説明

端材等の電子取引システム

【課題】端材等の情報を複数の企業が共有し、廃棄処分されていた該端材等を有効に利用できるような通信ネットワークを利用した電子取引方法を提供する。
【解決手段】通信ネットワークNに複数の端末機器02とサーバ01とを接続し該サーバ内に格納した端材等を該端末機器を介して取引する電子取引システムにおいて、端末機器02が、入力したデータ等を表示する表示装置21と、端材等に関するデータ等を入力する入力装置20と、入力したデータを送信しサーバ側から受信する通信機22とを備え、サーバ01が、供給者が入力した端材等に関するデータを格納する記憶装置08と、需要者が端末機器02から入力した端材等に関する入力データに基づいて、記憶装08置内の端材等に関するデータから前記需要者の要求を満たす端材等に関するデータを検索し、検索結果を出力する演算装置09と、端末機器02との間で送受信する通信機22を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
端材(板状やL状等の金属、木質、樹脂等の加工材料から寸取り後に余った端材をいう)、余剰の産業用資材(余剰となっている塗料あるいは特殊な溶接棒等の産業用資材をいう)や、取引される前記端材への「加工」を取引対象とした、電子取引システムに関する。この明細書および特許請求の範囲において、前記端材と前記余剰の産業用資材を合わせて「端材等」という。
【背景技術】
【0002】
産業界において、加工材料、例えば、金属材料、木質材料、樹脂材料等を用いて加工する加工メーカーにおいては、購入(入庫)した全ての加工材料が製品に使用されてしまうわけではない。つまり、前記加工材料は、製造業者等により決められた規格サイズで販売されているため、その規格サイズから必要な材料を切り取る等して使用すると、必ず端材が発生する。例えば、金属材料への加工を例に挙げると、平均して、製品重量の1.3倍の重量の金属材料(例えば、金属板)を購入する必要があり、製品用として使用された残りの端材は、重量的に3割程度にもなる。かかる端材は、企業内に保管されている場合もあるが、そのほとんどは一定期間後、産業廃棄物(スクラップ)として処分されているのが現状である。
【0003】
産業廃棄物として処分されている前記端材は、一般に品質等において劣化しているわけではないため、他(購入目的外)の製品の材料として使用することができる。
【0004】
しかしながら、現状、各企業間には、このような端材を互いに有効に利用し合うようなネットワークは殆どなく、従って、端材及び余剰の産業用資材は有効に利用されることがない。なお、インターネットにおいて、個人や単独の企業が不用品をオークション方式等で取引し該不用品を流通させるWEBサイトは存在しているが、使った残りの材料である端材等は、品質やサイズ、又は納期の点等で不明な要素が大きく、このため、現状のWEBサイトでの取引において有効に取引されて利用されていない。
【0005】
また、一般に、前記端材に関連して、その端材を発生させた企業(製造メーカ)は、その端材を加工するための加工技術者や加工設備も所有しているが、該加工について、端材と同様に余剰している場合がある。しかし、これらの加工技術者や加工設備も、一般に、余剰していても有効に利用されない場合が多い。
【0006】
なお、本出願人は、本発明に関連する先行技術については、本出願時においてその存在を知らない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はかかる問題を解消するためになされたものであり、従来、企業間で相互に有効利用される機会のなかった端材等やその端材に対する加工についての情報を、通信ネットワークに接続されたサーバと複数の端末機器とを用いて複数の企業が共有し、産業廃棄物として処分されたり、余剰のまま看過されていた該端材や加工技術者や加工設備を、それらを必要とする企業が、有効に利用できるような通信ネットワークを利用した電子取引方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかる端材等の電子取引システムは、通信ネットワークに複数の端末機器とサーバを接続し該サーバ内に格納したデータにかかる端材等を該端末機器を介して取引する電子取引システムにおいて、
前記端末機器が、入力したデータやサーバからの検索結果等を表示する表示装置と、前記端材等に関するデータを入力する入力装置と、入力したデータをサーバ側に送信するとともにサーバ側からの検索結果等を受信する通信機とを備え、
前記サーバが、端材等の供給者と需要者のいずれか一方又は両方が前記端末機器から入力した端材等に関するデータを格納する記憶装置と、
端材等の需要者と供給者のいずれか一方又は両方が前記端末機器から入力した所望の端材等に関するデータに基づいて、前記憶装置内に格納されている端材等に関するデータから前記需要者の要求を満たす端材等に関するデータを検索して、その検索結果を出力する演算装置と、
前記端末機器との間で送受信する通信装置とを備えていることを特徴とする。
【0009】
このように構成された本発明にかかる電子取引システムによれば、端材等を所有している企業(供給者)、あるいは端材等を必要とする企業(需要者)が、供給しようとする端材あるいは必要とする端材に関するデータを自身が保持している端末機器へ入力して、この端材等に関するデータを、通信ネットワークを介して、該通信ネットワークに接続されているサーバへ送ると、これらの端材等に関するデータはサーバの記憶装置内に格納される。一方、端材等を必要とする企業(需要者)、あるいは端材等を所有している企業(供給者)は、必要とするあるいは供給しようとする端材等に関するデータを自身が保持する端末機器へ入力して、この端材等に関するデータを、通信ネットワークを介して、該ネットワークに接続されているサーバへ送る。このようにサーバへ送られた前記データに基づいて、前記演算装置は、適宜タイミングで、前記記憶装置内に格納されている前記入力した端材等に関するデータのなかに前記送られたデータを満足するものがあるか否か検索して、その検索結果を出力する。従って、この検索結果によって、処分したい端材等を所有する供給者とその端材等が必要な需要者を結びつけ、従来、廃棄処分されあるいは処分されるまで倉庫に保管されていることが多かった端材等を有効に利用することを可能とする。
【0010】
ところで、前記電子取引システムにおいて、前記演算装置は、前記端材等に関するデータの検索において、端材等のうち端材に関するデータの検索においては、該端材の、材質、種類、サイズ、数量、取引価格の順番で、検索を実行するよう構成されていると、必要順位に合致するため、この電子取引システムを利用する需要者にとって好ましい。
【0011】
また、前記電子取引システムにおいて、前記記憶装置は、内部に各端末機器を保持する企業の所在地に関するデータを格納し、
前記演算装置は、前記需要者の端末機器から取引成立の意志表示に関するデータを前記通信装置を介して受領すると、該需要者の端末機器に対して、成立した取引価格に相当する金額の決済処理機関への入金を指示するデータを前記通信装置を介して送信するとともに、
前記供給者の保持する端末機器に対して取引成立の旨のデータを前記通信装置を介して送信し、
さらに、前記入金の確認データの入力の受領を待って、前記供給者の端末機器に対して、前記入金を確認した旨のデータを前記通信装置を介して送信するとともに、
前記成立した取引にかかる端材等の配送を、前記記憶装置に格納されている企業の所在地に関するデータと取引にかかる端材等のデータに基づいて、前記通信装置から、前記通信ネットワークを介して配送機関へ指示するように構成されていると、供給者は確実に代金を回収ことができるともに、需要者は端材等を迅速に且つ確実に入手することができる点において好ましい構成となる。
【0012】
また、前記電子取引システムにおいて、前記サーバの記憶装置内に、各端末機器を保持する企業の保有設備等の企業情報が格納され、前記需要者が前記端末機器を介して、前記記憶装置内の企業情報を参照して、前記取引成立にかかる端材等に対して、前記保有設備による加工を依頼する旨のデータを前記サーバへ送信すると、該サーバはこの加工を依頼する旨のデータを前記供給者の端末機器へ送信するよう構成されていると、サーバの記憶装置内の企業情報に基づいて需要者は端材等に所望の加工を施した状態で入手することができるとともに、供給者は、余剰の作業能力を有効に使用することができる点において、好ましい。
【0013】
また、前記電子取引システムにおいて、前記端末機器が、外部記憶装置をさらに備え、この外部記憶装置にその端末機器を保持する企業に付与されたIDおよびパスワードを記憶させ、前記サーバに対して該外部記憶装置に記憶されたIDおよびパスワードを送信して本電子取引システムに参加が承諾されている端末機器であることが確認できるよう構成されていると、サーバにアクセスする等の際の手間が省け、コンピュータ等に不慣れな者でも簡単に利用することが可能となる。
【0014】
また、前記電子取引システムにおいて、前記通信ネットワークに携帯電話が端末機器として接続することが可能であり、前記サーバへの接続において、この携帯電話の電話番号がその企業に付与される前記IDおよびパスワードとして機能するよう構成されていると、携帯電話を端末機器として使用でき、従って、商談中にも、端材等の確認が迅速におこなえる点で、且つ、IDおよびパスワード等の入力の手間を省ける点で、好ましい。
【0015】
また、前記電子取引システムにおいて、前記端材等が端材の場合には、該端材に関するデータとして、前記端材の形状を表す、CAD、写真、イラスト等の画像データが含まれると、一品物とも言える複雑な形状「端材」であっても該端材の内容を正確に把握できる点で好ましい。
【0016】
また、前記電子取引システムにおいて、前記端材等に関するデータが、材質、サイズ、数量、価格の少なくとも一つのアイテムに関して、所定範囲の幅をもって特定できるものであり、前記検索において該所定範囲の幅内で前記需要者の要求を満たす端材等を検索し、条件を満たす端材等があると供給者と需要者が、それぞれの端末機器と前記通信ネットワークを介して、交渉可能となるような構成にすると、供給者と需要者の微妙な利益調整が図り易く、好ましい構成となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明にかかる通信ネットワークを利用した電子取引システムによれば、企業間で相互に有効利用される機会のなかった端材等やその端材に対する加工についての情報を、通信ネットワークに接続されたサーバと端末機器とを用いて複数の企業が共有することができ、産業廃棄物として処分されたり、余剰のまま看過されていた該端材や加工技術者や加工設備を、それらを必要とする企業が、有効に利用できる。
【0018】
従って、産業用資材の有効利用を図ることができ、地球環境への負担を軽減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、添付する図面を参照しつつ本発明にかかる通信ネットワークを利用した端材等の電子取引システムの実施形態を説明する。
【0020】
図1は本発明にかかる端材等に関するデータを共有して端材等を有効利用する通信ネットワークを用いた電子取引システムの全体の概略の構成を概念的に示した図である。
【0021】
図1に図示するように、サーバ01と複数の端末コンピュータ(端末機器)02は通信ネットワークNにより接続されている。また、図示しないが、前記通信ネットワークNには、決済処理機関(例えば、銀行)等が接続可能になっている。そして、前記端末コンピュータ02とサーバ01とは、この通信ネットワークNを介し、相互にデータの送受信を行うことが出来るよう構成されている。このような通信ネットワークNとして、独自の通信ネットワークを構築してもよいが、既設のインターネットを通信ネットワークとして利用してもよい。かかる場合には、既設の設備を利用することができる点で好ましい。
【0022】
ところで、本通信ネットワークNを利用して電子取引システムを利用できるのは、予め登録された会員だけであってもよく、あるいは一般に開放されたものであってもよい。
この実施形態にかかる電子取引システムとしては、会員だけが電子取引できる会員制のものを例に挙げて、以下説明する。なお、本電子取引システムでは、非会員も、電子取引はできないが、後述するデータベース04内に格納されている端材等に関するデータを検索のみすることができるように構成されている。従って、非会員が、前記検索の結果、電子取引に参加しようと思えば、この通信ネットワークの管理者(電子取引システムにかかる通信ネットワークの管理者をいう)に申請することにより会員となって、電子取引をおこなうことが可能である。
【0023】
ところで、かかる会員制の電子取引システムでは、この電子取引システムに参加しようとする場合、本通信ネットワークNの管理者から会員に付与されるIDと登録されたパスワードとを必要とする。そして、通信ネットワークNを介してサーバ01へ接続する際には、あるいは、少なくとも取引を実行する場合には、前記IDとパスワードとを、該サーバ01へ送信する。前記パスワードは、端末コンピュータ02を使用する者が自己の意志により、適宜変更することができる。
【0024】
前記サーバ01は、記憶装置08と演算装置(演算処理機能部)09と通信装置(送受信部)06と表示装置10とを備えている。
【0025】
そして、前記記憶装置08は、端材等に関するデータと後述するその端材等に関する評価等を格納するデータベース04と、この電子取引システムに参加している企業の企業情報(企業名、所在地、電話番号、fax番号、資本金、取引銀行、取引先、製品、保有設備、加工能力、得意技術等)を格納するデータベース11とを有し、該サーバ01内において、前記端材等に関するデータと、前記企業情報とが関連づけられている。なお、前記企業情報のうち、保有設備、加工能力、得意技術、および所在地のうちの所在地域のみが、閲覧可能となり、その他のアイテムは基本的に閲覧することができないよう構成されている。
【0026】
また、前記演算装置09は、需要者の保持する前記端末コンピュータ02(需要者の保持する端末コンピュータ02を、以下、端末コンピュータ02bという)から入力された、必要とする端材等に関するデータを満足させる端材等に関するデータを、前記データベース04中の、供給者が入力した端材等に関するデータ中から、合致するものがあるか否かの検索を実行し、その検索結果を出力する。また、この演算装置09は、前記記憶装置08内に記憶されている本電子取引システムを実行して取引等をおこなうためのプログラムにより、前記した検索等以外の種々の処理を実行する。この演算装置09が、実行する前記以外の内容については後述する。
【0027】
また、前記通信装置06は、前記端末コンピュータ02から送信された端材等に関するデータ等を受信することができるとともに、前記演算装置09から出力された検索結果等を、前記端末コンピュータ02等に送信することができるよう構成されている。
【0028】
また、前記表示装置10は、前記検索結果や前記受信し又は前記送信する内容等を表示することができるよう構成されている。
【0029】
また、前記通信ネットワークNは、前述のように、売買の代金を決済する決済処理機関のコンピュータ07にも接続することができるように構成されているが、この決済処理機関としては、一般の銀行等の金融機関であっても、又はこの電子取引システム専用に設けられた決済処理機関であってもよい。
【0030】
また、前記複数の端末コンピュータ(端末機器)02のそれぞれは、端材等に関するデータやその他のデータ等を入力することができる入力装置20と、この入力装置20により入力された内容や前記サーバ01あるいは他の端末コンピュータ02等から送信されてきたデータ等を表示する表示装置21と、前記サーバ01や他の端末機器等と送受信をおこなうための通信機22とを有し、さらに、前記入力装置20から入力された内容、サーバ01から送信されてきた内容および前記ID等を記憶する記憶装置23を有する。
前記記憶装置23は、内蔵式のものであっても、あるいは可搬式の外部記憶装置の形態のものであってもよい。あるいはそれらを両方に設けてもよい。前記外部記憶装置の形態の場合には、不要なときには取り外すことによって、内部に記憶されている情報の漏洩を防止することができる点において好ましく、また倉庫や作業所が複数ある場合等にその外部記憶装置のみ持ち歩けばどこでもそこに存在するコンピュータに接続して簡単に通信ネットワークNを介して前記サーバ01に接続できる等の点で、好ましい構成となる。
前記外部記憶装置として、コンパクトディスク、ハードディスク、USBメモリ、フロッピィーディスク、光磁気ディスク、デジタルビデオディスク等が考えられる。
【0031】
また、本実施形態にかかる電子取引システムの場合、前記端末コンピュータ02として、携帯電話を用いることもでき、かかる場合には、前記IDおよびパスワードとして、携帯電話の電話番号を用いる。このように構成すると、サーバ01側への接続時において、接続者の確認の手続に、手間をかけずにおこなえる点において、好ましい実施形態となる。
【0032】
また、前記端材等に関するデータのうち端材について例示すると、例えば、端材が、金属材料、木質材料(木材)あるいは樹脂材料等の端材である場合には、当該端材の、材質(金属の種類、木材の種類、樹脂の種類等)、種類(板材、アングル、チャンネル、丸棒等の種類)、サイズ(三次元の寸法)、形状(丸,矩形,三角形あるいは異形等の形状)、数量(何枚、何本等)、価格(例えば、単位重量当たりの価格)、納期(引き渡し可能時期)等が必須の入力アイテムであり、選択的な入力アイテム(任意的なアイテム)として、端材の適合規格、状態(錆や傷の有無)、購入時期、証明書(製造メーカ等の品質証明書)、仕様書(発注者や製造メーカ等の仕様書)等がある。また、端材等が余剰の産業用資材たる、例えば、塗料である場合の、端材等に関するデータとしては、塗料の種類(油性塗料、水性塗料、樹脂系塗料等の種類)、色(マンセル記号等)、量、製造メーカ名である。さらに、端材等が余剰の産業用資材たる、例えば、溶接棒(ろう材を含む)である場合の、該端材等に関するデータとしては、溶接棒の種類、太さ、量である。その他、端材が何であるかによって、前記例示した如く、端材等に関するデータを構成する入力アイテムの内容は種々変化する。前記端材等に関するデータを構成するアイテムとしては、使用する際に最低限その端材がどのようなものであるのかを特定する内容、つまり、通常加工材料を商社等に注文する際に必要となるようなアイテムが端材等のデータの入力アイテムとなる。
【0033】
また、端材等に関するデータとして、端材等が端材である場合には、端材の形状を表すCAD等で描いた図面、写真、イラスト等の画像データ(例えば、PDFファイル)であってもよい。しかし、端材等に関するデータとしては、前記内容のアイテムに限定されるものでなく、その他のアイテムが追加され、あるいは前記したアイテムうちの1つあるいはそれ以上の数のアイテムが省略されても勿論よい。
【0034】
そして、前述のように構成された本電子取引システムは、通信ネットワークNを利用して以下のように電子取引が実行される。以下、前記各構成の作用とともに、前記記憶装置08に記憶されている電子取引において実行されるプログラムの内容を、取引の手順に沿って、図2、図3等に基づいて説明する。
【0035】
例えば、いま、この電子取引システムの会員であることを認証するためのIDとパスワードとを有する会員甲(供給者)が、自身の工場においてある製品を製造した際に発生した端材を、この電子取引システムを利用して売却したい場合を仮定する。
なお、このようにIDとパスワードとを有する会員については、該会員の前記企業情報が前記サーバ01の記憶装置08のデータベース11に登録されている。
【0036】
このような状況下、甲は、自身の端末コンピュータ02(供給者の保持する端末コンピュータを、以下、端末コンピュータ02aという)の入力装置20から自身のIDおよびパスワードを入力して、サーバ01へ、通信ネットワークNを介して、該IDおよびパスワードを送信する(図2のS201参照)。あるいは、前記入力装置20からの入力によらず、前記端末コンピュータ02aの前記記憶装置23からIDおよびパスワードを、前記サーバ01からの要求信号によって(あるいは甲自身の呼び出し操作によって)呼び出し、前記サーバ01へ、通信ネットワークNを介して、送信するよう構成してもよい。後者の場合には、入力の手間や送信しようとする内容の確認も省ける点で好ましい。また、かかる場合には、前記サーバ01へのIDへの送信前に、これらを前記表示装置21に表示して、該表示内容を確認した後に、送信するような構成であってもよい。
【0037】
前述のように端末コンピュータ02aから送信されたIDおよびパスワードは、サーバ01の演算装置09において、記憶装置08に格納されている接続しようとする甲に関するIDおよびパスワードと比較照合されて、一致した場合には認証される。この認証の結果は、サーバ01から前記端末コンピュータ02aへ送信され、該端末コンピュータ02aの表示装置21に表示される。このため、甲は、サーバ01からの前記「認証」の結果を視認することができる。この「認証」により、甲は、次に述べる、供給しようとする端材等に関するデータ等をサーバ01へ送信することが可能となる。
【0038】
つまり、前記「認証」がなされると、甲は、自身の端末コンピュータ02aにその入力装置20を用いて、供給しようとする端材等に関するデータ、つまり、この場合、端材の、材質、種類、形状、数量、サイズ、価格、規格、状態、納期、購入時期、購入業者名、証明書、仕様書等のアイテムを入力する(図2のS202参照)。前記入力される端材等については、現在発生している端材であっても、将来発生する端材であってもよい。つまり、前記納期において確実に存在する端材であればよい。
また、前記端材の「状態」とは、たとえば金属材料の場合、端材の錆、キズ等の状態のことを意味している。
また、前述したとおり、この電子取引システムでは、前記規格、状態、納期、購入時期、購入業者名、証明書、仕様書等のアイテムについては、任意の入力アイテムであって、必ずしも入力することを要求されるものではない。しかし、必須の入力アイテムとすることも可能である。
【0039】
次に、甲は、前記端末コンピュータ02aから、前記通信ネットワークNを介して、前述した端材等に関するデータを、前記サーバ01へ送信する(図2のS203参照)。
【0040】
このように、前記サーバ01が、甲からの端材等に関するデータを受信すると、該サーバ01の前記演算装置09は、前記入力された端材等に関するデータの内容や、その端材等に関する証明書や仕様書、および前記企業情報並びに本電子取引システムの過去の利用実績等を考慮して、記憶されている評価基準に照らして、該受信した端材等に関するデータについて品質を含めた評価(この明細書において品質評価ともいう)をする(図2のS204参照)。例えば、端材の製造メーカの証明書や仕様書がある場合には、評価において加点され、状態の記載において「錆」や「傷」がひどい場合には評価において減点される。
【0041】
甲がサーバ01へ送信した前記データの内容と前記「評価」の内容は、供給者である甲に、前記通信装置10と通信ネットワークNを介して、送信される(図2のS205参照)。
【0042】
このように、前記評価等を前記通信機22を経て受信した甲は、自身がサーバ01へ送信した前記端材等に関するデータの内容を確認するとともに、該「評価」の内容について確認し、該「評価」の内容に対して許容できない(不満である)ときには、所定期間内(所定時間内)に前記サーバ01に対して該「評価」の削除を要求することができ、かかる場合には、該評価とともに端材等に関するデータは削除される(図2のS206参照)。
【0043】
このように削除された場合には、端材等を本電子取引システムの取引の対象とすることはない。
【0044】
一方、甲が所定期間内に前記削除の要求をしない場合には、前記「評価」はその端材等に関するデータとともに、前記データベース04に格納(登録)される(図2のS207参照)。
【0045】
前述のように格納された端材等に関するデータと評価は、該データベース04にアクセスした者が見ることができる。また、前記企業情報のうち、企業名や所在地や電話番号、FAX番号等は、アクセスした者は見ることはできず、単に、所在地のうち、市町村名程度(地域名程度)と保有設備と得意技術だけしか公開されないように構成されている。しかし、企業情報の全てが公開されるような構成とすることも可能である。
【0046】
また、この実施形態では、前記端材等に関するデータの内、状態、購入時期、購入業者名、証明書、仕様書等の入力については、公開されることなく、つまりサーバ01にアクセスしても閲覧することはできず、単に前記評価をおこなうための資料としてのみ使用される。しかし、前記状態等についても、公開されるようにしてもよい。
【0047】
なお、別の実施形態として、サーバ01が前記評価を甲の端末コンピュータ02aへ送信する前に、甲は、該評価および端材等に関するデータを登録するように、サーバ01に対して要求することもできる。つまり、前記評価等の確認の手続を省いて、即ち、前記フローチャートにおいて前記S203からS206へ直接進むような手順にしてもよい。かかる場合には、サーバ01は、評価の結果を甲の端末コンピュータ02aへ送信することなく、該評価と端材等に関するデータを、データベース04に登録する。
【0048】
前述のように、端材等を売却しようとする者(甲)は、前記サーバ01の記憶装置08に、対象となる端材等に関するデータや企業情報を、格納(記憶)しておく。
【0049】
一方、何らかの製品を製造するにあたって、所定の端材等を必要とする需要者(乙)は、自身が保持する端末コンピュータ02bにより、以下のように通信ネットワークNを介して、サーバ01にアクセスすることによって、端材等に関するデータ等を検索することが可能となり、該当するものが存在すれば、電子取引により購入することができる。
例えば、この電子取引システムの会員であることを認証するためのIDとパスワードとを有する会員乙(需要者)が、自身の工場においてある製品を製造するために、ある材料(端材)を必要とする場合、該乙は、この電子取引システムを利用して、該端材を、以下のように検索して、該当するものがあれば購買することができる。
【0050】
つまり、乙は、自身の端末コンピュータ02bの入力装置20から購入しようとする端材等に関するデータ等を入力し、この入力したデータを前記通信機22から前記通信ネットワークNを介してサーバ01へ送信する(図3のS301参照)。
【0051】
前記サーバ01は、前記送信されて来た端材等に関するデータに基づいて、前記データベース04内に要求を満たす端材等に関するデータが存在するか否か検索する。(図3のS302参照)。
【0052】
前記検索の結果は、サーバ01から通信ネットワークNを介して端末コンピュータ02bの通信機22へ送信され、この端末コンピュータ02bの表示装置21に表示される(図3のS303参照)。
【0053】
そして、検索の結果、例えば、乙の求める要件を満たす端材等に関するデータが前記データベース04に存在している場合において、乙がその端材等を購入しようとする場合、該乙は、自身のIDおよびパスワードを端末コンピュータ02bの入力装置20へ入力して、通信機22から、通信ネットワークNを介して、サーバ01へ送信する(図3のS304参照)。
【0054】
前述のように乙から送信されたIDおよびパスワードは、サーバ01の演算装置09において、記憶装置08のデータベース11内に格納されている会員である乙のIDおよびパスワードと比較照合されて、一致している場合には、会員であることが認証される(図3のS305参照)。
【0055】
このように認証されると、前記演算装置09は、乙の端末コンピュータ02bへ認証した旨のデータを送信する(図3のS306参照)。
乙は、前記認証した旨のデータを受領すると、サーバ01へ取引を実行する旨のデータを送信する(図3のS307参照)。
【0056】
一方、サーバ01が乙から前記実行する旨のデータを受け取ると、該サーバ01は確認の信号を乙の端末コンピュータ02bへ送信する(図3のS308参照)。
【0057】
このような手順を経て、取引は成立する(図3のS309参照)。なお、このときに、なんらかの理由により、該乙が「取引破棄(取引中止)」を表示する旨のデータをサーバ01側へ送信すると、電子取引は中止される(図3のS310参照)。
【0058】
前述のように、本電子取引システムで供給者甲と需要者乙との間で取引が成立した場合、供給者甲に対して納期等の指示の入った帳票がサーバ01から通信装置06を介して該供給者甲の端末コンピュータ02aへ発行される。この帳票は、種々の形態が考えられるが、二次元バーコードの形態をしていることが望ましく、該二次元バーコードは、読み取り器としての機能を備えた携帯電話のカメラ機能を利用して読み取ることができるもので、端材等の流通時の追跡調査や品質管理等の為に利用される。
具体的に、この二次元バーコードの使用の形態について説明すると、以下のとおりである。前述したとおり、前記端材等を購入した需要者とその供給者双方の企業情報等について、お互いを保護する為、お互いの企業名、所在地を知らせない状態で電子取引が成立する。そして、取引が成立した端材等を需要者に納入する際、配送機関として、例えば、所謂「宅配便」が利用されるが、供給者に発行される前記二次元バーコードを付した端材等の搬送先としては、需要者の所在地の最寄の宅配便の営業所が指示される。そして、この宅配便の営業所より、本電子取引システムの通信ネットワーク管理者から依頼された運送業者が、該通信ネットワーク管理者から守秘義務を負って知らされている需要者の所在地へ端材等を搬入して、物理的な端材等の引き渡しが完了する。なお、前記供給者に対しても、取引にかかる端材等の引き渡し先として、需要者との関連が不明な倉庫等を指示することもある。
【0059】
なお、前記通信ネットワークの管理者から依頼された運送業者が、前記端材等に付された二次元バーコードから、携帯電話のカメラ機能を利用して、需要者の企業名、所在地を読み取って端材等の配送をおこなってもよいが、かかる場合には、この二次元バーコードを、専用の読み取り器でのみ読み取れるような形態のものとして、供給者および需要者ともに、互いの取引相手の企業名や所在地等が読み取れないように構成する必要がある。
【0060】
また、前記二次元バーコードの代わりにICタグを用いる場合や該ICタグを併用する場合もある。このように、ICタグを使用する場合は、前記サーバ01から端末コンピュータ02aへ向けて発行される帳票に該ICタグを添付することは出来ない。このため、前記ICタグは、供給者に対して本通信ネットワークの管理者より送付(郵送等)されることになる。
【0061】
前記サーバ01の通信装置06には、供給者、需要者双方の企業情報等の情報の漏洩を防ぐため、電話番号、メールアドレス等の記載されたデータの送信を妨げる、フィルターを設けることが望ましい。このフィルターとしては、プログラムの形態で実現しても、電子回路の形態で実現してもよい。
【0062】
また、本電子取引システムを利用して成立した取引の金銭的な処理(決済)を円滑に且つ迅速にするために、決済処理機関が、サーバ01に接続できるよう構成されていると好ましい実施形態となる。前記決済処理機関の金銭的な処理方法としては、前述のように取引が成立しても、需要者から供給者に対して金銭の直接の支払いは行われず、該取引が成立すると本通信ネットワークの管理者は、需要者に対して所定の決済処理機関に入金するよう指示し、この指示を受けて該需要者は、前記決済処理機関に対して決済(入金)をする。決済処理機関が前記需要者による決済(入金)を確認すると、この確認の情報は本通信ネットワークNを介して、該通信ネットワークNの管理者へ送信され、これを受けて、該管理者は、供給者に対して需要者から入金があった旨の情報を送信するとともに、該取引にかかる端材等を需要者に対して配送するための準備を指示する。なお、前記決済の方法に関しては、前記決済処理機関が、前記データベース04へ格納されたに端材等に関するデータにかかる該端材等を担保とした貸付及び動産としての登記を行い証券化する場合もある。
(実施形態2)
ところで、別の実施形態(実施形態2)として、供給者たる甲が、自身の端末コンピュータ02aを使用して、端材等に関するデータをサーバ01のデータベース04に入力する際に、以下のようなプロセスを経て実行できるよう構成してもよい。以下、このような実施形態について説明する。
【0063】
甲が、処理しようとする端材等に関するデータを入力する際、例えば、甲の保持する入力装置20から、端材等に関するデータの入力開始操作をおこなうと、前記サーバ01から入力のための画面が表示される。
【0064】
ここで、まず、サーバ01側から端材の種類の指定が求められる。利用頻度の高い種類については選択のボタンが用意されている。例えば、端材等が金属材料である場合、画面上に、板材、アングル、チャンネル、丸棒等の選択ボタンが表示され、そのボタンをマウスでクリックすることにより、端材の種類に関する入力を確定することができる。
【0065】
端材の種類の確定後には、材質、サイズ(厚みを含む)、数量、価格、納期等の入力が求められる。かかる入力は、入力装置20であるキーボードのテンキーからの入力も可能であるが、画面上に表示されるテンキーをマウスを操作して入力するように構成することも出来る。この時、画面に表示されるテンキーから、マウスを操作してアルファベットからひらがなへの変換機能のある入力形態への切り替えが出来るように構成してもよい。具体的には、端材が例えば金属材料の場合、材質、サイズのうちの厚みのような利用頻度の高いものは、それらの内容を特定(選択)するボタンが表示装置21に表示され、そのボタンをマウスでクリックすることにより、材質や厚みが入力できるように構成するのが好ましい。
また、任意の入力アイテムである、端材の状態(端材の錆、キズの状態)や、購入時期、購入業者名の開示の有無、証明書の有無等も、画面に表示されるボタンをマウスを操作して入力できるよう構成するのが望ましい。購入業者名や入力する端材等についての注釈等は、画面上に表示させたテンキーを、アルファベット、ひらがなの変換機能の入力形態への切り替えをおこなうことで入力できるように構成してもよい。これに代えて、勿論、キーボードの操作によって行うようにしてもよい。
【0066】
かかる場合にも、すべての項目に入力完了後に、完了ボタンをマウスでクリックすることにより、この端末コンピュータ02aからサーバ01への送信が完了する。
【0067】
その後、サーバ01からこの端末コンピュータ02aへ、評価と入力項目を確認する画面に有る「登録」または「削除」のいずれかのボタンをマウスでクリックすることで、入力作業は終了する。
【0068】
前記入力操作を、画面に表示される全てのボタンの代わりに、指定されたキーをキーボードから操作するように構成してもよい。また、供給者の企業名、所在地等について、サーバ01から端末コンピュータ02aへ入力の要求がある場合には、甲の該端末コンピュータ02aに接続された外部記憶装置05からボタンの操作だけで入力されるように構成することが望ましい構成となる。
【0069】
端材等に関するデータを格納するサーバ01のデータベース04には、甲から入力されたデータのみではなく、需要者である乙の求める端材等に関するデータもまた登録できるように構成してもよい。かかる場合には、乙が自身の端末コンピュータ02bを用いて、所望の端材の材質、サイズ、数量、価格、納期を前記データベース04へ入力し、該端末コンピュータ02bの通信機22から、通信ネットワークNを介してサーバ01へ送信する。このように送信された前記端材等に関するデータは、サーバ01の記憶装置08のデータベース04に格納される。そして、このように格納された端材等に関するデータは、供給者が検索できるように構成してもよい。しかし、これに代えて、本通信ネットワークNに参加している全ての供給者の端末コンピュータ02aへ、サーバ01の通信装置06から送信することによって取引がおこなわれるように構成してもよい。
【0070】
また、前記構成に代えて、前記乙からの端材等に関するデータを前記サーバ01から、本通信ネットワークNに参加している全ての供給者の端末コンピュータ02aに対して送信するのではなく、特定の供給者にだけ、つまり、乙の端材等のデータの材質、サイズ、数量、価格等のいずれかのアイテムを充足する、端材等に関するデータを、過去に送信してきた実績のある供給者の端末コンピュータ02aにのみ、送信するよう構成するのが、効率の点から望ましい。このように、需要者である乙が求める端材等に関するデータについては、該乙が前記データベース04を検索した場合にも、検索はおこなわれず、サーバ01から該当する供給者の端末コンピュータ02aへ通信装置06から送信することによって取引するように構成するのも望ましい。
このように構成されていると、あるいは実施形態1で述べた如く、将来発生する端材をサーバ01の前記データベース04に格納するよう構成されていると、甲等の供給者は、サーバ01から送信されてきた乙の求める端材等に関するデータに基づいて、通信装置06、通信機22および通信ネットワークNを通じ、該乙と通信ネットワークNを介して交渉して、将来端材等を発生させる加工材料の規格サイズを、前記乙の要求を満たす分だけ大きい規格サイズに変更することもできる。例えば、供給者である甲は、端材が5mm厚の板材で1m×1mの材料を購入予定であり、その1m×1mの材料から1m×70cmを使用し、残りの1m×30cmは端材となり、この端材について処分(販売)を予定していたものを、乙の求める端材に関するデータとして1m×40cmがデータベース04に格納されている場合、甲は購入予定である1m×1mの材料のサイズを変更して1m×110cmの材料を購入すれば、甲と乙のいずれもの要求を満たすことができ、かかる場合、甲と乙との間に速やかに取引が成立することとなる。また、加工材料も全く無駄がなくなる。供給者である甲にとっては端材の保管期間の短縮となり、需要者である乙にとっては、納期の短縮が図れるとともに安価に取得することができる。しかも、加工材料に無駄がないため、材料に関する歩留りも極端に向上する。
【0071】
前記データベース04へ格納させる端材等に関するデータを入力する場合、端材等に関するデータとして、前記文字データに代えて、あるいは前記文字データとともに、該端材の写真、イラスト、CAD等の画像データ(図形表示データ)を用いることが望ましい。端材の形状は、文字データで表すよりも、画像データの方が容易に且つ正確に把握できるためである。そして、前記CAD等の画像データは、端材に関するデータを数値等で特定することが容易でない形状の端材の該形状を特定する場合に、使用されることが特に望ましい。
例えば、図4に示すように、正方形の形をした板材30から実線で表示する該正方形の一辺と同じ直径の円31を切断する場合、その板材の4隅には破線で表示された径の小さい円形の部材32を4枚切断することが可能になる。この様に4隅の部分からこのような円が切断できる場合にも、このような端材の形状は寸法や文字では特定しくいものであるが、CAD等の画像データで表すと、その形状が明確に且つ容易に把握できる。また、同様に、イラストや写真等の画像データも前記CADの画像データと同じく有効な画像データとなる。
【0072】
また、端材の形状が寸法や文字で特定しにくいという場合の以外にも、CAD等の画像データが使用されるケースとしては、以下のような場合がある。例えば、100mm×100mmの正方形の板から直径100ミリの円形の部材を切断して発生する端材に関するデータが、甲から画像データの形態で前記データベース04に格納されている場合に、需要者である乙が、直径17.16mmの円形の部材を4枚必要として、前記データベース04を検索すると、100mm×100mmの正方形の板材から直径100mmの円形の部材を切断した端材から直径17.16mmの円形の部材を4枚取れることが、該CAD等の画像データから容易に視認することができる。
【0073】
また、この100mm×100mmの正方形の板材から直径100mmの円形の部材を切断することによって発生する端材を、甲が、CAD等の画像データの形態で端材等に関するデータとして、自身の端末コンピュータ02aを介して、前記データベース04へ格納している場合に、乙が自身の端末コンピュータ02bを用い、前記端材から、直径17.16mmの円形の部材をCADの画像データで特定して、切断加工して欲しい旨、前記甲の端末コンピュータ02aへ送信することによって、単に端材を取得するのではなく、所望の円形の部材にして、取得することができる。かかる場合、乙にとって、加工の手間と加工時間が省けるとともに、甲にとって自身の加工の際に同時に加工すれば、効率的に加工が実施できるとともに、自身の保有設備や作業者の稼働率を上げることになる。前記加工に関する取引は、甲と乙とが端末コンピュータ02を用いて直接おこなってもよいが、一般的には、前記サーバ01を介しておこなうことが望ましい。
また、かかる場合にも、前述したのと同様に、需要者の求める端材の寸法に合わせて、供給者が購入しようとする加工材料の寸法をその分だけ大きくするようにしてもよい。
(実施形態3)
また、別の実施形態として、需要者たる乙が、自身の端末コンピュータ02bを使用して、求める端材等に関するデータに基づいて前記データベース04を検索する場合に、検索条件について、一定の幅をもって検索できるように構成してもよい。このようなた実施形態(実施形態3)について、説明する。検索する際に需要者乙がサーバ01へ送信する端材等に関するデータは、供給者たる甲が端末コンピュータ02aを使用して前記データベース04へ送信する端材等に関するデータに準じたものとなるが、本電子取引システムで扱う電子取引の対象となるものは、通常の商取引と違い、端材等に関するデータの内容において所定範囲にあれば許容できる。例えば、金属板材の薄板の材質表示で、一般構造用圧延鋼材SS400と冷間圧延鋼材SPCC、熱間圧延軟鋼板SPHCは、日本工業規格上は別の材質であるが、加工材料として同様に扱われていることが多い。また、機械構造用炭素鋼においてもS45CとS55C等は、加工材料としては同等に扱われていることが多い。通常の商取引においては、この様な日本工業規格上で違うものは、同等の物として扱われるべきではない場合もあるが、端材等を扱う本ネットワークの電子取引の対象物としては、慣例上、同等として扱われている材質の端材等については、これらの異なる材質の端材等は前記データベース04において、同等のものとして相互に関連付けておけば、同じ検索対象となる。つまり、需要者たる乙が、前記一般構造用圧延鋼材SS400の端材を求めたいとして検索を行った場合、前記データベース04に格納されている冷間圧延鋼材SPHC、熱間圧延軟鋼板SPCCも検索の対象物として選択される。また、同様に、板厚を含むサイズ、数量についても、求める端材等に関するデータの内容と所定範囲内にある端材等は、同等のものとして検索の対象物となるよう構成されている。例えば、材質が一般構造用圧延鋼材SS400で、形状が板材で、サイズが板厚2.0mmで平面寸法が100mm×100mmの端材を、数量10枚必要である場合に、前記サーバ01のデータベース04を用いて検索すると、材質については前記した関連付けがなされている冷間圧延鋼材SPHC、熱間圧延軟鋼板SPCCも検索の対象物として選択される。また、板厚を含むサイズに関しては、板厚については10パーセントのプラスとマイナスの許容範囲内のものが検索の対象物として選択され、平面的な寸法については、20パーセントのプラスとマイナスの許容範囲内のものが検索の対象物として選択される。また、このケースでは、形状に関しては、所望の形状(例えば、板材)のものが検索され、また、数量に関しては同じ数かそれ以上の数のものが対象物として選択される。
この結果、材質に関しては、前記SS400、SPHC、SPCCのもので、形状 が板材で、サイズのうち板厚が1.8mmから2.2mmのもので、平面的寸法が80〜120mm×80〜120mmのもので、数量が10枚以上、例えば10枚から20枚のものが、検索の対象物となり、この検索の条件を満たす端材等に関するデータが、検索結果として表示される。
【0074】
なお、前記所定範囲内に入る端材等に関するデータも、需要者たる乙が、前述した端材等に関するデータと同じように、端末コンピュータ02bの入力装置20を使用して入力するように構成してもよい。
【0075】
前記検索において、あるサイズの端材を10枚求める場合に、供給されている端材がサイズの大きい1枚の端材であるような場合には、前記演算装置09内に、板取りに関する演算用のプログラムを記憶させておき、このプログラムにより板取りを実行して、その結果、数量的に満足させることができるか否か、検索するように構成すればよい。また、数量において単一の端材等に関するデータだけで満足できない場合、複数の端材等に関するデータにわたって該数量を満足するまで検索するように構成しておく。つまり、サーバ01の演算装置09が、複数の供給者により格納されている複数の端材等に関するデータを組み合わせて、求められている数量を満足させられるか否かの計算を実行して、検索をおこない、検索の条件を満たすものを探すよう構成しておく。
また、条件を満たす端材等に関するデータが複数存在する場合には、以下のようにそのうちの1のものが選択され、検索結果として出力されるように構成することが望ましい。例えば、データベース04に複数の端材等に関するデータが格納されており、かかるデータ内の端材の価格と納期が同等であるとすると、以下のような検索結果を得ることになる。つまり、需要者が板厚が5ミリで、平面寸法が100mm×100mmの板材を8枚必要とする場合、前記サーバ01のデータベース04を演算装置09で検索した際、板厚5mmで平面寸法が300mm×300mmの板材1枚と、供給者が異なる二人にわたる端材等に関するデータで、板厚5mmで平面寸法が200mm×300mmの板1枚、板厚5mmで平面寸法が200mm×100mmの板1枚とが検索条件を満足するものとしてヒットした場合、前記演算装置09は、後者のものを第1の検索結果として選択する。つまり、前者は前記板材が9枚分取れ、後者は同8枚分取れることになるため、後者のデータが検索結果としてより合理的である。しかし、端材の輸送等の関係から、前者を選択するように構成してもよい。
【0076】
また、前記演算装置09が、供給者によって格納された端材等に関するデータから、需要者によって入力されあるいは格納された端材等に関するデータに基づいて板取りの演算をおこなう場合に、以下に述べる所謂「ネスティング」という概念(思想)でもって板取りの演算をおこなうよう構成してもよい。つまり、前記端材等に関するデータのうち形状に関するデータとしてCADの画像データを有する場合、板金加工(切断加工)に使用されるレーザー加工機の板取り演算装置に採用されている「ネスティング」と同等の機能を持たせることが望ましい。例えば、レーザー加工機によって円形に中抜きされた部材が、直径300mmの円形の端材として発生し、この端材が前記データベース04に格納されている場合、需要者が求める端材がこの直径300mmの円形の端材から採れるとき、例えば、前記需要者が求める端材が「長軸が300mmの楕円形」の部材であるときには、この格納されている直径300mmの円形の端材が検索結果として取得される。また、かかる場合、前述のように、供給者が前記レーザ加工機で中抜き加工する際に、需要者の求める楕円形の部材も同時に切断加工されることが望ましい。具体的には、まず、中抜きしようとする円形の領域から「長軸が300mmの楕円形」の部材を切り取り、次に、直径300mmの円形に切断される。
【0077】
ところで、需要者が求める端材に関するデータに対しその所定範囲内のものが検索の対象物とされるよう構成することについては前述したとおりであるが、該所定範囲を入力するのに、以下のような手法によって入力するよう構成してもよい。具体的には、端末コンピュータ02bの端材の入力画面において、図5に図示するように、縦に、0〜100mm、101〜200mm、201〜300mm、301〜400mmのように段落を設けるとともに、横に、同じく、0〜100mm、101〜200ミリ、201〜300mm、301〜400mmのように、縦と横に規則正しい寸法の段落を設けた碁盤の目のような表を表示させる。そして、求める端材のサイズが、例えば、縦寸法が350mmで且つ横寸法が120mmである場合には、前記表の横の欄が101〜200mmで縦の欄が301〜400mmの交点のスペースを、マウスでクリックすることによって、求める端材の寸法を特定するように構成すると、「所定範囲」の特定が容易におこなえる。
また、かかるように寸法の特定をする場合に、寸法の小さい方を縦の欄から選択し、寸法の大きい方を横の欄から選択するように、あるいはその逆に、構成すると、寸法の異なる複数の端材の寸法を入力する際に、大きい順序に、あるいは小さい順序に規則正しく配置され、データが煩雑に格納されるようなことが回避できる点で好ましい構成となる。
また、前記データベース04に端材を格納する場合にも、前述のように、寸法の小さい方を縦の欄から選択し、寸法の大きい方を横の欄から選択するように、あるいはその逆に構成することが、検索を効率的におこなうのに好ましい構成となる。
【0078】
また、この電子取引システムでは、前述のように、求める端材を購入しようとする需要者が、その端材の供給者により、該端材に加工を依頼できることは、前述したとおりであるが、当該端材の加工をその端材の供給者でなく、前記サーバ01のデータベース11に格納されている他の会員に、この通信ネットワークを利用して、依頼することも可能であるように構成するとさらに望ましい。
【0079】
というのも、前記購入しようとする端材に対する加工には、さまざまな加工があり、必要とする加工精度においても、さまざまである。このため、購入する端材に対する加工は、その端材の供給者が必ずしもおこなえるわけでなく、また、仮におこなえる場合であっても、その供給者の得意分野に属するものでない場合もある。
【0080】
そこで、本電子取引システムの場合には、購入した端材に対する加工は、前記データベース11に格納されている企業の中から、その加工に合致したレベルの精度の機械(保持設備)を有し且つその加工を得意とする企業を検索するできるように構成されている。
【0081】
金属材料の切断を例に挙げると、数mm単位の寸法公差でしか切断加工できない機械から、100分の1mm単位まで精度を出して加工できる機械まであり、また、金属材料の形状、厚み等が変われば、同じ寸法公差(加工公差)を必要とする場合でも、加工機械も変わるという特徴がある。また、別の面からも、加工、例えば、切断の精度を、数mm単位でしか必要としない場合に、100分の1mmまで精度をだせる機械を用いて加工することは必要でないし、そのような場合にはコスト的も適合しないこととなる。
【0082】
前記加工に関して具体的に例をあげると、加工として切断加工を依頼するとき、ステンレスで板厚が1mm、加工精度(寸法精度)を0.1mmで要求した場合、過去の実績として前記データベース04にステンレス材の厚み1mmを登録または登録した実績があり、レーザ加工機を保有する企業が、前記検索の結果、ヒットすることになる。また、要求される加工精度が同等で且つより厚みの大きい板材を加工する場合は、前記検索の結果、フライス盤を保有する企業がヒットすることになる。
【0083】
このため、前記データベース04を検索した結果得られる端材等に関するデータと、前記データベース11を検索した結果得られる企業情報に関するデータとを、それぞれ別の検索対象として検索することによって、端材等に関する要求と加工に関する要求の両方の要求を満足させることができる。
【0084】
ところで、前記データベース11を検索して、最適な企業情報の企業を探す際に、前述した内容と異なる検索結果となるような構成にしてもよい。このような構成が適する場合として、例えば、需要者の所在地が北海道であり、前記検索の結果、加工をおこなう企業として九州の企業がヒットした場合、加工のために端材を輸送するための物流コストが多大になる。従って、かかる場合には、このような遠方の企業を検索結果として選択するのではなく、需要者の所在地の近県に所在する企業が検索されるよう構成することが望ましい場合がある。また、需要者及び供給者が相互に近県の場合においても、本電子取引システムにおける過去の実績等において前記需要者及び供給者のいずれかが問題の有る企業であるときには、検索結果として選択されないよう構成することが望ましい。
また、場合によっては、本電子取引システムの通信ネットワークの管理者が需要者の要求する加工内容を検討し、最適な企業を選択して需要者と供給者に通知することができるように構成することも望ましい。
【0085】
また、前述のように需要者へ端材等を供給する供給者と該端材に対して加工をおこなう企業とが異なる企業である場合には、該端材を前記需要者へ届けることなく、本通信ネットワークの管理者が介在して、需要者には追加工の終了した製品を配送するよう構成することも望ましい。
【0086】
ところで、供給者が端材等に関するデータを入力する際に、端材等の状態、購入時期、購入業者名、証明書、仕様書に関する任意アイテムへの入力がある場合、そのデータを参照してサーバ01の演算装置09で評価を行うことは前記したとおりであるが、この評価に基づき端材等のデータのうちの価格に関するデータに制限を設ける場合がある。つまり、端材等に関するデータの入力の際に、前記任意のアイテムに全く記入がなく、前記評価は低いにも係らず、自身の購入金額に近い価格での取引を希望している需要者がある場合には、本電子取引システムで取引が成立する可能性は極めて低い。にもかかわらず、この様なデータが多数前記データベース04等に格納された場合、検索対象データが増え、検索時間が長くなり、本電子取引システムの迅速な検索を損なうこととなる。このため、前述のように価格が取引が成立する可能性がない程高い場合には、価格を修正(制限)することによって、取引の成立の可能性を高め、端材等に関するデータがデータベース04内に長期間蓄積されるのを防止し、本電子取引システムの稼働状態を良好に保つように構成することも好ましい。
(実施形態4)
ところで、前記端末コンピュータ02に代えて、市販の携帯電話を端末機器として用いても、前記したと同様に、本電子取引システムを実現することができる。以下、携帯電話を端末機器として用いた場合の実施形態を図6のフローチャートを用いて説明する。
【0087】
つまり、携帯電話を端末機器として用いて電子取引するためには、事前に携帯電話の番号及び携帯電話のメールアドレスを前記サーバ01に登録しておく(図6のS401参照)。
【0088】
前記登録の後、需要者である丙は、携帯電話の端末機器としての機能を用いてサーバ01内の端材等に関するデータが格納されているデータベース04にアクセスして、検索する(図6のS402参照)。
【0089】
そして、その検索結果を携帯電話の表示装置に表示する(図6のS403参照)。
【0090】
検索の結果、要件を満たす端材等のデータが検索されると、丙は、本システムの管理者より指定された電話番号に発信者番号表示機能を有効にした状態で電話をかける(図6のS404参照)。
【0091】
前記サーバ01はこの発信者番号表示機能により表示された電話番号をID及びパスワードとして認証する(図6のS405参照)。
【0092】
次に、サーバ01は、通信装置06から、記憶装置08に登録されている携帯電話のメールアドレスへ、利用者を特定出来る様な暗号の入ったメールを送信する(図6のS406参照)。なお、前記暗号は電子取引毎に変わっていくように構成するのが望ましい。
【0093】
丙は、携帯電話から、前記暗号の入ったメールに、取引内容を記入して、サーバ01へ送信する(図6のS407参照)。この取引内容は前記サーバ01の通信装置06を介して指示された形式で記入する必要がある。
【0094】
サーバ01の通信装置06から、携帯電話へ取引内容を確認するためのメールが送信される(図6のS408参照)。
【0095】
丙は、携帯電話から、サーバ01へ確認のためのメールを送信する(図6のS409参照)。この確認のメールを送信することによって、取引は成立する(図6のS410参照)。なお、前記サーバ01への確認のメールが所定時間内(例えば、1時間内)に送信されない場合には、取引は中止される(図6のS411参照)。
【0096】
ところで、前記実施形態では、端材等に関するデータ等の入力が、キーボードやマウス等を用いておこなうよう構成されている実施形態について説明したが、これに代えて、プッシュ回線や携帯電話等を用いて、電話音声によるガイドに従って電話機の数字を押して、所望のデータを入力するよう構成されていることも、コンピュータを必要とすることなく簡単に入力できる点で、また、コンピュータを使いこなせない者に対して、好ましい実施形態となる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明にかかる通信ネットワークを利用した電子取引システムは、種々の端材等や加工に関する取引に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明にかかる端材等に関するデータを共有して端材等を有効利用する通信ネットワークを用いた電子取引システムの全体の概略の構成を示す図である。
【図2】供給者が端末コンピュータからサーバのデータベースへ端材等に関するデータを登録する際の手続の流れを表したフロー図である。
【図3】需要者が端末コンピュータからサーバのデータベースへ端材等に関するデータを登録する際の手続の流れを表したフロー図である。
【図4】板材の加工材料から製品に使用する部材を切断した際に発生する端材を示した平面図である。
【図5】所定範囲を特定して端材等に関するデータを容易に入力できるための表を概念的に示した図である。
【図6】本発明のシステムを用いて取引をおこなう場合のフロー図である。
【符号の説明】
【0099】
01・・・サーバ
02・・・端末コンピュータ
02a・・・供給者の端末コンピュータ
02b・・・需要者の端末コンピュータ
04・・・データベース
05・・・データベース
06・・・通信装置
07・・・決済処理機関
08・・・記憶装置
09・・・演算装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークに複数の端末機器とサーバを接続し該サーバ内に格納したデータにかかる端材等を該端末機器を介して取引する電子取引システムにおいて、
前記端末機器が、入力したデータ、サーバからの検索結果等を表示する表示装置と、前記端材等に関するデータを入力する入力装置と、入力したデータをサーバ側に送信するとともにサーバ側からの検索結果等を受信する通信機とを備え、
前記サーバが、端材等の供給者と需要者のいずれか一方又は両方が前記端末機器から入力した端材等に関するデータを格納する記憶装置と、
端材等の需要者と供給者のいずれか一方又は両方が前記端末機器から入力した所望の端材等に関するデータに基づいて、前記憶装置内に格納されている端材等に関するデータから前記需要者の要求を満たす端材等に関するデータを検索して、その検索結果を出力する演算装置と、
前記端末機器との間で送受信する通信装置とを備えていることを特徴とする電子取引システム。
【請求項2】
前記演算装置は、前記端材等に関するデータの検索において、端材等のうち端材に関するデータの検索においては、該端材の、材質、種類、サイズ、数量、取引価格の順番で、検索を実行するよう構成されていることを特徴とする請求項1記載の電子取引システム。
【請求項3】
前記記憶装置は、内部に各端末機器を保持する企業の所在地に関するデータを格納し、
前記演算装置は、前記需要者の端末機器から取引成立の意志表示に関するデータを前記通信装置を介して受領すると、該需要者の端末機器に対して、成立した取引価格に相当する金額の決済処理機関への入金を指示するデータを前記通信装置を介して送信するとともに、
前記供給者の保持する端末機器に対して取引成立の旨のデータを前記通信装置を介して送信し、
さらに、前記入金の確認データの入力の受領を待って、前記供給者の端末機器に対して、前記入金を確認した旨のデータを前記通信装置を介して送信するとともに、
前記成立した取引にかかる端材等の配送を、前記記憶装置に格納されている企業の所在地に関するデータと取引にかかる端材等のデータに基づいて、前記通信装置から、前記通信ネットワークを介して配送機関へ指示するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の電子取引システム。
【請求項4】
前記サーバの記憶装置内に、各端末機器を保持する企業の保有設備等の企業情報が格納され、前記需要者が前記端末機器を介して、前記記憶装置内の企業情報を参照して、前記取引成立にかかる端材等に対して、前記保有設備による加工を依頼する旨のデータを前記サーバへ送信すると、該サーバはこの加工を依頼する旨のデータを前記供給者の端末機器へ送信することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1の項に記載の電子取引システム。
【請求項5】
前記端末機器が、外部記憶装置をさらに備え、この外部記憶装置にその端末機器を保持する企業に付与されたIDおよびパスワードを記憶させ、前記サーバに対して該外部記憶装置に記憶されたIDおよびパスワードを送信して本電子取引システムに参加が承諾されている端末機器であることが確認できるよう構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1の項に記載の電子取引システム。
【請求項6】
前記通信ネットワークに携帯電話が端末機器として接続することが可能であり、前記サーバへの接続において、この携帯電話の電話番号がその企業に付与される前記IDおよびパスワードとして機能するよう構成されていることを特徴とする請求項5記載の電子取引システム。
【請求項7】
前記端材等が端材の場合には、該端材に関するデータとして、端材の形状を表す、CAD、写真、イラスト等の画像データが含まれることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1の項に記載の電子取引システム。
【請求項8】
前記端材等に関するデータが、材質、サイズ、数量、価格の少なくとも一つのアイテムに関して、所定範囲の幅をもって特定できるものであり、前記検索において該所定範囲の幅内で前記需要者の要求を満たす端材等に関するデータを検索し、条件を満たす端材等に関するデータがあると供給者と需要者が、それぞれの端末機器と前記通信ネットワークを介して、交渉可能とした請求項1〜7のいずれか1の項に記載の電子取引システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−164757(P2007−164757A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−109113(P2006−109113)
【出願日】平成18年4月11日(2006.4.11)
【出願人】(504445921)大田産業株式会社 (7)