。
【0024】
上記外部メモリ収容部に収容された外部メモリ21は、図示しないパラレルI/Oインターフェース(PIO)及びシリアルI/Oインターフェース(SIO)とを介して制御部11に接続される。
【0025】
出力インターフェース12は、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)22とLCDコントローラ23とを備えている。LCD22は、LCDパネルやドライバ回路などをモジュール化したものである。LCDコントローラ23は、制御部11のフレームバッファから出力された画像データを一時的に格納するRAMを内蔵し、制御部(メイン制御部)11からの制御により、RAM内の画像データを所定のタイミングで読み出して、LCD22へ出力する。
【0026】
入力インターフェース13は、タッチパネル24とタッチパネルコントローラ25とタッチパッド26とタッチパッドコントローラ27とを備えている。本実施形態のタッチパネル24とタッチパッド26とは、ともに抵抗膜方式が採用されている。
【0027】
タッチパネル24は、透明電極が成膜された複数の電極シートを、電極面を対向させて一定の間隔を空けて配置した構造を有し、LCD22(LCDパネル)の表示画面上に配置されている。タッチパネル24の表面(外面)24aは、ユーザの指(主に親指)やペン等からの押下操作を受けるパネル表示面3を構成し、パネル表示面3がユーザの指やペン等で押圧される(押下操作される)と、タッチパネル24の電極シート同士が接触し、各電極シート上の抵抗値が変化する。タッチパネルコントローラ25は、各電極シート上の抵抗変化を検出することにより、押圧された位置(操作入力位置)を座標値(平面座標値又は極座標値)として検出するとともに、座標値に対応する押圧強さを抵抗値の変化量の大きさ(絶対値)として検出し、その座標値及び変化量の大きさを前面側の操作入力情報(操作信号)として制御部11に出力する。なお、1つの操作入力は、所定の範囲内において波形状に変化してピーク値を有する抵抗値の集合として検出され、タッチパネルコントローラ25は、このような抵抗値の集合を検出した場合、そのピーク値での変化量の大きさと座標値とを、1つの操作入力の操作入力情報として制御部11に出力する。また、タッチパネルコントローラ25は、抵抗値の集合が移動しているか否かを判定し、抵抗値の集合が移動していると判定した場合、移動後の操作入力情報を制御部11に出力する際に、2つ操作入力情報が連続的に実行された操作入力(ドラッグ操作)であることを判別可能に(例えば、移動の前後の操作入力情報に同一の識別情報を付して)出力する。すなわち、入力インターフェース13は、パネル表示面3に対するユーザからの押下操作を検出する第1入力検出手段として機能する。また、入力インターフェース13(タッチパネル24)は、パネル表示面3上の複数の位置での押下操作を同時に検出可能な所謂マルチタッチパネル(マルチタッチスクリーン)であり、ユーザは、複数の指でパネル表示面3を押下することにより、複数の操作入力位置に対して同時に操作入力を行うことができる。
【0028】
タッチパネル24は、透明な薄板形状を有し、LCD22の表示画面上に密接して配置されている。このため、LCD22の表示画面上の画像は、タッチパネル24を透過してパネル表示面3から容易に視認可能であり、LCD22とタッチパネル24とは、表示手段を構成している。また、タッチパネル24を介してパネル表示面3上に見えるLCD22の画像の位置(見かけ上の位置)と、LCD22の表示画面上の画像の位置(実際の位置)とは、殆どずれることなく一致する。
【0029】
タッチパッド26も、タッチパネル24と同様に、透明電極が成膜された複数の電極シートを、電極面を対向させて一定の間隔を空けて配置した構造を有する。タッチパッド26の表面(外面)は、ユーザの指(主に、人差し指と中指)等からの押下操作を受ける裏側操作面28を構成し、裏側操作面28がユーザの指等で押圧される(押下操作される)と、タッチパッド26の電極シート同士が接触し、各電極シート上の抵抗値が変化する。タッチパッドコントローラ27は、各電極シート上の抵抗変化を検出することにより、押圧された位置(操作入力位置)を座標値(平面座標値又は極座標値)として検出するとともに、座標値に対応する押圧強さを抵抗値の変化量の大きさ(絶対値)として検出し、その座標値及び変化量の大きさを後面側の操作入力情報(操作信号)として制御部11に出力する。なお、1つの操作入力は、所定の範囲内において波形状に変化してピーク値を有する抵抗値の集合として検出され、タッチパッドコントローラ27は、このような抵抗値の集合を検出した場合、そのピーク値での変化量の大きさと座標値とを、1つの操作入力の操作入力情報として制御部11に出力する。また、タッチパッドコントローラ27は、抵抗値の集合が移動しているか否かを判定し、抵抗値の集合が移動していると判定した場合、移動後の操作入力情報を制御部11に出力する際に、2つ操作入力情報が連続的に実行された操作入力(ドラッグ操作)であることを判別可能に(例えば、移動の前後の操作入力情報に同一の識別情報を付して)出力する。すなわち、入力インターフェース13は、裏側操作面28に対するユーザからの押下操作を検出する第2入力検出手段として機能する。また、入力インターフェース13(タッチパッド26)は、裏側操作面28上の複数の位置での押下操作を同時に検出可能な所謂マルチタッチクリーンであり、ユーザは、複数の指で裏側操作面28を押下することにより、複数の操作入力位置に対して同時に操作入力を行うことができる。
【0030】
なお、タッチパネル24及びタッチパッド26は、上記抵抗膜方式に限定されるものではなく、パネル表示面に対するユーザの指からの押下操作を検知するとともに、押下操作された位置を検出する機能を有するものであればよい。例えば、抵抗膜方式に代えて、静電容量方式、画像認識方式、光学方式など、様々なタイプの入力インターフェースを用いることができる。静電容量方式では、タッチパネルの表面全体に低圧の電界を形成し、タッチパネルに指が接触した際の表面電荷の変化を検出することにより、操作入力位置を検出する。画像認識方式では、LCDの表示画面の近傍に配置された複数のイメージセンサによってLCDの表示画面に接触する指などの画像を撮像し、撮像画像を解析することにより、操作入力位置を検出する。また、光学方式では、LCDの表示画面を囲む周壁のうち縦壁の一方と横壁の一方とに発光体を配置し、縦壁の他方と横壁の他方とに受光部を配置し、表示画面に接触する指によって遮られた光の縦横位置を検出することにより、操作入力位置を検出する。すなわち、画像認識方式や光学式では、タッチパネルを設ける必要がなく、LCDの画像表示面がユーザからの押下操作を受けるパネル表示面となる。
【0031】
また、図2では、タッチパネルコントローラ25とタッチパッドコントローラ27とを別々に表示しているが、両者を1つのコントローラとして構成してもよい。
【0032】
バックライト14は、LCD22(LCDパネル)の裏面側に配置され、制御部11の制御の下、LCD22の裏面側から表面側に向かって光を照射する。なお、バックライト14は、LCDコントローラ23からの制御に応じて光を照射してもよい。
【0033】
<端末装置のソフトウェア構成>
図3を参照して、端末装置1のソフトウェア構成について説明する。図3は、端末装置1の主要部の概略的なソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0034】
装置端末1のソフトウェア構成では、下位側からデバイスドライバ層、フレームワーク層、デバイス用ミドルウェア層、アプリケーション層が規定されている。
【0035】
デバイスドライバ層は、制御部11と、制御部11に接続されているハードウェアとを動作させるためのソフトウェアである。例えば、オーディオ変換モジュールを動作させるためのデバイスドライバや、LCDを動作させるためのLCDドライバや、バックライトドライバを動作させるためのドライバなどが適宜含まれる。
【0036】
フレームワーク層は、アプリケーションプログラムに対して汎用的な機能を提供するとともに、デバイスドライバによって動作される各種資源を管理するソフトウェアである。フレームワーク層は、例えば、後述するミドルウェア層又はアプリケーション層において実行されるいずれかのアプリケーションプログラムが発生した命令をデバイスドライバに伝える。また、フレームワーク層は、記憶部17や外部メモリ21とのデータの入出力や、タッチパネル24からの操作入力やLCD22への画面出力といった入出力機能の管理など、多くのアプリケーションソフトから共通して利用される基本的な機能を提供し、システム全体を管理する。
【0037】
ミドルウェア層は、フレームワーク上で動作し、アプリケーションプログラムに対してフレームワークよりも高度で具体的な機能を提供するソフトウェアであるミドルウェアで構成されている。ここでは、ミドルウェアとして、スピーカ15からの出力音声を合成する技術の基本的な機能を提供するための音声合成ミドルウェア、マイクロフォン16から入力された音声を認識する技術の基本的な機能を提供するための音声認識ミドルウェア、タッチパネル24及びタッチパッド26から操作入力を検出する技術の基本的な機能を提供するためのマルチタッチ検出ミドルウェア、及びLCD22へ映像を出力する技術の基本的な機能を提供するための映像出力ミドルウェアなどが用意されている。
【0038】
最上位層のアプリケーション層では、各種のアプリケーションプログラムが実行される。端末装置1においては、例えば、コミュニケーションアプリケーション、ウェブブラウザ、ファイル交換アプリケーション、オーディオプレイヤ、楽曲検索アプリケーション、ミュージックストリーミング、録音ツール、フォトビューア(Photo Viewer)、テキストエディタ(Text Editor)、ゲームアプリケーションなどの個別のアプリケーションや、メニュー表示ツール、セッティングツールなどに加えて、これらのアプリケーションソフトウェアを管理するアプリケーションマネージャと、開発環境が用意されている。
【0039】
<操作入力に関する機能的構成>
上記システム構成及びソフトウェア構成を備えた端末装置1の制御部11が操作入力管理プログラムを実行することによって実現される操作入力管理処理に関する構成について説明する。操作入力管理処理は、タッチパネル24からの操作入力情報に応じた前面側入力管理処理と、タッチパッド26からの操作入力情報に応じた後面側入力管理処理とを含む。なお、操作入力管理プログラムは、単独のアプリケーションとして記憶部17に記憶されていてもよく、またゲームアプリケーションなどの個々のアプリケーションに含まれた状態で記憶部17や外部メモリ21に記憶されていてもよい。また、操作入力管理プログラムが単独のアプリケーションとして記憶されている場合、他のアプリケーションの管理の下に操作入力管理プログラムを実行してもよい。なお、以下において、特に説明しない限り、操作入力管理処理に伴って制御部11が実行する処理をメイン処理と称する。
【0040】
<前面側入力管理処理の説明>
前面側入力管理処理において、制御部11は、予め記憶された複数の入力表示パターンの中から一つの入力表示パターンを特定し、特定した入力表示パターンに応じて、操作入力位置を示す複数の入力位置表示アイコン30をパネル表示面3の所定位置に表示させる。複数の入力表示パターンとしては、例えば、ゲームの実行に適したゲームボタン表示パターン(図1に示す)や、メールなどの作成時の文字入力に適したキーボード表示パターンや、音楽データの入力に適した鍵盤表示パターンなどが設定されている。
【0041】
パネル表示面3のうち入力位置表示アイコン30が表示されていない領域は、メイン処理による出力画像が表示されるメイン表示領域(例えば、ゲームアプリケーションの場合、ゲーム画面の表示領域)37となる。入力表示パターンによってメイン表示領域37の大きさや上下方向が相違するため、制御部11は、特定した入力表示パターンに応じてメイン表示領域37に表示する画像の方向や大きさを適宜変更する。
【0042】
例えば、ゲームボタン表示パターンでは、図1に示すように、横持ち使用態様におけるパネル表示面3の左側領域に、上方向キーアイコン31U、下方向キーアイコン31D、左方向キーアイコン31L、及び右方向キーアイコン31Rが、パネル表示面3の右側領域に、〇ボタンアイコン32A、△ボタンアイコン32B、□ボタンアイコン32C、×ボタンアイコン32Dが、入力位置表示アイコン30として表示される。各ボタンアイコン31U,31D,31L,31R,32A,32B,32C,32Dには、そのボタンを特定する印(例えば、上方向キーアイコン31Uでは上矢印、〇ボタンアイコン32Aでは○印)が合わせて表示される。
【0043】
制御部11は、操作入力管理処理の開始直後に予め設定された入力表示パターンを特定し、その後のユーザからの操作入力に応じて1つの入力表示パターンを特定してもよく、実行するメイン処理(例えば、ゲームアプリケーション)に応じて所定の1つの入力表示パターンを特定してもよい。
【0044】
また、制御部11は、ユーザが選択可能な入力表示パターンを、実行するメイン処理に応じて制限する。例えば、実行するメイン処理が音楽データの入力を必要とせず、且つメイン表示領域37として広い領域が必要なゲームアプリケーションの場合、鍵盤表示パターンの選択を禁止する。
【0045】
制御部11は、ある入力表示パターンを表示した状態で、入力インターフェース13から前面側の操作入力情報を受信すると、その操作入力情報が示す座標位置が入力位置表示アイコン30の表示領域に対応した位置(操作入力位置)であるか否かを判定し、対応している場合には、ユーザから所定の操作入力が行われたと判断し、その入力位置表示アイコン30に対して予め対応付けられた制御信号を、メイン処理に対して供給する。なお、上記操作入力位置の範囲は、入力位置表示アイコン30の表示領域の全域であってもよく、その一部であってもよい。また、メイン処理がドラッグ操作に対応し、且つドラッグ操作が検出された場合、ドラッグ操作を示す制御信号がメイン処理に対して出力される。
【0046】
<後面側入力管理処理の説明>
後面側入力管理処理において、制御部11は、予め記憶された複数の領域設定パターンの中から一つの領域設定パターンを特定し、特定した領域設定パターンに応じて、裏側操作面28に少なくとも1つの検出領域を設定する。制御部11は、1つの領域設定パターンを設定すると、検出領域への操作入力に対して予め対応付けられた処理を実行する。すなわち、制御部11は、裏側操作面28に検出領域を設定する領域設定手段として機能するとともに、入力インターフェース13が検出領域への所定の押下操作を検出したとき、その検出領域に対応して予め設定された処理を実行する処理実行手段として機能する。
制御部11がタッチパッド26を介して検出可能な操作入力は、単純な接触(タッチ操作)と、接触したまま接触位置を移動させるドラッグ操作と、一瞬触って直ぐに離すタップ操作等である。タッチパッドコントローラ27から入力する押圧強さ(抵抗値の変化量の大きさ)が所定の閾値を超えており、且つ所定の範囲内において所定の閾値を超えた押圧強さが所定時間以上連続して入力されている場合、制御部11は、当該操作入力をタッチ操作として検出する。タッチパッドコントローラ27から入力する押圧強さが所定の閾値を超えた状態で所定距離以上移動している場合、制御部11は、ドラッグ操作として検出する。タッチパッドコントローラ27から入力する押圧強さが所定の閾値を超えており、且つ所定の設定時間以内に押圧強さが所定の閾値以下となった場合、制御部11は、当該操作入力をタップ操作として検出する。また、ドラッグ操作の検出において、制御部11は、入力される操作入力位置に基づいて、ドラッグ方向とドラッグ距離とを検出する。
【0047】
制御部11は、操作入力管理処理の開始直後に予め設定された領域設定パターンを特定し、その後のユーザからの操作入力に応じて1つの領域設定パターンを特定してもよく、実行するメイン処理(例えば、ゲームアプリケーション)や、パネル表示面3に表示される入力表示パターンに応じて所定の1つの領域設定パターンを特定してもよい。また、制御部11は、パネル表示面3等に対するユーザからの所定の操作入力に応じて、タッチパッド26への操作入力を無効とする裏面側操作入力無効状態を設定してもよい。
【0048】
次に、制御部11によって設定される領域設定パターンと、それに対応して制御部11が実行する処理の例を説明する。なお、以下の裏側操作面28の説明における左右方向は、裏側操作面28を見た状態での左右方向であり、ユーザが端末装置1を把持した使用状態でのユーザの左右方向とは逆である。すなわち、裏側操作面28の左側は、ユーザの右手によって把持され、右側は、ユーザの左手によって把持される。
【0049】
<第1の領域設定パターン>
第1の領域設定パターンの一例を図5に示す。第1の領域設定パターンでは、複数の検出領域(本例では4箇所の検出領域A〜D)と、検出領域A〜Dのそれぞれに隣接する特定領域40とが設定される。特定領域40は、アクティベーション領域(認定領域)として機能し、特定領域40から検出領域A〜Dの1つへのドラッグ操作を検出したとき、制御部11は、検出領域A〜Dに対応した所定の処理を実行する。なお、複数の操作入力が検出された場合、制御部11は、検出した全ての操作入力を無効とする。
【0050】
図5に示す例では、横持ち使用態様での裏側操作面28の中央部分に菱形状の特定領域40が設定され、特定領域40の外側の左上部と右上部と左下部と右下部とに、それぞれ検出領域A〜Dが設定される。すなわち、検出領域A〜Dの間には、特定領域40が必ず介在し、裏面操作面28への接触を維持したまま1つの検出領域から他の検出領域へ移動(スライド)する指は、その移動の途中で特定領域40に必ず接触する。なお、特定領域40は、複数の検出領域A〜Dのそれぞれと隣接していればよく、例えば、図6に示すように検出領域同士が完全に離間する配置や、図7に示すように検出領域同士が隣接する配置であってもよい。
【0051】
第1の領域設定パターンは、パネル表示面3におけるアプリケーションウィンドウの切り替えやフォルダの階層表示などのように、予め階層状に設定された情報をパネル表示面3に表示させる場合に好適に用いられる。制御部11は、各階層に含まれる複数の情報と検出領域A〜Dとを、所定の規則に従ってそれぞれ対応付ける。本実施形態では、各階層における情報の設定順序に従って検出領域A〜Dが対応付けられる。具体的には、設定順序が1番目の情報には検出領域Aが、2番目の情報には検出領域Bが、3番目の情報には検出領域Cが、4番目の情報には検出領域Dがそれぞれ対応付けられる。特定領域40から検出領域A〜Dの1つへのドラッグ操作を検出したとき、制御部11は、検出領域A〜Dに対応した情報を選択し、その情報をパネル表示面3に表示する。また、上記ドラッグ操作の後に、ユーザが検出領域A〜Dから指を離すと、制御部11は、ドラッグ操作によって選択された情報を保持し、パネル表示面3の表示を確定画面として維持する。この状態で、ユーザは、パネル表示面3への操作入力を行うことによって、所望の処理を制御部11に実行させることができる。また、特定領域40を指でタップすると(特定領域40へのタップ操作を検出すると)、制御部11は、確定画面の表示を終了する(確定画面を閉じる)。
【0052】
例えば、検出領域Aにメインメニューが対応付けられ、他の検出領域B〜Dにはそれぞれ他の情報が対応付けられ、メインメニューの下層に4つのサブメニューが所定の順序で並列に設定されている場合、ユーザが特定領域40に指を置き、検出領域Aへスライドさせることにより、制御部11は、メインメニューの起動処理を実行し、メインメニューの内容をパネル表示面3に表示する。この状態から、ユーザが特定領域40へ指を戻し、検出領域A〜Dの中の1つへスライドさせると、制御部11は、移動先の検出領域A〜Dに対応するサブメニュー(移動先が検出領域Aの場合は1番目のサブメニュー、検出領域Bの場合は2番目のサブメニュー、検出領域Cの場合は3番目のサブメニュー、検出領域Dの場合は4番目のサブメニュー)の内容をパネル表示面3に表示する。さらに、各サブメニューの下層に表示可能な情報が順次設定されている場合、ユーザは、同様の操作入力を繰り返すことによって、さらに深い下層の情報をパネル表示面3に表示させることができる。
【0053】
また、フォルダが階層状に設定されている場合も上記と同様であり、ユーザが特定領域40から検出領域A〜Dの中の1つへのスライドを繰り返すことによって、深い階層のフォルダの内容を表示させることができる。
【0054】
このように、第1の領域設定パターンを使用することによって、ユーザは、階層状に設定された情報の中から所望の情報を簡単な操作によって表示させることができる。
【0055】
<第1の領域設定パターンの変形例>
上記第1の領域設定パターンでは、特定領域40を、検出領域A〜Dと同様にユーザからの操作入力を検出し、その検出結果を反映させる反応領域として設定したが、特定領域40を、ユーザからの操作入力を検出しない又は検出を無効とする無反応領域として設定してもよい。この場合、特定領域40から検出領域A〜Dへのスライドは、特定領域40と検出領域A〜Dとの境界から検出領域A〜Dの内側へのドラッグ操作によって検出される。
【0056】
さらに、特定領域を、無反応領域の中央部分に配置される反応領域として設定してもよい。この場合、特定領域から検出領域A〜Dへのスライドは、特定領域でのタッチ操作と、無反応領域と検出領域A〜Dとの境界から検出領域A〜Dの内側へのドラッグ操作とによって検出される。
【0057】
<第2の領域設定パターン>
第2の領域設定パターンの一例を図8に示す。第2の領域設定パターンでは、1つの検出領域41が設定されている。パネル表示面3に進行表示及び後退表示が可能な画像が表示された状態において、検出領域41での所定方向に沿ったドラッグ操作を検出したとき、制御部11は、パネル表示面3に表示している画像を進行又は後退させて表示する。また、画像の進行速度及び後退速度(所定方向に沿ったドラッグ操作の単位移動距離に対する進行量及び後退量)は、所定方向と直交する方向におけるドラッグ操作の入力位置(座標値)に応じて予め設定され、制御部11は、所定方向と直交する方向におけるドラッグ操作の入力位置に応じた速度で画像を進行又は後退させる。進行表示及び後退表示が可能な画像には、スクロール可能な画面や動画などが含まれる。スクロール可能な画面の場合、画像を進行又は後退させる速度はスクロール速度に対応し、動画の場合、画像を進行又は後退させる速度は動画のシーク量に対応する。なお、複数の操作入力が検出された場合、制御部11は、検出した全ての操作入力を無効とする。
【0058】
図12に示す例では、横持ち使用態様での裏側操作面28のほぼ全域に、上記所定方向を上下方向とする検出領域41が設定される。また、ドラッグ操作の入力位置が、右側であるほど画像の進行速度及び後退速度が速く、左側であるほど画像の進行速度及び後退速度が遅くなるように、入力位置に対する速度が設定されている。下方へのドラッグ操作によって画像が進行し、上方へのドラッグ操作によって画像が後退する。
【0059】
第2の領域設定パターンを用いて画面(例えば、漫画や小説などが表示された画面)をスクロールする場合、ユーザは、検出領域41に指を置き、上方又は下方へスライドさせる。また、スクロール速度を速くしたいときほど右側でスライドさせ、遅くしたいときほど右側でスライドさせる。検出領域41でのドラッグ操作を検出した制御部11は、ドラッグ操作の入力位置に応じた速度で、ドラッグ方向に応じた方向に画面をスクロール表示する。なお、斜め方向にスライドさせることによって、スクロール速度を徐々に速く(又は遅く)させることも可能である。
【0060】
また、動画の再生時において、第2の領域設定パターンを用いた操作入力を行うことにより、ユーザは、スクロールの場合と同様に、動画のシーク量を増減させて早送りや巻き戻しを行うことができる。
【0061】
このように、第2の領域設定パターンを使用することによって、ユーザは、画像の進行又は後退表示を、無段階に変更可能な所望速度によって簡単に行うことができる。
【0062】
<第3の領域設定パターン>
第3の領域設定パターンの一例を図9に示す。第3の領域設定パターンでは、3つの検出領域(検出領域42及び検出領域E,F)が設定されている。パネル表示面3に進行表示及び後退表示が可能な画像が表示された状態において、検出領域42での所定方向に沿ったドラッグ操作を検出したとき、制御部11は、パネル表示面3に表示している画像を進行又は後退させて表示する。また、制御部11は、所定方向に沿った所定距離以上のドラッグ操作を検出した場合、同方向へのドラッグ操作に対応する画像の進行速度又は後退速度(所定方向に沿ったドラッグ操作の単位移動距離に対する進行量及び後退量)を変更する。制御部11は、所定方向に沿った所定距離以上のドラッグ操作を検出した後、所定時間以内に同方向へのドラッグ操作を再度検出した場合には、変更された速度で画像を進行又は後退させ、所定時間に達しても同方向へのドラッグ操作を再度検出しない場合には、変更前の速度に戻す。なお、画像の進行速度又は後退速度の変更は、高速化及び低速化の何れであってもよいが、本実施形態では、高速化する場合について説明する。また、進行表示及び後退表示が可能な画像には、スクロール可能な画面や動画などが含まれるが、本実施形態では、動画の場合について説明する。また、複数の操作入力が検出された場合、制御部11は、検出した全ての操作入力を無効とする。
【0063】
図9に示す例では、横持ち使用態様での裏側操作面28の上側半分の領域に、上記所定方向を左右方向とする検出領域42が設定される。左方向へのドラッグ操作によって動画が早送りされ、右方向へのドラッグ操作によって動画が巻き戻される。また、裏側操作面28の下側半分の領域は、左右に分割され、その左側の領域に検出領域Eが設定され、右側の領域に検出領域Fが設定される。
【0064】
第3の領域設定パターンを用いて動画を再生する場合、動画の再生前又は動画の再生中に、検出領域Eでのタップ操作を検出すると、制御部11は、パネル表示面3に再生可能な動画の一覧画面を表示する。このとき、動画を再生している場合には、動画の再生を一時停止する。動画の一覧画面が表示された状態で、検出領域Eでのドラッグ操作を検出すると、制御部11は、検出したドラッグ操作に応じて、動画の一覧画面内にカーソルアイコンを移動表示する。ユーザは、カーソルアイコンを見ながらドラッグ操作を行い、再生したい動画にカーソルアイコンを合わせ、かかる状態でタップ操作を行う。このタップ操作によって再生する動画が特定され、制御部11は、動画の再生を開始する。また、再生可能な動画の一覧画面が表示された状態で、検出領域Fでのタップ操作を検出すると、制御部11は、一覧画面の表示を終了し、一時停止中の動画がある場合には、その動画の再生を再開し、一時停止中の動画がない場合には、その旨をパネル表示面3に表示する。
【0065】
また、動画の再生中に、検出領域での左右方向に沿ったドラッグ操作を検出すると、制御部11は、ドラッグ方向に応じた方向に動画をシークさせ、早送り又は巻き戻した後、動画を再生する。ユーザは、同方向への所定距離以上のスライドを繰り返して行うことにより、ドラッグ操作の単位移動距離に対するシーク量を徐々に増大させて、早送り又は巻き戻しの速度を速めることができる。
【0066】
<ガイド表示対応領域を含む領域設定パターン>
ガイド表示対応領域を含む領域設定パターンの一例を図10に示す。この例は、上記第1の領域設定パターンにガイド表示対応領域43を加えたものであり、裏側操作面28の周縁部のうち四隅の部分にガイド表示対応領域43が設定されている。なお、裏側操作面28の周縁部のうちガイド表示対応領域43を除く領域44は、無反応領域である。また、検出領域A〜Dと特定領域40とは、裏側操作面28の周縁部の内側に設定されている。また、他の領域設定パターンにガイド表示態様領域43を加えてもよい。
【0067】
制御部11は、ガイド表示対応領域43でのタップ操作を検出すると、検出領域A〜D及び特定領域40の配置を示すガイド画面45(図11に示す)をパネル表示面3に表示し、ガイド表示対応領域43でのタップ操作を再度検出すると、ガイド画面45の表示を終了する(ガイド画面45を閉じる)。なお、図11のガイド画面45は、パネル表示面3に表示される状態を表しているため、検出領域A,Cと検出領域B,Dの左右の位置関係が相違している。
【0068】
ユーザは、ガイド画面対応領域43へのタップ操作によって、ガイド画面45を表示させ、ガイド画面45を見ながら裏側操作面28への操作入力を行うことができる。
【0069】
また、ガイド画面対応領域43は、操作端末1の四隅の近傍にそれぞれ配置されるため、ユーザはガイド画面対応領域43の位置を指先の触感によって容易に把握することができる。
【0070】
[変形例1]
第1の領域設定パターンを、ゲームの実行中に頻繁に使用される複数のウインドウ(例えば、武器のステータスを表示するウインドウやゲームに参加中のメンバーを表示するウインドウなど)の表示に適用してもよい。ゲーム中に使用される複数のウインドウのうち武器のステータスを表示するウインドウの設定順序が1番目の場合、ゲームを実行中のユーザは、特定領域40から検出領域Aへのドラッグ操作を行うことによって、武器のステータスを表示するウインドウを表示させることができ、その表示中にタッチパネル24に対して所定の操作入力を行うことによって、設定を変更することができる。
【0071】
[変形例2]
第2の領域設定パターンの検出領域41と第3の領域設定パターンの検出領域42とを組み合わせた検出領域を設定してもよい。
【0072】
[変形例3]
上記実施形態では、単一の筐体から構成される端末装置1の前面と後面とにタッチパネル24とタッチパッド26とを設けた場合を説明したが、スライド自在に連結された2つの部材によって端末装置が構成される場合、一方の部品の前面にタッチパネル24を設け、他方の部品の後面にタッチパッド26を設ければよい。
【0073】
上述の実施形態の説明は本発明の一例であり、本発明は上述の各実施形態に限定されることはなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、上述の実施形態以外であっても種々の変更が可能であることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、タッチパネルを有する端末装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0075】
1・・・端末装置、2・・・装置本体、3・・・パネル表示面、11・・・制御部、12・・・出力インターフェース、13・・・入力インターフェース、22・・・LED、24・・・タッチパネル、26・・・タッチパッド、28・・・裏側操作面、40・・・特定領域、41,42,42,A,B,C,D,E,F・・・検出領域、43・・・ガイド対応領域、44・・・ガイド表示
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルを有する携帯型の端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2003−330611号公報には、機器の表面と裏面とに表示パネルとタッチセンサとをそれぞれ設け、タッチセンサに対するユーザの指接触位置を表示パネルに表示し、指接触位置と表示パネルの操作ボタン表示とが重なったときに、その操作ボタンに対応する処理を実行する入力装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−330611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の入力装置は、表示パネルの操作ボタンへの操作入力を裏面のタッチセンサから間接的に行うものであり、操作入力の幅が広がるものではない。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、入力操作性が良好であり、且つ多様な操作入力に対応可能な端末装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の端末装置は、装置本体と、装置本体の前面側に配置されるパネル表示面と、パネル表示面に対する押下操作を検出する第1入力検出手段と、装置本体の後面側に配置される裏側操作面と、裏側操作面に対する押下操作を検出する第2入力検出手段と、裏側操作面に検出領域を設定する領域設定手段と、第2入力検出手段が検出領域への所定の押下操作を検出したとき、この検出領域に対応して予め設定された処理を実行する処理実行手段と、を備える。第2入力検出手段は、裏側操作面でのドラッグ操作を検出する。裏側操作面は、特定領域を有する。領域設定手段は、特定領域を除く領域に検出領域を設定する。特定領域から検出領域へのドラッグ操作を第2入力検出手段が検出したとき、処理実行手段は、この検出領域に対応して予め設定された処理を実行する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、入力操作性が良好であり、且つ多様な操作入力に対応させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係る端末装置を示す外観斜視図であり、(a)は前面側を、(b)後面側をそれぞれ示している。
【図2】端末装置の主要部の概略的なシステム構成の一例を示すブロック図である。
【図3】端末装置の主要部の概略的なソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】端末装置の使用状態を示す斜視図である。
【図5】第1の領域設定パターンの一例を示す図である。
【図6】第1の領域設定パターンの他の例を示す図である。
【図7】第1の領域設定パターンのさらに他の例を示す図である。
【図8】第2の領域設定パターンを示す図である。
【図9】第3の領域設定パターンを示す図である。
【図10】ガイド画面対応領域を加えた領域設定パターンの一例を示す図である。
【図11】ガイド画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。本実施形態は、本発明の例示であり、本発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更可能である。
【0010】
本実施形態は、図1(a)、(b)に示すように、携帯型の端末装置1である。
【0011】
<端末装置の外観構成>
端末装置1は、矩形板形状の装置本体2と、装置本体2の前面上に配置されるパネル表示面3と、装置本体2の後面(背面)上に配置されるタッチパッド26とを備える。このほか、端末装置1は、スピーカ15及びマイクロフォン16(図2に示す)や、図示しない赤外線ポート、USB端子、外部メモリ収容部、充電用端子、電源スイッチ等を備えている。外部メモリ収容部には、メモリスティックやメモリカードなどの外部メモリ21(図2に示す)が収容される。ユーザは、パネル表示面3がユーザ側を向いた状態で、短辺側又は長辺側の両側部を左右の手によって把持して端末装置1を使用する。短辺側が把持される場合(図5に示す)を横持ち使用態様と称し、長辺側が把持される場合を縦持ち使用態様と称する。
【0012】
<端末装置のシステム構成>
図2を参照して、端末装置1のシステム構成について説明する。図2は、端末装置1の主要部の概略的なシステム構成の一例を示すブロック図である。
【0013】
端末装置1は、制御部11、出力インターフェース12、入力インターフェース13、バックライト14、上記スピーカ15、上記マイクロフォン16、記憶部17、GPSユニット18、無線ユニット19、外部入力端子インターフェース20等を備えている。
【0014】
記憶部17は、RAM(Random Access Memory)からなるメインメモリと、ROM(Read Only Memory)とを備えている。
【0015】
制御部11は、中央演算処理装置(CPU:Central Processing Unit)及びその周辺装置等からなるメイン制御部と、フレームバッファに描画を行う画像処理装置(GPU:Graphic Processing Unit)等からなる画像制御部と、楽音、効果音等を発生する音声処理装置(SPU:Sound Processing Unit)等からなる音声制御部などから構成されている。
【0016】
メイン制御部は、CPUと、割り込み制御やダイレクトメモリアクセス(DMA:Direct Memory Access)転送の制御等を行う周辺装置制御部を備えている。
【0017】
音声制御部は、メイン制御部の制御の下、楽音、効果音等を発生するSPUと、SPUにより、波形データ等が記録されるサウンドバッファとを備え、SPUによって発生される楽音、効果音等がスピーカ15から出力される。SPUは、例えば16ビットの音声データを4ビットの差分信号として適応予測符号化(ADPCM:Adaptive Differential PCM)された音声データを再生するADPCM復号機能と、サウンドバッファに記憶されている波形データを再生することにより、効果音等を発生する再生機能と、サウンドバッファに記憶されている波形データを変調させて再生する変調機能等を備えている。また、SPUは、マイクロフォン16から供給された音声データをCPUに供給する機能を備えている。マイクロフォン16は、外部からの音声が入力されると、所定のサンプリング周波数と量子化ビット数によるA/D変換等を施して、SPUに音声データを供給する。
【0018】
画像制御部は、ジオメトリトランスファエンジン(GTE:Geometry Transfer Engine)と、GPUと、フレームバッファと、画像デコーダとを備えている。GTEは、例えば複数の演算を並列に実行する並列演算機構を備え、上記CPUからの演算要求に応じて座標変換、光源計算、行列あるいはベクトルなどの演算を高速に行う。そして、メイン制御部は、GTEによる演算結果に基づいて3角形や4角形などの基本的な単位図形(ポリゴン)の組合せとして3次元モデルを定義して3次元像を描画するための各ポリゴンに対応する描画命令をGPUに送る。GPUは、メイン制御部からの描画命令に従って、フレームバッファに対して多角形(ポリゴン)等の描画を行う。フレームバッファは、GPUにより描画された画像を記憶する。このフレームバッファは、所謂デュアルポートRAMからなり、GPUからの描画あるいは記憶部17のメインメモリからの転送と、表示のための読み出しとを同時に行うことができる。また、このフレームバッファには、ビデオ出力として出力される表示領域の他に、GPUがポリゴン等の描画を行う際に参照するカラールックアップテーブル(CLUT:Color Lock Up Table)が記憶されるCLUT領域と、描画時に座標変換されてGPUによって描画されるポリゴン等の中に挿入(マッピング)される素材(テクスチャ)が記憶されるテクスチャ領域が設けられている。これらのCLUT領域とテクスチャ領域は、表示領域の変更等に従って動的に変更される。画像デコーダは、メイン制御部からの制御により、記憶部17のメインメモリに記憶され離散コサイン変換等の直交変換により圧縮されて符号化された静止画あるいは動画の画像データを復号してメインメモリに記憶させる。
【0019】
記憶部17のROMには、端末装置1の各部を制御するためのオペレーティングシステム等のプログラムが記憶されている。制御部11のCPUは、ROMに記憶されているオペレーティングシステムを記憶部17のメインメモリに読み出し、読み出したオペレーティングシステムを実行することにより、この端末装置1の全体を制御する。更に、ROMには、端末装置1の各部や端末装置1に接続される各種周辺機器を制御するための制御プログラムや、映像コンテンツを再生するための映像再生プログラムや、ゲームを行う機能をCPUに実現させるためのゲームプログラムなどの各種プログラムが格納されている。
【0020】
記憶部17のメインメモリには、CPUがROMから読み出したプログラムや、各種プログラムの実行の際に用いられるデータ等の各種データが記憶される。
【0021】
GPSユニット18は、制御部11の制御の下、人工衛星が発信する電波を受信し、これを用いて端末装置1の位置情報(緯度・経度・高度など)を求めて制御部11へ出力する。
【0022】
無線通信部ユニット19は、制御部11の制御の下、赤外線ポートを介して他の端末装置と無線通信を行う。
【0023】
外部入力端子インターフェース20は、USB端子とUSBコントローラとを備え、USB端子を介して外部機器との間でUSB接続が行われる。
【0024】
上記外部メモリ収容部に収容された外部メモリ21は、図示しないパラレルI/Oインターフェース(PIO)及びシリアルI/Oインターフェース(SIO)とを介して制御部11に接続される。
【0025】
出力インターフェース12は、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)22とLCDコントローラ23とを備えている。LCD22は、LCDパネルやドライバ回路などをモジュール化したものである。LCDコントローラ23は、制御部11のフレームバッファから出力された画像データを一時的に格納するRAMを内蔵し、制御部(メイン制御部)11からの制御により、RAM内の画像データを所定のタイミングで読み出して、LCD22へ出力する。
【0026】
入力インターフェース13は、タッチパネル24とタッチパネルコントローラ25とタッチパッド26とタッチパッドコントローラ27とを備えている。本実施形態のタッチパネル24とタッチパッド26とは、ともに抵抗膜方式が採用されている。
【0027】
タッチパネル24は、透明電極が成膜された複数の電極シートを、電極面を対向させて一定の間隔を空けて配置した構造を有し、LCD22(LCDパネル)の表示画面上に配置されている。タッチパネル24の表面(外面)24aは、ユーザの指(主に親指)やペン等からの押下操作を受けるパネル表示面3を構成し、パネル表示面3がユーザの指やペン等で押圧される(押下操作される)と、タッチパネル24の電極シート同士が接触し、各電極シート上の抵抗値が変化する。タッチパネルコントローラ25は、各電極シート上の抵抗変化を検出することにより、押圧された位置(操作入力位置)を座標値(平面座標値又は極座標値)として検出するとともに、座標値に対応する押圧強さを抵抗値の変化量の大きさ(絶対値)として検出し、その座標値及び変化量の大きさを前面側の操作入力情報(操作信号)として制御部11に出力する。なお、1つの操作入力は、所定の範囲内において波形状に変化してピーク値を有する抵抗値の集合として検出され、タッチパネルコントローラ25は、このような抵抗値の集合を検出した場合、そのピーク値での変化量の大きさと座標値とを、1つの操作入力の操作入力情報として制御部11に出力する。また、タッチパネルコントローラ25は、抵抗値の集合が移動しているか否かを判定し、抵抗値の集合が移動していると判定した場合、移動後の操作入力情報を制御部11に出力する際に、2つ操作入力情報が連続的に実行された操作入力(ドラッグ操作)であることを判別可能に(例えば、移動の前後の操作入力情報に同一の識別情報を付して)出力する。すなわち、入力インターフェース13は、パネル表示面3に対するユーザからの押下操作を検出する第1入力検出手段として機能する。また、入力インターフェース13(タッチパネル24)は、パネル表示面3上の複数の位置での押下操作を同時に検出可能な所謂マルチタッチパネル(マルチタッチスクリーン)であり、ユーザは、複数の指でパネル表示面3を押下することにより、複数の操作入力位置に対して同時に操作入力を行うことができる。
【0028】
タッチパネル24は、透明な薄板形状を有し、LCD22の表示画面上に密接して配置されている。このため、LCD22の表示画面上の画像は、タッチパネル24を透過してパネル表示面3から容易に視認可能であり、LCD22とタッチパネル24とは、表示手段を構成している。また、タッチパネル24を介してパネル表示面3上に見えるLCD22の画像の位置(見かけ上の位置)と、LCD22の表示画面上の画像の位置(実際の位置)とは、殆どずれることなく一致する。
【0029】
タッチパッド26も、タッチパネル24と同様に、透明電極が成膜された複数の電極シートを、電極面を対向させて一定の間隔を空けて配置した構造を有する。タッチパッド26の表面(外面)は、ユーザの指(主に、人差し指と中指)等からの押下操作を受ける裏側操作面28を構成し、裏側操作面28がユーザの指等で押圧される(押下操作される)と、タッチパッド26の電極シート同士が接触し、各電極シート上の抵抗値が変化する。タッチパッドコントローラ27は、各電極シート上の抵抗変化を検出することにより、押圧された位置(操作入力位置)を座標値(平面座標値又は極座標値)として検出するとともに、座標値に対応する押圧強さを抵抗値の変化量の大きさ(絶対値)として検出し、その座標値及び変化量の大きさを後面側の操作入力情報(操作信号)として制御部11に出力する。なお、1つの操作入力は、所定の範囲内において波形状に変化してピーク値を有する抵抗値の集合として検出され、タッチパッドコントローラ27は、このような抵抗値の集合を検出した場合、そのピーク値での変化量の大きさと座標値とを、1つの操作入力の操作入力情報として制御部11に出力する。また、タッチパッドコントローラ27は、抵抗値の集合が移動しているか否かを判定し、抵抗値の集合が移動していると判定した場合、移動後の操作入力情報を制御部11に出力する際に、2つ操作入力情報が連続的に実行された操作入力(ドラッグ操作)であることを判別可能に(例えば、移動の前後の操作入力情報に同一の識別情報を付して)出力する。すなわち、入力インターフェース13は、裏側操作面28に対するユーザからの押下操作を検出する第2入力検出手段として機能する。また、入力インターフェース13(タッチパッド26)は、裏側操作面28上の複数の位置での押下操作を同時に検出可能な所謂マルチタッチクリーンであり、ユーザは、複数の指で裏側操作面28を押下することにより、複数の操作入力位置に対して同時に操作入力を行うことができる。
【0030】
なお、タッチパネル24及びタッチパッド26は、上記抵抗膜方式に限定されるものではなく、パネル表示面に対するユーザの指からの押下操作を検知するとともに、押下操作された位置を検出する機能を有するものであればよい。例えば、抵抗膜方式に代えて、静電容量方式、画像認識方式、光学方式など、様々なタイプの入力インターフェースを用いることができる。静電容量方式では、タッチパネルの表面全体に低圧の電界を形成し、タッチパネルに指が接触した際の表面電荷の変化を検出することにより、操作入力位置を検出する。画像認識方式では、LCDの表示画面の近傍に配置された複数のイメージセンサによってLCDの表示画面に接触する指などの画像を撮像し、撮像画像を解析することにより、操作入力位置を検出する。また、光学方式では、LCDの表示画面を囲む周壁のうち縦壁の一方と横壁の一方とに発光体を配置し、縦壁の他方と横壁の他方とに受光部を配置し、表示画面に接触する指によって遮られた光の縦横位置を検出することにより、操作入力位置を検出する。すなわち、画像認識方式や光学式では、タッチパネルを設ける必要がなく、LCDの画像表示面がユーザからの押下操作を受けるパネル表示面となる。
【0031】
また、図2では、タッチパネルコントローラ25とタッチパッドコントローラ27とを別々に表示しているが、両者を1つのコントローラとして構成してもよい。
【0032】
バックライト14は、LCD22(LCDパネル)の裏面側に配置され、制御部11の制御の下、LCD22の裏面側から表面側に向かって光を照射する。なお、バックライト14は、LCDコントローラ23からの制御に応じて光を照射してもよい。
【0033】
<端末装置のソフトウェア構成>
図3を参照して、端末装置1のソフトウェア構成について説明する。図3は、端末装置1の主要部の概略的なソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0034】
装置端末1のソフトウェア構成では、下位側からデバイスドライバ層、フレームワーク層、デバイス用ミドルウェア層、アプリケーション層が規定されている。
【0035】
デバイスドライバ層は、制御部11と、制御部11に接続されているハードウェアとを動作させるためのソフトウェアである。例えば、オーディオ変換モジュールを動作させるためのデバイスドライバや、LCDを動作させるためのLCDドライバや、バックライトドライバを動作させるためのドライバなどが適宜含まれる。
【0036】
フレームワーク層は、アプリケーションプログラムに対して汎用的な機能を提供するとともに、デバイスドライバによって動作される各種資源を管理するソフトウェアである。フレームワーク層は、例えば、後述するミドルウェア層又はアプリケーション層において実行されるいずれかのアプリケーションプログラムが発生した命令をデバイスドライバに伝える。また、フレームワーク層は、記憶部17や外部メモリ21とのデータの入出力や、タッチパネル24からの操作入力やLCD22への画面出力といった入出力機能の管理など、多くのアプリケーションソフトから共通して利用される基本的な機能を提供し、システム全体を管理する。
【0037】
ミドルウェア層は、フレームワーク上で動作し、アプリケーションプログラムに対してフレームワークよりも高度で具体的な機能を提供するソフトウェアであるミドルウェアで構成されている。ここでは、ミドルウェアとして、スピーカ15からの出力音声を合成する技術の基本的な機能を提供するための音声合成ミドルウェア、マイクロフォン16から入力された音声を認識する技術の基本的な機能を提供するための音声認識ミドルウェア、タッチパネル24及びタッチパッド26から操作入力を検出する技術の基本的な機能を提供するためのマルチタッチ検出ミドルウェア、及びLCD22へ映像を出力する技術の基本的な機能を提供するための映像出力ミドルウェアなどが用意されている。
【0038】
最上位層のアプリケーション層では、各種のアプリケーションプログラムが実行される。端末装置1においては、例えば、コミュニケーションアプリケーション、ウェブブラウザ、ファイル交換アプリケーション、オーディオプレイヤ、楽曲検索アプリケーション、ミュージックストリーミング、録音ツール、フォトビューア(Photo Viewer)、テキストエディタ(Text Editor)、ゲームアプリケーションなどの個別のアプリケーションや、メニュー表示ツール、セッティングツールなどに加えて、これらのアプリケーションソフトウェアを管理するアプリケーションマネージャと、開発環境が用意されている。
【0039】
<操作入力に関する機能的構成>
上記システム構成及びソフトウェア構成を備えた端末装置1の制御部11が操作入力管理プログラムを実行することによって実現される操作入力管理処理に関する構成について説明する。操作入力管理処理は、タッチパネル24からの操作入力情報に応じた前面側入力管理処理と、タッチパッド26からの操作入力情報に応じた後面側入力管理処理とを含む。なお、操作入力管理プログラムは、単独のアプリケーションとして記憶部17に記憶されていてもよく、またゲームアプリケーションなどの個々のアプリケーションに含まれた状態で記憶部17や外部メモリ21に記憶されていてもよい。また、操作入力管理プログラムが単独のアプリケーションとして記憶されている場合、他のアプリケーションの管理の下に操作入力管理プログラムを実行してもよい。なお、以下において、特に説明しない限り、操作入力管理処理に伴って制御部11が実行する処理をメイン処理と称する。
【0040】
<前面側入力管理処理の説明>
前面側入力管理処理において、制御部11は、予め記憶された複数の入力表示パターンの中から一つの入力表示パターンを特定し、特定した入力表示パターンに応じて、操作入力位置を示す複数の入力位置表示アイコン30をパネル表示面3の所定位置に表示させる。複数の入力表示パターンとしては、例えば、ゲームの実行に適したゲームボタン表示パターン(図1に示す)や、メールなどの作成時の文字入力に適したキーボード表示パターンや、音楽データの入力に適した鍵盤表示パターンなどが設定されている。
【0041】
パネル表示面3のうち入力位置表示アイコン30が表示されていない領域は、メイン処理による出力画像が表示されるメイン表示領域(例えば、ゲームアプリケーションの場合、ゲーム画面の表示領域)37となる。入力表示パターンによってメイン表示領域37の大きさや上下方向が相違するため、制御部11は、特定した入力表示パターンに応じてメイン表示領域37に表示する画像の方向や大きさを適宜変更する。
【0042】
例えば、ゲームボタン表示パターンでは、図1に示すように、横持ち使用態様におけるパネル表示面3の左側領域に、上方向キーアイコン31U、下方向キーアイコン31D、左方向キーアイコン31L、及び右方向キーアイコン31Rが、パネル表示面3の右側領域に、〇ボタンアイコン32A、△ボタンアイコン32B、□ボタンアイコン32C、×ボタンアイコン32Dが、入力位置表示アイコン30として表示される。各ボタンアイコン31U,31D,31L,31R,32A,32B,32C,32Dには、そのボタンを特定する印(例えば、上方向キーアイコン31Uでは上矢印、〇ボタンアイコン32Aでは○印)が合わせて表示される。
【0043】
制御部11は、操作入力管理処理の開始直後に予め設定された入力表示パターンを特定し、その後のユーザからの操作入力に応じて1つの入力表示パターンを特定してもよく、実行するメイン処理(例えば、ゲームアプリケーション)に応じて所定の1つの入力表示パターンを特定してもよい。
【0044】
また、制御部11は、ユーザが選択可能な入力表示パターンを、実行するメイン処理に応じて制限する。例えば、実行するメイン処理が音楽データの入力を必要とせず、且つメイン表示領域37として広い領域が必要なゲームアプリケーションの場合、鍵盤表示パターンの選択を禁止する。
【0045】
制御部11は、ある入力表示パターンを表示した状態で、入力インターフェース13から前面側の操作入力情報を受信すると、その操作入力情報が示す座標位置が入力位置表示アイコン30の表示領域に対応した位置(操作入力位置)であるか否かを判定し、対応している場合には、ユーザから所定の操作入力が行われたと判断し、その入力位置表示アイコン30に対して予め対応付けられた制御信号を、メイン処理に対して供給する。なお、上記操作入力位置の範囲は、入力位置表示アイコン30の表示領域の全域であってもよく、その一部であってもよい。また、メイン処理がドラッグ操作に対応し、且つドラッグ操作が検出された場合、ドラッグ操作を示す制御信号がメイン処理に対して出力される。
【0046】
<後面側入力管理処理の説明>
後面側入力管理処理において、制御部11は、予め記憶された複数の領域設定パターンの中から一つの領域設定パターンを特定し、特定した領域設定パターンに応じて、裏側操作面28に少なくとも1つの検出領域を設定する。制御部11は、1つの領域設定パターンを設定すると、検出領域への操作入力に対して予め対応付けられた処理を実行する。すなわち、制御部11は、裏側操作面28に検出領域を設定する領域設定手段として機能するとともに、入力インターフェース13が検出領域への所定の押下操作を検出したとき、その検出領域に対応して予め設定された処理を実行する処理実行手段として機能する。
制御部11がタッチパッド26を介して検出可能な操作入力は、単純な接触(タッチ操作)と、接触したまま接触位置を移動させるドラッグ操作と、一瞬触って直ぐに離すタップ操作等である。タッチパッドコントローラ27から入力する押圧強さ(抵抗値の変化量の大きさ)が所定の閾値を超えており、且つ所定の範囲内において所定の閾値を超えた押圧強さが所定時間以上連続して入力されている場合、制御部11は、当該操作入力をタッチ操作として検出する。タッチパッドコントローラ27から入力する押圧強さが所定の閾値を超えた状態で所定距離以上移動している場合、制御部11は、ドラッグ操作として検出する。タッチパッドコントローラ27から入力する押圧強さが所定の閾値を超えており、且つ所定の設定時間以内に押圧強さが所定の閾値以下となった場合、制御部11は、当該操作入力をタップ操作として検出する。また、ドラッグ操作の検出において、制御部11は、入力される操作入力位置に基づいて、ドラッグ方向とドラッグ距離とを検出する。
【0047】
制御部11は、操作入力管理処理の開始直後に予め設定された領域設定パターンを特定し、その後のユーザからの操作入力に応じて1つの領域設定パターンを特定してもよく、実行するメイン処理(例えば、ゲームアプリケーション)や、パネル表示面3に表示される入力表示パターンに応じて所定の1つの領域設定パターンを特定してもよい。また、制御部11は、パネル表示面3等に対するユーザからの所定の操作入力に応じて、タッチパッド26への操作入力を無効とする裏面側操作入力無効状態を設定してもよい。
【0048】
次に、制御部11によって設定される領域設定パターンと、それに対応して制御部11が実行する処理の例を説明する。なお、以下の裏側操作面28の説明における左右方向は、裏側操作面28を見た状態での左右方向であり、ユーザが端末装置1を把持した使用状態でのユーザの左右方向とは逆である。すなわち、裏側操作面28の左側は、ユーザの右手によって把持され、右側は、ユーザの左手によって把持される。
【0049】
<第1の領域設定パターン>
第1の領域設定パターンの一例を図5に示す。第1の領域設定パターンでは、複数の検出領域(本例では4箇所の検出領域A〜D)と、検出領域A〜Dのそれぞれに隣接する特定領域40とが設定される。特定領域40は、アクティベーション領域(認定領域)として機能し、特定領域40から検出領域A〜Dの1つへのドラッグ操作を検出したとき、制御部11は、検出領域A〜Dに対応した所定の処理を実行する。なお、複数の操作入力が検出された場合、制御部11は、検出した全ての操作入力を無効とする。
【0050】
図5に示す例では、横持ち使用態様での裏側操作面28の中央部分に菱形状の特定領域40が設定され、特定領域40の外側の左上部と右上部と左下部と右下部とに、それぞれ検出領域A〜Dが設定される。すなわち、検出領域A〜Dの間には、特定領域40が必ず介在し、裏面操作面28への接触を維持したまま1つの検出領域から他の検出領域へ移動(スライド)する指は、その移動の途中で特定領域40に必ず接触する。なお、特定領域40は、複数の検出領域A〜Dのそれぞれと隣接していればよく、例えば、図6に示すように検出領域同士が完全に離間する配置や、図7に示すように検出領域同士が隣接する配置であってもよい。
【0051】
第1の領域設定パターンは、パネル表示面3におけるアプリケーションウィンドウの切り替えやフォルダの階層表示などのように、予め階層状に設定された情報をパネル表示面3に表示させる場合に好適に用いられる。制御部11は、各階層に含まれる複数の情報と検出領域A〜Dとを、所定の規則に従ってそれぞれ対応付ける。本実施形態では、各階層における情報の設定順序に従って検出領域A〜Dが対応付けられる。具体的には、設定順序が1番目の情報には検出領域Aが、2番目の情報には検出領域Bが、3番目の情報には検出領域Cが、4番目の情報には検出領域Dがそれぞれ対応付けられる。特定領域40から検出領域A〜Dの1つへのドラッグ操作を検出したとき、制御部11は、検出領域A〜Dに対応した情報を選択し、その情報をパネル表示面3に表示する。また、上記ドラッグ操作の後に、ユーザが検出領域A〜Dから指を離すと、制御部11は、ドラッグ操作によって選択された情報を保持し、パネル表示面3の表示を確定画面として維持する。この状態で、ユーザは、パネル表示面3への操作入力を行うことによって、所望の処理を制御部11に実行させることができる。また、特定領域40を指でタップすると(特定領域40へのタップ操作を検出すると)、制御部11は、確定画面の表示を終了する(確定画面を閉じる)。
【0052】
例えば、検出領域Aにメインメニューが対応付けられ、他の検出領域B〜Dにはそれぞれ他の情報が対応付けられ、メインメニューの下層に4つのサブメニューが所定の順序で並列に設定されている場合、ユーザが特定領域40に指を置き、検出領域Aへスライドさせることにより、制御部11は、メインメニューの起動処理を実行し、メインメニューの内容をパネル表示面3に表示する。この状態から、ユーザが特定領域40へ指を戻し、検出領域A〜Dの中の1つへスライドさせると、制御部11は、移動先の検出領域A〜Dに対応するサブメニュー(移動先が検出領域Aの場合は1番目のサブメニュー、検出領域Bの場合は2番目のサブメニュー、検出領域Cの場合は3番目のサブメニュー、検出領域Dの場合は4番目のサブメニュー)の内容をパネル表示面3に表示する。さらに、各サブメニューの下層に表示可能な情報が順次設定されている場合、ユーザは、同様の操作入力を繰り返すことによって、さらに深い下層の情報をパネル表示面3に表示させることができる。
【0053】
また、フォルダが階層状に設定されている場合も上記と同様であり、ユーザが特定領域40から検出領域A〜Dの中の1つへのスライドを繰り返すことによって、深い階層のフォルダの内容を表示させることができる。
【0054】
このように、第1の領域設定パターンを使用することによって、ユーザは、階層状に設定された情報の中から所望の情報を簡単な操作によって表示させることができる。
【0055】
<第1の領域設定パターンの変形例>
上記第1の領域設定パターンでは、特定領域40を、検出領域A〜Dと同様にユーザからの操作入力を検出し、その検出結果を反映させる反応領域として設定したが、特定領域40を、ユーザからの操作入力を検出しない又は検出を無効とする無反応領域として設定してもよい。この場合、特定領域40から検出領域A〜Dへのスライドは、特定領域40と検出領域A〜Dとの境界から検出領域A〜Dの内側へのドラッグ操作によって検出される。
【0056】
さらに、特定領域を、無反応領域の中央部分に配置される反応領域として設定してもよい。この場合、特定領域から検出領域A〜Dへのスライドは、特定領域でのタッチ操作と、無反応領域と検出領域A〜Dとの境界から検出領域A〜Dの内側へのドラッグ操作とによって検出される。
【0057】
<第2の領域設定パターン>
第2の領域設定パターンの一例を図8に示す。第2の領域設定パターンでは、1つの検出領域41が設定されている。パネル表示面3に進行表示及び後退表示が可能な画像が表示された状態において、検出領域41での所定方向に沿ったドラッグ操作を検出したとき、制御部11は、パネル表示面3に表示している画像を進行又は後退させて表示する。また、画像の進行速度及び後退速度(所定方向に沿ったドラッグ操作の単位移動距離に対する進行量及び後退量)は、所定方向と直交する方向におけるドラッグ操作の入力位置(座標値)に応じて予め設定され、制御部11は、所定方向と直交する方向におけるドラッグ操作の入力位置に応じた速度で画像を進行又は後退させる。進行表示及び後退表示が可能な画像には、スクロール可能な画面や動画などが含まれる。スクロール可能な画面の場合、画像を進行又は後退させる速度はスクロール速度に対応し、動画の場合、画像を進行又は後退させる速度は動画のシーク量に対応する。なお、複数の操作入力が検出された場合、制御部11は、検出した全ての操作入力を無効とする。
【0058】
図12に示す例では、横持ち使用態様での裏側操作面28のほぼ全域に、上記所定方向を上下方向とする検出領域41が設定される。また、ドラッグ操作の入力位置が、右側であるほど画像の進行速度及び後退速度が速く、左側であるほど画像の進行速度及び後退速度が遅くなるように、入力位置に対する速度が設定されている。下方へのドラッグ操作によって画像が進行し、上方へのドラッグ操作によって画像が後退する。
【0059】
第2の領域設定パターンを用いて画面(例えば、漫画や小説などが表示された画面)をスクロールする場合、ユーザは、検出領域41に指を置き、上方又は下方へスライドさせる。また、スクロール速度を速くしたいときほど右側でスライドさせ、遅くしたいときほど右側でスライドさせる。検出領域41でのドラッグ操作を検出した制御部11は、ドラッグ操作の入力位置に応じた速度で、ドラッグ方向に応じた方向に画面をスクロール表示する。なお、斜め方向にスライドさせることによって、スクロール速度を徐々に速く(又は遅く)させることも可能である。
【0060】
また、動画の再生時において、第2の領域設定パターンを用いた操作入力を行うことにより、ユーザは、スクロールの場合と同様に、動画のシーク量を増減させて早送りや巻き戻しを行うことができる。
【0061】
このように、第2の領域設定パターンを使用することによって、ユーザは、画像の進行又は後退表示を、無段階に変更可能な所望速度によって簡単に行うことができる。
【0062】
<第3の領域設定パターン>
第3の領域設定パターンの一例を図9に示す。第3の領域設定パターンでは、3つの検出領域(検出領域42及び検出領域E,F)が設定されている。パネル表示面3に進行表示及び後退表示が可能な画像が表示された状態において、検出領域42での所定方向に沿ったドラッグ操作を検出したとき、制御部11は、パネル表示面3に表示している画像を進行又は後退させて表示する。また、制御部11は、所定方向に沿った所定距離以上のドラッグ操作を検出した場合、同方向へのドラッグ操作に対応する画像の進行速度又は後退速度(所定方向に沿ったドラッグ操作の単位移動距離に対する進行量及び後退量)を変更する。制御部11は、所定方向に沿った所定距離以上のドラッグ操作を検出した後、所定時間以内に同方向へのドラッグ操作を再度検出した場合には、変更された速度で画像を進行又は後退させ、所定時間に達しても同方向へのドラッグ操作を再度検出しない場合には、変更前の速度に戻す。なお、画像の進行速度又は後退速度の変更は、高速化及び低速化の何れであってもよいが、本実施形態では、高速化する場合について説明する。また、進行表示及び後退表示が可能な画像には、スクロール可能な画面や動画などが含まれるが、本実施形態では、動画の場合について説明する。また、複数の操作入力が検出された場合、制御部11は、検出した全ての操作入力を無効とする。
【0063】
図9に示す例では、横持ち使用態様での裏側操作面28の上側半分の領域に、上記所定方向を左右方向とする検出領域42が設定される。左方向へのドラッグ操作によって動画が早送りされ、右方向へのドラッグ操作によって動画が巻き戻される。また、裏側操作面28の下側半分の領域は、左右に分割され、その左側の領域に検出領域Eが設定され、右側の領域に検出領域Fが設定される。
【0064】
第3の領域設定パターンを用いて動画を再生する場合、動画の再生前又は動画の再生中に、検出領域Eでのタップ操作を検出すると、制御部11は、パネル表示面3に再生可能な動画の一覧画面を表示する。このとき、動画を再生している場合には、動画の再生を一時停止する。動画の一覧画面が表示された状態で、検出領域Eでのドラッグ操作を検出すると、制御部11は、検出したドラッグ操作に応じて、動画の一覧画面内にカーソルアイコンを移動表示する。ユーザは、カーソルアイコンを見ながらドラッグ操作を行い、再生したい動画にカーソルアイコンを合わせ、かかる状態でタップ操作を行う。このタップ操作によって再生する動画が特定され、制御部11は、動画の再生を開始する。また、再生可能な動画の一覧画面が表示された状態で、検出領域Fでのタップ操作を検出すると、制御部11は、一覧画面の表示を終了し、一時停止中の動画がある場合には、その動画の再生を再開し、一時停止中の動画がない場合には、その旨をパネル表示面3に表示する。
【0065】
また、動画の再生中に、検出領域での左右方向に沿ったドラッグ操作を検出すると、制御部11は、ドラッグ方向に応じた方向に動画をシークさせ、早送り又は巻き戻した後、動画を再生する。ユーザは、同方向への所定距離以上のスライドを繰り返して行うことにより、ドラッグ操作の単位移動距離に対するシーク量を徐々に増大させて、早送り又は巻き戻しの速度を速めることができる。
【0066】
<ガイド表示対応領域を含む領域設定パターン>
ガイド表示対応領域を含む領域設定パターンの一例を図10に示す。この例は、上記第1の領域設定パターンにガイド表示対応領域43を加えたものであり、裏側操作面28の周縁部のうち四隅の部分にガイド表示対応領域43が設定されている。なお、裏側操作面28の周縁部のうちガイド表示対応領域43を除く領域44は、無反応領域である。また、検出領域A〜Dと特定領域40とは、裏側操作面28の周縁部の内側に設定されている。また、他の領域設定パターンにガイド表示態様領域43を加えてもよい。
【0067】
制御部11は、ガイド表示対応領域43でのタップ操作を検出すると、検出領域A〜D及び特定領域40の配置を示すガイド画面45(図11に示す)をパネル表示面3に表示し、ガイド表示対応領域43でのタップ操作を再度検出すると、ガイド画面45の表示を終了する(ガイド画面45を閉じる)。なお、図11のガイド画面45は、パネル表示面3に表示される状態を表しているため、検出領域A,Cと検出領域B,Dの左右の位置関係が相違している。
【0068】
ユーザは、ガイド画面対応領域43へのタップ操作によって、ガイド画面45を表示させ、ガイド画面45を見ながら裏側操作面28への操作入力を行うことができる。
【0069】
また、ガイド画面対応領域43は、操作端末1の四隅の近傍にそれぞれ配置されるため、ユーザはガイド画面対応領域43の位置を指先の触感によって容易に把握することができる。
【0070】
[変形例1]
第1の領域設定パターンを、ゲームの実行中に頻繁に使用される複数のウインドウ(例えば、武器のステータスを表示するウインドウやゲームに参加中のメンバーを表示するウインドウなど)の表示に適用してもよい。ゲーム中に使用される複数のウインドウのうち武器のステータスを表示するウインドウの設定順序が1番目の場合、ゲームを実行中のユーザは、特定領域40から検出領域Aへのドラッグ操作を行うことによって、武器のステータスを表示するウインドウを表示させることができ、その表示中にタッチパネル24に対して所定の操作入力を行うことによって、設定を変更することができる。
【0071】
[変形例2]
第2の領域設定パターンの検出領域41と第3の領域設定パターンの検出領域42とを組み合わせた検出領域を設定してもよい。
【0072】
[変形例3]
上記実施形態では、単一の筐体から構成される端末装置1の前面と後面とにタッチパネル24とタッチパッド26とを設けた場合を説明したが、スライド自在に連結された2つの部材によって端末装置が構成される場合、一方の部品の前面にタッチパネル24を設け、他方の部品の後面にタッチパッド26を設ければよい。
【0073】
上述の実施形態の説明は本発明の一例であり、本発明は上述の各実施形態に限定されることはなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、上述の実施形態以外であっても種々の変更が可能であることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、タッチパネルを有する端末装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0075】
1・・・端末装置、2・・・装置本体、3・・・パネル表示面、11・・・制御部、12・・・出力インターフェース、13・・・入力インターフェース、22・・・LED、24・・・タッチパネル、26・・・タッチパッド、28・・・裏側操作面、40・・・特定領域、41,42,42,A,B,C,D,E,F・・・検出領域、43・・・ガイド対応領域、44・・・ガイド表示
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
前記装置本体の前面側に配置されるパネル表示面と、
前記パネル表示面に対する押下操作を検出する第1入力検出手段と、
前記装置本体の後面側に配置される裏側操作面と、
前記裏側操作面に対する押下操作を検出する第2入力検出手段と、
前記裏側操作面に検出領域を設定する領域設定手段と、
前記第2入力検出手段が前記検出領域への所定の押下操作を検出したとき、該検出領域に対応して予め設定された処理を実行する処理実行手段と、を備え、
前記第2入力検出手段は、前記裏側操作面でのドラッグ操作を検出し、
前記裏側操作面は、特定領域を有し、
前記領域設定手段は、前記特定領域を除く領域に前記検出領域を設定し、
前記特定領域から前記検出領域へのドラッグ操作を前記第2入力検出手段が検出したとき、前記処理実行手段は、当該検出領域に対応して予め設定された処理を実行する
ことを特徴とする携帯型の端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の端末装置であって、
前記領域設定手段は、前記検出領域を複数設定し、
前記処理実行手段は、階層状に設定された複数の情報のうち各階層に含まれる複数の情報と前記複数の検出領域とを所定の規則に従って対応付け、
前記特定領域から前記検出領域へのドラッグ操作を前記第2入力検出手段が検出したとき、前記処理実行手段は、当該検出領域に対応付けた情報を前記パネル表示面に表示する
ことを特徴とする携帯型の端末装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の端末装置であって、
前記裏側操作面は、前記操作入力を検出しない又は検出を無効とする無反応領域を有し、
前記無反応領域は、前記特定領域を含む
ことを特徴とする携帯型の端末装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の端末装置であって、
前記第2入力検出手段は、前記裏側操作面でのタップ操作を検出し、
前記領域設定手段は、前記裏側操作面のうち前記特定領域及び前記検出領域を除く領域にパネル表示対応領域を設定し、
前記パネル表示対応領域へのタップ操作を前記第2入力検出手段が検出したとき、前記処理実行手段は、前記裏側操作面における前記特定領域と前記検出領域との配置を示すガイド画面を前記派熱表示面に表示する
ことを特徴とする携帯型の端末装置。
【請求項1】
装置本体と、
前記装置本体の前面側に配置されるパネル表示面と、
前記パネル表示面に対する押下操作を検出する第1入力検出手段と、
前記装置本体の後面側に配置される裏側操作面と、
前記裏側操作面に対する押下操作を検出する第2入力検出手段と、
前記裏側操作面に検出領域を設定する領域設定手段と、
前記第2入力検出手段が前記検出領域への所定の押下操作を検出したとき、該検出領域に対応して予め設定された処理を実行する処理実行手段と、を備え、
前記第2入力検出手段は、前記裏側操作面でのドラッグ操作を検出し、
前記裏側操作面は、特定領域を有し、
前記領域設定手段は、前記特定領域を除く領域に前記検出領域を設定し、
前記特定領域から前記検出領域へのドラッグ操作を前記第2入力検出手段が検出したとき、前記処理実行手段は、当該検出領域に対応して予め設定された処理を実行する
ことを特徴とする携帯型の端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の端末装置であって、
前記領域設定手段は、前記検出領域を複数設定し、
前記処理実行手段は、階層状に設定された複数の情報のうち各階層に含まれる複数の情報と前記複数の検出領域とを所定の規則に従って対応付け、
前記特定領域から前記検出領域へのドラッグ操作を前記第2入力検出手段が検出したとき、前記処理実行手段は、当該検出領域に対応付けた情報を前記パネル表示面に表示する
ことを特徴とする携帯型の端末装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の端末装置であって、
前記裏側操作面は、前記操作入力を検出しない又は検出を無効とする無反応領域を有し、
前記無反応領域は、前記特定領域を含む
ことを特徴とする携帯型の端末装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の端末装置であって、
前記第2入力検出手段は、前記裏側操作面でのタップ操作を検出し、
前記領域設定手段は、前記裏側操作面のうち前記特定領域及び前記検出領域を除く領域にパネル表示対応領域を設定し、
前記パネル表示対応領域へのタップ操作を前記第2入力検出手段が検出したとき、前記処理実行手段は、前記裏側操作面における前記特定領域と前記検出領域との配置を示すガイド画面を前記派熱表示面に表示する
ことを特徴とする携帯型の端末装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−3304(P2012−3304A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−134833(P2010−134833)
【出願日】平成22年6月14日(2010.6.14)
【出願人】(310021766)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (417)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月14日(2010.6.14)
【出願人】(310021766)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (417)
【Fターム(参考)】
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