説明

端末装置

【課題】従来、端末装置が存在する領域を精度高く判断できなかった。
【解決手段】自身が存在する領域が第一領域であるか、第一領域とは異なる第二領域であるかを判断する端末装置であって、1または2以上の各測位衛星から信号を受信する信号受信部と、前記信号受信部が受信した2以上の信号を代表する値である代表値を算出する代表値算出部と、前記信号受信部が受信した2以上の信号の分散具合を示す値である分散具合値を算出する分散具合値算出部と、前記代表値および前記分散具合値を用いて、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断し、判断結果を取得する判断部と、前記判断部が取得した判断結果を出力する出力部とを具備する端末装置により、端末装置が存在する領域を精度高く判断できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自身が存在する領域を判断する端末装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、交通事故防止のためにITS(高度道路交通システム)を用いた安全運転支援システムが検討されている。この安全運転支援システムには、近接する車両同士で、お互いの位置情報などを交換し、衝突の危険が高い場合にドライバーへ通知する車々間通信システム(非特許文献1、2参照)や、歩行者と車両間で同様に位置情報などを交換し、事故の危険が高い場合に、ドライバーおよび歩行者へ通知する歩車間通信システムなどがある(非特許文献3参照)。車々間通信システムは、「車両は道路を走行する」という前提条件の下、道路上の車両は全て危険の可能性があると考え、道路上の全車両を対象にシステムが検討されている。
【0003】
また、従来、GPS受信機および測位に関する技術があった(特許文献1参照)。GPS測位にはコールドスタートとホットスタートの2種類の起動方法がある。コールドスタートの場合、電源がONされると、周波数をサーチし衛星を捕捉し衛星番号や衛星ごとのSNR(信号対雑音比)などを取得する。衛星捕捉後に受信信号からアルマナック情報およびエフェメリス情報を取得する。次に、これらの情報と各衛星からの擬似距離より、測位演算を行い自端末の緯度・経度・高度などの位置情報を算出する。自端末の位置算出後に、各衛星の仰角・方位などの情報や、自端末の移動速度・移動方向などの情報を算出する。コールドスタートの場合、測位結果を出力するまでに、通常10分以上の時間を要する。ホットスタートでは、既に取得済みのアルマナック情報を利用し、測位演算の処理時間の短縮を図る。ホットスタートの場合でも、測位結果を出力するまでに数分の時間を要する。
【0004】
また、従来、捕捉衛星数を用いる技術があった(特許文献2参照)。本技術において、GPS受信において捕捉できる衛星数が一定値以下の場合に屋内、一定値以上の場合に屋外と判定する。
【0005】
また、従来、天頂方向の衛星からの受信信号の信号強度またはSNR(信号対雑音比)を用いる技術があった(特許文献3参照)。本技術において、捕捉した衛星のうち天頂方向に存在する衛星の受信信号強度やSNR(信号対雑音比)を測定し、一定値以下の場合に屋内、一定値以上の場合に屋外と判定する。
【0006】
また、従来、複数の衛星からの受信信号の信号強度またはSNR(信号対雑音比)を用いる技術があった(特許文献4参照)。本技術において、捕捉した衛星からの受信信号強度やSNR(信号対雑音比)の平均値を算出し、一定値以下の場合に屋内、一定値以上の場合に屋外と判定する。
【0007】
また、従来、GPS測位可否を用いる技術があった(特許文献5参照)。本技術において、捕捉した衛星から自己位置の測位が可能か否かで屋内外の判定を行う。測位ができない場合は屋内、測位ができた場合は屋外と判定する。
【0008】
また、従来、基地局を用いる技術があった(特許文献6参照)。例えば、無線LANを利用したシステムでは、無線LANのアクセスポイントからの受信電力を元にアクセスポイントまでの距離を計算し、アクセスポイントの位置と計算された距離を元に、屋内外を判定する。なお、3個以上のアクセスポイントがある場合は、屋内での位置測位も可能である。
【0009】
また、従来、太陽光や屋内蛍光灯などの光を利用して屋内判定を行うシステムがあった(特許文献7参照)。本システムにおいて、例えば、太陽光発電モジュールを利用し、その発電量が一定値以下であれば屋内、一定値以上であれば屋外と判定する。
【0010】
さらに、従来、赤外線や超音波などを利用した技術があった(特許文献8参照)。本技術において、例えば、装置から上空へ赤外線を照射し、その反射波が一定値以上で受光できれば屋内と判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2000−275319号公報
【特許文献2】特開2004−245657号公報
【特許文献3】特開2006−267057号公報
【特許文献4】特開2006−292532号公報
【特許文献5】特開2010−038712号公報
【特許文献6】特開2010−038895号公報
【特許文献7】特開2010−203856号公報
【特許文献8】特開2006−293535号公報
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】「5.8GHzを用いた車々間通信システムの実験用ガイドライン、ITS FORUM RC−005 1.0版」ITS情報通信システム推進会議、平成19年5月18日.インターネット<URL:http://www.itsforum.gr.jp/Public/J7Database/p32/ITSFORUMRC005V1_0.pdf>
【非特許文献2】「700MHz帯を用いた運転支援通信システムの実験用ガイドライン、ITS FORUM RC−006 1.0版」ITS情報通信システム推進会議、平成21年2月12日.インターネット<URL:http://www.itsforum.gr.jp/Public/J7Database/p34/ITSFORUMRC006V1_0.pdf>
【非特許文献3】T.Wada et al.,"Pedestrian Oriented Vehicular Collision Avoidance Support System:P−VCASS",IEICE Trans. fundamentals.,vol.E93−A,No.4,p679−688,Apl.,2010.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、従来技術においては、端末装置が存在する領域を精度高く判断できなかった。
【0014】
例えば、従来の歩車間通信システムでは、歩行者は必ずしも道路上(歩道上含む)に存在するとは限らず、例えば屋内や歩道橋上などに存在する場合がある。この場合、交通事故の危険はない。このため、歩行者が交通事故の可能性がない場合に、不要な通信および警告を行わない必要がある。
【0015】
また、特許文献2における技術は、GPS受信において捕捉できる衛星数が一定値以下の場合に屋内と判定するが、近年商品化されている高感度受信機を用いた場合、屋内環境でも一定値以上のGPS衛星が捕捉できる場合が多々発生し、誤って判定する、という課題がある。また、判定精度を高めるために、一定値以上のSNR(又は受信信号強度)や仰角を持つ衛星の捕捉数を利用するものもあるが、屋内窓際近傍など比較的空が見える環境では、判定精度が劣化する。
【0016】
また、特許文献3における技術は、捕捉した衛星のうち天頂方向に存在する衛星の受信信号強度やSNR(信号対雑音比)を利用する。しかし、衛星の仰角情報を取得し天頂方向かどうかを判断するためには、捕捉可能な衛星から測位演算を行い自己の位置を算出する必要がある。また、この演算においては、GPSからの受信信号に含まれるアルマナック情報とエフェメリス情報を取得してから演算を行う必要があるが、この2つの情報を取得するために、通常、数分以上を要する。このため、自己位置を算出してから屋内外の判定を行うには、数分以上の時間を要し、緊急性の高い交通事故防止支援システムには適用できない。
【0017】
また、特許文献4における技術は、複数衛星からの受信信号強度(又はSNR)の平均値を利用するものである。しかし、建物が多く存在する市街地や、屋内の窓際近傍などでは同じような平均値を取る可能性があり、平均値のみでは誤判定が多くなる、という課題がある。また、この誤判定を改善するために衛星の仰角情報や捕捉衛星数を併用しているが、特許文献3と同様に結果を算出するまでに時間を要する、という課題もある。
【0018】
また、特許文献5における技術は、自己位置の測位が可能か否かで屋内外の判定を行うが、特許文献3と同様、測位結果を算出するまでに数分以上の時間を要するという課題に加え、近年の技術革新に伴うGPSの高感度化により、屋内でも測位結果を算出することが可能となってきており誤判定が多くなるといった課題もある。
【0019】
また、特許文献6における技術は、無線LANなどのアクセスポイントや携帯電話網の基地局などのインフラを利用するため、インフラのない場所では利用することができない、という課題がある。また、新規にインフラを設置する場合は、設備費や工事費などが必要となる。
【0020】
また、特許文献7における技術は、太陽光や屋内蛍光灯などの光を利用して屋内判定を行うため、夜間や太陽光発電モジュールなどの受光部が服などの中に隠れている場合は、屋内外の判定が困難になる、という課題がある。また、受光部の設置方向を太陽の向きに合わせる必要がある、という課題もある。
【0021】
さらに、特許文献8における技術は、赤外線や超音波などを利用するため、特許文献7と同様に、服の中などに隠れている場合は、屋内外の判定は困難になる、という課題がある。また、照射部を上空方向へ向ける必要があるといった課題もある。
【0022】
本発明はこのような背景に鑑み、端末装置の、ある瞬間に滞在する領域(環境、と言い換えても良い)を判定することを目的とする。特に、本発明は、端末装置がある瞬間に、例えば、交通事故の危険性のある歩道を含む道路上に存在するか、交通事故の危険性のない安全な環境、例えば建物などの屋内、乗り物内(歩行者ではない)、歩道橋上、などに存在するかを判定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本第一の発明の端末装置は、自身が存在する領域が第一領域であるか、第一領域とは異なる第二領域であるかを判断する端末装置であって、1または2以上の各測位衛星から信号を受信する信号受信部と、信号受信部が受信した2以上の信号を代表する値である代表値を算出する代表値算出部と、信号受信部が受信した2以上の信号の分散具合を示す値である分散具合値を算出する分散具合値算出部と、代表値および分散具合値を用いて、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断し、判断結果を取得する判断部と、判断部が取得した判断結果を出力する出力部とを具備する端末装置である。
【0024】
かかる構成により、端末装置が存在する領域を精度高く判断できる。
【0025】
また、本第二の発明の端末装置は、第一の発明に対して、判断部は、代表値および分散具合値をパラメータとする1以上の判断条件を格納し得る判断条件格納手段と、1以上の判断条件のいずれかに、代表値および分散具合値を適用し、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断し、判断結果を取得する第一判断手段とを具備する端末装置である。
【0026】
かかる構成により、判断条件を用いて、端末装置が存在する領域を精度高く判断できる。
【0027】
また、本第三の発明の端末装置は、第一または第二の発明に対して、端末装置の速度に関する速度情報を取得する速度情報取得部をさらに具備し、判断部は、代表値、分散具合値、および速度情報を用いて、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断し、判断結果を取得する端末装置である。
【0028】
かかる構成により、速度情報をも用いて、端末装置が存在する領域をより精度高く判断できる。
【0029】
また、本第四の発明の端末装置は、第三の発明に対して、判断部は、代表値および分散具合値を用いて、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断する第一判断手段と、第一判断手段の判断が判断不能である場合、速度情報を用いて、端末装置が停止中か否かを判断し、停止中であれば、端末装置が第一領域に存在すると判断し、判断結果を取得する第二判断手段とを具備する端末装置である。
【0030】
かかる構成により、速度情報をも用いて、端末装置が存在する領域をより精度高く判断できる。
【0031】
また、本第五の発明の端末装置は、第三の発明に対して、判断部は、代表値、分散具合値、および速度情報をパラメータとする1以上の判断条件を格納し得る判断条件格納手段と、1以上の判断条件のいずれかに、代表値、分散具合値および速度情報を適用し、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断し、判断結果を取得する第一判断手段とを具備する端末装置である。
【0032】
かかる構成により、速度情報をも用いて、端末装置が存在する領域をより精度高く判断できる。
【0033】
また、本第六の発明の端末装置は、第一から第五いずれかの発明に対して、端末装置の周辺の気圧に関する気圧情報を取得する気圧情報取得部をさらに具備し、判断部は、代表値、分散具合値、および気圧情報を用いて、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断し、判断結果を取得する端末装置である。
【0034】
かかる構成により、測定した気圧情報をも用いて、端末装置が存在する領域をより精度高く判断できる。
【0035】
また、本第七の発明の端末装置は、第六の発明に対して、判断部は、代表値および分散具合値を用いて、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断する第一判断手段と、第一判断手段の判断が判断不能である場合、気圧情報を用いて、端末装置が階段を移動中か否かを判断し、階段を移動中であれば、端末装置が第一領域に存在すると判断し、判断結果を取得する第三判断手段とを具備する端末装置である。
【0036】
かかる構成により、測定した気圧情報をも用いて、端末装置が存在する領域をより精度高く判断できる。
【0037】
また、本第八の発明の端末装置は、第六の発明に対して、判断部は、代表値、分散具合値、および気圧情報をパラメータとする1以上の判断条件を格納し得る判断条件格納手段と、1以上の判断条件のいずれかに、代表値、分散具合値および気圧情報を適用し、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断し、判断結果を取得する第一判断手段とを具備する端末装置である。
【0038】
かかる構成により、測定した気圧情報をも用いて、端末装置が存在する領域をより精度高く判断できる。
【0039】
また、本第九の発明の端末装置は、第一から第八いずれかの発明に対して、他の1以上の端末装置から1以上の気圧情報を受信する気圧情報受信部をさらに具備し、判断部は、代表値、分散具合値、および1以上の気圧情報を用いて、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断し、判断結果を取得する端末装置である。
【0040】
かかる構成により、他の装置から受信した気圧情報をも用いて、端末装置が存在する領域をより精度高く判断できる。
【0041】
また、本第十の発明の端末装置は、第九の発明に対して、判断部は、代表値および分散具合値を用いて、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断する第一判断手段と、第一判断手段の判断が判断不能である場合、1以上の気圧情報を用いて、端末装置が建物の高層階に存在するかを判断し、建物の高層階に存在すると判断した場合、端末装置が第一領域に存在すると判断し、判断結果を取得する第四判断手段とを具備する端末装置である。
【0042】
かかる構成により、他の装置から受信した気圧情報をも用いて、端末装置が存在する領域をより精度高く判断できる。
【0043】
また、本第十一の発明の端末装置は、第九の発明に対して、判断部は、代表値、分散具合値、および1以上の気圧情報をパラメータとする1以上の判断条件を格納し得る判断条件格納手段と、1以上の判断条件のいずれかに、代表値、分散具合値および1以上の気圧情報を適用し、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断し、判断結果を取得する第一判断手段とを具備する端末装置である。
【0044】
かかる構成により、速度情報をも用いて、端末装置が存在する領域をより精度高く判断できる。
【0045】
また、本第十二の発明の端末装置は、第一から第十一いずれかの発明に対して、地図データを格納し得る地図データ格納部をさらに具備し、判断部は、代表値、分散具合値、および地図データを用いて、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断し、判断結果を取得する端末装置である。
【0046】
かかる構成により、地図データをも用いて、端末装置が存在する領域をより精度高く判断できる。
【0047】
また、本第十三の発明の端末装置は、第十二の発明に対して、判断部は、代表値および分散具合値を用いて、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断する第一判断手段と、第一判断手段の判断が判断不能である場合、現在位置を用いて、端末装置が郊外に存在するかを判断し、郊外に存在すると判断した場合、端末装置が第一領域に存在すると判断し、判断結果を取得する第五判断手段とを具備する端末装置である。
【0048】
かかる構成により、地図データをも用いて、端末装置が存在する領域をより精度高く判断できる。
【0049】
また、本第十四の発明の端末装置は、第十二の発明に対して、判断部は、代表値、分散具合値、および地図データから取得され得る1以上の情報をパラメータとする1以上の判断条件を格納し得る判断条件格納手段と、1以上の判断条件のいずれかに、代表値、分散具合値および1以上の気圧情報を適用し、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断し、判断結果を取得する第一判断手段とを具備する端末装置である。
【0050】
かかる構成により、地図データをも用いて、端末装置が存在する領域をより精度高く判断できる。
【発明の効果】
【0051】
本発明による端末装置によれば、端末装置が存在する領域を精度高く判断できる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】実施の形態1における端末装置のブロック図
【図2】同端末装置の動作について説明するフローチャート
【図3】同判断処理の動作について説明するフローチャート
【図4】同端末装置の具体例のブロック図
【図5】同端末装置の動作について説明するフローチャート
【図6】同端末装置の具体例を補足する図
【図7】同端末装置の具体例のブロック図
【図8】同端末装置の動作について説明するフローチャート
【図9】同端末装置の具体例を補足する図
【図10】同端末装置の具体例のブロック図
【図11】同端末装置の動作について説明するフローチャート
【図12】同端末装置の具体例を補足する図
【図13】同端末装置の具体例のブロック図
【図14】同端末装置の動作について説明するフローチャート
【図15】同端末装置の具体例を補足する図
【図16】同端末装置の具体例のブロック図
【図17】同端末装置の動作について説明するフローチャート
【図18】同端末装置の具体例を補足する図
【図19】同端末装置の動作について説明するフローチャート
【図20】同端末装置の具体例を補足する図
【図21】同コンピュータシステムの概観図
【図22】同コンピュータシステムのブロック図
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下、端末装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0054】
(実施の形態1)
本実施の形態において、端末装置が第一領域に存在するか第二領域に存在するかを判断する端末装置について説明する。第一領域とは、例えば、非危険領域である。非危険領域とは、例えば、交通事故の危険性のない安全な領域である。かかる安全な領域は、例えば、建物などの屋内、乗り物内、歩道橋上などである。また、第二領域とは、第一領域とは異なる領域である。第二領域とは、例えば、危険領域である。危険領域とは、交通事故の危険性のある歩道を含む道路上などである。対象とする領域には、第一領域と第二領域以外の領域が存在しても良い。また、第一領域と第二領域は、交通事故の危険性によって分類される領域には限らない。
【0055】
また、本実施の形態において、端末装置は、各衛星からの受信信号の代表値(例えば、平均値)および分散具合値(例えば、標準偏差)を用いて、第一領域に存在するか第二領域に存在するかを判断する。また、端末装置は、速度情報(加速度、速度など)、気圧情報(「高度情報」も含むと考えても良い。以降、同様である。)、地図データなども用いて、第一領域に存在するか第二領域に存在するかを判断しても良い。
【0056】
図1は、本実施の形態における端末装置1のブロック図である。
【0057】
端末装置1は、地図データ格納部101、衛星データ格納部102、信号受信部103、代表値算出部104、分散具合値算出部105、判断部106、出力部107、速度情報取得部108、気圧情報取得部109、気圧情報受信部110、測位演算部111、および測位結果出力部112を備える。
【0058】
衛星データ格納部102は、例えば、アルマナック情報格納手段1021、およびエフェメリス情報格納手段1022を備える。
【0059】
信号受信部103は、例えば、アンテナ1031、信号受信手段1032、および信号復号手段1033を備える。
【0060】
判断部106は、例えば、判断条件格納手段1061、第一判断手段1062、第二判断手段1063、第三判断手段1064、第四判断手段1065、第五判断手段1066、および合成手段1067を備える。
【0061】
速度情報取得部108は、例えば、速度情報センサ1081、および速度情報演算手段1082を備える。
【0062】
気圧情報取得部109は、例えば、気圧情報センサ1091、および気圧情報演算手段1092を備える。
【0063】
気圧情報受信部110は、例えば、移動無線アンテナ1101、車々間通信受信手段1102、および受信気圧情報演算手段1103を備える。なお、本明細書において、車々間通信を行う手段(例えば、車々間通信受信手段1102)は、各種の無線通信手段を含む、とする。
【0064】
地図データ格納部101は、地図データを格納し得る。地図データは、通常、道路情報を含む。道路情報は、道路の情報であり、道路の属性を示す道路属性情報を有する情報である。地図データは、建物情報を含んでも良い。建物情報は、地図上の建物に関する情報(例えば、ID、建物の名前、大きさ、階数等)である。なお、地図データのデータ構造は問わない。
【0065】
地図データ格納部101は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0066】
地図データ格納部101に地図データが記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して地図データが地図データ格納部101で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された地図データが地図データ格納部101で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された地図データが地図データ格納部101で記憶されるようになってもよい。
【0067】
衛星データ格納部102は、信号受信部103が受信した信号から取得され得る情報である衛星データを格納し得る。衛星データ格納部102は、例えば、アンテナ1031を経由して、信号受信手段1032が受信した信号を、信号復号手段1033が復号して取得した衛星データを格納し得る。なお、衛星データは、例えば、アルマナック情報、エフェメリス情報である。
【0068】
衛星データ格納部102は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0069】
アルマナック情報格納手段1021は、信号受信部103が受信した信号から取得されたアルマナック情報を格納する。
【0070】
エフェメリス情報格納手段1022は、信号受信部103が受信した信号から取得されたエフェメリス情報を格納する。
【0071】
信号受信部103は、1または2以上の各測位衛星から信号を受信する。信号受信部103は、例えば、アンテナ1031、GPS受信機等により実現され得る。なお、測位衛星の種類は問わない。また、測位衛星から受信する信号は、通常、位置を決定するために用いる信号であるが、内容やデータ構造等は問わない。
【0072】
アンテナ1031は、GPS信号等の信号を1または2以上の各測位衛星から受信する。
【0073】
信号受信手段1032は、例えば、アンテナ1031により受信された信号のレベル変換や周波数変換、ノイズ除去などを行う。
【0074】
信号復号手段1033は、信号受信手段1032から与えられる信号を、衛星から送信されたデータ列に復号する。そして、信号復号手段1033は、復号されたデータ列からアルマナック信号(アルマナック情報と同意義である)を抽出し、アルマナック情報格納手段1021に蓄積する。また、信号復号手段1033は、復号されたデータ列からエフェメリス信号(エフェメリス情報と同意義である)を抽出し、エフェメリス情報格納手段1022に蓄積する。
【0075】
代表値算出部104は、信号受信部103が受信した2以上の信号を代表する値である代表値を算出する。代表値とは、例えば、2以上の信号のSNRの平均値、2以上の信号のSNRの中央値、2以上の信号の強度(受信信号強度)の平均値、2以上の信号の強度の中央値等である。代表値算出部104は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。代表値算出部104の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0076】
分散具合値算出部105は、信号受信部103が受信した2以上の信号の分散具合を示す値である分散具合値を算出する。分散具合値は、例えば、2以上の信号のSNRの分散、2以上の受信信号強度の分散、2以上の信号の強度の標準偏差、2以上の受信信号強度の標準偏差等である。分散具合値算出部105は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。分散具合値算出部105の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0077】
判断部106は、代表値および分散具合値を用いて、端末装置1が第一領域(例えば、屋内)に存在するか、第二領域(例えば、屋外)に存在するかを判断し、判断結果を取得する。
【0078】
また、判断部106は、代表値、分散具合値、および速度情報を用いて、端末装置1が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断し、判断結果を取得しても良い。
【0079】
また、判断部106は、代表値、分散具合値、および自身の気圧情報を用いて、端末装置1が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断し、判断結果を取得しても良い。
【0080】
また、判断部106は、代表値、分散具合値、および他の装置から受信した1以上の気圧情報を用いて、端末装置1が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断し、判断結果を取得しても良い。判断結果とは、例えば、領域識別子(例えば、「屋内(例えば「0」)」「屋外(例えば「1」)」)や、いずれの領域にも属さない旨の情報や、判断不能を示す情報(例えば「−1」)である。領域識別子は、領域を識別する情報であり、例えば、第一領域を示す旨の情報や、第二領域を示す旨の情報である。
【0081】
また、判断部106は、代表値、分散具合値、および地図データを用いて、端末装置1が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断し、判断結果を取得しても良い。
【0082】
つまり、判断部106は、代表値と分散具合値に加えて、速度情報、自ら取得した気圧情報、他装置から受信した気圧情報、地図データのうちのいずれか1以上の情報を用いて、端末装置1が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断し、判断結果を取得しても良い。
【0083】
判断部106は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。判断部106の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0084】
判断条件格納手段1061は、代表値および分散具合値をパラメータとする1以上の判断条件を格納し得る。判断条件は、代表値および分散具合値に加えて、速度情報、取得した気圧情報、受信した気圧情報、道路属性情報のうちの1以上の情報をパラメータとする条件でも良い。判断条件は、条件と領域識別子とを対応付けた情報でも良い。かかる場合、条件は、代表値および分散具合値をパラメータとする条件である。また、判断条件は、領域識別子と対応付けられていても良い。判断条件格納手段1061は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。判断条件格納手段1061に判断条件が記憶される過程は問わない。
【0085】
第一判断手段1062は、代表値および分散具合値を用いて、端末装置1が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断する。例えば、第一判断手段1062は、1以上の判断条件のいずれかに、代表値および分散具合値を適用し、当該代表値および分散具合値に合致する判断条件を検出し、当該判断条件に対応する領域識別子を取得する。そして、第一判断手段1062は、取得した領域識別子に対応する判断結果(取得した領域識別子と同一でも良い)を取得する。また、例えば、第一判断手段1062は、1以上の判断条件のいずれかに、代表値および分散具合値、および速度情報、取得した気圧情報、受信した気圧情報、地図データから取得され得る1以上の情報(例えば、道路属性情報、現在位置を含む領域の種類(例えば、「郊外」「市街地」または「都市部」等)など)のうちの1以上の情報を適用し、当該代表値、分散具合値、および他の情報に合致する判断条件を検出し、当該判断条件に対応する領域識別子を取得する。そして、第一判断手段1062は、取得した領域識別子に対応する判断結果(取得した領域識別子と同一でも良い)を取得する。
【0086】
第二判断手段1063は、1以上の判断条件のいずれかに、取得された速度情報を適用し、当該速度情報に合致する判断条件を検出し、当該判断条件に対応する領域識別子を取得する。また、第二判断手段1063は、例えば、速度情報を用いて、端末装置1が停止中か否かを判断し、停止中であれば、端末装置1が第一領域に存在すると判断し、判断結果を取得しても良い。また、第二判断手段1063は、第一判断手段1062の判断が判断不能(例えば、「−1」)である場合、速度情報を用いて、端末装置1が停止中か否かを判断し、停止中であれば、端末装置1が第一領域(ここでは、例えば、安全な領域)に存在すると判断し、判断結果を取得しても良い。なお、ここでの停止中とは、厳密に、速度が0で無くてもよい。速度が一定以下でも良い。また、停止中か否かの判断とは、停止中か移動中かのどちらかの判断でも良いし、3以上のカテゴリーのうちのいずれかであるかの判断でも良い。
【0087】
第三判断手段1064は、1以上の判断条件のいずれかに、取得された気圧情報を適用し、当該気圧情報に合致する判断条件を検出し、当該判断条件に対応する領域識別子を取得する。また、例えば、第一判断手段1062の判断が判断不能(例えば、「−1」)である場合、気圧情報を用いて、端末装置1が「階段を移動中」または「建物の高層階に存在する」か否かを判断し、「階段を移動中」または「建物の高層階に存在する」と判断した場合、端末装置1が第一領域に存在すると判断し、判断結果を取得しても良い。
【0088】
第四判断手段1065は、1以上の判断条件のいずれかに、受信された1以上の気圧情報(他の装置の気圧情報)を適用し、当該1以上の気圧情報に合致する判断条件を検出し、当該判断条件に対応する領域識別子を取得する。また、例えば、第四判断手段1065は、第一判断手段1062の判断が判断不能である場合、1以上の気圧情報を用いて、端末装置1が「階段を移動中」または「建物の高層階に存在する」か否かを判断し、「階段を移動中」または「建物の高層階に存在する」と判断した場合、端末装置1が第一領域に存在すると判断し、判断結果を取得しても良い。さらに、例えば、第四判断手段1065は、1以上の判断条件のいずれかに、端末装置1の気圧情報と受信された1以上の気圧情報(他の装置の気圧情報)を適用し、かかる気圧情報に合致する判断条件を検出し、当該判断条件に対応する領域識別子を取得しても良い。
【0089】
第五判断手段1066は、1以上の判断条件のいずれかに、地図データから得られた情報を適用し、端末装置1が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断し、判断結果を取得する。さらに具体的には、第五判断手段1066は、例えば、現在位置に対応する地図データ上の情報(例えば、「郊外」または「市街地」または「都市部」)を取得し、当該情報を1以上の判断条件に適用し、判断結果を取得する。
【0090】
合成手段1067は、第一判断手段1062が取得した判断結果と、他の1以上の判断手段(第二判断手段1063から第五判断手段1066)のいずれか1以上の判断結果とを用いて、領域識別子を取得する。
【0091】
出力部107は、判断部106が取得した判断結果を出力する。ここで、出力とは、例えば、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しである。また、出力とは、ディスプレイへの表示、プロジェクターを用いた投影、プリンタでの印字、音出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積などを含む概念である。なお、判断結果が引き渡される他の処理装置や他のプログラムは、例えば、判断結果が「屋内(安全である領域)」である場合に、端末装置1の位置情報(現在位置)を外部に送信しない処理を行う装置やプログラムである。なお、判断結果が「屋内(安全である領域)」である場合でも、端末装置1が位置情報(現在位置)を外部(例えば、車両)に送信しても良い。また、判断結果が引き渡される他の処理装置や他のプログラムは、例えば、判断結果が「屋外(危険である領域)」である場合に、危険である旨を音出力する装置やプログラムである。その他、判断結果の利用態様は問わない。
【0092】
出力部107は、ディスプレイ等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。出力部107は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【0093】
速度情報取得部108は、端末装置1の速度に関する速度情報を取得する。速度情報とは、通常、加速度であるが、速度でも良い。例えば、速度情報は、加速度のピーク値、周波数値などでも良い。速度情報取得部108は、例えば、加速度センサや速度センサ等により、実現され得る。なお、後述する自端末の移動速度情報も、速度情報の一例である。
【0094】
速度情報センサ1081は、速度情報を取得するセンサであり、例えば、加速度センサや速度センサである。
【0095】
速度情報演算手段1082は、例えば、速度情報センサ1081が取得した速度情報をFFT演算し、周波数成分およびピークパワーを算出する。速度情報演算手段1082は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。速度情報演算手段1082の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0096】
気圧情報取得部109は、端末装置1の周辺の気圧に関する気圧情報を取得する。気圧情報は、通常、気圧である。
【0097】
気圧情報センサ1091は、気圧情報を取得する気圧センサである。気圧情報センサ1091が取得した気圧情報は、気圧情報演算手段1092に渡され、気圧情報演算手段1092で少なくとも一時蓄積される。
【0098】
気圧情報演算手段1092は、例えば、格納している現在の気圧情報と指定された一定時間前の気圧情報とより、その間に変動した気圧差を算出する。気圧情報演算手段1092は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。気圧情報演算手段1092の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0099】
気圧情報受信部110は、他の1以上の端末装置1から1以上の気圧情報を受信する。
【0100】
移動無線アンテナ1101は、端末装置1の周囲に存在する車両や他の端末装置の気圧情報を受信する。
【0101】
車々間通信受信手段1102は、移動無線アンテナ1101が受信した車両や他の端末装置の気圧情報を取得する。
【0102】
受信気圧情報演算手段1103は、例えば、車々間通信受信手段1102が取得した周辺車両(周辺の他の端末装置でも良い)の気圧情報と、気圧情報取得部109が取得した端末装置1の気圧情報から気圧差を算出する。なお、周辺の他の端末装置には、いわゆる路側機も含まれる。受信気圧情報演算手段1103は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。受信気圧情報演算手段1103の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0103】
測位演算部111は、衛星データ(例えば、アルマナック情報、およびエフェメリス情報)から自己の位置を測位し、位置を示す位置情報を取得する。位置情報は、例えば、(経度,緯度)、高度である。ただし、位置情報のデータ形式は問わない。測位演算部111は、公知技術であるので、詳細な説明を省略する。測位演算部111は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。測位演算部111の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0104】
測位結果出力部112は、測位演算部111が取得した位置情報を出力する。ここでの出力とは、ディスプレイへの表示、プロジェクターを用いた投影、プリンタでの印字、音出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である。測位結果出力部112は、ディスプレイ等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。測位結果出力部112は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【0105】
次に、端末装置1の動作について、図2のフローチャートを用いて説明する。
【0106】
(ステップS201)信号受信部103は、1または2以上の各測位衛星から信号を受信する。
【0107】
(ステップS202)信号受信部103は、ステップS201で受信した2以上の信号から取得した衛星データ(例えば、アルマナック情報、エフェメリス情報)を衛星データ格納部102に蓄積する。
【0108】
(ステップS203)測位演算部111は、衛星データ格納部102に格納されている衛星データから自己の位置を測位し、位置を示す位置情報を取得する。
【0109】
(ステップS204)代表値算出部104は、信号受信部103が受信した2以上の信号を代表する値である代表値(例えば、SNRの平均値)を算出する。
【0110】
(ステップS205)分散具合値算出部105は、信号受信部103が受信した2以上の信号の分散具合を示す値である分散具合値(例えば、SNRの分散)を算出する。
【0111】
(ステップS206)速度情報取得部108は、端末装置1の速度情報を取得する。
【0112】
(ステップS207)気圧情報取得部109は、端末装置1の周辺の気圧に関する気圧情報を取得する。
【0113】
(ステップS208)気圧情報受信部110は、他の1以上の装置(例えば、車両)から1以上の気圧情報を受信する。
【0114】
(ステップS209)判断部106は、代表値および分散具合値等を用いて、端末装置1が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断し、判断結果を取得する。かかる処理を判断処理という。判断処理の例について、図3のフローチャートを用いて説明する。
【0115】
(ステップS210)出力部107は、判断部106が取得した判断結果を出力する。
【0116】
(ステップS211)測位結果出力部112は、測位演算部111が取得した位置情報を出力する。処理を終了する。
【0117】
なお、図2のフローチャートにおいて、各手順で得られるデータや行う演算が同じであれば、各処理の順番や並列処理、直列処理を入れ替えてもよいことは言うまでもない。かかることは、他のフローチャートにおいても同様である。
【0118】
また、図2のフローチャートにおいて、例えば、代表値と分散具合値の取得および代表値と分散具合値とを用いた判断と、速度情報の取得および速度情報を用いた判断と、気圧情報の取得および気圧情報を用いた判断等を並列処理することは好適である。かかる並列処理により、高速処理が可能となる。
【0119】
次に、ステップS209の判断処理の例について、図3のフローチャートを用いて説明する。
【0120】
(ステップS301)判断部106は、カウンタiに1を代入する。
【0121】
(ステップS302)判断部106は、判断条件格納手段1061にi番目の判断条件が存在するか否かを判断する。i番目の判断条件が存在すればステップS303に行き、存在しなければステップS308に行く。
【0122】
(ステップS303)判断部106は、i番目の判断条件を判断条件格納手段1061から読み込む。
【0123】
(ステップS304)判断部106は、i番目の判断条件に含まれるパラメータを取得する。そして、判断部106は、取得したパラメータの値を出力する。なお、パラメータには、代表値と分散具合値とが、少なくとも含まれる。その他、パラメータは、速度情報、自ら取得した気圧情報、他装置から受信した気圧情報、地図データ(通常、地図データに含まれる一部の情報である)が含まれても良い。
【0124】
(ステップS305)判断部106は、ステップS304で取得したパラメータの値をi番目の判断条件に適用し、i番目の判断条件に合致するか否かを判断する。i番目の判断条件に合致すればステップS306に行き、合致しなければステップS307に行く。
【0125】
(ステップS306)判断部106は、i番目の判断条件に対応する判断結果を取得する。上位処理にリターンする。なお、判断結果は、i番目の判断条件に含まれていても良いし、i番目の判断条件に対応付けて管理されていても良い。
【0126】
(ステップS307)判断部106は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS302に戻る。
【0127】
(ステップS308)判断部106は、判断結果を取得する。なお、ここで取得する判断結果は、例えば、判断不能を示す判断結果や、予め想定されている領域のうちの、いずれの領域でも無いことを示す情報である。上位処理にリターンする。
【0128】
なお、図3のフローチャートにおいて、各手順で得られるデータや行う演算が同じであれば、各処理の順番や並列処理、直列処理を入れ替えてもよいことは言うまでもない。
【0129】
以下、本実施の形態における端末装置1の具体的な動作について説明する。以下、端末装置1の5つの具体例について説明する。
【0130】
(具体例1)
図4は、端末装置1の第一の具体的な構成を示すブロック図である。図4において、例えば、端末装置1は、GPS信号を受信するためのアンテナ1031、受信された信号のレベル変換や周波数変換、ノイズ除去などを行う信号受信手段1032、信号受信手段1032からの信号をデータ列に復号する信号復号手段1033を具備する。また、復号されたデータ列からアルマナック信号が抽出され、アルマナック情報格納手段1021に蓄積される。また、復号されたデータ列からエフェメリス信号が抽出され、エフェメリス情報格納手段1022に蓄積される。また、端末装置1は、アルマナック情報、およびエフェメリス情報から自己(端末装置1)の位置を測位する測位演算部111、信号復号手段1033からのSNR(又は受信信号強度)の情報を元に、平均値(代表値の一例)を演算する代表値算出部104、SNR(又は受信信号強度)の情報を元に分散(分散具合値の一例)を演算する分散具合値算出部105、事前に学習・保存された判断条件(環境パターンと言っても良い)を保存している判断条件格納手段1061、代表値算出部104および分散具合値算出部105からの代表値と分散具合値を、判断条件格納手段1061の判断条件と比較し、領域識別子(第一領域または第二領域を識別する情報)を取得する第一判断手段1062を具備する。また、端末装置1は、判断結果を出力する出力部107、測位結果を出力する測位結果出力部111を具備する。なお、各構成要素で得られるデータや行う演算が同じであれば、各構成要素の接続は、図4の限りではない。また、アルマナック情報格納手段1021、エフェメリス情報格納手段1022、測位演算部111などの測位演算処理を行う構成要素は必ずしも必要ではない。
【0131】
次に、端末装置1の具体例1における動作について、図5のフローチャートを用いて説明する。
【0132】
なお、判断条件格納手段1061は、図6の603に示す4つの判断条件を保持している。また、ここでの判断条件は、SNRの平均値と分散値とを有する条件であり、判断結果をも有する。また、判断結果は、端末装置1が屋内に存在することを示す「屋内」、または屋外に存在することを示す「屋外」のいずれかである。また、図6においてSNRthは、平均値の判定の閾値であり、Sthは、分散値の判定の閾値である。
【0133】
(ステップS501)端末装置1の電源を投入すると、GPS電源がONとなる。
【0134】
(ステップS502)信号受信手段1032は、衛星信号の周波数サーチを行う。
【0135】
(ステップS503)信号受信手段1032、および信号復号手段1033は、逆拡散、復号処理を行う。なお、衛星信号の受信の結果、衛星番号やSNR(又は受信信号強度)などの情報が得られる。なお、図6において、n個のGPS衛星の衛星番号(GPS衛星1、GPS衛星nなど)と、各衛星に対応するSNRが得られる。
【0136】
(ステップS504)信号受信手段1032は、アルマナック情報をアルマナック情報格納手段1021に蓄積する。かかる処理をアルマナック受信という。
【0137】
(ステップS505)信号受信手段1032は、エフェメリス情報をエフェメリス情報格納手段1022に蓄積する。かかる処理をエフェメリス受信という。
【0138】
(ステップS506)例えば、コールドスタートの場合に、測位演算部111は、測位演算処理を行い、位置情報を取得する。ここで、位置情報は、緯度、経度、高度である、とする。
【0139】
(ステップS507)測位結果出力部112は、測位演算部111が取得した位置情報を、他の手段に渡し、他の手段が各種情報を算出する。各種情報とは、例えば、衛星の仰角や方位、端末装置1の速度などである。
【0140】
(ステップS508)代表値算出部104は、取得された衛星番号やSNR(又は受信信号強度)などの情報を用いて、SNR(又は受信信号強度)の平均値を算出する。また、分散具合値算出部105は、取得された衛星番号やSNR(又は受信信号強度)などの情報を用いて、SNR(又は受信信号強度)の分散(又は標準偏差)を算出する。なお、図6において、代表値算出部104は、601に示す式により、平均値「SNRaverage」を取得する。また、分散具合値算出部105は、602に示す式により、分散値「S」を取得する。
【0141】
(ステップS509)第一判断手段1062は、ステップS508で取得された代表値と分散具合値とを、判断条件格納手段1061に格納されている1以上の判断条件に適用し、合致する判断条件を検出する。そして、第一判断手段1062は、合致する判断条件に対応する判断結果を取得する。
【0142】
(ステップS510)出力部107は、判断結果を出力する。
【0143】
なお、図5のフローチャートにおいて、各手順で得られるデータや行う演算が同じであれば、各処理の順番や並列処理、直列処理を入れ替えてもよいことは言うまでもない。
【0144】
(具体例2)
図7は、端末装置1の第二の具体的な構成を示すブロック図である。図7において、例えば、端末装置1は、GPS信号を受信するためのアンテナ1031、受信された信号のレベル変換や周波数変換、ノイズ除去などを行う信号受信手段1032、信号受信手段1032からの信号をデータ列に復号する信号復号手段1033を具備する。また、復号されたデータ列からアルマナック信号が抽出され、アルマナック情報格納手段1021に蓄積される。また、復号されたデータ列からエフェメリス信号が抽出され、エフェメリス情報格納手段1022に蓄積される。また、端末装置1は、アルマナック情報、およびエフェメリス情報から自己(端末装置1)の位置を測位する測位演算部111、信号復号手段1033からのSNR(又は受信信号強度)の情報を元に、平均値(代表値の一例)を演算する代表値算出部104、SNR(又は受信信号強度)の情報を元に分散(分散具合値の一例)を演算する分散具合値算出部105、事前に学習・保存された判断条件(環境パターンと言っても良い)を保存している判断条件格納手段1061、代表値算出部104および分散具合値算出部105からの代表値と分散具合値を、判断条件格納手段1061の判断条件と比較し、領域識別子(第一領域または第二領域を識別する情報)を取得する第一判断手段1062を具備する。
【0145】
また、端末装置1は、移動端末の加速度を計測し、加速度情報を得る速度情報センサ1081、速度情報センサ1081からの加速度情報から周波数成分などを演算する速度情報演算手段1082、速度情報演算手段1082からの出力を元に端末装置1の動きのパターン(判断条件のレコードと言っても良い。)を識別する第二判断手段1063、第一判断手段1062および第二判断手段1063から得られた判断結果により、端末装置1が存在する領域が、屋内か屋外かを判定する合成手段1067を具備する。また、端末装置1は、判断結果を出力する出力部107、測位結果を出力する測位結果出力部111を具備する。なお、各構成要素で得られるデータや行う演算が同じであれば、各構成要素の接続は、図7の限りではない。また、アルマナック情報格納手段1021、エフェメリス情報格納手段1022、測位演算部111などの測位演算処理を行う構成要素は必ずしも必要ではない。
【0146】
次に、端末装置1の具体例2における動作について、図8のフローチャートを用いて説明する。図8のフローチャートにおいて、図5のフローチャートと同一のステップについて、説明を省略する。
【0147】
なお、判断条件格納手段1061は、図9の901に示す第一の判断条件管理表を保持している。第一の判断条件管理表は、4つの判断条件を保持している。また、ここでの判断条件は、SNRの平均値「SNRaverage」と分散値「S」とを有する条件であり、「判断結果」と「誤判定」をも有する。「判断結果」は、端末装置1が屋内に存在することを示す「屋内」、または屋外に存在することを示す「屋外」のいずれかである。ただし、図9の901における「誤判定=多」に対応する場合は、第一判断手段1062は、判断結果「判定不能」を取得する、とする。また、「誤判定」は、誤判定が多い(「多」)か、少ない(「少」)かを示す属性である。また、図9においてSNRthは、平均値の判定の閾値であり、Sthは、分散値の判定の閾値である。
【0148】
さらに、判断条件格納手段1061は、図9の902に示す第二の判断条件管理表を保持している。第二の判断条件管理表は、4つの判断条件を保持している。また、ここでの判断条件は、ピーク値「Gpeak」および周波数値「Gfreq」である。また、「判断結果」は、「屋内」、「屋外」のいずれかである。また、図9においてGpeak_thはピーク値の判定の閾値であり、Gfreq_thは周波数値の判定の閾値である。なお、判断条件は、ピーク値「Gpeak」および周波数値「Gfreq」以外の他の特徴量を用いた条件でも良い。また、他の特徴量は、振幅変動幅値や分散等の、FFT演算をせずに算出できる情報であっても良い。
【0149】
(ステップS801)第一判断手段1062は、ステップS508で取得された代表値と分散具合値とを、判断条件格納手段1061に格納されている1以上の判断条件(901)に適用し、合致する判断条件を検出する。そして、第一判断手段1062は、合致する判断条件に対応する判断結果を取得する。
【0150】
(ステップS802)第一判断手段1062が取得した判断結果が「判定不能」であるか否かを判断する。「判定不能」であればステップS803に行き、「判定不能」でなければステップS510に行く。なお、ステップS510において、判断結果を出力する。また、判断結果は、「屋内」または「屋外」である。
【0151】
(ステップS803)加速度センサ1081の電源をONする。
【0152】
(ステップS804)加速度センサ1081が加速度を取得する。
【0153】
(ステップS805)速度情報演算手段1082は、加速度センサ1081が取得した加速度をFFT演算し、周波数成分「Gfreq」およびピークパワー「Gpeak」を取得する。
【0154】
(ステップS806)第二判断手段1063は、ステップS805で取得された周波数成分「Gfreq」およびピークパワー「Gpeak」と、事前に学習された行動パターン(図9の902)とを比較し、合致するレコードを決定する(パターン識別する)。そして、第二判断手段1063は、ステップS805で取得された周波数成分およびピークパワーに合致するレコードに含まれる判断結果を取得する。なお、判断結果は、「屋内」または「屋外」である。
【0155】
なお、第二判断手段1063は、周波数成分およびピークパワーとを用いて、「行動停止」である、と判断した場合に、判断結果に「屋内」を代入しても良い。そして、第二判断手段1063は、「行動停止」でない、と判断した場合に、判断結果に「判定不能」を代入しても良い。ステップS510に行く。処理を終了する。
【0156】
また、具体例2において、第一判断手段1062が取得した判断結果が「判定不能」である場合に、第二判断手段1063が速度情報を用いて領域識別子を取得した。しかし、判断部106は、代表値、分散具合値および速度情報を一緒に、判断条件格納手段1061の1以上の判断条件に適用し、領域識別子を取得しても良い。
(具体例2の変形例)
【0157】
具体例2の変形例について、以下、説明する。具体例2の変形例において、第二判断手段1063の処理が、具体例2の第二判断手段1063の処理と異なる。第二判断手段1063は、GPSユニット等で算出される自端末の移動速度情報をも用いて判定を行う。
【0158】
具体例2の変形例を示すフローチャートを図19に示す。図19のフローチャートにおいて、図5、図8と同一のステップについて、説明を省略する。
【0159】
なお、判断条件格納手段1061は、図20の901に示す第一の判断条件管理表を保持している。
【0160】
さらに、判断条件格納手段1061は、図20の2001に示す第二の判断条件管理表を保持している。第二の判断条件管理表は、4つの判断条件を保持している。また、ここでの判断条件は、ピーク値「Gpeak」および自端末速度「v」である。また、「判断結果」は、「屋内」、「屋外」のいずれかである。また、図20においてGpeak_thはピーク値の判定の閾値であり、v_thは自端末速度の判定の閾値である。
【0161】
(ステップS1901)第二判断手段1063は、ステップS805で取得されたピークパワー「Gpeak」およびステップS507で取得された自端末速度「v」(端末装置1の速度)と、事前に学習された行動パターン(図20の2001)とを比較し、合致するレコードを決定する(パターン識別する)。
【0162】
なお、図19のフローチャートにおいて、ステップS504からS507の処理と、ステップS508からS802の処理と、ステップS803からS805の処理とが、並列に行われることは好適である。
【0163】
また、具体例2の変形例において、第一判断手段1062が取得した判断結果が「判定不能」である場合に、第二判断手段1063が速度情報を用いて領域識別子を取得した。しかし、判断部106は、代表値、分散具合値および速度情報(ここでは、例えば、自端末速度)を一緒に、判断条件格納手段1061の1以上の判断条件に適用し、領域識別子を取得しても良い。
【0164】
(具体例3)
図10は、端末装置1の第三の具体的な構成を示すブロック図である。図10において、例えば、端末装置1は、GPS信号を受信するためのアンテナ1031、受信された信号のレベル変換や周波数変換、ノイズ除去などを行う信号受信手段1032、信号受信手段1032からの信号をデータ列に復号する信号復号手段1033を具備する。また、復号されたデータ列からアルマナック信号が抽出され、アルマナック情報格納手段1021に蓄積される。また、復号されたデータ列からエフェメリス信号が抽出され、エフェメリス情報格納手段1022に蓄積される。また、端末装置1は、アルマナック情報、およびエフェメリス情報から自己(端末装置1)の位置を測位する測位演算部111、信号復号手段1033からのSNR(又は受信信号強度)の情報を元に、平均値(代表値の一例)を演算する代表値算出部104、SNR(又は受信信号強度)の情報を元に分散(分散具合値の一例)を演算する分散具合値算出部105、事前に学習・保存された判断条件(環境パターンと言っても良い)を保存している判断条件格納手段1061、代表値算出部104および分散具合値算出部105からの代表値と分散具合値を、判断条件格納手段1061の判断条件と比較し、領域識別子(第一領域または第二領域を識別する情報)を取得する第一判断手段1062を具備する。
【0165】
また、端末装置1は、端末装置1の周囲の気圧を計測する気圧情報センサ1091、気圧情報センサからの気圧情報を一時格納し、現在の気圧情報が示す気圧と、予め決められた一定時間前の気圧情報が示す気圧との差を取得する気圧情報演算手段1092、取得された気圧差のパターンを識別する第三判断手段1064、第一判断手段1062および第三判断手段1064から得られた判断結果により、端末装置1が存在する領域が、屋内か屋外かを判定する合成手段1067を具備する。また、端末装置1は、判断結果を出力する出力部107、測位結果を出力する測位結果出力部111を具備する。なお、各構成要素で得られるデータや行う演算が同じであれば、各構成要素の接続は、図10の限りではない。また、アルマナック情報格納手段1021、エフェメリス情報格納手段1022、測位演算部111などの測位演算処理を行う構成要素は必ずしも必要ではない。
【0166】
次に、端末装置1の具体例3における動作について、図11のフローチャートを用いて説明する。図11のフローチャートにおいて、図5および図8のフローチャートと同一のステップについて、説明を省略する。
【0167】
なお、判断条件格納手段1061は、図12の901に示す第一の判断条件管理表を保持している。
【0168】
さらに、判断条件格納手段1061は、図12の1201に示す第三の判断条件管理表を保持している。第三の判断条件管理表は、2つの判断条件を保持している。また、ここでの判断条件は、気圧差「ΔP」である。「判断結果」は、「屋内」、「屋外」のいずれかである。また、図12においてΔPthは、気圧差の判定の閾値である。
【0169】
(ステップS1101)気圧センサ1091の電源をONする。
【0170】
(ステップS1102)気圧センサ1091から気圧情報を取得し、図示しない記録媒体(気圧データ格納手段)に蓄積していく。なお、本ステップは、他の処理とは並行して行われ、図示しない記録媒体に、順次、気圧情報が蓄積されていく、とする。
【0171】
(ステップS1103)気圧情報演算手段1092は、現在の気圧情報および一定時間前の気圧情報を抽出し、気圧差「ΔP」を取得する演算を行う。
【0172】
(ステップS1104)第三判断手段1064は、ステップS1103で取得された気圧差「ΔP」が事前に決められた閾値(ΔPth)よりも大きいか否かを判断する。気圧差「ΔP」が事前に決められた閾値(ΔPth)よりも大きい場合はステップS1105に行き、大きくない場合は1106に行く。なお、気圧差が事前に決められた閾値よりも大きい場合は、例えば、端末装置1が階段を移動している、または建物の上層階に存在している、ということである。
【0173】
(ステップS1105)第三判断手段1064は、判断結果に「屋内」を代入する。ステップS510に行く。
【0174】
(ステップS1106)第三判断手段1064は、判断結果に「屋外」を代入する。ステップS510に行く。
【0175】
また、具体例3において、第一判断手段1062が取得した判断結果が「判定不能」である場合に、第三判断手段1064が気圧情報を用いて領域識別子を取得した。しかし、判断部106は、代表値、分散具合値および気圧情報を一緒に、判断条件格納手段1061の1以上の判断条件に適用し、領域識別子を取得しても良い。
【0176】
(具体例4)
図13は、端末装置1の第四の具体的な構成を示すブロック図である。図13において、例えば、端末装置1は、GPS信号を受信するためのアンテナ1031、受信された信号のレベル変換や周波数変換、ノイズ除去などを行う信号受信手段1032、信号受信手段1032からの信号をデータ列に復号する信号復号手段1033を具備する。また、復号されたデータ列からアルマナック信号が抽出され、アルマナック情報格納手段1021に蓄積される。また、復号されたデータ列からエフェメリス信号が抽出され、エフェメリス情報格納手段1022に蓄積される。また、端末装置1は、アルマナック情報、およびエフェメリス情報から自己(端末装置1)の位置を測位する測位演算部111、信号復号手段1033からのSNR(又は受信信号強度)の情報を元に、平均値(代表値の一例)を演算する代表値算出部104、SNR(又は受信信号強度)の情報を元に分散(分散具合値の一例)を演算する分散具合値算出部105、事前に学習・保存された判断条件(環境パターンと言っても良い)を保存している判断条件格納手段1061、代表値算出部104および分散具合値算出部105からの代表値と分散具合値を、判断条件格納手段1061の判断条件と比較し、領域識別子(第一領域または第二領域を識別する情報)を取得する第一判断手段1062を具備する。
【0177】
また、端末装置1は、端末装置1の周囲に存在する車両の気圧を取得する移動無線アンテナ1101および車々間通信受信手段1102を具備する。また、端末装置1は、端末装置1の周囲の気圧を計測する気圧センサ1091、周辺車両の気圧情報および端末装置1の気圧情報から、周辺車両の周辺と端末装置1の周辺との気圧差を演算する受信気圧情報演算手段1103を具備する。また、端末装置1は、受信気圧情報演算手段1103から得られた気圧差のパターンを識別する第四判断手段1065、第一判断手段1062および第四判断手段1065から得られた判断結果により、端末装置1が存在する領域が、屋内か屋外かを判定する合成手段1067を具備する。また、端末装置1は、判断結果を出力する出力部107、測位結果を出力する測位結果出力部111を具備する。なお、各構成要素で得られるデータや行う演算が同じであれば、各構成要素の接続は、図13の限りではない。また、アルマナック情報格納手段1021、エフェメリス情報格納手段1022、測位演算部111などの測位演算処理を行う構成要素は必ずしも必要ではない。
【0178】
次に、端末装置1の具体例4における動作について、図14のフローチャートを用いて説明する。図14のフローチャートにおいて、図5、図8および図11のフローチャートと同一のステップについて、説明を省略する。
【0179】
なお、判断条件格納手段1061は、図15の901に示す第一の判断条件管理表を保持している。
【0180】
さらに、判断条件格納手段1061は、図15の1501に示す第四の判断条件管理表を保持している。第四の判断条件管理表は、2つの判断条件を保持している。「判断結果」は、「屋内」、「屋外」のいずれかである。また、図15においてΔPthは、端末装置1の周辺の気圧と、周辺車両の周辺の気圧との気圧差の判定の閾値である。
【0181】
(ステップS1401)車々間通信受信手段1102は、周辺車両から移動無線アンテナ1101を経由して受信された周辺車両の気圧情報を取得する。ここで、車々間通信受信手段1102は、2以上の周辺車両の気圧情報を取得し、その平均値や中間値等を周辺車両の気圧情報としても良い。
【0182】
(ステップS1402)受信気圧情報演算手段1103は、ステップS1401で取得された周辺車両の気圧情報と、ステップS1102で取得された端末装置1内の気圧センサ1091より得られた気圧情報とより気圧差の演算を行い、気圧差を取得する。
【0183】
(ステップS1403)第四判断手段1065は、ステップS1402で取得された気圧差が事前に決められた閾値よりも大きいか否かを判断する。閾値よりも大きい場合はステップS1404に行き、大きくない場合はステップS1405に行く。なお、気圧差が事前に決められた閾値よりも大きい場合は、例えば、端末装置1が階段を移動している、または建物の上層階に存在している、ということである。
【0184】
(ステップS1404)第四判断手段1065は、判断結果に「屋内」を代入する。ステップS510に行く。
【0185】
(ステップS1405)第四判断手段1065は、判断結果に「屋外」を代入する。ステップS510に行く。
【0186】
また、具体例4において、第一判断手段1062が取得した判断結果が「判定不能」である場合に、第四判断手段1065が気圧情報を用いて領域識別子を取得した。しかし、判断部106は、代表値、分散具合値および気圧情報を一緒に、判断条件格納手段1061の1以上の判断条件に適用し、領域識別子を取得しても良い。
【0187】
(具体例5)
図16は、端末装置1の第五の具体的な構成を示すブロック図である。図16において、例えば、端末装置1は、GPS信号を受信するためのアンテナ1031、受信された信号のレベル変換や周波数変換、ノイズ除去などを行う信号受信手段1032、信号受信手段1032からの信号をデータ列に復号する信号復号手段1033を具備する。また、復号されたデータ列からアルマナック信号が抽出され、アルマナック情報格納手段1021に蓄積される。また、復号されたデータ列からエフェメリス信号が抽出され、エフェメリス情報格納手段1022に蓄積される。また、端末装置1は、アルマナック情報、およびエフェメリス情報から自己(端末装置1)の位置を測位する測位演算部111、信号復号手段1033からのSNR(又は受信信号強度)の情報を元に、平均値(代表値の一例)を演算する代表値算出部104、SNR(又は受信信号強度)の情報を元に分散(分散具合値の一例)を演算する分散具合値算出部105、事前に学習・保存された判断条件(環境パターンと言っても良い)を保存している判断条件格納手段1061、代表値算出部104および分散具合値算出部105からの代表値と分散具合値を、判断条件格納手段1061の判断条件と比較し、領域識別子(第一領域または第二領域を識別する情報)を取得する第一判断手段1062を具備する。
【0188】
また、端末装置1は、道路情報や建物情報などを含む地図データを保存する地図データ格納部101、地図データ格納部のデータを用いて、屋内か屋外かを判定する第五判断手段1066、第一判断手段1062および第五判断手段1066から得られた判断結果により、端末装置1が存在する領域が、屋内か屋外かを判定する合成手段1067を具備する。また、端末装置1は、判断結果を出力する出力部107、測位結果を出力する測位結果出力部111を具備する。なお、各構成要素で得られるデータや行う演算が同じであれば、各構成要素の接続は、図16の限りではない。また、アルマナック情報格納手段1021、エフェメリス情報格納手段1022、測位演算部111などの測位演算処理を行う構成要素は必ずしも必要ではない。
【0189】
次に、端末装置1の具体例5における動作について、図17のフローチャートを用いて説明する。図17のフローチャートにおいて、図5、図8および図11のフローチャートと同一のステップについて、説明を省略する。
【0190】
なお、判断条件格納手段1061は、図18の901に示す第一の判断条件管理表を保持している。
【0191】
さらに、判断条件格納手段1061は、図18の1801に示す第五の判断条件管理表を保持している。第五の判断条件管理表は、3つの判断条件を保持している。また、ここでの判断条件は、周辺状況である。また、「判断結果」は、「屋内」、「屋外」のいずれかである。
【0192】
(ステップS1701)第五判断手段1066は、ステップS506で取得された現在位置を、地図データ格納部101の地図データに適用し、現在位置の周辺状況の情報を取得する。周辺状況の情報は、例えば、「郊外」「市街地」「都市部」のいずれかである。第五判断手段1066は、例えば、現在位置を中心として、予め決められた範囲(例えば、1km以内)内の建物の数を地図データから取得し、「建物の数<閾値B1」であれば「郊外」、「閾値B1<=建物の数<閾値B2」であれば「市街地」、「閾値B2<=建物の数」であれば「都市部」と判断しても良い。また、第四判断手段1065は、例えば、現在位置が含まれる領域(例えば、町、村、市、区など)に対応付けて管理されている周辺状況の情報を地図データから取得しても良い。第四判断手段1065が周辺状況の情報を地図データから取得する方法は問わない。
【0193】
(ステップS1702)第五判断手段1066は、ステップS1701で取得した周辺状況の情報が「郊外」であるか否かを判断し、「郊外」であればステップS1703に行き、「郊外」でなければステップS1704に行く。なお、ここで、第五判断手段1066は、ステップS1701で取得した周辺状況の情報を、第五の判断条件管理表に適用しても良い。
【0194】
(ステップS1703)第五判断手段1066は、判断結果に「屋内」を代入する。ステップS510に行く。
【0195】
(ステップS1704)第五判断手段1066は、判断結果に「屋外」を代入する。ステップS510に行く。
【0196】
また、具体例5において、第一判断手段1062が取得した判断結果が「判定不能」である場合に、第五判断手段1066が地図データを用いて領域識別子を取得した。しかし、判断部106は、代表値、分散具合値および地図データを一緒に用いて、情報を判断条件格納手段1061の1以上の判断条件に適用し、領域識別子を取得しても良い。
【0197】
以上、本実施の形態によれば、端末装置1が存在する領域を精度高く判断できる。また、本実施の形態によれば、1または2以上の測位衛星から受信した信号を用いて、端末装置1が存在する領域を精度高く判断できる。また、本実施の形態によれば、1または2以上の測位衛星から受信した信号と、加速度等の速度情報、端末装置1の気圧情報、他の装置(周辺車両等)の気圧情報、地図データなどを用いて、端末装置1が存在する領域をさらに精度高く判断できる。
【0198】
また、本実施の形態によれば、簡易な構成で、高速に、端末装置1が存在する領域を判断できる。
【0199】
なお、本実施の形態によれば、端末装置1が存在する領域を判断する場合、1または2以上の測位衛星から受信した信号を用いれば良く、さらに加速度等の速度情報、端末装置1の気圧情報、他の装置(周辺車両等)の気圧情報、地図データのうちのいずれを用いても良いし、これらの情報を用いなくても良い。
【0200】
また、本実施の形態において、端末装置1は、衛星データ格納部102、測位演算部111、および測位結果出力部112を具備しなくても良い。つまり、端末装置1は、端末装置1が存在する領域を判断した結果をどのように利用しても良い。
【0201】
さらに、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD−ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態における端末装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、1または2以上の各測位衛星から信号を受信する信号受信部と、前記信号受信部が受信した2以上の信号を代表する値である代表値を算出する代表値算出部と、前記信号受信部が受信した2以上の信号の分散具合を示す値である分散具合値を算出する分散具合値算出部と、前記代表値および前記分散具合値を用いて、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断し、判断結果を取得する判断部と、前記判断部が取得した判断結果を出力する出力部として機能させるプログラム、である。
【0202】
また、上記プログラムにおいて、前記判断部は、代表値および分散具合値をパラメータとする1以上の判断条件を格納し得る判断条件格納手段と、前記1以上の判断条件のいずれかに、前記代表値および前記分散具合値を適用し、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断し、判断結果を取得する第一判断手段とを具備するものとして、コンピュータを機能させることは好適である。
【0203】
また、上記プログラムにおいて、端末装置の速度に関する速度情報を取得する速度情報取得部をさらに具備し、前記判断部は、前記代表値、前記分散具合値、および前記速度情報を用いて、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断し、判断結果を取得するものとして、コンピュータを機能させることは好適である。
【0204】
また、上記プログラムにおいて、前記判断部は、前記代表値および前記分散具合値を用いて、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断する第一判断手段と、前記第一判断手段の判断が判断不能である場合、前記速度情報を用いて、端末装置が停止中か否かを判断し、停止中であれば、前記端末装置が第一領域に存在すると判断し、判断結果を取得する第二判断手段とを具備するものとして、コンピュータを機能させることは好適である。
【0205】
また、上記プログラムにおいて、前記判断部は、代表値、分散具合値、および速度情報をパラメータとする1以上の判断条件を格納し得る判断条件格納手段と、前記1以上の判断条件のいずれかに、前記代表値、前記分散具合値および前記速度情報を適用し、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断し、判断結果を取得する第一判断手段とを具備するものとして、コンピュータを機能させることは好適である。
【0206】
また、上記プログラムにおいて、端末装置の周辺の気圧に関する気圧情報を取得する気圧情報取得部をさらに具備し、前記判断部は、前記代表値、前記分散具合値、および前記気圧情報を用いて、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断し、判断結果を取得するものとして、コンピュータを機能させることは好適である。
【0207】
また、上記プログラムにおいて、前記判断部は、前記代表値および前記分散具合値を用いて、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断する第一判断手段と、前記第一判断手段の判断が判断不能である場合、前記気圧情報を用いて、端末装置が階段を移動中か否かを判断し、階段を移動中であれば、前記端末装置が第一領域に存在すると判断し、判断結果を取得する第三判断手段とを具備するものとして、コンピュータを機能させることは好適である。
【0208】
また、上記プログラムにおいて、前記判断部は、代表値、分散具合値、および気圧情報をパラメータとする1以上の判断条件を格納し得る判断条件格納手段と、前記1以上の判断条件のいずれかに、前記代表値、前記分散具合値および前記気圧情報を適用し、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断し、判断結果を取得する第一判断手段とを具備するものとして、コンピュータを機能させることは好適である。
【0209】
また、上記プログラムにおいて、他の1以上の端末装置から1以上の気圧情報を受信する気圧情報受信部をさらに具備し、前記判断部は、前記代表値、前記分散具合値、および前記1以上の気圧情報を用いて、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断し、判断結果を取得するものとして、コンピュータを機能させることは好適である。
【0210】
また、上記プログラムにおいて、前記判断部は、前記代表値および前記分散具合値を用いて、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断する第一判断手段と、前記第一判断手段の判断が判断不能である場合、前記1以上の気圧情報を用いて、端末装置が建物の高層階に存在するかを判断し、建物の高層階に存在すると判断した場合、前記端末装置が第一領域に存在すると判断し、判断結果を取得する第四判断手段とを具備するものとして、コンピュータを機能させることは好適である。
【0211】
また、上記プログラムにおいて、前記判断部は、代表値、分散具合値、および1以上の気圧情報をパラメータとする1以上の判断条件を格納し得る判断条件格納手段と、前記1以上の判断条件のいずれかに、前記代表値、前記分散具合値および前記1以上の気圧情報を適用し、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断し、判断結果を取得する第一判断手段とを具備するものとして、コンピュータを機能させることは好適である。
【0212】
また、上記プログラムにおいて、地図データを格納し得る地図データ格納部をさらに具備し、前記判断部は、前記代表値、前記分散具合値、および前記地図データを用いて、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断し、判断結果を取得するものとして、コンピュータを機能させることは好適である。
【0213】
また、上記プログラムにおいて、前記判断部は、前記代表値および前記分散具合値を用いて、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断する第一判断手段と、前記第一判断手段の判断が判断不能である場合、現在位置を用いて、端末装置が郊外に存在するかを判断し、郊外に存在すると判断した場合、前記端末装置が第一領域に存在すると判断し、判断結果を取得する第五判断手段とを具備するものとして、コンピュータを機能させることは好適である。
【0214】
また、上記プログラムにおいて、前記判断部は、代表値、分散具合値、および地図データから取得され得る1以上の情報をパラメータとする1以上の判断条件を格納し得る判断条件格納手段と、前記1以上の判断条件のいずれかに、前記代表値、前記分散具合値および前記1以上の気圧情報を適用し、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断し、判断結果を取得する第一判断手段とを具備するものとして、コンピュータを機能させることは好適である。
【0215】
また、図21は、本明細書で述べたプログラムを実行して、上述した種々の実施の形態の端末装置を実現するコンピュータの外観を示す。上述の実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現され得る。図21は、このコンピュータシステム300の概観図であり、図22は、システム300のブロック図である。
【0216】
図21において、コンピュータシステム340は、FD(Flexible Disk)ドライブ、CD−ROM(Compact Disk Read ONly Memory)ドライブを含むコンピュータ301と、キーボード342と、マウス343と、モニタ344と、マイク345と、スピーカー346とを含む。
【0217】
図22において、コンピュータ341は、FDドライブ3411、CD−ROMドライブ3412に加えて、CPU(Central Processing Unit)3413と、CPU3413、CD−ROMドライブ3412及びFDドライブ3411に接続されたバス3414と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM(Read−ONly Memory)3415と、CPU3413に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのRAM(Random Access Memory)3416と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するためのハードディスク3417とを含む。ここでは、図示しないが、コンピュータ301は、さらに、LANへの接続を提供するネットワークカードを含んでも良い。
【0218】
コンピュータシステム340に、上述した実施の形態の端末装置の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM3501、またはFD3502に記憶されて、CD−ROMドライブ3412またはFDドライブ3411に挿入され、さらにハードディスク3417に転送されても良い。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ341に送信され、ハードディスク3417に記憶されても良い。プログラムは実行の際にRAM3416にロードされる。プログラムは、CD−ROM3501、FD3502またはネットワークから直接、ロードされても良い。
【0219】
プログラムは、コンピュータ341に、上述した実施の形態の端末装置の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティープログラム等は、必ずしも含まなくても良い。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいれば良い。コンピュータシステム340がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
【0220】
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信する送信ステップや、情報を受信する受信ステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
【0221】
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0222】
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
【0223】
また、上記各実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0224】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0225】
以上のように、本発明にかかる端末装置は、端末装置が存在する領域を精度高く判断できる、という効果を有し、携帯端末等として有用である。
【符号の説明】
【0226】
1 端末装置
101 地図データ格納部
102 衛星データ格納部
103 信号受信部
104 代表値算出部
105 分散具合値算出部
106 判断部
107 出力部
108 速度情報取得部
109 気圧情報取得部
110 気圧情報受信部
111 測位演算部
111、112 測位結果出力部
1021 アルマナック情報格納手段
1022 エフェメリス情報格納手段
1031 アンテナ
1032 信号受信手段
1033 信号復号手段
1061 判断条件格納手段
1062 第一判断手段
1063 第二判断手段
1064 第三判断手段
1065 第四判断手段
1066 第五判断手段
1067 合成手段
1081 速度情報センサ
1082 速度情報演算手段
1091 気圧情報センサ
1092 気圧情報演算手段
1101 移動無線アンテナ
1102 車々間通信受信手段
1103 受信気圧情報演算手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自身が存在する領域が第一領域であるか、第一領域とは異なる第二領域であるかを判断する端末装置であって、
1または2以上の各測位衛星から信号を受信する信号受信部と、
前記信号受信部が受信した2以上の信号を代表する値である代表値を算出する代表値算出部と、
前記信号受信部が受信した2以上の信号の分散具合を示す値である分散具合値を算出する分散具合値算出部と、
前記代表値および前記分散具合値を用いて、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断し、判断結果を取得する判断部と、
前記判断部が取得した判断結果を出力する出力部とを具備する端末装置。
【請求項2】
前記判断部は、
代表値および分散具合値をパラメータとする1以上の判断条件を格納し得る判断条件格納手段と、
前記1以上の判断条件のいずれかに、前記代表値および前記分散具合値を適用し、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断し、判断結果を取得する第一判断手段とを具備する請求項1記載の端末装置。
【請求項3】
端末装置の速度に関する速度情報を取得する速度情報取得部をさらに具備し、
前記判断部は、
前記代表値、前記分散具合値、および前記速度情報を用いて、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断し、判断結果を取得する請求項1または請求項2記載の端末装置。
【請求項4】
前記判断部は、
前記代表値および前記分散具合値を用いて、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断する第一判断手段と、
前記第一判断手段の判断が判断不能である場合、前記速度情報を用いて、端末装置が停止中か否かを判断し、停止中であれば、前記端末装置が第一領域に存在すると判断し、判断結果を取得する第二判断手段とを具備する請求項3記載の端末装置。
【請求項5】
前記判断部は、
代表値、分散具合値、および速度情報をパラメータとする1以上の判断条件を格納し得る判断条件格納手段と、
前記1以上の判断条件のいずれかに、前記代表値、前記分散具合値および前記速度情報を適用し、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断し、判断結果を取得する第一判断手段とを具備する請求項3記載の端末装置。
【請求項6】
端末装置の周辺の気圧に関する気圧情報を取得する気圧情報取得部をさらに具備し、
前記判断部は、
前記代表値、前記分散具合値、および前記気圧情報を用いて、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断し、判断結果を取得する請求項1から請求項5いずれか記載の端末装置。
【請求項7】
前記判断部は、
前記代表値および前記分散具合値を用いて、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断する第一判断手段と、
前記第一判断手段の判断が判断不能である場合、前記気圧情報を用いて、端末装置が階段を移動中か否かを判断し、階段を移動中であれば、前記端末装置が第一領域に存在すると判断し、判断結果を取得する第三判断手段とを具備する請求項6記載の端末装置。
【請求項8】
前記判断部は、
代表値、分散具合値、および気圧情報をパラメータとする1以上の判断条件を格納し得る判断条件格納手段と、
前記1以上の判断条件のいずれかに、前記代表値、前記分散具合値および前記気圧情報を適用し、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断し、判断結果を取得する第一判断手段とを具備する請求項6記載の端末装置。
【請求項9】
他の1以上の端末装置から1以上の気圧情報を受信する気圧情報受信部をさらに具備し、
前記判断部は、
前記代表値、前記分散具合値、および前記1以上の気圧情報を用いて、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断し、判断結果を取得する請求項1から請求項8いずれか記載の端末装置。
【請求項10】
前記判断部は、
前記代表値および前記分散具合値を用いて、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断する第一判断手段と、
前記第一判断手段の判断が判断不能である場合、前記1以上の気圧情報を用いて、端末装置が建物の高層階に存在するかを判断し、建物の高層階に存在すると判断した場合、前記端末装置が第一領域に存在すると判断し、判断結果を取得する第四判断手段とを具備する請求項9記載の端末装置。
【請求項11】
前記判断部は、
代表値、分散具合値、および1以上の気圧情報をパラメータとする1以上の判断条件を格納し得る判断条件格納手段と、
前記1以上の判断条件のいずれかに、前記代表値、前記分散具合値および前記1以上の気圧情報を適用し、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断し、判断結果を取得する第一判断手段とを具備する請求項9記載の端末装置。
【請求項12】
地図データを格納し得る地図データ格納部をさらに具備し、
前記判断部は、
前記代表値、前記分散具合値、および前記地図データを用いて、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断し、判断結果を取得する請求項1から請求項11いずれか記載の端末装置。
【請求項13】
前記判断部は、
前記代表値および前記分散具合値を用いて、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断する第一判断手段と、
前記第一判断手段の判断が判断不能である場合、現在位置を用いて、端末装置が郊外に存在するかを判断し、郊外に存在すると判断した場合、前記端末装置が第一領域に存在すると判断し、判断結果を取得する第五判断手段とを具備する請求項12記載の端末装置。
【請求項14】
前記判断部は、
代表値、分散具合値、および地図データから取得され得る1以上の情報をパラメータとする1以上の判断条件を格納し得る判断条件格納手段と、
前記1以上の判断条件のいずれかに、前記代表値、前記分散具合値および前記1以上の気圧情報を適用し、端末装置が第一領域に存在するか、第二領域に存在するかを判断し、判断結果を取得する第一判断手段とを具備する請求項11記載の端末装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate


【公開番号】特開2013−44651(P2013−44651A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182789(P2011−182789)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(393031586)株式会社国際電気通信基礎技術研究所 (905)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】