説明

端末配置装置およびセキュリティシステム

【課題】背の高い大人にも背の低い子供にも操作し易い認証端末装置を提供できるようにする。
【解決手段】認証端末装置200は昇降路BOX303内に設置され、昇降装置302により上下に移動する。端末配置制御装置301は天井に取り付けられた背丈検出用超音波センサ309を用いて利用者101の身長Lを計測する。そして、端末配置制御装置301は利用者101の身長Lに基づいて認証端末装置200の配置高Hを決定し、昇降装置302を制御して認証端末装置200を配置高Hに移動させる。これにより、認証端末装置200は利用者101の目線の高さに位置し、端末操作情報101が認証端末装置200を操作しやすくなる。また、認証端末装置200は、利用者101の身長Lが高い場合には大人向けのガイダンスを表示し、利用者101の身長Lが低い場合には子供向けのガイダンスを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、扉の開閉制御に用いられる認証端末装置の配置高を調整する端末配置装置および認証端末装置と端末配置装置とを有するセキュリティシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、磁気カードを挿入して下方へスライドさせたときにカードが壁面に擦過されることを抑止する磁気カードリーダが開示されている。
磁気カードリーダは、認証端末装置としてよく利用される。
【0003】
従来の認証端末装置は設置されている高さに比べて背の高い人および背の低い人には操作しづらい、という課題がある。
また、認証端末装置は、人の少ない時間帯に悪戯され易いという課題がある。
【特許文献1】特開2004−295757号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、例えば、認証端末装置を背の高い人にも背の低い人にも操作し易くし、また、認証端末装置を人の少ない時間帯でも悪戯されにくくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の端末配置装置は、端末装置の配置高さを昇降装置を用いて調整する端末配置装置であり、前記端末装置を操作しようとする利用者の身長をセンサを用いて計測する身長計測部と、前記身長計測部により計測された前記利用者の身長に基づいて前記端末装置の配置高さをCPU(Central Proccessing Unit)を用いて決定する配置高決定部と、前記配置高決定部により決定された配置高さに前記端末装置を前記昇降装置を用いて移動させる端末移動部とを備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、例えば、認証端末装置(端末装置の一例)を背の高い人にも背の低い人にも操作し易くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
実施の形態1.
端末装置(例えば、認証端末装置)の配置高さを調整する端末配置装置について説明する。
【0008】
図1は、実施の形態1におけるセキュリティシステム100の外観図である。
実施の形態1におけるセキュリティシステム100の概要について、図1に基づいて以下に説明する。
【0009】
セキュリティシステム100では、建物や特定の部屋の扉110が電子錠装置111により施錠されている。
扉110の横には認証端末装置200が設けられ、利用者101が認証端末装置200を利用して認証許可を受けた場合にのみ、扉110は電子錠装置111により解錠される。これにより、セキュリティシステム100は、関係者以外の侵入を防いでセキュリティを確保することができる。
【0010】
認証端末装置200は、カードリーダ201、液晶ディスプレイ202およびスピーカー203を前面(以下、「操作面」という)に備える。
カードリーダ201は、利用者101のID(識別情報)が記録されているIDカードから利用者101のIDを読み取る装置である。
液晶ディスプレイ202は、認証端末装置200の操作方法を説明するガイダンスなどを表示する装置である。
スピーカー203は、認証端末装置200の操作方法を説明するガイダンスなどを音声出力する装置である。
【0011】
端末配置装置300は、認証端末装置200が配置される高さを利用者101の身長に合わせて調整する。
例えば、背の低い利用者101a(特に、子供)が認証端末装置200を操作しようとしている場合、端末配置装置300は認証端末装置200の位置を利用者101aの見線の高さ程度まで下げる。
また例えば、背の高い利用者101bが認証端末装置200を操作しようとしている場合、端末配置装置300は認証端末装置200の位置を利用者101bの見線の高さ程度まで上げる。
端末配置装置300は、認証端末装置200の配置高を利用者101の身長に合わせて調整することにより、利用者101の背の高さに係わらず、認証端末装置200を操作し易くすることができる。
【0012】
端末配置装置300は、昇降路BOX303およびシャッター304を備える。
昇降路BOX303の中には認証端末装置200が設置される。また、昇降路BOX303の正面には認証端末装置200の操作面を外見させる窓部303aが開けられている。
シャッター304は、認証端末装置200の上下に設けられて認証端末装置200と共に上下動する。
【0013】
図2は、実施の形態1における昇降路BOX303の内部を示す図である。
実施の形態1における端末配置装置300の機器構成について、図2に基づいて以下に説明する。
図2には、昇降路BOX303を取り外した状態の端末配置装置300を示している。また、認証端末装置200の操作面を省略して図示している。
【0014】
端末配置装置300は、昇降路BOX303内に、端末配置制御装置301および昇降装置302を備える。
【0015】
端末配置制御装置301は、認証端末装置200を操作する利用者101の立ち位置の上方の天井部分に設置された背丈検出用超音波センサ309と接続する。
また、端末配置制御装置301は、認証端末装置200の底部に設置された配置高検出用超音波センサ209と接続する。
【0016】
背丈検出用超音波センサ309は、下方に向けて超音波102を照射し、照射した超音波102が利用者101に反射した反射波を検出し、超音波102を照射してから反射波を検出するまでの超音波102の往復時間を計測する。そして、背丈検出用超音波センサ309は、計測した往復時間に基づいて、背丈検出用超音波センサ309の設置高さから利用者101の頭頂部までの距離Dを算出する。距離Dは、超音波102の往復時間を半分にした片道分の時間に超音波102の伝搬速度を乗じて得られる。
以下、背丈検出用超音波センサ309により算出された距離Dを「背丈検出用超音波センサ309の計測値D」という。
【0017】
配置高検出用超音波センサ209は、背丈検出用超音波センサ309と同様に計測した超音波102の往復時間に基づいて、昇降路BOX303の底部までの距離Pを算出する。
実施の形態では、昇降路BOX303は通路の床面に立設され、昇降路BOX303の底部は通路の床面と同じ高さであり、距離Pは認証端末装置200が位置している床面からの高さを示す。
以下、配置高検出用超音波センサ209により算出される距離Pを「認証端末装置200の位置P」という。
【0018】
端末配置制御装置301は、背丈検出用超音波センサ309が設置されている高さC(天井の高さ)から背丈検出用超音波センサ309の計測値Dを減算して利用者101の身長Lを算出する。
そして、端末配置制御装置301は、認証端末装置200を配置する高さ(以下、「配置高H」という)を利用者101の身長Lに基づいて決定する。認証端末装置200は、位置Pが配置高Hと一致する高さへ移動する。
例えば、端末配置制御装置301は、利用者101の身長Lから認証端末装置200の高さ寸法を差し引いた値を配置高Hとする。これにより、移動後の認証端末装置200の操作面が利用者101の目線の高さに位置することとなり、利用者101が認証端末装置200を操作しやすくなる。
【0019】
昇降装置302は、モーターなどの駆動機構を用いて認証端末装置200を上下動させて、位置Pが配置高Hと一致する高さへ認証端末装置200を移動させる。
例えば、昇降装置302は、エレベータと同じ仕組みで認証端末装置200を上下動させる。
【0020】
さらに、端末配置装置300は、認証端末装置200を収納する収納部303c(窓部303aが無い中空部)を昇降路BOX303に有する。
収納部303cには窓部303aが設けられておらず、収納部303cに収納された認証端末装置200は利用者101から遮蔽される。
例えば、収納部303cは、昇降路BOX303の上部に設けられる。
【0021】
端末配置制御装置301は、認証端末装置200の利用が中止される所定の時間帯(例えば、深夜)に、昇降装置302を制御して認証端末装置200を上下動させて認証端末装置200を収納部303cに収納する。
これにより、認証端末装置200が所定の時間帯に悪戯で操作されることを防ぐことができる。
【0022】
図3は、実施の形態1における端末配置制御装置301および認証端末装置200の機能構成図である。
実施の形態1における端末配置制御装置301および認証端末装置200の機能構成について、図3に基づいて以下に説明する。
【0023】
端末配置制御装置301は、身長計測部310、配置高決定部320、端末移動部330、利用者判定部340、操作防止部350および配置装置記憶部390を備える。
【0024】
身長計測部310は、認証端末装置200を操作しようとする利用者101の身長Lを背丈検出用超音波センサ309を用いて計測する。
背丈検出用超音波センサ309は、利用者101が位置する地点(立ち位置)の上方に設置されて下方に位置する利用者101との距離Dを計測する。
身長計測部310は、背丈検出用超音波センサ309の設置高さから背丈検出用超音波センサ309により計測された距離Dを減算して利用者101の身長Lを計測する。
【0025】
配置高決定部320は、身長計測部310により計測された利用者101の身長Lに基づいて認証端末装置200の配置高HをCPUを用いて決定する。
【0026】
端末移動部330は、配置高決定部320により決定された配置高Hに認証端末装置200を昇降装置302を用いて移動させる。
端末移動部330は、認証端末装置200に設置されて床面(昇降路BOX303の底部または通路の床面)との距離Pを計測する配置高検出用超音波センサ209により計測された距離Pに基づいて、認証端末装置200を配置高Hに移動させたか判定する。
【0027】
利用者判定部340は、身長計測部310により計測された利用者101の身長Lに基づいて利用者101が大人と子供とのいずれであるかCPUを用いて判定し、判定結果(利用者種別341)を認証端末装置200に通知して認証端末装置200に判定結果に基づいて大人向けガイダンス292と子供向けガイダンス293とのいずれかを出力させる。
【0028】
操作防止部350は、所定の時間帯に認証端末装置200を遮蔽して所定の時間帯における認証端末装置200の操作を防止する。
具体的に、操作防止部350は、認証端末装置200を昇降装置302を用いて移動させて認証端末装置200を収納部303cに収納する。
【0029】
配置装置記憶部390は、端末配置制御装置301で使用されるデータを記憶媒体を用いて記憶する。
例えば、配置装置記憶部390には、背丈検出用超音波センサ309の計測値D、利用者101の身長L、認証端末装置200の配置高H、認証端末装置200の位置Pなどが記憶される。
【0030】
認証端末装置200は、認証部210、ガイダンス出力部220および認証端末記憶部290を備える。
【0031】
認証部210は、カードリーダ201により利用者101のIDカードから読み取られたID(以下、「読取ID201a」という)を入力し、入力した読取ID201aをCPUを用いて登録ID291と照合して認証処理を行う。
登録ID291は、扉110からの出入りが認められた者に付与されたIDであり、認証端末記憶部290に予め記憶される。
読取ID201aと一致する登録ID291が有る場合、認証部210は、「認証OK(許可)」と判定し、電子錠装置111に扉110を解錠させる。
【0032】
ガイダンス出力部220は、端末配置装置300から通知された利用者種別341(大人または子供)に基づいて大人向けガイダンス292と子供向けガイダンス293とのいずれかを選択し、選択したガイダンスを液晶ディスプレイ202に表示する。さらに、ガイダンス出力部220は、選択したガイダンスをスピーカー203から音声出力する。
【0033】
認証端末記憶部290は、認証端末装置200で使用されるデータを記憶媒体を用いて記憶する。
例えば、認証端末記憶部290には、登録ID291、大人向けガイダンス292および子供向けガイダンス293が記憶される。
【0034】
端末配置制御装置301および認証端末装置200は、CPU(中央処理装置)、ROM、RAMを備える(図示省略)。CPUは、バスを介してROM、RAMと接続され、これらを制御する。
ROMやRAMには、実施の形態において「〜部」として説明する機能を実行するプログラム、「〜部」で使用されるデータが記憶される。
実施の形態において「〜部」として説明するものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。すなわち、「〜部」として説明するものは、ハードウェア、プログラム、ハードウェアとプログラムとの組み合わせのいずれで実現されても構わない。
プログラムはCPUにより読み出され、CPUにより実行される。プログラムは、「〜部」としてコンピュータを機能させるものであり、「〜部」の手順や方法をコンピュータに実行させるものである。
【0035】
図4は、実施の形態1における端末配置制御装置301の端末配置方法を示すフローチャートである。
実施の形態1における端末配置制御装置301の端末配置方法について、図4に基づいて以下に説明する。
端末配置制御装置301の各「〜部」は、以下に説明する処理をCPUを用いて実行する。
【0036】
まず、端末配置制御装置301の端末配置方法の概要について説明する。
操作防止部350は、認証端末装置200の操作防止時間帯か判定し(S110)、操作防止時間帯であれば認証端末装置200を収納部303cに収納する(S111)。
操作防止時間帯外に背丈検出用超音波センサ309が利用者101を検出した場合(S120)、身長計測部310は、背丈検出用超音波センサ309の計測値Dに基づいて利用者101の身長Lを算出する(S121)。
配置高決定部320は利用者101の身長Lに基づいて認証端末装置200の配置高Hを決定し(S130)、端末移動部330は配置高Hに認証端末装置200を移動させる(S131〜S133)。
また、利用者判定部340は、身長Lに基づいて利用者101が大人と子供とのいずれであるか判定し(S140)、判定結果を利用者種別341として認証端末装置200に通知する(S141)。
【0037】
次に、各処理(S110〜S141)の詳細について説明する。
【0038】
<S110>
操作防止部350は、現在時刻が認証端末装置200の操作防止時間帯(例えば、深夜)内の時刻か判定する。
認証端末装置200の操作防止時間帯は、認証端末装置200が操作されることを防止する時間帯として予め決められ、配置装置記憶部390に記憶されているものとする。
操作防止時間帯である場合(YES)、処理はS111に進み、操作防止時間帯でない場合(NO)、処理はS120に進む。
【0039】
<S111>
S110において操作防止時間帯である場合(YES)、操作防止部350は、昇降装置302を制御して認証端末装置200を昇降路BOX303の収納部303cに収納する。
例えば、認証端末装置200は、昇降装置302により上方に移動され、昇降路BOX303の上部に設けられた収納部303cに収納される。
認証端末装置200を収納部303cに収納することにより、認証端末装置200を遮蔽し、認証端末装置200が悪戯されることを防ぐことができる。
S111の後、処理は終了する。
【0040】
<S120>
S110において操作防止時間帯でない場合(NO)、身長計測部310は、認証端末装置200を操作しようとしている利用者101がいるか判定する。
身長計測部310は、認証端末装置200を操作する利用者101の立ち位置の上方の天井部分に取り付けられた背丈検出用超音波センサ309から計測値Dが出力された場合、利用者101がいると判定する。身長計測部310は、背丈検出用超音波センサ309から計測値Dが出力されていない場合、利用者101がいないと判定する。
背丈検出用超音波センサ309は、下方へ超音波102を照射して下方に位置する物(利用者101または床面)との距離を計測する計測処理を繰り返し、計測値Dが予め計測されている背丈検出用超音波センサ309と床面との距離Cと異なる場合(D<C)に利用者101がいると判定し、計測値Dを身長計測部310に出力する。
利用者101がいる場合(YES)、処理はS121に進み、利用者101がいない場合(NO)、処理はS110に戻る。
【0041】
<S121>
S120において利用者101がいる場合(YES)、身長計測部310は、背丈検出用超音波センサ309が設置されている高さCから背丈検出用超音波センサ309の計測値Dを減算した値を利用者101の身長Lとして算出する。
背丈検出用超音波センサ309の設置高Cは、予め計測され、配置装置記憶部390に記憶されているものとする。
S121の後、処理はS130およびS140に進む。
【0042】
<S130>
S121において利用者101の身長Lが算出された後、配置高決定部320は、利用者101の身長Lに基づいて認証端末装置200を配置する高さHを決定する。配置高決定部320は、利用者101が操作しやすい高さに認証端末装置200が配置されるように、認証端末装置200の配置高Hを決定する。
例えば、配置高決定部320は、利用者101の目線の高さに認証端末装置200が配置されるように、認証端末装置200の配置高Hを決定する。
例えば、配置高決定部320は、利用者101の身長Lから認証端末装置200の高さ寸法を差し引いた値を認証端末装置200の配置高Hに決定する。
S130の後、処理はS131に進む。
【0043】
<S131>
S130において認証端末装置200の配置高Hを決定した後、配置高決定部320は、認証端末装置200の底部に取り付けられている配置高検出用超音波センサ209により計測された認証端末装置200の位置Pを入力し、認証端末装置200の位置Pを配置高Hと比較する。認証端末装置200の位置P(高さ)は、認証端末装置200が位置する床面からの高さを示す。
認証端末装置200の位置Pと配置高Hが一致する場合(P=H)、認証端末装置200は配置高Hに位置しており、処理は終了する。認証端末装置200を配置高Hに位置させることにより、利用者101が認証端末装置200を操作しやすくなる。「P=H」は、認証端末装置200の位置Pが配置高Hから所定範囲内の値であること(例えば、H−1≦P≦H+1[単位;cm])を意味する。
認証端末装置200の位置Pの方が配置高Hより高い場合(P>H)、処理はS132に進む。
認証端末装置200の位置Pより配置高Hの方が高い場合(P<H)、処理はS133に進む。
【0044】
<S132>
S131において認証端末装置200の位置Pの方が配置高Hより高い場合(P>H)、端末移動部330は、昇降装置302に認証端末装置200を下降させる。このとき、昇降装置302は、認証端末装置200を所定の高さ(例えば、1cm)分、下方へ移動させる。昇降装置302は、認証端末装置200を「P−H」分、下方へ移動させてもよい。
S132の後、処理はS131に戻る。
【0045】
<S133>
S131において認証端末装置200の位置Pより配置高Hの方が高い場合(P<H)、端末移動部330は、昇降装置302に認証端末装置200を上昇させる。このとき、昇降装置302は、認証端末装置200を所定の高さ(例えば、1cm)分、上方へ移動させる。昇降装置302は、認証端末装置200を「H−P」分、上方へ移動させてもよい。
S133の後、処理はS131に戻る。
【0046】
<S140>
S121において利用者101の身長Lが算出された後、利用者判定部340は、身長Lを所定値(例えば、150cm)と比較し、利用者101が大人と子供とのいずれであるかを判定する。利用者判定部340は、身長Lが所定値以上である場合に利用者101を大人と判定し、身長Lが所定値未満である場合に利用者101を子供と判定する。
S140の後、処理はS141に進む。
【0047】
<S141>
利用者判定部340は、S140での判定結果を利用者種別341として認証端末装置200に出力して、利用者101が大人と子供とのいずれであるかを認証端末装置200に通知する。利用者種別341には、「大人」または「子供」が設定される。
S141の後、処理は終了する。
【0048】
S110〜S141により、操作防止時間帯には認証端末装置200が収納され、操作防止時間帯外には認証端末装置200が利用者101の操作しやすい高さに配置されると共に利用者種別341(大人または子供)が認証端末装置200に通知される。
【0049】
図5は、実施の形態1における認証端末装置200の認証方法を示すフローチャートである。
実施の形態1における認証端末装置200の認証方法について、図5に基づいて以下に説明する。
認証端末装置200の各「〜部」は、以下に説明する処理をCPUを用いて実行する。
【0050】
まず、認証端末装置200の認証方法の概要について説明する。
端末配置制御装置301から利用者種別341を通知され(S210)、利用者種別341が「大人」を示す場合(S220)、ガイダンス出力部220は大人向けガイダンス292を表示する(S221)。また、利用者種別341が「子供」を示す場合(S220)、ガイダンス出力部220は子供向けガイダンス293を表示する(S222)。
カードリーダ201から読取ID201aを入力した場合(S230)、認証部210は読取ID201aを認証処理する(S240)。「認証OK」の場合(S241)、認証部210は扉110を解錠する(S242)。「認証NG」の場合(S241)、認証部210は認証NGメッセージを表示する(S243)。
【0051】
次に、各処理(S210〜S243)の詳細について説明する。
【0052】
<S210>
ガイダンス出力部220は、端末配置制御装置301から利用者種別341が通知されるのを待つ。
利用者101が認証端末装置200を操作しようとしている場合、端末配置制御装置301により利用者101が検出され、端末配置制御装置301から利用者種別341が通知される。利用者種別341は、利用者101が「大人」と「子供」とのいずれであるかを示す。
利用者種別341が通知された場合(YES)、処理はS220に進む。
【0053】
<S220>
S210において利用者種別341が通知された場合(YES)、ガイダンス出力部220は、利用者種別341が「大人」と「子供」とのいずれを示すか判定する。
利用者種別341が「大人」を示す場合、処理はS221に進み、利用者種別341が「子供」を示す場合、処理はS222に進む。
【0054】
<S221>
S220において利用者種別341が「大人」を示す場合、ガイダンス出力部220は、認証端末記憶部290から大人向けガイダンス292を取得し、取得した大人向けガイダンス292を液晶ディスプレイ202に表示する。
例えば、大人向けガイダンス292は、認証端末装置200の操作方法を大人向けに漢字を含んだ文章で説明する。
さらに、ガイダンス出力部220は、大人向けガイダンス292をスピーカー203から音声出力する。
S221の後、処理はS230に進む。
【0055】
<S222>
S220において利用者種別341が「子供」を示す場合、ガイダンス出力部220は、認証端末記憶部290から子供向けガイダンス293を取得し、取得した子供向けガイダンス293を液晶ディスプレイ202に表示する。
例えば、子供向けガイダンス293は、認証端末装置200の操作方法を子供向けにひらがなの文章で説明する。
さらに、ガイダンス出力部220は、子供向けガイダンス293をスピーカー203から音声出力する。
S222の後、処理はS230に進む。
【0056】
<S230>
S221およびS222でガイダンスが出力された後、認証部210は、カードリーダ201から読取ID201aが入力されるのを待つ。
このとき、認証端末装置200は利用者101の操作しやすい高さ(例えば、利用者101の目線の高さ)に配置され、操作方法などを説明するガイダンスを表示している。ガイダンスを受けた利用者101は、自己のIDが記録されているIDカードを認証端末装置200のカードリーダ201に近づける。
カードリーダ201は近づけられたIDカードに記録されているIDを読み取り、読み取ったIDを読取ID201aとして認証部210に出力する。
読取ID201aが入力された場合(YES)、処理はS240に進む。
【0057】
<S240>
S230において読取ID201aが入力された場合(YES)、認証部210は、読取ID201aを登録ID291と照合して認証処理を行う。登録ID291は、認証端末記憶部290に予め記憶されている。
認証処理の後、処理はS241に進む。
【0058】
<S241>
S240において認証処理を行った後、認証部210は、認証結果が「認証OK」であるか判定する。
認証部210は、読取ID201aと一致する登録ID291が有る場合、「認証OK」と判定し、読取ID201aと一致する登録ID291が無い場合、「認証NG」と判定する。
「認証OK」の場合(YES)、処理はS242に進み、「認証NG」の場合(NO)、処理はS243に進む。
【0059】
<S242>
S241において「認証OK」の場合(YES)、認証部210は、電子錠装置111を動作させて、扉110を解錠する。
S242の後、処理は終了する。
【0060】
<S243>
S241において「認証NG」の場合(NO)、認証部210は、「認証NG」になったことを知らせるメッセージを液晶ディスプレイ202に表示する。メッセージは、認証端末記憶部290に予め記憶されているものとする。
S243の後、処理は終了する。
【0061】
S210〜S243により、認証端末装置200は利用者101が操作し易いように大人向けガイダンス292または子供向けガイダンス293を選択して表示し、利用者101を認証して扉110を解錠することができる。
【0062】
実施の形態1では、以下のようなセキュリティシステム100について説明した。
セキュリティシステム100は、認証端末装置200、背丈検出用超音波センサ309、昇降装置302、配置高検出用超音波センサ209および端末配置制御装置301を備える。
認証端末装置200は、認証情報(例えば、読取ID201a)の適否により扉110の開閉制御を行う。
背丈検出用超音波センサ309は、認証端末装置200の設置場所の天井に設置され、天井から利用者101の頭頂部までの距離Dを計測する。
昇降装置302は、認証端末装置200を上下に可動させる機構を有する。
配置高検出用超音波センサ209は、認証端末装置200に取り付けられ、認証端末装置200と床面との距離Pを計測する。
端末配置制御装置301は、配置高検出用超音波センサ209の計測値Pに基づいて、背丈検出用超音波センサ309の計測値Dから算出される利用者の背丈Lに合わせた最適な高さに認証端末装置200を移動させる機能を備える。
認証端末装置200は、一定より低い位置に移動した場合、利用者101を子供として認識し、認証端末装置200の表示や音声等のガイダンスを子供向けに切り替える機能を備える。
端末配置制御装置301は、認証端末装置200の操作が少ない深夜の時間帯に認証端末装置200を昇降路BOX303の一部(収納部303c)に収納し、認証端末装置200が悪戯されることを未然に防ぐ機能を備える。
【0063】
セキュリティシステム100は、認証端末装置200を利用者101の背丈に係わらず利用し易い操作位置に移動させることにより、快適な操作環境を提供することができる。
さらに、セキュリティシステム100は、認証端末装置200を低い位置に移動させた場合にガイダンスを子供向けガイダンス293に切り替えることにより、認証端末装置200を子供にも操作し易くすることができる。
さらに、セキュリティシステム100は、夜間の時間帯に認証端末装置200を移動させて収納部303cに収納することにより、人気の少ない時間の悪戯を未然に防止することができる。
【0064】
上記で説明した読取ID201aの照合は認証処理の一例であり、認証端末装置200は他の認証処理(例えば、生体認証)を行う装置であってもよい。
【0065】
上記で説明した背丈検出用超音波センサ309は、利用者101の身長Lの計測に用いられるセンサの一例である。
例えば、超音波の代わりに電磁波を照射して計測を行う電磁波センサが背丈検出用超音波センサ309の代わりに用いられてもよい。同様に、配置高検出用超音波センサ209の代わりに電磁波センサが用いられてもよい。
【0066】
認証端末装置200を操作時間帯に遮蔽する方法は、収納部303cに収納する以外の方法であっても構わない。
例えば、認証端末装置200の操作面をシャッターやエレベータのドアのようなもので遮蔽してもよい。
【0067】
また、操作防止時間帯でも扉110を解錠させる仕組みを設けてもよい。
例えば、管理者を呼び出すインターホンを扉110の近くに設ける。認証端末装置200の操作防止時間帯、利用者101はインターホンで管理室の管理人を呼び出す。インターホンと通信する管理室の管理端末装置にはインターホンから利用者101の音声や画像が送信される。管理者は、管理端末装置で利用者101の音声や画像を確認し、管理端末装置から電子錠装置111を制御して扉110を解錠する。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】実施の形態1におけるセキュリティシステム100の外観図。
【図2】実施の形態1における昇降路BOX303の内部を示す図。
【図3】実施の形態1における端末配置制御装置301および認証端末装置200の機能構成図。
【図4】実施の形態1における端末配置制御装置301の端末配置方法を示すフローチャート。
【図5】実施の形態1における認証端末装置200の認証方法を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0069】
100 セキュリティシステム、101,101a,101b 利用者、102 超音波、110 扉、111 電子錠装置、200 認証端末装置、201 カードリーダ、201a 読取ID、202 液晶ディスプレイ、203 スピーカー、209 配置高検出用超音波センサ、210 認証部、220 ガイダンス出力部、290 認証端末記憶部、291 登録ID、292 大人向けガイダンス、293 子供向けガイダンス、300 端末配置装置、301 端末配置制御装置、302 昇降装置、303 昇降路BOX、303a 窓部、303b 昇降路、303c 収納部、304 シャッター、309 背丈検出用超音波センサ、310 身長計測部、320 配置高決定部、330 端末移動部、340 利用者判定部、341 利用者種別、350 操作防止部、390 配置装置記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置の配置高さを昇降装置を用いて調整する端末配置装置であり、
前記端末装置を操作しようとする利用者の身長をセンサを用いて計測する身長計測部と、
前記身長計測部により計測された前記利用者の身長に基づいて前記端末装置の配置高さをCPU(Central Proccessing Unit)を用いて決定する配置高決定部と、
前記配置高決定部により決定された配置高さに前記端末装置を前記昇降装置を用いて移動させる端末移動部と
を備えたことを特徴とする端末配置装置。
【請求項2】
前記センサは、前記利用者が位置する地点の上方に設置されて下方に位置する前記利用者との距離を計測し、
前記身長計測部は、前記センサの設置高さから前記センサにより計測された距離を減算して前記利用者の身長を計測する
ことを特徴とする請求項1記載の端末配置装置。
【請求項3】
前記端末装置は、床面との距離を計測するセンサを備え、
前記端末移動部は、前記端末装置のセンサにより計測された距離に基づいて前記端末装置を前記配置高さに移動させたか判定する
ことを特徴とする請求項1〜請求項2いずれかに記載の端末配置装置。
【請求項4】
前記身長計測部により計測された前記利用者の身長に基づいて前記利用者が大人と子供とのいずれであるかCPUを用いて判定し、判定結果を前記端末装置に通知して前記端末装置に前記判定結果に基づいて大人向けのガイダンスと子供向けのガイダンスとのいずれかを出力させる利用者判定部
を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかに記載の端末配置装置。
【請求項5】
所定の時間帯に前記端末装置を遮蔽して前記所定の時間帯における前記端末装置の操作を防止する操作防止部と
を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項4いずれかに記載の端末配置装置。
【請求項6】
前記操作防止部は、前記端末装置を前記昇降装置を用いて移動させて前記端末装置を所定の場所に収納する
ことを特徴とする請求項5記載の端末配置装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6いずれかに記載の端末配置装置と、
認証処理に用いられる端末装置と
を備えることを特徴とするセキュリティシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−112127(P2010−112127A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−288048(P2008−288048)
【出願日】平成20年11月10日(2008.11.10)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】