説明

競技モデルの参加認証装置

【課題】ネットワーク上の仮想競技場(競技サイト)において、競技に参加する際に、各競技モデルを対等な身体(構造)条件で参加させるようにする競技モデル認証装置の提供を行なう。
【解決手段】参加基準として、競技モデルの類型(競技の種類等)61別に競技標準モデルを設け、そのエレメント(骨や関節や付属物)63−1〜63−m毎に、エレメントに接続された関節カテゴリや、タイプや、可動範囲や、大きさとそれらの許容範囲データ等を予めデータベースに登録しておき、参加申込者の競技モデルの各エレメントと比較して、接続されている関節カテゴリや、タイプや、可動範囲や大きさなどの数値が許容範囲データの数値以内に収まっている場合に合格(参加資格あり)とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク上の仮想競技場(競技サイト)において、3次元競技モデルの所有者が自己の競技モデルを競技に参加させようとする際に、各競技モデルを対等な構造条件で参加させるようにする3次元競技モデルの参加認証装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワーク上に仮想ライブハウスを作って、任意の端末装置から演奏にエントリーできる仮想ライブ演奏支援システムがある(例えば、特許文献1参照)。
同特許文献1には、セッションマネージャーサーバーが、任意の端末装置からの仮想ライブ演奏の演奏申し込みに応じて、その仮想ライブ演奏の複数のパートを構成する各演奏者および演奏スケジュールを管理し、放送サーバーが、その演奏スケジュールに応じた仮想ライブ演奏において、演奏申し込みを行った演奏者の端末装置から受信したその演奏者のパートの演奏データを、他のパートの演奏者の端末装置およびその仮想ライブ演奏に対して試聴申し込みがされた端末装置に対して送信し、各演奏者の端末装置から受信した複数のパートの演奏データを曲データベースに記憶し、ショップマネージャーサーバーが、任意の端末装置1からの仮想ライブ演奏の演奏データに対する購入申し込みに応じて、その申し込みに対応する演奏データを送信するよう構成した仮想ライブ演奏支援システムが開示されている。
【0003】
また、複数の人物,動物等の生命体等の物体画像間で、バトルゲーム等を行なう際に、バトルの勝敗結果の状況,程度を、バトル対戦者のモンタージュ画像の表示やメッセージ表示にて客観的に把握可能とした電子ゲーム装置及び画像表示制御方法がある(例えば、特許文献2参照)。
同特許文献2には、バトル用モンタージュRAMに予め記憶させた甲および乙それぞれのモンタージュデータに対応する各パーツパターンを基本パーツパターンROMから読出し表示部に表示させ、各モンタージュ画像を構成するパーツパターン毎に予め設定された点数をバトル点数ROMから読出して合計し、該合計点数の大小比較により甲および乙の勝敗を判定し、この判定結果に応じて、勝者側のモンタージュ画像は喜びの表情と勝のメッセージを、敗者側のモンタージュ画像は悲しみの表情と負のメッセージを、それぞれ表情パーツパターンROM及びバトルメッセーROM から読出して表示部に表示させる用に構成した電子ゲーム装置及び画像表示制御方法が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2006−65010号公報
【特許文献2】特許第3144375号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示の仮想ライブ演奏支援システムのように、端末装置から送信する演奏データを仮想空間で演奏して競うな仮想ライブのような場合には、ミュージシャンの構造(身体構造)を問題にする必要が生じないが、複数の人物,動物等の生命体等を仮想空間で戦わせる競技型空間の場合には、3次元競技モデル(ロボット、戦闘スーツを装着した戦士等)の身体構造(ロボットの場合は、関節の数や移動手段、戦士の場合は装備の種類等)が異なる(対等性がない)と優劣、勝敗が一方的になるが、従来技術では、競技エントリー時に自動的に、仮想空間で競技する各3次元競技モデルの構造の対等性を判断できないため、格闘技などの競技を行うにしても参加条件に対して毎回仕様書レベルの判断を人が行わなくてはならないという問題点があった。
【0006】
また、特許文献2に開示の電子ゲーム装置によれば、複数のゲーム機において、複数の人物、動物等の生命体等の物体画像間でのバトルゲームを楽しむことができるが、同様に、競技参加時に自動的に、仮想空間で競技する各3次元競技モデルの構造の対等性を判断したり、不足している部分や、超過している構造や数値範囲をアラート表示して申請者に知らせたり、自動的に合格ライン範囲に 調整して参加することができないといった問題点があった。
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、ネットワーク上の仮想競技場(競技サイト)での競技に参加する際に、各競技モデルを対等な身体(構造)条件で参加させるようにする競技モデル認証装置に関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、競技種目によって規定される競技モデルの3次元標準モデルについて、その3次元構造を構成する各エレメントの属性および属性値の許容範囲をそれぞれ記憶してなる参加基準データと、ネットワークを介して接続された任意の端末装置からの仮想競技への参加申し込みに応じて参加する3次元競技モデルの構造データを取得する構造データ取得手段と、3次元競技モデルの構造データからその3次元競技モデルの3次元構造を構成する各エレメントの属性および属性値を取得するエレメント解析手段と、エレメント解析手段によって取得された3次元競技モデルの各エレメントの属性値が3次元競技モデルと同一類型である標準モデルの参加基準データに記憶されている各エレメントの属性値の許容範囲内にあるか否かを判定し、3次元競技モデルのすべてのエレメントの属性値が参加基準データの対応するエレメントの属性値の許容範囲内の場合に3次元競技モデルの競技参加資格を認証する認証手段と、を備えたことを特徴とする競技モデルの参加認証装置を提供する。
【0009】
また、認証手段により認証されなかったとき、3次元競技モデルのエレメントを端末装置側でアラート表示するためのアラート表示データを該端末に送信するアラートデータ送信手段と、端末から送信される調整指示データに基づいて、属性値が参加基準データの対応するエレメントの属性値の許容範囲外である3次元競技モデルのエレメントの属性値を許容範囲内に調整する調整手段と、を備えたことを特徴とする参加認証装置を提供する。
【0010】
また、アラートデータ送信手段によって送信されるアラート表示データは、認証手段により認証されなかった3次元競技モデルのエレメントのうち属性値が欠落しているエレメントに係る表示データを含み、調整手段は、認証手段により認証されなかった3次元競技モデルのエレメントのうち属性が欠落しているエレメントについて、端末から送信される調整指示データに基づいて許容範囲内の属性値を補充することを特徴とする参加認証装置を提供する。
【0011】
また、端末から送信される調整指示データは、該端末において入力されたエレメント毎の属性値の修正データを含むことを特徴とする参加認証装置を提供する。
【0012】
また、参加基準データは、3次元競技モデルの類型別の標準モデルについてそれぞれデータベースに登録されていることを特徴とする参加認証装置を提供する。
【発明の効果】
【0013】
仮想空間において、3次元構造を有する競技モデルを対等な構造条件で参加させるための参加基準を設け、その基準に合格した競技モデルだけがそのゲームに参加することができるようにしたので、対等な条件での競技および成績評価が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
発明の概要;
遠隔操作もしくは自律型の3次元構造の競技モデル(以下、「競技モデル」と記す)を用いて、仮想空間における、野球やサッカー、闘技、ダンスホールなどへの競技参加を行うとき、構造物としての対等性を確保する必要がある。そこで、開催サイト側で構造物としての参加条件の範囲(参加基準)を決定しておき、所定条件範囲内であれば合格(認証済み)とし、合格した(認証された)競技モデルがそのゲームに参加できるようにする。
【0015】
例えば、参加基準として、競技モデルの類型(競技の種類、ランク(性別、ウエイトなどのランク)別に3次元競技標準モデルを設け、その競技標準モデルの(身体)構造のエレメント(要素(骨や関節や付属物))毎に、属性(エレメントに接続された関節カテゴリ等)や、それら属性の値(属性値(数や、大きさや、可動範囲))の許容範囲データ等を予めデータベースに登録しておき、参加申込者の3次元競技モデルの構造を構成する各エレメントの属性値と比較して、属性や、属性値が許容範囲データの数値以内に収まっている場合に合格(参加資格あり)とする競技モデルの参加資格の認証を行う。
【0016】
また、参加基準に合格している場合はその開催サイトの合格証書が発行され、3次元データに添付され、競技モデルの見やすい部分に表示される。これにより、バーチャル競技モデルの参加資格の認証と出場登録の自動化を実現することができる。以下、図面によりこの発明の一実施の形態について説明する。
【0017】
図1は、仮想空間における競技場システムを構成するハードウエア構成の一実施例を示す図である。複数の端末装置1はインターネット2を介して種々のサーバーに接続できるパソコンや携帯電話機や、ネットワークとの通信接続機能を備えた電子ゲーム装置などの情報処理装置であり、図示しないが、操作部、表示部、通信制御部、CPUなどの制御部、ROMなどのプログラムメモリ、およびRAMなどのワークメモリを備えている。
【0018】
管理サーバー3、競技サーバー4、および視聴サーバー5は、インターネット2を介して接続された任意の端末装置1からの競技モデルの仮想競技場への参加申し込み、競技又は視聴申し込みに応じて、その参加資格の認証や、競技等を支援するサーバーである。各サーバーは、CPUなどの制御部、ROMなどのプログラムメモリ、RAMなどのワークメモリを備えている。
【0019】
管理サーバー3は、インターネット2を介して接続された任意の端末装置1からの競技モデルの参加申し込みに応じて、その競技への出場を希望する競技モデルの参加資格認証を行う。また、競技日程および参加資格認証済みの競技モデルの出場スケジュールを管理する。
【0020】
このために、管理サーバー3には、競技モデルの類型毎およびクラス毎に参加資格認証のための参加基準データや競技モデルデータベース(DB)8に格納されている競技標準モデルの参加基準データ等を記録した参加基準データベース(DB)6、出場登録された競技モデルの実績に係るデータや出場スケジュールに係るデータが記録されるスケジュール管理データベース(DB)7、および、競技標準モデルの構造データおよび付属物データや、所有者(または、端末)毎に認証済みの競技モデルの構造データや付属物(武器、服装等)等を登録した競技モデルデータベース(DB)8が接続されている。
【0021】
競技サーバー4は、競技に出場している競技モデルの端末装置1に対して競技データを送信する。競技サーバー4は、図示しないプログラム格納メモリに格納されている制御プログラム及び動作プログラムにより、各内部構成要素の動作を制御する。動作プログラムには、通信制御プログラムや、競技モデルの構造データから3次元画像データを生成する3次元画像データ生成プログラムや、各競技の実行制御や端末装置との競技データやメッセージのやり取りを行う競技制御プログラム等を記憶している。また、通信制御プログラムはインターネット2との接続制御プログラムを含んでいる。
【0022】
視聴サーバー5は、試聴申し込みを行った端末装置1に対して仮想競技の競技データを送信し、購入申し込みを行った端末装置1に対して競技データを販売する。そのために、スケジュール管理データベース(DB)7、および視聴者データベース9が視聴サーバー5に接続され、登録された視聴者のデータが保管されている。また、販売した視聴データの対価を受け取るために、視聴サーバー5は銀行その他の決済機関(図示せず)に接続できるようになっている。
【0023】
また、管理サーバー3、競技サーバー4、および視聴サーバー5には、仮想競技の競技データおよび競技用プログラムを保管する競技データベース10が接続されており、端末装置1からの競技申し込みや競技スケジュールに応じて、各サーバーによって必要に応じて3次元競技モデルデータや競技データおよび競技用プログラムが検索され、取り出される。
なお、管理サーバー3、競技サーバー4、および視聴サーバー5は、ハードディスク装置等の大容量記装置からなり、システムバス11によって相互に接続されており、各サーバー間においてコマンドおよびデータが随時に送受信される。したがって、これら3つのサーバー3、4、5を単一のサーバーとしてシステムを構築することも可能である。
【0024】
図2は、図1に示した本発明の管理サーバー3の一実施例の内部構成を示すブロック図であり、管理サーバー3は、制御部31、一時記憶メモリ32、プログラム記憶メモリ33、送受信部34、操作部35を備え、上述した参加基準データベース6、スケジュール管理データベース7、および競技モデルデータベース8が接続されている。
【0025】
制御部31はCPU等の回路から構成され、図3に示した各内部構成要素を総括し、プログラム格納メモリ32に格納されている制御プログラム及び動作プログラムにより、各内部構成要素の動作を制御する。動作プログラムには、通信制御プログラムや、競技モデルの構造データからその身体構造のエレメントを抽出し、各エレメントの数や大きさ等を取得するエレメント解析プログラム、および競技参加モデル認証プログラム等が含まれている。また、通信制御プログラムはインターネット2との接続制御プログラムを含んでいる。
【0026】
プログラム格納メモリ32は、制御部31の制御プログラムおよび動作プログラムが記録されているメモリであり、管理サーバー3として機能するための各種制御用データを記憶し、且つ制御部31が動作する上で必要な動作プログラムやデータを記憶する。例えば、動作プログラムとして、エレメント解析プログラムや競技参加モデル認証プログラムを記憶している。これらのプログラムは、適時、一時記憶メモリ32に呼び出され制御部31によって実行される。
エレメント解析プログラムは、3次元モデルの3次元構造データから3次元モデルを構成する各エレメント(例えば、腕、足)とその属性(関節、指)および属性値((腕の関節の数、腕(手)の指の数、腕の長さ、・・・)、(足の関節の数、足の指の数、足の長さ、・・・))と同じカテゴリのエレメント、属性および属性値を取得する。
【0027】
一時記憶メモリ32はRAM等のメモリで構成され、制御部31が動作する上で必要なプログラムやデータを記憶する。また、一時記憶メモリ32は、参加基準データベース6、スケジュール管理データベース7、および競技モデルデータベース8から取り出したデータを一時記憶するバッファメモリや、各種プログラムによるデータ処理に必要なワークメモリとして用いられる。
【0028】
送受信部34は、通信制御プログラムの制御によりインターネット6を介して端末装置1との間でデータの送受を行う。例えば、端末装置1から送信される参加要求データや、調整要求データや競技モデルの構造データ等を受信する。また、端末装置1にアラート用データ等を送信する。
【0029】
参加基準データベース6は、ハードディスク装置等の大容量記装置からなり、図3に示すように、競技モデルの類型61、参加資格認証のためのエレメント数62、エレメント別参加基準データ63−1〜63−m、および競技モデルデータベース(DB)8に格納されている競技標準モデルの身体構造データおよび付属物データのアドレスに対応するポインタ64からなる競技標準モデルの参加基準データ60を競技別に記録媒体に検索可能に記録してなる。
エレメント別参加基準データ63−1〜63−mは、属性名、および属性値の許容範囲の上限、下限からなる。
【0030】
また、競技モデルの類型61は競技種目によって規定される競技モデルの類型であり、競技種目がボクシングなら、「人(男性)型モデル、および所属階級」が相当する。この場合、類型61を「人(男性)型モデル、ライト級」、エレメントおよび属性として、体重、グローブの重さ、腕の本数、各腕の関節の数、足の本数、各足の関節の数を挙げることができる。
【0031】
この場合、エレメント数62=「6」とすると、エレメント別の属性値の許容範囲の上限および下限は、ライト級(アマチュア)の場合、体重63−1=「57Kg」、「60Kg」、グローブの重さ63−2=「10オンス」、「10オンス」、腕の本数63−3=「2」、「2」、腕の関節の数63−4=「3」、「3」、足の本数63−5=「2」、「2」各足の関節の数63−6=「3」、「3」というように予め設定され登録されている。なお、上限と下限の値が等しい場合は許容範囲がなくその値が基準値であることを意味する。
また、闘技やスポーツの場合、競技モデルの身長が極端に大きくても小さくても、腕の長さが長すぎたり、足の長さが短すぎても対等な競技ができないので、身長、身長と腕の長さの比率、身長と足の長さの比率を属性値とすることもできる。
【0032】
スケジュール管理データベース7は、ハードディスク装置等の大容量記装置からなり、管理サーバー3によって、競技スケジュール、各出場登録済みの競技モデルの出場スケジュールデータや過去の競技スケジュールデータ等からなるスケジュール管理データ(図示せず)が記録される。また、スケジュール管理サーバー7に記録されている各データは、適時、管理サーバー3若しくは視聴サーバー5によって参照されたり読み出されたりする。
【0033】
競技モデルデータベース8は、ハードディスク装置等の大容量記装置からなり、図4に示すように、競技類型別の競技標準モデルの各エレメントからなる3次元構造データを検索可能に記録した競技標準モデル構造データ部81、および競技モデルの所有者(または、端末)毎に認証済みの競技モデルの3次元構造データを検索可能に記録した認証済み競技モデル構造データ部82からなる。
競技標準モデル3次元構造データ部81には、予め、各競技類型別に標準的な競技モデル(通常は複数)の3次元構造データがそれぞれ記録(プリセット)されており、端末装置1のユーザからレンタル要求があった場合に、競技サーバー4によって取り出され、競技に用いられる。なお、管理サーバー3によって取り出され、レンタル要求元の端末装置1に送信される場合もある。
【0034】
図5は、図1に示した仮想競技場(競技サイト)における競技モデルの参加申し込み時の管理サーバー3の動作例を示すフローチャートである。
競技サイトの管理サーバー3は、競技参加希望者の端末装置1から、参加を希望する競技、日時、対戦相手等を含む参加要求データを受信すると(ステップS1)、参加要求データの中に登録番号が含まれているか否かを調べ、登録番号がある場合はステップS17に進み(ステップS2)、登録番号がない場合は、参加可能な競技および競技モデルの類型一覧表データと、参加を希望する競技、日時、対戦相手、参加する競技モデルの類型等を記入するための参加申請書用画面データと、競技モデルの構造や付属物(道具や武器、服装等)等のエレメントからなる構造データの送信要求メッセージを参加要求元の端末装置1に送信する(ステップS3)。
【0035】
管理サーバー3は、端末装置1から参加申請書データおよび構造データを受信すると(ステップS4)、受信した参加申請書データおよび3次元構造データを取り出して一時記憶メモリ32に保持し、エレメント解析プログラムにより、参加申請された競技モデルの身体構造を構成するエレメント数、各エレメントの属性や属性値を取得する(ステップS5)。
【0036】
次に、参加申請書データに含まれている競技モデルの類型をキーとして参加基準データベース6を検索し、類型が一致した競技標準モデルの参加基準データの各エレメントの値と上記ステップS5で取得した競技モデルの各エレメント値とを比較し、競技モデルの各エレメントの属性値Xがそれぞれ対応する競技標準モデルの各エレメントの属性値の許容範囲(下限≦X≦上限)内の場合は合格(つまり、認証済み)としてステップS12に進み、そうでない場合は(許容範囲を超えた場合、若しくは許容範囲以下(若しくは、該当する属性や属性値が欠落している場合))はステップS7に進む(ステップS6)。
【0037】
参加希望の競技モデルの構造データの各エレメントの値がそれぞれ対応する競技標準モデルの参加基準データのエレメントの属性値の許容範囲内でなかった場合は、管理サーバー3は、アラート表示用のデータ(アラート用データ)を端末装置1に送信し(ステップS7)、アラート用データ送信元の端末装置1から調整要求データを受信すると(ステップS8)、その端末装置1の参加希望の競技モデルについて、一時記憶メモリ32に保持している構造データのうち参加基準データのエレメントの属性値の許容範囲内でなかったエレメントの属性値を許容範囲内の値に置き換えて(つまり、合格値に自動調整して)、ステップS12に進み(ステップS9)、端末装置1からモデルレンタル要求データを受信すると(ステップS10)、レンタルフラグをオンにしてステップS17に進む(ステップS11)。
【0038】
なお、ステップS6でアラート用データを端末装置1に送信した際に、端末装置1側で、属性値の許容範囲内で、「上限」、「下限」のいずれかを選択する選択スイッチを表示するようにし、端末装置1のユーザが「上限」、「下限」のいずれかを選択すると、ステップS7で、管理サーバー3は選択された属性値(「上限」の場合は「上限値」で、「下限」の場合は「下限値」で、不合格としたエレメントの属性値を一斉に置き換えるようにしてもよい。競技モデルのエレメントの属性値が欠落している場合にも、その属性値を選択された属性値で置き換えるようにする。
【0039】
また、ステップS6でアラート用データを端末装置1に送信した際に、端末装置1側で不合格のエレメント(および欠落していたエレメント)ごとに許容範囲の値(「上限値」〜「下限値」)を表示するようにしてユーザにそれらの値の範囲内でエレメントの値の修正入力を促すようにし、ステップS7で、管理サーバー3は、端末装置1から送信された調整要求データに含まれている修正済みの各エレメントの属性値で不合格とした各エレメントの値を置き換えるようにしてもよい。競技モデルのエレメントの属性値が欠落している場合にも、その属性値をユーザによって補充、修正された属性値で置き換えて補充するようにする。
【0040】
管理サーバー3は、認証済み通知および認証済み競技モデルの登録番号をその参加申請書提出元の端末装置1に送信すると共に(ステップS12)、一時記憶メモリ32に保持している認証済みの競技モデルの構造データを競技モデルデータベース8の認証済み競技モデル構造データ部82にその競技モデルの所有者(または、端末)識別情報および登録番号を付けて検索可能に記録する(ステップS13)。
【0041】
次に、スケジュール管理データベース7を参照し(ステップS14)、スケジュールが一致した場合には、競技開始可能通知をその参加申請書提出元の端末装置1に送信し、ステップS14に進んで競技サーバー4に制御を渡す(ステップS15)。また、スケジュールが一致しない場合はその旨のアラートデータおよび空き時間の予定表をその参加申請書提出元の端末装置1に送信し、ステップS1に戻る(ステップS16)。
【0042】
競技サーバー4は、その競技用のプログラムを競技データベース10から取り出し、ステップS4〜S7で参加認証された競技モデルの構造データ(認証済みおよび登録済みの場合は競技データベース8の認証済み競技モデル構造データ部82、レンタルフラグがオンの場合は、競技標準モデル構造データ部82から読み出した構造データ)を用いて競技上サイトでの競技を開始し、各競技モデルの構造データを元にした3次元画像データ生成プログラムによる3次元画像データの生成、競技制御プログラム等の動作プログラムによる、競技に参加している各端末装置1からの競技モデルの動作指示データの受信、受信した動作指示データに基づく競技モデルの動作決定および動作後の競技モデルの3次元画像データの競技に参加している端末装置1および観客(視聴している端末装置1)への送信、競技に参加している各端末装置1宛および視聴希望者の端末装置宛)等を行い、勝敗の決定、制限時間の経過、若しくは競技終了(中止、停止を含む)指示があるまで競技を続行し、競技修了指示があるとその競技を終了する(ステップS17)。なお、競技サーバー4は、競技モデルが認証済みの競技モデルの場合は、端末装置1に3次元画像データを送信する際に、その競技モデルの合格証書データも送信する。
なお、サイト上での競技方法については、既知の各種の競技方法(例えば、特許文献1(特開2006−65010号公報)に開示の技術)や、ゲーム装置(例えば、特許文献2(特許第3144375号公報)に開示の技術)を摘要することができる。
【0043】
図6は、競技参加申し込み時の電子ゲーム装置側の動作例を示すフローチャートである。
競技に参加を希望するユーザ(以下、「競技参加希望者」)は所持する端末装置1を操作して、ウエブサイトの選択メニューから競技サイトを選択すると表示される参加要求画面に、参加を希望する競技、日時、対戦相手、参加する競技モデルが登録済みの場合はその登録番号を入力する。端末装置1は入力されたデータを含む参加要求データを作成し、参加したい競技サイトあてに送信し、競技サイトからのデータ受信を待つ(ステップT1)。
【0044】
次に、端末装置1は競技サイト(管理サーバー3)から受信するデータを調べ、参加可能な競技および競技モデルの類型一覧表データ、参加申請用画面データを受信するとステップT3に進み、アラート表示用のデータ(アラート用データ)を受信するとステップT5に進み、認証済み通知および認証済み競技モデルの登録番号を受信するとステップT8に進み、競技開始可能通知を受信するとステップT10に進み、競技開始通知および操作案内を受信するとステップT11に進む(ステップT2)。
【0045】
端末装置1は、参加可能な競技および競技モデルの類型一覧表データ等を受信すると、参加可能な競技および競技モデルの類型一覧表および参加申請書を表示して、参加希望者に参加申請書へのキー入力を促し(ステップT3)、参加申請書へのキー入力が終了するとその参加申請書(参加申請データ)を競技サイト(管理サーバー3)宛送信する。なお、構造データの送信要求メッセージを受信した場合は、参加する競技モデルの構造データを保存メモリから取り出して参加申請書(参加申請データ)と共に管理サーバー3宛送信し、ステップT2に戻る(ステップT4)。
【0046】
端末装置1は、アラート表示用のデータ(アラート用データ)を受信するとそのアラート(エレメントの調整を行うか、競技モデルをレンタルするか、参加を中止するか)を表示してユーザの対応を促し(ステップT5)、ユーザからエレメント調整指示入力や属性値の修正入力があると調整要求データを作成して競技サイト(管理サーバー3)宛送信し、ステップT2に戻る(ステップT6)、また、レンタル指示があるとレンタル依頼データを作成して競技サイト(管理サーバー3)宛送信し(ステップT7)、参加中止指示があると処理を中止(終了)する(ステップT8)。
【0047】
端末装置1は、認証済み通知および認証済み競技モデルの登録番号を受信するとそれらを表示すると共に、登録番号を競技モデルと対応付けて保存メモリに記録し、ステップT2に戻る(ステップT9)。
【0048】
端末装置1は、競技開始可能通知を受信すると、その旨のメッセージを表示してユーザに知らせ、ステップT2に戻る(ステップT10)。
【0049】
端末装置1は、競技開始通知および操作案内を受信すると、ユーザの競技モデルを動作させるためにユーザが行うキー操作に従って、競技モデルの動作指示データを競技サイト(競技サーバー4)宛に送信する(ステップT11)。
【0050】
そして、競技サーバー4から送信されるユーザ側の競技モデルおよび相手側の競技モデルの3次元画像データおよび背景データを元に競技を3次元画像表示し(ステップT12)、表示される競技中のユーザ側および相手側の競技モデルの3次元画像を見て、ユーザの競技モデルを動作させるためにユーザが行うキー操作に基づく動作指示データを競技サーバー宛送信する(ステップT13)。なお、競技サーバー4から送信されるユーザ側の競技モデルおよび相手側の競技モデルが認証済みの競技モデルの場合は、3次元画像データと共に合格証書データも送信されるので、ステップT13で表示される3次元画像のうち認証済み画像には合格証書がその画像近傍の見やすい位置に表示される。
【0051】
以下、勝敗が決定するか、競技時間を経過するか、ユーザが競技終了指示を行うまで上記ステップT12、T13の動作を繰り返し勝敗が決定するか、競技時間を経過するか、ユーザが競技終了指示操作を行うと競技処理を終了する。なお、ユーザが終了指示操作を行った場合は終了通知を競技サーバーに送信する(ステップT14)。
【0052】
上記実施例では、端末装置1から出場する各競技モデルが仮想競技場(競技サイト)で競技を行う場合の動作例について述べたが、本発明の競技モデルの認証方法は、前述した特許文献2(特許第3144375号公報)に開示の電子ゲーム装置のように、複数のゲーム機において同じ競技プログラム用いて複数の競技モデルでの競技を行う場合についても適用できる。つまり、競技モデルが認証済みの端末装置1に対し、管理サーバー3からその競技プログラムおよび競技相手(対戦相手)の競技モデルの3次元画像データを送信し、それらの端末装置1の間で競技を行うようにすることもできる。
【0053】
また、観客(視聴を希望するユーザ)にその観客の端末装置1から競技の勝敗や人気度を投票させて視聴サーバー5に送信し、視聴サーバー4はその結果を集計して集計結果を閲覧希望者の端末1に送信したり、競技モデル購」入の希望者を募集してモデルの複製をサイトから販売(つまり、販売対象の競技モデルの構造データ若しくは3次元画像データを販売)することもできる。
また、観客からも入場料を集め(つまり、視聴サーバー5が、その競技を視聴するユーザに課金を行い、それを賞金化し、所定順位に応じて(優勝者や準優勝の競技モデル)の所有者に賞金を払うように構成してもよい。なお、サイト運営のための費用として、キャッシュフロー毎にサイト側は手数料を徴収したり、成功報酬を得るように構成する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】仮想空間における競技場システムを構成するハードウエア構成の一実施例を示す図である。
【図2】本発明の管理サーバーの一実施例の内部構成を示すブロック図であり本
【図3】参加基準データベースの主要構造を示す図である。
【図4】競技データベースの主要構成を示す図である。
【図5】競技参加申し込み時の管理サーバーの動作例を示すフローチャートである。
【図6】競技参加申し込み時の電子ゲーム装置の動作例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0055】
1 端末装置
3 管理サーバー
4 競技サーバー
5 視聴サーバー
6 参加基準データベース
8 競技モデルデータベース
32 一時記憶メモリ
33 プログラム記憶メモリ
60 参加基準データ
61 競技モデルの類型
63−1〜63−m エレメント別参加基準データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
競技種目によって規定される競技モデルの3次元標準モデルについて、その3次元構造を構成する各エレメントの属性および属性値の許容範囲をそれぞれ記憶してなる参加基準データと、
ネットワークを介して接続された任意の端末装置からの仮想競技への参加申し込みに応じて参加する3次元競技モデルの構造データを取得する構造データ取得手段と、
3次元競技モデルの構造データからその3次元競技モデルの3次元構造を構成する各エレメントの属性および属性値を取得するエレメント解析手段と、
前記エレメント解析手段によって取得された3次元競技モデルの各エレメントの属性値が前記3次元競技モデルと同一類型である標準モデルの参加基準データに記憶されている各エレメントの属性値の許容範囲内にあるか否かを判定し、前記3次元競技モデルのすべてのエレメントの属性値が前記参加基準データの対応するエレメントの属性値の許容範囲内の場合に前記3次元競技モデルの競技参加資格を認証する認証手段と、
を備えたことを特徴とする競技モデルの参加認証装置。
【請求項2】
前記認証手段により認証されなかったとき、前記3次元競技モデルのエレメントを前記端末装置側でアラート表示するためのアラート表示データを該端末に送信するアラートデータ送信手段と、
前記端末から送信される調整指示データに基づいて、属性値が前記参加基準データの対応するエレメントの属性値の許容範囲外である前記3次元競技モデルのエレメントの属性値を前記許容範囲内に調整する調整手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の参加認証装置。
【請求項3】
前記アラートデータ送信手段によって送信されるアラート表示データは、前記認証手段により認証されなかった3次元競技モデルのエレメントのうち属性値が欠落しているエレメントに係る表示データを含み、
前記調整手段は、前記認証手段により認証されなかった3次元競技モデルのエレメントのうち属性が欠落しているエレメントについて、前記端末から送信される調整指示データに基づいて前記許容範囲内の属性値を補充することを特徴とする請求項2に記載の参加認証装置。
【請求項4】
前記端末から送信される調整指示データは、該端末において入力されたエレメント毎の属性値の修正データを含むことを特徴とする請求項2または3に記載の参加認証装置。
【請求項5】
前記参加基準データは、3次元競技モデルの類型別の標準モデルについてそれぞれデータベースに登録されていることを特徴とする請求項1に記載の参加認証装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−99210(P2010−99210A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−272595(P2008−272595)
【出願日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】